説明

LED照明回路及びLED照明装置

【課題】LEDの明るさを変えることができ、かつ、過度の温度上昇や過度の電流によりLEDが破壊するのを防止する。
【解決手段】交流電源を入力する電源入力端子T1、T2と複数のLED411〜41nが直列に接続されたLED群142との間に、インダクタ12と、倍電圧整流回路部11が接続された回路と直列に、コンデンサ131とショート回路をスイッチで選択できる切換回路部13を備え、スイッチ132がショート回路を選択したときには、LED群142に流れる電流がショート回路を流れて、LED群142が通常の輝度で発光する通常発光状態となり、スイッチ132がコンデンサ131を選択したときには、LED群142に流れる電流が、コンデンサ131に流れて減少した電流となり、LED群142が低い輝度で発光する低輝度発光状態となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用交流電源からLED(発光ダイオード)を発光させるLED照明回路、及び、このLED照明回路を用いたLED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、白熱電球や蛍光管のような従来からの照明管のかわりに、発光効率の良いLEDの照明管を用いる照明回路(LED照明回路)が注目されている。LEDは、半導体基板に形成されたpn接合に流れる電流に応じて所定の発光効率で発光する固体素子であって、LED1個当たりの発光量自体は多いとは言えない。従って、LED照明回路は、多数のLEDを接続して成る発光素子部を含んで発光回路部を構成し、所要の発光量(光度)の光を発する。また、LED照明回路は、固体素子であるLEDが白熱電球や蛍光管に比べて適用最高温度が低く(例えば、80℃以下)、最大定格電流も大きくはないので、過度の温度上昇や過度の電流によりLEDが破壊されないようにする配慮も必要である。
【0003】
図15に示すLED照明回路100は、典型的な従来例である(例えば、特許文献1参照。)。このLED照明回路100は、四個のダイオード111〜114からなるダイオードブリッジ110によって商用交流電源ACSの交流電圧Eaを整流し、整流した電圧を定電流回路120に入力し、この定電流回路120によって定電流を、発光素子部131を含む発光回路部130に供給するものである。定電流回路120の入力端子と発光素子部131の出力端子との間にはコンデンサ140が接続されており、ダイオードブリッジ110による整流電圧を平滑化している。このコンデンサ140に流れる充電電流は、交流電圧のピーク付近に集中することと、電源を投入したときの充電電流である突入電流が大きいという問題があり、対策が望まれている。定電流回路120は、直流回路方式やスイッチング回路方式のものがある。このようなLED照明回路100は、発光回路部130の発光量が原理的に安定しているものの、定電流回路120において、直流回路方式では定電流回路120の両端にかかる電圧と発光素子部131に流れる電流による電力損失が、交流電源の電圧変動による高い電圧領域で大きくなる。このような電力損失を少なくできるスイッチング回路方式では大きな高周波ノイズによってEMI(電磁妨害)が生じ易い。
【0004】
図16に示すLED照明回路200は、従来から電源装置などに用いられてきた倍電圧整流回路部210を用いた例である(例えば、特許文献2参照。)。このLED照明回路200は、定電流回路120のような回路を設けず、第一コンデンサ211、第二コンデンサ212、第一ダイオード213、第二ダイオード214からなる倍電圧整流回路部210を設けるとともに、この倍電圧整流回路部210と商用交流電源ACSとの間に電流制限用コンデンサ220を設けている。この電流制限用コンデンサ220は、LED群231を含む発光回路部230に流す電流を制限するためのコンデンサである。また、LED群231に流れる電流を平準化するための平準用コンデンサ240が、LED群231と並列に接続されている。
【0005】
このLED照明回路200の電源入力端子T1、T2に入力される商用交流電源ACSの交流電圧Eaは、図17の上段に示す波形のように変化し、また、商用交流電源ACSからLED照明回路200に流れる電流Iaは、同図の下段に示す波形のように変化する。
ここで、同図の下段に示した電流Iaは、交流電圧Eaが負の値から正の方向に向かう途中から正のピーク値(Vp)になるまでの間では、電流制限用コンデンサ220を通して、第一コンデンサ211に充電電流として流れるとともに、第二コンデンサ212から発光回路部230、第一ダイオード213の順の電流パスを通って放電電流として流れる。同様に、交流電圧Eaが正の値から負の方向に向かう途中から負のピーク値(−Vp)になるまでの間では、第二ダイオード214から第二コンデンサ212に充電電流として流れるとともに、発光回路部230、第一コンデンサ211から電流制限用コンデンサ220の順の電流パスで放電電流として流れる合成電流である。この電流Iaの位相は、同図の下段に示す通り、商用交流電源ACSの交流電圧Eaの波形よりも90度近く進んでいる。
さらに、電流制限用コンデンサ220が倍電圧整流回路210と直列に挿入されているので、商用交流電源ACSの交流電圧Eaの振幅が第一コンデンサ211と第二コンデンサ212の接続部で低下する。そのために多数のLEDを接続してなる発光素子部に電流を流すための充分大きな直流電流を供給し難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−278304号公報
【特許文献2】特開2008−263203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、電流出力である倍電圧整流回路210を用いたLED照明回路200は、定電流回路120のような無駄な電力消費を招く回路を必要としないので、発光回路部230で消費する電力の効率を高くすることができる。そして、定電流回路やその周辺回路で消費する無駄な消費電力を省ける。
【0008】
しかしながら、その倍電圧整流回路210と交流電源ACSとの間に直列に挿入されたコンデンサ220は、LED群231に流す電流を制限するものであった。つまり、多数のLEDを直列に接続したLED群に電流を流すためには高い電圧が必要であるのに、そのコンデンサ220を挿入することで交流電圧が低下してしまい、充分大きな直流電流を流し難いという支障をきたしていた。
【0009】
また、LED照明回路200は、力率が良くなかった。その理由は、商用交流電源ACSからLED照明回路200に流れる電流Iaの位相がコンデンサ220,211,212の駆動により、交流電圧Eaの位相に対して90度近く進み、正負の半周期のほとんど前半だけになるからであった。
さらに、電源投入時の突入電流は、ダイオードブリッジによるコンデンサインプット方式と同様に大きな電流が流れるので、そのピーク電流を緩和する対策を講ずることが望まれていた。
【0010】
また、特許文献1、2に記載のLED照明回路では、LEDの輝度(明るさ)を効率よく、容易に変えることができなかった。近年、LEDは、高輝度化の開発が進められ、照明用として充分使用できるLEDが市販されるようになってきた。しかしながら、場所により、あるいは、状況や時間帯により、照明を暗くすることが望ましい場合もある。そのような場合に、容易にLEDの明るさを切り換えることが可能な技術の提案が求められていた。
さらに、過度の温度上昇や過度の電流によりLEDが破壊されないようにする保護回路も望まれていた。
【0011】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、突入電流を少なくするとともに、力率を改善し、かつ、LEDの明るさを容易に変えることができ、しかも、過度の温度上昇や過度の電流によりLEDが破壊されるのを防止する保護回路を備えたLED照明回路及びLED照明装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のLED照明回路は、交流電源を入力する電源入力端子と、インダクタと、交流電源を整流する倍電圧整流回路部と、複数のLEDが直列に接続されたLED群を含む発光回路部とを備えたLED照明回路であって、電源入力端子とLED群との間に、インダクタと、倍電圧整流回路部が接続された回路と直列に、コンデンサとショート回路をスイッチで選択できる切換回路部を備え、スイッチがショート回路を選択したときには、LED群に流れる電流がショート回路を流れて、LED群が通常の輝度で発光する通常発光状態となり、スイッチがコンデンサを選択したときには、LED群に流れる電流が、コンデンサを通して流れて、通常発光状態のときにLED群に流れる電流よりも減少した電流となり、LED群が通常発光状態における輝度よりも低い輝度で発光する低輝度発光状態となる構成としている。
【0013】
また、本発明のLED照明回路は、LED群に関する異常を検出する異常検出部を備え、切換回路部は、異常検出部で異常が検出されると、スイッチがコンデンサを選択して、LED群に流す電流をコンデンサを通して流す切換制御手段を有し、コンデンサは、自身に電流が流れることで、LED群に流れる電流を減少させて、LED群を低輝度発光状態で発光させる構成としている。
【0014】
また、本発明のLED照明装置は、複数のLEDが配置されている基板を有したLED照明管と、このLED照明管を支持する照明器具とを備え、LED照明管は、照明器具に取り付けるための照明管ソケットと、この照明管ソケットと複数のLEDとの間に配設されたLED照明管側回路とを有し、照明器具は、照明管ソケットに係合する照明器具ソケットと、電源入力端子と照明器具ソケットとの間に配設された照明器具側回路とを有し、LED照明管側回路が、請求項1〜請求項13のいずれかに記載のLED照明回路の一部を含み、照明器具側回路が、LED照明回路の他の一部を含む構成としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るLED照明回路及びLED照明装置によれば、電源入力端子と倍電圧整流回路部との間にインダクタを設けてチョークインプットとしたので、突入電流を少なくできる。
また、前述のようにインダクタを設けたことにより、LEDが通常の輝度で発光する通常動作状態では、発光回路部のLED群に流れる電流の位相が交流電圧の位相に近寄り、休止期間が短くなるので、その結果、高い力率を得ることができる。
【0016】
さらに、LEDが通常の輝度よりも低い輝度で発光する状態を低輝度発光状態としたときに、この低輝度発光状態と前述の通常動作状態とを切り換える切換回路部を備えたので、この切換回路部を切り換えることでLEDの明るさを変えることができる。
しかも、LED群に関する異常を検出する異常検出部と、この異常検出部で異常が検出されるとスイッチを切り換えてコンデンサに電流を流す切換制御部とを備えたので、異常が検出されたときには、コンデンサに電流を流してLEDに流れる電流を減少させて低輝度発光状態にすることから、過度の温度上昇や過度の電流によりLEDが破壊するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一実施形態に係るLED照明回路の構成を示す回路図である。
【図2】図1に示すLED照明回路おける各電圧又は電流の波形を示すものである。
【図3】本発明の第二実施形態に係るLED照明回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明のLED照明装置の構成を示す外観斜視図である。
【図5】本発明の第三実施形態に係るLED照明回路をグロースタータ式蛍光灯照明器具に取り付けた場合を示す回路図である。
【図6】ラピッドスタータ式蛍光灯照明器具に設けられる照明器具側回路の構成を示す回路図である。
【図7】本発明のLED照明装置の他の構成を示す外観斜視図である。
【図8】2灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具に設けられる照明器具側回路を示す回路図である。
【図9】本発明の第四実施形態に係るLED照明回路の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第四実施形態に係るLED照明回路の他の構成を示す回路図である。
【図11】図5のLED照明回路を図9に示す電源切換回路部を備えたLED照明管照明器具に取り付けた場合の構成を示す回路図である。
【図12】本発明のLED照明装置のさらに他の構成を示す外観斜視図である。
【図13】本発明の第五実施形態に係るLED照明回路の構成を示す回路図である。
【図14】図13に示すLED照明回路に備えられる電源切換回路部の構成を示す回路図である。
【図15】従来のLED照明回路の構成を示す回路図である。
【図16】従来のLED照明回路の他の構成を示す回路図である。
【図17】図16に示すLED照明回路における電圧Ea及び電流Iaの波形を示す波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るLED照明回路及びLED照明装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
[LED照明回路の第一実施形態]
まず、本発明のLED照明回路の第一実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態のLED照明回路の構成を示す回路図である。
なお、ここでは、次の項目について、順に説明する。
(1)LED照明回路の構成
(2)インダクタの機能
(3)通常照明とディマ照明
(4)LED照明回路の電圧、電流特性
【0020】
(1)LED照明回路の構成
同図に示すように、LED照明回路10−1は、電源入力端子T1、T2と、倍電圧整流回路部11と、インダクタ12−1と、切換回路部13−1と、発光回路部14−1と、を備えている。
電源入力端子T1、T2は、商用交流電源ACSの交流電圧Eaが印加される入力端子である。なお、本実施形態においては、T1を第一の電源入力端子、T2を第二の電源入力端子とする。
【0021】
倍電圧整流回路部11は、交流電源ACSとして入力された交流電源Eaから整流した直流電流Ibを出力する回路であって、第一コンデンサ111と、第二コンデンサ112と、第一ダイオード113と、第二ダイオード114とを有してブリッジ回路を構成している。具体的には、第一コンデンサ111の一端と第二コンデンサ112の一端が接続されている。この接続部を接続部M1とする。第一ダイオード113は、アノードが第一コンデンサ111の他端に接続されている。この接続部を接続部M2とする。第二ダイオード114は、カソードが第二コンデンサ112の他端に接続されている。この接続部を接続部M3とする。第一ダイオード113のカソードと第二ダイオード114のアノードが接続されている。この接続部を接続部M4とする。
【0022】
インダクタ12−1は、インダクタンス成分を有する電子部品である。
切換回路部13−1は、発光回路部14−1に供給する電流Ibの大きさを切り換えるための回路である。この切換回路部13−1の詳細については、後述する。
これらインダクタ12−1と切換回路部13−1は、第一の電源入力端子T1と倍電圧整流回路部11の接続部(入力端子)M1との間に、直列に接続されている。具体的には、インダクタ12−1の一端が第一の電源入力端子T1に接続されており、他端が切換回路部13−1の一端に接続されている。これらインダクタ12−1と切換回路部13−1との接続部を接続部M0とする。また、切換回路部13−1の他端は、倍電圧整流回路部11の接続部M1に接続されている。そして、倍電圧整流回路部11の接続部M4は、第二の電源入力端子T2に接続されている。
【0023】
なお、切換回路部13−1は、図1においては、インダクタ12−1と倍電圧整流回路部11との間に直列に接続されているが、これに限るものではなく、例えば、第一の電源入力端子T1とインダクタ12−1との間に直列に接続することができる。この場合、切換回路部13−1は、一端が第一の電源入力端子T1に接続され、他端がインダクタ12−1の一端に接続される。そして、インダクタ12−1の他端が接続部M1に接続される。
また、切換回路部13−1は、第二の電源入力端子T2と倍電圧整流回路部11との間に直列に接続することができる。具体的には、切換回路部13−1は、一端が第二の電源入力端子T2に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M4に接続することができる。この場合、インダクタ12−1は、一端が第一の電源入力端子T1に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M1に接続される。
【0024】
さらに、インダクタ12−1は、図1においては、第一の電源入力端子T1と切換回路部13−1との間に直列に接続されているが、これに限るものではなく、例えば、第二の電源入力端子T2と倍電圧整流回路部11との間に直列に接続することができる。具体的には、インダクタ12−1の一端が第二の電源入力端子T2に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M4に接続される。この場合、切換回路部13−1は、一端が第一の電源入力端子T1に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M1に接続される。
