説明

LED照明装置およびケーブル接続検知装置

【課題】ケーブルの逆挿しや斜め挿しといったケーブル接続ミスを確実に検出可能になる。
【解決手段】LED基板B1とLED駆動回路基板B2とをFFC60(Flexible Flat Cable)にて接続してあるときに、LED基板B1に実装された抵抗71a,71bにより構成される分割抵抗を備えさせ、FFC60の伝送線73を経由して当該分割抵抗の一端に接続し、FFC60の伝送線75を経由して当該分割抵抗の他端に接続し、FFC60の伝送線74を経由して当該分割抵抗の分割点に接続し、伝送線74をFFC60の略中央を通らない伝送線とするか、抵抗71a、71bの抵抗値を異ならせるか、の少なくとも一方を適用しておく。そして、制御部10が、伝送線73と分割抵抗と伝送線75とにより構成されるループ回路に給電することにより伝送線74を経由して検知される分割点の電圧に基づいてFFC60の接続状態を検知するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED照明装置およびケーブル接続検知装置に関し、特に、LED(Light-Emitting diode)を実装されたLED基板と前記LEDを点灯するLED駆動回路を形成されたLED駆動基板とを複数の伝送線を備えるFFC(Flexible Flat Cable)にて接続し、前記LED駆動回路が前記FFCを介して前記LEDを点灯させるLED照明装置、および第1基板と第2基板とを備え、更にこれら第1基板と第2基板とを電気的に接続する複数の伝送線を備えたFFC(Flexible Flat Cable)とを備えたケーブル接続検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、FFC(Flexible Flat Cable)などケーブルによる接続を有する製品では、組立工程でケーブル接続にミスが発生する可能性があった。そのため、ケーブル接続のミスを発見する技術として、特許文献1、2の技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のケーブル接続検知装置では、FFCの一方の端子を装着するためのコネクタから他方の端子を装着するためのコネクタを経由して再び一方の端子に戻ってくるループ回路を形成し、このループ回路がFFCを構成する複数ラインにおいて、往きのラインと戻りのラインとが非対称になるようにライン選択している。これにより、正しいFFCを装着するとループ回路の一端から入力された信号が他端に出力されるためループ回路の両端で信号レベルが一致し、ピン配置の異なるFFCを誤って装着するとループ回路の一端から入力された信号が他端に出力されないためループ回路の両端で信号レベルが不一致となる。
【0004】
特許文献2に記載のケーブル接続監視回路では、複数本の伝送線を並行に配列して成るケーブルにおいて、その中の1本のラインの一方の端部に抵抗(抵抗Aとする)を接続しつつ当該抵抗Aの他端にグランドを接続し、さらに同じのラインの他方の端部に抵抗(抵抗Bとする)を接続しつつ当該抵抗Bの他端を所定電源電圧に接続している。これにより、ケーブルを正しく装着した場合と誤装着した場合とで、前記ラインに発生する電圧値が異なるものとなる。
【0005】
なお、特許文献3はLED照明装置の一例であり、複数個のLEDを直列に接続して形成されたLEDバーを並列に複数個接続することによりLED照明装置が構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−304363号公報
【特許文献2】特開昭64−2271号公報
【特許文献3】実用新案登録第3156000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来の技術では、ケーブルの逆挿しや斜め挿しといったケーブル接続ミスについては考慮されず、これらのケーブル接続ミスを確実に検出可能な技術が待ち望まれていた。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたもので、ケーブルの逆挿しや斜め挿しといったケーブル接続ミスを確実に検出可能なLED照明装置およびケーブル接続検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明にかかるLED照明装置では、LED(Light-Emitting diode)を実装されたLED基板と前記LEDを点灯するLED駆動回路を形成されたLED駆動基板とを複数の伝送線を備えるFFC(Flexible Flat Cable)にて接続し、前記LED駆動回路が前記FFCを介して前記LEDを点灯させるLED照明装置において、分割抵抗と接続検知部とを備える構成としてある。前記分割抵抗は、前記LED基板に実装された第1抵抗と第2抵抗とにより構成されており、前記接続検知部は、 前記FFCの第1伝送線を経由して前記分割抵抗の一端に接続され、前記FFCの第2伝送線を経由して前記分割抵抗の他端に接続され、前記FFCの第3伝送線を経由して前記分割抵抗の分割点に接続されている。
【0009】
前記構成において、前記接続検知部は、前記FFCの第1伝送線と前記分割抵抗と前記第2伝送線とにより構成されるループ回路に給電しており、前記第3伝送線を経由して前記分割点の電圧を監視している。そして、前記接続検知部は、前記分割点の電圧に基づいて前記FFCの接続状態を検知する。例えば、前記分割点の電圧が所定値以上であるか否かを判断したり、所定値であるか否かを判断したり、所定の範囲内にあるか否かを判断したりする。そして、前記分割点の電圧が、前記FFCが異常接続された場合の電圧に対応するか、正常接続された場合の電圧に対応するかを判断し、この判断結果に基づいて所定の処理を行ったり、所定の処理を行わなかったりする。
