説明

LNGの出荷方法

【課題】 LNGの積込み作業前の管内に進入した酸素を短時間で追い出すと共に、LNGの積込み作業後の管内に溜まった天然ガスを大気中に放散させないで短時間でLNG貯蔵タンクに戻することが可能なLNGの出荷方法を提供する。
【解決手段】 LNG受け入れ管19とガス排出管23とを仕切り弁69を備えた連結管70で予め接続しておき、輸送タンク16へのLNGの移送が完了した後に、出荷側LNG遮断弁13、荷受け側LNG遮断弁18、及びガス排出弁22をそれぞれ閉じて仕切り弁69を開け、LNG払い出し管14内に不活性ガスを供給し、ガス受け入れ管28内の天然ガスが一定濃度以下になるまで、LNG払い出し管14、LNG受け入れ管19、連結管70、ガス排出管23、及びガス受け入れ管28内に流して、それぞれの管14、19、70、23、28内に溜まった天然ガスの追い出し及び回収を一括して行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG貯蔵タンクから、例えば、タンクローリーや内航船の輸送タンクにLNGを積込む際のLNGの出荷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図3に示すように、ローリータンク100へLNGを積込む手動式のLNGの出荷方法では、LNG貯蔵タンクの出荷本管101の出荷ライン102に出荷側LNG遮断弁103を介して接続するLNG払い出し管104に接続されたローディングアーム機構104aの先端に設けられたLNG出側フランジ105と、ローリータンク100に設けられたLNG充填ライン106に荷受け側LNG遮断弁107を介して接続するLNG受け入れ管108のLNG受け側フランジ109とを連結してLNG輸送ラインを形成し、ローリータンク100のガス排出ライン110にガス排出弁111を介して接続するガス排出管112のガス出側フランジ113と、LNG貯蔵タンクのガス回収本管114のガス回収ライン115にガス遮断弁116を介して接続するガス受け入れ管117に接続されたローディングアーム機構117aの先端に設けられたガス受け側フランジ118とを連結して、ガス回収ラインを形成している。この時の状態を図3に示す。なお、図3、図4では、白抜きの弁記号は開状態を、黒抜きの弁記号は閉状態であることを示している。
【0003】
この手動式のLNGの出荷方法では、連結完了後に各フランジ105、109、113、118の連結が確実に行なわれているのを確認するため、窒素ガス供給ライン119に設けられたLNG側窒素入口弁120及びガス側窒素入口弁121を開けて、それぞれ連通状態となっているLNG払い出し管104とLNG受け入れ管108、及びガス排出管112とガス受け入れ管117の内部に窒素ガスを、例えば、約0.5MPa程度の圧力となるまで封入し、各フランジ105、109、113、118の連結箇所に、例えば、石鹸水をかけて、窒素ガスの漏れの有無を確認する気密試験を行なっている。
【0004】
また、各フランジ105、109、113、118をそれぞれ連結する際に、ローディングアーム機構104a、LNG受け入れ管108、ガス排出管112、及びローディングアーム機構117a内には空気が進入しているので、この進入した空気中の酸素ガスを追い出す必要がある。このため、気密試験の終了後にLNG側窒素入口弁120及びガス側窒素入口弁121を閉じて、先ず、LNG受け入れ管108に設けられたローリーLNG側パージ弁122を開け、連通状態のLNG払い出し管104とLNG受け入れ管108内に封入している窒素ガスを放出することにより進入した空気中の酸素ガスを窒素ガスと共に外部に放出させている。このとき、放出する窒素ガス中の酸素濃度を測定し、例えば、酸素濃度が1%以下であれば進入した空気中の酸素が追い出されたと判断し、管104、108内の窒素ガス圧力が大気圧程度にまで戻った時点でローリーLNG側パージ弁122を閉じて、管104、108に窒素ガスが充満されている状態にする。
【0005】
管104、108内の酸素ガスの追い出しが終了すると、ガス排出管112に設けられたローリーガス側パージ弁123を開け、連通状態のガス排出管112とガス受け入れ管117内に封入している窒素ガスを進入した空気中の酸素ガスと共に外部に放出し、窒素ガス中の酸素濃度が1%以下であることを確認してから管112、117内の圧力を大気圧程度にまで戻してローリーガス側パージ弁123を閉じて、管112、117に窒素ガスが充満されている状態にする。なお、窒素ガス中の酸素濃度が1%を超える場合は、酸素濃度が1%以下になるまで窒素ガスの封入と放出を繰り返している。そして、以上の操作を行なった後に、荷受け側LNG遮断弁107、ローリー上部充填弁125、及び出荷側LNG遮断弁103を順に開けて、出荷ライン流量調整弁127の開度を、例えば、10%程度にして少量のLNGをローリータンク100に流しクールダウンを行なってから、ローリータンク100へのLNGの積込み作業に移行している。
【0006】
また、LNGの積込み作業が終了し、LNG払い出し管104、LNG受け入れ管108、及びLNG充填ライン106内に残留するLNGを窒素ガスでローリータンク100及びLNG貯蔵タンクに戻すLNG抜き作業が完了した時点では、図4に示すように、出荷側LNG遮断弁103、ガス排出弁111、LNG側窒素入口弁120、ガス側窒素入口弁121、LNG充填ライン106のローリー下部充填弁124、ローリー上部充填弁125、ローリーLNG側パージ弁122、及びローリーガス側パージ弁123はいずれも閉状態になっており、荷受け側LNG遮断弁107及びガス遮断弁116は開状態になっている。そして、LNG払い出し管104、LNG受け入れ管108、及びLNG充填ライン106内には天然ガスと窒素ガスが、ガス排出管112、ガス受け入れ管117、及びガス回収ライン115内には天然ガスがそれぞれ充満する状態となっているので、各フランジ105、109、113、118間の連結を解除する場合、天然ガスを追い出す必要がある。
【0007】
このため、ローリーLNG側パージ弁122を開けてからLNG側窒素入口弁120を開けて窒素ガスを供給しながらローリーLNG側パージ弁122から窒素ガスと共に天然ガスを放出させ、窒素ガス中のメタンガス濃度が1%以下になった時点で荷受け側LNG遮断弁107及びLNG側窒素入口弁120を閉じ、管104、108内の窒素ガス圧力が大気圧程度にまで戻った時点でローリーLNG側パージ弁122を閉じて管104、108に窒素ガスが充満されている状態にしている。
【0008】
管104、108内の天然ガスの追い出しが終了すると、ガス遮断弁116を閉じ、ローリーガス側パージ弁123を開けてからガス側窒素入口弁121を開にして窒素ガスを供給しながらローリーガス側パージ弁123から窒素ガスと共に天然ガスを放出させ、窒素ガス中のメタンガス濃度が1%以下になった時点でガス側窒素入口弁121を閉じ、管112、117内の圧力が大気圧程度にまで戻った時点でローリーガス側パージ弁123を閉じて管112、117に窒素ガスが充満されている状態にしている。そして、以上の操作を行なった後に、各フランジ105、109、113、118の連結の解除に移行している。
なお、符号126、128は、それぞれ出荷ライン元弁、ガスライン出口弁を指し、符号129、130はそれぞれLNG側圧力計、ガス側圧力計を指す。
【0009】
