説明

AD変換方法

【課題】 分解能が低いAD変換回路を用いる場合であっても分解能が高いデジタル信号を得ることができる方法を、AD変換回路のレンジ内での変換が可能であって、且つ安価で小規模な構成で実現できるAD変換方法を提供する。
【解決手段】 アナログ信号を予め決められた所定の分解能で複数の出力電圧値から成るデジタル信号に変換するAD変換回路20を用い、複数の出力電圧値の各間隔よりも小さい振幅を有するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換方法において、アナログ信号に所定の電圧値を有するオフセット電圧を印加することによって、アナログ信号の電圧値を、AD変換回路20の所定の分解能に基づくデジタル信号の複数の出力電圧のうちのいずれかの出力電圧値に接近させた後、所定のオフセット電圧が印加されたアナログ信号をAD変換回路20によってデジタル信号に変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ信号をデジタル信号に変換するためのAD変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路(通常、ADコンバータと呼ばれているものである)としては、従来から積分型、逐次比較型、並列比較型等様々な方式で実行される回路が存在している。
【0003】
ここで一般的なAD変換回路における、アナログ−デジタル変換の原理の概略について説明する。
図6に示すように、アナログ信号f1をデジタル信号に変換するには、所定のサンプリング時間tおきにアナログ信号f1の電圧値を測定し、この測定値をデジタル化して行なわれる。サンプリング周波数がアナログ信号の周波数よりも小さいと、アナログ信号の波形を正確に再現することはできない。
【0004】
また、AD変換回路は、その分解能により大きく性能が異なってくる。
図7に示すように、例えば分解能が2ビットであれば、AD変換回路への入力電圧に対して出力電圧は、00,01,10,11の4つの値しか持たないため、入力電圧に対する量子化誤差が大きいといえる。
また、分解能を4ビットにすると、図8に示すようにAD変換回路への入力電圧に対して出力電圧は、0000,0001,0010,0011,・・・1111の16の値を持つので、2ビットの場合に比較して量子化誤差が小さいと言える。
このように、AD変換回路は予め設定されている分解能に基づいて、その量子化誤差の大きさが決まってくる。
【0005】
なお、図9に示すように、AD変換回路が予め有している分解能によって決まる出力電圧の幅よりも振幅が小さいアナログ信号では、その振幅の変化は出力電圧には全く反映されず、一定の値の電圧が出力信号として出力されるだけである(図9は、例えば、図7の分解能を有するAD変換回路に対して、アナログ信号f2のような波形が入力される場合を示している)。
そこで、振幅の小さいアナログ信号であっても、低い分解能のAD変換回路で高い分解能のデジタル信号を得ることができる構成が従来から考え出されてきている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
これら特許文献1および特許文献2に記載された、低い分解能のAD変換回路で高い分解能のデジタル信号を得ることができる方法としては、一旦AD変換させたデジタル信号をDA変換してアナログ信号に戻し、このアナログ信号と元のアナログ信号との差を増幅させるという手法が取られている。
【特許文献1】特開2001−102927号公報
【特許文献2】特開平9−15272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
信号の振幅が小さいアナログ信号をデジタル信号に変換する際には、分解能が高いAD変換回路を選択する必要があったが、一般的に分解能が高いAD変換回路は高価であるので、このようなAD変換回路を組込んだ製品全体のコストアップが避けられないという課題がある。
また、従来の技術で説明したように、一旦AD変換されたデジタル信号をDA変換してアナログ信号に戻し、戻されたアナログ信号と元のアナログ信号との差分を増幅させる構成では、DA変換回路および差動増幅回路が必要となるために回路構成が大型化してしまうという課題がある。また、差動増幅回路のゲインによっては増幅させた信号がAD変換回路のレンジから外れてしまい、AD変換が困難になる場合もあるという課題がある。
【0008】
