説明

DTVのアナログフロントエンド、それを含むデジタルTVシステム、及びこれらの動作方法

【課題】デジタルTVのアナログフロントエンドを提供する。
【解決手段】アナログフロントエンド30は、第1選択信号に応答して、差動音声中間周波数信号または差動TV放送信号を出力するための第1選択回路32と、第2選択信号に応答して、それぞれが互いに異なるサンプリング周波数を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを出力する第2選択回路34aと、第2選択回路34aから出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、第1選択回路32の出力信号をデジタルコードに変換するためのアナログ−デジタル変換器36と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、アナログフロントエンド(analog front end)に係り、特に、音声中間周波数信号、差動デジタルTV放送信号、及び差動アナログTV放送信号を選択的に処理することができるDTV(digital television)のアナログフロントエンド、前記アナログフロントエンドを含むデジタルTVシステム(digital TV system)、及びこれらの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DTVと呼ばれるデジタルテレビ(digital television)は、アナログ(analog)信号を使う既存のテレビとは異なって、デジタル信号を使って、ビデオ(video)とオーディオ(audio)とを放送して受信することができる放送システムを言う。前記DTVは、デジタル方式で圧縮され(compressed)、変調された(modulated)データを利用するので、DTV用として設計されたテレビ受像機やセットトップボックス(set−top box)を介してのみ視聴することができる。
【0003】
デジタルテレビは、既存のテレビに比べて、幾つかの長所を有するが、それらのうち、最も重要な長所は、チャンネル(channel)が占める帯域幅(bandwidth)を減らすことができるということである。また、マルチキャスティング(multicasting、すなわち、1チャンネルに多様な番組(program)を同時に放送する機能)、及び電子番組ガイド(electric program guide、EPG)も可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許公開2010−0110307号公報
【特許文献2】大韓民国特許公開第2006−0104561号公報
【特許文献3】特開2003−134411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的な課題は、音声中間周波数信号、差動デジタルTV放送信号、及び差動アナログTV放送信号を動作モードによって選択的に処理することができるDTVのアナログフロントエンド、前記アナログフロントエンドを含むデジタルTVシステム、及びこれらの動作方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例によるデジタル(digital)TVのアナログフロントエンドは、第1選択信号に応答して、差動音声中間周波数信号または差動TV放送信号を出力するための第1選択回路と、第2選択信号に応答して、それぞれが互いに異なるサンプリング周波数を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを出力する第2選択回路と、前記第2選択回路から出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、前記第1選択回路の出力信号をデジタルコードに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、を含む。
【0007】
前記第1選択回路は、シングルエンド音声中間周波数信号を前記差動音声中間周波数信号に変換するためのシングル差動変換器(single−to−differential converter)と、前記第1選択信号に応答して、前記差動音声中間周波数信号のうちの何れか1つと前記差動TV放送信号のうちの何れか1つとを選択的に出力するための第1マルチプレクサと、前記第1選択信号に応答して、前記差動音声中間周波数信号のうちの他の1つと前記差動TV放送信号のうちの他の1つとを選択的に出力するための第2マルチプレクサと、を含む。
【0008】
前記シングル差動変換器は、前記シングルエンド音声中間周波数信号に直流(DC)レベルを設定し、DCレベルが設定された第1差動音声中間周波数信号を出力するためのDC信号発生器と、前記第1差動音声中間周波数信号のそれぞれの利得を調節して、前記差動音声中間周波数信号を出力するためのプログラマブル利得増幅器(Programmable Gain Amplifier、PGA)と、を含む。
【0009】
前記シングル差動変換器は、前記シングルエンド音声中間周波数信号にDCレベルを設定し、DCレベルが設定された前記差動音声中間周波数信号を出力する。
【0010】
前記第2選択回路は、外部から入力されたソースクロック信号の周波数を分周するための周波数分周器と、クロック選択信号に応答して、前記ソースクロック信号または前記分周器から出力されたクロック信号を出力する第3マルチプレクサと、前記第3マルチプレクサから出力されたクロック信号を入力クロック信号として受信する位相同期ループと、前記第2選択信号に応答して、前記第3マルチプレクサから出力された前記クロック信号または前記位相同期ループから出力されたクロック信号を出力する第4マルチプレクサと、を含む。
【0011】
前記第2選択回路は、外部から入力されたソースクロック信号の周波数を分周するための第1周波数分周器と、クロック選択信号に応答して、前記ソースクロック信号または前記第1周波数分周器から出力されたクロック信号を出力する第3マルチプレクサと、前記第3マルチプレクサから出力されたクロック信号を入力クロック信号として受信する位相同期ループと、前記位相同期ループから出力されたクロック信号の周波数を分周するための第2周波数分周器と、前記第2選択信号に応答して、前記第3マルチプレクサから出力された前記クロック信号、前記第2周波数分周器から出力されたクロック信号、または前記位相同期ループから出力された前記クロック信号を出力する第4マルチプレクサと、を含む。
【0012】
前記差動TV放送信号のそれぞれの周波数と前記第2選択回路から出力された前記クロック信号の前記サンプリング周波数は、ATSC(Advanced Television System Committee)標準、ATSC−M/H(mobile/handheld)標準、ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)標準、または1seg(handheld)標準に適した周波数であり得る。
【0013】
前記差動TV放送信号のそれぞれの周波数と前記第2選択回路から出力された前記クロック信号の前記サンプリング周波数は、NTSC(National Television System Committee)標準に適した周波数であり得る。
【0014】