一方、LNG輸送ライン及びガス回収ラインにそれぞれ遠隔操作可能な調節弁と遮断弁を設けると共に、LNG輸送ライン及びガス回収ラインに窒素ガスを供給し放出させる遠隔操作可能な窒素ガス供給弁及びドレン弁を備えた配管を接続し、調節弁と遮断弁又はタンクローリー車の元弁で仕切られた領域に窒素ガスを供給して加圧し、その後ドレン弁、調節弁又は遮断弁を開けてLNG輸送ライン内のLNGや天然ガス、ガス回収ライン内の天然ガスをそれぞれ領域外へ放出する置換操作を、予め設定されたプログラムに基づいて各弁の開閉操作を連携して行なうことにより自動的に行なう方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2001−324093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、手動式のLNGの出荷方法では、各管104、108、112、117内の酸素ガスや天然ガスを窒素ガスにより追い出す際には、LNG輸送ライン及びガス回収ライン毎に分けて個別に追い出し作業を行なう必要があり、時間を要するという問題が生じている。また、天然ガスを含んだ窒素ガスが大気中に放散されるので、作業環境を維持するために背の高い放散管を準備せねばならず設備コストが高くなると共に、地球温暖化の要因にもなるという問題が生じている。
【0012】
一方、特許文献1に記載された発明では、遠隔操作可能な窒素ガス供給弁及びドレン弁を備えた配管をそれぞれ設ける場合は、LNG輸送ライン及びガス回収ラインの構成が複雑になると共に各ラインの製作コストが高くなるという問題がある。また、遠隔操作可能な窒素ガス供給弁及びドレン弁を備えた配管を共用設備として使用する場合は、LNGの積込み作業を行なう度に配管を接続し直さねばならず、配管の切り換え作業が繁雑になるという問題が生じる。更に、LNG輸送ライン及びガス回収ライン内の酸素ガスや天然ガスを窒素ガスにより追い出す際には、LNG輸送ライン及びガス回収ラインに分けて個別に追い出し作業を行なう必要があり、時間を要するという問題がある。
【0013】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、LNGの積込み作業前の管内に進入した酸素を短時間で追い出すと共に、LNGの積込み作業後の管内に溜まった天然ガスを大気中に放散させないで短時間でLNG貯蔵タンクに戻することが可能なLNGの出荷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的に沿う本発明に係るLNGの出荷方法は、LNG貯蔵タンクの出荷本管に接続された出荷ラインに出荷側LNG遮断弁を介して連結するLNG払い出し管を、輸送タンクに設けられたLNG充填ラインに荷受け側LNG遮断弁を介して連結されるLNG受け入れ管に接続し、前記輸送タンクに接続されたガス排出ラインにガス排出弁を介して接続するガス排出管を、前記LNG貯蔵タンクに接続されたガス回収本管に接続するガス回収ラインにガス遮断弁を介して接続するガス受け入れ管に接続して行なわれるLNGの出荷方法において、
前記LNG受け入れ管と前記ガス排出管とを仕切り弁を備えた連結管で予め接続しておき、
前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続が完了した後に、前記仕切り弁を開け、前記出荷側LNG遮断弁、前記荷受け側LNG遮断弁、前記ガス排出弁、及び前記ガス遮断弁で仕切られた連通領域に不活性ガスを供給して封入し、前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続部及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続部での該不活性ガスの漏れを確認する気密試験を行ない、
前記気密試験終了後に前記連通領域に設けたガスブロー弁を開けて、前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続を行なった際に該LNG払い出し管、該LNG受け入れ管、該ガス排出管、及び該ガス受け入れ管の各先端開口部から進入した空気中の酸素を該連通領域内に封入された該不活性ガスと共に一括して排出し該不活性ガス中の酸素ガス濃度を一定値以下にしてから前記輸送タンクへのLNGの移送作業に移行し、
前記輸送タンクへのLNGの移送作業が完了して前記各接続部を切り離す前に、前記出荷側LNG遮断弁、前記荷受け側LNG遮断弁、及び前記ガス排出弁をそれぞれ閉じて前記仕切り弁を開け、前記LNG払い出し管内に不活性ガスを供給し、前記ガス受け入れ管内の天然ガスが一定濃度以下になるまで、前記LNG払い出し管、前記LNG受け入れ管、前記連結管、前記ガス排出管、及び前記ガス受け入れ管内に流して、前記それぞれの管内に溜まった天然ガスの追い出し及び回収を一括して行う。
ここで、一定濃度とは、ガスブロー弁から排出させた不活性ガス中のメタンガス(天然ガスの主成分)の濃度が、空気中での爆発限界濃度の、例えば、1/5の濃度になることを指す。
【0015】
本発明に係るLNGの出荷方法において、前記ガス回収ラインと前記ガス受け入れ管の間には、前記ガス遮断弁を迂回しガス流入弁及びガス流出弁を有するガス回収バイパスラインが設けられ、該ガス流入弁及び該ガス流出弁の間に前記ガスブロー弁を設けてもよい。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び2記載のLNGの出荷方法においては、仕切り弁を開け、出荷側LNG遮断弁、荷受け側LNG遮断弁、ガス排出弁、及びガス遮断弁で仕切られた連通領域に不活性ガスを供給して封入することで、LNG払い出し管とLNG受け入れ管との接続部及びガス排出管とガス受け入れ管との接続部からの不活性ガスの漏れを同時に確認することができ、各接続部の気密試験を同時に行なうことが可能になる。その結果、気密試験を短時間で終了することが可能になる。
また、連通領域に設けたガスブロー弁を開けることにより、LNG払い出し管とLNG受け入れ管の接続時及びガス排出管とガス受け入れ管の接続時に各管内に進入した空気中の酸素ガスを不活性ガスと共に一括して追い出すことができ、各管内から短時間で酸素ガスの追い出しを行なうことが可能になる。その結果、短時間で輸送タンクへのLNGの移送作業に移行することが可能になる。
出荷側LNG遮断弁、荷受け側LNG遮断弁、及びガス排出弁をそれぞれ閉じてから仕切り弁を開け、LNG払い出し管内に不活性ガスを供給して、LNG払い出し管、LNG受け入れ管、連結管、ガス排出管、及びガス受け入れ管内の天然ガスの追い出し(天然ガスパージ)及び回収を一括して行なうことができ、短時間で天然ガスの追い出し及び回収を行なうことが可能になる。また、各管内の天然ガスは不活性ガスに押されてガス回収本管内に流入するので、追い出された天然ガスが大気中に放散されることがないため天然ガス放散用に高さの高い放散管を準備する必要がなく、設備コストが安価になると共に、地球温暖化防止にも寄与できる。
【0017】
特に、請求項2記載のLNGの出荷方法においては、ガス流入弁及びガスブロー弁を開けることにより供給した不活性ガスを外部に放出することができ、ガスブロー弁の放出口に例えば酸素濃度計を設けることにより、LNG払い出し管とLNG受け入れ管の接続時及びガス排出管とガス受け入れ管の接続時に各管内に進入した空気中の酸素ガスが追い出されたことを容易に確認することが可能になる。また、ガスブロー弁の放出口に例えばメタンガス濃度計を設けることにより、ガス受け入れ管内の天然ガスが一定濃度以下になったことを容易に確認することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係るLNGの出荷方法を適用したLNGの出荷装置の説明図、図2は同LNGの出荷装置のLNG抜き作業完了時の弁状態を示す説明図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るLNGの出荷方法を適用したLNGの出荷設備10は、図示しないLNG貯蔵タンクの出荷本管11に接続された出荷ライン12と、出荷ライン12に自動開閉可能な出荷側LNG遮断弁13を介して連結するLNG払い出し管14を備えた出荷装置15と、輸送タンクの一例であるローリータンク16に設けられたLNG充填ラインの一例であるローリーLNG充填ライン17と、ローリーLNG充填ライン17に自動開閉可能な荷受け側LNG遮断弁の一例であるローリーLNG緊急遮断弁18を介して連結されるLNG受け入れ管19を備えたLNG受け入れ装置20を有している。
