説明

LEDから活性領域への距離が短いモジュール設計中のホットスポットを抑制することにより感知されたFOS等質性を改善するためのシステム

【課題】ホットスポットを低減するかまたは除去し、したがって等質性を改善するためのシステムを提供すること。
【解決手段】本発明は、光源と、活性領域および周辺領域を含むパネルと、パネルに面する第1の側面および第1の側面の反対側の第2の側面を有し、光源の片側に、かつパネルの下に配置される光ガイドと、それぞれが光ガイドの第1の側面上または第2の側面上に配設された複数の光学フォイルであって、この光学フォイルの少なくとも1つが、光源の前のホットスポットを低減するかまたは除去するために周辺領域内にホットスポットを低減する領域を有し、ホットスポットを低減する領域が、カットアウト領域、覆われた領域、またはそれらの組合せである光学フォイルとを備える、像を表示するためのシステムを開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイス、光システムおよび像を表示するためのシステムに関し、詳細には、システムのホットスポットを低減するかまたは除去するために、ホットスポットを低減する領域を有する光学フォイルを備える電子デバイス、光システム、および像を表示するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、像を表示するための従来のシステム2の概略上面図である。図2は、図1の区分線1−1’に沿って得られた断面図を示す。従来のシステム2は、光源101、活性領域AAおよび周辺領域PAを含むパネル201、プリズム203および205、拡散器207、光ガイド209ならびに反射器211を備える。図1のシステム2では、光源101が起動されたとき、通常、ホットスポット102が生じることがある。光源101はLEDであり得る。そうでなければ、図1では、プリズム203はフォイルのうち例示的な1つを示すのみである。光ガイド209は、光源101の片側に、かつパネル201の下に配置される。プリズム203および205ならびに拡散器207は、光ガイド209の第1の側面209a上に配置される。反射器211は、光ガイド209の第2の側面209b上に配置される。光源101から放射された光は、ルミネセンスのために、光ガイド209、拡散器207、プリズム205および203通過してパネル201へ進むか、あるいは光ガイド209を通過して反射器211へ進み、反射器211によって反射され、次いで光ガイド209、拡散器207、プリズム205および203を通過してパネル201へ進んでよい。
【0003】
短い長さの光モジュールを得るために、光源から活性領域への距離は、好ましくはできるだけ短くする。これは、パネル201の活性領域AA内に、利用者に認められるホットスポットをもたらすことがある。図3は、図2に示されたシステムのルミナンス輝度を示し、1つの光源101の近くの位置(a)におけるホットスポット現象を示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、ホットスポットを低減するかまたは除去し、したがって等質性を改善するためのシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従来技術の短所を考慮して、本発明は、光源と、活性領域および周辺領域を含むパネルと、パネルに面する第1の側面および第1の側面の反対側の第2の側面を有し、光源の片側に、かつパネルの下に配置される光ガイドと、それぞれが光ガイドの第1の側面上または第2の側面上に配設された複数の光学フォイルであって、この光学フォイルの少なくとも1つが、光源の前のホットスポットを低減するかまたは除去するために、周辺領域内にホットスポットを低減する領域を有し、ホットスポットを低減する領域が、カットアウト領域、覆われた領域、またはそれらの組合せである光学フォイルとを備える、像を表示するためのシステムを開示する。
【0006】
本発明は、光源と、第1の側面および第1の側面の反対側の第2の側面を有し、光源の片側に配置される光ガイドと、それぞれが光ガイドの第1の側面上または第2の側面上に配設された複数の光学フォイルであって、この光学フォイルの少なくとも1つが、光源の前のホットスポットを低減するかまたは除去するために、周辺領域内にホットスポットを低減する領域を有し、ホットスポットを低減する領域が、カットアウト領域、覆われた領域、またはそれらの組合せである光学フォイルとを備える光システムをさらに開示する。
【0007】
前述の概要および以下の詳細な説明は、どちらも例としてのみ与えられており、本発明の範囲を制限するものと考えるべきでないことが理解される。
