説明

ADAMTSタンパク質発現のための細胞培養培地

本発明は、ADAMTS13等の、ADAMTSタンパク質の発現に有用である培養培地を提供する。ADAMTSタンパク質の発現および精製のための方法も提供する。一部の実施形態において、本発明の培地および方法は、高比活性を有するADAMTSタンパク質の発現に有用である。本明細書に提供される方法に従い発現され、精製される、高比活性を有するADAMTS、例えば、ADAMTS13タンパク質組成物もまた提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
トロンボスポンジンモチーフを有するディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ(ADAMTS)タンパク質を発現させるための方法であって、少なくとも約2μMの濃度の亜鉛、または少なくとも約0.5mMの濃度のカルシウムのうちの少なくとも1つを含む培養培地中で、ADAMTSタンパク質をコードする核酸を持つ細胞を培養することを含む、方法。
【請求項2】
前記培養培地は、少なくとも約2μMの亜鉛を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記培養培地は、約2μM〜約12μMの間の亜鉛を含有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記培養培地は、少なくとも約5μMの亜鉛を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記培養培地は、約5μM〜約12μMの間の亜鉛を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記培養培地は、少なくとも約0.5mMのカルシウムを含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記培養培地は、約0.5mM〜約1.5mMの間のカルシウムを含有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記培養培地は、少なくとも2μMの亜鉛と、少なくとも約0.5mMのカルシウムと、を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記培養培地は、少なくとも約2mg/Lのニコチンアミド(ビタミンB3)をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記培養培地は、少なくとも約7mg/Lのニコチンアミド(ビタミンB3)をさらに含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記培養培地は、約2mg/L〜約10mg/Lの間のニコチンアミド(ビタミンB3)を含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記培養培地は、少なくとも約0.5mg/Lのポリアミンをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリアミンは、プトレシンである、請求項12に記載の応法。
【請求項14】
前記培養培地は、約2mg/L〜約8mg/Lの間のプトレシンを含有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記培養培地は、動物性タンパク質を含まない、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記培養培地は、既知組成培地である、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞は、バクテリア細胞、酵母細胞、昆虫細胞、鳥類細胞、および哺乳類細胞から成る群より選択される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記哺乳類細胞は、ヒト細胞系、ハムスター細胞系、およびマウス細胞系から成る群より選択される細胞系である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記細胞系は、CHO細胞系、BHK細胞系、およびHEK細胞系から成る群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記細胞系は、CHO細胞系である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ADAMTSタンパク質をコードする前記核酸は、誘導性プロモーターをさらに含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記方法は、回分細胞培養法を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記回分細胞培養は、反復回分細胞培養である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記回分細胞培養は、流加回分細胞培養である、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、連続細胞培養を含む、請求項1〜21および23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記連続細胞培養は、連続浮遊細胞培養を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記連続細胞培養は、連続付着細胞培養を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記培養は、ケモスタット様式で実施される、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記培養は、灌流様式で実施される、請求項26または27に記載の方法。
【請求項30】
前記細胞を培養するためにマイクロキャリアが使用される、請求項27または29に記載の方法。
【請求項31】
前記マイクロキャリアは、多孔質マイクロキャリアである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記培養は、少なくとも7日間維持される、請求項23および25〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記培養は、少なくとも1ヶ月間維持される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記培養は、少なくとも2ヶ月間維持される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記培養は、約35℃〜約37℃の間の温度で維持される、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記培養は、約6.9〜約7.3の間のpHで維持される、請求項1〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記培養は、約7.05〜約7.15の間のpHで維持される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ADAMTSタンパク質はADAMTS13である、請求項1〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記培養培地中の前記ADAMTS13タンパク質の比活性は、1mgのADAMTS13タンパク質当り少なくとも約600Uである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記培養培地中の前記ADAMTS13タンパク質の比活性は、1mgのADAMTS13タンパク質当り少なくとも約800Uである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記培養は、1日につき1Lの培養物当り少なくとも約400UのADAMTS13活性(U/L/D)をもたらす、請求項38〜40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記培養は、1日につき1Lの培養物当り少なくとも約800UのADAMTS13活性(U/L/D)をもたらす、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ADAMTS組成物を産生するための方法であって、
(a)動物性タンパク質を含まない培養培地中で、ADAMTSタンパク質をコードする核酸を持つ細胞を培養するステップと、
(b)前記培養物から上清の分画を除去するステップと、
(c)あらゆる残留細胞を除去するために、濾過または遠心分離のステップを実施するステップと、
(d)前記ADAMTSタンパク質を濃縮するために、限外濾過ステップを実施するステップと、
(e)少なくとも約0.5μMnの亜鉛と、少なくとも約0.1mMのカルシウムとを含む緩衝液を用いて、透析濾過を実施し、それによってADAMTS組成物を調製するステップと、を含む、方法。
【請求項44】
細胞を培養する前記ステップは、回分細胞培養を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
細胞を培養する前記ステップは、連続細胞培養を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記培養培地は、カルシウムを含有する、請求項43〜45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記培養培地は、少なくとも0.5mMのカルシウムを含有する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記培養培地は、亜鉛を含有する、請求項43〜47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記培養培地は、少なくとも2μMの亜鉛を含有する、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記培養培地は、ニコチンアミド(ビタミンB3)を含有する、請求項43〜49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記培養培地は、少なくとも2mg/Lのニコチンアミド(ビタミンB3)を含有する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記透析緩衝液は、少なくとも約5μMの亜鉛と、少なくとも約2mMのカルシウムと、を含有する、請求項43〜51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記ADAMTSタンパク質はADAMTS13である、請求項43〜52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記ADAMTS13の比活性の約20%未満が、前記ステップ(c)の終わりと前記ステップ(e)の終わりの間に失われる、請求項43〜53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記ADAMTS13の比活性の約10%未満が、前記ステップ(c)の終わりと前記ステップ(e)の終わりの間に失われる、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記ADAMTS13組成物は、少なくとも約1000U/mgの比活性を有する、請求項43〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記ADAMTS13組成物は、少なくとも約1500U/mgの比活性を有する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
請求項1〜42のいずれか1項に記載の方法に従って、細胞培養物中にADAMTSタンパク質を発現させることを含む方法により調製される、ADAMTSタンパク質組成物。
【請求項59】
請求項43〜57のいずれか1項に記載の方法に従う方法により調製される、ADAMTSタンパク質組成物。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−500724(P2013−500724A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523110(P2012−523110)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/044020
【国際公開番号】WO2011/014838
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(501453189)バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム (289)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER HEALTHCARE S.A.
【Fターム(参考)】