L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置
【課題】1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を提供する。
【解決手段】本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置1は、ジョイント部2にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部3a,3b,3cが3列並設されている。これにより、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対してもバランスよくかつ確実に固定することができる。
【解決手段】本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置1は、ジョイント部2にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部3a,3b,3cが3列並設されている。これにより、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対してもバランスよくかつ確実に固定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばL型フックを有したカーインテリア用品固定具(スタンド)に取り付けられるカーインテリア用品等、L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、L型フックは、カーナビゲーション装置、モニター装置、テレビ受信モニター装置、レーダー探知装置、無線装置または送受信装置などの車載機器、多機能情報端末(例えば米国Apple社のiPad)や携帯電話機(モバイル)を保持させるモバイルホルダー、ボトルホルダーまたはカップホルダー等様々なカーインテリア用品の車内への固定に使用されている。また、L型フックはカーテンテリア用品以外にも広く使用されており、例えば船舶用機器の固定、自転車やモーターバイクへの各種機器の固定、壁面等への照明器具、時計またはテレビモニター装置などの固定などにも使用されている。
【0003】
ところで、このL型フックの第1類型としては、図10に示したカーインテリア用品固定具(スタンド)50のように、板状ベース51の中央付近に正面側に向かって若干突出する1つのL型フック52と、このL型フック52の下部に設けられた抜け止め用凸部53とを有したものがある。このようなフック機構を備えた固定具に対しては、図11に示すように、L型フック52と抜け止め用凸部53を挿入可能な1本の凹条部71を有したジョイント部72を備えた被固定側装置70を係合固定させていた。
【0004】
また、L型フックの第2類型としては、図12に示したカーインテリア用品固定具(スタンド)60のように、板状ベース61の水平方向の両側に正面側に向かって若干突出する2本のL型フック62a,62bと、これらL型フック62a,62bの間でかつ下部に設けられた抜け止め用凸部63とを有したものがある。そして、このようなフック機構を備えた固定具に対しては、図13に示すように、L型フック62a,62bをそれぞれ挿入可能な2本の凹条部81a,81bと、2本の凹条部81a,81bの間でかつ下部に設けられ抜け止め用凸部63を挿入可能な凹部82を有したジョイント部83を備えた被固定側装置80を係合固定させていた。
【0005】
この点、例えば、図10に示した1つのL型フック52を有する固定具50に対して、図13に示した2本の凹条部81a,81bを有する被固定側装置80を固定すると、凹条部81a,81bのいずれかにL型フック52を挿入することとなり、被固定側装置80を固定具50にバランスよく固定することができなかった。他方、図12に示した2つのL型フック62a,62bを有する固定具60に対して、図11に示した1本の凹条部71を有する被固定側装置70を固定しても、凹条部71にL型フック62a,62bのいずれかを挿入することになり、被固定側装置70を固定具60にバランスよく固定することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】引用なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するものは、ジョイント部にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部が3列並設されていることを特徴するL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置である。
【0009】
前記L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置は、カーインテリア用品であることが好ましい。前記L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置は、モバイルホルダーであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置となる。
請求項2に記載した発明によれば、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えたカーインテリア用品となる。
請求項3に記載した発明によれば、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えたモバイルホルダーとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置をモバイルホルダーに適用した一実施例の斜視図である。
【図2】図1に示したモバイルホルダーの固定状態を説明するための背面側斜視図である。
【図3】図1に示したモバイルホルダーの固定状態を説明するための正面側斜視図である。
【図4】図1に示したモバイルホルダーの固定状態を示した背面図である。
【図5】図4のA−A線端面図である。
【図6】図4のB−B線端面図である。
【図7】図1に示したモバイルホルダーの他の固定具による固定状態を示した背面図である。
【図8】図7のC−C線端面図である。
【図9】図8のD−D線端面図である。
【図10】本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を固定する固定具の一実施例の斜視図である。
