説明

Fe、Zn、Caから選択される金属およびこれらのイオンの吸収を増大させるための乳酸桿菌の使用

本発明は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける少なくとも1種の金属/金属イオンの吸収を増大させるための組成物の調製を目的とした、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、ラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316、およびこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、哺乳動物における金属/金属イオンの吸収を増大させるためのラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)の少なくとも1種の特定の株の使用に関する。本発明は、さらに医薬組成物を調製するためのラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の特定の株の使用およびラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の特定の株を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
鉄欠乏および低い鉄貯蔵が西洋諸国と開発途上国の双方における幼児、青年、および出産年齢の女性において流行している。鉄欠乏の一因は食物からの鉄のバイオアベイラビリティの低さであり、それは部分的にはフィチン酸およびフェノール化合物など、食物中の阻害要因に起因している。他の要因が鉄吸収を増大させる。これらは、筋肉組織、アスコルビン酸および特定の他の有機酸を含む。
【0003】
フィチン酸は、主に穀物、野菜および果物の繊維画分内に見出される。フィチン酸の阻害作用は、腸pHでの鉄との不溶性錯体の形成に起因する。それらの食物内でのフィチン酸の含量の低下または鉄と結合する錯体を阻害するための方法によって、鉄に富み、本来は健康的で栄養価が高いとみなされている食物からの鉄吸収が低いという問題が解消されるであろう。フィチン酸は、特定の植物、微生物、および動物の組織内に見出されるフィターゼにより加水分解される。大部分の穀物フィターゼが5.0〜5.6の範囲内のpH最適値を有する。食物のpHを低下させることにより、穀物および野菜における内因性フィターゼが活性化され、それにより、例えばサワードウ発酵などの場合、フィチン酸の含量が低下する。
【0004】
欧州特許第1003532号明細書は、食事からのミネラルの吸収を促進または増大させるための非発酵性の経腸組成物の調製における乳酸桿菌(lactobacilli)の使用について記載している。該特許請求された吸収の裏付けの際に同明細書にて実施された唯一の実験は、Caco−2腸細胞系(発癌性細胞系)を用いたカルシウム応答またはカルシウムの輸送に関するインビトロモデルである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明に従い、金属/金属イオンの吸収がヒトにおけるインビボ試験にて行われている。意外なことに、欧州特許第1003532号明細書で特許請求されたように、すべての乳酸桿菌が所望の吸収を有するわけではないことが判明している。さらに、ラクトバチルス・プランタラムのある特定の株が体内で意外なほど良好な該金属/金属イオンの吸収を行うことが判明している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、本発明は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける少なくとも1種の金属/金属イオンの吸収を増大させるための組成物の調製のための、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、ラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316、およびこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株の使用に関する。
【0007】
哺乳類、好ましくはヒト、特に女性および子供における一般健康は、上記組成物を使用可能にすることによる、体内での該金属/金属イオンの吸収を増大させることにより有意に促進され得る。したがって、ヒト身体が消費される食物中の金属/金属イオンのより多くの部分を利用しうることで、より良好な一般健康状態がもたらされ、かつ個人としてよりよい気分になる。本発明のさらなる利点は、個人が望ましい吸収を得るためにFeなどの各金属/金属イオンの消費を増大させる必要がないことである。補充量の各金属/金属イオンを添加することなくそれは生じることになる。したがって、以前は特定金属の吸収を増大させるための方法であった、例えばFeの消費の増大から生じうる悪影響を回避することが可能である。本発明の場合に回避可能なかかる悪影響の例として大腸癌が挙げられる。すなわちFeの消費が高すぎると大腸癌が発症しうると見られており、例えば「Iron intake and the risk of colorectal cancer」、ブルツェルマン J.I.(Wurzelmann J.I.)ら、Cancer Epidemiol Biomarkers Prev.1996年7月;5(7):503−7頁を参照のこと。
【0008】
別の態様では、本発明は、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316およびこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株を含有する組成物を投与することによる、哺乳動物、好ましくはヒトにおける少なくとも1種の金属/金属イオンの吸収を増大させるための方法に関する。
【0009】
