CD86アンタゴニストの多標的結合タンパク質
本開示により、CD86アンタゴニスト結合ドメインと、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである別の結合ドメインとで構成された多重特異性融合タンパク質を提供する。また、この多重特異性融合タンパク質には、他方のドメインを引き離す介在ドメインが含まれ得る。また、本開示により、該多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、該融合タンパク質の組成物、ならびに該多重特異性融合タンパク質および組成物の使用方法を提供する。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
介在ドメインによって異種結合ドメインに連結されたCD86結合ドメインを含む多重特異性融合タンパク質であって、該異種結合ドメインは、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである、多重特異性融合タンパク質。
【請求項2】
該CD86結合ドメインが、CTLA4エクトドメインまたはCTLA4エクトドメインのサブドメインである、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項3】
該CD86結合ドメインが、CD86に特異的なFab、scFv、ドメイン抗体、または重鎖のみの抗体である、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項4】
該CD86結合ドメインが、FUN1抗CD86抗体またはそのヒト化改変体の軽鎖および重鎖の可変ドメインを含む、請求項3に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項5】
該FUN1結合ドメインが、配列番号187または237のアミノ酸1〜258を含む、請求項4に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項6】
該CD86結合ドメインが、配列番号1〜6のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項7】
該異種結合ドメインが、配列番号7、14、15、18〜22、25、26、29、32、33、39および40のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項8】
該異種結合ドメインが、配列番号7に示すアミノ酸配列または87位に点変異を含むその改変体を含むIL−10アゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項9】
該異種結合ドメインが、配列番号14または15に示すアミノ酸配列を含むHLA−Gアゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項10】
該異種結合ドメインが、配列番号18〜22のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含むHGFアゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項11】
該異種結合ドメインが、配列番号25または26に示すアミノ酸配列を含むIL−35アゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項12】
該異種結合ドメインが、配列番号32または33に示すアミノ酸配列を含むPD−1アゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項13】
異種結合ドメインが、配列番号29に示すアミノ酸配列を含むBTLAアゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項14】
該異種結合ドメインが、配列番号29に示すアミノ酸配列を含むLIGHTアンタゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項15】
該異種結合ドメインが、配列番号39または40に示すアミノ酸配列を含むGITRLアンタゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項16】
該介在ドメインが、該CD86結合ドメインと該異種結合ドメインとの間に配置される免疫グロブリンの定常領域または部分領域を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項17】
該免疫グロブリンの定常領域または部分領域がIgG1 CH2CH3である、請求項16に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項18】
該介在ドメインが、第1リンカーと第2リンカーとの間に配置される免疫グロブリンの定常領域を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項19】
該第1リンカーおよび第2リンカーが、独立して、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すリンカーから選択される、請求項18に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項20】
該介在ドメインが、ヒト免疫グロブリンFc領域、アルブミン、トランスフェリン、または血清タンパク質に結合する骨格ドメインを含む、請求項18に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項21】
該介在ドメインが、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下:
−L1−X−L2−
(式中:
L1およびL2は各々、独立して、2〜約150個のアミノ酸を含むリンカーであり;
Xは、免疫グロブリンの定常領域もしくは部分領域、アルブミン、トランスフェリン、または別の血清タンパク質結合タンパク質である)
の構造を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項22】
該免疫グロブリンの定常領域または部分領域がIgG1 CH2CH3である、請求項21に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項23】
L1が、1つ以上のシステインが他のアミノ酸で置き換わるように任意選択で変異させられたヒト免疫グロブリンヒンジ領域である、請求項21に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項24】
Xが、FcγRI−III相互作用を解消するがFcRn相互作用は保持するように任意選択で変異させられたヒトIgG1 Fcドメインまたはその少なくとも1つのCHドメインである、請求項21または23に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項25】
該介在ドメインが二量体化ドメインである、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項26】
下記の構造:
N−BD1−X−L2−BD2−C
(式中:
BD1は、CTLA4のエクトドメインと少なくとも約90%同一であるCD86結合ドメインであり;
−X−は、−L1−CH2CH3−(式中、L1は、第1システインを置換することにより任意選択で変異させられた第1IgG1ヒンジであり、−CH2CH3−は、FcγRI−III相互作用を解消するがFcRn相互作用は保持するように任意選択で変異させられたIgG1 FcドメインのCH2CH3領域である)であり;
L2は、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398から選択されるリンカーであり;
BD2は、該異種結合ドメインである)
を有する、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項27】
配列番号9、13、17、24、28、31、35、38、42、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、237、239、252、254、256、258、260、262、266、276、302、330、334、336、338、340、350、352、および354のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項28】
前述の請求項のいずれかに記載の1種類以上の多重特異性融合タンパク質と、薬学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤とを含む組成物。
【請求項29】
該多重特異性融合タンパク質が該組成物中で二量体または多量体として存在している、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項31】
配列番号8、12、16、23、27、30、34、37、41、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、236、238、251、253、255、257、259、261、265、275、301、329、333、335、337、339、349、351および353のいずれか1つに示すポリヌクレオチドを含む、請求項30に記載のポリヌクレオチド。
【請求項32】
発現制御配列に作動可能に連結された請求項30または31に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項33】
請求項32に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項34】
治療有効量の前述の請求項のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質またはその組成物を投与することを含む、CD86、IL−10、HLA−G、HGF、IL−35、PD−1、BTLA、LIGHT、GITRLまたはCD40と関連している障害を有する被験体の処置方法。
【請求項35】
該障害が、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスまたは固形臓器移植である、請求項34に記載の方法。
【請求項1】
介在ドメインによって異種結合ドメインに連結されたCD86結合ドメインを含む多重特異性融合タンパク質であって、該異種結合ドメインは、IL−10アゴニスト、HLA−Gアゴニスト、HGFアゴニスト、IL−35アゴニスト、PD−1アゴニスト、BTLAアゴニスト、LIGHTアンタゴニスト、GITRLアンタゴニストまたはCD40アンタゴニストである、多重特異性融合タンパク質。
【請求項2】
該CD86結合ドメインが、CTLA4エクトドメインまたはCTLA4エクトドメインのサブドメインである、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項3】
該CD86結合ドメインが、CD86に特異的なFab、scFv、ドメイン抗体、または重鎖のみの抗体である、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項4】
該CD86結合ドメインが、FUN1抗CD86抗体またはそのヒト化改変体の軽鎖および重鎖の可変ドメインを含む、請求項3に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項5】
該FUN1結合ドメインが、配列番号187または237のアミノ酸1〜258を含む、請求項4に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項6】
該CD86結合ドメインが、配列番号1〜6のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項7】
該異種結合ドメインが、配列番号7、14、15、18〜22、25、26、29、32、33、39および40のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項8】
該異種結合ドメインが、配列番号7に示すアミノ酸配列または87位に点変異を含むその改変体を含むIL−10アゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項9】
該異種結合ドメインが、配列番号14または15に示すアミノ酸配列を含むHLA−Gアゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項10】
該異種結合ドメインが、配列番号18〜22のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含むHGFアゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項11】
該異種結合ドメインが、配列番号25または26に示すアミノ酸配列を含むIL−35アゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項12】
該異種結合ドメインが、配列番号32または33に示すアミノ酸配列を含むPD−1アゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項13】
異種結合ドメインが、配列番号29に示すアミノ酸配列を含むBTLAアゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項14】
該異種結合ドメインが、配列番号29に示すアミノ酸配列を含むLIGHTアンタゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項15】
該異種結合ドメインが、配列番号39または40に示すアミノ酸配列を含むGITRLアンタゴニストを含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項16】
該介在ドメインが、該CD86結合ドメインと該異種結合ドメインとの間に配置される免疫グロブリンの定常領域または部分領域を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項17】
該免疫グロブリンの定常領域または部分領域がIgG1 CH2CH3である、請求項16に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項18】
