IDタグ群の位置検知装置及びその方法
【課題】
本発明は、エンドデバイスとしてのIDタグ間にける通信が行えないような場合であっても、屋内において、超小型のパウダー状のIDタグの位置を検出することを可能とするものである。
【解決手段】
本発明のIDタグ群の位置検知装置は、複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダと、前記IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶する記憶部と、前記IDタグリーダにおける異なる読み取り操作によって読み取られた複数回の複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定する推定部と、を有することを特徴とする。
本発明は、エンドデバイスとしてのIDタグ間にける通信が行えないような場合であっても、屋内において、超小型のパウダー状のIDタグの位置を検出することを可能とするものである。
【解決手段】
本発明のIDタグ群の位置検知装置は、複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダと、前記IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶する記憶部と、前記IDタグリーダにおける異なる読み取り操作によって読み取られた複数回の複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定する推定部と、を有することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のIDタグの位置を検出するIDタグ群の位置検知装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IDタグの位置を検出する方法の一例として特許文献1がある。道路などに埋め込んだIDタグ入りの点字ブロックの位置を、GPSを用いて測量し、ID情報と位置情報との紐付けを行っている。本方法は、GPSを用いて良好に測位できる屋外では効率的にID情報と位置情報との紐付けを行う事ができる。
【0003】
また、IDタグの通信接続状態よりIDタグの位置を推定する方法が、非特許文献1に記載されている。この手法はIDタグのノード(文献中ではオブジェクト)同士が通信を行える仕組みを保有し、その通信ネットワークの形状(ネットワークトポロジー)より、ノードの位置を推定する方法である。
【0004】
この方法は、位置が分かる静止ノードを基準に、ネットワークトポロジーの形状をバネモデルで変形するため、静止ノード以外のノードでも位置を推定できるものである。従って、ノード毎に位置を計測する必要はない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−170191号公報
【非特許文献1】中村嘉幸志他 「実世界での局所的位置関係とトポロジーを用いた情報支援に向けて」The 20th Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2006.iF2-03
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1の記載の技術では、屋内のようにGPSを補足できない場所では、この方法を用いることは出来ない。
【0007】
更に、点字ブロックのように、比較的大きく、数もそれほど多くないIDタグの場合、一つ一つのIDタグの位置を計測し、紐付けすることはできるが、超小型のパウダー状のIDタグを使用する場合には、一つ一つのIDタグのID情報を読み込み、位置を検知することは非常に多くの手間がかかってしまう。
【0008】
また、非特許文献1に記載の技術では、ネットワークトポロジーを生成するためには、ノード間における通信を確立する必要があり、パッシブ型のIDタグのように、IDタグ間における通信を行えないようなIDタグではこの方法を用いることができない。
【0009】
そこで、本発明は、エンドデバイスとしてのIDタグ間にける通信が行えないような場合であっても、屋内において、超小型のパウダー状のIDタグの位置を検出することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における一実施態様であるIDタグ群の位置検知装置は、複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダと、IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶する記憶部と、IDタグリーダにおける異なる読み取り操作によって読み取られた複数回の複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定する推定部と、を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の一実施態様であるIDタグ群の位置検知方法は、複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダを用いて、同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶し、IDタグリーダを用いて、複数回、異なる読み取り操作によって読み取られた複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定することを特徴とするものである。
【0012】
そして、複数のIDタグの位置を推定する際に、IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を一単位として、その接続関係から仮想ノードを形成し、複数のIDタグの位置を推定することが好ましい。
【0013】
また、複数のIDタグの位置を推定する際に、位置情報が既知である特定のIDタグがある場合には、その位置情報を利用して、接続関係を補正することが好ましい。
【0014】
また、接続関係の拘束条件として、読み取り高さ及び読み取り範囲を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、エンドデバイスとしてのIDタグ間にける通信が行えないような場合であっても、屋内のようなGPSが補足できない場所であっても、超小型のパウダー状のIDタグの位置を検出することを可能とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良の形態を、図面を用いて実施例にて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1に、本実施例において、IDタグの位置を推定し登録するためのIDタグ群の位置検知装置の一例を示す。
【0018】
1はIDタグ、3はIDタグ1を読み取るためのアンテナ、4は複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダである。
【0019】
ここで用いているIDタグ1は、IDタグリーダ4からの読み取り信号に対して、自分のID番号等のIDタグ情報を返信するタイプのIDタグである。従って、IDタグ間での通信は出来ないことを想定している。
【0020】
例えば、バッテリ等の電源を搭載せず、外部からの電磁波,磁場,電場,光等による電力供給により、動作するパッシブ型のRFIDタグなどが、本IDタグに該当する。パッシブ型のRFIDタグは読み取り信号を利用して電力を供給されるために読み取り信号がない状態ではIDタグ間で通信を行う事ができない。また、電源を搭載するIDタグでも末端に位置するIDタグ(エンドデバイス)においても通信できない物も存在する(ZigBeeなどの例)。このようなIDタグも本IDタグに該当する。
【0021】
また、超小型のバーコード(符号化された画像パターン)もこのIDタグに含まれる。この場合、環境光あるいはIDタグリーダ4が発射した光に基づいて、イメージセンサ等を用いて、画像パターンを読み取り記録されたID情報を読み込む。
【0022】
さらに、本実施例においては、超小型のパウダー状(例えば、大きさが0.1mm以下)のIDタグを想定している。
【0023】
