ICタグ容器包装体の製造方法、及びICタグ容器包装体
【課題】 本発明の課題は、ICタグの向きを簡単に揃えることができるICタグ容器包装体の製造方法を提供することである。
【解決手段】 ICタグラベル7の一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器5であって、前記ICタグラベル7の一側部7aが前記ICタグラベルの貼付位置における胴部の接線の一方向側へ突出されているICタグ容器5を、複数の収納凹部2が一側部3aから他側部3bに亘って並んで形成された収納部材3の各収納凹部2に、前記ICタグ容器5を一方向へ回転させたときに前記ICタグラベル7の一側部7aが前記収納部材3の一側部3a側に向くように、それぞれ入れる工程と、前記ICタグラベル7の表面に接触して前記ICタグ容器5を一方向に回転させる整列具10を、前記収納部材3の他側部3bから一側部3aの方向へ相対移動させる工程と、を有する。
【解決手段】 ICタグラベル7の一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器5であって、前記ICタグラベル7の一側部7aが前記ICタグラベルの貼付位置における胴部の接線の一方向側へ突出されているICタグ容器5を、複数の収納凹部2が一側部3aから他側部3bに亘って並んで形成された収納部材3の各収納凹部2に、前記ICタグ容器5を一方向へ回転させたときに前記ICタグラベル7の一側部7aが前記収納部材3の一側部3a側に向くように、それぞれ入れる工程と、前記ICタグラベル7の表面に接触して前記ICタグ容器5を一方向に回転させる整列具10を、前記収納部材3の他側部3bから一側部3aの方向へ相対移動させる工程と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグラベルが容器に貼付されたICタグ容器を複数包装したICタグ容器包装体の製造方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のIT技術の著しい進歩によって、超小型のICチップを備えるICタグが、バーコードなどに代わって商品管理に利用されるようになってきている。1つの利用形態として、ICタグに商品情報(品名、ロット番号、製造日、品質保持期限等)や入出荷情報(出荷日、入庫日等)などを適宜記録することにより、商品の製造元から流通業者を経て消費者に亘るまでの流通履歴を含めた商品管理を、個々の商品毎に行うことが可能となる。
【0003】
このようなICタグを具備させる商品としては、例えば、アンプルなどの医療用容器が挙げられる。
医療用容器にICタグを具備させることにより、医薬品製造元から流通業者を経て病院などに至るまでの各拠点で、ICタグに入出荷情報や検品情報などの所望の情報を追加又は更新記録できる。このようにICタグを用いれば、極めて正確な流通履歴を残すことができる。このため、医薬品の追跡管理を容易に行えるという利点がある。
【0004】
従来、ICタグを容器に具備させる手段として、筒状のラベル基材面に導電性インキからなるアンテナパターンが印刷され、このアンテナパターンに電気的に導通するようにICタグが貼着されているICタグ付きボトル用ラベルを、容器胴部に装着することが知られている(特許文献1)。
また、このような筒状ラベル以外に、ICタグを備えるタックラベルを、容器胴部に貼付する手段も考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−20771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、医療用容器を含む各種商品は、通常、複数個を纏めて段ボール箱や厚紙箱などの包装箱に詰めた包装体の形態で、保管・運搬などの流通に供される。
しかしながら、従来のように、容器胴部にICタグが具備されたICタグ容器を包装した包装体は、個々の容器に具備されたICタグ情報を正確に読み取ることができない場合がある。
【0007】
例えば、ICタグを具備した医療用容器(ICタグ容器)は、複数の収納凹部が形成された収納部材(一般的には、該収納部材としてロンドレーションが使用される)の各収納凹部にそれぞれ入れられる。
しかしながら、上記各収納凹部は、収納部材の一側部から他側部に亘って並んで形成されているため、各収納凹部に入れられた隣合う医療用容器のICタグ同士が向かい合う場合がある。この場合、向かい合ったICタグが干渉し合うため、リーダ装置などの無線通信装置によって各医療用容器のICタグ情報を正確に読み取ったり、或いは各ICタグに情報を正確に書き込むことができないことがある。また、充填された医薬品が液体の場合、液体に電波が吸収され易いので、同様にICタグの読み取り精度が低下する。
【0008】
この点、包装体を製造するときに、ICタグが向かい合わないように医療用容器の向きを調整しながら各収納凹部に医療用容器を入れていけば、各ICタグの干渉を防止できる。しかしながら、個々の医療用容器の向きを調整しながら収納凹部に入れることは包装作業の煩雑化を招く。また、医療用容器が収納凹部内で回転可能である場合には、ICタグの向きを揃えて入れたとしても、流通過程で医療用容器が収納凹部内で回転して、ICタグの向きが変わる虞もある。
【0009】
本発明の第1の課題は、収納部材の収納凹部にICタグ容器を入れた後、各ICタグの向きを簡単に揃え、各ICタグに正確にアクセスできるICタグ容器包装体の製造方法を提供することである。
本発明の第2の課題は、ICタグが容器に具備されたICタグ容器が収納部材の各収納凹部に入れられた包装体に於いて、各ICタグ容器のICタグに正確にアクセスできるICタグ容器包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のICタグ容器包装体の製造方法は、ICタグラベルの一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器であって、前記ICタグラベルの一側部が前記ICタグラベルの貼付位置における胴部の接線の一方向側へ突出されているICタグ容器を、複数の収納凹部が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材の各収納凹部に、前記ICタグ容器を一方向へ回転させたときに前記ICタグラベルの一側部が前記収納部材の一側部側に向くように、それぞれ入れる工程と、前記ICタグラベルの表面に接触して前記ICタグ容器を一方向に回転させる整列具を、前記収納部材の他側部から一側部の方向へ相対移動させる工程と、を有する。
【0011】
上記ICタグ容器包装体の製造方法は、先ず、ICタグラベルの一側部が突出されているICタグ容器を、収納部材の各収納凹部に入れる。このとき、ICタグ容器を一方向へ回転させたときに前記ICタグラベルの一側部が前記収納部材の一側部側に向くように、各ICタグ容器を各収納凹部にそれぞれ入れていく。なお、この工程においては、各ICタグラベルを略同一平面上に揃える必要はなく、無作為にICタグ容器を各収納凹部に入れるだけでよい。
ICタグラベルの一側部を収納部材の一側部側に向けて、無作為に各ICタグ容器を収納凹部に入れると、ICタグラベルの一側部が収納凹部から突出した状態で収納凹部に入っているICタグ容器もあれば、ICタグラベルの一側部が収納凹部の天面部を含む面と略平行になった状態で入っているICタグ容器もある。
【0012】
次に、前記ICタグラベルの表面に接触して前記ICタグ容器を一方向に回転させる整列具を、収納部材の他側部から一側部の方向へ相対移動させると、前記突出したICタグラベルの表面に当たった整列具が、ICタグラベルを収納部材の一側部方向へ引き連れる。整列具がICタグラベルを引き連れることに伴ってICタグ容器が収納凹部内で一方向に回転する。その結果、各ICタグ容器のICタグラベルが略同一平面上に整列したICタグ容器包装体を得ることができる。
得られたICタグ容器包装体は、各ICタグ容器のICタグラベルが略同一平面上に並んでいるので、隣合うICタグが干渉し合うことを防止できる。また、このICタグ容器包装体に無線通信装置を作用させることにより、個々のICタグの情報に正確にアクセスできる。
【0013】
本発明の好ましい製造方法は、前記整列具が、前記収納部材の収納凹部の開口側に被せられる蓋材である。
【0014】
上記好ましい製造方法のように、整列具として蓋材を用いることにより、上記ICタグラベルの整列と収納部材の閉蓋を同時に行うことができる。
【0015】
本発明の他の好ましい製造方法は、前記ICタグラベルの他側部が、前記胴部に接着されており、前記ICタグラベルの他側部が前記胴部の曲面に沿って湾曲している。
【0016】
上記他の好ましい製造方法によれば、前記ICタグラベルの他側部が胴部の曲面に沿って湾曲しているので、整列具を収納部材の他側部から一側部側へ相対移動させたときに、整列具がICタグラベルの他側部の縁に当たることを防止できる。このため、整列具の相対移動に伴って、ICタグラベルが、折れ曲がったり、或いは、容器から剥がれることを防止できる。
【0017】
本発明の他の好ましい製造方法は、前記容器が、前記胴部の上方に連設され且つ前記胴部の周長よりも短い周長の小胴部を有し、前記ICタグラベルの上部が、前記小胴部の前方に接着されている。
【0018】
上記好ましい製造方法によれば、ICタグラベルの上部が容器の小胴部に接着されているので、整列具を収納部材の他側部から一側部側へ相対移動させたときに、整列具がICタグラベルの他側部上部に当たることを防止できる。このため、整列具の移動に伴って、ICタグラベルが折れ曲がったり、或いは、容器から剥がれることを防止できる。
【0019】
本発明の別の局面によれば、ICタグ容器包装体が提供される。
本発明のICタグ容器包装体は、ICタグラベルの一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器であって、前記ICタグラベルの一側部が前記ICタグラベルの貼付位置における前記胴部の接線の一方向へ突出されている複数のICタグ容器と、複数の収納凹部が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材と、を有し、前記ICタグ容器が、前記収納部材の各収納凹部にそれぞれ入れられており、前記ICタグラベルの一側部寄りにICタグが設けられ、前記各ICタグ容器のICタグラベルの一側部が前記収納部材の一側部側に向けられ且つ略同一平面上に配置されていることを特徴とする。
【0020】
上記ICタグ容器包装体は、各ICタグ容器のICタグラベルの一側部が収納部材の一側部側に向けられ且つ略同一平面上に配置されているので、隣合うICタグが干渉し合うことを防止できる。従って、上記ICタグ容器包装体は、無線通信装置を用いて、個々のICタグの情報に正確にアクセスできる。
また、上記ICタグ容器包装体は、各ICタグ容器のICタグラベルの一側部が胴部から突出されているので、ICタグラベルの一側部を収納部材の天面部上に位置させることも可能である。このため、上記ICタグ容器包装体は、流通過程で、ICタグ容器が収納凹部内で回転し難く、ICタグラベルの向きが変わることを防止できる。
【0021】
本発明の好ましいICタグ容器包装体は、前記容器が、前記胴部の上方に連設され且つ前記胴部の周長よりも周長が短い小胴部を有し、前記小胴部の前方に、前記ICタグラベルの上部が離れて位置している。
【0022】
上記好ましいICタグ容器包装体は、ICタグラベルの上部が、容器の小胴部の前方に離れて位置しているので、容器内に充填された液体によって電波が吸収され難くなる。従って、上記好ましいICタグ容器包装体は、ICタグの情報に確実にアクセスできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のICタグ容器包装体の製造方法によれば、収納部材の収納凹部に入れられた各ICタグラベルを略同一平面上に簡単に揃えることができる。従って、本発明の製造方法によれば、各ICタグの情報に正確にアクセスできるICタグ容器包装体を簡易に製造できる。
また、本発明のICタグ容器包装体によれば、各ICタグ容器のICタグに正確にアクセスできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】1つの実施形態に係るICタグ容器包装体の正面図。
【図2】図1のII−II線断面図。ただし、包装箱のみを切断した状態で示す。
【図3】(a)は、収納部材の正面図、(b)は、同上面図。
【図4】1つの実施形態に係る箱体の斜視図。
【図5】1つの実施形態に係る容器の正面図。
【図6】1つの実施形態に係る巻付け型ICタグラベルの正面図。
【図7】図6のVII−VII線断面図。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図。
【図9】1つの実施形態に係るICタグ容器の上面図。
【図10】1つの実施形態に係るICタグ容器の正面図。
【図11】ICタグ容器包装体の1つの製造方法の工程を示し、収納部材の各収納凹部にICタグ容器を入れた状態の上面図。