本発明の実施例によるデジタルTVシステムは、無線周波数信号からシングルエンド音声中間周波数信号と差動TV放送信号とを発生させるチューナと、前記シングルエンド音声中間周波数信号と前記差動TV放送信号とを選択的に処理するためのアナログフロントエンドと、前記アナログフロントエンドから出力されたデジタルコードを復調するための復調器と、を含む。
【0015】
前記アナログフロントエンドは、第1選択信号に応答して、前記差動TV放送信号または前記シングルエンド音声中間周波数信号に基づいて生成された差動音声中間周波数信号を出力するための第1選択回路と、第2選択信号に応答して、それぞれが互いに異なるサンプリング周波数を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを出力する第2選択回路と、前記第2選択回路から出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、前記第1選択回路の出力信号をデジタルコードに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、を含む。
【0016】
前記アナログフロントエンドと前記復調器は、1つの集積回路に集積されうる。
【0017】
本発明の実施例による信号処理回路は、サンプリングクロック信号に応答して、差動アナログ信号をデジタルコードに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、クロック信号を入力クロック信号として受信するフラクショナル(fractional)−N位相同期ループと、第1選択信号に応答して、前記クロック信号と前記フラクショナル−N位相同期ループの出力クロック信号とのうちの何れか1つを前記サンプリングクロック信号として出力するための第1選択器と、を含む。
【0018】
前記信号処理回路は、前記第1選択器の出力クロック信号の周波数を第1分周比で分周するための第1周波数分周器と、前記第1周波数分周器の出力クロック信号の周波数を第2分周比で分周するための第2周波数分周器と、第2選択信号に応答して、前記第1選択器の前記出力クロック信号と前記第2周波数分周器の出力クロック信号とのうちの何れか1つを前記サンプリングクロック信号として出力するための第2選択器と、をさらに含む。
【0019】
前記信号処理回路は、デジタルTVのアナログフロントエンドである。
【0020】
前記信号処理回路は、前記第2選択器から出力された前記サンプリングクロック信号と前記第1周波数分周器の前記出力クロック信号とのうちの少なくとも1つを用いて、前記デジタルコードを復調するための復調器をさらに含む。
【0021】
本発明の実施例によるデジタルTVシステムは、サンプリングクロック信号によって差動アナログ信号をデジタルコードに変換するアナログフロントエンドと、前記デジタルコードを復調する復調器と、を含む。
【0022】
前記アナログフロントエンドは、前記サンプリングクロック信号に応答して、前記差動アナログ信号を前記デジタルコードに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、クロック信号を入力クロック信号として受信するフラクショナル−N位相同期ループと、第1選択信号に応答して、前記クロック信号と前記フラクショナル−N位相同期ループの出力クロック信号とのうちの何れか1つを前記サンプリングクロック信号として出力するための第1選択器と、を含む。
【0023】
実施例によって、前記アナログフロントエンドは、前記第1選択器の出力クロック信号の周波数を第1分周比で分周するための第1周波数分周器と、前記第1周波数分周器の出力クロック信号の周波数を第2分周比で分周するための第2周波数分周器と、第2選択信号に応答して、前記第1選択器の前記出力クロック信号と前記第2周波数分周器の出力クロック信号とのうちの何れか1つを前記サンプリングクロック信号として出力するための第2選択器と、をさらに含み、前記復調器は、前記サンプリングクロック信号と前記第1周波数分周器の出力クロック信号とのうちの少なくとも1つを用いて、前記デジタルコードを復調する。
【0024】
他の実施例によって、前記アナログフロントエンドは、前記第1選択器の出力クロック信号の周波数を第1分周比で分周するための第1周波数分周器と、前記第1周波数分周器の出力クロック信号の周波数を第2分周比で分周するための第2周波数分周器と、前記第1選択器の前記出力クロックの周波数を第3分周比で分周するための第3周波数分周器と、第2選択信号に応答して、前記第1選択器から出力されたクロック信号または前記第2周波数分周器の出力クロック信号を前記サンプリングクロック信号として出力するための第2選択器と、をさらに含み、前記復調器は、前記サンプリングクロック信号、前記第1周波数分周器の前記出力クロック信号、及び前記第3周波数分周器の出力クロック信号のうちの少なくとも1つを用いて、前記デジタルコードを復調する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例によるアナログフロントエンドは、動作モードによって音声中間周波数信号、差動デジタルTV放送信号、及び差動アナログTV放送信号を選択的に処理することができる。また、位相同期ループを含む前記アナログフロントエンドは、多様なDTV標準に汎用的に使うことができるロージッタ(low jitter)を含むサンプリング周波数を生成することができる。
【0026】
本発明の実施例によるアナログフロントエンドは、デジタルTVシステムで使われる多様なシステムクロック信号と差動アナログ信号とをデジタルコードに変換することができるサンプリングクロック信号を同時に発生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明の詳細な説明で引用される図面をより十分に理解するために、各図面の詳細な説明が提供される。
【図1】本発明の一実施例によるデジタルTVシステムの概略的なブロック図を示す。
【図2】図1に示されたアナログフロントエンドの一実施例によるブロック図を示す。
【図3】図1に示されたアナログフロントエンドの他の実施例によるブロック図を示す。
【図4】本発明の他の実施例によるデジタルTVシステムの概略的なブロック図を示す。
【図5】図4に示されたアナログフロントエンドの一実施例によるブロック図を示す。
【図6】図5に示された複数のシステムクロック信号の波形図を示す。
【図7】図1に示されたアナログフロントエンドの動作方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】図1に示されたデジタルTVシステムの動作方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】図1に示されたアナログフロントエンドの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図10】図4に示されたデジタルTVシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明を詳しく説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施例によるデジタルTVシステムの概略的なブロック図である。図1に示されたDTV(digital television)システム10は、衛星用(satellite)DTVシステム、ケーブル用(cable)DTVシステム、携帯用(handheld)DTV、または地上波用(terrestrial)DTVシステムとして具現可能である。DTVシステム10は、HD(high−definition)TVシステムを含む。携帯用DTVシステムは、携帯電話、スマートフォン(smart phone)、タブレット(tablet)PC、車両用ナビゲーション装置、PDA(personal digital assistant)、またはPMP(portable multimedia player)に具現可能である。
