説明

AVデータ再生方法

【課題】記録媒体に記録されたAVデータ(元のAVデータ)を再生する際に、該元のAVデータに関連する複数の関連AVデータを後から組み合わせて同時に再生できるようにする。
【解決手段】記録再生装置は、ROMディスク16に記録されたAVデータを読み込むための外部デバイスインタフェースと、ROMディスク16に記録されたAVデータに関連する複数の関連AVデータ及び前記AVデータの管理情報を記録したサーバ装置と接続するためのネットワークインタフェースと、記録領域20とを有し、前記サーバ装置から複数の関連AVデータと共に、該関連AVデータの再生処理を管理するための関連管理情報が追記された前記AVデータの管理情報を記録領域20にダウンロードし、ダウンロードした管理情報に従って、ROMディスク16に記録されたAVデータ及び記録領域20にダウンロードした関連AVデータを同時に再生制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AVデータ再生方法、より詳細には、映像,音声,字幕などを含むAVデータの再生処理をそのAVデータの管理情報を用いて行うためのAVデータ再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、映像,音声,字幕等のAVデータを記録する手段として、DVDなどのディスク状の記録媒体が普及している。その理由のひとつとして、ランダムアクセス可能な点が挙げられる。ランダムアクセスの特徴は、任意のデータ記録位置に非常に短い時間で移動し、データの読み込みを開始できることである。例えば、AVデータの再生時間軸上での再生時刻とデータの記録位置を対応させた管理情報を用意すれば、再生時間軸上のユーザの望む再生時刻から再生を開始することが出来る。
【0003】
従来のディスク再生方法について下記の図11及び図12に基づいて説明する。
図11は、従来のディスク状記録媒体に記録されたデータ構成例を示す図で、図中、101はディスク状記録媒体で、該ディスク状記録媒体101には、Clip AV Stream,Clip Info,Playitem,Playlistが記録されている。Clip AV Streamには映像や音声などのAVデータが多重化されて記録されている。多重化されたAVデータには映像の他に複数の音声や字幕なども含まれており、選択して再生することが出来る。Clip Infoにはディスク状記録媒体101におけるAVデータの記録位置と、AVデータの再生時間軸上の再生時刻とを対応させる情報が記録されている。Playitemは、AVデータのある区間を管理する情報であり、Clip Infoの記録されているファイル名,再生時間軸上でのClip AV Streamの再生開始時刻(In点),再生終了時刻(Out点)を持つ。Playlistはひとつ以上のPlayitemから構成され、再生順にPlayitemが記録されている管理情報である。
【0004】
図12は、図11に示したPlaylistが管理するAVデータを先頭から再生する場合の再生方法を説明するためのフロー図である。まず、ユーザが記録再生装置に対して、ディスク状記録媒体101のデータを読み込むように指示し、読み込み指示を受けた記録再生装置は、Playlistを読み込む(ステップS101)。次に、PlaylistからPlayitemを抽出する(ステップS102)。次に、Playitemが管理するClip Infoを参照し、Playitemが管理するAVデータの再生時間軸上の再生時間をClip AV Streamの記録されているディスク状記録媒体101上のアドレスに変換する(ステップS103)。最後に、指定された記録区間のClip AV Streamの再生を行う。以上がディスク状記録媒体101の再生方法である。
【0005】
また、Playlistは同時に2つのAVデータを再生、管理することができ、それぞれを上述したPlayitem列で管理する。このPlayitemそれぞれをMainpath及びSubpathと呼び、このSubpathは主に記録メディアにおいて、アフレコに使用される。アフレコとは、再生される映像に対応する音声とは異なる音声を同一の時間に記録・再生することである。
【0006】
上記SubpathのPlayitemは、Clip Infoの記録されているファイル名,再生時間軸上でのClip AV Streamの再生開始時刻(In点),再生終了時刻(Out点)のほか、MainpathのPlayitemが管理するAVデータと同時に再生するために次の2つの情報を持つ。一つはSubpathのPlayitemが管理しているAVデータと同時に再生するAVデータを管理しているMainpathのPlayitemを特定する情報である。もう一つはMainpathの再生時間上でSubpathのPlayitemが管理するAVデータの再生開始を指定する再生時刻情報である。これらの情報により、SubpathのPlayitemが管理するAVデータを再生する際に、まず同時に再生するAVデータのMainpathのPlayitemを特定し、その特定したPlayitemが管理するAVデータの指定時刻にSubpathのPlayitemが管理するAVデータの再生を開始することができる。
【0007】
上述したように、SubpathのPlayitemを使うことで、多重化に含まれない他のAVデータを多重化(元の)AVデータと組み合わせて同時に再生することができる。さらにこれを利用して、元のAVデータの内容と関係のあるAVデータをダウンロードして同時に再生することが考えられる。ここでいうダウンロードとは、ユーザが使いたいデータを、サーバ装置等からユーザ端末に、コピーすることである。
