MPEG情報信号変換システム
【課題】デコーダ内側の移送バッファをオーバーフローさせないように非同期チャネルを介してタイミングクリティカルデータを伝送する方法を提供する。
【解決手段】パケットは一定速度を得るためにリマルチプレクサを介して順次処理され、例えばTV受像機の内側又はセットトップデコーダ中の一つ又はそれ以上の目標デコーダによって配送され及び消費される。これらデコーダの内側の移送バッファのオーバーフローを防止するために、各パケットを、バッファのオーバーフロー及び情報の損失を回避するように所望にスケジュールして供給する単一モニタ−スケジューラが設けられる。この方法は移送パケットへの新PCRの再スタンプを包含する。リマルチプレクサ構成は、DVCR又は他の市販の用途で実現するのに十分簡単である。所望のプログラムマテリアルを選択するとともに移送パケットにSOAタグを付ける出力ストリーム記録方法も記載されている。
【解決手段】パケットは一定速度を得るためにリマルチプレクサを介して順次処理され、例えばTV受像機の内側又はセットトップデコーダ中の一つ又はそれ以上の目標デコーダによって配送され及び消費される。これらデコーダの内側の移送バッファのオーバーフローを防止するために、各パケットを、バッファのオーバーフロー及び情報の損失を回避するように所望にスケジュールして供給する単一モニタ−スケジューラが設けられる。この方法は移送パケットへの新PCRの再スタンプを包含する。リマルチプレクサ構成は、DVCR又は他の市販の用途で実現するのに十分簡単である。所望のプログラムマテリアルを選択するとともに移送パケットにSOAタグを付ける出力ストリーム記録方法も記載されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、R.W.J.J.Saeij,I.A.Shah及びTakashi Satoの名で"Recording And Reproducing An MPEG Information Signal On/From A Record Carrier" の表題で1994年6 月3 日に出願された出願番号08/253,535の一般的に譲り受けられた部分継続出願であり、順に、W.J.Van Gestel,R.W.J.J.Saeij及びI.A.Shahの名で"Recording And Reproducing An MPEG Information Signal On/From A Record Carrier" の表題で1994年4 月8 日に出願された出願番号08/225,193の一般的に譲り受けられた部分継続出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、MPEG情報信号を記録担体、特にデジタルビデオカセットレコーダ(DVCR)タイプの記録担体上のトラックに記録するとともそれを再生するシステムに関するものである。
【0003】
MPEG情報信号は、放送目的すなわちケーブルネットワークを介した伝送用に、圧縮されたデジタルビデオ信号のデータ及び対応する圧縮されたデジタル音声信号(場合によってはデータ信号)を含む移送パケットの連続すなわちストリームを具える。MPEG情報信号は、時間的に同一の長さ又は可変の長さを有する移送パケットの形態である。しかしながら、いずれの場合でも、移送パケットは188 バイトの情報を具え、これらの最初のバイトは同期バイトである。
【0004】
テープとしての磁気記録担体のような記録担体上に記録し及び記録担体から再生する形態のMPEG情報信号のような伝送は、既知のテープフォーマットを介するこの種の伝送を実現するために特殊な方法をとる必要がある。
【0005】
パケットシーケンス番号の記憶は、一定のビットすなわち移送速度を有するMPEGデータストリームをパケット間に任意のギャップなしに受信し、かつ、そのMPEGデータストリームがMPEGデータストリームに介在した複数の相違するビデオプログラムを具える場合に利点を有する。一般に、このようなデータストリームは、記録担体上に全データストリームを記録するに当たり非常に高いビット速度を有するおそれがある。例えば、ケーブル伝送に対するMPEGビット速度は45Mbpsであり、それに対して記録担体は代表的には25Mbpsで記録する。この場合、記録装置は、MPEGデータストリームから一つ又は複数のプログラムを検索して記録用のMPEG情報信号を得るプログラムセレクタを具える。一つのプログラムのみに対応する情報がMPEG移送パケット中に含まれるので、それ自体既知のこのようなプログラムセレクタは、所望の一つ又は複数のプログラムに対応する情報を具えるMPEGデータストリームからこれらの移送パケットを選択する。これは、受信した元のMPEGデータストリームの幾つかのパケットが削除されることを意味する。しかしながら、再生に当たり、この場合所望のプログラムのみを具えるMPEG規格に応じた有効なMPEGビデオ信号を再発生すなわち再創成させる必要がある。「有効な」MPEG信号すなわち移送ストリームは、以下の要件を満足するストリームを意味するものとする。
1.パケット中のプログラムクロック基準(PCR) がOKである。PCR を、代表的には、伝送エンコーダ中のローカルクロックのサンプルの33ビット値とする。PCR を、エンコーダ中でローカルクロックをエンコーダローカルクロックに同期させうるようにクロック回復用に使用される。
2.ネットワークにより各PCR に対して累積した変化を、MPEGによって特定された制限内で保持する必要がある。
3.デコーダ移送バッファはオーバーフローしない。
【0006】
このように再発生したデータストリームは、記録に当たって選択された移送パケットと同一順序を有する必要がある。記録に当たり、シーケンス番号を、削除される任意のパケットに対しても、受信した各移送パケットに加えることができる。選択され及び記憶されたパケットのシーケンス番号を、移送パケットが記憶される信号ブロックの第3ブロック部に記憶させることができる。再生に当たり、シーケンス番号が検索され、この場合次の番号が次に大きい番号である必要がない。このような状況では、一つ又はそれ以上のダミーパケットを挿入して、元のMPEGデータストリームのレプリカを再発生させる必要がある。
【0007】
記録担体上に記録されたMPEG情報信号の再生を可能にするために、記録装置の特定の例にそれぞれ適合させた再生装置を必要とすることもわかる。
【0008】
