DNAプローブの光学的合成のためのあらかじめパターン形成された基板、装置、及び方法
DNAポリマー合成装置のための光学的位置合わせシステムが、該システムの簡単な位置合わせのためのパターン形成された基板を提供する。この基板は、合成のために用いて、合成工程の各々の間、合成基板の正確な位置合わせを可能にすることもできる。基板のパターンは、反応部位の隔離を向上させるのに用いることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、生物学の分野に関し、具体的には、DNA及び関連ポリマーの分析及び配列決定に有用なポリマーのアレイを製造するための技術及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DNA配列の同定が、植物及び動物の遺伝子のマッピング並びに他の研究及び商業用途において有用である。
DNA配列を同定する1つの方法は、フォトリソグラフィ技術を用いて合成されたオリゴヌクレオチド・プローブのアレイを用いるものである。アレイのプローブの各々は、特定のDNA標的とハイブリダイズするように設計され、後者は蛍光標的にカップリングさせることができる。DNAがどこにハイブリダイズするかを観察することにより、該DNAの同一性を推定することができる。この技術は、Peaseらの「Light−Generated Oligonucleotide Arrays for Rapid DNA Sequence Analysis」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91、5022−5026(1994年5月)に、一般的に記載されている。
【0003】
プローブは、光不安定な保護基で被覆された基板上に合成される。フォトリソグラフィ・マスクを通過する光に照射されることにより、基板上の或る位置が反応性を持つようになる。DNAモノマーが基板全体にそそがれて、反応性の部位に付着する。モノマーの露出端もまた、光不安定な材料によって保護され、該材料は次にまた、選択的照射によって反応性をもつことができる。
この処理は、任意のDNAポリマーが様々な反応部位に蓄積するまで、異なるモノマー又は短いオリゴマーを用いて繰り返すことができる。フォトリソグラフィ・マスクを交換することにより、異なるDNA配列を、アレイの異なる位置で合成することができる。
【0004】
フォトリソグラフィ・マスクは、取り扱いが厄介で、高価である。このため、別のアプローチにおいては、マスクの代わりに、電子的に方向付けすることができるマイクロミラーの2次元アレイといった切換可能な光学素子のアレイを用いることがある。投射光学系が、マイクロミラーのイメージを、ヌクレオチド付加反応が行われる基板上に合焦する。コンピュータ制御の下で、マイクロミラーの各々は、光学システムを通して光を基板上に投射する第1の位置と、光を該基板からそらす第2の位置との間で、選択的に切り換えられる。マスクのコストと、マスクの交換処理にかかる時間とが省かれる。
【0005】
信頼性のある高密度のDNAプローブ合成のためには、マスク又はマイクロミラー(以後、まとめて「パターン生成器」と呼ぶ)と、投射光学系と、基板とを慎重に位置合わせすることが必要である。この複雑で時間のかかる処理は、システムが用いられる時間にわたって、繰り返される必要がある。投射されたイメージの細部が極めて小さなサイズであること、及び、光エネルギーが典型的には紫外線領域にあるという事実が、位置合わせ処理を複雑なものにしている。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、パターン生成器から投射されたイメージを、あらかじめパターン形成された基板又は基板状標的の上に重ね合わせることによって、該パターン生成器と、投射光学系と、該基板とを位置合わせする簡単で正確な方法を提供する。この位置合わせシステムは、合成の前に基板の各々を位置合わせするのに役立ち、それにより、例えば、より高い反応の空間解像度を与えるように反応阻害材料を反応部位の間に位置決めするといった、位置合わせ感度の高い特性を基板が持つことを可能にする。
【0007】
一実施形態においては、基板上のパターンは、パターン生成器のイメージと共に「モアレ」パターンを生成するものである。規則的なモアレパターンは、位置合わせの不具合を目に見えるように拡大したものを作り出し、目視検査による位置合わせを可能にする。或いは、モアレパターンを電子光センサと共に用いて、自動的な位置合わせを提供することができる。代替的な実施形態においては、あらかじめパターン形成された標的を用いることができ、システムの位置合わせは合成工程前に別のステップで行われ、該標的は、合成工程の時点で基板と交換される。
このように、DNAプローブ合成システムの簡単な光学的位置合わせ機構を提供することが、本発明の目的の1つである。本発明の別の目的は、例えば位置合わせ感度の高い特性を基板に組み込むことができるような、該基板の正確な位置合わせを可能にすることである。
本発明のさらなる目的、特徴、及び利点は、付属の図面と併せて見たときに以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここで図1を参照すると、DNA合成装置10は光源12を含み、該光源は、典型的には水銀灯等であるが、代替的には、紫外線又は近紫外線の光源ビーム14を生成するレーザ、半導体光源及びガス放電光源を含む。このビーム14は、所望の波長(例えば、365ナノメータの水銀線)のみを通すように選択されたフィルタ16を透過させることができる。フィルタ以外に、光源をフィルタ処理すなわち単色化するための他の装置、例えば、回折格子、ダイクロイックミラー、及びプリズムを用いてもよく、これらの装置は、本明細書中では一般に「フィルタ」と呼ばれる。
フィルタ処理されたビーム14は、特定の広がりの一様なビーム20を形成する集光システム18によって受け取る。この広がり(又は伝達)角は、照射の空間的コヒーレンス要件を満足する程度であり、典型的にはσ=0.7である。例えば、2002年1月31日に出願され、本発明と同一の譲受人に譲渡され、引用により組み入れられる同時継続中の米国特許出願番号第60/353,491号に記載されているようなプリズム/カレイドスコピック・コリメータを含む標準的な光学装置の多くを用いることができる。
照射ビーム20は、明領域と暗領域とのパターンを該照射ビームに与えるパターン生成器に衝突する。好ましい実施形態においては、パターン生成器はマイクロミラーのアレイであり、これはすぐ以下で詳細に説明される。他の種類のパターン生成器には、従来型のフォトリソグラフィ・マスク及び反射標的などの静的な装置、並びに、マイクロシャッタ、バイモルフ圧電アクチュエータによって作動させられるマイクロミラー、LCDシャッタ、及び反射型LCD装置などの動的な装置が含まれる。
【0009】
図2も参照すると、好ましい実施形態において述べたように、パターン生成器はマイクロミラー29のアレイ22であり、該マイクロミラー29の各々は実質的に正方形で、その一辺は10から20マイクロメータであるがこれに限定されるものではない。マイクロミラー29は、縦横のアレイ22に並べられ、640×800、640×840、800×600、1024×768、及び1024×1260を含む様々なサイズで利用できるが、これらに限定されるものではない。マイクロミラー29の各々は、ミラー自体に損傷を与えることのない効果的な方法で、紫外光及び近紫外光を含む通常用いられる波長の光を反射することができる。
一般に、マイクロミラー29のアレイ22は、Texas Instruments社から市販されているデジタル・ライト・プロセッサ(DLP)とすることができる。こうしたアレイは、以下の論文及び特許で説明されている、すなわち、Larry J.Hornbeckによる「Digital Light Processing and MEMs:Reflecting the Digital Display Needs of the Networked Society」、SPIE/EOS European Symposium on Lasers,Optics,and Vision for Productivity and Manufacturing 1、Besancon、France、June10−14、1996、及び、米国特許第5,096,279号、同第5,535,047号、同第5,583,688号及び同第5,600,383号明細書であり、これらは引用によりここに組み入れられる。
【0010】