【0008】
本発明の特徴および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付図面に関して一層よく理解されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】像を表示するための従来のシステム2の概略上面図である。
【図2】図1の区分線1−1’に沿って得られた断面図である。
【図3】図1に示されたシステムの正規化されたルミナンス輝度を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によって像を表示するためのシステムの概略上面図である。
【図5】図4の区分線4−4’に沿って得られた断面図である。
【図6】本発明の別の実施形態の例示的試験マトリクスの表である。
【図7】図6の試験マトリクスによる例示的ルミナンス図である。
【図8】図6および図7に示された構成nr14(CCCC)において2つの異なる位置で測定された正規化されたルミナンス輝度を示す図である。
【図9】光源まで完全に延びた光学フォイルを有する第1の実施形態とカットアウトが与えられた光学フォイルを有する第2の実施形態の間の比較を示す概略図である。
【図10】光学フォイル中にホットスポットを低減する領域のない第1の実施形態および光学フォイル中にホットスポットを低減する領域を有する第2の実施形態について、それぞれ図9の線「A」に沿って測定されたルミナンスレベルをプロットしているグラフである。
【図11】光学フォイル中にホットスポットを低減する領域のない第1の実施形態および光学フォイル中にホットスポットを低減する領域を有する第2の実施形態について、それぞれ図9の線「B」に沿って測定されたルミナンスレベルをプロットしているグラフである。
【図12】図5に示されたシステムを含む電子デバイスの実装形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の好ましい実施形態を詳細に述べるが、それらの実施例は添付図面に示されている。図および説明では、同一の要素または類似の要素を参照するのに、可能なところでは同じ参考番号が用いられている。
【0011】
図4は、本発明の一実施形態によって像を表示するためのシステム3の概略上面図である。図5は、図4の区分線4−4’に沿って得られた断面図である。図5に示されるように、システム3は、活性領域AAおよび周辺領域PAを含むパネル501ならびにパネル501の下に配置された光システム50を備える。光システム50は、光源401、光ガイド509、および複数の光学フォイルを備える。光ガイド509は、光源401の片側に、かつパネル501の下に配置される。光ガイド509は、パネル501に面する第1の側面509aおよび第1の側面509aの反対側の第2の側面509bを有する。複数の光学フォイルのそれぞれは、光ガイド509の第1の側面509a上または第2の側面509b上に配設することができる。この実施形態では、光学フォイルは、上側プリズム503および下側プリズム505、拡散器507、ならびに反射器511を含むことができる。上側プリズム503および下側プリズム505ならびに拡散器507は、光ガイド509の第1の側面509a上に配置され、反射器511は、光ガイド509の第2の側面509b上に配置される。光源401はLEDであり得る。プリズム503および505、ならびに拡散器507は透過性フォイルであり得る。反射器511は、反射性フォイルであり得る。
【0012】
本発明の特徴は、光学フォイルの少なくとも1つが、パネル501の周辺領域PA内にホットスポットを低減する領域を有することにある。図5を参照すると、この実施形態では、プリズム503および505、拡散器507、ならびに反射器511のすべてが、光源401の前のホットスポット(図示せず)を低減するかまたは除去するために、パネル501の周辺領域PA内にホットスポットを低減する領域Cを含む。ホットスポットを低減する領域Cは、光源401の近くにあり得る。ホットスポットを低減する領域Cは、長方形、半円形、または任意の他の形状であり得る。ホットスポットを低減する領域は、カットアウト領域、覆われた領域、またはそれらの組合せであり得る。覆われた領域は、黒ずんだ領域、黒色領域、マスクされた領域、またはそれらの組合せであり得る。
【0013】
図5で、プリズム503および505ならびに拡散器507は、カットアウト領域を有する。反射器511は覆われた領域を有する。しかし、本発明はこの構造には限定されない。当業者は、プリズム503および505、拡散器507ならびに反射器511のうちどれもが、設計要件に従って、カットアウト領域または覆われた領域で形成された、ホットスポットを低減する領域を有してよいことを理解されたい。
