説明

AFTRアドレス通知システム、AFTRアドレス通知方法、およびB4装置

【課題】B4装置のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置を配布する必要もなくすことができる。
【解決手段】B4装置10は、DHCP要求をDHCP−PDサーバ20に送信することにより、DHCP−PDサーバ20から、DHCP−PDパケットを受信する。B4装置10は、受信したDHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが追記されているか否かを判定し、追記されている場合には、そのAFTRアドレスを取得する。一方、DHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが追記されていない場合には、B4装置10自身が備えるAFTRアドレス判定情報300を参照して、DHCP−PDパケットに記載された、プレフィックス長およびプレフィックス値を用いて、AFTRアドレスを取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPv6(Internet Protocol version 6)サービスネットワーク上に、DS-lite(Dual-Stack lite)を用いて、IPv4(Internet Protocol version 4)サービスを提供するためのIPv6ネットワークの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
IPv4アドレスの枯渇に伴い、ネットワークのIPv6化が進むといわれている。ネットワークのIPv6化が進む過程で、これまでのIPv4とIPv6との並存期間が続くと考えられる。
【0003】
IPv6ネットワークを介して、IPv4プライベートネットワーク内の端末と、IPv4グローバルネットワーク内のサーバとの間の通信を維持する技術として、DS-liteがある(非特許文献1参照)。
【0004】
このDS-liteは、IPv6ネットワークを経由してIPv4パケットを転送する技術であり、IPv4 in IPv6 カプセル化によりIPv6ネットワーク上でトンネリングする。図1に示すように、DS-liteでは、IPv4プライベートネットワーク1とIPv6ネットワーク3との境界に設置される終端装置として、B4(DS-lite Basic Bridging BroadBand)装置10が設置され、また、IPv4グローバルネットワーク2とIPv6ネットワーク3との境界に設置される終端装置として、AFTR(DS-lite Address Family Transition Router)装置7が設置される。このB4装置10とAFTR装置7との間で、IPv4 in IPv6トンネル(以下、「DS-liteトンネル」とよぶ)4を確立する。そして、B4装置10に、何らかの方法でAFTR装置7のIPv6アドレスを設定しておき、IPv4プライベートネットワーク1内の端末5から送信されたIPv4パケットを、B4装置10がIPv6でカプセル化し、DS-liteトンネル4により、AFTR装置7に送信する。AFTR装置7は、IPv4パケットを取り出して、アドレス変換(NAT(Network Address Translation)処理)を行い、IPv4グローバルネットワーク2内のサーバ6にIPv4パケットを送信する。
【0005】
このB4装置10は、端末5から受信したIPv4パケットについて、端末5のIPv4プライベートアドレスおよびポート番号の書き換えを行わず、そのままIPv6でカプセル化し、DS-liteトンネル4を介して送信する。そして、AFTR装置7は、受信したパケットのカプセル化を解き、端末5のIPv4プライベートアドレスをIPv4グローバルアドレスに変換し、ポート番号を書き換えてからIPv4グローバルネットワーク2へ送信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“Dual-Stack Lite Broadband Deployments Following IPv4 Exhaustion”、[online]、IETF、2010年8月、[平成23年2月11日検索]、インターネット〈URL:http://tools.ietf.org/html/draft-ietf-softwire-dual-stack-lite-06〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このDS-liteトンネルを使ったIPv4通信を実現するためには、事前にB4装置10に、AFTR装置7のIPv6アドレスを設定しておく必要がある。
しかしながら、従来技術において、B4装置10にこのAFTR装置7のIPv6アドレスを設定するには、ユーザ自身による設定を要求するか、または、ネットワーク管理者側で、各ユーザの端末5に対応するAFTR装置7のIPv6アドレスをB4装置10に設定して準備し、その準備したB4装置10を、そのユーザに配布しなければならなかった。
【0008】
さらに、あるB4装置10に設定されているAFTR装置7のIPv6アドレス(以下、「AFTRアドレス」とよぶ)を変更したい場合においても、B4装置10のAFTRアドレスは従来技術では外部から変更できないため、ユーザ自身に設定変更を要求するか、または、変更後のAFTRアドレスが設定された別のB4装置10をユーザに配布し、既存のB4装置10を回収するセンドバック処理を行う必要があった。
【0009】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、B4装置10のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置10を配布する必要もなくすことができる、AFTRアドレス通知システム、AFTRアドレス通知方法、およびB4装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するため、本発明は、IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムであって、前記DHCP−PDサーバが、複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールが記憶される記憶部と、前記B4装置から、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を取得するDHCP要求取得部と、前記取得したDHCP要求に応じて、前記プレフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスのプレフィックス長およびプレフィックス値を記載したDHCP−PDパケットを生成するDHCP−PD処理部と、前記生成したDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するDHCP−PD送信部と、を備え、前記B4装置が、前記DHCP−PDパケットの前記プレフィックス長および前記プレフィックス値ごとに、前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくも1つに対応付けて前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス判定情報を記憶する記憶部と、前記DHCP−PDサーバに、前記DHCP要求を送信するDHCP要求送信部と、前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するDHCP−PD取得部と、前記取得したDHCP−PDパケットに、前記AFTRアドレスが記載されているか否かを判定するAFTRアドレス判定部と、前記AFTRアドレスが記載されている場合に、当該DHCP−PDパケットから前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報抽出部と、前記AFTRアドレスが記載されていない場合に、当該DHCP−PDパケットから前記プレフィックス長および前記プレフィックス値を取得し、前記取得した前記プレフィックス長および前記プレフィックス値について、前記AFTRアドレス判定情報を参照し、前記AFTRアドレス判定情報に格納された前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、当該プレフィックス長および当該プレフィックス値に対応付けた前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報生成部と、を備えることを特徴とするAFTRアドレス通知システムとした。
【0011】
このようにすることで、B4装置は、DHCP−PDサーバから受信したDHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが記載されているか否かを判定する。そして、B4装置は、DHCP−PDパケットにAFTRアドレスが記載されている場合には、そのDHCP−PDパケットからAFTRアドレスを取得する。一方、B4装置は、DHCP−PDパケットにAFTRアドレスが記載されていない場合には、DHCP−PDパケットからプレフィックス長およびプレフィックス値を取得し、AFTRアドレス判定情報に格納されたプレフィックス長とプレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、対応するAFTRアドレスをAFTRアドレス判定情報から取得する。