【0030】
DTVシステム10は、チューナ(tuner)20、アナログフロントエンド(AFE)30、復調器(demodulator)40、及びデコーダ(decoder)50を含みうる。多様な実施例によって、AFE30、復調器40、及びデコーダ50は、1つの集積回路(integrated circuit)に集積され、チューナ20も、1つの集積回路に集積されることもある。
【0031】
チューナ20は、適した回路(circuit)、ロジック(logic)、及び/またはコード(code)を含み、無線周波数(radio frequency、RF)信号(RF)を獲得し、これより数Mhzのキャリア(carrier)周波数を有するシングルエンド音声中間周波数信号(single−ended sound intermediate frequency signal)SIF_IN、及び/または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNを発生させうる。
【0032】
差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNは、差動デジタルTV放送信号、例えば、DTVビデオ信号とDTV音声中間周波数信号とを含みうる。また、差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNは、差動アナログTV放送信号、例えば、アナログビデオ信号とアナログ音声中間周波数信号とを含みうる。
【0033】
実施例によって、差動デジタルTV放送信号、すなわち、DTVビデオ信号とDTV音声中間周波数信号は、ヨーロッパ(Europe)のDTV標準であるDVB(digital video broadcasting)ファミリー(family)、例えば、DVB−S(衛星用)、DVB−T(地上波用)、DVB−C(ケーブル用)、DVB−H(携帯用)、またはDVB−SH(Satellite services to Handhelds)による信号であり得る。他の実施例によって、差動デジタルTV放送信号、すなわち、DTVビデオ信号とDTV音声中間周波数信号は、北アメリカ(North America)のDTV標準であるATSC(Advanced Television System Committee)ファミリー、例えば、ATSC(地上波用/ケーブル用)、またはATSC−M/H(モバイル用(mobile)/携帯用)に符合する信号であり得る。
【0034】
また他の実施例によって、差動デジタルTV放送信号、すなわち、DTVビデオ信号とDTV音声中間周波数信号は、日本(Japan)とラテンアメリカ(Latin America)とのDTV標準であるISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)、例えば、ISDB−S(衛星用)、ISDB−T(地上波用)、ISDB−C(ケーブル用)、1seg(handheld)に適した信号であり得る。ここで、1segは、日本、チリ、ブラジル、ペルー、及びアルゼンチンで使う移動地上波デジタル音声中間周波数/ビデオ及びデータ放送サービスである。また他の実施例によって、差動デジタルTV放送信号、すなわち、DTVビデオ信号とDTV音声中間周波数信号は、ブラジル(Brazil)、アルゼンチン(Argentina)、チリ(Chile)、ペルー(Peru)、ベネズエラ(Venezuela)、ボリビア(Bolivia)、エクアドル(Ecuador)、コスタリカ(Costa Rica)、ウルグアイ(Uruguay)のDTV標準であるISDB−Tb(International System for Digital Broadcast、Terrestrial、Brazilian version)を満足する信号であり得る。
【0035】
さらに他の実施例によって、差動デジタルTV放送信号、すなわち、DTVビデオ信号とDTV音声中間周波数信号は、中国のDTV標準であるCDMB−T/H(China Digital Multimedia Broadcast−Terrestrial/Handheld)、またはCMMB(China Mobile Multimedia Broadcasting)を満足する信号であり得る。さらに他の実施例によって、差動デジタルTV放送信号は、韓国のDTV標準であるT−DMB(Terrestrial−Digital Multimedia Broadcasting)、またはS−DMB(Satellite−Digital Multimedia Broadcasting)を満足する信号であり得る。
【0036】
さらに他の実施例によって、差動アナログTV放送信号、すなわち、アナログビデオ信号とアナログ音声中間周波数信号は、NTSC(National Television System Committee)、PAL(phase alternating Line)、またはSECAM(Sequential Color withMemory)に適した信号であり得る。
【0037】
1つのチップ(chip)に集積されうるAFE30は、シングルエンド音声中間周波数信号SIF_IN、または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNを処理(例えば、アナログ−デジタル変換)し、該処理結果によって、デジタルコードAFE_OUTを出力することができる。
【0038】
復調器40は、AFE30から出力されたデジタルコードAFE_OUTを復調し、デコーダ50は、復調器40によって復調されたデジタルコードをデコーディングすることができる。
【0039】
図2は、図1に示されたアナログフロントエンドの一実施例によるブロック図を示す。図1と図2とを参照すると、図1のAFE30の一実施例であるAFE30aは、第1選択回路(または、第1処理回路)32、第2選択回路(または、第2処理回路)34a、及びアナログ−デジタル変換器(analog−to−digital converter、ADC)36を含む。
【0040】
第1選択回路32は、第1選択信号SIG_SELに応答して、差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INN、またはシングルエンド音声中間周波数信号SIF_INに基づいて生成された差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDANを選択的に出力する。第2選択回路34aは、第2選択信号SEL2に応答して、それぞれが互いに異なるサンプリング周波数f1、f2、f3、及びf4を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを選択的にADC36に出力する。
【0041】
ADC36は、第2選択回路34aによって選択的に出力されたクロック信号のサンプリング周波数f1、f2、f3、またはf4によって、第1選択回路32の差動出力信号をデジタルコードAFE_OUTに変換することができる。デジタルコードAFE_OUTは、M(Mは、自然数、例えば、M=10またはM=12)ビットであり得る。
【0042】
