説明

MEMS振動型慣性センサ用組込み試験

本発明は、慣性センサによって供給された、誤っているかまたは紛らわしいデータの識別を支援することにより信頼性改善を支援する、あるレベルの組込み試験を有するMEMS振動型慣性センサを提供する。試験信号がMEMS振動型慣性センサの1つまたは複数の入力に注入され、この試験信号は、1つまたは複数のMEMS振動型慣性センサ出力で試験信号成分を生成する。次いで、この試験信号成分が1つまたは複数の出力で観測される。この試験信号成分が、元の試験信号の少なくとも所定の特性と一致するなら、MEMS振動型慣性センサが適正に動作しており、誤っているかまたは紛らわしいデータを生成していないことがより有望である。実施形態には、試験信号が通常の機能動作中に供給され観測されるものがある。本発明は、慣性センサによって供給された、誤っているかまたは紛らわしいデータの識別を支援することにより信頼性改善を支援する、あるレベルの組込み試験を有するMEMS振動型慣性センサを提供する。例示の一実施形態では、試験信号がMEMS振動型慣性センサの1つまたは複数の入力に注入され、この試験信号は、1つまたは複数のMEMS振動型慣性センサ出力で試験信号成分を生成する。次いで、この試験信号成分が1つまたは複数の出力で観測される。この試験信号成分が、元の試験信号の少なくとも所定の特性と一致するなら、MEMS振動型慣性センサが適正に動作しており、誤っているかまたは紛らわしいデータを生成していないことがより有望である。実施形態には、MEMS振動型慣性センサの通常の機能動作中に試験信号が与えられて観測され、それによってセンサ稼動中の組込み試験を提供するものがある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にMEMSジャイロおよびMEMS加速度計などMEMS振動型慣性センサに関し、より詳細には組込み試験を有するMEMS振動型慣性センサに関する。
【背景技術】
【0002】
MEMS振動型慣性センサは、多種多様な用途で使用される。これら多くの用途のために、高い信頼性が求められる。例えば、自動車の安定性制御システムでは、場合によっては自動車を制御不能に陥らせ得る、誤っているかまたは紛らわしいデータを減少させるために、信頼できる慣性センサが望ましい。あるレベルの組込み試験を有するMEMS振動型慣性センサは、慣性センサによって供給された、誤っているかまたは紛らわしいデータの識別を支援することにより信頼性改善を支援するのに望ましいであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、慣性センサによって供給された、誤っているかまたは紛らわしいデータの識別を支援することにより信頼性改善を支援する、あるレベルの組込み試験を有するMEMS振動型慣性センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
例示の一実施形態では、試験信号がMEMS振動型慣性センサの1つまたは複数の入力に注入され、この試験信号は、1つまたは複数のMEMS振動型慣性センサ出力で試験信号成分を生成する。次いで、この試験信号成分が1つまたは複数の出力で観測される。この試験信号成分が、元の試験信号の少なくとも所定の特性と一致するなら、MEMS振動型慣性センサが適正に動作しており、誤っているかまたは紛らわしいデータを生成していないことがより有望である。実施形態には、MEMS振動型慣性センサの通常の機能動作中に試験信号が供給されて観測され、それによってセンサ稼動中の組込み試験を提供するものがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下の説明は、図面を参照しながら読まれるべきであり、異なる図面の類似の要素には同様に番号が付けられる。図面は必ずしも原寸に比例せず、選択された実施形態を図示するが、本発明の範囲を限定するようには意図されない。構造、寸法および材料の例が、様々な要素向けに示されることがあるが、当業者は、提供された多くの例が、利用され得る適切な代案を有することを理解するであろう。
【0006】
例示の目的で、図1を参照して、MEMS型ジャイロスコープ10が詳細に説明されるであろう。しかし、MEMSジャイロおよびMEMS加速度計など種々様々のMEMS振動型慣性センサに、必要に応じて本発明を適用できることが理解されるべきである。
【0007】