参照のために全内容がここに組み込まれた二つの関連の同時係属出願は、DVCRによって表されたチャネルの非同期の性質及びMPEG移送ストリームに組み込まれたタイミングクリティカルデータを保護する必要から生じる問題を解決して、通常のTV受像機で再生するに当たり有効なMPEG情報信号としてMPEG移送ストリームを再構成するこのようなシステムを記載している。記載されたシステムは、チャネルに対する入力前のMPEGデータストリームの移送パケットへのタイミング情報のタグ付け及び適切なデータタイミングを再創成するためのチャネルの出力端におけるタイミング情報の使用を包含する。タイミング情報タグを移送ストリームの一つ又は複数の移送ユニットにパックする種々の構成が記載されている。この基本的なタグ付け機構を使用すると、種々のタイプの移送ストリームを、元の移送中の任意の情報を損失することなく記録し及び再生することができる。移送ストリームの移送速度が未知である、すなわち移送パケット間にギャップを有する(すなわちバーストを有する。)場合、又は移送速度が変化する場合、参照した関連出願はこのようなデータストリームを操作する方法を記載している。
【0009】
それに対して、入来する移送ストリームの移送速度が一定で未知である場合、関連出願は、この状況を操作する装置も記載している。したがって、関連出願に記載されたように到達時間(TOA) 及び到達シーケンス(SOA) の結合を用いると、未知であるが一定の移送速度のMPEG-2移送ストリームを記録し及び再生時に再創成することができる。しかしながら、このような場合、入力において移送パケット間に任意のギャップが存在すべきではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、DVCRを用いるMPEG情報の記録及び再生用システムである。
【0011】
本発明の他の目的は、速度及び/又はバーストが変化するおそれがある入来する未知の移送ストリームから固定速度で一定の移送ストリームを発生させるシステムである。
【0012】
本発明の他の目的は、速度及び/又はバーストが変化するおそれがある入来する未知の移送ストリームから固定速度で一定の有効なMPEG移送ストリームを発生させるシステムである。
【0013】
本発明の他の目的は、DVCR又は他の市販の用途で実行するのに十分簡単なMPEG移送ストリーム用の再マルチプレクサ構成である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の特徴によれば、パケットを、一定速度を得るためにリマルチプレクサによって順次処理するとともに、例えばTV受像機内又はセットトップデコーダ中の一つ又はそれ以上の目標デコーダによって配送し及び消費する。これらデコーダのそれぞれの内側の移送バッファのオーバーフローを防止するために、バッファのオーバーフロー及び情報の損失を回避するように移送バッファの全てをモニタするとともに所望に時間割り当てされた各パケットに供給する単一モニタを設ける。本発明の方法のこの特徴は、移送パケットに新PCR を再スタンプすることを必要とする。他の観点から見れば、本発明のこの特徴は基本的に、既知の固定されたケースに対する移送ストリームのリマルチプレクサ処理と、それに続く、一定で既知の移送速度を有する移送ストリームのケースに対する参照した関連出願に記載された解決の適用とを包含する。
【0015】
本発明はMPEG情報信号への適用に限定されるものではなく、DVCR以外の非同期チャネルに適用することもできる。MPEGデータストリームの伝送に加えて、非同期チャネル全体に亘ってタイミングクリティカルデータの伝送を要求しうる他の種々の用途がある。ここで、非同期は、チャネルの物理データ速度が、伝送すべきデータの速度である移送速度と相違することを意味し、その結果データのタイミングはチャネル転送中で維持されない。
【0016】
タイミングクリティカルデータの一例としてのMPEG移送ストリームでは、移送ストリームのタイミング情報すなわちPCR を表すデータの関連の到達時間を、PCR 値に応じて変化させることなく伝送による特定の誤差を超えて変化させてはいけない。この理由は、デコーダの位相同期ループ(PLL) 回路がデータクロックを再発生しそこなうと、バッファがアンダー/ オーバーフローするおそれがあるからである。移送すべき任意のデータを変化させることなく非同期チャネル全体に亘るタイミングクリティカルデータの伝送方法のこの問題は、非同期チャネルがコンピュータネットワーク、電話回路網又はデジタルインタフェース例えばP1394 の場合にも存在する。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、複雑なデレマチプレクサ処理/リマルチプレクサ処理を行う必要がなく、その代わりに、利用できるパケットの順序を変えることのない各パケットのスケジューリングに依存する向上したリマルチプレクサ処理方法が記載されている。この方法は、要求されるハードウェアが著しく廉価となるとともに低コストの市販の装置をより容易に実現するという利点を提供する。
【0018】
本発明を特徴づける新規な種々の特徴を、この開示の一部を形成する追加された複数の請求の範囲に示す。本発明、その動作の利点及びその使用により達成させる特定の目的をよりよく理解するために、本発明の好適な実施の形態が図示及び記載された添付図面及び詳細な説明を参照する必要がある。ここで、同様な符号を同一又は同様な素子に付すものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明をより理解するために、一定の既知の移送速度で移送ストリームを操作する二つの関連出願で説明し及び請求の範囲で請求されたシステムを説明する。
【0020】
図1は、MPEG用途に適用したこのようなシステムを示し、ここでRは、デジタルインタフェース(D-I/F) からの移送パケットの連続の形態で伝送ユニットに細分したMPEGデータストリームの移送速度を表す。図示した例では、入来する移送速度を45Mbpsとし、25MbpsでDVCR上に記録され、その後標準的なTV受像機で再生するために有効なMPEG信号として45Mbpsで再生する。
【0021】
D-I/F から入来するデータストリームは、各移送パケットの到来時に増分するカウンタ11のみを必要とするSOA タグを各入来パケットに付ける既知のタグ付け手段10によって受信される。タグ付けされたパケットはその後、所望のプログラムマテリアルを選択する選択手段12に行き、選択したパケットをローカルバッファ15に一時的に記憶させる。参照した関連出願で説明したように、トリックモードパケットを、ブロック16で入来移送ストリームから発生させるとともに、DVCR上に記録するのに所望な移送速度でマルチプレクサブロック17により所望のプログラムマテリアルと混合することができる。関連のケースに記載されたように、タグ付けビットが、2〜5の同期ブロックから利用しうる追加のビットのマッピングを用いて、対応する移送パケットに沿ってDVCRテープ上に記録される。
【0022】
再生に当たり、記録された各パケットは、ローカルバッファ22を介する読出し制御ブロック20の制御下で、SOA スタンプ情報に応じてその正確なシーケンスで読み出される。デマルチプレクサブロック21はパケットストリームを分離するように作用し、出力ストリーム中の非選択プログラムマテリアルパケットによって形成したギャップが、ヌルパケット発生器23からヌルパケットを供給することにより充填される。再生中、SOA タグ中の「不連続」が検出される度に、記録されていない移送パケットからそれが来たものと仮定する。これら「ミッシング」をヌルパケットと置換する。このようにして、全ての移送パケットが、既知の一定移送速度で出力される。