【図11】従来のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置の一実施例の背面側斜視図である。
【図12】本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を固定する固定具の他の実施例の斜視図である。
【図13】従来のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置の他の実施例の背面側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、ジョイント部2にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部3a,3b,3cを3列並設したことによって、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対してもバランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部2を備えた被固定側装置1を実現した。
【実施例1】
【0013】
本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を図1ないし図9に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置1は、図1に示すように、ジョイント部2にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部3a,3b,3cが3列並設されていることを特徴するものである。以下、各構成について順次詳述する。
【0014】
この実施例のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置1は、自動車の車内に固定されるモバイルホルダーである。
【0015】
なお、本願において「被固定側装置」とは、L型フックを備えた固定具によって固定される側の器具や機械を広く包含する概念であり、例えば、カーナビゲーション装置、モニター装置、テレビ受信モニター装置、レーダー探知装置、無線装置または送受信装置などの車載機器、多機能情報端末や携帯電話機(モバイル)を保持させるモバイルホルダー、ボトルホルダーまたはカップホルダー等様々なカーインテリア用品の他、船舶用機器、自転車やモーターバイクに固定される各種機器(例えば、自転車またはモーターバイク用モバイルホルダー)、壁面等へ固定される照明器具、時計またはテレビモニター装置などカーテンテリア用品以外も広く含まれる概念である。
【0016】
モバイルホルダー1は、図1ないし図3に示すように、ホルダー本体4と、ホルダー本体4の背面4a側中央付近に設けられたジョイント部2と、ホルダー本体4の正面4b側に設けられたホルダー部5とを有している。
【0017】
ホルダー本体4は、保持する多機能情報端末や携帯電話機に対応した形態(正面視または背面視で縦長の略四角形)に形成されており、樹脂材料にて一体成形されている。
【0018】
ジョイント部2は、カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60と接合させる部位であり、図5または図6に示すように、ホルダー本体4の背面側中央付近において、背面側に向かって略台形状に若干突出する形態に形成されている。
【0019】
ジョイント部2には、図1に示すように、カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60のL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部3a,3b,3cが3列並設されている。これにより、1本或いは2本のL型フックを有する固定具50,60のいずれに対してもバランスよくかつ確実に固定することができるモバイルホルダーとなる。
【0020】
具体的には、カーインテリア用品固定具(スタンド)50のような1つのL型フック52を有する固定具によって車内にモバイルホルダー1を固定する場合は、図4または図5に示すように、3列の凹条部3a,3b,3cのうち、中央の凹条部3b内にL型フック52と抜け止め用凸部53を挿入してモバイルホルダー1をカーインテリア用品固定具(スタンド)50に固定する。これにより、モバイルホルダー1をカーインテリア用品固定具(スタンド)50の中央にバランスよく固定することができる。
【0021】
他方、カーインテリア用品固定具(スタンド)60のような2つのL型フック62a,62bを有する固定具によって車内にモバイルホルダー1を固定する場合は、図8または図9に示すように、3列の凹条部3a,3b,3cのうち、両側の凹条部3a,3cb内にそれぞれL型フック62a,62bを挿入し、凹条部3b内に抜け止め用凸部63を挿入してモバイルホルダー1をカーインテリア用品固定具(スタンド)50に固定する。これにより、モバイルホルダー1をカーインテリア用品固定具(スタンド)60の中央にバランスよく固定することもできる。
【0022】
なお、凹条部3a,3b,3cは同一形態に形成されており、凹条部3bはホルダー本体4の中央部に設けられ、さらに、凹条部3a,3cは、中央に設けられた凹条部3bより等間隔離間して設けられている。これらの構成によって、固定具に対してよりバランスよくモバイルホルダー1を固定することができる。
【0023】
ホルダー部5は、多機能情報端末や携帯電話機を保持させる部位であり、ホルダー本体4の背面側全体が凹状に形成されることにより構成されている。また、ホルダー部5を区画形成する周縁部の先端側が若干内側に向かって湾曲するように形成されることにより、ホルダー本体部4を形成する樹脂材料の可撓性と相俟って、ホルダー部5に多機能情報端末や携帯電話機を着脱自在に保持できるよう構成されている。
【0024】
つぎに、モバイルホルダー1の使用方法について説明する。
モバイルホルダー1は、カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60を介して車内に固定されて使用される。
【0025】
カーインテリア用品固定具(スタンド)50は、図5に示すように、コネクター54とコネクター保持体56とから構成されている。コネクター54は、先端側にL型フック52と抜け止め用凸部53とを備えた板状ベース51と、基端側にコネクター54を広角度に回動可能とする球状自在軸55と有している。コネクター保持体56は、球状自在軸55を保持する自在軸受け57と背面側で車内に固着させる固着板58を有している。
【0026】
