説明

C−Met阻害剤としてのイミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン

本発明は、c−Metの阻害剤であり、癌を含めたc−Metに関連する疾患の処置において有用である、イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジンに関する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2010年2月3日に出願の表題「C−Met阻害剤としてのイミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン(IMIDAZO[1,2−b][1,2,4]TRIAZINES AS C−MET INHIBITORS)」の米国仮出願第61/300,946号の優先権を主張するものである。本明細書全体にわたって引用されている任意の特許、特許出願、および参考文献の内容は、その全体で参考として本明細書中に組み込まれている。
【発明の分野】
【0002】
本発明は、c−Metの阻害剤であり、癌を含めたc−Metに関連する疾患の処置において有用である、イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジンに関する。
【背景技術】
【0003】
プロテインキナーゼ(PK)とは、とりわけ細胞の成長、生存および分化、器官の形成および形態形成、血管新生、組織の修復および再生を含めた、多様な重要な生物学的プロセスを調節する酵素の群である。プロテインキナーゼは、様々な生物学的コンテキストにおいて、タンパク質(または基質)のリン酸化反応を触媒し、それにより基質の細胞活性を調節することによって、その生理的機能を発揮する。正常な組織/器官中における機能に加えて、多くのプロテインキナーゼは、癌を含めたヒト疾患の宿主において、より特化された役割も果たす。プロテインキナーゼの部分集合(サブセット)(発癌性プロテインキナーゼとも呼ばれる)は、調節異常となった場合に、腫瘍の形成および成長を引き起こす場合があり、腫瘍の維持および進行にさらに寄与する(Blume−Jensen Pら、Nature、2001、411(6835):355〜365)。これまでに、発癌性プロテインキナーゼは、癌介入及び薬剤開発のための最大かつ最も魅力的なタンパク質標的群の1つを表している。
【0004】
原癌遺伝子であるc−Metは、Met、Ron、およびSeaを含めたヘテロ二量体受容体チロシンキナーゼの明確なサブファミリーのメンバーである(Birchmeier,C.ら、Nat.Rev.Mol.Cell Biol.、2003、4(12):915〜925、Christensen,J.G.ら、Cancer Lett.、2005、225(1):1〜26)。c−Metの唯一の高親和性リガンドは肝細胞成長因子(HGF)であり、散乱因子(SF)としても知られる。HGFのc−Metへの結合は自己リン酸化を介した受容体の活性化を誘導し、これは受容体依存性シグナル伝達の増加をもたらす。c−MetおよびHGFはどちらも様々な器官中で広く発現されるが、その発現は、通常はそれぞれ上皮起源および間葉起源の細胞に限定される。正常組織および癌などのヒト悪性腫瘍におけるc−Met(またはc−Metシグナル伝達経路)の生物学的機能は、十分に文書化されている(Christensen,J.G.ら、Cancer Lett.、2005、225(1):1〜26、Corso,S.ら、Trends in Mol.Med.、2005、11(6):284〜292)。
【0005】
HGFおよびc−Metはそれぞれ正常な哺乳動物の発生に必要であり、HGFヌルおよびc−Metヌルのマウスの両方で報告されている異常は、器官の形態形成中における胚発現の近接性および上皮−間葉移行の欠陥と一致している(Christensen,J.G.ら、Cancer Lett.、2005、225(1):1〜26)。これらの発見と一貫して、HGF/c−Met経路のシグナル伝達および続く生物学的効果は、発生中における、上皮−間葉の相互作用および細胞遊走の調節、侵襲、細胞の増殖および生存、血管形成、形態形成ならびに三次元管状構造(たとえば腎尿細管細胞、腺形成)の組織化に重要であることが示されている。所定の細胞/組織におけるc−Met経路の活性化の具体的な結果は、高度にコンテキスト依存性である。
【0006】
調節異常のc−Met経路は、腫瘍の形成、成長、維持および進行において重要かつ場合によってはその原因となる(遺伝子変化の場合)役割を果たす(Birchmeier,C.ら、Nat.Rev.Mol.Cell.Biol.、2003、4(12):915〜925、Boccaccio,C.ら、Nat.Rev.Cancer、2006、6(8):637〜645、Christensen,J.G.ら、Cancer Lett.、2005、225(1):1〜26)。HGFおよび/またはc−Metは、ほとんどのヒト癌の大部分において過剰発現されており、しばしば、より攻撃的な疾患、疾患進行、腫瘍転移および短縮された患者生存などの臨床成績の不良に関連している。さらに、高レベルのHGF/c−Metタンパク質を有する患者は、化学療法および放射線療法に対してより耐性がある。また、異常なHGF/c−Met発現に加えて、c−Met受容体は、癌患者において遺伝子突然変異(生殖系列および体性の両方)ならびに遺伝子増幅によっても活性化される場合がある。遺伝子増幅および突然変異が患者において報告されている最も一般的な遺伝子変化であるが、受容体は、欠失、切断、遺伝子再配列、ならびに異常な受容体プロセッシングおよび欠陥性の負の調節機構によっても活性化される場合がある。
【0007】
c−Metが関連づけられている様々な癌には、それだけには限定されないが、癌腫(たとえば、膀胱、乳房、頸部、胆管癌、結腸直腸、食道、胃、頭頸部、腎臓、肝臓、肺、鼻咽頭、卵巣、膵臓、前立腺、甲状腺)、筋骨格肉腫(たとえば、骨肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫)、軟組織肉腫(たとえば、MFH/線維肉腫、平滑筋肉腫、カポジ肉腫)、造血器悪性腫瘍(たとえば、多発性骨髄腫、リンパ腫、成人T細胞白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病)、ならびに他の新生物(たとえば、膠芽細胞腫、星状細胞腫、黒色腫、中皮腫およびウィルムス腫瘍)が含まれる(www.vai.org/met/、Christensen,J.G.ら、Cancer Lett.、2005、225(1):1〜26)。
【0008】
活性化されたc−Met経路が腫瘍の形成および進行に寄与し、有効な癌の介入のための良好な標的となる可能性があるという考えは、数々の前臨床研究によってさらに固められている(Birchmeier,C.ら、Nat.Rev.Mol.Cell Biol.、2003、4(12):915〜925、Christensen,J.G.ら、Cancer Lett.、2005、225(1):1〜26、Corso,S.ら、Trends in Mol.Med.、2005、11(6):284〜292)。たとえば、研究により、tpr−met融合遺伝子、c−metの過剰発現および活性化されたc−met突然変異がすべて、様々なモデル細胞系の発癌性形質転換を引き起こし、マウスにおいて腫瘍形成および転移をもたらしたことが示されている。より重要なことに、HGF/c−Metシグナル伝達を特異的に損なわせるおよび/または遮断する薬剤で、顕著な抗腫瘍(場合によっては腫瘍退縮)および抗転移の活性がin vitroおよびin vivoで実証されている。これらの薬剤には、抗HGFおよび抗c−Met抗体、HGFペプチド拮抗剤、おとりc−Met受容体、c−Metペプチド拮抗剤、ドミナントネガティブc−Met突然変異、c−Met特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドおよびリボザイム、ならびに選択的小分子c−Metキナーゼ阻害剤が含まれる(Christensen,J.G.ら、Cancer Lett.、2005、225(1):1〜26)。
【0009】
癌における確立された役割に加えて、異常なHGF/c−Metシグナル伝達は、アテローム性動脈硬化症、肺線維症、腎線維症および再生、肝疾患、アレルギー性疾患、炎症性および自己免疫疾患、脳血管疾患、心血管疾患、臓器移植に関連する状態にも関連づけられている(Ma,H.ら、Atherosclerosis.、2002、164(1):79〜87、Crestani,B.ら、Lab.Invest.、2002、82(8):1015〜1022、Sequra−Flores,A.A.ら、Rev.Gastroenterol.Mex.、2004、69(4)243〜250、Morishita,R.ら、Curr.Gene Ther.、2004、4(2)199〜206、Morishita,R.ら、Endocr.J.、2002、49(3)273〜284、Liu,Y.、Curr.Opin.Nephrol.Hypertens.、2002、11(1):23〜30、Matsumoto,K.ら、Kidney Int.、2001、59(6):2023〜2038、Balkovetz,D.F.ら、Int.Rev.Cytol.、1999、186:225〜250、Miyazawa,T.ら、J.Cereb.Blood Flow Metab.、1998、18(4)345〜348、Koch,A.E.ら、Arthritis Rheum.、1996、39(9):1566〜1575、Futamatsu,H.ら、Circ.Res.、2005、96(8)823〜830、Eguchi,S.ら、Clin.Transplant.、1999、13(6)536〜544)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
c−Metなどのキナーゼを阻害する既存の薬剤の新しいまたは改良された形態が、癌および他の疾患を処置するためのより有効な医薬品を開発するために、常に必要とされている。本明細書中に記載の化合物および塩は、これらの必要性および他の目的に向けられている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、とりわけ、c−Met阻害剤である以下の化合物を提供する:
2−フルオロ−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド(式I)、
2−クロロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(式II)、
2−クロロ−N−[(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド(式III)、
N−メチル−5−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド(式IV)、および
N,2−ジメチル−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド(式V)。
【0012】
本発明は、前述の化合物のうちの任意の1つの薬学的に許容される塩をさらに提供する。
【0013】
本発明は、キナーゼを本発明の化合物または塩と接触させることを含む、c−Metキナーゼの活性を阻害する方法をさらに提供する。
【0014】
本発明は、細胞を本発明の化合物または塩と接触させることを含む、前記細胞においてHGF/c−Metキナーゼのシグナル伝達経路を阻害する方法をさらに提供する。
【0015】
本発明は、細胞を本発明の化合物または塩と接触させることを含む、前記細胞の増殖活性を阻害する方法をさらに提供する。
【0016】
本発明は、患者に治療上有効な量の本発明の化合物または塩を投与することを含む、前記患者において腫瘍成長を阻害する方法をさらに提供する。
【0017】
本発明は、患者に治療上有効な量の本発明の化合物または塩を投与することを含む、前記患者において腫瘍転移を阻害する方法をさらに提供する。
【0018】
本発明は、患者に治療上有効な量の本発明の化合物または塩を投与することを含む、前記患者においてHGF/c−METシグナル伝達経路の調節異常に関連する疾患を処置する方法をさらに提供する。
【0019】
本発明は、患者に治療上有効な量の本発明の化合物または塩を投与することを含む、前記患者において癌を処置する方法をさらに提供する。
【0020】
本発明は、治療で使用するための本発明の化合物を提供する。
【0021】
本発明は、治療で使用するための薬物を調製するための、本発明の化合物の使用を提供する。一実施形態では、本発明は、癌の処置で使用するための薬物を調製するための、式I、II、III、IV、またはVの化合物のうちの任意の1つの使用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、とりわけ、c−Met阻害剤である以下の化合物を提供する:
2−フルオロ−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド(式I)、
2−クロロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド(式II)、
2−クロロ−N−[(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド(式III)、
N−メチル−5−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド(式IV)、および
N,2−ジメチル−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド(式V)。
【0023】
【化1】