【0012】
よって、本発明によれば、B4装置のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置を配布する必要もなくすことができる。さらに、B4装置は、既存のDHCP−PDパケットに追記されたAFTRアドレスを取得できるとともに、DHCP−PDパケットにAFTRアドレスが追記されていないときでも、そのDHCP−PDパケットに記載されたプレフィックス長とプレフィックス値を用いてAFTRアドレスを取得することができる。
【0013】
また、本発明は、IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムであって、前記DHCP−PDサーバが、複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールごとに、当該プレフィックスプールのIPv6プレフィックスを割り当てる前記B4装置の前記IPv4 in IPv6トンネルの設定に必要な前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス情報を記憶する記憶部と、前記B4装置から、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を取得するDHCP要求取得部と、前記取得したDHCP要求に応じて、前記プレフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスを記載したDHCP−PDパケットを生成するDHCP−PD処理部と、前記生成したDHCP−PDパケットに、前記B4装置の前記IPv4 in IPv6トンネルの設定に必要な前記AFTRアドレスを追記するAFTRアドレス追記部と、前記AFTRアドレスが追記されたDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するDHCP−PD送信部と、を備え、前記B4装置が、前記DHCP−PDサーバに、前記DHCP要求を送信するDHCP要求送信部と、前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するDHCP−PD取得部と、前記DHCP−PDパケットから前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報抽出部と、を備えることを特徴とするAFTRアドレス通知システムとした。
【0014】
このようにすることで、DHCP−PDサーバは、生成したDHCP−PDパケットにAFTRアドレスを追記して、B4装置に送信できる。B4装置は、受信したDHCP−PDパケットからAFTRアドレスを取得できる。
よって、本発明によれば、B4装置のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置を配布する必要もなくすことができる。
【0015】
また、本発明は、IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムであって、前記DHCP−PDサーバが、複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールが記憶される記憶部と、前記B4装置から、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を取得するDHCP要求取得部と、前記取得したDHCP要求に応じて、前記プレフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスのプレフィックス長およびプレフィックス値を記載したDHCP−PDパケットを生成するDHCP−PD処理部と、前記生成したDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するDHCP−PD送信部と、を備え、前記B4装置が、前記DHCP−PDパケットの前記プレフィックス長および前記プレフィックス値ごとに、前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくも1つに対応付けて前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス判定情報を記憶する記憶部と、前記DHCP−PDサーバに、前記DHCP要求を送信するDHCP要求送信部と、前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するDHCP−PD取得部と、前記DHCP−PDパケットから前記プレフィックス長および前記プレフィックス値を取得し、前記取得した前記プレフィックス長および前記プレフィックス値について、前記AFTRアドレス判定情報を参照し、前記AFTRアドレス判定情報に格納された前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、当該プレフィックス長および当該プレフィックス値に対応付けた前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報生成部と、を備えることを特徴とするAFTRアドレス通知システムとした。
【0016】
このようにすることで、B4装置は、DHCP−PDサーバから取得したDHCP−PDパケットに記載されたプレフィックス長とプレフィックス値とを用いて、AFTRアドレス判定情報を参照し、AFTRアドレス判定情報に格納されたプレフィックス長とプレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、対応するAFTRアドレスをAFTRアドレス判定情報から取得することができる。
よって、本発明によれば、B4装置がIPv6プレフィックスの割当てを受ける、既存のDHCP−PDパケットを利用して、AFTRアドレスを取得することができる。したがって、B4装置のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置を配布する必要もなくすことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、B4装置のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置を配布する必要もなくすことができる、AFTRアドレス通知システム、AFTRアドレス通知方法、およびB4装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術におけるDS-liteを用いたネットワーク構成を説明するための図である。
【図2】本実施形態に係るAFTRアドレス通知システムを含むネットワークシステム全体の構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス通知システムの構成例を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス判定情報のデータ構成を示す図である。
【図5】図4に示したAFTRアドレス判定情報の入力画面の例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス判定処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るAFTRアドレス通知システムの構成例を示すブロック図である。
【図8】DHCP−PDパケットのオプションフィールドにAFTRアドレスを追記した例を説明するための図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係るAFTRアドレス通知システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」とよぶ)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
先ず、本実施形態に係るAFTRアドレス通知システムを含むネットワークシステム全体の構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態におけるネットワークシステムは、IPv4プライベートネットワーク1内の端末(例えば、PC(Personal Computer))5と接続され、IPv4プライベートネットワーク1とIPv6ネットワーク3との境界に設置される終端装置であるB4装置10、IPv4グローバルネットワーク2内のサーバ6と接続され、IPv4グローバルネットワーク2とIPv6ネットワーク3との境界に設置される終端装置であるAFTR装置7、および、B4装置10にIPv6ネットワーク3を介して接続されるDHCP−PD(Dynamic Host Configuration Protocol Prefix Delegation)サーバ20を、含んで構成される。このDHCP−PDサーバ20は、ネットワークに接続される機器からの要求(DHCP要求)に応じて、DHCP−PDサーバ20自身が保持するプレフィックスプール(IPv6プレフィックス群)から不使用のIPv6プレフィックスを選び、要求した機器に、そのIPv6プレフィックス等をDPCP−PDパケットとして送信して割り当てる装置である。また、B4装置10は、事前に設定したAFTR装置7のIPv6アドレス(AFTRアドレス)を用いて、B4装置10とAFTR装置7との間で設定したDS-liteトンネル4を介し、IPv4パケットをIPv6でカプセル化して送信する。
