説明

GNSS受信機

提案されたGNSS受信機は、信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)のアクティブセット(sact)から送信された無線信号を処理し、位置/時間関連データを生成する際にベースとするようになっている無線信号処理ユニットを含む。アクティブセット(sact)の信号は、各信号源に割り当てた各追跡チャネルリソース(T1、T2、T3、T4、T5、T6)により、信号のリアルタイム信号データ転送速度にて並列処理される。処理ユニットはまた、アクティブセット(sact)の信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)と異なる信号源の追加セット(sadd)の少なくとも2つの信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)の各々から送信された無線信号を処理するようになっているモニタリングチャネルリソース(M)を含む。処理ユニットは、循環処理シーケンス(σ)に従って追加セット(sadd)の無線信号を処理するようになっている。循環処理シーケンス(σ)は、シーケンス(σ)の第1フェーズ(ph1)中に第1の追加信号源(SV5)からの信号を処理する工程と、シーケンス(σ)の少なくとも1つの第2フェーズ(ph2、ph3、ph4)中に少なくとも1つの第2の追加信号源(SV6、SV7、SV10)からの信号を処理する工程と、前記フェーズ(ph1、ph2、ph3、ph4)の各々で、追加セット(sadd)の1つの信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した無線信号(SHF)に関する、パラメータセット(P1、P2、…、Pn)の各々を決定する工程とを含む。パラメータセット(P1、P2、…、Pn)は、追跡パラメータデータを含む。従って、追加セット(sadd)のいずれの信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)からの信号をいつでも遅延すること無くナビゲーションソリューションに含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には、全地球的航法衛星システム(GNSS)受信機におけるスペクトル拡散信号の受信及び処理に関する。特に詳細には、本発明は、請求項1の前提部分に記載の受信機、及び請求項13の前提部分に記載の方法に関する。また、本発明は、請求項24に記載のコンピュータプログラム、及び請求項25に記載のコンピュータ可読媒体にも関する。
【背景技術】
【0002】
多数のGNSSの実例が存在している。現時点では、全地球測位システム(GPS;アメリカ合衆国政府)が有力なシステムである。しかしながら、将来においては代替システムの重要性が増すと考えられている。現段階では、地球軌道衛星航法システム(GLONASS;ロシア連邦防衛省)及びガリレオ・システム(欧州全地球航法サービスプログラム)が主要な代替GNSSを構成している。特定地域において少なくとも1つのGNSSの網羅、可用性、及び/又は品質を高めるための様々なシステムも存在している。準天頂衛星システム(QZSS;新衛星ビジネス株式会社、日本)、広域補強システム(WAAS;米国運輸省連邦航空局)、及び欧州静止衛星航法補強サービス(EGNOS;欧州宇宙機関、欧州委員会、及び欧州航空管制局すなわち欧州航空航法安全機構の共同事業)は、GPSの補強システムの例を、後者の場合は、GPS及びGLONASSに対するかかる補強システムの例を表している。
【0003】
第1世代のGPS受信機のハードウェア制約は、これらの装置が単一チャネルにより衛星信号を処理するということであった。初期の設計では、受信機は、いくつかの衛星信号に基づいて地理座標を決定するため順次作動した。M.Weissは、PLANS’82−Position Location and Navigation Symposium、Atlantic City、NJ、December6−9、1982、Record(A84−12426 02−04)、New York、Institute of Electrical and Electronics Engineers、1982、p.275−278でかかる受信機設計の一例を説明している。
【0004】
これと比較して、最新のGPS受信機は全て、例えば、12チャネルを有する並列追跡を用いている。これは、受信機が12チャネルを同時受信するための専用ハードウェアを有することを意味する。一般に、これは、単一チャネル受信機と比べて、十分な数の衛星からの信号を識別、取得する期待時間を減少させる。並列受信器は、信頼性や精度も改善している。
【0005】
さらに、多重化受信機の形態で種々の形態のハイブリッド受信機がある。この種の受信機は、現在見ている衛星間の時分割多重化を行うのに、比較的少ない数の受信機モジュールを用いている。従って、受信機は、第1タイムスロット中にある衛星からデータを収集し、第2タイムスロット中に、別の衛星に切り替え、データをさらに収集する。切り替えが十分に早く行われることを前提とすれば、受信機は、全衛星を同時に追跡するように見える。
【0006】
受信機の種類がどのようなものであっても、GNSSナビゲーションは、ある無線環境では、特に、これらの環境の特性が急速に変化する場合には、非常に困難になり得る。設計により、信号源(即ち、衛星)は、該当する信号源に相対する受信機の位置に応じて軌道及び高度を変えながら空を横切って移動する。さらに、受信機自体、及び/又は、受信機と1つ以上の信号源間の物体は、位置が変わる場合があるため、無線状況が大幅に変わる。場合によっては、1つ以上の信号源からの信号は、例えば、受信機が高層ビルの角を通過する場合、事前警告又は予兆が無いまま完全に遮断されることがある。変わりやすい無線状況により、受信機が位置/時間関連データを生成する際にベースとする一連の無線信号を繰返しリフレッシュしなければならない。しかしながら、この更新を行うことは容易なタスクではなく、利用可能な時間が短い場合にはなおさら容易ではない。すなわち、ナビゲーションソリューションにおいて任意の最近のあいまいでない(unobscured)信号を含めるために、これらの信号に対していわゆる急速取得プロセスを完了させて、連続的に追跡するのに必要なデータを決定しなければならない。追跡データを十分迅速に再取得できないと、受信機は、従来の再取得を、さらには、全部を取得しなければならなくなる。これは、電力を著しく消費し、位置/時間関連データの生成に深刻な障害を引き起こす場合がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、前述の問題を軽減し、一連の受信信号に基づいて位置/時間関連データを生成する電力効率の良い解決策を提供することである。ここで、一連の受信信号は、少なくとも1つの所与の選択基準に対して最適となるようになっている。
【0008】
本発明によれば、本目的は、冒頭に述べたGNSS受信機により達せられる。ここで、処理ユニットは、アクティブセットの信号源と異なる信号源の追加セットの少なくとも2つの信号源の各々から送信された無線信号を処理するようになっている少なくとも1つのモニタリングチャネルリソースを含む。処理ユニットはさらに、循環処理シーケンスに従って追加セットの信号源から無線信号を処理するようになっており、循環処理シーケンスは、シーケンスの第1フェーズ中に第1の追加信号源からの信号を処理する工程と、シーケンスの少なくとも1つの第2フェーズ中に少なくとも1つの第2の追加信号源からの信号を処理する工程と、前記フェーズの各々で、追加セットの1つの信号源から受信した無線信号に関する各パラメータセットを決定する工程とを含む。パラメータセットは、少なくとも追跡パラメータデータを含む。
【0009】
この受信機設計は、更新追跡データのみならず、リソース処理の観点では比較的低コストで潜在的な未来の信号源に関するインフォームド選択決定を行うための更新基準を維持するので有利である。従って、有利であると見なされる場合、ナビゲーションソリューションにすでに含まれている1つ以上の信号の補完或いは代替として、追加セットの信号源からの信号をいつでもナビゲーションソリューションに含めることができる。
【0010】
本発明の一好適実施形態によれば、追加セットの1つの信号源から受信した無線信号に関するパラメータセットは、信号対雑音推定値も含む。これにより、適切な選択決定を行う処理が容易になる。
【0011】