また、インダクタ12−1を、複数のインダクタで構成して直列に接続することも可能である。すなわち、電源入力端子T1、T2とインダクタ12−1と倍電圧整流回路部11と切換回路部13−1とを、順不同で直列に接続することができる。
【0025】
切換回路部13−1は、コンデンサ131と、主スイッチ132とを有している。コンデンサ131は、一端がインダクタ12−1の他端(接続部M0)に接続されており、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M1に接続されている。主スイッチ132は、接点端子がコンデンサ131の一端に接続されており、コモン端子がコンデンサ131の他端に接続されている。
なお、本実施形態において主スイッチ132は、手動の切換スイッチとするが、手動の切換スイッチに限るものではなく、例えば、発光素子部141の過電流又は過熱が原因で発光素子部141のLED群142が破壊されないように保護する手段として用いることができる。この構成については、第二実施形態以降で説明する。
【0026】
発光回路部14−1は、接続部M3と接続部M2の間に設けられた発光素子部141と、この発光素子部141に流れる電流を平準化するために発光素子部141と並列に(すなわち、接続部M3と接続部M2の間に)設けられた平準用コンデンサ15と、を含む。
発光素子部141は、複数のLED411〜41nが直列に接続されたLED群142を含む。複数のLED411〜41nは、それぞれ隣接するLED411〜41nのカソードとアノードが接続されている。そして、LED群142の始端のLED411のアノードは接続部M3に接続され、終端のLED41nのカソードは接続部M2に接続されている。
なお、図1においては、LED群142が一つのみ設けられているが、一つに限るものではなく、二つ以上設けて、これらを並列に接続することができる。また、この場合、各LED群を構成するLEDの数は、いずれも同じ(n)とする。
【0027】
(2)インダクタの機能
インダクタ12−1は、前述したように、第一の電源入力端子T1と第二の電源入力端子T2との間に、倍電圧整流回路部11と直列に接続されている。これにより、LED照明回路10−1の電源回路(LED照明回路10−1のうち、商用交流電源ACSを受けて、発光回路部14−1に電源を供給する回路部分)がチョークインプット方式になり、交流電源Eaを投入したときの突入電流を極めて少なくできる。
例えば、図15又は図16に示すように、コンデンサインプット方式の整流回路を有するLED照明回路100、200では、電源を投入したときにコンデンサを充電するための電流、すなわち突入電流が大きいので、これらの整流ダイオードには大きな定格電流の部品を必要とする。さらに、建物の天井などに同じ製品が多数並列に接続されることになる照明装置は、部屋やフロア全体をまとめて壁スイッチでON/OFFするケースが多い。スイッチの入る瞬間が交流電源電圧のピーク値に近いと、通常の電流の約十倍以上の過大な瞬間電流が流れて、スイッチの接点の焼傷が進行して、その回数寿命が短くなる。しかも、同じ交流電源に接続された機器にも、電源電圧が変動する等、悪い影響をも及ぼすことになる。
【0028】
これに対し、本実施形態のLED照明回路10−1は、第一の電源入力端子T1と第二の電源入力端子T2との間に、倍電圧整流回路部11と切換回路部13−1とインダクタ12−1とを直列に接続したチョークインプット方式としたこと、及び、切換回路部13−1の主スイッチ132がオフのときに電源が投入されることにより、突入電流を極めて少なくできる。しかも、通常動作時における商用交流電源ACSからの入力電流は、交流電圧に近い波形の電流となり、コンデンサインプット方式のように、交流電圧波形のピーク値に近い特定部分(位相)だけに電流が集中することはない。
【0029】
(3)通常照明とディマ照明
図1に示すLED照明回路10−1において、電源入力端子T1、T2に商用交流電源ACSによる交流電圧Eaを印加した後、主スイッチ132を操作することにより、発光素子部141のLED群142の輝度を、通常の輝度から低い輝度に、またその逆に、切り換えることができる。
【0030】
例えば、主スイッチ132のコモン端子と接点端子とを接続してオン(投入)したときは、コンデンサ131の両端がショート(短絡)した状態となる。この場合、ショートした主スイッチ132に電流Iaが流れて、コンデンサ131には電流Iaが流れない(コンデンサ131をバイパスする)。つまり、第一の電源入力端子T1と第二の電源入力端子T2との間で、インダクタ12−1と倍電圧整流回路部11が直列に接続されたのと同じ状態となる。このとき、発光素子部141には電流Icが流れて、LED群142は、通常の輝度で発光する。
なお、このように、コンデンサ131の両端がショートして、ショートした主スイッチ132に電流が流れるときの回路をショート回路という。
また、LED群142が通常の輝度で発光する状態を、「通常照明状態」又は「通常発光状態」というものとする。さらに、LED群142が通常の輝度で発光するようにLED照明回路10−1が動作する状態を、「通常動作状態」というものとする。
【0031】
一方、主スイッチ132のコモン端子と接点端子とを切り離してオフ(開放)したときは、主スイッチ132によりショートを選択した回路からコンデンサ131を選択した回路に切り換わり、コンデンサ131に電流Iaが流れる。この場合は、第一の電源入力端子T1と第二の電源入力端子T2との間で、インダクタ12−1とコンデンサ131と倍電圧整流回路部11が、直列に接続された状態となる。そして、倍電圧整流回路部11の入力端子である接続部M1と接続部M4に供給される電圧が、コンデンサ131とコンデンサ部(第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112の並列回路)のインピーダンスで分圧された電圧となることから、発光素子部141に供給される電流Icが減少して、LED群142は、通常の輝度よりも低い輝度で発光する。また、このときの電流Icは、倍電圧整流回路部11の第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112の並列容量に対するコンデンサ131の容量で(例えば、前者に対して後者を1/10に)設定することができる。
なお、LED群142が通常の輝度よりも低い輝度で発光する状態を、「ディマ(dimmer)照明状態」又は「低輝度発光状態」というものとする。また、LED群142が通常の輝度よりも低い輝度で発光するようにLED照明回路10−1が動作する状態を、「ディマ動作状態」というものとする。
【0032】
このように、切換回路部13−1の主スイッチ132をオンしてショート回路を選択すると通常照明となり、その主スイッチ132をオフしてコンデンサ131を選択すると照明を暗くしたディマ照明になる。つまり、LED照明回路10−1の使用者が手動で主スイッチ132のオンオフを切り換えることにより、通常照明とディマ照明とを任意に切り換えることができる。
【0033】
また、倍電圧整流回路部11の入力側に主スイッチ132を設けたことにより、LED群142が断線してLED群142に流れる電流の経路が断線して負荷が軽くなっても、倍電圧整流回路部11に本来の動作をさせず、高い電圧(交流電圧の2×√2倍)が出力されないようになっている(後述)。その結果、倍電圧整流回路部11の第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112は、高耐圧にする必要がなく、通常のダイオードブリッジ整流回路による耐圧と同程度の耐圧とすることができる。
【0034】
(4)LED照明回路の電圧、電流特性
LED照明回路10−1の電圧、電流特性について、図2を参照して説明する。同図の上段の波形は、商用交流電源ACSから電源入力端子T1、T2に供給される交流電圧Ea(破線)と、接続部M1における電圧Eb(実線)の波形を示している。なお、これら電圧Ea、Ebは、倍電圧整流回路部11の接続部M4の電位を基準としている。同図の中段の波形は、第一の電源入力端子T1において商用交流電源ACSから供給される電流Iaの波形を示す。同図の下段の波形は、発光回路部14−1に入力される電流(第一コンデンサ111と第二コンデンサ112の放電電流)Ib(実線)と、発光素子部141に流れる電流Ic(破線)の波形を示している。
【0035】
通常動作状態において、倍電圧整流回路部11とインダクタ12−1で構成される整流回路は、負荷としての発光回路部14−1のLED群142が低インピーダンス回路になるので、以下に説明するように、商用交流電源ACSから発光回路部14−1に整流した直流電流を出力する回路として機能する。
交流電圧Eaが正の半サイクル(図2(ア))では、第一コンデンサ111を充電すると同時に、それまでに充電された第二コンデンサ112の電荷を放電電流として、発光回路部14−1に流す。これに対し、負の半サイクル(同図(イ))では、第二コンデンサ112を充電すると同時に、それまでに充電された第一コンデンサ111の負荷を放電電流として、発光回路部14−1に流す。
【0036】
これら両コンデンサ111、112が充電されるときの電圧(Vk)は、商用交流電源ACSから供給される交流電圧Eaのピーク電圧(Vp)付近で、電流Iaが減少し始めると、インダクタ12−1がその電流Iaを維持しようとする働きによる逆起電力で、交流電圧Eaのピーク電圧(Vp)よりも大きいキック電圧Vkとして得られる。
交流電圧Eaが負の半サイクルにおいて、第二コンデンサ112が放電を開始する前に当該第二コンデンサ112に蓄積された電荷QC2は、(1)式に示すように、マイナスの電荷QC2である。
C2=C・(−Vk) ・・・(1)
(1)式において、Cは、第二コンデンサ112の容量値である。また、負のキック電圧のピーク値(−Vk)及び正のキック電圧のピーク値(Vk)は、インダクタ12−1のインダクタンスLと交流電圧Eaに依存するものであり、その絶対値の大きさは、交流電圧Eaのピーク値(Vp)よりも大きく、交流電圧Eaに比例する。なお、第二ダイオード114による順方向電圧降下は小さい(約0.8V)ので、(1)式及びこれ以降の説明では無視している。第一ダイオード113についても同様である。
【0037】
交流電圧Eaが負のピーク値から上昇する途中で、商用交流電源ACSから供給される電流Iaがゼロになって、休止期間Tsの後、接続部M3の電圧が上昇して、n・Vdに達した時点から第二コンデンサ112が放電を開始する。ここで、nは発光素子部141のLED群142を構成するLEDの数、VdはLEDの順方向電圧降下である。この電圧が大きい程、第二コンデンサ112の放電開始タイミングが遅くなる。
第二コンデンサ112の放電電流Ibは、第二コンデンサ112が蓄えた電荷QC2を放電しながら、第二コンデンサ112から接続部M3、発光回路部14−1、接続部M2、第一ダイオード113、第二の電源入力端子T2の順の電流パス、及び、第一の電源入力端子T1からインダクタ12−1、切換回路部13−1、第二コンデンサ112の順の電流パスを通って流れ続ける。一方、第一コンデンサ111は、接続部M1の電圧Ebが上昇する間、充電を続ける。これら第二コンデンサ112の放電電流Ibと第一コンデンサ111の充電電流の和が、商用交流電源ACSから供給される電流Iaとなる。
【0038】
交流電圧Eaが正のピーク値(Vp)に近づき、商用交流電源ACSから供給されてインダクタ12−1を流れる電流Iaの絶対値が減少し始めると、インダクタ12−1の逆起電力によって電流Iaを維持しようとする働きで正のキック電圧が発生し、接続部M1の電圧Ebが上昇する。そして、第二コンデンサ112の放電電流Ibが無くなり、電流Iaがゼロになるまで、接続部M1の電圧Ebは正のピーク値(Vk)まで達する。このとき、第二コンデンサ112は、以下の(2)式に示すように、接続部M1側にプラスの電荷QD2を蓄積する。
D2=C・(Vk−n・Vd) ・・・(2)
また、第一コンデンサ111は、下記の(1’)式に示すように、接続部M1の電圧Ebの正のピーク値(Vk)に応じたプラスの電荷QC1を接続部M1側に蓄積する。
C1=C・Vk ・・・(1’)
(1’)式において、Cは、第一コンデンサ111の容量値であって、第二コンデンサ112の容量値と同じ値である。
【0039】
交流電圧Eaが正のピーク値から負の方向に下降する途中で、商用交流電源ACSから供給される電流Iaがゼロになって、休止期間Tsの後、接続部M2の電圧が下降して、−n・Vdに達した時点から第一コンデンサ111が放電を開始する。この電流Iaがゼロになってから、放電を開始するまでの間を休止期間Tsという。第一コンデンサ111の放電電流Ibは、第一コンデンサ111が蓄えた電荷QC1を放電しながら、第一コンデンサ111から切換回路部13−1、インダクタ12−1、第一の電源入力端子T1の順の電流パス、及び、第二の電源入力端子T2から第二ダイオード114、接続部M3、発光回路部14−1、接続部M2、第一コンデンサ111の順の電流パスを通って流れ続ける。一方、第二コンデンサ112は、接続部M1の電圧Ebが下降する間、充電を続ける。これら第一コンデンサ111の放電電流Ibと第二コンデンサ112の充電電流の和が、商用交流電源ACSから供給される電流Iaとなる。
【0040】
交流電圧Eaが負のピーク値(−Vp)に近づき、インダクタ12−1を流れる電流Iaの絶対値が減少し始めると、インダクタ12−1の逆起電力によって電流Iaを維持しようとする働きで負のキック電圧が発生し、接続部M1の電圧Ebが下降する。そして、第一コンデンサ111の放電電流Ibが無くなり、電流Iaがゼロになるまで、接続部M1の電圧Ebは負のピーク値(−Vk)まで達する。このとき、第一コンデンサ111は、以下の(2’)式に示すように、接続部M1側にマイナスの電荷QD1を蓄積する。
D1=C・(n・Vd−Vk) ・・・(2’)
また、第二コンデンサ112は、上記の(1)式に示すように、接続部M1の電圧Ebの負のピーク値(−Vk)に応じたマイナスの電荷QC2を接続部M1側に蓄積していることになる。
【0041】
このようにして、発光回路部14−1には、図2の下段に示すように、第一コンデンサ111と第二コンデンサ112による放電電流Ibが、インダクタ12−1を介して倍電圧整流回路部11に印加される交流電圧Eaに応じて交互に流れる。すなわち、交流電圧Eaが正の値である期間の前半から後半の大部分の期間に第二コンデンサ112による放電電流Ibが流れ、そして、交流電圧Eaが負の値である期間の前半から後半の大部分の期間に第一コンデンサ111による放電電流Ibが流れる。そして、図2の中段に示すように、放電電流Ibと充電電流の和である電流Iaの位相が交流電圧Eaの位相に近寄り、休止期間Tsは非常に短くなり、その結果、高い力率を得ることができる。
【0042】
この図2の中段に示す休止期間Tsが図17の下段に示す休止期間Ts’に比べて短くなっている理由について、さらに説明する。
交流電源ACSの電圧Eaが負から正へ向かうとき、(コンデンサ111への充電電流とコンデンサ112を通り発光素子部141への放電電流Ibの)電流Iaは、インダクタ12−1を通ることにより、インダクタの無いときの電流である図17の下段の電流位相よりも(インダクタの積分作用により)約90度遅れた電流が流れる。交流電圧Eaが正のピーク電圧Vpに達するに従い前述の合成電流Iaが減少し始めると、インダクタ12−1は充電された電流を継続しようと電流を放出する。すなわち、交流電源ACSの交流電圧Eaがピーク電圧に達した時点で、インダクタ12−1が無い場合の電流(図17下段)はゼロになるが、インダクタ12−1がある場合の電流(図2中段)は、インダクタ12−1に充電した電流を放出することにより、電流Iaが継続するので、休止期間が短くなる。
【0043】
通常照明状態において、より高い力率を得るために、交流電源ACSの交流電圧EaとLED照明回路に流れる電流Iaの位相が近くなるように、第一コンデンサ111と第二コンデンサ112の合成容量値(2C)と、インダクタ12−1のインダクタンスLとを設定するのが好ましい。接続部M2とM3間の電圧n・Vdが小さい場合には、交流電圧Eaの周波数F(角周波数ω)で直列共振時のリアクタンスを打ち消すように設定するが、実際には接続部M2とM3間の電圧n・Vdが大きいので、前述のように、第二コンデンサ112又は第一コンデンサ111の放電開始タイミングが遅くなり、この間は電流Iaの遅れとなるので、下記の(3)式で示すように、コンデンサ2CのリアクタンスよりもインダクタンスLのリアクタンスを小さくすることで調整される。
ωL≦1/ω(2C) ・・・(3)
【0044】
なお、図2の下段に示すように、発光回路部14−1に入力される電流Ibが平準用コンデンサ15によって平準化されて発光素子部141に流れる電流Icとなる。電流Ibと電流Icの平均電流は同じである。電流Ic(電流Ib)の平均電流は、下記の(4)式に示すように、1周期(1/F)の間に起きる電荷の移動(QC1−QD1)及び(QC2−QD2)によって決まるものとなってくる。
Ic=2F・C・(2Vk−n・Vd) ・・・(4)
(4)式のキック電圧Vkは、交流電圧Eaに比例するので、定数αを掛けた式(α・Ea)に置き換えることができる。このため、電流Icは、第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112の容量値Cによって容易に調整可能である。
【0045】
[LED照明回路の第二実施形態]
次に、本発明のLED照明回路の第二実施形態について、図3を参照して説明する。
