説明

AVシステム

【課題】 必要最小限の数のスピーカにより、ステレオ再生又はサラウンド再生を行う際の再生の切り替えを容易に行うことができるようにする。
【解決手段】 システムマイコン及び再生信号処理部により、2つの左chスピーカ300及び右chスピーカ400を駆動することが可能なステレオ再生と、左chスピーカ300、右chスピーカ400及びテレビジョン装置(TV)200のスピーカ202,203を駆動することが可能なサラウンド再生とに対応する音声信号処理を行うようにし、ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの左chスピーカ300及び右chスピーカ400から出力し、サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの左chスピーカ300及び右chスピーカ400と、テレビジョン装置の2つのスピーカ202,203とから出力するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームシアターを実現するサラウンドシステムにおけるスピーカの個数を最小限とし、ステレオ再生とサラウンド再生との切り替えを行うAVシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、DVD等の大容量メディアの普及に伴い、AVアンプによってDVDソフトに収録されているドルビーデジタル等の音声信号から左右のフロントch(チャンネル)や左右のリアch(チャンネル)の信号等がデジタル処理されることにより、家庭でも映画館と同じような音響効果をもたらすことができるサラウンドシステムが普及しつつある。
【0003】
図8は、たとえば4chのサラウンドシステムの一例を示すものであり、テレビジョン装置(TV)1に接続されるAVアンプ内蔵のDVDプレーヤー2と、左フロントchスピーカ3と、右フロントchスピーカ4と、左リアchスピーカ5と、右リアchスピーカ6とを備えている。また、左フロントchスピーカ3及び右フロントchスピーカ4は視聴者の正面に配置され、左リアchスピーカ5及び右リアchスピーカ6は視聴者の背面に配置される。なお、ここでのDVDプレーヤー2は、たとえば4chサラウンドに対応したAVアンプを内蔵した場合を例示しているが、AVアンプとしては、DVDプレーヤー2に内蔵されたものに限らず、単体とされているものもある。
【0004】
また、サラウンドシステムには、4ch以外に、センターchスピーカ用のチャンネルを追加した場合の5chと、この5chにセンターウーハー用のチャンネルを追加した場合の5.1chと、この5.1chにリアセンターchスピーカ用のチャンネルを追加した場合の6chと、この6chにリアウーハー用のチャンネルを追加した場合の6.1chも用意されている。
【0005】
図9は、図8のDVDプレーヤー2のAVアンプの内部構成を示す図であり、システムマイコン10、再生信号処理部20、信号コントロール部30、パワーアンプ40a〜40d、スピーカ端子50a〜50dを備えている。
【0006】
再生信号処理部20のDVDユニット21によってDVDソフトが再生されると、DVDソフトに収録されているドルビーデジタル等の音声信号がDSP22によってデジタル処理され、CODEC23により、左フロントch、右フロントch、左リアch、右リアchのそれぞれのアナログ音声信号が出力される。
【0007】
そして、各chのアナログ音声信号が信号コントロール部30によってレベル調整され、パワーアンプ40a〜40dによって増幅されると、スピーカ端子50a〜50dから左フロントchスピーカ3、右フロントchスピーカ4、左リアchスピーカ5、右リアchスピーカ6に出力される。
【0008】
ところで、このようなサラウンドシステムでは、4ch〜6.1chのいずれかで映画館と同じような音響効果を得ようとすると、4つ以上のスピーカが必要となるばかりか、それぞれのスピーカを視聴位置を囲むように配置しなければならない。この場合、これらのスピーカを配置するために、広いスペースがあれば何ら問題はないが、多くの家庭では住宅事情等により広いスペースを確保することは困難である。
【0009】
そこで、特許文献1に示されている5.1chサラウンドシステムのように、AVアンプを搭載した機器本体を視聴者の視聴位置の背面側に配置し、センタースピーカとテレビジョン受像機の左右スピーカを視聴位置の前面側に配置するときに、左右のリアスピーカの音量設定に必要な機器本体とセンタースピーカとの間の距離を、専用ケーブルに形成されているスケールを用いて把握できるようにすることで、必要最小限の数のスピーカによりサラウンド音場再生が可能となる。
【特許文献1】特開2002−171600号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、一般に、ステレオ再生により、迫力のある良質な音だけを楽しみたいとき、視聴位置の前面側に少なくとも左右のスピーカが配置されていればよいことになるが、特許文献1でのサラウンドシステムの場合、機器本体を視聴位置の前面側に配置することで迫力のある音を聞くことができる。この場合、特許文献1では、機器本体の左右のスピーカの位置が視聴位置の背面側とは逆になってしまうため、左右のフロントチャンネルに対応した音声信号が逆になるようにシステムマイコンによりスイッチを切り換えるようにしている。
【0011】
ところが、このようなシステムマイコンによりスイッチの切り替えが行われるようにするためには、機器本体を視聴位置の背面側に配置するときと、機器本体を視聴位置の前面側に配置するときの各々において、システムの設定をし直す必要があるため、その設定操作が煩わしいという問題がある。
【0012】
ちなみに、機器本体を視聴位置の背面側に配置したときの設定のままで、機器本体を視聴位置の前面側に配置すると、左右の音が逆になってしまい、テレビジョン受像機に映し出された映像と一致しなくなってしまう。
【0013】
