説明

BMP−2産生促進剤

【課題】骨形成促進作用、さらには骨吸収抑制作用に優れ、かつ安全性の高い新規な成分を用いて、骨粗鬆症の治療又は予防に有効な医薬組成物を提供する。
【解決手段】ケール(Brassica oleracea var. acephala)とメキャベツ(Brassica oleracea var. gemmifera)を交配して得られる非結球性メキャベツの水溶性画分を、骨粗鬆症の治療又は予防のための医薬組成物に配合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、BMP−2産生促進剤、並びに骨粗鬆症の予防又は治療のための医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
骨粗鬆症とは、骨が脆くなり、骨折しやすくなる病態である。骨粗鬆症による骨折は、特に高齢の女性に多く見られ、QOL(quality of life)の低下及び「寝たきり」の主要な原因の1つとなっている。骨粗鬆症は、主に加齢とともに骨吸収と骨形成のバランスが崩れ、相対的に骨吸収が優位になったために骨量の減少が起こり、さらに骨の微細構造の変化により骨の強度が低下することで発症する。
日本における骨粗鬆症の患者数は、現在1000万人前後と推定されている。さらに総人口に占める高齢化率は、2005年の報告では19.5%であり、年々増加していることから、患者数は、今後も増加すると考えられ、その予防と治療は、大きな課題である。
骨粗鬆症の予防においては、最大骨量をできるだけ高め、それを長く維持し、閉経後および老年期に生じる骨量の減少を少しでも抑制することが重要である。そのため、食事や製剤からのカルシウムやビタミンD、ビタミンKの摂取が推奨されているが、それだけで骨量の減少を抑制することは困難である。
骨粗鬆症の治療においては、破骨細胞による骨吸収を抑制し、一方において骨芽細胞による骨形成を促進して、全体的な骨量を増やすことが重要である。
【0003】
現在市販されている骨粗鬆症の治療薬としては、ビスフォスフォネート製剤、エストロゲン製剤、カルシトニン製剤などがあるが、これらの治療剤は骨吸収抑制剤であり、骨量の減少防止、維持には有効であるが、失われた骨量を顕著に回復することはできない。
さらに、ビスフォスフォネート製剤は、発熱や食道潰瘍、低カルシウム血症、稀ではあるが顎骨壊死という副作用がある。エストロゲン製剤には、乳癌、子宮癌や心筋梗塞、脳卒中のリスクが高まるという副作用がある。また、カルシトニン製剤は、連続して使っていると効果の減弱が生じる事があるため長期の治療には適しておらず、吐き気やのぼせ、鼻の炎症、稀にショック症状が起きるという副作用がある。
骨量を回復するためには、骨吸収抑制に加えて骨形成を積極的に亢進させて骨量と骨構造を回復し、骨の力学的強度を回復することが可能な治療剤が望まれている。骨形成を亢進する効果が見込まれる薬剤としては、高脂血症治療剤として使用されているスタチン類が挙げられる。スタチン類は、骨芽細胞における骨形成タンパク質であるBMP−2(Bone Morphogenetic Protein−2/骨形成因子−2)の産生を増加させることにより、骨形成を促進することが細胞実験及び卵巣を摘出したラットにおいて明らかにされている(非特許文献1)。しかしながら、スタチン類は横紋筋融解、胃腸障害、肝機能障害、発疹、不眠等の副作用がある。
【0004】
一方、食品由来の成分としては、ケルセチンまたはケルセチン誘導体に、OPG(Osteoprotegerin/破骨細胞分化抑制因子)産生促進作用があることが報告されている。また、ケルセチンを含む、タマネギ、ほうれん草、ケール、又はパセリの抽出物、若しくはソバ、トマト、グリーンアスパラ、あずき、ジャガイモ、イチジク、アンズ及びレモンの抽出物の加水分解物をOPG産生促進剤の有効成分として用いることが提案されている(特許文献1)。しかしながら、これらの成分については、OPG産生促進作用しか報告されていない。
また、セリ科植物由来処理物、ユリ科植物由来処理物、キク科植物由来処理物から選択される植物由来処理物を有効成分として含有することを特徴とする骨形成促進または骨形成タンパク質産生増強を要する疾患の治療剤又は予防剤が提案されている(特許文献2)
。しかしながら、これらの成分については、骨形成促進作用しか報告されていない。また、ゲラニオール及び/又はペリリルアルコールを有効成分として含有する骨粗鬆症予防剤が提案されている(特許文献3)。これらの成分には骨形成促進作用と骨吸収抑制作用の両作用が報告されている。しかしながら、これらは香気成分であり、食品原料からの収量が少なく、且つ香味の点で有効量の摂取がしにくい。
【0005】
【非特許文献1】Mundy G, Garrett R, Harris S, Chan J, Chen D, Rossini G, Boyce B, Zhao M, Gutierrez G.:Stimulation of bone formation in vitro and in rodents by statins. Science. Dec 3;286(5446):1825-6.(1999)
【特許文献1】特開2007-137775号公報
【特許文献2】国際公開第2004/030683号パンフレット
【特許文献3】特開2007-001894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、骨形成促進作用に優れ、かつ安全性の高い新規な成分を提供することを課題とする。本発明は、さらに、骨形成促進作用及び骨吸収抑制作用の両者を兼ね備えた新規な成分を提供することを課題とする。そして、このような新規の成分を用いて、骨粗鬆症の治療又は予防に有効な医薬組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、このような新規の成分を容易に製造する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、骨形成促進作用に優れ、かつ安全性の高い新規な成分を探し求め、その効果について研究を重ねた結果、ケール(Brassica oleracea var. acephala)とメキャベツ(Brassica oleracea var. gemmifera)を交配して得られる非結球性メキャベツの水溶性画分に、BMP−2産生促進作用があることを知見し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
(1)ケール(Brassica oleracea var. acephala)とメキャベツ(Brassica oleracea var. gemmifera)を交配して得られる非結球性メキャベツの水溶性画分を有効成分として含有する、BMP−2(Bone Morphogenetic Protein−2/骨形成因子−2)産生促進剤。
(2)さらにOPG(Osteoprotegerin/破骨細胞分化抑制因子)産生促進剤である、(1)に記載のBMP−2産生促進剤。
(3)前記非結球性メキャベツの水溶性画分が、前記非結球性メキャベツの水抽出物である、(1)又は(2)に記載のBMP−2産生促進剤。
(4)前記非結球性メキャベツの水溶性画分が、前記非結球性メキャベツの水抽出物を、さらに水と有機溶媒により分配して得た水層画分である、(1)又は(2)に記載のBMP−2産生促進剤。
(5)(1)〜(4)の何れかに記載のBMP−2産生促進剤を含有する、骨粗鬆症の予防又は治療のための医薬組成物。
(6)前記非結球性メキャベツの水溶性画分が、30倍濃縮水抽出物の量に換算して、1日当たり0.001mL/kg体重〜100mL/kg体重、好ましくは0.01mL/kg体重〜10mL/kg体重の量で投与される、(5)に記載の医薬組成物。
(7)ケール(Brassica oleracea var. acephala)とメキャベツ(Brassica oleracea var. gemmifera)を交配して得られる非結球性メキャベツの水抽出物を、水と有機溶媒により分配する工程、及び分配により得られた水層画分を有効成分として配合する工程を含む、BMP−2産生促進剤の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明のBMP−2産生促進剤を投与又は摂取することにより、BMP−2の産生が促進され、骨形成が促進される。さらに、本発明のBMP−2産生促進剤を投与又は摂取することにより、OPGの産生も促進され、骨吸収が抑制される。本発明のBMP−2産生促進剤は、BMP−2の産生を促進する効果とOPGの産生を促進する効果の両者を併せ持ち、安全性も高いため、骨粗鬆症の治療又は予防のための医薬組成物の成分として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のBMP−2産生促進剤は、ケール(Brassica oleracea var. acephala)とメキャベツ(Brassica oleracea var. gemmifera)を交配して得られる非結球性メキャベツ(以下、単に「非結球性メキャベツ」ともいう。)の水溶性画分を有効成分として含有することを特徴とする。