同図は、本実施形態のLED照明回路の構成を示す回路図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、発光素子部にて過電流、過熱、断線やショートが発生した場合にLEDが破壊しないようにするために、発光素子部に供給する電流を切り換える切換回路部と、この切換回路部をオン、オフ制御するための保護回路とを備えた点で相違する。他の構成要素は、第一実施形態と同様である。
したがって、図3において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0046】
なお、ここでは、次の項目について、順に説明する。
(1)LED照明回路の構成
(2)LED照明回路の動作
【0047】
(1)LED照明回路の構成
図3に示すように、LED照明回路10−2は、電源入力端子T1、T2と、倍電圧整流回路部11と、インダクタ12−1と、切換回路部13−2と、発光回路部14−2と、を備えている。
なお、ここでは、発光回路部14−2の構成について先に説明し、その後に、切換回路部13−2の構成について説明する。
【0048】
発光回路部14−2は、発光素子部141と、保護回路17とを備えている。
発光素子部141は、同図に示すように、複数のLED411〜41nが直列に接続されたLED群142と、複数のLED421〜42nが直列に接続されたLED群142が、並列に接続されている。これらLED群142を構成するLED411〜41nの数と、LED群142を構成するLED421〜42nの数は、同じ(n)である。
なお、同図においては、LED群が二つ並列に接続されているが、二つに限るものではなく、三つ以上設けて、これらを並列に接続することもできる。また、この場合、各LED群を構成するLEDの数は、いずれも同じ(n)とする。
【0049】
保護回路17は、同図に示すように、定電圧生成部171と、第一基準電圧発生部172と、過電流検出部173と、過熱検出部174と、ラッチ回路部175と、ドライバ部176と、平準用コンデンサ15と、バリスタ16と、を含んでいる。
定電圧生成部171は、抵抗R11と、ツェナーダイオード(Zener Diode)Z11と、コンデンサC11とを備えている。
抵抗R11とツェナーダイオードZ11は、倍電圧整流回路部11の接続部M3と接続部M2との間に、直列に接続されている。具体的には、抵抗R11の一端が倍電圧整流回路部11の接続部M3(すなわち、発光素子部141の入力端子M5)に接続され、他端がツェナーダイオードZ11のカソードに接続されている。そして、ツェナーダイオードZ11のアノードは、倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。
コンデンサC11は、一端が抵抗R11とツェナーダイオードZ11との接続部M6に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。
【0050】
第一基準電圧発生部172は、抵抗R21と、抵抗R22と、トランジスタQ21と、抵抗R23とを備えている。抵抗R21は、一端が接続部M6(定電圧生成部171の出力端子)に接続され、他端が抵抗R22の一端に接続されている。抵抗R22の他端は、倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。トランジスタQ21は、ベースが抵抗R21と抵抗R22との接続部M8及び増幅器AMP51の負入力端子(後述)に接続され、コレクタが接続部M6に接続され、エミッタが抵抗R23の一端及びトランジスタQ31、Q32の各エミッタ(後述)に接続されている。抵抗R23の他端は、倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。なお、トランジスタQ21のエミッタとトランジスタQ31、Q32の各エミッタが接続された箇所を過電流比較端子M9とする。
【0051】
過電流検出部173は、抵抗R31と、抵抗R32と、トランジスタQ31と、トランジスタQ32とを備えている。
具体的には、抵抗R31は、一端がLED群142の終末端子(LED41nのカソード)に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。抵抗R32は、一端がLED群142の終末端子(LED42nのカソード)に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。トランジスタQ31は、ベースが抵抗R31の一端に接続され、コレクタがOR回路接続部M10(後述)に接続され、エミッタが過電流比較端子M9に接続されている。トランジスタQ32は、ベースが抵抗R32の一端に接続され、コレクタがOR回路接続部M10(後述)に接続され、エミッタが過電流比較端子M9に接続されている。
【0052】
また、トランジスタQ31とトランジスタQ21は、トランジスタQ31のコレクタを出力として、第一基準電圧と抵抗R31の降下電圧とを比較する差動増幅回路を構成している。さらに、トランジスタQ32とトランジスタQ21は、トランジスタQ32のコレクタを出力として、第一基準電圧と抵抗R32の降下電圧とを比較する差動増幅回路を構成している。
【0053】
過熱検出部174は、抵抗R41と、抵抗R42と、抵抗R43と、トランジスタQ41と、ダイオードD41とを備えている。
具体的には、抵抗R41は、一端が接続部M6に接続され、他端が抵抗R42の一端に接続されている。抵抗R42の他端は、倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。トランジスタQ41は、ベースが抵抗R41と抵抗R42との接続部に接続され、コレクタが抵抗R43を介して接続部M6に接続され、エミッタが倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。ダイオードD41は、カソードがトランジスタQ41のコレクタと抵抗R43との接続部に接続され、アノードがOR回路接続部M10(後述)に接続されている。
なお、トランジスタQ41は、LED411〜41n、LED421〜42n、バリスタ16のいずれかに接触した位置又はそれらに近接した位置に設けられており、それらLED411〜41n、LED421〜42n、バリスタ16が過熱した状態にあることを検知する。この検知に関する動作の詳細については、後記の「(2)LED照明回路の動作」にて詳述する。
【0054】
ラッチ回路部175は、抵抗R51と、コンデンサC51と、増幅器AMP51とを備えている。具体的には、抵抗R51は、一端が接続部M6に接続され、他端が増幅器AMP51の正入力端子に接続されている。コンデンサC51は、一端が増幅器AMP51の出力端子に接続され、他端が増幅器AMP51の正入力端子に接続されている。増幅器AMP51は、負入力端子が第一基準電圧発生部172のトランジスタQ21のベースに接続され、出力端子が、コンデンサC51の一端と、ドライバ部176の抵抗R61(後述)の一端に接続されている。つまり、ラッチ回路部175は、それら抵抗R51とコンデンサC51と増幅器AMP51により単安定マルチバイブレータを構成している。なお、増幅器AMP51の正入力端子と抵抗R51の他端とコンデンサC51の他端が接続された接続部を、OR回路接続部M10とする。
【0055】
ドライバ部176は、抵抗R61と、抵抗R62と、抵抗R63と、抵抗R64と、コンデンサC61と、増幅器AMP61とを備えている。具体的には、抵抗R61は、一端がラッチ回路部175の増幅器AMP51の出力端子に接続され、他端が増幅器AMP61の正入力端子に接続されている。抵抗R62は、一端が増幅器AMP61の正入力端子に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。抵抗R63は、一端が増幅器AMP61の正入力端子に接続され、他端が、増幅器AMP61の出力端子と、切換回路部13−2の抵抗136(後述)の一端に接続されている。抵抗R64は、一端が増幅器AMP61の出力端子に接続され、他端が、増幅器AMP61の負入力端子に接続されている。コンデンサC61は、一端が増幅器AMP61の負入力端子に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。なお、ラッチ回路部175の増幅器AMP51の電源と、ドライバ部176の増幅器AMP61の電源は、いずれも定電圧生成部171の定電圧Ecから供給されている。
【0056】
この構成は、換言すれば、次のようになっている。増幅器AMP61の出力端子から負入力端子に、負帰還回路として、抵抗R64とコンデンサC61で分圧した積分遅延回路が接続されている。増幅器AMP61の正入力端子には、正帰還回路として、抵抗R63を通して、ラッチ回路部175の出力を抵抗R61と抵抗R62で分圧した接続部が接続されている。このような構成により、ドライバ部176は、非安定マルチバイブレータ(ASTABLE MULTIVIBRATOR)を形成している。なお、増幅器AMP61の出力端子をドライバ部176の出力端子M11とする。
【0057】
バリスタ16は、倍電圧整流回路部11の接続部M3と接続部M2との間に、平準用コンデンサ15に並列に接続されている。
【0058】
切換回路部13−2は、第一の電源入力端子T1と第二の電源入力端子T2との間で、インダクタ12−1の両端子及び倍電圧整流回路部11の入力端子M1と接続部M4とともに直列に接続されている。
この切換回路部13−2は、コンデンサ131と、トライアックである主スイッチ132’と、光伝達素子133と、ディマスイッチ134と、ディマ表示LED135と、抵抗136とを備えている。
具体的には、コンデンサ131は、一端がインダクタ12−1の他端に接続され、他端が倍電圧整流回路部11の接続部M1に接続されている。主スイッチ132’であるトライアックは、T2端子がインダクタ12−1の他端に接続され、T1端子が倍電圧整流回路部11の接続部M1に接続され、ゲートが光伝達素子133の受光部133(後述)に接続されている。光伝達素子133は、発光ダイオードである発光部133とトライアックである受光部133とを備え、発光ダイオードのアノードがディマスイッチ134のx接点に接続され、カソードが倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続され、トライアックのT1端子が主スイッチ132’のゲートに接続され、T2端子が主スイッチ132’のT2端子に接続されている。ディマスイッチ134は、二つの接点(x接点、y接点)間で切り換えを行う手動の切換スイッチであって、y接点がディマ表示LED135のアノードに接続されている。ディマ表示LED135のカソードは、倍電圧整流回路部11の接続部M2に接続されている。抵抗136は、一端がドライバ部176の抵抗R63の他端に接続され、他端がディマスイッチ134のコモン端子に接続されている。
【0059】
(2)LED照明回路の動作
LED照明回路10−2の動作について、図3を参照して説明する。
なお、ここでは、次の項目について、順に説明する。
(2−1)保護回路17の構成各部の機能及び動作
(2−2)切換回路部13−2の構成各部の機能及び動作
(2−3)ディマスイッチ134がx接点に接続されている場合の動作
(2−4)ディマスイッチ134がy接点に接続されている場合の動作
【0060】
(2−1)保護回路17の構成各部の機能及び動作
ここでは、保護回路17を構成する各部の機能及び動作について説明する。
なお、以降の説明において、「通常動作」とは、発光素子部141のLED群142、LED群142が通常の輝度で発光しているときのLED照明回路10−2の動作をいう。また、「ディマ動作」とは、LED群142、LED群142が、「通常動作」において発光する輝度よりも低い輝度で発光しているときのLED照明回路10−2の動作をいう。
【0061】
定電圧生成部171は、倍電圧整流回路部11の接続部M3からの電圧を、抵抗R11と、コンデンサC11を並列に接続したツェナーダイオードZ11とによって分圧し、それら抵抗R11とツェナーダイオードZ11及びコンデンサC11との接続部M6に生じた定電圧Ecを出力する。
なお、増幅器AMP61の電源として供給している定電圧生成部171は、倍電圧整流回路部11の出力端子M3から抵抗R11を通した少ない電流(例えば1mA)により定電圧Ecを生成している。定電圧Ecを得るツェナーダイオードZ11と並列にコンデンサC11を接続することにより、このコンデンサC11に蓄積された電荷により、後述の通り、増幅器AMP61の出力端子から抵抗136を通して、10mAのパルス電流を流すことができる。
【0062】
第一基準電圧発生部172は、直列接続された抵抗R21と抵抗R22により、定電圧生成部171からの定電圧Ecを分圧(抵抗分割)する。この分圧により抵抗R21と抵抗R22との接続部M8に生じた電圧は、電流の上限を設定する第一基準電圧として、トランジスタQ21のベースに入力される。このトランジスタQ21のエミッタ電圧を、過電流比較端子M9を介して、過電流検出部173のトランジスタQ31、Q32の各エミッタに供給する。
【0063】
過電流検出部173は、LED群142からの電流により抵抗R31(比較電圧発生部)に生じた降下電圧をトランジスタQ31(電圧比較部)のベースに入力し、第一基準電圧発生部172の第一基準電圧(電流の上限設定電圧)とを比較する。また、LED群142からの電流により抵抗R32(比較電圧発生部)に生じた降下電圧をトランジスタQ32(電圧比較部)のベースに入力し、第一基準電圧発生部172の第一基準電圧とを比較する。
ここで、LED群142及び142に通常の電流(通常動作状態において流れる電流)が流れているときは、トランジスタQ31、Q32においては、ベース電圧がエミッタ電圧よりも低いため、コレクタ−エミッタ間に電流が流れない。よって、トランジスタQ31、Q32のコレクタが接続されたOR回路接続部M10の電位がハイレベルで維持され、このOR回路接続部M10が接続されたラッチ回路部175の増幅器AMP51の正入力端子の電位がハイレベルで維持されて、当該増幅器AMP51の出力端子からハイレベルの信号がドライバ部176に出力される。以降の動作については、ドライバ部176の説明において詳述する。
【0064】
これに対し、LED群142又は142のいずれかの列に過電流(所定の基準値(例えば、通常の1.2倍)以上の電流)が流れたときは、抵抗R31又は抵抗R32で生じる降下電圧が高くなり、トランジスタQ31又はトランジスタQ32において、ベース電圧が第一基準電圧よりも高くなって、コレクタ−エミッタ間に電流が流れる。これにより、OR回路接続部M10の電位をローレベルに引くと(ローレベルに低下させると)、ラッチ回路部175をトリガして(増幅器AMP51の正入力端子の電位がローレベルに低下して)、増幅器AMP51の出力端子もローレベルとなる。これにより、ドライバ部176の発振は停止して出力もローレベルとなり、主スイッチ132’をオフにして、発光素子部141に供給する電流Icを減少させ、ディマ照明に切り換えるようになっている。
【0065】
なお、抵抗R31と抵抗R32は、LED群142に流れる電流を電圧に変換することから、「比較電圧発生部」としての機能を有している。
また、トランジスタQ31とトランジスタQ32は、比較電圧発生部(抵抗R31、抵抗R32)からの比較電圧と第一基準電圧発生部172からの第一基準電圧とを比較し、比較電圧が第一基準電圧よりも大きいときに、過電流を検出したものとして、切換制御手段(切換回路13−2の光伝達素子133、ディマスイッチ134、ディマ表示LED135、抵抗136により構成される回路部分)に所定の電圧を送ることから、「電圧比較部」としての機能を有している。
【0066】
過熱検出部174は、定電圧生成部171から出力された定電圧Ecを、定電圧生成部171の接続部M6と接続部M2の間に設けた抵抗R41と抵抗R42により分圧(抵抗分割)する。そして、それら抵抗R41と抵抗R42との間に生じた電圧を、第二基準電圧として、トランジスタQ41のベースに入力する。
第二基準電圧は、所定温度におけるトランジスタQ41のコレクタ電流が所定量(例えば約100μA)流れるときのベース−エミッタ間電圧Vbe(例えば、約0.40V)に設定されている。
なお、抵抗R41と抵抗R42は、トランジスタQ41(温度検出用トランジスタ)のベースに第二基準電圧を与えることから、「基準電圧生成部」を構成する。
【0067】
トランジスタQ41は、温度検出用のトランジスタであり、例えば、NPN型バイポーラトランジスタなどを用いることができる。このトランジスタQ41は、LED群142、142を構成するLED411〜41n、421〜42nの近傍など、LED411〜41n、421〜42nの温度を検出可能な適宜箇所に配置されている。
このトランジスタQ41が所定の温度以上になると、定電圧Ecの接続部M6から抵抗R43を通してコレクタ電流が流れ始める。そして、このコレクタ電流が所定の電流値(例えば約100μA)に達したときに、OR回路接続部M10の電圧がラッチ回路部175の増幅器AMP51の負入力端子にかけた所定の電圧と等しくなるようになっている。すなわち、定電圧Ecの接続部M6から抵抗R43を通して流れるトランジスタQ41のコレクタ電流が所定の電流に達したときにラッチ回路部175をトリガするように、抵抗R51と抵抗R43の各抵抗値が設定されている。
【0068】
ラッチ回路部175は、増幅器AMP51の負入力端子(出力端子の極性が反転する入力端子)に所定のバイアス(bias)電圧(図3においては、第一基準電圧発生部172からの第一基準電圧)を掛け、OR回路接続部M10と接続した正入力端子(出力端子の極性が反転しない入力端子)と出力端子との間にコンデンサC51を接続し、正入力端子と定電圧Ecの接続部M6との間に抵抗R51を接続した、単安定マルチバイブレータを構成している。