なお、本実施形態において、AFTRアドレス通知システムとは、図2に示したネットワークシステムの内、IPv6ネットワーク3で接続されたB4装置10およびDHCP−PDサーバ20のことを意味する。
【0021】
このB4装置10が、AFTR装置7のAFTRアドレスを取得する方法として、本実施形態では、DHCP−PDサーバ20からIPv6プレフィックスの通知のために送信されるDHCP−PDパケットを利用する、以下に示す3つの方法について説明する。
(1)DHCP−PDパケットに含まれる、プレフィックス長およびプレフィックス値を用いて、B4装置10がAFTRアドレスを取得する方法。
(2)DHCP−PDサーバ20が、DHCP−PDパケットにAFTRアドレスを追記してB4装置10に送信し、B4装置10が追記されたAFTRアドレスを取得する方法。
(3)(1)の方法と(2)の方法の組み合わせであり、B4装置10が、DHCP−PDパケットを受信すると、先ず、そのDHCP−PDパケットにAFTRアドレスが追記されているか否かを判定し、追記されていれば、(2)の方法を実行し、AFTRアドレスが追記されていなければ、(1)の方法を実行する方法である。
以下、(1)〜(3)のAFTRアドレス通知方法について、具体的に説明する。
【0022】
≪第1の実施形態≫
先ず、本発明の第1の実施形態(前記した(1)のAFTRアドレス通知方法)として、DHCP−PDパケットに含まれる、プレフィックス長およびプレフィックス値を用いて、B4装置10がAFTRアドレスを取得する方法について説明する。
【0023】
図3は、本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100a)の構成例を示すブロック図である。
最初に、本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100a)が行う処理の流れを説明する。
【0024】
先ず、B4装置10(10a)からのDHCP要求に応じて、DHCP−PDサーバ20(20a)は、自身の備えるプレフィックスプール200から不使用のIPv6プレフィックスを選択し、プレフィックス長およびプレフィックス値を記載したDHCP−PDパケットを生成して、B4装置10aに送信する。B4装置10aには、予め、プレフィックス長およびプレフィックス値に関する判定条件(後記する、判定プレフィックス長および判定プレフィックス値)に優先番号を付け、その判定条件に一致したときのAFTRアドレスを設定した情報(後記する、AFTRアドレス判定情報300)を記憶しておく。そして、DHCP−PDサーバ20aからDHCP−PDパケットを受信したB4装置10aは、DHCP−PDパケットから、プレフィックス長およびプレフィックス値を取得し、AFTRアドレス判定情報300を参照して、優先番号順に、判定条件となる判定プレフィックス長と判定プレフィックス値の少なくとも1つに一致するか否かを判定し、一致する場合には、その判定条件に対応付けられたAFTRアドレスを、AFTRアドレス判定情報300から取得する。
【0025】
このようにすることで、ユーザ自身による設定や、各ユーザの端末5に対応したAFTRアドレスを設定したB4装置の配布を行うことなく、既存の装置(DHCP−PDサーバ)による既存の処理(DHCP−PDパケットの受信)を利用して、B4装置10aが、AFTR装置7のAFTRアドレスを取得することができる。
【0026】
次に、本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100a)を構成する、B4装置10(10a)およびDHCP−PDサーバ20(20a)について、図3を参照して説明する。
【0027】
(B4装置10a)
B4装置10(10a)は、IPv4プライベートネットワーク1とIPv6ネットワーク3との境界に設置され、AFTR装置7との間で設定したDS-liteトンネル4を介し、IPv4パケットをIPv6でカプセル化して送信する(図2参照)。そして、このB4装置10aは、図3に示すように、制御部11と、入出力部12と、メモリ部13と、記憶部14とを備える。
【0028】
入出力部12は、IPv6ネットワーク3を介して接続されるDHCP−PDサーバ20、AFTR装置7や、IPv4プライベートネットワーク1を介して接続される端末5等との間で情報の送受信を行う通信インタフェースと、不図示のキーボード等の入力装置やモニタ等の出力装置との間で情報の入出力を行う入出力インタフェースとから構成される。
【0029】
メモリ部13は、RAM(Random Access Memory)等の一次記憶装置からなり、制御部11の処理に必要な情報を一時的に記憶する。
【0030】
記憶部14は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置からなり、AFTRアドレス判定情報300が記憶される。
【0031】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス判定情報300のデータ構成を説明するための図である。
図4に示すように、AFTRアドレス判定情報300には、判定条件310およびその判定条件310を満たす場合に設定されるAFTRアドレス320が格納される。そして、この判定条件310には、優先番号311ごとに、判定プレフィックス長312、および判定プレフィックス値313が格納される。優先番号311は、この判定条件を満たすか否かを判定処理する優先順を示し、後記する、B4装置10のAFTRアドレス情報生成部141は、DHCP−PDパケットから取得したプレフィックス長と、プレフィックス値とが、この判定プレフィックス長312と判定プレフィックス値313の少なくとも1つと一致するかを、優先番号311順に判定し、一致した場合には、その判定条件310に対応付けられたAFTRアドレス320を、AFTR装置7のAFTRアドレスとして取得する。
なお、設定された判定条件310のいずれにも一致しない場合に備えて、DEFAULT314に対応するAFTRアドレス320が設定される。
【0032】
図3に戻り、制御部11は、B4装置10a全体の制御を司り、判定情報設定部110と、DHCP要求送信部120と、DHCP−PD取得部130と、アドレス情報処理部140と、パケット処理部150とを含んで構成される。なお、この制御部11は、例えば、B4装置10aの記憶部14に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が、メモリ部13であるRAMに展開し実行することで実現される。
【0033】
判定情報設定部110は、入出力部12を介して、不図示の入力装置等から、AFTRアドレス判定情報300(図4参照)の入力を受け付け、受け付けたAFTRアドレス判定情報300を記憶部14に記憶する。
この判定情報設定部110は、例えば、図5に示すように、AFTRアドレス判定情報の入力画面350を、入出力部12を介して、不図示のモニタ等の出力装置に表示させる。図5は、図4に示したAFTRアドレス判定情報300が、入力された例である。この図5に示すAFTRアドレス判定情報の入力画面350を介して、ネットワーク管理者等により、優先番号311ごとに、判定プレフィックス長312、判定プレフィックス値313のどちらかまたは両方が設定され、その判定条件310に対応するAFTRアドレス320が設定される。また、判定条件310のいずれにも一致しなかったときのため、DEFAULT314に対応したAFTRアドレス320が設定される。
【0034】
なお、この判定情報設定部110は、図5に示したAFTRアドレス判定情報の入力画面350において、判定条件310を受け付ける際に、例えば、以下のようなチェック要件を備えるようにすることができる。
・判定プレフィックス長、判定プレフィックス値のいずれかが指定されること、
・判定プレフィックス長は、判定プレフィックス値の長さよりも大きいこと、
なお、判定プレフィックス値の長さは、例えば、判定プレフィックス値313が「2001:db8:a000::/36」のプレフィックス値の場合に、「/36」で示される、プレフィックス値の先頭から36ビットまでの長さを示す。
【0035】
判定情報設定部110は、ネットワーク管理者等により、このAFTRアドレス判定情報の入力画面350に入力が行われ、更新ボタン351の選択入力がされた際に、上記のチェック要件を満たさなければ、例えば、「必要項目の入力がありません。」「入力した数値に誤りがあります。」等の情報を画面に表示させる。そして、判定情報設定部110は、ネットワーク管理者等により、キャンセルボタン352が選択入力されることで、再度データを入力させることができる。
【0036】
図3に戻り、DHCP要求送信部120は、例えば、B4装置10aの電源がONされること等を契機として、ネットワーク設定を行うため、IPv6ネットワーク3での通信に必要なIPv6プレフィックス等の情報を要求するDHCP要求を、DHCP−PDサーバ20aに送信する。
【0037】