非結球性メキャベツは、ケールとは異なり、葉柄と茎の間に腋芽葉を有し、さらにメキャベツとも異なり、腋芽葉が結球しないという特徴を有する。
非結球性メキャベツには市販品があり、これを使用することができる。市販品としては、例えば、株式会社増田採種場製の商品名「プチヴェール」(登録商標)が挙げられる。
【0011】
非結球性メキャベツの水溶性画分を得るための抽出に用いる溶媒としては、水が好ましい。
抽出のための非結球性メキャベツの部位は特に制限されないが、葉が好ましい。通常は、葉を生のまま、又は乾燥させて、裁断又は粉砕した後、溶媒を添加し抽出を行う。溶媒の添加量は、特に制限されないが、通常、非結球性メキャベツの乾燥物1gに対し、溶媒1mL〜100mLである。抽出に用いる溶媒の温度は特に制限されないが、好ましくは10〜30℃である。また、抽出時間も溶媒の温度により調節すればよいが、10〜30℃で抽出する場合には、好ましくは10〜15分である。
このようにして得られた抽出物は、好ましくは、常法により濃縮し、さらに好ましくは凍結乾燥する。
【0012】
得られた抽出物は、本発明のBMP−2産生促進剤の有効成分として用いることができる。好ましくは、該抽出物を精製した後、BMP−2産生促進剤の有効成分として用いる。例えば、上記のようにして得られた抽出物を、親水性溶媒と、酢酸エチル、エチルエーテル、クロロホルムなどの疎水性溶媒により分配し、親水性溶媒画分を分離する。
本発明のBMP−2産生促進剤の有効成分である非結球性メキャベツの水溶性画分は、非結球性メキャベツの水抽出物、又は該水抽出物を、水と、酢酸エチルなどの疎水性溶媒により分配して得られる水層画分が好ましい。
【0013】
本発明のBMP−2産生促進剤は、好ましくは、さらにOPG産生促進剤でもある。
【0014】
本発明のBMP−2産生促進剤は、非結球性メキャベツの水溶性画分の他に、他の任意成分を含有していてもよい。このような任意成分は、BMP−2産生促進作用やOPG産生促進作用などが期待され、かつ安全性が確認されているものを特に制限なく用いることができる。また、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、保存剤、矯味矯臭剤、希釈剤等を加えてもよい。
【0015】
本発明のBMP−2産生促進剤に任意成分を配合する場合の非結球性メキャベツの水溶性画分の含有量は、BMP−2の産生促進に有効な量の非結球性メキャベツの水溶性画分が含まれる限り特に制限されず、剤形、使用形態、使用対象、使用方法などにより適宜調節することができる。
【0016】
本発明のBMP−2産生促進剤は、そのままで、又は通常医薬組成物に用いられる成分
と組み合わせて製剤化することにより、骨形成の促進を必要とする疾患の治療又は予防のための医薬組成物(以下、「本発明の医薬組成物」ともいう。)とすることができる。骨形成の促進を必要とする疾患としては、骨粗鬆症、骨折、骨形成不全症、骨軟化症、骨ペーチェット病、慢性関節リウマチ等が挙げられる。
本発明のBMP−2産生促進剤は、BMP−2の産生を促進する効果およびOPGの産生を促進する効果の両者を併せ持つため、特に、骨粗鬆症の治療又は予防のための医薬組成物の有効成分として好適である。
【0017】
本発明の医薬組成物に用いることができる任意成分は、安全性が確認されているものである限り特に制限されない。
本発明の医薬組成物の剤形は、特に制限されないが、一般に製剤上許容される1または2種類以上の担体、賦形剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等と共に混合して、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、水薬、ドリンク剤等の内服剤形とすることが好ましい。このような製剤化は、医薬の製造に用いられる常法に従って行うことができる。
【0018】