【0010】
また、前記構成において、前記分割点の電圧に基づく判断を的確に実行するために、前記FFCの第3伝送線を前記FFCの略中央を通らない伝送線とすることができる。
このように構成すると、例えば、前記FFCが逆挿しされると、前記接続検知部は前記第3伝送線を経由して前記分割点に接続されなくなるため、前記分割点の電圧を検知できなくなる。よって、前記接続検知部は異常な電圧を検知することになり、前記FFCの逆挿し(異常接続)を検出することができる。
また例えば、前記FFCが斜め挿しされて、前記接続検知部が前記第1〜第3伝送線の少なくとも1つの経路で適正な接続が出来なくなると、前記分割点に適正な電圧が発生しなかったり、前記分割点の電圧を検知できなかったりする。よって、前記接続検知部は異常な電圧を検知することになり、前記FFCの斜め挿し(異常接続)を検出することができる。
【0011】
また、前記構成において、前記分割点の電圧に基づく判断を的確に実行するために、前記第1抵抗と前記第2抵抗との抵抗値を異ならせることもできる。
このように構成すると、例えば、前記FFCが逆挿しされると、正しくFFCが接続された場合と異なる電圧を検知することになる。よって、前記接続検知部は異常な電圧を検知することになり、前記FFCの逆挿し(異常接続)を検出することができる。
また例えば、前記FFCが斜め挿しされて、前記接続検知部が前記第1〜第3伝送線の少なくとも1つの経路で適正な接続が出来なくなると、前記分割点に適正な電圧が発生しなかったり、前記分割点の電圧を検知できなかったりする。よって、前記接続検知部は異常な電圧を検知することになり、前記FFCの斜め挿し(異常接続)を検出することができる。
【0012】
なお、前記FFCの第3伝送線を前記FFCの略中央を通らない伝送線とする構成と、前記第1抵抗と前記第2抵抗との抵抗値を異ならせる構成とは、少なくとも一方が適用されていれば、前記FFCの逆挿しや斜め挿しを検出することができる。むろん、FFCの異常接続は、逆挿しや斜め挿しに限るものではなく、伝送線の数が異なる別種のケーブルで接続されたり、前記FFCの伝送線の前記第1〜第3伝送線が電気的に断線していたりする等の異常も含みうる。
【0013】
また、本発明の選択的な一態様は、前記第1伝送線と前記第2伝送線は前記FFCの中央に対して非対称に配置されている構成とされる。すなわち、前記第1伝送線と前記第2伝送線とが前記FFCの中央に対して非対称に配置されている伝送線となることにより、例えば、前記FFCが逆挿しされると、前記ループ回路が構成されなくなり、前記分割抵抗の分割点に適正な電圧が発生しない。よって、前記接続検知部は異常な電圧を検知することになり、前記FFCの逆挿し(異常接続)検出をより確実に行えるようになる。むろん、前記FFCが斜め挿しされた場合も、同様に、前記FFCの斜め挿し(異常接続)検出をより確実に行えるようになる。
【0014】
また、本発明の選択的な一態様は、前記接続検知部が、前記FFCの接続状態を通知する通知部を備える構成とされる。すなわち、前記FFCの接続状態を検知したときに行う処理として、前記FFCの接続状態を通知部により通知することができるようになる。よって、LED照明装置の使用者、当該LED照明装置の組み立てを行う作業者、LED照明装置の修理やメンテナンスを行う作業者、など、当該LED照明装置に接する者に、前記FFCの接続状態を通知することが出来るようになり、ユーザビリティ、作業性、メンテナンスの容易性、等が向上する。
【0015】
また、本発明の選択的な一態様は、前記接続検知部が、前記分割点の電圧が所定範囲内にある場合に前記FFCが正常接続されていると検知し、前記分割点の電圧が所定範囲外にある場合に前記FFCが異常接続されていると検知する構成としてある。当該構成によれば、単に1つの閾値を利用して当該閾値の上下いずれかをもって接続の正常と異常を判断する場合に比べて、より高精度に接続状態を判断できるようになる。よって、前記FFCの接続状態をより正確に検知できるようになる。
【0016】
また、本発明の選択的な一態様は、前記接続検知部が、ウィンドウコンパレータ回路を備え、前記ウィンドウコンパレータ回路が前記分割点の電圧を所定範囲内と判定した場合に前記FFCの正常接続を検知し、前記ウィンドウコンパレータ回路が前記分割点の電圧を所定範囲外と判定した場合に前記FFCの異常接続を検知する構成としてある。当該構成によれば、前記分割点の電圧が所定範囲内にあるか否かの判断を容易且つ簡単な回路構成で実現可能となり、前記FFCの接続状態の検知に関する正確性を向上しつつ、コストダウン等も可能となる。
【0017】
また、本発明の選択的な一態様は、前記FFCの複数の伝送線を端寄りの2つと中央部の1つの3つに略均等に分けたとき、前記第1伝送線と前記第2伝送線と前記第3伝送線が各部に1つずつ含まれるように配置される構成としてある。当該構成によれば、前記第1〜第3伝送線が前記FFCの全体的に配置されるため、仮に前記FFCが斜め挿し等されたときに部分的に異常な接続状態であるにもかかわらず部分的には正常な接続状態である場合でも、確実にFFCの接続異常を検知することができる。
【0018】
また、本発明の選択的な一態様は、前記LED基板には複数のLEDを直列に接続した複数のLEDバーを並列に設けたLED回路が実装され、前記LED駆動回路は前記FFCを介して前記LEDバーごとに所定の電力を供給する構成としてある。当該構成によれば、LEDバーのように、1つの伝送線で接続異常が発生したときに複数のLEDが破損する場合に、確実にFFCの接続異常を検知し、接続異常に起因する部品破損を的確に防止することが出来る。よって、作業性、歩留り、コスト等の面で生産性を向上することが出来る。
【0019】