【0023】
図2は、結果的に得られる移送ストリームの一例を示す。一例として、上側のダイヤグラムでは、入力移送ストリームを、二つのプログラムストリーム:プログラムA及びBとする。プログラムAのみを記録、したがって選択ブロック12中でBパケットを取り除くことを所望する。再生に当たり、プログラムAに属する全てのパケットを、正確に元の時間及び速度で再生し、ギヤップにヌルパケットを充填する(下側のダイヤグラム)。入力ストリームが有効なMPEG信号であった場合、出力ストリームも有効となる。
【0024】
既に説明したことから明らかなように、MPEG用途間の相互操作可能性を維持するために、DVCRに対して、有効なMPEG移送ストリームを、好適には固定速度で一定に(すなわちパケット間に任意のギャップを有することなく)発生させる必要がある。パケット間にギャップが存在することを意味する速度及び/又はバーストの変化するおそれがある、入来する未知の移送ストリームからの図1の装置の入力に対する固定速度の一定な移送ストリームを発生させることは、いわゆるリマルチプレクサ処理により新たな移送ストリームを発生させることに相当する。DVCRによるリマルチプレクサ処理は、必要なパケットの選択、各パケットのタイミングのリスケジューリング及び選択したパケットをヌルパケットによりマルチプレクサ処理して移送ストリーム中のギャップを除去することを具える。リマルチプレクサ処理が行われると常に、以下のリマルチプレクサ処理の要求に適合させる必要がある。
(a)(各移送パケット中で共同した)各PCR のタイミングジッタを、許容しうる制限範囲内で保持する必要がある。
(b)ネットワークを介した各PCR に対する累積した変化を、MPEGによって特定した制限範囲内で保持する必要がある。
(c)発生した移送ストリームが、各基本ストリームデコーダの移送バッファをオーバーフローしないようにする必要がある。
【0025】
本発明による装置の一形態を、図3にSOA 及びリマルチプレクサの結合で図示する。この場合、リマルチプレクサ処理80の後、新速度のパケットストリームにタグ付けする(81)とともに、任意のヌルパケットをローカルバッファブロック82で除去する。しかしながらこの場合、出力パケットの持続時間は相違する。図4は、上側のダイヤグラムにリマルチプレクサ80に対する入力ストリームを、下側のダイヤグラムにD-I/F に対する出力ストリームを示す。移送速度はこの際一定であるが、パケットに新PCR を再スタンプする必要がある。その理由は、旧PCR はもはや有効でないからである。他の問題を図5に図示して表す。
【0026】
図5は、図1及び3のシステムとしうるパケットプロセッサ84に対する有効なMPEG信号入力を線図的に示す。このシステムは、図4(下側のダイヤグラム)のような有効な移送ストリームを、例えば、ここでは「目標デコーダ」及び「目標バッファ」と称する移送バッファ87を含む各基本ストリームデコーダ85に対するパケットを選択するセレクタ86に出力する。システムを適切に実行するために、設けられた各デコーダの目標バッファを全て管理して、オーバーフローを回避する必要がある。問題を図8A及び8Bに図示する。
【0027】
これらの図において、Xは入力移送速度を表し、Yは出力移送速度を表し、Rは目標デコーダ中の移送バッファの読み出し又はその移送バッファを空にするすなわちその漏れ速度を表す。図8Aは、移送バッファのモニタなしのリマルチプレクサ処理の実行を示す。この場合R<Y<Xである。Input を付した行を、時間tに亘る入力移送パケットのシーケンスとし、Outputを付した下の行を、時間tに亘る出力移送パケットのシーケンスとする。上側のグラフは、時間tに亘る移送バッファの充填を表し、Thを付した上部の破線29を用いて充填バッファを表し、斜めの破線30は入力ストリームを表す。32で示すように出力ストリームを表す実線カーブ31がしきい値ライン29と交差する場合、出力パケットの所定のビット数が消失する。これはパケット7,10等で発生する。図示した場合は、入力速度が出力速度より速い場合である。
【0028】
図8Bにおいて、破線34が入力ストリームを表し、かつ、実線カーブ35が出力ストリームを表すようなR<X<Yによって示した入力速度が出力速度より遅いことを示す。この場合も、モニタすることなしに、36及び37で示すようにカーブ35がしきいライン29を交差すると、出力パケットの所定のビット数が消失する。これはパケット6,9等で発生する。
【0029】
本発明の特徴は、DVCR又は他の市販の用途で実行するのに十分簡単なMPGE移送ストリーム用のリマルチプレクサ処理構成である。
【0030】
本発明のこの特徴は、以下の新たな概念及び理解に基づくものである。
1.入来する移送ストリームは十分小さいタイミングジッタを有する。したがって、要件(a)を、適切なローカルクロックを用いてPCR を再スタンプすることにより簡単に適合させることができる。
2.入来する移送ストリームはPCR 変化に対して十分なヘッド空間を有する。したがって、要件(b)を、以下説明するリマルチプレクサ処理構成により適合させることができる。「ヘッド空間」は、MPEG基準により規定したような制限の使用されない部分を意味する。
【0031】
一般的なリマルチプレクサ処理は、各プログラムのクロック再発生、各基本ストリームを分離する入力のデマルチプレクサ処理、各移送目標バッファのトラックの保持、新スケジュールの計算、基本ストリームのリマルチプレクサ処理、PCR の再スタンピング等を含む。認識できるように、このような一般的なリマルチプレクサ処理は、代表的な低コストの市販の用途では実現不可能な複雑なソフトウェア及びハードウェアを必要とする。本発明の特徴は、デマルチプレクサ処理/リマルチプレクサ処理を行わずに、使用できるパケットの順序を変えることなく各移送パケットを簡単にスケジュールする、より簡単なリマルチプレクサ処理構成に基づくものである。このアプローチは、所定の基本的な仮定を必要とする。
1.入力移送ストリーム中の必要なプログラムの全体の正味の速度は、出力移送ストリーム速度(リマルチプレクサ速度)より遅くなる必要がある。
2.しかしながら、入力移送ストリーム速度は、未知で、バーストで、及び/又は、任意の速度、より速い又はより遅い速度であってもよい。
3.リマルチプレクサ速度は、既知で、固定され、かつ、一定である。
【0032】
本発明の方法の特徴によれば、本発明のリマルチプレクサ処理装置の一形態のブロックダイヤグラムである図6を参照すると、リマルチプレクサ処理が次のように行われる。
1.必要なパケットを、フィルタ又はセレクタ40により入来移送ストリームから選択する。
2.PCR を含むパケットに、ローカルクロック39のサンプル値をタグ付けする(41)。