【0008】
ここで、ディスク内に記録されている情報を確認、所望の情報の検索を簡便に行えるようにした方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。これは、DVRVolume()内に、ディスク内に記録されている全ての情報に関する情報が記述され、この記述により、ディスク内に記録されている情報を確認できるようにすると共に、Table Of Playlist()内に、ディスク内記録されている情報を再生する際の情報が記述され、この記述により、所望の情報の検索を簡便に行うことができるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−157859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述したごとくの方法により、複数のAVデータを同時に再生することを考えた場合、元のAVデータと組み合わせられる他のAVデータは一つとは限らない。例えば、元のAVデータとして米国映画を考えると、組み合わせて再生する他のAVデータとして、この米国映画の日本語字幕データ、オランダ語字幕データなど複数の字幕データ等が考えられる。しかしながら、上述した方法では、ひとつのPlaylistはひとつのSubpathしか管理できないため、多くのPlaylistを管理しなければならなくなる。このことは、上記特許文献1においても同様である。
【0011】
また、元のAVデータを記録したメディアが読み込み専用のメディア(例えば、DVD−ROMなど)であった場合に、ダウンロードしたAVデータを上記記録メディアとは異なる記録メディアに記録し、組み合わせて再生を行いたい場合があるが、上述した方法では実現されていない。
【0012】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、多重化されたAVデータ(以下、元のAVデータという)を再生する際に、元のAVデータの管理情報に、当該元のAVデータに含まれない複数の関連AVデータの関連管理情報を追記可能とし、この関連管理情報を追記した管理情報を用いて、元のAVデータと、関連AVデータとを組み合わせて同時に再生できるようにし、さらには、元のAVデータが記録された記録媒体と、複数の関連AVデータが記録された記録媒体とが異なる場合でも、元のAVデータと、関連AVデータとを組み合わせて同時に再生できるようにすること、を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、第1の技術手段は、記録媒体からデータを読み出す読み出し手段と、外部からデータを取得する取得手段と、該取得したデータを記録する記録領域とを備えた再生装置によるAVデータ再生方法であって、前記記録媒体には第1のAVデータが記録され、前記取得手段は、外部から取得した第1の管理情報と第2のAVデータを前記記録領域に記録し、前記第1の管理情報は前記第1のAVデータと、前記第2のAVデータとを参照する情報を含み、前記再生装置が、前記第1の管理情報に基づき、前記第1のAVデータと前記第2のAVデータとを同期再生することを特徴としたものである。
【0014】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記取得手段はさらに第3のAVデータを前記記録領域に記録し、前記第1の管理情報はさらに前記第3のAVデータを参照する情報を含み、前記再生装置が、前記第2のAVデータの代わりに前記第3のAVデータを、前記第1のAVデータと同期再生するAVデータとして選択することを特徴としたものである。
【0015】
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記記録媒体には第2の管理情報が記録されており、前記第2の管理情報は前記第1のAVデータを参照しており、前記再生装置が、前記第1の管理情報及び前記第2のAVデータが存在するか否かを判定し、前記第1の管理情報及び前記第2のAVデータの少なくともいずれか一方が存在しない場合、前記第2の管理情報に基づき、前記第1のAVデータを再生することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0016】
多重化されたAVデータ(元のAVデータ)を再生する際に、元のAVデータの管理情報に、当該元のAVデータに含まれない複数の関連AVデータの関連管理情報を追記可能とし、この関連管理情報が追記された管理情報を用いて、元のAVデータと、関連AVデータとを組み合わせて同時に再生することができるため、元のAVデータに対して複数の関連AVデータが後から追加された場合でも、任意にAVデータを組み合わせて同時に再生することができる。
また、元のAVデータ及び関連AVデータそれぞれの管理情報をひとつにまとめることができるため、記録再生装置やサーバ装置上のデータ領域を節約することができる。
また、元のAVデータが記録された記録媒体と、複数の関連AVデータが記録された記録媒体とが異なる場合でも、元のAVデータと、関連AVデータとを組み合わせて同時に再生できるため、記録領域を有する記録再生装置において、再生専用の記録メディアに記録されたAVデータと組み合わせて再生するための字幕データや音声データなどを上記記録領域に記録して利用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係わる記録再生装置の内部構成例について説明するためのブロック図である。
