説明

IDカード作成装置及びIDカード作成方法

【課題】IDカードの作成において、低コストで簡便且つ更に確実にIDカードのICメモリに書き込まれた電子データと券面に印画された内容とが一致するか否かを判別し、ICメモリのデータと券面の内容が正確なIDカードを迅速に作成することにある。
【解決手段】
入力された電子データを記憶する記憶手段と、非接触型のICカードからなるIDカードの券面に画像を印画する印画手段と、この電子データに含まれるID番号データをIDカードのICメモリに書き込むデータ書込み手段とを備えたIDカード作成装置において、ICメモリに書き込んだID番号データの読出しを行うデータ読出し手段と、読み出されたID番号データと記憶手段に記憶された電子データに含まれるID番号データとが一致するか否かを比較し、一致しない場合に、IDカード作成装置の駆動を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はIDカード作成装置及びIDカード作成方法に係り、特に、ICメモリを内蔵したIDカードにおいて、ICカード内の情報が正確に記憶されているかを検出するIDカード作成装置及びIDカード作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顔写真入りの従業者証、社員証、会員証、学生証、キャッシュカード、身分証明証、外国人登録証、パスポート及び各種運転免許証等のいわゆるIDカードに、IC(Integrated circuit)メモリを搭載して個人情報等(氏名、住所、生年月日、IDカードの交付年月日及びIDカードの有効期限等)を記憶させ、カード券面の印画情報と電子データとを合わせ持つIDカードが多くなっている。従来から、磁気部を設けてID番号等の電子データを記憶するカードが復旧しているが、磁気カードに比してICメモリ搭載型のIDカードは記憶できるデータ量が多く、個人情報の暗号化や電子情報の読取り及び書込みに際しR/W(Read/Write)装置との摩擦による損傷もほとんどないといった利点を有する。このようなICメモリ搭載のIDカードの急速な普及に応じ、大量且つ迅速な処理を可能とするIDカード作成装置の研究開発も盛んに行われている。
【0003】
一般にICメモリ搭載型IDカード作成装置は、以下のように構成される。即ち、ICカードは、粘着シートを介して何ら情報が記憶されていない薄いICメモリをインレーシーに設け、このインレットシートを2枚のオーバーレイシートで狭持する。このICカードを搬送ベルトの上に載置して、搬送ベルトの搬送方向に沿ってその上部に設けられる画像形成ユニットにて、定位置に搬送されたICカードの券面に申請者の顔画像や文字情報(氏名、住所、カード番号等)が印画される。
カラーの印画を行うIDカード作成装置であれば、画像形成ユニットはY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の各色の印刷を夫々行う4つの画像形成ユニットから形成される。これらの画像形成ユニットで印刷される画像の画像データは、データ入力や各種の操作指示を入力する操作部(一般にコンピュータ装置及び制御プログラムから構成される)から入力されるものである。IDカード券面に画像を印画した後に、データ書込み装置にてその画像と対応する電子データをICメモリに書き込む処理が行われる。電子情報の書込みは、記憶させるべき電子データを搬送ベルトに載置した順番に管理する管理テーブルに基づいて行われる。
【0004】
このように、ICメモリに書き込まれる電子データは、ICカード券面の印画データと対応付けて即ちICカードが搬送ベルトに載置された順番に管理されるわけであるが、この対応関係がずれると、印画された画像の内容とICメモリに記憶される電子データの内容が一致しないという問題がある。例えば、画像形成ユニットで券面に印画を行う画像データを仮にA、B、C及びDとする。印画が施されたICカードのICメモリに記憶させる夫々の電子データを仮にa、b、c及びdとする。データ書込み装置では、Aの画像が印画され且つ先頭で搬送されるICカードにaを記憶させ、同様にBの画像が印画されたICカードに2番目に搬送されるbを記憶させ、以下同様にCにはc、Dにはdを記憶させる。ところが、制御プログラムのバグ等によるデータ破壊や過電流による短絡等の外的要因あるいは上述したIDカードの作成工程の途中で発見された不良カードの抜き取り忘れ等の人為的要因により、画像データと電子データと対応がずれると、Bの画像が印画されたICカードにaの電子情報が書き込まれてしまう問題がある。以上の問題は、各種の証明に利用し得るIDカードでは深刻な問題である。
【0005】
このような画像と電子データとの不一致を解決する発明として、特許文献1には、ICカードのID番号及びこのICカードを作成する工程においてのみ付与されるカード番号とを対応付けて管理するカード作成来歴管理テーブルと、画像形成ユニットに供給される画像データを適宜格納するバッファメモリのバッファメモリ番号及び画像データのID番号とを対応付けて管理するバッファテーブルを備え、画像形成時及び電子データの書込み時に両方のテーブルからカード番号及びバッファメモリ番号をキーとして夫々のテーブルに格納されるID番号を検出してID番号の一致するか否かを判別し、一致する場合に次の工程に移行させ、一致しない場合にカード作成処理を中断するIDカードの作成装置が開示されている。
【0006】
特許文献2には、画像形成ユニットでICカードの券面に画像を印画し、ICメモリに電子情報の書込みを行った後、光学的読取り装置(例えば、OCR(Optical Character Reader))にてICカードの画像を読込み電子データ化し、ICメモリから読み出した電子データとの比較を行い、両データが一致しない場合にそのICカードのリジェクト等を行って不良カードを選別するIDカードの作成装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−347372号公報
【特許文献2】特開2003−99718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載のIDカード作成装置は、印画された画像の読取りに際し、OCR等の高額な設備投資を必要とする。更には、ICメモリ内の電子データと券面の画像とを比較する手段を有さないIDカード作成装置にOCRを追加増設する場合には、制御プロラム、制御装置及びライン変更に伴うコスト負担が大きく実用性に欠けるという問題がある。
これに対し、特許文献1に記載のIDカード作成装置は、ICメモリに記憶させるID情報とバッファメモリ内のID情報を比較するというソフトウェア的な改良のみで画像と電子情報との内容の正確な一致判別できる点で大きな実用性がある。しかしながら、IDカードのICメモリに実際に記録されたデータを直接比較しているわけではなく、この点更なる改良の余地がある。
【0008】
本発明の課題は、IDカードの作成において、低コストで簡便且つ更に確実にIDカードのICメモリに書き込まれた電子データと券面に印画された画像とが一致するか否かを判別し、ICメモリのデータと券面の内容が正確なIDカードを作成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
入力された電子データを記憶する記憶手段と、該電子データに基づき、電子情報を記憶するメモリが内蔵されたIDカードの券面に画像を印画する印画手段と、前記電子データに含まれる所定のデータを前記メモリに書き込むデータ書込み手段とを備えたIDカード作成装置において、
前記メモリに書き込まれた前記所定のデータの読出しを行うデータ読出し手段と、
該データ読出し手段により読み出された前記所定のデータと、前記記憶手段に記憶された前記電子データに含まれる所定のデータとが一致するか否かを比較するデータ比較手段と、
前記データ比較手段の比較の結果、一致しない場合に、前記IDカード作成装置の駆動を停止する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のIDカード作成装置において、
前記読出し手段が読み出した前記所定のデータと、前記記憶手段に記憶された前記電子データに含まれる所定のデータとが一致しない旨を警告する警告手段を更に備え、
前記制御手段は、前記比較手段の比較の結果一致しない場合に、前記警告手段に警告させるとともに前記IDカード作成装置の駆動を停止することを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のIDカード作成装置において、
前記記憶手段は、前記電子データ及び該電子データの前記メモリへの書込み順を対応付けて管理するバッファテーブルと、前記書込み手段で現在書込み処理が行われている前記所定のデータを前記書込み順に基づいて管理するプリント管理テーブル及び前記読出し手段から読み出された前記所定のデータを記憶する確認用データ記憶手段が設けられ、
前記データ比較手段は、前記確認用データ記憶手段に記憶された前記所定のデータと、前記プリント管理テーブルを介して前記バッファテーブルに記憶された前記所定のデータとが一致するか否かを比較することを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のIDカード作成装置において、
前記所定のデータは、ID番号データであることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、入力された電子データに基づき、電子情報を記憶するメモリが内蔵されたIDカードの券面に画像を印画する印画手段と、前記画像の画像データに含まれる所定のデータを前記メモリに書き込むデータ書込み手段とを備えたIDカード作成装置において、