この説明では振動型レートジャイロスコープであるジャイロスコープ10は、第1のプルーフマス12および第2のプルーフマス14を含み、各マスは、慣性運動が求められることになっているジャイロスコープの入力軸すなわち「レート」軸18に直交する駆動面中の支持基板16を下にしてその上で前後に振動するように適合される。第1のプルーフマス12は、右方向/左方向1組の矢印20によって一般に示されるように、シャトルマス22と第1の駆動電極24の間で支持基板16の上を前後に振動するように構成され得るが、シャトルマス22および駆動電極24はどちらも支持基板16の上で静止したままであり、第1のプルーフマス12の動きを制限する。そしてまた第2のプルーフマス14は、左方向/右方向1組の矢印30によって一般に示されるように、同様に第2のシャトルマス26と第2の駆動電極28の間で支持基板16の上を前後に振動するように構成され得るが、ほとんどの場合第1のプルーフマス12に対して位相が180度ずれる。
【0008】
第1のプルーフマス12は、第1の終端32、第2の終端34、第1の側面36、および第2の側面38を有する薄板または他の適切な構造体を含むことができる。第1のプルーフマス12の各終端32、34から、複数の櫛形フィンガ40、42が外側に延びる。櫛形フィンガには、右方向/左方向1組の矢印20によって示された方向に、第1のプルーフマス12を静電気で駆動するのに使用され得るものがある。図1に示された例示のジャイロスコープ10では、例えば、第1のプルーフマス12の第1の終端32から外側に延びる櫛形フィンガ40の第1のセットは、第1の駆動電極24上に形成された駆動櫛の駆動フィンガ44の対応するセットと指のように組み合わせられ得る。そしてまた、第1のプルーフマス12の第2の終端34から外側に延びる櫛形フィンガ42の第2のセットは、第1のシャトルマス22上に形成された櫛形フィンガ46の対応するセットと指のように組み合わせられ得る。実施形態には、櫛形フィンガ46のセットが第1のプルーフマス12の運動を検出するために使用され得るものがある。
【0009】
第2のプルーフマス14は、第1のプルーフマス12と同様に構成されることができ、第1の終端48、第2の終端50、第1の側面52および第2の側面54を有する。第2のプルーフマス16の第1の終端48から外側に延びる櫛形フィンガ56の第1のセットは、第2のシャトルマス26上に形成された櫛形フィンガ58の対応するセットと指のように組み合わせられ得る。実施形態には、櫛形フィンガ58のセットが、第2のプルーフマス14の運動を検出するために使用され得るものがある。そしてまた、第2のプルーフマス14の第2の終端50から外側に延びる櫛形フィンガ60の第2のセットは、第2の駆動電極28上に形成された駆動櫛形フィンガ62の対応するセットと指のように組み合わせられ得る。
【0010】
第1および第2のプルーフマス12、14は、1つまたは複数の懸架ばねを使用して、下にある支持構造16の上で1つまたは複数の方向に拘束され得る。図1に示されるように、例えば、第1のプルーフマス12は固定され得るか、そうでなければ、第1のプルーフマス12の4つの隅に各終端66で接続され得る4つの懸架ばね64の第1のセットを使用して、支持基板16に結合され得る。同様にして、第2のプルーフマス14は、第2のプルーフマス14の4つの隅に各終端70で接続され得る4つのばね68の第2のセットを使用して、下にある支持基板16に固定され得る。
【0011】
使用時には、懸架ばね64、68は、右方向/左方向1組の矢印20、30によって一般に示された方向への第1および第2のプルーフマス12、14の振動運動を絶縁するように構成されることができて、レート軸18方向の望ましくない垂直方向の運動を低減し、かつ運動検出方向72の直交運動を低減する。支持基板16上のプルーフマス12、14を支持することに加えて、各動作サイクル中に駆動電圧信号が零点を通過するとき懸架ばね64、68が回復力を与えるように構成されることもできる。
【0012】
駆動電圧Vが、第1および第2の駆動電極24、28に印加されることができて、指のように組み合わせられた櫛形フィンガの間に静電気力を誘起し、静電気によって櫛形フィンガを互いに対して動かす原因となる。駆動電圧Vは、時間的に変化する電圧信号を出力して櫛形フィンガに供給される電荷を交番させるように構成されることができ、このことが懸架ばね64、68と共に、支持基板16の上で第1および第2のプルーフマス12、14を特定のやり方で前後に振動させる原因となる。一般に、駆動電圧Vは、第1および第2のプルーフマス12、14の共振振動数(例えば10kHz)に一致する周波数を有することになるが、必要に応じてその他の所望の駆動周波数が採用され得る。