式I
【化2】


式II
【化3】

式III
【化4】

式IV
【化5】

式V
【0024】
ここおよび他の箇所で、化合物の名称と化合物の構造との間に矛盾が存在する場合は、化学構造が支配する。
【0025】
本発明は、前述の化合物のうちの任意のものの薬学的に許容される塩をさらに提供する。
【0026】
本明細書中に記載した化合物は、不斉であることができる(たとえば1つまたは複数の立体中心を有する)。別段に指定しない限りは、鏡像異性体およびジアステレオマーなどのすべての立体異性体が意図される。非対称的に置換された炭素原子を含有する本発明の化合物は、光学活性のある形態またはラセミ体で単離することができる。
【0027】
また、本発明の化合物には互変異性体も含まれる。互変異性体は、単結合を隣接する二重結合で取り替えること、およびそれに随伴するプロトン転位から生じる。互変異性体には、同じ実験式および総荷電を有する異性体プロトン化状態であるプロトトロピック互変異性体が含まれる。プロトトロピック互変異性体の例には、ケトン−エノールの対、アミド−イミド酸の対、ラクタム−ラクチムの対、アミド−イミド酸の対、エナミン−イミンの対、ならびにプロトンが複素環系、たとえば、1H−および3H−イミダゾール、1H−、2H−および4H−1,2,4−トリアゾール、1H−および2H−イソインドール、1H−および2H−ピラゾールの2つ以上の位置を占有することができる、環状の形態が含まれる。互変異性体は、平衡状態にあるか、または適切な置換によって1つの形態に立体的に固定されていることができる。
【0028】
また、本発明の化合物には、中間体または最終化合物中に存在する原子のすべての同位体も含まれる。同位体には、同じ原子番号を有するが異なる質量数である原子が含まれる。たとえば、水素の同位体にはトリチウムおよび重水素が含まれる。
【0029】
一部の実施形態では、本発明の化合物またはその塩は、実質的に単離されている。「実質的に単離されている」とは、化合物または塩が、それが形成または検出された環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されていることを意味する。部分的な分離には、たとえば、本発明の化合物が濃縮された組成物が含まれることができる。実質的な分離には、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99重量%の本発明の化合物またはその塩を含有する組成物が含まれることができる。
【0030】
また、本発明には、本明細書中に記載した化合物の薬学的に許容される塩も含まれる。本明細書中で使用する「薬学的に許容される塩」とは、親化合物が、存在する酸または塩基をその塩形態へと変換することによって改変されている、開示した化合物の誘導体をいう。薬学的に許容される塩の例には、それだけには限定されないが、アミンなどの塩基性残基の鉱物または有機酸塩、カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩等が含まれる。本発明の薬学的に許容される塩には、たとえば無毒性の無機または有機酸から形成された、親化合物の慣用の無毒性塩が含まれる。本発明の薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性の部分を含有する親化合物から慣用の化学方法によって合成することができる。一般に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、理論量の適切な塩基または酸と、水もしくは有機溶媒または両者の混合物中で反応させることによって調製することができる。一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、そのそれぞれがその全体で本明細書中に参考として組み込まれているRemington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、ペンシルバニア州Easton、1985、ページ1418およびJournal of Pharmaceutical Science、66、2(1977)中に見つかる。
【0031】
本明細書中において用いられる語句「薬学的に許容される」とは、健全な医学的判断の範囲内にあり、過剰な毒性、刺激、アレルギー性応答、または他の問題もしくは合併症なしに人間および動物の組織と接触させて使用するために適しており、合理的な損益比に見合っている化合物、材料、組成物、および/または剤形をいう。
【0032】
使用方法
本発明の化合物はc−Metの阻害剤として作用することができる。c−Metを発現する細胞を本発明の化合物で処理することは(in vitroまたはin vivo)、リガンド/キナーゼのシグナル伝達経路の阻害ならびに細胞増殖および細胞運動増加などのシグナル伝達経路に関連する下流現象の阻害をもたらす場合がある。たとえば、本発明の化合物は、それだけには限定されないが、c−Metキナーゼの活性化(たとえばc−Metのリン酸化)やシグナル伝達(Gab1、Grb2、Shcおよびc−Cblなどの細胞基質の活性化および動員、ならびに続くPI−3キナーゼ、PLC−γ、STATs、ERK1/2およびFAKを含めたいくつかのシグナル伝達物質の活性化)、細胞の増殖および生存、細胞の運動、遊走および侵襲、転移、血管形成などを含めた、c−Met経路の活性化から生じる生化学的および生物学的プロセスを遮断するおよび/または損なわせる場合がある。したがって、本発明は、細胞を本発明の化合物と接触させることによって、細胞中のHGF/c−Metキナーゼのシグナル伝達経路などのリガンド/キナーゼのシグナル伝達経路を阻害する方法をさらに提供する。本発明は、細胞を本発明の化合物と接触させることによって、細胞の増殖活性を阻害または細胞の運動を阻害する方法をさらに提供する。
【0033】
本発明は、そのような処置を必要としている個体に、治療上有効な量または用量の本発明の化合物またはその医薬組成物を投与することによって、個体(たとえば患者)において異常な活性および/またはc−Metの過剰発現を含めた調節異常のc−Metキナーゼのシグナル伝達経路に関連する疾患を処置する方法をさらに提供する。一部の実施形態では、調節異常のキナーゼは、患者の患部組織中で過剰発現されている。一部の実施形態では、調節異常のキナーゼは、患者の患部組織中で異常の活性を有する。c−MetおよびHGF/c−Metシグナル伝達経路の調節異常とは、それだけには限定されないが、HGF依存性の自己分泌(オートクリン)および傍分泌(パラクリン)の活性化、c−met遺伝子の過剰発現および増幅、点突然変異、欠失、切断、再配列、ならびに異常なc−Met受容体プロセッシングおよび欠陥性の負の調節機構を含めた様々な機構による酵素の活性化が含まれることを意味する。
【0034】
一部の実施形態では、本発明の化合物は、癌、アテローム性動脈硬化症、肺線維症、腎線維症および再生、肝疾患、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患、脳血管疾患、心血管疾患、または臓器移植に関連する状態などの疾患の処置に有用である。さらなる実施形態では、本発明の化合物は、患者において腫瘍成長または腫瘍転移を阻害する方法に有用な場合がある。
【0035】
本明細書中の方法によって処置可能な癌の例には、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、甲状腺癌、骨肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、MFH/線維肉腫、平滑筋肉腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫、成人T細胞白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、膠芽細胞腫、星状細胞腫、黒色腫、中皮腫、またはウィルムス腫瘍などが含まれる。
【0036】
したがって、一実施形態では、本明細書中では、癌が処置されるように、対象に2−フルオロ−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、対象において癌を処置する方法が提供される。
【0037】
別の実施形態では、本明細書中では、癌が処置されるように、対象に2−クロロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、対象において癌を処置する方法が提供される。
【0038】
別の実施形態では、本明細書中では、癌が処置されるように、対象に2−クロロ−N−[(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、対象において癌を処置する方法が提供される。
【0039】
別の実施形態では、本明細書中では、癌が処置されるように、対象にN−メチル−5−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、対象において癌を処置する方法が提供される。
【0040】
別の実施形態では、本明細書中では、癌が処置されるように、対象にN,2−ジメチル−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、それを必要としている対象において癌を処置する方法が提供される。
【0041】
したがって、一実施形態では、本明細書中では、対象に2−フルオロ−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、それを必要としている対象において腫瘍成長を阻害する方法が提供される。
【0042】
別の実施形態では、本明細書中では、対象に2−クロロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、それを必要としている対象において腫瘍成長を阻害する方法が提供される。
【0043】
別の実施形態では、本明細書中では、対象に2−クロロ−N−[(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、それを必要としている対象において腫瘍成長を阻害する方法が提供される。
【0044】
別の実施形態では、本明細書中では、癌が処置されるように、対象にN−メチル−5−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、それを必要としている対象において腫瘍成長を阻害する方法が提供される。
【0045】
別の実施形態では、本明細書中では、対象にN,2−ジメチル−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、それを必要としている対象において腫瘍成長を阻害する方法が提供される。
【0046】
本明細書中で使用する用語「細胞」とは、in vitro、ex vivoまたはin vivoである細胞をいうことを意味する。一部の実施形態では、ex vivo細胞は、哺乳動物などの生物から切除した組織試料の一部であることができる。一部の実施形態では、in vitro細胞は、細胞培養物中の細胞であることができる。一部の実施形態では、in vivo細胞は、哺乳動物などの生物中の生きた細胞である。