また、本発明の選択的かつ具体的な一態様は、前記LED照明装置は、液晶表示装置の液晶の背面から光を照射するバックライト装置もしくは液晶表示装置の液晶の側面から光を照射するサイドライト装置であり、前記LED基板には複数のLEDを直列に接続した複数のLEDバーを並列に設けたLED回路が実装され、前記LED駆動回路は、前記FFCを介して前記LEDバーごとに所定の電力を供給し、前記接続検知部は、ウィンドウコンパレータ回路を備え、前記ウィンドウコンパレータ回路が前記分割点の電圧を所定範囲内と判定した場合に前記FFCの正常接続を検知し、前記ウィンドウコンパレータ回路が前記分割点の電圧を所定範囲外と判定した場合に前記FFCの異常接続を検知し、前記FFCの複数の伝送線を端寄りの2つと中央部の1つの3つに略均等に分けたとき、前記第1伝送線は一方の端寄り、前記第2伝送線は他方の端寄り、前記第3伝送線は略中央、にそれぞれ位置する構成とされる。すなわち、上述したLED照明装置を利用した液晶表示装置においても、上述した各作用効果を奏することは当然である。
【0020】
また、本発明の他の態様は、第1基板と第2基板とを備え、更にこれら第1基板と第2基板とを電気的に接続する複数の伝送線を備えたFFC(Flexible Flat Cable)とを備えたケーブル接続検知装置において、前記第1基板に実装された第1抵抗と第2抵抗とにより構成される分割抵抗と、前記FFCの第1伝送線を経由して前記分割抵抗の一端に接続され、前記FFCの第2伝送線を経由して前記分割抵抗の他端に接続され、前記FFCの第3伝送線を経由して前記分割抵抗の分割点に接続され、前記FFCの第1伝送線と前記分割抵抗と前記第2伝送線とにより構成されるループ回路に給電し、前記第3伝送線を経由して検知される前記分割点の電圧に基づいて前記FFCの接続状態を検知する接続検知部と、を備え、前記FFCの第3伝送線を前記FFCの略中央を通らない伝送線とすることと前記第1抵抗と前記第2抵抗との抵抗値を異ならせることの少なくとも一方が適用されている構成としてある。すなわち、本発明を適用することにより、LED基板やLED駆動基板とを接続するFFCに限らず、2つの基板間で各種の電源電圧や電気的信号等を伝送するFFCであれば、そのFFCの接続異常を検知することが可能である。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、FFCの逆挿しや斜め挿し等の異常接続を検出することが可能なLED照明装置を提供することができる。
請求項2にかかる発明によれば、FFCの異常接続の検出をより確実に行えるようになる。
請求項3にかかる発明によれば、FFCの接続状態を通知することによりユーザビリティ、作業性、メンテナンスの容易性、等が向上する。
請求項4にかかる発明によれば、FFCの接続状態をより正確に検知できるようになる。
請求項5にかかる発明によれば、FFCの接続状態の検知に関する正確性を向上しつつ、コストダウン等も可能となる。
請求項6にかかる発明によれば、仮にFFCが斜め挿し等されたときに部分的に異常な接続状態であるにもかかわらず部分的には正常な接続状態である場合でも、確実にFFCの接続異常を検知することができる。
請求項7にかかる発明によれば、作業性、歩留り、コスト等の面で生産性を向上することが出来る。
請求項8にかかる発明によれば、FFCの逆挿しや斜め挿し等の異常接続を検出することが可能な液晶表示装置の提供が可能となる。
請求項9にかかる発明によれば、FFCの逆挿しや斜め挿し等の異常接続を検出することが可能なケーブル接続検知装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】液晶表示装置の電気的な概略構成を示すブロック図である。
【図2】LED基板とLED駆動基板との接続の一例を示す図である。
【図3】FFCの接続異常を説明する図である。
【図4】FFCの接続異常を検出するための接続異常検出回路の構成を説明する図である。
【図5】伝送線の配置を説明する図である。
【図6】異常接続検知処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】変形例にかかる検査システムの構成を示すブロック図である。
【図8】異常接続検知作業の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)液晶表示装置の構成:
(2)LED基板とLED駆動基板の接続:
(3)異常接続検知処理:
(4)まとめと変形例:
【0024】
(1)液晶表示装置の構成:
図1を参照して液晶表示装置の構成を説明する。なお、本実施形態では、本発明を液晶表示装置に適用した場合を例にとって説明を行うが、本液晶表示装置を構成する液晶の光源となるLED照明装置単体としても実現可能であるし、FFCでの接続を構成中に含むのであればLED照明装置に限らず各種の電気電子機器に適用可能である。そういった意味で、ケーブル接続検知装置としても実現可能である。
【0025】
図1には、液晶表示装置の電気的な概略構成をブロック図で示してある。同図において、液晶表示装置100は、液晶表示装置100の全体を制御する制御部10と、液晶表示装置100に対して入力された映像信号に対して各種の映像処理を行う映像処理部20と、映像信号に基づく映像を画面に表示する映像表示部30と、複数のLEDを直列に設けた複数のLEDバー40a,40b,40c,・・・(以下、必要な場合を除き、LEDバー40と記載する。)と、LEDバー40を点灯させる電源電圧を生成したり点灯のオンオフを制御したりするLED駆動回路50と、を備える。各構成10〜30は、例えばバス80(例えばI2Cバス等)を介して互いに通信可能に接続されている。
【0026】