【0013】
一対の検出電極74、76が検出システムの一部として与えられることができ、レート軸18のまわりのジャイロ運動の結果である第1および第2のプルーフマス12、14の運動検出方向72の面外振れを検出し測定する。図1中の破線で示されるように、例示の検出電極74、76は、プルーフマス12、14の下に配置され各検出電極74、76の上側表面がそれぞれのプルーフマス12、14の下側に垂直方向に隣接しかつ平行であるように配向された、薄い、長方形(または他の形)に作られた電極プレートを含むことができる。検出電極74、76は、周囲の櫛形フィンガ40、42、56、60との電気的干渉を最小化して検出信号中への駆動電圧源Vの漏れを防ぐように、サイズおよび形を構成され得る。
【0014】
各検出電極74、76に印加された検出バイアス電圧Vは、それぞれ検出電極74とプルーフマス12間の静電容量ならびに検出電極76とプルーフマス14間の静電容量に比例した電荷を第1および第2のプルーフマス12、14に誘起するために利用され得る。検出電極74、76および第1および第2のプルーフマス12、14は、好ましくは導電材料(例えばシリコンでドープされた導体、金属または他の適切な材料)を含み、検出電極74、76上で生成された電荷が検出バイアス電圧Vに関してプルーフマス12、14に送られるのを可能にする。
【0015】
動作中に、レート軸18のまわりのジャイロスコープ10の回転運動に起因するコリオリの力は、検出電極74、76に対して第1および第2のプルーフマス12、14を面外に移動させる原因となる。これが起きると、検出電極74とプルーフマス12ならびに検出電極76とプルーフマス14の各間隔の変化が、検出電極74とプルーフマス12ならびに検出電極76とプルーフマス14それぞれの間の静電容量の変化を引き起こすが、これは、次式を使用して、プルーフマス12、14上の電荷として測定することができる。
【0016】
q=εAV/D
ただし、Aは検出電極とプルーフマスの重なり面積、Vは検出電極に印加された検出バイアス電圧、εは検出電極とプルーフマス間の材料(例えば真空、空気など)の誘電率、Dは検出電極74、76とそれぞれのプルーフマス12、14間の距離または間隔である。結果として生ずる電荷がプルーフマス12、14上に受け取られ、様々な懸架ばね64、68を通過するかまたは横切って複数のリード78に供給され得る。そしてまた、リード78は、第1および第2のプルーフマス12、14から受け取った電荷信号または電流を、コリオリの力を示す対応するレート信号82へと変換するチャージアンプ80に電気的に接続され得る。
【0017】
チャージアンプ80への入力のバランスをゼロまたはおよそゼロにするのを支援するために、第1のプルーフマス12に印加される検出バイアス電圧Vは、第2のプルーフマス14に印加される検出バイアス電圧Vと反対の極性を有することができる。例えば、ある設計では、+5Vおよび−5Vの検出バイアス電圧Vが、それぞれ検出電極74、76に印加されることができ、チャージアンプ80の出力ノード84に不平衡電流が流れ込むのを防ぐ。プルーフマス12、14上の電圧を実質的な接地に維持するのを支援するために、必要に応じて比較的大きな値の抵抗86が入力88からチャージアンプ80の出力ノード86まで接続され得る。
【0018】
モータバイアス電圧VDCが、第1および第2のシャトルマス22、26の両端に供給されることができ、駆動電圧源Vによって誘起されたプルーフマス12、14の変位を検出かつ/または測定する。第1および第2のシャトルマス22、26上の櫛形フィンガ46、58に対する第1および第2のプルーフマス12、14上の櫛形フィンガ42、56の運動に起因するモータピックオフ電圧VPICKは、第1および第2のプルーフマス12、14の運動を検知/検出するために使用され得る。
【0019】
図2は、あるレベルの組込み試験を有する例示的MEMS型ジャイロスコープの概略図である。図1のジャイロスコープが、ジャイロブロック10としてブロック形式で示される。例示の実施形態では、駆動発振器100は、図1に関して前述のモータピックオフ電圧VPICKを受け取る。図2ではモータピックオフ電圧が1つしか示されていないが、ある実施形態では、駆動発振器100が図1のプルーフマスの各々からモータピックオフ電圧VPICKを受け取るように構成され得るものが企図される。しかし、話を簡単にするために、図2に示される実施形態は、これらプルーフマスのうち1つだけの動作を示し説明する。