【図2】ROMディスクに記録されている元のAVデータの構成例を示す図である。
【図3】ダウンロードされる関連AVデータと、その関連AVデータと共にダウンロードされる当該関連AVデータの管理情報との対応関係の一例を説明するための図である。
【図4】関連AVデータと、その管理情報とをダウンロードする方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図5】AVデータを再生する方法の一例を説明するためのフロー図である。
【図6】記録再生装置内の記録領域に記録されている管理情報及び関連AVデータの構成例を示す図である。
【図7】ROMディスクに記録されている関連情報及び元のAVデータと、記録再生装置内の記録領域に記録されている管理情報及び関連AVデータとの対応関係の一例を示す図である。
【図8】記録再生装置内の記録領域に記録された関連AVデータを削除する方法を説明するためのフロー図である。
【図9】図6に示した記録領域からDownloaded Clip Info3及びDownloaded Clip AV Stream3を削除した後の記録領域に記録されている管理情報及び関連AVデータの一例を示す図である。
【図10】図6に示した記録領域からDownloaded Clip Info3及びDownloaded Clip AV Stream3を削除した後のROMディスクに記録されている関連情報及び元のAVデータと、記録再生装置内の記録領域に記録されている管理情報及び関連AVデータとの対応関係の一例を示す図である。
【図11】従来のディスク状記録媒体に記録されたデータ構成例を示す図である。
【図12】図11に示したPlaylistが管理するAVデータを先頭から再生する場合の再生方法を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態として、ディスク状の読み込み専用媒体であるROMディスクに記録されているAVデータと、当該AVデータを再生するための記録再生装置内の記録領域にダウンロードした関連AVデータとを組み合わせて同時に管理,再生するためのAVデータの管理方法について説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係わる記録再生装置の内部構成例について説明するためのブロック図で、図中、10は記録再生装置で、該記録再生装置10は、処理部11,外部デバイスインタフェース12,デバイスインタフェース13,ネットワークインタフェース14,ユーザインタフェース15から構成される。処理部11は、各インタフェースから得た情報を利用して、AVデータをデコードする。外部デバイスインタフェース12は、記録媒体16からAVデータなどのデータを読み込み、処理部11に引き渡すことが出来る。ここで、記録媒体16とは、例えば、CD−ROM,CD−R(−RW),DVD−ROM(−R/−RW)などを含むROM(又はRAM)ディスクや、メモリカードなどの半導体メモリなどを指す。
【0020】
以下の説明において、AVデータとは、映像、音声、字幕、もしくはそれらを再生するために必要な情報の全てもしくは一部を指すものとし、1つのAVデータは、例えば、1つの映画やゲーム等を提供するために必要なプログラムファイル及びデータファイル全体から構成されている。
【0021】
ネットワークインタフェース14は、ネットワーク17を介して、ネットワーク17に接続されているサーバ装置(図示せず)からAVデータをダウンロードし、処理部11に引き渡すことが出来る。本例では、記録媒体16とネットワーク17のいずれからもAVデータを取得することが出来る構成としているが、これに限定されず何れか一方だけであっても良い。
【0022】
ユーザインタフェース15は、ディスプレイ18、コントローラ19に接続されている。処理部11は、ユーザインタフェース15を通じてAVデータなどをディスプレイ18に出力してユーザにAVデータを視聴させることが出来る。また、コントローラ19から入力されるユーザの要求は、ユーザインタフェース15を介して処理部11に伝えられる。
【0023】
デバイスインタフェース13は、記録媒体20からAVデータを読み込んだり、記録媒体20にAVデータを書き出したりすることが出来る。ここで、記録媒体20は、内蔵又は外付けのハードディスク(磁気記憶)装置や、AVデータを記録可能なROM(又はRAM)ディスクやメモリカードなどのリムーバブルな記録媒体であってもよい。
【0024】
処理部11は、予め用意されたAVデータもしくはいずれかのインタフェースを経由して読み込んだAVデータを、その管理情報に従って再生制御する機能や、サーバ装置等に記録されているAVデータ及びその管理情報をダウンロードする機能を有し、記録再生装置10が実行する各種処理の制御を行う。
【0025】
上述したように、本実施形態の記録再生装置10は、ROMディスク等の記録媒体16からAVデータを読み込んで再生する機能を有する。また、装置内に記録領域を持っており、ダウンロードしたAVデータを記録することが出来る。ただし、記録再生装置10は、上記記録領域を自装置内でなく他の場所に持っていても良い。また、記録媒体16は、ROMディスクではなく、RAMディスクであっても良い。また、ディスクに限らず、半導体メモリなど、他の記録メディアであってもよい。