【0047】
本明細書中で使用する用語「接触させる」とは、示した部分をin vitro系またはin vivo系中で一緒にすることをいう。たとえば、本発明の化合物をプロテインキナーゼと「接触させる」ことには、本発明の化合物をヒトなどの個体または患者に投与すること、および、たとえば本発明の化合物をプロテインキナーゼの細胞調製物または精製した調製物を含有する試料内に導入することが含まれる。
【0048】
本明細書中で使用する用語「個体」または「患者」とは、互換性があるように使用され、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、最も好ましくはヒトを含めた、任意の動物をいう。
【0049】
本明細書中で使用する語句「治療上有効な量」とは、以下のうちの1つまたは複数を含めた、研究者、獣医師、医者または他の臨床家によって組織、系、動物、個体またはヒト中で求められている生物学的または薬用的な応答を誘発する活性化合物または医薬品の量をいう:(1)疾患を予防すること、たとえば、疾患、状態または障害に罹りやすい可能性があるが、未だ疾患の病変または総体症状を経験または示してない個体において、疾患、状態または障害を予防すること、(2)疾患を阻害すること、たとえば、疾患、状態または障害の病変または総体症状を経験または示している個体において、疾患、状態または障害を阻害すること、ならびに(3)疾患を寛解させること、たとえば、疾患、状態または障害の病理または総体症状を経験または示している個体において、疾患、状態または障害を寛解させること(すなわち病変および/または総体症状を覆すこと)、たとえば疾患の重篤度を減少させること。
【0050】
用語「処置した」、「処置すること」または「処置」には、c−Metキナーゼの活性、HGF/c−Metキナーゼのシグナル伝達経路、および/または細胞の増殖活性に関連する少なくとも1つの症状の減弱または軽減が含まれる。疾患または状態に言及して使用する用語「処置した」、「処置すること」または「処置」とは、疾患または状態の発生を予防もしくは遅延させる、その進行を予防もしくは遅延させる、その進行を停止させる、またはそれを排除するために、そのような疾患または状態に介入することを意味する。
【0051】
用語「使用」には、別段に記述されていない場合は、必要および便宜に応じて、本発明の以下の実施形態のうちの任意の1つまたは複数がそれぞれ含まれる:疾患の処置における使用、疾患の処置で使用するための医薬組成物の製造、たとえば薬物の製造における使用、これらの疾患の処置における本発明の化合物の使用方法、これらの疾患を処置するための本発明の化合物を有する医薬調製物、およびこれらの疾患の処置において使用するための本発明の化合物。具体的には、処置すべきであり、したがって本発明の化合物の使用に好ましい疾患は、c−Metキナーゼの活性、HGF/c−Metキナーゼのシグナル伝達経路、および/または細胞の増殖活性に関連する疾患、ならびに癌から選択される。
【0052】
組合せ療法
たとえば化学療法剤、抗癌剤、細胞毒性剤、または抗癌治療(たとえば放射線、ホルモンなど)等の1つまたは複数の追加の薬剤または処置方法を、本明細書中に記載の疾患、障害または状態を処置するための本発明の化合物および塩と組み合わせて使用することができる。薬剤もしくは治療は、本発明の化合物もしくは塩と一緒に(たとえば単一剤形内で合わせて)投与することができるか、または、薬剤もしくは治療は、同時にもしくは別々の投与経路によって順次に投与することができる。
【0053】
適切な抗癌剤には、トラスツズマブ(Herceptin)、イマチニブ(Gleevec)、ゲフィチニブ(Iressa)、塩酸エルロチニブ(Tarceva)、セツキシマブ(Erbitux)、ベバシズマブ(Avastin)、ソラフェニブ(Nexavar)、スニチニブ(Sutent)、ならびに、たとえば、WO2005/004808号、WO2005/004607号、WO2005/005378号、WO2004/076412号、WO2005/121125号、WO2005/039586号、WO2005/028475号、WO2005/040345号、WO2005/039586号、WO2003/097641号、WO2003/087026号、WO2005/040154号、WO2005/030140号、WO2006/014325号、WO2005/070891号、WO2005/073224号、WO2005/113494号、米国特許出願公開第2005/0085473号、第2006/0046991号、および第2005/0075340号に記載のRTK阻害剤を含めたキナーゼ阻害剤が含まれる。
【0054】
適切な化学療法剤または他の抗癌剤には、たとえば、ウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド(Cytoxan(商標))、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレン−メラミン、トリエチレンチオホスホラミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、およびテモゾロマイドなどのアルキル化剤(それだけには限定されないが、ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、スルホン酸アルキル、ニトロソ尿素およびトリアゼンが含まれる)がさらに含まれる。
【0055】
適切な化学療法剤または他の抗癌剤には、たとえば、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、およびゲムシタビンなどの代謝拮抗剤(それだけには限定されないが、葉酸拮抗剤、ピリミジン類似体、プリン類似体およびアデノシンデアミナーゼ阻害剤が含まれる)がさらに含まれる。
【0056】
適切な化学療法剤または他の抗癌剤には、たとえば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ara−C、パクリタキセル(Taxol(商標))、ミトラマイシン、デオキシコ−ホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、インターフェロン(特にIFN−a)、エトポシド、およびテニポシドなどの特定の天然物およびその誘導体(たとえば、ビンカアルカロイド、抗腫瘍性抗生物質、酵素、リンホカインおよびエピポドフィロトキシン)がさらに含まれる。
【0057】
他の細胞毒性剤には、ナベルベン、CPT−11、アナストラゾール、レトラゾール、カペシタビン、レロキサフィン、シクロホスファミド、イホスファミド、およびドロロキサフィンが含まれる。
【0058】
また、エピドフィロトキシンなどの細胞毒性剤、抗新生物性酵素、トポイソメラーゼ阻害剤、プロカルバジン、ミトキサントロン、シス−プラチンおよびカルボプラチンなどの白金配位錯体、生物学的応答調節物質、成長阻害剤、抗ホルモン性治療剤、ロイコボリン、テガフール、ならびに造血性成長因子も適切である。
【0059】
他の抗癌剤には、トラスツズマブ(Herceptin)などの抗体治療剤、CTLA−4、4−1BBおよびPD−1などの共刺激分子に対する抗体、またはサイトカイン(IL−10、TGF−βなど)に対する抗体が含まれる。さらなる抗体治療剤には、抗HGF抗体および/または抗c−Met抗体などの、チロシンキナーゼおよび/またはそのリガンドに対する抗体が含まれる。用語「抗体」には、全抗体(たとえば、モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、ヒト化、ヒトなど)およびその抗原結合断片が含まれることを意味する。
【0060】
また、他の抗癌剤には、CCR2およびCCR4を含めたケモカイン受容体に対する拮抗剤などの、免疫細胞の遊走を遮断するものも含まれる。
【0061】
また、他の抗癌剤には、アジュバントまたは養子T細胞移入などの免疫系を増大させるものも含まれる。
【0062】
他の抗癌剤には、樹状細胞、合成ペプチド、DNAワクチンおよび組換えウイルスなどの抗癌ワクチンが含まれる。
【0063】
上記薬剤のほとんどのものの安全かつ有効な投与方法は、当業者に知られている。また、その投与は標準の文献中に記載されている。たとえば、化学療法剤のうちの多くの投与は、その全体で記載されているかのようにその開示が本明細書中に参考として組み込まれている、「医師用卓上参考書(Physicians’ Desk Reference)」(PDR、たとえば、1996年版、Medical Economics Company、ニュージャージー州Montvale)中に記載されている。
【0064】
医薬配合物および剤形
医薬品として用いた場合、本発明の化合物または塩は、本発明の化合物(またはその塩)と薬学的に許容される担体との組合せに対応する医薬組成物の形態で投与することができる。これらの組成物は、医薬分野で周知の様式で調製することができ、局所的または全身的処置のどちらが所望されているか、および処置する領域に応じて、様々な経路によって投与することができる。投与は、外用(眼、および鼻腔内、経膣や直腸送達を含めた粘膜へのものが含まれる)、肺(たとえば、噴霧器によるものを含めた粉末もしくはエアロゾルの吸入もしくはガス注入によるもの、気管内、鼻腔内、表皮および経皮)、眼球、経口または非経口であり得る。眼球送達の方法には、外用投与(点眼剤)、結膜下、眼周囲もしくは硝子体内への注射、またはバルーンカテーテルもしくは結膜嚢中に外科的に配置した眼挿入物による導入が含まれることができる。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内もしくは筋肉内の注射もしくは輸液、または頭蓋内、たとえばくも膜下腔内もしくは脳室内の投与が含まれる。非経口投与は、単一のボーラス用量の形態であることができるか、または、たとえば連続的な灌流ポンプによるものであり得る。外用投与用の医薬組成物および配合物には、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴剤、坐薬、スプレー、溶液および粉末が含まれ得る。慣用の医薬担体、水性、粉末または油性の基材、シックナーなどが必要または望ましい場合がある。
【0065】
また、本発明には、活性成分として上記の本発明の化合物のうちの1つまたは複数を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と組み合わせて含有する医薬組成物も含まれる。本発明の組成物の作製において、活性成分は、典型的には、賦形剤と混合されている、賦形剤によって希釈されている、または、たとえばカプセル、サッシェ、紙もしくは他の容器の形態でそのような担体中に封入されている。賦形剤が希釈剤として役割を果たす場合、これは固体、半固体、または液体の材料であることができ、活性成分のビヒクル、担体または媒体として作用する。したがって、組成物は、錠剤、丸薬、粉末、ロゼンジ、サッシェ、カシェ剤、エリキシル、懸濁液、乳濁液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体中)、たとえば10重量%までの活性化合物を含有する軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル、坐薬、無菌的注射用溶液、ならびに無菌的な梱包された粉末の形態であることができる。