このラッチ回路部175は、トリガ信号をラッチする。例えば、通常動作時に増幅器AMP51の正入力端子の電位がハイレベルであると、出力端子の電位もハイレベルとなり、ドライバ部176が発振して、切換回路部13−2に矩形波信号を送り、主スイッチ132’をオンにして、通常照明になる。これに対し、過電流検出部173又は過熱検出部174で異常が検知されてOR回路接続部M10の電位をローレベルに引き(ローレベルに低下させ)、増幅器AMP51の正入力端子の電位が負入力端子に接続した(所定の電圧である)基準電圧以下になると、増幅器AMP51の出力端子がローレベルとなり、コンデンサC51を通して、正入力端子をローレベルに引いて正帰還がかかり、出力端子がローレベルの状態で一時安定する。このとき、ドライバ部176の発振が停止して切換回路部13−2の主スイッチ132’をオフにして、倍電圧整流回路部11から供給される電流Ibがコンデンサ131を通して供給される減少した電流に切り換わる。発光素子部141は、減少された電流Ibによりディマ照明となり、定電圧生成部171の出力電圧Ecが維持される。
【0069】
過電流検出部173又は過熱検出部174が異常を検知しなくなり、OR回路接続部M10をローレベルに引かなくなると、増幅器AMP51の正入力端子は、抵抗R51を通してコンデンサC51を充電して正方向に上昇して、基準電圧以上になると、出力端子はハイレベルに戻る単安定マルチバイブレータの動作をする。このような動作は、例えば、過熱を検知して、主スイッチ132’をオフすると、発光素子部141に流れる電流Icが減少し、温度が低下して、過熱検知しなくなり、OR回路接続部M10をローレベルに引かなくなると、その時点から抵抗R51とコンデンサC51で決まる時定数の期間後に再び主スイッチ132’をオンして通常の照明状態に戻る。この方法により、異常な状態では通常の照明とディマ照明が交互に点灯表示して、発光素子部141に流す電流及び発熱による温度上昇が平均値として各設定値以上にならない範囲で、破損を防止しながら通常の照明を維持する。
【0070】
なお、ラッチ回路部175は、本実施形態においては、単安定マルチバイブレータを構成するものとしたが、例えば、コンデンサC51を抵抗R52(図示せず)に置き換えることで、双安定マルチバイブレータを構成することができる。この場合は、増幅器AMP51の出力端子がローレベルになったときに抵抗R52と抵抗R51で分圧した正入力端子の電圧が第一基準電圧以下になるように、抵抗R52の抵抗値を設定する。OR回路接続部M10の電位をローレベルに引き(OR回路接続部M10の電位がローレベルに低下して)、正入力端子が第一基準電圧以下になると、出力端子はローレベルになり、OR回路接続部M10がローレベルに引かれて、増幅器AMP51の出力端子がローレベルで安定する。これにより、ドライバ部176の発振が停止して、主スイッチ132’はオフの状態を維持する。
この方法は、発光素子部141での過電流又は過熱が検出された場合の対処法として用いることができる。すなわち、そのような異常が検出されたことで、LED照明回路10−2の使用環境が当該LED照明回路10−2にとって不都合な環境(例えば、電圧値が非常に高い交流電圧Eaが供給される環境)であるものとし、これへの対処法として、減少した電流Icが発光素子部141に流れるディマ照明状態を保持することにより、LEDの破損を防止するものである。
【0071】
ドライバ部176は、切換回路部13−2をオンオフ駆動する。すなわち、ドライバ部176は、ラッチ回路部175の出力がハイレベルのときに発振して正のデューティ制御されたパルス電流を切換回路部13−2に送り、主スイッチ132’をオン状態に保ち、通常照明を維持する。このドライバ部176は、前述したように、非安定マルチバイブレータを構成している。
【0072】
ラッチ回路部175の出力がハイレベルになると、抵抗R61とR62とR63で分圧したバイアス電圧が増幅器AMP61の正入力端子に加わり、負入力端子よりもハイレベルになるので、出力端子M11はハイレベルになる。そのとき、負入力端子の電圧は、出力端子M11から抵抗R64とコンデンサC61の積分回路が正方向に上昇する。そして、その負入力端子の電圧が正入力端子よりハイレベルになると、出力端子M11は、反転してローレベルになる。これにより、抵抗R63を通して、抵抗R61とR62の分圧点である正入力端子の電圧が低くなる(正帰還がかかる)。負入力端子がハイレベルとなり、出力端子M11がローレベルなので、抵抗R64を通してコンデンサC61の電圧が放電下降して、負入力端子が正入力端子の電圧よりもローレベルになると、出力端子M11は反転してハイレベルになり、抵抗R63を通して抵抗R61とR62の分圧点である正入力端子の電圧が高くなる(正帰還がかかる)。このようなバックラッシュ特性により、反転を繰り返し、スイッチングして、ドライバ部176の出力端子M11は、矩形波を出力する。このラッチ回路部175の出力がローレベルのときには、増幅器AMP61の負入力端子の電圧よりも正入力端子の電圧の方がローレベルとなるような回路構成にして(図示せず)、増幅器AMP61の出力端子がローレベルとなるようになっている(例えば、この負入力端子に抵抗を通して正のバイアス電圧をかける方法がある)。
【0073】
(2−2)切換回路部13−2の構成各部の機能及び動作
ここでは、切換回路部13−2の動作のうち、主スイッチ132’の機能及び動作と、光伝達素子133の機能及び動作について説明する。
【0074】
(2−21)主スイッチ132’の機能及び動作
主スイッチ132’であるトライアックは、ゲートに電流が流れていないときは、T1端子とT2端子との間が導通していないオフ状態であるが、ゲートに所定量の電流が流れると、T1端子とT2端子との間が導通するオン状態となる。ただし、オン状態のときにT1端子とT2端子との間に交流の電流が流れて、その電流の極性が反転するとき、すなわち電流がゼロになると、オフ状態になり電流が流れなくなる特性がある。このような状態は、図2の中段に示す電流Iaがゼロになるときに発生する。休止期間Ts後に逆極性の電流が流れ始めるので、その時点で主スイッチ132’をトリガする(ゲートに所定量の電流を流す)必要がある。このトリガについては、後記の「(2−22)光伝達素子133の機能及び動作」にて詳述する。
【0075】
なお、主スイッチ132’は、第一実施形態における切換回路部13−1の主スイッチ132をトライアックによる主スイッチ132’に置き換えたものである。この主スイッチ132’をオンオフ制御するために、光伝達素子133の受光部133を、そのゲート、T2端子間に接続してある。
【0076】
(2−22)光伝達素子133の機能及び動作
光伝達素子133は、ドライバ部176からの矩形波信号にもとづいて主スイッチ132’を切り換える信号伝達素子である。この光伝達素子133は、ハイレベル(high level)の矩形波信号を受けると発光する発光部133と、この発光部133からの光を受けて主スイッチ132’のゲートに電流を流す受光部133とを備えている。このように発光部133と受光部133がアイソレート(絶縁)した光伝達素子133を設けることで、直流の矩形波信号にしたがって、交流用の主スイッチ132’をオンオフ制御することができる。
【0077】
この光伝達素子133には、例えば、フォトトライアックカプラを用いることができる。フォトトライアックカプラは、発光部133として発光ダイオードを備えるとともに、受光部133としてトライアックを備えたフォトカプラである。このフォトトライアックカプラは、次に説明する間欠駆動により動作させることができる。
主スイッチ132’を交流電圧Eaに対して常時オン状態を保つためには、フォトトライアックカプラの受光部133をオンさせることになるが、この場合、発光部133に約10mAの電流を流す必要がある。しかし、この電流を供給するために必要な消費電力を交流電源の入力電力に換算すると、交流電源が例えば100VACのときに約1Wの電力消費となる。ただし、この1Wの消費電力は10Wの照明器具には大きすぎるので、ドライバ部176の出力をデューティ制御のパルス列にして消費電力を低減している。具体的には、例えば、増幅器AMP61の出力を10μsecの間ハイレベルにして約10mA流した後、90μsecの間ローレベル(low level)にして電流を流さなければ、1/10の間欠制御(DUTY CONTROL)駆動となる。トリガ電流が0になった時点で主スイッチ132’がオフしても、少なくとも90μsec後にはトリガすることになる。なお、ここでは、このトリガに要する消費電力を1/10に低減したが、この間欠駆動の比率を1/20にすれば同消費電力を1/20にすることができる。このように、トリガ信号のハイレベルの期間をローレベルの期間より短くするには、増幅器AMP61の負入力端子において立ち上がりが早く、立ち下がりが遅くなればよいので、抵抗R61と抵抗R62で分圧した正入力端子の電圧を低くすることで得られる。例えば、増幅器AMP61の出力がローレベル(0Vとして)である期間を90μsecに設定するには、正入力端子がハイレベルのときの電圧に対しローレベルのときの電圧の比が約0.37であるとすれば、抵抗R64とコンデンサC61による時定数が約90μsecに設定することで得られる。
【0078】
なお、本実施形態においては、光伝達素子133として、フォトトライアックカプラを採用するが、光伝達素子133は、フォトトライアックカプラに限るものではなく、例えば、MOSフォトリレイ(図示せず)を採用することもできる。これらフォトトライアックカプラとMOSフォトリレイの異なるところは、前者が、出力側の受光部133としてスイッチを用いているのに対し、後者が、受光部133として抵抗変化形素子であるMOSFETを用いているところである。ただし、いずれも主スイッチ132’のゲート−T2端子間に接続して、ゲート−T2端子間に電流を流すことにより主スイッチ132’をオンオフすることができる。
【0079】
また、以上の説明において、光伝達素子133は、例えばフォトトライアックカプラのように、通常状態がオフ状態の特性を有するものとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、通常状態がオン状態の特性を有するスイッチなどを採用することもできる。後者の場合は、信号を反転する等の回路構成となる。
【0080】
さらに、切換回路部13−2は、これら主スイッチ132’や光伝達素子133の他に、ディマ照明状態であることを点灯により表示するディマ表示LED135と、ドライバ部176の出力電流を定める抵抗136と、その出力電流を光伝達素子133側又はディマ表示LED135側に流すように切り換えるディマスイッチ134とを含んでいる。これらディマ表示LED135と、ディマスイッチ134と、抵抗136の機能及び動作については、後記の「(2−3)ディマスイッチ134がx接点に接続されている場合」及び「(2−4)ディマスイッチ134がy接点に接続されている場合」の中で詳述する。
【0081】
(2−3)ディマスイッチ134がx接点に接続されている場合
ここでは、ディマスイッチ134がx接点に接続されている場合であって、過電流検出部173と過熱検出部174がいずれも異常を検出していないときのLED照明回路10−2の動作について、説明する。
【0082】
電源入力端子T1、T2に交流電圧Eaが投入されると、トライアックである主スイッチ132’は、通常オフ(NORMALY OFF)のスイッチなので、交流電圧Eaは、インダクタ12−1、コンデンサ131、倍電圧整流回路部11(接続部M1と接続部M4との間)の直列回路に印加される。このとき、コンデンサ131が倍電圧整流回路部11(接続部M1と接続部M4との間)に対して直列に挿入されているので、倍電圧整流回路部11に印加される電圧は、通常動作時よりも低くなる。すなわち、倍電圧整流回路部11に印加される電圧は、コンデンサ131の容量と倍電圧整流回路部11のコンデンサ部(第一コンデンサ111と第二コンデンサ112の並列回路)の容量のインピーダンスとにより分圧された電圧になる。この電圧は、通常動作時(コンデンサ131が挿入されていないとき)に比べて低いため、発光素子部141に供給される電流Icが減少して、LED群142、142が低い輝度で発光する(ディマ照明)。このとき、LED群142及び142に流れる電流は、通常動作時の電流より充分低い電流であり、この電流値は、コンデンサ131の容量の選択により設定される。なお、保護回路17の動作に必要な電流は、LED群142及び142に印加された電圧から供給されるので、極めて低い電流で動作するようになっている。
【0083】
交流電圧Eaの投入直後、前述したようにディマ照明になると、発光素子部141の入力端子M3と接続部M2との間には、LED群142のLED411〜41n(又は、LED群142のLED421〜42n)が直列に接続された数nとLEDの順方向電圧Vdとで決まる電圧が印加される。発光素子部141の入力端子M3と接続部M2との間に接続された定電圧生成部171により、抵抗R11とツェナーダイオードZ11で分圧された定電圧Ecが接続部M6に生成されて、保護回路17は、動作状態になる。ラッチ回路部175の入力端子であるOR回路接続部(負論理)M10の電位は、過電流検出部173と過熱検出部174のいずれも異常が検出されなければハイレベルになり、ラッチ回路部175の出力端子の電位もハイレベルとなり、ドライバ部176は発振してハイレベルのパルス列のトリガ信号を発生し、抵抗136で設定された電流がディマスイッチ134のコモン端子からx接点を通り、光伝達素子133の発光部133を駆動して受光部133がオンとなり、トライアックである主スイッチ132’のゲートとT2端子間をオンして、主スイッチ132’がオンとなり、通常動作が開始する。このとき、交流電圧Eaからは、通常動作時の電流Iaが流れ始める。
【0084】
このように、主スイッチ132’がオンになると、コンデンサ131の両端がショートして、ショートした主スイッチ132’に電流Iaが流れる。このとき、第一の電源入力端子T1と第二の電源入力端子T2との間は、インダクタ12−1と倍電圧整流回路部11(接続部M1と接続部M4との間)が直列に接続されたのと同じ状態となるので、発光素子部141に供給される電流Icは、倍電圧整流回路部11の第一コンデンサ111と第二コンデンサ112で設定された電流が流れる。そして、この電流Icが流れることで、発光素子部141のLED群142、142が通常の輝度で発光する。
【0085】
ここまで、ディマスイッチ134がx接点に接続されている場合の動作について説明したが、この動作は、前述したように、過電流検出部173と過熱検出部174がいずれも異常を検出していないときの動作である。それら過電流検出部173又は過熱検出部174のいずれかが異常を検出したときの動作は、「(2−1)保護回路17の構成各部の機能及び動作」で説明した通りである。
なお、コンデンサ131の両端がショートして、ショートした主スイッチ132’に電流が流れるときの回路をショート回路という。
また、ドライバ部176の増幅器AMP61は、パルス列を出力する部品又は回路に相当し、ドライバ部176は、その増幅器AMP61を駆動制御する回路に相当する。
【0086】
(2−4)ディマスイッチ134がy接点に接続されている場合
ここでは、ディマスイッチ134がy接点に接続されている場合であって、過電流検出部173と過熱検出部174がいずれも異常を検出していないときのLED照明回路10−2の動作について、説明する。
【0087】
ディマスイッチ134がy接点に接続されている場合において、交流電圧Eaを投入した直後のLED照明回路10−2の動作は、ディマスイッチ134がx接点に接続されている場合において交流電圧Eaを投入した直後のLED照明回路10−2の動作と同じであり、ディマ照明となる。また、交流電圧Eaを投入した直後の保護回路17の動作、すなわち、定電圧生成部171にて定電圧Ecが生成されて保護回路17が動作状態になり、過電流検出部173と過熱検出部174がいずれも異常を検出していなければ、OR回路接続部(負論理)M10はハイレベルになり、増幅器AMP51の出力端子もハイレベルとなり、ドライバ部176は発振してハイレベルのパルス列のトリガ信号を発生するという動作も同じである。ただし、ディマスイッチ134がy接点に接続されている場合は、切換回路部13−2の抵抗136で設定された電流が、ディマスイッチ134のコモン端子からy接点を通り、さらにディマ表示LED135を通る。これにより、ディマ表示LED135が発光する。このとき、光伝達素子133の発光部133には電流が流れず、受光部133はオフのままの状態となり、主スイッチ132’もオフの状態となって、ディマ照明が継続する。
【0088】
このように、ディマスイッチ134がy接点に接続するように手動で切換操作することにより、常時ディマ照明とすることができる。また、ディマ表示LED135の点灯を視認することで、ディマスイッチ134にてディマ照明が選択されていることを確認できる。
なお、このディマ照明状態では、発光素子部141に流れる電流Icが少なくなり、電力消費も少なくなるので、過電流及び過熱検出がなくなることから、保護回路17は異常無しとして、ドライバ部176から出力電流が出力され、その電流でディマ表示LED135が点灯する。この点灯している状態は、ディマ照明状態を示すと同時に通常照明の待機状態を示す。
