DC−DCコンバータモジュール
【課題】出力電圧等に重畳されるノイズを抑制し、効率を高めたDC−DCコンバータモジュールを構成する。
【解決手段】磁性体基板30の下面に下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極が形成されていて、磁性体基板30の上面に、スイッチング素子を含む制御回路31、入力コンデンサCaおよび出力コンデンサCbが搭載される。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4がそれぞれ構成されている。平滑コイルL1はヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビア導体で構成されている。これらのインダクタL2,L3,L4は、平滑コイルL1を構成する導体の巻回範囲の中心部で磁性体基板30に対して垂直な方向に通る。
【解決手段】磁性体基板30の下面に下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極が形成されていて、磁性体基板30の上面に、スイッチング素子を含む制御回路31、入力コンデンサCaおよび出力コンデンサCbが搭載される。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4がそれぞれ構成されている。平滑コイルL1はヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビア導体で構成されている。これらのインダクタL2,L3,L4は、平滑コイルL1を構成する導体の巻回範囲の中心部で磁性体基板30に対して垂直な方向に通る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主要部品のうちの平滑コイルやトランスなどの磁気素子を内蔵した磁性体基板を部品搭載基板として、その上にスイッチング素子などの各種部品を搭載して構成したDC−DCコンバータモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
DC−DCコンバータの小型化などを目的として磁性体絶縁基板にDC−DCコンバータのモジュールを構成したものが特許文献1に開示されている。
【0003】
一般に、降圧型DC−DCコンバータやフォワード型DC−DCコンバータでは、スイッチング部に入力される入力電流はパルス状になるが、このパルス状の入力電流が入力電圧源とDC−DCコンバータモジュール本体との間の配線を流れると、そこからノイズ(パルス状の電流の基本波ノイズおよび高調波ノイズ)が発生して問題となる。そのため、パルス状の電流を入力部に接続されているコンデンサ(入力コンデンサ)から供給するようにして、モジュール内で電流経路が完結するように構成される。しかし、DC−DCコンバータモジュールを電子機器の回路基板に実装した場合に、入力電圧源とDC−DCコンバータモジュールとの間が離れる場合がある。上記パルス電流の大部分が入力コンデンサに流れるとしても、入力電圧源からもパルス状の電流がDC−DCコンバータへ流れるので、入力電圧源とDC−DCコンバータモジュールとの間が比較的大きく離れていると、その間の配線を流れる電流のループの大きさが大きくなり、これに伴い電磁波ノイズの発生が大きくなって、このことが問題となる。
【0004】
また、昇圧型DC−DCコンバータでは、スイッチング部から出力される出力電流がパルス状になるので、このパルス電流が負荷側に流れないように、また出力電圧にリップルが生じないように出力コンデンサが設けられている。しかし、上記パルス電流の大部分を出力コンデンサに流れるようにするためには、出力コンデンサの容量が大きく且つ低抵抗でなければならず、コンデンサだけでは自ずと限界がある。
【0005】
また、反転型DC−DCコンバータやフライバック型DC−DCコンバータでは、上記降圧型DC−DCコンバータと昇圧型DC−DCコンバータの両方の問題が生じる。
【0006】
特許文献2には、上述の電磁波ノイズや出力電圧のリップルを抑制したDC−DCコンバータモジュールが開示されている。図1は特許文献2に示されているDC−DCコンバータモジュール51の分解斜視図である。但し、斜視図は磁性体基板の内部および下面の構成を示すために透明化して表している。
【0007】
図1において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4が構成されている。平滑コイルL1はヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビアにより構成されている。
【0008】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−42538号公報
【特許文献2】特許第4325747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、図1に示された構造では、全体のさらなる小型化にともない、磁性体基板を貫通するビア導体配線とコイルの磁束の結合が大きくなると、出力電圧が矩形波状に変調される、という解決すべき課題がある。磁性体基板の端面の形成された導体(端面導体)による接続では、この課題はないが、端面導体の直流抵抗によりDC−DCコンバータの効率が低下するという課題がある。
【0011】
そこで、この発明の目的は、前述の課題を解消して、出力電圧等に重畳されるノイズを抑制し、効率を高めたDC−DCコンバータモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、この発明のDC−DCコンバータモジュールは次のように構成する。
(1)スイッチング素子および磁気素子を含むスイッチング部と、該スイッチング部の入力側に設けられた入力コンデンサと、前記スイッチング部の出力側に設けられた出力コンデンサとを備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
下面に入力端子、出力端子、およびグランド端子を含む下面端子が設けられ、上面に上面電極が形成されるとともに該上面電極の上に前記スイッチング素子、前記入力コンデンサ、および前記出力コンデンサがそれぞれ搭載され、内部に前記磁気素子が構成された基板を備え、
前記磁気素子はコイル状に巻回された導体を含み、
前記入力端子、前記出力端子、または前記グランド端子の少なくともいずれかと前記上面電極とを接続する接続配線は、前記磁気素子の導体の巻回範囲の中心部で前記基板に対して垂直な方向に通る内部導体で構成されたことを特徴としている。
【0013】
なお、特許文献1には、第1の磁性体基板の第1の面上に渦巻き状平板コイルパターンが形成されていて、第1の磁性体基板の第2の面上にICチップが実装されている。コイル導体パターンとICチップは第1の磁性体基板のコイル中央部に設けられたビア導体により接続されている。しかし、このコイルとICの接続スルーホールが磁性体基板中央に位置しているのは、渦巻き状平面コイルの一端が磁性体基板の中央に位置しているからにすぎない。
【0014】
(2)スイッチング素子および磁気素子を含むスイッチング部と、該スイッチング部の入力側に設けられた入力コンデンサと、前記スイッチング部の出力側に設けられた出力コンデンサとを備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
下面に入力端子、出力端子、およびグランド端子がそれぞれ設けられ、上面に上面電極が形成されるとともに該上面電極の上に前記スイッチング素子、前記入力コンデンサ、および前記出力コンデンサがそれぞれ搭載され、内部に前記磁気素子が構成された基板を備え、
前記磁気素子はコイル状に巻回された導体を含み、
前記入力端子、前記出力端子、または前記グランド端子の少なくともいずれかと前記上面電極とを接続する接続配線は、前記基板の内部を通る内部導体と、前記基板の端面を通る端面導体とが並列接続されて構成されたことを特徴とする。
【0015】
(3)例えば、(1)の記載の基板は磁性体層と、この磁性体層の上面に積層された非磁性の第1配線層を備え、前記第1配線層の上面に前記上面電極が形成され、下面に前記接続配線と導通する第1面内配線導体が形成され、内部に、前記上面電極と前記第1面内配線導体との間を導通させる第1層間接続導体を含む。
【0016】
(4)例えば(3)に記載の基板は前記磁性体層の下面に積層された非磁性の第2配線層を備え、前記第2配線層の下面に前記下面端子(電極)が形成され、上面に前記接続配線と導通する第2面内配線導体が形成され、内部に、前記下面端子と前記第2面内配線導体との間を導通させる第2層間接続導体を含む。
【0017】
(5)例えば、(2)に記載の端面導体は、内部が導電性物質で充填されたビアの中心を縦に分割して形成した分割ビアとする。
【0018】
(6)(1)〜(5)に記載の内部導体は、例えば内部が導電性物質で充填されたビアとする。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、出力電圧等に重畳されるノイズが抑制された、高効率なDC−DCコンバータモジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は特許文献2に示されているDC−DCコンバータモジュール51の分解斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール51の分解斜視図である。
【図3】図3(A)は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の横断面図、図3(B)は図1に示される降圧型DC−DCコンバータモジュール50の横断面図である。
【図4】図4は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の回路図である。
【図5】図5は第2の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール52の分解斜視図である。
【図6】図6は降圧型DC−DCコンバータモジュール52の回路図である。
【図7】図7は降圧型DC−DCコンバータモジュール52の出力電流に対する出力電圧の変動特性を示す図である。