本発明者は上記課題を解決すべく検討した結果、元のアナログ信号を増幅させるという考え方ではなく、元のアナログ信号にオフセット電圧を印加することで今までにない方法でAD変換時の分解能を上げることができるのではないかと考え、本発明に想到した。
【0009】
そこで、本発明は、分解能が低いAD変換回路を用いる場合であっても分解能が高いデジタル信号を得ることができる方法を、AD変換回路のレンジ内での変換が可能であって、且つ安価で小規模な構成で実現できるAD変換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明にかかるAD変換方法によれば、アナログ信号を予め決められた所定の分解能で複数の出力電圧値から成るデジタル信号に変換するAD変換回路を用い、前記複数の出力電圧値の各間隔よりも小さい振幅を有するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換方法において、前記アナログ信号に所定の電圧値を有するオフセット電圧を印加することによって、前記アナログ信号の電圧値を、前記AD変換回路の所定の分解能に基づくデジタル信号の複数の出力電圧のうちのいずれかの出力電圧値に接近させた後、前記所定のオフセット電圧が印加されたアナログ信号を前記AD変換回路によってデジタル信号に変換することを特徴としている。
この方法による作用は、次の通りである。すなわち、出力可能な出力電圧値の間にアナログ信号が位置しており、アナログ信号の振幅が小さく、低電圧側の出力電圧値にも高電圧側の出力電圧値のいずれにもアナログ信号の波形の頂点(ピーク)が位置しない場合、アナログ信号にオフセットをかけてアナログ信号を振幅の大きさはそのままにしてアナログ信号を出力電圧値付近へ位置させる。すると、アナログ信号の振幅の頂点が出力電圧値に掛かる部位も出てくるので、アナログ信号の振幅の頂点が出力電圧値の上か下かでAD変換することができる。
【0011】
また、前記オフセット電圧の電圧値は、該オフセット電圧を印加した前記アナログ信号の振幅の上限値と下限値との間に前記いずれかの出力電圧値が配置されるような位置になる値であることを特徴としている。
この方法によれば、アナログ信号の振幅がAD変換回路の分解能と比較してきわめて小さい場合であっても、AD変換を行なうことができる。
【0012】
本発明にかかるAD変換方法によれば、アナログ信号を予め決められた所定の分解能で複数の出力電圧値から成るデジタル信号に変換するAD変換回路を用い、前記複数の出力電圧値の間隔よりも小さい振幅を有するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換方法において、前記AD変換回路の所定の分解能に基づくデジタル信号の複数の出力電圧値の各電圧値の間隔よりも小さい電圧値を有するオフセット電圧を、前記アナログ信号に印加してAD変換回路でサンプリングし、前記オフセット電圧を前記アナログ信号に印加してAD変換回路でサンプリングする動作を、前記オフセット電圧の電圧値を変更して同じアナログ信号を用いて複数回行い、複数回行なって得られたサンプリング結果のうち、2つの出力電圧値の数がほぼ同数であるときに印加したオフセット電圧を基準オフセット電圧として設定し、該基準オフセット電圧を印加したアナログ信号を、前記AD変換回路によってデジタル信号に変換することを特徴としている。
この方法によれば、アナログ信号に印加するための適正な電圧値のオフセット電圧を設定することができるので、振幅が小さいアナログ信号を分解能が低いAD変換回路を用いてAD変換を確実に行なうことができる。
また、2つの出力電圧値のうちの低い出力電圧値を得た回数から2つの出力電圧値のうちの高い出力電圧値を得た回数を差し引いた数が、負の値となったときのオフセット電圧の電圧値を、基準オフセット電圧として設定するようにしてもよい。
【0013】
本発明にかかるAD変換方法によれば、アナログ信号を予め決められた所定の分解能で複数の出力電圧値から成るデジタル信号に変換するAD変換回路を用い、前記複数の出力電圧値の間隔よりも小さい振幅を有するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換方法において、前記AD変換回路の所定の分解能に基づくデジタル信号の複数の出力電圧値の各電圧値の間隔をn個(n:2以上の整数)に分割した際の1つの電圧値を単位電圧値とし、該単位電圧値をm倍にした電圧値(m:0〜nまでの整数)をオフセット電圧として、同じアナログ信号に電圧値を変えてn回印加し、該オフセット電圧を印加したn個のアナログ信号をAD変換回路でそれぞれサンプリングし、n回行なって得られたサンプリング結果のうち、n回行なって得られたサンプリング結果のうち、2つの出力電圧値の数がほぼ同数であるときに印加したオフセット電圧を基準オフセット電圧として設定し、該基準オフセット電圧を印加したアナログ信号を、前記AD変換回路によってデジタル信号に変換することを特徴としている。