また、ディマ表示LED135は、LED群142が低い輝度で発光する状態であることを発光により表示することから、「低輝度状態表示部」としての機能を有している。
【0089】
ここまで、LED照明回路10−2の動作について詳述したが、同回路10−2は、LED群142及び142における過電流や過熱を検知したときに電流Icを減少するだけでなく、次の異常が発生した場合にも対処できる。
例えば、異常に高い電圧の交流電圧Eaが供給されたときは、前述の(4)式に示すように、電流Icが増大するので、過電流検出部173が過電流を検出することで、LED群142及び142の破損を防止できる。
また、並列に接続されたLED群142又は142のいずれかが断線したときは、他のLED群142又は142に分配される電流が増加するので、この場合も、過電流検出部173が過電流を検出することで、LED群142又は142の破損を防止できる。
【0090】
さらに、いずれかのLED群142又は142がショートしたときは、ショートした列のLED群142又は142に電流が集中し、上限電流値を超えたときに過電流の検出により電流Icが減少するので、LED411〜41n、421〜42nの破損を防止できる。
しかも、発光素子部141を構成するLED群142及びLED群142がいずれも断線した場合には、発光素子部141に流れていた電流Icがバリスタ16に流れるので、平準用コンデンサ15に高い電圧が印加されるのを防ぐことができる。また、このように電流Icが流れてバリスタ16が過熱したときは、この過熱を過熱検出部174が検知することで、電流Icが減少して、バリスタ16の過熱を防止するとともに、平準用コンデンサ15の破損、劣化を防止することができる。
【0091】
以上説明したように、本実施形態のLED照明回路は、電源入力端子と倍電圧整流回路部との間にインダクタを設けたので、高い力率を得ることができる。
また、LED照明回路は、過度に温度上昇した場合や過度の電流が流れた場合には異常と判断して、LED群に流れる電流を減少したディマ照明に切り換えることができる。これにより、それら過熱や過電流によるLEDの破損を防止するとともに、そのLEDの破損によりLEDが点灯不能となるなどの故障の発生を回避でき、かつ、過熱にともなう電子部品の溶融や発火による焼損などの災害の発生を抑制できる。
【0092】
さらに、通常照明とディマ照明とを手動で切り換えるディマスイッチを設けたので、例えば、通常照明にする必要のないLED照明装置(LED照明回路を搭載した照明装置)を、消灯せずにディマ照明にすることで、消費電力を抑えることができる。しかも、それら通常照明とディマ照明とを任意のタイミングで切り換えることができるので、例えば、生活環境や職場の状況など、TPO(Time
Place Occasion)に応じてLEDの明るさを使い分けることができる。加えて、不要なときにはディマ照明にしてLEDを休止させ、必要となったときに通常照明に復活させることで、節電効果のあるLED照明装置を実現できる。
【0093】
なお、過電流検出部173と過熱検出部174は、いずれもLED群142、142に関する異常(LED群142、142に流れる過電流、又は、LED群142、142の過熱)を検出することから、「異常検出部」としての機能を有している。
また、切換回路部13−2の光伝達素子133、ディマスイッチ134、ディマ表示LED135、抵抗136は、異常検出部(過電流検出部173又は過熱検出部174)で異常が検出されるとスイッチ(主スイッチ132’)を切り換えてコンデンサ131に電流を流すことから、「切換制御手段」としての機能を有している。
【0094】
[LED照明回路の第三実施形態(LED照明装置の第一実施形態)]
次に、本発明のLED照明回路の第三実施形態(LED照明装置の第一実施形態)について、図4、図5を参照して説明する。図4は、蛍光灯照明器具及びLED照明管の構成を示す外観斜視図、図5は、既存のグロースタータ式蛍光灯照明器具及びLED照明管に配設されるLED照明回路の構成を示す回路図である。
本実施形態は、LED照明回路の第一実施形態と比較して、LED照明回路を、既存の蛍光灯照明器具に適用するための回路構成とした点で相違する。すなわち、第一実施形態では、LED照明回路を適用する照明器具を特定しなかったのに対し、本実施形態では、LED照明回路を適用する器具を蛍光灯照明器具とし、この蛍光灯照明器具に適用するためのLED照明回路の構成を示した点で相違する。他の構成要素は、第一実施形態と同様である。
したがって、図4、図5において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0095】
なお、ここでは、次の項目について説明する。
(1)蛍光灯照明器具及びLED照明管
(2)LED照明回路
これらのうち、(1)では、第一実施形態のLED照明回路10−1又は第二実施形態のLED照明回路10−2を配設可能な蛍光灯照明器具20及びLED照明管30の構成について説明する。また、(2)では、蛍光灯照明器具20及びLED照明管30に配設されるLED照明回路の構成について説明する。
【0096】
(1)蛍光灯照明器具及びLED照明管
図4に示すように、蛍光灯照明器具20は、建物の天井などに取り付けられた板状の基部21と、この基部21に突設された複数(同図においては、二つ)の照明器具ソケット22(22a、22b)とを備えている。
照明器具ソケット22は、基部21の下面23から垂直下方に突設された部材であって、照明器具ソケット22aと照明器具ソケット22bとの間隔は、LED照明管30の軸方向の長さとほぼ同じになっている。
【0097】
また、照明器具ソケット22aと照明器具ソケット22bは、これらが対向する面に差込穴24が穿設されている。この差込穴24にLED照明管30における照明管ソケット32a、32bの照明管ソケット端子33(後述)を差し込むことで、照明管ソケット32aと照明器具ソケット22a、照明管ソケット32bと照明器具ソケット22bがそれぞれ係合し、照明器具ソケット22a、22bがLED照明管30の両端を支持するようになっている。
なお、図4においては、一本のLED照明管30を取付可能な1灯用の蛍光灯照明器具20を示しているが、蛍光灯照明器具20は、1灯用に限るものではなく、例えば、二本のLED照明管30を取付可能な2灯用の蛍光灯照明器具(図7参照)であってもよい。
【0098】
また、蛍光灯照明器具20は、蛍光灯(内部電極間の放電にともなって蛍光物質に紫外線を照射して可視光線を発生させるもの)を発光させるための照明器具であって、建物の天井などに既設の蛍光灯照明器具を本実施形態の蛍光灯照明器具20として使用することができる。ただし、蛍光灯照明器具20は、既設の蛍光灯照明器具に限るものではなく、新規に配設された蛍光灯照明器具であってもよい。
【0099】
LED照明管30は、円筒形状中空の管部31と、この管部31の両端に嵌合した照明管ソケット32(32a、32b)とを備えている。
管部31は、透明又は半透明の管状部材であって、内部に基板(図示せず)が挿入されている。この基板には、発光素子部141を構成するLED群142が配置されている。そして、LED群142から放射された光は、管部31を透過して、外部に放出される。これにより、LED照明管30は、LED群142の光を対象物に照射するLED照明管として機能する。
【0100】
照明管ソケット32は、管部31の端部の開口を閉塞する蓋部材である。この照明管ソケット32の外側の円形面には、外方へ向かって突設された照明管ソケット端子33(33a1、33a2、33b1、33b2)が形成されている。この照明管ソケット端子33を、前述した蛍光灯照明器具20における照明器具ソケット22の差込穴24に差し込むことで、そのLED照明管30を蛍光灯照明器具20に取り付けることができる。
また、照明管ソケット32の側面には、ディマスイッチ134(又は主スイッチ132)や選択スイッチ182(後述)が設けられている。これらディマスイッチ134等は、手動で往復動作させるつまみ部と、このつまみ部を支持する支持枠が、照明管ソケット32の側面から露出するように設けられている。
なお、本実施形態においては、それらディマスイッチ134等を照明管ソケット32の側面に設けることとするが、照明管ソケット32の側面に限るものではなく、例えばLED照明管30の裏面などに設けることもできる。
【0101】
このように、LED照明管30は、従来公知の蛍光灯と類似の外観形状とすることができる。ただし、LED照明管30は、蛍光灯と類似の外観形状に限るものではなく、例えば、従来公知の白熱灯と類似の外観形状とすることもできる。この場合、照明器具は、その白熱灯型のLED照明管を取付可能な白熱灯照明器具を用いることができる。
また、本実施形態においては、これら蛍光灯照明器具20とLED照明管30とを併せて「LED照明装置B」という。
【0102】
(2)LED照明回路
(2−1)LED照明回路の構成
「(1)蛍光灯照明器具及びLED照明管」で説明した蛍光灯照明器具20及びLED照明管30においては、第一実施形態におけるLED照明回路10−1又は第二実施形態におけるLED照明回路10−2を配設することができる。例えば、第一実施形態におけるLED照明回路10−1をグロースタータ式の蛍光灯照明器具20及びLED照明管30に配設する場合には、そのLED照明回路10−1を、例えば、図5に示すような回路構成とすることで配設可能となる。なお、ここでは、図5に示すLED照明回路を、「LED照明回路10−3」として説明する。
【0103】
同図に示すように、LED照明回路10−3は、電源入力端子T1、T2と、インダクタ(安定器)12−3と、照明器具ソケット端子25(25a1、25a2、25b1、25b2)と、照明管ソケット端子33(33a1、33a2、33b1、33b2)と、コンデンサ181と、選択スイッチ182と、切換回路部13−1と、第一の倍電圧整流回路部11と、第二の倍電圧整流回路部11’と、発光回路部14−1と、を備えている。
【0104】
ここで、インダクタ12−3は、既設の蛍光灯照明器具20に備えられた安定器である。この安定器は、通常、蛍光灯照明器具20の基部21の内部又は裏面などに設置されている。
このインダクタ12−3の一次側は、一端が第一の電源入力端子T1に接続され、他端が第二の電源入力端子T2に接続されている。また、インダクタ12−3の二次側は、一端が照明器具ソケット端子25a2に接続され、他端が照明器具ソケット端子25b2に接続されている。
なお、インダクタ12−3は、第一実施形態におけるLED照明回路10−1のインダクタ12−1に相当する。
【0105】
照明器具ソケット端子25は、照明器具ソケット22の内部に配設された端子である。この照明器具ソケット端子25は、照明器具ソケット22の差込穴24にLED照明管30の照明管ソケット端子33が差し込まれたときに、この照明管ソケット端子33に接続される。これにより、照明器具20に配設された回路(照明器具側回路SK1(後述))と照明管30に配設された回路(LED照明管側回路SC(後述))が電気的に接続されて導通するようになっている。
この照明器具ソケット端子25は、一つの照明器具ソケット22の内部に二つ配設されている。具体的には、照明器具ソケット22aの内部に照明器具ソケット端子25a1、25a2が配設されており、照明器具ソケット22bの内部に照明器具ソケット端子25b1、25b2が配設されている。
【0106】
なお、蛍光灯照明器具20には、点灯開始用のグローランプを取り付けるためのソケット26が設置されている。そして、このソケット26の第一端子26aには、照明器具ソケット端子25a1が接続されており、ソケット26の第二端子26bには、照明器具ソケット端子25b1が接続されている。これらソケット26の第一端子26aと第二端子26bには、電圧が印加されないので、グローランプが接続されていても、支障はない(例えば、接続部M4’がハイレベルのとき、接続部M4はハイレベルにならない)が、説明の都合上、グローランプは、接続されていない状態で説明する。
【0107】
照明管ソケット端子33は、前述したように、照明管ソケット32の外側の円形面に突設形成された端子である。この照明管ソケット端子33は、一つの照明管ソケット32に二つ形成されている。具体的には、照明管ソケット32aに照明管ソケット端子33a1、33a2が形成されており、照明管ソケット32bに照明管ソケット端子33b1、33b2が形成されている。
【0108】
コンデンサ181は、一端が照明管ソケット端子33a1に接続され、他端が照明管ソケット端子33a2に接続されている。
選択スイッチ182は、手動の切換スイッチであって、コモン端子が接続部M0を介して切換回路部13−1の一端に接続され、y接点が照明管ソケット端子33a1に接続され、x接点が照明管ソケット端子33a2に接続されている。
【0109】
第一の倍電圧整流回路部11は、第一実施形態における倍電圧整流回路部11と同様の構成を有している。この第一の倍電圧整流回路部11は、接続部M1が切換回路部13−1の他端に接続され、接続部M2が発光回路部14−1の出力端子に接続され、接続部M3が発光回路部14−1の入力端子に接続され、接続部M4が照明管ソケット端子33b2に接続されている。
【0110】
第二の倍電圧整流回路部11’は、第一コンデンサ111と第二コンデンサ112と第三ダイオード113’と第四ダイオード114’とをブリッジ状に接続した構成となっている。ここで、第一コンデンサ111と第二コンデンサ112は、第一の倍電圧整流回路部11における第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112と同一のものである。つまり、第一の倍電圧整流回路部11と第二の倍電圧整流回路部11’は、第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112を共用している。また、これら第一コンデンサ111の一端と第二コンデンサ112の一端との接続部M1も、第一の倍電圧整流回路部11と第二の倍電圧整流回路部11’との共通の接続部M1となっている。
第一コンデンサ111の他端と第三ダイオード113’のアノードとの接続部M2は、発光回路部14−1の出力端子に接続されている。第二コンデンサ112の他端と第四ダイオード114’のカソードとの接続部M3は、発光回路部14−1の入力端子に接続されている。第三ダイオード113’のカソードと第四ダイオード114’のアノードとの接続部M4’は、照明管ソケット端子33b1に接続されている。
【0111】
このような構成を備えたLED照明回路10−3は、電源入力端子T1、T2とインダクタ12−3と照明器具ソケット端子25が、蛍光灯照明器具20に備えられており、照明管ソケット端子33と、コンデンサ181と、選択スイッチ182と、切換回路部13−1と、第一の倍電圧整流回路部11と、第二の倍電圧整流回路部11’と、発光回路部14−1が、LED照明管30に備えられている。
ここで、蛍光灯照明器具20に備えられた電源入力端子T1、T2とインダクタ12−3と照明器具ソケット端子25とにより構成される回路を、照明器具側回路SK1とする。また、LED照明管30に備えられたコンデンサ181と選択スイッチ182と切換回路部13−1と第一の倍電圧整流回路部11と第二の倍電圧整流回路部11’と発光回路部14−1と照明管ソケット端子33とにより構成される回路を、LED照明管側回路SCとする。
このように、照明器具側回路SK1は、電源入力端子T1、T2と照明器具ソケット22a、22bとの間に配設された回路であって、第一実施形態におけるLED照明回路10−1の構成の一部(電源入力端子T1、T2、インダクタ12など)を含んでいる。また、LED照明管側回路SCは、照明管ソケット32a、32bと複数のLED411〜41nとの間に配設された回路であって、第一実施形態におけるLED照明回路10−1の構成の他の一部(倍電圧整流回路部11、切換回路部13−1、発光回路部14−1など)を含んでいる。
【0112】
なお、LED照明回路10−3は、第一実施形態のLED照明回路10−1をグロースタータ式蛍光灯照明器具及びLED照明管に配設する場合の回路構成であるが、その第一実施形態のLED照明回路10−1に代えて第二実施形態のLED照明回路10−2を配設することもできる。この場合の回路構成は、具体的には、図5に示すLED照明回路10−3のうち、発光回路部14−1に代えてLED照明回路10−2の発光回路部14−2を備えるとともに、切換回路部13−1に代えてLED照明回路10−2の切換回路部13−2を備えた構成となる。そして、LED照明回路10−3の照明器具側回路SK1、コンデンサ181、選択スイッチ182、第一の倍電圧整流回路部11、第二の倍電圧整流回路部11’等は、LED照明回路10−2を配設した場合でも同様の回路構成となる。
この場合、照明器具側回路SK1は、第二実施形態におけるLED照明回路10−2の構成の一部(電源入力端子T1、T2、インダクタ12など)を含んでいる。また、LED照明管側回路SCは、第二実施形態におけるLED照明回路10−2の構成の他の一部(倍電圧整流回路部11、切換回路部13−2、発光回路部14−2など)を含んでいる。
【0113】
(2−2)LED照明回路の動作
図5に示すLED照明回路10−3は、次のように動作する。
なお、切換回路部13−1の主スイッチ132は、オン状態であるものとする。
商用交流電源ACSの交流電圧Eaは、インダクタ12−3を介して(を通って)照明器具ソケット端子25a2と照明器具ソケット端子25b2との間に印加される。
【0114】