【0020】
駆動発振器100は、モータピックオフ電圧VPICKを使用して、次のモータ駆動サイクルを与える。前述のように、モータ駆動信号は、時間的に変化する電圧信号を出力して櫛形フィンガに供給される電荷を交番させるように構成されることができ、このことが懸架ばね64、68と共に、支持基板16の上で第1および第2のプルーフマス12、14を特定のやり方で前後に振動させる原因となる(図1参照)。一般に、駆動電圧Vは、第1および第2のプルーフマス12、14の共振振動数(例えば10kHz)に一致する周波数を有することになるが、他の所望の駆動振動数が必要に応じて使用され得る。
【0021】
電圧振幅の制御を支援するために、駆動発振器100の出力が振幅制御器102に供給され得る。振幅制御器102は基準器104から基準振幅を受け取る。組込み試験を有していないジャイロでは、振幅制御器102の出力は、プルーフマスのうちの1つに駆動電圧Vとして直接供給され得る。しかし、本発明の例示の一実施形態によれば、振幅制御器102の出力は、振幅制御器102の出力と試験信号106とを変調する変調器105に供給され得る。試験信号106は、連続的に動作する組込み試験(CBIT)交流信号でよく、モータ駆動共振周波数よりかなり低いかまたはかなり高い周波数を有してよい。例示の一実施形態では、試験信号106は、50Hzの周波数を有し、モータ駆動信号は約10kHzの周波数を有するが、他の周波数が使用されてもよい。ある例では、試験信号106の振幅は、予期されたコリオリのレート電圧(例えばVRATE82)と実質的に一致するようにされ得るが、これが全ての実施形態で必要とされるわけではない。
【0022】
試験信号106が変調器105によって変調された後、その結果が駆動電圧Vとしてジャイロ10に供給される。したがって、駆動電圧Vは、試験信号106に対応する成分および振幅制御器102の出力に対応する成分を有する。試験信号106に対応する駆動電圧Vの成分は、プルーフマスの静電気駆動にまったく影響を及ぼさないかまたはほとんど影響を及ぼさないように、プルーフマスのあらゆる共振モードから十分離れた周波数を有するのが好ましい。しかし、例示の実施形態では、この成分はプルーフマスに容量結合され(検出プレートに結合される例もある)、そして最終的には、第1および第2のプルーフマス12、14から受け取られた電荷信号または電流を対応するコリオリの力を示すレート信号82へと変換するチャージアンプ80に結合される。したがって、例示の実施形態では、チャージアンプ80の出力82は、与えられたコリオリの力に対応する成分、および容量結合された試験信号106に対応する成分を含み得る。
【0023】
例示の実施形態では、チャージアンプ80の出力82は、レート増幅器110に供給されることができ、レート増幅器110がこの信号を増幅する。レート増幅器110の出力は、フィルタリングと増幅の両機能を果たすフィルタ増幅器112に供給され得る。次いで、フィルタ増幅器112の出力は、114で示される振幅制御器104の出力を使用して復調され得る。例示の実施形態では、破線116によって示されるように、試験信号106は、最初は振幅制御器104の出力を基準に使用して変調され、フィルタ増幅器112の出力は、同じ信号を使用して復調される。このことは、変調された試験信号106を、コリオリの力を示すレート信号82と比較的同相に保つのを支援し得る。
【0024】
例示の実施形態では、復調信号が別のフィルタ増幅器120に供給され、その結果は、122で示される試験信号の成分が重畳した直流のレートバイアス信号である。この信号は、直流のレートバイアス信号から試験信号の成分を分離するさらに別のフィルタ130に渡される。試験信号134の成分が、元の試験信号106の少なくとも選択された特性と一致するなら、ジャイロ10が適切に動作しており、誤っているかまたは紛らわしいデータを生成していないことがより有望である。
【0025】