第1選択回路32は、シングル差動変換器32−1、第1マルチプレクサ32−2、及び第2マルチプレクサ32−3を含む。
【0043】
シングル差動変換器32−1は、シングルエンド音声中間周波数信号SIF_INを差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDANに変換する。シングル差動変換器32−1は、直流(direct current、DC)信号発生器32−11とプログラマブル利得増幅器(PGA)32−12とを含む。
【0044】
DC信号発生器32−11は、シングルエンド音声中間周波数信号SIF_INにDCレベルを設定し、DCレベルが設定された第1差動音声中間周波数信号IDAPとIDANを出力する。
【0045】
PGA32−12は、第1差動音声中間周波数信号IDAPとIDANのそれぞれの利得(gain)を調節(例えば、増加または減少)して、差動音声中間周波数信号APとANを出力する。DC信号発生器32−11で生成された第1差動音声中間周波数信号IDAPとIDANのうちの何れか1つ(例えばIDAP)は、第1マルチプレクサ32−2に供給され、第1差動音声中間周波数信号IDAPとIDANのうちの他の1つ(例えばIDAN)は、第2マルチプレクサ32−3に供給される。
【0046】
図2では、第1差動音声中間周波数信号IDAPとIDANのそれぞれが、マルチプレクサ32−2と32−3のそれぞれの入力端子に供給される実施例が示されているが、実施例によって、第1差動音声中間周波数信号IDAPとIDANのそれぞれが、マルチプレクサ32−2と32−3のそれぞれの入力端子に供給されないこともある。
【0047】
第1マルチプレクサ32−2は、第1選択信号SIG_SELに応答して、差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDANのうちの何れか1つ(例えば、APまたはIDAP)、または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNのうちの何れか1つ(例えば、CHIP_INP)を選択的にADC36に出力する。
【0048】
第2マルチプレクサ32−3は、第1選択信号SIG_SELに応答して、差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDANのうちの他の1つ(例えば、ANまたはIDAN)、または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNのうちの他の1つ(例えば、CHIP_INN)を選択的にADC36に出力する。第1選択信号SIG_SELは、1ビットまたはそれ以上のビットを含みうる。
【0049】
例えば、第1選択回路32が、差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDANを出力(または、処理)する第1動作モード(mode)で動作する時、マルチプレクサ32−2と32−3は、第1選択信号SIG_SELに応答して、数Mhzのキャリア周波数を有する差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDANをADC36に出力する。
【0050】
しかし、第1選択回路32が、差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNを出力(または、処理)する第2動作モードで動作する時、マルチプレクサ32−2と32−3は、第1選択信号SIG_SELに応答して、数十Mhzのキャリア周波数を有する差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNをADC36に出力する。
【0051】
第2選択回路34aは、第1周波数分周器(frequency divider)34−1、第3マルチプレクサ34−2、位相同期ループ(phase locked loop、PLL)34−3、及び第4マルチプレクサ34−5を含みうる。
【0052】
第1周波数分周器34−1は、外部から入力されたソースクロック(source clock)信号CLK_INの第1周波数f1をK(ここで、Kは、実数)−分周比で分周し、第2周波数f2を有する分周クロック信号を発生させうる。
【0053】
第3マルチプレクサ34−2は、クロック選択信号SELCに応答して、ソースクロック信号CLK_INと第1周波数分周器34−1から出力された分周クロック信号とを選択的に出力することができる。
【0054】
PLL34−3は、第3マルチプレクサ34−2から出力されたクロック信号を入力クロック信号として受信し、第3周波数f3を有する低ジッタ(low jitter)PLLクロック信号を出力する。
【0055】
第4マルチプレクサ34−5は、第2選択信号SEL2に応答して、第3マルチプレクサ34−2から出力されたクロック信号とPLL34−3から出力されたPLLクロック信号とを選択的に出力する。クロック選択信号SELCまたは第2選択信号SEL2は、1ビット(bit)またはそれ以上のビットを含みうる。
【0056】
実施例によって、第2選択回路34aは、PLL34−3の外部に具現された第2周波数分周器34−4をさらに含みうる。この際、第2周波数分周器34−4は、PLL34−3から出力されたPLLクロック信号の周波数f3をL(ここで、Lは、実数)−分周比で分周し、第4周波数f4を有する分周クロック信号を発生させうる。したがって、第4マルチプレクサ34−5は、第2選択信号SEL2によって互いに異なるサンプリング周波数f1、f2、f3、及びf4を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを選択的にADC36に出力する。
【0057】
例えば、第1動作モードまたは第2動作モードで第2選択回路34aから出力されたクロック信号のサンプリング周波数f1、f2、f3、またはf4のキャリア周波数は、数十MHzであり得る。しかし、各サンプリング(sampling)周波数f1、f2、f3、またはf4のキャリア周波数は、設計仕様によって変わりうる。
【0058】
図1と図2とに示したように、1つのAFE30または30aは、動作モード(例えば、第1動作モードまたは第2動作モード)によって、シングルエンド音声中間周波数信号SIF_IN、または差動TV放送信号を選択的に処理することができる効果がある。
【0059】
また、AFE30aは、内部に具現されたPLL34−3を用いて、多様なDTV標準による音声中間周波数信号SIF_IN、差動デジタルTV放送信号、または差動アナログTV放送信号をサンプリングすることができる各サンプリング周波数f1、f2、f3、及びf4を発生させうるので、AFE30aは、多様なDTV標準を使うDTVに汎用的に使われる効果がある。実施例によって、第2選択回路34aから出力されたサンプリングクロック信号は、図1の復調器40の動作クロック信号として提供されうる。
【0060】
図3は、図1に示されたアナログフロントエンドの他の実施例によるブロック図を示す。図2と図3とを参照すると、図3に示された第2選択回路(または、第2処理回路)34bを除けば、図3に示されたAFE30bの構造と図2のAFE30aの構造は、実質的に同一である。
【0061】