3.各パケットを、パケットがパケット記憶装置44に対して読み出されるまでローカルバッファ42に記憶し及び保持される。
4.パケット記憶装置44が空であるとともにバッファ42に少なくとも一つのパケットが存在するときには常に、バッファ42の最初のパケットを読み出し、かつ、それをパケット記憶装置44に移動させる。同時に、パケットの必要な情報がスケジューラ45に送りだされる。
5.スケジューラ45は、パケット記憶装置44のパケットの出力が、対応する基本ストリームデコーダ85の移送バッファ87をオーバーフローするか否か検査し、かつ、その出力の信号をMUX47に送信する。
6.パケット記憶装置44がパケットを有し、かつ、デコーダ移送バッファがOKである信号をスケジューラ45が送信する場合、MUX47は、パケット記憶装置44中の移送パケットを選択し及び読み出す。そうでない場合、MUX47はヌルパケット発生器49からヌルパケットを選択し及び出力する。パケット記憶装置44中のパケットは、それが読み出されるまでそこに存在したままである。
7.MUXから伝送された移送パケット中の各PCR 値は、以下の式を用いるPCR再スタンパ50で修正される。
PCR new = PCR old + (Clock current - Clock tagged) - Delay max
ここで、
PCR new : 再スタンピング後の新PCR
PCR old : 再スタンピング前の旧PCR
Clock current : 出力時間再スタンピング50における現在のクロック値
Clock tagged: パケットの受信時にタグ付け41されたクロック値
Delay max : 各PCR 値が絶対に増加しないようにする一定値のリマルチプレクサ動作による最大遅延
とする。
【0033】
スケジューリング構成は本発明の重要な特徴である。スケジューリングの主な目的は、デコーダ中の移送バッファが絶対にオーバフローしないようにすることである。パケットのスケジューリングは、それを大雑把に行う場合労力を要する。その理由は、それが、各基本ストリームの移送バッファ充填のトラックの並列的な維持を含むからである。これは、市販の用途の装置に対して非常に複雑となるおそれがあり、したがって簡単に実行する方法を創成した。これは以下に基づく。
1.空にする移送バッファ(図5における85〜88)すなわち入力移送ストリーム中に保持された情報からの各基本ストリームの漏れ速度(読出し速度)を得ることができる。例えば、移送バッファ漏れ速度を、グランド協定(Grand Alliance)HDビデオ規格に対して54Mbpsとし、SDビデオに対して18Mbpsとし、音声に対して2Mbps 、等々とする。リマルチプレクサ速度が移送バッファ漏れ速度より遅い場合、移送バッファをモニタする必要がないことがわかる。その理由は、移送バッファが絶対にオーバーフローしないからである。したがって、モニタを必要とする移送バッファの数を減少させることができる。移送バッファのモニタを、以下のアプローチを用いて更に簡単にすることができる。
1.各移送バッファのバッファ充填を、各受信したパケットの最初からパケットの最後まで単調に増大させることができる。したがって、バッファの充填を各パケットの最後のみで検査するだけでよい。
2.リマルチプレクサは、それ自体の出力移送速度(リマルチプレクサ速度)及び各基本ストリームに対する移送バッファ漏れ速度を既知である。したがって、リマルチプレクサは、以下の式を用いると、パケットを移送バッファに送信し又は送信しないことにより移送バッファのバッファ充填がどの程度であるかを知ることができる。
Leak=Rleak・T packet (2)
Delta=S packet-Leak (3)
ここで、
Leak: 移送バッファがパケットを受信しない際の1パケット周期ごとの移送バッファ充填の変化
R leak: 移送バッファ漏れ速度
T packet: パケット周期、すなわちS packet/Rremux
S packet: パケットサイズ
R remux : リマルチプレクサ速度
Delta:移送バッファが1パケットを受信する際の1周期ごとの移送バッファ充填の変化
とする。
【0034】
以下の表1は、移送バッファのモニタに使用しうるパラメータ表の一例を示す。
Rateleak Leak Delta
ビット(バイト) ビット(バイト)
SD 18Mbps 1,082(135) 422(53)
音声 1 Mbps 61(8) 1,443(180)
その他≧R remux Mbps NA又は0 NA又は0
(Spacket=188バイト,Rremux =25Mbps)
移送バッファ漏れ速度が既知であるとともに移送バッファのモニタを必要とする他のデータタイプが存在する場合、この表を拡大することができる。
3.上記結果を用いると、各移送バッファのバッファ充填を以下の式を用いて計算することができる。
B prev=Blast(i)-Leak(i)(C current -Clast(i)-1) (4)
ここで、
i:現行パケットが属する基本ストリームの索引
B prev: 現行パケットを受信する直前のi番目の基本ストリームの移送バッファ充填
B last(i):移送バッファが最終パケットの受信を終了した際のi番目の基本ストリームの移送バッファ充填
Leak(i):1パケット周期ごとのi番目の基本ストリームの移送バッファ漏れ速度C current : 現行パケットに対する出力パケットカウンタの値
C last(i):i番目の基本ストリームの最終パケットに対する出力パケットカウンタの値
とする。
B prev<0の場合、B prev=0 (5)
B current =Bprev+Delta(i) (6)
ここで、
B current : 移送バッファが現行パケットの受信を終了した際のi番目の基本ストリームの移送バッファ充填
Delta(i): 1パケットを受信することによるi番目の基本ストリームの移送バッファ充填の変化
とする。
【0035】
スケジューリングプログラムは、好適な実施の形態では次のようになる。
ステップ1.各間隔Tpacketにつき、全パケットがパケット記憶装置44に存在するか否か検査する。パケット(現行パケット)が存在する場合、ステップ2に進み、それ以外の場合にはステップ5に進む。
ステップ2.現行パケットが属するi番目の基本ストリームの移送バッファ漏れ速度が最初に得られる場合、式(2)及び式(3)を用いてLeak(i) 及びDelta(i)をそれぞれ計算し、以下のように移送バッファのモニタに対するパラメータを初期化して、ステップ3に進む。
B last(i)=0 (7)
C last(i)=C current (8)
ステップ3.式(4)、式(5)及び式(6)を用いて現行パケットに相当するB current を計算し、ステップ4に進む。
ステップ4.B current が移送バッファサイズ以下の場合、現行パケットを出力するとともに以下のようにしてパラメータを更新して、ステップ6に進む。それ以外の場合にはステップ5に進む。
