説明

IC及びマザーボードの間の入出力信号の計測方法

【課題】アダプタ基板を用いたIC及びマザーボードの間の入出力信号の計測方法であって、パッドの近傍に部品が存在している場合においても、アダプタ基板を実装することができるための手段を得る。
【解決手段】マザーボードとアダプタ基板とのとの間に測定すべきICと同じ大きさの中継基板を配置させる。また、中継基板を多層構造とし、中継基板の内層を電源層及びグラウンド層の組とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体デバイス及びプリント基板の間に位置させて、これら半導体デバイス及びプリント基板の間に流れる入出力信号から、この入出力信号のモニター用の信号を取り出すために用いるアダプタ基板及びこのアダプタ基板を用いた半導体デバイス及びプリント基板の間の入出力信号の計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願発明者らは、特願2010−031830号において、マザーボート及びこれに実装されるICとの間の伝送信号の伝送特性を測定するためのアダプタ基板を提案している。
【0003】
図2は、前記アダプタ基板を使って伝送信号を測定している状態を示す模式図である。詳しくは、アダプタ基板500をマザーボート501及びIC502の間に配置し、アダプタ基板500の中を流れるマザーボート501及びIC502間の伝送信号を取り出す。伝送信号はプローブ503を介して計測装置504に送られ、計測装置504で伝送信号の特性を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特願2010−031830
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このアダプタ基板500をマザーボード501に実装するに当たり、実装用パッドの近傍に部品があると、アダプタ基板500の実装ができないという問題がある。図3に、パッド505の近傍に部品506が存在している状態を示す側面図である。また、図4は、アダプタ基板500がIC502よりもサイズが大きく、部品506が障壁となり、アダプタ基板500をマザーボード501に実装できない状態を示す模式図である。
【0006】
この問題解決のため、アダプタ基板500を測定すべきIC502と同じ大きさとするという方法もある。しかし、この場合は、アダプタ基板500にプローブ503用のパッドを設けるための領域がなくなるため、アダプタ基板500を機能させられないという問題が生ずる。
【0007】
本発明は、アダプタ基板を用いたIC及びマザーボードの間の入出力信号の計測方法であって、パッドの近傍に部品が存在している場合においても、アダプタ基板を実装することができるための手段を得ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、実施例に基づき説明する。本発明の主旨は、マザーボードとアダプタ基板との間に測定すべきICと同じ大きさの中継基板を配置させることである。これにより、パッドの近傍に部品が存在していても、中継基板の厚み分だけ、かさを得ることができる。
【0009】
一方、この中継基板を介在させると、マザーボードからICまでの距離が大きくなるため、ICの動作によっては電源供給が不安定となり、測定の正確性が損なわれる場合がある。
【0010】
そこで、中継基板を多層構造とし、中継基板の内層を電源層及びグラウンド層の組とする。この構成により、中継基板は電源層及びグラウンド層の間に容量成分が発生するので、電源電圧の変動があっても、この容量成分により、電源電圧の変動が吸収され、電源供給の安定化となる。
【0011】
この中継基板は、内層に電源層及びグラウンド層を有するものであって、好ましくは4層以上の層構成とする。また、大きな容量成分を得るため、電源層とグラウンド層との距離はできるだけ小さいことが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
中継基板を測定すべきICと同じ大きさで製造し、アダプタ基板とマザー基板の間に実装することで、測定用パッド分サイズが大きくなったアダプタ基板を実装部近傍の部品の影響を受けずに実装することができる。
【0013】
また、中継基板の電源層とグラウンド層による容量成分により、電源電圧の変動を吸収し、電源供給の安定化をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】マザーボードとアダプタ基板との間に測定すべきICと同じ大きさの中継基板を配置している状態を示す側面図。
【図2】アダプタ基板を用いて伝送信号を測定している状態を示す模式図。
【図3】パッドの近傍に部品が存在している状態を示す側面図。
【図4】部品により、アダプタ基板をマザーボードに実装できない状態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、マザーボード501とアダプタ基板500との間に測定すべきIC502と同じ大きさの中継基板100を配置している状態を示す側面図である。
【0016】
また、この中継基板100は4層以上の多層構造とし、中継基板100の内層を電源層及びグラウンド層の組とする。この中継基板100は、従来知られている多層プリント基板の製造方法により、製造すればよい。
【符号の説明】
【0017】
100 中継基板
500 アダプタ基板
501 マザーボード
502 IC
503 プローブ
504 計測装置
505 パッド
506 部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マザーボードとアダプタ基板との間に測定すべきICと同じ大きさの中継基板を配置することを特徴とするIC及びマザーボードの間の入出力信号の計測方法。
【請求項2】
前記中継基板を多層構造とし、前記中継基板の内層を電源層及びグラウンド層の組とすることを特徴とする請求項1に記載のIC及びマザーボードの間の入出力信号の計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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