【0066】
配合物の調製において、他の成分と合わせる前に、適切な粒子径をもたらすために活性化合物を粉砕することができる。活性化合物が実質的に不溶性である場合は、200メッシュ未満の粒子径に粉砕することができる。活性化合物が実質的に水溶性である場合は、配合物中に実質的に均一な分布、たとえば約40メッシュをもたらすために、粒子径を粉砕によって調節することができる。
【0067】
適切な賦形剤の一部の例には、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、およびメチルセルロースが含まれる。配合物には、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱物油などの潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁液、メチル−およびプロピルヒドロキシ−ベンゾエートなどの保存料、甘味剤、ならびに香味料がさらに含まれることができる。本発明の組成物は、当分野で知られている手順を用いることによって、患者に投与した後に活性成分の急速、持続または遅延放出をもたらすように配合することができる。
【0068】
組成物は、単位剤形で配合することができ、それぞれの剤形は、約5〜約500mg、より通常には約10〜約100mgの活性成分を含有する。用語「単位剤形」とは、ヒト対象および他の哺乳動物のための単位用量に適した物理的に別々の単位をいい、それぞれの単位は、所望の治療効果を生じるように計算された事前に決定された量の活性物質を、適切な医薬賦形剤を伴って含有する。
【0069】
活性化合物は幅広い用量範囲にわたって有効である場合があり、一般に医薬上有効な量で投与する。しかし、実際に投与する化合物の量は、通常、処置する状態、選択された投与経路、投与する実際の化合物、個々の患者の年齢、重量、および応答、患者の症状の重篤度などの関連する状況に応じて、医師によって決定されることを理解されたい。
【0070】
錠剤などの固体組成物の調製には、主活性成分を医薬賦形剤と混合して、本発明の化合物の均質な混合物を含有する固体プレフォーミュレーション組成物を形成する。これらのプレフォーミュレーション組成物を均質という場合、活性成分は、組成物を錠剤、丸薬およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形へと容易に細分割することができるように、組成物全体にわたって均等に分散されている。その後、この固体プレフォーミュレーションを、たとえば0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含有する上述の種類の単位剤形へと細分割する。
【0071】
本発明の錠剤または丸薬は、コーティングするまたは他の様式で化合して、持続的作用の利点を与える剤形を提供することができる。たとえば、錠剤または丸薬は、内部用量および外部用量の構成成分を含むことができ、後者は前者を包む外皮の形態である。2つの構成成分は、胃内での分解に耐えて内部構成成分が無傷で十二指腸内まで通過するまたはその放出が遅延されることを可能にする役割を果たす、腸溶層によって分離されていることができる。様々な材料をそのような腸溶層またはコーティングに使用することができ、そのような材料には、いくつかのポリマー酸ならびにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースなどの材料との混合物が含まれる。
【0072】
経口または注射による投与のために本発明の化合物および組成物を取り込ませることができる液体形態には、水溶液、適切に香味づけられたシロップ、水性または油性の懸濁液、綿実油、ゴマ油、ヤシ油、またはピーナッツ油などの食用油との香味づけられた乳濁液、およびエリキシルならびに同様の医薬ビヒクルが含まれる。
【0073】
吸入またはガス注入のための組成物には、薬学的に許容される水性もしくは有機性の溶媒またはその混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末が含まれる。液体または固体の組成物は、上述のように適切な薬学的に許容される賦形剤を含有し得る。一部の実施形態では、組成物は、局所的または全身的な効果のために、経口または経鼻の呼吸器経路によって投与する。組成物は、不活性ガスを使用することによって噴霧することができる。噴霧された溶液を噴霧化装置から直接呼吸し得るか、または、噴霧化装置は、顔面マスク、テント、もしくは間欠的陽圧呼吸器に取り付けられていることができる。溶液、懸濁液、または粉末組成物は、経口または経鼻的に、配合物を適切な様式で送達する装置から投与することができる。
【0074】
患者に投与する化合物または組成物の量は、何が投与されているか、予防または治療などの投与の目的、患者の状態、投与の様式などに応じて変動する。治療的な応用では、組成物は、既に疾患を患っている患者に、疾患およびその合併症の症状を治癒または少なくとも部分的に停止させるために十分な量で投与することができる。有効用量は、処置する病状、ならびに疾患の重篤度、患者の年齢、重量および全体的な状態などの要因に応じた担当の臨床家の判断に依存する。
【0075】
患者に投与する組成物は、上述の医薬組成物の形態であることができる。これらの組成物は、慣用の滅菌技法によって滅菌することができるか、または滅菌濾過し得る。水溶液は、そのままで使用するために梱包するか、または凍結乾燥することができ、凍結乾燥した調製物は、投与前に無菌的な水性担体と合わせる。化合物調製物のpHは、典型的には3〜11、より好ましくは5〜9、最も好ましくは7〜8となる。前述の賦形剤、担体、または安定化剤のうちの特定のものの使用が医薬塩の形成をもたらすことを理解されたい。
【0076】
本発明の化合物の治療的用量は、たとえば、処置を行う理由である具体的な使用、化合物の投与様式、患者の健康および状態、ならびに処方する医師の判断に応じて変動する場合がある。医薬組成物中の本発明の化合物の割合または濃度は、用量、化学的特徴(たとえば疎水性)、および投与経路を含めたいくつかの要因に応じて変動する場合がある。たとえば、本発明の化合物は、非経口投与のためには、約0.1〜約10%w/vの化合物を含有する水性の生理的緩衝溶液中で提供することができる。一部の典型的な用量範囲は、1日あたり体重1kgあたり約1μg〜約1gである。一部の実施形態では、用量範囲は1日あたり体重1kgあたり約0.01mg〜約100mgである。用量は、疾患または障害の種類および進行の程度、具体的な患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的有効性、賦形剤の配合、ならびにその投与経路などの変数に依存する可能性が高い。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から誘導した用量応答曲線から外挿することができる。
【0077】
また、本発明の化合物は、抗ウイルス剤、ワクチン、抗体、免疫賦活剤、免疫抑制剤、抗炎症剤などの任意の医薬品が含まれることができる1つまたは複数の追加の活性成分と組み合わせて配合することもできる。
【0078】
明確にするために別々の実施形態のコンテキストで記載されている本発明の特定の特長は、単一の実施形態中で組み合わせて提供することもできることを、さらに理解されたい。逆に、簡潔にするために単一の実施形態のコンテキストで記載されている本発明の様々な特長は、別々にまたは任意の適切な部分組合せで提供することもできる。
【0079】
本発明は、具体的な実施例によってさらに詳述する。以下の実施例は例示目的のために提供し、いかなる様式でも本発明を限定することを意図しない。当業者は、本質的に同じ結果を得るために変化させるまたは改変することができる様々な重大でないパラメータを容易に理解するであろう。実施例の化合物は、本明細書中で提供するアッセイのうちの1つまたは複数によって、c−Metの阻害剤であると判明した。
【実施例】
【0080】
本発明の化合物の実験手順を以下に提供する。一般に、生成物は、実施例中に示すように、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)またはフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)によって調製用スケールで精製した。典型的な調製用逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)カラム条件は以下のとおりであった。
【0081】
pH=2の精製:Waters Sunfire(商標)C18 5 Tm、19×100mmのカラム、移動相A:水中の0.1%のTFA(トリフルオロ酢酸)および移動相B:アセトニトリル中の0.1%のTFAを用いて溶出させ、流速は30ml/分であり、分離勾配は、文献中に記載のように化合物特異的な方法最適化プロトコルを使用して、それぞれの化合物について最適化する[「Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」、K.Blom、B.Glass、R.Sparks、A.Combs、J.Comb.Chem.、6、874〜883(2004)]。
【0082】
pH=10の精製:Waters XBridge C18 5 Tm、19×100mmのカラム、移動相A:水中の0.15%のNHOHおよび移動相B:アセトニトリル中の0.15%のNHOHを用いて溶出させ、流速は30ml/分であり、分離勾配は、文献中に記載のように化合物特異的な方法最適化プロトコルを使用して、それぞれの化合物について最適化する[「Preparative LCMS Purification:Improved Compound Specific Method Optimization」、K.Blom、B.Glass、R.Sparks、A.Combs、J.Comb.Chem.、6、874〜883(2004)]。
【0083】
分離された異性体は、典型的には、以下の条件下で、純度について分析用液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)に供した:機器、Agilent 1100シリーズ、LC/MSD、カラム:Waters Sunfire(商標)C18 5 Tm、2.1×5.0mm、緩衝液:移動相A:水中の0.025%のTFAおよび移動相B:アセトニトリル中の0.025%のTFA、勾配は3分間で2%〜80%のB、流速は1.5mL/分。
【0084】
(実施例1)
2−フルオロ−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド
【化6】