また、本発明の医薬組成物におけるBMP−2産生促進剤の含有量は、有効量の非結球性メキャベツの水溶性画分を継続的に投与するのに好適な範囲であれば特に制限されない。すなわち、投与する対象の症状、年齢、性別、食生活などの生活習慣に応じて適当な投与量を選択し、医薬組成物を製造することができる。通常は、成人1人、1日当たり、30倍濃縮水抽出物の量に換算して、0.001mL/kg体重〜100mL/kg体重、好ましくは0.01mL/kg体重〜10mL/kg体重の量の非結球性メキャベツの水溶性画分を投与するのに適した範囲となるように、医薬組成物の本発明のBMP−2産生促進剤の含有量を調節する。本発明において、「30倍濃縮水抽出物」とは、後述する実施例の1の方法により得られた水抽出物を意味し、「30倍濃縮水抽出物に換算して・・・の量」とは、後述する実施例の1の方法により得られた水抽出物における水溶性画分の量に相当する量を意味する。
また、本発明の医薬組成物は、内服することにより投与することが好ましい。投与量は有効量の非結球性メキャベツの水溶性画分を投与できればよく、上記と同様に投与する対象に応じて適宜調節することができる。通常は、成人1人、1日当たり、30倍濃縮水抽出物の量に換算して、0.001mL/kg体重〜100mL/kg体重、好ましくは0.01mL/kg体重〜10mL/kg体重の量の非結球性メキャベツの水溶性画分を投与することが好ましい。また、投与方法は特に制限されるものではないが、3ヶ月以上の期間にわたって継続的に投与することが好ましい。
【実施例】
【0019】
1.非結球性メキャベツの水溶性画分の調製
商品名「プチヴェール」(登録商標)(株式会社増田採種場製)の旬を迎える冬期に収穫した外葉を使用し、凍結乾燥後、粉末化した。プチヴェール凍結乾燥粉末6.25gに100mLの蒸留水を加え、10分間振とう機(株式会社イワキ)にて振とうし、14,000rpm、10分間遠心分離(日立工機株式会社)して上清を回収した。
残渣に同様の操作を2回行い、集まった上清、計300mLをロータリーエバポレーター(旭硝子株式会社)にて10mLまで濃縮したものを水抽出物とした(pH5.7)。
水抽出物10mLに蒸留水30mLを加え、0.5M塩酸を用いてpH3.0に調整後、100mLの酢酸エチルで4回抽出を行なった。集まった上清(計400mL)を濃縮乾固し、10mLのDMSOに溶解させたものを溶媒層画分とした。
また、酢酸エチル抽出後の下層40mLは0.5M水酸化ナトリウムを用いて、pH5.7に調整後、10mLに減圧濃縮した。これを水層画分とした。
水抽出物、溶媒層画分、水層画分の各画分は、それぞれ0.22μmのフィルターでろ過し、滅菌したものを試験に供した。
【0020】
2.骨芽細胞関連因子のmRNA発現促進作用の試験
各画分について、ヒト株化骨芽細胞MG−63を用い、プチヴェールの水溶性画分の骨芽細胞関連因子のmRNA発現を促進する作用を調べた。骨芽細胞関連因子としては、骨形成に関わるBMP−2と骨吸収に関わるOPGを対象とした。MG−63細胞は、10%ウシ胎児血清含有MEM培地 (Earle’s Minimum Essential Medium、 Gibco社)を用いて、37℃、 5容量%二酸化炭素存在下で培養した。60mmディッシュに所定量のMG−63細胞を各群3枚ずつ播き、subconfluent(60%程度)状態まで培養後、無血清MEM培地に交換し24時間培養した。
その後、各画分、さらにコントロールとして滅菌水(pH5.7)、及びDMSOを、それぞれ培地に対して1容量%添加した無血清MEM培地に交換し、48時間培養後、細胞からRNeasy Mini kit (QIAGEN社)を用いて total RNAを抽出した。
total RNA 0.5 μgを鋳型とし、市販のキット(SuperScript First−Strand Synthesis System、Invitrogen社)を用いたPCRでcDNAを作成した。
PCR反応は、作成したcDNA溶液20μLのうち2μLを鋳型とし、BMP−2プライマー(配列番号1及び2)、OPGプライマー(配列番号3及び4)、及び内部標準物質glyceraldehyde−phosphate dehydrogenase (GAPDH)プライマー(配列番号5及び6)を、それぞれSenseプライマー、Antisenseプライマーともに10μMとなるように添加して、94℃ 2分、94℃ 1分、58℃ 1分、 72℃ 1分のサイクルをBMP−2では25サイクル、OPGでは19サイクル、GAPDHでは15サイクル 行った。