前記データ書込み手段が前記メモリに前記所定のデータを書き込む際、該所定のデータの複製データを生成するとともに該複製データを記憶する確認用データ記憶手段に記憶させるデータ複製手段と、
前記IDカードのメモリに書き込まれた前記所定のデータの読出しを行うデータ読出し手段と、
該データ読出し手段により読み出された前記所定のデータと前記確認用データ記憶手段に記憶された前記所定のデータとが一致するか否かを比較するデータ比較手段と、
前記比較手段の比較の結果、一致しない場合に、前記IDカード作成装置の駆動を停止する制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のIDカード作成装置において、
前記IDカードのメモリから読み出した前記所定のデータと前記確認用データ記憶手段に記憶された前記所定のデータとが一致しない旨を警告する警告手段を更に備え、
前記制御手段は、前記比較手段の比較の結果一致しない場合に、前記警告手段に警告させるとともに前記IDカード作成装置の駆動を停止することを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のIDカード作成装置において、
前記所定のデータは、ID番号データであることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、入力された電子データを記憶手段に記憶し、該電子データに基づいて、電子情報を記憶するメモリを内蔵したIDカードの券面に画像を印画するととともに、前記メモリに、前記電子データに含まれる所定のデータの書込みを行うIDカードの作成方法において、
前記IDカードのメモリに書き込まれた前記所定のデータを読出し、
読み出した前記所定のデータと、前記記憶手段に記憶された前記電子データに含まれる前記所定のデータとが一致するか否かを比較し、
前記比較の結果、一致しない場合に、前記IDカードの作成を停止することを特徴とする。
【0017】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のIDカード作成方法において、
前記IDカードのメモリから読み出した前記所定のデータと、前記電子データに含まれる所定のデータとが一致しない場合、前記IDカードの作成を停止するとともに警告を発することを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載のIDカード作成方法において、
前記記憶手段は、前記電子データ及び該電子データの前記メモリへの書込み順を対応付けて管理するバッファテーブルと、前記書込み手段で現在書込み処理が行われている前記所定のデータを前記書込み順に基づいて管理するプリント管理テーブル及び前記読出し手段から読み出された前記所定のデータを記憶する確認用データ記憶手段が設けられ、
前記IDカードのメモリから読み出した前記所定のデータと、前記電子データに含まれる所定のデータとが一致する否かを比較する際、前記プリント管理テーブルを参照して前記バッファテーブルに記憶された前記所定のデータを読出し、前記確認用データ記憶手段に記憶された前記所定のデータと読出して両データが一致するか否かを比較することを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10のいずれか一項に記載のIDカード作成方法において、
前記電子データは、ID番号データであることを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載にの発明は、入力された電子データを記憶手段に記憶し、該電子データに基づいて電子情報を記憶するメモリを内蔵したIDカードの券面に画像を印画するとともに、前記メモリに、前記電子データに含まれる所定のデータの書込みを行うIDカードの作成方法において、
前記所定のデータを前記メモリに書き込む際、該所定データの複製データを生成して前記記憶手段に記憶し、
前記IDカードのメモリに書き込まれた前記所定のデータを読み出し、
読み出された前記所定のデータと前記記憶手段に記憶した前記所定のデータの複製データとが一致するか否かを比較し、
比較の結果一致しない場合に、前記IDカードの作成を停止することを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のIDカード作成方法において、
前記IDカードのメモリから読み出した前記所定のデータと前記複製データとの比較の結果一致しない場合、前記IDカードの作成を停止するとともに警告を発することを特徴とする。
【0022】
請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載のIDカード作成方法において、
前記所定のデータは、ID番号データであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載の発明によれば、IDカードに内蔵されたメモリに書き込まれた所定のデータを読み出し手段が読み出し、このメモリから読み出したデータと、メモリに書き込んだ所定のデータを記憶する記憶手段のデータとを直接比較することで、IDカードのメモリに書き込んだデータがIDカードの券面に印画された内容と一致するか否かを確認することができる。このため、IDカードの作成処理を行う途中で、記憶手段から供給される電子データ等と処理の対象となるIDカードがずれてしまい、券面に印画された内容とIDカードのメモリに書き込まれたデータとが一致しない場合等が生じても、書込みエラーを検出して印画された内容とIDカードのメモリに書き込まれたデータの整合性が担保されたIDカードを作成することができる。
また、書込みエラーが検出された場合に、IDカード作成装置の駆動を停止するため、上述したデータのずれにより、以降のIDカードで生じる書込みエラーの連鎖を防止することができ、大量且つ正確なIDカードの作成を実現することができる。
【0024】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載のIDカード作成装置において、書込みエラーが生じた場合に警告を更に発するため、オペレータ等がエラーの発生を即座に認識することができ、IDカード作成装置のラインの復旧作業に迅速に対応することができる。また、このような迅速な対応ができるためにIDカード作成装置の駆動停止時間が短縮されるという効果もある。
【0025】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載のIDカード作成装置において、記憶手段に、入力された電子データ及びこの電子データをIDカードのメモリに書き込む順序を対応付けて記憶するバッファテーブルと、データ書込み手段で現在の処理状況を管理するプリント管理テーブルとを有しており、このプリント管理テーブルは、バッファテーブルで管理される電子データを書き込む順序に基づいてデータ書込み手段での現在の処理状況を管理する。
このため、メモリに書き込んだ所定のデータを読み出して、記憶手段に記憶されている所定のデータと比較を行う際、比較の対象となる所定のデータは、メモリへの書込み順に基づいて管理されたデータであるから、データの信憑性や正確性に優れるという効果がある。
【0026】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか一項に記載のIDカード作成装置おいて、所定のデータがデータ量の比較的少ないID番号データであることで、大量且つ迅速に行われるIDカードの作成処理においてIDカードのメモリに書き込まれたID番号データと記憶手段に記憶されたID番号データとの比較を行う際、データの読み出し処理や比較処理を高速に処理することができる。
【0027】
請求項5に記載の発明によれば、IDカードに所定のデータを書き込む際、この所定データの複製データを確認用データ記憶手段に記憶し、IDカードに所定のデータを書き込んだ後に書き込んだデータを読み出して、確認用データ記憶手段に記憶した複製データと比較することができる。即ち、IDカードから直接データを読み出して比較するため、IDカードのメモリに書き込んだデータがIDカードの券面に印画された画像データの内容と一致するか否かを確認することができる。このため、IDカードの作成処理を行う途中で、画像データ等とIDカードがずれてしまい、券面に印画された画像の内容とIDカードのメモリに書き込まれたデータとが一致しない場合等が生じても、書込みエラーを検出して印画された画像と書き込まれたデータの整合性が担保されたIDカードを作成することができる。
【0028】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5に記載のIDカード作成装置において、書込みエラーが生じた場合に警告を更に発するため、オペレータ等がエラーの発生を即座に認識することができ、IDカード作成装置のラインの復旧作業に迅速に対応することができる。また、このような迅速な対応ができるためにIDカード作成装置の駆動停止時間が短縮されるという効果もある。
【0029】
請求項7に記載の発明によれば、請求項5又は6に記載のIDカード作成装置おいて、所定のデータがデータ量の比較的少ないID番号データであることで、大量且つ迅速に行われるIDカードの作成処理において、IDカードのメモリに書き込まれたID番号データと確認用データ記憶手段に記憶されたID番号データとの比較を行う際、データの読み出し処理や比較処理を高速に処理することができる。