本発明のさらに別の好適な実施形態によれば、追加セットの各信号源に対する追跡パラメータデータは、信号源の特性を示す拡散コードのオフセットに関するコードフェーズ測定値を含む。追跡パラメータデータはまた、各衛星信号の公称搬送周波数からの偏移を表わすドップラー周波数推定値と、観測された各衛星から受信した変調信号のフェーズと、それと同一の変調信号をローカルで生成した参照用コピーとの間の関係を表わすコードフェーズ推定値とを含む。この追跡パラメータデータにより、いつでもアクティブセットの追加セットからの任意の信号源を含み、このようにして含められた信号源に基き、いかなる遅延又は途絶を生ずること無く位置/時間関連データを生成し続けることが可能になる。
【0012】
本発明の別の好適な実施形態によれば、処理ユニットは、追加セットからアクティブセットに第1の数の信号源を転送するようになっている。処理ユニットはさらに、アクティブセットの信号源の数が一定のままであるように、アクティブセットから追加セットに第1の数の信号源を転送するようになっている。精度上の理由により、利用可能な追跡チャネルリソースに与えられればアクティブセットをできるだけ多く維持することが一般に望ましい。しかしながら、処理リソースを効率よく利用するため、アクティブセットが少ない方が好ましい場合もある。従って、アクティブセットに転送される信号源の数は、そこから転送された信号源の数と必ずしも常に等しい必要はない。
【0013】
本発明の別の好適な実施形態によれば、処理ユニットは、追跡チャネルリソースの処理の外部にある処理からの交換要求に応答して、アクティブと追加セットとの間で信号源の転送を行うようになっている。
【0014】
例えば、交換要求は、アクティブセットの信号源から受信した無線信号と、追加セットの信号源のそれぞれに基づいて位置/時間関連データを生成するのに必要な推定処理能力に基づくものであってもよい。このため、利用可能な処理電力を有効に活用すると予測される交換要求が生成される。
【0015】
或いは、交換要求は、アクティブセットの各信号源と、追加セットの各信号源との空間位置を反映する少なくとも1つの形状パラメータに基づくものであってもよい。従って、全信号源からの位置決定コンピュータの精度における全信号源の相対位置の影響を定量化する、いわゆるDOP(幾何学的測定精度)考察を交換要求に入れることができる。よって、予測位置精度を向上させるために、アクティブセットを更新することができる。
【0016】
さらに、交換要求は、アクティブセットの信号源から受信した信号に基づいて生成された位置/時間関連データの最低許容精度を特定する位置制約に基づくものであってもよい。従って、現在のアクティブセットの信号源が満足いかないデータ精度を提供し、かつ、追加セットから1つ以上の信号源を含む別のアクティブセットが許容されるデータ精度を提供すると予測される場合、関連する交換要求が発行される。
【0017】
最後に、アクティブセットの少なくとも1つの信号源からの無線信号の受信における途切れ、又はそこから受信した少なくとも1つの信号に関する追跡失敗は、この問題の解決を目的とする交換要求を生成する原因となり得る。
【0018】
本発明のさらに別の好適な実施形態によれば、受信機は、アクティブセット及び追加セットそれぞれの信号源にわたる信号源記録を含む。信号源記録は、次に、各信号源に対して、追跡パラメータデータ、信号対雑音推定値、及び、地球に対する信号源の経時的な動きを表すエフェメリスデータを特定する。さらに、処理ユニットは、アクティブセットの信号源から受信した無線信号に基づいて、追跡パラメータデータ(例えば、ドップラー周波数推定値(単数又は複数)及びコードフェーズ推定値(単数又は複数)を含む)、信号対雑音推定値、及びエフェメリスデータを繰り返し更新するようになっている。同様に、処理ユニットは、追加セットの信号源から受信した無線信号に基づいて、追跡パラメータデータ及び信号対雑音推定値を繰り返し更新するようになっている。これにより、根拠の確かな交換要求を生成するための確かな基準が作られる。
【0019】
或いは、処理ユニットは、アクティブセット又は追加セットの信号源のいずれとも異なる補助送信機から受信した無線信号に基づいて、アクティブセット又は追加セットの少なくとも1つの補助信号源に対する追跡パラメータデータ及び/又はエフェメリスデータを繰り返し更新し、アクティブセット及び追加セットの信号源から受信した無線信号に基づいて、少なくとも1つの補助信号源以外の各信号源に対する追跡パラメータデータ及びエフェメリスデータを繰り返し更新するようになっている。その結果、衛星からの持続的な信号受信への依存度が少ない設計となる。
【0020】
本発明の別の好適な実施形態によれば、処理ユニットは、追加セットの各信号源に対して、信号源に関するエフェメリスデータが発行されてからのエフェメリス年齢を繰返しインスタンスで決定するようになっている。例えば、エフェメリス年齢は、エフェメリスデータ発行(IODE)に基づいて決定することができる。エフェメリス年齢が閾値を超える場合、処理ユニットは、エフェメリス年齢が閾値を超える追加セットから各信号源のアクティブに包含することを特定する交換要求を生成させるようになっている。これにより、受信機から見て全衛星に対して十分に新しいエフェメリスデータの維持を保障することができる。
【0021】
本発明のさらに別の好適な実施形態によれば、追加セットの少なくとも1つの信号源は、アクティブセットの信号源からの無線信号を受信機により受信する主要周波数帯域とは異なる二次周波数帯域で無線信号を送信すると想定している。処理ユニットはさらに、アクティブセットの少なくとも1つの信号源から主要周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号と、追加セットの少なくとも1つの信号源から二次周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号とに基づいて、信号源と受信機との間の電離層遅延を反映する送信パラメータを測定するようになっている。
【0022】
本発明のさらに別の好適な実施形態によれば、追加セットの少なくとも1つの信号源は、同様に、アクティブセットの信号源からの無線信号を受信機により受信する主要周波数帯域とは異なる二次周波数帯域で無線信号を送信すると想定している。しかしながら、ここでは、処理ユニットは、アクティブセットの少なくとも1つの信号源から主要周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号と、追加セットの少なくとも1つの信号源から二次周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号とに基づいて、リアルタイムキネマティクス(RTK)に関わるキャリア曖昧さを解決するようになっている。
【0023】
上述の両実施形態では、所与の衛星は、2つ以上の周波数帯域の信号を送信する機器を含み得るものとしている。従って、第2周波数帯域で送信された第2の信号を追加セットに含めながら、かかるマルチバンド衛星から第1周波数帯域で送信された第1の信号をアクティブセットに含めることができる。
【0024】
本発明の別の好適な実施形態によれば、信号処理ユニットは、プロセッサ上で動作するソフトウェアに少なくとも部分的に実装される。従って、例えば、別々の時間に割り当てられたアクティブセット及び追加セットのチャネルリソース数に対して、大きな自由度が得られる。
【0025】
本発明の別の態様によれば、本目的は、冒頭に述べた本方法により達せられる。ここで、本方法は、循環処理シーケンスに従ってアクティブセットの信号源と異なる信号源の追加セットの少なくとも2つの信号源の各々から送信された無線信号を処理する工程を含む。この処理は、少なくとも1つのモニタリングチャネルリソースで行われ、シーケンスの第1フェーズ中に第1の追加信号源からの信号を処理する工程を含む。少なくとも1つの第2の追加信号源からの信号は、シーケンスの少なくとも1つの第2フェーズ中に処理される。前記フェーズの各々で、各パラメータセットは、追加セットの1つの信号源から受信した前記無線信号に関して決定される。パラメータセットは、追跡パラメータデータ及び信号対雑音推定値を含む。
【0026】
この方法のみならず、その好適な実施形態の利点は、提案した受信機を参照にしながら上に説明したことから明らかである。
【0027】
本発明の別の態様によれば、本目的は、コンピュータのメモリに直接ロード可能であり、かつ、前記プログラムがコンピュータ上で起動する際に上で提案した方法を実施するようになっているソフトウェアを含む、コンピュータプログラムによって達成される。
【0028】
本発明の別の態様によれば、本目的は、プログラムを記録したコンピュータ可読媒体によって達成され、プログラムをコンピュータにロードすると、上で提案した方法を行うように、プログラムはコンピュータを制御する。
【0029】