2は、アンテナ3を用いて読み取れるIDタグの領域を示している。1回の読み取り操作で読み取る事ができる領域を表している。また、領域内の複数のIDタグの情報を同時(一回の読み取り操作単位)に読み取る事ができる事を想定している。
【0024】
5は、各読み取り操作毎に読み取れたIDタグの情報を記憶する記憶部である。1回の読み取り操作で読み取ったIDタグ群の情報(ID情報や書き込まれているその他の情報)を各読み取り操作毎に記憶する。この記憶部5は、IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶するものである。
【0025】
この読み取り操作を行う単位を仮想ノードと定義し、操作を識別するIDを仮想ノードIDと定義する。
【0026】
そして、複数のIDタグの位置を推定する際には、IDタグリーダ4によって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を一単位として、仮想ノードを形成し用いる。
【0027】
7は、IDタグ配置トポロジー推定部である。異なる読み取り操作で読み取ったタグの中で共重複するIDタグを検索し、IDタグの配置位置や仮想ノードとのネットワーク的なつながりなどの推定処理を行う部分である。
【0028】
つまり、この記憶部は、IDタグリーダ4における異なる読み取り操作によって読み取られた複数回の複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定するものである。
【0029】
6はIDタグ配置トポロジー記憶部である。IDタグ配置トポロジー推定部7で推定した結果を登録する記憶部である。
【0030】
8は、絶対位置の設定部である。この設定部8は、仮想ノードあるいはIDタグの絶対位置を入力する入力部である。この入力は、全てのIDタグあるいは仮想ノードに対して行う必要はなく、特徴的な場所に存在するIDタグや仮想ノードの絶対位置を入力すればよい。
【0031】
9は、IDタグ配置表示部であり、IDタグ配置トポロジー記憶部6で記憶されている情報表示を行うものである。
【0032】
10は、IDタグ配置トポロジー記憶部6で記憶されている情報を利用するIDタグ配置利用アプリケーション部であり、位置検知アプリケーションなどがこれに対応する。
【0033】
11は、既に位置が分かっているIDタグのID及び位置情報の記憶部である。
【0034】
12は、絶対位置の設定部8に絶対位置を入力する絶対位置の入力手段である。
【0035】
次に、IDタグ配置トポロジー推定部7の処理の流れを、図2を用いて説明する。
【0036】
20は、IDタグの読み取り処理ブロックである。これは、図1のIDタグリーダ4及びアンテナ3を用いて行う。
【0037】
ここで、図3を用いて、読み取り処理について説明する。図3には、一回の読み取り操作で同時に読み取れる範囲を示す。33の(1)はIDタグの位置及びID(=(1))を表している。同様に(2)から(20)もIDタグの位置及びIDを表している。32,34,35,36,37,38,39,301は一回の読み取り操作で読み取れる範囲を示している。例えば、32の読み取り範囲の場合は、タグ(1)(3)(4)(5)(6)が読み込める事を表している。
【0038】
21は、仮想ノードIDの発行ブロックである。ここでは、各読み込み操作を識別するためのIDを発行する。例えば、図3においては、31のaが割り振られたIDである。
【0039】
同様に、図3において、b(302),c(303),d(304),e(305),f(306),g(307),h(308)も、読み取り操作34,35,36,37,38,39,301を行った場合の仮想ノードIDを表している。
【0040】
22は、同時に読み取ったIDタグの仮想ノードIDを親として登録する処理ブロックである。
【0041】
図4に、仮想ノードIDを親とし、読み込んだIDタグを登録した様子を示す。仮想ノードIDのa(31)を親として(1)(3)(4)(5)(6)、b(302)を親として(5)(6)(8)(9)(10)のように登録する。これらの情報は、各読み取り単位毎に読み取れたIDタグの記憶部5に登録される。
【0042】
23の処理ブロックは、既に登録済みの仮想ノードIDとIDタグの関係(図1の記憶部5に記憶された情報)と、22の処理ブロックで新たに読み込み、登録された仮想ノードIDとIDタグの関係(接続情報)よりネットワークトポロジーを生成するものである。
【0043】
図5を用いて、生成されたネットワークトポロジーの様子を示す。図5では、IDタグ及び仮想ノードが共に同じ平面にあると仮定し、2次元平面上でネットワークトポロジーを生成している。
【0044】
ネットワークトポロジーの生成方法としては、仮想ノード及びIDタグのノードを共に同じノードとして扱い、各ノードを接続するリンクを、バネモデルやポテンシャルなどを利用して生成する。
【0045】
ネットワークトポロジーは、センサネット等で一般的に利用されている技術である。しかし、全てのノードは実体があり、ノード間での双方向の通信が出来る事がネットワークトポロジー生成の前提となっている。ところが、IDタグの場合、IDタグ間で通信を行う事ができないために、IDタグ単独ではネットワークトポロジーを生成する事ができない。そこで、本実施例では、実体のない仮想ノード(一時的に存在したノード)を中継してネットワークトポロジーを生成している。
【0046】
24の処理ブロックでは、仮想ノードまたはIDタグの位置が既知であるか否かを判定する。判定の結果、位置が既知である仮想ノードまたはIDタグがある場合には、25,26の処理ブロックで、ネットワークトポロジーの位置補正を行う。
【0047】
ここで、仮想ノードが既知とは、IDタグリーダ4の読み込み処理を行った場所が、測量等で既知となった場所や読み込んだ場所が地図上の特徴的な位置である場合などである。IDタグの既知の位置とは、例えば測量点にIDタグを設置した場合や、設置したIDタグを測量した場合などが一例としてあげられる。
【0048】
25は、位置情報を設定する処理ブロックである。
【0049】
仮想ノードの場合、処理ブロック25における位置情報の設定は、読み込んだ場所で入力手段(図1の12)などを用いて行ったり、読み込んだ場所を記録しておき、最後にまとめて入力したりしてもかまわない。
【0050】
IDタグの場合、予めIDタグの位置とID情報を計測し、記憶部(図1の11)に登録しておき、記憶されたIDタグが読み込まれた時に、記憶部(図1の11)の情報を参照して、位置情報を設定してもかまわない。
【0051】
26のネットワークトポロジーの位置補正処理ブロックでは、既知の仮想ノード或はIDタグの位置を既知の位置に固定し、ネットワークトポロジーを再計算する。
【0052】
図6は、図5のネットワークトポロジーを既知の仮想ノードを用いて、位置補正を行った例である。ここでは、62の仮想ノードe,61のIDタグ(6),63のIDタグ(19),64のIDタグ(14)の位置が既知である場合の例である。
【0053】
本処理により、位置が既知のノード61,62,63,64が固定される。固定されない他のノードは固定点をメッシュの頂点として引き伸ばされ、図6のような位置を反映したメッシュ構造になる。
【0054】
図5では、ネットワークのトポロジーなので、各ノードの位置は実際の位置を反映していないが、図6では、固定点を基準にその他のノードの位置は実際のノードの位置に近い位置となっている。
【0055】
精度を向上させるためには、(1)既知の位置のノードの数を増やす、(2)仮想ノード(位置は既知でない)の数を増やす、ことが好ましい。
【0056】
このように、複数のIDタグの位置を推定する際には、位置情報が既知である特定のIDタグがある場合には、その位置情報を利用して、接続関係を補正することができる。
【0057】
なお、処理ブロック24において、判定の結果、位置が既知である仮想ノードまたはIDタグがない場合には、読み取り場所を移動する処理を行う処理ブロック27に進む。
【0058】
これにより、位置の分からないIDタグが多数存在しても、代表的な仮想ノードIDの位置や位置が分かっているIDタグがある程度存在していれば、その他のIDタグの位置をより正確に推定する事が可能になる。
【0059】