マイクロミラー29の各々は、汎用デジタルコンピュータ23の出力などからの電気制御により独立に作動させて、その対角線に沿ってほぼ10から12°の範囲にわたって向きを変えることが可能で、それにより、光を20から40°偏向させる。このように、マイクロミラー29は、明るい正方形と暗い正方形とのパターンを平行ビーム20に与えることができる。具体的には、さらに図2を参照すると、(平行ビーム20の)入射光30は、アレイ22の面と垂直な方向に関して概ね20°の角度でマイクロミラー29に到達する。「吸収される」光32は、マイクロミラー29の第1の位置において、該マイクロミラー29から(例えば、アレイ22の面に関してマイナス10°で)反射され、このシステムから吸収器(図示せず)へ方向付けられることになる。投射光34は、第2の位置において、マイクロミラー29からテレセントリック投射システム36方向へ(例えば、アレイ22の面に関してプラス10°で)反射される。マイクロミラー29は、一般には非反射レーン50によって隔離される。
【0011】
投射システム36は、球面凹面ミラー38及び対向する凸面ミラー40からなる。ミラー38及び40は共に、球面形状であることが好ましいが、非球面形状であってもよい。ミラー38及び40は、高反射率とするために、強化されたUVコーティングを有する。アレイ22からの投射光34で形成されるビームは、ミラー38の一端で受け取ってミラー40へ反射され、該ミラー40は、次にビーム34を該ミラー38の他端へ反射し、該ビーム34は、そこから、フローセル42に密閉されたガラス基板の活性表面に方向付けられる。ミラー38及び40は、フローセル42内にマイクロミラー29のアレイ22のイメージを作るように、焦点を合わせる。
【0012】
好ましい実施形態においては、凹面ミラー38は、直径を152.4ミリメータ、ミラー表面の球面半径を304.8ミリメータとし、凸面ミラーは、直径を25ミリメータ、ミラーの球面半径を152.94ミリメータとすることができる。理想的には、凹面ミラーの曲率半径は、凸面ミラーの曲率半径のほぼ2倍である。こうした反射光学システムは周知であり、従来は、「MicroAlign」型システムの光リソグラフィで用いられる。例えば、引用によりここに組み入れられる、A.Offnerの「New Concepts in Projection Mask Aligners」、Optical Engineering、14巻、130−132頁(1975)、及び、R.T.Kerthらの「Excimer Laser Projection Lithography on a Full−Field Scanning Projection Systems」、IEEE Electron Device Letters、EDL−7(5)巻、299−301頁(1986)を参照されたい。
【0013】
ミラー38は、XYテーブル44に取り付けて、該ミラー38を、ミラーの対称半径と垂直な2つの垂直方向に動かすことができる。XYテーブル44は、後述のモータコントローラ49と接続するモータでモータ駆動させるか、又は、バーニヤスクリューによって手動で動かすことができる。好ましい実施形態においては、ミラー38は、ミラー軸線と垂直な2方向に正確に回転することができる傾斜ステージに取り付けられる。これらの回転は、イメージの正確な位置合わせ及び配置をもたらす。
同様に、ミラー40は、焦点を合わせる目的で、該ミラー40をミラー38方向へ及びそれから離れるように動かすためのモータ又はスクリューの調整機構を有する合焦ステージ46に取り付けることができる。モータ駆動とした場合、モータは、モータコントローラ49と接続し、該コントローラは、動きを制御するこれらのモータの自動調整を行うか、又は、例えば対応するボタンが押されたときいずれかの軸線の定速運動を与えるキーパッド70を通して手動入力を受け付けることができる。
【0014】
フローセル42は、XYφテーブル48又は同様の位置決め装置に取り付けて、該フローセル42をビーム34の軸線と垂直な2つの垂直方向のいずれか又は両方に動かすか、又は、該フローセル42を該ビーム34の軸線周りに回転させることができる。ここでも同様に、これらの動きは、既述のように、コントローラ49と接続するモータを用いてモータ駆動させるか、又は、既述のように、手動で調整可能とすることができる。フローセルは、当該技術分野で周知の種類の試薬供給システム43からの塩基性のDNAモノマー及びポリマーの供給に連結される。
【0015】
図1及び図3を参照すると、投射システム36は、マイクロミラー29のイメージを、機械ガイド45によって位置合わせされた状態でフローセル42内に収容される平面基板52上に投射することになる。イメージ(図示せず)は、マイクロミラー29が該マイクロミラー29のアレイ22の法線に沿って光を反射しているときの該ミラー29の領域に対応する明部と、光を吸収器へ方向付けるように傾けられた該ミラー29に対応する暗部とを有することになる。ミラー間のレーン50は、一般に暗くなる。
【0016】
基板52は、DNA合成のための反応部位を提供するか、又は、位置合わせ目的のみのための標的(これ以降、基板52とも呼ぶ)とすることができ、該基板52は、マイクロミラー29のイメージを形成することができる領域に対応する「反応部位」54と、レーン50のイメージを形成することができる領域に対応する「反応隔離領域」56とを含む。反応隔離領域56の基板52の表面は、反応隔離領域56と比べて、所与の方向における光の伝搬を減少させるようにパターン形成することができる。この場合、伝搬という用語は、一般に、任意に定められた検出方向に沿って光を方向付けする性質を意味するものと理解すべきであり、したがって、反射、屈折、回折、及び透過を含むことがある。
再び図1を参照すると、反応隔離領域56及び反応部位54によって伝搬される光は、観察者58か又は適切に配置された(例えば、光電セル、又はカメラ及び/又は画像処理回路等とすることができる)光センサ60若しくは60’かのどちらかで受け取ることができ、ここでセンサ60の配置は反射光又は散乱光の検出を示し、センサ60'は、透過光の検出を示す。電子センサ60もまた、既述のように、コントローラ49と接続する。
【0017】
ここで、図4を参照すると、反応隔離領域56においてはより多くの伝搬をもたらし、反応部位54においてはより少ない伝搬を生じさせることもできるパターンをもつ別の基板52を用いてもよい。
これらの伝搬の変化は、不透明な、吸収性の又は反射性の材料を様々な範囲に被覆する被覆処理を含むがこれに限定されるものではない様々な手段によってか、又は、線を基板52の表面に刻印して所望の選択的な反射率を与える回折処理によって、作り出すことができる。
ここで、図5を参照すると、この後者の場合、光学格子62は、基板52の表面の選択的反射が望まれる領域に刻印することができる。格子62は、基板52の表面と垂直な方向に入射光の半波長だけ離れた溝及びリッジを備える。この刻印された表面の溝及びリッジから基板52の表面と垂直な軸線64に沿って反射した光は、干渉して弱め合うことになる。ところが、角度を持たせた軸線66では、溝及びリッジからの光は、重なって強め合い、軸外し角で最大となる反射率分布68を与えることになる。このように、軸外し反射を検出するための目58又はセンサ60への光を、最大にすることができる。
【0018】
伝搬された光は、反応部位54の位置とマイクロミラー29の重ね合わされたイメージとの差の顕微鏡検査によって、基板52を該マイクロミラー29のイメージと位置合わせさせるのに用いることができる。しかしながら、より簡単には、反応部位54における重ね合わせイメージの周期性によって巨視的な干渉特性が発生するモアレ干渉パターンを観察することができる。
ここで図6を参照すると、図3及び図4のパターンに関するアレイイメージの上端を(この例では)短くするようなイメージの台形ゆがみが、肉眼で見られるような内側に湾曲する一組のモアレ干渉縞を作る。このような台形ゆがみは、マイクロミラー29のアレイ22と非平行の面にある基板52によって引き起こされる可能性があり、本発明のテレセントリック光学系によって最小になるが、他の光学的投射システムでは問題となることがある。基板52をシム又は調節機構などによって適切に傾けることで、このゆがみを補正することができる。
【0019】
ここで図7を参照すると、イメージに関する基板52のXYの位置ずれ(この場合は、左方向のオフセット)は、伝搬される光の総量を減らす一組の水平の帯を生成することになる。この光の総量の変化は、視覚によって検出して手動調整を行うか、又はセンサ60によって検出してコントローラ49への入力として用い、伝搬される光を最大にする(又は最小にする)ことによって、このような変位を補正することができる。
【0020】
図11を参照すると、図3の基板の図7のパターンによって伝搬される光の総量は、x軸変位に対して実線(光関数74)で描かれて示され、図4の基板についての光の総量は、点線(光関数74’)として示される。このように、最大化(又は最小化)規則に従うコントローラ49は、基板52とアレイ22のイメージとの間のx又はy軸変位を自動的に補正することができる。当該技術分野で周知のこうしたアルゴリズムは、制御される軸(例えばx)において微小な摂動を作り、測定される性質(光の伝搬)の増加又は減少があったかどうかを検出し、次に、測定される性質を改善する方向に増加量を動かし、ピーク又は谷が見つかるまでこの処理を繰り返す。同様のアプローチを、y軸変位を補正するのに用いることができる。示しはしないが一般に、焦点ずれも、伝搬される光の量に影響を与えることがある。したがって、焦点ずれは、同様の自動的なピーク(又は谷)補正機構を用いて補正することができる。