LED照明管30の照明管ソケット端子33を蛍光灯照明器具20の照明器具ソケット22の差込穴24に差し込むことにより、このLED照明管30を蛍光灯照明器具20に取り付けると、選択スイッチ182の選択により、下記の二通りの照明状態(Go)、(No)が起きる。
例えば、選択スイッチ182がx接点に接続されている場合において、照明管ソケット端子33a2及び33b2がそれぞれ照明器具ソケット端子25a2及び25b2に接続され、照明管ソケット端子33a1及び33b1がそれぞれ照明器具ソケット端子25a1及び25b1に接続されたときは、商用交流電源ACSの交流電圧Eaは、インダクタ12−3を介して、照明管ソケット端子33a2と照明管ソケット端子33b2に印加される。これにより、その印加された電圧が、選択スイッチ182を通り、切換回路部13−1を通り、第一の倍電圧整流回路部11に印加され、発光回路部14−1に電流Ibが供給されて、LED群142が通常の輝度で発光する通常照明状態(Go)となる。
【0115】
これに対し、照明管ソケットの接続を変えて、照明管ソケット端子33a2及び33b2がそれぞれ照明器具ソケット端子25a1及び25b1に接続され、照明管ソケット端子33a1及び33b1がそれぞれ照明器具ソケット端子25a2及び25b2に接続されたときは、商用交流電源ACSの交流電圧Eaは、照明管ソケット端子33a1と照明器具ソケット端子33b1に印加される。ここで、選択スイッチ182がx接点に接続されている(y接点が開放となっている)ことにより、照明管ソケット端子33a1と接続部M0との間が接続されていないので、その印加された電圧は、照明管ソケット端子33a1からコンデンサ181を通り、切換回路部13−1を通り、第二の倍電圧整流回路部11’に印加される。そして、発光回路部14−1に減少された電流Ibが供給されて、LED群142が通常よりも低い輝度で発光するディマ照明状態(No)となる。この場合は、切換回路部13−1がオン状態でディマ照明になっていることから、LED照明管30の使用者が主スイッチ132を切換操作しても、通常照明に切り換えることができない。これにより、使用者は、当該LED照明管30の接続状態が、(No)の接続であることを知得できる。また、この状態で、使用者が選択スイッチ182をy接点側に切り換えることにより、商用交流電源ACSの交流電圧Eaが第二の電圧整流回路部11’に印加され、発光回路部14−1に電流Ibが供給されるので、通常照明状態(Go)となる。
【0116】
このように、LED照明回路10−3は、照明管ソケット端子33b1又は33b2のいずれかの端子に交流電圧が印加されたときには、第一の倍電圧整流回路部11又は第二の倍電圧整流回路部11’のいずれかが選択されることになるが、照明管ソケット端子33a1又は33a2のいずれかを選択する場合には、選択スイッチ182の切換で選択することになる。ここで、照明管ソケット端子33a1と接続部M0、及び、照明管ソケット端子33a2と接続部M0をそれぞれショートして選択スイッチ182を省略することが考えられるが、後述するラピッドスタータ式蛍光灯照明器具に取り付けた場合に、それら照明管ソケット端子33a1と33a2との間にヒータ電圧が印加されることになり、ラピッドスタータ式蛍光灯照明器具を破損する危険性がある。従来から、グロースタータ式とラピッドスタータ式蛍光灯器具のLED照明管30は同一形状であるために、代替のLED照明灯も同一形状となるので、安全のためにこの選択スイッチ182で切り換えることになる。
なお、LED照明回路10−3に流れる電流(電流Ia、放電電流Ib、充電電流)は、原理的には、第一実施形態のLED照明回路10−1に流れる電流と同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0117】
(2−3)LED照明回路の他の構成
(2−31)1灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具の場合
次に、蛍光灯照明器具が1灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具の場合におけるLED照明回路の構成について、図6を参照して説明する。
同図は、1灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具に備えられる照明器具側回路SK2の構成を示す回路図である。
【0118】
同図に示すように、商用交流電源ACSの交流電圧Eaは、インダクタ(安定器)12−3’を介して、第一の照明器具ソケット22a及び第二の照明器具ソケット22bにおける照明器具ソケット端子25a(25a1及び25a2)と照明器具ソケット端子25b(25b1及び25b2)との間に印加される。
照明器具側回路SK2の照明器具ソケット端子25a1、25a2、25b1、25b2は、接続される蛍光管の各ヒータを加熱するために設けられたヒータ用の電源端子であり、例えば、この端子間に約3Vrms程度の電圧が印加される。
【0119】
図6に示す照明器具側回路SK2を備えた照明器具20’(図示せず)に、図5に示すLED照明管側回路SCを備えたLED照明管30を取り付けた場合は、商用交流電源ACSの交流電圧Eaが、インダクタ12−3’を介して照明器具ソケット端子25a1及び25a2と、照明器具ソケット端子25b1及び25b2とのいずれにも、印加される。これにより、照明管ソケット端子33a1及び33a2と照明管ソケット端子33b1及び33b2のいずれの端子にも交流電圧の一方が供給されるので、選択スイッチ182は、x接点又はy接点のいずれの接点端子を選択してもよい。照明管ソケット32bの照明管ソケット端子33b2は第一の倍電圧整流回路部11の接続部M4に、照明管ソケット端子33b1は第二の倍電圧整流回路部11’の接続部M4’に接続されており、両端子間に前述のヒータ用の電圧が重畳されているので、いずれか高い電圧から電流が供給される。照明管ソケットの組み合わせを変えたときにも同様に動作するので、この場合も選択スイッチ182を切り換える必要はない。よって、この場合は、コンデンサ181及び選択スイッチ182を省略することができる。
【0120】
ここで、図6に示す照明器具側回路SK2に接続されたLED照明管側回路SCの倍電圧整流回路部11又は11’の第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112の容量は、インダクタ12−3’に含まれる進相コンデンサ12cと直列接続回路となるため、第一の倍電圧整流回路部11の入力端子M1と接続部M4との間の電圧及び第二の倍電圧整流回路部11’の入力端子M1と接続部M4’との間の電圧(即ち図2で示した電圧Eb)が概略半減する。前記の(4)式に示すVkの項が例えば約1/2になるので、Cの項を約二倍にすると補正することができる。したがって、LED照明管側回路SCの倍電圧整流回路部11又は11’の第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112の容量を約二倍に増やすことにより、放電電流Ibを所定の電流とすることができる。すなわち、図5に示すLED照明管側回路SCを備えたLED照明管30を、同図に示す照明器具側回路SK1を備えたグロースタータ式蛍光灯照明器具に取り付けた場合と、図6に示すラピッドスタータ式蛍光灯照明器具に取り付けた場合では、後者の倍電圧整流回路部11の第一コンデンサ111及び第二コンデンサ112を約2倍の容量にすることで、前者に取り付けた場合と同等の放電電流Ibを流すことができる。
【0121】
なお、図6に示す照明器具側回路SK2に接続されたLED照明管側回路SCの構成は、図1に示すLED照明回路10−1のうちLED照明管側回路SCに相当する部分の回路の構成であってもよく、また、図3に示すLED照明回路10−2のうちLED照明管側回路SCに相当する部分の回路の構成であってもよい。後者の場合、切換回路部13−2の主スイッチ132’をオフにすると、交流電圧の入力端子である接続部M0と倍電圧整流回路部11の接続部M1との間にコンデンサ131が挿入された回路となり、発光回路部14−2に流れる電流Ibが減少してディマ照明状態になる。このとき、主スイッチ132’をオフしてディマ照明状態にする条件は、発光素子部141の過電流又は過熱の検知による場合と、ディマスイッチ134の切り換えによる場合がある。
【0122】
(2−32)2灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具の場合
次に、蛍光灯照明器具が2灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具の場合のLED照明回路の構成について、図7、図8を参照して説明する。
図7は、2灯用の蛍光灯照明器具及びLED照明管の構成を示す外観斜視図、図8は、2灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具に備えられる照明器具側回路SK3の構成を示す回路図である。
【0123】
図7に示すように、2灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具20''は、二本のLED照明管30を取付可能となっており、それら二本のLED照明管30のそれぞれに対応して、照明器具ソケット22(22a、22b、22c、22d)が配設されている。具体的には、一のLED照明管30に対応して、照明器具ソケット22a、22cが配設されており、他のLED照明管30に対応して、照明器具ソケット22b、22dが配設されている。
なお、同図に示す2灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具20''とLED照明管30とを併せて「LED照明装置B’」という。
【0124】
図8に示すように、2灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具20''に備えられる照明器具側回路SK3は、図6に示す1灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具20に備えられる照明器具側回路SK2と比較して、照明器具ソケット22c、22dを新たに設けている点等で相違する。
照明器具ソケット22cの照明器具ソケット端子25c1と照明器具ソケット22dの照明器具ソケット端子25d1、照明器具ソケット端子25c2と照明器具ソケット端子25d2は、それぞれ直接に接続され、それらの二つの接続部は、インダクタ(安定器)12−3’’に設けられている2次巻線12dを介して互いに接続されている。その他の構成は、図6に示す照明器具回路SK2の構成と同様である。
【0125】
図8に示す照明器具回路SK3が配設された2灯用のラピッドスタータ式蛍光灯照明器具20''にLED照明管30を取り付ける場合、一のLED照明管30は、照明器具ソケット22aと照明器具ソケット22cとの間に取り付けられ、他のLED照明管30は、照明器具ソケット22bと照明器具ソケット22dとの間に取り付けられる。これにより、それら二本のLED照明管30が、照明器具ソケット22aと照明器具ソケット22bとの間に直列に接続されることになる。
このように、図8に示す照明器具側回路SK3を備えた蛍光灯照明器具20''に二本のLED照明管30を取り付けた場合、LED照明管側回路SCは等価的に交流で動作する容量性リアクタンス構成の定電流回路に飽和型負荷であるLED群142を直列に接続した回路であるから、前記定電流回路二個と前記負荷が二個直列に接続した回路となる。この定電流回路はコンデンサなので、等価的に二個のコンデンサを直列に接続した回路である。したがって、この二個のコンデンサに印加される電圧は、容量に反比例して配分された状態になり、二個のコンデンサに流れる同じ電流Ibが各発光回路部14−1を直列に流れて照明する。
【0126】
2灯のうちの1灯の切換回路部13−1の主スイッチ132をオフにすると、交流電圧の入力端子である接続部M0と倍電圧整流回路部11の接続部M1との間にコンデンサ131が前述した二個のコンデンサに直列に挿入された回路となり、総合容量で決まる電流Ibが両灯に流れてディマ照明状態になる。2灯ともオフの場合は、さらに少ない総合容量による(約1/2の)電流Ibが両灯に流れてディマ照明状態になる。
また、LED照明管側回路SCとして、図3に示すLED照明回路10−2のうちの切換回路部13−2、倍電圧整流回路部11、発光回路部14−2をLED照明管30に配設した場合、切換回路部13−2の主スイッチ132’をオフしてディマ照明状態にする条件は、発光素子部141の過電流又は過熱の検知による場合と、ディマスイッチ134の切換による場合がある。
【0127】
なお、一のLED照明管30の照明管ソケット端子33a1、33a2、33b1、33b2が、照明器具ソケット端子25a1、25a2、25c1、25c2に対してどのように接続されても、そして、他のLED照明管30の照明管ソケット端子33a1、33a2、33b1、33b2が、照明器具ソケット端子25b1、25b2、25d1、25d2に対してどのように接続されても、全ての場合において適正に両方の発光回路部14−1に放電電流Ibを供給することができる。
【0128】
[LED照明回路の第四実施形態(LED照明装置の第二実施形態)]
次に、本発明のLED照明回路の第四実施形態(LED照明装置の第二実施形態)について、図9を参照して説明する。同図は、本実施形態のLED照明回路の構成を示す回路図である。
本実施形態は、LED照明回路の第一実施形態と比較したときに、通常照明とディマ照明とを切換可能とする切換回路部に代えて、電源オフと電源オン(通常照明)とディマ照明との三種類の状態を切換可能とする電源切換回路部を備えた点が相違する。他の構成要素は、LED照明回路の第一実施形態と同様である。
したがって、図9において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0129】
なお、ここでは、次の項目について、順に説明する。
(1)LED照明回路の構成
(2)LED照明回路の動作
(3)LED照明回路を照明器具及びLED照明管に備えた場合の構成
【0130】
(1)LED照明回路の構成
図9に示すように、LED照明回路10−4は、電源入力端子T1、T2と、倍電圧整流回路部11と、インダクタ12−1と、電源切換回路部13−4と、発光回路部14−1とを備えている。
電源切換回路部13−4は、コンデンサ131と、切換スイッチ132−4とを有している。
切換スイッチ132−4は、1回路、3接点の手動のスイッチである。この切換スイッチ132−4は、コモン端子(COM)が第二の電源入力端子T2に接続されており、第一の接点端子xが開放されており、第二の接点端子yが倍電圧整流回路部11の接続部M4に接続されており、第三の接点端子zがコンデンサ131の一端に接続されている。コンデンサ131の他端は、倍電圧整流回路部11の接続部M4に接続されている。
【0131】
なお、電源切換回路部13−4は、図9においては、第二の電源入力端子T2と倍電圧整流回路部11の接続部M4との間に直列に接続されているが、これに限るものではなく、例えば、第一の電源入力端子T1とインダクタ12−1との間に直列に接続することができる。この場合、切換スイッチ132−4のコモン端子(COM)が第一の電源入力端子T1に接続され、第一の接点端子xが開放され、第二の接点端子yがインダクタ12−1の一端に接続され、第三の接点端子zがコンデンサ131の一端に接続され、コンデンサ131の他端がインダクタ12−1の一端に接続される。
【0132】
また、電源切換回路部13−4は、図10に示すように、電源オン(ON)と電源オフ(OFF)とを切り換える電源スイッチ19と、通常照明とディマ照明とを切り換える切換回路部13−1とに分けることができる。この場合の回路構成としては、電源スイッチ19を、第二の電源入力端子T2と倍電圧整流回路部11の接続部M4との間に直列に接続し、切換回路部13−1を、インダクタ12−1と倍電圧整流回路部11の接続部M1との間に直列に接続することができる。
すなわち、電源入力端子T1、T2間に、インダクタ12−1と、切換回路部13−1と、倍電圧整流回路部11と、電源スイッチ19とを順不同で直列に接続することができる。ただし、電源スイッチ19のCOM端子は、電源入力端子T1又はT2のいずれかに接続した回路とすることが望ましい。
【0133】
また、電源切換回路部13−4は、図3に示すLED照明回路10−2の交流電源ACSの入力回路部に接続することもできる。
さらに、電源切換回路部13−4は、図5、図6、図8に示す照明器具側回路SK1、SK2、SK3にも接続可能であるが、これらの構成については、後記の「(3)LED照明回路を照明器具及びLED照明管に備えた場合の構成」にて詳述する。
【0134】
(2)LED照明回路の動作
図9に示すLED照明回路10−4は、電源切換回路部13−4の切換スイッチ132−4の切換により、電源オフ、電源オン(通常発光状態)、ディマ照明(低輝度発光状態)の三種類の状態を選択できるようになっている。
例えば、切換スイッチ132−4が切り換えられてコモン端子(COM)と接点端子xが接続されたときは、交流電源ACSから流れる電流の経路が当該切換スイッチ132−4で切断されて、LED群142に電流が流れないので、LED群142は、消灯状態となる。
【0135】
また、切換スイッチ132−4が切り換えられてコモン端子(COM)と接点端子yが接続されたときは、電源オン(通常発光状態)が選択される。この場合、第二の電源入力端子T2と倍電圧整流回路部11の接続部M4が直接接続されたのと同じ状態となるため、図1に示す切換回路部13−1の主スイッチ132がオン状態になったのと同じ状態となり、LED群142に電流Icが流れて、通常発光状態となる。