DHCP−PD取得部130は、DHCP−PDサーバ20aから、プレフィックス長およびプレフィックス値が記載されたDHCP−PDパケットを、入出力部12を介して取得する。そして、DHCP−PD取得部130は、その取得したDHCP−PDパケットを、アドレス情報処理部140に引き渡す。
【0038】
アドレス情報処理部140は、取得したDHCP−PDパケットから、プレフィックス長およびプレフィックス値を取得して、B4装置10a自身のIPv6アドレスを設定する。また、アドレス情報処理部140は、DHCP−PDパケットを利用して、AFTRアドレスを取得する。具体的には、アドレス情報処理部140は、AFTRアドレス情報生成部141を備えており、AFTRアドレス情報生成部141は、取得したDHCP−PDパケットからプレフィックス長およびプレフィックス値を取得する。その取得したプレフィックス長およびプレフィックス値に対して、AFTRアドレス情報生成部141は、AFTRアドレス判定情報300(図4)を参照し、判定条件310となる判定プレフィックス長312と判定プレフィックス値313を抽出し、判定条件310を満たすか否かの処理(以下、「AFTRアドレス判定処理」という)を実行する。なお、このAFTRアドレス判定処理については、後記する図6を用いて詳細に説明する。そして、AFTRアドレス情報生成部141は、判定条件310を満たす場合に、その判定条件310に対応してAFTRアドレス判定情報300に格納されたAFTRアドレス320を取得する。
【0039】
パケット処理部150は、アドレス情報処理部140が設定した、B4装置10a自身のIPv6アドレスや、AFTRアドレス情報生成部141が取得したAFTRアドレスを用いて、AFTR装置7との間で、DS-liteトンネル4を設定し(図2参照)、端末5から取得したIPv4パケットをカプセル化してAFTR装置7に送信する。
【0040】
このようにすることで、本発明の第1の実施形態に係るB4装置10aは、B4装置がIPv6プレフィックスの割当てを受ける、既存のDHCP−PDパケットを利用して、AFTRアドレスの取得をすることができる。
【0041】
(DHCP−PDサーバ20a)
次に、本発明の第1の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20(20a)について、具体的に説明する。
【0042】
DHCP−PDサーバ20aは、ネットワークに接続される機器からの要求に応じて、DHCP−PDサーバ20a自身が保持するプレフィックスプール(IPv6プレフィックス群)から未使用のIPv6プレフィックスを選び、要求した機器に通知するサーバである。そして、このDHCP−PDサーバ20aは、図3に示すように、制御部21と、入出力部22と、メモリ部23と、記憶部24とを備える。
【0043】
入出力部22は、IPv6ネットワーク3を介して接続されるB4装置10a等との間で情報の送受信を行う通信インタフェースと、不図示のキーボード等の入力装置やモニタ等の出力装置との間で情報の入出力を行う入出力インタフェースとから構成される。
【0044】
メモリ部23は、RAM等の一次記憶装置からなり、制御部21の処理に必要な情報を一時的に記憶する。
【0045】
記憶部24は、ハードディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置からなり、複数のIPv6プレフィックスがネットワーク内の機器への割当て用に保持されるプレフィックスプール200が記憶される。
【0046】
制御部21は、DHCP−PDサーバ20a全体の制御を司り、DHCP要求取得部210と、DHCP−PD処理部220と、DHCP−PD送信部230とを含んで構成される。なお、この制御部21は、例えば、DHCP−PDサーバ20の記憶部24に記憶されたプログラムをCPUが、メモリ部23であるRAMに展開し実行することで実現される。
【0047】
DHCP要求取得部210は、B4装置10aから、ネットワークを利用するためのIPv6プレフィックス等の設定情報を要求するDHCP要求を、入出力部22を介して取得する。そして、DHCP要求取得部210は、その取得したDHCP要求を、DHCP−PD処理部220に引き渡す。
【0048】
DHCP−PD処理部220は、取得したDHCP要求に応じて、ネットワーク内のDHCP要求を送信した装置に対し、IPv6プレフィックスを割り当てる。
具体的には、DHCP−PD処理部220は、記憶部24に記憶されたプレフィックスプール200の中から、未使用のIPv6プレフィックスを1つ抽出し、その抽出したIPv6プレフィックスのプレフィックス長とプレフィックス値とを記載したDHCP−PDパケットを生成する。
【0049】
DHCP−PD送信部230は、DHCP−PD処理部220が生成したDHCP−PDパケットを、入出力部22を介して、B4装置10aに送信する。
【0050】
このようにすることで、本発明の第1の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20は、B4装置10からDHCP要求を取得すると、IPv6プレフィックスのプレフィックス長およびプレフィックス値を記載したDHCP−PDパケットを、B4装置10aに送信できる。
【0051】
<AFTRアドレス判定処理>
次に、本発明の第1の実施形態に係るB4装置10aのAFTRアドレス情報生成部141が行う、AFTRアドレス判定処理について説明する。AFTRアドレス情報生成部141は、DHCP−PDパケットからプレフィックス長およびプレフィックス値を取得し、取得したプレフィックス長およびプレフィックス値について、AFTRアドレス判定情報300を参照し、AFTRアドレス判定情報300に格納された判定プレフィックス長312と判定プレフィックス値313の少なくとも1つと一致する場合に、判定条件310に対応付けたAFTRアドレス320を取得する。以下、具体的に説明する。
【0052】
図6は、本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス判定処理の流れを示すフローチャートである。
なお、このAFTアドレス判定処理は、B4装置10aのDHCP要求送信部120がDHCP要求をDHCP−PDサーバ20aに送信し、そのDHCP−PDサーバ20aからのDHCP−PDパケットをDHCP−PD取得部130が取得したことを契機にして実行される。
【0053】
先ず、B4装置10aのDHCP−PD取得部130は、入出力部12を介して、DHCP−PDサーバ20aから、DHCP−PDパケットを受信し(ステップS101)、受信したDHCP−PDパケットを、アドレス情報処理部140に引き渡す。
【0054】
次に、B4装置10のアドレス情報処理部140は、DHCP−PDパケットから、プレフィックス長およびプレフィックス値を取得する(ステップS102)。
【0055】
続いて、B4装置10のAFTRアドレス情報生成部141は、AFTRアドレス判定情報300に記憶された判定条件310の優先番号311「N」を「0」に初期化する(ステップS103)。
【0056】
そして、AFTRアドレス情報生成部141は、判定条件310の優先番号311がN+1の判定条件310を、AFTRアドレス判定情報300から抽出する(ステップS104)。ここでは、優先番号311「N」が「0+1」、つまり優先番号311が「1」の判定条件310を抽出する。
【0057】
次に、AFTRアドレス情報生成部141は、抽出した判定条件310に、判定プレフィックス長312の指定があるか否かを判定する(ステップS105)。ここで、判定プレフィックス長312の指定がない場合は(ステップS105→No)、ステップS108へ進む。
【0058】
一方、判定プレフィックス長312の指定がある場合には(ステップS105→Yes)、AFTRアドレス情報生成部141は、次に、ステップS102でDHCP−PDパケットから取得したプレフィックス長が、判定プレフィックス長312に一致するか否かを判定する(ステップS106)。
【0059】
ここで、DHCP−PDパケットから取得したプレフィックス長と、判定プレフィックス長312が一致しなかった場合には(ステップS106→No)、ステップS111へ進む。
一方、DHCP−PDパケットから取得したプレフィックス長と、判定プレフィックス長312が一致した場合には(ステップS106→Yes)、次のステップS107へ進む。
【0060】
続いて、ステップS107において、AFTRアドレス情報生成部141は、ステップS104で抽出した判定条件310に、判定プレフィックス値313が指定されているか否かを判定する。ここで、判定プレフィックス値313の指定がない場合は(ステップS107→No)、ステップS110へ進む。一方、判定プレフィックス値313の指定がある場合には(ステップS107→Yes)、次のステップS109へ進む。
【0061】
また、AFTRアドレス情報生成部141は、ステップS105において、判定プレフィックス長312の指定がない場合(ステップS105→No)、ステップS108において、ステップS104で抽出した判定条件310に、判定プレフィックス値313が指定されているか否かを判定する。ここで、判定プレフィックス値313の指定がない場合は(ステップS108→No)、ステップS111へ進む。一方、判定プレフィックス値313の指定がある場合には(ステップS108→Yes)、次のステップS109へ進む。
【0062】