ステップ1:4−ブロモ−3−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド
【化7】

塩化オキサリル(38.1mL、450mmol)を、ジクロロメタン(300mL)中の4−ブロモ−3−フルオロ安息香酸(49.3g、225mmol)(Alfa Aesar、カタログ#B25475)の混合物にゆっくりと加えた。続いて、N,N−ジメチルホルムアミド(1.0mL)を加え、反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、トルエンと共に3回共蒸発させた。その後、残渣をジクロロメタン(100mL)に溶かした。溶液をジクロロメタン(300mL)および水(300mL)中の塩酸N,O−ジメチルヒドロキシルアミン(30.7g、315mmol)および炭酸カリウム(120g、900mmol)の混合物に滴下した。反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。有機層を分離した。水層をジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、生成物が得られた。(58.5g)LCMS(M+H):m/z=261.9/263.9。
【0085】
ステップ2:1−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)エタノン
【化8】

テトラヒドロフラン(500mL)中の4−ブロモ−3−フルオロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(ステップ1、58.5g、223mmol)の溶液に、THF中の3Mの塩化メチルマグネシウム(125mL、380mmol)を0℃で加えた。反応混合物を1時間、0℃で撹拌し、冷塩化アンモニウム水溶液(150mL)で反応停止させた。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(100mL)に再度溶かした。水層を水(100mL)で希釈し、酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過および減圧下での濃縮により生成物が得られ(48.4g)、これをさらに精製せずに次の反応ステップで使用した。
【0086】
ステップ3:(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)(オキソ)アセトアルデヒドおよび1−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)−2,2−ジヒドロキシエタノン
【化9】

ジメチルスルホキシド(40mL)中の1−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)エタノン(ステップ2、9.0g、41mmol)の溶液に、臭化水素の48%水溶液(14mL)をゆっくりと加えた。反応混合物を60℃で終夜撹拌し、その後、周囲温度まで冷却し、氷水中に注いだ。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、固形物を真空下で終夜乾燥させて、8.1gの所望の生成物が得られた。水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮して、さらに2.2gの所望の生成物が得られた(合計10.3g)。
【0087】
ステップ4:1−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)−2,2−ジエトキシエタノン
【化10】

トルエン(50mL)中の1−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)−2,2−ジヒドロキシエタノンおよび4−ブロモ−3−フルオロフェニル)(オキソ)アセトアルデヒド(ステップ3からの粗生成物、7.0g、28mmol)の混合物に、オルトギ酸エチル(12mL、70mmol)およびp−トルエンスルホン酸(200mg、1mmol)を加えた。反応混合物を4時間灌流した。反応混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。減圧下での濃縮により所望の生成物が得られ、これをさらに精製せずに次のステップで使用した。
【0088】
ステップ5:6−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアジン−3−アミン
【化11】

エタノール(200mL)および水(4mL)中の1−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)−2,2−ジエトキシエタノン(ステップ4、15.2g、50mmol)、炭酸水素アミノグアニジン(10.2g、75mmol)および水酸化カリウム(6.6g、100mmol)の混合物を終夜灌流した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をアセトニトリルで洗浄し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。残渣をジクロロメタン(100mL)に溶かし、水、ブラインで洗浄し、減圧下で濃縮した。残渣をエタノール(50mL)に溶かした。溶液に0.2Nの塩酸(50mL)を加えた。生じた混合物を110℃まで8時間加熱し、氷水浴で冷却した。形成された沈殿物を濾過によって収集し、イソプロパノールで洗浄して、所望の生成物が得られた。(5.5g、41%)LCMS:(M+H)=286.8/288.8。H−NMR(400MHz、CDCl):8.60(s、1H)、7.79(dd、J=8.6、2.0Hz、1H)、7.68(dd、J=8.3、7.0Hz、1H)、7.61(dd、J=8.3、2.0Hz、1H)、5.43(s、2H)。
【0089】
ステップ6:3−キノリン−6−イルプロパナール
【化12】

フラスコ内のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(480mg、0.52mmol)(Aldrich、カタログ#328774)およびトリ−tert−ブチル−ホスホニウムテトラフルオロボレート(300mg、1.0mmol)を真空排気し、窒素を再充填した(2回)。1,4−ジオキサン(31mL)を加え、続いて6−ブロモキノリン(7.2g、35mmol)(TCI、カタログ#B2015)、2−プロペン−1−オール(4.7mL、69mmol)およびN−シクロヘキシル−N−メチル−シクロヘキサンアミン(8.9mL、42mmol)を連続的に加えた。反応器を真空排気し、窒素を再充填した(2回)。反応混合物を30℃で24時間撹拌した。ジエチルエーテル(30mL)を反応混合物に加え、その後、濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。有機抽出物を減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中の酢酸エチル(0〜50%)で溶出させるフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物が得られた。(約55%)LCMS(M+H):m/z=186.0、(M+HO+H):m/z=204.0。
【0090】
ステップ7:1−(2−クロロ−1−ヒドロキシ−3−キノリン−6−イルプロピル)ピロリジン−2,5−ジオン
【化13】

0℃に冷却したクロロホルム(5mL)中の3−キノリン−6−イルプロパナール(ステップ6、2.3g、0.012mol)の溶液に、L−プロリン(0.4g、0.004mol)を加えた。その後、混合物にN−クロロスクシンイミド(1.74g、0.0130mol)を0℃で加えた。反応を室温まで温め、終夜撹拌した。反応は濃いスラリーであった。固形物を濾過し、クロロホルムで洗浄して、純粋な生成物が得られた(2g、50.5%)。H−NMR(300MHz、CDCl):8.90(dd、J=4.0、2.0Hz、1H)、8.13(d、J=8.0Hz、1H)、8.05(d、J=8.4Hz、1H)、7.73(s、1H)、7.65(dd、J=8.0、2.0Hz、1H)、7.40(dd、J=8.4、4.0Hz、1H)、5.46(d、J=9.4Hz、1H)、4.95(ddd、J=9.4、8.0、3.1Hz、1H)、3.73(dd、J=14.3、3.1Hz、1H)、3.19(dd、J=14.3、8.0Hz、1H)、2.75(s、4H)。
【0091】
ステップ8:6−[2−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−7−イル]メチルキノリン
【化14】

密封したチューブ内のイソプロピルアルコール(7.4mL)および水(0.11mL)中の6−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアジン−3−アミン(ステップ5、200mg、0.743mmol)および1−(2−クロロ−1−ヒドロキシ−3−キノリン−6−イルプロピル)ピロリジン−2,5−ジオン(ステップ7、284mg、0.892mmol)の混合物を105℃で5日間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却した後、沈殿物を濾過によって収集し、イソプロパニルアルコールで洗浄し、真空中で乾燥させて、所望の生成物が得られた(180mg、55%)LCMS(M+H):m/z=433.9/436.0。
【0092】
ステップ9:2−フルオロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンゾニトリル
【化15】

シアン化亜鉛(131mg、1.11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(35mg、0.038mmol)(Aldrich、カタログ#328774)、(9,9−ジメチル−9H−キサンテン−4,5−ジイル)ビス−(ジフェニルホスフィン)(78.5mg、0.136mmol)(Aldrich、カタログ#526460)、およびN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(0.22mL、1.4mmol)を、マイクロ波用チューブ内のN,N−ジメチルホルムアミド(8.7mL)中の6−[2−(4−ブロモ−3−フルオロフェニル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]−トリアジン−7−イル]メチルキノリン(ステップ8、480mg、1.10mmol)の混合物に次々と加えた。チューブを密封し、3回脱気し、マイクロ波照射下で500秒間、160℃まで加熱した。溶媒のほとんどを減圧下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶かし、炭酸水素ナトリウム水溶液、水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。濾過および濃縮により残渣が得られ、これをジクロロメタン中のメタノール(0〜6%)を用いてシリカゲルカラム上で精製して、所望の生成物が得られた。(90%)LCMS(M+H):m/z=381.0。
【0093】
ステップ10:2−フルオロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]安息香酸
【化16】

塩酸(5.0mL、53mmol)および水(1.0mL)の濃溶液中の2−フルオロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンゾニトリル(ステップ、9、750mg、2mmol)を105℃で終夜撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、生じた残渣を水で洗浄し、濾過して、粗生成物がHCl塩としてもたらされ、これをさらに精製せずに次の反応ステップで直接使用した。LCMS(M+H):m/z=400.0。
【0094】
ステップ11:2−フルオロ−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド
【化17】

N,N−ジメチルホルムアミド(9.0mL)中の2−フルオロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]安息香酸HCl塩(180.0mg、0.381mmol、ステップ10)およびベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(220mg、0.50mmol)(Aldrich、カタログ#226084)の混合物を室温で3分間撹拌した。その後、(2R)−1−アミノプロパン−2−オール(57mg、0.76mmol)を、続いてトリエチルアミン(318.7μL、2.287mmol)をゆっくりと加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、その後、水を加えた。沈殿物を濾過によって収集し、アセトニトリル水溶液で洗浄した。沈殿物を1NのHCl水溶液に溶かし、その後、凍結乾燥によって乾燥させて、所望の生成物がHCl塩として得られた。LCMS(M+H):m/z=457.3。H−NMR(500MHz、DMSO−d):9.30(s、1H)、9.20(dd、J=5.0、1.5Hz、1H)、9.02(d、J=8.0Hz、1H)、8.37(s、1H)、8.35(d、J=8.0Hz、1H)、8.28(s、1H)、8.16(dd、J=8.5、1.5Hz、1H)、8.08(s、1H)、8.04(s、1H)、8.02(s、1H)、8.00(dd、J=8.5、5.0、Hz、1H)、7.80(t、J=8.0Hz、1H)、4.75(s、2H)、3.79(m、1H)、3.21(m、2H)、1.09(d、J=7.0Hz、3H)。
【0095】
S鏡像異性体は、上記手順に従って(2S)−1−アミノプロパン−2−オールを使用して、または生成物をラセミ化し、標準のキラル分離技法(たとえばキラルカラム)を使用して鏡像異性体を分離することによって、作製することができる。
【0096】
(実施例2)
2−クロロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド
【化18】