PCR産物を5% polyacrylamide gelで泳動し、Vistra Green (Amarsham Pharmacia Biotech社)で染色後、ルミノイメージアナライザーLAS−3000(富士フィルム株式会社)で測定した。
【0021】
3.統計処理
統計解析ソフトSPSS13.0J(エス・ピー・エス・エス株式会社)を使用し、平均値の差の検定には一元配置分散分析(ANOVA)後、多重比較検討Dunnett法を用いて<0.05で有意差と判定した。
【0022】
4.結果
BMP−2のmRNA発現に対する効果を図1に、OPGのmRNA発現に対する効果を図2に示した。
BMP−2及びOPGのmRNA発現量は、GAPDHのmRNA発現量に対する相対値で示した。また、水抽出物及び水層画分添加時のmRNA発現量は、滅菌水(pH5.7)添加時のmRNA発現量に対する割合で示し、溶媒層画分添加時のmRNA発現量は、DMSO添加時のmRNA発現量に対する割合で示した。
【0023】
水抽出物及び水層画分は、BMP−2及びOPGのmRNA発現量を上昇させた。
しかし、溶媒層画分はBMP−2及びOPGのmRNA発現量のいずれも上昇させなかった。
以上より、BMP−2産生促進及びOPG産生促進に有効な成分は、非結球性メキャベツの水溶性画分であることがわかった。また、非結球性メキャベツの水抽出物、及び該水抽出物から酢酸エチルにより疎水性の成分を除いた水層画分は、BMP−2の産生量を上昇させ、骨形成を促進し、且つOPGの産生量を上昇させ、破骨細胞の分化を抑制して骨吸収を抑制することが示唆された。
なお、非結球性メキャベツに含まれるケルセチン等のフラボノイド類の含量は把握していないが、これらの物質は、溶媒層画分に含まれると推定される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】各画分がMG−63のBMP−2 mRNAの発現量に与える影響を示す図である。
【図2】各画分がMG−63のOPG mRNAの発現量に与える影響を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケール(Brassica oleracea var. acephala)とメキャベツ(Brassica oleracea var. gemmifera)を交配して得られる非結球性メキャベツの水溶性画分を有効成分として含有する、BMP−2(Bone Morphogenetic Protein−2/骨形成因子−2)産生促進剤。
【請求項2】
さらにOPG(Osteoprotegerin/破骨細胞分化抑制因子)産生促進剤である、請求項1に記載のBMP−2産生促進剤。
【請求項3】
前記非結球性メキャベツの水溶性画分が、前記非結球性メキャベツの水抽出物である、請求項1又は2に記載のBMP−2産生促進剤。
【請求項4】
前記非結球性メキャベツの水溶性画分が、前記非結球性メキャベツの水抽出物を、さらに水と有機溶媒により分配して得た水層画分である、請求項1又は2に記載のBMP−2産生促進剤。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載のBMP−2産生促進剤を含有する、骨粗鬆症の予防又は治療のための医薬組成物。
【請求項6】
前記非結球性メキャベツの水溶性画分が、30倍濃縮水抽出物の量に換算して、1日当たり、0.001mL/kg体重〜100mL/kg体重の量で投与される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
ケール(Brassica oleracea var. acephala)とメキャベツ(Brassica oleracea var. gemmifera)を交配して得られる非結球性メキャベツの水抽出物を、水と有機溶媒により分配する工程、及び分配により得られた水層画分を有効成分として配合する工程を含む、BMP−2産生促進剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−30905(P2010−30905A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191590(P2008−191590)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000104113)カゴメ株式会社 (50)
【出願人】(300029592)学校法人中村学園 (9)
【Fターム(参考)】