説明

IDカード発行装置、広告情報配信システム

【課題】RFIDタグ非内蔵の携帯型情報端末であっても、RFIDタグ内蔵型の携帯型情報端末と略同じ環境を利用者に提供する。
【解決手段】IDカード発行装置50であって、複数の情報入力キーにより、携帯型情報端末を識別する識別情報の入力を受け付ける情報入力部11、識別情報が一時的に格納されるメモリ部12、携帯型情報端末に付随可能且つRFIDタグを内蔵するIDカード、IDカードと通信してRFIDタグと情報を通信するリーダライタ部13、メモリ部に格納されている識別情報、又はリーダライタ部13によって読み取ったIDカード固有のID情報を、通信回線を介して管理サーバに送信する送信部14を備えるようにし、利用者に識別情報の入力を促して、携帯型情報端末に付随させる為のIDカードを発行するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDタグを内蔵したIDカードを発行するIDカード発行装置及び、該装置を利用した広告情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やノート側PC等に代表される携帯型端末として、RFIDタグが予め内蔵されたものが販売されている。例えば、RFIDタグが内蔵された携帯電話は、電子マネー情報を格納することができ、この携帯電話を、店頭のリーダライタにかざすだけで、買い物が可能となっている。更に、このRFIDタグを利用することで、携帯電話自体が、電車やバスの乗車券、社員証、電子錠(セキュリティーロック認証)として機能することができるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このRFIDタグを内蔵した携帯型情報端末は、必ずしも、幅広く普及している状況ではない。従って、RFIDタグが内蔵されていない携帯型情報端末の所有者は、電子マネーや社員証として、別途、RFIDタグを内蔵したいわゆるIDカードを、財布等に保持する必要があった。
【0004】
また、携帯型情報端末とIDカードは別機関によって発行・管理されるため、利用者は、IDカードと携帯型情報端末は相関のないものとして認識しやすいことから、このIDカードを、RFIDタグ内蔵型の携帯型情報端末のように活用することが難しいという問題があった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、RFIDタグ非内蔵の携帯型情報端末であっても、RFIDタグ内蔵型の携帯型情報端末と同じ環境を構築可能なIDカード発行装置及び、該装置を利用した広告情報配信システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等の鋭意研究により、上記目的は以下の手段によって達成される。
【0007】
(1)複数の情報入力キーにより、携帯型情報端末を識別する識別情報の入力を受け付ける情報入力部と、前記識別情報が一時的に格納されるメモリ部と、前記携帯型情報端末に付随可能且つRFIDタグを内蔵するIDカードと通信して、前記RFIDタグと情報を通信するリーダライタ部と、前記メモリ部に格納されている前記識別情報、又は前記リーダライタ部によって読み取った前記IDカード固有のID情報を、通信回線を介して管理サーバに送信する送信部と、を備え、利用者に前記識別情報の入力を促して、前記携帯型情報端末に付随させる為の前記IDカードを発行することを特徴とするIDカード発行装置。
【0008】
(2)前記リーダライタ部は、前記メモリ部に格納されている前記識別情報を前記RFIDタグに記録することを特徴とする(1)記載のIDカード発行装置。
【0009】
(3)前記送信部は、前記識別情報を前記管理サーバに送信するようにし、更に、前記管理サーバによる前記識別情報の存否確認に関する情報を、通信回線を介して受信する確認部を備え、前記リーダライタ部は、前記確認部における前記存否確認に関する情報に基づいて、前記IDカードに発行承認情報を記録することを特徴とする(2)に記載のIDカード発行装置。
【0010】
(4)前記リーダライタ部は、前記発行承認情報として前記識別情報を前記RFIDタグに記録することを特徴とする(3)に記載のIDカード発行装置。
【0011】
(5)前記IDカードは、前記携帯型情報端末に付随するためのストラップコードを有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載のIDカード発行装置。
【0012】