【図8】図8は第3の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール53の分解斜視図である。
【図9】図9は降圧型DC−DCコンバータモジュール53の回路図である。
【図10】図10は第4の実施形態に係る昇圧型DC−DCコンバータモジュール54の分解斜視図である。
【図11】図11は昇圧型DC−DCコンバータモジュール54の回路図である。
【図12】図12は第5の実施形態に係る昇圧型DC−DCコンバータモジュール55の分解斜視図である。
【図13】図13は昇圧型DC−DCコンバータモジュール55の回路図である。
【図14】図14は第6の実施形態に係る反転型DC−DCコンバータモジュール56の分解斜視図である。
【図15】図15は反転型DC−DCコンバータモジュール56の回路図である。
【図16】図16は第7の実施形態に係る反転型DC−DCコンバータモジュール57の分解斜視図である。
【図17】図17は反転型DC−DCコンバータモジュール57の回路図である。
【図18】図18は第8の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール58の分解斜視図である。
【図19】図19は降圧型DC−DCコンバータモジュール58の回路図である。
【図20】図20は第9の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール59の分解斜視図である。
【図21】図21は第10の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールに備える基板の上下面およびそれらの近傍の導体パターンの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュールについて図2〜図4を参照して説明する。
図2は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の分解斜視図である。図3(A)は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の横断面図、図3(B)は図1に示される降圧型DC−DCコンバータモジュール50の横断面図である。図4は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の回路図である。図2では、磁性体基板の内部および下面の構成を示すために透明化して表している。この描き方は以降に示す他の実施形態についても同様である。
【0022】
図2において、磁性体基板30は磁性体セラミック多層基板である。この磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。
【0023】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31、入力コンデンサCaおよび出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0024】
磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4がそれぞれ構成されている。平滑コイルL1はヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビア導体で構成されている。これらのインダクタL2,L3,L4は、平滑コイルL1を構成する導体の巻回範囲の中心部で磁性体基板30に対して垂直な方向に通る。
【0025】
前記平滑コイルL1は特許請求の範囲に記載の「磁気素子」に相当する。前記インダクタンスL2,L3,L4は、入力端子、出力端子、またはグランド端子の少なくともいずれかと上面電極とを接続する接続配線であり、特許請求の範囲に記載の「内部導体」に相当する。
【0026】
平滑コイルL1は、図3(A)、図3(B)に表れているように、各層に形成されたほぼ半周のコイル状導体と、層間を接続するビア導体とで構成されている。このようにビア導体によるインダクタL2,L3,L4と、平滑コイルL1とが同一磁性体基板30内に存在すると、多少なりともインダクタL2,L3,L4と平滑コイルL1とは磁気結合してしまう。この磁気結合によって入出力電圧に矩形波状のノイズが重畳したり、スイッチング電流によって制御回路のグランド電位が変動して制御回路が動作不安定になったりする。
【0027】
図3(B)に示される従来構造のDC−DCコンバータモジュールでは、基板外周部に基板の上下をつなぐ貫通ビア導体によるインダクタL2,L3,L4が配されている。限られた基板面積を有効に用いて大きなインダクタンス値を持つ平滑コイルL1を形成するためには、寸法Dを大きくしてコイル状導体をできるだけ基板の外周に近づけて形成することが重要である。そのため、ビア導体によるインダクタL2,L3,L4とコイル状導体による平滑コイルL1との間隙g1が小さくなり、このために平滑コイルL1とインダクタL2,L3,L4との磁気結合が大きくなる。
【0028】
これに対し、本発明の第1の実施形態では、図3(A)に示すように平滑コイルL1を構成するコイル状導体の巻回範囲の中心部にビア導体によるインダクタL2,L3,L4を配置する。この構造によって、インダクタL2,L3,L4と平滑コイルL1との間隙g2が大きくなり(g2>g1)、磁気結合の度合いを低減できる。さらに、平滑コイルL1を構成する導体の巻回範囲の中心部は磁束の向きが基板の厚み方向であるので、インダクタL2,L3,L4との磁気結合も小さい。
【0029】
降圧型DC−DCコンバータ51は電子機器の配線基板に実装された状態で、図4に示すように、降圧型DC−DCコンバータ51の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図2・図4において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子43、グランド端子GNDは下面端子42にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0030】
制御回路31は主スイッチング素子Q1と、同期整流素子Q2とともにそれらのスイッチング制御を行うスイッチング制御回路を備えている。制御回路31内のスイッチング制御回路は主スイッチング素子Q1と同期整流素子Q2とを同時オンしないデッドタイムを設けるとともに交互にオン・オフする。
【0031】
既に述べたように、平滑コイルL1とインダクタL2〜L4との磁気結合が小さいので、インダクタL2〜L4に不要な起電圧が発生せず、入力電圧と出力電圧に生じるリップル電圧が小さなものとなる。また、インダクタL2〜L4は短い1ターンのインダクタであるので、その配線が作る磁束は大きくはなく、隣接配線への影響は小さい。
【0032】
DC−DCコンバータモジュール51内で平滑コイルL1によって生じる磁束が最も大きいので、平滑コイルL1の巻き方向と上面電極の配線方向とが90度異なっていて互いの磁界が直交していることも重要である。そのことにより、磁束の鎖交が少なくなり、上面電極との磁気結合も小さくすることができる。
【0033】
なお、図2、図3に示した例では、平滑コイルL1を構成するコイル状導体の巻回範囲の中心部にビア導体によるインダクタL2,L3,L4を配置したが、コイル状導体の巻回範囲の狭い領域に複数のビア導体を配置することが困難な場合や、隣接するビア導体同士の容量結合を避けたい場合には、磁気結合を避けたいビア導体のみをコイル状導体の巻回範囲の中心部に配し、その他のビア導体を基板の端部(角部)に配置してもよい。
【0034】
図4に示した例では、FETによる同期整流素子Q2を設けたが、この素子をダイオードに置換してもよい。またスイッチング素子として、図4ではPチャンネルFETとNチャンネルFETの組合せを例示したが、NチャンネルFETとNチャンネルFETの組み合わせでも構わない。またさらにスイッチング素子として、バイポーラトランジスタのような別の素子を用いても構わない。このとは第2の実施形態以降に示す各実施形態についても同様である。
【0035】
また、図5に示した例では平滑コイルL1をヘリカル状の導体で構成したが、渦巻き状等の他の形状であってもよい。このことは第2の実施形態以降に示す各実施形態についても同様である。
【0036】
さらに、図4に示した例では磁性体基板に非絶縁型の降圧型DC−DCコンバータを構成したが、同様にして絶縁型のフォワード型DC−DCコンバータを構成することもできる。すなわち、磁性体基板30に前記平滑コイルL1に代えてトランスを構成すれば、入力電圧源9から入力端子INに流れる電流ライン(入力ライン)に対して直列にインダクタL2,L3が挿入されていることになる。そのため、主スイッチング素子Q1のオン時に入力電圧源9から流れ込むパルス電流が効果的に抑制され、高周波成分を多く含むパルス電流は、ほぼ完全に入力コンデンサCaを流れ、外部には殆ど流出しない。
【0037】
このように、降圧型DC−DCコンバータやフォワード型DC−DCコンバータのような「入力電流不連続−出力電流連続」型のDC−DCコンバータでは、入力端子の配線は磁性体基板内を通すことがノイズ抑制の上で効果的である。
【0038】
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュールについて図5〜図7を参照して説明する。
図5は降圧型DC−DCコンバータモジュール52の分解斜視図、図6はその回路図である。
【0039】
図5において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3が構成されている。磁性体基板30の端面には、下面端子と上面電極間につながる端面導体S4が形成されている。平滑コイルL1は、導体をヘリカル状に構成されている。インダクタL2,L3はビア導体により構成されている。
【0040】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0041】
上記降圧型DC−DCコンバータ52は電子機器の配線基板に実装された状態で、図6に示すように、降圧型DC−DCコンバータ52の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図5・図6において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子43、グランド端子GNDは下面端子42にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0042】