また、特許文献1では、機器本体を視聴位置の背面側と前面側のいずれに配置した場合であっても、テレビジョン受像機の左右のスピーカからは左右のフロントチャンネルに対応した音声が出力される構成となっているため、機器本体を視聴位置の前面側に配置したときに機器本体の左右のスピーカからの左右の音が逆になっていると、テレビジョン受像機の左右のスピーカからの音と混在してしまい、違和感を覚えてしまうことになる。
【0014】
たとえ、機器本体を視聴位置の前面側に配置したときに機器本体の左右のスピーカからの左右の音が合っていたとしても、機器本体とテレビジョン受像機との位置が近くなり、機器本体の左右のスピーカからの音質とテレビジョン受像機の左右のスピーカからの音質との違いが顕著になってしまうことからも、違和感を覚えてしまうことになる。この場合、テレビジョン受像機の左右のスピーカからの音の出力を停止させればよいが、そのためにはテレビジョン受像機側のスイッチを操作して音の出力を停止させる必要があり、その操作が煩わしいこともある。
【0015】
解決しようとする問題点は、必要最小限の数のスピーカにより、ステレオ再生又はサラウンド再生を行う際、それぞれの再生の切り替えが煩わしいという点である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のAVシステムは、2つのスピーカを駆動することが可能なステレオ再生と、4つ以上のスピーカを駆動することが可能なサラウンド再生とに対応する音声信号処理を行う信号処理手段と、前記信号処理手段からの音声信号を出力する2つの第1スピーカと、少なくとも放送信号を受信して映像を表示するとともに、前記放送信号又は信号処理手段からの音声信号を出力する2つの第2スピーカを有するテレビジョン装置とを備え、前記信号処理手段は、前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号を前記第1スピーカに出力し、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号を前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに出力することを特徴とする。
また、前記信号処理手段は、前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号を前記第1スピーカに出力するように切り替えるとともに、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号を前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに出力するように切り替える切替手段を有するようにすることができる。
また、前記信号処理手段は、前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記第1スピーカにフロントチャンネルの信号を出力し、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記第1スピーカにリアチャンネルの信号を出力し、前記第2スピーカにフロントチャンネルの信号を出力するようにすることができる。
本発明のAV再生方法は、2つのスピーカを駆動することが可能なステレオ再生と、4つ以上のスピーカを駆動することが可能なサラウンド再生とに対応する音声信号処理を行う工程と、前記音声信号処理された音声信号を2つの第1スピーカから出力する工程と、少なくとも放送信号を受信して映像を表示するとともに、前記放送信号又は信号処理手段からの音声信号をテレビジョン装置の2つの第2スピーカから出力する工程とを有し、前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号が前記第1スピーカに出力され、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号が前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに出力されることを特徴とする。
また、前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、切替手段により、前記音声信号が前記第1スピーカに出力するように切り替えられるとともに、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号が前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに出力するように切り替えられる工程を有するようにすることができる。
また、前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記第1スピーカにフロントチャンネルの信号が出力される工程と、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記第1スピーカにリアチャンネルの信号が出力され、前記第2スピーカにフロントチャンネルの信号が出力される工程とを有するようにすることができる。
本発明に係るAVシステムでは、信号処理手段により、2つのスピーカを駆動することが可能なステレオ再生と、4つ以上のスピーカを駆動することが可能なサラウンド再生とに対応する音声信号処理を行うことができ、ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの第1スピーカから出力し、サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの第1スピーカ及びテレビジョン装置の2つの第2スピーカから出力することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のAVシステムによれば、信号処理手段により、ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの第1スピーカから出力し、サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの第1スピーカ及びテレビジョン装置の2つの第2スピーカから出力するようにしたので、必要最小限の数のスピーカにより、ステレオ再生又はサラウンド再生を行う際の再生の切り替えを容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本実施形態でのAVシステムでは、信号処理手段により、2つのスピーカを駆動することが可能なステレオ再生と、4つ以上のスピーカを駆動することが可能なサラウンド再生とに対応する音声信号処理を行うようにし、ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの第1スピーカから出力し、サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの第1スピーカ及びテレビジョン装置の2つの第2スピーカから出力することで、必要最小限の数のスピーカにより、ステレオ再生又はサラウンド再生を行う際の再生の切り替えを容易に行うことができるようにした。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のAVシステムの一実施形態におけるステレオ動作状態の概要を示す図、図2は、本発明のAVシステムの一実施形態におけるサラウンド動作状態の概要を示す図、図3は、図1のAVアンプ内蔵のDVDプレーヤーの正面側を示す図、図4は、図3のDVDプレーヤーの背面側を示す図、図5及び図6は、図1のDVDプレーヤーのAVアンプの内部構成を示す図、図7は、AVシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【0020】
本実施形態におけるAVシステムは、図1及び図2に示すように、AVアンプ内蔵のDVDプレーヤー100と、テレビジョン装置(TV)200と、左chスピーカ300と、右chスピーカ400とを備えている。
【0021】
そして、DVDプレーヤー100には、オーディオ/ビデオ出力用のケーブル101を介してテレビジョン装置(TV)200が接続されている。また、DVDプレーヤー100には、オーディオ出力用のケーブル102,103を介して第1スピーカとしての2つの左chスピーカ300と右chスピーカ400とが接続されている。なお、ここでのDVDプレーヤー100は、たとえば4chサラウンドに対応したAVアンプを内蔵した場合を例示しているが、AVアンプとしては、DVDプレーヤー100に内蔵されたものに限らず、単体とされているものを使用してもよい。
【0022】
また、サラウンドとしては、4ch以外に、センターchスピーカ用のチャンネルを追加した場合の5chと、この5chにセンターウーハー用のチャンネルを追加した場合の5.1chと、この5.1chにリアセンターchスピーカ用のチャンネルを追加した場合の6chと、この6chにリアウーハー用のチャンネルを追加した場合の6.1chのいずれかを採用してもよいことは勿論である。
【0023】
テレビジョン装置(TV)200には、表示部201と、第2スピーカとしての2つのスピーカ202,203とが内蔵されており、オーディオ/ビデオ出力用のケーブル101を介しての映像信号が表示部201から出力され、音声信号がスピーカ202,203から出力されるようになっている。なお、ここでのスピーカ202,203は、説明の都合上、それぞれ1つとした場合について示しているが、高音、中音の2つであってもよいし、高音、中音、低音の3つであってもよい。
【0024】
そして、ステレオ動作状態(ステレオ再生時)においては、図1に示すように、左chスピーカ300と右chスピーカ400とを視聴者の正面に配置することで、迫力のある良質な音を楽しむことができるようになっている。一方、サラウンド動作状態(サラウンド再生時)においては、図2に示すように、左chスピーカ300と右chスピーカ400とを視聴者の背面に配置することで、家庭でも映画館と同じような音響効果を楽しむことができるようになっている。
【0025】
図3は、AVアンプ内蔵のDVDプレーヤー100の正面を示すものであり、DVD再生部104、動作状態を示すモニタ部104a、操作ボタン105が設けられている。
【0026】
図4は、AVアンプ内蔵のDVDプレーヤー100の背面を示すものであり、テレビジョン装置(TV)200へのオーディオ出力端子106、左chスピーカ300へのスピーカ端子107、右chスピーカ400へのスピーカ端子108を備えている。
【0027】
図5及び図6は、DVDプレーヤー100のAVアンプの内部構成を示すものであり、図5はステレオ動作状態(ステレオ再生時)を示し、図6はサラウンド動作状態(サラウンド再生時)を示している。
【0028】
図5及び図6に示すように、AVアンプは、システムマイコン110、再生信号処理部120、信号コントロール部130、フロント信号ラインアンプ140a、パワーアンプ140b,140cを備えている。なお、システムマイコン110及び再生信号処理部120により、信号処理手段が構成されている。
【0029】
システムマイコン110は、視聴者からのたとえば図示しないリモコンによる設定指示に基づき、再生信号処理部120に対してステレオ再生に対応する音声信号処理又はサラウンド再生に対応する音声信号処理を指示する。
【0030】
再生信号処理部120は、DVDソフトを再生するDVDユニット121、DVDソフトに収録されているドルビーデジタル等の音声信号をデジタル処理するDSP122、左フロントch及び右フロントchのアナログ音声信号又は左フロントch、右フロントch、左リアch及び右リアchのアナログ音声信号を出力するDAC123を備えている。
【0031】
そして、DAC123からの左フロントch、右フロントch、左リアch及び右リアchのそれぞれのアナログ音声信号は、左フロント出力端120a、右フロント出力端120b、左リア出力端120c及び右リア出力端120dから出力されるようになっている。
【0032】