本実施形態に係わる記録再生装置10は、AVデータを管理するためのSubpathを、ひとつのPlaylistに複数記録できるように構成されている。
以下の各実施形態の説明においては記録媒体16をROMディスク16、記録媒体20を記録再生装置10内の記録領域20(以下、記録領域20)とした場合を代表例として説明するものとする。
【0026】
<ダウンロードされる関連AVデータと、その管理情報との対応関係>
図1に示した記録再生装置10を用いてダウンロードされる関連AVデータと、その管理情報との対応関係について説明する。まず、ダウンロードされる関連AVデータの管理情報を作成する方法について下記の図2及び図3に基づいて説明する。
図2は、ROMディスク16に記録されている元のAVデータの構成例を示す図である。ROMディスク16において、Playlist1は図11に示したPlaylist、Clip Info1は図11に示したClip Info、Clip AV Stream1は図11に示したClip AV Streamに相当するデータである。Path1は一つ以上のPlayitemで構成され、図11に示したPlayitem(Mainpath)に相当する。
【0027】
次に、図2に示す元のAVデータに組み合わせて再生する関連AVデータ(及びその管理情報)の作成及び提供方法について説明する。尚、ここでの処理は、AVデータを提供するコンテンツ提供側で実行される。
図3は、ダウンロードされる関連AVデータと、その関連AVデータと共にダウンロードされる当該関連AVデータの管理情報との対応関係の一例を説明するための図である。
まず、図3(A)に示すように、コンテンツ提供者が最初に関連AVデータとしてDownloaded Clip AV Stream1及びDownloaded Clip Info1を提供する場合、Downloaded Playlist1(管理情報1)を作成する。Downloaded Playlist1は、図2に示したPlaylist1(元のAVデータに対応)にSubpathとして、Downloded Path1を追加したものである。Downloaded Path1は、Downloaded Clip Info1を参照する一つ以上のPlayitemで構成される。
【0028】
図3(B)に示すように、コンテンツ提供者が次に提供するAVデータとしてDownloaded Clip AV Stream2及びDownloaded Clip Info2を提供する場合、Downloaded Playlist2(管理情報2)を作成する。Downloaded Playlist2は、図3(A)に示すDownloaded Playlist1にSub Pathとして、Downloaded Path2を追加したものである。Downloaded Path2は、Downloaded Clip Info2を参照する一つ以上のPlayitemで構成される。
【0029】
さらに、図3(C)に示すように、Downloaded Clip AV Stream3及びDownloaded Clip info3を提供する場合、Downloaded Playlist3(管理情報3)を作成する。Downloaded Playlist3は、図3(B)に示すDownloaded Playlist2にSubpathとしてDownloaded Path3を追加したものである。Downloaded Path3は、Downloaded Clip Info3を参照する一つ以上のPlayitemで構成される。
【0030】
このように、ダウンロードする関連AVデータの管理情報(Playlist)は、ダウンロードする関連AVデータの提供を開始する時点で、最新の管理情報に、つまりPathの数が一番多い管理情報にPathを追加して作成する。
【0031】
このとき、元のAVデータ(例えば、米国映画など)の関連AVデータとして、例えば、Downloaded Clip AV Stream1が日本語字幕、Downloaded Clip AV Stream2がオランダ語字幕、Downloaded Clip AV Stream3がフランス語字幕というような提供が可能になる。ただし、関連AVデータは字幕データに限らず、例えば、アフレコ音声など再生可能な様々なデータが適用可能である。
【0032】
<関連AVデータ及びその管理情報のダウンロード方法>
次に、上記で説明した関連AVデータと、その関連AVデータの管理情報とをダウンロードする方法について下記の図4に基づいて説明する。
図4は、関連AVデータと、その管理情報とをダウンロードする方法の一例を説明するためのフロー図である。まず、ユーザが記録再生装置10から、ROMディスク16に記録されている元のAVデータに関連する関連AVデータをサーバ装置からダウンロードする指示を行う。次に、記録再生装置10はサーバ装置に通信を開始する(ステップS1)。サーバ装置にはダウンロード可能である関連AVデータの一覧が格納されており、この一覧を元に、ユーザがダウンロードする関連AVデータを選択する(ステップS2)。記録再生装置10は、選択された関連AVデータを記録領域20にダウンロードする(ステップS3)。次に、ダウンロードする関連AVデータに対応した管理情報を検索し(ステップS4)、その管理情報を記録領域20にダウンロードする(ステップS5)。
【0033】