さらなる態様では、本発明は、Fe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンの欠乏が問題である場合における、貧血、骨粗鬆症または任意の他の疾患を治療するための医薬組成物の調製のための、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316、ならびにこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株の使用に関する。
【0010】
上記の金属/金属イオンの1種が欠乏している場合の任意の障害または疾患は、本発明に記載の医薬組成物の使用により治療または予防され得る。
【0011】
本発明は、さらに別の態様では、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、ラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316、およびこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株を、Fe、Zn、Ca、Mgおよびこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンと組み合わせて含む組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の説明
本発明の一実施形態では、該少なくとも1種の金属/金属イオンは、Fe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される。さらに、該少なくとも1種の金属/金属イオンは、別の元素または別の元素と結合した複合体に会合する可能性がある。したがって、上記の金属/金属イオンが別の形態で存在するにもかかわらず、金属/金属イオンのいずれかにより吸収の増大が生じる可能性がある。
【0013】
本発明の別の実施形態では、該少なくとも1種の株は、金属/金属イオンの吸収の望ましい増大が得られる限り、生存可能であるか、不活化または抑制されるか、あるいは死滅している場合がある。さらに、該少なくとも1種の株は遺伝子組み換えされ得る。
【0014】
本発明の別の実施形態では、該組成物は担体物質を含む。該担体物質は、オートミール粥、乳酸発酵食品、難消化性澱粉、イヌリン、フルクタン、糖アルコール、食物繊維、炭水化物、タンパク質、グリコシル化タンパク質、および脂質を含む群から選択され得る。担体はさらに上記担体の組み合わせである場合があり、例えば脂質、炭水化物およびタンパク質の混合物を提供する。該担体物質は、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316を含む群から選択される株の1種もしくは複数種で発酵可能である。
【0015】
本発明のさらなる実施形態では、該組成物は、食品、栄養補助食品、栄養製品、機能性食品、および医療食を含む群から選択される。該食品は、飲料、ヨーグルト、ジュース、アイスクリーム、パン、ビスケット、穀物、ヘルスバー、およびスプレッドを含む群から選択され得る。上記組成物は発酵される場合または発酵されない場合があり、発酵組成物が好ましい。
【0016】
さらに別の実施形態では、該組成物は、Fe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンを含有する。組成物中に取り込まれるべき金属/金属イオンを含むことにより、濃度の増加を考慮すると吸収のさらなる増大が観察され得る。
【0017】
別の実施形態では、組成物中の該少なくとも1種の株は、約1×10〜約1×1014CFU、好ましくは1×10〜1×1012CFU、およびより好ましくは1×10〜1×1011CFUの量で存在する。
【0018】
本発明のさらなる実施形態では、該医薬組成物は液体製剤または固体製剤である。固体製剤は、タブレット、吸収タブレット、スウィート、チューイングタブレット、チューインガム、カプセル、サシェ、パウダー、顆粒、被覆粒子および被覆タブレット、腸被覆タブレットおよびカプセル、ならびに溶融ストリップおよびフィルムを含む群から選択され得る。該液体製剤は、経口溶液、懸濁液、エマルジョンおよびシロップを含む群から選択され得る。
【0019】
別の実施形態では、該医薬組成物は、Fe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンを含有する。該少なくとも1種の金属/金属イオンは、所望の吸収が得られる限り、さらに別の元素または別の元素と結合した複合体に会合され得る。
【0020】
医薬組成物中の該少なくとも1種の株は、生存可能であるか、不活化または抑制されるか、あるいは死滅していてもよい。該少なくとも1種の株はまた、遺伝子組み換えされていてもよい。さらに、用いられる株が上記の組み合わせである、すなわち、例えば一方の株が生存可能でありかつもう一方の株が不活化される可能性がある。
【0021】
別の実施形態では、医薬組成物中の該少なくとも1種の株は、約1×10〜約1×1014CFU、好ましくは1×10〜1×1012CFU、およびより好ましくは1×10〜1×1011CFUの量で存在する。
【0022】
さらに別の実施形態では、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、ラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316、およびこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株を、Fe、Zn、Ca、Mgおよびこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンと組み合わせて含む組成物が提供され、ここで該少なくとも1種の金属/金属イオンは、別の元素または別の元素と結合した複合体に会合する。該少なくとも1種の株は、生存可能であるか、不活化または抑制されるか、あるいは死滅していてもよい。該少なくとも1種の株はまた、遺伝子組み換えされていてもよい。本発明の組成物の投与により、ヒトの一般健康が促進され得る。本発明の組成物の使用により、特に鉄の貯蔵が低い生理中の女性をはじめとする個人における健康が促進され得る。該ヒトが貧血である必要はなく、一般健康でさえも高まることになる。