信号コントロール部130は、切替手段としての切替スイッチ130a〜130d、ボリュウムアンプ131a〜131dを備えている。ここで、ステレオ動作状態(ステレオ再生時)にあっては、切替スイッチ130a〜130dの全てがA,B,C端子のうち、A端子側に切り替えられ、サラウンド動作状態(サラウンド再生時)にあっては、切替スイッチ130a〜130dの全てがA,B,C端子のうち、B端子側に切り替えられるようになっている。
【0033】
ここで、切替スイッチ130aのB端子には、上述した左フロント出力端120aが接続され、切替スイッチ130bのB端子には、上述した右フロント出力端120bが接続されている。また、切替スイッチ130cのA端子には、上述した左フロント出力端120aが接続され、切替スイッチ130cのB端子には、上述した左リア出力端120cが接続されている。また、切替スイッチ130dのA端子には、上述した右フロント出力端120bが接続され、切替スイッチ130dのB端子には、上述した右リア出力端120dが接続されている。
【0034】
フロント信号ラインアンプ140aは、ボリュウムアンプ131a,131bの出力を、テレビジョン装置(TV)200への出力となるオーディオ出力端子106へ出力する。
【0035】
パワーアンプ140bは、ボリュウムアンプ131cの出力を、左chスピーカ300への出力となるスピーカ端子107へ出力する。パワーアンプ140cは、ボリュウムアンプ131dの出力を、右chスピーカ400への出力となるスピーカ端子108へ出力する。
【0036】
次に、AVシステムの動作を、図7により説明する。
まず、ステレオ再生を行う場合(ステップS1)、図1に示したように、左chスピーカ300と右chスピーカ400とを視聴者の正面に配置する(ステップS2)。
【0037】
そして、再生信号処理部120のDVDユニット121によってDVDソフトが再生されるとき、システムマイコン110からの制御により、DAC123からは左フロントch及び右フロントchのアナログ音声信号が出力される(ステップS3)。このとき、システムマイコン110からの制御により、図5に示すように、信号コントロール部130の切替スイッチ130a〜130dの全てがA,B,C端子のうち、A端子側に切り替えられる(ステップS4)。
【0038】
これにより、DAC123からの左フロントchのアナログ音声信号が信号コントロール部130のボリュウムアンプ131cからパワーアンプ140bを経てスピーカ端子107から左chスピーカ300へ出力される(ステップS5)。
【0039】
また、DAC123からの右フロントchのアナログ音声信号が信号コントロール部130のボリュウムアンプ131dを経てスピーカ端子108から右chスピーカ400へ出力される(ステップS6)。これにより、視聴者の正面に配置された左chスピーカ300と右chスピーカ400とによって、ステレオ再生により迫力のある良質な音を楽しむことができる。
【0040】
これに対し、サラウンド再生を行う場合(ステップS7)、図2に示したように、左chスピーカ300と右chスピーカ400とを視聴者の背面に配置する(ステップS8)。
【0041】
そして、再生信号処理部120のDVDユニット121によってDVDソフトが再生されるとき、システムマイコン110からの制御により、DAC123からは左フロントch、右フロントch、左リアch及び右リアchのアナログ音声信号が出力される(ステップS9)。このとき、システムマイコン110からの制御により、図6に示すように、信号コントロール部130の切替スイッチ130a〜130dの全てがA,B,C端子のうち、B端子側に切り替えられる(ステップS10)。
【0042】
これにより、DAC123からの左フロントch及び右フロントcのアナログ音声信号が信号コントロール部130のボリュウムアンプ131a,131bからフロント信号ラインアンプ140aを経てオーディオ出力端子106からテレビジョン装置(TV)200の2つのスピーカ202,203へ出力される(ステップS11)。
【0043】
また、DAC123からの左リアchのアナログ音声信号が信号コントロール部130のボリュウムアンプ131cを経てスピーカ端子107から左chスピーカ300へ出力される(ステップS12)。また、DAC123からの右リアchのアナログ音声信号が信号コントロール部130のボリュウムアンプ131dを経てスピーカ端子108から右chスピーカ400へ出力される(ステップS13)。これにより、テレビジョン装置(TV)200の2つのスピーカ202,203と、視聴者の背面に配置した左chスピーカ300及び右chスピーカ400によって、家庭でも映画館と同じような音響効果を楽しむことができる。
【0044】
このように、本実施形態では、システムマイコン110及び再生信号処理部120により、2つの左chスピーカ300及び右chスピーカ400を駆動することが可能なステレオ再生と、左chスピーカ300、右chスピーカ400及びテレビジョン装置(TV)200のスピーカ202,203を駆動することが可能なサラウンド再生とに対応する音声信号処理を行うようにし、ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの左chスピーカ300及び右chスピーカ400から出力し、サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、音声信号を2つの左chスピーカ300及び右chスピーカ400と、テレビジョン装置の2つのスピーカ202,203とから出力するようにしたので、必要最小限の数のスピーカにより、ステレオ再生又はサラウンド再生を行う際の再生の切り替えを容易に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
車載用のAVシステムにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明のAVシステムの一実施形態におけるステレオ動作状態の概要を示す図である。