第1の実施形態で示した図2・図4と異なるのは、出力コンデンサCbと平滑コイルL1とを磁性体基板30内部のビア導体(インダクタL4)だけで接続するのではなく、端面導体S4でも接続するようにした点である。この構成により、端面導体の直流抵抗によるDC−DCコンバータの効率低下の問題が解消される。また、図6に示した出力端子OUTと出力コンデンサCbとの接続部の抵抗値およびインダクタンス値が小さくなるため、出力リップルに対する出力コンデンサCbのインピーダンスが低くなり、その分、出力電圧のリップルに現れる矩形波成分が効果的に抑制される。
【0043】
このように、降圧型DC−DCコンバータやフォワード型DC−DCコンバータのような「入力電流不連続−出力電流連続」型のDC−DCコンバータでは、入力端子の配線は磁性体基板内を通し、出力端子の配線は磁性体基板外を通すことが望ましい。
【0044】
図7は出力電流に対する出力電圧の変動特性を示す図である。縦軸は、出力電流が0であるときを1.00として規格化された出力電圧である。特性ラインAは第2の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールの特性、特性ラインBは、図5に示したビア導体によるインダクタL4を設けない場合のDC−DCコンバータモジュールの特性である。第2の実施形態によれば、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の割合は、端面導体だけの場合に比べて約1/5になることが分かる。
【0045】
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュールについて図8・図9を参照して説明する。
図8は降圧型DC−DCコンバータモジュールの分解斜視図、図9はその回路図である。
【0046】
図8において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3が構成されている。磁性体基板30の端面には、下面端子と上面電極間につながる端面導体S4が形成されている。平滑コイルL1は、ヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2もヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL3はビアにより構成されている。
【0047】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0048】
上記降圧型DC−DCコンバータ53は電子機器の配線基板に実装された状態で、図9に示すように、降圧型DC−DCコンバータ53の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図8・図9において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子43、グランド端子GNDは下面端子42にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0049】
第2の実施形態で示した図5と異なるのは、インダクタL2をヘリカル状の導体で構成している点である。この構造により、入力配線のインダクタンスがより大きくなり、ノイズ漏洩の抑制効果が高まる。
【0050】
平滑コイルL1の巻き方向と、インダクタL2の巻き方向は90度異なっている。すなわち互いの磁界が直交しているので、平滑コイルL1とインダクタL2との磁気結合が小さくなり、L2に不要な起電圧が発生せず、入力電圧に生じるリップル電圧が小さなものとなる。
【0051】
《第4の実施形態》
第4の実施形態に係る昇圧型DC−DCコンバータモジュールについて図10・図11を参照して説明する。
図10は昇圧型DC−DCコンバータモジュールの分解斜視図、図11はその回路図である。
【0052】
図10において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4が構成されている。平滑コイルL1はヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビア導体により構成されている。
【0053】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路32、入力コンデンサCa、および出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0054】
上記昇圧型DC−DCコンバータ54は電子機器の配線基板に実装された状態で、図11に示すように、昇圧型DC−DCコンバータ54の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図10・図11において、入力端子INは下面端子43、出力端子OUTは下面端子42、グランド端子GNDは下面端子41にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0055】
制御回路32はスイッチング素子QおよびダイオードDとともにスイッチング制御を行うスイッチング制御回路を備えている。
【0056】
この図11に示した昇圧型DC−DCコンバータ54は、出力コンデンサCbから出力端子OUTを介して負荷に流れる電流の経路にインダクタL2,L3が直列に挿入されている。
【0057】
昇圧型DC−DCコンバータは、ダイオードに流れる電流(出力電流)が矩形波状の不連続波形になる。しかし、インダクタL2,L3は図10に示したとおり、磁性体基板30の内部のビアによって構成されたものであるので、そのインダクタンスによって上記矩形波状電流の高周波成分が抑制される。そのため、高周波成分はほぼ完全に出力コンデンサCbを流れ、外部には殆ど流出しない。これにより、出力端子から負荷に供給される出力電圧のリップルが抑制され、出力側におけるノイズ発生の問題が解消できる。
【0058】
なお、このように、昇圧型DC−DCコンバータのような「入力電流連続−出力電流不連続」型のDC−DCコンバータでは、出力端子の配線は磁性体基板内を通すことがノイズ抑制の上で効果的である。
【0059】
《第5の実施形態》
第5の実施形態に係る昇圧型DC−DCコンバータモジュールについて図12・図13を参照して説明する。
図12は昇圧型DC−DCコンバータモジュール55の分解斜視図、図13はその回路図である。
【0060】
第4の実施形態で示した図10・図11と異なるのは、入力コンデンサCaと入力端子INとの接続を磁性体基板30内部のビア導体(インダクタL4)だけで接続するのではなく、端面導体S4でも接続するようにした点である。この構成により、パルス電流に対する入力コンデンサCaのインピーダンスが低くなり、その分、高周波成分を多く含むパルス電流は、ほぼ完全に入力コンデンサCaを流れ、外部には殆ど流出しない。これにより、DC−DCコンバータモジュールを使用することに伴うノイズの問題を小さくできる。
【0061】
なお、このように、昇圧型DC−DCコンバータやフライバック型DC−DCコンバータのような「入力電流連続−出力電流不連続」型のDC−DCコンバータでは、出力端子の配線は磁性体基板内を通し、入力端子の配線は磁性体基板外を通すことが望ましい。
【0062】
《第6の実施形態》
第6の実施形態に係る反転型DC−DCコンバータモジュールについて図14・図15を参照して説明する。
図14は反転型DC−DCコンバータモジュールの分解斜視図、図15はその回路図である。
【0063】
図14において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4が構成されている。平滑コイルL1は、ヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビア導体で構成されている。
【0064】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路33および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0065】
上記反転型DC−DCコンバータ56は電子機器の配線基板に実装された状態で、図15に示すように、反転型DC−DCコンバータ56の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図14・図15において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子42、グランド端子GNDは下面端子43にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0066】
制御回路33はスイッチング素子QとダイオードDとともにそれらのスイッチング制御を行うスイッチング制御回路を備えている。
【0067】
この図15に示した反転型DC−DCコンバータ56は、入力電圧源9から入力端子INに流れる電流ライン(入力ライン)に対して直列にインダクタL2,L4が挿入されている。このインダクタL2,L4は図14に示したとおり、磁性体基板30の内部のビアによって構成されたものであり、そのインダクタンスによって、スイッチング素子Qのオン時に入力電圧源9から流れ込むパルス電流が効果的に抑制される。そのため、高周波成分を多く含むパルス電流は、ほぼ完全に入力コンデンサCaを流れ、外部には殆ど流出しない。これにより、DC−DCコンバータモジュールを使用することに伴うノイズの問題を小さくできる。
【0068】
また、図15に示した反転型DC−DCコンバータ56は、出力コンデンサCbから出力端子OUTを介して負荷に流れる電流の経路にインダクタL3が直列に挿入されている。
【0069】
反転型DC−DCコンバータは、ダイオードDに流れる電流(出力電流)が矩形波状の不連続波形になる。しかし、インダクタL3は図14に示したとおり、磁性体基板30の内部のビアによって構成されたものであるので、そのインダクタンスによって上記矩形波状電流の高周波成分が抑制される。そのため、高周波成分はほぼ完全に出力コンデンサCbを流れ、外部には殆ど流出しない。これにより、出力端子から負荷に供給される出力電圧のリップルも抑制され、出力側におけるノイズ発生の問題が解消できる。