同様に、カーインテリア用品固定具(スタンド)60は、図8または図9に示すように、コネクター64と、コネクター保持体66とから構成されている。コネクター64は、先端側にL型フック62a,62bと抜け止め用凸部63とを備えた板状ベース61と、基端側にコネクター64を広角度に回動可能とする球状自在軸65と有している。コネクター保持体66は、球状自在軸65を保持する自在軸受け67と背面側で車内に固着させる固着板68を有している。
【0027】
そして、まず、カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60のいずれかを固着板58の背面側に設けられた粘着層(図示しない)を介して車内に固着する。つぎに、カーインテリア用品固定具(スタンド)の板状ベース(51,61のいずれか)に、ジョインド部2を介してモバイルホルダー1を固定する。この際、固定具がカーインテリア用品固定具(スタンド)50である場合は,図5または図6に示すように、凹条部3bのみを用いてカーインテリア用品固定具(スタンド)50の中央にモバイルホルダー1を固定する。他方、固定具がカーインテリア用品固定具(スタンド)60である場合は,図5または図6に示すように、凹条部3a,3cにL型フック62a,62bをそれぞれ挿入し、凹条部3bに抜け止め用凸部63を挿入してカーインテリア用品固定具(スタンド)60の中央にモバイルホルダー1を固定する。
【0028】
カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60を介して車内に固定されたモバイルホルダー1のホルダー部5には、多機能情報端末や携帯電話機を着脱自在に装着することができ、また、コネクター54,64が広角度に回動自在に構成されていることにより、多機能情報端末や携帯電話機を所望の向きに保持させて使用することができる。
【0029】
以上のように、本発明のL型フックに係合するジョイント部2を備えた被固定側装置1(モバイルホルダー)は、1本或いは2本のL型フックを有する固定具50,60のいずれに対してもバランスよくかつ確実に固定し使用することができるように構成されている。
【符号の説明】
【0030】
1 L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置(モバイルホルダー)
2 ジョイント部
3a 凹条部
3b 凹条部
3c 凹条部
4 ホルダー本体
5 ホルダー部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばL型フックを有したカーインテリア用品固定具(スタンド)に取り付けられるカーインテリア用品等、L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、L型フックは、カーナビゲーション装置、モニター装置、テレビ受信モニター装置、レーダー探知装置、無線装置または送受信装置などの車載機器、多機能情報端末(例えば米国Apple社のiPad)や携帯電話機(モバイル)を保持させるモバイルホルダー、ボトルホルダーまたはカップホルダー等様々なカーインテリア用品の車内への固定に使用されている。また、L型フックはカーテンテリア用品以外にも広く使用されており、例えば船舶用機器の固定、自転車やモーターバイクへの各種機器の固定、壁面等への照明器具、時計またはテレビモニター装置などの固定などにも使用されている。
【0003】
ところで、このL型フックの第1類型としては、図10に示したカーインテリア用品固定具(スタンド)50のように、板状ベース51の中央付近に正面側に向かって若干突出する1つのL型フック52と、このL型フック52の下部に設けられた抜け止め用凸部53とを有したものがある。このようなフック機構を備えた固定具に対しては、図11に示すように、L型フック52と抜け止め用凸部53を挿入可能な1本の凹条部71を有したジョイント部72を備えた被固定側装置70を係合固定させていた。
【0004】
また、L型フックの第2類型としては、図12に示したカーインテリア用品固定具(スタンド)60のように、板状ベース61の水平方向の両側に正面側に向かって若干突出する2本のL型フック62a,62bと、これらL型フック62a,62bの間でかつ下部に設けられた抜け止め用凸部63とを有したものがある。そして、このようなフック機構を備えた固定具に対しては、図13に示すように、L型フック62a,62bをそれぞれ挿入可能な2本の凹条部81a,81bと、2本の凹条部81a,81bの間でかつ下部に設けられ抜け止め用凸部63を挿入可能な凹部82を有したジョイント部83を備えた被固定側装置80を係合固定させていた。
【0005】
この点、例えば、図10に示した1つのL型フック52を有する固定具50に対して、図13に示した2本の凹条部81a,81bを有する被固定側装置80を固定すると、凹条部81a,81bのいずれかにL型フック52を挿入することとなり、被固定側装置80を固定具50にバランスよく固定することができなかった。他方、図12に示した2つのL型フック62a,62bを有する固定具60に対して、図11に示した1本の凹条部71を有する被固定側装置70を固定しても、凹条部71にL型フック62a,62bのいずれかを挿入することになり、被固定側装置70を固定具60にバランスよく固定することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】引用なし
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明の課題は、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するものは、ジョイント部にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部が3列並設されていることを特徴するL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置である。
【0009】
前記L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置は、カーインテリア用品であることが好ましい。前記L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置は、モバイルホルダーであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載した発明によれば、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置となる。