【図2】本発明のAVシステムの一実施形態におけるサラウンド動作状態の概要を示す図である。
【図3】図1のAVアンプ内蔵のDVDプレーヤーの正面側を示す図である。
【図4】図3のDVDプレーヤーの背面側を示す図である。
【図5】図1のDVDプレーヤーのAVアンプの内部構成と、ステレオ動作状態とを示す図である。
【図6】図1のDVDプレーヤーのAVアンプの内部構成と、サラウンド動作状態とを示す図である。
【図7】AVシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図8】従来のサラウンド動作状態を説明するための図である。
【図9】従来のAVアンプの内部構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
100 DVDプレーヤー
106 オーディオ出力端子
107 スピーカ端子
108 スピーカ端子
110 システムマイコン
120 再生信号処理部
120a 左フロント出力端
120b 右フロント出力端
120c 左リア出力端
120d 右リア出力端
130 信号コントロール部
130a〜130d 切替スイッチ
131a〜131d ボリュウムアンプ
140a フロント信号ラインアンプ
140b,140c パワーアンプ
200 テレビジョン装置(TV)
202,203 スピーカ
300 左chスピーカ
400 右chスピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのスピーカを駆動することが可能なステレオ再生と、4つ以上のスピーカを駆動することが可能なサラウンド再生とに対応する音声信号処理を行う信号処理手段と、
前記信号処理手段からの音声信号を出力する2つの第1スピーカと、
少なくとも放送信号を受信して映像を表示するとともに、前記放送信号又は前記信号処理手段からの音声信号を出力する2つの第2スピーカを有するテレビジョン装置とを備え、
前記信号処理手段は、前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号を前記第1スピーカに出力し、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号を前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに出力する
ことを特徴とするAVシステム。
【請求項2】
前記信号処理手段は、前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号を前記第1スピーカに出力するように切り替えるとともに、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号を前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに出力するように切り替える切替手段を有することを特徴とする請求項1に記載のAVシステム。
【請求項3】
前記信号処理手段は、
前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記第1スピーカにフロントチャンネルの信号を出力し、
前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記第1スピーカにリアチャンネルの信号を出力し、前記第2スピーカにフロントチャンネルの信号を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のAVシステム。
【請求項4】
2つのスピーカを駆動することが可能なステレオ再生と、4つ以上のスピーカを駆動することが可能なサラウンド再生とに対応する音声信号処理を行う工程と、
前記音声信号処理された音声信号を2つの第1スピーカから出力する工程と、
少なくとも放送信号を受信して映像を表示するとともに、前記放送信号又は信号処理手段からの音声信号をテレビジョン装置の2つの第2スピーカから出力する工程とを有し、
前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号が前記第1スピーカに出力され、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号が前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに出力される
ことを特徴とするAV再生方法。
【請求項5】
前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、切替手段により、前記音声信号が前記第1スピーカに出力するように切り替えられるとともに、前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記音声信号が前記第1スピーカ及び前記第2スピーカに出力するように切り替えられる工程を有することを特徴とする請求項4に記載のAV再生方法。
【請求項6】
前記ステレオ再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記第1スピーカにフロントチャンネルの信号が出力される工程と、
前記サラウンド再生に対応する音声信号処理を行うとき、前記第1スピーカにリアチャンネルの信号が出力され、前記第2スピーカにフロントチャンネルの信号が出力される工程とを有する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のAV再生方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−115023(P2006−115023A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−298111(P2004−298111)
【出願日】平成16年10月12日(2004.10.12)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】