【0021】
ここで図8を参照すると、イメージに関する基板52の回転は、傾いた十字形の干渉パターンを生成し、該十字形が消滅するまで該基板を回転させることによって補正することができる。
図9を参照すると、イメージのゆがみ(糸巻形ゆがみ又は樽形ゆがみ)は、円形の干渉縞区域によって明らかになる。
図10を参照すると、拡大エラーは、反応部位54の拡大された仮想イメージの存在によって検出することもできる。本質的に一様な灰色領域を作り出すようにこれらの拡大領域を除去することで、1対1拡大を示すことになる。
【0022】
標的を蛍光材料で処理するか、又は、蛍光材料で裏塗りして、これらのゆがみの測定を肉眼でも見えるものにするができる。このように、既に述べたように、人間のオペレータは、コントローラ49に取り付けられた1組の軸制御装置70を制御して、ミラー38、40及びXYφテーブル48の光学要素を、図6から図10までのパターンの理解に適切に基づいて手動で動かすことができる。或いは、これらの調整の幾つかは、ゆがみの大きさの1つとすることができるパラメータ76の変化に基づいて、センサ60又は60’から受け取った光関数74’を最小にするか、又は光関数74を最大にしようとするコントローラ49によって自動的に行うことができる。例えば、倍率の補正は、ミラーの軸に沿った該ミラー40の位置の関数としての関数74を最小にするように試みるものである。このようなサーボ制御技術は、当該技術分野において周知である。或いは、多軸補正のために、より精巧な機械認識システムを用いて、モアレパターンを観測する人間のオペレータの認識システムを模倣してもよい。
【0023】
ここで図12を参照すると、基板52を正確に配置する能力は、位置合わせ目的のためだけではなく、合成処理においてパターンに2つの役割をさせるようにあらかじめパターン形成することを可能にする。例えば、基板52は、反応部位54以外でのモノマー82の結合を拒絶して、反応部位と他の位置との間により大きなコントラストを与えるように、反応隔離領域56に位置決めされた反発性コーティングなどの局所コーティング80を含むことができる。
本発明は、本明細書に含まれる実施形態及び説明に限定されるものではなく、実施形態の一部を含むそれらの実施形態の改良形、及び、異なる実施形態の要素の組合せも、特許請求の範囲内に入るものとして包含されることが、明確に意図される。例えば、好ましい実施形態においてはフローセル42を動かすが、マイクロミラー22を動かして均等な効果を与えてもよい。さらに、基板は、既に述べたように、フローセル内に取り付けて位置合わせに用いられ、次に、該基板上のDNA合成のための基板と交換される標的としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に用いるのに適したDNAプローブ合成のための、マイクロミラーのイメージを基板上に投射する反射光学系を備える光学システムのブロック線図であり、目視検査又は電子光センサからの信号にしたがって、これらの要素の位置合わせを可能にするサーボ制御された光学的実装を示すものである。
【図2】マイクロミラーアレイの表面の部分斜視図であり、レーンによって隔離された個々のミラーを示し、且つ、入射光と、1つのミラーについての該ミラーの状態にしたがった2つの反射方向とを示すものである。
【図3】あらかじめパターン形成された基板又は標的の平面図であり、隔離領域が反射率を増加させるように処理された状態で、図2のミラーに対応する標的領域と、レーンに対応する該隔離領域とを示す。
【図4】反射率を増加させるように処理された標的領域を示す、図3と同様の図である。
【図5】図3及び図4のあらかじめパターン形成された基板又は標的の概略断面図であり、光学格子の使用によって特定の角度において増加した反射率を与える方法を示すものである。
【図6】図2のミラーアレイのイメージと図3のパターンとの重ね合わせによって生成されたモアレパターンであり、投射されたイメージの「台形」ゆがみを生じるような光学的位置ずれを示すものである。
【図7】図6と同様の図であり、投射されたイメージの左右の面内オフセットを生じるような光学的位置ずれを示すものである。
【図8】図6と同様の図であり、投射されたイメージの相対的な回転を生じるような光学的位置ずれを示すものである。
【図9】図6と同様の図であり、投射されたイメージの「樽形」ゆがみを生じるような光学的位置ずれを示すものである。
【図10】図6と同様の図であり、投射されたイメージの過剰拡大を生じるような位置ずれを示すものである。
【図11】図1の光学システムの自動位置合わせ用の基準となるような、位置ずれの軸の1つに対するモアレパターンからの光の強度の変化を示す図である。
【図12】合成されたDNAポリマーを有する基板の部分断面図であり、レーン領域での合成を防止するための拒絶表面を有する中間レーンを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、生物学の分野に関し、具体的には、DNA及び関連ポリマーの分析及び配列決定に有用なポリマーのアレイを製造するための技術及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DNA配列の同定が、植物及び動物の遺伝子のマッピング並びに他の研究及び商業用途において有用である。
DNA配列を同定する1つの方法は、フォトリソグラフィ技術を用いて合成されたオリゴヌクレオチド・プローブのアレイを用いるものである。アレイのプローブの各々は、特定のDNA標的とハイブリダイズするように設計され、後者は蛍光標的にカップリングさせることができる。DNAがどこにハイブリダイズするかを観察することにより、該DNAの同一性を推定することができる。この技術は、Peaseらの「Light−Generated Oligonucleotide Arrays for Rapid DNA Sequence Analysis」、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、91、5022−5026(1994年5月)に、一般的に記載されている。
【0003】
プローブは、光不安定な保護基で被覆された基板上に合成される。フォトリソグラフィ・マスクを通過する光に照射されることにより、基板上の或る位置が反応性を持つようになる。DNAモノマーが基板全体にそそがれて、反応性の部位に付着する。モノマーの露出端もまた、光不安定な材料によって保護され、該材料は次にまた、選択的照射によって反応性をもつことができる。
この処理は、任意のDNAポリマーが様々な反応部位に蓄積するまで、異なるモノマー又は短いオリゴマーを用いて繰り返すことができる。フォトリソグラフィ・マスクを交換することにより、異なるDNA配列を、アレイの異なる位置で合成することができる。
【0004】
フォトリソグラフィ・マスクは、取り扱いが厄介で、高価である。このため、別のアプローチにおいては、マスクの代わりに、電子的に方向付けすることができるマイクロミラーの2次元アレイといった切換可能な光学素子のアレイを用いることがある。投射光学系が、マイクロミラーのイメージを、ヌクレオチド付加反応が行われる基板上に合焦する。コンピュータ制御の下で、マイクロミラーの各々は、光学システムを通して光を基板上に投射する第1の位置と、光を該基板からそらす第2の位置との間で、選択的に切り換えられる。マスクのコストと、マスクの交換処理にかかる時間とが省かれる。
【0005】
信頼性のある高密度のDNAプローブ合成のためには、マスク又はマイクロミラー(以後、まとめて「パターン生成器」と呼ぶ)と、投射光学系と、基板とを慎重に位置合わせすることが必要である。この複雑で時間のかかる処理は、システムが用いられる時間にわたって、繰り返される必要がある。投射されたイメージの細部が極めて小さなサイズであること、及び、光エネルギーが典型的には紫外線領域にあるという事実が、位置合わせ処理を複雑なものにしている。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、パターン生成器から投射されたイメージを、あらかじめパターン形成された基板又は基板状標的の上に重ね合わせることによって、該パターン生成器と、投射光学系と、該基板とを位置合わせする簡単で正確な方法を提供する。この位置合わせシステムは、合成の前に基板の各々を位置合わせするのに役立ち、それにより、例えば、より高い反応の空間解像度を与えるように反応阻害材料を反応部位の間に位置決めするといった、位置合わせ感度の高い特性を基板が持つことを可能にする。