【0070】
図15に示した例では、磁性体基板に非絶縁型の反転型DC−DCコンバータを構成したが、同様にして絶縁型のフライバック型DC−DCコンバータを構成することもできる。非絶縁型の反転型DC−DCコンバータも、絶縁型のフライバック型DC−DCコンバータも、どちらも「入力電流不連続−出力電流不連続」型であるため、磁性体基板30に前記平滑コイルL1に代えてトランスTを構成すれば、同様の効果が得られることは明らかである。
【0071】
なお、このように反転型DC−DCコンバータやフライバック型DC−DCコンバータのような「入力電流不連続−出力電流不連続」型のDC−DCコンバータでは、入出力端子の配線は磁性体基板内を通すことが望ましい。
【0072】
《第7の実施形態》
第7の実施形態に係る反転型DC−DCコンバータモジュールについて図16・図17を参照して説明する。
図16は反転型DC−DCコンバータモジュール57の分解斜視図、図17はその回路図である。
【0073】
第6の実施形態で示したDC−DCコンバータモジュールと異なるのは、平滑コイルL1と入力コンデンサCaとの接続を磁性体基板30内部のビア導体(インダクタL4)だけで接続するのではなく、端面導体S4でも接続するようにした点である。この構成により、磁性体基板30下面の下面端子の一つであるグランド端子と磁性体基板30の上面に搭載する入力コンデンサCa、出力コンデンサCbの配線に生じる配線のインダクタンスが小さくなり、平滑コイルL1を流れる脈流リップル電流によって、磁性体基板下面のグランド端子に矩形波状ノイズが現れる、という現象が抑制される。そのため外部へ出力されるノイズがより低減できる。
【0074】
なお、このように反転型DC−DCコンバータやフライバック型DC−DCコンバータのような「入力電流不連続−出力電流不連続」型のDC−DCコンバータでは、グランド端子の配線は磁性体基板30の外部を通し、入出力端子の配線は磁性体基板内を通すことが望ましい。
【0075】
《第8の実施形態》
第8の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュールについて図18・図19を参照して説明する。
図18は降圧型DC−DCコンバータモジュールの分解斜視図、図19はその回路図である。
【0076】
図18において、磁性体基板30の下面には下面端子41,42,44が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4,L5が構成されている。平滑コイルL1は、ヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4,L5はそれぞれビア導体により構成されている。
【0077】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0078】
上記降圧型DC−DCコンバータ58は電子機器の配線基板に実装された状態で、図19に示すように、降圧型DC−DCコンバータ58の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図18・図19において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子44、グランド端子GNDは下面端子42にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0079】
第8の実施形態では、平滑コイルL1の一方端をビア導体によるインダクタL4を介して磁性体基板30の上面(部品搭載面)に引き出され、さらにビア導体によるインダクタL5を経由して下面端子44にまで接続されている。この構成により、平滑コイルL1のインダクタンスがインダクタL4分増加し、平滑コイルL1のインダクタンス値と出力コンデンサCbのキャパシタンス値で決まる出力リップルが減る。また、インダクタL5が出力端子に直列に設けられるので、出力電圧のリップルに現れる矩形波成分が効果的に抑制される。
【0080】
なお、このように平滑コイルの両端と上面電極とを接続する接続配線を磁性体基板30の内部導体で構成することは、降圧型DC−DCコンバータモジュールに限らず、昇圧型や反転型といった別方式のDC−DCコンバータモジュールに適用することもでき、同様の効果を得ることができる。また、非絶縁方式のDC−DCコンバータだけでなく、絶縁方式DC−DCコンバータや、AC−DCコンバータ等、磁性体基板を使用する別方式のコンバータへの適用も可能である。
【0081】
《第9の実施形態》
図20は第9の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール59の分解斜視図である。第1の実施形態で図2に示した例と異なるのは、端面導体S4の構造である。この図20に示す例では、端面導体S4を、内部が導電性物質で充填されたビアの中心を縦に分割してなる分割ビアによって構成している。
【0082】
このようにして端面導体を構成することによって、端面導体の断面積を大きくすることができ、端面導体の直流抵抗とインダクタンスを効率よく低減できる。そのため高効率化が図れる。また、図2に示した構成では、磁性体基板30に内蔵するビアの形成と、端面導体を形成するために外部電極ペーストを塗布する工程とが必要であるので製造工数が掛かるが、図20の構成では、マザー基板の状態(個々の製品が複数個集まった、分割前の基板状態)で上記ビアを形成し、その後、マザー基板の分割時にビアの中央を通るラインでカットすればよいので製造コストを削減できる。
【0083】
《第10の実施形態》
第10の実施形態では、DC−DCコンバータモジュールに備える基板の上下面およびそれらの近傍の導体パターンの例を示す。図21(A)は磁性体基板30の断面図である。図21(B)〜(F)は図21(A)に示した各層の平面図である。この例では、磁性体基板30は、磁性体(例えばフェライト)が積層された磁性体層30Mと非磁性体(例えば非磁性フェライト)が積層された非磁性体層30T,30Bとが積層された多層基板である。この磁性体基板30の上面にIC70等が実装される。
【0084】
非磁性体層30Tの上面には図21(B)に示されているように、IC70の端子をバンプ接続するためのパッド(上面電極)61a〜61dが形成されている。図21(B)において破線はIC70の実装領域を示している。非磁性体層30Tの下面には層内配線63a〜63dが形成されている。非磁性体層30Tの内部には、パッド61a〜61dと層内配線63a〜63dとを導通させるビア導体が形成されている。
【0085】
磁性体層30Mには、ヘリカル状の導体64eでコイルが構成されている。また、磁性体層30Mにはヘリカル状の導体64eの巻回範囲の中心部にビア導体(接続配線)64a〜64dが形成されている。これらのビア導体64a〜64dは層内配線63a〜63dとそれぞれ導通する。
【0086】
非磁性体層30Bの上面には、ビア導体64a〜64dと導通する層内配線65a〜65dが形成されている。非磁性体層30Bの下面には実装基板への実装用外部端子67a〜67dが形成されている。非磁性体層30Bの内部には、層内配線65a〜65dと実装用外部端子(下面端子)67a〜67dとを導通させるビア導体が形成されている。
【0087】
図21では、基板の上下面およびそれらの近傍の導体パターンの例について示したが、この基板の上下面部分の構成を第1〜第9の実施形態で示したDC−DCコンバータに適用できる。
【符号の説明】
【0088】
Ca…入力コンデンサ
Cb…出力コンデンサ
D…ダイオード
GND…グランド端子
IN…入力端子
L1…平滑コイル
L2,L3,L4,L5…インダクタ
OUT…出力端子
Q…スイッチング素子
Q1…主スイッチング素子
Q2…同期整流素子
S4…端面導体
T…トランス
9…入力電圧源
30…磁性体基板
31,32,33…制御回路
41〜44…下面端子
50〜59…DC−DCコンバータモジュール
61a〜61d…パッド
63a〜63d…層内配線
64a〜64d…ビア導体
64e…ヘリカル状の導体
65a〜65d…層内配線
67a〜67d…実装用外部端子
70…IC
【技術分野】
【0001】
この発明は、主要部品のうちの平滑コイルやトランスなどの磁気素子を内蔵した磁性体基板を部品搭載基板として、その上にスイッチング素子などの各種部品を搭載して構成したDC−DCコンバータモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
DC−DCコンバータの小型化などを目的として磁性体絶縁基板にDC−DCコンバータのモジュールを構成したものが特許文献1に開示されている。
【0003】
一般に、降圧型DC−DCコンバータやフォワード型DC−DCコンバータでは、スイッチング部に入力される入力電流はパルス状になるが、このパルス状の入力電流が入力電圧源とDC−DCコンバータモジュール本体との間の配線を流れると、そこからノイズ(パルス状の電流の基本波ノイズおよび高調波ノイズ)が発生して問題となる。そのため、パルス状の電流を入力部に接続されているコンデンサ(入力コンデンサ)から供給するようにして、モジュール内で電流経路が完結するように構成される。しかし、DC−DCコンバータモジュールを電子機器の回路基板に実装した場合に、入力電圧源とDC−DCコンバータモジュールとの間が離れる場合がある。上記パルス電流の大部分が入力コンデンサに流れるとしても、入力電圧源からもパルス状の電流がDC−DCコンバータへ流れるので、入力電圧源とDC−DCコンバータモジュールとの間が比較的大きく離れていると、その間の配線を流れる電流のループの大きさが大きくなり、これに伴い電磁波ノイズの発生が大きくなって、このことが問題となる。
【0004】
また、昇圧型DC−DCコンバータでは、スイッチング部から出力される出力電流がパルス状になるので、このパルス電流が負荷側に流れないように、また出力電圧にリップルが生じないように出力コンデンサが設けられている。しかし、上記パルス電流の大部分を出力コンデンサに流れるようにするためには、出力コンデンサの容量が大きく且つ低抵抗でなければならず、コンデンサだけでは自ずと限界がある。
【0005】
また、反転型DC−DCコンバータやフライバック型DC−DCコンバータでは、上記降圧型DC−DCコンバータと昇圧型DC−DCコンバータの両方の問題が生じる。