この方法によれば、アナログ信号に印加するための適正な電圧値のオフセット電圧を設定することができるので、振幅が小さいアナログ信号を分解能が低いAD変換回路を用いてAD変換を確実に行なうことができる。
また、2つの出力電圧値のうちの低い出力電圧値を得た回数から2つの出力電圧値のうちの高い出力電圧値を得た回数を差し引いた数が、負の値となったときのオフセット電圧の電圧値を、基準オフセット電圧として設定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のAD変換方法によれば、AD変換回路の分解能ではAD変換できないような小さい振幅のアナログ信号であっても、AD変換を良好に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、AD変換方法について、図面に基づいて説明する。
図1に、本発明のAD変換方法を実行可能な概略構成について示している。
被測定信号であるアナログ信号は、ADコンバータ20(特許請求の範囲ではAD変換回路と称している)に入力される。ADコンバータ20は、所定の分解能でアナログ信号をデジタル信号に変換する回路である。ADコンバータ20の変換方式は、特に積分型、逐次比較型、並列比較型等のいずれかの方式に限定されるものではない。
【0016】
ADコンバータ20に入力される前のアナログ信号には、オフセット電圧発生器21で発生させたオフセット電圧が印加できるように設けられている。
オフセット電圧発生器21は、オフセット電圧の電圧値を後述する制御部22が任意に設定可能である。
【0017】
制御部22は、CPU、ROM、RAM等から構成されており、ROM内に記憶された制御プログラムによってCPUが所定の動作を行なうように設けられている。
すなわち制御部22は、制御プログラムに記述された実行動作に基づいて、ADコンバータ20およびオフセット電圧発生器21を制御し、アナログ信号にオフセット電圧を印加してADコンバータ20が有する固有の分解能に基づく出力電圧値にアナログ信号を近づけ、アナログ信号の小さい振幅が接近した出力電圧値を跨ぐようにする(オフセット電圧を印加したアナログ信号の振幅の上限値と下限値との間にいずれかの出力電圧値を配置する)ことで、ADコンバータ20の分解能よりも高い分解能で、アナログ信号をAD変換する。
【0018】
以下、制御部22が実行するAD変換方法について、さらに具体的な例を説明する(図2〜図5参照)。
制御部22は、まずオフセット電圧を決めるための動作を行なう。ここで、ADコンバータ20の分解能に基づく出力電圧値として、D1(v)、D2(v)の2つの電圧値が予め当該ADコンバータ20の固有の値として設定されているものとする。
制御部22は、ADコンバータ20の出力電圧値D1とD2の間をn等分し、n等分したうちの1つの電圧値を単位電圧値n(v)とする。本実施例では、D1とD2の間を4等分している。
【0019】
次に、制御部22は、オフセット電圧を印加しない状態(0v、図2参照)で、所定の長さ(時間的長さ)を有するアナログ信号のサンプリングをADコンバータ20に実行させる。サンプリングした結果は制御部22が記憶する。
サンプリングは、図2、図3に示すように、S1、S2、S3、・・Skの各ポイントで、k回実行される。このサンプリングの回数(周期)は、ADコンバータ20が元々有している固有の値であればよい。
【0020】
さらに制御部22は、オフセット電圧発生器21にn(v)のオフセット電圧を発生させ、先にオフセットを印加しない状態でサンプリングをしたアナログ信号と同じアナログ信号に、このn(v)のオフセット電圧を印加させる。そして、制御部22は、n(v)のオフセット電圧を印加したアナログ信号のサンプリングをADコンバータ20に実行させる。サンプリングした結果は、制御部22が記憶する。
サンプリングのポイントおよび回数(周期)は、上述した場合と同様であってS1、S2、S3、・・Skの各ポイントにおいてk回実行される。
【0021】
このように、制御部22は、同じアナログ信号に対して、オフセット電圧を印加しない状態から、n(v)、2n(v)、3n(v)、4n(v)と、オフセット電圧を単位電圧値n(v)の整数倍(出力電圧値のD1とD2の間を等分した数(本実施例では4)まで)上昇させつつ、その都度サンプリングをADコンバータ20に実行させる。