B last(i)=B current (9)
C last(i)=C current (10)
ステップ5.ヌルパケットを出力してステップ6に進む。
ステップ6.出力パケットカウンタを以下のように増分してステップ1に進む。
C current =C current+1 (11)
【0036】
この簡単なスケジューリング構成は、移送ストリーム中の基本ストリームの数に関係なく各パケット周期ごとに一連の簡単な計算のみを要求し、それにもかかわらずこの構成はハプニングから移送バッファのオーバーフローを防止することができる。さらに、既に説明したように、図6のシステムを図5のパケットプロセッサとして使用する場合、設けた目標デコーダ85に有効なMPEGストリームを供給する間これらデコーダのそれぞれのバッファ充填をモニタすることができる。この理由は、スケジューラ45が、パケットの属するデータストリームを既知であり、個別のデータストリームのそれぞれのパケットのトラックを保持し、かつ、各目標デコーダ85中の各移送バッファの漏れ速度を既知であるので、パケットが記憶装置44に到達する度に上記アルゴリズムを実行できるからである。したがって、一連のパケット処理システムでは、単一のスケジューラが複数のデコーダをモニタすることができる。
【0037】
図3に関連して既に説明したリマルチプレクサ処理構成を、参照した同時係属出願に記載された全体に亘る記録の提案に結合するとともに、冗長を除去する場合、図7に示すような全体的なDVCR解決を得ることができる。図1及び6で使用したものと同一符号は図7において同一素子を表す。既に説明した素子と同様に作用する新たな素子は、タッガ10に相当するパケットシーケンサタッガ60と、ローカルバッファ15に相当する第2ローカルバッファBと、タグ付けされるとともに再スタンプされた移送パケットを、媒体上に記録する前にトリックモード及び記録部中のヌルパケットにマルチプレクサ処理するMUX62とを含む。以前のヌルパケットが、有効なMPEGストリームを創成するMPEGヌルパケットを意味したのに対して、これらヌルパケット49を記録ストリーム中のギャップを充填するだけに使用し、これらヌルパケットはMPEG機能の役割を果たさない。再生部では、不所望な充填パケットを取り除くとともにその結果得られる移送ストリームをローカルバッファ22に対応するローカルバッファC66に記憶させるフィルタ65と、復号化パケット記憶装置67と、符号化部のスケジューラ45と逆の作用を行う復号化スケジューラ68と、ブロック17に対応するMUX69とを設ける。
【0038】
この際、記録を以下のように行う。
1.必要なパケットをフィルタ40によって選択する。
2.PCR を含むパケットを、ローカルクロック39を用いてタグ付け41をする。
3.各パケットを記憶し、それが読み出されるまでローカルバッファA42に保持する。
4.パケット記憶装置44が空であるとともに少なくとも一つのパケットがバッファA42に存在する場合常に、バッファA42中の最初のパケットを読み出すとともにパケット記憶装置44に移動させる。同時に、パケットの必要な情報をスケジューラ45に送信する。
5.スケジューラ45は、パケット記憶装置44のパケットの出力が対応する基本ストリームの目標移送バッファすなわち目標デコーダをオーバーフローしたか否か検査し、既に説明したように、その信号をMUX62に送信する。
6.パケット記憶装置44がパケットを有し、かつ、目標移送バッファがOKである信号をスケジューラ45が発信する場合、パケット記憶装置44のパケットが読み出される。パケット記憶装置44のパケットは、それが読み出されるまでそのままである。
7.PCR を含む各パケットに、式(1)を用いてそのPCR 値を再スタンプする(50)。
8.各パケットに、スケジューリングが原因で不連続を有するおそれがあるそのパケットシーケンス番号をタグ付けする(60)。
9.各パケットを記憶するとともに、それが読み出されるまでローカルバッファB61に保持する。
10.バッファB61から読み出されたパケットをトリックモードパケット16及び必要な場合にはトリックモード記憶構成に基づくヌルパケット49を用いてマルチプレクサ処理62する。
【0039】
再生を以下のようにして行う。
1.必要なパケットをフィルタ65によって選択する。
2.各パケットを記憶し、読み出されるまでローカルバッファC66にそれを保持する。
3.パケット記憶装置67が空になると常に、パケットがバッファC66から読み出されるとともにそれをパケット記憶装置67に移動させる。各パケットのパケットシーケンス番号タグをスケジューラ68に送信する。
4.スケジューラ68は、パケットシーケンス番号が(図示しない、すなわちスケジューラに組み込まれた)内部のパケットカウンタに整合するか否か検査し、両方が整合する場合OKの信号を送信する。
5.スケジューラ68がOK信号を送信する場合、MUX69がパケット記憶装置67のパケットを選択し及び読み出す。それ以外の場合には、MUX69はヌルパケットを選択し及び送り出す。各パケットをリマックス速度で送り出す。このようにして、図7は、図6のリマルチプレクサ構成を、DVCRに記録するとともにそれから再生しうるのに必要な素子に結合する。
【0040】
図9A及び9Bは、図8A及び8Bにそれぞれ関連して既に説明した同一状況下で得られた向上を示す。実際には、図9Aに示すように、リスケジューラは、目標バッファのオーバーフローを防止するのに十分長くブロック7,10等(矢印75及び76参照)を遅延させる。同様に、図9Bに示すように、ブロック6,9等を矢印77及び78で遅延させて、オーバーフロー及び情報の損失を防止する。
【0041】
このようにして、DVCRは、再生時に情報を損失することなく、記録時にリマルチプレクサ処理することによりスケジュールしたときと同一の速度及びタイミングを有する移送ストリームを再構成することができる。この構成により、正味の移送ストリーム速度がリマルチプレクサの際に記録速度と同一、記録速度より上又は記録速度より下である限り、リマルチプレクサ速度を記録速度と同一、記録速度より上又は記録速度より下にすることができる。図6の実施の形態では、ヌルパケット49を追加している。図3の実施の形態中のリマルチプレクサ80の代わりとする場合、ヌルパケットを削除する(82)必要がある。このようなMPEGヌルパケットの余分な追加及び削除を図7の実施の形態では回避することができる。
【0042】
図のブロックダイヤグラムでは、データフローのみを矢印で図示する。当業者は、複数のブロックが図示しないコマンド及び制御信号を相互接続することを理解する。
【0043】
既に説明したように、本発明は、他のデータフォーマット及びクリティカルタイミングデータを保護する他の方法に適用することもできる。必要とされるソフトウェアを含む図示した種々のブロックを実行する回路及びハードウェアが参照した関連出願に与えられた詳細な情報だけでなく以下にリストした参考文献から当業者には明らかであることもわかる。これらの内容を参考文献からここに具体化することもできる。