このように、本実施例では、複数のIDタグを同時に読取可能なIDタグリーダで一括読み取りを行い、読み取ったIDタグの群及び一括読取IDを登録し、この操作を複数行い、重複しているIDタグを用いて、一括読取ID間の接続関係を推定し、この推定結果とIDタグリーダ間の接続関係を用いて、一括読取IDとIDタグのネットワークトポロジーを生成するため、ばら撒かれた大量のIDタグの位置情報を簡単に取得することができると共に、パッシブIDタグのようにIDタグ間で通信できない場合でもIDタグ間のネットワークトポロジーを生成することができる。
【0060】
そして、ネットワークトポロジーより各IDタグの位置を推定するので、IDタグ毎に位置を測量する必要がなく、パッシブIDタグのようにIDタグ間でネットワークリンクを生成できない場合でも、一括読取リIDを仮想ノードとしたネットワークリンクを生成できるため、全体のネットワークトポロジーが生成可能になる。
【実施例2】
【0061】
実施例1では、位置が既知である仮想ノード或はIDタグの位置情報のみを拘束条件として、位置を考慮してネットワークトポロジーを生成していた。
【0062】
本実施例では、これに加えて、読み取りアンテナの高さ、IDタグの読み取れる範囲を拘束条件として、IDタグの位置登録精度を高める方法について述べる。
【0063】
図7に、実際にIDタグを読み取る場合の様子を示す。
【0064】
アンテナ3は、角度θ(71)の指向性がある。従って、アンテナ3の読み取り高さh(72)の場合、読み取れる幅(範囲)はw(73)のようになる。
【0065】
なおwは、hを変数とした関数になっている。実施例1ではh,θ,wを考慮しないで、ネットワークトポロジーを作成したが、これらを制約条件として考慮し、ネットワークトポロジーを求める事により、IDタグの位置精度の向上を図ることが出来る。
【0066】
図8に、hとwとを考慮して、生成したネットワークトポロジーの生成例を示す。
【0067】
これにより、計測条件に近いネットワークトポロジーを生成する事が可能になり、未知のIDタグの位置を精度良く推定する事が出来るようになる。
【0068】
このように、接続関係の拘束条件として、読み取り高さ(h)及び読み取り範囲(w)を用いたIDタグ群の位置検知装置を用いることが好ましい。
【0069】
図9に、本実施例で使用するIDタグ群の位置検知装置の一例を示す。
【0070】
91がIDタグ群の位置検知装置(計測装置)であり、アンテナ3をアーム等で固定し、地上高を保つ仕掛けになっている。移動は車輪92等を用いる。計測装置91を用いて、未知のIDタグ1が塗布されている領域をまんべんなく移動する事により、IDタグ1の位置登録を行う事が出来る。
【0071】
なお、計測装置91のような装置を一例として述べたが、拘束条件として読み取り高さ(h)と読み取り範囲(w)が分かれば良いので、アンテナ3の高さを計測できる計測器を取り付け、人や車両等に取り付けて計測してもかまわない。
【0072】
以上、実施例2によれば、読み取り高さと読み取り範囲を拘束条件として追加する事により、実施例1よりも更に高精度で未知のIDタグの位置登録が可能になる。
【実施例3】
【0073】
本実施例では、アンテナ3の位置を計測する装置を追加し、未知のIDタグの位置登録精度を高精度化する方法について述べる。
【0074】
図10が本実施例の構成図である。
【0075】
図10は、図1に、相対位置計測手段101及び絶対位置計測手段102を追加した構成になっている。
【0076】
相対位置計測手段101とは、慣性航法装置などのようにある位置を基準に距離と方向を検知する装置などである。
【0077】
絶対位置計測装置102とは、GPSなどのような地球座標系を基準にした絶対位置検出装置や建物の中に置かれた赤外線ビーコン・無線ビーコンなどのように建物座標系での絶対位置検知装置などである。
【0078】
図11に、図9の計測装置91に、慣性航法装置を取り付け、移動軌跡を検出した例を示す。
【0079】
111,112,113,114,115は、IDタグの読み取り操作を行った場所、つまり仮想ノードの位置を示す。119は、検知した移動軌跡である。
【0080】
実施例1では、特定の仮想ノードの位置を指定する事ができたが、慣性航法装置を取り付ける事により、全ての仮想ノードの位置を検知する事が出来る。つまり、ネットワークトポロジー上の全ての仮想ノードの位置を固定できるので、それに接続されているIDタグのノードの位置も高精度に推定可能になる。
【0081】
なお、慣性航法装置を用いる場合、時間経過と共に誤差が蓄積する問題が発生する。既知の位置の仮想ノード或はIDタグを用いて絶対位置の補正を行い、誤差のキャンセルも可能である。
【0082】
また、移動軌跡より仮想ノードの位置を求めていた方法では、誤差が蓄積すると信頼できない位置検知情報となってしまう可能性があった。そのような場合には、仮想ノード間の移動ベクトルを用いて、仮想ノードの位置決定も可能である。
【0083】
116は、112の仮想ノードの読み取り操作を行った場所、117は、113の仮想ノードの読み取り操作を行った場所である。116及び117の位置の信頼性が低い場合には、2点間の移動ベクトル118を用いて、仮想ノード間の相対的な位置を決定し、バネモデルなどを用いて仮想ノードの位置を決定する事も可能である。
【0084】
本実施例を実行するための処理の流れを図12に示す。図2に、位置計測装置で位置を計測するブロック121を追加している。
【0085】
処理ブロック24で、位置が既知の仮想ノードを検知した場合には、図1と同様に登録してある位置情報を参照する。位置が未知の場合には、処理ブロック121の位置検知装置で計測した位置情報を用いて、処理ブロック26のネットワークトポロジーを生成する処理を行うようになっている。
【0086】
このように、IDタグ読み取り時に、相対位置検知装置あるいは絶対位置検知装置を用いて、読み取り位置を検知し、接続関係の拘束条件とすることが好ましい。
【0087】
以上、実施例3によれば、仮想ノードの位置を検知する装置を追加する事で、仮想ノードの位置が拘束条件となるため、更に高精度で未知のIDタグの位置登録が可能になる。
【実施例4】
【0088】
本実施例では、位置登録したIDタグの配置情報を利用し、位置を検知する手法について述べる。
【0089】
図13が、位置検知装置の構成図である。3はアンテナ、4はIDタグリーダであり、IDタグの位置登録に用いた装置と同様の装置を用いている。
【0090】
130は、各読み取り単位(1回)毎に読み取れたIDタグの記憶部、6は、IDタグ配置トポロジー記憶部である。
【0091】
131は、読み取り操作で取得したIDタグのID情報(記憶部130に記憶されたID情報)と、IDタグ配置トポロジー記憶部6に記憶された情報とに基づいて、読み取り操作を行った位置を計算する位置計算部である。
【0092】
132は、位置検知結果を表示する位置表示部である。
【0093】
133は、位置検知結果を利用する位置利用アプリケーションである。
【0094】
処理の流れを図14に示す。
【0095】
最初に、処理ブロック141では、IDタグの読み取り操作を行う。処理ブロック141は、複数のIDタグの読み取り処理を行う。
【0096】
処理ブロック142では、IDタグ配置トポロジー記憶部より該当するIDタグの位置情報を取得する。
【0097】
処理ブロック143では、同時に複数のIDタグが読み込まれるので、複数のIDタグの位置情報の重心を求める処理を行う。読み込まれた複数のIDタグの中の1つのIDタグの位置情報より、位置を求めても良いが重心を用いた場合の方が、精度が高い場合が多い。
【0098】
最後に、処理ブロック144では、重心値を読み取った位置の位置情報として、計算した位置情報を出力する。
【0099】
このように、生成したIDタグの配置情報を利用し、位置を検知することができる。
【0100】
以上、本実施例によれば、既に位置登録してあるIDタグの情報をもとに読み取り地点の位置を検知できるようになる。
【実施例5】
【0101】
本実施例では、ケーブルなどの長尺物の位置を、IDタグを利用して検知する手法について述べる。
【0102】
ケーブルなどの長尺物に、IDタグを埋め込む目的は、(1)ケーブルを切断した後でもケーブルを識別すること、(2)ケーブルの長さ(端からの長さ)を検知すること、などである。従って、(1)ケーブル全体にどのようなIDのIDタグが埋め込まれているか、(2)各IDタグがケーブルのどの位置に埋め込まれているか、を事前に登録しておく必要がある。