【0030】
請求項8に記載の発明によれば、IDカードに内蔵されたメモリに書き込まれた所定のデータを読み出し、このメモリから読み出したデータと、メモリに書き込んだ所定のデータを記憶する記憶手段のデータとを直接比較することでIDカードのメモリに書き込んだ所定のデータがIDカードの券面に印画された内容と一致するか否かを確認することができる。このため、IDカードの作成処理を行う途中で、電子データと処理対象とするIDカードがずれてしまい券面に印画された画像の内容とIDカードのメモリに書き込まれたデータとが一致しない事態等が生じても、書込みエラーを検出して印画された内容と書き込まれたデータの整合性が担保されたIDカードを作成することができる。
また、書込みエラーが検出された場合に、IDカード作成を停止するため、上述したデータのずれにより、以降のIDカードで生じる書込みエラーの連鎖を防止することができ、大量且つ正確なIDカードの作成を実現することができる。
【0031】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載のIDカード作成方法において、書込みエラーが生じた場合に警告を更に発するため、オペレータ等がエラーの発生を即座に認識することができ、IDカード作成装置のラインの復旧作業に迅速に対応することができる。また、このような迅速な対応ができるためにIDカード作成における駆動停止時間が短縮されるという効果もある。
【0032】
請求項10に記載の発明によれば、請求項8又は9に記載のIDカード作成方法において、記憶手段に、入力された電子データ及びこの電子データをIDカードのメモリに書き込む順序を対応付けて記憶するバッファテーブルと、データ書込み手段で現在の処理状況を管理するプリント管理テーブルとを有しており、このプリント管理テーブルは、バッファテーブルで管理される電子データを書き込む順序に基づいてデータ書込み手段での現在の処理状況を管理する。
このため、メモリに書き込んだ所定のデータを読み出して、記憶手段に記憶されている所定のデータと比較を行う際、比較の対象となる所定のデータは、メモリへの書込み順に基づいて管理されたデータであるから、データの信憑性や正確性に優れるという効果がある。
【0033】
請求項11に記載の発明によれば、請求項8〜10のいずれか一項に記載のIDカード作成方法おいて、所定のデータがデータ量の比較的少ないID番号データであることで、大量且つ迅速に行われるIDカードの作成処理においてIDカードのメモリに書き込まれたID番号データと記憶手段に記憶されたID番号データとの比較を行う際、データの読み出し処理や比較処理を高速に処理することができる。
【0034】
請求項12に記載の発明によれば、IDカードに所定のデータを書き込む際、この所定データの複製データを記憶手段に記憶し、IDカードに所定のデータを書き込んだ後に書き込んだデータを読み出して、記憶手段に記憶した複製データと比較することができる。即ち、IDカードから直接データを読み出して比較するため、IDカードのメモリに書き込んだデータがIDカードの券面に印画された内容と一致するか否かを確認することができる。このため、IDカードの作成処理を行う途中で、電子データと処理の対象とするIDカードがずれてしまい、券面に印画された内容とIDカードのメモリに書き込まれたデータとが一致しない事態等が生じても書込みエラーを検出することができ、印画された内容と書き込まれたデータの整合性が担保されたIDカードを作成することができる。
【0035】
請求項13に記載の発明によれば、請求項12に記載のIDカード作成方法において、書込みエラーが生じた場合に警告を更に発するため、オペレータ等がエラーの発生を即座に認識することができ、IDカード作成装置のラインの復旧作業に迅速に対応することができる。また、このような迅速な対応ができるためにIDカード作成装置の駆動停止時間が短縮されるという効果もある。
【0036】
請求項14に記載の発明によれば、請求項12又は13に記載のIDカード作成方法において、所定のデータがデータ量の比較的少ないID番号データであることで、大量且つ迅速に行われるIDカードの作成処理において、IDカードのメモリに書き込まれたID番号データと記憶手段に記憶されたID番号データとの比較を行う際、データの読み出し処理や比較処理を高速に処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
次に、図を用いて、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
なお、本実施の形態に適用するIDカード作成装置は、カラー印画を可能とするものであり、IDカードとして、社員証、従業者証、会員証、学生証、キャッシュカード、身分証明証、外国人登録証、パスポート及び各種運転免許証等を作成することができる。本実施の形態では、図3(a)に示すごとく、社員証を作成する例をあげるものとする。社員証のIDカード100には、ID番号44として「1234―0001」の番号が付与されるものとし、氏名40として「◇△太郎」及び(IDカード100の)発効日41として「平成○○年○月○日」等の文字情報00を印画するものとする。又、顔画像45は社員証発行申請者から提出された発行申請書(不図示)に貼付等された顔写真からスキャナ等の光学読取り装置(不図示)等によりイメージデータとして取得されるものとする。
また、IDカード100のベースカードとしては、磁気カード、ICメモリを搭載した接触型又は非接触型のICカードを適用することができるが、非接触型ICカードを適用するものとする。以下の説明では、未だ券面に画像等の印字がなされていない単なる非接触型ICカードの記載も簡単のために一律にIDカード100として説明する。
【0038】
図1は、本発明を適用したIDカード作成装置1の全体構成を示した概要図である。IDカード作成装置1は、画像形成ユニット2、R/Wユニット3、制御部4及び記憶部5から構成される。
画像形成ユニット2は、より具体的にホッパ10、イエロー色画像形成ユニット11(以下、単に「Y色画像形成ユニット11」という。)、マゼンタ色画像形成ユニット12(以下、単に「M色画像形成ユニット12」という。)、シアン色画像形成ユニット13(以下、単に「C色画像形成ユニット13」という。)、ブラック色画像形成ユニット14(以下、単に「K色画像形成ユニット14」という。)及び搬送ベルト8より構成される。いわゆるタンデム式の印画機構を有するものである。このうち、Y色画像形成ユニット11、M色画像形成ユニット12及びC色画像形成装置13は、後述する制御部4から供給される顔画像データから社員証発行申請者の顔画像を印画するものである。K色画像形成ユニット14は、社員証申請者のID番号及び氏名等の文字を印画するものである。
【0039】
ホッパ10は、所定枚数の枚葉状のIDカード100を収納し、後述する制御部4からの指示信号に基づいて、ホッパ10の下方に設けられた搬送ベルト8にIDカード100を適宜載置供給する。なお、IDカード100は、その券面上に未だ画像が印画されておらず、内蔵するICメモリ(後述するEEPROM38)にも個人情報等が書き込まれていない状態にある。
【0040】
搬送ベルト8は、IDカード100を搬送する搬送装置であり、その搬送方向に沿った上方に順次Y色画像形成ユニット11、M色画像形成ユニット12、C色画像形成ユニット13及びK色画像形成ユニット14が設けられる。
【0041】
Y色画像形成ユニット11は、IDカード100の券面に印画する顔画像のうちイエロー成分の顔画像を印画する。搬送ベルト8によりIDカード100が所定の位置まで搬送されると、図示しない位置検出センサからの出力信号をトリガーとして券面上に印画を行う。同様に、M色画像形成ユニット12及びC色画像形成ユニット13でも印画する顔画像のうちマゼンタ及びシアンの各色成分の印画を夫々行う。
【0042】
K色画像形成ユニット14は、後述する制御部4から供給されるID番号データ及び文字データに基づき、ID番号及び氏名等の文字情報をK色(ブラック)で印画するものである。
【0043】
R/Wユニット3は、IDカードのICメモリに社員証発行要求者のID番号データ等の書込み又は読込みを行うものである。図2にR/Wユニットの機能的構成を示す。R/Wユニット3は、発振器50、ユニット側PSK変調回路51、正弦波発生回路52、送信波側増幅回路53、ユニット側アンテナコイル57、受信波側増幅回路54、ユニット側フィルタ回路55及びユニット側PSK復調回路56から構成される。
【0044】
発振器50は、13.56MHの搬送波を発生させてユニット側PSK変調回路51に供給する。ユニット側PSK変調回路51では、後述する制御部4から供給される電子データに90度の2位相PSK変調を行い、デジタル信号として信号を正弦波発生回路52に供給する。正弦波発生回路52はサイン波を発生させ、このサイン波をキャリアとしてデジタル信号を送信波側増幅回路53に供給する。送信波側増幅回路53はユニット側アンテナコイル57を作動させ、これにより生ずる電磁波を搬送波としてIDカード100に書き込むデータを送信する。
【0045】
送信された電磁波はIDカード100に受信される。図3(b)にIDカード100の内部構成の概要を示す。IDカード100は、カード側アンテナコイル30、カード側フィルタ回路31、クロック回路32、PSK復調変調回路33、カード側増幅回路34及びデータ処理部35から構成される。
【0046】