【0020】
また、LNGの出荷設備10は、ローリータンク16に接続されたガス排出ラインの一例であるローリーガス排出ライン21と、ローリーガス排出ライン21にガス排出弁22を介して接続するガス排出管23を備えたガス排出装置24と、LNG貯蔵タンクに接続されたガス回収本管25に接続するガス回収ライン26と、ガス回収ライン26に自動開閉可能なガス遮断弁27を介して接続するガス受け入れ管28を備えたガス戻し装置29を有している。
【0021】
ここで、出荷装置15及びガス戻し装置29は、LNG貯蔵タンク側に固定配置され、LNG受け入れ装置20及びガス排出装置24はローリータンク16と共に移動可能になっている。そして、LNG払い出し管14とLNG受け入れ管19を接続すると共に、ガス受け入れ管28とガス排出管23を接続することにより、LNG貯蔵タンク内のLNGをローリータンク16内に積込みながら、LNGの積込み中にLNGが気化してローリータンク16内に充満している天然ガスをLNG貯蔵タンクに戻すことができる。
【0022】
出荷ライン12には出荷ライン元弁30が設けられ、出荷ライン元弁30と出荷側LNG遮断弁13の間には出荷ライン流量調節弁31が設けられている。また、LNG払い出し管14は、出荷側LNG遮断弁13に接続するLNG側固定管33と、LNG側固定管33に連結するLNG側ローディングアーム機構34と、LNGローディングアーム機構34の先端部に設けられたLNG側先端フランジ39を有している。更に、LNG側固定管33には、不活性ガスの一例である窒素ガスを供給する窒素供給ライン41がLNG側窒素入口弁42を介して接続されると共に、LNG側圧力計44が設けられている。
【0023】
ガス回収ライン26はガスライン出口弁45を有してガス回収本管25に接続され、ガス受け入れ管28はガス遮断弁27に接続するガス側固定管47と、ガス側固定管47に接続するガス側ローディングアーム機構46と、ガス側ローディングアーム機構46の先端部に設けられたガス側先端フランジ53と、ガス側圧力計57を有している。また、ガス遮断弁27には、途中にガス流入弁58及びガス流出弁59を有するガス回収バイパスライン60が設けられ、ガス流入弁58及びガス流出弁59の間にはガスブロー弁61が取付けられている。
【0024】
ローリーLNG充填ライン17は、ローリー下部充填弁62を備えてローリータンク16の下部に接続するローリー下部充填ライン63と、ローリー上部充填弁64を備えてローリータンク16の上部に接続するローリー上部充填ライン65を有している。そして、ローリーLNG充填ライン17にローリーLNG緊急遮断弁18を介して接続するLNG受け入れ管19には、外部と連通するローリーLNG側パージ弁66が設けられ、LNG受け入れ管19の先端部には、LNG側先端フランジ39と対になるローリーLNG充填口フランジ67が設けられている。また、ガス排出管23の先端部には、ガス側先端フランジ53と対になるローリーガス回収口フランジ68が設けられている。更に、LNG受け入れ管19とガス排出管23とは、仕切り弁69を備えた連結管70で接続され、連結管70で仕切り弁69よりガス排出管23側の領域には、外部と連通するローリーガス側パージ弁71が設けられている。
【0025】
次に、本発明の一実施の形態に係るLNGの出荷方法について説明する。
先ず、タンクローリー車を出荷装置15及びガス戻し装置29が設置されたタンクローリー車出荷ヤードに進入させ、所定位置に停車させる。次いで、図1に示すように、出荷装置15のLNG払い出し管14に設けられたLNG側ローディングアーム機構34を操作してLNG側先端フランジ39の位置を調整し、LNG受け入れ管19のローリーLNG充填口フランジ67と連結する。また、ガス戻し装置29のガス受け入れ管28に設けられたガス側ローディングアーム機構46を操作してガス側先端フランジ53の位置を調整し、ガス排出管23のローリーガス回収口フランジ68と連結する。このとき、各フランジ39、67、53、68の開口部からは空気が進入するので、出荷装置15とLNG受け入れ装置20及びガス戻し装置29とガス排出装置24は、それぞれ空気が進入した状態で接続される。この時の状態を図1に示す。ここで、図1、図2において、白抜きの弁記号は開状態を、黒抜きの弁記号は閉状態であることを示している。
【0026】
次いで、LNG側窒素入口弁42及び仕切り弁69を開けて窒素ガスをLNG側固定管33内に流入させる。仕切り弁69を開けることにより、LNG側固定管33、LNG側ローディングアーム機構34、LNG受け入れ管19、連結管70、ガス排出管23、ガス側ローディングアーム46、及びガス側固定管47が連通状態(即ち、出荷側LNG遮断弁13、ローリーLNG緊急遮断弁18、ガス排出弁22、及びガス遮断弁27で仕切られた連通領域が形成される)になり、LNG側固定管33内に流入する窒素ガスはLNG側固定管33、LNG側ローディングアーム機構34、LNG受け入れ管19、連結管70、ガス排出管23、及びガス側ローディングアーム46を経由してガス側固定管47に到達するので、各管33、34、19、70、23、46、47内の窒素ガスの圧力を同時に、例えば、約0.5MPaとすることができる。なお、窒素ガスの圧力は、LNG側圧力計44又はガス側圧力計57で確認できる。その結果、LNG側先端フランジ39とローリーLNG充填口フランジ67の連結部(LNG払い出し管14とLNG受け入れ管19の接続部)、及びガス側先端フランジ53とローリーガス回収口フランジ68の連結部(ガス受け入れ管28とガス排出管23の接続部)にそれぞれ石けん水をかけることにより、各連結部の気密試験を同時に行なうことができる。
【0027】
各フランジ39、67、53、68の連結部に漏れがないことが確認されると、LNG側窒素入口弁42を閉じて、ガス流入弁58及びガスブロー弁61を開ける。これによって、管33、34、19、70、23、46、47内に封入されている窒素ガスを外部に放出することができ、管33、34、19、70、23、46、47内の酸素ガスを窒素ガスと共に外部に一括して放出することができる。そして、ガスブロー弁61に酸素濃度計を取付けて窒素ガス中の酸素濃度を測定し、例えば、酸素濃度が1%以下であることが確認されると、進入した空気中の酸素が追い出されたと判定し、管33、34、19、70、23、46、47内の窒素ガス圧力が大気圧程度にまで戻った時点で、ガスブロー弁61及びガス流入弁58を閉じ、次いで、仕切り弁69を閉じる。これによって、管33、34、19、70、23、46、47内を窒素ガスで充満された状態にでき、ローリータンク16へのLNGの積込み作業(移送作業)に移行することができる。
【0028】
LNGの積込み作業が終了し、LNG払い出し管14、LNG受け入れ管19、及びローリーLNG充填ライン17内に残留するLNGを窒素ガスでローリータンク16及びLNG貯蔵タンクに戻すLNG抜き作業が完了した時点では、図2に示すように、出荷側LNG遮断弁13、ガス排出弁22、LNG側窒素入口弁42、ガス流入弁58、ガス流出弁、ガスブロー弁61、ローリーLNG充填ライン17のローリー下部充填弁62とローリー上部充填弁64、ローリーLNG側パージ弁66、仕切り弁69、及びローリーガス側パージ弁71はいずれも閉状態になっており、ローリーLNG緊急遮断弁18及びガス遮断弁27は開状態になっている。そして、LNG払い出し管14、LNG受け入れ管19、及びローリーLNG充填ライン17内には天然ガスと窒素ガスが、ガス排出管23、ガス受け入れ管28、及びガス回収ライン26内には天然ガスがそれぞれ充満する状態となっている。なお、ここでは、ローリー下部充填弁62とローリー上部充填弁64を閉じてローリーLNG緊急遮断弁18を開状態としたが、ローリーLNG緊急遮断弁18を閉状態とすることもできる。