【図12】ICタグ容器包装体の1つの製造方法の工程を示し、整列具を相対移動させてICタグ容器を回転させながらICタグラベルの向きを揃えている状態の上面図。
【図13】他の実施形態に係るICタグ容器の上面図。
【図14】他の実施形態に係る巻付け型ICタグラベルの正面図。
【図15】図14の巻き付け型ICタグラベルが貼付されたICタグ容器の上面図。
【図16】巻付けラベルを有しないICタグラベルが貼付されたICタグ容器の正面図。
【図17】ICタグ容器包装体の他の製造方法の工程を示し、供給具に仮止めされたICタグラベルを収納部材の容器に貼付する前の上面図。
【図18】ICタグ容器包装体の他の製造方法の工程を示し、ICタグラベルを容器に貼付し、供給具を後退させた状態の上面図。
【図19】他の実施形態に係るICタグ容器の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<ICタグ容器包装体の1つの実施形態>
図1及び図2に於いて、1は、複数の収納凹部2が並んで形成された収納部材3と箱体8とを有する包装箱と、前記収納部材3の各収納凹部2に収納されたICタグ容器5と、を有するICタグ容器包装体を示す。ただし、図1において、箱体8を2点鎖線で示す。
ICタグ容器5は、胴部61を有する容器6と、前記胴部61に一部分が貼付されたICタグラベル7と、を有する。
ICタグラベル7は、その一側部7aが胴部61の貼付位置における接線の一方向に突出するように、容器6の胴部61に貼付されている。
この突出したICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の一側部3a側に向けられ且つこのICタグラベル7の一側部7aが略同一平面上に配置された状態で、ICタグ容器5が収納部材3の各収納凹部2に入れられている。
以下、具体的に説明する。
【0026】
包装箱は、上記収納部材3と、該収納部材3を被覆する箱体8と、を有する。
収納部材3は、図3にも示すように、正面視略矩形状であり、その一側部3aから他側部3bに亘って複数の収納凹部2が並んで形成されている。
収納凹部2は、略U字形状の細長い凹みであり、該凹みが収納部材3の上端から下端にまで形成されている。また、収納凹部2の内周面は、円弧状に形成されている。前記内周面に対向する収納凹部2の開口21(ICタグ容器5の出し入れ口)が、収納部材3の天部側に向かって開いている。
【0027】
各収納凹部2は、その長手方向(細長い凹みの延びる方向)が平行となるように、収納部材3の一側部3aから他側部3bに亘って複数連設されている。各収納凹部2の連設部分には、天面部22が形成されている。該天面部22は、例えば小さな円弧の山型状に形成されている。天面部22は、隣合う収納凹部2を連結する部分であると共に、収納部材3の最も高い部分を構成している。なお、各天面部22の高さは、略同じである。従って、収納部材3を平坦な載置面上に載置したときに、各天面部22を含む平面は、前記載置面と平行である。
収納凹部2の数は、複数(2個以上)であれば特に限定されない。本実施形態では、収納凹部2が5個形成された収納部材3を例示している。
【0028】
また、収納部材3の一側部3aを構成する部分には、外側へ延びる脚部31が延設されている。この脚部31は、例えば、収納部材3の一側部3aを構成する部分の下端を略直角に折り曲げることによって形成できる。もっとも、脚部31は、収納部材3の一側部3aを構成する部分の略中央に形成されていてもよいし、一側部3aを構成する部分の上端に形成されていてもよい。また、脚部31は、収納部材3の他側部3bを構成する部分にも形成されていてもよい(図示せず)。
前記脚部31が設けられていることにより、図2に示すように、収納部材3の一側部3aと箱体8のケース81の側面81aとの間に、空間Xが生じる。前記空間Xは、前記脚部31の端部が前記側面81aに当たることにより、確実に保持されている。かかる空間Xの存在により、収納部材3の一側部3aから外側に出たICタグラベル7の一側部7aの端部が側面に当たることを防止でき、よって、搬送中などに、ICタグラベル7が潰れることを防止できる。
【0029】
上記収納部材3は、厚紙、合成樹脂シートなどで形成することができる。厚紙や合成樹脂シートなどのシートで形成された収納部材3は、一般に、ロンドレーション(波形緩衝シート)と呼ばれる。
また、上記収納部材3は、シートで形成されたものに限られず、例えば、合成樹脂成形品などでもよい。
【0030】
上記箱体8は、内部に収納部材3を入れ且つこれを被覆できるものであれば特に限定されない。
例えば、箱体8は、収納部材3の底部、上部及び下部の3方面を囲うケース81と、収納部材3の収納凹部2の開口21側に被せられる蓋材82と、を有する。
本実施形態では、箱体8は、図4に示すように、前記ケース81と蓋材82が一体的に形成された、矩形筒状体からなる。該矩形筒状体は、収納部材3の底部、天部、上部及び下部の4方面を囲うことができ、その両側部に開口84(収納部材3の出し入れ口)がそれぞれ形成されている。矩形筒状体は、前記両開口84を塞ぐための側面81aを有していてもよい。側面81aが設けられた箱体8は、その内部に入れた収納部材3が不用意に開口84から抜け出ることを防止できる。なお、側面81aを設けた箱体8であっても、上記のように、収納部材3に脚部31が設けられていれば、ICタグラベル7の一側部7aが潰れることを防止できる。
前記側面81aは、例えば、前記開口84を塞ぐフラップ片83を前記矩形筒状体の両側部に設けることによって、形成できる。該フラップ片83を開口84に嵌めることにより、側面81aを形成できる。なお、図4において、フラップ片83を2点鎖線で示す。
【0031】
上記ICタグ容器5を入れた収納部材3を、上記箱体8の開口84から箱体8内にスライド挿入することにより、ICタグ容器包装体1を構成できる。
箱体8内に収納された収納部材3は、その底部が箱体8の底面に接し又は近接している。また、箱体8内に収納された収納部材3は、その収納凹部2の開口21から突出したICタグ容器5の一部分が箱体8の天面(蓋材82)に接し又は近接している。
箱体8は、厚紙、段ボール、合成樹脂シートなどの比較的硬いシートを組み立てて形成できる。また、箱体8は、非透明又は透明の何れでもよい。
【0032】
ICタグラベル7を具備させる容器6は、図5にも示すように、例えば、胴部61と、該胴部61の上方に連設され且つ胴部61の周長よりも周長が短い小胴部62と、を有する。
具体的には、容器6の胴部61は、収納凹部2内で回転可能な形状(例えば、図示したような円筒状)に形成されている。該胴部61に連設された小胴部62は、円筒状の胴部61の径よりも小径の円形状に形成されている。胴部61と小胴部62の径差は、特に限定されないが、好ましくは、小胴部62の直径が、胴部61の直径に対して3/4〜1/4倍である。
【0033】
このような容器6は、図示したような、アンプル(医療用容器の1種)が挙げられる。また、特に図示しないが、前記容器6は、アンプルに限られず、バイアル瓶、プレフィルドシリンジなどの医療用容器でもよい。また、前記容器6は、医療用容器に限られず、胴部よりも小径の注出口が形成されたボトル型容器(例えば、飲料を充填するボトル型容器)などでもよい。
なお、容器6が医療用容器の場合には、容器6内に医薬品が充填される。容器6がボトル型容器などの場合には、飲料、調味料などの任意のものが充填される。
容器6の材質についても特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製、金属製、陶器製、ガラス製などが挙げられる。但し、金属製容器を用いる場合には、磁束の異常反射などが発生して電磁誘導に影響を及ぼしてICタグの読み取り感度が低下する虞がある。
【0034】
前記ICタグラベル7は、図6〜図8にも示すように、ICタグ71を備えており、その一部分(例えば、ICタグラベル7の他側部下端)において容器6に接着可能である。
ICタグラベル7は、正面視所定形状(例えば、正面視矩形状など)に形成され、その一部分に舌状の貼付部72が延設されている。この貼付部72の裏面において、ICタグラベル7は、容器6に接着可能であるが、ICタグラベル7の他の部分は、実質的に粘着性がなく、容器6に接着できない。
【0035】
上記ICタグ71は、その裏面に設けられた粘着剤層715を介して、ICタグラベル7の表面に貼付されている。具体的には、ICタグ71は、粘着剤層715を介して、ICタグラベル7の一側部7a寄りに貼付されている。後述するように、ICタグ71は、ICチップ711及びアンテナ部712からなり、アンテナ部712はある程度大きな面積を占めている。本実施形態では、ICタグ71は、図6に示すように、ICタグラベル7の平面視における中心を基準にして、その一側部7a側に寄って設けられている。さらに、ICタグ71は、同図に示すように、ICタグラベル7の一側部上端寄りに設けられていることが好ましい。中でも、ICタグ71のうち、ICチップ711が、ICタグラベル7の一側部7a寄りに設けられていることがより好ましく、さらに、ICタグラベル7の一側部上端寄りに設けられていることが特に好ましい。
前記粘着剤層715を介して貼付されたICタグ71は、ICタグラベル7から剥離することができる。もっとも、ICタグ71は、ICタグラベル7に対して剥離可能に貼付せず、ICタグラベル7に一体的に設けられていてもよい。
【0036】
ICタグ71は、ICチップ711及びアンテナ部712からなるモジュール部を少なくとも有する。該ICタグ71は、無線通信装置(後述するように、読込み型、書込み型、又は読書き型の何れでもよい)を用いて、非接触でICチップ711の電気的情報を読み込む及び/又はICチップ711に書き込まれる。
ICタグ71の具体的構成としては、基材713の上にICチップ711及びアンテナ部712からなるモジュール部が形成され且つこのモジュール部の上に保護層714が積層された構成などが挙げられる。
尚、このICタグ71とは、一般的に、RFIDタグ、RFIDインレット、無線ICタグ、非接触IC、非接触データキャリアなどと表現されているものも含まれる。
【0037】
ICタグラベル7の層構成は、ICタグ71が具備されたベースフィルム731と、ベースフィルム731の裏面に設けられた粘着剤層732と、貼付部72に対応する部分を除いて前記粘着剤層732に重ねて設けられた隠蔽層733と、を有する。前記隠蔽層733は、粘着剤層732の接着力を抑える層である。従って、ICタグラベル7の貼付部72の裏面のみに粘着剤層732が露出しており、ICタグラベル7は、貼付部72において容器6に接着可能である。
なお、ICタグラベル7は、上記層構成に限られず、例えば、ベースフィルム731の裏面のうち貼付部72に対応する部分のみに粘着剤層732が設けられた層構成でもよい。
【0038】
ICタグ71の粘着剤層715及びICタグラベル7の粘着剤層732は、従来公知の粘着剤をベースフィルム731などに塗工することによって形成されている。
粘着剤とは、室温下、人力で容易に剥がすことができる程度の接着力で2つの部材を接着可能であって、剥離後、再貼付可能なものを意味する。該粘着剤としては、アクリル系、ゴム系などの感圧型粘着剤などが挙げられる。
また、隠蔽層733は、粘着剤の接着力を隠蔽する性質を有するマスキング剤を塗工することによって形成できる。マスキング剤としては、例えば、紫外線硬化型インキなどが挙げられる。
【0039】
上記基材713及びベースフィルム731は、特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルム、紙、合成紙などのフィルム、及び2枚以上のフィルムが積層された積層フィルムなどを用いることができる。ICタグラベル7は、整列具が当たったときに変形し難いことが好ましい。この理由から、ベースフィルム731としては、剛性の高いフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム又はポリエステル系フィルムが積層された積層フィルムを用いることが好ましい。
【0040】
ベースフィルム731の厚みは、余りに薄いと変形し易いことから、50μm以上が好ましく、更に、80μm以上がより好ましい。なお、ベースフィルム731の厚みは、余りに厚いと取扱い性が悪く、更に費用対効果の点から、200μm以下が好ましい。
なお、ICタグ71及び/又はICタグラベル7には、必要に応じて、商品情報(品名、ロット番号、製造日、品質保持期限等)が印刷表示されていてもよいし、その他の意匠が印刷表示されていてもよい。
【0041】
さらに、本実施形態のICタグラベル7は、容器6の胴部61に巻き付けて貼付可能な巻付けラベル75が一体的に設けられた、巻付け型ICタグラベル9である。ICタグラベル7として、巻付け型ICタグラベル9を用いることにより、主として広告目的で貼付される巻付けラベル75を胴部61に貼付すると同時に、ICタグラベル7を容器6に具備させることができる。
巻付けラベル75とICタグラベル7は、部分的に連設されている。例えば、ICタグラベル7の貼付部72(他側部下端)と巻付けラベル75の他側部上端とにおいて、両ラベル7,75が連設されている。このように部分的に連設させるため、ICタグラベル7の一側部下端から他側部方向へ切り目79が形成されている。この切り目79においてICタグラベル7と巻付けラベル75は分離されている。従って、巻付けラベル75を容器6の胴部61に巻き付けたときに、それに追従してICタグラベル7全体が円弧状に湾曲することを防止できる。
【0042】
巻付けラベル75は、正面視所定形状(例えば、正面視矩形状など)に形成され、その裏面が容器6の胴部61に接着可能である。なお、巻付けラベル75は、胴部61に巻き付けるので、通常、ICタグラベル7よりも大面積に形成される。巻付けラベル75には、必要に応じて、商品情報や意匠が印刷表示されていてもよい。
巻付けラベル75の層構成は、ベースフィルム731と、ベースフィルム731の裏面の略全体に設けられた粘着剤層732と、を有する。従って、巻付けラベル75は、粘着剤層732を介して、容器6の胴部61に接着可能である。
なお、巻付けラベル75を構成するベースフィルムや粘着剤層は、ICタグラベル7で例示したものを用いることができる。
【0043】
連設された巻付けラベル75とICタグラベル7の境界には、両ラベルを分離するための切取用破断線76が形成されている(各図(但し、図8を除く)において、切取用破断線76を、一点鎖線で示す)。切取用破断線76の一端部は、前記切り目79の他端部に連設されている。切取用破断線76としては、ミシン目線、ハーフカット線などが挙げられる。
【0044】
上記巻付けラベル75とICタグラベル7は、それぞれ別々に形成した後、両ラベル7,75の一部分を一体的に連設してもよいが、通常、巻付けラベル75とICタグラベル7(巻付け型ICタグラベル9)は、1枚のベースフィルム731で構成される。
例えば、巻付け型ICタグラベル9は、1枚のベースフィルム731の裏面全体に粘着剤層732を設け、且つICタグラベル7(但し、貼付部72を除く)に対応する粘着剤層732上に隠蔽層733を重ねて設けた後、該ベースフィルム731を所定形状に裁断(同時に切取用破断線76及び切り目79も形成)することによって得ることができる。
【0045】
上記巻付け型ICタグラベル9のICタグラベル7を容器6の小胴部62の前方に位置させた状態で、巻付けラベル75を容器6の胴部61周りに巻き付けることにより、ICタグ容器5が構成されている。
該ICタグ容器5は、粘着剤層732を介して巻付けラベル75及びICタグラベル7の貼付部72が胴部6に貼付されているが、ICタグラベル7は容器6に接着せず、ICタグラベル7の上部が突出して容器6の小胴部62の前方に位置している。従って、ICタグラベル7の上部は、容器6の小胴部62から隙間を開けて離れている。このICタグラベル7の上部には、ICタグ71(アンテナ部712)の殆どが含まれているため、ICタグ71と容器6の間には、隙間を有する。
また、貼付された巻付けラベル75は、胴部61の曲面に沿って円弧状に湾曲している。ICタグラベル7の貼付部72(他側部下端)は巻付けラベル75の他側部上端において連設されているので、ICタグラベルの他側部7bは、胴部61の曲面に沿って湾曲している。
【0046】
さらに、貼付部72において貼付されたICタグラベル7は、ICタグラベル7の他側部7bを除いて、略平坦状となっている。ICタグ71は、ICタグラベル7の一側部7a寄りに設けられているので、ICタグ71も、略平坦状となっている。
図9に示すように、略平坦状のICタグラベル7の一側部7aは、貼付部72の外縁72a(ICタグラベル7の貼付位置の外縁)における胴部61の接線Lの一方向へ突出している。
略平坦状のICタグラベル7の一側部7aは、前記貼付位置を基準にして前記胴部61の周方向に約1/4周長分ずれた位置61aにおける胴部61の接線面Mよりも外側へ突出している。
従って、図10にも示すように、ICタグ容器5を正面から見た場合、ICタグラベル7の一側部7aが、胴部61の外面よりも外側に突出している。
【0047】
上記ICタグ容器5は、図1及び図2に示すように、収納部材3の各収納凹部2にそれぞれ入られている。
入れられたICタグ容器5は、そのICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の一側部3a側に向けられている。ICタグ容器5のICタグラベル7の少なくとも一側部7aは、略平坦状であり且つ該一側部7aは胴部61の外面よりも外側に突出しているので、各ICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の天面部22上に位置し、ICタグラベル7の少なくとも一側部7aは収納部材3の各天面部22を含む面と略平行となっている。ただし、略平行とは、ICタグラベル7の一側部7aと各天面部22を含む面とが完全に平行である場合だけでなく両面が20度以内、好ましくは10度以内の角度を有する場合を含む。この種の製品において、前記両面が完全に平行となるような精密性は求められず、且つ現実的にそのような製品を工業的に量産できないからである。
【0048】
収納凹部2に入れられた各ICタグ容器5は、そのICタグラベル7の一側部7aが隣りのICタグ容器5のICタグラベル7と重ならないことが好ましい。このように隣合うICタグラベル7が部分的に重ならないように収納凹部2に入れることにより、個々のICタグの情報に対して、より正確にアクセスできる。このように隣合うICタグラベル7が部分的に重ならないようにするためには、例えば、ICタグラベル7の幅を適宜設定すればよい。もっとも、ICタグ容器5は、収納凹部3に入れられたときに、そのICタグラベル7の一部分が隣りのICタグラベル7と部分的に重なっていてもよい。
【0049】
上記ICタグ容器包装体1は、各ICタグ容器5のICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の一側部3a側に向けられ且つ各ICタグラベル7の一側部7aが略同一平面上に配置されているので、隣合うICタグ71が干渉し合うことを防止できる。従って、上記ICタグ容器包装体1は、無線通信装置を用いて個々のICタグ71に正確にアクセスできる。
さらに、上記ICタグ容器包装体1は、ICタグラベル7の上部が容器6の小胴部62の前方にまで突出され且つ小胴部62に対して非接着とされているので、容器6内に充填された液体によって電波が吸収され難くなる。また、上記ICタグ容器包装体1は、無線通信装置を用いてICタグ71の情報に確実にアクセスできる。
また、上記ICタグ容器包装体1は、各ICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の天面部22上に位置している。このため、流通過程で振動が加わっても、ICタグラベル7の一側部7aが天面部22に係止され、ICタグ容器5が収納凹部2内で回転し難く、ICタグラベル7の向きが変わることを防止できる。
【0050】
<ICタグ容器包装体の製造方法の1つの実施形態>
次に、上記ICタグ容器包装体1の製造方法及びICタグ容器包装体1の通信方法について説明する。
なお、以下の説明では、容器として、医薬品を充填した医療用容器を例に採るが、本発明は、医療用容器に限定されない。
【0051】
本発明のICタグ容器包装体の製造方法は、例えば、ICタグラベル7の一部分が容器6の胴部61に貼付されたICタグ容器5であって、前記ICタグラベル7の一側部7aが前記ICタグラベル7の貼付位置における胴部61の接線の一方向側へ突出されているICタグ容器5を、複数の収納凹部2が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材3の各収納凹部2に、前記ICタグラベル7の一側部7aを前記収納部材3の一側部3a側に向けながらそれぞれ入れる工程と、前記各収納凹部2から突出したICタグラベル7の表面に当たるように、整列具10を前記収納部材3の他側部3bから一側部4aの方向へ相対移動させる工程と、を有する。
【0052】
(ICタグ容器の作製工程)
最初の工程では、ICタグラベル7のICタグ71に、医薬品に関する商品情報(品名、医薬品の個別的な識別番号、製造日、製造場所、品質保持期限などの所望の情報)を記録する。この記録は、ICタグ71へ情報を書き込み可能な書込み型又は読書き型の無線通信装置を用いて行うことができる。
このICタグラベル7に連設された巻付けラベル75を、医薬品が充填された容器6の胴部61に巻き付けながら貼付することにより、図9及び図10に示すようなICタグ容器5を作製する。ICタグ容器5の構成及び作製方法は、上述の通りである。
尚、ICタグ71への商品情報の記録は、容器6に貼付する前に行わず、容器6に貼付した後に実施することもできる。
【0053】
(ICタグ容器の収納工程)
次の工程では、このICタグ容器5を、収納部材3の収納凹部2内へ入れていく。
収納凹部2にICタグ容器5を入れるときには、ICタグ容器5を一方向へ回転させたときにICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の一側部3a側に向くように、ICタグ容器5を収納凹部2に入れていく。
好ましくは、ICタグラベル7の一側部7aを収納部材3の一側部3a側に向けながら、ICタグ容器5を収納凹部2に入れていく。上記以外は、特に制限はなく、無作為に各ICタグ容器5を収納凹部2に入れていいけばよい。
例えば、ICタグラベル7の一側部7aを摘み、ICタグラベル7の他側部7bを収納部材3の他側部3b側へ向けて(換言すると、ICタグラベル7の一側部7aを収納部材3の一側部3a側に向けて)、各ICタグ容器5を各収納凹部2に順次入れていく。なお、各ICタグ容器5を各収納凹部2に一時に入れてもよい。
また、容器6の胴部61を掴み、ICタグラベル7の他側部7bを収納部材3の他側部3b側へ向けて、各ICタグ容器5を各収納凹部2に入れてもよい。
【0054】
このように無作為にICタグ容器5を収納凹部2に入れると、図11に示すように、ICタグラベル7が収納凹部2から突出した状態で収納凹部2に入ったICタグ容器5もあれば、ICタグラベル7が収納部材3の天面部22を含む面と略平行になった状態で入ったICタグ容器5’もある。
【0055】
(ICタグ容器の整列工程)
次の工程では、整列具10が収納凹部2から突出したICタグラベル7の表面に当たるように、前記整列具10を収納部材3の他側部3bから一側部3aの方向へ相対移動させる。
整列具10は、少なくとも収納凹部2の開口21から天部方向へ突出したICタグラベル7に接触する部分を有していれば、特に限定されない。
整列具10としては、例えば、平板、棒などの簡易な部材を用いることができる。また、整列具10として、上記箱体8の蓋材82を用いてもよい。整列具10として上記蓋材82を用いた場合には、ICタグ容器5の整列作業の完了と同時に、収納部材3の閉蓋を実施できるので好ましい。
【0056】
整列具10は、収納凹部2の開口21から突出した各ICタグ容器5の胴部61に略接するように相対移動させる。換言すると、整列具10は、収納凹部2の開口21から突出した各ICタグ容器5の胴部61の接線面(接線を含む面)に沿って相対移動させる。
ここで、相対移動とは、(1)収納部材3を固定し且つ整列具10を収納部材3に対してスライド移動させること、(2)整列具10を固定し且つ収納部材3を整列具10に対してスライド移動させること、(3)収納部材3及び整列具10の双方をスライド移動させること、が含まれる。本発明では、整列具10の相対移動は、前記(1)〜(3)の何れでもよいが、通常、前記(2)の方法が採用される。
【0057】
整列具10を相対移動させると(図12の矢印A方向に収納部材3を移動させると)、整列具10の先端縁10aが収納凹部2の開口21から突出したICタグラベル7の表面に当たっていき、整列具10がICタグラベル7を収納部材3の一側部3a方向へ引き連れる。ICタグ容器5の胴部61は収納凹部2内で回転可能な形状であるため、整列具10がICタグラベル7を引き連れることに伴ってICタグ容器5が収納凹部2内で一方向に回転する(回転方向を、図12の矢印Bで示す)。その結果、各ICタグ容器5のICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の天面部22上に位置し、各ICタグ容器5のICタグラベル7の一側部7aが略同一平面上(蓋材82と略平行)に揃う。ただし、略平行とは、略平行とは、ICタグラベル7の一側部7aと各天面部22を含む面とが完全に平行である場合だけでなく両面が20度以内、好ましくは10度以内の角度を有する場合を含む。整列具10を相対移動させると、ICタグ容器5が一方向に回転してICタグラベル7が揃うが、その一側部7aが蓋材82と完全に平行とはならないからである。
【0058】