【0103】
本実施例では、この目的を実現するための方法について述べる。
【0104】
図15は、本実施例を実現するための構成図である。
【0105】
150は、ケーブル製造装置であり、芯線の製作や被服及びIDタグの貼り付けなどを行う。152は、製造されたIDタグ内蔵ケーブルである。表面或は被服内に、IDタグ1が挿入されている。153は、IDタグ内蔵ケーブルを巻き取るケーブルボビンである。3はアンテナ、4はIDタグリーダ、155は、ケーブルの移動距離を検知する位置検知センサ(ロータリーエンコーダなど)、156は、位置検知センサの出力値より位置検知を行う位置検知装置、151は、IDタグ配置順序推定部、154は、推定した結果を記憶するIDタグ配置記憶部である。
【0106】
図16は、ケーブル製造装置150から出力されたケーブル内のIDタグを読み取る様子を表している。
【0107】
171,172,173,174,175は、各読み取り操作で読み取ったIDタグの領域を表している。読み取り順序方向に一定間隔(Δd)で読み取り領域が重複するように読み取って行く。
【0108】
図17は、実施例3と同様の手法で、仮想ノードの位置を固定して、ネットワークトポロジーを生成した例である。
【0109】
181〜185が、仮想ノードの位置、(1)〜(20)はIDタグの位置である。Δdが大きいため、図17に示したものでは、同じ位置に複数のIDタグが存在しているが、Δdを小さくすれば重複させないことも出来る。ただし、読み込み回数が増加するため、アプリケーション側で要求する読み取り精度とのトレードオフになる。
【0110】
また、同一ロットのケーブルの場合、位置情報と同時にロットIDなども登録する。このロットIDは、将来、ケーブルが切断されても識別したり、両端のIDタグを読み込み、同じケーブか否かの判断にも使う。
【0111】
図18は、登録したIDタグの利用シーンを表している。先端位置のIDタグ190を読み込めばケーブルの種類(ロットID)がわかる。また、IDタグ192を読み込む事により、ケーブルの先端が見えない場合でも、IDタグ190につながっているケーブルである事が識別できる。なお、途中で切断した場合には、切断場所のIDタグ情報をデータベースに登録する事により、判別可能である。
【0112】
また、IDタグ191の位置のIDタグを読み込み、実施例4と同様の位置検知処理を行う事により、ケーブル先端(IDタグ190)からの長さLを検知する事ができる。
【0113】
以上、本実施例によれば、ケーブルに埋め込まれたIDタグを使い、ケーブルの識別及びケーブルの長さ検知が可能になる。
【0114】
このように、本実施例は、1次元の長尺物でも利用することができる。
【実施例6】
【0115】
本実施例ではIDタグが本来あるべき位置から剥がれて別な場所に張り付いた場合の対策について述べる。
【0116】
図19に示すように、ケーブルの識別やケーブルの長さを検知するためにケーブル152に埋め込まれたIDタグ1や別な場所に設置したIDタグが本来の目的のために床に設置されているIDタグと混在してしまう場合が生じる。IDタグの混在によりIDタグ配置トポロジー記憶部(6)に登録されたID以外のIDタグが読み込まれる事になり位置の推定に支障をきたす場合が生じる。
【0117】
このような場合、同時に読み込んだIDタグ間の距離を登録されているIDタグの位置より距離を算出しIDタグリーダの読み取り範囲よりも外側にある場合、そのIDタグを異物タグと判定する。あるいはIDタグ配置トポロジー記憶部(6)のパターン比較して差分部分を異物タグと判定する。判定された異物タグを位置推定処理より省く事により位置推定の支障を回避することができる。
【0118】
このように本発明は、IDタグを用いて位置・場所を検知する手法であり、(1)設置されたIDタグの位置を登録する方法、(2)読み込んだID情報と登録されたIDタグの位置情報より位置を検知する方法、(3)IDタグの剥離などにより登録した位置以外にIDタグが移動した事を検知する方法に関するものである。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、IDタグを用いた位置検知やケーブル等の長尺物の長さ(位置)検知に利用する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】IDタグの位置登録装置の一例を示す図。
【図2】IDタグの位置登録方法の処理フローを示す図。
【図3】一回の読み取り操作で同時に読み取れる範囲の説明をする図。
【図4】仮想ノードIDを親として読み込んだIDタグを登録した様子を示す図。
【図5】生成されたネットワークトポロジーの様子を示す図。
【図6】ネットワークトポロジーを既知のノードを用いて位置補正を行った例を示す図。
【図7】IDタグを読み取る場合の様子を示す図。
【図8】hとwを考慮して生成したネットワークトポロジーの生成例を示す図。
【図9】計測装置の一例を示す図。
【図10】IDタグの位置登録装置の一例を示す図。
【図11】計測装置に慣性航法装置を取り付け、移動軌跡を検出した例を示す図。
【図12】処理の流れを示す図。
【図13】IDタグによる位置検知装置の一例を示す図。
【図14】処理の流れを示す図。
【図15】ケーブル埋め込みIDタグの位置登録装置の一例を示す図。
【図16】ケーブル製造装置から出力されたケーブル内のIDタグを読み取る様子を示す図。
【図17】仮想ノードの位置を固定してネットワークトポロジーを生成した例を示す図。
【図18】登録したIDタグの利用シーンを示す図。
【図19】異物タグを説明する図。
【符号の説明】
【0121】
1 IDタグ
2 読み取り範囲
3 アンテナ
4 IDタグリーダ
5 記憶部
6 IDタグ配置トポロジー記憶部
7 IDタグ配置トポロジー推定部
8 絶対位置の設置部
9 IDタグ配置表示部
10 IDタグ配置利用アプリケーション部
11 既に位置が分かっているIDタグのID及び位置情報の記憶部
12 絶対位置の入力手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のIDタグの位置を検出するIDタグ群の位置検知装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IDタグの位置を検出する方法の一例として特許文献1がある。道路などに埋め込んだIDタグ入りの点字ブロックの位置を、GPSを用いて測量し、ID情報と位置情報との紐付けを行っている。本方法は、GPSを用いて良好に測位できる屋外では効率的にID情報と位置情報との紐付けを行う事ができる。
【0003】
また、IDタグの通信接続状態よりIDタグの位置を推定する方法が、非特許文献1に記載されている。この手法はIDタグのノード(文献中ではオブジェクト)同士が通信を行える仕組みを保有し、その通信ネットワークの形状(ネットワークトポロジー)より、ノードの位置を推定する方法である。
【0004】
この方法は、位置が分かる静止ノードを基準に、ネットワークトポロジーの形状をバネモデルで変形するため、静止ノード以外のノードでも位置を推定できるものである。従って、ノード毎に位置を計測する必要はない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−170191号公報
【非特許文献1】中村嘉幸志他 「実世界での局所的位置関係とトポロジーを用いた情報支援に向けて」The 20th Annual Conference of the Japanese Society for Artificial Intelligence, 2006.iF2-03
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1の記載の技術では、屋内のようにGPSを補足できない場所では、この方法を用いることは出来ない。
【0007】
更に、点字ブロックのように、比較的大きく、数もそれほど多くないIDタグの場合、一つ一つのIDタグの位置を計測し、紐付けすることはできるが、超小型のパウダー状のIDタグを使用する場合には、一つ一つのIDタグのID情報を読み込み、位置を検知することは非常に多くの手間がかかってしまう。
【0008】
また、非特許文献1に記載の技術では、ネットワークトポロジーを生成するためには、ノード間における通信を確立する必要があり、パッシブ型のIDタグのように、IDタグ間における通信を行えないようなIDタグではこの方法を用いることができない。