ステップS109において、AFTRアドレス情報生成部141は、ステップS102でDHCP−PDパケットから取得したプレフィックス値が、判定プレフィックス値313に一致するか否かを判定する。
【0063】
なお、DHCP−PDパケットから取得したプレフィックス値と、判定プレフィックス値313が一致するとは、具体的には、以下に示すような場合を意味する。
例えば、DHCP−PDパケットから取得したプレフィックス値が、「2001:db8:a050::/48」であり、判定プレフィックス値313が図4の優先番号311「1」の判定プレフィックス値313に示される「2001:db8:a000::/36」の場合には、この判定プレフィックス値313のビット位置「1」から判定プレフィックス値313の長さ(36ビット)までのビット値が同じ場合に、一致するものとして判定する。つまり、AFTRアドレス情報生成部141は、「2001:db8:a」までの値が一致することにより、DHCP−PDパケットから取得したプレフィックス値と、判定プレフィックス値313が一致するものとして判定する。
【0064】
図6に戻り、DHCP−PDパケットから取得したプレフィックス値と、判定プレフィックス値313が一致しなかった場合には(ステップS109→No)、ステップS111へ進む。
一方、DHCP−PDパケットから取得したプレフィックス値と、判定プレフィックス値313が一致した場合には(ステップS109→Yes)、次のステップS110へ進む。
【0065】
ステップS110において、AFTRアドレス情報生成部141は、ステップS104で抽出した判定条件310に対応するAFTRアドレス320を、AFTRアドレス判定情報300を参照して抽出し、AFTR装置7のAFTRアドレスとして取得する。
【0066】
一方、判定条件310に一致しなかった場合(ステップS106→No、S108→No、S109→No)、AFTRアドレス情報生成部141は、AFTRアドレス判定情報300に設定されたすべての優先番号311の判定条件310を判断したか否かを判定する(ステップS111)。ここで、まだ、判定していない優先番号311の判定条件310がある場合には(ステップS111→No)、ステップS104に戻り、次の優先番号311の判定条件310について処理を続ける。一方、すべての優先番号311の判定条件310を判断した場合には(ステップS111→Yes)、AFTRアドレス情報生成部141は、AFTRアドレス判定情報300を参照し、DEFAULT314のAFTRアドレス320を抽出し、AFTR装置7のAFTRアドレスとして取得する(ステップS112)。
【0067】
このようにすることで、AFTRアドレス情報生成部141は、判定条件310として設定された判定プレフィックス長312と判定プレフィックス値313の少なくとも1つと一致する場合に、その判定条件310に対応付けたAFTRアドレス320を取得することができる。
【0068】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100a)によれば、B4装置10がIPv6プレフィックスの割当てを受ける、既存のDHCP−PDパケットを利用して、AFTRアドレス判定情報300を参照し、AFTRアドレスを取得することができる。したがって、B4装置10のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置10を配布する必要もなくすことができる。
【0069】
≪第2の実施形態≫
次に、本発明の第2の実施形態(前記した(2)のAFTRアドレス通知方法)として、DHCP−PDサーバ20が、DHCP−PDパケットのオプションフィールドにAFTRアドレスを追記してB4装置10に送信し、B4装置10が追記されたAFTRアドレスを取得する方法について説明する。
【0070】
図7は、本発明の第2の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100b)の構成例を示すブロック図である。
最初に、本発明の第2の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100b)が行う処理の流れを説明する。
【0071】
先ず、B4装置10(10b)からのDHCP要求に応じて、DHCP−PDサーバ20(20b)は、自身の備えるプレフィックスプール200から不使用のIPv6プレフィックスを選択し、DHCP−PDパケットを生成する。DHCP−PDサーバ20bには、予め、自身と接続するB4装置10bに設定すべきAFTRアドレスを格納した情報(後記するAFTRアドレス情報400)を記憶しておく。そして、DHCP−PDサーバ20bは、その生成したDHCP−PDパケットに、AFTRアドレス情報400に格納されたAFTRアドレスを追記して、B4装置10bに送信する。B4装置10bは、AFTRアドレスが追記されたDHCP−PDパケットを受信し、DHCP−PDパケットからAFTRアドレスを取得する。
【0072】
このようにすることで、B4装置10bは、DHCP−PDサーバ20bから、AFTRアドレスが追記されたDHCP−PDパケットを受信し、AFTRアドレスを取得できる。よって、B4装置10bは、ユーザ自身による設定や、各ユーザの端末5に対応したAFTRアドレスを設定したB4装置10の配布を行うことをなくすことができる。
【0073】
次に、本発明の第2の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100b)を構成する、B4装置10(10b)およびDHCP−PDサーバ20(20b)について、図7を参照して説明する。なお、図3に示した本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100a)と、同一の機能を有する構成については、同一の名称および同一の符号を付し、説明を省略する。
【0074】
(DHCP−PDサーバ20b)
本発明の第2の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20(20b)は、図7に示すように、制御部21と、入出力部22と、メモリ部23と、記憶部24とを備える。図3に示したDHCP−PDサーバ20aとの違いは、記憶部24内に、AFTRアドレス情報400を備え、制御部21内に、AFTRアドレス情報設定部240と、DHCP−PD処理部220内のAFTRアドレス追記部221とを備えていることである。
【0075】
AFTRアドレス情報400には、DHCP−PDサーバ20b自身と接続されるIPv6ネットワーク内のB4装置10bが、AFTR装置7との間でDS-liteトンネルを設定するために必要となるAFTRアドレスが格納される。
【0076】
AFTRアドレス情報設定部240は、IPv6ネットワーク3内のB4装置10bに対応したAFTRアドレスを、AFTRアドレス情報400として記憶部24に格納する。このAFTRアドレス情報設定部240によるAFTRアドレス情報400の入力は、不図示の入力装置により、入出力部22を介して行われてもよいし、不図示のネットワーク管理装置等からIPv6ネットワーク3を経由し受信したAFTRアドレスの情報を、AFTRアドレス情報設定部240がAFTRアドレス情報400として格納するようにしてもよい。
【0077】
AFTRアドレス追記部221は、DHCP−PD処理部220が、DHCP−PDパケットを生成する際に、記憶部24内のAFTRアドレス情報400に格納されたAFTRアドレスをDHCP−PDパケットに追記する。
このAFTRアドレス追記部221による、DHCP−PDパケットへのAFTRアドレスの追記は、例えば、DHCP−PDパケット内のオプションフィールド(IAprefix-opstions)に追記することができる。
【0078】
図8は、DHCP−PDパケットのオプションフィールドにAFTRアドレスを追記した例を説明するための図である。図8に示すように、DHCP−PDパケットのオプションフィールドに、AFTR装置のIPv6アドレス通知種別情報(aftr-addr-option)401と、AFTR装置のIPv6アドレス(tunnel-endpoint-addr)402とが追記される。ここで、AFTR装置のIPv6アドレス通知種別情報401は、符号402に示すフィールドの情報の種別が、IPv6アドレスであることを示す情報である。
このDHCP−PDパケットのオプションフィールドに追記する情報は、AFTR装置7のIPv6アドレスの他に、AFTR装置7のFQDN(Fully Qualified Domain Name)でもよい。そして、このFQDNがDHCP−PDパケットのオプションフィールドに追記される場合は、符号402に追記される情報がFQDNであり、AFTR装置のIPv6アドレス通知種別情報401に、符号402の情報の種別が、FQDNである旨が記載される。
【0079】
このようにすることで、本発明の第2の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20bは、AFTRアドレスをDHCP−PDパケットに追記して、B4装置10bに送信することができる。
【0080】
(B4装置10b)
次に、本発明の第2の実施形態に係るB4装置10(10b)について説明する。図7に示すように、本発明の第2の実施形態に係るB4装置10bは、制御部11と、入出力部12と、メモリ部13と、記憶部14とを備える。図3に示したB4装置10aとの違いは、制御部11内のアドレス情報処理部140に、AFTRアドレス情報生成部141(図3参照)ではなく、AFTRアドレス情報抽出部142を備えていることである。また、制御部11内に、判定情報設定部110の構成はなく、記憶部14内に、AFTRアドレス判定情報300は格納されていない。