ステップ1:6−ブロモ−1,2,4−トリアジン−3−アミン
【化19】

アセトニトリル(40mL)中の1,2,4−トリアジン−3−アミン(3.84g、40.0mmol)(Aldrich、カタログ#100625)の懸濁液に水(60mL)を加え、透明な溶液が形成されるまで撹拌した。この溶液に、N−ブロモスクシンイミド(7.48g、42.0mmol)を0℃で加え、生じた混合物を10分間撹拌した。冷却浴を取り外し、混合物を室温まで温めさせた。その後、混合物を酢酸エチル(150mL)で希釈し、0℃まで冷却した(氷水浴)。NaCO(3.0g)を加え、10分間撹拌した。2つの層を分離し、水相を酢酸エチル(150mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、所望の生成物が得られた(4g、57.15%)。LCMS(M+H):m/z=175.2/177.2。
【0097】
ステップ2:メチル4−(3−アミノ−1,2,4−トリアジン−6−イル)−2−クロロベンゾエート
【化20】

1,4−ジオキサン(22mL)中の6−ブロモ−1,2,4−トリアジン−3−アミン(ステップ1、1.0g、5.7mmol)および[3−クロロ−4−(メトキシカルボニル)フェニル]ボロン酸(1.5g、6.8mmol)(VMR、カタログ#100013−404)の混合物に、水(5.1mL)中のリン酸カリウム(2.4g、11mmol)の溶液を加えた。窒素を10分間パージすることによって混合物を脱気した。混合物にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.20g、0.17mmol)を加え、窒素で再度脱気した。混合物を撹拌し、82℃(油浴)で1時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、30分間撹拌し、灰色の固形物が形成された。固形物を濾過によって単離し、水で数回すすぎ、空気中で乾燥させた。その後、固形物をヘキサン、ジクロロメタン−ヘキサン(1:1)、およびヘキサンで順次粉砕して、所望の生成物が得られた(840mg、55.54%)。LCMS(M+H):m/z=264.9/267.0。
【0098】
ステップ3:メチル2−クロロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンゾエート
【化21】

1−ブタノール(11.6mL)中のメチル4−(3−アミノ−1,2,4−トリアジン−6−イル)−2−クロロベンゾエート(ステップ2、0.840g、3.17mmol)および1−(2−クロロ−1−ヒドロキシ−3−キノリン−6−イルプロピル)ピロリジン−2,5−ジオン(1.11g、3.49mmol、実施例1、ステップ7)の混合物を110℃で22時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を酢酸エチルで粉砕した。沈殿物を濾過によって収集し、酢酸エチルおよびヘキサンで洗浄して、所望の生成物が得られた(0.908g)。母液を半分の体積まで濃縮した。沈殿物を濾過によって収集し、酢酸エチルおよびヘキサンで洗浄して、さらなる所望の生成物が得られた(0.342g)。得られた全生成物は1.10gであった(80.6%)。LCMS(M+H):m/z=430.0/431.9。
【0099】
ステップ4:2−クロロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]安息香酸
【化22】

テトラヒドロフラン(7.0mL)およびメタノール(5.0mL)中のメチル2−クロロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンゾエート(ステップ3、1.10g、2.56mmol)の溶液に、水(3.0mL)中の水酸化リチウム(0.245g、10.2mmol)の溶液を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、約3mLの体積まで減圧下で濃縮した。残渣を水(3mL)で希釈し、1NのHClで約4〜5のpHに調節した。沈殿物を濾取し、水で数回洗浄し、空気中で終夜乾燥させた。その後、沈殿物をエーテルおよびジクロロメタン(DCM)−ヘキサン(1:1)で順次粉砕した。所望の生成物(638mg、60%)が得られた。LCMS(M+H):m/z=415.9/417.9。
【0100】
ステップ5:2−クロロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド
【化23】

N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の2−クロロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]安息香酸(ステップ4、5.0mg、0.012mmol)および(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(10.0mg、0.020mmol)(Aldrich、カタログ#226084)を、室温で3分間撹拌した。その後、テトラヒドロフラン中の2.0Mのメチルアミン(0.012mL、0.023mmol)を0℃で、続いてトリエチルアミン(6.4μL、0.046mmol)をゆっくりと加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、RP−HPLC(pH=2)によって精製して、所望の生成物がトリフルオロ酢酸(TFA)塩として得られた。LCMS(M+H):m/z=429.3。
【0101】
(実施例3)
2−クロロ−N−[(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド
【化24】

ステップ1:tert−ブチル[(1S)−2−アミノ−1−メチル−2−オキソエチル]カルバメート
【化25】

0℃のTHF中の(2S)−2−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン酸(1g、0.005mol)の撹拌溶液に、4−メチルモルホリン(0.588g、0.00581mol)を加え、クロロギ酸イソブチル(0.794g、0.00581mol)を2分間かけて滴下した。反応を0℃で30分間撹拌し、その後、30wt%の水酸化アンモニウムの溶液(12.0mL、0.0925mol)を反応中に素早く注いだ。反応を室温まで温め、5時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物が得られ、これをさらに精製せずに次のステップの反応で直接使用した(800mg、80%)。H−NMR(300MHz、DMSO−d):12.40(s、1H)、7.10(d、J=7.0Hz、1H)、3.88(m、1H)、1.35(s、9H)、1.20(d、J=7.3Hz、3H)。
【0102】
ステップ2:tert−ブチル[(1S)−1−シアノエチル]カルバメート
【化26】

N,N−ジメチルホルムアミド(5mL)中のtert−ブチル[(1S)−2−アミノ−1−メチル−2−オキソエチル]カルバメート(ステップ1、0.7g、0.004mol)の撹拌溶液に、343mgの塩化シアヌル(0.00186mol)を一度に加えた。反応混合物を4時間撹拌した。水を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ヘキサン中のEtOAc(30〜50%)を用いたシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物が得られた(400mg、63%)。H−NMR(300MHz、DMSO−d):7.74(d、J=7.0Hz、1H)、4.48(m、1H)、1.40(s、9H)、1.35(d、J=7.0Hz、3H)。
【0103】
ステップ3:tert−ブチル[(1S,2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチルエチル]カルバメート
【化27】

エタノール(3mL)中のtert−ブチル[(1S)−1−シアノエチル]カルバメート(ステップ2、250mg、1.5mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.41mL、2.9mmol)およびヒドロキシルアミン(58mg、1.8mmol)を加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮して、所望の粗生成物が得られ(300mg)、これをさらに精製せずに次のステップの反応で直接使用した。H−NMR(300MHz、DMSO−d):8.94(s、1H)、6.80(d、J=8.5Hz、1H)、5.24(s、2H)、4.01(m、1H)、1.36(s、9H)、1.15(d、J=7.0Hz、3H)。
【0104】
ステップ4:tert−ブチル{(1S,2Z)−2−[(アセチルオキシ)イミノ]−2−アミノ−1−メチルエチル}カルバメート
【化28】

0℃に冷却した塩化メチレン(2mL)中のtert−ブチル[(1S,2Z)−2−アミノ−2−(ヒドロキシイミノ)−1−メチルエチル]カルバメート(ステップ3、100mg、0.5mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.10mL、0.74mmol)を加えた。その後、混合物に塩化アセチル(42mg、0.54mmol)を滴下し、反応を室温まで温めた。室温で1時間撹拌した後、反応を濃縮した。残渣をジクロロメタン(DCM)に溶かし、水およびブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の粗生成物が得られ(100mg、82.8%)、これをさらに精製せずに次のステップの反応で直接使用した。H−NMR(300MHz、DMSO−d):6.90(d、J=9.0Hz、1H)、6.22(s、2H)、4.05(m、1H)、2.01(s、3H)、1.36(s、9H)、1.20(d、J=7.0Hz、3H)。
【0105】
ステップ5:(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタンアミン
【化29】

エタノール(3mL)中のtert−ブチル{(1S,2Z)−2−[(アセチルオキシ)イミノ]−2−アミノ−1−メチルエチル}カルバメート(ステップ4、80mg、0.3mmol)の溶液に、水(1mL)中の酢酸ナトリウム三水和物(49mg、0.36mmol)の溶液を加えた。混合物を85℃で3時間加熱した。エタノールを蒸発させ、水を加え、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を塩化メチレン(1mL)に溶かした。溶液にトリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。30分間撹拌した後、反応混合物を濃縮して、所望の生成物がTFA塩として得られ、これをさらに精製せずに次のステップの反応で直接使用した。
【0106】
ステップ6:2−クロロ−N−[(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド
【化30】

N,N−ジメチルホルムアミド(2mL、20mmol)中の2−クロロ−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]安息香酸(50mg、0.1mmol、実施例2、ステップ4)の溶液に、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(68mg、0.18mmol)(Aldrich、カタログ#226084)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(42μL、0.24mmol)を加えた。溶液を15分間撹拌した後、(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタンアミンTFA塩(18mg、0.14mmol、ステップ5)を加え、終夜撹拌した。混合物をRP−HPLC(pH=10)によって精製して、所望の生成物が得られ、これをRP−HPLC(pH=2)によってさらに精製して、所望の純粋な生成物がTFA塩として得られた。LCMS(M+H):m/z=525.0/427.0。H−NMR(500MHz、DMSO−d):9.22(s、1H)、8.98(dd、J=5.0、1.5Hz、1H)、9.15(d、J=8.0Hz、1H)、8.56(d、J=8.5Hz、1H)、8.16(d、J=2.0Hz、1H)、8.14(dd、J=8.0、1.5Hz、1H)、8.06(s、1H)、8.04(d、J=9.0Hz、1H)、8.02(s、1H)、7.90(dd、J=9.0、2.0Hz、1H)、7.68(dd、J=8.5、5.0Hz、1H)、7.60(d、J=8.0Hz、1H)、5.24(m、1H)、4.66(s、2H)、2.60(s、3H)、1.51(d、J=7.0Hz、3H)。
【0107】
R鏡像異性体は、上記手順に従って(1R)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エタンアミンを使用して、または生成物をラセミ化し、標準のキラル分離技法(たとえばキラルカラム)を使用して鏡像異性体を分離することによって、作製することができる。
【0108】
(実施例4)
N−メチル−5−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化31】