【0006】
特許文献2には、上述の電磁波ノイズや出力電圧のリップルを抑制したDC−DCコンバータモジュールが開示されている。図1は特許文献2に示されているDC−DCコンバータモジュール51の分解斜視図である。但し、斜視図は磁性体基板の内部および下面の構成を示すために透明化して表している。
【0007】
図1において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4が構成されている。平滑コイルL1はヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビアにより構成されている。
【0008】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−42538号公報
【特許文献2】特許第4325747号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、図1に示された構造では、全体のさらなる小型化にともない、磁性体基板を貫通するビア導体配線とコイルの磁束の結合が大きくなると、出力電圧が矩形波状に変調される、という解決すべき課題がある。磁性体基板の端面の形成された導体(端面導体)による接続では、この課題はないが、端面導体の直流抵抗によりDC−DCコンバータの効率が低下するという課題がある。
【0011】
そこで、この発明の目的は、前述の課題を解消して、出力電圧等に重畳されるノイズを抑制し、効率を高めたDC−DCコンバータモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、この発明のDC−DCコンバータモジュールは次のように構成する。
(1)スイッチング素子および磁気素子を含むスイッチング部と、該スイッチング部の入力側に設けられた入力コンデンサと、前記スイッチング部の出力側に設けられた出力コンデンサとを備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
下面に入力端子、出力端子、およびグランド端子を含む下面端子が設けられ、上面に上面電極が形成されるとともに該上面電極の上に前記スイッチング素子、前記入力コンデンサ、および前記出力コンデンサがそれぞれ搭載され、内部に前記磁気素子が構成された基板を備え、
前記磁気素子はコイル状に巻回された導体を含み、
前記入力端子、前記出力端子、または前記グランド端子の少なくともいずれかと前記上面電極とを接続する接続配線は、前記磁気素子の導体の巻回範囲の中心部で前記基板に対して垂直な方向に通る内部導体で構成されたことを特徴としている。
【0013】
なお、特許文献1には、第1の磁性体基板の第1の面上に渦巻き状平板コイルパターンが形成されていて、第1の磁性体基板の第2の面上にICチップが実装されている。コイル導体パターンとICチップは第1の磁性体基板のコイル中央部に設けられたビア導体により接続されている。しかし、このコイルとICの接続スルーホールが磁性体基板中央に位置しているのは、渦巻き状平面コイルの一端が磁性体基板の中央に位置しているからにすぎない。
【0014】
(2)スイッチング素子および磁気素子を含むスイッチング部と、該スイッチング部の入力側に設けられた入力コンデンサと、前記スイッチング部の出力側に設けられた出力コンデンサとを備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
下面に入力端子、出力端子、およびグランド端子がそれぞれ設けられ、上面に上面電極が形成されるとともに該上面電極の上に前記スイッチング素子、前記入力コンデンサ、および前記出力コンデンサがそれぞれ搭載され、内部に前記磁気素子が構成された基板を備え、
前記磁気素子はコイル状に巻回された導体を含み、
前記入力端子、前記出力端子、または前記グランド端子の少なくともいずれかと前記上面電極とを接続する接続配線は、前記基板の内部を通る内部導体と、前記基板の端面を通る端面導体とが並列接続されて構成されたことを特徴とする。
【0015】
(3)例えば、(1)の記載の基板は磁性体層と、この磁性体層の上面に積層された非磁性の第1配線層を備え、前記第1配線層の上面に前記上面電極が形成され、下面に前記接続配線と導通する第1面内配線導体が形成され、内部に、前記上面電極と前記第1面内配線導体との間を導通させる第1層間接続導体を含む。
【0016】
(4)例えば(3)に記載の基板は前記磁性体層の下面に積層された非磁性の第2配線層を備え、前記第2配線層の下面に前記下面端子(電極)が形成され、上面に前記接続配線と導通する第2面内配線導体が形成され、内部に、前記下面端子と前記第2面内配線導体との間を導通させる第2層間接続導体を含む。
【0017】
(5)例えば、(2)に記載の端面導体は、内部が導電性物質で充填されたビアの中心を縦に分割して形成した分割ビアとする。
【0018】
(6)(1)〜(5)に記載の内部導体は、例えば内部が導電性物質で充填されたビアとする。
【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、出力電圧等に重畳されるノイズが抑制された、高効率なDC−DCコンバータモジュールが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は特許文献2に示されているDC−DCコンバータモジュール51の分解斜視図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール51の分解斜視図である。
【図3】図3(A)は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の横断面図、図3(B)は図1に示される降圧型DC−DCコンバータモジュール50の横断面図である。
【図4】図4は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の回路図である。
【図5】図5は第2の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール52の分解斜視図である。
【図6】図6は降圧型DC−DCコンバータモジュール52の回路図である。
【図7】図7は降圧型DC−DCコンバータモジュール52の出力電流に対する出力電圧の変動特性を示す図である。
【図8】図8は第3の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール53の分解斜視図である。
【図9】図9は降圧型DC−DCコンバータモジュール53の回路図である。
【図10】図10は第4の実施形態に係る昇圧型DC−DCコンバータモジュール54の分解斜視図である。
【図11】図11は昇圧型DC−DCコンバータモジュール54の回路図である。
【図12】図12は第5の実施形態に係る昇圧型DC−DCコンバータモジュール55の分解斜視図である。
【図13】図13は昇圧型DC−DCコンバータモジュール55の回路図である。
【図14】図14は第6の実施形態に係る反転型DC−DCコンバータモジュール56の分解斜視図である。
【図15】図15は反転型DC−DCコンバータモジュール56の回路図である。
【図16】図16は第7の実施形態に係る反転型DC−DCコンバータモジュール57の分解斜視図である。
【図17】図17は反転型DC−DCコンバータモジュール57の回路図である。
【図18】図18は第8の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール58の分解斜視図である。
【図19】図19は降圧型DC−DCコンバータモジュール58の回路図である。
【図20】図20は第9の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール59の分解斜視図である。
【図21】図21は第10の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールに備える基板の上下面およびそれらの近傍の導体パターンの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュールについて図2〜図4を参照して説明する。
図2は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の分解斜視図である。図3(A)は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の横断面図、図3(B)は図1に示される降圧型DC−DCコンバータモジュール50の横断面図である。図4は降圧型DC−DCコンバータモジュール51の回路図である。図2では、磁性体基板の内部および下面の構成を示すために透明化して表している。この描き方は以降に示す他の実施形態についても同様である。
【0022】
図2において、磁性体基板30は磁性体セラミック多層基板である。この磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。
【0023】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31、入力コンデンサCaおよび出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0024】
磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4がそれぞれ構成されている。平滑コイルL1はヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビア導体で構成されている。これらのインダクタL2,L3,L4は、平滑コイルL1を構成する導体の巻回範囲の中心部で磁性体基板30に対して垂直な方向に通る。
【0025】
前記平滑コイルL1は特許請求の範囲に記載の「磁気素子」に相当する。前記インダクタンスL2,L3,L4は、入力端子、出力端子、またはグランド端子の少なくともいずれかと上面電極とを接続する接続配線であり、特許請求の範囲に記載の「内部導体」に相当する。
【0026】
