説明

IAP阻害剤化合物のためのバイオマーカー

IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILレベルを測定する工程とを含む、どの患者がIAP阻害化合物に反応するかを予想する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
本開示は、どの患者がIAP阻害化合物(IAP inhibiting compound)に反応するかを予想する方法に関する。このような方法は、IAP阻害剤化合物(IAP inhibitor compound)を患者に投与する工程と、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよび/またはTRAILレベルを測定する工程とを含む。
【背景技術】
【0002】
開示の背景
IAP阻害剤化合物は、サイトカインであるTNFの上昇した基礎発現レベルを有することが知られている腫瘍細胞系のサブセットに対して単剤活性(single agent activity)を示す。この活性についての分子的基盤は、IAP阻害剤化合物がCIAP1タンパク質の急速な分解を誘発する能力にある。CIAP1は通常TNFシグナル伝達カスケードにおいて機能し、RIPKをトランスユビキチン化するが、これはNFKBシグナル伝達のために必須な修飾である。CIAP1の非存在下で、RIPKはこれらの修飾を喪失し、TNFは強力にアポトーシス促進性となる。TRAILリガンドはまた、IAP阻害剤化合物についての強力な相乗的組合せパートナーであることが報告されてきた。TNFおよびTRAIL以外に、腫瘍細胞の死滅においてIAP阻害剤化合物と相乗作用を示すサイトカインは定義されてこなかった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
開示の要旨
本開示は、IAP阻害剤化合物が媒介する細胞死を増強する能力について、全TNFスーパーファミリー、およびさらなるサイトカインを評価する。本開示は、本明細書に下記で記載されているように、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有するどの個体がIAP阻害剤化合物による治療に反応するかを決定する方法を提供することによって、IAP阻害剤化合物の使用の欠点を克服する。
【0004】
別の実施形態において、本開示は、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患の治療のための、IAPへのSmacタンパク質の結合を阻害する化合物(「IAP阻害剤」)の使用、ならびにIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を治療するための医薬を製造するための方法、ならびにIAP阻害剤が、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患、特に、サイトカイン産生によってもたらされる増殖性疾患(がん、関節炎、敗血症、がんが関連する悪液質、クローン病および他の炎症性障害など)を患っている温血動物に投与される、ヒトを含めた温血動物を治療する方法に関する。
【0005】
一実施形態において、IAP阻害剤は、本出願において化合物Aとも称される(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミドである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、LTaによるA2058メラノーマ細胞の処理の影響を例示する図である。
【図2】図2は、IAP阻害剤化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、TWEAKによるA2058メラノーマ細胞の処理の影響を例示する図である。
【図3】図3は、IAP阻害剤化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、LIGHTによるA2058メラノーマ細胞の処理の影響を例示する図である。
【図4】図4は、IAP阻害剤化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、FasによるA2058メラノーマ細胞の処理の影響を例示する図である。
【図5】図5は、IAP阻害剤化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、IL−1BによるA2058メラノーマ細胞の処理の影響を例示する図である。
【図6】図6は、IAP阻害剤化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、TRAILによるA2058メラノーマ細胞の処理の影響を例示する図である。
【図7】図7は、IAP阻害剤化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、TNFαによるA2058メラノーマ細胞の処理の影響を例示する図である。
【図8】図8は、非感受性がん細胞系ではなく感受性がん細胞系における化合物Aが誘発するTNF−αを例示する図である。
【図9】図9は、RelBではなくRelAが、化合物Aが誘発するTNFαのために必要であることを例示する図である。
【図10】図10は、乳がん腫瘍細胞系異種移植片における化合物Aによる処理が誘発するTNFαを例示する図である。
【図11】図11は、TNFα発現が、ヒト原発性の乳房および肺の腫瘍異種移植片における化合物Aに対する反応と相関することを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
開示の詳細な説明
この開示の一実施形態は、
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)前記患者において、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよび/またはTRAILレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有する患者中で、どの患者がIAP阻害剤化合物に反応するかを予想する方法を提供する。
【0008】
患者における上記レベル(複数可)がIAP阻害剤化合物の投与によって増加した場合、これは化合物が作用していることを示す。
【0009】
この開示の別の実施形態は、
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)前記患者において、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよびTRAILレベルからなる群の少なくとも1つのレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有する患者中で、どの患者がIAP阻害剤化合物に反応するかを予想する方法を提供する。
【0010】
患者において測定したレベル(複数可)のうちの少なくとも1つがIAP阻害剤化合物の投与によって増加した場合、これは化合物が作用していることを示す。
【0011】
この開示の別の実施形態は、
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)前記患者において、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよびTRAILレベルからなる群の少なくとも2つのレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有する患者中で、どの患者がIAP阻害剤化合物に反応するかを予想する方法を提供する。
【0012】
患者において測定したレベルのうちの少なくとも2つがIAP阻害剤化合物の投与によって増加した場合、これは化合物が作用していることを示す。
【0013】
この開示の別の実施形態は、
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)前記患者において、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよびTRAILレベルからなる群の少なくとも3つのレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有する患者中で、どの患者がIAP阻害剤化合物に反応するかを予想する方法を提供する。
【0014】
患者において測定したレベルのうちの少なくとも3つがIAP阻害剤化合物の投与によって増加した場合、これは化合物が作用していることを示す。
【0015】
この開示の別の実施形態は、
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)前記患者において、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよびTRAILレベルからなる群の少なくとも4つのレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有する患者中で、どの患者がIAP阻害剤化合物に反応するかを予想する方法を提供する。
【0016】
患者において測定したレベルのうちの少なくとも4つがIAP阻害剤化合物の投与によって増加した場合、これは化合物が作用していることを示す。
【0017】
この開示の別の実施形態は、
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)前記患者において、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよびTRAILレベルからなる群の少なくとも5つのレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有する患者中で、どの患者がIAP阻害剤化合物に反応するかを予想する方法を提供する。
【0018】
患者において測定したレベルのうちの少なくとも5つがIAP阻害剤化合物の投与によって増加した場合、これは化合物が作用していることを示す。
【0019】
この開示の別の実施形態は、
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)前記患者において、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよびTRAILレベルからなる群の少なくとも6つのレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有する患者中で、どの患者がIAP阻害剤化合物に反応するかを予想する方法を提供する。
【0020】
患者において測定したレベルのうちの少なくとも6つがIAP阻害剤化合物の投与によって増加した場合、これは化合物が作用していることを示す。
【0021】
別の実施形態において、本開示は、構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を治療するための医薬の製造のための、IAPへのSmacタンパク質の結合を阻害する化合物(「IAP阻害剤」)の使用に関する。
【0022】
本開示はまた、TNF−α、インターフェロン−αもしくはインターフェロン−γ、またはIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達をモジュレートする他の薬剤と組み合わせてIAP阻害剤を投与することによって、構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を治療する方法に関する。
【0023】
本開示において使用するためのIAP阻害剤の例には、式Iの化合物、
【化4】


または医薬的に許容されるその塩が含まれ、式中、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、Rは、非置換または置換されていてもよく;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C10シクロアルキルであり、Rは、非置換または置換されていてもよく;
は、H、CF、C、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、CH−Zであり、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはhet環は、非置換または置換されていてもよく;
Zは、H、OH、F、Cl、CH、CHCl、CHFまたはCHOHであり;
は、C0〜10アルキル、C〜C10シクロアルキルであり、C0〜10アルキル、またはシクロアルキル基は、非置換または置換されており;
Aは、置換されていてもよくまたは非置換でもよいhetであり;
Dは、C〜CアルキレンまたはC〜Cアルケニレン、C(O)、O、NR、S(O)r、C(O)−C〜C10アルキル、O−C〜C10アルキル、S(O)r−C〜C10アルキル、C(O)C〜C10アリールアルキルOC〜C10アリールアルキル、またはS(O)rC〜C10アリールアルキルであり、アルキルおよびアリール基は、非置換または置換されていてもよく;
rは、0、1、または2であり;
は、置換アリールまたは非置換もしくは置換hetであり、アリールおよびhet上の置換基は、ハロ、低級アルコキシ、NR、CN、NOまたはSRであり;
各Qは、独立に、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリールC〜C10アルコキシ、OH、O−C〜C10−アルキル、(CH0〜6−C〜Cシクロアルキル、アリール、アリールC〜C10アルキル、O−(CH0〜6アリール、(CH1〜6het、het、O−(CH1〜6het、−OR11、C(O)R11、−C(O)N(R11)(R12)、N(R11)(R12)、SR11、S(O)R11、S(O)11、S(O)−N(R11)(R12)、またはNR11−S(O)−(R12)であり、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換または置換されており;
nは、0、1、2または3、4、5、6または7であり;
hetは、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ環原子を含有する5〜7員の単環式複素環、またはN、OおよびSから選択される1個、2個、もしくは3個のヘテロ環原子を含有する1つの5〜7員の単環式複素環を含む8〜12員の縮合環系であり、hetは、非置換または置換されており;
11およびR12は、独立に、H、C〜C10アルキル、(CH0〜6−C〜Cシクロアルキル、(CH0〜6−(CH)0〜1(アリール)1〜2、C(O)−C〜C10アルキル、−C(O)−(CH1〜6−C〜Cシクロアルキル、−C(O)−O−(CH0〜6−アリール、−C(O)−(CH0〜6−O−フルオレニル、C(O)−NH−(CH0〜6−アリール、C(O)−(CH0〜6−アリール、C(O)−(CH1〜6−het、−C(S)−C〜C10アルキル、−C(S)−(CH1〜6−C〜Cシクロアルキル、−C(S)−O−(CH0〜6−アリール、−C(S)−(CH0〜6−O−フルオレニル、C(S)−NH−(CH0〜6−アリール、−C(S)−(CH0〜6−アリールまたはC(S)−(CH1〜6−het、C(O)R11、C(O)NR1112、C(O)OR11、S(O)nR11、S(O)NR1112、m=1または2、C(S)R11、C(S)NR1112、C(S)OR11であり、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換または置換されており;あるいはR11およびR12は、細胞膜を通る分子の輸送を促進する置換基であり;あるいはR11およびR12は、窒素原子と一緒にhetを形成し;
11およびR12のアルキル置換基は、非置換であるか、またはC〜C10アルキル、ハロゲン、OH、O−C〜Cアルキル、−S−C〜Cアルキル、CFもしくはNR1112から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
11およびR12の置換シクロアルキル置換基は、C〜C10アルケン;C〜Cアルキル;ハロゲン;OH;O−C〜Cアルキル;S−C〜Cアルキル、CF;またはNR1112から選択される1個以上の置換基で置換されており、そして、
11およびR12の置換hetまたは置換アリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ニトロ、CN O−C(O)−C〜CアルキルおよびC(O)−O−C〜C−アルキルから選択される1個以上の置換基で置換されており、
、RおよびRは、独立に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキル低級アルキルであり、そして、
、R、R、R、Q、およびAおよびA基上の置換基は、独立に、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、アリール、アリール低級アルキル、アミノ、アミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、アミノ低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、シアノ低級アルキル、カルボキシ、低級カルバルコキシ(lower carbalkoxy)、低級アルカノイル、アリーロイル(aryloyl)、低級アリールアルカノイル、カルバモイル、N−モノもしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルキルカルバミン酸エステル、アミジノ、グアニジン、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、スルホアミノ、スルホンアミド、ベンゾスルホンアミド、スルホネート、スルファニル低級アルキル、アリールスルホンアミド、ハロゲン置換アリールスルホネート、低級アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル;アリール−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルアリールスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−低級アルキルスルホニル、低級アリールアルキル低級アルキルアリールスルホニル、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、ハロゲン−低級アルキルスルホニル、ホスホノ(−P(=O)(OH))、ヒドロキシ−低級アルコキシホスホリルもしくはジ−低級アルコキシホスホリル、(R)NC(O)−NR1013、低級アルキルカルバミン酸エステルまたはカルバメートまたは−NR14であり、RおよびR14は、同じでも、または異なっていてもよく、かつ、独立に、Hまたは低級アルキルであり、あるいはRおよびR14は、N原子と一緒になって、窒素ヘテロ環原子を含有する3〜8員の複素環を形成し、かつ窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のさらなるヘテロ環原子を必要により含有してもよく、複素環は、非置換であっても、または低級アルキル、ハロ、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、低級アルキル、アミノ、ジ低級アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、低級カルバルコキシ、ホルミル、低級アルカノイル、オキソ、カルバルモイル(carbarmoyl)、N−低級もしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、メルカプト、もしくは低級アルキルチオで置換されていてもよく、そして、
、R10、およびR13は、独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、ハロゲン置換アリール、ハロゲン置換アリール低級アルキルである。式(I)の範囲内の化合物およびそれらの製造プロセスは、参照により本出願に組み込まれているUS60/835,000に開示されている。好ましい化合物は、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド(化合物II);(S)−N−[(S)−シクロヘキシル−(エチル−{(S)−1−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−プロピル}カルバモイル)−メチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド(化合物III);(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[5−(4−フルオロ−フェノキシ)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;およびN−[1−シクロヘキシル−2−(2−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−ピリジン−4−イル}ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−2−メチルアミノ−プロピンアミドおよび医薬的に許容されるその塩からなる群から選択される。
【0024】
他のIAP阻害剤の例には、参照により本出願に組み込まれている2005年10月20日に公表されたWO05/097791に開示されている化合物が含まれる。式(I)の範囲内の好ましい化合物は、本明細書において下記で化合物IIであるN−[1−シクロヘキシル−2−オキソ−2−(6−フェネチル−オクタヒドロ−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル−エチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミドである。
【0025】
さらなるIAP阻害剤には、全てが参照により本出願に組み込まれているWO04/005284、PCT/US2006/013984、PCT/US2006/021850に開示されている化合物が含まれる。
【0026】
本開示に使用するための他のIAP阻害剤化合物には、WO06/069063、WO05/069888、US2006/0014700、WO04/007529、US2006/0025347、WO06/010118、WO05/069894、WO06/017295、WO04/007529、WO05/094818に開示されているものが含まれる。
【0027】
一実施形態において、IAP阻害剤は、本出願において化合物Aとも称される、(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミドである。
【0028】
特許出願の引用が上記で示されている各場合において、化合物に関する主題は、参照により本出願に組み込まれる。含まれているのは、本明細書に開示されている、同様に、医薬的に許容されるその塩、相当するラセミ化合物、ジアステレオ異性体、エナンチオマー、互変異性体、ならびに上記の開示された化合物の相当する結晶変態(存在する場合)、例えば、溶媒和物、水和物および多形である。本開示の組合せにおける活性成分として使用される化合物は、各々、引用文献に記載されているように調製および投与することができる。またこの開示の範囲内であるのは、上記に記載の2種を超える別々の活性成分の組合せであり、すなわち、この開示の範囲内の医薬品の組合せ(pharmaceutical combination)には、3種以上の活性成分が含まれてもよい。
【0029】
(特に、チロシンタンパク質キナーゼ依存性疾患または障害の)「治療(treatment)」または「療法(therapy)」という用語は、前記疾患、特に下記の疾患の予防的、または好ましくは治療的(待機的(palliative)、治癒的、症状緩和的、症状軽減的、キナーゼ調節的および/もしくはキナーゼ阻害的なものが挙げられるが、これらに限定されない)な治療を意味する。
【0030】
温血動物(または患者)は、好ましくは哺乳動物、特に、ヒトである。
【0031】
下記または上記で「使用」という用語が(IAP阻害剤の使用に関して)(動詞または名詞として)言及される場合、これには(異なって示され、または文脈によって異なって示唆されない場合)、(別の言及がなければ)開示の下記の実施形態の任意の1つ以上が各々含まれる:別の言及がなければ必要に応じて都合よく、疾患(特に、過剰なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILによって媒介され、または増悪し、あるいは構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患)の治療における使用、過剰なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILによって媒介され、または増悪し、あるいは構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患の治療における使用のための医薬組成物の製造のための使用、過剰なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILによって媒介され、または増悪し、あるいは構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患の治療における1種以上のIAP阻害剤の使用方法、過剰なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILによって媒介され、または増悪し、あるいは構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる前記疾患の治療のための1種以上のIAP阻害剤を含む医薬調製物、ならびに過剰なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILによって媒介され、または増悪し、あるいは構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる前記疾患の治療における1種以上のIAP阻害剤。特に、治療される疾患、したがってIAP阻害剤の「使用」のために好ましい疾患は、過剰なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILによって媒介され、または増悪し、あるいは構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患から選択される。
【0032】
好ましいのは、腫瘍またはがん疾患、特に、好ましくは、良性腫瘍、または特に、悪性腫瘍もしくはがん疾患、さらに好ましくは固形腫瘍、例えば、脳、腎臓、肝臓、副腎、膀胱、乳房、胃(特に、胃腫瘍)、卵巣、結腸、直腸、前立腺、膵臓、肺(例えば、肺小細胞癌または肺大細胞癌)、膣、甲状腺の癌腫、肉腫、神経膠芽腫、多発性骨髄腫(MM)または胃腸がん、特に、結腸癌または結腸直腸腺腫、または頭頸部の腫瘍、例えば、頭頸部の扁平上皮癌(squameous carcinoma)、特に上皮性の新生物を含めた、例えば、乳癌の場合;表皮性過剰増殖(がん以外)、特に、乾癬;前立腺肥大;または白血病、特に、急性骨髄性白血病(AML)および慢性骨髄性白血病(CML)から選択される増殖性障害(特に、構成的なIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられるもの)の治療(予防を含めた)におけるIAP阻害剤の使用である。
【0033】
用いられるIAP阻害剤化合物の正確な投与量は、宿主、治療を受けている状態の性質および重症度、投与方法を含めていくつかの要因に依存する。IAP阻害剤化合物は、経口的、非経口的、例えば、腹腔内、静脈内、筋肉内、皮下、腫瘍内、または直腸、または経腸的を含めて、任意の経路によって投与することができる。好ましくは、IAP阻害剤化合物は、経口的に、好ましくは1〜300mg/kg体重の1日投与量で、または大部分のより大きな霊長類については、50〜5000mg、好ましくは500〜3000mgの1日投与量で投与する。好ましい経口1日投与量は、単回用量として、または1日2回投与などの多回用量に分割して投与する、1〜75mg/kg体重、または大部分のより大きな霊長類については、10〜2000mgの1日投与量である。
【0034】
通常、小用量を最初に投与し、治療を受けている宿主についての最適な投与量が決定されるまで投与量を徐々に増加させる。投与量の上限は、副作用によって決まるものであり、治療を受けている宿主についての治験によって決定することができる。
【0035】
投与レジメン(dosage regimen)は、特定の徴候、患者の年齢、体重、および全身の健康状態、ならびに所望の反応に対して用量設定しなくてはならないが、一般に用量は、単一または複数の1日当たりの投与において必要に応じて約10〜約500mg/日である。一般に、最初の治療レジメンは、本開示の化合物による他のIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILが媒介する病態についてのIL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAIL活性を妨害するのに有効であることが知られているものから複製することができる。治療を受けている個体は、T細胞数およびT4/T8比および/またはウイルス血症の基準(リバーストランスクリプターゼまたはウイルスタンパク質のレベルなど)について、ならびに/あるいはサイトカインが媒介する疾患に関連する問題(悪液質または筋変性など)の進行について定期的にチェックを受ける。通常の治療レジメンのすぐ後に効果がない場合、投与されるサイトカイン活性阻害剤の量を、例えば、1週間に50パーセント上昇させる。
【0036】
IAP阻害剤化合物は、1種以上の医薬的に許容される担体、および必要により、1種以上の他の通常の医薬アジュバントと合わせて、錠剤、カプセル剤、カプレットなどの形態で経腸的に、例えば経口的に、あるいは無菌の注射可能な溶液剤または懸濁剤の形態で非経口的に、例えば、腹腔内または静脈内に投与し得る。経腸および非経口用の組成物は、通常の手段によって調製し得る。
【0037】
下記の実施例は例示として提供し、本開示の範囲を制限することを意図しない。これらの実施例において同定したサイトカインは、単独療法に反応しそうな患者を選択する目的のために、化合物Aとして知られる(S)−N−((S)−1−シクロヘキシル−2−{(S)−2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミドを使用して、一般がん患者集団において血漿および/または腫瘍中で潜在的にモニターすることができる(potentially be monitoresd)。この開示は、化合物Aについての可能性のあるコンパニオン診断マーカー(potential companion diagnostic markers)として、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαおよびTRAILを同定する。
【実施例】
【0038】
実施例1: 化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、LTaによるA2058メラノーマ細胞の処理
1日目に、A2058接着性メラノーマ細胞(adherent melanoma cell)を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、90uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に90uLの培地中3000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37℃、5%COにて一晩18時間インキュベートする。
【0039】
2日目に、細胞を化合物AおよびLTαで処理する。処理は3連で行う。プレート1において、細胞を10uLの化合物Aによって1uMの最終濃度で最初に処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、処理ウェルにおいて0.2%最終濃度のDMSOを得る。次いで、細胞を10uLの段階希釈したLTαによって10ng、5ng、2.5ng、1.25ng、0.625ng、312.5pg、156.25pg、78.125pg、39.0625pgの最終濃度で処理する(および1つの未処理ウェル)。残りの細胞を10uLの段階希釈したLTαで処理する(化合物Aで処理しない)。プレート2を、0時間プレートとして使用する。細胞生存率を測定するために、50uLのCell Titer Glo(CTG)をA列(培地のみ)ならびにB列(細胞および培地)に加える。CTGは、発光リーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、次いで読み取る。
【0040】
5日目に、50uLのCTGをプレート1のA〜G列に加え、室温で10分間インキュベートし、発光プログラムで読み取る。生データは、0時間プレートおよびバックグラウンドノイズを説明するために調整する。3連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。データを折れ線グラフによって表す(図1に例示するように、x軸上にサイトカインの濃度およびy軸上に対照増殖パーセント)。
【0041】
実施例2: 化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、TWEAKによるA2058メラノーマ細胞の処理
1日目に、A2058接着性メラノーマ細胞を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、90uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に90uLの培地中3000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37℃、5%COにて一晩18時間インキュベートする。
【0042】
2日目に、細胞を化合物AおよびTWEAKで処理する。処理は3連で行う。プレート1において、細胞を10uLの化合物Aによって1uMの最終濃度で最初に処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、処理ウェルにおいて0.2%最終濃度のDMSOを得る。次いで、細胞を10uLの段階希釈したTWEAKによって156.25ng、78.125ng、39.06ng、19.53ng、9.77ng、4.88ng、2.44ng、1.22ng、610.35pgngの最終濃度で処理する(および1つの未処理ウェル)。残りの細胞を10uLの段階希釈したTWEAKで処理する(化合物Aで処理しない)。プレート2を、0時間プレートとして使用する。細胞生存率を測定するために、50uLのCell Titer Glo(CTG)をA列(培地のみ)ならびにB列(細胞および培地)に加える。CTGは、発光リーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、次いで読み取る。
【0043】
5日目に、50uLのCTGをプレート1のA〜G列に加え、室温で10分間インキュベートし、発光プログラムで読み取る。生データは、0時間プレートおよびバックグラウンドノイズを説明するために調整する。3連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。データを折れ線グラフによって表す(図2に例示するように、x軸上にサイトカインの濃度およびy軸上に対照増殖パーセント)。
【0044】
実施例3: 化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、LIGHTによるA2058メラノーマ細胞の処理
1日目に、A2058接着性メラノーマ細胞を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、90uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に90uLの培地中3000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37℃、5%COにて一晩18時間インキュベートする。
【0045】
2日目に、細胞を化合物AおよびLIGHTで処理する。処理は3連で行う。プレート1において、細胞を10uLの化合物Aによって1uMの最終濃度で最初に処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、処理ウェルにおいて0.2%最終濃度のDMSOを得る。次いで、細胞を10uLの段階希釈したLIGHTによって400ng、80ng、16ng、3.2ng、640pg、128pg、25.6pg、5.12pg、1.024pgの最終濃度で処理する(および1つの未処理ウェル)。残りの細胞を10uLの段階希釈したLIGHTで処理する(化合物Aで処理しない)。プレート2を、0時間プレートとして使用する。細胞生存率を測定するために、50uLのCell Titer Glo(CTG)をA列(培地のみ)ならびにB列(細胞および培地)に加える。CTGは、発光リーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、次いで読み取る。
【0046】
5日目に、50uLのCTGをプレート1のA〜G列に加え、室温で10分間インキュベートし、発光プログラムで読み取る。生データは、0時間プレートおよびバックグラウンドノイズを説明するために調整する。3連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。データを折れ線グラフによって表す(図3に例示するように、x軸上にサイトカインの濃度およびy軸上に対照増殖パーセント)。
【0047】
実施例4: 化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、FasによるA2058メラノーマ細胞の処理
1日目に、A2058接着性メラノーマ細胞を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、90uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に90uLの培地中3000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37℃、5%COにて一晩18時間インキュベートする。
【0048】
2日目に、細胞を化合物AおよびFasで処理する。処理は3連で行う。プレート1において、細胞を10uLの化合物Aによって1uMの最終濃度で最初に処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、処理ウェルにおいて0.2%最終濃度のDMSOを得る。次いで、細胞を10uLの段階希釈したFasによって30ng、15ng、7.5ng、3.75ng、1.875ng、937.5pg、468.75pg、234.375pg、117.2pgの最終濃度で処理する(および1つの未処理ウェル)。残りの細胞を10uLの段階希釈したFasで処理する(化合物Aで処理しない)。プレート2を、0時間プレートとして使用する。細胞生存率を測定するために、50uLのCell Titer Glo(CTG)をA列(培地のみ)ならびにB列(細胞および培地)に加える。CTGは、発光リーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、次いで読み取る。
【0049】
5日目に、50uLのCTGをプレート1のA〜G列に加え、室温で10分間インキュベートし、発光プログラムで読み取る。生データは、0時間プレートおよびバックグラウンドノイズを説明するために調整する。3連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。データを折れ線グラフによって表す(図4に例示するように、x軸上にサイトカインの濃度およびy軸上に対照増殖パーセント)。
【0050】
実施例5: 化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、IL−1BによるA2058メラノーマ細胞の処理
1日目に、A2058接着性メラノーマ細胞を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、90uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に90uLの培地中3000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37℃、5%COにて一晩18時間インキュベートする。
【0051】
2日目に、細胞を化合物AおよびIL−1Bで処理する。処理は3連で行う。プレート1において、細胞を10uLの化合物Aによって1uMの最終濃度で最初に処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、処理ウェルにおいて0.2%最終濃度のDMSOを得る。次いで、細胞を10uLの段階希釈したIL−1Bによって10ng、2ng、0.4ng、80pg、16pg、3.2pg、0.64pg、0.128pg、0.0256pgの最終濃度で処理する(および1つの未処理ウェル)。残りの細胞を10uLの段階希釈したIL−1Bで処理する(化合物Aで処理しない)。プレート2を、0時間プレートとして使用する。細胞生存率を測定するために、50uLのCell Titer Glo(CTG)をA列(培地のみ)ならびにB列(細胞および培地)に加える。CTGは、発光リーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、次いで読み取る。
【0052】
5日目に、50uLのCTGをプレート1のA〜G列に加え、室温で10分間インキュベートし、発光プログラムで読み取る。生データは、0時間プレートおよびバックグラウンドノイズを説明するために調整する。3連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。データを折れ線グラフによって表す(x軸上にサイトカインの濃度およびy軸上に対照増殖パーセント)。
【0053】
実施例6: 化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、TRAILによるA2058メラノーマ細胞の処理
1日目に、A2058接着性メラノーマ細胞を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、90uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に90uLの培地中3000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37℃、5%COにて一晩18時間インキュベートする。
【0054】
2日目に、細胞を化合物AおよびTRAILで処理する。処理は3連で行う。プレート1において、細胞を10uLの化合物Aによって1uMの最終濃度で最初に処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、処理ウェルにおいて0.2%最終濃度のDMSOを得る。次いで、細胞を10uLの段階希釈したTRAILによって30ng、15ng、7.5ng、3.75ng、1.875ng、937.5pg、468.75pg、234.375pg、117.2pgの最終濃度で処理する(および1つの未処理ウェル)。残りの細胞を10uLの段階希釈したTRAILで処理する(化合物Aで処理しない)。プレート2を、0時間プレートとして使用する。細胞生存率を測定するために、50uLのCell Titer Glo(CTG)をA列(培地のみ)ならびにB列(細胞および培地)に加える。CTGは、発光リーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、次いで読み取る。
【0055】
5日目に、50uLのCTGをプレート1のA〜G列に加え、室温で10分間インキュベートし、発光プログラムで読み取る。生データは、0時間プレートおよびバックグラウンドノイズを説明するために調整する。3連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。データを折れ線グラフによって表す(図6に例示するように、x軸上にサイトカインの濃度およびy軸上に対照増殖パーセント)。
【0056】
実施例7: 化合物Aの存在下および非存在下での細胞増殖に対する、TNFαによるA2058メラノーマ細胞の処理
1日目に、A2058接着性メラノーマ細胞を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、90uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に90uLの培地中3000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37℃、5%COにて一晩18時間インキュベートする。
【0057】
2日目に、細胞を化合物AおよびTNF−αで処理する。処理は3連で行う。プレート1において、細胞を10uLの化合物Aによって1uMの最終濃度で最初に処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、処理ウェルにおいて0.2%最終濃度のDMSOを得る。次いで、細胞を10uLの段階希釈したTNF−αによって20ng、4ng、0.8ng、0.16ng、32pg、6.4pg、1.28pg、0.256pg、0.0512pgの最終濃度で処理する(および1つの未処理ウェル)。残りの細胞を10uLの段階希釈したTNF−αで処理する(化合物Aで処理しない)。プレート2を、0時間プレートとして使用する。細胞生存率を測定するために、50uLのCell Titer Glo(CTG)をA列(培地のみ)ならびにB列(細胞および培地)に加える。CTGは、発光リーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、次いで読み取る。
【0058】
5日目に、50uLのCTGをプレート1のA〜G列に加え、室温で10分間インキュベートし、発光プログラムで読み取る。生データは、0時間プレートおよびバックグラウンドノイズを説明するために調整する。3連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。データを折れ線グラフによって表す(図7に例示するように、x軸上にサイトカインの濃度およびy軸上に対照増殖パーセント)。
【0059】
実施例8: 非感受性がん細胞系ではなく感受性がん細胞系における化合物Aが誘発するTNF−α
TNFαシグナル伝達経路の関与がインビトロで単剤活性のために不可欠であるかを試験するために、一団のがん細胞系を、化合物Aに対する感受性について評価し、一方平行して、分泌されたTNFα発現レベルを、化合物の添加の前および24時間後にELISAによって評価する。3日間の生存率アッセイにおいて化合物A(10uMの濃度まで)に反応しない細胞系を、非感受性として標識する。一貫して、化合物Aによる処理の後にTNFαをアップレギュレートした細胞系は、TNFαをアップレギュレートしない細胞系よりも、化合物Aに対してより感受性である(3日間の生存率アッセイにおいて評価したように、IC50を図8において報告する)(図8)。基礎TNFαレベルの増加はまた、化合物Aに対する感受性と正に相関する(図8)。
【0060】
TNFα ELISA法:
1日目に、がん細胞を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、200uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に10%FBSを有する180ulのRPMI培地中5000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37C、5%COにて一晩18時間インキュベートする。2日目に、細胞を20uLの段階希釈した化合物Aで処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、0.2%最終濃度のDMSOを得る。対照ウェルをDMSOで処理する(化合物で処理しない)。プレート2を平行して処理し、生存率を測定するために使用する。細胞を化合物と共に24時間インキュベートした後、200uLの培地を全ての処理したウェルから取り出し、新しい96ウェルクリアフラットボトムプレートに移す。培地中のTNFαレベルを、R&D QuantikineヒトTNFα高感度ELISAアッセイ、カタログ番号HSTA00Dを使用して測定する。キット中に提供される試薬を示されたように調製し、提供されたアッセイプロトコルに指示通りに従う。比色分析読み出しを、停止液の添加の30分以内に490nMにて分光計で測定する。バックグラウンドノイズを説明するために生データをノーマライズし、2連の値を平均し、濃度を標準曲線から計算する(図8)。細胞生存率を測定するために、50uLの培地をプレート2の処理ウェルから取り出し、50uLのCell Titer Glo(CTG)を加える。CTGは、発光プレートリーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、発光プレートリーダーで読み取る。バックグラウンドノイズを説明するために生データをノーマライズし、2連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。これらの値を使用して、図8において報告する相当するTNFαのELISA値をノーマライズする。
【0061】
IC50決定のための3日間の生存率アッセイ法:
1日目に、がん細胞系を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、200uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、ウェル毎に180ulの培地中5000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37C、5%COにて一晩18時間インキュベートする。2日目に、細胞を段階希釈した化合物Aで処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、0.2%最終濃度のDMSOを得る。対照ウェルをDMSOで処理する(化合物で処理しない)。プレート2を、0時間プレートとして使用する。細胞生存率を測定するために、50uLの培地を全てのウェルから取り出し、50uLのCell Titer Glo(CTG)をA列(培地のみ)、ならびにB列(細胞および培地)に加える。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、次いで読み取る。CTGは、発光プレートリーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。5日目に、50uLの培地を全てのウェルから取り出し、50uLのCTGをプレート1のA〜G列に加え、室温で10分間インキュベートし、発光プレートリーダーで読み取る。0時間プレートおよびバックグラウンドノイズを説明するために生データをノーマライズする。3連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。ビヒクル処理した対照細胞に対して、がん細胞系(cancer line)の増殖を50%阻害するのに必要な化合物Aの用量を決定し、図8において報告する。
【0062】
実施例9: RelBではなくRelAは、化合物Aが誘発するTNFαのために必要である
CIAP1の自己ユビキチン化およびプロテオソームが媒介する分解を刺激することによって、Smac模倣物は、腫瘍細胞をTNFαが媒介するアポトーシスに対して過敏化する。実際に、Smac模倣物は、非感受性腫瘍細胞系ではなく感受性腫瘍細胞系においてTNFαの産生を誘発する。NFkB活性化およびそれに続くTNFα誘発の正確な機序はよく理解されておらず、化合物AがTNFαを誘発する機序を同定することは、患者の層別化のための可能性のあるバイオマーカー(potential biomarker)を提供する。
【0063】
この機序を解明するために、カノニカルおよび非カノニカルNFkB経路(canonical and non-canonical NFkB pathway)のノード(nodes)をノックダウンし、Smac模倣化合物である化合物Aによる処理後の、NFkB活性化のマーカーであるTNFα発現の誘発を評価する。カノニカルNFkB経路において、SK−OV−3卵巣癌細胞系(SKOV)におけるRelAのshRNAが媒介するノックダウンはTNF誘発を遮断した(ablate)が(ELISAによって測定、図9)、これはカノニカル経路の活性化が化合物Aの活性のために必要であることを示唆する。非カノニカルNFkB経路において、RelBのshRNAが媒介するノックダウンは、化合物Aが媒介するTNFαの誘発に影響を与えない(図9)。全体的に、化合物AによるTNFαの誘発はカノニカルNFkBシグナル伝達を必要とすることをこれらの結果は示す。したがって、活性または機能的カノニカルNFkBシグナル伝達を伴う腫瘍は、TNFα発現または活性NFkBシグナル伝達の他のマーカーからも明らかなように、化合物Aに反応する可能性が高い。
【0064】
TNFα ELISA法:
1日目に、SKOVがん細胞を、2つの96ウェルクリアフラットボトムプレートに蒔く。A列の全てのウェルは、200uLの培地を含有する。B〜G列の全てのウェルは、10%FBSおよび1ug/mLのピューロマイシンと共に、ウェル毎に180ulのRPMI培地中5000個の細胞を含有する。次いで、プレートを37C、5%COにて一晩18時間インキュベートする。2日目に、細胞を20uLの段階希釈した化合物Aで処理する。化合物AをDMSO、次いで培地に希釈し、0.2%最終濃度のDMSOを得る。対照ウェルをDMSOで処理する(化合物で処理しない)。プレート2を平行して処理し、生存率を測定するために使用する。細胞を化合物と共に24時間インキュベートした後、200uLの培地を全ての処理したウェルから取り出し、新しい96ウェルクリアフラットボトムプレートに移す。培地中のTNFαレベルを、R&D QuantikineヒトTNFα高感度ELISAアッセイ、カタログ番号HSTA00Dを使用して測定する。キット中に提供される試薬を示されたように調製し、提供されたアッセイプロトコルに指示通りに従う。比色分析読み出しを、停止液の添加の30分以内に490nMにて分光計で測定する。バックグラウンドノイズを説明するために生データをノーマライズし、2連の値を平均し、濃度を標準曲線から計算する(図9)。細胞生存率を測定するために、50uLの培地をプレート2の処理ウェルから取り出し、50uLのCell Titer Glo(CTG)を加える。CTGは、発光プレートリーダーによって測定することができる生存細胞から放出されるATPの量を測定する。CTGを有する細胞を、室温で10分間インキュベートし、発光プレートリーダーで読み取る。バックグラウンドノイズを説明するために生データをノーマライズし、2連の値を平均し、対照増殖パーセントを計算する。これらの値を使用して、図9において報告する相当するTNFαELISA値をノーマライズする。
【0065】
実施例10: 乳がん腫瘍細胞系異種移植片における化合物Aによる処理によって誘発されるTNFα
インビトロのアッセイにおいて、化合物Aは、MDA−MB−231乳がん細胞系を含めた種々の腫瘍細胞系においてTNFαの誘発、カスパーゼの活性化およびそれに続く細胞死を誘発する。MDA−MB−231乳房腫瘍細胞系において観察されるTNFαの誘発がインビボの設定に変換されるかを評価するために、実験を、同所性移植したMBA−MD−231腫瘍を有するマウスにおいて行う。
【0066】
化合物Aの単一の経口用量を、平均腫瘍容積(mean tumor volume)が概ね141mm3に達したときに腫瘍細胞移植の39日後に投与した。腫瘍を各動物から収集し、溶解し、ELISAによって分析し、TNFα濃度を決定する。
【0067】
化合物Aの単一の経口用量に続いて、MDA−MB−231腫瘍ライセート中でTNFαが概ね10倍増加する(図10)。
【0068】
実施例11: TNFα発現は、ヒト原発性の乳房および肺腫瘍異種移植片における化合物Aに対する反応と相関する
ヒト腫瘍を外科的に切除し、次いでヌードマウスにおいて直接移植、続いて継代した患者由来の異種移植片モデルは、プラスチック層上での二次元の増殖について選択圧がないため、細胞系モデルより潜在的により臨床的に関連性がある。
【0069】
化合物Aを、三重陰性乳がん(triple negative brest cancer)および非小細胞肺癌(NSCLC)モデルの両方を表す18人の患者由来の腫瘍モデルにおいて単剤活性について試験した。化合物Aによる腫瘍増殖阻害を、%T/C(対照ビヒクルで処理したマウスにおける腫瘍の増殖に対する、化合物Aで処理したマウスにおける腫瘍の増殖割合)として報告する。腫瘍の完全な退縮は−100%T/Cとして報告し、静止状態の腫瘍(tumor stasis)(増殖なし)は0%T/Cとして報告し、効果なしは100%T/Cとして報告する。化合物Aについて腫瘍退縮から効果なしまでの範囲の反応が観察された。静止状態(T/C≦40%)は、評価した原発性モデルの25%において観察された。化合物Aに対してインビトロで感受性を示す腫瘍細胞系は自己分泌TNFシグナル伝達によって特徴付けられるという観察に一致して、大部分の感受性原発性腫瘍モデルはまた、Affymetrix mRNA転写プロファイリングデータに基づいて高いTNFα発現を示した(図11)。
【0070】
本明細書に記載されているものの変形形態、修正形態、および他の実装形態は、本発明の教示の精神および本質的な特徴から逸脱することなく、当業者であれば思いつくであろう。したがって、本開示の範囲は、前述の例示的記載によってではなく、代わりに下記の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲と同等のものの意味および範囲内にある全ての変更は、本明細書中に包含されることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILレベルを測定する工程と
を含む、どの患者がIAP阻害化合物に反応するかを予想する方法。
【請求項2】
前記IAP阻害化合物が、式Iの構造を有し、
【化1】


または医薬的に許容されるその塩であって、式中、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、Rは、非置換または置換されていてもよく;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C10シクロアルキルであり、Rは、非置換または置換されていてもよく;
は、H、CF、C、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、CH−Zであり、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはhet環は、非置換または置換されていてもよく;
Zは、H、OH、F、Cl、CH、CHCl、CHFまたはCHOHであり;
は、C0〜10アルキル、C〜C10シクロアルキルであり、C0〜10アルキル、またはシクロアルキル基は、非置換または置換されており;
Aは、置換されていてもよくまたは非置換でもよいhetであり;
Dは、C〜CアルキレンまたはC〜Cアルケニレン、C(O)、O、NR、S(O)r、C(O)−C〜C10アルキル、O−C〜C10アルキル、S(O)r−C〜C10アルキル、C(O)C〜C10アリールアルキルOC〜C10アリールアルキル、またはS(O)rC〜C10アリールアルキルであり、アルキルおよびアリール基は、非置換または置換されていてもよく;
rは、0、1、または2であり;
は、置換アリールまたは非置換もしくは置換hetであり、アリールおよびhet上の置換基は、ハロ、低級アルコキシ、NR、CN、NOまたはSRであり;
各Qは、独立に、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリールC〜C10アルコキシ、OH、O−C〜C10−アルキル、(CH0〜6−C〜Cシクロアルキル、アリール、アリールC〜C10アルキル、O−(CH0〜6アリール、(CH1〜6het、het、O−(CH1〜6het、−OR11、C(O)R11、−C(O)N(R11)(R12)、N(R11)(R12)、SR11、S(O)R11、S(O)11、S(O)−N(R11)(R12)、またはNR11−S(O)−(R12)であり、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換または置換されており;
nは、0、1、2または3、4、5、6または7であり;
hetは、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ環原子を含有する5〜7員の単環式複素環、またはN、OおよびSから選択される1個、2個、もしくは3個のヘテロ環原子を含有する1つの5〜7員の単環式複素環を含む8〜12員の縮合環系であり、hetは、非置換または置換されており;
11およびR12は、独立に、H、C〜C10アルキル、(CH0〜6−C〜Cシクロアルキル、(CH0〜6−(CH)0〜1(アリール)1〜2、C(O)−C〜C10アルキル、−C(O)−(CH1〜6−C〜Cシクロアルキル、−C(O)−O−(CH0〜6−アリール、−C(O)−(CH0〜6−O−フルオレニル、C(O)−NH−(CH0〜6−アリール、C(O)−(CH0〜6−アリール、C(O)−(CH1〜6−het、−C(S)−C〜C10アルキル、−C(S)−(CH1〜6−C〜Cシクロアルキル、−C(S)−O−(CH0〜6−アリール、−C(S)−(CH0〜6−O−フルオレニル、C(S)−NH−(CH0〜6−アリール、−C(S)−(CH0〜6−アリールまたはC(S)−(CH1〜6−het、C(O)R11、C(O)NR1112、C(O)OR11、S(O)nR11、S(O)NR1112、m=1または2、C(S)R11、C(S)NR1112、C(S)OR11であり、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換または置換されており;あるいはR11およびR12は、細胞膜を通る分子の輸送を促進する置換基であり;あるいはR11およびR12は、窒素原子と一緒にhetを形成し;
11およびR12のアルキル置換基は、非置換であるか、またはC〜C10アルキル、ハロゲン、OH、O−C〜Cアルキル、−S−C〜Cアルキル、CFもしくはNR1112から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
11およびR12の置換シクロアルキル置換基は、C〜C10アルケン;C〜Cアルキル;ハロゲン;OH;O−C〜Cアルキル;S−C〜Cアルキル、CF;またはNR1112から選択される1個以上の置換基で置換されており、そして
11およびR12の置換hetまたは置換アリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ニトロ、CN O−C(O)−C〜CアルキルおよびC(O)−O−C〜C−アルキルから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、RおよびRは、独立に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキル低級アルキルであり、そして
、R、R、R、Q、およびAおよびA基上の置換基は、独立に、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、アリール、アリール低級アルキル、アミノ、アミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、アミノ低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、シアノ低級アルキル、カルボキシ、低級カルバルコキシ、低級アルカノイル、アリーロイル、低級アリールアルカノイル、カルバモイル、N−モノもしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルキルカルバミン酸エステル、アミジノ、グアニジン、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、スルホアミノ、スルホンアミド、ベンゾスルホンアミド、スルホネート、スルファニル低級アルキル、アリールスルホンアミド、ハロゲン置換アリールスルホネート、低級アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル;アリール−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルアリールスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−低級アルキルスルホニル、低級アリールアルキル低級アルキルアリールスルホニル、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、ハロゲン−低級アルキルスルホニル、ホスホノ(−P(=O)(OH))、ヒドロキシ−低級アルコキシホスホリルもしくはジ−低級アルコキシホスホリル、(R)NC(O)−NR1013、低級アルキルカルバミン酸エステルまたはカルバメートまたは−NR14であり、RおよびR14は、同じでも、または異なっていてもよく、かつ、独立に、Hまたは低級アルキルであり、あるいはRおよびR14は、N原子と一緒になって、窒素ヘテロ環原子を含有する3〜8員の複素環を形成し、かつ窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のさらなるヘテロ環原子を必要により含有してもよく、複素環は、非置換であるか、または低級アルキル、ハロ、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、低級アルキル、アミノ、ジ低級アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、低級カルバルコキシ、ホルミル、低級アルカノイル、オキソ、カルバルモイル、N−低級もしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、メルカプト、もしくは低級アルキルチオで置換されていてもよく、そして
、R10、およびR13は、独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、ハロゲン置換アリール、ハロゲン置換アリール低級アルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a)IAP阻害剤化合物を患者に投与する工程と、
b)IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を有する個体の、IAP阻害化合物による治療に対する反応性を決定する方法。
【請求項4】
a)IAP阻害剤化合物を投与する工程と、
b)IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILレベルを測定する工程と
を含む、IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を治療する方法。
【請求項5】
前記IAP阻害化合物が、式Iの構造を有し、
【化2】


または医薬的に許容されるその塩であって、式中、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、Rは、非置換または置換されていてもよく;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C10シクロアルキルであり、Rは、非置換または置換されていてもよく;
は、H、CF、C、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、CH−Zであり、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはhet環は、非置換または置換されていてもよく;
Zは、H、OH、F、Cl、CH、CHCl、CHFまたはCHOHであり;
は、C0〜10アルキル、C〜C10シクロアルキルであり、C0〜10アルキル、またはシクロアルキル基は、非置換または置換されており;
Aは、置換されていてもよくまたは非置換でもよいhetであり;
Dは、C〜CアルキレンまたはC〜Cアルケニレン、C(O)、O、NR、S(O)r、C(O)−C〜C10アルキル、O−C〜C10アルキル、S(O)r−C〜C10アルキル、C(O)C〜C10アリールアルキルOC〜C10アリールアルキル、またはS(O)rC〜C10アリールアルキルであり、アルキルおよびアリール基は、非置換または置換されていてもよく;
rは、0、1、または2であり;
は、置換アリールまたは非置換もしくは置換hetであり、アリールおよびhet上の置換基は、ハロ、低級アルコキシ、NR、CN、NOまたはSRであり;
各Qは、独立に、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリールC〜C10アルコキシ、OH、O−C〜C10−アルキル、(CH0〜6−C〜Cシクロアルキル、アリール、アリールC〜C10アルキル、O−(CH0〜6アリール、(CH1〜6het、het、O−(CH1〜6het、−OR11、C(O)R11、−C(O)N(R11)(R12)、N(R11)(R12)、SR11、S(O)R11、S(O)11、S(O)−N(R11)(R12)、またはNR11−S(O)−(R12)であり、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換または置換されており;
nは、0、1、2または3、4、5、6または7であり;
hetは、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ環原子を含有する5〜7員の単環式複素環、またはN、OおよびSから選択される1個、2個、もしくは3個のヘテロ環原子を含有する1つの5〜7員の単環式複素環を含む8〜12員の縮合環系であり、hetは、非置換または置換されており;
11およびR12は、独立に、H、C〜C10アルキル、(CH0〜6−C〜Cシクロアルキル、(CH0〜6−(CH)0〜1(アリール)1〜2、C(O)−C〜C10アルキル、−C(O)−(CH1〜6−C〜Cシクロアルキル、−C(O)−O−(CH0〜6−アリール、−C(O)−(CH0〜6−O−フルオレニル、C(O)−NH−(CH0〜6−アリール、C(O)−(CH0〜6−アリール、C(O)−(CH1〜6−het、−C(S)−C〜C10アルキル、−C(S)−(CH1〜6−C〜Cシクロアルキル、−C(S)−O−(CH0〜6−アリール、−C(S)−(CH0〜6−O−フルオレニル、C(S)−NH−(CH0〜6−アリール、−C(S)−(CH0〜6−アリールまたはC(S)−(CH1〜6−het、C(O)R11、C(O)NR1112、C(O)OR11、S(O)nR11、S(O)NR1112、m=1または2、C(S)R11、C(S)NR1112、C(S)OR11であり、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換または置換されており;あるいはR11およびR12は、細胞膜を通る分子の輸送を促進する置換基であり;あるいはR11およびR12は、窒素原子と一緒にhetを形成し;
11およびR12のアルキル置換基は、非置換であるか、またはC〜C10アルキル、ハロゲン、OH、O−C〜Cアルキル、−S−C〜Cアルキル、CFもしくはNR1112から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
11およびR12の置換シクロアルキル置換基は、C〜C10アルケン;C〜Cアルキル;ハロゲン;OH;O−C〜Cアルキル;S−C〜Cアルキル、CF;またはNR1112から選択される1個以上の置換基で置換されており、そして
11およびR12の置換hetまたは置換アリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ニトロ、CN O−C(O)−C〜CアルキルおよびC(O)−O−C〜C−アルキルから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、RおよびRは、独立に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキル低級アルキルであり、そして
、R、R、R、Q、およびAおよびA基上の置換基は、独立に、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、アリール、アリール低級アルキル、アミノ、アミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、アミノ低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、シアノ低級アルキル、カルボキシ、低級カルバルコキシ、低級アルカノイル、アリーロイル、低級アリールアルカノイル、カルバモイル、N−モノもしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルキルカルバミン酸エステル、アミジノ、グアニジン、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、スルホアミノ、スルホンアミド、ベンゾスルホンアミド、スルホネート、スルファニル低級アルキル、アリールスルホンアミド、ハロゲン置換アリールスルホネート、低級アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル;アリール−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルアリールスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−低級アルキルスルホニル、低級アリールアルキル低級アルキルアリールスルホニル、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、ハロゲン−低級アルキルスルホニル、ホスホノ(−P(=O)(OH))、ヒドロキシ−低級アルコキシホスホリルもしくはジ−低級アルコキシホスホリル、(R)NC(O)−NR1013、低級アルキルカルバミン酸エステルまたはカルバメートまたは−NR14であり、RおよびR14は、同じでも、または異なっていてもよく、かつ、独立に、Hまたは低級アルキルであり、あるいはRおよびR14は、N原子と一緒になって、窒素ヘテロ環原子を含有する3〜8員の複素環を形成し、かつ窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のさらなるヘテロ環原子を必要により含有してもよく、複素環は、非置換であるか、または低級アルキル、ハロ、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、低級アルキル、アミノ、ジ低級アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、低級カルバルコキシ、ホルミル、低級アルカノイル、オキソ、カルバルモイル、N−低級もしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、メルカプト、もしくは低級アルキルチオで置換されていてもよく、そして
、R10、およびR13は、独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、ハロゲン置換アリール、ハロゲン置換アリール低級アルキルである、請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記IAP阻害剤化合物が、N−1−シクロヘキシル−2−{2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;N−[シクロヘキシル−(エチル−{1−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−プロピル}カルバモイル)−メチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;N−(1−シクロヘキシル−2−{2−[5−(4−フルオロ−フェノキシ)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;およびN−[1−シクロヘキシル−2−(2−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−ピリジン−4−イル}ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−2−メチルアミノ−プロピンアミドおよび医薬的に許容されるその塩から選択される、請求項1、3または4に記載の方法。
【請求項7】
IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる増殖性疾患の治療における、IAP阻害剤化合物の使用。
【請求項8】
IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患の治療における、式Iの化合物、またはそのN−オキシドもしくは医薬的に許容される塩の使用であって、式Iの化合物が、下記の構造を有し、
【化3】


または医薬的に許容されるその塩であって、式中、
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜CアルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、Rは、非置換または置換されていてもよく;
は、H、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C10シクロアルキルであり、Rは、非置換または置換されていてもよく;
は、H、CF、C、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、CH−Zであり、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一緒になって、複素環を形成し、アルキル、アルケニル、アルキニルまたはhet環は、非置換または置換されていてもよく;
Zは、H、OH、F、Cl、CH、CHCl、CHFまたはCHOHであり;
は、C0〜10アルキル、C〜C10シクロアルキルであり、C0〜10アルキル、またはシクロアルキル基は、非置換または置換されており;
Aは、置換されていてもよくまたは非置換でもよいhetであり;
Dは、C〜CアルキレンまたはC〜Cアルケニレン、C(O)、O、NR、S(O)r、C(O)−C〜C10アルキル、O−C〜C10アルキル、S(O)r−C〜C10アルキル、C(O)C〜C10アリールアルキルOC〜C10アリールアルキル、またはS(O)rC〜C10アリールアルキルであり、アルキルおよびアリール基は、非置換または置換されていてもよく;
rは、0、1、または2であり;
は、置換アリールまたは非置換もしくは置換hetであり、アリールおよびhet上の置換基は、ハロ、低級アルコキシ、NR、CN、NOまたはSRであり;
各Qは、独立に、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、アリールC〜C10アルコキシ、OH、O−C〜C10−アルキル、(CH0〜6−C〜Cシクロアルキル、アリール、アリールC〜C10アルキル、O−(CH0〜6アリール、(CH1〜6het、het、O−(CH1〜6het、−OR11、C(O)R11、−C(O)N(R11)(R12)、N(R11)(R12)、SR11、S(O)R11、S(O)11、S(O)−N(R11)(R12)、またはNR11−S(O)−(R12)であり、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換または置換されており;
nは、0、1、2または3、4、5、6または7であり;
hetは、N、OおよびSから選択される1〜4個のヘテロ環原子を含有する5〜7員の単環式複素環、またはN、OおよびSから選択される1個、2個、もしくは3個のヘテロ環原子を含有する1つの5〜7員の単環式複素環を含む8〜12員の縮合環系であり、hetは、非置換または置換されており;
11およびR12は、独立に、H、C〜C10アルキル、(CH0〜6−C〜Cシクロアルキル、(CH0〜6−(CH)0〜1(アリール)1〜2、C(O)−C〜C10アルキル、−C(O)−(CH1〜6−C〜Cシクロアルキル、−C(O)−O−(CH0〜6−アリール、−C(O)−(CH0〜6−O−フルオレニル、C(O)−NH−(CH0〜6−アリール、C(O)−(CH0〜6−アリール、C(O)−(CH1〜6−het、−C(S)−C〜C10アルキル、−C(S)−(CH1〜6−C〜Cシクロアルキル、−C(S)−O−(CH0〜6−アリール、−C(S)−(CH0〜6−O−フルオレニル、C(S)−NH−(CH0〜6−アリール、−C(S)−(CH0〜6−アリールまたはC(S)−(CH1〜6−het、C(O)R11、C(O)NR1112、C(O)OR11、S(O)nR11、S(O)NR1112、m=1または2、C(S)R11、C(S)NR1112、C(S)OR11であり、アルキル、シクロアルキルおよびアリールは、非置換または置換されており;あるいはR11およびR12は、細胞膜を通る分子の輸送を促進する置換基であり;あるいはR11およびR12は、窒素原子と一緒にhetを形成し;
11およびR12のアルキル置換基は、非置換であるか、またはC〜C10アルキル、ハロゲン、OH、O−C〜Cアルキル、−S−C〜Cアルキル、CFもしくはNR1112から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
11およびR12の置換シクロアルキル置換基は、C〜C10アルケン;C〜Cアルキル;ハロゲン;OH;O−C〜Cアルキル;S−C〜Cアルキル、CF;またはNR1112から選択される1個以上の置換基で置換されており、そして
11およびR12の置換hetまたは置換アリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ニトロ、CN O−C(O)−C〜CアルキルおよびC(O)−O−C〜C−アルキルから選択される1個以上の置換基で置換されており;
、RおよびRは、独立に、水素、低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキル低級アルキルであり、そして
、R、R、R、Q、およびAおよびA基上の置換基は、独立に、ハロ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルカノイル、低級アルコキシ、アリール、アリール低級アルキル、アミノ、アミノ低級アルキル、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、アミノ低級アルコキシ、ニトロ、シアノ、シアノ低級アルキル、カルボキシ、低級カルバルコキシ、低級アルカノイル、アリーロイル、低級アリールアルカノイル、カルバモイル、N−モノもしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルキルカルバミン酸エステル、アミジノ、グアニジン、ウレイド、メルカプト、スルホ、低級アルキルチオ、スルホアミノ、スルホンアミド、ベンゾスルホンアミド、スルホネート、スルファニル低級アルキル、アリールスルホンアミド、ハロゲン置換アリールスルホネート、低級アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル;アリール−低級アルキルスルフィニル、低級アルキルアリールスルフィニル、低級アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリール−低級アルキルスルホニル、低級アリールアルキル低級アルキルアリールスルホニル、ハロゲン−低級アルキルメルカプト、ハロゲン−低級アルキルスルホニル、ホスホノ(−P(=O)(OH))、ヒドロキシ−低級アルコキシホスホリルもしくはジ−低級アルコキシホスホリル、(R)NC(O)−NR1013、低級アルキルカルバミン酸エステルまたはカルバメートまたは−NR14であり、RおよびR14は、同じでも、または異なっていてもよく、かつ、独立に、Hまたは低級アルキルであり、あるいはRおよびR14は、N原子と一緒になって、窒素ヘテロ環原子を含有する3〜8員の複素環を形成し、かつ窒素、酸素および硫黄から選択される1個または2個のさらなるヘテロ環原子を必要により含有してもよく、複素環は、非置換であるか、または低級アルキル、ハロ、低級アルケニル、低級アルキニル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、ニトロ、アミノ、低級アルキル、アミノ、ジ低級アルキルアミノ、シアノ、カルボキシ、低級カルバルコキシ、ホルミル、低級アルカノイル、オキソ、カルバルモイル、N−低級もしくはN,N−ジ低級アルキルカルバモイル、メルカプト、もしくは低級アルキルチオで置換されていてもよく、そして
、R10、およびR13は、独立に、水素、低級アルキル、ハロゲン置換低級アルキル、アリール、アリール低級アルキル、ハロゲン置換アリール、ハロゲン置換アリール低級アルキルである、使用。
【請求項9】
IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患の治療のための医薬組成物の製造のための、請求項9に記載の式Iの化合物、または医薬的に許容されるその塩の使用。
【請求項10】
IL1B、リンホトキシンα(LTa)、TWEAK、LIGHT、Fas、TNFαまたはTRAILシグナル伝達によって特徴付けられる疾患を治療する方法であって、このような治療を必要としている温血動物、特にヒトに、医薬的有効量の請求項9に記載の式Iの化合物、または医薬的に許容されるその塩を投与する工程を含む、方法。
【請求項11】
式Iの化合物が、N−1−シクロヘキシル−2−{2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;N−[シクロヘキシル−(エチル−{1−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−プロピル}カルバモイル)−メチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;N−(1−シクロヘキシル−2−{2−[5−(4−フルオロ−フェノキシ)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;およびN−[1−シクロヘキシル−2−(2−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−ピリジン−4−イル}ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−2−メチルアミノ−プロピンアミドおよび医薬的に許容されるその塩から選択される、請求項9に記載の使用。
【請求項12】
式Iの化合物が、N−(1−シクロヘキシル−2−{2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;N−[シクロヘキシル−(エチル−{1−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−プロピル}カルバモイル)−メチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;N−(1−シクロヘキシル−2−{2−[5−(4−フルオロ−フェノキシ)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;およびN−[1−シクロヘキシル−2−(2−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−ピリジン−4−イル}ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−2−メチルアミノ−プロピンアミドおよび医薬的に許容されるその塩から選択される、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
式Iの化合物が、N−(1−シクロヘキシル−2−{2−[4−(4−フルオロ−ベンゾイル)−チアゾール−2−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;N−[シクロヘキシル−(エチル−{1−[5−(4−フルオロ−ベンゾイル)−ピリジン−3−イル]−プロピル}カルバモイル)−メチル]−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;N−(1−シクロヘキシル−2−{2−[5−(4−フルオロ−フェノキシ)−ピリジン−3−イル]−ピロリジン−1−イル}−2−オキソ−エチル)−2−メチルアミノ−プロピオンアミド;およびN−[1−シクロヘキシル−2−(2−{2−[(4−フルオロフェニル)−メチル−アミノ]−ピリジン−4−イル}ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−2−メチルアミノ−プロピンアミドおよび医薬的に許容されるその塩から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記疾患が、増殖性疾患である、請求項9に記載の使用。
【請求項15】
前記疾患が、がん、例えば固形腫瘍および血液由来の腫瘍(blood-born tumor)など;心疾患、例えばうっ血性心不全など;ならびにウイルス性、遺伝性、炎症性、アレルギー性、および自己免疫性の疾患から選択される、請求項9に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−505446(P2013−505446A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529912(P2012−529912)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/049207
【国際公開番号】WO2011/035083
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】