【0029】
このため、ガス遮断弁27を閉じ、ガス回収バイパスライン60のガス流入弁58、ガス流出弁59、及び仕切り弁69を開けてから、LNG側窒素入口弁42を開けてLNG払い出し管14内に窒素ガスを流入させ、LNG払い出し管14、LNG受け入れ管19、連結管70、ガス排出管23、及びガス受け入れ管28内に流して、各管14、19、70、23、28内に溜まった天然ガスを、例えば、0.2MPa程度の圧力の窒素ガスで追い出し、ガス回収バイパスライン60及びガス回収ライン26を介してガス回収本管25内に流入させる。これによって、各管14、19、70、23、28内に溜まった天然ガスを一括して追い出すことができ、追い出された天然ガスは窒素ガスと共にLNG貯蔵タンクに回収される。そして、窒素ガスの供給を開始してから一定時間経過後、ガスブロー弁61を開けてメタンガス濃度計で窒素ガス中のメタンガス濃度を測定する。測定したメタンガス濃度が1%以下であれば、天然ガスの追い出しが完了したと判定する。
【0030】
天然ガスの追い出しが完了すると、LNG側窒素入口弁42、ガスブロー弁61、ガス流入弁58、ガス流出弁59、及び仕切り弁69を閉じてから、ローリーLNG側パージ弁66及びローリーガス側パージ弁71を開けて管14、19、70、23、28内の窒素ガスを放出し、管14、19、70、23、28内の窒素ガス圧力が大気圧程度にまで戻った時点でローリーLNG側パージ弁66及びローリーガス側パージ弁71を閉じて、管14、19、70、23、28に窒素ガスが充満されている状態にする。これによって、各フランジ39、67、53、68の連結解除が可能になる。そして、出荷装置15とLNG受け入れ装置20及びガス戻し装置29とガス排出装置24をそれぞれ分離することにより、タンクローリー車はローリー出荷ヤードから離脱することができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のLNGの出荷方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、不活性ガスに窒素ガスを使用したが、アルゴンガス等の天然ガスに対して非支燃性を有するガスを使用することもできる。LNG払い出し管及びガス受け入れ管にはそれぞれローディングアーム機構を設けたが、例えば、先部に連結手段の一例であるフランジを備えたフレキシブルホースを使用することもできる。また、タンクローリー車にローリータンクが積載された場合について説明したが、内航船にローリータンクが積載された場合も実質的に同様の方法でLNGを出荷できる。
なお、各弁を遠隔操作可能な自動弁に、LNG側圧力計及びガス側圧力計のいずれか一方又は双方を外部出力可能な圧力計にすると共に、ガスブロー弁の放出口側にいずれも外部出力可能な酸素濃度計及びメタンガス濃度計を設置することにより、各圧力計及び各濃度計の検出信号に基づいて各弁の操作を遠隔で行なうことができ、LNGの出荷作業を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態に係るLNGの出荷方法を適用したLNGの出荷装置の説明図である。
【図2】同LNGの出荷装置のLNG抜き作業完了時の弁状態を示す説明図である。
【図3】従来例に係るLNGの出荷方法を適用したLNGの出荷装置の説明図である。
【図4】同LNGの出荷装置のLNG抜き作業完了時の弁状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10:LNGの出荷設備、11:出荷本管、12:出荷ライン、13:出荷側LNG遮断弁、14:LNG払い出し管、15:出荷装置、16:ローリータンク、17:ローリーLNG充填ライン、18:ローリーLNG緊急遮断弁、19:LNG受け入れ管、20:LNG受け入れ装置、21:ローリーガス排出ライン、22:ガス排出弁、23:ガス排出管、24:ガス排出装置、25:ガス回収本管、26:ガス回収ライン、27:ガス遮断弁、28:ガス受け入れ管、29:ガス戻し装置、30:出荷ライン元弁、31:出荷ライン流量調節弁、33:LNG側固定管、34:LNG側ローディングアーム機構、39:LNG側先端フランジ、41:窒素供給ライン、42:LNG側窒素入口弁、44:LNG側圧力計、45:ガスライン出口弁、46:ガス側ローディングアーム機構、47:ガス側固定管、53:ガス側先端フランジ、57:ガス側圧力計、58:ガス流入弁、59:ガス流出弁、60:ガス回収バイパスライン、61:ガスブロー弁、62:ローリー下部充填弁、63:ローリー下部充填ライン、64:ローリー上部充填弁、65:ローリー上部充填ライン、66:ローリーLNG側パージ弁、67:ローリーLNG充填口フランジ、68:ローリーガス回収口フランジ、69:仕切り弁、70:連結管、71:ローリーガス側パージ弁
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG貯蔵タンクから、例えば、タンクローリーや内航船の輸送タンクにLNGを積込む際のLNGの出荷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図3に示すように、ローリータンク100へLNGを積込む手動式のLNGの出荷方法では、LNG貯蔵タンクの出荷本管101の出荷ライン102に出荷側LNG遮断弁103を介して接続するLNG払い出し管104に接続されたローディングアーム機構104aの先端に設けられたLNG出側フランジ105と、ローリータンク100に設けられたLNG充填ライン106に荷受け側LNG遮断弁107を介して接続するLNG受け入れ管108のLNG受け側フランジ109とを連結してLNG輸送ラインを形成し、ローリータンク100のガス排出ライン110にガス排出弁111を介して接続するガス排出管112のガス出側フランジ113と、LNG貯蔵タンクのガス回収本管114のガス回収ライン115にガス遮断弁116を介して接続するガス受け入れ管117に接続されたローディングアーム機構117aの先端に設けられたガス受け側フランジ118とを連結して、ガス回収ラインを形成している。この時の状態を図3に示す。なお、図3、図4では、白抜きの弁記号は開状態を、黒抜きの弁記号は閉状態であることを示している。
【0003】
この手動式のLNGの出荷方法では、連結完了後に各フランジ105、109、113、118の連結が確実に行なわれているのを確認するため、窒素ガス供給ライン119に設けられたLNG側窒素入口弁120及びガス側窒素入口弁121を開けて、それぞれ連通状態となっているLNG払い出し管104とLNG受け入れ管108、及びガス排出管112とガス受け入れ管117の内部に窒素ガスを、例えば、約0.5MPa程度の圧力となるまで封入し、各フランジ105、109、113、118の連結箇所に、例えば、石鹸水をかけて、窒素ガスの漏れの有無を確認する気密試験を行なっている。
【0004】
また、各フランジ105、109、113、118をそれぞれ連結する際に、ローディングアーム機構104a、LNG受け入れ管108、ガス排出管112、及びローディングアーム機構117a内には空気が進入しているので、この進入した空気中の酸素ガスを追い出す必要がある。このため、気密試験の終了後にLNG側窒素入口弁120及びガス側窒素入口弁121を閉じて、先ず、LNG受け入れ管108に設けられたローリーLNG側パージ弁122を開け、連通状態のLNG払い出し管104とLNG受け入れ管108内に封入している窒素ガスを放出することにより進入した空気中の酸素ガスを窒素ガスと共に外部に放出させている。このとき、放出する窒素ガス中の酸素濃度を測定し、例えば、酸素濃度が1%以下であれば進入した空気中の酸素が追い出されたと判断し、管104、108内の窒素ガス圧力が大気圧程度にまで戻った時点でローリーLNG側パージ弁122を閉じて、管104、108に窒素ガスが充満されている状態にする。