すなわち、前述の図3(A)に示したDownloaded Clip AV Stream1をダウンロードする場合、対応する管理情報1(Downloaded Playlist1)もダウンロードする。同様に、図3(C)に示したDownloaded Clip AV Stream3をダウンロードする場合は、対応する管理情報3(Downloaded Playlist3)もダウンロードする。
【0034】
また、関連AVデータは必ずしも提供された順番にダウンロードする必要はなく、必要に応じてダウンロードすれば良い。
また、ダウンロードした管理情報は記録再生装置10内の記録領域20に記録された管理情報と比較して、古い管理情報である場合、つまりPathの数が少ない場合は記録再生装置10内の記録領域20に記録しなくともよい。また、管理情報をダウンロードする前に、当該管理情報が、既に記録領域20に記録されている管理情報と比較して新しいかどうかの判定を行って、その判定結果に基づいて、サーバ装置から管理情報をダウンロードするかどうかを判断してもよい。
また、サーバ装置が提供する管理情報は、そのサーバ装置が提供可能な最新の管理情報、つまりそのサーバ装置が提供可能な一番Pathの多い管理情報のみを提供するようにしてもよい。
【0035】
<AVデータの再生方法>
次に、上記関連AVデータ及びその管理情報のダウンロード方法によりダウンロードした管理情報を用いて、記録再生装置10内にダウンロードされた関連AVデータとROMディスク16に記録されている元のAVデータとを組み合わせて再生する方法について下記の図5に基づいて説明する。
図5は、AVデータを再生する方法の一例を説明するためのフロー図である。最初に、ユーザが記録再生装置10から、ROMディスク16に記録されている元のAVデータの再生指示を行う。記録再生装置10は、ROMディスク16に記録されている元のAVデータに関連する管理情報が、記録再生装置10内の記録領域20に記録されているかどうか判断する(ステップS11)。ここで、ROMディスク16に記録されている元のAVデータに関連する管理情報であるかの判断は、例えば、ROMディスク16に記録されている元のAVデータのタイトル名を、ダウンロードされた管理情報に記録しておくなどの方法が考えられる。
【0036】
上記ステップS11において、記録再生装置10は、記録再生装置10内の記録領域20に、ROMディスク16に記録されている元のAVデータに関連する管理情報が記録されていない場合(NOの場合)、ROMディスク16から該当する管理情報を読み込み(ステップS12)、ステップS17に移行し、ROMディスク16に記録されている管理情報のMainpathが管理する多重化(元の)AVデータと、Subpathが管理する関連AVデータとから再生対象のAVデータを選択し(ステップS17)、選択したAVデータを組み合わせて再生する。これは、ROMディスク16に記録されているAVデータのみを再生する場合と同様の処理である。
【0037】
また、記録再生装置10は、上記ステップS11において、記録再生装置10内の記録領域20に、ROMディスク16に記録されている元のAVデータに関連する管理情報が記録されている場合(YESの場合)、記録再生装置10内の記録領域20に記録されている管理情報及びROMディスク16に記録されている管理情報のうちで最新の、つまり一番Pathの多い管理情報を検索し(ステップS13)、検索した管理情報を解釈する(ステップS14)。管理情報のMainpathはROMディスク16に記録されている元のAVデータを参照するPlayitemで構成されている。
【0038】
次に、記録再生装置10は、管理情報の各Downloaded Pathを構成するPlayitemが参照する関連AVデータ、つまりDownloaded Clip InfoとDownloaded Clip AV StreamがROMディスク16又は記録再生装置10内の記録領域20に存在するかどうかを判断する(ステップS15)。ROMディスク16又は記録再生装置10内の記録領域20に記録されているかどうかを判断する方法は、ファイルシステムを使って指定したファイル名を持つファイルが存在するかどうか、あるいは、ダウンロードされた関連AVデータであればその管理情報に当該関連AVデータをダウンロードしたことを示す情報を設けるなどの方法で判断することができる。
【0039】
次に、記録再生装置10は、管理情報のDownloaded Pathを構成するPlayitemが参照する関連AVデータが存在するかどうかを、全てのDownloaded Pathに対して確認し(ステップS16)、全てのDownloaded Pathに対して確認していない場合(NOの場合)、上記ステップS15に戻る。また、上記ステップS16において、全てのDownloaded Pathに対して確認した場合(YESの場合)、その確認結果に基づいて、管理情報のDownloaded Pathを構成するPlayitemが参照する関連AVデータが存在すれば、その関連AVデータを一覧にしてユーザに提示し、関連AVデータが存在しなければ、一覧に表示しない。
ただし、本実施形態では管理情報のDownloaded Pathを構成するPlayitemが参照する関連AVデータが存在しない場合、一覧に表示しないようにしているが、一覧に表示してもよく、この場合、関連AVデータが再生可能であるか再生不可能であるかを、ユーザが区別できるような情報を表示するようにする。
【0040】