上述のように、無作為にICタグ容器5を収納凹部2に入れると、ICタグラベル7が収納部材3の天面部22を含む面と略平行になった状態でICタグ容器5が入れられる場合がある(図12の符号5’で示すICタグ容器を参照)。この場合、相対移動させた整列具10の先端縁10aが、前記略平行のICタグラベル7の他側部7bの縁に引っ掛かる虞がある。この点、上記ICタグ容器5のICタグラベル7の他側部7bは胴部61の曲面に沿って湾曲しているため、整列具10の先端縁10aがICタグラベル7の他側部7bの縁に当たることを防止できる。このため、整列具10の相対移動に伴って、ICタグラベル7が、折れ曲がったり、容器6から剥がれることを防止できる。
さらに、整列具10として蓋材82を用いると、ICタグラベル7の整列と同時に収納部材3に蓋材82が被せられたICタグ容器包装体1を得ることができる。
【0059】
得られたICタグ容器包装体1は、搬送ラインなどで搬送され、倉庫に保管、或いは製造元から出荷され、流通に供される。そして、搬送ラインなどの所定箇所に於いて、無線通信装置を用いて、包装体1の状態で個々のICタグ71と通信が行われる。
例えば、搬送に使用されるコンベアの途中に、無線通信装置を配置し、該コンベアで搬送されるICタグ容器包装体1の底面側を無線通信装置上に通過させている間に、該無線通信装置から電波が送られ、各ICタグ容器5に具備されたICタグ71と通信が行われる。通信によって、ICタグ71に記録された情報をそれぞれ読み取る及び/又はICタグ71に情報をそれぞれ書き込むことができる。
また、無線通信装置を、包装体1の搬送途中に配置してICタグ71と通信する態様に限られず、所望の場所で、包装体1を無線通信装置上に載せる又は通過させることにより、ICタグ71と通信することもできる。
【0060】
上記ICタグ容器包装体1は、各ICタグラベル7の一側部7aが略同一平面上に並んでいるので、隣合うICタグ容器5のICタグ71が干渉し合うことを防止できる。従って、上記無線通信装置を用いて、各ICタグ容器5のICタグ71の情報をそれぞれ正確に読み取る又は各ICタグ71に情報を正確に記録できる。よって、ICタグ容器包装体1から個々のICタグ容器5を取り出さなくても、包装した状態のまま商品管理を行うことができる。
【0061】
ここで、無線通信装置は、ICタグ71と無線(非接触)によってアクセスできる装置であって、ICタグ71の情報を読み込む読込み型、無線でICタグに情報を記録する書込み型、又は読込みと書込みの双方を行える読書き型、の何れかの型を用いることができる。
読込み型の無線通信装置は、ICタグ71に対しては、その記録情報を読み込む機能を有する。かかる読込み型の無線通信装置を用いる場合、例えば、各容器毎のICタグ71にそれぞれの識別番号(ID番号)が記録され、且つ該識別番号に対応した商品情報を別途データベース化したシステムを構築することにより(例えば、別に設置したホストコンピュータに商品情報が記録更新され、且つインターネットなどの通信網を通じてアクセスできるデータベースなど)、読込み型の無線通信装置で読み込んだ情報(識別番号等)を元にしてこのデータベースと照合し、個々の商品情報を確認でき、商品管理を行うことができる。
【0062】
また、書込み型の無線通信装置は、ICタグ71に対して所定情報を書き込む機能を有する。かかる書込み型の無線通信装置を用いる場合、流通過程に於ける各拠点で、所定の商品情報を追記更新することにより、各ICタグ71に重畳的に商品情報を蓄積できる。
これら読込み型、書込み型、読書き型の無線通信装置は、各流通拠点に於いて適宜選択して使用できる。例えば、製造元から販売業者又は消費者に至るまで、同じ型の無線通信装置(例えば、読込み型や読書き型など)を用いたり、或いは、製造元では書込み型の無線通信装置、問屋などの流通業者では読書き型、販売業者又は消費者では読込み型をそれぞれ用いるなどのように、流通拠点で異なる型の無線通信装置を用いることもできる。
【0063】
また、無線通信装置は、各ICタグ71に個々にアクセスする方式でもよいし、或いは、複数のICタグ71に一括してアクセスする方式でもよい。
【0064】
例えば、製造元から流通業者を経て消費者に至るまでの各流通拠点で、上記包装体1に無線通信装置を作用させ、各ICタグ容器5のICタグ71に、入出荷情報(出荷日、入庫日等)や検品情報などの所望の情報を追加又は更新記録していくことにより、極めて正確な流通履歴が記録されたICタグ71を個々のICタグ容器5ごとに得ることができる。
このICタグ71の記録情報に従えば、商品の追跡管理を容易に行えるので、医療用容器の流通管理システムとして特に好適に利用できる。
【0065】
また、上記ICタグ71は粘着剤層715を介してICタグラベル7に貼付されているので、医療用容器を使用後、ICタグ71を引き剥がし、これを注射器、輸液バッグ、カルテなどに貼り付けて保管することもできる。
なお、ICタグ71がICタグラベル7に一体的に設けられている場合(剥離して分離できない場合)には、切取用破断線76に沿ってICタグラベル7を巻付けラベル75から分離しつつ、ICタグラベル7を容器6から剥がし、ICタグラベル7の貼付部72を注射器などに貼り付けることによって、ICタグラベル7を保管することもできる。
【0066】
<他の実施形態>
次に、本発明の他の実施形態を示す。但し、下記他の実施形態の説明では、上記各実施形態と異なる部分について主として説明し、同様の構成についてはその説明を省略し、用語及び図番を援用することがある。
【0067】
上記実施形態では、ICタグラベル7の上部は、容器6に接着されず、容器6の小胴部62の前方に離れて突出されているが、図13に示すように、ICタグラベル7の上部が、小胴部62の前方に部分的に接着されていてもよい。好ましくは、ICタグラベル7の上部のうち他側部7bが、小胴部62の前方に接着される。なお、ICタグラベル7の上部の裏面において粘着剤層を部分的に露出させることにより(例えば、他側部7bにおける接着剤層を露出させることにより)、ICタグラベル7の上部を小胴部62に接着させることができる。
このようにICタグラベル7が小胴部62に接着されているICタグ容器5は、小胴部62の前方へ突出したICタグラベル7の他側部7bの縁が、胴部61の外面よりも内側となる。よって、かかるICタグ容器5を収納部材3の収納凹部2に入れた後、上記整列具10を相対移動させたときに、整列具10の先端縁10aがICタグラベル7の他側部7bの縁に引っ掛かることを確実に防止できる。
【0068】
さらに、上記実施形態では、ICタグラベル7の他側部7bが、容器6の胴部61に接着されているが、ICタグラベル7の他側部7bが容器6に接着されていなくてもよい。ICタグラベル7は、その一部分において胴部61に接着されていればよく、他側部7bが胴部61に接着されている構成に限定されない。
かかるICタグラベル7としては、図14に示すような、巻付け型ICタグラベル9が挙げられる。図14に示す巻付け型ICタグラベル9は、ICタグラベル7の他側部寄り下端と巻付けラベル75の他側部寄り上端とにおいて、両ラベル7,75が連設されており、ICタグラベル7の他側部寄り下端から貼付部72が延設されている。その他の構成は、図6〜図8で示す巻付け型ICタグラベルと同様である。図14に示す巻付け型ICタグラベル9が貼付されたICタグ容器5は、図15に示すように、貼付部72においてICタグラベル7が胴部61に接着され、ICタグラベル7の一側部7aが胴部の接線の一方向へ突出され、且つICタグラベル7の他側部7bが前記接線の他方向へ突出されている。
【0069】
また、上記実施形態では、ICタグラベル7として、巻付けラベル75が一体的に設けられた巻付け型ICタグラベル9を例示したが、ICタグラベル7は、巻付けラベル75が一体的に設けられていなくてもよい。本発明のICタグ容器5は、ICタグラベル7と巻付けラベル75が別々に容器6に貼付されていてもよいし、ICタグラベル7のみが容器6に貼付されていてもよい。
巻付けラベルを有しないICタグラベル7は、図16に示すように、貼付部72において容器6の胴部に貼付される。なお、図16(a)は、貼付部72がICタグラベル7の他側部下端に延設され、ICタグラベル7の他側部7bが胴部61の曲面に沿って湾曲しているICタグ容器5を示す。図16(b)は、貼付部72がICタグラベル7の他側部寄り下端に延設され、ICタグラベル7の他側部7bが胴部61に接着されていないICタグ容器5を示す。
【0070】
さらに、上記実施形態では、箱体8としてケース81と蓋材82が一体的に形成された矩形筒状体を例示したが、箱体8は、ケースと蓋材が別体で形成され、ケースに蓋材を嵌め合わせるものでもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、円筒状の胴部61を有する容器6を例示したが、本発明のICタグ容器包装体1は、胴部61が円筒状の容器6に限られず、胴部が多角柱状の容器、胴部が瓢箪型の容器などでもよい。このような形状の胴部61を有する容器6も、収納凹部2内で回転可能である。
【0072】
さらに、上記実施形態のICタグ容器包装体の製造方法では、整列具を用いて各ICタグラベルの向きを略同一平面上に揃えているが、本発明のICタグ容器包装体1は、次のような方法でも製造できる。
先ず、図17に示すように、収納部材3の各収納凹部2に容器6をそれぞれ入れる。
他方、平坦面4aを有する供給具4の該平坦面4aに、前記容器6と同数のICタグラベル7を所定間隔を開けて仮止めしておく。仮止めは、平坦面4a側へラベルを吸引する、平坦面4aに極めて弱く接着するなどの方法を採用できる。また、各ICタグラベル7の間隔は、各収納凹部の間隔と略同じに設定する。なお、ICタグラベル7は、図16に示すような巻付けラベルを有しないICタグラベル7が用いられる。
ICタグラベル7が仮止めされた供給具4を収納部材3側(太矢印で示す方向)へと進出させると、収納凹部2の開口21から突出した各容器6の胴部61に、各ICタグラベル7の貼付部72が一時に貼付される。
次に、図18に示すように、供給具4を収納部材3から離れる方向(太矢印で示す方向)へ後退させることにより、平坦面4aからICタグラベル7が離れて容器6側へ移る。
かかる製造方法も、各ICタグラベル7が略同一平面上に配置されたICタグ容器包装体1を簡易に製造できる。
【0073】
さらに、上記実施形態では、ICタグラベル7の上部が、容器6の小胴部62の前方に位置しているが、ICタグラベル7は、その一側部7aがICタグラベル7の貼付位置における胴部61の接線の一方向側へ突出するように、容器6に貼付されていればよい。例えば、図19に示すように、ICタグラベル7の一側部7aが、容器6の胴部61の側方へ突出するように貼付されているICタグ容器5でもよい。この場合、ICタグラベル7の他側部が、容器6の胴部61に貼付される。かかるICタグ容器5を、上記ICタグ容器包装体の製造方法に用いても、収納凹部2に入れられた各ICタグラベル7の一側部7aを略同一平面上に簡単に揃えることができる。
【符号の説明】
【0074】
1…ICタグ容器包装体、2…収納凹部、21…収納凹部の開口、22…収納部材の天面部、3…収納部材、3a…収納部材の一側部、3b…収納部材の他側部、5…ICタグ容器、6…容器、61…胴部、62…小胴部、7…ICタグラベル、7a…ICタグラベルの一側部、7b…ICタグラベルの他側部、71…ICタグ、72…ICタグラベルの貼付部、75…巻付けラベル、76…切取用破断線、8…箱体、82…蓋材、9…巻付け型ICタグラベル、10…整列具
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグラベルが容器に貼付されたICタグ容器を複数包装したICタグ容器包装体の製造方法などに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のIT技術の著しい進歩によって、超小型のICチップを備えるICタグが、バーコードなどに代わって商品管理に利用されるようになってきている。1つの利用形態として、ICタグに商品情報(品名、ロット番号、製造日、品質保持期限等)や入出荷情報(出荷日、入庫日等)などを適宜記録することにより、商品の製造元から流通業者を経て消費者に亘るまでの流通履歴を含めた商品管理を、個々の商品毎に行うことが可能となる。
【0003】
このようなICタグを具備させる商品としては、例えば、アンプルなどの医療用容器が挙げられる。
医療用容器にICタグを具備させることにより、医薬品製造元から流通業者を経て病院などに至るまでの各拠点で、ICタグに入出荷情報や検品情報などの所望の情報を追加又は更新記録できる。このようにICタグを用いれば、極めて正確な流通履歴を残すことができる。このため、医薬品の追跡管理を容易に行えるという利点がある。
【0004】
従来、ICタグを容器に具備させる手段として、筒状のラベル基材面に導電性インキからなるアンテナパターンが印刷され、このアンテナパターンに電気的に導通するようにICタグが貼着されているICタグ付きボトル用ラベルを、容器胴部に装着することが知られている(特許文献1)。