【0081】
AFTRアドレス情報抽出部142は、アドレス情報処理部140が、DHCP−PDパケットを取得すると、そのDHCP−PDパケットに追記されたAFTRアドレスを取得する。具体的には、DHCP−PDパケットのオプションフィールドに、AFTRアドレスが追記されている場合には、図8に示したように、AFTR装置のIPv6アドレス通知種別情報401と、AFTR装置のIPv6アドレス402のフィールドに記載された情報を読み出すことにより、AFTRアドレスを取得する。
【0082】
このようにすることで、本発明の第2の実施形態に係るB4装置10bは、DHCP−PDサーバ20bから取得したDHCP−PDパケットから、AFTRアドレスを取得することができる。
【0083】
以上のように、本発明の第2の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100bによれば、DHCP−PDサーバ20bが、AFTRアドレスが追記されたDHCP−PDパケットをB4装置10bに送信し、B4装置10bは、DHCP−PDパケットを受信し、AFTRアドレスを取得することができる。
したがって、B4装置のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置を配布する必要もなくすことができる。
【0084】
≪第3の実施形態≫
次に、本発明の第3の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100c)について説明する。本発明の第3の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100cでは、本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100aと、本発明の第2の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100bとを組み合わせた構成により、B4装置10が、AFTRアドレスを取得する。
【0085】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100c)の構成例を示すブロック図である。
最初に、本発明の第3の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100cが行う処理の流れを説明する。なお、本発明の第3の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20は、本発明の第1の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20a、または、本発明の第2の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20b、どちらかの構成を備えていればよい。
【0086】
先ず、B4装置10(10a)は、DHCP要求をDHCP−PDサーバ20に送信する。そして、DHCP−PDサーバ20(20aまたは20b)は、自身の備えるプレフィックスプール200から不使用のIPv6プレフィックスを選択し、DHCP−PDパケットを生成し、B4装置10cに送信する。B4装置10cは、受信したDHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが追記されているか否かを判定し、追記されている場合には、そのAFTRアドレスを取得する。一方、DHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが追記されていない場合には、B4装置10c自身が備えるAFTRアドレス判定情報300を参照して、DHCP−PDパケットに記載された、プレフィックス長およびプレフィックス値を用いて、AFTRアドレスを取得する。
このようにすることで、B4装置10cは、受信したDHCP−PDパケットにAFTRアドレスが追記される場合、追記されていない場合の両方において、AFTRアドレスを取得することができる。
【0087】
次に、本発明の第3の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100(100c)を構成するB4装置10(10c)およびDHCP−PDサーバ20について、図9を参照して説明する。なお、本発明の第3の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20は、前記したように、本発明の第1の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20a(図3参照)、または、本発明の第2の実施形態に係るDHCP−PDサーバ20b(図7参照)のいずれかの構成であればよい。また、図3に示した本発明の第1の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100aの構成、図7に示した本発明の第2の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100bの構成と、同一の機能を有するものについては、同一の名称および同一の符号を付し、説明を省略する。
【0088】
(B4装置10c)
本発明の第3の実施形態に係るB4装置10(10c)は、図9に示すように、制御部11と、入出力部12と、メモリ部13と、記憶部14とを備える。第1の実施形態に係るB4装置10aおよび第2の実施形態に係るB4装置10bとの違いは、第1の実施形態に係るB4装置10aの構成に加え、第2の実施形態に係るB4装置10bの構成である、記憶部14のAFTRアドレス判定情報300と、制御部11内の判定情報設定部110と、AFTRアドレス情報抽出部142と備え、さらに、アドレス情報処理部140内に、AFTRアドレス判定部143を備えていることである。
【0089】
AFTRアドレス判定部143は、アドレス情報処理部140がDHCP−PDパケットを取得すると、その取得したDHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが記載されている否かを判定する。具体的には、AFTRアドレス判定部143は、図8に示したDHCP−PDパケットのオプションフィールドに、AFTR装置のIPv6アドレス通知種別情報401およびAFTR装置のIPv6アドレス402が記載されているか否かを判定する。
そして、AFTRアドレス判定部143は、DHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが追記されている場合には、AFTRアドレス情報抽出部142を起動する。一方、AFTRアドレス判定部143は、DHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが追記されていない場合には、AFTRアドレス情報生成部141を起動する。
【0090】
このようにすることで、本発明の第3の実施形態に係るAFTRアドレス通知システム100cによれば、DHCP−PDパケットに、AFTRアドレスが追記されている場合、追記されていない場合の両方で、B4装置10cがAFTRアドレスを取得することができる。
【0091】
以上説明したように、本実施形態に係るAFTRアドレス通知システム、AFTRアドレス通知方法、およびB4装置によれば、B4装置10のAFTRアドレスの設定において、ユーザの手を煩わすことなく、また、各ユーザに対応させたAFTRアドレスを設定したB4装置10を配布する必要もなくすことができる。
【0092】
なお、本実施形態に係るAFTRアドレス通知システムおよびAFTRアドレス通知方法は、本実施形態におけるDS-liteと同様に、IPv6ネットワークを経由して、IPv4パケットを転送する技術である、SAM(Stateless Address Mapping:「Stateless Address Mapping (SAM) - a Simplified Mesh-Softwire Model」、IETF、2010年7月、インターネット〈URL:http://tools.ietf.org/html/draft-despres-softwire-sam-01〉)を用いたIPv4 in IPv6トンネル(SAMトンネル)の終端装置についても適用可能である。具体的には、IPv4プライベートネットワークとIPv6ネットワークとの境界に設置される終端装置であるC−SAM装置(Customer SAM装置)に、SAMトンネルの終端装置であるP−SAM装置(Provider SAM装置)のIPv6アドレスを通知する場合に、C−SAM装置のDHCP要求に応じて、DHCP−PDサーバから送信されるDHCP−PDパケットを利用して、P−SAM装置のIPv6アドレスを通知することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 IPv4プライベートネットワーク
2 IPv4グローバルネットワーク
3 IPv6ネットワーク
4 DS-liteトンネル
5 端末
6 サーバ
7 AFTR装置