【0009】
そこで、本発明は、エンドデバイスとしてのIDタグ間にける通信が行えないような場合であっても、屋内において、超小型のパウダー状のIDタグの位置を検出することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における一実施態様であるIDタグ群の位置検知装置は、複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダと、IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶する記憶部と、IDタグリーダにおける異なる読み取り操作によって読み取られた複数回の複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定する推定部と、を有することを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の一実施態様であるIDタグ群の位置検知方法は、複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダを用いて、同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶し、IDタグリーダを用いて、複数回、異なる読み取り操作によって読み取られた複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定することを特徴とするものである。
【0012】
そして、複数のIDタグの位置を推定する際に、IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を一単位として、その接続関係から仮想ノードを形成し、複数のIDタグの位置を推定することが好ましい。
【0013】
また、複数のIDタグの位置を推定する際に、位置情報が既知である特定のIDタグがある場合には、その位置情報を利用して、接続関係を補正することが好ましい。
【0014】
また、接続関係の拘束条件として、読み取り高さ及び読み取り範囲を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、エンドデバイスとしてのIDタグ間にける通信が行えないような場合であっても、屋内のようなGPSが補足できない場所であっても、超小型のパウダー状のIDタグの位置を検出することを可能とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の最良の形態を、図面を用いて実施例にて説明する。
【実施例1】
【0017】
図1に、本実施例において、IDタグの位置を推定し登録するためのIDタグ群の位置検知装置の一例を示す。
【0018】
1はIDタグ、3はIDタグ1を読み取るためのアンテナ、4は複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダである。
【0019】
ここで用いているIDタグ1は、IDタグリーダ4からの読み取り信号に対して、自分のID番号等のIDタグ情報を返信するタイプのIDタグである。従って、IDタグ間での通信は出来ないことを想定している。
【0020】
例えば、バッテリ等の電源を搭載せず、外部からの電磁波,磁場,電場,光等による電力供給により、動作するパッシブ型のRFIDタグなどが、本IDタグに該当する。パッシブ型のRFIDタグは読み取り信号を利用して電力を供給されるために読み取り信号がない状態ではIDタグ間で通信を行う事ができない。また、電源を搭載するIDタグでも末端に位置するIDタグ(エンドデバイス)においても通信できない物も存在する(ZigBeeなどの例)。このようなIDタグも本IDタグに該当する。
【0021】
また、超小型のバーコード(符号化された画像パターン)もこのIDタグに含まれる。この場合、環境光あるいはIDタグリーダ4が発射した光に基づいて、イメージセンサ等を用いて、画像パターンを読み取り記録されたID情報を読み込む。
【0022】
さらに、本実施例においては、超小型のパウダー状(例えば、大きさが0.1mm以下)のIDタグを想定している。
【0023】
2は、アンテナ3を用いて読み取れるIDタグの領域を示している。1回の読み取り操作で読み取る事ができる領域を表している。また、領域内の複数のIDタグの情報を同時(一回の読み取り操作単位)に読み取る事ができる事を想定している。
【0024】
5は、各読み取り操作毎に読み取れたIDタグの情報を記憶する記憶部である。1回の読み取り操作で読み取ったIDタグ群の情報(ID情報や書き込まれているその他の情報)を各読み取り操作毎に記憶する。この記憶部5は、IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶するものである。
【0025】
この読み取り操作を行う単位を仮想ノードと定義し、操作を識別するIDを仮想ノードIDと定義する。
【0026】
そして、複数のIDタグの位置を推定する際には、IDタグリーダ4によって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を一単位として、仮想ノードを形成し用いる。
【0027】
7は、IDタグ配置トポロジー推定部である。異なる読み取り操作で読み取ったタグの中で共重複するIDタグを検索し、IDタグの配置位置や仮想ノードとのネットワーク的なつながりなどの推定処理を行う部分である。
【0028】
つまり、この記憶部は、IDタグリーダ4における異なる読み取り操作によって読み取られた複数回の複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定するものである。
【0029】
6はIDタグ配置トポロジー記憶部である。IDタグ配置トポロジー推定部7で推定した結果を登録する記憶部である。
【0030】
8は、絶対位置の設定部である。この設定部8は、仮想ノードあるいはIDタグの絶対位置を入力する入力部である。この入力は、全てのIDタグあるいは仮想ノードに対して行う必要はなく、特徴的な場所に存在するIDタグや仮想ノードの絶対位置を入力すればよい。
【0031】
9は、IDタグ配置表示部であり、IDタグ配置トポロジー記憶部6で記憶されている情報表示を行うものである。
【0032】
10は、IDタグ配置トポロジー記憶部6で記憶されている情報を利用するIDタグ配置利用アプリケーション部であり、位置検知アプリケーションなどがこれに対応する。
【0033】
11は、既に位置が分かっているIDタグのID及び位置情報の記憶部である。
【0034】
12は、絶対位置の設定部8に絶対位置を入力する絶対位置の入力手段である。
【0035】
次に、IDタグ配置トポロジー推定部7の処理の流れを、図2を用いて説明する。
【0036】
20は、IDタグの読み取り処理ブロックである。これは、図1のIDタグリーダ4及びアンテナ3を用いて行う。
【0037】
ここで、図3を用いて、読み取り処理について説明する。図3には、一回の読み取り操作で同時に読み取れる範囲を示す。33の(1)はIDタグの位置及びID(=(1))を表している。同様に(2)から(20)もIDタグの位置及びIDを表している。32,34,35,36,37,38,39,301は一回の読み取り操作で読み取れる範囲を示している。例えば、32の読み取り範囲の場合は、タグ(1)(3)(4)(5)(6)が読み込める事を表している。
【0038】
21は、仮想ノードIDの発行ブロックである。ここでは、各読み込み操作を識別するためのIDを発行する。例えば、図3においては、31のaが割り振られたIDである。
【0039】
同様に、図3において、b(302),c(303),d(304),e(305),f(306),g(307),h(308)も、読み取り操作34,35,36,37,38,39,301を行った場合の仮想ノードIDを表している。
【0040】
22は、同時に読み取ったIDタグの仮想ノードIDを親として登録する処理ブロックである。
【0041】
図4に、仮想ノードIDを親とし、読み込んだIDタグを登録した様子を示す。仮想ノードIDのa(31)を親として(1)(3)(4)(5)(6)、b(302)を親として(5)(6)(8)(9)(10)のように登録する。これらの情報は、各読み取り単位毎に読み取れたIDタグの記憶部5に登録される。