請求項2に記載した発明によれば、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えたカーインテリア用品となる。
請求項3に記載した発明によれば、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対しても、バランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部を備えたモバイルホルダーとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置をモバイルホルダーに適用した一実施例の斜視図である。
【図2】図1に示したモバイルホルダーの固定状態を説明するための背面側斜視図である。
【図3】図1に示したモバイルホルダーの固定状態を説明するための正面側斜視図である。
【図4】図1に示したモバイルホルダーの固定状態を示した背面図である。
【図5】図4のA−A線端面図である。
【図6】図4のB−B線端面図である。
【図7】図1に示したモバイルホルダーの他の固定具による固定状態を示した背面図である。
【図8】図7のC−C線端面図である。
【図9】図8のD−D線端面図である。
【図10】本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を固定する固定具の一実施例の斜視図である。
【図11】従来のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置の一実施例の背面側斜視図である。
【図12】本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を固定する固定具の他の実施例の斜視図である。
【図13】従来のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置の他の実施例の背面側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明では、ジョイント部2にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部3a,3b,3cを3列並設したことによって、1本或いは2本のL型フックを有する固定具のいずれに対してもバランスよくかつ確実に固定することができるL型フックに係合するジョイント部2を備えた被固定側装置1を実現した。
【実施例1】
【0013】
本発明のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置を図1ないし図9に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置1は、図1に示すように、ジョイント部2にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部3a,3b,3cが3列並設されていることを特徴するものである。以下、各構成について順次詳述する。
【0014】
この実施例のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置1は、自動車の車内に固定されるモバイルホルダーである。
【0015】
なお、本願において「被固定側装置」とは、L型フックを備えた固定具によって固定される側の器具や機械を広く包含する概念であり、例えば、カーナビゲーション装置、モニター装置、テレビ受信モニター装置、レーダー探知装置、無線装置または送受信装置などの車載機器、多機能情報端末や携帯電話機(モバイル)を保持させるモバイルホルダー、ボトルホルダーまたはカップホルダー等様々なカーインテリア用品の他、船舶用機器、自転車やモーターバイクに固定される各種機器(例えば、自転車またはモーターバイク用モバイルホルダー)、壁面等へ固定される照明器具、時計またはテレビモニター装置などカーテンテリア用品以外も広く含まれる概念である。
【0016】
モバイルホルダー1は、図1ないし図3に示すように、ホルダー本体4と、ホルダー本体4の背面4a側中央付近に設けられたジョイント部2と、ホルダー本体4の正面4b側に設けられたホルダー部5とを有している。
【0017】
ホルダー本体4は、保持する多機能情報端末や携帯電話機に対応した形態(正面視または背面視で縦長の略四角形)に形成されており、樹脂材料にて一体成形されている。
【0018】
ジョイント部2は、カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60と接合させる部位であり、図5または図6に示すように、ホルダー本体4の背面側中央付近において、背面側に向かって略台形状に若干突出する形態に形成されている。
【0019】
ジョイント部2には、図1に示すように、カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60のL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部3a,3b,3cが3列並設されている。これにより、1本或いは2本のL型フックを有する固定具50,60のいずれに対してもバランスよくかつ確実に固定することができるモバイルホルダーとなる。
【0020】
具体的には、カーインテリア用品固定具(スタンド)50のような1つのL型フック52を有する固定具によって車内にモバイルホルダー1を固定する場合は、図4または図5に示すように、3列の凹条部3a,3b,3cのうち、中央の凹条部3b内にL型フック52と抜け止め用凸部53を挿入してモバイルホルダー1をカーインテリア用品固定具(スタンド)50に固定する。これにより、モバイルホルダー1をカーインテリア用品固定具(スタンド)50の中央にバランスよく固定することができる。
【0021】
他方、カーインテリア用品固定具(スタンド)60のような2つのL型フック62a,62bを有する固定具によって車内にモバイルホルダー1を固定する場合は、図8または図9に示すように、3列の凹条部3a,3b,3cのうち、両側の凹条部3a,3cb内にそれぞれL型フック62a,62bを挿入し、凹条部3b内に抜け止め用凸部63を挿入してモバイルホルダー1をカーインテリア用品固定具(スタンド)50に固定する。これにより、モバイルホルダー1をカーインテリア用品固定具(スタンド)60の中央にバランスよく固定することもできる。
【0022】