【0007】
一実施形態においては、基板上のパターンは、パターン生成器のイメージと共に「モアレ」パターンを生成するものである。規則的なモアレパターンは、位置合わせの不具合を目に見えるように拡大したものを作り出し、目視検査による位置合わせを可能にする。或いは、モアレパターンを電子光センサと共に用いて、自動的な位置合わせを提供することができる。代替的な実施形態においては、あらかじめパターン形成された標的を用いることができ、システムの位置合わせは合成工程前に別のステップで行われ、該標的は、合成工程の時点で基板と交換される。
このように、DNAプローブ合成システムの簡単な光学的位置合わせ機構を提供することが、本発明の目的の1つである。本発明の別の目的は、例えば位置合わせ感度の高い特性を基板に組み込むことができるような、該基板の正確な位置合わせを可能にすることである。
本発明のさらなる目的、特徴、及び利点は、付属の図面と併せて見たときに以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
ここで図1を参照すると、DNA合成装置10は光源12を含み、該光源は、典型的には水銀灯等であるが、代替的には、紫外線又は近紫外線の光源ビーム14を生成するレーザ、半導体光源及びガス放電光源を含む。このビーム14は、所望の波長(例えば、365ナノメータの水銀線)のみを通すように選択されたフィルタ16を透過させることができる。フィルタ以外に、光源をフィルタ処理すなわち単色化するための他の装置、例えば、回折格子、ダイクロイックミラー、及びプリズムを用いてもよく、これらの装置は、本明細書中では一般に「フィルタ」と呼ばれる。
フィルタ処理されたビーム14は、特定の広がりの一様なビーム20を形成する集光システム18によって受け取る。この広がり(又は伝達)角は、照射の空間的コヒーレンス要件を満足する程度であり、典型的にはσ=0.7である。例えば、2002年1月31日に出願され、本発明と同一の譲受人に譲渡され、引用により組み入れられる同時継続中の米国特許出願番号第60/353,491号に記載されているようなプリズム/カレイドスコピック・コリメータを含む標準的な光学装置の多くを用いることができる。
照射ビーム20は、明領域と暗領域とのパターンを該照射ビームに与えるパターン生成器に衝突する。好ましい実施形態においては、パターン生成器はマイクロミラーのアレイであり、これはすぐ以下で詳細に説明される。他の種類のパターン生成器には、従来型のフォトリソグラフィ・マスク及び反射標的などの静的な装置、並びに、マイクロシャッタ、バイモルフ圧電アクチュエータによって作動させられるマイクロミラー、LCDシャッタ、及び反射型LCD装置などの動的な装置が含まれる。
【0009】
図2も参照すると、好ましい実施形態において述べたように、パターン生成器はマイクロミラー29のアレイ22であり、該マイクロミラー29の各々は実質的に正方形で、その一辺は10から20マイクロメータであるがこれに限定されるものではない。マイクロミラー29は、縦横のアレイ22に並べられ、640×800、640×840、800×600、1024×768、及び1024×1260を含む様々なサイズで利用できるが、これらに限定されるものではない。マイクロミラー29の各々は、ミラー自体に損傷を与えることのない効果的な方法で、紫外光及び近紫外光を含む通常用いられる波長の光を反射することができる。
一般に、マイクロミラー29のアレイ22は、Texas Instruments社から市販されているデジタル・ライト・プロセッサ(DLP)とすることができる。こうしたアレイは、以下の論文及び特許で説明されている、すなわち、Larry J.Hornbeckによる「Digital Light Processing and MEMs:Reflecting the Digital Display Needs of the Networked Society」、SPIE/EOS European Symposium on Lasers,Optics,and Vision for Productivity and Manufacturing 1、Besancon、France、June10−14、1996、及び、米国特許第5,096,279号、同第5,535,047号、同第5,583,688号及び同第5,600,383号明細書であり、これらは引用によりここに組み入れられる。
【0010】
マイクロミラー29の各々は、汎用デジタルコンピュータ23の出力などからの電気制御により独立に作動させて、その対角線に沿ってほぼ10から12°の範囲にわたって向きを変えることが可能で、それにより、光を20から40°偏向させる。このように、マイクロミラー29は、明るい正方形と暗い正方形とのパターンを平行ビーム20に与えることができる。具体的には、さらに図2を参照すると、(平行ビーム20の)入射光30は、アレイ22の面と垂直な方向に関して概ね20°の角度でマイクロミラー29に到達する。「吸収される」光32は、マイクロミラー29の第1の位置において、該マイクロミラー29から(例えば、アレイ22の面に関してマイナス10°で)反射され、このシステムから吸収器(図示せず)へ方向付けられることになる。投射光34は、第2の位置において、マイクロミラー29からテレセントリック投射システム36方向へ(例えば、アレイ22の面に関してプラス10°で)反射される。マイクロミラー29は、一般には非反射レーン50によって隔離される。
【0011】
投射システム36は、球面凹面ミラー38及び対向する凸面ミラー40からなる。ミラー38及び40は共に、球面形状であることが好ましいが、非球面形状であってもよい。ミラー38及び40は、高反射率とするために、強化されたUVコーティングを有する。アレイ22からの投射光34で形成されるビームは、ミラー38の一端で受け取ってミラー40へ反射され、該ミラー40は、次にビーム34を該ミラー38の他端へ反射し、該ビーム34は、そこから、フローセル42に密閉されたガラス基板の活性表面に方向付けられる。ミラー38及び40は、フローセル42内にマイクロミラー29のアレイ22のイメージを作るように、焦点を合わせる。
【0012】
好ましい実施形態においては、凹面ミラー38は、直径を152.4ミリメータ、ミラー表面の球面半径を304.8ミリメータとし、凸面ミラーは、直径を25ミリメータ、ミラーの球面半径を152.94ミリメータとすることができる。理想的には、凹面ミラーの曲率半径は、凸面ミラーの曲率半径のほぼ2倍である。こうした反射光学システムは周知であり、従来は、「MicroAlign」型システムの光リソグラフィで用いられる。例えば、引用によりここに組み入れられる、A.Offnerの「New Concepts in Projection Mask Aligners」、Optical Engineering、14巻、130−132頁(1975)、及び、R.T.Kerthらの「Excimer Laser Projection Lithography on a Full−Field Scanning Projection Systems」、IEEE Electron Device Letters、EDL−7(5)巻、299−301頁(1986)を参照されたい。
【0013】
ミラー38は、XYテーブル44に取り付けて、該ミラー38を、ミラーの対称半径と垂直な2つの垂直方向に動かすことができる。XYテーブル44は、後述のモータコントローラ49と接続するモータでモータ駆動させるか、又は、バーニヤスクリューによって手動で動かすことができる。好ましい実施形態においては、ミラー38は、ミラー軸線と垂直な2方向に正確に回転することができる傾斜ステージに取り付けられる。これらの回転は、イメージの正確な位置合わせ及び配置をもたらす。
同様に、ミラー40は、焦点を合わせる目的で、該ミラー40をミラー38方向へ及びそれから離れるように動かすためのモータ又はスクリューの調整機構を有する合焦ステージ46に取り付けることができる。モータ駆動とした場合、モータは、モータコントローラ49と接続し、該コントローラは、動きを制御するこれらのモータの自動調整を行うか、又は、例えば対応するボタンが押されたときいずれかの軸線の定速運動を与えるキーパッド70を通して手動入力を受け付けることができる。
【0014】
フローセル42は、XYφテーブル48又は同様の位置決め装置に取り付けて、該フローセル42をビーム34の軸線と垂直な2つの垂直方向のいずれか又は両方に動かすか、又は、該フローセル42を該ビーム34の軸線周りに回転させることができる。ここでも同様に、これらの動きは、既述のように、コントローラ49と接続するモータを用いてモータ駆動させるか、又は、既述のように、手動で調整可能とすることができる。フローセルは、当該技術分野で周知の種類の試薬供給システム43からの塩基性のDNAモノマー及びポリマーの供給に連結される。