10 B4装置
11,21 制御部
12,22 入出力部
13,23 メモリ部
14,24 記憶部
20 DHCP−PDサーバ
100 AFTRアドレス通知システム
110 判定情報設定部
120 DHCP要求送信部
130 DHCP−PD取得部
140 アドレス情報処理部
141 AFTRアドレス情報生成部
142 AFTRアドレス情報抽出部
143 AFTRアドレス判定部
150 パケット処理部
200 プレフィックスプール
210 DHCP要求取得部
220 DHCP−PD処理部
221 AFTRアドレス追記部
230 DHCP−PD送信部
240 AFTRアドレス情報設定部
300 AFTRアドレス判定情報
400 AFTRアドレス情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR(DS-lite Address Family Transition Router)装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4(DS-lite Basic Bridging BroadBand)装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PD(Dynamic Host Configuration Protocol Prefix Delegation)サーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムであって、
前記DHCP−PDサーバは、
複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールが記憶される記憶部と、
前記B4装置から、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を取得するDHCP要求取得部と、
前記取得したDHCP要求に応じて、前記プレフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスのプレフィックス長およびプレフィックス値を記載したDHCP−PDパケットを生成するDHCP−PD処理部と、
前記生成したDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するDHCP−PD送信部と、を備え、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDパケットの前記プレフィックス長および前記プレフィックス値ごとに、前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくも1つに対応付けて前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス判定情報を記憶する記憶部と、
前記DHCP−PDサーバに、前記DHCP要求を送信するDHCP要求送信部と、
前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するDHCP−PD取得部と、
前記取得したDHCP−PDパケットに、前記AFTRアドレスが記載されているか否かを判定するAFTRアドレス判定部と、
前記AFTRアドレスが記載されている場合に、当該DHCP−PDパケットから前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報抽出部と、
前記AFTRアドレスが記載されていない場合に、当該DHCP−PDパケットから前記プレフィックス長および前記プレフィックス値を取得し、前記取得した前記プレフィックス長および前記プレフィックス値について、前記AFTRアドレス判定情報を参照し、前記AFTRアドレス判定情報に格納された前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、当該プレフィックス長および当該プレフィックス値に対応付けた前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報生成部と、
を備えることを特徴とするAFTRアドレス通知システム。
【請求項2】
前記B4装置は、
前記AFTRアドレス判定情報として、前記DHCP−PDパケットの前記プレフィックス長および前記プレフィックス値ごとに、優先番号を付けて、前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくも1つを判定条件として設定し、前記設定した判定条件に対応付けた前記AFTRアドレスを前記記憶部に記憶しており、
前記AFTRアドレス情報生成部は、前記取得した前記プレフィックス長および前記プレフィックス値について、前記AFTRアドレス判定情報を参照し、前記優先番号の順に前記判定条件を抽出し、前記抽出した判定条件と一致する場合に、当該判定条件に対応付けた前記AFTRアドレスを取得すること
を特徴とする請求項1に記載のAFTRアドレス通知システム。
【請求項3】
前記B4装置の前記AFTRアドレス判定部は、
前記取得したDHCP−PDパケットに、前記AFTRアドレスが記載されている否かの判定を、前記DHCP−PDパケットのオプションフィールドに記載されているか否かで判定し、
前記AFTRアドレス情報抽出部は、前記AFTRアドレスが記載されている場合に、前記DHCP−PDパケットのオプションフィールドから前記AFTRアドレスを取得すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のAFTRアドレス通知システム。
【請求項4】
IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムであって、
前記DHCP−PDサーバは、
複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールごとに、当該プレフィックスプールのIPv6プレフィックスを割り当てる前記B4装置の前記IPv4 in IPv6トンネルの設定に必要な前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス情報を記憶する記憶部と、
前記B4装置から、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を取得するDHCP要求取得部と、
前記取得したDHCP要求に応じて、前記プレフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスを記載したDHCP−PDパケットを生成するDHCP−PD処理部と、
前記生成したDHCP−PDパケットに、前記B4装置の前記IPv4 in IPv6トンネルの設定に必要な前記AFTRアドレスを追記するAFTRアドレス追記部と、
前記AFTRアドレスが追記されたDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するDHCP−PD送信部と、を備え、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDサーバに、前記DHCP要求を送信するDHCP要求送信部と、
前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するDHCP−PD取得部と、
前記DHCP−PDパケットから前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報抽出部と、
を備えることを特徴とするAFTRアドレス通知システム。
【請求項5】
IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムであって、
前記DHCP−PDサーバは、
複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールが記憶される記憶部と、
前記B4装置から、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を取得するDHCP要求取得部と、
前記取得したDHCP要求に応じて、前記プレフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスのプレフィックス長およびプレフィックス値を記載したDHCP−PDパケットを生成するDHCP−PD処理部と、
前記生成したDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するDHCP−PD送信部と、を備え、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDパケットの前記プレフィックス長および前記プレフィックス値ごとに、前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくも1つに対応付けて前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス判定情報を記憶する記憶部と、
前記DHCP−PDサーバに、前記DHCP要求を送信するDHCP要求送信部と、
前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するDHCP−PD取得部と、