(1) 欧州特許明細書第492.704 号(PHN13.546)
(2) 欧州特許明細書第93.202.950号(PHN14.241)
(3) 欧州特許明細書第93.201.263号(PHN14.449)
(4) 1994年2 月22日の草案文書であるGrand Alliance HDTV システムの明細書
(5) 米国特許明細書第5.142.421 号(PHN13.537)
【0044】
本発明を好適な実施の形態に関連して説明したが、既に要点を説明した原理の範囲内の本発明の変形は当業者には明らかであり、したがって本発明は好適な実施の形態に限定されるものではなく、このような変形を包含することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、第2の関連出願の図18に相当し、記録と再生の両方の観点から、既知の一定移送速度で移送ストリームを操作するシステムを示す。
【図2】図2は、図1の装置からの入力データストリーム及び出力データストリームの一例を示す。
【図3】図3は、リマルチプレクサ処理及びDVCR記録システムを図示する。
【図4】図4は、図3の装置からの入力データストリーム及び出力データストリームの一例を示す。
【図5】図5は、装置に目標デコーダを付与したパケットプロセッサの線形ブロックダイヤグラムである。
【図6】図6は、本発明によるリマルチプレクサ処理システムの一形態のブロックダイヤグラムである。
【図7】図7は、本発明の他の実施の形態の一つとして図1のシステム及び図6のリマルチプレクサ処理システムを結合したブロックダイヤグラムである。
【図8A】図8Aは、ある状態の下で移送バッファをモニタしないリマルチプレクサ処理構成の実行を示すグラフである。
【図8B】図8Bは、ある状態の下で移送バッファをモニタしないリマルチプレクサ処理構成の実行を示すグラフである。
【図9A】図9Aは、図8Aの同一のある状態の下で移送バッファをモニタするリマルチプレクサ処理構成の実行を示すグラフである。
【図9B】図9Bは、図8Bの同一のある状態の下で移送バッファをモニタするリマルチプレクサ処理構成の実行を示すグラフである。
【技術分野】
【0001】
この出願は、R.W.J.J.Saeij,I.A.Shah及びTakashi Satoの名で"Recording And Reproducing An MPEG Information Signal On/From A Record Carrier" の表題で1994年6 月3 日に出願された出願番号08/253,535の一般的に譲り受けられた部分継続出願であり、順に、W.J.Van Gestel,R.W.J.J.Saeij及びI.A.Shahの名で"Recording And Reproducing An MPEG Information Signal On/From A Record Carrier" の表題で1994年4 月8 日に出願された出願番号08/225,193の一般的に譲り受けられた部分継続出願である。
【背景技術】
【0002】
本発明は、MPEG情報信号を記録担体、特にデジタルビデオカセットレコーダ(DVCR)タイプの記録担体上のトラックに記録するとともそれを再生するシステムに関するものである。
【0003】
MPEG情報信号は、放送目的すなわちケーブルネットワークを介した伝送用に、圧縮されたデジタルビデオ信号のデータ及び対応する圧縮されたデジタル音声信号(場合によってはデータ信号)を含む移送パケットの連続すなわちストリームを具える。MPEG情報信号は、時間的に同一の長さ又は可変の長さを有する移送パケットの形態である。しかしながら、いずれの場合でも、移送パケットは188 バイトの情報を具え、これらの最初のバイトは同期バイトである。
【0004】
テープとしての磁気記録担体のような記録担体上に記録し及び記録担体から再生する形態のMPEG情報信号のような伝送は、既知のテープフォーマットを介するこの種の伝送を実現するために特殊な方法をとる必要がある。
【0005】
パケットシーケンス番号の記憶は、一定のビットすなわち移送速度を有するMPEGデータストリームをパケット間に任意のギャップなしに受信し、かつ、そのMPEGデータストリームがMPEGデータストリームに介在した複数の相違するビデオプログラムを具える場合に利点を有する。一般に、このようなデータストリームは、記録担体上に全データストリームを記録するに当たり非常に高いビット速度を有するおそれがある。例えば、ケーブル伝送に対するMPEGビット速度は45Mbpsであり、それに対して記録担体は代表的には25Mbpsで記録する。この場合、記録装置は、MPEGデータストリームから一つ又は複数のプログラムを検索して記録用のMPEG情報信号を得るプログラムセレクタを具える。一つのプログラムのみに対応する情報がMPEG移送パケット中に含まれるので、それ自体既知のこのようなプログラムセレクタは、所望の一つ又は複数のプログラムに対応する情報を具えるMPEGデータストリームからこれらの移送パケットを選択する。これは、受信した元のMPEGデータストリームの幾つかのパケットが削除されることを意味する。しかしながら、再生に当たり、この場合所望のプログラムのみを具えるMPEG規格に応じた有効なMPEGビデオ信号を再発生すなわち再創成させる必要がある。「有効な」MPEG信号すなわち移送ストリームは、以下の要件を満足するストリームを意味するものとする。
1.パケット中のプログラムクロック基準(PCR) がOKである。PCR を、代表的には、伝送エンコーダ中のローカルクロックのサンプルの33ビット値とする。PCR を、エンコーダ中でローカルクロックをエンコーダローカルクロックに同期させうるようにクロック回復用に使用される。
2.ネットワークにより各PCR に対して累積した変化を、MPEGによって特定された制限内で保持する必要がある。
3.デコーダ移送バッファはオーバーフローしない。
【0006】
このように再発生したデータストリームは、記録に当たって選択された移送パケットと同一順序を有する必要がある。記録に当たり、シーケンス番号を、削除される任意のパケットに対しても、受信した各移送パケットに加えることができる。選択され及び記憶されたパケットのシーケンス番号を、移送パケットが記憶される信号ブロックの第3ブロック部に記憶させることができる。再生に当たり、シーケンス番号が検索され、この場合次の番号が次に大きい番号である必要がない。このような状況では、一つ又はそれ以上のダミーパケットを挿入して、元のMPEGデータストリームのレプリカを再発生させる必要がある。
【0007】
記録担体上に記録されたMPEG情報信号の再生を可能にするために、記録装置の特定の例にそれぞれ適合させた再生装置を必要とすることもわかる。
【0008】