該介在ドメインが、第1リンカーと第2リンカーとの間に配置される免疫グロブリンの定常領域を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項19】
該第1リンカーおよび第2リンカーが、独立して、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398に示すリンカーから選択される、請求項18に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項20】
該介在ドメインが、ヒト免疫グロブリンFc領域、アルブミン、トランスフェリン、または血清タンパク質に結合する骨格ドメインを含む、請求項18に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項21】
該介在ドメインが、アミノ末端からカルボキシ末端に向かって以下:
−L1−X−L2−
(式中:
L1およびL2は各々、独立して、2〜約150個のアミノ酸を含むリンカーであり;
Xは、免疫グロブリンの定常領域もしくは部分領域、アルブミン、トランスフェリン、または別の血清タンパク質結合タンパク質である)
の構造を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項22】
該免疫グロブリンの定常領域または部分領域がIgG1 CH2CH3である、請求項21に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項23】
L1が、1つ以上のシステインが他のアミノ酸で置き換わるように任意選択で変異させられたヒト免疫グロブリンヒンジ領域である、請求項21に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項24】
Xが、FcγRI−III相互作用を解消するがFcRn相互作用は保持するように任意選択で変異させられたヒトIgG1 Fcドメインまたはその少なくとも1つのCHドメインである、請求項21または23に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項25】
該介在ドメインが二量体化ドメインである、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項26】
下記の構造:
N−BD1−X−L2−BD2−C
(式中:
BD1は、CTLA4のエクトドメインと少なくとも約90%同一であるCD86結合ドメインであり;
−X−は、−L1−CH2CH3−(式中、L1は、第1システインを置換することにより任意選択で変異させられた第1IgG1ヒンジであり、−CH2CH3−は、FcγRI−III相互作用を解消するがFcRn相互作用は保持するように任意選択で変異させられたIgG1 FcドメインのCH2CH3領域である)であり;
L2は、配列番号43〜166、244、307、320、355〜379および383〜398から選択されるリンカーであり;
BD2は、該異種結合ドメインである)
を有する、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項27】
配列番号9、13、17、24、28、31、35、38、42、171、173、175、177、179、181、183、185、187、189、191、193、195、197、199、201、203、205、207、209、211、213、215、217、219、221、223、237、239、252、254、256、258、260、262、266、276、302、330、334、336、338、340、350、352、および354のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の多重特異性融合タンパク質。
【請求項28】
前述の請求項のいずれかに記載の1種類以上の多重特異性融合タンパク質と、薬学的に許容され得る担体、希釈剤または賦形剤とを含む組成物。
【請求項29】
該多重特異性融合タンパク質が該組成物中で二量体または多量体として存在している、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
請求項1〜27のいずれか1項に記載の多重特異性融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項31】
配列番号8、12、16、23、27、30、34、37、41、170、172、174、176、178、180、182、184、186、188、190、192、194、196、198、200、202、204、206、208、210、212、214、216、218、220、222、236、238、251、253、255、257、259、261、265、275、301、329、333、335、337、339、349、351および353のいずれか1つに示すポリヌクレオチドを含む、請求項30に記載のポリヌクレオチド。
【請求項32】
発現制御配列に作動可能に連結された請求項30または31に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
【請求項33】
請求項32に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
【請求項34】
治療有効量の前述の請求項のいずれかに記載の多重特異性融合タンパク質またはその組成物を投与することを含む、CD86、IL−10、HLA−G、HGF、IL−35、PD−1、BTLA、LIGHT、GITRLまたはCD40と関連している障害を有する被験体の処置方法。
【請求項35】
該障害が、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスまたは固形臓器移植である、請求項34に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公表番号】特表2012−504425(P2012−504425A)
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−530279(P2011−530279)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/059446
【国際公開番号】WO2010/040105
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511084902)エマージェント プロダクト デベロップメント シアトル, エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/059446
【国際公開番号】WO2010/040105
【国際公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(511084902)エマージェント プロダクト デベロップメント シアトル, エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】
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