【0023】
さらなる実施形態では、該組成物は担体物質を含み、ここで該担体物質はオートミール粥、乳酸発酵食品、難消化性澱粉、食物繊維、イヌリン、フルクタン、糖アルコール、炭水化物、タンパク質、グリコシル化タンパク質、および脂質を含む群から選択される。さらに該担体物質は、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316を含む群から選択される株の1種もしくは複数種で発酵され得る。
【0024】
本発明の一実施形態では、該組成物は、食品、栄養補助食品、栄養製品、機能性食品、および医療食を含む群から選択される。該食品は、飲料、ヨーグルト、ジュース、アイスクリーム、パン、ビスケット、穀物、ヘルスバー、およびスプレッドを含む群から選択され得る。組成物中の該少なくとも1種の株は、約1×10〜約1×1014CFU、好ましくは1×10〜1×1012CFU、およびより好ましくは1×10〜1×1011CFUの量で存在し得る。
【0025】
本明細書における株の「一部」は、細菌細胞の一部、例えば、本明細書に記載のように金属/金属イオンの吸収を増大させるのに必要な活性を有する細菌細胞におけるDNA、細胞壁、細胞膜の一部または任意の他の部分であることを意味する。株の一部は、本明細書の文脈ではホモジネートの全体または一部でもあり得る。
【0026】
本明細書で用いられる「金属/金属イオン」は、Fe、Zn、CaおよびMgならびにFe2+、Fe3+、Zn2+、Ca2+およびMg2+など、それぞれ純粋な金属および金属イオンを意味する。本明細書で開示される吸収は、たとえ該金属/金属イオンが他の元素に結合または会合した複合体などの別の形態であっても自然に生じ得る。
【0027】
本明細書中の「元素に結合した複合体」または「元素に会合した」とは、金属/金属イオンが存在しうる任意の形態を意味し、それでも所望の吸収は生じることになる。
【実施例】
【0028】
発明の実施形態の詳細な説明
実験
実験1
本研究では、クロスオーバーデザインを用い、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)299vおよびその発酵生成物、乳酸および酢酸における、鉄のバイオアベイラビリティの低い食事からの非ヘム鉄の吸収に対する効果について試験している。4種の異なるオート粥を含めることで、ラクトバチルス・プランタラム299vおよび有機酸、すなわち活性のあるラクトバチルス・プランタラム299vを有する発酵性のオート粥、不活化細菌であるが発酵生成物を有する殺菌された発酵性のオート粥、pH調整された非発酵性のオート粥、および有機酸が添加された非発酵性のオート粥の特異的効果について試験した。
被験者および方法
被験者
70名の女性志願者を試験の2〜4週間前にスクリーニングし、試験のため、貯蔵鉄が比較的低いが貧血でないこと(すなわち血清フェリチン濃度≦40μg/Lおよびヘモグロビン濃度≧110g/L)に基づいて24名の女性を選択した。24名の志願者は、25±4歳の平均年齢(±SD)、62±7kgの平均重量、および21.3±1.9kg/mの平均体格指数の健常な若年女性であった。すべての被験者は非喫煙者であり、彼女らの中に、妊娠または乳汁分泌中であるかあるいは試験前または試験期間での2か月以上にわたり何らかのビタミンまたはミネラルのサプリメントを摂取していた者はいなかった。18名の被験者が経口避妊薬を使用していたが、被験者の中に定期的に何らかの他の薬剤を飲んでいた者はいなかった。献血は、試験前または試験期間での2か月以上にわたり許可されなかった。各参加者は、書面による同意の前に口頭および書面で試験についての情報を得た。試験は、ムニシパル・エシィカル・コミッティ・オブ・コペンハーゲン・アンド・フレデリクスベア(Municipal Ethical Committee of Copenhagen and Frederiksberg)、デンマーク(ファイル番号KF01−219/03)およびナショナル・インスティチュート・オブ・ラジエーション・ハイジーン(National Institute of Radiation Hygiene)、デンマークにより承認された。
実験デザイン
試験は完全に無作為化された二重盲検クロスオーバー試験であり、ここで各被験者には4種の試験食、すなわち(A)発酵性のオート粥、(B)殺菌された発酵性のオート粥、(C)非発酵性のオート粥(乳酸でpH調整)、および(D)有機酸(乳酸および酢酸)が添加された非発酵性のオート粥を出した。
【0029】
二重標識による外部タグの方法を用い、4種の試験食からの鉄吸収を測定した。この方法を用い、4種の試験食からの鉄吸収を、2種の試験食からの2つの各期間での鉄吸収を同時に測定することにより測定した。各期間において2つの異なる試験食を、それぞれ55Feおよび59Feで外部標識し、4日間連続で朝に2回、例えばABBAの順に出すことで1日単位のばらつきの潜在効果を最小にした。12通りのすべての供給順序を用いて被験者に無作為に割り当て、すべての試験食がある期間内に出された1回目の食事と等しい時間に出されるようにした。これはある期間内にコロニーを形成する生菌を有する発酵性のオート粥で起こり得るキャリーオーバー効果を実証可能にするのに重要であった。
【0030】
摂取の18日後、血液試料中で両同位体の活性を測定し、その後、残りの試験食を用いて第2の期間について実施した。第1の期間からの残留同位体の活性を第2の期間からの血液試料中の同位体の活性レベルから差し引いた。
試験食の組成および供給手順