ステップ1:5−(3−アミノ−1,2,4−トリアジン−6−イル)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド
【化32】

トルエン(1.3mL)、エタノール(0.66mL)および水(0.66mL)中のN−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−カルボキサミド(200mg、0.80mmol)(VWR、カタログ#200068−640)、6−ブロモ−1,2,4−トリアジン−3−アミン(130mg、0.76mmol、実施例2、ステップ1)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(40mg、0.04mmol)および炭酸カリウム(0.32g、2.3mmol)の混合物を120℃で1.5時間加熱した。混合物を濾過し、メタノールで洗浄した。濾液をRP−HPLC(pH=10)によって精製して、所望の生成物が得られた(80mg、45.54%)。LCMS(M+H):m/z=231.4、LCMS(M+H+HO):m/z=249.3。
【0109】
ステップ2:N−メチル−5−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド
【化33】

1,2−エタンジオール(100mL)中の5−(3−アミノ−1,2,4−トリアジン−6−イル)−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド(ステップ1、6.5g、0.022mol)および1−(2−クロロ−1−ヒドロキシ−3−キノリン−6−イルプロピル)ピロリジン−2,5−ジオン(8.71g、0.0273mol、実施例1、ステップ7)の混合物を120℃で終夜撹拌した。反応混合物を濃縮した。混合物をTHF溶液中のメチルアミン(2.0M)でpH=10まで中和し、その後、ジクロロメタン中の5%のMeOHを用いたシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物が得られ、これはいくらかの出発物質で汚染されていた。生成物をジクロロメタン中の10%のMeOHに溶かし、約2mLの体積まで濃縮した。生じた固形物を濾過し、MeOH(2mL)で洗浄して、純粋な生成物が得られた(4.50g、50%)。生成物を2NのHCl(水溶液)およびアセトニトリルで処理し、凍結乾燥によって乾燥させて、所望の生成物がHCl塩として得られた。LCMS(M+H):m/z=396.4。H−NMR(400MHz、DMSO−d):9.40(s、1H)、9.27(s、1H)、9.20(d、J=5.5Hz、1H)、9.10(d、J=8.0Hz、1H)、8.64(d、J=8.0Hz、1H)、8.30(s、1H)、8.26(d、J=8.0Hz、1H)、8.20(d、J=8.0、Hz、1H)、8.19(s、1H)、8.17(d、J=8.0Hz、1H)、7.03(dd、J=8.0、5.5Hz、1H)、4.76(s、2H)、2.81(s、3H)。
【0110】
(実施例5)
N,2−ジメチル−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド
【化34】

ステップ1:4−ブロモ−N,2−ジメチルベンズアミド
【化35】

N,N−ジメチルホルムアミド(10μL)を、塩化オキサリル(2.0mL、23mmol)中の4−ブロモ−2−メチル安息香酸(1.0g、4.6mmol)の混合物に加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮して、粗塩化カルボニルが得られ、これを塩化メチレン(2mL)に溶かした。溶液をテトラヒドロフラン(THF)中のメチルアミン(2.0M、0.465mL、9.3mmol)およびDCM(10ml)中のトリエチルアミン(1.3mL、9.3mmol)の混合物にゆっくりと加えた。30分後、反応混合物を飽和炭酸ナトリウム(10mL)で反応停止させ、DCM(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物が得られた(980mg、92%)。LCMS(M+H):m/z=228.1/230.2。
【0111】
ステップ2:N,2−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド
【化36】

1,4−ジオキサン(5.28mL)中の4−ブロモ−N,2−ジメチルベンズアミド(ステップ1、0.50g、2.2mmol)および4,4,5,5,4’,4’,5’,5’−オクタメチル−[2,2’]ビ[[1,3,2]ジオキサボロラニル](0.67g、2.6mmol)(Aldrich、カタログ#473294)の溶液に、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンとの錯体(1:1)(0.09g、0.1mmol)(Aldrich、カタログ#379670)、酢酸カリウム(0.64g、0.0066mol)、および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.06g、0.1mmol)(Aldrich、カタログ#177261)を窒素雰囲気下で加えた。反応混合物を80℃で終夜撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン中の10%のメタノールを用いたシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物が得られた。LCMS(M+H):m/z=276.4。
【0112】
ステップ3:4−(3−アミノ−1,2,4−トリアジン−6−イル)−N,2−ジメチルベンズアミド
【化37】

トルエン(1.9mL)、エタノール(0.94mL)および水(0.94mL)中のN,2−ジメチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンズアミド(ステップ2、0.3g、0.001mol)、6−ブロモ−1,2,4−トリアジン−3−アミン(0.21g、1.2mmol、実施例2、ステップ1)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(0.06g、0.05mmol)および炭酸カリウム(0.45g、3.3mmol)の混合物。生じた混合物を130℃で2.5時間加熱した。混合物をMeOHで希釈し、濾過し、DCM/メタノール(90%)で洗浄した。濾液を濃縮した。残渣を、DCM中の10%のMeOHを用いたシリカゲルカラム上でのフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、所望の生成物が得られた(110mg、41%)。LCMS(M+H):m/z=244.3。
【0113】
ステップ4:2−クロロ−3−キノリン−6−イルプロパナール
【化38】

L−プロリン(410mg、3.5mmol)を、クロロホルム(39mL)中の3−キノリン−6−イルプロパナール(3.27g、17.6mmol、実施例1、ステップ6)の溶液に0℃で加え、続いてN−クロロスクシンイミド(2.48g、18.5mmol)を加え、反応混合物を周囲温度までゆっくりと温め、LCMSで監視しながら1時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮し、残渣をヘキサン中の酢酸エチル(0〜50%)を用いてシリカゲルカラム上で精製して、所望の生成物が得られた。(95%)LCMS:(M+H+HO)=237.9/239.9。
【0114】
ステップ5:N,2−ジメチル−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド
【化39】

密封したチューブ内のエタノール(2.5mL)中の4−(3−アミノ−1,2,4−トリアジン−6−イル)−N,2−ジメチルベンズアミド(ステップ3、0.30g、1.2mmol)および2−クロロ−3−キノリン−6−イルプロパナール(ステップ4、0.32g、1.5mmol)の混合物を120℃で終夜撹拌した。冷却後、反応混合物をRP−HPLC(pH=2)によって精製して、所望の生成物がTFA塩として得られた(150mg)。LCMS(M+H):m/z=409.3。H−NMR(400MHz、CDOD):9.64(s、1H)、9.21(d、J=5.0、1H)、9.18(d、J=8.0Hz、1H)、8.44(s、1H)、8.39(s、1H)、8.32(d、J=9.0Hz、1H)、8.27(d、J=8.0Hz、1H)、8.12(dd、J=9.0、5.0、Hz、1H)、8.05(s、1H)、8.03(s、1H)、7.57(d、J=8.0Hz、1H)、4.86(s、2H)、2.92(s、3H)、2.48(s、3H)。
【0115】
(実施例A)
in vitro c−Metキナーゼ酵素アッセイ
本発明の化合物を、c−Metキナーゼ活性を阻害するその能力についてin vitroでスクリーニングした。c−Metキナーゼの阻害のIC50値を、一部の改変を用いて文献に記載のように決定した(Wang,X.ら、Mol.Cancer Ther.、2003、2(11):1085〜1092、Calic,M.ら、Croatica Chemical ACTA.、2005、78(3):367〜374)。手短に述べると、ヒスチジンでタグ付けしたc−Met触媒ドメイン融合タンパク質(Invitrogen、#PV3143)をアッセイに使用した。IC50の測定は、96ウェルのマイクロプレート(R&D systems、#DY990)上にコーティングした(0.01mg/ウェル)ポリGlu−Tyr(Sigma−Aldrich、#P0275)のリン酸化の度合に基づいていた。反応は、50mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMnCl、10mMのMgCl、0.5mMのDTT、100μMのNaVO、5μMのATP(Cell Signaling Technology、#9804)および試験化合物の段階希釈液を含有する50μLの溶液で実施した。反応は30℃で25分間持続した。反応が完了した後、プレートの内容物を廃棄した。その後、プレートをTBS−T(250μL/ウェル、5×)で洗浄し、その後、1%のBSAを含有するTBS−Tで2時間遮断した。プレートの内容物を廃棄し、その後、TBS−Tを含有する1%のBSA中で希釈した(1:60,000)、100μL(ウェル1個あたり)のペルオキシダーゼで標識した抗ホスホ−チロシン抗体(Sigma、#A5964)を加え、1時間インキュベーションした。プレートをTBS−T(250μL/ウェル、5×)で洗浄し、続いて、100μLのHおよびテトラメチルベンジジン(R&D Systems、#DY999)(1:1の混合物)を使用した呈色反応を行った。反応を数分以内に100μLの2NのHSOで停止させた。光学密度を、マイクロプレートリーダーを使用して、450nmで、540nmでの波長補正を用いてすぐに測定した。IC50値はGraphPad Prismソフトウェアを用いて計算した。直線範囲(すなわち、速度が初期速度と等価に保たれた期間)をキナーゼについて決定し、IC50の決定をこの範囲内で行った。
【0116】
Wang,X.ら、Potent and selective inhibitors of the Met[hepatocyte growth factor/scatter factor(HGF/SF) receptor]tyrosine kinase block HGF/SF−induced tumor cell growth and invasion.、Mol.Cancer Ther.、2003、2(11):1085〜1092。
【0117】
Calic,M.ら、Flavonoids as inhibitors of Lck and Fyn kinases.、Croatica Chemica ACTA.、2005、78(3):367〜374。
【0118】
本発明の化合物のIC50結果を以下に示す。
【0119】
【表1】