また、このような筒状ラベル以外に、ICタグを備えるタックラベルを、容器胴部に貼付する手段も考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−20771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、医療用容器を含む各種商品は、通常、複数個を纏めて段ボール箱や厚紙箱などの包装箱に詰めた包装体の形態で、保管・運搬などの流通に供される。
しかしながら、従来のように、容器胴部にICタグが具備されたICタグ容器を包装した包装体は、個々の容器に具備されたICタグ情報を正確に読み取ることができない場合がある。
【0007】
例えば、ICタグを具備した医療用容器(ICタグ容器)は、複数の収納凹部が形成された収納部材(一般的には、該収納部材としてロンドレーションが使用される)の各収納凹部にそれぞれ入れられる。
しかしながら、上記各収納凹部は、収納部材の一側部から他側部に亘って並んで形成されているため、各収納凹部に入れられた隣合う医療用容器のICタグ同士が向かい合う場合がある。この場合、向かい合ったICタグが干渉し合うため、リーダ装置などの無線通信装置によって各医療用容器のICタグ情報を正確に読み取ったり、或いは各ICタグに情報を正確に書き込むことができないことがある。また、充填された医薬品が液体の場合、液体に電波が吸収され易いので、同様にICタグの読み取り精度が低下する。
【0008】
この点、包装体を製造するときに、ICタグが向かい合わないように医療用容器の向きを調整しながら各収納凹部に医療用容器を入れていけば、各ICタグの干渉を防止できる。しかしながら、個々の医療用容器の向きを調整しながら収納凹部に入れることは包装作業の煩雑化を招く。また、医療用容器が収納凹部内で回転可能である場合には、ICタグの向きを揃えて入れたとしても、流通過程で医療用容器が収納凹部内で回転して、ICタグの向きが変わる虞もある。
【0009】
本発明の第1の課題は、収納部材の収納凹部にICタグ容器を入れた後、各ICタグの向きを簡単に揃え、各ICタグに正確にアクセスできるICタグ容器包装体の製造方法を提供することである。
本発明の第2の課題は、ICタグが容器に具備されたICタグ容器が収納部材の各収納凹部に入れられた包装体に於いて、各ICタグ容器のICタグに正確にアクセスできるICタグ容器包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のICタグ容器包装体の製造方法は、ICタグラベルの一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器であって、前記ICタグラベルの一側部が前記ICタグラベルの貼付位置における胴部の接線の一方向側へ突出されているICタグ容器を、複数の収納凹部が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材の各収納凹部に、前記ICタグ容器を一方向へ回転させたときに前記ICタグラベルの一側部が前記収納部材の一側部側に向くように、それぞれ入れる工程と、前記ICタグラベルの表面に接触して前記ICタグ容器を一方向に回転させる整列具を、前記収納部材の他側部から一側部の方向へ相対移動させる工程と、を有する。
【0011】
上記ICタグ容器包装体の製造方法は、先ず、ICタグラベルの一側部が突出されているICタグ容器を、収納部材の各収納凹部に入れる。このとき、ICタグ容器を一方向へ回転させたときに前記ICタグラベルの一側部が前記収納部材の一側部側に向くように、各ICタグ容器を各収納凹部にそれぞれ入れていく。なお、この工程においては、各ICタグラベルを略同一平面上に揃える必要はなく、無作為にICタグ容器を各収納凹部に入れるだけでよい。
ICタグラベルの一側部を収納部材の一側部側に向けて、無作為に各ICタグ容器を収納凹部に入れると、ICタグラベルの一側部が収納凹部から突出した状態で収納凹部に入っているICタグ容器もあれば、ICタグラベルの一側部が収納凹部の天面部を含む面と略平行になった状態で入っているICタグ容器もある。
【0012】
次に、前記ICタグラベルの表面に接触して前記ICタグ容器を一方向に回転させる整列具を、収納部材の他側部から一側部の方向へ相対移動させると、前記突出したICタグラベルの表面に当たった整列具が、ICタグラベルを収納部材の一側部方向へ引き連れる。整列具がICタグラベルを引き連れることに伴ってICタグ容器が収納凹部内で一方向に回転する。その結果、各ICタグ容器のICタグラベルが略同一平面上に整列したICタグ容器包装体を得ることができる。
得られたICタグ容器包装体は、各ICタグ容器のICタグラベルが略同一平面上に並んでいるので、隣合うICタグが干渉し合うことを防止できる。また、このICタグ容器包装体に無線通信装置を作用させることにより、個々のICタグの情報に正確にアクセスできる。
【0013】
本発明の好ましい製造方法は、前記整列具が、前記収納部材の収納凹部の開口側に被せられる蓋材である。
【0014】
上記好ましい製造方法のように、整列具として蓋材を用いることにより、上記ICタグラベルの整列と収納部材の閉蓋を同時に行うことができる。
【0015】
本発明の他の好ましい製造方法は、前記ICタグラベルの他側部が、前記胴部に接着されており、前記ICタグラベルの他側部が前記胴部の曲面に沿って湾曲している。
【0016】
上記他の好ましい製造方法によれば、前記ICタグラベルの他側部が胴部の曲面に沿って湾曲しているので、整列具を収納部材の他側部から一側部側へ相対移動させたときに、整列具がICタグラベルの他側部の縁に当たることを防止できる。このため、整列具の相対移動に伴って、ICタグラベルが、折れ曲がったり、或いは、容器から剥がれることを防止できる。
【0017】
本発明の他の好ましい製造方法は、前記容器が、前記胴部の上方に連設され且つ前記胴部の周長よりも短い周長の小胴部を有し、前記ICタグラベルの上部が、前記小胴部の前方に接着されている。
【0018】
上記好ましい製造方法によれば、ICタグラベルの上部が容器の小胴部に接着されているので、整列具を収納部材の他側部から一側部側へ相対移動させたときに、整列具がICタグラベルの他側部上部に当たることを防止できる。このため、整列具の移動に伴って、ICタグラベルが折れ曲がったり、或いは、容器から剥がれることを防止できる。
【0019】
本発明の別の局面によれば、ICタグ容器包装体が提供される。
本発明のICタグ容器包装体は、ICタグラベルの一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器であって、前記ICタグラベルの一側部が前記ICタグラベルの貼付位置における前記胴部の接線の一方向へ突出されている複数のICタグ容器と、複数の収納凹部が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材と、を有し、前記ICタグ容器が、前記収納部材の各収納凹部にそれぞれ入れられており、前記ICタグラベルの一側部寄りにICタグが設けられ、前記各ICタグ容器のICタグラベルの一側部が前記収納部材の一側部側に向けられ且つ略同一平面上に配置されていることを特徴とする。
【0020】
上記ICタグ容器包装体は、各ICタグ容器のICタグラベルの一側部が収納部材の一側部側に向けられ且つ略同一平面上に配置されているので、隣合うICタグが干渉し合うことを防止できる。従って、上記ICタグ容器包装体は、無線通信装置を用いて、個々のICタグの情報に正確にアクセスできる。
また、上記ICタグ容器包装体は、各ICタグ容器のICタグラベルの一側部が胴部から突出されているので、ICタグラベルの一側部を収納部材の天面部上に位置させることも可能である。このため、上記ICタグ容器包装体は、流通過程で、ICタグ容器が収納凹部内で回転し難く、ICタグラベルの向きが変わることを防止できる。
【0021】
本発明の好ましいICタグ容器包装体は、前記容器が、前記胴部の上方に連設され且つ前記胴部の周長よりも周長が短い小胴部を有し、前記小胴部の前方に、前記ICタグラベルの上部が離れて位置している。
【0022】
上記好ましいICタグ容器包装体は、ICタグラベルの上部が、容器の小胴部の前方に離れて位置しているので、容器内に充填された液体によって電波が吸収され難くなる。従って、上記好ましいICタグ容器包装体は、ICタグの情報に確実にアクセスできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のICタグ容器包装体の製造方法によれば、収納部材の収納凹部に入れられた各ICタグラベルを略同一平面上に簡単に揃えることができる。従って、本発明の製造方法によれば、各ICタグの情報に正確にアクセスできるICタグ容器包装体を簡易に製造できる。
また、本発明のICタグ容器包装体によれば、各ICタグ容器のICタグに正確にアクセスできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】1つの実施形態に係るICタグ容器包装体の正面図。
【図2】図1のII−II線断面図。ただし、包装箱のみを切断した状態で示す。
【図3】(a)は、収納部材の正面図、(b)は、同上面図。
【図4】1つの実施形態に係る箱体の斜視図。
【図5】1つの実施形態に係る容器の正面図。
【図6】1つの実施形態に係る巻付け型ICタグラベルの正面図。
【図7】図6のVII−VII線断面図。
【図8】図6のVIII−VIII線断面図。
【図9】1つの実施形態に係るICタグ容器の上面図。
【図10】1つの実施形態に係るICタグ容器の正面図。
【図11】ICタグ容器包装体の1つの製造方法の工程を示し、収納部材の各収納凹部にICタグ容器を入れた状態の上面図。
【図12】ICタグ容器包装体の1つの製造方法の工程を示し、整列具を相対移動させてICタグ容器を回転させながらICタグラベルの向きを揃えている状態の上面図。
【図13】他の実施形態に係るICタグ容器の上面図。
【図14】他の実施形態に係る巻付け型ICタグラベルの正面図。
【図15】図14の巻き付け型ICタグラベルが貼付されたICタグ容器の上面図。
【図16】巻付けラベルを有しないICタグラベルが貼付されたICタグ容器の正面図。
【図17】ICタグ容器包装体の他の製造方法の工程を示し、供給具に仮止めされたICタグラベルを収納部材の容器に貼付する前の上面図。
【図18】ICタグ容器包装体の他の製造方法の工程を示し、ICタグラベルを容器に貼付し、供給具を後退させた状態の上面図。
【図19】他の実施形態に係るICタグ容器の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<ICタグ容器包装体の1つの実施形態>
図1及び図2に於いて、1は、複数の収納凹部2が並んで形成された収納部材3と箱体8とを有する包装箱と、前記収納部材3の各収納凹部2に収納されたICタグ容器5と、を有するICタグ容器包装体を示す。ただし、図1において、箱体8を2点鎖線で示す。
ICタグ容器5は、胴部61を有する容器6と、前記胴部61に一部分が貼付されたICタグラベル7と、を有する。
ICタグラベル7は、その一側部7aが胴部61の貼付位置における接線の一方向に突出するように、容器6の胴部61に貼付されている。
この突出したICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の一側部3a側に向けられ且つこのICタグラベル7の一側部7aが略同一平面上に配置された状態で、ICタグ容器5が収納部材3の各収納凹部2に入れられている。
以下、具体的に説明する。
【0026】
包装箱は、上記収納部材3と、該収納部材3を被覆する箱体8と、を有する。
収納部材3は、図3にも示すように、正面視略矩形状であり、その一側部3aから他側部3bに亘って複数の収納凹部2が並んで形成されている。
収納凹部2は、略U字形状の細長い凹みであり、該凹みが収納部材3の上端から下端にまで形成されている。また、収納凹部2の内周面は、円弧状に形成されている。前記内周面に対向する収納凹部2の開口21(ICタグ容器5の出し入れ口)が、収納部材3の天部側に向かって開いている。
【0027】
各収納凹部2は、その長手方向(細長い凹みの延びる方向)が平行となるように、収納部材3の一側部3aから他側部3bに亘って複数連設されている。各収納凹部2の連設部分には、天面部22が形成されている。該天面部22は、例えば小さな円弧の山型状に形成されている。天面部22は、隣合う収納凹部2を連結する部分であると共に、収納部材3の最も高い部分を構成している。なお、各天面部22の高さは、略同じである。従って、収納部材3を平坦な載置面上に載置したときに、各天面部22を含む平面は、前記載置面と平行である。
収納凹部2の数は、複数(2個以上)であれば特に限定されない。本実施形態では、収納凹部2が5個形成された収納部材3を例示している。
【0028】
また、収納部材3の一側部3aを構成する部分には、外側へ延びる脚部31が延設されている。この脚部31は、例えば、収納部材3の一側部3aを構成する部分の下端を略直角に折り曲げることによって形成できる。もっとも、脚部31は、収納部材3の一側部3aを構成する部分の略中央に形成されていてもよいし、一側部3aを構成する部分の上端に形成されていてもよい。また、脚部31は、収納部材3の他側部3bを構成する部分にも形成されていてもよい(図示せず)。