次に、記録再生装置10は、一覧に表示された関連AVデータから、Mainpathの管理する多重化(元の)AVデータと組み合わせて同時に再生したい関連AVデータを選択し(ステップS17)、選択した関連AVデータを元のAVデータに組み合わせて再生する。
【0041】
ここで、前述の図3(C)に示したDownloaded Clip AV Stream1、Downloaded Clip AV Stream3をダウンロードした場合の関連AVデータの再生処理を下記の図6及び図7に基づいて具体的に説明する。
図6は、記録再生装置10内の記録領域20に記録されている管理情報及び関連AVデータの構成例を示す図である。
図7は、ROMディスク16に記録されている関連情報及び元のAVデータと、記録再生装置10内の記録領域20に記録されている管理情報及び関連AVデータとの対応関係の一例を示す図である。
図6に示すように、記録再生装置10内の記録領域20には、Downloaded Clip AV Stream1、Downloaded Clip AV Stream3、Downloaded Clip Info1、Downloaded Clip Info3、Downloaded Playlist1、Downloaded Playlist3が記録されている。この場合、Pathの一番多い管理情報Downloaded Playlist3が最新の管理情報として検索される。
【0042】
次に、Downloaded Path1を構成するPlayitemが参照するAVデータ、つまりDownloaded Clip AV Stream1とDownloaded Clip Info1が存在するか、Downloaded Path2を構成するPlayitemが参照するAVデータ、つまりDownloaded Clip AV Stream2とDownloaded Clip Info2が存在するか、Downloaded Path3を構成するPlayitemが参照するAVデータ、つまりDownloaded Clip AV Stream3とDownloaded Clip Info3が存在するかを判断する。この場合、Downloaded Clip AV Stream1とDownloaded Clip Info1、Downloaded Clip AV Stream3とDownloaded Clip Info3が存在するので一覧に表示され、図7に示すように、Clip AV Stream1、Downloaded Clip AV Stream1、Downloaded Clip AV Stream3は、Downloaded Playlist3で管理される。本例ではDownloaded Clip AV Stream2は一覧に表示されない。
この一覧を基に、ユーザはDownloaded Clip AV Stream1またはDownloaded Clip AV Stream3を選択する。選択したDownloaded Clip AV Stream1またはDownloaded Clip AV Stream3とClip AV Stream1を組み合わせて再生する。
【0043】
例えば、ROMディスク16に記録されている元のAVデータ(Clip AV Stream1)として米国映画、Downloaded Clip AV Stream1として日本語字幕、Downloaded Clip AV Stream2として英語字幕、Downloaded Clip AV Stream3としてオランダ語字幕とした場合、ROMディスク16の再生時にDownloaded Clip AV Stream1又はDownloaded Clip AV Stream3を選択することができる。つまり、米国映画の再生時に日本語字幕,オランダ語字幕を選択することができるため、ROMディスク16に記録されている米国映画と、ダウンロードした日本語字幕又はオランダ語字幕を組み合わせて同時に再生することができる。
【0044】
<AVデータの削除方法>
次に、上記ダウンロード方法を用いてダウンロードした管理情報により、記録再生装置10内に挿入されたROMディスク16に記録されている元のAVデータと関連のある、記録再生装置10内に記録された関連AVデータを削除する方法について下記の図8に基づいて説明する。
図8は、記録再生装置10内の記録領域20に記録された関連AVデータを削除する方法を説明するためのフロー図である。最初に、ユーザが記録再生装置10から、ROMディスク16に記録されている元のAVデータの関連AVデータの削除指示が行われる。記録再生装置10は、挿入されているROMディスク16に関連するAVデータの管理情報が、記録再生装置10内の記録領域20にダウンロードされて記録されているかどうか判断する(ステップS21)。ROMディスク16に関連するAVデータの管理情報であるかどうかの判断は、例えば、ROMディスク16に記録されている元のAVデータのタイトル名を、ダウンロードされた管理情報に記録しておくなどが考えられる。
【0045】
記録再生装置10は、上記ステップS21において、記録再生装置10内の記録領域20に、ROMディスク16に記録されている元のAVデータに関連する管理情報がダウンロードされて記録されていない場合(NOの場合)、AVデータの削除処理を終了する。
【0046】
