説明

DVDプレーヤー

【課題】 トレイにディスクが載置されたままでも光ピックアップに設けた小基板のパターンをショートできメイン基板取替え時の時間短縮を図れるDVDプレーヤーを提供する。
【解決手段】 ディスクDを載置するトレイ3の下側に光ピックアップ6が配置され、トレイにはディスク載置部の中央部から奥側に向けて開口部5が形成され、光ピックアップの奥側に小基板9が配置され、小基板とトレイの側方に配置されたメイン基板4のコネクタ10はフレキシブルフラットケーブル11で接続され、メイン基板を交換するときに静電破壊防止のために小基板のパターンをショートするもので、光ピックアップの奥側面に左右一対の腕部7が奥向きに延設され、腕部の端部に設けられた板状部8に小基板が取り付けられ、トレイの奥側とトレイの下側のドライブシャーシ12の奥側に光ピックアップが奥側に移動するときに小基板の圧接を防止するための切込み部3a、12aを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクを載置するトレイの下側に光ピックアップが配置され、前記トレイにはディスク載置部分の中央部から奥側に向けて開口部が形成されており、前記光ピックアップの奥側には小基板が配置され、この小基板と前記トレイの側方に配置されたメイン基板のコネクタとはフレキシブルフラットケーブルで接続されており、前記メイン基板を交換するときに静電破壊防止のために前記小基板のパターンをショートするようにしたDVDプレーヤーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、DVDプレーヤーは、図3に示すように、シャーシからなる筐体101の前端にフロントパネル102が取り付けられ、この筐体101内にトレイ103が出入り自在に配置され、このトレイ103の側部にメイン基板104が配置されている。更に、トレイ103にはディスクDを載置する部分の中央部から奥側に向けて開口部104が形成され、トレイ103の下側に光ピックアップ105が移動可能に配設されている。従来は、この光ピックアップ105の奥側面に小基板106が縦向きに配置されており、この小基板106は、トレイ103にディスクDを載置したときに、このディスクDの裏側に隠れてしまうように構成されていた。メイン基板104を交換する場合は、静電破壊防止のために小基板106のパターンをショートするようになっている。ところが、小基板106がディスクDの裏側に隠れてしまうために、ディスクDをいったん外に取り出してから小基板106のパターンをショートしなければならないという問題があり、ディスクDを挿入したままでは、メイン基板104の交換ができないという問題があった。
【0003】
第1の従来技術を図4に示す。この従来の基板検査装置は、図4に示すように、配線パターンの静電容量を検出する静電容量検出部205と、プローブ202、203の間の抵抗値を検出する抵抗値検出部204と、ベタ導体部214と重ならない配線パターンN4のネット番号を記憶する特定配線パターン記憶部283と、配線パターンN1、N2、N3とベタ導体部214との間の静電容量を用いて配線パターンと他の配線パターンとの間の短絡の有無を判定する一方、配線パターンN4の検査を行うとき、配線パターンN4と他の配線パターンとにそれぞれプローブ202、203を位置させると共に、抵抗値検出部204に検出させたプローブ202、203の間の抵抗値を用いて配線パターンN4と他の配線パターンとの間の短絡の有無を判定する検査制御部208とを備えている。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところが、これにおいては、配線パターンN1、N2、N3等が設けられている配線層211の上側に検査する際に邪魔になるものがないものであった。
【0005】
第2の従来技術を図5に示す。この従来の基板検査装置は、図5に示すように、パッドP1に検査用接触子であるプローブ302を接触させたままパッドP2、P3、P4に他のプローブ303を順次接触させ、プローブ302、303及び抵抗値検出部304を用いて導通検査を行うと共に、パッドP1にプローブ302を接触させたままで、プローブ302、クリップ310及び静電容量検出部305を用いて静電容量検査を行うものであった。(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
ところが、これにおいては、パッドP2、P3、P4等が設けられている配線層311の上側に検査する際に邪魔になるものがないものであった。
【特許文献1】特開2005−30882号公報
【特許文献2】特開2005−17221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであって、トレイにディスクが載置されたままでも、光ピックアップに設けられた小基板のパターンをショートさせることができてメイン基板取替え時の時間短縮を図ることができるDVDプレーヤーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、請求項1に記載の発明は、ディスクを載置するトレイの下側に光ピックアップが配置され、前記トレイにはディスク載置部分の中央部から奥側に向けて開口部が形成されており、前記光ピックアップの奥側には小基板が配置され、この小基板と前記トレイの側方に配置されたメイン基板のコネクタとはフレキシブルフラットケーブルで接続されており、前記メイン基板を交換するときに静電破壊防止のために前記小基板のパターンをショートするようにしたDVDプレーヤーにおいて、前記光ピックアップの奥側面に左右一対の腕部が奥向きに延設され、前記一対の腕部の端部に設けられた板状部に前記小基板が取り付けられ、前記トレイの奥側と前記トレイの下側のドライブシャーシの奥側に前記光ピックアップが奥側に移動するときに前記小基板が圧接することを防止するための切込み部がそれぞれ形成されており、前記小基板のパターンをショートするときに前記小基板が前記ディスクで覆われないように構成したことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載の発明は、ディスクを載置するトレイの下側に光ピックアップが配置され、前記トレイにはディスク載置部分の中央部から奥側に向けて開口部が形成されており、前記光ピックアップの奥側には小基板が配置され、この小基板と前記トレイの側方に配置されたメイン基板のコネクタとはフレキシブルフラットケーブルで接続されており、前記メイン基板を交換するときに静電破壊防止のために前記小基板のパターンをショートするようにしたDVDプレーヤーにおいて、前記光ピックアップの奥側面に奥向きに腕部が延設され、前記腕部の端部に設けられた板状部に前記小基板が取り付けられ、前記腕部に前記光ピックアップが奥側に移動するときに前記小基板が前記トレイの奥部と前記トレイの下側のドライブシャーシの奥部に圧接することを防止するための圧接防止手段が設けられており、前記小基板のパターンをショートするときに前記小基板が前記ディスクで覆われないように構成したことを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記圧接防止手段は、前記腕部の奥側に設けられた長孔と、前記板状部から前向きに突設されて前記長孔に前後移動可能に挿入されて伸縮自在とされたロッドと、前記腕部の奥端と前記板状部との間に配置されて前記ロッドに巻設されたスプリングとで構成されている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、メイン基板にフレキシブルフラットケーブルで接続された小基板が、光ピックアップから奥向きに延設された左右一対の腕部の端部に設けられた板状部に取り付けられているから、この小基板がディスクをトレイに載置した状態でもこのディスクで隠れることがなく、小基板のパターンをショートできてメイン基板取替え時の時間短縮を図ることができる。また、トレイとトレイの下側のドライブシャーシの奥側に切込み部がそれぞれ形成されているから、光ピックアップが奥側に移動しても小基板がトレイ及びドライブシャーシに圧接することがなく、小基板が損傷することを防ぐことができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、メイン基板にフレキシブルフラットケーブルで接続されている小基板が、光ピックアップから奥向きに延設された腕部の端部に設けられた板状部に取り付けられているから、この小基板がディスクをトレイに載置した状態でもこのディスクで隠れることがなく、小基板のパターンをショートできてメイン基板取替え時の時間短縮を図ることができる。また、腕部に圧接防止手段が設けられているから、光ピックアップが奥側に移動しても腕部の端部の板状部に取り付けられた小基板がトレイ及びドライブシャーシの奥側に圧接することがなく、小基板が損傷することを防ぐことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、圧接防止手段が、腕部の奥側に設けられた長孔と、板状部から前向きに突設されて長孔に移動可能に伸縮自在とされたロッドと、腕部の奥端と板状部との間に配置されてロッドに巻設されたスプリングとで構成されているから、板状部に取り付けられた小基板がトレイ及びドライブシャーシの奥側に接したときに、前記スプリングで接触の度合いが緩和されて小基板が圧接することがなく、小基板が損傷することを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るDVDプレーヤーの実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は本発明の第1実施形態のDVDプレーヤーの概略平面図である。
【0016】
この第1実施形態のDVDプレーヤーは、図1に示すように、シャーシからなる筐体1の前端にフロントパネル2が取り付けられ、内部にディスクDを載置するトレイ3が出入り可能に配置され、このトレイ3の側部にメイン基板4が配置されている。トレイ3には、ディスク載置部分の中央部から奥側に向けて開口部5が形成され、下側に光ピックアップ6が配置されている。光ピックアップ6の奥側面には左右一対の腕部7、7が奥向きに延設され、この腕部7、7の端部に板状部8が設けられてこの板状部8に小基板9が取り付けられている。小基板9からメイン基板4のコネクタ10までフレキシブルフラットケーブル11が配設されて接続されている。トレイ3の奥側とこのトレイ3の下側のドライブシャーシ12には、光ピックアップ6が奥側に移動するときに小基板9が圧接することを防止するための切込み部3a、12aがそれぞれ形成されている。また、小基板9と光ピックアップ6は、腕部7の側部に添設された配線13によって接続されている。
【0017】