なお、凹条部3a,3b,3cは同一形態に形成されており、凹条部3bはホルダー本体4の中央部に設けられ、さらに、凹条部3a,3cは、中央に設けられた凹条部3bより等間隔離間して設けられている。これらの構成によって、固定具に対してよりバランスよくモバイルホルダー1を固定することができる。
【0023】
ホルダー部5は、多機能情報端末や携帯電話機を保持させる部位であり、ホルダー本体4の背面側全体が凹状に形成されることにより構成されている。また、ホルダー部5を区画形成する周縁部の先端側が若干内側に向かって湾曲するように形成されることにより、ホルダー本体部4を形成する樹脂材料の可撓性と相俟って、ホルダー部5に多機能情報端末や携帯電話機を着脱自在に保持できるよう構成されている。
【0024】
つぎに、モバイルホルダー1の使用方法について説明する。
モバイルホルダー1は、カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60を介して車内に固定されて使用される。
【0025】
カーインテリア用品固定具(スタンド)50は、図5に示すように、コネクター54とコネクター保持体56とから構成されている。コネクター54は、先端側にL型フック52と抜け止め用凸部53とを備えた板状ベース51と、基端側にコネクター54を広角度に回動可能とする球状自在軸55と有している。コネクター保持体56は、球状自在軸55を保持する自在軸受け57と背面側で車内に固着させる固着板58を有している。
【0026】
同様に、カーインテリア用品固定具(スタンド)60は、図8または図9に示すように、コネクター64と、コネクター保持体66とから構成されている。コネクター64は、先端側にL型フック62a,62bと抜け止め用凸部63とを備えた板状ベース61と、基端側にコネクター64を広角度に回動可能とする球状自在軸65と有している。コネクター保持体66は、球状自在軸65を保持する自在軸受け67と背面側で車内に固着させる固着板68を有している。
【0027】
そして、まず、カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60のいずれかを固着板58の背面側に設けられた粘着層(図示しない)を介して車内に固着する。つぎに、カーインテリア用品固定具(スタンド)の板状ベース(51,61のいずれか)に、ジョインド部2を介してモバイルホルダー1を固定する。この際、固定具がカーインテリア用品固定具(スタンド)50である場合は,図5または図6に示すように、凹条部3bのみを用いてカーインテリア用品固定具(スタンド)50の中央にモバイルホルダー1を固定する。他方、固定具がカーインテリア用品固定具(スタンド)60である場合は,図5または図6に示すように、凹条部3a,3cにL型フック62a,62bをそれぞれ挿入し、凹条部3bに抜け止め用凸部63を挿入してカーインテリア用品固定具(スタンド)60の中央にモバイルホルダー1を固定する。
【0028】
カーインテリア用品固定具(スタンド)50,60を介して車内に固定されたモバイルホルダー1のホルダー部5には、多機能情報端末や携帯電話機を着脱自在に装着することができ、また、コネクター54,64が広角度に回動自在に構成されていることにより、多機能情報端末や携帯電話機を所望の向きに保持させて使用することができる。
【0029】
以上のように、本発明のL型フックに係合するジョイント部2を備えた被固定側装置1(モバイルホルダー)は、1本或いは2本のL型フックを有する固定具50,60のいずれに対してもバランスよくかつ確実に固定し使用することができるように構成されている。
【符号の説明】
【0030】
1 L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置(モバイルホルダー)
2 ジョイント部
3a 凹条部
3b 凹条部
3c 凹条部
4 ホルダー本体
5 ホルダー部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョイント部にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部が3列並設されていることを特徴するL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置。
【請求項2】
前記L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置は、カーインテリア用品である請求項1に記載のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置。
【請求項3】
前記L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置は、モバイルホルダーである請求項1または2に記載のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置。
【請求項1】
ジョイント部にL型フックを挿入可能な垂直方向に延在する凹条部が3列並設されていることを特徴するL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置。
【請求項2】
前記L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置は、カーインテリア用品である請求項1に記載のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置。
【請求項3】
前記L型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置は、モバイルホルダーである請求項1または2に記載のL型フックに係合するジョイント部を備えた被固定側装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−10375(P2013−10375A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142759(P2011−142759)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(593079944)株式会社ビートソニック (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(593079944)株式会社ビートソニック (37)
【Fターム(参考)】
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