実施形態には、フィルタ130が単に高域通過フィルタおよび低域通過フィルタでよいものがある。例えば、高域通過フィルタは試験信号134の成分を通すことができ、それと同時に低域通過フィルタが直流のレートバイアス信号132を通すことができる。しかし、別の実施形態では、フィルタ130は、適応フィルタなどのより精巧なフィルタでもよい。そのような適応フィルタの1つが、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,331,402号で説明されている。実施形態には、適応フィルタが元の試験信号106を受け取ることができ、直流のレート信号132から試験信号134の成分を分離するのを支援するものがある。適応フィルタが、直流のレート信号132の予期された変化速度に対して比較的ゆっくり「適合する」ように構成され得る例もある。例えば、適応フィルタは、60秒の時定数または他の適切な任意の時定数も必要に応じて有することができる。
【0026】
直流のレート信号132および試験信号134の分離された成分は、後続の処理および/または解析用にデジタル信号に変換され得る。実施形態には、直流のレート信号132は100Hzで、また、試験信号134の分離された成分は200Hzでサンプリングされ得るものがあるが、必要に応じて他のサンプリングレートも使用され得る。
【0027】
図に示すように、試験信号106は連続的に供給されることができ、したがって、ジャイロの動作が連続的に観測および/または試験され得る。このことは、ジャイロによって供給された、誤っているかまたは紛らわしいデータを識別するのを支援することにより、ジャイロの信頼性を改善するのを支援することができる。
【0028】
モータ駆動信号の中へ試験信号106を注入するのでなく、むしろ、試験信号106が、必要に応じて検出プレート上に注入され得るように企図される。そのように提供されるとき、試験信号106はプルーフマスに容量結合され、また、前述のように、チャージアンプ80の出力82上に重畳される。この構成は、あるレベルの組込み試験をも提供し、ジャイロによって供給された、誤っているかまたは紛らわしいデータを識別するのを支援することにより、ジャイロの信頼性を改善するのを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明によるMEMS型ジャイロスコープの概略図である。
【図2】あるレベルの組込み試験を有する例示的MEMS型ジャイロスコープの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力および複数の出力を有するMEMS振動型慣性センサであって、
1つまたは複数の前記出力で試験信号成分を生成する試験信号を、前記MEMS振動型慣性センサの1つまたは複数の前記入力に注入するための注入器と、
前記1つまたは複数の出力から前記試験信号成分を分離するために1つまたは複数の前記出力に結合された分離器とを備えるMEMS振動型慣性センサ。
【請求項2】
モータ駆動軸に沿って前後に運動するプルーフマスと、
前記モータ駆動軸に沿って前記プルーフマスを静電気で駆動するための、モータ駆動信号によって駆動されるモータ駆動電極と、
前記プルーフマスに隣接して配置され、検出電位にバイアスされた検出プレートとをさらに備え、
前記試験信号が前記モータ駆動電極に注入される請求項1に記載のMEMS振動型慣性センサ。
【請求項3】
前記試験信号と前記モータ駆動信号とを変調するための変調器をさらに備える請求項2に記載のMEMS振動型慣性センサ。
【請求項4】
前記出力のうち少なくとも1つがレート出力を含み、動作中に、前記レート出力が、前記MEMS振動型慣性センサのレート軸まわり回転レートに関係する成分および前記注入された試験信号に関係する成分を含む信号を含む請求項3に記載のMEMS振動型慣性センサ。
【請求項5】
前記モータ駆動信号で、前記レート出力での前記信号を復調するための復調器をさらに備える請求項4に記載のMEMS振動型慣性センサ。
【請求項6】
前記分離器が、前記レート出力での前記信号から前記試験信号成分を分離するための1つまたは複数のフィルタを含む請求項5に記載のMEMS振動型慣性センサ。
【請求項7】
モータ駆動軸に沿って前後に運動するプルーフマスと、
前記モータ駆動軸に沿って前記プルーフマスを静電気で駆動するための、モータ駆動信号によって駆動されるモータ駆動電極と、
前記プルーフマスに隣接して配置され、検出電位にバイアスされた検出プレートとをさらに備え、
前記試験信号が前記検出プレートに注入される請求項1に記載のMEMS振動型慣性センサ。
【請求項8】