参照のために全内容がここに組み込まれた二つの関連の同時係属出願は、DVCRによって表されたチャネルの非同期の性質及びMPEG移送ストリームに組み込まれたタイミングクリティカルデータを保護する必要から生じる問題を解決して、通常のTV受像機で再生するに当たり有効なMPEG情報信号としてMPEG移送ストリームを再構成するこのようなシステムを記載している。記載されたシステムは、チャネルに対する入力前のMPEGデータストリームの移送パケットへのタイミング情報のタグ付け及び適切なデータタイミングを再創成するためのチャネルの出力端におけるタイミング情報の使用を包含する。タイミング情報タグを移送ストリームの一つ又は複数の移送ユニットにパックする種々の構成が記載されている。この基本的なタグ付け機構を使用すると、種々のタイプの移送ストリームを、元の移送中の任意の情報を損失することなく記録し及び再生することができる。移送ストリームの移送速度が未知である、すなわち移送パケット間にギャップを有する(すなわちバーストを有する。)場合、又は移送速度が変化する場合、参照した関連出願はこのようなデータストリームを操作する方法を記載している。
【0009】
それに対して、入来する移送ストリームの移送速度が一定で未知である場合、関連出願は、この状況を操作する装置も記載している。したがって、関連出願に記載されたように到達時間(TOA) 及び到達シーケンス(SOA) の結合を用いると、未知であるが一定の移送速度のMPEG-2移送ストリームを記録し及び再生時に再創成することができる。しかしながら、このような場合、入力において移送パケット間に任意のギャップが存在すべきではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、DVCRを用いるMPEG情報の記録及び再生用システムである。
【0011】
本発明の他の目的は、速度及び/又はバーストが変化するおそれがある入来する未知の移送ストリームから固定速度で一定の移送ストリームを発生させるシステムである。
【0012】
本発明の他の目的は、速度及び/又はバーストが変化するおそれがある入来する未知の移送ストリームから固定速度で一定の有効なMPEG移送ストリームを発生させるシステムである。
【0013】
本発明の他の目的は、DVCR又は他の市販の用途で実行するのに十分簡単なMPEG移送ストリーム用の再マルチプレクサ構成である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の特徴によれば、パケットを、一定速度を得るためにリマルチプレクサによって順次処理するとともに、例えばTV受像機内又はセットトップデコーダ中の一つ又はそれ以上の目標デコーダによって配送し及び消費する。これらデコーダのそれぞれの内側の移送バッファのオーバーフローを防止するために、バッファのオーバーフロー及び情報の損失を回避するように移送バッファの全てをモニタするとともに所望に時間割り当てされた各パケットに供給する単一モニタを設ける。本発明の方法のこの特徴は、移送パケットに新PCR を再スタンプすることを必要とする。他の観点から見れば、本発明のこの特徴は基本的に、既知の固定されたケースに対する移送ストリームのリマルチプレクサ処理と、それに続く、一定で既知の移送速度を有する移送ストリームのケースに対する参照した関連出願に記載された解決の適用とを包含する。
【0015】
本発明はMPEG情報信号への適用に限定されるものではなく、DVCR以外の非同期チャネルに適用することもできる。MPEGデータストリームの伝送に加えて、非同期チャネル全体に亘ってタイミングクリティカルデータの伝送を要求しうる他の種々の用途がある。ここで、非同期は、チャネルの物理データ速度が、伝送すべきデータの速度である移送速度と相違することを意味し、その結果データのタイミングはチャネル転送中で維持されない。
【0016】
タイミングクリティカルデータの一例としてのMPEG移送ストリームでは、移送ストリームのタイミング情報すなわちPCR を表すデータの関連の到達時間を、PCR 値に応じて変化させることなく伝送による特定の誤差を超えて変化させてはいけない。この理由は、デコーダの位相同期ループ(PLL) 回路がデータクロックを再発生しそこなうと、バッファがアンダー/ オーバーフローするおそれがあるからである。移送すべき任意のデータを変化させることなく非同期チャネル全体に亘るタイミングクリティカルデータの伝送方法のこの問題は、非同期チャネルがコンピュータネットワーク、電話回路網又はデジタルインタフェース例えばP1394 の場合にも存在する。
【0017】
本発明の他の特徴によれば、複雑なデレマチプレクサ処理/リマルチプレクサ処理を行う必要がなく、その代わりに、利用できるパケットの順序を変えることのない各パケットのスケジューリングに依存する向上したリマルチプレクサ処理方法が記載されている。この方法は、要求されるハードウェアが著しく廉価となるとともに低コストの市販の装置をより容易に実現するという利点を提供する。
【0018】
本発明を特徴づける新規な種々の特徴を、この開示の一部を形成する追加された複数の請求の範囲に示す。本発明、その動作の利点及びその使用により達成させる特定の目的をよりよく理解するために、本発明の好適な実施の形態が図示及び記載された添付図面及び詳細な説明を参照する必要がある。ここで、同様な符号を同一又は同様な素子に付すものとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明をより理解するために、一定の既知の移送速度で移送ストリームを操作する二つの関連出願で説明し及び請求の範囲で請求されたシステムを説明する。
【0020】
図1は、MPEG用途に適用したこのようなシステムを示し、ここでRは、デジタルインタフェース(D-I/F) からの移送パケットの連続の形態で伝送ユニットに細分したMPEGデータストリームの移送速度を表す。図示した例では、入来する移送速度を45Mbpsとし、25MbpsでDVCR上に記録され、その後標準的なTV受像機で再生するために有効なMPEG信号として45Mbpsで再生する。
【0021】
D-I/F から入来するデータストリームは、各移送パケットの到来時に増分するカウンタ11のみを必要とするSOA タグを各入来パケットに付ける既知のタグ付け手段10によって受信される。タグ付けされたパケットはその後、所望のプログラムマテリアルを選択する選択手段12に行き、選択したパケットをローカルバッファ15に一時的に記憶させる。参照した関連出願で説明したように、トリックモードパケットを、ブロック16で入来移送ストリームから発生させるとともに、DVCR上に記録するのに所望な移送速度でマルチプレクサブロック17により所望のプログラムマテリアルと混合することができる。関連のケースに記載されたように、タグ付けビットが、2〜5の同期ブロックから利用しうる追加のビットのマッピングを用いて、対応する移送パケットに沿ってDVCRテープ上に記録される。
【0022】