平滑コイルL1は、図3(A)、図3(B)に表れているように、各層に形成されたほぼ半周のコイル状導体と、層間を接続するビア導体とで構成されている。このようにビア導体によるインダクタL2,L3,L4と、平滑コイルL1とが同一磁性体基板30内に存在すると、多少なりともインダクタL2,L3,L4と平滑コイルL1とは磁気結合してしまう。この磁気結合によって入出力電圧に矩形波状のノイズが重畳したり、スイッチング電流によって制御回路のグランド電位が変動して制御回路が動作不安定になったりする。
【0027】
図3(B)に示される従来構造のDC−DCコンバータモジュールでは、基板外周部に基板の上下をつなぐ貫通ビア導体によるインダクタL2,L3,L4が配されている。限られた基板面積を有効に用いて大きなインダクタンス値を持つ平滑コイルL1を形成するためには、寸法Dを大きくしてコイル状導体をできるだけ基板の外周に近づけて形成することが重要である。そのため、ビア導体によるインダクタL2,L3,L4とコイル状導体による平滑コイルL1との間隙g1が小さくなり、このために平滑コイルL1とインダクタL2,L3,L4との磁気結合が大きくなる。
【0028】
これに対し、本発明の第1の実施形態では、図3(A)に示すように平滑コイルL1を構成するコイル状導体の巻回範囲の中心部にビア導体によるインダクタL2,L3,L4を配置する。この構造によって、インダクタL2,L3,L4と平滑コイルL1との間隙g2が大きくなり(g2>g1)、磁気結合の度合いを低減できる。さらに、平滑コイルL1を構成する導体の巻回範囲の中心部は磁束の向きが基板の厚み方向であるので、インダクタL2,L3,L4との磁気結合も小さい。
【0029】
降圧型DC−DCコンバータ51は電子機器の配線基板に実装された状態で、図4に示すように、降圧型DC−DCコンバータ51の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図2・図4において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子43、グランド端子GNDは下面端子42にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0030】
制御回路31は主スイッチング素子Q1と、同期整流素子Q2とともにそれらのスイッチング制御を行うスイッチング制御回路を備えている。制御回路31内のスイッチング制御回路は主スイッチング素子Q1と同期整流素子Q2とを同時オンしないデッドタイムを設けるとともに交互にオン・オフする。
【0031】
既に述べたように、平滑コイルL1とインダクタL2〜L4との磁気結合が小さいので、インダクタL2〜L4に不要な起電圧が発生せず、入力電圧と出力電圧に生じるリップル電圧が小さなものとなる。また、インダクタL2〜L4は短い1ターンのインダクタであるので、その配線が作る磁束は大きくはなく、隣接配線への影響は小さい。
【0032】
DC−DCコンバータモジュール51内で平滑コイルL1によって生じる磁束が最も大きいので、平滑コイルL1の巻き方向と上面電極の配線方向とが90度異なっていて互いの磁界が直交していることも重要である。そのことにより、磁束の鎖交が少なくなり、上面電極との磁気結合も小さくすることができる。
【0033】
なお、図2、図3に示した例では、平滑コイルL1を構成するコイル状導体の巻回範囲の中心部にビア導体によるインダクタL2,L3,L4を配置したが、コイル状導体の巻回範囲の狭い領域に複数のビア導体を配置することが困難な場合や、隣接するビア導体同士の容量結合を避けたい場合には、磁気結合を避けたいビア導体のみをコイル状導体の巻回範囲の中心部に配し、その他のビア導体を基板の端部(角部)に配置してもよい。
【0034】
図4に示した例では、FETによる同期整流素子Q2を設けたが、この素子をダイオードに置換してもよい。またスイッチング素子として、図4ではPチャンネルFETとNチャンネルFETの組合せを例示したが、NチャンネルFETとNチャンネルFETの組み合わせでも構わない。またさらにスイッチング素子として、バイポーラトランジスタのような別の素子を用いても構わない。このとは第2の実施形態以降に示す各実施形態についても同様である。
【0035】
また、図5に示した例では平滑コイルL1をヘリカル状の導体で構成したが、渦巻き状等の他の形状であってもよい。このことは第2の実施形態以降に示す各実施形態についても同様である。
【0036】
さらに、図4に示した例では磁性体基板に非絶縁型の降圧型DC−DCコンバータを構成したが、同様にして絶縁型のフォワード型DC−DCコンバータを構成することもできる。すなわち、磁性体基板30に前記平滑コイルL1に代えてトランスを構成すれば、入力電圧源9から入力端子INに流れる電流ライン(入力ライン)に対して直列にインダクタL2,L3が挿入されていることになる。そのため、主スイッチング素子Q1のオン時に入力電圧源9から流れ込むパルス電流が効果的に抑制され、高周波成分を多く含むパルス電流は、ほぼ完全に入力コンデンサCaを流れ、外部には殆ど流出しない。
【0037】
このように、降圧型DC−DCコンバータやフォワード型DC−DCコンバータのような「入力電流不連続−出力電流連続」型のDC−DCコンバータでは、入力端子の配線は磁性体基板内を通すことがノイズ抑制の上で効果的である。
【0038】
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュールについて図5〜図7を参照して説明する。
図5は降圧型DC−DCコンバータモジュール52の分解斜視図、図6はその回路図である。
【0039】
図5において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3が構成されている。磁性体基板30の端面には、下面端子と上面電極間につながる端面導体S4が形成されている。平滑コイルL1は、導体をヘリカル状に構成されている。インダクタL2,L3はビア導体により構成されている。
【0040】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0041】
上記降圧型DC−DCコンバータ52は電子機器の配線基板に実装された状態で、図6に示すように、降圧型DC−DCコンバータ52の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図5・図6において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子43、グランド端子GNDは下面端子42にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0042】
第1の実施形態で示した図2・図4と異なるのは、出力コンデンサCbと平滑コイルL1とを磁性体基板30内部のビア導体(インダクタL4)だけで接続するのではなく、端面導体S4でも接続するようにした点である。この構成により、端面導体の直流抵抗によるDC−DCコンバータの効率低下の問題が解消される。また、図6に示した出力端子OUTと出力コンデンサCbとの接続部の抵抗値およびインダクタンス値が小さくなるため、出力リップルに対する出力コンデンサCbのインピーダンスが低くなり、その分、出力電圧のリップルに現れる矩形波成分が効果的に抑制される。
【0043】
このように、降圧型DC−DCコンバータやフォワード型DC−DCコンバータのような「入力電流不連続−出力電流連続」型のDC−DCコンバータでは、入力端子の配線は磁性体基板内を通し、出力端子の配線は磁性体基板外を通すことが望ましい。
【0044】
図7は出力電流に対する出力電圧の変動特性を示す図である。縦軸は、出力電流が0であるときを1.00として規格化された出力電圧である。特性ラインAは第2の実施形態に係るDC−DCコンバータモジュールの特性、特性ラインBは、図5に示したビア導体によるインダクタL4を設けない場合のDC−DCコンバータモジュールの特性である。第2の実施形態によれば、出力電流の変化に対する出力電圧の変化の割合は、端面導体だけの場合に比べて約1/5になることが分かる。
【0045】
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュールについて図8・図9を参照して説明する。
図8は降圧型DC−DCコンバータモジュールの分解斜視図、図9はその回路図である。
【0046】
図8において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3が構成されている。磁性体基板30の端面には、下面端子と上面電極間につながる端面導体S4が形成されている。平滑コイルL1は、ヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2もヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL3はビアにより構成されている。
【0047】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0048】
上記降圧型DC−DCコンバータ53は電子機器の配線基板に実装された状態で、図9に示すように、降圧型DC−DCコンバータ53の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図8・図9において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子43、グランド端子GNDは下面端子42にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0049】
第2の実施形態で示した図5と異なるのは、インダクタL2をヘリカル状の導体で構成している点である。この構造により、入力配線のインダクタンスがより大きくなり、ノイズ漏洩の抑制効果が高まる。
【0050】
平滑コイルL1の巻き方向と、インダクタL2の巻き方向は90度異なっている。すなわち互いの磁界が直交しているので、平滑コイルL1とインダクタL2との磁気結合が小さくなり、L2に不要な起電圧が発生せず、入力電圧に生じるリップル電圧が小さなものとなる。
【0051】
《第4の実施形態》
第4の実施形態に係る昇圧型DC−DCコンバータモジュールについて図10・図11を参照して説明する。
図10は昇圧型DC−DCコンバータモジュールの分解斜視図、図11はその回路図である。
【0052】