前記脚部31が設けられていることにより、図2に示すように、収納部材3の一側部3aと箱体8のケース81の側面81aとの間に、空間Xが生じる。前記空間Xは、前記脚部31の端部が前記側面81aに当たることにより、確実に保持されている。かかる空間Xの存在により、収納部材3の一側部3aから外側に出たICタグラベル7の一側部7aの端部が側面に当たることを防止でき、よって、搬送中などに、ICタグラベル7が潰れることを防止できる。
【0029】
上記収納部材3は、厚紙、合成樹脂シートなどで形成することができる。厚紙や合成樹脂シートなどのシートで形成された収納部材3は、一般に、ロンドレーション(波形緩衝シート)と呼ばれる。
また、上記収納部材3は、シートで形成されたものに限られず、例えば、合成樹脂成形品などでもよい。
【0030】
上記箱体8は、内部に収納部材3を入れ且つこれを被覆できるものであれば特に限定されない。
例えば、箱体8は、収納部材3の底部、上部及び下部の3方面を囲うケース81と、収納部材3の収納凹部2の開口21側に被せられる蓋材82と、を有する。
本実施形態では、箱体8は、図4に示すように、前記ケース81と蓋材82が一体的に形成された、矩形筒状体からなる。該矩形筒状体は、収納部材3の底部、天部、上部及び下部の4方面を囲うことができ、その両側部に開口84(収納部材3の出し入れ口)がそれぞれ形成されている。矩形筒状体は、前記両開口84を塞ぐための側面81aを有していてもよい。側面81aが設けられた箱体8は、その内部に入れた収納部材3が不用意に開口84から抜け出ることを防止できる。なお、側面81aを設けた箱体8であっても、上記のように、収納部材3に脚部31が設けられていれば、ICタグラベル7の一側部7aが潰れることを防止できる。
前記側面81aは、例えば、前記開口84を塞ぐフラップ片83を前記矩形筒状体の両側部に設けることによって、形成できる。該フラップ片83を開口84に嵌めることにより、側面81aを形成できる。なお、図4において、フラップ片83を2点鎖線で示す。
【0031】
上記ICタグ容器5を入れた収納部材3を、上記箱体8の開口84から箱体8内にスライド挿入することにより、ICタグ容器包装体1を構成できる。
箱体8内に収納された収納部材3は、その底部が箱体8の底面に接し又は近接している。また、箱体8内に収納された収納部材3は、その収納凹部2の開口21から突出したICタグ容器5の一部分が箱体8の天面(蓋材82)に接し又は近接している。
箱体8は、厚紙、段ボール、合成樹脂シートなどの比較的硬いシートを組み立てて形成できる。また、箱体8は、非透明又は透明の何れでもよい。
【0032】
ICタグラベル7を具備させる容器6は、図5にも示すように、例えば、胴部61と、該胴部61の上方に連設され且つ胴部61の周長よりも周長が短い小胴部62と、を有する。
具体的には、容器6の胴部61は、収納凹部2内で回転可能な形状(例えば、図示したような円筒状)に形成されている。該胴部61に連設された小胴部62は、円筒状の胴部61の径よりも小径の円形状に形成されている。胴部61と小胴部62の径差は、特に限定されないが、好ましくは、小胴部62の直径が、胴部61の直径に対して3/4〜1/4倍である。
【0033】
このような容器6は、図示したような、アンプル(医療用容器の1種)が挙げられる。また、特に図示しないが、前記容器6は、アンプルに限られず、バイアル瓶、プレフィルドシリンジなどの医療用容器でもよい。また、前記容器6は、医療用容器に限られず、胴部よりも小径の注出口が形成されたボトル型容器(例えば、飲料を充填するボトル型容器)などでもよい。
なお、容器6が医療用容器の場合には、容器6内に医薬品が充填される。容器6がボトル型容器などの場合には、飲料、調味料などの任意のものが充填される。
容器6の材質についても特に限定されず、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂製、金属製、陶器製、ガラス製などが挙げられる。但し、金属製容器を用いる場合には、磁束の異常反射などが発生して電磁誘導に影響を及ぼしてICタグの読み取り感度が低下する虞がある。
【0034】
前記ICタグラベル7は、図6〜図8にも示すように、ICタグ71を備えており、その一部分(例えば、ICタグラベル7の他側部下端)において容器6に接着可能である。
ICタグラベル7は、正面視所定形状(例えば、正面視矩形状など)に形成され、その一部分に舌状の貼付部72が延設されている。この貼付部72の裏面において、ICタグラベル7は、容器6に接着可能であるが、ICタグラベル7の他の部分は、実質的に粘着性がなく、容器6に接着できない。
【0035】
上記ICタグ71は、その裏面に設けられた粘着剤層715を介して、ICタグラベル7の表面に貼付されている。具体的には、ICタグ71は、粘着剤層715を介して、ICタグラベル7の一側部7a寄りに貼付されている。後述するように、ICタグ71は、ICチップ711及びアンテナ部712からなり、アンテナ部712はある程度大きな面積を占めている。本実施形態では、ICタグ71は、図6に示すように、ICタグラベル7の平面視における中心を基準にして、その一側部7a側に寄って設けられている。さらに、ICタグ71は、同図に示すように、ICタグラベル7の一側部上端寄りに設けられていることが好ましい。中でも、ICタグ71のうち、ICチップ711が、ICタグラベル7の一側部7a寄りに設けられていることがより好ましく、さらに、ICタグラベル7の一側部上端寄りに設けられていることが特に好ましい。
前記粘着剤層715を介して貼付されたICタグ71は、ICタグラベル7から剥離することができる。もっとも、ICタグ71は、ICタグラベル7に対して剥離可能に貼付せず、ICタグラベル7に一体的に設けられていてもよい。
【0036】
ICタグ71は、ICチップ711及びアンテナ部712からなるモジュール部を少なくとも有する。該ICタグ71は、無線通信装置(後述するように、読込み型、書込み型、又は読書き型の何れでもよい)を用いて、非接触でICチップ711の電気的情報を読み込む及び/又はICチップ711に書き込まれる。
ICタグ71の具体的構成としては、基材713の上にICチップ711及びアンテナ部712からなるモジュール部が形成され且つこのモジュール部の上に保護層714が積層された構成などが挙げられる。
尚、このICタグ71とは、一般的に、RFIDタグ、RFIDインレット、無線ICタグ、非接触IC、非接触データキャリアなどと表現されているものも含まれる。
【0037】
ICタグラベル7の層構成は、ICタグ71が具備されたベースフィルム731と、ベースフィルム731の裏面に設けられた粘着剤層732と、貼付部72に対応する部分を除いて前記粘着剤層732に重ねて設けられた隠蔽層733と、を有する。前記隠蔽層733は、粘着剤層732の接着力を抑える層である。従って、ICタグラベル7の貼付部72の裏面のみに粘着剤層732が露出しており、ICタグラベル7は、貼付部72において容器6に接着可能である。
なお、ICタグラベル7は、上記層構成に限られず、例えば、ベースフィルム731の裏面のうち貼付部72に対応する部分のみに粘着剤層732が設けられた層構成でもよい。
【0038】
ICタグ71の粘着剤層715及びICタグラベル7の粘着剤層732は、従来公知の粘着剤をベースフィルム731などに塗工することによって形成されている。
粘着剤とは、室温下、人力で容易に剥がすことができる程度の接着力で2つの部材を接着可能であって、剥離後、再貼付可能なものを意味する。該粘着剤としては、アクリル系、ゴム系などの感圧型粘着剤などが挙げられる。
また、隠蔽層733は、粘着剤の接着力を隠蔽する性質を有するマスキング剤を塗工することによって形成できる。マスキング剤としては、例えば、紫外線硬化型インキなどが挙げられる。
【0039】
上記基材713及びベースフィルム731は、特に限定されず、例えば、ポリエステルフィルムなどの合成樹脂フィルム、紙、合成紙などのフィルム、及び2枚以上のフィルムが積層された積層フィルムなどを用いることができる。ICタグラベル7は、整列具が当たったときに変形し難いことが好ましい。この理由から、ベースフィルム731としては、剛性の高いフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム又はポリエステル系フィルムが積層された積層フィルムを用いることが好ましい。
【0040】
ベースフィルム731の厚みは、余りに薄いと変形し易いことから、50μm以上が好ましく、更に、80μm以上がより好ましい。なお、ベースフィルム731の厚みは、余りに厚いと取扱い性が悪く、更に費用対効果の点から、200μm以下が好ましい。
なお、ICタグ71及び/又はICタグラベル7には、必要に応じて、商品情報(品名、ロット番号、製造日、品質保持期限等)が印刷表示されていてもよいし、その他の意匠が印刷表示されていてもよい。
【0041】
さらに、本実施形態のICタグラベル7は、容器6の胴部61に巻き付けて貼付可能な巻付けラベル75が一体的に設けられた、巻付け型ICタグラベル9である。ICタグラベル7として、巻付け型ICタグラベル9を用いることにより、主として広告目的で貼付される巻付けラベル75を胴部61に貼付すると同時に、ICタグラベル7を容器6に具備させることができる。
巻付けラベル75とICタグラベル7は、部分的に連設されている。例えば、ICタグラベル7の貼付部72(他側部下端)と巻付けラベル75の他側部上端とにおいて、両ラベル7,75が連設されている。このように部分的に連設させるため、ICタグラベル7の一側部下端から他側部方向へ切り目79が形成されている。この切り目79においてICタグラベル7と巻付けラベル75は分離されている。従って、巻付けラベル75を容器6の胴部61に巻き付けたときに、それに追従してICタグラベル7全体が円弧状に湾曲することを防止できる。
【0042】
巻付けラベル75は、正面視所定形状(例えば、正面視矩形状など)に形成され、その裏面が容器6の胴部61に接着可能である。なお、巻付けラベル75は、胴部61に巻き付けるので、通常、ICタグラベル7よりも大面積に形成される。巻付けラベル75には、必要に応じて、商品情報や意匠が印刷表示されていてもよい。
巻付けラベル75の層構成は、ベースフィルム731と、ベースフィルム731の裏面の略全体に設けられた粘着剤層732と、を有する。従って、巻付けラベル75は、粘着剤層732を介して、容器6の胴部61に接着可能である。
なお、巻付けラベル75を構成するベースフィルムや粘着剤層は、ICタグラベル7で例示したものを用いることができる。
【0043】
連設された巻付けラベル75とICタグラベル7の境界には、両ラベルを分離するための切取用破断線76が形成されている(各図(但し、図8を除く)において、切取用破断線76を、一点鎖線で示す)。切取用破断線76の一端部は、前記切り目79の他端部に連設されている。切取用破断線76としては、ミシン目線、ハーフカット線などが挙げられる。
【0044】
上記巻付けラベル75とICタグラベル7は、それぞれ別々に形成した後、両ラベル7,75の一部分を一体的に連設してもよいが、通常、巻付けラベル75とICタグラベル7(巻付け型ICタグラベル9)は、1枚のベースフィルム731で構成される。
例えば、巻付け型ICタグラベル9は、1枚のベースフィルム731の裏面全体に粘着剤層732を設け、且つICタグラベル7(但し、貼付部72を除く)に対応する粘着剤層732上に隠蔽層733を重ねて設けた後、該ベースフィルム731を所定形状に裁断(同時に切取用破断線76及び切り目79も形成)することによって得ることができる。
【0045】
上記巻付け型ICタグラベル9のICタグラベル7を容器6の小胴部62の前方に位置させた状態で、巻付けラベル75を容器6の胴部61周りに巻き付けることにより、ICタグ容器5が構成されている。
該ICタグ容器5は、粘着剤層732を介して巻付けラベル75及びICタグラベル7の貼付部72が胴部6に貼付されているが、ICタグラベル7は容器6に接着せず、ICタグラベル7の上部が突出して容器6の小胴部62の前方に位置している。従って、ICタグラベル7の上部は、容器6の小胴部62から隙間を開けて離れている。このICタグラベル7の上部には、ICタグ71(アンテナ部712)の殆どが含まれているため、ICタグ71と容器6の間には、隙間を有する。
また、貼付された巻付けラベル75は、胴部61の曲面に沿って円弧状に湾曲している。ICタグラベル7の貼付部72(他側部下端)は巻付けラベル75の他側部上端において連設されているので、ICタグラベルの他側部7bは、胴部61の曲面に沿って湾曲している。
【0046】
さらに、貼付部72において貼付されたICタグラベル7は、ICタグラベル7の他側部7bを除いて、略平坦状となっている。ICタグ71は、ICタグラベル7の一側部7a寄りに設けられているので、ICタグ71も、略平坦状となっている。