【0015】
図1及び図3を参照すると、投射システム36は、マイクロミラー29のイメージを、機械ガイド45によって位置合わせされた状態でフローセル42内に収容される平面基板52上に投射することになる。イメージ(図示せず)は、マイクロミラー29が該マイクロミラー29のアレイ22の法線に沿って光を反射しているときの該ミラー29の領域に対応する明部と、光を吸収器へ方向付けるように傾けられた該ミラー29に対応する暗部とを有することになる。ミラー間のレーン50は、一般に暗くなる。
【0016】
基板52は、DNA合成のための反応部位を提供するか、又は、位置合わせ目的のみのための標的(これ以降、基板52とも呼ぶ)とすることができ、該基板52は、マイクロミラー29のイメージを形成することができる領域に対応する「反応部位」54と、レーン50のイメージを形成することができる領域に対応する「反応隔離領域」56とを含む。反応隔離領域56の基板52の表面は、反応隔離領域56と比べて、所与の方向における光の伝搬を減少させるようにパターン形成することができる。この場合、伝搬という用語は、一般に、任意に定められた検出方向に沿って光を方向付けする性質を意味するものと理解すべきであり、したがって、反射、屈折、回折、及び透過を含むことがある。
再び図1を参照すると、反応隔離領域56及び反応部位54によって伝搬される光は、観察者58か又は適切に配置された(例えば、光電セル、又はカメラ及び/又は画像処理回路等とすることができる)光センサ60若しくは60’かのどちらかで受け取ることができ、ここでセンサ60の配置は反射光又は散乱光の検出を示し、センサ60'は、透過光の検出を示す。電子センサ60もまた、既述のように、コントローラ49と接続する。
【0017】
ここで、図4を参照すると、反応隔離領域56においてはより多くの伝搬をもたらし、反応部位54においてはより少ない伝搬を生じさせることもできるパターンをもつ別の基板52を用いてもよい。
これらの伝搬の変化は、不透明な、吸収性の又は反射性の材料を様々な範囲に被覆する被覆処理を含むがこれに限定されるものではない様々な手段によってか、又は、線を基板52の表面に刻印して所望の選択的な反射率を与える回折処理によって、作り出すことができる。
ここで、図5を参照すると、この後者の場合、光学格子62は、基板52の表面の選択的反射が望まれる領域に刻印することができる。格子62は、基板52の表面と垂直な方向に入射光の半波長だけ離れた溝及びリッジを備える。この刻印された表面の溝及びリッジから基板52の表面と垂直な軸線64に沿って反射した光は、干渉して弱め合うことになる。ところが、角度を持たせた軸線66では、溝及びリッジからの光は、重なって強め合い、軸外し角で最大となる反射率分布68を与えることになる。このように、軸外し反射を検出するための目58又はセンサ60への光を、最大にすることができる。
【0018】
伝搬された光は、反応部位54の位置とマイクロミラー29の重ね合わされたイメージとの差の顕微鏡検査によって、基板52を該マイクロミラー29のイメージと位置合わせさせるのに用いることができる。しかしながら、より簡単には、反応部位54における重ね合わせイメージの周期性によって巨視的な干渉特性が発生するモアレ干渉パターンを観察することができる。
ここで図6を参照すると、図3及び図4のパターンに関するアレイイメージの上端を(この例では)短くするようなイメージの台形ゆがみが、肉眼で見られるような内側に湾曲する一組のモアレ干渉縞を作る。このような台形ゆがみは、マイクロミラー29のアレイ22と非平行の面にある基板52によって引き起こされる可能性があり、本発明のテレセントリック光学系によって最小になるが、他の光学的投射システムでは問題となることがある。基板52をシム又は調節機構などによって適切に傾けることで、このゆがみを補正することができる。
【0019】
ここで図7を参照すると、イメージに関する基板52のXYの位置ずれ(この場合は、左方向のオフセット)は、伝搬される光の総量を減らす一組の水平の帯を生成することになる。この光の総量の変化は、視覚によって検出して手動調整を行うか、又はセンサ60によって検出してコントローラ49への入力として用い、伝搬される光を最大にする(又は最小にする)ことによって、このような変位を補正することができる。
【0020】
図11を参照すると、図3の基板の図7のパターンによって伝搬される光の総量は、x軸変位に対して実線(光関数74)で描かれて示され、図4の基板についての光の総量は、点線(光関数74’)として示される。このように、最大化(又は最小化)規則に従うコントローラ49は、基板52とアレイ22のイメージとの間のx又はy軸変位を自動的に補正することができる。当該技術分野で周知のこうしたアルゴリズムは、制御される軸(例えばx)において微小な摂動を作り、測定される性質(光の伝搬)の増加又は減少があったかどうかを検出し、次に、測定される性質を改善する方向に増加量を動かし、ピーク又は谷が見つかるまでこの処理を繰り返す。同様のアプローチを、y軸変位を補正するのに用いることができる。示しはしないが一般に、焦点ずれも、伝搬される光の量に影響を与えることがある。したがって、焦点ずれは、同様の自動的なピーク(又は谷)補正機構を用いて補正することができる。
【0021】
ここで図8を参照すると、イメージに関する基板52の回転は、傾いた十字形の干渉パターンを生成し、該十字形が消滅するまで該基板を回転させることによって補正することができる。
図9を参照すると、イメージのゆがみ(糸巻形ゆがみ又は樽形ゆがみ)は、円形の干渉縞区域によって明らかになる。
図10を参照すると、拡大エラーは、反応部位54の拡大された仮想イメージの存在によって検出することもできる。本質的に一様な灰色領域を作り出すようにこれらの拡大領域を除去することで、1対1拡大を示すことになる。
【0022】
標的を蛍光材料で処理するか、又は、蛍光材料で裏塗りして、これらのゆがみの測定を肉眼でも見えるものにするができる。このように、既に述べたように、人間のオペレータは、コントローラ49に取り付けられた1組の軸制御装置70を制御して、ミラー38、40及びXYφテーブル48の光学要素を、図6から図10までのパターンの理解に適切に基づいて手動で動かすことができる。或いは、これらの調整の幾つかは、ゆがみの大きさの1つとすることができるパラメータ76の変化に基づいて、センサ60又は60’から受け取った光関数74’を最小にするか、又は光関数74を最大にしようとするコントローラ49によって自動的に行うことができる。例えば、倍率の補正は、ミラーの軸に沿った該ミラー40の位置の関数としての関数74を最小にするように試みるものである。このようなサーボ制御技術は、当該技術分野において周知である。或いは、多軸補正のために、より精巧な機械認識システムを用いて、モアレパターンを観測する人間のオペレータの認識システムを模倣してもよい。
【0023】
ここで図12を参照すると、基板52を正確に配置する能力は、位置合わせ目的のためだけではなく、合成処理においてパターンに2つの役割をさせるようにあらかじめパターン形成することを可能にする。例えば、基板52は、反応部位54以外でのモノマー82の結合を拒絶して、反応部位と他の位置との間により大きなコントラストを与えるように、反応隔離領域56に位置決めされた反発性コーティングなどの局所コーティング80を含むことができる。
本発明は、本明細書に含まれる実施形態及び説明に限定されるものではなく、実施形態の一部を含むそれらの実施形態の改良形、及び、異なる実施形態の要素の組合せも、特許請求の範囲内に入るものとして包含されることが、明確に意図される。例えば、好ましい実施形態においてはフローセル42を動かすが、マイクロミラー22を動かして均等な効果を与えてもよい。さらに、基板は、既に述べたように、フローセル内に取り付けて位置合わせに用いられ、次に、該基板上のDNA合成のための基板と交換される標的としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に用いるのに適したDNAプローブ合成のための、マイクロミラーのイメージを基板上に投射する反射光学系を備える光学システムのブロック線図であり、目視検査又は電子光センサからの信号にしたがって、これらの要素の位置合わせを可能にするサーボ制御された光学的実装を示すものである。
【図2】マイクロミラーアレイの表面の部分斜視図であり、レーンによって隔離された個々のミラーを示し、且つ、入射光と、1つのミラーについての該ミラーの状態にしたがった2つの反射方向とを示すものである。
【図3】あらかじめパターン形成された基板又は標的の平面図であり、隔離領域が反射率を増加させるように処理された状態で、図2のミラーに対応する標的領域と、レーンに対応する該隔離領域とを示す。
【図4】反射率を増加させるように処理された標的領域を示す、図3と同様の図である。