第2選択回路34bは、フラクショナル−N(fractional−N)位相同期ループ111と選択回路113とを含む。選択回路113は、マルチプレクサとして具現可能である。周波数合成器(frequency synthesizer)の一例として使われるフラクショナル−N(Nは、正の整数)位相同期ループ111は、ソースクロック信号CLK_INを入力クロック信号として受信し、クロック信号を発生させうる。フラクショナル−N位相同期ループ111は、ロックアップ時間(lock−up time)を短縮させることができるだけではなく、位相ノイズ(phase noise)を減少させることができる。
【0062】
選択回路113は、選択信号SEL11に応答して、ソースクロック信号CLK_INとフラクショナル−N位相同期ループ11から出力されたクロック信号とのうちの何れか1つをサンプリングクロック信号としてADC36に出力する。例えば、選択信号SEL11が、第1レベル(例えば、ローレベル)である時、選択回路111は、ソースクロック信号CLK_INを出力し、選択信号SEL11が、第2レベル(例えば、ハイレベル)である時、選択回路113は、フラクショナル−N位相同期ループ111の出力クロック信号を出力することができる。
【0063】
ADC36は、第2選択回路34bによって選択的に出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、第1選択回路32の出力信号をデジタルコードAFE_OUTに変換することができる。実施例によって、第2選択回路34bから出力されたサンプリングクロック信号は、図1の復調器40の動作クロック信号として提供されうる。
【0064】
図4は、本発明の他の実施例によるデジタルTVシステムの概略的なブロック図である。図4に示されたDTVシステム10aは、図1に示されたDTVシステム10の他の例であって、チューナ20、AFE30−1、復調器40−1、及びデコーダ50を含みうる。
【0065】
AFE30−1は、サンプリングクロック信号ADCCLK以外に複数のシステムクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2をさらに発生させうる。サンプリングクロック信号ADCCLKと複数のシステムクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のそれぞれの間には、図6に示したように、スキュー(skew)が存在しない。例えば、サンプリングクロック信号ADCCLKの立上りエッジ(edge)(または、立下りエッジ)と複数のシステムクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のそれぞれの立上りエッジ(または、立下りエッジ)は、経時的に整列(align)される。これをサンプリングクロック信号ADCCLKと複数のシステムクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のそれぞれが、互いに同期したと表現することができる。
【0066】
復調器40−1は、複数のシステムクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2とサンプリングクロック信号ADCCLKとのうちの少なくとも1つを用いて、デジタルコードAFE_OUTを復調することができる。
【0067】
図5は、図4に示されたアナログフロントエンドの一実施例によるブロック図を示す。図2と図5とを参照すると、図5に示された第2選択回路(または、第2処理回路)34cを除けば、図5に示されたAFE30cの構造と図2のAFE30aの構造は、実質的に同一である。
【0068】
第2選択回路34cは、フラクショナル−N位相同期ループ134、第1選択器136、デスキュー周波数分周器(deskew frequency divider)137、及び第2選択器139を含む。各選択器136と139は、マルチプレクサとして具現可能である。フラクショナル−N位相同期ループ134は、ソースクロック信号CLK_INを入力クロック信号として受信し、クロック信号を発生させうる。
【0069】
第1選択器136は、第1選択信号SEL21に応答して、ソースクロック信号CLK_INとフラクショナル−N位相同期ループ134の出力クロック信号とのうちの何れか1つを選択的に出力する。デスキュー周波数分周器137は、第1選択器136から出力されたクロック信号DCLKの周波数を分周して、スキューのない複数のシステムクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2を発生させる。この際、複数のシステムクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のそれぞれの周波数は、互いに異なる。
【0070】
デスキュー周波数分周器137は、第1周波数分周器137−1と第2周波数分周器137−2とを含む。第1周波数分周器137−1は、第1選択器136の出力クロック信号DCLKの周波数を第1分周比N1で分周し、該分周された周波数を有する第1システムクロック信号SysCLK0を発生させる。第2周波数分周器137−2は、第1周波数分周器137−2の出力クロック信号の周波数を第2分周比N2で分周する。
【0071】
第1分周比N1は、自然数として外部から入力された第1コードCODE1によって調節され、第2分周比N2は、自然数として外部から入力された第2コードCODE2によって調節される。
【0072】
デスキュー周波数分周器137は、第3周波数分周器137−3と第4周波数分周器137−4とをさらに含みうる。第3周波数分周器137−3は、第1選択器136の出力クロック信号DCLKの周波数を第3分周比N3で分周し、該分周された周波数を有する第2システムクロック信号SysCLK1を発生させる。第4周波数分周器137−4は、第1選択器136の出力クロック信号DCLKの周波数を第4分周比N4で分周し、該分周された周波数を有する第3システムクロック信号SysCLK2を発生させる。
【0073】
第3分周比N3は、自然数として外部から入力された第3コードCODE3によって調節され、第4分周比N4は、自然数として外部から入力された第4コードCODE4によって調節される。各分周比N1、N2、N3、及びN4は、リセット信号RSTによってリセットまたは初期化されうる。
【0074】
図5では、説明の便宜上、3つのシステムクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2を発生させるデスキュー周波数分周器137が示されたが、実施例によって、デスキュー周波数分周器137は、それぞれが第1選択器136の出力クロック信号DCLKの周波数を互いに異なる分周比で分周することができる多数の周波数分周器をさらに含みうる。
【0075】
第2選択器139は、第2選択信号SEL22に応答して、第1選択器136から出力されたクロック信号DCLKまたは第2周波数分周器137−2から出力されたクロック信号をサンプリングクロック信号ADCCLKとして出力する。したがって、ADC36は、第2選択器139から出力されたサンプリングクロック信号ADCCLKに応答して、第1選択回路32から出力された差動信号CHIP_INPとCHIP_INN、APとAN、またはIDAPとIDANをデジタルコードAFE_OUTに変換することができる。
【0076】
図4と図5とを参照すると、複数のクロック信号ADCCLK、SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2は、復調器40−1に供給されうる。この際、復調器40−1は、AFE30−1から出力された複数のクロック信号ADCCLK、SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のうちの少なくとも1つを用いて、デジタルコードAFE_OUTを復調することができる。