【0042】
23の処理ブロックは、既に登録済みの仮想ノードIDとIDタグの関係(図1の記憶部5に記憶された情報)と、22の処理ブロックで新たに読み込み、登録された仮想ノードIDとIDタグの関係(接続情報)よりネットワークトポロジーを生成するものである。
【0043】
図5を用いて、生成されたネットワークトポロジーの様子を示す。図5では、IDタグ及び仮想ノードが共に同じ平面にあると仮定し、2次元平面上でネットワークトポロジーを生成している。
【0044】
ネットワークトポロジーの生成方法としては、仮想ノード及びIDタグのノードを共に同じノードとして扱い、各ノードを接続するリンクを、バネモデルやポテンシャルなどを利用して生成する。
【0045】
ネットワークトポロジーは、センサネット等で一般的に利用されている技術である。しかし、全てのノードは実体があり、ノード間での双方向の通信が出来る事がネットワークトポロジー生成の前提となっている。ところが、IDタグの場合、IDタグ間で通信を行う事ができないために、IDタグ単独ではネットワークトポロジーを生成する事ができない。そこで、本実施例では、実体のない仮想ノード(一時的に存在したノード)を中継してネットワークトポロジーを生成している。
【0046】
24の処理ブロックでは、仮想ノードまたはIDタグの位置が既知であるか否かを判定する。判定の結果、位置が既知である仮想ノードまたはIDタグがある場合には、25,26の処理ブロックで、ネットワークトポロジーの位置補正を行う。
【0047】
ここで、仮想ノードが既知とは、IDタグリーダ4の読み込み処理を行った場所が、測量等で既知となった場所や読み込んだ場所が地図上の特徴的な位置である場合などである。IDタグの既知の位置とは、例えば測量点にIDタグを設置した場合や、設置したIDタグを測量した場合などが一例としてあげられる。
【0048】
25は、位置情報を設定する処理ブロックである。
【0049】
仮想ノードの場合、処理ブロック25における位置情報の設定は、読み込んだ場所で入力手段(図1の12)などを用いて行ったり、読み込んだ場所を記録しておき、最後にまとめて入力したりしてもかまわない。
【0050】
IDタグの場合、予めIDタグの位置とID情報を計測し、記憶部(図1の11)に登録しておき、記憶されたIDタグが読み込まれた時に、記憶部(図1の11)の情報を参照して、位置情報を設定してもかまわない。
【0051】
26のネットワークトポロジーの位置補正処理ブロックでは、既知の仮想ノード或はIDタグの位置を既知の位置に固定し、ネットワークトポロジーを再計算する。
【0052】
図6は、図5のネットワークトポロジーを既知の仮想ノードを用いて、位置補正を行った例である。ここでは、62の仮想ノードe,61のIDタグ(6),63のIDタグ(19),64のIDタグ(14)の位置が既知である場合の例である。
【0053】
本処理により、位置が既知のノード61,62,63,64が固定される。固定されない他のノードは固定点をメッシュの頂点として引き伸ばされ、図6のような位置を反映したメッシュ構造になる。
【0054】
図5では、ネットワークのトポロジーなので、各ノードの位置は実際の位置を反映していないが、図6では、固定点を基準にその他のノードの位置は実際のノードの位置に近い位置となっている。
【0055】
精度を向上させるためには、(1)既知の位置のノードの数を増やす、(2)仮想ノード(位置は既知でない)の数を増やす、ことが好ましい。
【0056】
このように、複数のIDタグの位置を推定する際には、位置情報が既知である特定のIDタグがある場合には、その位置情報を利用して、接続関係を補正することができる。
【0057】
なお、処理ブロック24において、判定の結果、位置が既知である仮想ノードまたはIDタグがない場合には、読み取り場所を移動する処理を行う処理ブロック27に進む。
【0058】
これにより、位置の分からないIDタグが多数存在しても、代表的な仮想ノードIDの位置や位置が分かっているIDタグがある程度存在していれば、その他のIDタグの位置をより正確に推定する事が可能になる。
【0059】
このように、本実施例では、複数のIDタグを同時に読取可能なIDタグリーダで一括読み取りを行い、読み取ったIDタグの群及び一括読取IDを登録し、この操作を複数行い、重複しているIDタグを用いて、一括読取ID間の接続関係を推定し、この推定結果とIDタグリーダ間の接続関係を用いて、一括読取IDとIDタグのネットワークトポロジーを生成するため、ばら撒かれた大量のIDタグの位置情報を簡単に取得することができると共に、パッシブIDタグのようにIDタグ間で通信できない場合でもIDタグ間のネットワークトポロジーを生成することができる。
【0060】
そして、ネットワークトポロジーより各IDタグの位置を推定するので、IDタグ毎に位置を測量する必要がなく、パッシブIDタグのようにIDタグ間でネットワークリンクを生成できない場合でも、一括読取リIDを仮想ノードとしたネットワークリンクを生成できるため、全体のネットワークトポロジーが生成可能になる。
【実施例2】
【0061】
実施例1では、位置が既知である仮想ノード或はIDタグの位置情報のみを拘束条件として、位置を考慮してネットワークトポロジーを生成していた。
【0062】
本実施例では、これに加えて、読み取りアンテナの高さ、IDタグの読み取れる範囲を拘束条件として、IDタグの位置登録精度を高める方法について述べる。
【0063】
図7に、実際にIDタグを読み取る場合の様子を示す。
【0064】
アンテナ3は、角度θ(71)の指向性がある。従って、アンテナ3の読み取り高さh(72)の場合、読み取れる幅(範囲)はw(73)のようになる。
【0065】
なおwは、hを変数とした関数になっている。実施例1ではh,θ,wを考慮しないで、ネットワークトポロジーを作成したが、これらを制約条件として考慮し、ネットワークトポロジーを求める事により、IDタグの位置精度の向上を図ることが出来る。
【0066】
図8に、hとwとを考慮して、生成したネットワークトポロジーの生成例を示す。
【0067】
これにより、計測条件に近いネットワークトポロジーを生成する事が可能になり、未知のIDタグの位置を精度良く推定する事が出来るようになる。
【0068】
このように、接続関係の拘束条件として、読み取り高さ(h)及び読み取り範囲(w)を用いたIDタグ群の位置検知装置を用いることが好ましい。
【0069】
図9に、本実施例で使用するIDタグ群の位置検知装置の一例を示す。
【0070】
91がIDタグ群の位置検知装置(計測装置)であり、アンテナ3をアーム等で固定し、地上高を保つ仕掛けになっている。移動は車輪92等を用いる。計測装置91を用いて、未知のIDタグ1が塗布されている領域をまんべんなく移動する事により、IDタグ1の位置登録を行う事が出来る。
【0071】
なお、計測装置91のような装置を一例として述べたが、拘束条件として読み取り高さ(h)と読み取り範囲(w)が分かれば良いので、アンテナ3の高さを計測できる計測器を取り付け、人や車両等に取り付けて計測してもかまわない。
【0072】
以上、実施例2によれば、読み取り高さと読み取り範囲を拘束条件として追加する事により、実施例1よりも更に高精度で未知のIDタグの位置登録が可能になる。
【実施例3】
【0073】
本実施例では、アンテナ3の位置を計測する装置を追加し、未知のIDタグの位置登録精度を高精度化する方法について述べる。
【0074】
図10が本実施例の構成図である。
【0075】
図10は、図1に、相対位置計測手段101及び絶対位置計測手段102を追加した構成になっている。
【0076】
相対位置計測手段101とは、慣性航法装置などのようにある位置を基準に距離と方向を検知する装置などである。
【0077】
絶対位置計測装置102とは、GPSなどのような地球座標系を基準にした絶対位置検出装置や建物の中に置かれた赤外線ビーコン・無線ビーコンなどのように建物座標系での絶対位置検知装置などである。
【0078】
図11に、図9の計測装置91に、慣性航法装置を取り付け、移動軌跡を検出した例を示す。
【0079】
111,112,113,114,115は、IDタグの読み取り操作を行った場所、つまり仮想ノードの位置を示す。119は、検知した移動軌跡である。