【0014】
ホットスポットを低減する領域は、光学フォイルの1つまたはすべてに配置することができる。前述の様々な組の、ホットスポットを低減する領域の効果は必ずしも同一ではない。当業者は、ホットスポットを低減する領域を有する光学フォイルは、本明細書に説明された実施形態に限定されないことを理解されたい。様々な光学フォイル中のホットスポットを低減する領域の選択は、設計者の必要性によって決定される。
【0015】
図6は、本発明の別の実施形態の、例示的試験マトリクスの表である。各光学フォイル中のLEDの前に設けられたカットアウト領域の有効性を評価するために、図6の試験マトリクスは、試験されることになる光学フォイル中のカットアウトの配置の様々な組合せを示す。例示的光学フォイルは、4つの層、すなわち上側プリズムフォイル、下側プリズムフォイル、拡散器フォイル、反射器フォイルを備える。LEDの前の様々な光学フォイル中のカットアウトの様々な配置に対応する合計14の組合せnr1〜nr14は、このように試験される。
【0016】
図7は、図6の試験マトリクスの表で説明されたカットアウトの配置の様々な組合せに対して測定されたルミナンスをプロットしているグラフである。各組合せについて、図7は、諸LED間で得られた輝度レベルに対して正規化された最高ルミナンス輝度を示す。図8は、図6および図7に示された構成nr14(CCCC)について得られた正規化されたルミナンス輝度を示す。
【0017】
図9は、2つのLEDおよび4つの光学フォイル(拡散器、下側プリズムおよび上側プリズムならびに反射器)を特徴とするバックライトが備わっている2つの実施形態間の比較を示す。より詳細には、左側に示された実施形態は、完全にLEDまで延びた光学フォイルを有し、図6に示された試験の構成nr1(FFFF)に対応する。右側の実施形態(図6に示された試験の構成nr14(CCCC)に対応する)が、すべての光学フォイル中の半分のディスクカットアウトから形成された、ホットスポットを低減する領域を含むことを除けば、右側に示された実施形態は左側のものに似ている。図示のように、ホットスポットを低減する領域を有する実施形態に関して、ホットスポットは著しく低減されるか、さらには除去される。構成nr14(CCCC)中のカットアウトによってもたらされた結果を評価するために、図9の水平の点線はLEDの直前の位置を示し、この線に沿って(図8の曲線(a)によって示されるように)ルミナンスの測定値が得られる。図9の垂直の点線AおよびBは、水平方向に対して垂直な方向にルミナンスが測定される位置を示し、ルミナンスは図10および図11のグラフに示された曲線によって表される。
【0018】
図9の左側の図に示されるように、LEDの前の領域に明るいホットスポットが見られる。それと対照的に、図9の右側の図は、光学フォイルのすべてにホットスポットを低減する領域が設けられた実施形態を示す。この実施形態については、LEDの前の水平軸に沿ってルミナンス輝度を測定することができる。この点に関して、図8は、構成nr14(CCCC)についてLEDの前の水平のX軸沿って(しかしホットスポットを低減する領域が位置する領域のすぐ外側で)測定された、正規化されたルミナンス輝度(すなわち諸LED間のルミナンスレベルに対して正規化されたもの)を表している。これは、図8のものと同じ状況を示していても光学フォイル中にホットスポットを低減する領域がない図2のグラフと比較されるべきである。示されるように、光学フォイル中にカットアウト領域が設けられると、LEDの前の位置のルミナンスレベルがかなり低下する。このように、ホットスポットの影響がかなり低減される。
【0019】
図10および図11は、ホットスポットを低減する領域の有効性を示すさらなる測定のグラフである。曲線1001、1003、1101および1103は、ホットスポットを低減する領域を有する実施形態(CCCC)およびホットスポットを低減する領域のない実施形態(FFFF)に対して、図9に示された線「A」および線「B」に沿って測定したルミナンスの変化を示す。
【0020】
図12を参照すると、システム3および入力ユニット4を備える電子デバイス10が示されている。入力ユニット4は、システム3に結合され、像を表示するためのシステム3に入力を供給するように働く。電子デバイス10は、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯情報端末)、ノート型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、テレビ、GPS(全地球測位システム)、自動車のディスプレイ、航空機のディスプレイ、デジタル写真フレームまたは可搬のDVD再生装置であり得る。