本発明のさらなる利点、有益な特徴、及び用途は、以下の説明及び従属請求項から明らかになるであろう。
【0030】
次に、実施例として開示する好適な実施形態により、添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態によるGNSS受信機のブロック図を示す。
【図2】特定の受信機位置から目的の信号源群を示す。
【図3】本発明の一実施形態による、どのように多数の信号源を取得し、提案された信号源のアクティブセット及び追加セットに含められるかを示す。
【図4】本発明の好適な実施形態によるGNSS受信機の一般的な動作方法を流れ図により示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、本発明の一実施形態によるGNSS受信機100のブロック図を示す。受信機100は、無線フロントエンドユニット110と、インタフェースユニット120と、無線信号処理ユニット135とを含む。受信機100は、提案された原理に従って動作するよう処理ユニット135を制御するようになっているプログラムを記憶した、メモリバッファなどのコンピュータ可読媒体140をさらに含むのが好ましい。
【0033】
無線フロントエンドユニット110は、複数の信号源、例えば、1つ以上のGNSSに属する一連の衛星から無線信号SHFを受信するようになっているアンテナ手段105を有する。この目的のため、アンテナ手段105は、少なくとも1つの周波数帯域、例えば、L1−、L2−、及び/又は、L5/E5a−帯域(即ち、それぞれ1563MHz〜1587MHz、1215MHz〜1240MHz、1155MHz〜1197MHzの範囲のスペクトルを有する)で無線周波数信号を受信するように設計される。さらに、無線フロントエンドユニット110は、受信無線信号SHFのダウンコンバージョン、サンプリング、及びデジタイジングを行い、得られたデジタル表示SBPを生成するようになっており、これに基づいて、無線信号処理ユニット135は、関連する別の信号処理を行って、位置/時間関連データDPTを生成することができる。例えば、ユニット110は、無線信号SHFの帯域通過バージョンを直接サンプリングするか或いは、ユニット110は、I/Q帯域通過サンプリングを実行することができるため、受信信号SHFをベースバンドに周波数ダウンコンバートする。
【0034】
インタフェースユニット120は、無線フロントエンドユニット110からのデジタル表示SBPを無線信号処理ユニット135による取扱いに適当なデータ形式dに変換することで、無線フロントエンドユニット110を無線信号処理ユニット135に相互接続するようになっている。
【0035】
無線信号処理ユニット135は、プロセッサ130上で動作するソフトウェア135sに少なくとも部分的に実装されるのが好ましい。実際、本発明の実施形態によれば、無線信号処理ユニット135は、ソフトウェア135sに全面的に実装してもよい。しかしながら、1つ以上の個別ユニット、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)設計又はASICで実現されるユニットは、ユニット135の処理機能の少なくとも1つを行うようになっていることにも適している。
【0036】
何れにせよ、本発明によれば、無線信号処理ユニット135は、信号源のアクティブセットから送信された無線信号SHFを処理し、それに基づいて位置/時間関連データDPTを生成するようになっている。アクティブセットの信号源から受信した信号SHFは、各信号源に割り当てた一連の各々の追跡チャネルリソースにより、信号のリアルタイム信号データ転送速度にて並列処理される。すなわち、データDPTは、アクティブセット信号に基づいて公称システムで生成されることを意味する。処理ユニット135は、アクティブセットの信号源と異なる信号源の追加セットの少なくとも2つの信号源の各々から送信された無線信号SHFを処理するようになっている少なくとも1つのモニタリングチャネルリソースも含む。処理ユニット135は、循環処理シーケンスに従って追加セットの信号源から無線信号SHFを処理するようになっている。循環処理シーケンスは、シーケンスの第1フェーズ中に第1の追加信号源からの信号を処理する工程と、シーケンスの少なくとも1つの第2フェーズ中に少なくとも1つの第2の追加信号源からの信号を処理する工程と、前記フェーズの各々で、追加セットの1つの信号源から受信した無線信号SHFに関する、各パラメータセットを決定する工程とを含む。このように決定されたパラメータセットは、追跡パラメータデータを含む。しかし、必ずというわけではないが、パラメータセットは、信号対雑音推定値も含むのが好ましい。位置/時間関連データDPTは、アクティブセットから送信された無線信号SHFに少なくとも基づいて名目上生成されるが、追加セットの信号源から送信された1つ以上の無線信号SHFは、かかるデータDPTの生成にも使用されることを技術的に除外しないことは述べておかなければならない。
【0037】
上述のパラメータセットのみならず、アクティブセット及び追加セットに関する処理ユニット135の動作について、図3を参照しながら以下により詳細に説明する。しかしながら、まず初めに、図2を参照して、アクティブセット及び追加セットの基礎について論ずる。図2は、特定の瞬間に、即ち、所与の位置/時間PTで、特定の受信機位置から見えると仮定される衛星に含まれるGNSS信号源群(SV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6、SV7、SV8、SV9、及びSV10)を示す。ここで、可視限界H(PT)は、位置/時間PTから見た水平線として概略的に特定されている。過剰なマルチパス誤差を避けるため、もし受信機もエレベーションマスク角を適用する場合、例えば、水平線から仰角5°を下回ると信号源が不安定であると考えられる仰角5°に等しいことが通常好ましい。
【0038】
潜在的な信号源の仮グループは、受信機のアルマナックから導出してもよい。アルマナックとは、衛星の経時的な動きのことを意味する。或いは、その補足として、仮グループは、受信機が利用可能なエフェメリスデータ放送及び/又は1つ以上のアシステッドGNSSサービスから導出することができる。通常、エフェメリスデータは、IODEパラメータと関連付けられており、このパラメータは、情報がどれくらい古いかを示す。受信機の位置及び/又は時間基準の最新更新後のタイムスパンに応じて、仮グループの予想構成、及び、前記グループにおける各メンバーの予想位置は、不完全であったり、間違っている場合がある。
【0039】
次に図3を参照して、図2に示した信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6、SV7、SV8、SV9、及びSV10)をどのように取得し、本発明の一実施形態による提案された信号源のアクティブセット及び追加セットに含めることができるのかについて説明する。
【0040】
上述のように、無線信号処理ユニット135は、信号源から送信された無線信号SHFを処理するようになっており、信号源は、アクティブセット又は追加セットにいずれかに属するものと分類される。ここで、アクティブセットは、処理ユニット135がアクティブセットの信号に基づいて位置/時間関連データDPTを生成するが、追加セットの信号源から送信された信号は、位置/時間関連データDPTを名目上生成しないような優先順位を有する。それにもかかわらず、処理ユニット135は、追跡パラメータデータを導出し、追加セットの信号に対する信号対雑音推定値を導出するのが好ましい。
【0041】
アクティブセットの信号は、アクティブセットの各信号源に割り当てた各追跡チャネルリソースにより、信号のリアルタイム信号データ転送速度にて並列処理される。この例では、処理ユニット135は、図3でT1、T2、T3、T4、T5、及びT6で示される6個のかかる追跡チャネルリソースを有する。追跡チャネルリソースの取扱いに割り当てられた処理能力は、順応性があり、追跡チャネルリソース数は可変であることが好ましい。例えば、GNSS関連の計算を行うのに現時点で利用可能な処理リソース量に応じて変化する。さらに、処理ユニット135は、少なくとも1つのモニタリングチャネルリソースを有し、これは、追加セットの各信号源から送信された無線信号SHFを処理するようになっている。図3に示した例では、モニタリングチャネルリソースMが1つ割り当てられる。アクティブセットとは対照的に、追加セットの信号は、TDMAのような方式で循環処理シーケンスに従って処理され、これは、得られるデータ転送速度が、位置/時間関連データDPTをリアルタイムで生成できるのに通常必要な速度よりも遅いことを意味する。
【0042】
以下に記載されるように、追跡チャネルリソース及びモニタリングチャネルリソースの概念は、追加セットの信号源の数が、割り当てられたモニタリングチャネルリソースMの数を超える場合にのみ意義を有するものである。さらに、アクティブセットは、その信号源の数が追跡チャネルリソース(T1、T2、T3、T4、T5、及びT6)の数に等しいように定義される。図3を参照しながら、例示実施例を以下に述べる。
【0043】
時間t=0の初期点で、GNSS受信機100の電源を入れるものとする(或いは、複数のソースからの信号をアンテナ手段105で利用可能な無線環境にアクセスするように他の手段を動作することで)。t=0で、受信機100は、信号を受信することができる特定の信号源について全く知悉していないものとする。従って、処理ユニット135の処理リソース(T1、T2、T3、T4、T5、T6、及びM)は全てブランク/フリーである。
【0044】
しかしながら、徐々に、受信機100の取得処理が進行するにつれて、段々と目的の信号源からの信号が識別される。或いは、目的の信号源は、支援サーバにより提供された補足情報によっても識別される。t=t>0で、受信機100は、4つの信号源、すなわち、SV1、SV2、SV3、及びSV4を取得し、追跡可能であるものとする。これらの信号源は、最初の4つの追跡チャネルリソース(T1、T2、T3、及びT4)を用いて、それぞれ追跡される。一般に、ナビゲーション(即ち、三次元座標の導出)を可能にするには4つの信号源を追跡することで十分である。従って、理論的には、取得処理は、この段階で終了することができる。
【0045】
それにもかかわらず、本発明によれば、取得処理は、より強い(又は、他の手段によってより良い)信号源を捜し求めて継続する。t=t>tで、受信機100は、信号源(SV5、SV6、及びSV7)に関連する追跡パラメータデータを取得し、決定するものとする。まず初めに、追跡チャネルリソース(T5及びT6)とモニタリングチャネルリソースMとをこの目的のために用いる。しかしながら、各追跡パラメータデータが信号源(SV5、SV6、及びSV7)に関して決定されると、受信機100は、目的の任意の追加信号源を捜し求めて継続する。この目的のため、例えば、リソース(T5、T6、及びM)は開放されるが、受信機100は、これらのデータをメモリに記録した後、最初の4つの追跡チャネルリソース(T1〜T4)を介して信号源(SV1〜SV4)を追跡し続ける。
【0046】
t=t>tで、受信機100は、リソース(T5、T6、及びM)を介して、それぞれの信号源(SV8、SV9、及びSV10)に関連する追跡パラメータデータを取得し、さらに決定するものとする。追加信号源の検索は、t後も継続するが、しかしながらこの場合、検索は無駄になる。代わりに、受信機100は、最適化処理を、位置/時間関連データDPTを生成するのに必要な推定処理能力、各信号源の空間位置に関する幾何学的考察、又は信号源から受信した信号に基づいて生成可能な位置/時間関連データDPTの精度を特定する位置制約などの少なくとも1つの基準に対して最適となる一連の信号源を選び出す最適化処理を促す。
【0047】
t=t>tで、最適化処理は完了し、信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、及びSV9)は、現在の受信機位置/時間PT、信号源の現在の位置及び種類、及び、これら及び受信機100が現在存在する無線環境において最適になることが判明しているものとする。その結果、処理ユニット135は、信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、及びSV9)が含まれるアクティブセットを定義する。これらのソースから受信した無線信号SHFに基づいて、受信機は、時間/位置データDPTを生成する。
【0048】
残りの目的の信号源、即ち、SV5、SV6、SV7、及びSV10は、追加セットのメンバーを構成する。本発明によれば、t=tの時点で、処理ユニット135は、循環処理シーケンス(σ)に従って追加セットの信号源(SV5、SV6、SV7、及びSV10)から無線信号SHFを処理するようになっており、該シーケンスは、モニタリングチャネルリソース(単数又は複数)Mを用いて完了される。すなわち、循環処理シーケンス(σ)は、第1フェーズ(ph1)中に第1の追加信号源、例えば、SV5からの信号を処理する工程を含む。この処理では、処理ユニット135は、第1の追加信号源に関する追跡パラメータデータ(例えば、コードフェーズ測定値及びドップラー周波数測定値)をリフレッシュする。上述のように、処理ユニット135は、ここで、この信号源の信号対雑音推定値も決定するのが好ましい。これら2回の計算により、ソースを受信機で可視できるよう暗に設定する。
【0049】
第1フェーズ(ph1)に続く第2フェーズ(ph2)中に、処理ユニット135は、追跡パラメータデータ及び信号対雑音推定値が追加セットの信号源全てに対して決定されるまで、第2の追加信号源、例えば、SV6等に関する追跡パラメータデータ(場合によっては、信号対雑音推定値)をリフレッシュする。その後、処理ユニット135は、シーケンス(σ)を繰り返す。従って、追加セットが4つの信号源(SV5、SV6、SV7、及びSV10)を含み、かつ、処理ユニット135がモニタリングチャネルリソースMを1つ割り当てているこの実施例では、循環処理シーケンス(σ)は、4つのフェーズ(ph1、ph2、ph3、及びph4)を有する。例えば、代わりに、2つのモニタリングチャネルリソースが割り当てられていたならば、シーケンス(σ)は2つのフェーズしか有さなかったであろう。本発明によれば、追加セットSaddがチャネルリソースMの数よりも多いメンバーを有するように、モニタリングチャネルリソースは順応性があり、チャネルリソースMの数は追加セットSaddに対して選択されるのが好ましい。従って、循環処理シーケンス(σ)は、常に、少なくとも2つのフェーズを有する。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、受信機は、目的の信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6、SV7、SV8、SV9、及びSV10)がリストされる信号源記録310を有する。記録310は、各信号リソースに対して、信号リソースがアクティブセットsact又は追加セットsaddに属するかどうかを特定する。信号源記録310は、各信号源に対して、追跡パラメータデータ、信号対雑音推定値、及び、地球200に対する前記信号源の経時的な動きを表すエフェメリスデータを特定する一連のパラメータ(P1、P2、…、Pn)を含む。さらに、処理ユニット135は、一連のパラメータ(P1、P2、…、Pn)を繰り返し更新するようになっているのが好ましい。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、追跡パラメータデータ及び信号対雑音推定値は、更新サイクル毎に、アクティブセットsact及び追加セットSaddの両方での信号源に対して更新される。しかしながら、エフェメリスデータは、アクティブセットsactの信号源に対して排他的に更新する。
【0052】
本発明の別の実施形態によれば、処理ユニット135は、
信号対雑音推定値は、アクティブセットsact及び追加セットsadd両方の信号源から受信した無線信号SHFに基づいて更新され、
アクティブセットsact又は追加セットsaddの少なくとも1つの補助信号源に対する少なくとも1つの追跡パラメータデータ及びエフェメリスデータは、アクティブセットsact又は追加セットsaddの信号源のいずれとも異なる補助送信機から受信した無線信号に基づいて更新され、
少なくとも1つの補助信号源以外の各信号源に対する残りの追跡パラメータデータ及びエフェメリスデータは、上で概説した原理に従って、それぞれ、アクティブセットsact及び追加セットsaddの信号源から受信した無線信号SHFに基づいて更新されるように、
アクティブセットsact及び追加セットsaddそれぞれの信号源にわたって信号源記録310を繰り返し更新するようになっている。
【0053】
補助送信機は、地上無線ビーコンに代表され、例えば、これは、そうでなければ1つ以上の衛星により送信される信号のサブセットを中継、或いは、複製する。
【0054】
上述のように、追跡パラメータデータは、各観測衛星信号の公称搬送周波数からの偏移を表わすドップラー周波数推定値と、各観測衛星から受信した変調信号のフェーズとそれと同一の変調信号をローカルで生成した参照用コピーとの間の関係を表わすコードフェーズ推定値とを含んでもよい。従って、信号源に関する追跡パラメータデータが与えられると、受信機100は、このソースから受信した信号に基づいて位置/時間関連データDPTの生成を開始することができる。
【0055】
当然のことながら、信号源及び受信機100が動作する無線環境は変わり、時には急激に変わることがある。ほとんどの場合、これらの変化は、信号源、受信機100、及び/又は、信号源と受信機間の1つ以上の物体の動き又は位置変えによるものである。しかしながら、大気変動も無線環境に影響を及ぼす。従って、アクティブセットsact及び追加セットsaddは、繰り返し更新しなければならない。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、アクティブセットsactの定義は調整可能である。処理ユニット135は、追跡チャネルリソース(T1、T2、T3、T4、T5、T6)の処理の外部にある処理からの交換要求に応答して、アクティブセットsact及び追加セットsadd間で信号源の転送を行うようになっていることが好ましい。アクティブセットsactに現在含まれる1つ以上の信号源からの無線信号の受信途切れのため、交換要求を生成してもよい。しかしながら、受信機100が、アクティブセットsactの少なくとも1つの信号源から少なくとも1つの信号を追跡することができないとした場合、交換要求は、内部で生成してもよい。
【0057】
さらに、1つ以上の以下の要求が満たされれば、交換要求が生じ得る。
(i)第1の推定処理能力は、アクティブセットsactの信号源から受信した無線信号SHFに基づいて、位置/時間関連データDPTを生成するのに必要であり、追加セットsaddから少なくとも1つの信号源を含む信号源の少なくとも1つの別の組合せに基づいて、位置/時間関連データDPTを生成するのに必要な該推定処理能力を反映する少なくとも1つの第2の推定処理能力を算出し、少なくとも1つの第2の推定処理能力は、第1の推定処理能力よりも低い。
(ii)少なくとも1つの第1の形状パラメータは、アクティブセットsactの信号源の各々の空間位置を反映し、少なくとも1つの第2の形状パラメータは、追加セットsaddの信号源の各々の空間位置を反映し、少なくとも1つの第1及び第2の形状パラメータ間の関係は、追加セットsaddの少なくとも1つの信号源を含む信号源の少なくとも1つの別の組合せに基づいて、位置/時間関連データDPTを生成するのにより有利であることを示す。或いは、
(iii)生成された位置/時間関連データDPTの最低許容精度を特定する位置制約を定義する。この制約は、アクティブセットsactの信号源から受信した無線信号SHFと合致することはできない。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、処理ユニット135は、特に、追加セットsaddからアクティブセットsactに第1の数の信号源を転送し、反対に、アクティブセットsactから追加セットsaddに第1の数の信号源を転送するようになっている。従って、アクティブセットsactの信号源の数は、一定のままである。従って、追加セットsaddの信号源の数も、通常、一定に保たれる。しかしながら、アクティブセットsactの1つ以上の信号源からの無線信号の受信途切れにより転送が行われるならば、追加セットsaddのサイズは、そのために少なくとも一時的に小さくなる場合がある。反対に、処理ユニット135は、通常、ユニットの仰角マスクよりも上にちょうど昇ってきた衛星の現在の追跡パラメータデータを持っていない。この場合、処理ユニットは、アクティブセットSactから追加セットsaddに信号源を転送し、解放されたばかりの追跡リソースを用いてアクティブセットsactに新たに利用可能な信号源を含め、通常の方法で新たに利用可能な信号源に対する現在の追跡パラメータデータを決定するようになっている。従って、saddのサイズも、少なくとも一時的に増す場合がある。それにもかかわらず、追跡リソースの総数は、この場合には変わらないため、受信機が消費する電力は実質的に増加しない。
【0059】
さらに、アクティブセットsact及び追加セットsaddのリビジョンが適している他の状況がある。上述のように、エフェメリスデータは、アクティブセットsactの信号源を排他的に更新する。従って、追加セットsaddの信号源に対してエフェメリスデータを更新するようになることが可能である。そのため、本発明の一実施形態によれば、処理ユニット135は、追加セットsaddの各信号源に対して、信号源に関するエフェメリスデータを発行してからのエフェメリス年齢を繰返しインスタンスで決定するようになっている。エフェメリス年齢が閾値を超える場合、処理ユニット135はさらに、エフェメリス年齢が閾値を超える追加セットsaddから各信号源のアクティブセットsactに包含することを特定する交換要求を生成させるようになっている。これに対し、アクティブセットsactの信号源に対するエフェメリスデータは、連続的にリフレッシュされる。
【0060】
本発明の別の実施形態によれば、追加セットsaddの少なくとも1つの信号源が、アクティブセットsactの信号源からの無線信号SHFを受信機100により受信する主要周波数帯域とは異なる周波数帯域で追加の無線信号SHFを送信すると想定している。例えば、アクティブセットsactの信号源は、L5/E5a帯域(比較的広帯域)で無線信号SHFを送信することができ、追加セットsaddの信号源は、L1帯域(比較的狭帯域)で無線信号SHFを送信することができる。ここで、処理ユニット135は、アクティブセットsact(即ち、ここではL5/E5a帯域)の少なくとも1つの信号源から受信した少なくとも1つの無線信号SHFと、追加セットsadd(即ち、ここではL1帯域)の少なくとも1つの信号源から受信した少なくとも1つの無線信号SHFとに基づいて、信号源と受信機100との間の電離層遅延を反映する送信パラメータを測定するようになっている。従って、受信機が動作する無線環境に影響を及ぼす電離圏の重要な特性について、処理電力上、比較的低コストで決定することができる。
【0061】
本発明の別の或いは補足的な実施形態によれば、処理ユニット135は、アクティブセットsact(例:比較的広帯域のL2帯域)の少なくとも1つの信号源から受信した少なくとも1つの無線信号SHFと、追加セットsadd(例:比較的広帯域のL1帯域)の少なくとも1つの信号源から受信した少なくとも1つの無線信号SHFとに基づいて、リアルタイムキネマティクスに関わるキャリア曖昧さを解決するようになっている。その結果、非常に穏やかな処理強度で高精度のナビゲーションを達成することができる。
【0062】
GNSSでは、1つの衛星が、2つ以上の周波数帯域で信号を送信する機器を含むことはまれではなく、例えば、共通ユニットに実装される2つの送信機チェーンによって代表される。従って、上述の両実施形態では、衛星から第1周波数帯域で送信される第1の信号をアクティブセットsactに、第2周波数帯域で送信された同じ衛星からの第2の信号を追加セットsaddに含めることが可能である(ある用途では、可能であることが好ましい)。
【0063】
図4の流れ図を参照しながら本発明の好適な実施形態によるGNSS受信機の制御方法について要約して説明する。
【0064】
第1ステップ410は、位置/時間関連データを生成するように、無線信号処理ユニットにおける信号源のアクティブセットから送信された無線信号を処理する。ここで、信号は、アクティブセットの各信号源に割り当てた各追跡チャネルリソースにより、信号のリアルタイム信号データ転送速度にて並列処理される。
【0065】
ステップ410と並列実行されるもう一つのステップ420は、無線信号処理ユニットの少なくとも1つのモニタリングチャネルリソースを介して、追加セットの少なくとも2つの信号源の各々から送信された無線信号を処理する。追加セットは、アクティブセットの信号源とは異なる信号源を含む。さらに、追加セットの信号源からの信号は、循環処理シーケンスに従って処理される。該循環処理シーケンスは、シーケンスの第1フェーズ中に第1の追加信号源からの信号を処理し、シーケンスの少なくとも1つの第2フェーズ中に少なくとも1つの第2の追加信号源からの信号を処理することを含む。これらのフェーズの各々で、追加セットの1つの信号源から受信した無線信号に関する各パラメータセットを決定する。このように決定されたパラメータセットは、それに基づいて追加セットの1つ以上の信号源の追跡を瞬時に行うことができるように、追跡パラメータデータを含む。
【0066】
提案された方法は、ステップ410及び420を包含するが、本発明の好適な実施形態によれば、これらのステップは、ステップ430に引き継がれ、ここで、アクティブセット及び/又は追加セットの少なくとも1つの信号源に関する交換要求を受信したか否かを調査する。そうである場合には、ステップ440に続き、そうでなければ、手順は、ステップ410及び420にループバックする。
【0067】
ステップ440では、アクティブセットへ、及び/又は、アクティブセットから少なくとも1つの信号源を転送する。その後、手順は、ステップ410及び420にループバックする。
【0068】
図4を参照して説明した上記の全てのステップのみならず、任意のサブシーケンスのステップは、予めプログラミングしているコンピュータ装置により制御することができる。さらに、図面を参照しながら上述した本発明の実施形態では、コンピュータ装置とコンピュータ装置で行われた処理とを含んでいるが、本発明は、そのため、コンピュータプログラム、とりわけ、本発明を実用化するようになっている、キャリア上又はキャリアのコンピュータプログラムにも及んでいる。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、中間ソースコード、及び部分的にコンパイルされた形態のオブジェクトコードの形態であってもよく、或いは、本発明によるプロシージャの実装における使用に適する任意の他の形態であってもよい。プログラムは、オペレーティング・システムの一部であってもよく、或いは別のアプリケーションであってもよい。キャリアは、プログラムを持ち運ぶことができる任意のエンティティ若しくはデバイスであってもよい。例えば、キャリアは、フラッシュメモリ、ROM(読取り専用メモリ)、例えばDVD(デジタルビデオ/多目的ディスク)、CD(コンパクトディスク)、EPROM(消去可能プログラム可能読取り専用メモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラム可能読取り専用メモリ)、又は、磁気記録媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク若しくはハードディスクなどの記憶媒体を含むことができる。さらに、キャリアは、電気又は光ケーブルを介して、或いは、無線若しくは他の手段によって送信することができる電気又は光信号などの伝播性のキャリアであってもよい。ケーブル又は他のデバイス若しくは手段によって直接送信することができる信号でプログラムを具現化する場合、キャリアは、そのようなケーブル又はデバイス若しくは手段によって構成されていてもよい。或いは、キャリアは、プログラムが埋め込まれている集積回路であってもよく、集積回路は、関連プロシージャを行うか若しくは関連プロシージャの実施において使用するようになっている。
【0069】
「含む/含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載されている特徴、整数、ステップ、又は部品が存在していることを示すものである。しかしながら、用語は、1つ以上の追加の特徴、整数、ステップ又は部品若しくはそれらの集合の存在や追加を妨げるものではない。
【0070】
本明細書におけるいずれの従来技術の引用は、引用した従来技術がオーストラリアにおける一般常識の一部を形成するという承認又はいかなる示唆として解釈せず、かつ、解釈されるべきではない。
【0071】
本発明は、図中で説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で自由に変更することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)のアクティブセット(sact)から送信された無線信号(SHF)を処理し、それに基づいて位置/時間関連データ(DPT)を生成するようになっている無線信号処理ユニット(135)を含み、前記信号が、前記アクティブセット(sact)の各信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)に割り当てた各追跡チャネルリソース(T1、T2、T3、T4、T5、T6)により、前記信号のリアルタイム信号データ転送速度にて並列処理されるGNSS受信機(100)であって、
前記処理ユニット(135)は、前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)と異なる信号源の追加セット(sadd)の少なくとも2つの信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)の各々から送信された無線信号(SHF)を処理するようになっている少なくとも1つのモニタリングチャネルリソース(M)を含み、前記処理ユニット(135)は、循環処理シーケンス(σ)に従って前記追加セット(sadd)の前記信号源から前記無線信号(SHF)を処理するようになっており、前記循環処理シーケンス(σ)は:
前記シーケンス(σ)の第1フェーズ(ph1)中に第1の追加信号源(SV5)からの信号を処理する工程と、
前記シーケンス(σ)の少なくとも1つの第2フェーズ(ph2、ph3、ph4)中に少なくとも1つの第2の追加信号源(SV6、SV7、SV10)からの信号を処理する工程と、
前記フェーズ(ph1、ph2、ph3、ph4)の各々で、前記追加セット(sadd)の1つの信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した前記無線信号(SHF)に関する、追跡パラメータデータを含むパラメータセット(P1、P2、…、Pn)の各々を決定する工程と、
を含むことを特徴とするGNSS受信機(100)。
【請求項2】
前記パラメータセット(P1、P2、…、Pn)が信号対雑音推定値を含む請求項1に記載の受信機(100)。
【請求項3】
前記追跡パラメータデータが、
所与の信号源の特性を示す拡散コードのオフセットに関するコードフェーズ測定値と、
各信号源の公称搬送周波数からの偏移を表わすドップラー周波数推定値と、
観測された各信号源から受信した変調信号のフェーズと、それと同一の変調信号をローカルで生成した参照用コピーとの間の関係を表わすコードフェーズ推定値と、
を含む請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の受信機(100)。
【請求項4】
前記処理ユニット(135)が、
前記追加セット(sadd)から前記アクティブセット(sact)に第1の数の信号源を転送し、
前記アクティブセット(sact)から前記追加セット(sadd)に前記第1の数の信号源を転送するようになっている請求項1〜3のいずれか1項に記載の受信機(100)。
【請求項5】
前記処理ユニット(135)が、前記追跡チャネルリソース(T1、T2、T3、T4、T5、T6)処理の外部にある処理からの交換要求に応答して、前記アクティブセット及び追加セット(sact;sadd)間で信号源の転送を行うようになっている請求項4に記載の受信機(100)。
【請求項6】
前記交換要求が、
前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)から受信した前記無線信号(SHF)と、前記追加セット(sadd)の前記信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)のそれぞれに基づいて前記位置/時間関連データ(DPT)を生成するのに必要な推定処理能力と、
前記アクティブセット(sact)の各前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)と、前記追加セット(sadd)の各前記信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)との空間位置を反映する少なくとも1つの形状パラメータと、
前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)から受信した前記信号に基づいて生成された前記位置/時間関連データ(DPT)の最低許容精度を特定する位置制約と、
前記アクティブセット(sact)の少なくとも1つの前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)からの無線信号(SHF)の受信における途切れと、
前記アクティブセット(sact)の少なくとも1つの前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)から受信した少なくとも1つの信号に関する追跡失敗と、
の少なくとも1つに基づいている請求項5に記載の受信機(100)。
【請求項7】
前記受信機が、前記アクティブセット及び追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6、SV7、SV8、SV9、SV10)にわたる信号源記録(310)を含み、前記信号源記録(310)が、各前記信号源に対して、追跡パラメータデータ、信号対雑音推定値、及び、地球(200)に対する前記信号源の経時的な動きを表すエフェメリスデータを特定する一連のパラメータ(P1、P2、…、Pn)を含み、前記処理ユニット(135)が、
前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)から受信した無線信号(SHF)に基づいて、前記追跡パラメータデータ、前記信号対雑音推定値、及び前記エフェメリスデータと、
前記追加セット(sadd)の前記信号源(SV1、SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した無線信号(SHF)に基づいて、前記追跡パラメータデータ及び前記信号対雑音推定値と、
を繰り返し更新するようになっている請求項2及び請求項6に記載の受信機(100)。
【請求項8】
前記受信機が、前記アクティブセット及び追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6、SV7、SV8、SV9、SV10)にわたる信号源記録(310)を含み、前記信号源記録(310)が、各前記信号源に対して、追跡パラメータデータ、信号対雑音推定値、及び、地球(200)に対する前記信号源の経時的な動きを表すエフェメリスデータを特定する一連のパラメータ(P1、P2、…、Pn)を含み、前記処理ユニット(135)が、
前記アクティブセット又は追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9;SV1、SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した無線信号(SHF)に基づいた前記信号対雑音推定値と、
前記アクティブセット又は追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9;SV1、SV5、SV6、SV7、SV10)のいずれとも異なる補助送信機から受信した無線信号に基づいて、少なくとも1つの補助信号源に対する少なくとも1つの前記追跡パラメータデータ及び前記エフェメリスデータと、
前記アクティブセット及び追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9;SV1、SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した無線信号(SHF)に基づいて、前記少なくとも1つの補助信号源以外の各信号源に対する残りの追跡パラメータデータ及びエフェメリスデータと、
を繰り返し更新するようになっている請求項2及び請求項6に記載の受信機(100)。
【請求項9】
前記処理ユニット(135)が、
前記追加セット(sadd)の各信号源に対して、前記信号源に関する前記エフェメリスデータを発行してからのエフェメリス年齢を繰返しインスタンスで決定し、前記エフェメリス年齢が閾値を超える場合、
エフェメリス年齢が前記閾値を超える前記追加セット(sadd)から各信号源のアクティブ(sact)に包含することを特定する交換要求を生成させるようになっている請求項7又は請求項8のいずれか1項に記載の受信機(100)。
【請求項10】
前記追加セット(sadd)の少なくとも1つの前記信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)が、前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)からの無線信号(SHF)を前記受信機により受信する主要周波数帯域とは異なる二次周波数帯域で無線信号(SHF)を送信し、前記処理ユニット(135)が、前記アクティブセット(sact)の少なくとも1つの信号源から前記主要周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号(SHF)と、前記追加セット(sadd)の前記少なくとも1つの信号源から前記二次周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号(SHF)とに基づいて、前記信号源と受信機(100)との間の電離層遅延を反映する送信パラメータを測定するようになっている請求項1〜9のいずれか1項に記載の受信機(100)。
【請求項11】
前記追加セット(sadd)の少なくとも1つの前記信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)が、前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)からの無線信号(SHF)を前記受信機により受信する主要周波数帯域とは異なる二次周波数帯域で無線信号(SHF)を送信し、前記処理ユニット(135)が、前記アクティブセット(sact)の少なくとも1つの信号源から前記主要周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号(SHF)と、前記追加セット(sadd)の前記少なくとも1つの信号源から前記二次周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号(SHF)とに基づいて、リアルタイムキネマティクスに関わるキャリア曖昧さを解決するようになっている請求項1〜10のいずれか1項に記載の受信機(100)。
【請求項12】
前記信号処理ユニット(135)が、プロセッサ(130)上で動作するソフトウェア(135s)に少なくとも部分的に実装される請求項1〜11のいずれか1項に記載の受信機(100)。
【請求項13】
信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)のアクティブセット(sact)から送信された無線信号(SHF)を処理し、それに基づいて位置/時間関連データ(DPT)を生成するようになっている無線信号処理ユニット(135)を含むGNSS受信機(100)の動作方法であって、前記方法は、前記アクティブセット(sact)の各信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)に割り当てた各追跡チャネルリソース(T1、T2、T3、T4、T5、T6)により、前記信号のリアルタイム信号データ転送速度にて前記信号を並列処理する工程を含み、
循環処理シーケンス(σ)に従って前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)と異なる信号源の追加セット(sadd)の少なくとも2つの信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)の各々から送信された無線信号(SHF)を処理する工程と、前記循環処理シーケンス(σ)は:
前記シーケンス(σ)の第1フェーズ(ph1)中に第1の追加信号源(SV5)からの信号を処理する工程と、
前記シーケンス(σ)の少なくとも1つの第2フェーズ(ph2、ph3、ph4)中に少なくとも1つの第2の追加信号源(SV6、SV7、SV10)からの信号を処理する工程と、
前記フェーズ(ph1、ph2、ph3、ph4)の各々で、前記追加セット(sadd)の1つの信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した前記無線信号(SHF)に関する、追跡パラメータデータを含むパラメータセット(P1、P2、…、Pn)の各々を決定する工程と、
を含むことを特徴とするGNSS受信機(100)の動作方法。
【請求項14】
前記パラメータセット(P1、P2、…、Pn)が信号対雑音推定値を含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記追跡パラメータデータが、
所与の信号源の特性を示す拡散コードのオフセットに関するコードフェーズ測定値と、
各信号源の公称搬送周波数からの偏移を表わすドップラー周波数推定値と、
観測された各信号源から受信した変調信号のフェーズと、それと同一の変調信号をローカルで生成した参照用コピーとの間の関係を表わすコードフェーズ推定値と、
を含む請求項13〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記追加セット(sad)から前記アクティブセット(sact)に第1の数の信号源を転送する工程と、
前記アクティブセット(sact)から前記追加セット(sadd)に前記第1の数の信号源を転送する工程と、
を含む請求項14〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記追跡チャネルリソース(T1、T2、T3、T4、T5、T6)処理の外部にある処理からの交換要求に応答して、前記アクティブセット及び追加セット(sact;sadd)間で信号源の転送を行う工程を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記交換要求が、
前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)から受信した前記無線信号(SHF)と、前記追加セット(sadd)の前記信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)のそれぞれに基づいて前記位置/時間関連データ(DPT)を生成するのに必要な推定処理能力と、
前記アクティブセット(sact)の各前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)と、前記追加セット(sadd)の各前記信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)との空間位置を反映する少なくとも1つの形状パラメータと、
前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)から受信した前記信号に基づいて生成された前記位置/時間関連データ(DPT)の最低許容精度を特定する位置制約と、
前記アクティブセット(sact)の少なくとも1つの前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)からの無線信号(SHF)の受信における途切れと、
前記アクティブセット(sact)の少なくとも1つの前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)から受信した少なくとも1つの信号に関する追跡失敗と、
の少なくとも1つに基づいている請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記受信機が、前記アクティブセット及び追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6、SV7、SV8、SV9、SV10)にわたる信号源記録(310)を含み、前記信号源記録(310)が、各前記信号源に対して、追跡パラメータデータ、信号対雑音推定値、及び、地球(200)に対する前記信号源の経時的な動きを表すエフェメリスデータを特定する一連のパラメータ(P1、P2、…、Pn)を含み、前記方法が、
前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)から受信した無線信号(SHF)に基づいて、前記追跡パラメータデータ、前記信号対雑音推定値、及び前記エフェメリスデータと、
前記追加セット(sadd)の前記信号源(SV1、SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した無線信号(SHF)に基づいて、前記追跡パラメータデータ及び前記信号対雑音推定値と、
を繰り返し更新する工程を含む請求項14及び請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記受信機が、前記アクティブセット及び追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV5、SV6、SV7、SV8、SV9、SV10)にわたる信号源記録(310)を含み、前記信号源記録(310)が、各前記信号源に対して、追跡パラメータデータ、信号対雑音推定値、及び、地球(200)に対する前記信号源の経時的な動きを表すエフェメリスデータを特定する一連のパラメータ(P1、P2、…、Pn)を含み、前記方法が、
前記アクティブセット又は追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9;SV1、SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した無線信号(SHF)に基づいた前記信号対雑音推定値と、
前記アクティブセット又は追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9;SV1、SV5、SV6、SV7、SV10)のいずれとも異なる補助送信機から受信した無線信号に基づいて、少なくとも1つの補助信号源に対する少なくとも1つの前記追跡パラメータデータ及び前記エフェメリスデータと、
前記アクティブセット及び追加セット(sact;sadd)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9;SV1、SV5、SV6、SV7、SV10)から受信した無線信号(SHF)に基づいて、前記少なくとも1つの補助信号源以外の各信号源に対する残りの追跡パラメータデータ及びエフェメリスデータと、
を繰り返し更新する工程を含む請求項14及び請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記追加セット(sadd)の各信号源に対して、前記信号源に関する前記エフェメリスデータを発行してからのエフェメリス年齢を繰返しインスタンスで決定する工程と、前記エフェメリス年齢が閾値を超える場合、
エフェメリス年齢が前記閾値を超える前記追加セット(sadd)から各信号源のアクティブ(sact)に包含することを特定する交換要求を生成させる工程と、
を含む請求項19又は請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記追加セット(sadd)の少なくとも1つの前記信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)が、前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)からの無線信号(SHF)を前記受信機により受信する主要周波数帯域とは異なる二次周波数帯域で無線信号(SHF)を送信し、前記方法が、前記アクティブセット(sact)の少なくとも1つの信号源から前記主要周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号(SHF)と、前記追加セット(sadd)の前記少なくとも1つの信号源から前記二次周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号(SHF)とに基づいて、前記信号源と受信機(100)との間の電離層遅延を反映する送信パラメータを導き出す工程を含む請求項13〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記追加セット(sadd)の少なくとも1つの前記信号源(SV5、SV6、SV7、SV10)が、前記アクティブセット(sact)の前記信号源(SV1、SV2、SV3、SV4、SV8、SV9)からの無線信号(SHF)を前記受信機により受信する主要周波数帯域とは異なる二次周波数帯域で無線信号(SHF)を送信し、前記方法が、前記アクティブセット(sact)の少なくとも1つの信号源から前記主要周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号(SHF)と、前記追加セット(sadd)の前記少なくとも1つの信号源から前記二次周波数帯域で受信した少なくとも1つの無線信号(SHF)とに基づいて、リアルタイムキネマティクスに関わるキャリア曖昧さを解決する工程を含む請求項13〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記プログラムがコンピュータで起動する際に請求項13〜23のいずれかのステップを制御するソフトウェアを含む、前記コンピュータのメモリにロード可能なコンピュータプログラム。
【請求項25】
プログラムをコンピュータにロードする際に請求項13〜23のいずれかのステップをコンピュータに制御させる前記プログラムを記録したコンピュータ可読媒体(140)。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−530961(P2010−530961A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512109(P2010−512109)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/SE2007/050410
【国際公開番号】WO2008/153457
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(508159400)ノルドナブ テクノロジーズ エー ビー (4)
【Fターム(参考)】