【0080】
実施例1では、特定の仮想ノードの位置を指定する事ができたが、慣性航法装置を取り付ける事により、全ての仮想ノードの位置を検知する事が出来る。つまり、ネットワークトポロジー上の全ての仮想ノードの位置を固定できるので、それに接続されているIDタグのノードの位置も高精度に推定可能になる。
【0081】
なお、慣性航法装置を用いる場合、時間経過と共に誤差が蓄積する問題が発生する。既知の位置の仮想ノード或はIDタグを用いて絶対位置の補正を行い、誤差のキャンセルも可能である。
【0082】
また、移動軌跡より仮想ノードの位置を求めていた方法では、誤差が蓄積すると信頼できない位置検知情報となってしまう可能性があった。そのような場合には、仮想ノード間の移動ベクトルを用いて、仮想ノードの位置決定も可能である。
【0083】
116は、112の仮想ノードの読み取り操作を行った場所、117は、113の仮想ノードの読み取り操作を行った場所である。116及び117の位置の信頼性が低い場合には、2点間の移動ベクトル118を用いて、仮想ノード間の相対的な位置を決定し、バネモデルなどを用いて仮想ノードの位置を決定する事も可能である。
【0084】
本実施例を実行するための処理の流れを図12に示す。図2に、位置計測装置で位置を計測するブロック121を追加している。
【0085】
処理ブロック24で、位置が既知の仮想ノードを検知した場合には、図1と同様に登録してある位置情報を参照する。位置が未知の場合には、処理ブロック121の位置検知装置で計測した位置情報を用いて、処理ブロック26のネットワークトポロジーを生成する処理を行うようになっている。
【0086】
このように、IDタグ読み取り時に、相対位置検知装置あるいは絶対位置検知装置を用いて、読み取り位置を検知し、接続関係の拘束条件とすることが好ましい。
【0087】
以上、実施例3によれば、仮想ノードの位置を検知する装置を追加する事で、仮想ノードの位置が拘束条件となるため、更に高精度で未知のIDタグの位置登録が可能になる。
【実施例4】
【0088】
本実施例では、位置登録したIDタグの配置情報を利用し、位置を検知する手法について述べる。
【0089】
図13が、位置検知装置の構成図である。3はアンテナ、4はIDタグリーダであり、IDタグの位置登録に用いた装置と同様の装置を用いている。
【0090】
130は、各読み取り単位(1回)毎に読み取れたIDタグの記憶部、6は、IDタグ配置トポロジー記憶部である。
【0091】
131は、読み取り操作で取得したIDタグのID情報(記憶部130に記憶されたID情報)と、IDタグ配置トポロジー記憶部6に記憶された情報とに基づいて、読み取り操作を行った位置を計算する位置計算部である。
【0092】
132は、位置検知結果を表示する位置表示部である。
【0093】
133は、位置検知結果を利用する位置利用アプリケーションである。
【0094】
処理の流れを図14に示す。
【0095】
最初に、処理ブロック141では、IDタグの読み取り操作を行う。処理ブロック141は、複数のIDタグの読み取り処理を行う。
【0096】
処理ブロック142では、IDタグ配置トポロジー記憶部より該当するIDタグの位置情報を取得する。
【0097】
処理ブロック143では、同時に複数のIDタグが読み込まれるので、複数のIDタグの位置情報の重心を求める処理を行う。読み込まれた複数のIDタグの中の1つのIDタグの位置情報より、位置を求めても良いが重心を用いた場合の方が、精度が高い場合が多い。
【0098】
最後に、処理ブロック144では、重心値を読み取った位置の位置情報として、計算した位置情報を出力する。
【0099】
このように、生成したIDタグの配置情報を利用し、位置を検知することができる。
【0100】
以上、本実施例によれば、既に位置登録してあるIDタグの情報をもとに読み取り地点の位置を検知できるようになる。
【実施例5】
【0101】
本実施例では、ケーブルなどの長尺物の位置を、IDタグを利用して検知する手法について述べる。
【0102】
ケーブルなどの長尺物に、IDタグを埋め込む目的は、(1)ケーブルを切断した後でもケーブルを識別すること、(2)ケーブルの長さ(端からの長さ)を検知すること、などである。従って、(1)ケーブル全体にどのようなIDのIDタグが埋め込まれているか、(2)各IDタグがケーブルのどの位置に埋め込まれているか、を事前に登録しておく必要がある。
【0103】
本実施例では、この目的を実現するための方法について述べる。
【0104】
図15は、本実施例を実現するための構成図である。
【0105】
150は、ケーブル製造装置であり、芯線の製作や被服及びIDタグの貼り付けなどを行う。152は、製造されたIDタグ内蔵ケーブルである。表面或は被服内に、IDタグ1が挿入されている。153は、IDタグ内蔵ケーブルを巻き取るケーブルボビンである。3はアンテナ、4はIDタグリーダ、155は、ケーブルの移動距離を検知する位置検知センサ(ロータリーエンコーダなど)、156は、位置検知センサの出力値より位置検知を行う位置検知装置、151は、IDタグ配置順序推定部、154は、推定した結果を記憶するIDタグ配置記憶部である。
【0106】
図16は、ケーブル製造装置150から出力されたケーブル内のIDタグを読み取る様子を表している。
【0107】
171,172,173,174,175は、各読み取り操作で読み取ったIDタグの領域を表している。読み取り順序方向に一定間隔(Δd)で読み取り領域が重複するように読み取って行く。
【0108】
図17は、実施例3と同様の手法で、仮想ノードの位置を固定して、ネットワークトポロジーを生成した例である。
【0109】
181〜185が、仮想ノードの位置、(1)〜(20)はIDタグの位置である。Δdが大きいため、図17に示したものでは、同じ位置に複数のIDタグが存在しているが、Δdを小さくすれば重複させないことも出来る。ただし、読み込み回数が増加するため、アプリケーション側で要求する読み取り精度とのトレードオフになる。
【0110】
また、同一ロットのケーブルの場合、位置情報と同時にロットIDなども登録する。このロットIDは、将来、ケーブルが切断されても識別したり、両端のIDタグを読み込み、同じケーブか否かの判断にも使う。
【0111】
図18は、登録したIDタグの利用シーンを表している。先端位置のIDタグ190を読み込めばケーブルの種類(ロットID)がわかる。また、IDタグ192を読み込む事により、ケーブルの先端が見えない場合でも、IDタグ190につながっているケーブルである事が識別できる。なお、途中で切断した場合には、切断場所のIDタグ情報をデータベースに登録する事により、判別可能である。
【0112】
また、IDタグ191の位置のIDタグを読み込み、実施例4と同様の位置検知処理を行う事により、ケーブル先端(IDタグ190)からの長さLを検知する事ができる。
【0113】
以上、本実施例によれば、ケーブルに埋め込まれたIDタグを使い、ケーブルの識別及びケーブルの長さ検知が可能になる。
【0114】
このように、本実施例は、1次元の長尺物でも利用することができる。
【実施例6】
【0115】
本実施例ではIDタグが本来あるべき位置から剥がれて別な場所に張り付いた場合の対策について述べる。
【0116】
図19に示すように、ケーブルの識別やケーブルの長さを検知するためにケーブル152に埋め込まれたIDタグ1や別な場所に設置したIDタグが本来の目的のために床に設置されているIDタグと混在してしまう場合が生じる。IDタグの混在によりIDタグ配置トポロジー記憶部(6)に登録されたID以外のIDタグが読み込まれる事になり位置の推定に支障をきたす場合が生じる。
【0117】
このような場合、同時に読み込んだIDタグ間の距離を登録されているIDタグの位置より距離を算出しIDタグリーダの読み取り範囲よりも外側にある場合、そのIDタグを異物タグと判定する。あるいはIDタグ配置トポロジー記憶部(6)のパターン比較して差分部分を異物タグと判定する。判定された異物タグを位置推定処理より省く事により位置推定の支障を回避することができる。
【0118】