カード側アンテナコイル30は、IDカード100の外周に沿う様に設けられる。ユニット側アンテナコイル57から送出された搬送波を受信するだけでなく、搬送波を受信することで電磁誘導作用により電気を発生し、図示しない整流回路を介してIDカード100を構成する各素子の電力を供給する機能を併せ持つ。カード側アンテナコイル30で受信した搬送波は、カード側増幅回路34で増幅され、カード側フィルタ回路31に供給される。カード側フィルタ回路31は、不要なノイズ等を除去して必要な信号波形を抽出し搬送波に含まれる電子データを取り出す。このようにして得られた電子データは図示しないA/D変換回路によりアナログ信号からデジタル信号に変換され、PSK復調変調回路33に供給される。PSK復調変調回路33は、供給された信号に対し、PSK復調を行い電子データの復調再生を行うようになっている。復調されたデジタル信号は、データ処理部35に出力される。
【0047】
データ処理部35は、カード側CPU(Central Processing Unit)36、カード側RAM(Random Access Memory)37及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read‐Only Memory)38から構成される。カード側CPU36はワークエリアとしてのカード側RAM37にプログラムを展開し、IDカード100における電子データの記憶、書換え及び送受信を制御する。EEPROM38は、不揮発性の半導体素子から構成され、R/Wユニット3から送信されるID番号データ及び文字データを記憶する。なお、クロック回路32は、搬送波の供給を受け、データ処理部の動作クロックを生成する。
【0048】
図2に戻り、IDカード100から電子データが出力される場合について説明する。R/Wユニット3からユニット側アンテナコイル57を介して送信される電子データの出力要求信号をIDカード100で受信すると、カード側CPU36はEEPROM38に記憶されているID番号データを読み込み、図示しないA/D変換回路、PSK復調変調回路33、カード側増幅回路34及びカード側アンテナコイル30を介してID番号データを含む搬送波をR/Wユニット3に送信する。
ユニット側アンテナコイル57により受信された搬送波は、受信波側増幅回路54で増幅されユニット側フィルタ回路55に供給される。ユニット側フィルタ回路55は、搬送波から不要なノイズ等を除去し、必要な信号波形を抽出してID番号データを取り出すものである。得られたID番号データは、図示しないA/D変換回路を介してデジタル信号に変換される。デジタル信号に変換されたID番号データは、ユニット側PSK復調回路56に供給される。ユニット側PSK復調回路56は、デジタイズされたID番号データに対しPSK復調を行い、復調再生を行うものである。その後、復調されたID番号データは制御部4に出力される。
【0049】
次に、制御部4について説明する。制御部4は、CPU17及びRAM18から構成される。画像形成ユニット2、RWユニット3、記憶部5、データ入力部19、表示部20及び音声出力部21と接続され、IDカード作成装置1の全体制御を行う。図示しないROM又はメモリに予め記憶されたIDカード作成装置1の制御プログラムを読出し、ワークエリアとしてのRAM18に展開し、画像形成ユニット2、R/Wユニット3、記憶部5、表示部20及び音声出力部21に各種の制御信号を送信する。
【0050】
データ入力部19は、IDカード100に印画するID番号、顔写真及び文字情報を制御部4に入力するものである。キーボード、テンキー、マウス及びスキャナ等を備えるPC(Personal Computer)等から構成され、オペレータの操作により各種の処理指示を入力するものである。社員証発行手続書等に記載されたID番号及び氏名並びに発効日等の文字情報をキーボードやテンキーから入力し、予め定められた所定の文字コードとして制御部4に送信する。送信された文字コードは記憶部5に予め格納された文字対応テーブル(不図示)を参照することにより、対応する文字のイメージデータに変換されK色画像形成ユニット14に供給される。また、R/Wユニット3には、ID番号と文字情報のイメージデータあるいは文字コードのまま供給される。顔画像は、社員証発行手続書等に貼付された発行申請者の顔写真等をスキャナで取り込み、イメージデータとしてRGBの信号形式でCPU17に送信する。送信されたイメージデータは、制御部4にてYMCの信号形式に変換され、Y、M及びC画像形成ユニットに供給される。
なお、顔画像データの入力は、外部機器入力端子等から入力する構成とすることも当然に可能である。例えば、データ管理規約上で互換性のあるデジタルカメラ等と接続して顔画像データを取り込む構成としてもよいし、NIC(Network Interface Card)等を設けてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)又はインターネットと通信可能に構成して顔画像データを取得するようにしてもよい。
【0051】
表示部20は、CRT(Cathode Ray Tube)、TFT(Thin Film Transistor)液晶表示素子や有機EL(Electro Luminescence)素子等からなるFDP(Flat Display Panel)等から構成される。CPU17から出力されるIDカード作成装置1の稼動状況やIDカード100の作成状況を表示するものである。特に、本実施の形態では、CPU17がIDカード作成装置1の各所に設けられた各種のセンサ(不図示)から異常を示す信号を受信した際に警告画面を表示するようになっている。
【0052】
音声出力部21はスピーカ等を備え、IDカード作成装置1の作動不良等のアラーム等を音声出力する。本実施の形態では、IDカード100に書き込まれたID番号データとIDカード100の券面に印画する際に使用するID番号データが不一致である場合に警告音を出力するようになっている。
【0053】
記憶部5は、ハードディスクや不揮発メモリ等から構成される。IDカード100の券面に印画する画像の画像データ及びIDカード100に内蔵されたEEPROM38に書き込むID番号等の電子データを記憶するものである。更に、記憶部5は、カード作成来歴管理テーブル23、バッファテーブル22、プリント管理テーブル及びICデータ確認用バッファメモリ25を有する。
【0054】
カード作成来歴管理テーブル23は、IDカード作成装置1が作成したIDカード100の履歴を管理するテーブルである。図4に、カード作成来歴管理テーブル23の管理の態様を模式的に示す。図中、「カード番号」とは、IDカード作成装置1の駆動時間中に作成されたIDカード毎に、その作成順に従って付された番号である。例えば、カード番号「#1」は、IDカード作成装置1を立ち上げてから最初に作成されたIDカードに付される。ID番号は、IDカードの発行申請者毎に付される番号である。カード作成来歴管理テーブルでは、この2つの番号を対応付けて管理する。カード作成来歴テーブルのレコード数は、IDカード作成装置1において一定時間内(例えば、1日)で可能とする作成枚数又はIDカード100の発行予定数以上のレコード数を備える。
また、カード作成来歴管理テーブル23に記録したデータをリセットする場合は、所定のIDカードの作成が終了した後IDカード作成装置1を再起動したとき、オペレータの操作によりリセットするとき又は所定枚数のIDカードの作成を終了したとき等の種々のタイミングでリセットが可能である。また、リセット前に記録媒体等に自動バックアップを行う構成としても良い。後に発覚したカード不良事故等の原因追求の一助になるためである。
【0055】
バッファテーブル22は、IDカード100のID番号データ、顔画像データ及び文字データをバッファ番号と対応付けて管理する管理テーブルである。図5(a)に、バッファテーブル22の管理の態様を模式的に示す。図中、「バッファ番号」とはバッファ管理テーブル上で1つのIDカードに関するID番号データ、顔画像データ及び文字データをセットとして管理する番号であり、1つのバッファ番号に対し1つのID番号データ、顔画像データ及び文字データがセットとして対応付けられる。また、バッファ番号は、IDカードの作成順に従ってIDカード毎の管理をする。バッファテーブル22は、イメージデータとしての顔画像データを含むため、管理するデータ量が多いことから(例えば、1つの顔画像データのデータ量は例えば500KB)、テーブルのレコード数は6に構成している。
各データが管理されるバッファ番号No.1〜No.6では、IDカードの作成順にID番号データ、顔画像データ及び文字データのセットが順々に格納される。各バッファ番号に格納されたデータは、IDカード作成装置1での全ての工程を経て、IDカードが完成品として排出された段階で消去するようになっている。
図5(a)は、1枚目から6枚目のIDカードに関するデータのセットが格納された状態を示す。バッファ番号No.1〜No.6まで格納すると、制御部4から供給されるデータの受信を一時的に停止する。その後、上述のごとく、IDカード作成装置1においてバッファ番号No.1のデータの処理が全て終了し消去が完了すると、図5(b)に示すように、新たな1セット分即ち7枚目のIDカードのデータ(ID番号データ「No.0007」、顔画像データ「No.0007」及び文字データ「No.0007」を格納する。
【0056】