制御部10は、例えば、演算処理の中枢を成すCPU、制御プログラムを記録したROM、プログラムを展開したり一時データを記録したりといったワークエリアとして利用されるRAM、により構成することが可能であり、CPUがROMに記憶された制御プログラムをRAMに展開しつつ実行することにより液晶表示装置100を制御する。むろん、制御部10は回路的に実現してもよく、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路で実現することもできる。
【0027】
なお、本実施形態においては制御部10が後述の異常接続検知処理を実行することにより後述の接続異常検出回路70とともに接続検知部を構成することになるが、むろん、この構成に限るものではなく、例えば、後述の異常接続検知処理を実行する制御主体を制御部10とは別に設けることもできる。また、本実施形態においては制御部10がソフトウェア的に実現している後述の異常接続検知処理を、回路的に実現してもよいし、ソフトウェアと回路の組合せで実現してもよい。
【0028】
映像処理部20は、各種映像処理を施した映像信号を映像表示部30に出力する。映像処理部20に入力される映像信号は、様々なものが考えられるが、例えば、テレビ放送信号から抽出された映像信号や、DVD(Digital Versatile Disk)やHD(Hard Disk)等の記録媒体から読み出したデータに基づいて作成された映像信号等が考えられる。テレビ放送信号の受信に必要なチューナーや記録媒体からデータを読み出すのに必要な読取装置(DVDドライブ、HDドライブ等)等の装置は、液晶表示装置100に内蔵されていてもよいし、外付けされてもよい。
【0029】
また、映像処理部20は、映像信号にOSD信号を重畳するOSD部21を備えており、所定の画像をOSD信号として映像信号に重畳したり、所定のメッセージをOSD信号として映像信号に重畳することにより、映像表示部30の画面に表示される映像に各種の映像や文字を重複表示させることが出来る。
【0030】
映像表示部30は、例えば、液晶パネルと、当該液晶パネルの駆動回路とにより構成され、映像処理部20から入力された映像信号に基づいて液晶パネルの各液晶を駆動することにより、画面に映像を表示する。このとき、LEDバー40は、液晶パネルの背面から光を照射するバックライト装置もしくは液晶パネルの側面から光を照射するサイドライト装置となる。なお、LEDバー40は、本実施形態においてLED回路を構成する。
【0031】
LED駆動回路50は、不図示の電源回路から給電されており、この電源回路から給電された電源電圧に基づいてLEDバー40を点灯させるための電源電圧を生成する。LED駆動回路50は、各LEDバー40a,40b,40c,・・・へ個別のチャンネル(伝送線)で給電しており、LED駆動回路50の側に設けられたスイッチング素子を選択的にオンオフすることにより、LEDバー40a,40b,40c,・・・を選択的に点灯/消灯させることができる。
【0032】
本実施形態においては、以上説明した各構成のうち、LEDバー40はLED基板B1(第1基板)に搭載され、LED駆動回路50はLED駆動回路基板B2(第2基板)に搭載され、制御部10や映像処理部20は不図示の制御基板に搭載されている。ただし、LEDバー40の搭載された基板とLED駆動回路の搭載された基板とが別でさえあれば様々な構成を採用可能であり、LED駆動回路50と制御部10と映像処理部20を1つの基板(例えば、LED駆動回路50)上に搭載する等、様々に変更可能である。
【0033】
(2)LED基板とLED駆動基板の接続:
図2は、LED基板B1とLED駆動回路基板B2との接続の一例を示す図である。同図に示すように、LED基板B1とLED駆動回路基板B2は、FFC60(Flexible Flat Cable)で接続される。LED基板B1とLED駆動回路基板B2には、それぞれFFC60を接続するためのコネクタC1,C2が設けられている。コネクタC2は端子VLED,CH1,CH2,CH3,CH4,・・・を備えている。同様に、コネクタC1も、端子VLED,CH1,CH2,CH3,CH4,・・・を備えている。また、これらのコネクタの端子数に合わせて、FFC60も、伝送線60a,60b,60c,60d,60e,・・・を備えている。
【0034】
コネクタC1とコネクタC2の接続関係は、以下のようになっている。まず、コネクタC2の端子VLEDは、伝送線60aを介してコネクタC1の端子VLEDに接続されている。コネクタC1の端子VLEDは各LEDバー40a,40b,40c,・・・のアノード側に接続されている。一方、LEDバー40a,40b,40c,・・・のカソード側は、それぞれコネクタC1の別々の端子に接続されており、例えば、LEDバー40aのカソード側はコネクタC1の端子CH1に接続されており、LEDバー40bのカソード側はコネクタC1の端子CH2に接続されており、LEDバー40cのカソード側はコネクタC1の端子CH3に接続されており、LEDバー40dのカソード側はコネクタC1の端子CH4に接続されている。コネクタC1の端子CH1,CH2,CH3,CH4,・・・は、それぞれFFCの伝送線60b,60c,60d,60e,・・・を介して、それぞれコネクタC2の端子CH1,CH2,CH3,CH4,・・・に接続されている。コネクタC2の端子CH1,CH2,CH3,CH4,・・・は、それぞれグランドに接続されており、スイッチ回路S1,S2,S3,S4,・・・(例えばFET等)によりグランドに対する接続を切換え可能になっている。この、スイッチ回路S1,S2,S3,S4,・・・はLED駆動回路50に備えられ、LED駆動回路50はスイッチ回路S1,S2,S3,S4,・・・を切替制御することができる。
【0035】