【0120】
(実施例B)
細胞増殖/生存アッセイ
様々なヒト癌を表す細胞系(SNU−1およびSUN−5胃、A549およびNCI−H441肺、U−87膠芽細胞腫、HT−29結腸、786−O腎臓、PC−3膵臓)は、American Type Culture Collectionから入手し、ATCCによって推奨される培養培地および条件中でルーチン的に維持することができる。増殖/生存アッセイで使用する最適な細胞密度は、個々の細胞系について事前に決定することができる。化合物を、細胞増殖/生存を阻害するその能力についてスクリーニングし、IC50値を決定する。以下は、SNU−5およびSNU−1の細胞増殖/生存アッセイの試料プロトコルである。SNU−5およびSNU−1細胞を、96ウェルの細胞培養プレートに、それぞれ4000個の細胞/ウェルおよび2000個の細胞/ウェルで、2%のFBSを含有し、個々の化合物の段階希釈液を添加した適切な培地中で、100μL/ウェルの最終体積で播種する。72時間のインキュベーション後、24μLのCellTiter96(登録商標)AQueous One Solution試薬(Promega、#G3581)をそれぞれのウェルに加え(最終濃度=333μg/mL)、プレートを37℃のインキュベーター中でさらに2時間インキュベーションする。光学密度は、直線範囲で、マイクロプレートリーダーを使用して、490nmで、650nmでの波長補正を用いて測定する。IC50値はGraphPad Prismソフトウェアを用いて計算する。A549、NCI−H441、U−87、HT−29、786−0およびPC−3細胞を使用した増殖アッセイには、最初に、細胞を48時間、低血清条件(適切な培養培地中に0.1〜0.5%のFBS)中で飢餓させ、その後、様々な濃度の化合物で2時間処理する。細胞をHGF(50ng/mL)(R&D、#294−HGN)で24時間処理した後、CellTiter96(登録商標)AQueous One Solution試薬を加え、プレートを2時間インキュベーションする。結果をプレートリーダーで記録する。
【0121】
(実施例C)
細胞に基づくc−Metリン酸化アッセイ
関連する細胞系(SNU−5胃、A549およびNCI−H441肺、U−87膠芽細胞腫、HT−29結腸、786−O腎臓およびPC−3膵臓の癌細胞系ならびにHUVEC細胞系)における、c−Metのリン酸化に対する化合物の阻害効果は、免疫ブロッティング分析およびELISAに基づくc−Metリン酸化アッセイを使用して評価することができる。細胞を適切な培養培地中で成長させ、様々な濃度の個々の化合物で処理する。SNU−5、HT−29、786−0細胞には、細胞を0.2%または2%のFBSを添加した、適切にした培地中で成長させ、化合物で3〜4時間処理する。全細胞タンパク質抽出物は、Biosource Internationalから得られた試薬およびプロトコル(#FNN0011)を使用して、軽微な改変を用いて調製する。手短に述べると、タンパク質抽出物は、プロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤を含む溶解緩衝液[50mMのHEPES(pH7.5)、100mMのNaCl、1.5mMのMgCl、10%のグリセロール、1%のTriton X−100、1mMのオルトバナジン酸ナトリウム、1mMのフッ化ナトリウム、アプロチニン(2μg/mL)、ロイペプチン(2μg/mL)、ペプスタチンA(2μg/mL)、およびフッ化フェニルメチルスルホニル(1mM)]中、4℃でのインキュベーションによって作製する。タンパク質抽出物は、14,000×gで20分間の遠心分離によって細胞細片を取り除く。A549、H441、U−87およびPC−3細胞には、細胞を少なくとも24時間、血清(0.2%のFBS)飢餓させ、その後、様々な濃度の化合物で1時間、前処理する。細胞をHGF(50ng/mL)で10分間処理した後に全細胞抽出物が調製される。
【0122】
免疫ブロッティング分析
関連する抗体は商業的供給業者から得られ、ウサギポリクローナル抗体には抗ヒトc−Met(Santa Cruz Biotechnology、#sc−161)ならびに抗リン酸化c−Met(Biosource International、pY1230/4/5およびpY1003)が含まれていた。免疫ブロッティングには、個々の処理条件からの10〜20μgのタンパク質抽出物を10%のSDS−PAGEゲル上の電気泳動によって分離し、ニトロセルロース(またはPVDF)膜に電気転写させた。膜を、3%の乳および0.1%のTween−20を含有するPBS中で1時間遮断し、その後、遮断溶液中の一次抗c−Met抗体と共に1時間インキュベーションする。3回の洗浄の後、膜を適切な西洋ワサビとコンジュゲートさせた二次抗体と共に1時間インキュベーションする。最終洗浄の後、ブロットを化学発光検出試薬と共に5分間インキュベーションし、X線フィルムに曝露させる。画像を走査し、定量し、全c−Metを用いて補正して、IC50値を計算する。10μM以下のIC50を有する化合物が、活性であるとみなされる。
【0123】
ELISA
細胞タンパク質抽出物を、ヒトホスホ−c−Met ELISAキットを使用して、製造者の指示に従って分析する(R&D Systems、#DYC2480)。最適な量のタンパク質抽出物が個々の細胞系について事前に決定されている。手短に述べると、アッセイのために、適切な量のタンパク質抽出物を、捕捉抗ヒトc−Met抗体で2時間、96ウェルのマイクロプレート中で捕捉する。洗浄の後、検出抗体(HRPとコンジュゲートさせた抗ホスホ−チロシン抗体)を加え、2時間インキュベーションする。さらなる洗浄の後、100μLの基質溶液(Hおよびテトラメチルベンジジンの1:1の混合物)をそれぞれのウェル内に加え、発色中の適切な時間以内に反応を2NのHSOで停止させる。光学密度は、直線範囲で、マイクロプレートリーダーを使用して、450nmで、540nmでの波長補正を用いて測定する。IC50値はGraphPad Prismソフトウェアを用いて計算する。
【0124】
前述の記載から、本明細書中に記載したものに加えて、本発明の様々な改変が当業者に明らかであろう。そのような改変も、添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。本特許出願中に引用されている、すべての特許、特許出願、および出版物を含めたそれぞれの参考文献は、その全体で本明細書中に参考として組み込まれている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−フルオロ−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド、
2−クロロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミド、
2−クロロ−N−[(1S)−1−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)エチル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド、
N−メチル−5−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ピリジン−2−カルボキサミド、もしくは
N,2−ジメチル−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミド
である化合物、または前述のうちの任意のものの薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物2−クロロ−N−メチル−4−(7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル)ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
前記化合物2−フルオロ−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−4−[7−(キノリン−6−イルメチル)イミダゾ[1,2−b][1,2,4]トリアジン−2−イル]ベンズアミドまたは薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体とを含む組成物。
【請求項5】
c−Metキナーゼの活性を阻害する方法であって、前記キナーゼを、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と接触させることを含む、方法。
【請求項6】
細胞におけるHGF/c−Metキナーゼのシグナル伝達経路を阻害する方法であって、前記細胞を、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と接触させることを含む、方法。
【請求項7】
細胞の増殖活性を阻害する方法であって、前記細胞を、請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩と接触させることを含む、方法。
【請求項8】
患者における腫瘍成長を阻害する方法であって、前記患者に、治療上有効な量の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法。
【請求項9】
患者における腫瘍転移を阻害する方法であって、前記患者に、治療上有効な量の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法。
【請求項10】
患者における疾患を処置する方法であって、ここで、前記疾患は、HGF/c−METシグナル伝達経路の調節異常に関連するものであり、前記患者に、治療上有効な量の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記疾患が、癌、アテローム性動脈硬化症、肺線維症、腎線維症および再生、肝疾患、アレルギー性障害、炎症性疾患、自己免疫疾患、脳血管疾患、心血管疾患、または臓器移植に関連する状態である、方法。
【請求項12】
患者における癌を処置する方法であって、前記患者に、治療上有効な量の請求項1に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記癌が、癌腫、筋骨格肉腫、軟組織肉腫、または造血器悪性腫瘍である、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、前記癌が、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、胆管癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、鼻咽頭癌、卵巣癌、膵癌、前立腺癌、甲状腺癌、骨肉腫、滑膜肉腫、横紋筋肉腫、MFH/線維肉腫、平滑筋肉腫、カポジ肉腫、多発性骨髄腫、リンパ腫、成人T細胞白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、膠芽細胞腫、星状細胞腫、黒色腫、中皮腫、またはウィルムス腫瘍である、方法。

【公表番号】特表2013−518887(P2013−518887A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552051(P2012−552051)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/US2011/023464
【国際公開番号】WO2011/162835
【国際公開日】平成23年12月29日(2011.12.29)
【出願人】(512199335)インサイト コーポレーション (1)
【氏名又は名称原語表記】INCYTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】Experimental Station−Building E336,207 Route 141&Henry Clay Road,Wilmington,DE 19880 U.S.A.
【Fターム(参考)】