【0136】
さらに、切換スイッチ132−4が切り換えられてコモン端子(COM)と接点端子zが接続されたときは、ディマ照明(低輝度発光状態)が選択される。この場合、第二の電源入力端子T2と倍電圧整流回路部11の接続部M4との間にコンデンサ131が直列に接続されたのと同じ状態となるため、このコンデンサ131に電流が流れ、LED群142に減少した電流Icが流れて、低輝度発光状態となる。
このように、電源切換回路部13−4の切換スイッチ132−4を切り換えることにより、電源オフ、電源オン(通常発光状態)、ディマ照明(低輝度発光状態)のうちから任意の一つを選択することができる。
【0137】
なお、図10に示すLED照明回路10−4’においても、図9に示すLED照明回路10−4と同様に、電源オフ、電源オン、ディマ照明の三種類の状態を選択できる。
例えば、電源スイッチ19が切り換えられてコモン端子(COM)と接点端子xが接続されたときは、電源オフが選択され、LED群142は、消灯状態となる。
また、電源スイッチ19が切り換えられてコモン端子(COM)と接点端子yが接続されるとともに、切換回路部13−1の主スイッチ132がオンのときは、電源オン(通常発光状態)が選択され、LED群142は、通常発光状態となる。
さらに、電源スイッチ19が切り換えられてコモン端子(COM)と接点端子yが接続されるとともに、切換回路部13−1の主スイッチ132がオフのときは、ディマ照明(低輝度発光状態)が選択され、LED群142は、低輝度発光状態となる。
【0138】
(3)LED照明回路を照明器具及びLED照明管に備えた場合の構成
図9、図10に示したLED照明回路10−4、10−4’は、LED照明管に配設することができる。それらのうち、図9に示すLED照明回路10−4をLED照明管照明器具及びLED照明管に配設する場合には、そのLED照明回路10−4を、例えば、図11に示すような回路構成とすることで配設可能となる。なお、ここでは、図11に示すLED照明回路を、「LED照明回路10−4’’」として説明する。
【0139】
同図に示すように、LED照明回路10−4’’は、電源入力端子T1、T2と、電源切換回路部13−4と、インダクタ(安定器)12−1と、照明器具ソケット端子25(25a1、25a2、25b1、25b2)と、照明管ソケット端子33(33a1、33a2、33b1、33b2)と、コンデンサ181と、選択スイッチ182と、切換回路部13−1と、第一の倍電圧整流回路部11と、第二の倍電圧整流回路部11’と、発光回路部14−1と、を備えている。
【0140】
このような構成を備えたLED照明回路10−4’’は、電源入力端子T1、T2と電源切換回路部13−4とインダクタ12−1と照明器具ソケット端子25が、LED照明管照明器具20’’’(図12参照)に備えられており、照明管ソケット端子33と、コンデンサ181と、選択スイッチ182と、切換回路部13−1と、第一の倍電圧整流回路部11と、第二の倍電圧整流回路部11’と、発光回路部14−1が、LED照明管30に備えられている。
ここで、LED照明管照明器具20’’’に備えられた電源入力端子T1、T2と電源切換回路部13−4とインダクタ12−1と照明器具ソケット端子25とにより構成される回路を、照明器具側回路SK4とする。
照明器具側回路SK4は、電源入力端子T1、T2と照明器具ソケット22a、22bとの間に配設された回路であって、図9に示すLED照明回路10−4の構成の一部(電源入力端子T1、T2、電源切換回路部13−4、インダクタ12など)を含んだLED照明管照明器具側回路である。
【0141】
また、図11に示すLED照明管側回路SCは、図5に示したLED照明回路10−3のLED照明管側回路SCと同一である。すなわち、図11に示すLED照明回路10−4''は、図5に示すグロースタータ式蛍光灯器具の照明器具側回路SK1に接続していたLED照明管側回路SCと、LED照明管照明器具側回路として電源切換回路部13−4を含んだ照明器具側回路SK4を接続したものである。
なお、図11に示すLED照明管側回路SCは、図9に示すLED照明回路10−4の構成の他の一部(倍電圧整流回路部11、発光回路部14−1など)を含んでいる。
【0142】
また、図11に示すLED照明回路10−4’’の照明器具ソケット端子25a1と25a2、及び25b1と25b2間をショートした回路は、グロースタータ式蛍光灯器具又はラピッドスタータ式蛍光灯器具に接続可能なLED照明管側回路SCをLED照明管照明器具側回路である照明器具側回路SK4にも接続できるように、互換性を持たせた回路である。両端子間をショートすることにより、一方の照明器具ソケット端子25a1と25a2は、照明管ソケット端子33a1と33a2のいずれにも接続されるので、選択スイッチ182の操作無しに接続され、他方の照明器具ソケット端子33b1と33b2も同様に、第一及び第二の倍電圧整流回路部11の接続部M4とM4’のいずれにも接続される。
【0143】
なお、電源切換回路部13−4は、図12に示すように、LED照明管照明器具20'''の基部21の下面23の任意の箇所に設けることができる。具体的には、電源切換回路部13−4は、手動でスライド(摺動)させるつまみ部と、このつまみ部を支持する支持枠が、LED照明管照明器具20’’’の基部21の下面23から露出するように設けることができる。
また、本実施形態においては、LED照明管照明器具20'''とLED照明管30とを併せて「LED照明装置B’’」という。
【0144】
以上のように、本実施形態のLED照明回路は、電源オフ、電源オン、ディマ照明の三種類の状態を切換可能な電源切換回路部を備えた構成としたので、任意のタイミングで、点灯、消灯、ディマ照明を、容易かつ確実に切り換えることができる。
また、本実施形態のLED照明回路は、交流電源の入力回路に直列にコンデンサを挿入することにより、容易にディマ照明とすることができるので、電源をオンオフする電源スイッチと、通常照明とディマ照明とを切り換える切換回路部とを結合することにより、本実施形態のLED照明回路を構成できる。
【0145】
さらに、従来の室内照明の多くは、壁スイッチにより、複数の照明器具の電源をオンオフするようになっている。本実施形態のLED照明器具を、室内の天井などに複数設置し、個別に切換操作(要否選択)を行うようにすることで、それら複数のLED照明器具の中から任意の数のLED照明器具をディマ照明に切り換えて明るさを調整することにより、省エネを図ることができる。
【0146】
また、ディマ照明を実現可能な本実施形態のLED照明回路は、様々な場所に使用可能である。
例えば、フットライトのように、僅かな明かりが必要な場所に使用することができる。これにより、その僅かな明かりを得るための、輝度の低い小型電球(いわゆる豆電球)を備えることなく、本実施形態のLED照明器具がその必要性を満たすことができる。
さらに、本実施形態のLED照明回路は、電源のオンオフとディマ照明とを手動で簡単に切り換えることができるので、電気スタンドや小型の照明器具などに用いることができ、手軽に省エネルギーに寄与できる。
【0147】
なお、図9に示すLED照明回路10−4は、電源切換回路部13−4にコンデンサ131を一つのみ備えて、電源オン、電源オフ、ディマ照明の三種類の状態を選択可能としているが、この構成に限るものではなく、例えば、電源オン、電源オフの他に、明るさの異なる複数段階のディマ照明を選択できるようにすることができる。すなわち、容量の異なる複数のコンデンサを切換スイッチ132−4の接点を増やして、それらの端子にそれぞれ接続することにより、明るさの異なる複数段階のディマ照明を選択できる。
ディマ照明状態では、電源切換回路部13−4のコンデンサ131が倍電圧整流回路部11のコンデンサ111及び112と直列に接続されるので、かかるコンデンサの総合容量が少なくなり、そのために電流Ibの位相が進み、力率が低下する。このときの力率を改善するには、コンデンサ131と直列にインダクタを追加挿入することで調整することができる。
【0148】
[LED照明回路の第五実施形態(LED照明装置の第三実施形態)]
次に、本発明のLED照明回路の第五実施形態(LED照明装置の第三実施形態)について、図13、図14を参照して説明する。図13は、本実施形態のLED照明回路の構成を示す回路図である。図14は、図13に示すLED照明回路に備えられる電源切換回路部及びリモコン送信機用回路の構成を示す回路図である。
本実施形態は、第一実施形態のLED照明回路に付加できる、電源オンと電源オフとディマ照明との三種類の状態を切換可能とする電源切換回路部と、この電源切換回路部を無線信号により操作するリモコン送信機とを備えるLED照明回路である。
なお、図13において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0149】
なお、ここでは、次の項目について、順に説明する。
(1)LED照明回路及び電源切換回路部の構成
(2)LED照明回路及び電源切換回路部の動作
【0150】
(1)LED照明回路及び電源切換回路部の構成
図13に示すように、本実施形態のLED照明回路10−5は、電源入力端子T1、T2と、電源切換回路部13−5と、リモコン送信機用回路51と、インダクタ(安定器)12−1と、照明器具ソケット端子25(25a1、25a2、25b1、25b2)と、照明管ソケット端子33(33a1、33a2、33b1、33b2)と、コンデンサ181と、選択スイッチ182と、切換回路部13−1と、第一の倍電圧整流回路部11と、第二の倍電圧整流回路部11’と、発光回路部14−1と、を備えている。
【0151】
ここで、電源切換回路部13−5は、図14に示すように、定電圧生成部137と、ドライバ部138と、スイッチ部139とを有している。
定電圧生成部137は、ダイオードD71と、抵抗R71と、ツェナーダイオードZ71と、コンデンサC71とを有している。ダイオードD71と抵抗R71とツェナーダイオードZ71は、第一の電源入力端子T1と第二の電源入力端子T2との間に、直列に接続されている。具体的には、ダイオードD71のカソードが、第一の電源入力端子T1に接続され、アノードが、抵抗R71の一端に接続されている。抵抗R71の他端は、ツェナーダイオードZ71のアノードに接続され、ツェナーダイオードZ71のカソードは、第二の電源入力端子T2に接続されている。コンデンサC71は、一端が抵抗R71とツェナーダイオードZ71との接続部M20に接続され、他端が、ツェナーダイオードZ71のカソードに接続されている。
【0152】
ドライバ部138は、抵抗R81と、抵抗R82と、抵抗R83と、抵抗R84と、コンデンサC81と、増幅器AMP81とを備えている。具体的には、抵抗R81は、一端が第二の電源入力端子T2に接続され、他端が増幅器AMP81の正入力端子に接続されている。抵抗R82は、一端が増幅器AMP81の正入力端子に接続され、他端が定電圧生成部137の接続部M20に接続されている。抵抗R83は、一端が増幅器AMP81の正入力端子に接続され、他端が、増幅器AMP81の出力端子に接続されている。抵抗R84は、一端が増幅器AMP81の出力端子に接続され、他端が、増幅器AMP81の負入力端子に接続されている。コンデンサC81は、一端が増幅器AMP81の負入力端子に接続され、他端が定電圧生成部137の接続部M20に接続されている。なお、増幅器AMP81の電源は、定電圧生成部137の定電圧−Eeから供給されている。
【0153】
スイッチ部139は、コンデンサC91と、抵抗R91と、PINフォトダイオードPDと、フリップフロップFF1と、フリップフロップFF2と、NAND回路(ゲート)G1と、NAND回路(ゲート)G2と、抵抗R92と、抵抗R93と、トライアック132’−1と、トライアック132’−2と、コンデンサ131と、リモコン受光制御部RCとを有している。
ここで、コンデンサC91と抵抗R91は、第二の電源入力端子T2と定電圧生成部137の接続部M20との間に、直列に接続されている。具体的には、コンデンサC91の一端が第二の電源入力端子T2に接続され、他端が抵抗R91の一端に接続され、抵抗R91の他端が定電圧生成部137の接続部M20に接続されている。そして、コンデンサC91と抵抗R91との接続部は、リモコン受光制御部RCの入力端子Sに接続されている。
PINフォトダイオードPDは、カソードがリモコン受光制御部RCの入力端子PIに接続され、アノードが定電圧生成部137の接続部M20に接続されている。
【0154】
フリップフロップFF1とフリップフロップFF2は、例えばD型フリップフロップを用いることができ、ハイレベル(H)又はローレベル(L)の信号を入力するデータ入力端子S(S1、S2)と、クロック信号を入力するクロック入力端子C(C1、C2)と、正の出力信号を出力する出力端子Q(Q1、Q2)と、出力端子Qの出力信号に対して反転した信号を出力する出力端子−Q(−Q1、−Q2。本来であれば、図14に示すように、Q1やQ2の上にバー(オーバーバー)を付するべきところ、ここでは、その表記が行えないため、「−Q1、−Q2」を代わりに用いて表記する)とを有している。
そして、フリップフロップFF1は、データ入力端子S1がリモコン受光制御部RCのセット出力端子A1に接続され、クロック入力端子C1がリモコン受光制御部RCの出力端子Cに接続され、出力端子Q1がNAND回路G1の一方の入力端子に接続され、出力端子−Q1が開放されている。フリップフロップFF2は、データ入力端子S2がリモコン受光制御部RCのセット出力端子A2に接続され、クロック入力端子C2がリモコン受光制御部RCの出力端子Cに接続され、出力端子Q2がNAND回路G2の一方の入力端子に接続され、出力端子−Q2が開放されている。
【0155】
NAND回路G1の他方の入力端子と、NAND回路G2の他方の入力端子は、ドライバ部138の増幅器AMP81の出力端子に接続されている。NAND回路G1の出力端子は、抵抗R92の一端に接続され、抵抗R92の他端がトライアック132’−1のゲートに接続されている。NAND回路G2の出力端子は、抵抗R93の一端に接続され、抵抗R93の他端がトライアック132’−2のゲートに接続されている。
トライアック132’−1は、T1端子が第二の電源入力端子T2に接続され、T2端子が第二の電源出力端子T2’に接続されている。トライアック132’−2は、T1端子が第二の電源入力端子T2に接続され、T2端子がコンデンサ131を介して第二の電源出力端子T2’に接続されている。なお、第二の電源出力端子T2’は、例えば図1の第二の電源入力端子T2と倍電圧整流回路部11の接続部M4との間に設けられる端子である。
【0156】
リモコン送信機用回路51は、リモコン送信機50に備えられた回路である。
リモコン送信機50は、LED照明管照明器具20’’’やLED照明管30とは別個独立して形成された、いわゆるリモートコントローラーであって、持ち運び容易に小型化されたもの、壁などに取り付けて固定されたもの、壁にホルダーを設けてこれに着脱可能な構造としたものなどがある。
【0157】
リモコン送信機用回路51は、当該リモコン送信機用回路51に電源を供給する電池BTと、パルス信号を出力するパルス発生器PGと、そのパルス信号にもとづいて赤外線のコード化した変調信号を操作信号として発射(無線送信)する赤外発光LED(LED2)とを有している。
また、リモコン送信機50には、一又は二以上の押しボタン(図示せず)が備えられており、押された押しボタンの種類又は押しボタンが押された回数などに応じてパルス発生器PGが所定のパルス信号を出力し、このパルス信号にもとづいてLED2が発光して、赤外線のコード化した変調信号を発射するようになっている。
【0158】
(2)LED照明回路及び電源切換回路部の動作
定電圧生成部137は、第二の電源入力端子T2をコモン(COM)として、電源切換回路部13−5に必要な直流電源−Eeを与える。すなわち、第一の電源入力端子T1における交流電圧Eaを第二の電源入力端子T2を共通端子(COM)として整流ダイオードD71で整流後、抵抗R71とツェナーダイオードZ71とで分圧した直流電圧−Eeを接続部M20から出力する。
【0159】
ドライバ部138は、図3に示すドライバ部176とほぼ同様の動作をするものであり、トライアック132’−1、132’−2をトリガする電力を低減するために必要な、デューティ制御したパルス列を発生する。
このドライバ部138では、抵抗R81をハイレベルであるCOM端子(第二の電源入力端子T2)に接続しているので、交流電圧Eaが供給されている間は、常時発振するようになっている。その詳細な動作原理は、第二実施形態においてドライバ部176の動作として既に説明してあるので、ここでの説明は省略する。
【0160】
スイッチ部139は、外部のリモコン送信機50から発射される赤外線のコード化した変調信号をセンサであるPINフォトダイオードPDで受光し、その電気信号をリモコン受光制御部RCで復調して、セット出力端子A1、A2からセット信号を出力する。
セット出力端子A1、A2からのセット信号によりセットされたフリップフロップFF1、FF2のコードをNAND回路G1、G2で論理選択して、トライアック132’−1又は132’−2のゲートをパルス列信号でトリガするようになっている。
【0161】
ここで、NAND回路G1が選択されると、抵抗R92を通して、デューティ制御された負のパルス列信号でトライアック132’−1をトリガし続けて、このトライアック132’−1のオン状態を保ち、通常照明状態とする。