また、上記ステップS21において、記録再生装置10内の記録領域20に、ROMディスク16に記録されている元のAVデータに関連する管理情報がダウンロードされて記録されている場合(YESの場合)、記録再生装置10内の記録領域20に記録されている管理情報のうちで最新の、つまり、一番Pathの多い管理情報を検索し(ステップS22)、検索した管理情報を解釈する(ステップS23)。次に、管理情報の各Downloaded Pathを構成するPlayitemが参照する関連AVデータ、つまりDwonloaded Clip InfoとDownloaded Clip AV Streamが記録再生装置10内の記録領域20に存在するかどうか判断する(ステップS24)。記録再生装置10内の記録領域20に記録されているかどうかを判断する方法はファイルシステムを使って指定したファイル名を持つファイルが存在するかどうか、あるいは、ダウンロードされた関連AVデータであればその管理情報に、当該関連AVデータをダウンロードしたことを示す情報を設けるなどの方法で判断することができる。
【0047】
次に、記録再生装置10は、管理情報のDownloaded Pathを構成するPlayitemが参照する関連AVデータが存在するかどうかを全てのDownloaded Pathに対して確認し(ステップS25)、全てのDownloaded Pathに対して確認していない場合(NOの場合)、上記ステップS24に戻る。また、上記ステップS25において、全てのDownloaded Pathに対して確認した場合(YESの場合)、その確認結果に基づいて、管理情報のDownloaded Pathを構成するPlayitemが参照する関連AVデータが存在すれば、その関連AVデータを一覧にしてユーザに提示し、関連AVデータが存在しなければ、一覧に表示しない。
ただし、本実施形態では管理情報のDownloaded Pathを構成するPlayitemが参照する関連AVデータが存在しない場合、一覧に表示しないようにしたが、一覧に表示してもよく、この場合、削除可能であるか削除不可能であるかを、ユーザが区別できる情報を表示する。
【0048】
次に、記録再生装置10は、ユーザが、一覧に表示された関連AVデータから削除するデータを選択する(ステップS26)。記録再生装置10は、ユーザにより選択された関連AVデータ、つまりDownloaded Clip InfoとDownloaded Clip AV Streamを削除する(ステップS27)。
【0049】
ここで、前述の図6に示した記録領域20から、Downloaded Clip Info3及びDownloaded Clip AV Stream3を削除する例について下記の図9及び図10に基づいて説明する。
図9は、図6に示した記録領域20からDownloaded Clip Info3及びDownloaded Clip AV Stream3を削除した後の記録領域20に記録されている管理情報及び関連AVデータの一例を示す図である。
図10は、図6に示した記録領域20からDownloaded Clip Info3及びDownloaded Clip AV Stream3を削除した後のROMディスク16に記録されている関連情報及び元のAVデータと、記録再生装置10内の記録領域20に記録されている管理情報及び関連AVデータとの対応関係の一例を示す図である。
前述の図6に示すように、記録再生装置10内の記録領域20には、Downloaded Clip AV Stream1、Downloaded Clip AV Stream3、Downloaded Clip Info1、Downloaded Clip Info3、Downloaded Playlist1、Downloaded Playlist3が記録されている。この場合、最新の管理情報としてDownloaded Playlist3が検索される。
【0050】
次に、Downloaded Path1を構成するPlayitemが参照する関連AVデータ、つまりDownloaded Clip AV Stream1とDownloaded Clip info1が存在するかどうか、Downloaded Path2を構成するPlayitemが参照する関連AVデータ、つまりDownloaded Clip AV Stream2とDownloaded Clip info2が存在するかどうか、Downloaded Path3を構成するPlayitemが参照する関連AVデータ、つまりDownloaded Clip AV Stream3とDownloaded Clip info3が存在するかどうかを判断する。この場合、Downloaded Clip AV Stream1とDownloaded Clip info1、Downloaded Clip AV Stream3とDownloaded Clip info3、が存在するので一覧に表示される。本例ではDownloaded Clip AV Stream2は一覧に表示されない。
【0051】
次に、ユーザが一覧からDownloaded Clip AV Stream3を選択すると、Downloaded Clip AV Stream3とDownloaded Clip Info3が削除される。しかし、管理情報(本例の場合、Downloaded Playlist3)は削除されない。このとき、図9に示すように、記録再生装置10内にはDownloaded Clip AV Stream1、Downloaded Clip Info1、Downloaded Playlist1、Downloaded Playlist3が記録されている。このとき、図10に示すように、削除されずに残ったClip AV Stream1、Downloaded Clip AV Stream1はDownloaded Playlist3で再生管理される。