図9に示すように、略平坦状のICタグラベル7の一側部7aは、貼付部72の外縁72a(ICタグラベル7の貼付位置の外縁)における胴部61の接線Lの一方向へ突出している。
略平坦状のICタグラベル7の一側部7aは、前記貼付位置を基準にして前記胴部61の周方向に約1/4周長分ずれた位置61aにおける胴部61の接線面Mよりも外側へ突出している。
従って、図10にも示すように、ICタグ容器5を正面から見た場合、ICタグラベル7の一側部7aが、胴部61の外面よりも外側に突出している。
【0047】
上記ICタグ容器5は、図1及び図2に示すように、収納部材3の各収納凹部2にそれぞれ入られている。
入れられたICタグ容器5は、そのICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の一側部3a側に向けられている。ICタグ容器5のICタグラベル7の少なくとも一側部7aは、略平坦状であり且つ該一側部7aは胴部61の外面よりも外側に突出しているので、各ICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の天面部22上に位置し、ICタグラベル7の少なくとも一側部7aは収納部材3の各天面部22を含む面と略平行となっている。ただし、略平行とは、ICタグラベル7の一側部7aと各天面部22を含む面とが完全に平行である場合だけでなく両面が20度以内、好ましくは10度以内の角度を有する場合を含む。この種の製品において、前記両面が完全に平行となるような精密性は求められず、且つ現実的にそのような製品を工業的に量産できないからである。
【0048】
収納凹部2に入れられた各ICタグ容器5は、そのICタグラベル7の一側部7aが隣りのICタグ容器5のICタグラベル7と重ならないことが好ましい。このように隣合うICタグラベル7が部分的に重ならないように収納凹部2に入れることにより、個々のICタグの情報に対して、より正確にアクセスできる。このように隣合うICタグラベル7が部分的に重ならないようにするためには、例えば、ICタグラベル7の幅を適宜設定すればよい。もっとも、ICタグ容器5は、収納凹部3に入れられたときに、そのICタグラベル7の一部分が隣りのICタグラベル7と部分的に重なっていてもよい。
【0049】
上記ICタグ容器包装体1は、各ICタグ容器5のICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の一側部3a側に向けられ且つ各ICタグラベル7の一側部7aが略同一平面上に配置されているので、隣合うICタグ71が干渉し合うことを防止できる。従って、上記ICタグ容器包装体1は、無線通信装置を用いて個々のICタグ71に正確にアクセスできる。
さらに、上記ICタグ容器包装体1は、ICタグラベル7の上部が容器6の小胴部62の前方にまで突出され且つ小胴部62に対して非接着とされているので、容器6内に充填された液体によって電波が吸収され難くなる。また、上記ICタグ容器包装体1は、無線通信装置を用いてICタグ71の情報に確実にアクセスできる。
また、上記ICタグ容器包装体1は、各ICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の天面部22上に位置している。このため、流通過程で振動が加わっても、ICタグラベル7の一側部7aが天面部22に係止され、ICタグ容器5が収納凹部2内で回転し難く、ICタグラベル7の向きが変わることを防止できる。
【0050】
<ICタグ容器包装体の製造方法の1つの実施形態>
次に、上記ICタグ容器包装体1の製造方法及びICタグ容器包装体1の通信方法について説明する。
なお、以下の説明では、容器として、医薬品を充填した医療用容器を例に採るが、本発明は、医療用容器に限定されない。
【0051】
本発明のICタグ容器包装体の製造方法は、例えば、ICタグラベル7の一部分が容器6の胴部61に貼付されたICタグ容器5であって、前記ICタグラベル7の一側部7aが前記ICタグラベル7の貼付位置における胴部61の接線の一方向側へ突出されているICタグ容器5を、複数の収納凹部2が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材3の各収納凹部2に、前記ICタグラベル7の一側部7aを前記収納部材3の一側部3a側に向けながらそれぞれ入れる工程と、前記各収納凹部2から突出したICタグラベル7の表面に当たるように、整列具10を前記収納部材3の他側部3bから一側部4aの方向へ相対移動させる工程と、を有する。
【0052】
(ICタグ容器の作製工程)
最初の工程では、ICタグラベル7のICタグ71に、医薬品に関する商品情報(品名、医薬品の個別的な識別番号、製造日、製造場所、品質保持期限などの所望の情報)を記録する。この記録は、ICタグ71へ情報を書き込み可能な書込み型又は読書き型の無線通信装置を用いて行うことができる。
このICタグラベル7に連設された巻付けラベル75を、医薬品が充填された容器6の胴部61に巻き付けながら貼付することにより、図9及び図10に示すようなICタグ容器5を作製する。ICタグ容器5の構成及び作製方法は、上述の通りである。
尚、ICタグ71への商品情報の記録は、容器6に貼付する前に行わず、容器6に貼付した後に実施することもできる。
【0053】
(ICタグ容器の収納工程)
次の工程では、このICタグ容器5を、収納部材3の収納凹部2内へ入れていく。
収納凹部2にICタグ容器5を入れるときには、ICタグ容器5を一方向へ回転させたときにICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の一側部3a側に向くように、ICタグ容器5を収納凹部2に入れていく。
好ましくは、ICタグラベル7の一側部7aを収納部材3の一側部3a側に向けながら、ICタグ容器5を収納凹部2に入れていく。上記以外は、特に制限はなく、無作為に各ICタグ容器5を収納凹部2に入れていいけばよい。
例えば、ICタグラベル7の一側部7aを摘み、ICタグラベル7の他側部7bを収納部材3の他側部3b側へ向けて(換言すると、ICタグラベル7の一側部7aを収納部材3の一側部3a側に向けて)、各ICタグ容器5を各収納凹部2に順次入れていく。なお、各ICタグ容器5を各収納凹部2に一時に入れてもよい。
また、容器6の胴部61を掴み、ICタグラベル7の他側部7bを収納部材3の他側部3b側へ向けて、各ICタグ容器5を各収納凹部2に入れてもよい。
【0054】
このように無作為にICタグ容器5を収納凹部2に入れると、図11に示すように、ICタグラベル7が収納凹部2から突出した状態で収納凹部2に入ったICタグ容器5もあれば、ICタグラベル7が収納部材3の天面部22を含む面と略平行になった状態で入ったICタグ容器5’もある。
【0055】
(ICタグ容器の整列工程)
次の工程では、整列具10が収納凹部2から突出したICタグラベル7の表面に当たるように、前記整列具10を収納部材3の他側部3bから一側部3aの方向へ相対移動させる。
整列具10は、少なくとも収納凹部2の開口21から天部方向へ突出したICタグラベル7に接触する部分を有していれば、特に限定されない。
整列具10としては、例えば、平板、棒などの簡易な部材を用いることができる。また、整列具10として、上記箱体8の蓋材82を用いてもよい。整列具10として上記蓋材82を用いた場合には、ICタグ容器5の整列作業の完了と同時に、収納部材3の閉蓋を実施できるので好ましい。
【0056】
整列具10は、収納凹部2の開口21から突出した各ICタグ容器5の胴部61に略接するように相対移動させる。換言すると、整列具10は、収納凹部2の開口21から突出した各ICタグ容器5の胴部61の接線面(接線を含む面)に沿って相対移動させる。
ここで、相対移動とは、(1)収納部材3を固定し且つ整列具10を収納部材3に対してスライド移動させること、(2)整列具10を固定し且つ収納部材3を整列具10に対してスライド移動させること、(3)収納部材3及び整列具10の双方をスライド移動させること、が含まれる。本発明では、整列具10の相対移動は、前記(1)〜(3)の何れでもよいが、通常、前記(2)の方法が採用される。
【0057】
整列具10を相対移動させると(図12の矢印A方向に収納部材3を移動させると)、整列具10の先端縁10aが収納凹部2の開口21から突出したICタグラベル7の表面に当たっていき、整列具10がICタグラベル7を収納部材3の一側部3a方向へ引き連れる。ICタグ容器5の胴部61は収納凹部2内で回転可能な形状であるため、整列具10がICタグラベル7を引き連れることに伴ってICタグ容器5が収納凹部2内で一方向に回転する(回転方向を、図12の矢印Bで示す)。その結果、各ICタグ容器5のICタグラベル7の一側部7aが収納部材3の天面部22上に位置し、各ICタグ容器5のICタグラベル7の一側部7aが略同一平面上(蓋材82と略平行)に揃う。ただし、略平行とは、略平行とは、ICタグラベル7の一側部7aと各天面部22を含む面とが完全に平行である場合だけでなく両面が20度以内、好ましくは10度以内の角度を有する場合を含む。整列具10を相対移動させると、ICタグ容器5が一方向に回転してICタグラベル7が揃うが、その一側部7aが蓋材82と完全に平行とはならないからである。
【0058】
上述のように、無作為にICタグ容器5を収納凹部2に入れると、ICタグラベル7が収納部材3の天面部22を含む面と略平行になった状態でICタグ容器5が入れられる場合がある(図12の符号5’で示すICタグ容器を参照)。この場合、相対移動させた整列具10の先端縁10aが、前記略平行のICタグラベル7の他側部7bの縁に引っ掛かる虞がある。この点、上記ICタグ容器5のICタグラベル7の他側部7bは胴部61の曲面に沿って湾曲しているため、整列具10の先端縁10aがICタグラベル7の他側部7bの縁に当たることを防止できる。このため、整列具10の相対移動に伴って、ICタグラベル7が、折れ曲がったり、容器6から剥がれることを防止できる。
さらに、整列具10として蓋材82を用いると、ICタグラベル7の整列と同時に収納部材3に蓋材82が被せられたICタグ容器包装体1を得ることができる。
【0059】
得られたICタグ容器包装体1は、搬送ラインなどで搬送され、倉庫に保管、或いは製造元から出荷され、流通に供される。そして、搬送ラインなどの所定箇所に於いて、無線通信装置を用いて、包装体1の状態で個々のICタグ71と通信が行われる。
例えば、搬送に使用されるコンベアの途中に、無線通信装置を配置し、該コンベアで搬送されるICタグ容器包装体1の底面側を無線通信装置上に通過させている間に、該無線通信装置から電波が送られ、各ICタグ容器5に具備されたICタグ71と通信が行われる。通信によって、ICタグ71に記録された情報をそれぞれ読み取る及び/又はICタグ71に情報をそれぞれ書き込むことができる。
また、無線通信装置を、包装体1の搬送途中に配置してICタグ71と通信する態様に限られず、所望の場所で、包装体1を無線通信装置上に載せる又は通過させることにより、ICタグ71と通信することもできる。
【0060】
上記ICタグ容器包装体1は、各ICタグラベル7の一側部7aが略同一平面上に並んでいるので、隣合うICタグ容器5のICタグ71が干渉し合うことを防止できる。従って、上記無線通信装置を用いて、各ICタグ容器5のICタグ71の情報をそれぞれ正確に読み取る又は各ICタグ71に情報を正確に記録できる。よって、ICタグ容器包装体1から個々のICタグ容器5を取り出さなくても、包装した状態のまま商品管理を行うことができる。
【0061】
ここで、無線通信装置は、ICタグ71と無線(非接触)によってアクセスできる装置であって、ICタグ71の情報を読み込む読込み型、無線でICタグに情報を記録する書込み型、又は読込みと書込みの双方を行える読書き型、の何れかの型を用いることができる。
読込み型の無線通信装置は、ICタグ71に対しては、その記録情報を読み込む機能を有する。かかる読込み型の無線通信装置を用いる場合、例えば、各容器毎のICタグ71にそれぞれの識別番号(ID番号)が記録され、且つ該識別番号に対応した商品情報を別途データベース化したシステムを構築することにより(例えば、別に設置したホストコンピュータに商品情報が記録更新され、且つインターネットなどの通信網を通じてアクセスできるデータベースなど)、読込み型の無線通信装置で読み込んだ情報(識別番号等)を元にしてこのデータベースと照合し、個々の商品情報を確認でき、商品管理を行うことができる。
【0062】
また、書込み型の無線通信装置は、ICタグ71に対して所定情報を書き込む機能を有する。かかる書込み型の無線通信装置を用いる場合、流通過程に於ける各拠点で、所定の商品情報を追記更新することにより、各ICタグ71に重畳的に商品情報を蓄積できる。
これら読込み型、書込み型、読書き型の無線通信装置は、各流通拠点に於いて適宜選択して使用できる。例えば、製造元から販売業者又は消費者に至るまで、同じ型の無線通信装置(例えば、読込み型や読書き型など)を用いたり、或いは、製造元では書込み型の無線通信装置、問屋などの流通業者では読書き型、販売業者又は消費者では読込み型をそれぞれ用いるなどのように、流通拠点で異なる型の無線通信装置を用いることもできる。