オート粥を、水と混合したオートミールから作製し、次いで酵素処理し、殺菌した(プロビ(Probi AB)により入手)。次いで、オート粥Aをラクトバチルス・プランタラム299vで発酵させた(DSM9843、生菌数1.1×10cfu/g)[20]。オート粥Bは殺菌したオート粥Aであり(生菌数<10cfu/g)、オート粥Cはオート粥A、BおよびDに等しいpHになるまでL−乳酸で酸化したベーシックの非発酵性のオート粥であり、かつオート粥Dは発酵の間にオート粥A中に生成されると想定される量になるまで有機酸のDL−乳酸および酢酸を添加したベーシックの非発酵性のオート粥であった。各試験食においては、100gのオート粥(A、B、CまたはD)を140gの全粒小麦粉ロール(60.0g小麦粉、20.0gの全粒小麦粉、2.0gの食塩、2.0gの酵母、16.0gの菜種油、40.0gの超純水)で10gのバターおよびコップ1杯の超純水(200mL)とともに出した。オート粥を1つのバッチから調製し、供給するまで低温(4℃)で保存した。全粒小麦粉ロールを1つのバッチ内で調製し、冷凍保存し、供給前に200℃のオーブンで10分間再加熱した。
【0031】
試験食を12時間の絶食後の朝に出した。一晩で最大0.5Lの水の摂取が許可された。試験食摂取前の12時間にわたり、中程度のまたは激しい肉体的活動あるいは何らかのアルコールまたは薬剤の摂取は許可されなかった。試験食の消費後、被験者は2時間にわたって飲食が許可されず、かつアルコールの摂取は24時間禁じられた。被験者は各試験食に関するアンケートに記入することで彼女らがすべての手順に忠実であることが保証され、彼女らは交互に飲食をとりかつオート粥を入れるコップを水で完全にすすぐように指示されることで、同位体量の完全な摂取が保証された。スタッフメンバーはすべてが食されることを確認した。実験期間中、被験者は彼らの日常の食習慣に関する詳細なアンケートに記入した。
同位体および標識手順
すべての食事を、同位体交換のための供給の18時間前に1mLの同位体溶液[0.1モル/LのHCl中、55FeCl(NENライフサイエンスプロダクツ(NEN Life Science Products,Inc.)、ボストン(Boston)、マサチューセッツ州)または59FeCl(アマシャム・バイオサイエンシーズ(Amersham Biosciences Corp.)、ピスカタウェイ(Piscataway)、ニュージャージー州)]をオート粥に直接添加することで外部標識した。各用量には、第1の期間では37kBqの55FeClまたは59FeCl、第2の期間では74kBqの55FeClまたは59FeClが含有された。
食事の分析
4種のオート粥およびパンを凍結乾燥し、均質化し、鉄、カルシウム、亜鉛およびフィチン酸の全体について2重で分析した。エネルギー含量を国有の食品−組成物データベース(Danish Tables of Food Composition、DANKOST2000、バージョン1.20、ハーレフ(Herlev)、デンマーク)の利用により計算した。鉄、カルシウム、および亜鉛の全体を、65%(w/v)の超純粋な硝酸(メルク(Merck KgaA)、ダルムシュタット(Darmstadt)、ドイツ)を用いてMES1000 Solvent Extraction System(セム(CEM Corp.)、マシューズ(Matthews)、ノースカロライナ州)で湿式灰化後、原子吸光法(Spectra−AA 200、バリアン(Varian)、マルグレーブ(Mulgrave)、オーストラリア)により測定した。典型的な食事であるStandard Reference Material 1548a(ナショナル・インスティチュート・オブ・スタンダーズ・アンド・テクノロジー(National Institute of Standards and Technology)、ゲーサーズバーグ(Gaithersburg)、メリーランド州)を鉄(平均±SD:35.3±3.77μg/g)、カルシウム(1.96±0.11mg/g)、および亜鉛(24.6±1.79μg/g)における参照として用い、各分析値は33.38μg/g、2.00mg/g、および23.25μg/gであった。フィチン酸を、高性能なイオンクロマトグラフィーにより、個々にイノシトール三リン酸〜イノシトール六リン酸(IP3〜6として分析した。オート粥中の有機酸の濃度をキャピラリーガスクロマトグラフィーにより測定した。
鉄状態の測定
血液試料に際しての摂取および運動に対する制限は、試験食における記載の通りであった。血液試料を、被験者を仰臥位で10分間休息させた後、肘脈から採取した。ヘモグロビン分析を、Sysmex KX−21自動血液アナライザー(シスメックスアメリカ(Sysmex America Inc.)、マンダライン(Mundelein)、イリノイ州)および適切な対照(Eight check−3WP、22490822、シスメックスアメリカ(Sysmex America Inc.))を用い、溶解したEDTAを有するチューブ(バキュテイナシステム(Vacutainer system)、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson)、フランクリンレークス(Franklin Lakes)、ニュージャージー州)内に採取された静脈血(3.5mL)について行った。アッセイ内およびアッセイ間のばらつきは、それぞれ0.5%(n=12)および0.6%(n=27)であった。血清フェリチンおよびα−アンチキモトリプシン(ACT)の分析を空のチューブ(バキュテイナシステム(Vacutainer system)、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson))内に採取された静脈血(5.0mL)について行った。血清フェリチンを、化学発光イムノメトリックアッセイによりImmulite 1000アナライザー(ダイアグノスティク・プロダクツ・コーポレーション(Diagnostic Products Corporation)、ロサンゼルス(Los Angeles)、カリフォルニア州)上で測定し、適切な標準血清についても分析した(3rd International standard for ferritin(80/578)、WHO、NIBSC、サウス・ミムズ(South Mimms)、英国)。アッセイ内およびアッセイ間のばらつきは、それぞれ2.7%(n=15)および5.0%(n=15)であった。ACTを、免疫比濁(immunoturbidimetric)技術を用い、Cobas Miraアナライザー(ロシェ・ダイアグノスティック・システムズ(Roche Diagnostic Systems)、F.ホフマン−ラ・ロシェ(F.Hoffman−La Roche Ltd.)、バーゼル(Basel)、スイス)上で測定し、適切な標準血清についても分析した(欧州委員会(European Commission)認証標準物質470、11924、IRMM、ギール(Geel)、ベルギー)。アッセイ内およびアッセイ間のばらつきは、それぞれ1.4%(n=12)および3.2%(n=14)であった。