図10において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4が構成されている。平滑コイルL1はヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビア導体により構成されている。
【0053】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路32、入力コンデンサCa、および出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0054】
上記昇圧型DC−DCコンバータ54は電子機器の配線基板に実装された状態で、図11に示すように、昇圧型DC−DCコンバータ54の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図10・図11において、入力端子INは下面端子43、出力端子OUTは下面端子42、グランド端子GNDは下面端子41にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0055】
制御回路32はスイッチング素子QおよびダイオードDとともにスイッチング制御を行うスイッチング制御回路を備えている。
【0056】
この図11に示した昇圧型DC−DCコンバータ54は、出力コンデンサCbから出力端子OUTを介して負荷に流れる電流の経路にインダクタL2,L3が直列に挿入されている。
【0057】
昇圧型DC−DCコンバータは、ダイオードに流れる電流(出力電流)が矩形波状の不連続波形になる。しかし、インダクタL2,L3は図10に示したとおり、磁性体基板30の内部のビアによって構成されたものであるので、そのインダクタンスによって上記矩形波状電流の高周波成分が抑制される。そのため、高周波成分はほぼ完全に出力コンデンサCbを流れ、外部には殆ど流出しない。これにより、出力端子から負荷に供給される出力電圧のリップルが抑制され、出力側におけるノイズ発生の問題が解消できる。
【0058】
なお、このように、昇圧型DC−DCコンバータのような「入力電流連続−出力電流不連続」型のDC−DCコンバータでは、出力端子の配線は磁性体基板内を通すことがノイズ抑制の上で効果的である。
【0059】
《第5の実施形態》
第5の実施形態に係る昇圧型DC−DCコンバータモジュールについて図12・図13を参照して説明する。
図12は昇圧型DC−DCコンバータモジュール55の分解斜視図、図13はその回路図である。
【0060】
第4の実施形態で示した図10・図11と異なるのは、入力コンデンサCaと入力端子INとの接続を磁性体基板30内部のビア導体(インダクタL4)だけで接続するのではなく、端面導体S4でも接続するようにした点である。この構成により、パルス電流に対する入力コンデンサCaのインピーダンスが低くなり、その分、高周波成分を多く含むパルス電流は、ほぼ完全に入力コンデンサCaを流れ、外部には殆ど流出しない。これにより、DC−DCコンバータモジュールを使用することに伴うノイズの問題を小さくできる。
【0061】
なお、このように、昇圧型DC−DCコンバータやフライバック型DC−DCコンバータのような「入力電流連続−出力電流不連続」型のDC−DCコンバータでは、出力端子の配線は磁性体基板内を通し、入力端子の配線は磁性体基板外を通すことが望ましい。
【0062】
《第6の実施形態》
第6の実施形態に係る反転型DC−DCコンバータモジュールについて図14・図15を参照して説明する。
図14は反転型DC−DCコンバータモジュールの分解斜視図、図15はその回路図である。
【0063】
図14において、磁性体基板30の下面には下面端子41〜43が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4が構成されている。平滑コイルL1は、ヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4はビア導体で構成されている。
【0064】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路33および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0065】
上記反転型DC−DCコンバータ56は電子機器の配線基板に実装された状態で、図15に示すように、反転型DC−DCコンバータ56の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図14・図15において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子42、グランド端子GNDは下面端子43にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0066】
制御回路33はスイッチング素子QとダイオードDとともにそれらのスイッチング制御を行うスイッチング制御回路を備えている。
【0067】
この図15に示した反転型DC−DCコンバータ56は、入力電圧源9から入力端子INに流れる電流ライン(入力ライン)に対して直列にインダクタL2,L4が挿入されている。このインダクタL2,L4は図14に示したとおり、磁性体基板30の内部のビアによって構成されたものであり、そのインダクタンスによって、スイッチング素子Qのオン時に入力電圧源9から流れ込むパルス電流が効果的に抑制される。そのため、高周波成分を多く含むパルス電流は、ほぼ完全に入力コンデンサCaを流れ、外部には殆ど流出しない。これにより、DC−DCコンバータモジュールを使用することに伴うノイズの問題を小さくできる。
【0068】
また、図15に示した反転型DC−DCコンバータ56は、出力コンデンサCbから出力端子OUTを介して負荷に流れる電流の経路にインダクタL3が直列に挿入されている。
【0069】
反転型DC−DCコンバータは、ダイオードDに流れる電流(出力電流)が矩形波状の不連続波形になる。しかし、インダクタL3は図14に示したとおり、磁性体基板30の内部のビアによって構成されたものであるので、そのインダクタンスによって上記矩形波状電流の高周波成分が抑制される。そのため、高周波成分はほぼ完全に出力コンデンサCbを流れ、外部には殆ど流出しない。これにより、出力端子から負荷に供給される出力電圧のリップルも抑制され、出力側におけるノイズ発生の問題が解消できる。
【0070】
図15に示した例では、磁性体基板に非絶縁型の反転型DC−DCコンバータを構成したが、同様にして絶縁型のフライバック型DC−DCコンバータを構成することもできる。非絶縁型の反転型DC−DCコンバータも、絶縁型のフライバック型DC−DCコンバータも、どちらも「入力電流不連続−出力電流不連続」型であるため、磁性体基板30に前記平滑コイルL1に代えてトランスTを構成すれば、同様の効果が得られることは明らかである。
【0071】
なお、このように反転型DC−DCコンバータやフライバック型DC−DCコンバータのような「入力電流不連続−出力電流不連続」型のDC−DCコンバータでは、入出力端子の配線は磁性体基板内を通すことが望ましい。
【0072】
《第7の実施形態》
第7の実施形態に係る反転型DC−DCコンバータモジュールについて図16・図17を参照して説明する。
図16は反転型DC−DCコンバータモジュール57の分解斜視図、図17はその回路図である。
【0073】
第6の実施形態で示したDC−DCコンバータモジュールと異なるのは、平滑コイルL1と入力コンデンサCaとの接続を磁性体基板30内部のビア導体(インダクタL4)だけで接続するのではなく、端面導体S4でも接続するようにした点である。この構成により、磁性体基板30下面の下面端子の一つであるグランド端子と磁性体基板30の上面に搭載する入力コンデンサCa、出力コンデンサCbの配線に生じる配線のインダクタンスが小さくなり、平滑コイルL1を流れる脈流リップル電流によって、磁性体基板下面のグランド端子に矩形波状ノイズが現れる、という現象が抑制される。そのため外部へ出力されるノイズがより低減できる。
【0074】
なお、このように反転型DC−DCコンバータやフライバック型DC−DCコンバータのような「入力電流不連続−出力電流不連続」型のDC−DCコンバータでは、グランド端子の配線は磁性体基板30の外部を通し、入出力端子の配線は磁性体基板内を通すことが望ましい。
【0075】
《第8の実施形態》
第8の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュールについて図18・図19を参照して説明する。
図18は降圧型DC−DCコンバータモジュールの分解斜視図、図19はその回路図である。
【0076】
図18において、磁性体基板30の下面には下面端子41,42,44が形成されている。磁性体基板30の上面には上面電極(パターンについては不図示)が形成されている。磁性体基板30の内部には、下面端子と上面電極間にそれぞれつながる平滑コイルL1、インダクタL2,L3,L4,L5が構成されている。平滑コイルL1は、ヘリカル状の導体で構成されている。インダクタL2,L3,L4,L5はそれぞれビア導体により構成されている。
【0077】
磁性体基板30の上面には、スイッチング素子を含む制御回路31および入力コンデンサCa、出力コンデンサCbが搭載される。これらの部品は磁性体基板30の上面電極に電気的に接続される。
【0078】
上記降圧型DC−DCコンバータ58は電子機器の配線基板に実装された状態で、図19に示すように、降圧型DC−DCコンバータ58の入力端子INに入力電圧源9が接続される。図18・図19において、入力端子INは下面端子41、出力端子OUTは下面端子44、グランド端子GNDは下面端子42にそれぞれ対応している。その他の部分には同一符号を付している。
【0079】
第8の実施形態では、平滑コイルL1の一方端をビア導体によるインダクタL4を介して磁性体基板30の上面(部品搭載面)に引き出され、さらにビア導体によるインダクタL5を経由して下面端子44にまで接続されている。この構成により、平滑コイルL1のインダクタンスがインダクタL4分増加し、平滑コイルL1のインダクタンス値と出力コンデンサCbのキャパシタンス値で決まる出力リップルが減る。また、インダクタL5が出力端子に直列に設けられるので、出力電圧のリップルに現れる矩形波成分が効果的に抑制される。
【0080】