【図5】図3及び図4のあらかじめパターン形成された基板又は標的の概略断面図であり、光学格子の使用によって特定の角度において増加した反射率を与える方法を示すものである。
【図6】図2のミラーアレイのイメージと図3のパターンとの重ね合わせによって生成されたモアレパターンであり、投射されたイメージの「台形」ゆがみを生じるような光学的位置ずれを示すものである。
【図7】図6と同様の図であり、投射されたイメージの左右の面内オフセットを生じるような光学的位置ずれを示すものである。
【図8】図6と同様の図であり、投射されたイメージの相対的な回転を生じるような光学的位置ずれを示すものである。
【図9】図6と同様の図であり、投射されたイメージの「樽形」ゆがみを生じるような光学的位置ずれを示すものである。
【図10】図6と同様の図であり、投射されたイメージの過剰拡大を生じるような位置ずれを示すものである。
【図11】図1の光学システムの自動位置合わせ用の基準となるような、位置ずれの軸の1つに対するモアレパターンからの光の強度の変化を示す図である。
【図12】合成されたDNAポリマーを有する基板の部分断面図であり、レーン領域での合成を防止するための拒絶表面を有する中間レーンを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ヌクレオチド付加反応を起こすことが可能な空間的に隔離された反応部位のアレイを有するあらかじめパターン形成された基板をもつ反応器と、
(b)ヌクレオチド付加反応を促進することが可能な光を与える光源と、
(c)前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取り、この光が、前記あらかじめパターン形成された基板の前記隔離された反応部位のサブセットに対応する照射部分をもつように、光にパターンを印加するパターン生成器と、
(d)前記照射部分が該反応部位と位置合わせされるように、前記光パターンを該あらかじめパターン形成された基板上に投射する投射光学系と、
を備えることを特徴とするDNA合成装置。
【請求項2】
前記投射光学系、前記パターン生成器、及び前記基板のうちの少なくとも2つの相対的配置を調整する位置合わせ手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記投射光学系、前記パターン生成器、及び前記基板のうちの少なくとも2つの相対的配置の調整を制御するために、前記あらかじめパターン形成された基板からの光を受け取る光センサをさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記あらかじめパターン形成された基板の前記空間的に隔離された反応部位の前記アレイと前記光パターンの前記照射部分との間の、糸巻形、台形、樽形、該基板に関して該基板の面に沿った並進、該基板と垂直な回転、過剰拡大、及び過小拡大からなる群から選択される該照射部分のゆがみをもたらす位置ずれを補正するために、前記投射光学系、前記パターン生成器、及び該基板のうちの少なくとも2つの相対的配置の手動調整を可能にする位置合わせ手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光パターンで照射されたとき、前記あらかじめパターン形成された基板が、該光パターンの少なくとも一部のイメージを再生して、モアレ干渉パターンを与えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記パターン生成器が、前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取って反射する電子的に方向付けすることができる1組のマイクロミラーであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記電子的に方向付けすることができるマイクロミラーのイメージが、ミラー領域とレーン領域とを含み、前記あらかじめパターン形成された基板が、前記ミラー領域に対応する反応部位と、前記レーンに対応する反応隔離領域とを含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記反応隔離領域が、前記反応部位と比べて少ない光反射を与えるように処理されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記反応隔離領域が、前記反応部位と比べて多くの光反射を与えるように処理されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記反応隔離領域が、角度を持たせた反射を与えるように格子状に刻印されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記反応隔離領域が、該反応隔離領域におけるヌクレオチド付加反応を阻害するように処理されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
(a)ヌクレオチド付加反応を起こすことが可能な空間的に隔離された反応部位のアレイを有する基板のための支持体をもつ反応器と、
(b)ヌクレオチド付加反応を促進することが可能な光を与える光源と、
(c)前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取り、この光にパターンを印加するパターン生成器と、
(d)画像面に前記パターンのイメージを投射する投射光学系と、
(e)前記画像面において位置決め可能で、該パターンと共にモアレ干渉をもたらすパターンを有する位置合わせ標的と、
を備えることを特徴とするDNA合成装置。
【請求項13】
前記投射光学系、前記パターン生成器、及び前記標的のうちの少なくとも2つの相対的配置を動的に調整する位置合わせ手段をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記投射光学系、前記パターン生成器、及び前記標的のうちの少なくとも2つの相対的配置の調整を制御するために、前記標的からの光を受け取る光センサをさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記標的と前記光パターンとの間の、糸巻形、台形、樽形、該標的に関して該標的の面に沿った並進、該標的と垂直な回転、過剰拡大、及び過小拡大からなる群から選択される該標的上のゆがみパターンをもたらす位置ずれを補正するために、前記投射光学系、前記パターン生成器、及び該標的のうちの少なくとも2つの相対的配置の手動調整を可能にする位置合わせ手段を含むことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記パターン生成器が、前記光源と前記標的との間の光路に沿って配置され、前記光を受け取って反射する電子的に方向付けすることができる1組のマイクロミラーであることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記電子的に方向付けすることができるマイクロミラーのイメージが、ミラー領域とレーン領域とを含み、前記標的が、前記ミラー領域に対応する標的領域と、前記レーンに対応する隔離領域とを含むことを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記標的が、前記隔離領域が前記標的領域と比べて多くの光反射を与えるように処理されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記標的が、前記隔離領域が前記標的領域と比べて少ない光反射を与えるように処理されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記反応隔離領域が、角度を持たせた反射を与えるように格子状に刻印されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記標的領域が、角度を持たせた反射を与えるように格子状に刻印されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
(a)基板を保持するための反応器と、(b)ヌクレオチド付加反応を促進することが可能な光を与える光源と、(c)前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取り、該光にパターンを印加して、該光が、該基板に投射される照射部分をもつようにするパターン生成器と、を用いるタイプの光学的DNA合成のための基板であって、
ヌクレオチド付加反応を起こすことが可能な空間的に隔離された反応部位のアレイをもつ基板表面と、
前記基板表面に形成され、該基板が位置合わせされた位置にあるときに、該基板上に投射された前記光パターンの前記照射部分の少なくとも一部と対応するパターンと、
を備えることを特徴とする基板。