以上のように接続されているコネクタC1,C2において、コネクタC2の端子VLEDには、LED駆動回路50からLEDバー40を点灯するための電源電圧が印加されている。従って、スイッチ回路S1,S2,S3,S4,・・・がオンされると、コネクタC2の端子VLEDに入力された電源電圧はLEDバー40a,40b,40c,40d,・・・に印加され、LEDバー40a,40b,40c,40d,・・・を点灯する。一方、スイッチ回路S1,S2,S3,S4,・・・がオフされると、コネクタC2の端子VLEDに入力された電源電圧はLEDバー40a,40b,40c,40d,・・・に印加されず、LEDバー40a,40b,40c,40d,・・・は消灯される。すなわち、LEDバー40a,40b,40c・・・は、LED駆動回路50、ひいてはLED駆動回路50を制御する制御部10が点灯/消灯を切り替えることができる。
【0036】
以上のように、LED駆動回路基板B2の側で、LEDバー40に給電する電源電圧の生成、各LEDバーに対する給電の可否の制御を行い、生成された電源電圧はFFC60を介してLED基板B1に伝送される。
ここで、FFC60は、液晶表示装置100の組立ての際に、作業者がFFC60の各端部を各コネクタC1,C2に挿入される。その際、FFC60の接続に異常があると、LEDバー40に対する給電が正常に行われず、LEDバー40が破壊されたり、他の回路部品が破壊されたり、液晶表示装置100が異常動作したりする。
【0037】
図3は、FFC60の接続異常を説明する図である。
同図の(a)は、逆挿しされた場合である。逆挿しされると、FFC60の各端子が本来の意図と異なる端子に接続されるため、各回路の素子に異常な電圧がかかる可能性が高い。
同図の(b)は、斜め挿しされた場合である。斜め挿しされると、部分的に接続されつつ部分的には接続されない状態となり、各回路の素子に異常な電圧がかかる可能性がある。また、斜め挿しされた場合は端子間がショートする可能性もあり、この場合も異常な電圧がかかる。
同図の(c)は、誤ったFFCが接続された場合である。この場合、端子数が異なっていて全く導通しない可能性もあるが、中途半端に導通してしまう可能性もある。従って、各回路の素子に異常な電圧がかかる可能性がある。
これらの接続異常は、同図の(c)を除いて、製品組み立てからユーザーが使用しているときまで、何れの段階でも発生する可能性はある(3つ目は、組み立て段階で発生する可能性がある)。本実施形態では、以下の接続異常検出回路を利用して後述の異常接続検知処理を行うことにより、これらの接続異常を迅速に発見可能になっている。
【0038】
ここで、図4を参照して、FFC60の接続異常を検出するための接続異常検出回路の構成を説明する。同図に示すように、接続異常検出回路70は、LED基板B1に搭載された抵抗71aと抵抗71bと、LED駆動回路基板B2に搭載されたウィンドウコンパレータ回路72と、を備えている。また、接続異常検出回路70は、FFC60の3つの伝送線73,74,75を利用する。なお、3つの伝送線73,74,75は、図2に示した伝送線60a,60b,60c,60d,60e・・・と重複する場合は、図4に示すように図2に示した伝送線60a,60b,60c,60d,60e・・・を適宜にずらす。
【0039】
ここで、LED駆動基板側の接続関係を説明する。コネクタC1,C2には、端子VDD,VSEN,GNDが用意される。コネクタC2の端子VDDには、定電圧が供給される。コネクタC2の端子VSENには、ウィンドウコンパレータ回路72が接続される。コネクタC2の端子GNDは、グランドに接続される。端子VDD,VSEN,GNDは、それぞれ伝送線73,74,75に接続され、伝送線73,74,75によってそれぞれコネクタC2の端子VDD、端子VSEN、端子GNDに接続され。
【0040】
ただし、端子VDDは端子LEDと共通化してもよい。この場合、端子VDD(や伝送線73)を設けずに、端子VDDの代わりに端子VLED(や伝送線60a)を利用する。
【0041】
端子VSENに接続されるウィンドウコンパレータ回路72は、コネクタC2の端子VSENの電圧が、所定範囲内にあるか否かを判断し、その判断結果を制御部10に出力する。
【0042】
次に、LED基板側の接続関係を説明する。コネクタC1の端子VDDは抵抗71aの一端に接続され、コネクタC1の端子GNDは抵抗71bの一端に接続される。抵抗71aの他端(コネクタC2に接続されない側)と抵抗71bの他端(コネクタC2にに接続されない側)は互いに接続されて、本実施形態において分割抵抗を構成する。この抵抗71aと抵抗71bの接続点(分割抵抗の分割点)は、コネクタC1の端子VSENに接続される。なお、本実施形態においては、抵抗71aが第1抵抗を構成し、抵抗71bが第2抵抗を構成する。
【0043】
以上のようにコネクタC1,C2の間を接続する伝送線73,74,75は、FFC60上で様々な配置が考えられるが、以下にその基本原則を説明する。
図5の(a)〜(c)は、伝送線73,74,75の配置を説明する図である。なお、図5の(a)〜(c)は、いずれか1つだけ適用してもよいし、組合せて適用してもよい。
【0044】
同図の(a)は、伝送線73,75の間の位置関係を説明する図である。同図では、伝送線73,75は、FFC60の中央を対称軸としたときに、中央に対して非対称に配置されている。このとき、例えば、FFC60が逆挿しされると、伝送線73,75、抵抗71a、抵抗71bにより構成されるループ回路(コネクタC2の端子VDDに印加される定電圧〜端子GNDの接続されるグランド)が構成されなくなり、分割抵抗の分割点に適正な電圧が発生しなくなる。よって、コネクタC2の端子VSENには正常接続されたときとは異なる異常な電圧が発生する。この異常な電圧と適正な電圧とを区別可能なようにウィンドウコンパレータ回路72の閾値を適切に設定することにより、制御部10はウィンドウコンパレータ回路72の出力に基づいて、FFC60の逆挿しを検出できる。むろん、FFC60が斜め挿しされた場合も、検出可能であることは言うまでも無い。ウィンドウコンパレータ回路72の閾値は、抵抗71aや抵抗71bの許容誤差、端子VDDを介して入力される定電圧の許容誤差を考慮して、適切な範囲に設定される。なお、本実施形態では、伝送線73が第1伝送線を構成し、伝送線75が第2伝送線を構成する。
【0045】
図5の(b)は、伝送線74の配置を説明する図である。同図では、FFC60の伝送線74をFFC60の略中央を通らない伝送線としてある。このように構成すると、例えば、FFC60が逆挿しされると、伝送線74がコネクタC2の端子VSENに接続されなくなり、分割抵抗の分割点の電圧を検知できなくなり、コネクタC2の端子VSENには異常な電圧が発生する。このとき、この異常な電圧と適正な電圧とを区別可能なようにウィンドウコンパレータ回路72の閾値を適切に設定することにより、制御部10はウィンドウコンパレータ回路72の出力に基づいて、FFC60の逆挿しを検出できる。むろん、FFC60が斜め挿しされた場合も、検出可能であることは言うまでも無い。なお、本実施形態では、伝送線74が第3伝送線を構成する。
【0046】
図5の(c)は、伝送線73,74,75の位置関係を説明する図である。同図では、FFC60の複数の伝送線を端寄りの2つと中央部の1つの3つ(図では第1区分、第2区分、第3区分)に略均等に分けたとき、伝送線73は一方の端寄りの第1区分に配置され、伝送線75は他方の端寄りの第3区分に配置され、伝送線74は略中央の第2区分に配置されている。このように構成によれば、伝送線73〜75がFFC60の全体的に配置されるため、仮にFFC60が斜め挿し等されたときに部分的に異常な接続状態であるにもかかわらず部分的には正常な接続状態である場合でも、確実にFFC60の接続異常を検知することができる。
【0047】
なお、伝送線73,74,75のいずれか2つをFFC60の端の伝送線としてもよい。このように配置すると、FFC60の全体的に伝送線73,74,75が分布し、斜め挿しを確実に検出可能となる。
【0048】
さらに、図5(a)〜(c)と選択的もしくは組合せて、抵抗71aと抵抗71bの抵抗値を異ならせてもよい。このように構成すると、例えば、FFC60が逆挿しされると、正しくFFC60が接続された場合と異なる電圧がコネクタC2の端子VSENに発生する。よって、ウィンドウコンパレータ回路72の閾値を適切に設定することにより、制御部10はウィンドウコンパレータ回路72の出力に基づいて、FFC60の逆挿しを検出できる。むろん、FFC60が斜め挿しされた場合も、検出可能であることは言うまでも無い。
【0049】
(3)異常接続検知処理:
次に、図6を参照して、異常接続検知処理について説明する。同図には、異常接続検知処理の流れをフローチャートで示してある。この処理は、液晶表示装置100の組立後の検査や修理時の検査が行われるときに、不図示の操作入力部から所定の操作入力(例えば隠しコマンドの入力)を行いつつ液晶表示装置100の電源が投入されたときに、制御部10によって実行される。むろん、電源が投入されていてLEDバー40の点灯が指示されたときに、LEDバー40に給電する前に実行するようにしてもよい。
【0050】
処理が開始されると、制御部10はLED駆動回路50を制御して、LED駆動回路50からLEDバー40へ給電させないようにしつつ、コネクタC2の端子VDDに定電圧を印加させる(S100)。すると、コネクタC2の端子VDD、伝送線73、コネクタC1の端子VDD、抵抗71a、抵抗71b、コネクタC1の端子GND、伝送線75、コネクタC2の端子GND、により構成される経路に、定電圧が印加されることになる。従って、FFC60の接続が正常に成されていれば、抵抗71a,71bの間の分割点に、抵抗71a,71bの抵抗値に応じた所定電圧が発生し、この電圧がコネクタC1の端子VSEN、伝送線74、コネクタC2の端子VSEN、を経由してウィンドウコンパレータ回路72に入力される。ウィンドウコンパレータ回路72は、入力された電圧を上下2種類の閾値と比較して、入力された電圧が上下2種類の閾値の間にあれば正常接続である旨を示す電圧信号を制御部10に出力し、逆に入力された電圧が上下2種類の閾値の外にあれば異常接続である旨を示す電圧信号を制御部10に出力する。
【0051】
制御部10は、ウィンドウコンパレータ回路72の出力する電圧信号を取得する(S110)。そして、制御部10は、電圧信号に基づいてFFC60の接続が正常であるか否かを判断する(S120)。電圧信号が正常接続である旨を示す場合は(S120:Yes)、映像処理部20のOSD部21を制御して映像表示部30の画面に、FFC60が正常に接続されていることを表示させる(S130)。すると、作業者は、この表示を見てFFC60の接続検査を完了する。
一方、電圧信号が異常接続である旨を示す場合は(S120:No)、映像処理部20のOSD部21を制御して映像表示部30の画面に、FFC60の接続が異常であることを表示させる(S140)。すると作業者は、FFC60の接続を確認・修正し、再び、本異常検出処理を実行し、正常接続であることが画面に表示されるまで、繰り返し処理の実行とFFC60の接続の修正とを繰り返すことになる。
【0052】
以上の異常接続検知処理によれば、液晶表示装置100の組み立てを行う作業者、液晶表示装置100の修理やメンテナンスを行う作業者、液晶表示装置100の使用者、等、液晶表示装置100に接する者に対してFFC60の接続状態を通知することが出来るようになり、ユーザビリティ、作業性、メンテナンスの容易性、等が向上する。なお、本実施形態においては、制御部10の制御下でFFC60の接続状態を表示するOSD部21や映像表示部30が通知部を構成することになる。また、本実施形態においては作業者への通知を映像表示部30等を利用して行ったが、むろん、LED等の点灯、別途設けた表示部、不図示のスピーカに対する音声出力等で行ってもよい。