プリント管理テーブル24は、IDカード作成装置1の各ユニットで作成処理中のIDカード100のカード番号データ及びこのID番号データに対応するバッファ番号を、各ユニットでの処理工程が移行する度に逐次更新して現在の各ユニット等の処理状況を管理する管理テーブルである。図6にプリント管理テーブルの管理の態様を示す。フェーズ1のプリント管理テーブル24aにて、「#1」のカード番号データが付与されたIDカード100を例に説明する。「#1」のIDカード番号データを有するIDカード100は、既にY、M、Cの各画像形成ユニットでの顔画像の印画を終了し、現在K色画像形成ユニット14でID番号44及び氏名40並びに発効日41等の文字情報43を印画中であることを示している。このとき、プリント管理テーブル24aにおいて、カード番号データに対応するバッファ番号は「No.1」である。即ち、現在K色画像形成ユニット14で印画しているID番号、顔画像及び文字の各データは、バッファ番号「No.1」で管理しているデータ(「No.0001」のデータ)である。
【0057】
フェーズ2のプリント管理テーブル24bは、フェーズ1でのK色画像形成ユニット14のID番号データ及び文字データの処理が終了して次の工程に移行したときの、プリント管理テーブル24の管理の態様を示したものである。このように、1フェーズを移行する毎に、プリント管理データを更新する。
カード番号「#1」のIDカード100が、K色画像形成ユニット14でのID番号及び文字情報の印画を終えた後、プリント管理テーブル14において、カード番号「#1」とバッファ番号「No.1」を、次のR/W装置の管理項目に移行する更新を行う。以上のようにカード番号「#1」及びバッファ番号「No.1」に続くカード番号及バッファ番号も順次更新して管理を行う。
【0058】
ICデータ確認用バッファメモリ25は、後述する「ICデータ確認処理」において、IDカード100に書き込んだID番号データをR/Wユニット3が読み出し、この読み出されたID番号データを一時的に記憶するものである。
【0059】
このように、各IDカードの現在の処理工程及び画像データの内容とIDカード100のEEPROM38に書き込まれる電子データの内容が一致するか否かを確認する際には、プリント管理テーブル24を参照し、カード番号データ及びバッファ番号データと夫々対応付けられるカード作成来歴管理テーブル23やバッファテーブル22のID番号等を参照することで判別することができる。本実施の形態におけるIDカード作成装置1は、ホッパ10、Y色画像形成ユニット11、M色画像形成装置12、C色画像形成装置13、K色画像形成ユニット14及びR/Wユニット3での各処理に際し、プリント管理テーブル24、バッファテーブル22及びカード作成来歴管理テーブル23を逐次参照して、処理対象とするIDカードと各処理に使用されるデータとが一致するかを確認する「処理対象及びデータ確認処理」を行う。以下に、「処理対象及びデータ確認処理」について、図7のフロー図を用いて説明する。なお、以下の処理は所定のプログラムに基づき、CPU17により制御処理が行われる。
【0060】
制御部4からバッファテーブル22のバッファ番号「No.1」のID番号データ、顔画像データ及び文字データをホッパ10に出力する前に、CPU17は、プリント管理テーブル24を参照して、カード番号とバッファ番号を取得する(ステップS101)。
【0061】
取得したカード番号に基づき、カード作成来歴管理テーブル23から対応するカード番号を検索し、カード作成来歴管理テーブル23のガード番号に対応付けられて記憶されているID番号データを抽出する(ステップS102)。
【0062】
次いで、ステップS101にて取得したバッファ番号に基づきバッファテーブル22から対応するバッファ番号を検索し、バッファテーブル22のバッファ番号に対応付けられているID番号データを抽出する(ステップS103)。
【0063】
ステップS102にて抽出したカード作成来歴管理テーブル23におけるID番号データと、ステップS103にて抽出したバッファテーブル22におけるID番号データとを比較し、一致するか否かを判別する(ステップS104)。
【0064】
ステップS104の判別にて両IDデータが一致する場合には(ステップS105:YES)、対象とするIDカードとこのIDカードに対応するデータが一致するものと判断し、ホッパ10にID番号データ、顔画像データ及び文字データを供給する(ステップS106)。逆に、一致しない場合には(ステップS105:NO)、IDカード作成装置1の稼動を一時停止する処理を行う(ステップS107)。
【0065】
同様の処理をY画像形成ユニット11、M画像形成ユニット12、C画像形成ユニット13、K画像形成ユニット14及びR/Wユニット3にデータ送信する前に行う。但し、上述の「処理対象及びデータ確認処理」において、ステップS106にて供給するデータは、Y画像形成ユニット11では、顔画像データのうちイエロー成分の顔画像データ、M画像形成ユニット12では、顔画像データのうちマゼンタ成分の顔画像データ、C画像形成ユニット13では、顔画像データのうちシアン成分の顔画像データであり、K画像形成ユニット14では、ID番号データ及び文字データであり、R/Wユニット3ではID番号データ及び文字データである。
このように、各処理工程で逐次処理データと処理対象であるIDカードとの対応を確認することで、バッファテーブルでのデータ順の狂いや破壊等のデータ不良が生じても、即座に検出することができ、印画された内容とEEPROM38に記憶するID番号データ等の一致を確実に検出することができる。
【0066】
次に、本実施の形態におけるIDカード作成装置1の特徴である「ICデータ確認処理」について説明する。
「ICデータ確認処理」とは、Y色画像形成ユニット11、M色画像形成ユニット12、C色画像形成ユニット13及びK色画像形成ユニット14でIDカード100の顔画像、ID番号及び文字情報の印画を終了し、IDカード100のEEPROM38にID番号データ及び文字データの書込みを行った後、この券面に印画されたID番号44及び文字情報43の内容と、EEPROM38に書き込まれた内容とが一致するか否かを判別する処理をいう。図8は、「ICデータ確認処理」の処理手順を示すフロー図である。なお、以下の処理はプログラムに基づき制御部4のCPU17により処理が行われる。
【0067】
K色画像形成ユニット14での印画処理を終了し、搬送ベルト8によりIDカード100がR/Wユニット3に搬送され、ID番号データ及び文字データの書込みが行われると、CPU17はIDカード100のEEPROM38に書き込まれたID番号データの読込み指示を出力する(ステップS201)。
【0068】
ID番号データの読込み指示を受けたR/W装置15では、この指示信号を発振器50、ユニット側PSK変調回路51、正弦波発生回路52、送信波側増幅回路53及びユニット側アンテナコイル57を介してIDカード100に送信する(ステップS202)。
【0069】
IDカード100は、カード側アンテナコイル30にて指示信号を受信する。その後、カード側フィルタ回路31、カード側増幅回路34及びPSK復調変調回路33を介してデータ処理部35に出力する。カード側CPU36は、供給された指示信号に従いEEPROM38にアクセスし、格納されたID番号データを読出す。読み出されたID番号データ及び文字データをPSK復調変調回路33等の各回路を介してカード側アンテナコイル30から送信する(ステップS203)。
【0070】
ステップS103にて送信されたID番号データを、ユニット側アンテナコイル57で受信する。受信した信号を受信波側増幅回路54、ユニット側フィルタ回路55、ユニット側PSK復調回路56を介してデジタイズされたID番号データに変換してCPU17に出力する(ステップS204)。
【0071】
次いで、CPU17は、R/W装置15を介してIDカード100から読み出したID番号データを受信し、ICデータ確認用バッファメモリ25に記憶する(ステップS205)。
【0072】
次いで、記憶部5にアクセスしてプリント管理テーブル24を参照し、プリント管理テーブル24R/W装置のステージ欄に現在管理されているバッファ番号を検出する(ステップS206(図6のプリント管理テーブル24b参照))。このとき、プリント管理テーブル24bのR/W装置のステージ欄には、ステップS102〜S104の処理にてIDカード100から取得したID番号データと同一のID番号データを管理するバッファ番号データが管理されているはずである。従って、バッファ番号「No.1」をキーとしてバッファテーブル22から同一のバッファ番号データを検出し、この検出されたバッファ番号と対応付けられるID番号データを抽出する(ステップS207)。
【0073】
次いで、ステップS205にてICデータ確認用バッファメモリ25に記憶したID番号データを読出し、このデータとバッファテーブル22から抽出したID番号データとの比較を行う(ステップS208)。
【0074】
データが一致する場合は(ステップS209:YES)、IDカード100のEEPROM38に書き込まれたID番号データと券面に印画された文字データとの内容が一致すると判断し、IDカードを完成品として排出する(ステップS210)。
【0075】
ステップS209にて、データが不一致である場合は(ステップS209:NO)、画像形成ユニット2にカード作成処理を中止する信号を出力し、IDカード作成装置1の作成処理を一時中断する(ステップS212)。
【0076】
次いで、CPU17は、表示部20にIDカードに印画された画像の内容とEEPROM38に格納した電子データの内容が異なる旨の警告表示を行う指示信号を出力し、表示部20に警告映像を表示させる。更に、音声出力部21に警告音を発生させる指示信号を出力し音声出力部21から警告音を出力させる(ステップS213)。