(6)前記IDカードは、前記携帯型情報端末の外表面に付着するための粘着層を有することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載のIDカード発行装置。
【0013】
(7)(1)乃至(6)のいずれか記載のIDカード発行装置と、前記IDカード発行装置と通信可能な前記管理サーバと、広告パネル装置と、を備え、前記広告パネル装置は、携帯型情報端末に付随される前記IDカードに対応したパネル側リーダ部と、前記パネル側リーダ部によって前記IDカードから読み取った前記ID情報又は前記識別情報を、通信回線を介して前記管理サーバに送信するするパネル側送信部と、を備え、前記管理サーバは、前記IDカード発行装置の前記送信部から送信された前記ID情報又は前記識別情報を格納するカード情報記憶部と、前記パネル装置の前記パネル側送信部から送信された前記識別情報又は前記ID情報と、前記カード情報記憶部に格納されている前記識別情報又は前記ID情報とを照合する認証部と、前記認証部で認証された場合に、前記識別情報に基づいて前記携帯型情報端末に広告情報を送信する情報送信部と、を備えることを特徴とする広告情報配信システム。
【0014】
(8)前記広告パネル装置は、広告情報が表示される広告パネルを備え、前記広告パネルの背面側に前記パネル側リーダ部が配設されていることを特徴とする(7)に記載の広告情報配信システム。
【0015】
(9)前記広告パネル装置の前記広告パネルは導光板で構成されており、前記広告パネルの側縁には、前記広告パネル内に光を供給する照明装置が配設され、前記広告パネルが、前記照明装置の光を前面側に反射させることにより、前記パネル側リーダ部を非視認状態とすることを特徴とする(8)記載の広告情報配信システム。
【0016】
(10)前記広告パネルには、複数の広告情報が表示されており、前記パネル側リーダ部は、前記広告情報に対応して前記広告パネルの背面側に複数配置されていることを特徴とする(8)又は(9)に記載の広告情報配信システム。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、RFIDタグ非内蔵の携帯型情報端末であっても、RFIDタグ内蔵型の携帯型情報端末と略同じ環境を利用者に提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1には、本発明の実施の形態に係る広告情報配信システム1の全体構成が示されている。この広告情報配信システム1は、IDカード発行装置10と、管理サーバ20と、広告パネル30と、携帯型情報端末40と、IDカード50を備えて構成される。
【0020】
IDカード発行装置10は、利用者に対して、携帯型情報端末40を固有に識別(特定)するための識別情報の入力を促して、携帯型情報端末40に付随させる為のIDカード50を発行するものである。IDカード50は、ストラップやシールによって携帯型情報端末40に付随し、事後的に一体化可能となっている(詳細は後述する)。管理サーバ20は、この広告情報配信システム1の全体の情報を管理するサーバであり、各装置と公衆通信回線網を介して通信し、情報を送受信するようになっている。広告パネル30は広告情報を視覚的に掲示するものであり、街頭や施設内外の壁面等に設置される。
【0021】
IDカード50は、図2(A)に拡大して示されるように、ICチップ等によって構成されるRFIDタグ51と、このRFIDタグ51に接続されるアンテナ52と、このRFIDタグ51及びアンテナ52を両外面から覆う保護シート53と、この保護シート53に積層され、携帯型情報端末40等の外表面に付着するための粘着層54を有する。従って、図2(B)に示されるように、このIDカード52を、粘着層54によって、携帯型情報端末40の背面に貼り付けることで、両者が一体され、RFIDタグを内蔵した携帯型情報端末と同じ状態を極めて簡単につくることができる。また、図2(C)に示されうように、リーダ貼り付け部56及びストラップコード部57を有する携帯ストラップ55に対して、このIDカード50を貼り付けることで、この携帯ストラップ55を介して携帯型情報端末40とIDカード50を付随(一体化)させることもできるようになっている。
【0022】
図3に示されるように、IDカード発行装置10は、情報入力部11と、メモリ部12と、リーダライタ部13と、送信部14と、確認部15を備える。情報入力部11は、複数の情報入力キーを備えたキーセット11Aと、このキーセット11Aによって入力された情報を視覚的に表示する表示画面11Bを有しており、携帯型情報端末40を識別するための識別情報の入力を受け付けるようになっている。具体的に、この識別情報は、携帯型情報端末40と電子メール形式で通信するアドレス情報が好ましく、例えば、携帯電話番号や、この携帯型情報端末40に割り振られた電子メールアドレス等を用いる。