従って、この第1実施形態によれば、メイン基板4にフレキシブルフラットケーブル11で接続された小基板9が、光ピックアップ6から奥向きに延設された左右一対の腕部7,7の端部に設けられた板状部8に取り付けられているから、この小基板9がディスクDをトレイ3に載置した状態でもこのディスクDで隠れることがなく、小基板9のパターンをショートできてメイン基板4の取替え時の時間短縮を図ることができる。また、トレイ3とトレイ3の下側のドライブシャーシ12の奥側に切込み部3a、12aがそれぞれ形成されているから、光ピックアップ6が奥側に移動しても小基板9がトレイ3及びドライブシャーシ12に圧接することがなく、小基板9が損傷することを防ぐことができる。
【0018】
図2は第2実施形態のDVDプレーヤーの概略平面図である。尚、上記した第1実施形態と同一部材、同一箇所には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0019】
この第2実施形態のDVDプレーヤーは、図2に示すように、左右一対の腕部7、7の奥側に設けられた長孔7a、7aと、板状部8から前向きに突設されて長孔7a、7aに移動可能に挿入されて伸縮自在とされた左右一対のロッド14、14と、腕部7、7の奥端と板状部8との間に配置されてロッド14、14に巻設されたスプリング15、15とからなる圧接防止手段16が設けられている。
【0020】
従って、この第2実施形態によれば、板状部8に取り付けられた小基板9がトレイ3及びドライブシャーシ12の奥側に接したときに、圧接防止手段16のスプリング15、15で接触の度合いが緩和されて小基板9が圧接することがなく、小基板9が損傷することを防ぐことができる。
【0021】
尚、上記実施形態では、腕部7が左右一対設けられたものについて説明したが、これに限らず、腕部7が1本もしくは3本以上設けられていてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態のDVDプレーヤーの概略平面図である。
【図2】第2実施形態のDVDプレーヤーの概略平面図である。
【図3】従来のDVDプレーヤーの概略平面図である。
【図4】従来の第1例の基板検査装置の構成図である。
【図5】従来の第2例の基板検査装置の構成図である。
【符号の説明】
【0023】
D ディスク
1 シャーシからなる筐体
2 フロントパネル
3 トレイ
3a 切込み部
4 メイン基板
5 開口部
6 光ピックアップ
7 腕部
7a 長孔
8 板状部
9 小基板
10 コネクタ
11 フレキシブルフラットケーブル
12 ドライブシャーシ
12a 切込み部
13 配線
14 ロッド
15 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクを載置するトレイの下側に光ピックアップが配置され、前記トレイにはディスク載置部分の中央部から奥側に向けて開口部が形成されており、前記光ピックアップの奥側には小基板が配置され、この小基板と前記トレイの側方に配置されたメイン基板のコネクタとはフレキシブルフラットケーブルで接続されており、前記メイン基板を交換するときに静電破壊防止のために前記小基板のパターンをショートするようにしたDVDプレーヤーにおいて、前記光ピックアップの奥側面に左右一対の腕部が奥向きに延設され、前記一対の腕部の端部に設けられた板状部に前記小基板が取り付けられ、前記トレイの奥側と前記トレイの下側のドライブシャーシの奥側に前記光ピックアップが奥側に移動するときに前記小基板が圧接することを防止するための切込み部がそれぞれ形成されており、前記小基板のパターンをショートするときに前記小基板が前記ディスクで覆われないように構成したことを特徴とするDVDプレーヤー。
【請求項2】
ディスクを載置するトレイの下側に光ピックアップが配置され、前記トレイにはディスク載置部分の中央部から奥側に向けて開口部が形成されており、前記光ピックアップの奥側には小基板が配置され、この小基板と前記トレイの側方に配置されたメイン基板のコネクタとはフレキシブルフラットケーブルで接続されており、前記メイン基板を交換するときに静電破壊防止のために前記小基板のパターンをショートするようにしたDVDプレーヤーにおいて、前記光ピックアップの奥側面に奥向きに腕部が延設され、前記腕部の端部に設けられた板状部に前記小基板が取り付けられ、前記腕部に前記光ピックアップが奥側に移動するときに前記小基板が前記トレイの奥部と前記トレイの下側のドライブシャーシの奥部に圧接することを防止するための圧接防止手段が設けられており、前記小基板のパターンをショートするときに前記小基板が前記ディスクで覆われないように構成したことを特徴とするDVDプレーヤー。
【請求項3】
前記圧接防止手段は、前記腕部の奥側に設けられた長孔と、前記板状部から前向きに突設されて前記長孔に前後移動可能に挿入されて伸縮自在とされたロッドと、前記腕部の奥端と前記板状部との間に配置されて前記ロッドに巻設されたスプリングとで構成されている請求項2に記載のDVDプレーヤー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−34048(P2008−34048A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207752(P2006−207752)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】