非ヘム鉄吸収の測定
抗凝固剤としてヘパリンを含有するチューブ(バキュテイナシステム(Vacutainer system)、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson))内に採取された血液試料(60mL)に由来する55Feおよび59Feの活性を測定した。55Feおよび59Feの同時測定については、上記の方法により、乾式灰化とそれに続く再結晶化および可溶化を行ってから、自動クエンチ補正(quench correction)でTricarb 2100TR Liquid Scintillation Analyzer(パッカード・インスツルメンツ(Packard Instruments)、メリデン(Meriden)、コネチカット州)により計数した。
統計分析
統計分析前に非ヘム鉄吸収データを対数変換し、結果を逆対数に再変換した。統計分析に用いられた全データを正規分布させるとともに、分散均質性を残りのプロットにより試験した。異なる食事からの非ヘム鉄吸収を、従属変数としてlog(非ヘム鉄吸収)、一定の独立変数として食事、代替食、およびフェリチン、ならびに変量効果として被験者と被験者×期間の相互作用を有する線形混合モデル、すなわちLog(非ヘム鉄吸収)=μ(食事)+α(代替食)+b×フェリチン+A(被験者)+B(被験者×期間)+εを用いて比較した。
【0032】
データを最小二乗平均の推定値および95%のCIを有する平均の推定値間の差異として提示する。SAS統計ソフトウェアパッケージ、バージョン8.2(SASインスティチュート(SAS Institute Inc.)、ケアリー(Cary)、ノースカロライナ州)で統計分析を行い、値はP<0.05において有意に異なるものと考えられた。
結果
試験食の組成
試験食の組成およびオート粥中の有機酸の含量を下記の表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
鉄状態および非ヘム鉄吸収
被験者のヘモグロビン濃度は111〜137g/Lの範囲内であり、かつ血清フェリチン濃度は12〜40μg/Lの範囲内であった。血清フェリチン濃度が炎症に感受性を示すことから、急性期応答のマーカーとして血清中で急性期タンパク質ACTを測定した。濃度は0.20〜0.37g/Lの範囲内であり、それは急性期応答を全く示さないことから(ACT<0.6g/L)、被験者の鉄状態の有効な測定値を示した。
【0035】
線形混合モデル分析から計算した4種の試験食からの非ヘム鉄吸収について表2に示す。下記を参照のこと。
【0036】
【表2】

【0037】
結果は、非ヘム鉄吸収の絶対値とpH調整された非発酵性のオート粥食に対する比の双方を比較する場合において発酵性のオート粥を有する試験食の極めて有意な効果を示し(P<0.0001)、ここでは個体間のばらつきが考慮される。
【0038】
ラクトバチルス・プランタラム299vが約2週間でヒト腸粘膜にてコロニーを形成可能でありかつ発酵性のオート粥を有する試験食が非ヘム鉄吸収を増大させることから、ある期間内での以下の摂取された試験食に対するこの試験食に特異的なキャリーオーバー効果について評価した。試験食の一般的なキャリーオーバー効果は全く見られなかったが、発酵性のオート粥を有する食事に特異的な効果から判断すると、キャリーオーバー効果はほぼ統計的有意性に達した(P=0.06)。
【0039】
異なる試験食からの吸収比は乳酸発酵されたオート粥を有する試験食からの非ヘム鉄吸収における極めて有意な増加を示した一方、異なる対照としての機能を果たす、殺菌された発酵性のオート粥食および非発酵性のオート粥食の効果は全く認められなかった。4種の試験食中の鉄およびフィチン酸塩の含量が一定であったことから、この有意な効果はラクトバチルス・プランタラム299vの発酵の効果に関係する可能性がある。それが活性のあるラクトバチルス・プランタラム299vの効果であるかまたは発酵の間に生成される有機酸の効果であるかは、発酵性のオート粥を有する食における吸収比と、不活化されたラクトバチルス・プランタラム299v(殺菌された発酵性のオート粥)および、乳酸および酢酸が発酵プロセスの間に通常生成される濃度で添加されるように有機酸が添加された非発酵性のオート粥を有する食における吸収比との比較から判定されるべきである。有機酸の分析から得られた結果は、摂取時に3種のオート粥中の有機酸と同様のレベルに達することができなかったことを示す(表2)。発酵性のオート粥と比べて有機酸の濃度の差異が最小である食事は殺菌された発酵性のオート粥であり、その中の乳酸および酢酸の濃度はそれぞれ19%および8%低かった。これら2種の食事における鉄吸収比を比較する場合、殺菌された発酵性のオート粥における比は50%に低下した。有機酸が添加されたオート粥中の乳酸のレベルが殺菌された発酵性のオート粥中の場合よりも52%低くかつ吸収比の減少が9%に過ぎなかったことから、発酵性のオート粥中の鉄吸収の増大が主に有機酸の効果に起因した可能性は低い。したがって、本試験の結果は、若年女性において活性乳酸細菌のラクトバチルス・プランタラム299v(1.1×1011cfu)が鉄のバイオアベイラビリティの低い食事からの非ヘム鉄吸収を増大可能であったことを示す。