【0022】
オフセット電圧を複数段階にわたってアナログ信号に印加して、複数のサンプリング結果を得た後、制御部22は、いずれの電圧値のオフセット電圧を印加すればADコンバータ20の分解能よりも高い分解能でAD変換できるかを検証する。
検証は、以下の手順で行なう。
制御部22は、ADコンバータ20がサンプリングした結果のデジタル信号として現れた出力電圧値D1の回数と、現れた出力電圧値D2の回数との比較を、オフセット電圧が0(v)のときから、オフセット電圧がn(v)、2n(v)、3n(v)、4n(v)と各オフセット電圧を印加した場合のそれぞれにおいて行なう。
【0023】
図2のアナログ信号の場合に上記の検証を制御部22が行なうと、図4に示すようにオフセット電圧が0(v)のときは、出力電圧値D2を示す回数は0であり、サンプリング回数k回の全てが出力電圧値D1を示すことが分かる。
次に、制御部22が検証を行なうと、オフセット電圧がn(v)のときも、出力電圧値D2を示す回数は0であり、サンプリング回数k回の全てにおいて、出力電圧値D1を示すことが分かる。
【0024】
さらに、制御部22が検証を行なうと、オフセット電圧が2n(v)のときは、サンプリング回数k回のうち出力電圧値D2を示す回数がわずかに増え、その分出力電圧値D1を示す回数はわずかに減ることが分かる。つまり、オフセット電圧を2n(v)印加した場合には、アナログ信号の波形の頂点(ピーク)のいくつかは出力電圧値D2に達しているということになる。
さらに、制御部22が検証を行なうと、オフセット電圧が3n(v)のときは、サンプリング回数k回のうち出力電圧値D1を示す回数よりも、出力電圧値D2を示す回数の方が多くなることが分かる。つまり、オフセット電圧を3n(v)印加した場合には、アナログ信号の波形の頂点(ピーク)が出力電圧値D2に達した回数と、出力電圧値D1に達した回数とが逆転するのである。
【0025】
そして、制御部22が検証を行なうと、最終的にオフセット電圧が4n(v)のときは、サンプリング回数k回のうち出力電圧値D1を示す回数が0回、出力電圧値D2を示す回数がk回となることが分かる。つまり、アナログ信号にオフセット電圧4n(v)を印加した場合には、アナログ信号の、オフセット電圧0(v)のときの出力電圧値D1に対しての位置と、出力電圧値D2に対しての位置が同じ位置関係になっている。
【0026】
このように、図2のアナログ信号にどの程度のオフセット電圧値を印加すればよいかの検証は、オフセット電圧値を変えてサンプリングした結果を見て、2つの出力電圧値を示した回数に偏りが無いときのオフセット電圧値に決定するような動作を制御部22が実行する。
【0027】
なお、上述したオフセット電圧値の検証は、図5に示すように、オフセット電圧の印加無しからn(v)〜4n(v)まで各オフセット電圧を印加した場合のサンプリングの結果、出力電圧値D1を示した回数と出力電圧値D2を示した回数との差がプラス(正)からマイナス(負)へ移行したときのオフセット電圧値と決定するような方法であってもよい。
つまり、図5に示す場合では、オフセット電圧が3n(v)のときに、出力電圧値D1を示した回数と出力電圧値D2を示した回数との差が負になっているので、制御部22はオフセット電圧を3n(v)に決定する。
【0028】
上述してきたように、ADコンバータ20の分解能を上げることができるオフセット電圧値が決定したのち、実際にアナログ信号をデジタル信号に変換する場合には、常時決定したオフセット電圧値を印加してAD変換を行なうようにする。
なお、別のアナログ信号のAD変換を行なう場合には、あらためてオフセット電圧値を決定する。
【0029】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】AD変換を実行する装置の概略を示すブロック図である。
【図2】オフセット電圧値を決定するための動作について説明する説明図である。
【図3】図2において、オフセット電圧を印加したときの状態を示す説明図である。
【図4】図2および図3においてそれぞれ異なる値のオフセット電圧を複数印加したときにいずれのオフセット電圧が好ましいかを検証する方法について説明する説明図である。
【図5】図4の検証方法において、出力電圧値D1を示した回数と出力電圧値D2を示した回数との差を示す説明図である。
【図6】AD変換の概略を説明する説明図である。
【図7】分解能が2ビットのAD変換回路の性能を示す説明図である。