【0005】
管104、108内の酸素ガスの追い出しが終了すると、ガス排出管112に設けられたローリーガス側パージ弁123を開け、連通状態のガス排出管112とガス受け入れ管117内に封入している窒素ガスを進入した空気中の酸素ガスと共に外部に放出し、窒素ガス中の酸素濃度が1%以下であることを確認してから管112、117内の圧力を大気圧程度にまで戻してローリーガス側パージ弁123を閉じて、管112、117に窒素ガスが充満されている状態にする。なお、窒素ガス中の酸素濃度が1%を超える場合は、酸素濃度が1%以下になるまで窒素ガスの封入と放出を繰り返している。そして、以上の操作を行なった後に、荷受け側LNG遮断弁107、ローリー上部充填弁125、及び出荷側LNG遮断弁103を順に開けて、出荷ライン流量調整弁127の開度を、例えば、10%程度にして少量のLNGをローリータンク100に流しクールダウンを行なってから、ローリータンク100へのLNGの積込み作業に移行している。
【0006】
また、LNGの積込み作業が終了し、LNG払い出し管104、LNG受け入れ管108、及びLNG充填ライン106内に残留するLNGを窒素ガスでローリータンク100及びLNG貯蔵タンクに戻すLNG抜き作業が完了した時点では、図4に示すように、出荷側LNG遮断弁103、ガス排出弁111、LNG側窒素入口弁120、ガス側窒素入口弁121、LNG充填ライン106のローリー下部充填弁124、ローリー上部充填弁125、ローリーLNG側パージ弁122、及びローリーガス側パージ弁123はいずれも閉状態になっており、荷受け側LNG遮断弁107及びガス遮断弁116は開状態になっている。そして、LNG払い出し管104、LNG受け入れ管108、及びLNG充填ライン106内には天然ガスと窒素ガスが、ガス排出管112、ガス受け入れ管117、及びガス回収ライン115内には天然ガスがそれぞれ充満する状態となっているので、各フランジ105、109、113、118間の連結を解除する場合、天然ガスを追い出す必要がある。
【0007】
このため、ローリーLNG側パージ弁122を開けてからLNG側窒素入口弁120を開けて窒素ガスを供給しながらローリーLNG側パージ弁122から窒素ガスと共に天然ガスを放出させ、窒素ガス中のメタンガス濃度が1%以下になった時点で荷受け側LNG遮断弁107及びLNG側窒素入口弁120を閉じ、管104、108内の窒素ガス圧力が大気圧程度にまで戻った時点でローリーLNG側パージ弁122を閉じて管104、108に窒素ガスが充満されている状態にしている。
【0008】
管104、108内の天然ガスの追い出しが終了すると、ガス遮断弁116を閉じ、ローリーガス側パージ弁123を開けてからガス側窒素入口弁121を開にして窒素ガスを供給しながらローリーガス側パージ弁123から窒素ガスと共に天然ガスを放出させ、窒素ガス中のメタンガス濃度が1%以下になった時点でガス側窒素入口弁121を閉じ、管112、117内の圧力が大気圧程度にまで戻った時点でローリーガス側パージ弁123を閉じて管112、117に窒素ガスが充満されている状態にしている。そして、以上の操作を行なった後に、各フランジ105、109、113、118の連結の解除に移行している。
なお、符号126、128は、それぞれ出荷ライン元弁、ガスライン出口弁を指し、符号129、130はそれぞれLNG側圧力計、ガス側圧力計を指す。
【0009】
一方、LNG輸送ライン及びガス回収ラインにそれぞれ遠隔操作可能な調節弁と遮断弁を設けると共に、LNG輸送ライン及びガス回収ラインに窒素ガスを供給し放出させる遠隔操作可能な窒素ガス供給弁及びドレン弁を備えた配管を接続し、調節弁と遮断弁又はタンクローリー車の元弁で仕切られた領域に窒素ガスを供給して加圧し、その後ドレン弁、調節弁又は遮断弁を開けてLNG輸送ライン内のLNGや天然ガス、ガス回収ライン内の天然ガスをそれぞれ領域外へ放出する置換操作を、予め設定されたプログラムに基づいて各弁の開閉操作を連携して行なうことにより自動的に行なう方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2001−324093号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、手動式のLNGの出荷方法では、各管104、108、112、117内の酸素ガスや天然ガスを窒素ガスにより追い出す際には、LNG輸送ライン及びガス回収ライン毎に分けて個別に追い出し作業を行なう必要があり、時間を要するという問題が生じている。また、天然ガスを含んだ窒素ガスが大気中に放散されるので、作業環境を維持するために背の高い放散管を準備せねばならず設備コストが高くなると共に、地球温暖化の要因にもなるという問題が生じている。
【0012】
一方、特許文献1に記載された発明では、遠隔操作可能な窒素ガス供給弁及びドレン弁を備えた配管をそれぞれ設ける場合は、LNG輸送ライン及びガス回収ラインの構成が複雑になると共に各ラインの製作コストが高くなるという問題がある。また、遠隔操作可能な窒素ガス供給弁及びドレン弁を備えた配管を共用設備として使用する場合は、LNGの積込み作業を行なう度に配管を接続し直さねばならず、配管の切り換え作業が繁雑になるという問題が生じる。更に、LNG輸送ライン及びガス回収ライン内の酸素ガスや天然ガスを窒素ガスにより追い出す際には、LNG輸送ライン及びガス回収ラインに分けて個別に追い出し作業を行なう必要があり、時間を要するという問題がある。
【0013】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、LNGの積込み作業前の管内に進入した酸素を短時間で追い出すと共に、LNGの積込み作業後の管内に溜まった天然ガスを大気中に放散させないで短時間でLNG貯蔵タンクに戻すことが可能なLNGの出荷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的に沿う本発明に係るLNGの出荷方法は、LNG貯蔵タンクの出荷本管に接続された出荷ラインに出荷側LNG遮断弁を介して連結するLNG払い出し管を、輸送タンクに設けられたLNG充填ラインに荷受け側LNG遮断弁を介して連結されるLNG受け入れ管に接続し、前記輸送タンクに接続されたガス排出ラインにガス排出弁を介して接続するガス排出管を、前記LNG貯蔵タンクに接続されたガス回収本管に接続するガス回収ラインにガス遮断弁を介して接続するガス受け入れ管に接続して行なわれる前記LNG貯蔵タンクから前記輸送タンクにLNGを積込む際のLNGの出荷方法において、
前記LNG受け入れ管と前記ガス排出管とを仕切り弁を備えた連結管で予め接続しておき、
前記LNG受け入れ管と前記ガス排出管とを仕切り弁を備えた連結管で予め接続しておき、
前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続が完了した後に、前記仕切り弁を開け、前記出荷側LNG遮断弁、前記荷受け側LNG遮断弁、前記ガス排出弁、及び前記ガス遮断弁で仕切られた連通領域に不活性ガスを供給して封入し、前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続部及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続部での該不活性ガスの漏れを確認する気密試験を行ない、
前記気密試験終了後に前記連通領域に設けたガスブロー弁を開けて、前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続を行なった際に該LNG払い出し管、該LNG受け入れ管、該ガス排出管、及び該ガス受け入れ管の各先端開口部から進入した空気中の酸素を該連通領域内に封入された該不活性ガスと共に一括して排出し該不活性ガス中の酸素ガス濃度を一定値以下にしてから前記輸送タンクへのLNGの移送作業に移行し、