【0023】
メモリ部12は、記録媒体の一種である半導体メモリを有して構成され、情報入力部11で入力された識別情報を受け取って、この半導体メモリに一時的に記憶する。リーダライタ部13は、IDカード50に記録する情報や読み出す情報等を設定する制御部13Aと、この制御部13Aからの指示を受けて、IDカード50と近距離無線通信を行うカードインターフェース13Bを備える。従って、このリーダライタ部13により、IDカード50に固有に割り振られているID情報を読み取ったり、携帯型情報端末40の識別情報をIDカード50に記録したりすることができる。送信部14は、インターネット等の公衆通信回線網と接続される通信インターフェース14Aを備えており、携帯型情報端末40の識別情報やIDカード50のID情報を管理サーバ20に送信する。
【0024】
なお、詳細は後述するが、識別情報を受信した管理サーバ20では、その識別情報を利用して携帯型情報端末40と通信を行い、その識別情報が適正に存在しているか否かを確認し、その結果をIDカード発行装置50に送信する。この存否に関する情報は、IDカード発行装置50の通信インターフェース14Aを介して確認部15で受信される。確認部15は、管理サーバ20から識別情報の存在確認が示された場合に限り、リーダライタ部13に対してカード発行承認情報を送信し、識別情報をIDカード50に記録するよう指示する。本実施形態では、発行承認情報として識別情報を用い、IDカード50に記録することで発行を完了させる。つまり、識別情報が記録されたIDカード50は、正式に発行されたものであることを意味する。識別情報の存在が確認できない場合、確認部15は、リーダライタ部13に対してカード発行中止情報を送信し、発行作業を中止するように指示する。
【0025】
図4(A)に示されるように、広告パネル装置30は、平面版状で外表面に広告情報が表示される広告パネル31と、この広告パネル31の周縁を保持する枠体32と、この広告パネル31の周縁に設置されるエッジ照明装置33と、広告パネル31の背面に設置されるパネル側リーダ部34と、このパネル側リーダ部34に接続されるパネル側送信部35を備える。
【0026】
広告パネル31は、光透過性の合成樹脂板であり、背面側に光乱反射層31Aが形成されている。この広告パネル31の表面側には広告情報31Bが印刷され、全面を通過する人に対して広告情報31Bを提示する。また、この広告情報31Bには、背面側のパネル側リーダ部34に対応する部位にタッチ領域31Cが形成されており(図4(B)参照)、利用者が、携帯型情報端末40と一緒にIDカード50を接近させることで、対応するパネル側リーダ部34がIDカード50内に格納されている識別情報を読み取ることが可能となっている。
【0027】
エッジ照明装置33は、LEDや蛍光管を利用した照明装置であり、広告パネル31の側縁に光を入射させる。既に述べたように、広告パネル31は導光板として機能するので、この光は広告パネル31内を通過して全体に広がる。この光は、背面側の光乱反射層31Aによって適宜反射されて、パネル前面側に放出される。この結果、広告情報31B全体が光るようになっている。また、この広告パネル31自信が、前面側に光を放出することから、背面側に配置されているパネル側リーダ部34の存在が、パネル前面から視認できないようになっている。
【0028】
パネル側リーダ部34は、タッチ領域31Cに接近されたIDカード50と、広告パネル31を介在させた状態で近距離通信し、識別情報やID情報を読み取るようになっている。このパネル側リーダ部34は、IDカード50の識別情報やID情報、及びパネル側リーダ部34自身を識別するリーダ情報をパネル側送信部35に伝える。パネル側送信部35は、インターネット等の公衆通信回線網に接続されており、識別情報やID情報、リーダ情報を管理サーバ20に送信する。
【0029】
管理サーバ20は、CPU等の中央演算装置、メモリやハードディスク等の記録媒体、インターネット等に接続される通信インターフェース、これらを接続するバス等を備えたいわゆる計算機である。記録媒体には、本実施形態の広告情報配信システム1を機能させるためのプログラムが格納されており、このプログラムがCPUで実行されることで、以下の機能を備えることができるようになっている。
【0030】