【0053】
(4)まとめと変形例:
以上説明したように、上述した実施形態にかかる液晶表示装置では、LED基板B1とLED駆動回路基板B2とをFFC60(Flexible Flat Cable)にて接続してあるときに、LED基板B1に実装された抵抗71a,71bにより構成される分割抵抗を備えさせ、FFC60の伝送線73を経由して当該分割抵抗の一端に接続し、FFC60の伝送線75を経由して当該分割抵抗の他端に接続し、FFC60の伝送線74を経由して当該分割抵抗の分割点に接続し、伝送線74をFFC60の略中央を通らない伝送線とするか、抵抗71a、71bの抵抗値を異ならせるか、の少なくとも一方を適用しておく。そして、制御部10が、伝送線73と分割抵抗と伝送線75とにより構成されるループ回路に給電することにより伝送線74を経由して検知される分割点の電圧に基づいてFFC60の接続状態を検知するように構成する。このように構成することにより、ケーブルの逆挿しや斜め挿しといったケーブル接続ミスを確実に検出可能になる。
【0054】
図7は、変形例にかかる液晶表示装置200の検査システムの構成を示すブロック図である。同図に示すように、液晶表示装置200は、上述した実施形態の液晶表示装置100と同様の構成を備えている(ただし、OSD部は必須構成ではない)。なお、図7では、図1と共通する構成には、図1の符号と同じ符号を付けて示してある。液晶表示装置200は、図1の構成に加えてバス80(例えば、I2C(Inter IC)バス)を備えており、バス80により互いに通信可能に接続されている。
【0055】
バス80には、所定の治具を接続するためのコネクタ290が接続されており、外部コンピューター300を所定のケーブルでコネクタ290に接続することにより、外部コンピューター300から液晶表示装置200を制御できるようになっている。本変形例では、外部コンピューター300から制御部10を制御することにより、液晶表示装置200のLED駆動回路基板B2とLED基板B1とを接続するFFC60の接続状態を検査することができるようになっている。
【0056】
図8は、外部コンピューターを利用して作業者が行う異常接続検知作業の流れを示すフローチャートである。作業者は、外部コンピューター300と液晶表示装置200とを所定のケーブルで接続する(S200)。そして、外部コンピューター300のキーボードやマウス等の操作入力部から所定の操作入力を行うことにより、外部コンピューター300において異常接続検知プログラムPを実行させる(S210)。すると、異常接続検知プログラムPは、所定のケーブルを介してバス80にアクセスし、液晶表示装置200を制御する(S220)。
【0057】
異常接続検知プログラムPは、LED駆動回路50からLEDバー40へ給電させないようにしつつ、コネクタC2の端子VDDに定電圧を印加させる(S230)。すると、コネクタC2の端子VDD、伝送線73、コネクタC1の端子VDD、抵抗71a、抵抗71b、コネクタC1の端子GND、伝送線75、コネクタC2の端子GND、により構成される経路に、定電圧が印加されることになる。従って、FFC60の接続が正常に成されていれば、抵抗71a,71bの間の分割点に、抵抗71a,71bの抵抗値に応じた所定電圧が発生し、この電圧がコネクタC1の端子VSEN、伝送線74、コネクタC2の端子VSEN、を経由してウィンドウコンパレータ回路72に入力される。ウィンドウコンパレータ回路72は、入力された電圧を上下2種類の閾値と比較して、入力された電圧が上下2種類の閾値の間にあれば正常接続である旨を示す電圧信号をバス80を介して外部コンピューター300へ出力し、逆に入力された電圧が上下2種類の閾値の外にあれば異常接続である旨を示す電圧信号をバス80を介して外部コンピューター300へ出力する。
【0058】
異常接続検知プログラムPは、ウィンドウコンパレータ回路72の出力する電圧信号を取得する(S240)。そして、異常接続検知プログラムPは、電圧信号に基づいてFFC60の接続が正常であるか否かを判断する(S250)。電圧信号が正常接続である旨を示す場合は(S250:Yes)、外部コンピューター300の画面に、FFC60が正常に接続されていることを表示させる(S260)。すると、作業者は、この表示を見てFFC60の接続検査を完了する。
一方、電圧信号が異常接続である旨を示す場合は(S250:No)、外部コンピューター300の画面に、FFC60の接続が異常であることを表示させる(S270)。すると作業者は、FFC60の接続を確認・修正し(S280)、再び、本異常検出処理を実行し、正常接続であることが画面に表示されるまで、繰り返し処理の実行とFFC60の接続の修正とを繰り返す。
以上のように、検査システムとして構成しても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏することが分かる。
【0059】
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0060】