【図8】分解能が4ビットのAD変換回路の性能を示す説明図である。
【図9】分解能によって決まる出力電圧の幅よりも振幅が小さいアナログ信号が入力された場合について説明する説明図である。
【符号の説明】
【0031】
20 ADコンバータ
21 オフセット電圧発生器
22 制御部
D1 出力電圧値
D2 出力電圧値
f1 アナログ信号
f2 アナログ信号





【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ信号を予め決められた所定の分解能で複数の出力電圧値から成るデジタル信号に変換するAD変換回路を用い、前記複数の出力電圧値の各間隔よりも小さい振幅を有するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換方法において、
前記アナログ信号に所定の電圧値を有するオフセット電圧を印加することによって、前記アナログ信号の電圧値を、前記AD変換回路の所定の分解能に基づくデジタル信号の複数の出力電圧のうちのいずれかの出力電圧値に接近させた後、前記所定のオフセット電圧が印加されたアナログ信号を前記AD変換回路によってデジタル信号に変換することを特徴とするAD変換方法。
【請求項2】
前記オフセット電圧の電圧値は、該オフセット電圧を印加した前記アナログ信号の振幅の上限値と下限値との間に前記いずれかの出力電圧値が配置されるような位置になる値であることを特徴とする請求項1記載のAD変換方法。
【請求項3】
アナログ信号を予め決められた所定の分解能で複数の出力電圧値から成るデジタル信号に変換するAD変換回路を用い、前記複数の出力電圧値の間隔よりも小さい振幅を有するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換方法において、
前記AD変換回路の所定の分解能に基づくデジタル信号の複数の出力電圧値の各電圧値の間隔よりも小さい電圧値を有するオフセット電圧を、前記アナログ信号に印加してAD変換回路でサンプリングし、
前記オフセット電圧を前記アナログ信号に印加してAD変換回路でサンプリングする動作を、前記オフセット電圧の電圧値を変更して同じアナログ信号を用いて複数回行い、
複数回行なって得られたサンプリング結果のうち、2つの出力電圧値の数がほぼ同数であるときに印加したオフセット電圧を基準オフセット電圧として設定し、
該基準オフセット電圧を印加したアナログ信号を、前記AD変換回路によってデジタル信号に変換することを特徴とするAD変換方法。
【請求項4】
複数回行なって得られたサンプリング結果のうち、2つの出力電圧値のうちの低い出力電圧値を得た回数から2つの出力電圧値のうちの高い出力電圧値を得た回数を差し引いた数が、負の値となったときのオフセット電圧の電圧値を、基準オフセット電圧として設定し、
該基準オフセット電圧を印加したアナログ信号を、前記AD変換回路によってデジタル信号に変換することを特徴とする請求項3記載のAD変換方法。
【請求項5】
アナログ信号を予め決められた所定の分解能で複数の出力電圧値から成るデジタル信号に変換するAD変換回路を用い、前記複数の出力電圧値の間隔よりも小さい振幅を有するアナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換方法において、
前記AD変換回路の所定の分解能に基づくデジタル信号の複数の出力電圧値の各電圧値の間隔をn個(n:2以上の整数)に分割した際の1つの電圧値を単位電圧値とし、該単位電圧値をm倍にした電圧値(m:0〜nまでの整数)をオフセット電圧として、同じアナログ信号に電圧値を変えてn回印加し、該オフセット電圧を印加したn個のアナログ信号をAD変換回路でそれぞれサンプリングし、
n回行なって得られたサンプリング結果のうち、2つの出力電圧値の数がほぼ同数であるときに印加したオフセット電圧を基準オフセット電圧として設定し、
該基準オフセット電圧を印加したアナログ信号を、前記AD変換回路によってデジタル信号に変換することを特徴とするAD変換方法。
【請求項6】
n回行なって得られたサンプリング結果のうち、2つの出力電圧値のうちの低い出力電圧値を得た回数から2つの出力電圧値のうちの高い出力電圧値を得た回数を差し引いた数が、負の値となったときのオフセット電圧の電圧値を、基準オフセット電圧として設定し、
該基準オフセット電圧を印加したアナログ信号を、前記AD変換回路によってデジタル信号に変換することを特徴とする請求項5記載のAD変換方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate