説明

ICカードおよびICカードの情報処理プログラム

【課題】文字および図形等を簡易な構成でかつ高速に表示することが可能なICカードを提供する。
【解決手段】描画コマンドをホスト装置から受信する受信手段(RF回路39)と、描画コマンドに基づいてビットマップデータとしての画像データを生成する描画手段(表示制御MCU36)と、描画手段によって得られた画像データを表示する表示手段(EPD31a)と、画像データの生成に供された描画コマンドを格納する格納手段(不揮発性メモリ37)と、を有し、表示手段に対して画像データを再表示する場合には、描画手段は、格納手段に格納されている描画コマンドから画像データを再度生成して表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICカードおよびICカードの情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、不揮発性表示装置と無線通信を組み合わせたRF−ID装置に関する技術が開示されている。この技術では、無線通信によって受信された情報を、不揮発性表示装置に表示することにより、電源の消費を抑えつつ、表示を長時間維持することができる。
【特許文献1】特開2005−165814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に開示される技術では、不揮発性表示装置に表示する情報としては、数字を例に挙げて説明しているが、文字および図形等の表示を可能にする場合には、装置の構成が複雑になるという問題点がある。
【0004】
また、RF−ID装置の場合、内蔵されているバッテリを電源とすることが多く、消費電力を抑えるために無線通信の速度は遅い場合が多い。このため、複雑な図形等をビットマップデータとして受信し、表示する場合には、無線通信による情報の受信に多大な時間を要するという問題点もある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、文字および図形等を簡易な構成でかつ高速に表示することが可能なICカードおよびICカードの情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のICカードは、描画コマンドをホスト装置から受信する受信手段と、前記描画コマンドに基づいてビットマップデータとしての画像データを生成する描画手段と、前記描画手段によって得られた画像データを表示する表示手段と、前記画像データの生成に供された前記描画コマンドを格納する格納手段と、を有し、前記表示手段に対して前記画像データを再表示する場合には、前記描画手段は、前記格納手段に格納されている前記描画コマンドから前記画像データを再度生成して表示する、ことを特徴とする。
この構成によれば、描画コマンドをホスト装置から受信手段によって受信し、描画コマンドに基づいてビットマップデータとしての画像データを描画手段によって生成し、描画手段によって得られた画像データを表示手段によって表示し、画像データの生成に供された描画コマンドを格納手段に格納し、表示手段に対して画像データを再表示する場合には、描画手段は、格納手段に格納されている描画コマンドから画像データを再度生成して表示する。このため、文字および図形等を簡易な構成でかつ高速に表示することが可能となる。また、再描画の際に、描画コマンドをホスト装置から再度受信する必要がなくなるので、再描画処理を高速に実行できる。
【0007】
また、本発明は、上記発明において、前記格納手段は不揮発性の格納手段であり、前記表示手段は不揮発性の表示手段であり、前記描画手段による描画処理が終了した場合には、自機へ電源の供給を停止するとともに、描画処理が必要になった場合には電源の供給を開始する制御を行う制御手段を有することを特徴とする。
この構成によれば、描画コマンドを不揮発性の格納手段に格納し、描画コマンドを実行した結果の画像を不揮発性の表示手段に表示するとともに、描画処理が終了した場合には制御手段によって電源の供給を停止する。このため、描画処理が終了した場合には電源の供給を停止してバッテリの消費を抑えることができるとともに、電源供給の停止後でも表示内容および描画コマンドを維持できる。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記表示手段に画像データが表示された後、所定の期間が経過した場合には、前記描画手段は前記不揮発性の格納手段に格納されている内容に基づいて描画処理を実行し、得られた画像データを前記不揮発性の表示手段に表示させることによって表示内容を維持するための動作であるリフレッシュを行うことを特徴とする。
この構成によれば、表示手段に画像データが表示された後に所定の期間が経過した場合には、不揮発性の格納手段に格納されている描画コマンドに基づいて表示内容のリフレッシュを行う。このため、リフレッシュの際に、ホスト装置から描画コマンドを再度受信する必要がなくなるので、リフレッシュを高速に行うことができる。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記表示手段に表示されている画像の一部を変更する際には、前記受信手段は当該変更部分に関する差分の描画コマンドを前記ホスト装置から受信し、前記描画手段は、前記差分の描画コマンドに基づいて描画処理を実行することを特徴とする。
この構成によれば、画像の一部を変更する場合には差分の描画コマンドをホスト装置から受信し、差分の描画コマンドに基づいて描画処理を実行する。このため、全てのコマンドではなく、差分のコマンドをホスト装置から受信することにより、画像の内容変更を高速に実行することができる。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記不揮発性の表示手段に新たな画像を表示する際には、前記格納手段に格納されている描画コマンドに基づいて、前記表示手段に表示されている画像を一旦消去した後に、新たな画像データを表示する。
この構成によれば、新たな画像データを表示する場合には、格納手段に格納されている描画コマンドに基づいて表示手段に表示されている画像データを消去した後、新たな画像データを表示する。このため、表示装置に残像が発生することを防止できるとともに、格納手段に格納されている描画コマンドを利用することにより、そのような処理を高速に実行できる。
【0011】
また、本発明のICカードの情報処理プログラムは、描画コマンドをホスト装置から受信する受信手段、前記描画コマンドに基づいてビットマップデータとしての画像データを生成する描画手段、前記描画手段によって得られた画像データを表示する表示手段、前記画像データの生成に供された前記描画コマンドを格納する格納手段、としてコンピュータを機能させ、前記表示手段に対して前記画像データを再表示する場合には、前記描画手段は、前記格納手段に格納されている前記描画コマンドから前記画像データを再度生成して表示する、ことを特徴とする。
この構成によれば、描画コマンドをホスト装置から受信手段によって受信し、描画コマンドに基づいてビットマップデータとしての画像データを描画手段によって生成し、描画手段によって得られた画像データを表示手段によって表示し、画像データの生成に供された描画コマンドを格納手段に格納し、表示手段に対して画像データを再表示する場合には、描画手段は、格納手段に格納されている描画コマンドから画像データを再度生成して表示する。このため、文字および図形等を簡易な構成でかつ高速に表示することが可能となる。また、再描画の際に、描画コマンドをホスト装置から再度受信する必要がなくなるので、再描画処理を高速に実行できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下では、本発明のIC(Integrated Circuit)カードの情報処理プログラムをICカードの動作およびICカードを制御するプログラムとして説明する。
【0013】
(A)実施の形態の構成の説明
図1は、本発明を適用した実施形態に係るICカードを含むICカードシステムの概略構成を示す図である。図1に示すように、ICカードシステムは、パーソナルコンピュータ10、通信ルータ20、および、ICカード30−1,30−2を主要な構成要素としている。なお、この例では、パーソナルコンピュータおよび通信ルータはそれぞれ1台とされ、また、ICカードは2枚とされているが、これ以外の台数(または枚数)であってよい。
【0014】
ここで、パーソナルコンピュータ10は、図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等を主要な構成要素とし、HDDに格納されているアプリケーションプログラムを実行することにより、ICカード30−1,30−2に表示させる情報を生成するとともに、通信ルータ20を介して生成された情報を送信する。通信ルータ20は、パーソナルコンピュータ10から供給された情報に基づいて、搬送波を所定の変調方式により変調し、変調された搬送波を電波としてICカード30−1,30−2に対して送信する。ICカード30−1,30−2は、通信ルータ20から送信された電波を受信して復調することにより、搬送波に含まれている情報を取得し、取得した情報を後述するEPD(Electrophoretic Display)に表示させる。
【0015】
図2は、図1に示すICカード30−1の外観構成を示す図である。なお、ICカード30−1とICカード30−2は、同様の構成とされているので、以下では、ICカード30−1を例に挙げて説明を行う。図2に示すように、ICカード30−1は、略長方形の薄型の形状を有する担体50を有しており、ICカード30−1の表面(図2における奥行き方向の手前側の面)には、表示デバイスとしてのEPD31aがはめ込まれており、また、その下側(図2の上下方向の下側)には後述する入力デバイス35を構成する操作ボタン35a〜35cが配置されている。
【0016】
図3は、ICカード30−1の構成例を示すブロック図である。図3に示すように、ICカード30−1は、EPD31a(請求項中「表示手段」および「表示装置」に対応)、SRAM(Static RAM)31b、表示制御回路32、バッテリ33、電源回路34、入力デバイス35、表示制御MCU(Main Control Unit)36(請求項中「描画手段」および「制御手段」に対応)、不揮発性メモリ37(請求項中「格納手段」および「格納装置」に対応)、通信制御MCU38、RF(Radio Frequency)回路39(請求項中「受信手段」に対応)、および、アンテナ40を主要な構成要素としている。
【0017】
ここで、EPD31aは、透明な液体の中で浮動する微粒子を電界によって移動させることにより、文字および図形等の表示を行う表示デバイスである。なお、EPD31aに表示された情報は、EPD31aへの電源の供給を絶った後も表示され続ける、不揮発性の表示デバイスである。SRAM31bは、EPD31aに表示する情報を格納するメモリである。より詳細には、EPD31aは、例えば、横および縦がそれぞれ352×450画素から構成されており、SRAM31bは、横および縦がそれぞれ352×450ビットの情報を格納可能な記憶容量を有しており、SRAM31bに格納されている情報の各ビットに応じてEPD31aを構成する画素を黒または白の状態とすることにより、種々の情報を表示することができる。なお、この実施の形態では、SRAM31bは、書き込みのみが可能なライトオンリ(Write Only)のメモリとして構成される。表示制御回路32は、EPD31aに情報を表示する際の制御を行う回路であり、例えば、表示制御MCU36とEPD31aとの間の電圧の変換を行う制御を行う。また、表示制御回路32は、電源回路34から供給された電力をSRAM31bおよびEPD31aに供給する。バッテリ33は、例えば、リチウムイオン電池等によって構成され、電源回路34に直流電力を供給する。電源回路34は、バッテリ33から供給される電源電圧を、所定の電圧に昇圧または降圧し、表示制御回路32に供給する。なお、図3では、電源回路34によって生成された電源電力は、表示制御回路32のみに供給されているが、実際にはその他の部分にも供給されている。
【0018】
入力デバイス35は、操作ボタン35a〜35cと、図示せぬスイッチによって構成され、操作ボタン35a〜35cがユーザによって操作された場合には、スイッチがオンまたはオフの状態になり、表示制御MCU36がスイッチの状態に基づいて操作ボタンが操作されたことを検出する。表示制御MCU36は、通信制御MCU38から供給された描画コマンドを不揮発性メモリ37に描画コマンド37aとして格納するとともに、コマンドを解釈し、不揮発性メモリ37に格納されている対応するフォントデータまたはビットマップデータを取得し、内蔵されているVRAM(Video RAM)36aをワークエリアとして描画処理を実行し、得られたビットマップデータ(ラスタイメージデータ)としての画像データを表示制御回路32に供給してEPD31aに表示させる処理を実行する。不揮発性メモリ37は、例えば、FeRAM(Ferroelectric RAM)によって構成され、パーソナルコンピュータ10から供給された描画コマンドを格納する。また、不揮発性メモリ37は、表示制御MCU36が使用するフォントデータおよびビットマップデータを格納するとともに、表示制御MCU36が実行するプログラム等を格納する。通信制御MCU38は、RF回路39から供給されるディジタル信号を解釈し、内蔵するメモリ(不図示)を書き換えたり、ディジタル信号から復元されたコマンドを表示制御MCU36に供給したりする。RF回路39は、アンテナ40によって捕捉された電波を復調し、ディジタル信号を生成して、通信制御MCU38に供給する。アンテナ40は、例えば、コイル形状を有しており、通信ルータ20から送信された電波を捕捉し、RF回路39に供給する。
【0019】
(B)実施の形態の動作の説明
つぎに、図6に示すフローチャートを参照して、図1に示すICカードシステムの動作について説明する。以下では、図1のICカードシステムを動物園において利用する場合を例に挙げて説明する。なお、ICカード30−1,30−2において実行される処理は同様であるので、以下ではICカード30−1を例に挙げて説明する。
まず、パーソナルコンピュータ10から新たな情報をICカード30−1,30−2に送信する動作について説明する。例えば、ICカード30−1,30−2に対して情報を提供して表示させる場合、パーソナルコンピュータ10において、所定のアプリケーションプログラムを起動し、ICカード30−1,30−2に対して供給しようとする情報を生成する。具体的には、ICカード30−1,30−2に供給する情報として、例えば、動物の餌付け時刻を示す情報を提供する場合を考える。具体的には、図4(A)に示すような情報を提供する場合を考える。図4(A)の例では、EPD31aの最上部には、タイトルとしての「○×動物園」が表示され、その下にはメッセージとしての「次の餌付け時刻は以下の通りです。」が表示され、その下には各動物の次回の餌付け時刻として「1.ペンギン 10:00」、「2.ラッコ 10:30」、「3.キリン 11:00」、および、「4.ゾウ 11:30」が表示されている。また、それぞれの時刻の下には強調のために下線が付されている。
【0020】
このような情報を表示するための描画コマンドとしては、例えば、図5に示すようなコマンドが生成される。なお、この図では、説明を容易にするために描画コマンドの左端に行番号を示す数字を表示しているが、実際にはこのような行番号はなくてもよい。図5の行番号10の描画コマンド「%T96X372Y(○×動物園)K」は、図4(A)に示すタイトルとしての「○×動物園」を表示するためのコマンドである。より詳細には、「%T」は文字を縦横倍角で表示することを示すコマンドである。また、「96X372Y」は文字を表示する座標を示し、この例ではX=96,Y=372を左下原点として表示することを示す。また、「(○×動物園)K」は、括弧内に記述された文字列をシフトJIS(Japan Industrial Standard)およびASCII(American Standard Code for Information)混在の文字列として解釈し、指定された座標を左下原点として表示することを示す。この描画コマンドが実行されることによりX=96,Y=372を左下原点として縦横倍角の文字により「○×動物園」が表示される。行番号20の描画コマンド「%N30X320Y(次の餌付け時刻は以下の通りです。)K」は、図4(A)に示すメッセージとしての「次の餌付け時刻は以下の通りです。」を表示するためのコマンドである。より詳細には、「%N」は文字をノーマルの大きさで表示することを示す。なお、それ以降の主なコマンドは前述の場合と同様である。行番号30〜60は、ノーマルの大きさの文字で、図4(A)に示す「1.ペンギン」、「2.ラッコ」、「3.キリン」、および、「4.ゾウ」を表示するためのコマンドである。なお、文字の大きさの指定については、一旦指定がなされると変更が指示されない限り、同一の大きさでの表示がなされる。このため、行番号30以降には文字の大きさを指定する「%N」が記載されていない。
【0021】
行番号70の描画コマンド「230X216YP52Z4[130Eni]」は、図4(A)に示すそれぞれの時刻の下に付されている下線を描画するためのコマンドである。より詳細には、冒頭の「230X216Y」は当該座標をスタートの座標として指定するためのコマンドである。つぎの「P」は現在の座標(X=230,Y=216)を保存するコマンドである。つぎの「52Z」は値“52”をレジスタZに格納するためのコマンドである。つぎの「4[130Eni]」において、「4[]」は括弧内のコマンドを4回繰り返し実行することを示す。また、「130Eni」において、「130E」は画面右(East)方向に130ドット分だけ線を引くことを示し、「n」は画面上(North)方向にZレジスタに格納されている値(=52)だけ線を引かずに移動することを示し、「i」は以前のPコマンドで記憶した座標と同じX座標(=230)まで戻ることを示す。行番号70の描画コマンドにより、図4(A)の4つの線分が描画される。また、行番号80〜110は、行番号30〜60と同様に、ノーマルの大きさの文字によって餌付けの時刻を表示するためのコマンドである。なお、この例では、Y方向の時刻の表示位置が行番号30〜60の場合に比較して1ドット分だけ上方向に移動しているが、これは行番号70により描画される線分と位置が重ならないようにするためである。
【0022】
パーソナルコンピュータ10において生成された、図5に示すような描画コマンドは、パーソナルコンピュータ10の所定のインタフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)またはLAN(Local Area Network))を介して通信ルータ20に供給される。通信ルータ20では、パーソナルコンピュータ10から供給された情報を取得し、対応するディジタルビット列(“0”および“1”の列)に変換し、このディジタルビット列に基づいて搬送波を変調し、図示せぬアンテナから電波として送信する。
【0023】
このようにして通信ルータ20から送信された電波は、ICカード30−1によって受信される(図6のステップS10)。より詳細には、通信ルータ20から送信された電波は、ICカード30−1のアンテナ40によって捕捉され、RF回路39に供給される。RF回路39では、アンテナ40によって捕捉された搬送波に含まれているディジタルビット列を抽出する。そして、抽出されたディジタルビット列は、通信制御MCU38に供給され、そこで、コマンドの解釈が行われる。いまの例では、受信した情報は、描画コマンドであるので、図6のステップS11においてYesと判定され、ステップS12に進む。なお、描画コマンドでないと判定された場合(ステップS11;No)には、処理を終了する。
【0024】
受信したディジタルビット列が描画コマンドである場合には、ステップS12に進み、表示制御MCU36は、受信した描画コマンドを不揮発性メモリ37の所定の領域に対して格納する。格納処理が終了すると、表示制御MCU36は、受信した描画コマンドに基づいて描画処理を実行する(ステップS13)。より詳細には、表示制御MCU36は、VRAM36aをワークエリアとし、描画コマンドに基づいて描画処理を実行する。例えば、文字を描画する場合(例えば、図5の行番号70以外の行を描画する場合)には、文字を示すコード(例えば、シフトJIS(Japan Industrial Standard)コード)に対応するフォントデータを、不揮発性メモリ37から取得し、VRAM36aの所定の領域に展開する。また、図形の場合(例えば、図5の行番号70を描画する場合)には、描画コマンドに応じて描画処理を実行し、該当するビットを“1”または“0”の状態とする。さらに、ビットマップデータの場合(例えば、写真等の画像データを表示する場合)には、不揮発性メモリ37に格納されている所定のビットマップデータを取得して、VRAM36aの所定の領域に展開する。このような処理により、ビットマップデータとしての画像データが生成される。
【0025】
ステップS14では、表示制御MCU36は、VRAM36aに格納されている画像データを、表示制御回路32を介して、SRAM31bに転送する処理を実行する。例えば、図5に示す描画コマンドの描画処理が完了した場合には、VRAM36aに格納されている画像データが、SRAM31bに対して転送される。
【0026】
ステップS15では、表示制御MCU36は、SRAM31bに格納されている情報をEPD31aに表示する処理を実行する。より詳細には、表示制御MCU36は、表示制御回路32に対してEPD31aに対して書き込み用の電圧(例えば、15V)を供給するように指示を行うとともに、SRAM31bに格納されている画像データを構成する各ビットの“0”または“1”の状態に応じて、EPD31aの各画素を黒または白の状態にする。これにより、SRAM31bに格納されている画像データに対応する情報がEPD31aに表示される。
【0027】
ステップS15の表示処理が終了した場合には、表示制御回路32は、SRAM31bに対する電源電力の供給を停止する。これにより、電源回路34の動作を停止することができるので、消費電力を抑え、バッテリ33の消耗を防ぐことができる。なお、EPD31aは不揮発性の情報デバイスであるので、EPD31aに表示されている情報は、電源の供給が絶たれた後でも保持される。なお、連続して情報の書き換えを行う場合(例えば、ユーザによる操作ボタン35a〜35c操作に応じて表示を変更する場合)には、SRAM31bに対する電源の供給を継続することにより、SRAM31bに格納されている情報を部分的に書き換えることが可能になる。これにより、全ての情報を書き換える場合に比較して、書き換えに要する時間を短縮することができる。
【0028】
一例として、例えば、メニュー画面を表示した場合、つぎの操作として、ユーザがメニュー項目を選択することが予想されるので、メニュー画面を描画した後には、電源の供給を維持することにより、SRAM31bの内容を保持する。そして、ユーザが操作ボタン35a〜35cを操作した場合には、対応する項目を反転表示または点滅表示する必要が生じるが、その場合には、表示制御MCU36は、選択されたメニュー項目のみをVRAM36aにおいて再描画処理し、当該画像データのみをSRAM31bに転送して上書きし、EPD31aに表示させる。これにより、表示を変更する領域のみを再描画処理して転送処理するだけでよいので、描画速度を向上させることができる。この結果、例えば、1秒間に数回程度の描画しかできないEPD31aであっても、ユーザに不満を感じさせることなく、表示を行うことができる。
【0029】
つぎに、図4(A)に示す表示がなされてからある程度時間が経過し、例えば、図4(B)に示す新たな情報を表示する必要が生じた場合の動作について説明する。その場合には、パーソナルコンピュータ10において、例えば、図7に示すような情報が生成される。この描画コマンドは、図5に示す描画コマンドの行番号80〜110に代えて表示するための描画コマンド(差分の描画コマンド)である。行番号200の描画コマンド「%N230X217Y(14:00)K」は、X=230,Y=217の座標位置にノーマルサイズの文字によって「14:00」を表示するための情報である。また、行番号210〜230の描画コマンドは、X=230,Y=165の座標位置、X=230,Y=113の座標位置、および、X=230,Y=51の座標位置に、ノーマルサイズの文字によって「14:30」、「16:00」、および、「16:30」をそれぞれ表示させるためのコマンドである。また、このような描画コマンドとともに、先に送った描画コマンド(図5の描画コマンド)の、行番号80〜110の描画コマンドに代えて、行番号200〜230の描画コマンドを実行するとともに、先に送った描画コマンドによる再描画を行うように指示する上位コマンド(不図示)とを併せて生成する。そして、このようにして生成された上位コマンドを含む描画コマンドは、前述の場合と同様に、パーソナルコンピュータ10から通信ルータ20を介してICカード30−1,30−2に送信される。
【0030】
このような描画コマンドを受信したICカード30−1では、図8に示すフローチャートの処理が実行される。このフローチャートが開始されると、まず、ステップS30において、表示制御MCU36は、先に受信して不揮発性メモリ37に格納されている描画コマンドを再度実行する再描画処理であるか否かを判定する。いまの例では、前述のように、不揮発性メモリ37に格納されている図5に示す描画コマンドの一部を再描画する処理であることが上位のコマンドで指示されているので、Yesと判定されてステップS31に進む。なお、再描画ではなく、新たな描画である場合には、Noと判定されて処理を終了し、図8の処理に代えて、図6に示す処理が実行される。つづくステップS31では、表示制御MCU36は、一部表示内容を変更する処理であるか否かを判定し、一部表示内容を変更する処理である場合(ステップS31;Yes)にはステップS32に進み、それ以外の場合(ステップS31;No)にはステップS33に進む。いまの例では、図4(A)に示す時刻(一部表示内容)を変更する描画コマンドであるので、ステップS31ではYesと判定されてステップS32に進む。
【0031】
ステップS32では、表示内容を一部変更するために、描画コマンドの一部を置換する処理を実行する。いまの例では、図5に示す描画コマンドの行番号80〜110を、図7に示す描画コマンドの行番号200〜230によって置換する。なお、置換を行わずに、これらを併存させ、行番号80〜110の描画コマンドの代わりに、行番号200〜230の描画コマンドを実行するようにしてもよい。
【0032】
ステップS33では、表示制御MCU36は、VRAM36aをワークエリアとして、図5に示す行番号10〜70の描画コマンドを実行するとともに、図7に示す行番号200〜320の描画コマンドを実行する。この結果、VRAM36aには図4(B)に対応する画像データが生成される。つづくステップS34では、表示制御MCU36は、VRAM36aに格納されている画像データを、表示制御回路32を介して、SRAM31bに転送する処理を実行する。
【0033】
つぎに、ステップS35では、表示制御MCU36は、SRAM31bに格納されている情報をEPD31aに表示する処理を実行する。より詳細には、表示制御MCU36は、表示制御回路32に対してEPD31aに対して書き込み用の電圧(例えば、15V)を供給するように指示を行うとともに、SRAM31bに格納されている画像データを構成する各ビットの“0”または“1”の状態に応じて、EPD31aの各画素を黒または白の状態にする。これにより、SRAM31bに格納されている画像データに対応する情報がEPD31aに表示される。この結果、ICカード30−1には、図4(B)に示すように、新たな餌付けの時刻を示す情報が表示される。
【0034】
なお、ステップS35の表示処理が終了した場合には、表示制御回路32は、SRAM31bに対する電源電力の供給を停止する。これにより、電源回路34の動作を停止することができるので、消費電力を抑え、バッテリ33の消耗を防ぐことができる。前述したように、EPD31aは不揮発性の情報デバイスであるので、EPD31aに表示されている情報は、電源の供給が絶たれた後でも保持される。また、図4に示す例では、表示から再表示までの時間が長いが、再表示までの時間が短い場合には、SRAM31bに対する電源の供給を維持するとともに、情報の再描画がなされた領域のデータのみを新たにSRAM31bに転送して上書きするようにしてもよい。そのような方法によれば、書き換え処理を迅速に行うことができる。
【0035】
以上に説明したように、本発明の実施の形態では、パーソナルコンピュータ10において描画コマンドを生成し、描画コマンドをICカード30−1,30−2に対して供給し、ICカード30−1,30−2において描画処理を実行するようにした。このため、パーソナルコンピュータ10からビットマップデータを送信する場合に比較して、データの転送量を少なくすることができる。この結果、バッテリ33の消耗を防ぐために遅い通信速度によって通信がなされるICカード30−1,30−2と通信ルータ20間においてもストレスなく情報を受け取ることができる。例えば、本実施の形態の場合には、EPD31aの画素数は、前述したように横および縦が352×450画素であるので、これに表示するためのビットマップデータは、19800バイト(=19.3キロバイト(1キロバイト=1024バイトの場合))となる。一方、図5の描画コマンドの場合では、249バイトである。このように、描画コマンドとして送信することにより、情報量を大幅に少なくすることができる。
【0036】
また、本発明の実施の形態では、ICカード30−1,30−2において、受信した描画コマンドを不揮発性メモリ37に記憶し、再描画が必要になった場合には、不揮発性メモリ37に格納されている描画コマンドに基づいて描画処理を実行するようにした。このため、再描画を行う際に、パーソナルコンピュータ10から描画コマンドを再度受信する必要がないので、再描画処理を高速に実行することができるとともに、通信によるバッテリ33の消耗を防止できる。
【0037】
また、本発明の実施の形態では、描画処理が終了した場合には、電源回路34による電源の供給を停止するようにしたので、バッテリ33の消耗を防ぐことができる。また、不揮発性の表示デバイスとしてのEPD31aを使用するとともに、描画コマンドを不揮発性メモリ37に格納するようにしたので、電源回路34による電源の供給が停止された場合であっても、EPD31aの表示内容を維持することができるとともに、再描画が必要になった場合には不揮発性メモリ37に格納されている描画コマンドを利用することにより、パーソナルコンピュータ10から描画コマンドを再度受信する必要がなくなるので、再描画処理を高速に実行することができるとともに、通信によるバッテリ33の消耗を防止できる。
【0038】
また、本発明の実施の形態では、EPD31aに表示されている画像の一部を変更する場合には、当該変更に関する差分の描画コマンドを受信し、当該描画コマンドと、不揮発性メモリ37に格納されている描画コマンドとに基づいて再描画処理を実行するようにしたので、パーソナルコンピュータ10から受信する描画コマンドのデータ量を減らすことにより、再描画処理を高速に実行することができるとともに、通信によるバッテリ33の消耗を防止できる。
【0039】
(C)変形実施の態様
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能であることは勿論である。
たとえば、以上の実施の形態では、不揮発性表示装置としてEPD31aを例に挙げて説明したが、これ以外の表示装置(例えば、液晶ディスプレイ等)を用いてもよい。また、EPD31aの解像度としては、横および縦がそれぞれ352×450画素のモノクロの装置を例に挙げて説明したが、これ以外の画素数であったり、カラーの装置であったりしてもよい。
【0040】
また、以上の実施の形態では、VRAM36aは、SRAM31bとほぼ同じ記憶容量を有するものとして説明したが、例えば、VRAM36aがSRAM31bよりも少ない記憶容量を有するように設定してもよい。図9は、VRAM36aがSRAM31bよりも少ない記憶容量を有する場合における、VRAM36aと、SRAM31bとの関係の一例を示す図である。図9の例では、VRAM36aは、横および縦がそれぞれ352×52ビットの情報を格納可能な容量を有しており、表示制御MCU36は、このVRAM36aをワークエリアとして描画処理を実行し、“0”または“1”から構成される画像データを生成する。SRAM31bは、横および縦がそれぞれ352×450ビットの情報を格納可能な容量を有しており、SRAM31bに格納されている画像データのビット情報に応じて、EPD31aの各画素が白色または黒色のいずれかに表示される。なお、VRAM36aとSRAM31bは、横方向のビット数が352ビットで同じとされている。また、縦方向については、SRAM31bはVRAM36aの8.7倍程度の容量を有している。このため、VRAM36aにおいて生成された画像データ(領域画像データ)が複数回転送されることにより、SRAM31bに格納される1枚分の画像が完成する。そして、画像が完成した場合には、EPD31に対して書き込み電圧を印加し、SRAM31bに格納されている画像データを表示させる。
【0041】
図10は、SRAM31bの分割の一例を示している。すなわち、図10の例では、SRAM31bは、フッタおよびヘッダならびにNo.1〜No.8の領域に分割されており、それぞれの領域単位で画像データをVRAM36aからSRAM31bに転送することができる。また、図10の例では、フッタは縦方向の高さ(Height)が8ビットとされ、ヘッダは26ビットとされ、No.1〜No.8の領域はそれぞれ52ビットとして構成されている。No.1〜No.8の領域は、VRAM36aと同一のサイズとされている。なお、図9は一例であって、これ以外のサイズであったり、あるいはこれ以外の個数に分割されていたりしてもよい。
【0042】
このような実施の形態において、例えば、図4に示す情報を表示する場合、図10に示す領域毎に描画処理を実行する。具体的には、図5に示す行番号10の描画コマンドによる「○×動物園」がVRAM36aをワークエリアとして描画され、図10に示すNo.8の領域に対して転送されて表示され、同様に、図5に示す行番号20の描画コマンドによる「次の餌付け時刻は以下の通りです。」がVRAM36aをワークエリアとして描画され、図10に示すNo.9の領域に対して転送されて表示され、というように描画処理が領域単位で実行される。なお、行番号40〜110については、最初に「1.ペンギン 10:00」を表示する描画コマンドと、下線を描画する描画コマンドとを連続して記述し、これらに基づいて図4(A)に示す上から3行目の情報を描画し、続いて、「2.ラッコ 10:30」を表示する描画コマンドと、下線を描画する描画コマンドとを連続して記述し、これらに基づいて図4(A)に示す上から4行目の情報を描画し、というように描画処理を実行することができる。なお、直前の描画コマンドとの差分の描画コマンドのみを記述して描画処理を実行するようにしてもよい。例えば、「1.ペンギン 10:00」と「2.ラッコ 10:30」とでは、差分となる「2」「ラッコ 」、「3」のみを描画コマンドとして記述し、これらによって「1.ペンギン 10:00」を上書きすることにより、表示内容を更新するようにしてもよい。そのような方法によれば、描画処理を高速に実行することができる。
【0043】
このように、SRAM31bよりも小さい記憶容量を有するVRAM36aにおいて描画処理を実行して領域画像データを生成し、生成された画像データをSRAM31bに転送することで、高解像度のEPD31aを用いた場合であっても、解像度が高い情報をEPD31aに表示させることができる。また、EPD31aを複数の短冊状の領域に分割し、それぞれの領域毎に描画処理を実行するようにしたので、SRAM31bにおいて連続する領域に対して転送処理を行うことで、転送処理を高速化することができる。また、予め定まった内容を表示する場合には処理をルーチン化することにより処理速度を向上できる。例えば、エラー表示を行う場合、表示する内容と領域は予め定まっていることが多いので、そのような場合には、表示する内容のみを指定することにより、エラーの表示処理を実行できる。また、表示処理を継続する場合には、SRAM31bに対する電源の供給を維持しつつ、領域単位で再描画を行うようにしたので、処理速度が遅いEPD31aであっても、ユーザに不満を感じさせることなく、描画処理を実行することができる。また、このように、電源を継続して供給する場合を、表示処理を継続する場合に限ることにより、電源をこまめに遮断して、バッテリ33の消耗を防ぐことができる。また、領域単位で再描画処理を行うことにより、SRAM31bとして、ライトオンリのメモリを使用することができる。すなわち、パーソナルコンピュータ等において表示装置に表示する画像データを保持するメモリでは、新たな情報と既存の情報の論理演算を行うことにより情報の表示が行われることが一般的であるので、このようなメモリではリードおよびライトが可能なメモリが必要である。しかしながら、本実施の形態では、VRAM36aにおいてこのような論理演算を行い、論理演算の結果をSRAM31bに転送するようにした。これにより、SRAM31bとしては、リードおよびライトが可能なメモリよりも安価なライトオンリのメモリで事足りることから、装置のコストを低減できる。また、リードサイクルを除外することにより、メモリのアクセス速度を向上することができる。
【0044】
また、以上の実施の形態では、再描画を行う場合として、内容の一部の書き換えを伴う場合を例に挙げて説明したが、同一の内容を再度表示するような場合についても、図6に示す処理を適用してもよい。再描画を行う具体的な例としては、ユーザによって表示を消去する操作がなされた後に、再度、同一の情報を表示する場合、パーソナルコンピュータ10の通信エリア外に移動して表示内容を消去した後に、再度、通信エリア内に移動して同一の内容の表示を行う場合がある。また、EPD31aに表示される情報は、1〜2ヶ月程度すると、重力の作用により電気泳動粒子が分散媒に対して沈降・浮上を起こし、例えば、コントラストの低下等の画像の乱れを生じることがある。そこで、例えば、1〜2週間毎に、図6に示す処理を実行し、得られた画像データを再表示することで表示内容を維持するための動作である「リフレッシュ」を実行することにより、このような画像の乱れを防止することができる。そのような場合、不揮発性メモリ37に格納されている描画コマンドを利用することにより、パーソナルコンピュータ10との通信を省略し、リフレッシュ処理の時間を短縮することができる。
【0045】
また、不揮発性メモリ37に格納されている描画コマンドを利用してEPD31aに表示される内容を確実に消去するようにしてもよい。すなわち、EPD31aでは、表示されている内容を消去する場合、以前の表示内容が残像として残ってしまうことがある。そこで、表示された内容を一旦反転表示させた後に新たな情報を表示することで、そのような残像の発生を防止することができる。図4(B)の表示例では、EPD31aに表示されている情報を反転表示し(黒色の文字を白色で表示し、背景を黒色で表示し)た後に、全体を白色として表示することにより、残像の発生を防止できる。なお、このような残像は、反転文字(背景が黒、文字が白)を表示した場合に、顕著になるので、そのような表示をした場合には、不揮発性メモリ37に格納されている情報に基づいてその反転表示(背景を白、文字を黒)を行い、残像の発生を防止できる。