【0077】
オペレータの確認検査等により、IDカード内のID番号データとバッファテーブルのID番号データとが異なるIDカードが除去され、各官吏テーブルの管理データの整合が調節された後、データ入力部19を介してリスタート信号の送信を受けると(ステップS214)、IDカード作成処理を再開する(ステップS211)。
【0078】
ステップS210にてIDカード100を排出した後、あるいはステップS214にてリスタートを受信した後、CPU17はバッファメモリ22のバッファ番号「No.1」で管理するID番号データ「No.0001」、顔画像データ「No.0001」及び文字データ「No.0001」を消去し、新たにバッファ番号「No.1」にID番号データ「No.0007」、ID番号「No.0007」及び文字データ「No.0007」を対応付けて記憶する。カード作成来歴管理テーブル23では、カード番号「#7」とID番号データ(「No.0007」)とを対応付けて追加記憶し、プリント管理テーブル24では、「ホッパ」のステージ項目にカード番号「#7」とバッファ番号「No.1」とを対応付けて記憶する更新処理を行う(ステップS211)。
【0079】
次に、以上の処理を含むIDカード作成装置1の動作について図9及び図10のフロー図を用いて説明する。なお、以下の処理は制御プログラムに従いCPU17により処理されるものである。
【0080】
先ず、社員証の発行申請者から所定事項の記入及び申請者の顔写真が貼付された申請書類の提出がなされる。オペレータはこの申請書の記載に基づき、データ入力部19を介して申請者の氏名40及び発効日41等の文字情報43及び所定の規定により付与される従業者番号としてのID番号44を入力し、文字コードとしてCPU17に送信する。
次いで、顔写真45をスキャナ等の光学的読取装置(不図示)により読取り顔画像データをイメージデータとしてCPU17に送信する。ID番号データ、文字データ及び顔画像データを取得したCPU17は(ステップS301)、受信したID番号データ、文字データ及び顔画像データを記憶部5に送信し、所定のプログラムに従い、バッファテーブル22のバッファ番号「No.1」と対応付けて記憶する(ステップS302)。
【0081】
同時に、カード作成来歴管理テーブル23にて、カード番号「#1」とID番号データを対応付けて記憶する(ステップS303)。
【0082】
次いで、プリント管理テーブル24にて、バッファテーブル22のバッファ番号及びカード作成来歴管理テーブル23のカード番号を対応付けて記憶する(ステップS304)。
【0083】
以上の各テーブルでの対応付けが終了した後、バッファテーブル22から画像形成ユニット2に、ID番号データ、顔画像データ及び文字データを供給し(ステップS305)その後、「処理対象及びデータ確認処理」を実行する(ステップS306(図7参照))。
【0084】
ステップS306の「処理対象及びデータ確認処理」の後、ホッパ10に駆動開始指示信号を送信し、搬送ベルト8上にIDカード100を載置する(ステップS307)。その後、搬送ベルト8を駆動し、図示しない位置検出センサの検出信号に基づいてIDカード100をY色画像形成ユニット11の画像形成位置まで搬送する(ステップS308)。
【0085】
CPU17は、位置検出センサからの出力信号を受け、プリント管理テーブル24において、IDカード100のカード番号データ及びバッファ番号データのステージ項目を「ホッパ」から「Y色画像形成ユニット」に更新する(ステップS309)。その後「処理対象及びデータ確認処理」を実行する(ステップS310)。
【0086】
ステップS310の「処理対象及びデータ確認処理」を実行した後、Y色画像形成ユニット11は、制御部4から送信された顔画像データのうちイエロー成分のデータに基づいて、IDカード100の券面に印画を行う(ステップS311)。イエロー成分の印画を終了すると、印画終了の応答信号を制御部4に送信する。その後、搬送ベルト8を駆動し、図示しない位置検出センサの検出信号に基づいてIDカード100をM色画像形成ユニット12の画像形成位置まで搬送する。
【0087】
CPU17は、位置検出センサからの出力信号を受け、プリント管理テーブル24において、IDカード100のカード番号データ及びバッファ番号のステージを「Y色画像形成ユニット」から「M色画像形成ユニット」に更新する(ステップS312)。その後「処理対象及びデータ確認処理」を実行する(ステップS313)。
【0088】
ステップS313の「処理対象及びデータ確認処理」を実行した後、M色画像形成ユニット12は、顔画像データのうちマゼンタ成分のデータに基づいて、IDカード100の券面に印画を行う(ステップS314)。マゼンタ成分の印画を終了すると、印画終了の応答信号を制御部4に送信する。その後、搬送ベルト8を駆動し、図示しない位置検出センサの検出信号に基づいてIDカード100をC色画像形成ユニット13の画像形成位置まで搬送する。
【0089】
CPU17は、位置検出センサからの出力信号を受け、プリント管理テーブル24において、IDカード100のカード番号データ及びバッファ番号のステージを「M色画像形成ユニット」から「C色画像形成ユニット」に更新する(ステップS315)。その後「処理対象及びデータ確認処理」を実行する(ステップS316)。
【0090】
ステップS316の「処理対象及びデータ確認処理」を実行した後、C色画像形成ユニット13は、顔画像データ及び文字データのうちシアン成分のデータに基づいて、IDカード100の券面に印画を行う(ステップS317)。シアン成分の印画を終了すると、印画終了の応答信号を制御部4に送信する。その後、搬送ベルト8を駆動し、図示しない位置検出センサの検出信号に基づいてIDカード100をK色画像形成ユニット14の画像形成位置まで搬送する。
【0091】
CPU17は、位置検出センサからの出力信号を受け、プリント管理テーブル24において、IDカード100のカード番号データ及びバッファ番号のステージを「C色画像形成ユニット」から「K色画像形成ユニット」に更新する(ステップS318)。その後「処理対象及びデータ確認処理」を実行する(ステップS319)。
【0092】
ステップS319の「処理対象及びデータ確認処理」を実行した後、K色画像形成ユニット14は、ID番号データ及び文字データに基づいて、IDカード100の券面にID番号44、氏名40及び発効日41の印画を行う(ステップS320)。ID番号44、氏名40及び発効日41の印画を終了すると、印画終了の応答信号を制御部4に送信する。その後、搬送ベルト8を駆動し、図示しない位置検出センサの検出信号に基づいてIDカード100をR/Wユニット3のカード読取り位置まで搬送する。
【0093】
CPU17は、位置検出センサからの出力信号を受け、プリント管理テーブル24において、IDカード100のカード番号データ及びバッファ番号データのステージを「K色画像形成ユニット」から「R/Wユニット」に更新する(ステップS321)。その後「処理対象及びデータ確認処理」を実行する(ステップS322)。
【0094】
ステップS322の「処理対象及びデータ確認処理」を実行した後、R/Wユニット3は、CPU17から送信されたID番号データ及び文字データをIDカード100に書き込む(ステップS323)。その後、R/W装置15が、データの書込み処理の終了を示す応答信号を受信しCPU17に送信する(ステップS324)。
【0095】
ID番号データ及び文字データの書込み終了を示す信号を受信したCPU17は、EEPROM38に書き込まれた電子データの内容と画像形成ユニット2からR/W装置に送信されたIDカード番号データ及び文字データとが一致するか否かを判別する「ICデータ確認処理」を実行する(ステップS325)。
【0096】
ステップS325の「ICデータ確認処理」にてIDカード100を排出あるいはIDカード作成のリスタートが行われると、CPU17はバッファメモリ22のバッファ番号「No.1」で管理するID番号データ「No.0001」、顔画像データ「No.0001」及び文字データ「No.0001」を消去し、新たにバッファ番号「No.1」にID番号データ「No.0007」、ID番号「No.0007」及び文字データ「No.0007」を対応付けて記憶し、カード作成来歴管理テーブル23にて、カード番号「#7」とID番号データ(「No.0007」)とを対応付けて追加記憶し、プリント管理テーブル24にて、「ホッパ」のステージ項目にカード番号「#7」とバッファ番号「No.1」とを対応付けて記憶する更新処理を行う(ステップS326)。
【0097】
ステップS325の「ICデータ確認処理」にて、EEPROM38から読み出したデータと制御部4から供給されたデータとが一致する場合には、上述したICデータ確認処理のステップS210に示すように、IDカード100を完成品としてIDカード作成装置1から排出する。また、不一致である場合には、上述したICデータ確認処理のステップS212及びS213に示すように、IDカード作成装置1の駆動を一時停止するとともに表示部20及び音声出力部21から警告表示を表示あるいは警告音を出力する。
【0098】
以上のように、本実施の形態におけるIDカード作成装置によれば、IDカード100のEEPROM38に書き込んだ内容を、R/W装置15から直接読出し、この読み出したID番号データとプリント管理テーブル24で管理されるID番号データを比較し、これらデータが一致するか否かを判別するため、IDカード100に電子データが正確に書き込まれたかを判断することができ、電子データ書込み時に発生したエラーに対してもエラー検出を行うことができる。
【0099】
更に、EEPROM38に書き込んだデータと券面に印画された内容の整合性を判断するに際して、比較的データ量少ないID番号データのみをもって比較を行うため、CPU00での演算回数が少なくなり、判断処理の高速化という効果がある。
【0100】
また、IDカード100に印画された画像は、人間の視覚により確認することができるため比較的エラーが発見されやすいが、EEPROM38に書き込まれた電子データのエラーは人間の五感等で直接感知することができない。そのため、書き込むデータに問題が無くても書込み動作自体にエラーがある場合であっても、書込み動作によるエラーを発見することができるという効果がある。
【0101】
また、従来からのIDカード作成装置1に、ソフトウェア的な変更を追加するだけでよいため、コスト負担が少なく又簡便にIDカード100に書き込まれたICデータの確認を行うことができ実用性に優れるという効果がある。
【0102】
〔変形例〕
次に、第1実施形態の変形例について述べる。第1の実施形態におけるICデータ確認処理は、IDカード100から読み出してICデータ確認用バッファメモリに記憶したID番号データと、プリント管理テーブル24の「R/W装置」のステージにてバッファ番号と対応付けて管理されるID番号データとを比較することによってデータの整合性を判断する構成としていた。
これに対し、変形例のICデータ確認処理は、プリント管理テーブル24の「R/W装置」のステージ項目にて管理されるバッファ番号をキーとしてバッファテーブル22からID番号データを抽出し、このID番号データをICデータ確認用バッファメモリ25に記憶する構成を採用する。データの比較時には、ICデータ確認用バッファメモリ25からバファテーブル22から抽出したID番号データを読出し、その後EEPROM38から読み出したID番号データとの比較を行うこととなる。
【0103】
図11に、変形例におけるIDカード作成装置1のICデータ確認処理の処理手順を示す。なお、以下の処理は制御部4のCPU17によって処理が行われる。
【0104】
K色画像形成ユニット14でのID番号44及び文字情報43の印画処理を終了し、搬送ベルト8によりIDカード100がR/Wユニット3に搬送されると、CPU17は、「処理対象及びデータ確認処理」を行う(ステップS401)。その後、CPU17は、バッファテーブルに基づいて、IDカード100に書き込むID番号データ及び文字データをR/W装置15に送信する(ステップS402)。
【0105】
このときCPU17は、このID番号データをICデータ確認用バッファメモリにも送信し記憶させる(ステップS403)。
【0106】
IDカード100のEEPROM38にID番号データ及び文字データの書込みを行った後、CPU17はR/W装置15に対し、EEPROM38に書き込んだID情報データを読み出す指示信号を送信する(ステップS404)。
【0107】
ID番号データの読出し指示を受けたR/W装置15では、この指示信号を発振器50、ユニット側PSK変調回路51、正弦波発生回路52、送信波側増幅回路53及びユニット側アンテナコイル57を介してIDカード100に送信する(ステップS405)。
【0108】
IDカード100は、カード側アンテナコイル30にて指示信号を受信する。その後、カード側フィルタ回路31、カード側増幅回路34及びPSK復調変調回路33を介してデータ処理部35に出力する。カード側CPU36は、供給された指示信号に従いEEPROM38にアクセスし、格納されたID番号データを読出す。読み出されたID番号データをPSK復調変調回路33等の各回路を介してカード側アンテナコイル30から送信する(ステップS406)。
【0109】
ステップS406にてR/W装置15に送信されたID番号データは、ユニット側アンテナコイル57で受信される。受信した信号を受信波側増幅回路54、ユニット側フィルタ回路55、ユニット側PSK復調回路56を介してデジタイズされたID番号データに変換してCPU17に出力する(ステップS407)。
【0110】
次いで、CPU17は、R/W装置15からIDカード100から出力されたID番号データを受信する。その後、記憶部5にアクセスしてステップS302にてICデータ確認用バッファメモリ25に記憶したID番号データを読み出す(ステップS408)。
【0111】
次いで、ステップS408にて取得したID番号データと、ICデータ確認用バッファメモリ25から読み出したID番号データとが一致するか否かの比較を行う(ステップS409)。
【0112】
データが一致する場合は(ステップS410:YES)、IDカード100のEEPROM38に書き込まれた電子データの内容が券面に印画されたID番号及び文字情報と一致すると判断する。その後、IDカードを完成品として排出し、IDカード作成装置1のカード作成処理を継続する(ステップS411)。
【0113】
データが不一致である場合は(ステップS410:NO)、制御部4にカード作成処理を中止する信号を出力しIDカード作成装置1の作成処理を一時中断する(ステップS412)。
【0114】
その後、表示部20にIDカード100に印画された画像の内容とEEPROM38に格納した電子データの内容が異なる旨の警告表示を行う指示信号を出力し、表示部20に警告映像を表示させる。更に、音声出力部21に警告音を発生させる指示信号を出力し音声出力部21から警告音を出力させる(ステップS413)。
【0115】
オペレータの確認検査等により、IDカード内のID番号データとバッファテーブルのID番号データとが異なるIDカードが除去され、各官吏テーブルの管理データの整合が調節された後、データ入力部19を介してリスタート信号の送信を受けると、IDカード作成処理を再開する(ステップS414)。
【0116】
ステップS411にてIDカード100を排出した後、あるいはステップS414にてリスタートを受信した後、CPU17はバッファテーブル22のバッファ番号「No.1」で管理するID番号データ「No.0001」、顔画像データ「No.0001」及び文字データ「No.0001」を消去し、新たにバッファ番号「No.1」にID番号データ「No.0007」、ID番号「No.0007」及び文字データ「No.0007」を対応付けて記憶し、カード作成来歴管理テーブル23にて、カード番号「#7」とID番号データ(「No.0007」)とを対応付けて追加記憶し、プリント管理テーブル24にて、ホッパのステージにカード番号「#7」とバッファ番号「No.1」とを対応付けて記憶する更新処理を行う(ステップS415)。
【0117】
以上の様に、変形例におけるIDカード作成装置1によれば、IDカード100に所定のデータを書き込む際、この所定データの複製データをICデータ確認用バッファメモリ25に記憶し、IDカード100にID番号データ及び文字データを書き込んだ後に、この書き込んだデータを読み出してICデータ確認用バッファメモリに記憶した複製データと比較することができる。即ち、IDカード100から直接データを読み出して比較するため、IDカード100のEEPROM38に書き込んだデータがIDカードの券面に印画された画像データの内容と一致するか否かを確認することができる。このため、IDカード100の作成処理を行う途中で、画像データ等とIDカード100がずれてしまい、券面に印画された画像の内容とEEPROM38に書き込まれたデータとが一致しない場合等が生じても、書込みエラーを検出して印画された画像と書き込まれたデータの整合性が担保されたIDカード100を作成することができる。特に、IDカード100に印画された画像は、人間の視覚により確認することができるため比較的エラーが発見されやすいが、EEPROM38に書き込まれた電子データのエラーは人間の五感等で直接感知することができない。そのため、書込み動作自体にエラーがある場合であっても、書込み動作によるエラーを発見することができるという効果がある。
【0118】
以上、本発明を適用したIDカード作成装置1について説明したが、本発明は上記種々の例に限定されるものではない。
特に、本実施の形態では、「ICデータ確認処理」において、IDカード100のEEPROM38から読み出すデータとして「ID番号データ」を適用したが、これに加えて氏名や発行日等の「文字データ」をも読み出して券面の内容と一致するか否かを判断する構成としてもよい。これにより、EEPROM38に書き込まれた全てのデータが正確に書き込まれたかを検出することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明を実施するための最良の形態におけるIDカード作成装置の全体構成を示した概要図である。
【図2】本発明を実施するための最良の形態におけるR/W装置の概要構成を示したブロック図である。
【図3】図3(a)は、本発明を実施するための最良の形態におけるIDカードの一例を示した模式図である。図3(b)は、本発明を実施するための最良の形態におけるIDカードの内部構成を示したブロック図である。
【図4】本発明を実施するための最良の形態におけるカード作成来歴管理テーブルの管理の構成を示した模式図である。
【図5】本発明を実施するための最良の形態におけるバッファテーブルの管理の構成を示した模式図である。
【図6】本発明を実施するための最良の形態におけるプリント管理テーブルとカード作成来歴管理テーブル及びバッファテーブルとの対応関係を示した模式図である。
【図7】本発明を実施するための最良の形態における「処理対象及びデータ確認処理」の手順を示したフロー図である。
【図8】本発明を実施するための最良の形態における「ICデータ確認処理」の手順を示したフロー図である。