具体的にこの管理サーバ20は、図5に示されるように、機能構成として、カード情報記憶部21、認証部22、情報送信部23、情報チェック部24を備える。カード情報記憶部21は、IDカード発行装置10の送信部14から送信されたID情報及び識別情報を、データベースに格納する。なお、情報チェック部24は、この識別情報に基づいて、携帯型情報端末40に対して、登録確認用の電子メールを送信し、管理サーバ20へのアクセスを促す。この電子メールを受信した携帯型情報端末40では、その電子メール本文内に表示されているリンクを利用して、管理サーバ20の情報チェック部24にアクセスすることで、情報チェック部24は、この識別情報が実際に存在するものであるか否かを判断する。情報チェック部24は、この存否確認に関する情報をIDカード発行装置50に対して送信すると同時に、存否に関するフラグ情報を、カード情報記憶部21に格納する。
【0031】
認証部22は、パネル装置30のパネル側送信部35から送信された識別情報及びID情報を受信し、この識別情報又はID情報と、カード情報記憶部21に予め格納されているID情報又は識別情報と照合する。照合の結果、パネル側送信部35から送信された識別情報及びID情報が適正に存在していると判断した場合は、情報送信部23に対して広告情報の配信を指示する。情報送信部23は、この指示に基づいて、パネル側リーダ部34固有のリーダ情報に対応する広告情報を、電子メール形式によって携帯型情報端末40に送信する。利用者は、タッチ領域31Cに対して携帯型情報端末40と一緒にIDカード50を接近させることで、携帯型情報端末40に求めていた広告情報を受信できる。
【0032】
次に、この広告情報配信システム1の動作手順について図6の遷移図を参照しながら説明する。
【0033】
まず、ステップS102で、利用者は、IDカード発行装置50に携帯電話番号を入力する。ステップS104では、IDカード発行装置50が、この携帯電話番号を管理サーバ20に送信する。ステップS106において、管理サーバ20が携帯電話番号を利用してショートメールを送信し、携帯型情報端末40に対して管理サーバ20へのアクセスを促す。ショートメールを受信した携帯型情報端末40は、メールの指示に従ってインターネット経由で管理サーバ20にアクセスする(S108)。携帯型情報端末側40からの適切なアクセスを受け付けた管理サーバ20は、ステップS110において、IDカード発行装置50に対して存否情報を送信する。なお、ここでは管理サーバ20へのアクセスを促す場合を示すが、電子メールの返信を促すことで、その返信メールの受信によって存否確認を行うことも可能である。
【0034】
携帯電話番号の存在が確認できた場合、IDカード発行装置50は、IDカード50を利用者に発行する(S112)。この際、IDカード50のRFIDタグに携帯電話番号を書き込んでおく。なお、管理サーバ20では、この携帯電話番号をデータベースに格納しておく。利用者は、シール構造となっているIDカード50を、携帯型情報端末40の背面に貼り付けるかか、携帯ストラップ55を利用するか選択し、いずれにしろ携帯型情報端末40とIDカード50を一体化させる。これにより、IDカード発行(ユーザ登録)が完了することになる。
【0035】
その後、利用者は、街角に掲示されている広告パネル装置30に対して、携帯型情報端末40及びIDカード50を接近させて、IDカード50をパネル側リーダに読み取らせる(S114)。広告パネル装置30は、ステップS116において、IDカード50に記録されている携帯電話番号と、広告パネル装置30のパネル側リーダ部34に固有に割り振られているID情報を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20では、このこの携帯電話番号と、ステップS104で予め受信済みの携帯電話番号を照合させてユーザ確認を行い、そのユーザ確認が完了してから、ステップS118において、携帯型情報端末40に対して広告情報を配信する。なお、このステップS114からステップS118は、極めて短時間に行われるため、利用者は、広告パネルに携帯型情報端末40をかざす(IDカード50をかざす)と同時に、携帯型情報端末40に広告情報が届くような感覚を得ることができる。特に、このIDカードは、ストラップコードやシール層を有することで、極めて容易に、携帯型情報端末40と一体化することができるようになっている。
【0036】