前記LNG貯蔵タンクから前記輸送タンクへのLNGの移送作業が完了して前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続部及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続部を切り離す前に、前記出荷側LNG遮断弁、前記荷受け側LNG遮断弁、及び前記ガス排出弁をそれぞれ閉じて前記連結管の前記仕切り弁を開け、前記LNG払い出し管内に不活性ガスを供給し、前記ガス受け入れ管内の天然ガスが一定濃度以下になるまで、前記LNG払い出し管、前記LNG受け入れ管、前記連結管、前記ガス排出管、及び前記ガス受け入れ管内に流して、該LNG払い出し管、該LNG受け入れ管、該連結管、該ガス排出管、及び該ガス受け入れ管内に溜まった天然ガスの追い出し及び前記LNG貯蔵タンクへの回収を一括して行う。
ここで、一定濃度とは、ガスブロー弁から排出させた不活性ガス中のメタンガス(天然ガスの主成分)の濃度が、空気中での爆発限界濃度の、例えば、1/5の濃度になることを指す。
【0015】
本発明に係るLNGの出荷方法において、前記ガス回収ラインと前記ガス受け入れ管の間には、前記ガス遮断弁を迂回しガス流入弁及びガス流出弁を有するガス回収バイパスラインが設けられ、該ガス流入弁及び該ガス流出弁の間に前記ガスブロー弁を設けてもよい。
【発明の効果】
【0016】
請求項1及び2記載のLNGの出荷方法においては、仕切り弁を開け、出荷側LNG遮断弁、荷受け側LNG遮断弁、ガス排出弁、及びガス遮断弁で仕切られた連通領域に不活性ガスを供給して封入することで、LNG払い出し管とLNG受け入れ管との接続部及びガス排出管とガス受け入れ管との接続部からの不活性ガスの漏れを同時に確認することができ、各接続部の気密試験を同時に行なうことが可能になる。その結果、気密試験を短時間で終了することが可能になる。
また、連通領域に設けたガスブロー弁を開けることにより、LNG払い出し管とLNG受け入れ管の接続時及びガス排出管とガス受け入れ管の接続時に各管内に進入した空気中の酸素ガスを不活性ガスと共に一括して追い出すことができ、各管内から短時間で酸素ガスの追い出しを行なうことが可能になる。その結果、短時間で輸送タンクへのLNGの移送作業に移行することが可能になる。
出荷側LNG遮断弁、荷受け側LNG遮断弁、及びガス排出弁をそれぞれ閉じてから仕切り弁を開け、LNG払い出し管内に不活性ガスを供給して、LNG払い出し管、LNG受け入れ管、連結管、ガス排出管、及びガス受け入れ管内の天然ガスの追い出し(天然ガスパージ)及び回収を一括して行なうことができ、短時間で天然ガスの追い出し及び回収を行なうことが可能になる。また、各管内の天然ガスは不活性ガスに押されてガス回収本管内に流入するので、追い出された天然ガスが大気中に放散されることがないため天然ガス放散用に高さの高い放散管を準備する必要がなく、設備コストが安価になると共に、地球温暖化防止にも寄与できる。
【0017】
特に、請求項2記載のLNGの出荷方法においては、ガス流入弁及びガスブロー弁を開けることにより供給した不活性ガスを外部に放出することができ、ガスブロー弁の放出口に例えば酸素濃度計を設けることにより、LNG払い出し管とLNG受け入れ管の接続時及びガス排出管とガス受け入れ管の接続時に各管内に進入した空気中の酸素ガスが追い出されたことを容易に確認することが可能になる。また、ガスブロー弁の放出口に例えばメタンガス濃度計を設けることにより、ガス受け入れ管内の天然ガスが一定濃度以下になったことを容易に確認することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係るLNGの出荷方法を適用したLNGの出荷装置の説明図、図2は同LNGの出荷装置のLNG抜き作業完了時の弁状態を示す説明図である。
【0019】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るLNGの出荷方法を適用したLNGの出荷設備10は、図示しないLNG貯蔵タンクの出荷本管11に接続された出荷ライン12と、出荷ライン12に自動開閉可能な出荷側LNG遮断弁13を介して連結するLNG払い出し管14を備えた出荷装置15と、輸送タンクの一例であるローリータンク16に設けられたLNG充填ラインの一例であるローリーLNG充填ライン17と、ローリーLNG充填ライン17に自動開閉可能な荷受け側LNG遮断弁の一例であるローリーLNG緊急遮断弁18を介して連結されるLNG受け入れ管19を備えたLNG受け入れ装置20を有している。
【0020】
また、LNGの出荷設備10は、ローリータンク16に接続されたガス排出ラインの一例であるローリーガス排出ライン21と、ローリーガス排出ライン21にガス排出弁22を介して接続するガス排出管23を備えたガス排出装置24と、LNG貯蔵タンクに接続されたガス回収本管25に接続するガス回収ライン26と、ガス回収ライン26に自動開閉可能なガス遮断弁27を介して接続するガス受け入れ管28を備えたガス戻し装置29を有している。
【0021】
ここで、出荷装置15及びガス戻し装置29は、LNG貯蔵タンク側に固定配置され、LNG受け入れ装置20及びガス排出装置24はローリータンク16と共に移動可能になっている。そして、LNG払い出し管14とLNG受け入れ管19を接続すると共に、ガス受け入れ管28とガス排出管23を接続することにより、LNG貯蔵タンク内のLNGをローリータンク16内に積込みながら、LNGの積込み中にLNGが気化してローリータンク16内に充満している天然ガスをLNG貯蔵タンクに戻すことができる。
【0022】
出荷ライン12には出荷ライン元弁30が設けられ、出荷ライン元弁30と出荷側LNG遮断弁13の間には出荷ライン流量調節弁31が設けられている。また、LNG払い出し管14は、出荷側LNG遮断弁13に接続するLNG側固定管33と、LNG側固定管33に連結するLNG側ローディングアーム機構34と、LNGローディングアーム機構34の先端部に設けられたLNG側先端フランジ39を有している。更に、LNG側固定管33には、不活性ガスの一例である窒素ガスを供給する窒素供給ライン41がLNG側窒素入口弁42を介して接続されると共に、LNG側圧力計44が設けられている。
【0023】
ガス回収ライン26はガスライン出口弁45を有してガス回収本管25に接続され、ガス受け入れ管28はガス遮断弁27に接続するガス側固定管47と、ガス側固定管47に接続するガス側ローディングアーム機構46と、ガス側ローディングアーム機構46の先端部に設けられたガス側先端フランジ53と、ガス側圧力計57を有している。また、ガス遮断弁27には、途中にガス流入弁58及びガス流出弁59を有するガス回収バイパスライン60が設けられ、ガス流入弁58及びガス流出弁59の間にはガスブロー弁61が取付けられている。
【0024】
ローリーLNG充填ライン17は、ローリー下部充填弁62を備えてローリータンク16の下部に接続するローリー下部充填ライン63と、ローリー上部充填弁64を備えてローリータンク16の上部に接続するローリー上部充填ライン65を有している。そして、ローリーLNG充填ライン17にローリーLNG緊急遮断弁18を介して接続するLNG受け入れ管19には、外部と連通するローリーLNG側パージ弁66が設けられ、LNG受け入れ管19の先端部には、LNG側先端フランジ39と対になるローリーLNG充填口フランジ67が設けられている。また、ガス排出管23の先端部には、ガス側先端フランジ53と対になるローリーガス回収口フランジ68が設けられている。更に、LNG受け入れ管19とガス排出管23とは、仕切り弁69を備えた連結管70で接続され、連結管70で仕切り弁69よりガス排出管23側の領域には、外部と連通するローリーガス側パージ弁71が設けられている。