【0077】
他の実施例によって、AFE30−1、すなわち、第2選択回路34cから出力された複数のクロック信号ADCCLK、SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のうちの少なくとも1つは、デコーダ50の動作クロック信号として使われるか、またはDTVシステム10に具現された内部回路(図示せず)の動作クロック信号として使われる。
【0078】
図6は、図5に示された複数のシステムクロック信号の波形図を示す。図6は、第1分周比N1が2であり、第3分周比N3が3であり、第4分周比N4が1024である時の複数のシステムクロック信号の波形図を示す。実施例によって、各周波数分周器137−1〜137−4は、それぞれが互いに異なる周波数分周比を有する複数のサブ周波数分周器を含みうる。この際、複数のサブ周波数分周器のそれぞれの出力信号は、各コードCODE1〜CODE4によって選択的に出力される。
【0079】
図7は、図1に示されたアナログフロントエンドの動作方法を説明するためのフローチャートである。図1から図7を参照すると、第1選択回路32は、第1選択信号SIG_SELによって差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDAN、または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNを出力する(ステップS10)。
【0080】
第2選択回路34a、34b、または34cは、選択信号SEL2、SEL11、またはSEL22によって、それぞれが互いに異なるサンプリング周波数を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを選択的に出力することができる(ステップS20)。ADC36は、第2選択回路34a、34b、または34cによって選択的に出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、第1選択回路32から出力された差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDAN、または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNをデジタルコードAFE_OUTに変換することができる(ステップS30)。
【0081】
図8は、図1に示されたデジタルTVシステムの動作方法を説明するためのフローチャートである。図1から図8を参照して、RF(radio frequency)信号からシングルエンド音声中間周波数信号SIF_IN、及び/または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNを発生させるチューナ20と、シングルエンド音声中間周波数信号SIF_INまたは差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNからデジタルコードAFE_OUTを発生させるAFE30を含むデジタルTVシステム10の動作方法が説明される。
【0082】
チューナ20は、RF信号からシングルエンド音声中間周波数信号SIF_IN、及び/または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNを発生させる(ステップS2)。
【0083】
AFE30のシングル差動変換器32−1は、シングルエンド音声中間周波数信号SIF_INから差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDANを生成させる(ステップS4)。
【0084】
第1選択回路32は、第1選択信号SIG_SELによって差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDAN、または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNを選択的にADC36に出力する(ステップS10)。
【0085】
第2選択回路34a、34b、または34cは、選択信号SEL2、SEL11、またはSEL22によって、それぞれが互いに異なるサンプリング周波数を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを選択的に出力することができる(ステップS20)。
【0086】
ADC36は、第2選択回路34a、34b、または34cによって選択的に出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、第1選択回路32から出力された差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDAN、または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNをデジタルコードAFE_OUTに変換することができる(ステップS30)。
【0087】
復調器40は、デジタルコードAFE_OUTを復調する(ステップS40)。
【0088】
デコーダ50は、復調されたデジタルコードをデコーディングする(ステップS50)。
【0089】
図9は、図1に示されたアナログフロントエンドの製造方法を説明するためのフローチャートである。図1、図2、図3、及び図9を参照して、DTVのアナログフロントエンド30の製造方法を説明すれば、次の通りである。
【0090】
第1選択信号SIG_SEL、例えば、動作モードを決定する信号によって差動音声中間周波数信号APとAN、またはIDAPとIDAN、または差動TV放送信号CHIP_INPとCHIP_INNを出力する第1選択回路32を半導体基板の第1領域に形成する(ステップS110)。
【0091】
第2選択信号SEL2、SEL11、またはSEL22によって、それぞれが互いに異なるサンプリング周波数を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを選択的に出力する第2選択回路34a、34b、または34cを半導体基板の第2領域に形成する(ステップS120)。
【0092】
第2選択回路34a、34b、または34cから出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、第1選択回路32の出力信号をデジタルコードAFE_OUTに変換するアナログ−デジタル変換器36を半導体基板の第3領域に形成する(ステップS130)。
【0093】
ここで、各段階S110、S120、及びS130は、説明の便宜のために分離されたものであって、各段階S110、S120、及びS130は、AFE30の製造工程によって同時または互いに異なる時間に行われる。第1領域の少なくとも一部、第2領域の少なくとも一部、及び/または第3領域の少なくとも一部は、互いに水平的または垂直的に重畳されうる。
【0094】
図10は、図4に示されたデジタルTVシステムの動作を説明するためのフローチャートである。図4、図5、図6、及び図10を参照して、デジタルTVシステム10aの動作を説明すれば、次の通りである。
【0095】
フラクショナル−N位相同期ループ134は、ソースクロック信号CLK_INを用いて、PLLクロック信号を発生させる(ステップS210)。