以上、本実施形態の広告情報配信システム1によれば、シール構造によって携帯型情報端末40に付随可能なIDカード50用いると共に、IDカード発行装置10によって、その場でこのIDカード50を発行することで、RFIDタグを内蔵していない携帯型情報端末に対して、RFID内蔵型の携帯型情報端末と同様な環境を極めて短時間で提供することが可能となる。IDカード50を背面に貼り付けた携帯型情報端末40を、様々な場所に設置されているRFIDリーダライタにかざすことで、携帯型情報端末40に対して電子メール経由で情報を受信できる。その結果、利用者は、あたかもRFIDタグが携帯型情報端末40に内蔵されている感覚を得ることができる。
【0037】
また、このIDカード発行装置10が、識別情報をIDカード50のRFIDタグに書き込むようにした結果、街頭に設置される広告パネル装置30が、携帯型情報端末40の識別情報を、IDカード50から読み取ることが可能となり、携帯型情報端末40を固有に識別して、広告情報を配信することができる。
【0038】
なお、本実施形態においてIDカード50を発行する際は、管理サーバ20を利用して、携帯型情報端末40と実際に通信することで、その存否確認を行うようになっている。従って、無関係の識別情報をIDカード発行装置10に入力するような、いわゆるなりすまし行為を防止することが可能となっている。
【0039】
さらに、本実施形態の広告情報配信システム1では、広告パネル装置30の広告パネルが発光することで、広告情報を目立たせることができ、視認性の高い状態で広告情報を提供することが可能となっている。また、広告パネルの発光により、背面側のパネル側リーダ部34を目立たなくすることができ、デザイン性の高い広告情報を提供できる。また、広告パネル装置30は、複数のパネル側リーダ部34を備えるようになっているので、1台の広告パネル装置39であっても、利用者が、携帯型情報端末40のタッチ領域を選択することで、必要な情報のみを携帯型情報端末40に入手することが可能となる。
【0040】
なお、本実施形態では、IDカード発行装置50が、カード発行時に、RFIDタグに携帯電話番号(識別情報)を書き込む場合を示したが、本発明はそれに限定されない。例えば、IDカード発行装置50が、携帯型情報端末40の識別情報とともに、発行予定のID情報をIDカード50から読み取り、双方を管理サーバ20に送信することで、管理サーバ20側において、識別情報とID情報を対応させた状態で保持しておくことも好ましい。広告パネル装置30は、IDカード50からID情報を読み込み、これを管理サーバ20に送信するだけで、管理サーバ20では、ID情報を利用して本人認証を実行し、対応する識別情報を利用して携帯型情報端末40に対して情報配信が可能となる。これにより、IDカード50に、個人性の高い識別情報を書き込む必要がなくなるので、紛失等における安全性を高めることができる。
【0041】
一方、本実施形態で示したように、携帯型情報端末40の識別情報を、本人が携帯型情報端末40に付随させて保持するIDカード50に記録させておき、管理サーバ20側では、識別情報の存否確認が終了したら識別情報を削除してしまうことも好ましい。IDカード50に識別情報を書き込んでおけば、広告パネル装置30が、必要に応じてその識別情報をIDカード50から取得することで、管理サーバ20経由で携帯型情報端末40に情報配信することができる。この結果、管理サーバ20側において、個人性の高い識別情報を大量に保持する必要がなくなり、情報の管理が容易となる。つまり、管理サーバ20では、発行済みのIDカード50のID情報を保持しておくだけで十分となる。
【0042】
なお、本実施形態のIDカード50は、RFIDタグの種類は問わず、近距離無線通信によって情報交換可能なものであればよい。また、本発明の広告情報配信システム等は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、各種情報を配信する情報配信システムに応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態にかかる広告情報配信システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】同広告情報配信システムで利用されるIDカードの構成を示す斜視図である。
【図3】同広告情報配信システムのIDカード発行装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】同広告情報配信システムの広告パネル装置の内部構成及び広告情報を示す図である。
【図5】同広告情報配信システムの管理サーバの内部構成を示すブロック図である。
【図6】同広告情報配信システムの動作フローを示す遷移図である。
【符号の説明】
【0045】
1 広告情報配信システム