【0025】
次に、本発明の一実施の形態に係るLNGの出荷方法について説明する。
先ず、タンクローリー車を出荷装置15及びガス戻し装置29が設置されたタンクローリー車出荷ヤードに進入させ、所定位置に停車させる。次いで、図1に示すように、出荷装置15のLNG払い出し管14に設けられたLNG側ローディングアーム機構34を操作してLNG側先端フランジ39の位置を調整し、LNG受け入れ管19のローリーLNG充填口フランジ67と連結する。また、ガス戻し装置29のガス受け入れ管28に設けられたガス側ローディングアーム機構46を操作してガス側先端フランジ53の位置を調整し、ガス排出管23のローリーガス回収口フランジ68と連結する。このとき、各フランジ39、67、53、68の開口部からは空気が進入するので、出荷装置15とLNG受け入れ装置20及びガス戻し装置29とガス排出装置24は、それぞれ空気が進入した状態で接続される。この時の状態を図1に示す。ここで、図1、図2において、白抜きの弁記号は開状態を、黒抜きの弁記号は閉状態であることを示している。
【0026】
次いで、LNG側窒素入口弁42及び仕切り弁69を開けて窒素ガスをLNG側固定管33内に流入させる。仕切り弁69を開けることにより、LNG側固定管33、LNG側ローディングアーム機構34、LNG受け入れ管19、連結管70、ガス排出管23、ガス側ローディングアーム46、及びガス側固定管47が連通状態(即ち、出荷側LNG遮断弁13、ローリーLNG緊急遮断弁18、ガス排出弁22、及びガス遮断弁27で仕切られた連通領域が形成される)になり、LNG側固定管33内に流入する窒素ガスはLNG側固定管33、LNG側ローディングアーム機構34、LNG受け入れ管19、連結管70、ガス排出管23、及びガス側ローディングアーム46を経由してガス側固定管47に到達するので、各管33、34、19、70、23、46、47内の窒素ガスの圧力を同時に、例えば、約0.5MPaとすることができる。なお、窒素ガスの圧力は、LNG側圧力計44又はガス側圧力計57で確認できる。その結果、LNG側先端フランジ39とローリーLNG充填口フランジ67の連結部(LNG払い出し管14とLNG受け入れ管19の接続部)、及びガス側先端フランジ53とローリーガス回収口フランジ68の連結部(ガス受け入れ管28とガス排出管23の接続部)にそれぞれ石けん水をかけることにより、各連結部の気密試験を同時に行なうことができる。
【0027】
各フランジ39、67、53、68の連結部に漏れがないことが確認されると、LNG側窒素入口弁42を閉じて、ガス流入弁58及びガスブロー弁61を開ける。これによって、管33、34、19、70、23、46、47内に封入されている窒素ガスを外部に放出することができ、管33、34、19、70、23、46、47内の酸素ガスを窒素ガスと共に外部に一括して放出することができる。そして、ガスブロー弁61に酸素濃度計を取付けて窒素ガス中の酸素濃度を測定し、例えば、酸素濃度が1%以下であることが確認されると、進入した空気中の酸素が追い出されたと判定し、管33、34、19、70、23、46、47内の窒素ガス圧力が大気圧程度にまで戻った時点で、ガスブロー弁61及びガス流入弁58を閉じ、次いで、仕切り弁69を閉じる。これによって、管33、34、19、70、23、46、47内を窒素ガスで充満された状態にでき、ローリータンク16へのLNGの積込み作業(移送作業)に移行することができる。
【0028】
LNGの積込み作業が終了し、LNG払い出し管14、LNG受け入れ管19、及びローリーLNG充填ライン17内に残留するLNGを窒素ガスでローリータンク16及びLNG貯蔵タンクに戻すLNG抜き作業が完了した時点では、図2に示すように、出荷側LNG遮断弁13、ガス排出弁22、LNG側窒素入口弁42、ガス流入弁58、ガス流出弁、ガスブロー弁61、ローリーLNG充填ライン17のローリー下部充填弁62とローリー上部充填弁64、ローリーLNG側パージ弁66、仕切り弁69、及びローリーガス側パージ弁71はいずれも閉状態になっており、ローリーLNG緊急遮断弁18及びガス遮断弁27は開状態になっている。そして、LNG払い出し管14、LNG受け入れ管19、及びローリーLNG充填ライン17内には天然ガスと窒素ガスが、ガス排出管23、ガス受け入れ管28、及びガス回収ライン26内には天然ガスがそれぞれ充満する状態となっている。なお、ここでは、ローリー下部充填弁62とローリー上部充填弁64を閉じてローリーLNG緊急遮断弁18を開状態としたが、ローリーLNG緊急遮断弁18を閉状態とすることもできる。
【0029】
このため、ガス遮断弁27を閉じ、ガス回収バイパスライン60のガス流入弁58、ガス流出弁59、及び仕切り弁69を開けてから、LNG側窒素入口弁42を開けてLNG払い出し管14内に窒素ガスを流入させ、LNG払い出し管14、LNG受け入れ管19、連結管70、ガス排出管23、及びガス受け入れ管28内に流して、各管14、19、70、23、28内に溜まった天然ガスを、例えば、0.2MPa程度の圧力の窒素ガスで追い出し、ガス回収バイパスライン60及びガス回収ライン26を介してガス回収本管25内に流入させる。これによって、各管14、19、70、23、28内に溜まった天然ガスを一括して追い出すことができ、追い出された天然ガスは窒素ガスと共にLNG貯蔵タンクに回収される。そして、窒素ガスの供給を開始してから一定時間経過後、ガスブロー弁61を開けてメタンガス濃度計で窒素ガス中のメタンガス濃度を測定する。測定したメタンガス濃度が1%以下であれば、天然ガスの追い出しが完了したと判定する。
【0030】
天然ガスの追い出しが完了すると、LNG側窒素入口弁42、ガスブロー弁61、ガス流入弁58、ガス流出弁59、及び仕切り弁69を閉じてから、ローリーLNG側パージ弁66及びローリーガス側パージ弁71を開けて管14、19、70、23、28内の窒素ガスを放出し、管14、19、70、23、28内の窒素ガス圧力が大気圧程度にまで戻った時点でローリーLNG側パージ弁66及びローリーガス側パージ弁71を閉じて、管14、19、70、23、28に窒素ガスが充満されている状態にする。これによって、各フランジ39、67、53、68の連結解除が可能になる。そして、出荷装置15とLNG受け入れ装置20及びガス戻し装置29とガス排出装置24をそれぞれ分離することにより、タンクローリー車はローリー出荷ヤードから離脱することができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のLNGの出荷方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、不活性ガスに窒素ガスを使用したが、アルゴンガス等の天然ガスに対して非支燃性を有するガスを使用することもできる。LNG払い出し管及びガス受け入れ管にはそれぞれローディングアーム機構を設けたが、例えば、先部に連結手段の一例であるフランジを備えたフレキシブルホースを使用することもできる。また、タンクローリー車にローリータンクが積載された場合について説明したが、内航船にローリータンクが積載された場合も実質的に同様の方法でLNGを出荷できる。
なお、各弁を遠隔操作可能な自動弁に、LNG側圧力計及びガス側圧力計のいずれか一方又は双方を外部出力可能な圧力計にすると共に、ガスブロー弁の放出口側にいずれも外部出力可能な酸素濃度計及びメタンガス濃度計を設置することにより、各圧力計及び各濃度計の検出信号に基づいて各弁の操作を遠隔で行なうことができ、LNGの出荷作業を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施の形態に係るLNGの出荷方法を適用したLNGの出荷装置の説明図である。
【図2】同LNGの出荷装置のLNG抜き作業完了時の弁状態を示す説明図である。