【0096】
選択器136は、選択信号SEL21に応答して、ソースクロック信号CLK_INとPLLクロック信号とのうちの何れか1つのクロック信号を選択的に出力する(ステップS220)。図3または図5に示したように、選択器113または136から出力されたクロック信号は、ADC36のサンプリングクロック信号として使われる。
【0097】
デスキュー周波数分周器137は、第1選択器136から出力されたクロック信号DCLKを用いて、図6に示したように、それぞれの間にスキューのない多数のシステムクロック信号、例えば、デスキュークロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2を生成させる(ステップS230)。
【0098】
デスキュークロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のそれぞれの立上りエッジ(または、立下りエッジ)と第1選択器136から出力されたクロック信号DCLKの立上りエッジ(または、立下りエッジ)は、経時的に整列される。したがって、デスキュークロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のそれぞれと第1選択器136から出力されたクロック信号DCLKとの間には、スキューが存在しない。
【0099】
第2選択器139は、第2選択信号SEL22に応答して、第1選択器136から出力されたクロック信号DCLKまたは第1周波数分周器137−2のクロック信号をサンプリングクロック信号ADCCLKとして出力する(ステップS240)。
【0100】
ADC36は、サンプリングクロック信号ADCCLKを用いて、差動アナログ信号をMビットデジタルコードAFE_OUTに変換する(ステップS250)。
【0101】
復調器40−1は、AFE30−1から出力されたクロック信号ADCCLK、SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2のうちの少なくとも1つを用いて、MビットデジタルコードAFE_OUTを復調する(ステップS260)。
【0102】
図3を参照して前述したように、フラクショナル−N位相同期ループ111、選択器113、及びADC36を含む信号処理回路は、サンプリングクロック信号ADCCLKを用いて、アナログ差動信号をデジタルコードに変換することができるあらゆる信号処理回路に適用可能である。この際、信号処理回路に含まれた復調器は、サンプリングクロック信号ADCCLKを用いて、ADC36から出力されたデジタルコードを復調することができる。
【0103】
また、図5を参照して前述したように、フラクショナル−N位相同期ループ134、デスキュー周波数分周器137、多数の選択器136と139、及びADC36を含む信号処理回路は、サンプリングクロック信号ADCCLKを用いて、アナログ差動信号をデジタルコードに変換することができるあらゆる信号処理回路に適用可能である。
【0104】
この際、信号処理回路に含まれた復調器は、サンプリングクロック信号ADCCLKとデスキュー周波数分周器137から出力されたクロック信号SysCLK0、SysCLK1、及びSysCLK2とのうちの少なくとも1つを用いて、ADC36から出力されたデジタルコードを復調することができる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明は、デジタルTVのアナログフロントエンドとそれを含むデジタルTVシステムに利用されうる。
【符号の説明】
【0106】
10 DTVシステム、
20 チューナ、
30 アナログフロントエンド、
32 第1選択回路、
34a〜c 第2選択回路、
36 アナログ−デジタル変換器、
40 復調器、
50 デコーダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1選択信号に応答して、差動音声中間周波数信号または差動TV放送信号を出力するための第1選択回路と、
第2選択信号に応答して、それぞれが互いに異なるサンプリング(sampling)周波数を有する多数のクロック(clock)信号のうちの何れか1つを出力する第2選択回路と、
前記第2選択回路から出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、前記第1選択回路の出力信号をデジタルコード(digital code)に変換するためのアナログ−デジタル(analog−digital)変換器と、
を含むデジタル(digital)TVのアナログフロントエンド(analog front end)。
【請求項2】
前記第1選択回路は、
シングルエンド(singled−ended)音声中間周波数信号を前記差動音声中間周波数信号に変換するためのシングル差動変換器(single−to−differential converter)と、
前記第1選択信号に応答して、前記差動音声中間周波数信号のうちの何れか1つと前記差動TV放送信号のうちの何れか1つとを選択的に出力するための第1マルチプレクサ(multiplexer)と、
前記第1選択信号に応答して、前記差動音声中間周波数信号のうちの他の1つと前記差動TV放送信号のうちの他の1つとを選択的に出力するための第2マルチプレクサと、
を含む請求項1に記載のデジタルTVのアナログフロントエンド。
【請求項3】
前記シングル差動変換器は、
前記シングルエンド音声中間周波数信号に直流(DC)レベルを設定し、DCレベルが設定された第1差動音声中間周波数信号を出力するためのDC信号発生器と、
前記第1差動音声中間周波数信号のそれぞれの利得を調節して、前記差動音声中間周波数信号を出力するためのプログラマブル利得増幅器(Programmable Gain Amplifier、PGA)と、
を含む請求項2に記載のデジタルTVのアナログフロントエンド。
【請求項4】
前記シングル差動変換器は、前記シングルエンド音声中間周波数信号にDCレベルを設定し、DCレベルが設定された前記差動音声中間周波数信号を出力する請求項2に記載のデジタルTVのアナログフロントエンド。
【請求項5】
前記第2選択回路は、
外部から入力されたソースクロック(source clock)信号の周波数を分周するための周波数分周器と、
クロック選択信号に応答して、前記ソースクロック信号または前記分周器から出力されたクロック信号を出力する第3マルチプレクサと、
前記第3マルチプレクサから出力されたクロック信号を入力クロック信号として受信する位相同期ループ(loop)と、
前記第2選択信号に応答して、前記第3マルチプレクサから出力された前記クロック信号または前記位相同期ループから出力されたクロック信号を出力する第4マルチプレクサと、
を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のデジタルTVのアナログフロントエンド。
【請求項6】
前記第2選択回路は、
外部から入力されたソースクロック信号の周波数を分周するための第1周波数分周器と、
クロック選択信号に応答して、前記ソースクロック信号または前記第1周波数分周器から出力されたクロック信号を出力する第3マルチプレクサと、
前記第3マルチプレクサから出力されたクロック信号を入力クロック信号として受信する位相同期ループと、
前記位相同期ループから出力されたクロック信号の周波数を分周するための第2周波数分周器と、