【0046】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、ICカードが有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disk)、DVD−RAM、CD−ROM(Compact Disk ROM)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0047】
プログラムを流通させる場合には、たとえば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0048】
プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送される毎に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の情報処理装置を含むシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示すICカードの外観を示す図である。
【図3】図1に示すICカードの詳細な構成例を示すブロック図である。
【図4】図2に示すICカードに情報が表示された場合の表示例である。
【図5】図4に示す情報を表示するための描画コマンドの一例である。
【図6】図2に示すICカードにおいて実行される処理の一例である。
【図7】差分のコマンドの一例を示す描画コマンドの一例である。
【図8】図2に示すICカードにおいて実行される他の処理の一例である。
【図9】図3に示すVRAMとSRAMの関係を示す図である。
【図10】図3に示すSRAMの分割の態様を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
10…パーソナルコンピュータ、20…通信ルータ、30−1,30−2…ICカード、31a…EPD(表示手段、表示装置)、36…表示制御MCU(描画手段、制御手段)、37…不揮発性メモリ(格納手段、格納装置)、39…RF回路(受信手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
描画コマンドをホスト装置から受信する受信手段と、
前記描画コマンドに基づいてビットマップデータとしての画像データを生成する描画手段と、
前記描画手段によって得られた画像データを表示する表示手段と、
前記画像データの生成に供された前記描画コマンドを格納する格納手段と、を有し、
前記表示手段に対して前記画像データを再表示する場合には、前記描画手段は、前記格納手段に格納されている前記描画コマンドから前記画像データを再度生成して表示する、
ことを特徴とするICカード。
【請求項2】
請求項1に記載のICカードにおいて、
前記格納手段は不揮発性の格納手段であり、
前記表示手段は不揮発性の表示手段であり、
前記描画手段による描画処理が終了した場合には、自機へ電源の供給を停止するとともに、描画処理が必要になった場合には電源の供給を開始する制御を行う制御手段を有する、
ことを特徴とするICカード。
【請求項3】
請求項2に記載のICカードにおいて、
前記表示手段に画像データが表示された後、所定の期間が経過した場合には、前記描画手段は前記不揮発性の格納手段に格納されている内容に基づいて描画処理を実行し、得られた画像データを前記不揮発性の表示手段に表示させることによって表示内容を維持する動作であるリフレッシュを行うことを特徴とするICカード。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のICカードにおいて、
前記表示手段に表示されている画像の一部を変更する際には、前記受信手段は当該変更部分に関する差分の描画コマンドを前記ホスト装置から受信し、
前記描画手段は、前記差分の描画コマンドに基づいて描画処理を実行する、
ことを特徴とするICカード。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載のICカードにおいて、
前記不揮発性の表示手段に新たな画像を表示する際には、前記格納手段に格納されている描画コマンドに基づいて、前記表示手段に表示されている画像を一旦消去した後に、新たな画像データを表示することを特徴とするICカード。
【請求項6】
描画コマンドをホスト装置から受信する受信手段、
前記描画コマンドに基づいてビットマップデータとしての画像データを生成する描画手段、
前記描画手段によって得られた画像データを表示する表示手段、
前記画像データの生成に供された前記描画コマンドを格納する格納手段、としてコンピュータを機能させ、
前記表示手段に対して前記画像データを再表示する場合には、前記描画手段は、前記格納手段に格納されている前記描画コマンドから前記画像データを再度生成して表示する、
ことを特徴とするICカードの情報処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−110039(P2009−110039A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−278398(P2007−278398)
【出願日】平成19年10月26日(2007.10.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】