【0052】
例えば、ROMディスク16に記録されている元のAVデータ(Clip AV Stream1)として米国映画、Downloaded Clip AV Stream1として日本語字幕、Downloaded Clip AV Stream2として英語字幕、Downloaded Clip AV Stream3としてオランダ語字幕とした場合、Downloaded Clip AV Stream1,Downloaded Clip AV Stream3を選択、つまり日本語字幕,オランダ語字幕を選択することができる。本例では、Downloaded Clip AV Stream3を削除、つまりオランダ語字幕を削除した状態を示している。
【0053】
ただし、AVデータの削除方法の例では、記録再生装置10内にROMディスク16が挿入されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。記録再生装置10内にROMディスク16が挿入されていない場合でも、AVデータを削除することができる。すなわち、記録再生装置10内の記録領域20に記録されている管理情報のみで、記録再生装置10内の記録領域20に記録された関連AVデータ、つまりDownloaded Clip InfoとDownloaded Clip AV Streamを削除することができる。
【0054】
なお、これまでの実施形態の説明において管理情報のPathが4個の場合について示したが、4個に限定されるものではない。
また、実施形態の説明ではROMディスク16に記録されている元のAVデータと、記録再生装置10内の記録領域20に記録された関連AVデータとを同時に再生する場合を説明した。しかし、この場合に限定されるものではなく、元のAVデータもダウンロードした関連AVデータも記録領域を限定されるものではない。すなわち、外部の記録メディア(ROMディスク16)であっても、記録再生装置10内の記録領域20でも、ネットワーク上の(サーバ装置等の)記録領域20でもよく、また、これらが同じ領域内であっても良い。
【0055】
また、記録再生装置10内の記録領域20に記録する関連AVデータはダウンロードしたAVデータとしたが、入力元を限定されるものではない。例えば、外部記録媒体から取得して記録してもよい。
また、記録再生装置10内にはAVデータを記録しておくための記録領域をもつことを前提として説明してきたが、記録再生装置10内に記録領域を持たず、リムーバブルな記録媒体を読み書きするための入力デバイスインタフェースを備え、その記録媒体にAVデータを記録するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10…記録再生装置、11…処理部、12…外部デバイスインタフェース、13…デバイスインタフェース、14…ネットワークインタフェース、15…ユーザインタフェース、16…記録媒体(ROMディスク)、17…ネットワーク、18…ディスプレイ、19…コントローラ、20…記録媒体(記録領域)、101…ディスク状記録媒体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体からデータを読み出す読み出し手段と、外部からデータを取得する取得手段と、該取得したデータを記録する記録領域とを備えた再生装置によるAVデータ再生方法であって、
前記記録媒体には第1のAVデータが記録され、
前記取得手段は、外部から取得した第1の管理情報と第2のAVデータを前記記録領域に記録し、
前記第1の管理情報は前記第1のAVデータと、前記第2のAVデータとを参照する情報を含み、
前記再生装置が、前記第1の管理情報に基づき、前記第1のAVデータと前記第2のAVデータとを同期再生することを特徴とするAVデータ再生方法。
【請求項2】
請求項1に記載のAVデータ再生方法において、
前記取得手段はさらに第3のAVデータを前記記録領域に記録し、
前記第1の管理情報はさらに前記第3のAVデータを参照する情報を含み、
前記再生装置が、前記第2のAVデータの代わりに前記第3のAVデータを、前記第1のAVデータと同期再生するAVデータとして選択することを特徴とするAVデータ再生方法。
【請求項3】
請求項1に記載のAVデータ再生方法において、
前記記録媒体には第2の管理情報が記録されており、
前記第2の管理情報は前記第1のAVデータを参照しており、
前記再生装置が、前記第1の管理情報及び前記第2のAVデータが存在するか否かを判定し、前記第1の管理情報及び前記第2のAVデータの少なくともいずれか一方が存在しない場合、前記第2の管理情報に基づき、前記第1のAVデータを再生することを特徴とするAVデータ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−205396(P2010−205396A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59376(P2010−59376)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【分割の表示】特願2009−54394(P2009−54394)の分割
【原出願日】平成15年11月28日(2003.11.28)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】