説明

CXCR4及び他のGPCRに指向性を有するアミノ酸配列及びそれを含む化合物

本発明は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、特にCXCR4及びCXCR7に(本明細書で規定されるように)指向性を有するアミノ酸配列、並びにこのようなアミノ酸配列を1つ又は複数含むか、又はこれから本質的に成る、化合物又は構築物、特にタンパク質及びポリペプチド(本明細書中でそれぞれ、「本発明のアミノ酸配列」、「本発明の化合物」及び「本発明のポリペプチド」とも称される)に関する。さらに本発明は、膜貫通タンパク質、特に天然立体構造が他の「in vitro」系では再現することができない多重膜貫通タンパク質(例えば一般的にGPCR)に指向性を有するアミノ酸配列を作製する新規の方法を提供している。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトCXCR4(配列番号254)と特異的に結合する1つ又は複数のナノボディ、及び可能性としては血清タンパク質と特異的に結合する1つ又は複数のナノボディを含むポリペプチドであって、
ヒトCXCR4と特異的に結合する該ナノボディ(単数又は複数)が、
a)生きた状態でかつ細胞表面で該ヒトCXCR4を発現する細胞全体を、ラマに免疫付与する工程と、
b)ヒトCXCR4との結合に関して選択する工程と、
c)任意で該選択工程において、洗浄剤を用いずにPBS等のバッファーで穏やかに洗浄する工程とを少なくとも含む方法により生成され、並びに
a)該ポリペプチドが、競合結合アッセイでヒトCXCR4と結合する場合、高濃度(100nM以上)でヒトCXCL12(配列番号267)の50%超、より好ましくは60%超、さらにより好ましくは70%超、さらにより好ましくは80%超、さらにより好ましくは90%超、最も好ましくは95%超を置換する、及び/又は
b)該ポリペプチドが、100nM以下、より好ましくは10nM以下、より好ましくは1nM以下、及び最も好ましくは0.1nM以下の濃度でヒトCXCR4に対するヒトCXCL12の化学誘因物質の効果を完全にアンタゴナイズする、
並びに該ポリペプチドがナノボディを2つ以上含む場合、該ポリペプチドが任意でペプチドリンカーをさらに1つ又は複数含む、ポリペプチド。
【請求項2】
ヒトCXCR4と特異的に結合するナノボディを2つ以上含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
ヒトCXCR4と特異的に結合する2つのナノボディを含む、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
少なくとも1つのナノボディが4つのフレームワーク領域(それぞれ、FR1〜FR4)と、3つの相補性決定領域(それぞれ、CDR1〜CDR3)とから本質的に成り、CDR1が、
a)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列;
b)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
c)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR2が、
d)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列;
e)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
f)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR3が、
g)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列;
h)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
i)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項5】
ヒトCXCR4と特異的に結合する該2つのナノボディが4つのフレームワーク領域(それぞれ、FR1〜FR4)と、3つの相補性決定領域(それぞれ、CDR1〜CDR3)とから本質的に成り、CDR1が、
a)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列;
b)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
c)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR2が、
d)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列;
e)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
f)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR3が、
g)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列;
h)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
i)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択される、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項6】
ヒトCXCR4と特異的に結合するナノボディの1つが4つのフレームワーク領域(それぞれ、FR1〜FR4)と、3つの相補性決定領域(それぞれ、CDR1〜CDR3)とから本質的に成り、CDR1が、
a)配列番号142のアミノ酸配列;
b)配列番号142のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
c)配列番号142のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR2が、
d)配列番号174のアミノ酸配列;
e)配列番号174のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
f)配列番号174のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR3が、
g)配列番号206のアミノ酸配列;
h)配列番号206のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
i)配列番号206のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、
ヒトCXCR4と特異的に結合する別のナノボディが4つのフレームワーク領域(それぞれ、FR1〜FR4)と、3つの相補性決定領域(それぞれ、CDR1〜CDR3)とから本質的に成り、CDR1が、
j)配列番号143のアミノ酸配列;
k)配列番号143のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
l)配列番号143のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR2が、
m)配列番号175のアミノ酸配列;
n)配列番号175のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
o)配列番号175のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR3が、
p)配列番号207のアミノ酸配列;
q)配列番号207のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
r)配列番号207のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項7】
ナノボディが、配列番号238、配列番号239のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するナノボディから成る群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項8】
配列番号261〜配列番号264、好ましくは配列番号263、配列番号264のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するポリペプチドから成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリペプチド。
【請求項9】
4つのフレームワーク領域(それぞれ、FR1〜FR4)と、3つの相補性決定領域(それぞれ、CDR1〜CDR3)とから本質的に成るナノボディであって、CDR1が、
a)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列;
b)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
c)配列番号142、配列番号143のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR2が、
d)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列;
e)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
f)配列番号174、配列番号175のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択され、かつ
CDR3が、
g)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列;
h)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列の少なくとも1つとの少なくとも80%のアミノ酸同一性を有するアミノ酸配列;
i)配列番号206、配列番号207のアミノ酸配列の少なくとも1つとの、3つ、2つ又は1つのアミノ酸差異を有するアミノ酸配列から成る群から選択される、ナノボディ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリペプチド又はナノボディをコードする、核酸又はヌクレオチド配列。
【請求項11】
好適な状況下で請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリペプチド又はナノボディを発現することが可能である宿主細胞。
【請求項12】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリペプチド又はナノボディを含む薬学的組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの薬学的に許容可能な担体、希釈剤又は賦形剤、及び/又はアジュバントをさらに含み、任意で1つ又は複数のさらなる薬学的に活性のあるポリペプチド及び/又は化合物を含む、請求項12に記載の薬学的組成物。
【請求項14】
a)アミノ酸配列をコードする核酸配列のセット、コレクション又はライブラリを準備する工程と、
b)ヒトCXCR4と結合することができ、及び/又はヒトCXCR4に対する親和性を有し、並びに、ヒトCXCR4が交差遮断されるか又は請求項1〜9のいずれか一項に記載のポリペプチド若しくはナノボディを交差遮断する、アミノ酸配列をコードする核酸配列に関して、核酸配列の前記セット、コレクション又はライブラリをスクリーニングする工程と、
c)前記核酸配列を単離し、その後前記アミノ酸配列を発現する工程とを少なくとも含む、ヒトCXCR4(配列番号254)に指向性を有するアミノ酸配列をスクリーニングする方法。
【請求項15】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の少なくとも1つのポリペプチド又はナノボディを、治療を必要とする被験体に薬学的に活性のある量投与することを含む、癌又はAIDSを治療するための方法/使用。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図7】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−523550(P2011−523550A)
【公表日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508949(P2011−508949)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056026
【国際公開番号】WO2009/138519
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(505166225)アブリンクス エン.ヴェー. (28)
【Fターム(参考)】