10 IDカード発行装置
20 管理サーバ
30 広告パネル装置
40 携帯型情報端末
50 IDカード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の情報入力キーにより、携帯型情報端末を識別する識別情報の入力を受け付ける情報入力部と、
前記識別情報が一時的に格納されるメモリ部と、
前記携帯型情報端末に付随可能且つRFIDタグを内蔵するIDカードと通信して、前記RFIDタグと情報を通信するリーダライタ部と、
前記メモリ部に格納されている前記識別情報、又は前記リーダライタ部によって読み取った前記IDカード固有のID情報を、通信回線を介して管理サーバに送信する送信部と、を備え、
利用者に前記識別情報の入力を促して、前記携帯型情報端末に付随させる為の前記IDカードを発行することを特徴とするIDカード発行装置。
【請求項2】
前記リーダライタ部は、前記メモリ部に格納されている前記識別情報を前記RFIDタグに記録することを特徴とする請求項1記載のIDカード発行装置。
【請求項3】
前記送信部は、前記識別情報を前記管理サーバに送信するようにし、更に、
前記管理サーバによる前記識別情報の存否確認に関する情報を、通信回線を介して受信する確認部を備え、
前記リーダライタ部は、前記確認部における前記存否確認に関する情報に基づいて、前記IDカードに発行承認情報を記録することを特徴とする請求項2に記載のIDカード発行装置。
【請求項4】
前記リーダライタ部は、前記発行承認情報として前記識別情報を前記RFIDタグに記録することを特徴とする請求項3に記載のIDカード発行装置。
【請求項5】
前記IDカードは、前記携帯型情報端末に付随するためのストラップコードを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のIDカード発行装置。
【請求項6】
前記IDカードは、前記携帯型情報端末の外表面に付着するための粘着層を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のIDカード発行装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか記載のIDカード発行装置と、
前記IDカード発行装置と通信可能な前記管理サーバと、
広告パネル装置と、を備え、
前記広告パネル装置は、
携帯型情報端末に付随される前記IDカードに対応したパネル側リーダ部と、
前記パネル側リーダ部によって前記IDカードから読み取った前記ID情報又は前記識別情報を、通信回線を介して前記管理サーバに送信するするパネル側送信部と、を備え、
前記管理サーバは、
前記IDカード発行装置の前記送信部から送信された前記ID情報又は前記識別情報を格納するカード情報記憶部と、
前記パネル装置の前記パネル側送信部から送信された前記識別情報又は前記ID情報と、前記カード情報記憶部に格納されている前記識別情報又は前記ID情報とを照合する認証部と、
前記認証部で認証された場合に、前記識別情報に基づいて前記携帯型情報端末に広告情報を送信する情報送信部と、を備える
ことを特徴とする広告情報配信システム。
【請求項8】
前記広告パネル装置は、広告情報が表示される広告パネルを備え、
前記広告パネルの背面側に前記パネル側リーダ部が配設されていることを特徴とする請求項7に記載の広告情報配信システム。
【請求項9】
前記広告パネル装置の前記広告パネルは導光板で構成されており、
前記広告パネルの側縁には、前記広告パネル内に光を供給する照明装置が配設され、
前記広告パネルが、前記照明装置の光を前面側に反射させることにより、前記パネル側リーダ部を非視認状態とすることを特徴とする請求項8記載の広告情報配信システム。
【請求項10】
前記広告パネルには、複数の広告情報が表示されており、
前記パネル側リーダ部は、前記広告情報に対応して前記広告パネルの背面側に複数配置されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の広告情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−301080(P2009−301080A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151348(P2008−151348)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(304038242)株式会社サイボックステクノロジー (7)
【Fターム(参考)】