モータ駆動信号によって駆動されるモータ駆動部と、
前記モータ駆動部によって静電気で駆動されるプルーフマスと、
前記モータ駆動信号に試験信号を注入するための注入器と、
前記プルーフマスのコリオリ運動に関係する成分および前記試験信号に関係する成分を有するレート信号を供給する、前記プルーフマスのコリオリ運動を検出するためのレートセンサと、
前記レート信号を、前記試験信号に関係する前記成分と前記プルーフマスのコリオリ運動に関係する前記成分とに分離するための分離器とを備えるMEMS振動型慣性センサ。
【請求項9】
前記注入器が、前記モータ駆動信号で前記試験信号を変調するための変調器を備える請求項8に記載のMEMS振動型慣性センサ。
【請求項10】
前記レート信号を復調して復調されたレート信号に帰着させるための復調器をさらに備え、前記分離器が、前記復調されたレート信号を、前記試験信号に関係する成分と前記プルーフマスのコリオリ運動に関係する成分とに分離する請求項9に記載のMEMS振動型慣性センサ。
【請求項11】
1つまたは複数の出力で試験信号成分を生成する試験信号を、MEMS振動型慣性センサの1つまたは複数の入力に注入するステップと、
前記試験信号成分を前記1つまたは複数の出力で観測するステップとを含むMEMS振動型慣性センサの観測方法。
【請求項12】
前記試験信号成分が、前記注入された試験信号の少なくとも所定の特性と一致するかどうかで前記MEMS振動型慣性センサが機能していることを判断するステップをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記MEMS振動型慣性センサのモータ駆動入力にモータ駆動信号を供給するステップと、
前記モータ駆動信号に前記試験信号を注入するステップと、
前記MEMS振動型慣性センサによって供給され、前記試験信号に対応する成分を含むレート信号を検出するステップとをさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記試験信号に対応する前記レート信号の成分が、前記試験信号の1つまたは複数の特性と一致するかどうか判断するステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記レート信号から前記試験信号に対応する前記成分を分離するステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記分離ステップが、適応フィルタを使用して前記レート信号から前記試験信号に対応する前記成分を分離する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記試験信号が前記モータ駆動信号によって変調される請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記MEMS振動型慣性センサが、モータ駆動軸に沿って前後に運動するプルーフマスおよび前記プルーフマスを前記モータ駆動軸に沿って静電気で駆動するモータ駆動電極を含み、前記モータ駆動電極がモータ駆動信号で駆動され、検出プレートが前記プルーフマスに隣接して配置され、前記検出プレートが検出電位にバイアスされ、前記試験信号が前記検出プレートに注入される請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記MEMS振動型慣性センサによって供給され、前記MEMS振動型慣性センサの運動に関係する成分および前記試験信号に関係する成分を含むレート信号を検出するステップをさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記MEMS振動型慣性センサの運動に関係する前記成分と前記試験信号に関係する前記成分とを分離するステップをさらに含む請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−501981(P2008−501981A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527709(P2007−527709)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/020234
【国際公開番号】WO2005/121705
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】