前記DHCP−PDパケットから前記プレフィックス長および前記プレフィックス値を取得し、前記取得した前記プレフィックス長および前記プレフィックス値について、前記AFTRアドレス判定情報を参照し、前記AFTRアドレス判定情報に格納された前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、当該プレフィックス長および当該プレフィックス値に対応付けた前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報生成部と、
を備えることを特徴とするAFTRアドレス通知システム。
【請求項6】
IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムのAFTRアドレス通知方法であって、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDサーバに、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を送信するステップを実行し、
前記DHCP−PDサーバは、
複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールが記憶される記憶部を備えており、
前記B4装置から、前記DHCP要求を取得するステップと、
前記取得したDHCP要求に応じて、前記プレフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスのプレフィックス長およびプレフィックス値を記載したDHCP−PDパケットを生成するステップと、
前記生成したDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するステップと、を実行し、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDパケットの前記プレフィックス長および前記プレフィックス値ごとに、前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくも1つに対応付けて前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス判定情報を記憶する記憶部を備えており、
前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するステップと、
前記取得したDHCP−PDパケットに、前記AFTRアドレスが記載されているか否かを判定するステップと、
前記AFTRアドレスが記載されている場合に、当該DHCP−PDパケットから前記AFTRアドレスを取得するステップと、
前記AFTRアドレスが記載されていない場合に、当該DHCP−PDパケットから前記プレフィックス長および前記プレフィックス値を取得し、前記取得した前記プレフィックス長および前記プレフィックス値について、前記AFTRアドレス判定情報を参照し、前記AFTRアドレス判定情報に格納された前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、当該プレフィックス長および当該プレフィックス値に対応付けた前記AFTRアドレスを取得するステップと、を実行する
ことを特徴とするAFTRアドレス通知方法。
【請求項7】
IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムのAFTRアドレス通知方法であって、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDサーバに、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を送信するステップを実行し、
前記DHCP−PDサーバは、
複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールごとに、当該プレフィックスプールのIPv6プレフィックスを割り当てる前記B4装置の前記IPv4 in IPv6トンネルの設定に必要な前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス情報を記憶する記憶部を備えており、
前記B4装置から、前記DHCP要求を取得するステップと、
前記取得したDHCP要求に応じて、前記プリフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスを記載したDHCP−PDパケットを生成するステップと、
前記生成したDHCP−PDパケットに、前記B4装置の前記IPv4 in IPv6トンネルの設定に必要な前記AFTRアドレスを追記するステップと、
前記AFTRアドレスが追記されたDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するステップと、を実行し、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するステップと、
前記DHCP−PDパケットから前記AFTRアドレスを取得するステップと、を実行する
ことを特徴とするAFTRアドレス通知方法。
【請求項8】
IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記B4装置に、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムのAFTRアドレス通知方法であって、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDサーバに、前記IPv6プレフィックスの割当てを要求するDHCP要求を送信するステップを実行し、
前記DHCP−PDサーバは、
複数の前記IPv6プレフィックスが収容されるプレフィックスプールが記憶される記憶部を備えており、
前記B4装置から、前記DHCP要求を取得するステップと、
前記取得したDHCP要求に応じて、前記プレフィックスプールから前記IPv6プレフィックスを1つ選択し、前記選択したIPv6プレフィックスのプレフィックス長およびプレフィックス値を記載したDHCP−PDパケットを生成するステップと、
前記生成したDHCP−PDパケットを、前記B4装置に送信するステップと、を実行し、
前記B4装置は、
前記DHCP−PDパケットの前記プレフィックス長および前記プレフィックス値ごとに、前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくも1つに対応付けて前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス判定情報を記憶する記憶部を備えており、
前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するステップと、
前記DHCP−PDパケットから前記プレフィックス長および前記プレフィックス値を取得し、前記取得した前記プレフィックス長および前記プレフィックス値について、前記AFTRアドレス判定情報を参照し、前記AFTRアドレス判定情報に格納された前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、当該プレフィックス長および当該プレフィックス値に対応付けた前記AFTRアドレスを取得するステップと、を実行する
ことを特徴とするAFTRアドレス通知方法。
【請求項9】
IPv4ネットワークとIPv6ネットワークの境界に設置され、前記IPv6ネットワークと接続される他のIPv4ネットワークの終端装置であるAFTR装置との間にIPv4 in IPv6トンネルを設定して通信を行うB4装置と、前記B4装置に前記IPv6ネットワークを介して接続され、前記B4装置にIPv6プレフィックスを割り当てるDHCP−PDサーバとから構成され、前記AFTR装置の前記IPv6アドレスであるAFTRアドレスを通知するAFTRアドレス通知システムの前記B4装置であって、
前記DHCP−PDサーバから前記IPv6プレフィックスを割り当てるために送信されるDHCP−PDパケットに記載されたプレフィックス長およびプレフィックス値ごとに、前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくも1つに対応付けて前記AFTRアドレスが格納されるAFTRアドレス判定情報を記憶する記憶部と、
前記DHCP−PDサーバから、前記DHCP−PDパケットを取得するDHCP−PD取得部と、
前記DHCP−PDパケットから前記プレフィックス長および前記プレフィックス値を取得し、前記取得した前記プレフィックス長および前記プレフィックス値について、前記AFTRアドレス判定情報を参照し、前記AFTRアドレス判定情報に格納された前記プレフィックス長と前記プレフィックス値の少なくとも1つと一致する場合に、当該プレフィックス長および当該プレフィックス値に対応付けた前記AFTRアドレスを取得するAFTRアドレス情報生成部と、
を備えることを特徴とするB4装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−175320(P2012−175320A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34290(P2011−34290)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】