【請求項23】
前記光パターンで照射されたとき、前期基板表面における前記パターンが、該光パターンの少なくとも一部のイメージを再生して、モアレ干渉パターンを与えることを特徴とする、請求項22に記載の基板。
【請求項24】
前記パターン生成器が、前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取って反射する電子的に方向付けすることができる1組のマイクロミラーであり、前記光パターンが、ミラー領域とレーン領域とを含む前記電子的に方向付けすることができるマイクロミラーのイメージであり、前記基板表面の前記パターンが、前記ミラー領域に対応する反応部位を、前記レーンに対応する反応隔離領域から分けるものであることを特徴とする、請求項22に記載の基板。
【請求項25】
前記基板表面の前記パターンが、前記反応部位における前記パターンと比べて少ない光反射を与えることを特徴とする、請求項24に記載の基板。
【請求項26】
前記基板表面の前記パターンが、前記反応部位における前記パターンと比べて多くの光反射を与えることを特徴とする、請求項24に記載の基板。
【請求項27】
前記反応隔離領域における前記基板のパターンが、角度を持たせた反射を与える格子であることを特徴とする、請求項24に記載の基板。
【請求項28】
前記反応隔離領域における前記基板表面のパターンが、該反応隔離領域におけるヌクレオチド付加反応を阻害する材料であることを特徴とする、請求項24に記載の基板。
【請求項29】
(a)反応器内でヌクレオチド付加反応を起こすことが可能な空間的に隔離された反応部位のアレイを有するあらかじめパターン形成された基板を位置決めし、
(b)ヌクレオチド付加反応を促進することが可能な光源を設け、
(c)前記隔離された反応部位のサブセットに対応する照射部分をもつ光パターンを、前記照射部分が該反応部位と位置合わせされるように、前記あらかじめパターン形成された基板上に投射する、
ステップを含むことを特徴とするDNA合成方法。
【請求項30】
前記あらかじめパターン形成された基板上の前記光パターンの相対的配置を調整するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記あらかじめパターン形成された基板上の前記光パターンの相対的配置の調整を制御するために、該あらかじめパターン形成された基板から出る光を検出するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
糸巻形、台形、樽形、前記基板に関して該基板の面に沿った並進、該基板と垂直な回転、過剰拡大、及び過小拡大からなる群から選択されるゆがみを補正するために、前記光パターンを手動で調整するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記光パターンで照射されたとき、前期あらかじめパターン形成された基板の前記パターンが、該光パターンの少なくとも一部のイメージを再生して、モアレ干渉パターンを与えることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記あらかじめパターン形成された基板の前記パターンが、ミラー領域とレーン領域とを有する電子的に方向付けすることができる1組のマイクロミラーのイメージを再生し、該あらかじめパターン形成された基板の該パターンが、前記ミラー領域に対応する反応部位と、前記レーンに対応する反応隔離領域とを含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記反応部位と比べて少ない光反射を与えるように、前記反応隔離領域を処理するステップを含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項37】
前記反応部位と比べて多くの光反射を与えるように、前記反応隔離領域を処理するステップを含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
角度を持たせた反射を与えるように、前記反応隔離領域を格子状に刻印するステップを含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記反応隔離領域におけるヌクレオチド付加反応を阻害するように、該反応隔離領域を処理するステップを含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項1】
(a)ヌクレオチド付加反応を起こすことが可能な空間的に隔離された反応部位のアレイを有するあらかじめパターン形成された基板をもつ反応器と、
(b)ヌクレオチド付加反応を促進することが可能な光を与える光源と、
(c)前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取り、この光が、前記あらかじめパターン形成された基板の前記隔離された反応部位のサブセットに対応する照射部分をもつように、光にパターンを印加するパターン生成器と、
(d)前記照射部分が該反応部位と位置合わせされるように、前記光パターンを該あらかじめパターン形成された基板上に投射する投射光学系と、
を備えることを特徴とするDNA合成装置。
【請求項2】
前記投射光学系、前記パターン生成器、及び前記基板のうちの少なくとも2つの相対的配置を調整する位置合わせ手段をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記投射光学系、前記パターン生成器、及び前記基板のうちの少なくとも2つの相対的配置の調整を制御するために、前記あらかじめパターン形成された基板からの光を受け取る光センサをさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記あらかじめパターン形成された基板の前記空間的に隔離された反応部位の前記アレイと前記光パターンの前記照射部分との間の、糸巻形、台形、樽形、該基板に関して該基板の面に沿った並進、該基板と垂直な回転、過剰拡大、及び過小拡大からなる群から選択される該照射部分のゆがみをもたらす位置ずれを補正するために、前記投射光学系、前記パターン生成器、及び該基板のうちの少なくとも2つの相対的配置の手動調整を可能にする位置合わせ手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光パターンで照射されたとき、前記あらかじめパターン形成された基板が、該光パターンの少なくとも一部のイメージを再生して、モアレ干渉パターンを与えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記パターン生成器が、前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取って反射する電子的に方向付けすることができる1組のマイクロミラーであることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記電子的に方向付けすることができるマイクロミラーのイメージが、ミラー領域とレーン領域とを含み、前記あらかじめパターン形成された基板が、前記ミラー領域に対応する反応部位と、前記レーンに対応する反応隔離領域とを含むことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記反応隔離領域が、前記反応部位と比べて少ない光反射を与えるように処理されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記反応隔離領域が、前記反応部位と比べて多くの光反射を与えるように処理されることを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記反応隔離領域が、角度を持たせた反射を与えるように格子状に刻印されることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記反応隔離領域が、該反応隔離領域におけるヌクレオチド付加反応を阻害するように処理されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
(a)ヌクレオチド付加反応を起こすことが可能な空間的に隔離された反応部位のアレイを有する基板のための支持体をもつ反応器と、
(b)ヌクレオチド付加反応を促進することが可能な光を与える光源と、
(c)前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取り、この光にパターンを印加するパターン生成器と、
(d)画像面に前記パターンのイメージを投射する投射光学系と、
(e)前記画像面において位置決め可能で、該パターンと共にモアレ干渉をもたらすパターンを有する位置合わせ標的と、
を備えることを特徴とするDNA合成装置。
【請求項13】