【図9】本発明を実施するための最良の形態におけるIDカード作成装置の動作を示したフロー図である。
【図10】本発明を実施するための最良の形態におけるIDカード作成装置の動作を示したフロー図である。
【図11】本発明を実施するための最良の形態における「ICデータ確認処理」の変形例の手順を示したフロー図である。
【符号の説明】
【0120】
1 IDカード作成装置
2 画像形成ユニット
3 R/Wユニット
4 制御部
5 記憶部
8 搬送ベルト
9 ホッパ
10 Y(イエロー)画像形成ユニット
11 M(マゼンタ)画像形成ユニット
12 C(シアン)画像形成ユニット
13 K(ブラック)画像形成ユニット
15 R/W装置
17 CPU
18 RAM
19 データ入力部
20 表示部
21 音声出力部
22 バッファテーブル
23 カード作成来歴管理テーブル
24 プリント管理テーブル
25 ICデータ確認用バッファメモリ
30 カード側アンテナコイル
31 カード側フィルタ回路
32 クロック回路
33 PSK復調変調回路
34 カード側増幅回路
35 データ処理部
36 カード側CPU
37 カード側RAM
38 EEPROM
40 氏名
41 発効日
43 文字情報
44 ID番号
45 顔画像
50 発振器
51 ユニット側PSK変調回路
52 正弦波発生回路
53 送信波側増幅回路
54 受信波側増幅回路
55 ユニット側フィルタ回路
56 ユニット側側PSK復調回路
57 ユニット側アンテナコイル
100 IDカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された電子データを記憶する記憶手段と、該電子データに基づき、電子情報を記憶するメモリが内蔵されたIDカードの券面に画像を印画する印画手段と、前記電子データに含まれる所定のデータを前記メモリに書き込むデータ書込み手段とを備えたIDカード作成装置において、
前記メモリに書き込まれた前記所定のデータの読出しを行うデータ読出し手段と、
該データ読出し手段により読み出された前記所定のデータと、前記記憶手段に記憶された前記電子データに含まれる所定のデータとが一致するか否かを比較するデータ比較手段と、
前記データ比較手段の比較の結果、一致しない場合に、前記IDカード作成装置の駆動を停止する制御手段とを備えることを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項2】
請求項1に記載のIDカード作成装置において、
前記読出し手段が読み出した前記所定のデータと、前記記憶手段に記憶された前記電子データに含まれる所定のデータとが一致しない旨を警告する警告手段を更に備え、
前記制御手段は、前記比較手段の比較の結果一致しない場合に、前記警告手段に警告させるとともに前記IDカード作成装置の駆動を停止することを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のIDカード作成装置において、
前記記憶手段は、前記電子データ及び該電子データの前記メモリへの書込み順を対応付けて管理するバッファテーブルと、前記書込み手段で現在書込み処理が行われている前記所定のデータを前記書込み順に基づいて管理するプリント管理テーブル及び前記読出し手段から読み出された前記所定のデータを記憶する確認用データ記憶手段が設けられ、
前記データ比較手段は、前記確認用データ記憶手段に記憶された前記所定のデータと、前記プリント管理テーブルを介して前記バッファテーブルに記憶された前記所定のデータとが一致するか否かを比較することを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のIDカード作成装置において、
前記所定のデータは、ID番号データであることを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項5】
入力された電子データに基づき、電子情報を記憶するメモリが内蔵されたIDカードの券面に画像を印画する印画手段と、前記画像の画像データに含まれる所定のデータを前記メモリに書き込むデータ書込み手段とを備えたIDカード作成装置において、
前記データ書込み手段が前記メモリに前記所定のデータを書き込む際、該所定のデータの複製データを生成するとともに該複製データを記憶する確認用データ記憶手段に記憶させるデータ複製手段と、
前記IDカードのメモリに書き込まれた前記所定のデータの読出しを行うデータ読出し手段と、
該データ読出し手段により読み出された前記所定のデータと前記確認用データ記憶手段に記憶された前記所定のデータとが一致するか否かを比較するデータ比較手段と、
前記比較手段の比較の結果、一致しない場合に、前記IDカード作成装置の駆動を停止する制御手段とを備えることを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項6】
請求項5に記載のIDカード作成装置において、
前記IDカードのメモリから読み出した前記所定のデータと前記確認用データ記憶手段に記憶された前記所定のデータとが一致しない旨を警告する警告手段を更に備え、
前記制御手段は、前記比較手段の比較の結果一致しない場合に、前記警告手段に警告させるとともに前記IDカード作成装置の駆動を停止することを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のIDカード作成装置において、
前記所定のデータは、ID番号データであることを特徴とするIDカード作成装置。
【請求項8】
入力された電子データを記憶手段に記憶し、該電子データに基づいて、電子情報を記憶するメモリを内蔵したIDカードの券面に画像を印画するととともに、前記メモリに、前記電子データに含まれる所定のデータの書込みを行うIDカードの作成方法において、
前記IDカードのメモリに書き込まれた前記所定のデータを読出し、
読み出した前記所定のデータと、前記記憶手段に記憶された前記電子データに含まれる前記所定のデータとが一致するか否かを比較し、
前記比較の結果、一致しない場合に、前記IDカードの作成を停止することを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項9】
請求項8に記載のIDカード作成方法において、
前記IDカードのメモリから読み出した前記所定のデータと、前記電子データに含まれる所定のデータとが一致しない場合、前記IDカードの作成を停止するとともに警告を発することを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のIDカード作成方法において、
前記記憶手段は、前記電子データ及び該電子データの前記メモリへの書込み順を対応付けて管理するバッファテーブルと、前記書込み手段で現在書込み処理が行われている前記所定のデータを前記書込み順に基づいて管理するプリント管理テーブル及び前記読出し手段から読み出された前記所定のデータを記憶する確認用データ記憶手段が設けられ、
前記IDカードのメモリから読み出した前記所定のデータと、前記電子データに含まれる所定のデータとが一致する否かを比較する際、前記プリント管理テーブルを参照して前記バッファテーブルに記憶された前記所定のデータを読出し、前記確認用データ記憶手段に記憶された前記所定のデータと読出して両データが一致するか否かを比較することを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれか一項に記載のIDカード作成方法において、
前記電子データは、ID番号データであることを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項12】
入力された電子データを記憶手段に記憶し、該電子データに基づいて電子情報を記憶するメモリを内蔵したIDカードの券面に画像を印画するとともに、前記メモリに、前記電子データに含まれる所定のデータの書込みを行うIDカードの作成方法において、
前記所定のデータを前記メモリに書き込む際、該所定データの複製データを生成して前記記憶手段に記憶し、
前記IDカードのメモリに書き込まれた前記所定のデータを読み出し、
読み出された前記所定のデータと前記記憶手段に記憶した前記所定のデータの複製データとが一致するか否かを比較し、
比較の結果一致しない場合に、前記IDカードの作成を停止することを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項13】
請求項12に記載のIDカード作成方法において、
前記IDカードのメモリから読み出した前記所定のデータと前記複製データとの比較の結果一致しない場合、前記IDカードの作成を停止するとともに警告を発することを特徴とするIDカード作成方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のIDカード作成方法において、
前記所定のデータは、ID番号データであることを特徴とするIDカード作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−38534(P2007−38534A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225433(P2005−225433)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(303050159)コニカミノルタフォトイメージング株式会社 (1,066)
【Fターム(参考)】