【0040】
鉄吸収は通常、十二指腸および近位小腸で生じるとの記載がなされている。食物に由来する小さい有機酸、例えば殺菌された発酵性のオート粥および有機酸が添加されたオート粥に由来する乳酸および酢酸は、胃腸管で極めて速やかに吸収される。発酵性のオート粥からの非ヘム鉄吸収の促進についての有望な説は、ダーマン(Derman)らにより説明されているように、活性細菌による有機酸の局所生成がいずれも局所pHを低下させかつ乳酸が鉄との可溶性複合体を形成しうる場合における、最も近位の小腸またはおそらくは結腸の粘膜におけるラクトバチルス・プランタラム299vのコロニー形成でありうる。この仮説は、発酵性のオート粥を有する食事のキャリーオーバー効果がほぼ有意性に達した(P=0.06)という事実により裏付けられ、これはラクトバチルス・プランタラム299vの、細菌が腸にて依然としてコロニーを形成した場合の翌日に摂取された食事に由来する非ヘム鉄吸収に対する効果を示している。
【0041】
(上記のように)発酵性のオート粥、殺菌された発酵性のオート粥、および有機酸が添加されたオート粥を有する試験食における吸収比を比較する場合、予め仮定されているように、発酵性のオート粥を有する試験食からの吸収の増大を有機酸単独の効果に帰着させることはできないが、活性ラクトバチルス・プランタラム299vの特異的効果が存在することは明白であることがわかる。
実験2
試薬:他に指定がない限り、すべての試薬をGTF(ゲーテボルグ(Goeteborg)、スウェーデン)から入手した。
【0042】
Caco−2細胞培養物:Caco−2細胞を継代17でアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ロックビル(Rockville)、メリーランド州)から入手し、継代20〜35で実験に使用した。保存培養物を、95%空気−5%COの加湿空気中、20%(v/v)のウシ胎仔血清(FSC)、100単位/LのペニシリンG、および100mg/Lのストレプトマイシンを補充したダルベッコ(Dulbecco)修正α必須培地(DMEM)内、37℃で維持した。成長培地を2〜3日ごとに変えた。細胞を、ダルベッコのリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中、0.5mmol/LのEDTAを有する0.5g/Lのトリプシンを用いて約80%のコンフルエント状態で分離した。実験の前に、0.5mLの補充DMEM中の100000個の細胞を0.4μmの微孔性ポリカーボネート膜インサート(1cmのトランウェル(Tranwell)インサート;コーニング(Corning)、アクトン(Acton)、マサチューセッツ州)上に播種した。基底側のチャンバ(basolateral chamber)は1.5mLの補充DMEMを有していた。フィルターインサート両面上の培地を2〜3日ごとに変えた。すべての鉄の吸収および輸送実験を播種後の14〜17日目に行った。
【0043】
細菌培養物:ラクトバチルス・プランタラム299v(DSM9843)、(5)、ラクトバチルス・プランタラム299、(1)、ラクトバチルス・プランタラムHeal 9(DSM15312)、(2)、ラクトバチルス・プランタラムHeal 19(DSM15313)、(4)、ラクトバチルス・プランタラム299v変異体(AMJ1277)、(3)およびラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、(6)をロータリーシェーカー(37℃、200rpm)、MRS培養液中で培養した。細菌を指数増殖期(exponential phase)(OD600、最大=1.3)において回収した。特定の細胞の数に対応する細胞培養物の容量を所定の標準曲線から計算した。細胞を5000rpm(ソーバル・ヘラウス(Sorvall heraeus)、multifuge)で2分間スピンダウンさせた後、HBSS(PAA)、ヘペス2.5%(1M、PAA)およびFeCl 10μMからなる輸送溶液中に再懸濁した。試験を、3.35×10細胞/mlの濃度で添加したラクトバチルス・ロイテリ以外のすべての種において6.7×10細胞/mlの細胞濃度で行った。試験を2回繰り返した。
【0044】
細胞での55Feの吸収および単層を横切る輸送におけるアッセイ:吸収および輸送アッセイの前日に新しい補充DMEMを細胞に供給した。Fe(III)の吸収および経上皮輸送をCaco−2細胞により試験するため、細菌懸濁液を55Feで追跡した(パーキンエルマー(Perkin Elmer))。容量0.5mLの懸濁液をCaco−2細胞の頂端側に入れる一方、基底側のチャンバはHBSS/ヘペス1.5mlを含有した。細胞を95%空気−5%COの加湿空気中、37℃でインキュベートした。2時間のインキュベーション後、細胞を氷冷した洗浄緩衝液(150mmol/L NaCl、10mmol/L ヘペス、1mmol/L EDTA、pH7)で4回洗浄し、0.5M NaOH中で均質化した。基底側のチャンバに輸送させるかまたはCaco−2溶解物に会合させた55Feを液体シンチレーションカウンティングにより測定した。アッセイの前後に、細胞単層の完全性をTEERの測定によりモニターした。
【0045】
細菌の異なる株が添加されたHBSS/ヘペス中でのFeCl(10μmol/l)の輸送(方法の記載を参照)。
【0046】
対照:上記の通りであるが細菌を含まない。
【0047】
【表3】

【0048】
結果:株1〜5は、純粋なFe溶液の場合と比べてFeの輸送に作用する。3〜9倍の増大が観察される。ラクトバチルス・ロイテリを含有する試料中では、輸送の増大が見られるが、それは異なるラクトバチルス・プランタラム株に匹敵するものではない。
【0049】
したがって、先行するヒト試験で示されたように、異なるラクトバチルス・プランタラム株で観察される輸送の増大が鉄吸収の増大との類似性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物、好ましくはヒトにおける少なくとも1種の金属/金属イオンの吸収を増大させるための組成物の調製のための、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、ラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316、およびこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムのうちの少なくとも1種の株の使用。
【請求項2】
前記少なくとも1種の金属/金属イオンがFe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記少なくとも1種の金属/金属イオンが別の元素または別の元素と結合した複合体(complex)と会合する請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記少なくとも1種の株が生存可能であるか、不活化または抑制されるか、あるいは死滅している請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記少なくとも1種の株が遺伝子組み換えされる請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記組成物が担体物質を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記担体物質が、オートミール粥、乳酸発酵食品、難消化性澱粉、食物繊維、炭水化物、タンパク質、グリコシル化タンパク質、および脂質を含む群から選択される請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記担体物質が、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316を含む群から選択される株の1種もしくは複数種で発酵される請求項6または7に記載の使用。
【請求項9】
前記組成物が食品、栄養補助食品、栄養製品、機能性食品、および医療食を含む群から選択される請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記食品が飲料、ヨーグルト、ジュース、アイスクリーム、パン、ビスケット、穀物、ヘルスバー、およびスプレッドを含む群から選択される請求項9に記載の使用。
【請求項11】
前記組成物がFe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンを含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の使用。
【請求項12】
前記少なくとも1種の金属/金属イオンが別の元素または別の元素と結合した複合体に会合する請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記組成物中の前記少なくとも1種の株が約1×10〜約1×1014CFU、好ましくは1×10〜1×1012CFU、およびより好ましくは1×10〜1×1011CFUの量で存在する請求項1〜12のいずれか一項に記載の使用。
【請求項14】
ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316ならびにこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株を含む組成物を投与することによる、哺乳動物、好ましくはヒトにおける少なくとも1種の金属/金属イオンの吸収を増大させるための方法。
【請求項15】
前記少なくとも1種の金属/金属イオンがFe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1種の金属/金属イオンが別の元素または別の元素と結合した複合体に会合する請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1種の株が生存可能であるか、不活化または抑制されるか、あるいは死滅している請求項14〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1種の株が遺伝子組み換えされる請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が担体物質を含む請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記担体物質がオートミール粥、乳酸発酵食品、難消化性澱粉、食物繊維、炭水化物、タンパク質、グリコシル化タンパク質および脂質を含む群から選択される請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記担体物質が、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316を含む群から選択される株の1種もしくは複数種で発酵される請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物が食品、栄養補助食品、栄養製品、機能性食品、および医療食を含む群から選択される請求項14〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記食品が飲料、ヨーグルト、ジュース、アイスクリーム、パン、ビスケット、穀物、ヘルスバー、およびスプレッドを含む群から選択される請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記組成物がFe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンを含む請求項14〜23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1種の金属/金属イオンが別の元素または別の元素と結合した複合体に会合する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記組成物中の前記少なくとも1種の株が約1×10〜約1×1014CFU、好ましくは1×10〜1×1012CFU、およびより好ましくは1×10〜1×1011CFUの量で存在する請求項14〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