一方、NAND回路G2が選択されると、抵抗R93を通して、同様にトライアック132’−2をトリガし続けて、このトライアック132’−2のオン状態を保ち、コンデンサ131を通した交流電流により、ディマ照明とする。
また、NAND回路G1及びG2のいずれも選択されなければ、トライアック132’−1及び132’−2のいずれのゲートもトリガしないので、電源オフになる。
なお、フリップフロップFF1、FF2のデータ入力端子S1、S2は、電源投入時の初期設定入力でもあり、電源投入時に通常照明状態にセットされる。
【0162】
リモコン受光制御部RCは、PINフォトダイオードPDで受信された操作信号(赤外線のコード化された変調信号)を入力端子PIで入力すると、この操作信号を解読して、命令信号に変換し、セット出力信号A1、A2をフリップフロップFF1、FF2のデータ入力端子S1、S2に入力し、クロック信号CでフリップフロップFF1、FF2にセットする。例えば、セット出力信号A1が1(H:High)、セット出力信号A2が0(L:Low)であれば、フリップフロップFF1の出力Qは1(H)、フリップフロップFF2の出力Qは0(L)にセットされる。
【0163】
フリップフロップFF1、FF2は、ラッチレジスタであり、セットされた状態は、次のセット出力信号を入力するまで保持される。
NAND回路G1、G2は、2入力NANDゲートであり、両入力ともにHであるときにだけ出力がLになり、いずれか又は両方がLなら、出力はHになる動作をする。
トライアック132’−1、132’−2は、コモン端子である第二の電源入力端子T2にいずれもT1端子が接続されており、選択した方のゲートに、抵抗R92又はR93を通して負のトリガ電流を流すことで、トライアック132’−1又は132’−2をオンさせるようになっている。
【0164】
交流電圧Eaが供給される初期状態では、コンデンサC91の両端は0Vであるので、直流電源−Eeが立ち上がると、リモコン受光制御部RCの入力SがHとなり、セット出力A1が1(H)、セット出力A2が0(L)となり、クロック信号Cにより、フリップフロップFF1の出力Q1がH、フリップフロップFF2の出力Q2がLにセットされる。NAND回路G1の入力Q1がHになり、ドライバ部138の出力DRがHになると、NAND回路G1の出力がLとなる。すなわち、電源投入の初期状態は、フリップフロップFF1がセットされ、フリップフロップFF2がリセットされるので、NAND回路G2の出力端子LTは、負のパルス列を出力して、抵抗R92を通してトライアック132’−1のゲートをトリガしてトライアック132’−1をオンさせて、通常照明となる。このとき、フリップフロップFF2の出力Q2はLなので、トライアック132’−2はオフ状態となる。
【0165】
リモコン送信機50からディマ照明にする命令を送ると、リモコン受光制御部RCのセット出力A1が0(L)、セット出力A2が1(H)となり、これらがフリップフロップFF1、FF2にセットされると、フリップフロップFF1の出力Q1がL、フリップフロップFF2の出力Q2がHにセットされるので、NAND回路G2の出力DMから負のパルス列が出力されて、トライアック132’−2がオンとなりディマ照明となる。このとき、トライアック132’−1は、オフ状態になる。
一方、リモコン送信機50から電源オフにする命令を送ると、リモコン受光制御部RCのセット出力A1が0(L)、セット出力A2も0(L)となり、これらがフリップフロップFF1、FF2にセットされると、フリップフロップFF1の出力Q1がL、フリップフロップFF2の出力Q2もLにセットされるので、NAND回路G1、G2のいずれの出力LT、DMはHとなり、トライアック132’−1、132’−2をトリガしないのでオフとなり、電源オフの状態になる。
【0166】
以上のように、本実施形態のLED照明回路は、リモコン送信機を操作して、LED照明管照明器具に設けられた電源切換回路部に対して操作信号を無線送信することで、電源オフ、電源オン、ディマ照明の三種類の状態を、容易かつ確実に切り換えることができる。
【0167】
なお、図13に示すLED照明回路10−5のうち、LED照明管照明器具20'''に配設される電源入力端子T1、T2、電源切換回路部13−5、インダクタ12−1、LED照明器具ソケット端子25により構成される回路を、照明器具側回路SK5というものとする。
また、図14に示す電源切換回路部13−5は、図1、3、5に示すLED照明回路10−1、10−2、10−3の交流電源の入力端子に接続することができる。
さらに、本実施形態においては、図13に示す照明器具側回路SK5が配設されるLED照明管照明器具20'''と、同図に示すLED照明管側回路SCが配設されるLED照明管30とを併せて「LED照明装置」という。
【0168】
また、LED照明管とLED照明器具がコネクタで分離した構造となっているときは、LED照明管に配設された保護回路で制御される切換回路部とLED照明器具側に配設された電源切換回路部が直列に接続されることになるが、両者が一体化した構造の場合には、保護回路で駆動する光伝達素子の二次側を電源切換回路部のリモコン受光制御部に信号を送るようにすれば、切換回路部を省略することも可能である。すなわち、一体化した場合には、光伝達素子の二次側である2本の線を電源切換回路部に接続できるので、光伝達素子を二次側がフォトトランジスタであるフォトカプラにするなどして、リモコン受光制御部の入力端子(例えば、IO端子を追加)に信号を入力することで、切換回路部を省略することができる。
【0169】
また、図5及び図11に示す、グロースタータ式蛍光灯器具、ラピッドスタータ式蛍光灯器具及びLED照明管照明器具のいずれにも接続可能なLED照明管側回路SCの回路は、それぞれの照明器具のインダクタ及びLED照明管側回路SCに印加される電圧が異なるので、それぞれに適合したコンデンサ111及び112を定数設定して、接続する照明器具に応じて切り換えれば、互換性(interchangeability)を得ることができる。
【0170】
以上、本発明のLED照明回路及びLED照明装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るLED照明回路及びLED照明装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、図1においては、切換回路部13−1が、インダクタ12−1と倍電圧整流回路部11の接続部M1との間に一つのみ接続されているが、切換回路部13−1は、一つに限るものではなく、それらインダクタ12−1と倍電圧整流回路部11の接続部M1との間に、複数直列に接続することもできる。この場合、複数の切換回路部13−1のそれぞれの主スイッチ132を任意に(又は、所定の条件下で)切り換えることにより、直列に接続されるコンデンサ131の総合容量を変化させて、LED群142の輝度をその総合容量の変化に応じて複数段階で変化させることができる。
【0171】
なお、本発明のLED照明回路は、第一実施形態〜第五実施形態のそれぞれにおけるLED照明回路を任意に組み合わせたものであってもよい。
また、本発明のLED照明装置は、第一実施形態〜第三実施形態のそれぞれにおけるLED照明装置を任意に組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0172】
10(10−1〜10−5) LED照明回路
11、11’ 倍電圧整流回路部
111 第一コンデンサ
112 第二コンデンサ
113 第一ダイオード
114 第二ダイオード
12(12−1、12−3、12−3’、12−3'') インダクタ
13−1、13−2 切換回路部
13−4、13−5 電源切換回路部
131 コンデンサ
132、132’ 主スイッチ
132−4 切換スイッチ
137 定電圧生成部
138 ドライバ部
139 スイッチ部
14(14−1、14−2) 発光回路部
141 発光素子部
142、142、142 LED群
15 平準化コンデンサ
16 バリスタ
17 保護回路
171 定電圧生成部
172 第一基準電圧発生部
173 過電流検出部
174 過熱検出部
175 ラッチ回路部
176 ドライバ部
20、20’、20'' 蛍光灯照明器具
20''' LED照明管照明器具
30 LED照明管
411〜41n、421〜42n LED
50 リモコン送信機
51 リモコン送信機用回路
T1、T2 電源入力端子
ACS 商用交流電源
B、B’、B'' LED照明装置
SK1、SK2、SK3、SK4、SK5 照明器具側回路
SC LED照明管側回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源を入力する電源入力端子と、インダクタと、前記交流電源を整流する倍電圧整流回路部と、複数のLEDが直列に接続されたLED群を含む発光回路部とを備えたLED照明回路であって、
前記電源入力端子と前記LED群との間に、前記インダクタと、前記倍電圧整流回路部が接続された回路と直列に、コンデンサとショート回路をスイッチで選択できる切換回路部を備え、
前記スイッチが前記ショート回路を選択したときには、前記LED群に流れる電流が前記ショート回路を流れて、前記LED群が通常の輝度で発光する通常発光状態となり、
前記スイッチが前記コンデンサを選択したときには、前記LED群に流れる電流が、前記コンデンサを通して流れて、前記通常発光状態のときに前記LED群に流れる電流よりも減少した電流となり、前記LED群が前記通常発光状態における輝度よりも低い輝度で発光する低輝度発光状態となる
ことを特徴とするLED照明回路。
【請求項2】
前記LED群に関する異常を検出する異常検出部を備え、
前記切換回路部は、前記異常検出部で異常が検出されると、前記スイッチが前記コンデンサを選択して、前記LED群に流す電流を前記コンデンサを通して流す切換制御手段を有し、
前記コンデンサは、自身に電流が流れることで、前記LED群に流れる電流を減少させて、前記LED群を前記低輝度発光状態で発光させる
ことを特徴とする請求項1記載のLED照明回路。
【請求項3】
前記コンデンサを、電流低減用コンデンサとし、
当該切換回路部は、前記電源入力端子と前記倍電圧整流回路部との間であって、前記インダクタの前又は後の間に設けられており、
前記倍電圧整流回路部は、それぞれの一端が接続された第一コンデンサ及び第二コンデンサと、前記第一コンデンサの他端にアノードが接続された第一ダイオードと、前記第二コンデンサの他端にカソードが接続されるとともに前記第一ダイオードのカソードにアノードが接続された第二ダイオードとを有し、
前記切換回路部は、前記第一コンデンサと前記第二コンデンサとの並列回路に直列に接続され、
前記異常検出部で異常が検出されていないときは、前記スイッチが前記ショート回路を選択して、前記第一コンデンサと第二コンデンサとの並列回路に電流を流して、前記LED群を前記通常発光状態の輝度で発光させ、
前記異常検出部で異常が検出されると、前記スイッチが前記電流低減用コンデンサを選択して、前記第一コンデンサと第二コンデンサとの並列回路に電流を流し、前記LED群に流れる電流を減少させて、前記LED群を前記低い輝度で発光させる
ことを特徴とする請求項2記載のLED照明回路。
【請求項4】
前記異常検出部は、前記LED群に流れる過電流を検出する過電流検出部を有し、
前記切換回路部の切換制御手段は、前記過電流検出部で前記過電流が検出されたときに、前記スイッチが前記電流低減用コンデンサを選択して、前記電流低減用コンデンサに電流を流し、前記LED群に流れる電流を減少させて、前記LED群を前記低い輝度で発光させる
ことを特徴とする請求項3記載のLED照明回路。
【請求項5】
前記異常検出部は、前記LED群における過熱を検出する過熱検出部を有し、
前記切換回路部の切換制御手段は、前記過熱検出部で前記過熱が検出されたときに、前記スイッチが前記電流低減用コンデンサを選択して、前記電流低減用コンデンサに電流を流し、前記LED群に流れる電流を減少させて、前記LED群を前記低い輝度で発光させる
ことを特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載のLED照明回路。
【請求項6】
前記切換回路部は、前記スイッチがトライアックからなり、当該トライアックのT1端子とT2端子間に、前記電流低減用コンデンサが接続された回路で構成し、
前記切換回路部の前記切換制御手段にパルス列である矩形波信号を送るドライバ部を備え、
前記ドライバ部は、
前記異常検出部で異常が検出されていないときは、前記パルス列を出力する部品又は回路を駆動制御して、前記パルス列を前記切換回路部へ送り、前記トライアックのゲートに所定の電流を流してオン状態にし、前記トライアックに流す電流による通常輝度状態とし、
前記異常検出部で異常が検出されたときは、前記矩形波信号を前記切換回路部へ送らず、前記トライアックをオフ状態にし、前記電流低減用コンデンサに電流を流し、前記LED群に流れる電流を減少させて、前記LED群を前記低い輝度で発光させる
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のLED照明回路。
【請求項7】
単安定マルチバイブレータ又は双安定マルチバイブレータを構成する、前記ドライバ部を制御するラッチ回路部を備え、
前記異常検出部で異常が検出されると、前記ラッチ回路部でラッチして、前記ドライバ部の出力を停止することにより、前記トライアックをオフ状態に保ち、前記LED群を前記低い輝度で発光させ、当該異常が検出されなくなると、前記ラッチ回路部が単安定マルチバイブレータの場合には、当該ラッチ回路部は、所定時間が経過するまで、前記ドライバ部の出力の停止状態を維持して、前記LED群が前記低い輝度で発光した状態を維持し、前記所定時間が経過すると、前記ドライバ部の出力を出力して、前記LED群を前記通常の輝度で発光させ、
前記ラッチ回路部が双安定マルチバイブレータの場合には、前記異常が検出されなくなっても、当該ラッチ回路部は、前記LED群が前記低い輝度で発光させ続ける
ことを特徴とする請求項6記載のLED照明回路。
【請求項8】
前記切換回路部の切換制御手段は、光伝達素子を有し、
この光伝達素子は、
前記ドライバ部からの前記矩形波信号を受けると発光する発光部と、
この発光部からの光を受けると、前記スイッチを切り換える受光部とを有した
ことを特徴とする請求項6又は7記載のLED照明回路。
【請求項9】
前記切換回路部の切換制御手段は、
前記LED群が前記低い輝度で発光する状態であることを発光により表示する低輝度状態表示部と、
前記ドライバ部からの前記矩形波信号を、前記光伝達素子又は前記低輝度状態表示部のいずれか一方へ送る手動の切換スイッチとを有した
ことを特徴とする請求項8記載のLED照明回路。
【請求項10】
前記LED群に並列に接続された平準化コンデンサと、この平準化コンデンサに並列に接続されたバリスタとを備え、
前記LED群が断線して当該LED群の両端に加わる電圧が所定の電圧値を超えようとすると、前記バリスタに電流が流れて、前記平準化コンデンサに所定の電圧以上の電圧が加わるのを制限するとともに、当該バリスタの過熱による異常を検知して、前記切換回路部が前記スイッチを切り換えて、前記電流低減用コンデンサを通して、前記バリスタに流れる電流を減少させて、前記平準化コンデンサの破損、劣化を防止する
ことを特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載のLED照明回路。
【請求項11】
前記スイッチが、手動の切換スイッチである
ことを特徴とする請求項1記載のLED照明回路。
【請求項12】
前記切換回路部の前記スイッチは、前記コンデンサと前記ショート回路の他に、電源オフを選択でき、
前記スイッチが前記電源オフを選択したときには、前記交流電源から流れる電流の経路が切断されて、前記LED群に電流が流れず、前記LED群が発光しない消灯状態となる
ことを特徴とする請求項1又は11記載のLED照明回路。
【請求項13】
操作信号を無線出力するリモコン送信機用回路を備え、
前記切換回路部は、前記リモコン送信機用回路から出力された操作信号を受信するとともに、受信した前記操作信号にもとづいて、前記スイッチによる前記コンデンサと前記ショート回路と前記電源オフとの選択を切り換える
ことを特徴とする請求項12記載のLED照明回路。
【請求項14】
複数のLEDが配置されている基板を有したLED照明管と、このLED照明管を支持する照明器具とを備え、
前記LED照明管は、
前記照明器具に取り付けるための照明管ソケットと、
この照明管ソケットと前記複数のLEDとの間に配設されたLED照明管側回路とを有し、
前記照明器具は、
前記照明管ソケットに係合する照明器具ソケットと、
電源入力端子と前記照明器具ソケットとの間に配設された照明器具側回路とを有し、
前記LED照明管側回路が、前記請求項1〜請求項13のいずれかに記載のLED照明回路の一部を含み、
前記照明器具側回路が、前記LED照明回路の他の一部を含む
ことを特徴とするLED照明装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2013−37763(P2013−37763A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144114(P2011−144114)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(390036191)有限会社アルコ技研 (1)
【Fターム(参考)】