前記投射光学系、前記パターン生成器、及び前記標的のうちの少なくとも2つの相対的配置を動的に調整する位置合わせ手段をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記投射光学系、前記パターン生成器、及び前記標的のうちの少なくとも2つの相対的配置の調整を制御するために、前記標的からの光を受け取る光センサをさらに備えることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記標的と前記光パターンとの間の、糸巻形、台形、樽形、該標的に関して該標的の面に沿った並進、該標的と垂直な回転、過剰拡大、及び過小拡大からなる群から選択される該標的上のゆがみパターンをもたらす位置ずれを補正するために、前記投射光学系、前記パターン生成器、及び該標的のうちの少なくとも2つの相対的配置の手動調整を可能にする位置合わせ手段を含むことを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記パターン生成器が、前記光源と前記標的との間の光路に沿って配置され、前記光を受け取って反射する電子的に方向付けすることができる1組のマイクロミラーであることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記電子的に方向付けすることができるマイクロミラーのイメージが、ミラー領域とレーン領域とを含み、前記標的が、前記ミラー領域に対応する標的領域と、前記レーンに対応する隔離領域とを含むことを特徴とする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記標的が、前記隔離領域が前記標的領域と比べて多くの光反射を与えるように処理されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記標的が、前記隔離領域が前記標的領域と比べて少ない光反射を与えるように処理されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記反応隔離領域が、角度を持たせた反射を与えるように格子状に刻印されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記標的領域が、角度を持たせた反射を与えるように格子状に刻印されることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
(a)基板を保持するための反応器と、(b)ヌクレオチド付加反応を促進することが可能な光を与える光源と、(c)前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取り、該光にパターンを印加して、該光が、該基板に投射される照射部分をもつようにするパターン生成器と、を用いるタイプの光学的DNA合成のための基板であって、
ヌクレオチド付加反応を起こすことが可能な空間的に隔離された反応部位のアレイをもつ基板表面と、
前記基板表面に形成され、該基板が位置合わせされた位置にあるときに、該基板上に投射された前記光パターンの前記照射部分の少なくとも一部と対応するパターンと、
を備えることを特徴とする基板。
【請求項23】
前記光パターンで照射されたとき、前期基板表面における前記パターンが、該光パターンの少なくとも一部のイメージを再生して、モアレ干渉パターンを与えることを特徴とする、請求項22に記載の基板。
【請求項24】
前記パターン生成器が、前記光源と前記反応器との間の光路に沿って位置決めされ、前記光を受け取って反射する電子的に方向付けすることができる1組のマイクロミラーであり、前記光パターンが、ミラー領域とレーン領域とを含む前記電子的に方向付けすることができるマイクロミラーのイメージであり、前記基板表面の前記パターンが、前記ミラー領域に対応する反応部位を、前記レーンに対応する反応隔離領域から分けるものであることを特徴とする、請求項22に記載の基板。
【請求項25】
前記基板表面の前記パターンが、前記反応部位における前記パターンと比べて少ない光反射を与えることを特徴とする、請求項24に記載の基板。
【請求項26】
前記基板表面の前記パターンが、前記反応部位における前記パターンと比べて多くの光反射を与えることを特徴とする、請求項24に記載の基板。
【請求項27】
前記反応隔離領域における前記基板のパターンが、角度を持たせた反射を与える格子であることを特徴とする、請求項24に記載の基板。
【請求項28】
前記反応隔離領域における前記基板表面のパターンが、該反応隔離領域におけるヌクレオチド付加反応を阻害する材料であることを特徴とする、請求項24に記載の基板。
【請求項29】
(a)反応器内でヌクレオチド付加反応を起こすことが可能な空間的に隔離された反応部位のアレイを有するあらかじめパターン形成された基板を位置決めし、
(b)ヌクレオチド付加反応を促進することが可能な光源を設け、
(c)前記隔離された反応部位のサブセットに対応する照射部分をもつ光パターンを、前記照射部分が該反応部位と位置合わせされるように、前記あらかじめパターン形成された基板上に投射する、
ステップを含むことを特徴とするDNA合成方法。
【請求項30】
前記あらかじめパターン形成された基板上の前記光パターンの相対的配置を調整するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記あらかじめパターン形成された基板上の前記光パターンの相対的配置の調整を制御するために、該あらかじめパターン形成された基板から出る光を検出するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
糸巻形、台形、樽形、前記基板に関して該基板の面に沿った並進、該基板と垂直な回転、過剰拡大、及び過小拡大からなる群から選択されるゆがみを補正するために、前記光パターンを手動で調整するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記光パターンで照射されたとき、前期あらかじめパターン形成された基板の前記パターンが、該光パターンの少なくとも一部のイメージを再生して、モアレ干渉パターンを与えることを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記あらかじめパターン形成された基板の前記パターンが、ミラー領域とレーン領域とを有する電子的に方向付けすることができる1組のマイクロミラーのイメージを再生し、該あらかじめパターン形成された基板の該パターンが、前記ミラー領域に対応する反応部位と、前記レーンに対応する反応隔離領域とを含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記反応部位と比べて少ない光反射を与えるように、前記反応隔離領域を処理するステップを含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項37】
前記反応部位と比べて多くの光反射を与えるように、前記反応隔離領域を処理するステップを含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
角度を持たせた反射を与えるように、前記反応隔離領域を格子状に刻印するステップを含むことを特徴とする、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記反応隔離領域におけるヌクレオチド付加反応を阻害するように、該反応隔離領域を処理するステップを含むことを特徴とする、請求項29に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2006−501807(P2006−501807A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−563707(P2003−563707)
【出願日】平成15年1月28日(2003.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2003/002525
【国際公開番号】WO2003/064026
【国際公開日】平成15年8月7日(2003.8.7)
【出願人】(504291650)ニンブルゲン システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年1月28日(2003.1.28)
【国際出願番号】PCT/US2003/002525
【国際公開番号】WO2003/064026
【国際公開日】平成15年8月7日(2003.8.7)
【出願人】(504291650)ニンブルゲン システムズ リミテッド ライアビリティ カンパニー (3)
【Fターム(参考)】
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