【0021】
要約すると、本発明は、光学フォイル中にホットスポットを低減する領域を導入することにより、直接的ホットスポット可視度を低減するかまたは除去するだけでなく等質性も改善する。
【0022】
本発明の範囲または趣旨からはずれることなく、本発明の構造に対して様々な変更形態または変形形態が作製され得ることが当業者には明白であろう。前述の事項を考慮して、本発明は、そのような変更形態および変形形態をすべて対象として含むことが意図されており、それらは以下の特許請求の範囲およびその等価物の範囲内に入るものと解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
活性領域および周辺領域を含むパネルと、
前記パネルに面する第1の側面および前記第1の側面の反対側の第2の側面を有し、前記光源の片側に、かつ前記パネルの下に配置される光ガイドと、
それぞれが前記光ガイドの前記第1の側面上または前記第2の側面上に配設された複数の光学フォイルであって、前記光学フォイルの少なくとも1つが、前記光源の前のホットスポットを低減するかまたは除去するために前記周辺領域内にホットスポットを低減する領域を有し、前記ホットスポットを低減する領域が、カットアウト領域、覆われた領域、またはそれらの組合せである光学フォイルとを備える、像を表示するためのシステム。
【請求項2】
前記ホットスポットを低減する領域が、長方形、半円形、または任意の他の形状である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ホットスポットを低減する領域が覆われた領域であり、前記覆われた領域が、黒ずんだ領域、黒色領域、マスクされた領域またはそれらの組合せである請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の光学フォイルが、前記光ガイドの前記第1の側面上に配設されたプリズムおよび拡散器、ならびに前記第2の側面上に配設された反射器を備え、前記プリズム、拡散器および反射器のうち少なくとも1つが前記ホットスポットを低減する領域を含む請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムと、
前記像を表示するためのシステムに入力を供給するようにシステムに動作可能に結合された入力ユニットとを備える電子デバイス。
【請求項6】
前記電子デバイスが、携帯電話、デジタルカメラ、PDA(携帯情報端末)、ノート型コンピュータ、デスクトップコンピュータ、テレビ、GPS(全地球測位システム)、自動車のディスプレイ、航空機のディスプレイ、デジタル写真フレームまたは可搬のDVD再生装置である請求項5に記載の電子デバイス。
【請求項7】
光源と、
第1の側面および前記第1の側面の反対側の第2の側面を有し、前記光源の片側に配置される光ガイドと、
それぞれが前記光ガイドの前記第1の側面上または前記第2の側面上に配設された複数の光学フォイルであって、前記光学フォイルの少なくとも1つが、前記光源の前のホットスポットを低減するかまたは除去するために前記周辺領域内にホットスポットを低減する領域を有し、前記ホットスポットを低減する領域が、カットアウト領域、覆われた領域、またはそれらの組合せである光学フォイルとを備える光システム。
【請求項8】
前記ホットスポットを低減する領域が、長方形、半円形、または任意の他の形状である請求項7に記載の光システム。
【請求項9】
前記ホットスポットを低減する領域が覆われた領域であり、前記覆われた領域が、黒ずんだ領域、黒色領域、マスクされた領域、またはそれらの組合せである請求項7に記載の光システム。
【請求項10】
前記複数の光学フォイルが、前記光ガイドの前記第1の側面上に配設されたプリズムおよび拡散器、ならびに前記光ガイドの前記第2の側面上に配設された反射器を備え、前記プリズム、拡散器および反射器のうち少なくとも1つがホットスポットを低減する領域を含む請求項7に記載の光システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−252742(P2009−252742A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76889(P2009−76889)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(503141075)統寶光電股▲ふん▼有限公司 (155)
【Fターム(参考)】