前記第2選択信号に応答して、前記第3マルチプレクサから出力された前記クロック信号、前記第2周波数分周器から出力されたクロック信号、または前記位相同期ループから出力された前記クロック信号を出力する第4マルチプレクサと、
を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のデジタルTVのアナログフロントエンド。
【請求項7】
前記差動TV放送信号のそれぞれの周波数と前記第2選択回路から出力された前記クロック信号の前記サンプリング周波数は、ATSC(Advanced Television System Committee)標準、ATSC−M/H(mobile/handheld)標準、ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting)標準、または1seg(handheld)標準に適した請求項1〜6のいずれか一項に記載のデジタルTVのアナログフロントエンド。
【請求項8】
前記差動TV放送信号のそれぞれの周波数と前記第2選択回路から出力された前記クロック信号の前記サンプリング周波数は、NTSC(National Television System Committee)標準に適した請求項1〜6のいずれか一項に記載のデジタルTVのアナログフロントエンド。
【請求項9】
RF(radio frequency)信号からシングルエンド音声中間周波数信号と差動TV放送信号とを発生させるチューナ(tuner)と、
前記シングルエンド音声中間周波数信号と前記差動TV放送信号とを選択的に処理するためのアナログフロントエンドと、
前記アナログフロントエンドから出力されたデジタルコードを復調するための復調器と、を含み、
前記アナログフロントエンドは、
第1選択信号に応答して、前記差動TV放送信号または前記シングルエンド音声中間周波数信号に基づいて生成された差動音声中間周波数信号を出力するための第1選択回路と、
第2選択信号に応答して、それぞれが互いに異なるサンプリング周波数を有する多数のクロック信号のうちの何れか1つを出力する第2選択回路と、
前記第2選択回路から出力されたクロック信号のサンプリング周波数によって、前記第1選択回路の出力信号をデジタルコードに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、
を含むデジタルTVシステム。
【請求項10】
前記第2選択回路は、
外部から入力されたソースクロック信号の周波数を分周するための周波数分周器と、
クロック選択信号に応答して、前記ソースクロック信号または前記周波数分周器から出力されたクロック信号を出力する第1マルチプレクサと、
前記第1マルチプレクサから出力されたクロック信号を入力クロック信号として受信する位相同期ループと、
前記第2選択信号に応答して、前記第1マルチプレクサから出力された前記クロック信号または前記位相同期ループから出力されたクロック信号を出力する第2マルチプレクサと、
を含む請求項9に記載のデジタルTVシステム。
【請求項11】
前記アナログフロントエンドと前記復調器は、1つの集積回路に集積される請求項9または10に記載のデジタルTVシステム。
【請求項12】
サンプリングクロック信号に応答して、差動アナログ信号をデジタルコードに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、
クロック信号を入力クロック信号として受信するフラクショナル(fractional)−N位相同期ループと、
第1選択信号に応答して、前記クロック信号と前記フラクショナル−N位相同期ループの出力クロック信号とのうちの何れか1つを前記サンプリングクロック信号として出力するための第1選択器と、
を含む信号処理回路。
【請求項13】
前記信号処理回路は、
前記第1選択器の出力クロック信号の周波数を第1分周比で分周するための第1周波数分周器と、
前記第1周波数分周器の出力クロック信号の周波数を第2分周比で分周するための第2周波数分周器と、
第2選択信号に応答して、前記第1選択器の前記出力クロック信号と前記第2周波数分周器の出力クロック信号とのうちの何れか1つを前記サンプリングクロック信号として出力するための第2選択器と、
をさらに含む請求項12に記載の信号処理回路。
【請求項14】
前記信号処理回路は、デジタルTVのアナログフロントエンドである請求項13に記載の信号処理回路。
【請求項15】
前記信号処理回路は、前記第2選択器から出力された前記サンプリングクロック信号と前記第1周波数分周器の前記出力クロック信号とのうちの少なくとも1つを用いて、前記デジタルコードを復調するための復調器をさらに含む請求項13に記載の信号処理回路。
【請求項16】
前記第2選択器から出力された前記サンプリングクロック信号と前記第1周波数分周器の前記出力クロック信号は、互いに同期した請求項13に記載の信号処理回路。
【請求項17】
サンプリングクロック信号によって、差動アナログ信号をデジタルコードに変換するアナログフロントエンドと、
前記デジタルコードを復調する復調器と、を含み、
前記アナログフロントエンドは、
前記サンプリングクロック信号に応答して、前記差動アナログ信号を前記デジタルコードに変換するためのアナログ−デジタル変換器と、
クロック信号を入力クロック信号として受信するフラクショナル−N位相同期ループと、
第1選択信号に応答して、前記クロック信号と前記フラクショナル−N位相同期ループの出力クロック信号とのうちの何れか1つを前記サンプリングクロック信号として出力するための第1選択器と、
を含むデジタルTVシステム。
【請求項18】
前記アナログフロントエンドは、
前記第1選択器の出力クロック信号の周波数を第1分周比で分周するための第1周波数分周器と、
前記第1周波数分周器の出力クロック信号の周波数を第2分周比で分周するための第2周波数分周器と、
第2選択信号に応答して、前記第1選択器の前記出力クロック信号と前記第2周波数分周器の出力クロック信号とのうちの何れか1つを前記サンプリングクロック信号として出力するための第2選択器と、をさらに含み、
前記復調器は、前記サンプリングクロック信号と前記第1周波数分周器の出力クロック信号とのうちの少なくとも1つを用いて、前記デジタルコードを復調する請求項17に記載のデジタルTVシステム。
【請求項19】
前記アナログフロントエンドは、
前記第1選択器の出力クロック信号の周波数を第1分周比で分周するための第1周波数分周器と、
前記第1周波数分周器の出力クロック信号の周波数を第2分周比で分周するための第2周波数分周器と、
前記第1選択器の前記出力クロックの周波数を第3分周比で分周するための第3周波数分周器と、
第2選択信号に応答して、前記第1選択器から出力されたクロック信号または前記第2周波数分周器の出力クロック信号を前記サンプリングクロック信号として出力するための第2選択器と、をさらに含み、
前記復調器は、前記サンプリングクロック信号、前記第1周波数分周器の前記出力クロック信号、及び前記第3周波数分周器の出力クロック信号のうちの少なくとも1つを用いて、前記デジタルコードを復調する請求項17に記載のデジタルTVシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−227931(P2012−227931A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−94964(P2012−94964)
【出願日】平成24年4月18日(2012.4.18)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】