【0063】
また、無線通信装置は、各ICタグ71に個々にアクセスする方式でもよいし、或いは、複数のICタグ71に一括してアクセスする方式でもよい。
【0064】
例えば、製造元から流通業者を経て消費者に至るまでの各流通拠点で、上記包装体1に無線通信装置を作用させ、各ICタグ容器5のICタグ71に、入出荷情報(出荷日、入庫日等)や検品情報などの所望の情報を追加又は更新記録していくことにより、極めて正確な流通履歴が記録されたICタグ71を個々のICタグ容器5ごとに得ることができる。
このICタグ71の記録情報に従えば、商品の追跡管理を容易に行えるので、医療用容器の流通管理システムとして特に好適に利用できる。
【0065】
また、上記ICタグ71は粘着剤層715を介してICタグラベル7に貼付されているので、医療用容器を使用後、ICタグ71を引き剥がし、これを注射器、輸液バッグ、カルテなどに貼り付けて保管することもできる。
なお、ICタグ71がICタグラベル7に一体的に設けられている場合(剥離して分離できない場合)には、切取用破断線76に沿ってICタグラベル7を巻付けラベル75から分離しつつ、ICタグラベル7を容器6から剥がし、ICタグラベル7の貼付部72を注射器などに貼り付けることによって、ICタグラベル7を保管することもできる。
【0066】
<他の実施形態>
次に、本発明の他の実施形態を示す。但し、下記他の実施形態の説明では、上記各実施形態と異なる部分について主として説明し、同様の構成についてはその説明を省略し、用語及び図番を援用することがある。
【0067】
上記実施形態では、ICタグラベル7の上部は、容器6に接着されず、容器6の小胴部62の前方に離れて突出されているが、図13に示すように、ICタグラベル7の上部が、小胴部62の前方に部分的に接着されていてもよい。好ましくは、ICタグラベル7の上部のうち他側部7bが、小胴部62の前方に接着される。なお、ICタグラベル7の上部の裏面において粘着剤層を部分的に露出させることにより(例えば、他側部7bにおける接着剤層を露出させることにより)、ICタグラベル7の上部を小胴部62に接着させることができる。
このようにICタグラベル7が小胴部62に接着されているICタグ容器5は、小胴部62の前方へ突出したICタグラベル7の他側部7bの縁が、胴部61の外面よりも内側となる。よって、かかるICタグ容器5を収納部材3の収納凹部2に入れた後、上記整列具10を相対移動させたときに、整列具10の先端縁10aがICタグラベル7の他側部7bの縁に引っ掛かることを確実に防止できる。
【0068】
さらに、上記実施形態では、ICタグラベル7の他側部7bが、容器6の胴部61に接着されているが、ICタグラベル7の他側部7bが容器6に接着されていなくてもよい。ICタグラベル7は、その一部分において胴部61に接着されていればよく、他側部7bが胴部61に接着されている構成に限定されない。
かかるICタグラベル7としては、図14に示すような、巻付け型ICタグラベル9が挙げられる。図14に示す巻付け型ICタグラベル9は、ICタグラベル7の他側部寄り下端と巻付けラベル75の他側部寄り上端とにおいて、両ラベル7,75が連設されており、ICタグラベル7の他側部寄り下端から貼付部72が延設されている。その他の構成は、図6〜図8で示す巻付け型ICタグラベルと同様である。図14に示す巻付け型ICタグラベル9が貼付されたICタグ容器5は、図15に示すように、貼付部72においてICタグラベル7が胴部61に接着され、ICタグラベル7の一側部7aが胴部の接線の一方向へ突出され、且つICタグラベル7の他側部7bが前記接線の他方向へ突出されている。
【0069】
また、上記実施形態では、ICタグラベル7として、巻付けラベル75が一体的に設けられた巻付け型ICタグラベル9を例示したが、ICタグラベル7は、巻付けラベル75が一体的に設けられていなくてもよい。本発明のICタグ容器5は、ICタグラベル7と巻付けラベル75が別々に容器6に貼付されていてもよいし、ICタグラベル7のみが容器6に貼付されていてもよい。
巻付けラベルを有しないICタグラベル7は、図16に示すように、貼付部72において容器6の胴部に貼付される。なお、図16(a)は、貼付部72がICタグラベル7の他側部下端に延設され、ICタグラベル7の他側部7bが胴部61の曲面に沿って湾曲しているICタグ容器5を示す。図16(b)は、貼付部72がICタグラベル7の他側部寄り下端に延設され、ICタグラベル7の他側部7bが胴部61に接着されていないICタグ容器5を示す。
【0070】
さらに、上記実施形態では、箱体8としてケース81と蓋材82が一体的に形成された矩形筒状体を例示したが、箱体8は、ケースと蓋材が別体で形成され、ケースに蓋材を嵌め合わせるものでもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、円筒状の胴部61を有する容器6を例示したが、本発明のICタグ容器包装体1は、胴部61が円筒状の容器6に限られず、胴部が多角柱状の容器、胴部が瓢箪型の容器などでもよい。このような形状の胴部61を有する容器6も、収納凹部2内で回転可能である。
【0072】
さらに、上記実施形態のICタグ容器包装体の製造方法では、整列具を用いて各ICタグラベルの向きを略同一平面上に揃えているが、本発明のICタグ容器包装体1は、次のような方法でも製造できる。
先ず、図17に示すように、収納部材3の各収納凹部2に容器6をそれぞれ入れる。
他方、平坦面4aを有する供給具4の該平坦面4aに、前記容器6と同数のICタグラベル7を所定間隔を開けて仮止めしておく。仮止めは、平坦面4a側へラベルを吸引する、平坦面4aに極めて弱く接着するなどの方法を採用できる。また、各ICタグラベル7の間隔は、各収納凹部の間隔と略同じに設定する。なお、ICタグラベル7は、図16に示すような巻付けラベルを有しないICタグラベル7が用いられる。
ICタグラベル7が仮止めされた供給具4を収納部材3側(太矢印で示す方向)へと進出させると、収納凹部2の開口21から突出した各容器6の胴部61に、各ICタグラベル7の貼付部72が一時に貼付される。
次に、図18に示すように、供給具4を収納部材3から離れる方向(太矢印で示す方向)へ後退させることにより、平坦面4aからICタグラベル7が離れて容器6側へ移る。
かかる製造方法も、各ICタグラベル7が略同一平面上に配置されたICタグ容器包装体1を簡易に製造できる。
【0073】
さらに、上記実施形態では、ICタグラベル7の上部が、容器6の小胴部62の前方に位置しているが、ICタグラベル7は、その一側部7aがICタグラベル7の貼付位置における胴部61の接線の一方向側へ突出するように、容器6に貼付されていればよい。例えば、図19に示すように、ICタグラベル7の一側部7aが、容器6の胴部61の側方へ突出するように貼付されているICタグ容器5でもよい。この場合、ICタグラベル7の他側部が、容器6の胴部61に貼付される。かかるICタグ容器5を、上記ICタグ容器包装体の製造方法に用いても、収納凹部2に入れられた各ICタグラベル7の一側部7aを略同一平面上に簡単に揃えることができる。
【符号の説明】
【0074】
1…ICタグ容器包装体、2…収納凹部、21…収納凹部の開口、22…収納部材の天面部、3…収納部材、3a…収納部材の一側部、3b…収納部材の他側部、5…ICタグ容器、6…容器、61…胴部、62…小胴部、7…ICタグラベル、7a…ICタグラベルの一側部、7b…ICタグラベルの他側部、71…ICタグ、72…ICタグラベルの貼付部、75…巻付けラベル、76…切取用破断線、8…箱体、82…蓋材、9…巻付け型ICタグラベル、10…整列具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグラベルの一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器であって、前記ICタグラベルの一側部が前記ICタグラベルの貼付位置における胴部の接線の一方向側へ突出されているICタグ容器を、複数の収納凹部が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材の各収納凹部に、前記ICタグ容器を一方向へ回転させたときに前記ICタグラベルの一側部が前記収納部材の一側部側に向くように、それぞれ入れる工程と、
前記ICタグラベルの表面に接触して前記ICタグ容器を一方向に回転させる整列具を、前記収納部材の他側部から一側部の方向へ相対移動させる工程と、を有することを特徴とするICタグ容器包装体の製造方法。
【請求項2】
前記整列具が、前記収納部材の収納凹部の開口側に被せられる蓋材である請求項1に記載のICタグ容器包装体の製造方法。
【請求項3】
前記ICタグラベルの他側部が、前記胴部に接着されており、前記ICタグラベルの他側部が湾曲している請求項1または2に記載のICタグ容器包装体の製造方法。
【請求項4】
前記容器が、前記胴部の上方に連設され且つ前記胴部の周長よりも短い周長の小胴部を有し、
前記ICタグラベルの上部が、前記小胴部の前方に接着されている請求項1〜3のいずれかに記載のICタグ容器包装体の製造方法。
【請求項5】
ICタグラベルの一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器であって、前記ICタグラベルの一側部が前記ICタグラベルの貼付位置における前記胴部の接線の一方向へ突出されている複数のICタグ容器と、
複数の収納凹部が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材と、を有し、
前記ICタグ容器が、前記収納部材の各収納凹部にそれぞれ入れられており、
前記ICタグラベルの一側部寄りにICタグが設けられ、
前記ICタグラベルの一側部が、前記収納部材の一側部側に向けられ且つ略同一平面上に配置されていることを特徴とするICタグ容器包装体。
【請求項6】
前記容器が、前記胴部の上方に連設され且つ前記胴部の周長よりも周長が短い小胴部を有し、
前記小胴部の前方に、前記ICタグラベルの上部が離れて位置している請求項5に記載のICタグ容器包装体。
【請求項1】
ICタグラベルの一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器であって、前記ICタグラベルの一側部が前記ICタグラベルの貼付位置における胴部の接線の一方向側へ突出されているICタグ容器を、複数の収納凹部が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材の各収納凹部に、前記ICタグ容器を一方向へ回転させたときに前記ICタグラベルの一側部が前記収納部材の一側部側に向くように、それぞれ入れる工程と、
前記ICタグラベルの表面に接触して前記ICタグ容器を一方向に回転させる整列具を、前記収納部材の他側部から一側部の方向へ相対移動させる工程と、を有することを特徴とするICタグ容器包装体の製造方法。
【請求項2】
前記整列具が、前記収納部材の収納凹部の開口側に被せられる蓋材である請求項1に記載のICタグ容器包装体の製造方法。
【請求項3】
前記ICタグラベルの他側部が、前記胴部に接着されており、前記ICタグラベルの他側部が湾曲している請求項1または2に記載のICタグ容器包装体の製造方法。
【請求項4】
前記容器が、前記胴部の上方に連設され且つ前記胴部の周長よりも短い周長の小胴部を有し、
前記ICタグラベルの上部が、前記小胴部の前方に接着されている請求項1〜3のいずれかに記載のICタグ容器包装体の製造方法。
【請求項5】
ICタグラベルの一部分が容器の胴部に貼付されたICタグ容器であって、前記ICタグラベルの一側部が前記ICタグラベルの貼付位置における前記胴部の接線の一方向へ突出されている複数のICタグ容器と、
複数の収納凹部が一側部から他側部に亘って並んで形成された収納部材と、を有し、
前記ICタグ容器が、前記収納部材の各収納凹部にそれぞれ入れられており、
前記ICタグラベルの一側部寄りにICタグが設けられ、
前記ICタグラベルの一側部が、前記収納部材の一側部側に向けられ且つ略同一平面上に配置されていることを特徴とするICタグ容器包装体。
【請求項6】
前記容器が、前記胴部の上方に連設され且つ前記胴部の周長よりも周長が短い小胴部を有し、
前記小胴部の前方に、前記ICタグラベルの上部が離れて位置している請求項5に記載のICタグ容器包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−189020(P2010−189020A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33463(P2009−33463)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】
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