Fe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンの欠乏が問題である場合における、貧血、骨粗鬆症または任意の他の疾患を治療するための医薬組成物の調製のための、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316、ならびにこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株の使用。
【請求項28】
前記医薬組成物が液体製剤または固体製剤である請求項27に記載の使用。
【請求項29】
前記固体製剤が、タブレット、吸収タブレット、スウィート、チューイングタブレット、チューインガム、カプセル、サシェ、パウダー、顆粒、被覆粒子および被覆タブレット、腸被覆タブレットおよびカプセル、ならびに溶融ストリップおよびフィルムを含む群から選択される請求項28に記載の使用。
【請求項30】
前記液体製剤が経口溶液、懸濁液、エマルジョンおよびシロップを含む群から選択される請求項27に記載の使用。
【請求項31】
前記組成物がFe、Zn、CaおよびMgならびにこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンを含む請求項27〜30のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
前記少なくとも1種の金属/金属イオンが別の元素または別の元素と結合した複合体に会合する請求項31に記載の使用。
【請求項33】
前記少なくとも1種の株が生存可能であるか、不活化または抑制されるか、あるいは死滅している請求項27〜32のいずれか一項に記載の使用。
【請求項34】
前記少なくとも1種の株が遺伝子組み換えされる請求項27〜33のいずれか一項に記載の使用。
【請求項35】
前記医薬組成物中の前記少なくとも1種の株が約1×10〜約1×1014CFU、好ましくは1×10〜1×1012CFU、およびより好ましくは1×10〜1×1011CFUの量で存在する請求項27〜34のいずれか一項に記載の使用。
【請求項36】
ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、ラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316、およびこれらの一部を含む群から選択されるラクトバチルス・プランタラムの少なくとも1種の株を、Fe、Zn、Ca、Mgおよびこれらのイオンを含む群から選択される少なくとも1種の金属/金属イオンと組み合わせて含む組成物。
【請求項37】
前記少なくとも1種の金属/金属イオンが別の元素または別の元素と結合した複合体に会合する請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記少なくとも1種の株が生存可能であるか、不活化または抑制されるか、あるいは死滅している請求項36または37に記載の組成物。
【請求項39】
前記少なくとも1種の株が遺伝子組み換えされる請求項36〜38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物が担体物質を含む請求項36〜39のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記担体物質が、オートミール粥、乳酸発酵食品、難消化性澱粉、食物繊維、炭水化物、タンパク質、グリコシル化タンパク質、および脂質を含む群から選択される請求項40に記載の組成物。
【請求項42】
前記担体物質が、ラクトバチルス・プランタラム299、DSM6595、ラクトバチルス・プランタラム299v、DSM9843、ラクトバチルス・プランタラムHEAL9、DSM15312、ラクトバチルス・プランタラムHEAL19、DSM15313、およびラクトバチルス・プランタラムHEAL99、DSM15316を含む群から選択される株の1種もしくは複数種で発酵される請求項40または41に記載の組成物。
【請求項43】
前記組成物が食品、栄養補助食品、栄養製品、機能性食品、および医療食を含む群から選択される請求項38〜42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記食品が、飲料、ヨーグルト、ジュース、アイスクリーム、パン、ビスケット、穀物、ヘルスバー、およびスプレッドを含む群から選択される請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物中の前記少なくとも1種の株が約1×10〜約1×1014CFU、好ましくは1×10〜1×1012CFU、およびより好ましくは1×10〜1×1011CFUの量で存在する請求項38〜44のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−544753(P2008−544753A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519228(P2008−519228)
【出願日】平成18年7月4日(2006.7.4)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000846
【国際公開番号】WO2007/004966
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(500045257)プロビ エービー (6)
【Fターム(参考)】