このように本発明は、IDタグを用いて位置・場所を検知する手法であり、(1)設置されたIDタグの位置を登録する方法、(2)読み込んだID情報と登録されたIDタグの位置情報より位置を検知する方法、(3)IDタグの剥離などにより登録した位置以外にIDタグが移動した事を検知する方法に関するものである。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、IDタグを用いた位置検知やケーブル等の長尺物の長さ(位置)検知に利用する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】IDタグの位置登録装置の一例を示す図。
【図2】IDタグの位置登録方法の処理フローを示す図。
【図3】一回の読み取り操作で同時に読み取れる範囲の説明をする図。
【図4】仮想ノードIDを親として読み込んだIDタグを登録した様子を示す図。
【図5】生成されたネットワークトポロジーの様子を示す図。
【図6】ネットワークトポロジーを既知のノードを用いて位置補正を行った例を示す図。
【図7】IDタグを読み取る場合の様子を示す図。
【図8】hとwを考慮して生成したネットワークトポロジーの生成例を示す図。
【図9】計測装置の一例を示す図。
【図10】IDタグの位置登録装置の一例を示す図。
【図11】計測装置に慣性航法装置を取り付け、移動軌跡を検出した例を示す図。
【図12】処理の流れを示す図。
【図13】IDタグによる位置検知装置の一例を示す図。
【図14】処理の流れを示す図。
【図15】ケーブル埋め込みIDタグの位置登録装置の一例を示す図。
【図16】ケーブル製造装置から出力されたケーブル内のIDタグを読み取る様子を示す図。
【図17】仮想ノードの位置を固定してネットワークトポロジーを生成した例を示す図。
【図18】登録したIDタグの利用シーンを示す図。
【図19】異物タグを説明する図。
【符号の説明】
【0121】
1 IDタグ
2 読み取り範囲
3 アンテナ
4 IDタグリーダ
5 記憶部
6 IDタグ配置トポロジー記憶部
7 IDタグ配置トポロジー推定部
8 絶対位置の設置部
9 IDタグ配置表示部
10 IDタグ配置利用アプリケーション部
11 既に位置が分かっているIDタグのID及び位置情報の記憶部
12 絶対位置の入力手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダと、前記IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶する記憶部と、前記IDタグリーダにおける異なる読み取り操作によって読み取られた複数回の複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定する推定部と、を有することを特徴とするIDタグ群の位置検知装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数のIDタグの位置を推定する際に、前記IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を一単位として、その接続関係から仮想ノードを形成し、複数のIDタグの位置を推定することを特徴とするIDタグ群の位置検知装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記複数のIDタグの位置を推定する際に、位置情報が既知である特定のIDタグがある場合には、その位置情報を利用して、前記接続関係を補正することを特徴とするIDタグ群の位置検知装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記接続関係の拘束条件として、読み取り高さ及び読み取り範囲を用いたことを特徴とするIDタグ群の位置検知装置。
【請求項5】
複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダを用いて、同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶し、
前記IDタグリーダを用いて、複数回、異なる読み取り操作によって読み取られた複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定することを特徴とするIDタグ群の位置検知方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記複数のIDタグの位置を推定する際に、前記IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を一単位として、その接続関係から仮想ノードを形成し、複数のIDタグの位置を推定することを特徴とするIDタグ群の位置検知方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記複数のIDタグの位置を推定する際に、位置情報が既知である特定のIDタグがある場合には、その位置情報を利用して、前記接続関係を補正することを特徴とするIDタグ群の位置検知方法。
【請求項8】
請求項6において、
前記接続関係の拘束条件として、読み取り高さ及び読み取り範囲を用いたことを特徴とするIDタグ群の位置検知方法。
【請求項1】
複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダと、前記IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶する記憶部と、前記IDタグリーダにおける異なる読み取り操作によって読み取られた複数回の複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定する推定部と、を有することを特徴とするIDタグ群の位置検知装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数のIDタグの位置を推定する際に、前記IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を一単位として、その接続関係から仮想ノードを形成し、複数のIDタグの位置を推定することを特徴とするIDタグ群の位置検知装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記複数のIDタグの位置を推定する際に、位置情報が既知である特定のIDタグがある場合には、その位置情報を利用して、前記接続関係を補正することを特徴とするIDタグ群の位置検知装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記接続関係の拘束条件として、読み取り高さ及び読み取り範囲を用いたことを特徴とするIDタグ群の位置検知装置。
【請求項5】
複数のIDタグを同時に読み取り可能なIDタグリーダを用いて、同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を記憶し、
前記IDタグリーダを用いて、複数回、異なる読み取り操作によって読み取られた複数のIDタグの位置情報から、共通するIDタグを検索し、複数のIDタグの位置を推定することを特徴とするIDタグ群の位置検知方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記複数のIDタグの位置を推定する際に、前記IDタグリーダによって同時に読み取られた複数のIDタグの位置情報を一単位として、その接続関係から仮想ノードを形成し、複数のIDタグの位置を推定することを特徴とするIDタグ群の位置検知方法。
【請求項7】
請求項6において、
前記複数のIDタグの位置を推定する際に、位置情報が既知である特定のIDタグがある場合には、その位置情報を利用して、前記接続関係を補正することを特徴とするIDタグ群の位置検知方法。
【請求項8】
請求項6において、
前記接続関係の拘束条件として、読み取り高さ及び読み取り範囲を用いたことを特徴とするIDタグ群の位置検知方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−8237(P2010−8237A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−168046(P2008−168046)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【Fターム(参考)】
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