10…制御部、20…映像処理部、21…OSD部、30…映像表示部、40…LEDバー、40a〜40d…LEDバー、50…LED駆動回路、60a〜60e…伝送線、70…接続異常検出回路、71a…抵抗、71b…抵抗、72…ウィンドウコンパレータ回路、73,74,75…伝送線、80…バス、100…液晶表示装置、200…液晶表示装置、290…コネクタ、300…外部コンピューター、B1…LED基板、B2…LED駆動回路基板、C1…コネクタ、C2…コネクタ、CH1…端子、CH2…端子、CH3…端子、CH4…端子、GND…端子、P…異常接続検知プログラム、S1…スイッチ回路、S2…スイッチ回路、S3…スイッチ回路、S4…スイッチ回路、VDD…端子、VLED…端子、VSEN…端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED(Light-Emitting diode)を実装されたLED基板と前記LEDを点灯するLED駆動回路を形成されたLED駆動基板とを複数の伝送線を備えるFFC(Flexible Flat Cable)にて接続し、前記LED駆動回路が前記FFCを介して前記LEDを点灯させるLED照明装置において、
前記LED基板に実装された第1抵抗と第2抵抗とにより構成される分割抵抗と、
前記FFCの第1伝送線を経由して前記分割抵抗の一端に接続され、前記FFCの第2伝送線を経由して前記分割抵抗の他端に接続され、前記FFCの第3伝送線を経由して前記分割抵抗の分割点に接続され、前記FFCの第1伝送線と前記分割抵抗と前記第2伝送線とにより構成されるループ回路に給電し、前記第3伝送線を経由して検知される前記分割点の電圧に基づいて前記FFCの接続状態を検知する接続検知部と、
を備え、
前記FFCの第3伝送線を前記FFCの略中央を通らない伝送線とすることと前記第1抵抗と前記第2抵抗との抵抗値を異ならせることの少なくとも一方が適用されていることを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
前記第1伝送線と前記第2伝送線は前記FFCの中央に対して非対称に配置されている請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項3】
前記接続検知部は、前記FFCの接続状態を通知する通知部を備える請求項1または請求項2に記載のLED照明装置。
【請求項4】
前記接続検知部は、前記分割点の電圧が所定範囲内にある場合に前記FFCが正常接続されていると検知し、前記分割点の電圧が所定範囲外にある場合に前記FFCが異常接続されていると検知する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のLED照明装置。
【請求項5】
前記接続検知部は、ウィンドウコンパレータ回路を備え、前記ウィンドウコンパレータ回路が前記分割点の電圧を所定範囲内と判定した場合に前記FFCの正常接続を検知し、前記ウィンドウコンパレータ回路が前記分割点の電圧を所定範囲外と判定した場合に前記FFCの異常接続を検知する請求項1〜請求項4の何れか1項に記載のLED照明装置。
【請求項6】
前記FFCの複数の伝送線を端寄りの2つと中央部の1つの3つに略均等に分けたとき、前記第1伝送線と前記第2伝送線と前記第3伝送線が各部に1つずつ含まれるように配置される請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のLED照明装置。
【請求項7】
前記LED基板には複数のLEDを直列に接続した複数のLEDバーを並列に設けたLED回路が実装され、
前記LED駆動回路は前記FFCを介して前記LEDバーごとに所定の電力を供給する請求項1〜請求項6の何れか1項に記載のLED照明装置。
【請求項8】
前記LED照明装置は、液晶表示装置の液晶パネルの背面から光を照射するバックライト装置もしくは液晶表示装置の液晶パネルの側面から光を照射するサイドライト装置であり、
前記LED基板には複数のLEDを直列に接続した複数のLEDバーを並列に設けたLED回路が実装され、
前記LED駆動回路は、前記FFCを介して前記LEDバーごとに所定の電力を供給し、
前記接続検知部は、ウィンドウコンパレータ回路を備え、前記ウィンドウコンパレータ回路が前記分割点の電圧を所定範囲内と判定した場合に前記FFCの正常接続を検知し、前記ウィンドウコンパレータ回路が前記分割点の電圧を所定範囲外と判定した場合に前記FFCの異常接続を検知し、
前記FFCの複数の伝送線を端寄りの2つと中央部の1つの3つに略均等に分けたとき、前記第1伝送線は一方の端寄り、前記第2伝送線は他方の端寄り、前記第3伝送線は略中央、にそれぞれ位置する請求項1に記載のLED照明装置。
【請求項9】
第1基板と第2基板とを備え、更にこれら第1基板と第2基板とを電気的に接続する複数の伝送線を備えたFFC(Flexible Flat Cable)とを備えたケーブル接続検知装置において、
前記第1基板に実装された第1抵抗と第2抵抗とにより構成される分割抵抗と、
前記FFCの第1伝送線を経由して前記分割抵抗の一端に接続され、前記FFCの第2伝送線を経由して前記分割抵抗の他端に接続され、前記FFCの第3伝送線を経由して前記分割抵抗の分割点に接続され、前記FFCの第1伝送線と前記分割抵抗と前記第2伝送線とにより構成されるループ回路に給電し、前記第3伝送線を経由して検知される前記分割点の電圧に基づいて前記FFCの接続状態を検知する接続検知部と、
を備え、
前記FFCの第3伝送線を前記FFCの略中央を通らない伝送線とすることと前記第1抵抗と前記第2抵抗との抵抗値を異ならせることの少なくとも一方が適用されていることを特徴とするケーブル接続検知装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−99629(P2012−99629A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−245923(P2010−245923)
【出願日】平成22年11月2日(2010.11.2)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】