なお、このように平滑コイルの両端と上面電極とを接続する接続配線を磁性体基板30の内部導体で構成することは、降圧型DC−DCコンバータモジュールに限らず、昇圧型や反転型といった別方式のDC−DCコンバータモジュールに適用することもでき、同様の効果を得ることができる。また、非絶縁方式のDC−DCコンバータだけでなく、絶縁方式DC−DCコンバータや、AC−DCコンバータ等、磁性体基板を使用する別方式のコンバータへの適用も可能である。
【0081】
《第9の実施形態》
図20は第9の実施形態に係る降圧型DC−DCコンバータモジュール59の分解斜視図である。第1の実施形態で図2に示した例と異なるのは、端面導体S4の構造である。この図20に示す例では、端面導体S4を、内部が導電性物質で充填されたビアの中心を縦に分割してなる分割ビアによって構成している。
【0082】
このようにして端面導体を構成することによって、端面導体の断面積を大きくすることができ、端面導体の直流抵抗とインダクタンスを効率よく低減できる。そのため高効率化が図れる。また、図2に示した構成では、磁性体基板30に内蔵するビアの形成と、端面導体を形成するために外部電極ペーストを塗布する工程とが必要であるので製造工数が掛かるが、図20の構成では、マザー基板の状態(個々の製品が複数個集まった、分割前の基板状態)で上記ビアを形成し、その後、マザー基板の分割時にビアの中央を通るラインでカットすればよいので製造コストを削減できる。
【0083】
《第10の実施形態》
第10の実施形態では、DC−DCコンバータモジュールに備える基板の上下面およびそれらの近傍の導体パターンの例を示す。図21(A)は磁性体基板30の断面図である。図21(B)〜(F)は図21(A)に示した各層の平面図である。この例では、磁性体基板30は、磁性体(例えばフェライト)が積層された磁性体層30Mと非磁性体(例えば非磁性フェライト)が積層された非磁性体層30T,30Bとが積層された多層基板である。この磁性体基板30の上面にIC70等が実装される。
【0084】
非磁性体層30Tの上面には図21(B)に示されているように、IC70の端子をバンプ接続するためのパッド(上面電極)61a〜61dが形成されている。図21(B)において破線はIC70の実装領域を示している。非磁性体層30Tの下面には層内配線63a〜63dが形成されている。非磁性体層30Tの内部には、パッド61a〜61dと層内配線63a〜63dとを導通させるビア導体が形成されている。
【0085】
磁性体層30Mには、ヘリカル状の導体64eでコイルが構成されている。また、磁性体層30Mにはヘリカル状の導体64eの巻回範囲の中心部にビア導体(接続配線)64a〜64dが形成されている。これらのビア導体64a〜64dは層内配線63a〜63dとそれぞれ導通する。
【0086】
非磁性体層30Bの上面には、ビア導体64a〜64dと導通する層内配線65a〜65dが形成されている。非磁性体層30Bの下面には実装基板への実装用外部端子67a〜67dが形成されている。非磁性体層30Bの内部には、層内配線65a〜65dと実装用外部端子(下面端子)67a〜67dとを導通させるビア導体が形成されている。
【0087】
図21では、基板の上下面およびそれらの近傍の導体パターンの例について示したが、この基板の上下面部分の構成を第1〜第9の実施形態で示したDC−DCコンバータに適用できる。
【符号の説明】
【0088】
Ca…入力コンデンサ
Cb…出力コンデンサ
D…ダイオード
GND…グランド端子
IN…入力端子
L1…平滑コイル
L2,L3,L4,L5…インダクタ
OUT…出力端子
Q…スイッチング素子
Q1…主スイッチング素子
Q2…同期整流素子
S4…端面導体
T…トランス
9…入力電圧源
30…磁性体基板
31,32,33…制御回路
41〜44…下面端子
50〜59…DC−DCコンバータモジュール
61a〜61d…パッド
63a〜63d…層内配線
64a〜64d…ビア導体
64e…ヘリカル状の導体
65a〜65d…層内配線
67a〜67d…実装用外部端子
70…IC
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチング素子および磁気素子を含むスイッチング部と、該スイッチング部の入力側に設けられた入力コンデンサと、前記スイッチング部の出力側に設けられた出力コンデンサとを備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
下面に入力端子、出力端子、およびグランド端子を含む下面端子が設けられ、上面に上面電極が形成されるとともに該上面電極の上に前記スイッチング素子、前記入力コンデンサ、および前記出力コンデンサがそれぞれ搭載され、内部に前記磁気素子が構成された基板を備え、
前記磁気素子はコイル状に巻回された導体を含み、
前記入力端子、前記出力端子、または前記グランド端子の少なくともいずれかと前記上面電極とを接続する接続配線は、前記磁気素子の導体の巻回範囲の中心部で前記基板に対して垂直な方向に通る内部導体で構成された、DC−DCコンバータモジュール。
【請求項2】
スイッチング素子および磁気素子を含むスイッチング部と、該スイッチング部の入力側に設けられた入力コンデンサと、前記スイッチング部の出力側に設けられた出力コンデンサとを備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
下面に入力端子、出力端子、およびグランド端子がそれぞれ設けられ、上面に上面電極が形成されるとともに該上面電極の上に前記スイッチング素子、前記入力コンデンサ、および前記出力コンデンサがそれぞれ搭載され、内部に前記磁気素子が構成された基板を備え、
前記磁気素子はコイル状に巻回された導体を含み、
前記入力端子、前記出力端子、または前記グランド端子の少なくともいずれかと前記上面電極とを接続する接続配線は、前記基板の内部を通る内部導体と、前記基板の端面を通る端面導体とが並列接続されて構成された、DC−DCコンバータモジュール。
【請求項3】
前記基板は磁性体層と、この磁性体層の上面に積層された非磁性の第1配線層を備え、
前記第1配線層の上面に前記上面電極が形成され、下面に前記接続配線と導通する第1面内配線導体が形成され、内部に、前記上面電極と前記第1面内配線導体との間を導通させる第1層間接続導体を含む、請求項1に記載のDC−DCコンバータモジュール。
【請求項4】
前記基板は前記磁性体層の下面に積層された非磁性の第2配線層を備え、
前記第2配線層の下面に前記下面端子が形成され、上面に前記接続配線と導通する第2面内配線導体が形成され、内部に、前記下面端子と前記第2面内配線導体との間を導通させる第2層間接続導体を含む、請求項3に記載のDC−DCコンバータモジュール。
【請求項5】
前記端面導体は内部が導電性物質で充填されたビアの中心を縦に分割して形成した分割ビアである請求項2に記載のDC−DCコンバータモジュール。
【請求項6】
前記内部導体は内部が導電性物質で充填されたビアである請求項1〜5のいずれかに記載のDC−DCコンバータモジュール。
【請求項1】
スイッチング素子および磁気素子を含むスイッチング部と、該スイッチング部の入力側に設けられた入力コンデンサと、前記スイッチング部の出力側に設けられた出力コンデンサとを備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
下面に入力端子、出力端子、およびグランド端子を含む下面端子が設けられ、上面に上面電極が形成されるとともに該上面電極の上に前記スイッチング素子、前記入力コンデンサ、および前記出力コンデンサがそれぞれ搭載され、内部に前記磁気素子が構成された基板を備え、
前記磁気素子はコイル状に巻回された導体を含み、
前記入力端子、前記出力端子、または前記グランド端子の少なくともいずれかと前記上面電極とを接続する接続配線は、前記磁気素子の導体の巻回範囲の中心部で前記基板に対して垂直な方向に通る内部導体で構成された、DC−DCコンバータモジュール。
【請求項2】
スイッチング素子および磁気素子を含むスイッチング部と、該スイッチング部の入力側に設けられた入力コンデンサと、前記スイッチング部の出力側に設けられた出力コンデンサとを備えたDC−DCコンバータモジュールであって、
下面に入力端子、出力端子、およびグランド端子がそれぞれ設けられ、上面に上面電極が形成されるとともに該上面電極の上に前記スイッチング素子、前記入力コンデンサ、および前記出力コンデンサがそれぞれ搭載され、内部に前記磁気素子が構成された基板を備え、
前記磁気素子はコイル状に巻回された導体を含み、
前記入力端子、前記出力端子、または前記グランド端子の少なくともいずれかと前記上面電極とを接続する接続配線は、前記基板の内部を通る内部導体と、前記基板の端面を通る端面導体とが並列接続されて構成された、DC−DCコンバータモジュール。
【請求項3】
前記基板は磁性体層と、この磁性体層の上面に積層された非磁性の第1配線層を備え、
前記第1配線層の上面に前記上面電極が形成され、下面に前記接続配線と導通する第1面内配線導体が形成され、内部に、前記上面電極と前記第1面内配線導体との間を導通させる第1層間接続導体を含む、請求項1に記載のDC−DCコンバータモジュール。
【請求項4】
前記基板は前記磁性体層の下面に積層された非磁性の第2配線層を備え、
前記第2配線層の下面に前記下面端子が形成され、上面に前記接続配線と導通する第2面内配線導体が形成され、内部に、前記下面端子と前記第2面内配線導体との間を導通させる第2層間接続導体を含む、請求項3に記載のDC−DCコンバータモジュール。
【請求項5】
前記端面導体は内部が導電性物質で充填されたビアの中心を縦に分割して形成した分割ビアである請求項2に記載のDC−DCコンバータモジュール。
【請求項6】
前記内部導体は内部が導電性物質で充填されたビアである請求項1〜5のいずれかに記載のDC−DCコンバータモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−65408(P2012−65408A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206062(P2010−206062)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
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