【図3】従来例に係るLNGの出荷方法を適用したLNGの出荷装置の説明図である。
【図4】同LNGの出荷装置のLNG抜き作業完了時の弁状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
10:LNGの出荷設備、11:出荷本管、12:出荷ライン、13:出荷側LNG遮断弁、14:LNG払い出し管、15:出荷装置、16:ローリータンク、17:ローリーLNG充填ライン、18:ローリーLNG緊急遮断弁、19:LNG受け入れ管、20:LNG受け入れ装置、21:ローリーガス排出ライン、22:ガス排出弁、23:ガス排出管、24:ガス排出装置、25:ガス回収本管、26:ガス回収ライン、27:ガス遮断弁、28:ガス受け入れ管、29:ガス戻し装置、30:出荷ライン元弁、31:出荷ライン流量調節弁、33:LNG側固定管、34:LNG側ローディングアーム機構、39:LNG側先端フランジ、41:窒素供給ライン、42:LNG側窒素入口弁、44:LNG側圧力計、45:ガスライン出口弁、46:ガス側ローディングアーム機構、47:ガス側固定管、53:ガス側先端フランジ、57:ガス側圧力計、58:ガス流入弁、59:ガス流出弁、60:ガス回収バイパスライン、61:ガスブロー弁、62:ローリー下部充填弁、63:ローリー下部充填ライン、64:ローリー上部充填弁、65:ローリー上部充填ライン、66:ローリーLNG側パージ弁、67:ローリーLNG充填口フランジ、68:ローリーガス回収口フランジ、69:仕切り弁、70:連結管、71:ローリーガス側パージ弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
LNG貯蔵タンクの出荷本管に接続された出荷ラインに出荷側LNG遮断弁を介して連結するLNG払い出し管を、輸送タンクに設けられたLNG充填ラインに荷受け側LNG遮断弁を介して連結されるLNG受け入れ管に接続し、前記輸送タンクに接続されたガス排出ラインにガス排出弁を介して接続するガス排出管を、前記LNG貯蔵タンクに接続されたガス回収本管に接続するガス回収ラインにガス遮断弁を介して接続するガス受け入れ管に接続して行なわれるLNGの出荷方法において、
前記LNG受け入れ管と前記ガス排出管とを仕切り弁を備えた連結管で予め接続しておき、
前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続が完了した後に、前記仕切り弁を開け、前記出荷側LNG遮断弁、前記荷受け側LNG遮断弁、前記ガス排出弁、及び前記ガス遮断弁で仕切られた連通領域に不活性ガスを供給して封入し、前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続部及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続部での該不活性ガスの漏れを確認する気密試験を行ない、
前記気密試験終了後に前記連通領域に設けたガスブロー弁を開けて、前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続を行なった際に該LNG払い出し管、該LNG受け入れ管、該ガス排出管、及び該ガス受け入れ管の各先端開口部から進入した空気中の酸素を該連通領域内に封入された該不活性ガスと共に一括して排出し該不活性ガス中の酸素ガス濃度を一定値以下にしてから前記輸送タンクへのLNGの移送作業に移行し、
前記輸送タンクへのLNGの移送作業が完了して前記各接続部を切り離す前に、前記出荷側LNG遮断弁、前記荷受け側LNG遮断弁、及び前記ガス排出弁をそれぞれ閉じて前記仕切り弁を開け、前記LNG払い出し管内に不活性ガスを供給し、前記ガス受け入れ管内の天然ガスが一定濃度以下になるまで、前記LNG払い出し管、前記LNG受け入れ管、前記連結管、前記ガス排出管、及び前記ガス受け入れ管内に流して、前記それぞれの管内に溜まった天然ガスの追い出し及び回収を一括して行うことを特徴とするLNGの出荷方法。
【請求項2】
請求項1記載のLNGの出荷方法において、前記ガス回収ラインと前記ガス受け入れ管の間には、前記ガス遮断弁を迂回しガス流入弁及びガス流出弁を有するガス回収バイパスラインが設けられ、該ガス流入弁及び該ガス流出弁の間に前記ガスブロー弁が設けられていることを特徴とするLNGの出荷方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LNG貯蔵タンクの出荷本管に接続された出荷ラインに出荷側LNG遮断弁を介して連結するLNG払い出し管を、輸送タンクに設けられたLNG充填ラインに荷受け側LNG遮断弁を介して連結されるLNG受け入れ管に接続し、前記輸送タンクに接続されたガス排出ラインにガス排出弁を介して接続するガス排出管を、前記LNG貯蔵タンクに接続されたガス回収本管に接続するガス回収ラインにガス遮断弁を介して接続するガス受け入れ管に接続して行なわれる前記LNG貯蔵タンクから前記輸送タンクにLNGを積込む際のLNGの出荷方法において、
前記LNG受け入れ管と前記ガス排出管とを仕切り弁を備えた連結管で予め接続しておき、
前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続が完了した後に、前記仕切り弁を開け、前記出荷側LNG遮断弁、前記荷受け側LNG遮断弁、前記ガス排出弁、及び前記ガス遮断弁で仕切られた連通領域に不活性ガスを供給して封入し、前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続部及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続部での該不活性ガスの漏れを確認する気密試験を行ない、
前記気密試験終了後に前記連通領域に設けたガスブロー弁を開けて、前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続を行なった際に該LNG払い出し管、該LNG受け入れ管、該ガス排出管、及び該ガス受け入れ管の各先端開口部から進入した空気中の酸素を該連通領域内に封入された該不活性ガスと共に一括して排出し該不活性ガス中の酸素ガス濃度を一定値以下にしてから前記輸送タンクへのLNGの移送作業に移行し、
前記LNG貯蔵タンクから前記輸送タンクへのLNGの移送作業が完了して前記LNG払い出し管と前記LNG受け入れ管との接続部及び前記ガス排出管と前記ガス受け入れ管との接続部を切り離す前に、前記出荷側LNG遮断弁、前記荷受け側LNG遮断弁、及び前記ガス排出弁をそれぞれ閉じて前記連結管の前記仕切り弁を開け、前記LNG払い出し管内に不活性ガスを供給し、前記ガス受け入れ管内の天然ガスが一定濃度以下になるまで、前記LNG払い出し管、前記LNG受け入れ管、前記連結管、前記ガス排出管、及び前記ガス受け入れ管内に流して、該LNG払い出し管、該LNG受け入れ管、該連結管、該ガス排出管、及び該ガス受け入れ管内に溜まった天然ガスの追い出し及び前記LNG貯蔵タンクへの回収を一括して行うことを特徴とするLNGの出荷方法。
【請求項2】
請求項1記載のLNGの出荷方法において、前記ガス回収ラインと前記ガス受け入れ管の間には、前記ガス遮断弁を迂回しガス流入弁及びガス流出弁を有するガス回収バイパスラインが設けられ、該ガス流入弁及び該ガス流出弁の間に前記ガスブロー弁が設けられていることを特徴とするLNGの出荷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−307936(P2006−307936A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−129944(P2005−129944)
【出願日】平成17年4月27日(2005.4.27)
【出願人】(598166696)北九州エル・エヌ・ジー株式会社 (5)
【Fターム(参考)】