再生に当たり、記録された各パケットは、ローカルバッファ22を介する読出し制御ブロック20の制御下で、SOA スタンプ情報に応じてその正確なシーケンスで読み出される。デマルチプレクサブロック21はパケットストリームを分離するように作用し、出力ストリーム中の非選択プログラムマテリアルパケットによって形成したギャップが、ヌルパケット発生器23からヌルパケットを供給することにより充填される。再生中、SOA タグ中の「不連続」が検出される度に、記録されていない移送パケットからそれが来たものと仮定する。これら「ミッシング」をヌルパケットと置換する。このようにして、全ての移送パケットが、既知の一定移送速度で出力される。
【0023】
図2は、結果的に得られる移送ストリームの一例を示す。一例として、上側のダイヤグラムでは、入力移送ストリームを、二つのプログラムストリーム:プログラムA及びBとする。プログラムAのみを記録、したがって選択ブロック12中でBパケットを取り除くことを所望する。再生に当たり、プログラムAに属する全てのパケットを、正確に元の時間及び速度で再生し、ギヤップにヌルパケットを充填する(下側のダイヤグラム)。入力ストリームが有効なMPEG信号であった場合、出力ストリームも有効となる。
【0024】
既に説明したことから明らかなように、MPEG用途間の相互操作可能性を維持するために、DVCRに対して、有効なMPEG移送ストリームを、好適には固定速度で一定に(すなわちパケット間に任意のギャップを有することなく)発生させる必要がある。パケット間にギャップが存在することを意味する速度及び/又はバーストの変化するおそれがある、入来する未知の移送ストリームからの図1の装置の入力に対する固定速度の一定な移送ストリームを発生させることは、いわゆるリマルチプレクサ処理により新たな移送ストリームを発生させることに相当する。DVCRによるリマルチプレクサ処理は、必要なパケットの選択、各パケットのタイミングのリスケジューリング及び選択したパケットをヌルパケットによりマルチプレクサ処理して移送ストリーム中のギャップを除去することを具える。リマルチプレクサ処理が行われると常に、以下のリマルチプレクサ処理の要求に適合させる必要がある。
(a)(各移送パケット中で共同した)各PCR のタイミングジッタを、許容しうる制限範囲内で保持する必要がある。
(b)ネットワークを介した各PCR に対する累積した変化を、MPEGによって特定した制限範囲内で保持する必要がある。
(c)発生した移送ストリームが、各基本ストリームデコーダの移送バッファをオーバーフローしないようにする必要がある。
【0025】
本発明による装置の一形態を、図3にSOA 及びリマルチプレクサの結合で図示する。この場合、リマルチプレクサ処理80の後、新速度のパケットストリームにタグ付けする(81)とともに、任意のヌルパケットをローカルバッファブロック82で除去する。しかしながらこの場合、出力パケットの持続時間は相違する。図4は、上側のダイヤグラムにリマルチプレクサ80に対する入力ストリームを、下側のダイヤグラムにD-I/F に対する出力ストリームを示す。移送速度はこの際一定であるが、パケットに新PCR を再スタンプする必要がある。その理由は、旧PCR はもはや有効でないからである。他の問題を図5に図示して表す。
【0026】
図5は、図1及び3のシステムとしうるパケットプロセッサ84に対する有効なMPEG信号入力を線図的に示す。このシステムは、図4(下側のダイヤグラム)のような有効な移送ストリームを、例えば、ここでは「目標デコーダ」及び「目標バッファ」と称する移送バッファ87を含む各基本ストリームデコーダ85に対するパケットを選択するセレクタ86に出力する。システムを適切に実行するために、設けられた各デコーダの目標バッファを全て管理して、オーバーフローを回避する必要がある。問題を図8A及び8Bに図示する。
【0027】
これらの図において、Xは入力移送速度を表し、Yは出力移送速度を表し、Rは目標デコーダ中の移送バッファの読み出し又はその移送バッファを空にするすなわちその漏れ速度を表す。図8Aは、移送バッファのモニタなしのリマルチプレクサ処理の実行を示す。この場合R<Y<Xである。Input を付した行を、時間tに亘る入力移送パケットのシーケンスとし、Outputを付した下の行を、時間tに亘る出力移送パケットのシーケンスとする。上側のグラフは、時間tに亘る移送バッファの充填を表し、Thを付した上部の破線29を用いて充填バッファを表し、斜めの破線30は入力ストリームを表す。32で示すように出力ストリームを表す実線カーブ31がしきい値ライン29と交差する場合、出力パケットの所定のビット数が消失する。これはパケット7,10等で発生する。図示した場合は、入力速度が出力速度より速い場合である。
【0028】
図8Bにおいて、破線34が入力ストリームを表し、かつ、実線カーブ35が出力ストリームを表すようなR<X<Yによって示した入力速度が出力速度より遅いことを示す。この場合も、モニタすることなしに、36及び37で示すようにカーブ35がしきいライン29を交差すると、出力パケットの所定のビット数が消失する。これはパケット6,9等で発生する。
【0029】
本発明の特徴は、DVCR又は他の市販の用途で実行するのに十分簡単なMPGE移送ストリーム用のリマルチプレクサ処理構成である。
【0030】
本発明のこの特徴は、以下の新たな概念及び理解に基づくものである。
1.入来する移送ストリームは十分小さいタイミングジッタを有する。したがって、要件(a)を、適切なローカルクロックを用いてPCR を再スタンプすることにより簡単に適合させることができる。
2.入来する移送ストリームはPCR 変化に対して十分なヘッド空間を有する。したがって、要件(b)を、以下説明するリマルチプレクサ処理構成により適合させることができる。「ヘッド空間」は、MPEG基準により規定したような制限の使用されない部分を意味する。
【0031】
一般的なリマルチプレクサ処理は、各プログラムのクロック再発生、各基本ストリームを分離する入力のデマルチプレクサ処理、各移送目標バッファのトラックの保持、新スケジュールの計算、基本ストリームのリマルチプレクサ処理、PCR の再スタンピング等を含む。認識できるように、このような一般的なリマルチプレクサ処理は、代表的な低コストの市販の用途では実現不可能な複雑なソフトウェア及びハードウェアを必要とする。本発明の特徴は、デマルチプレクサ処理/リマルチプレクサ処理を行わずに、使用できるパケットの順序を変えることなく各移送パケットを簡単にスケジュールする、より簡単なリマルチプレクサ処理構成に基づくものである。このアプローチは、所定の基本的な仮定を必要とする。
1.入力移送ストリーム中の必要なプログラムの全体の正味の速度は、出力移送ストリーム速度(リマルチプレクサ速度)より遅くなる必要がある。
2.しかしながら、入力移送ストリーム速度は、未知で、バーストで、及び/又は、任意の速度、より速い又はより遅い速度であってもよい。
3.リマルチプレクサ速度は、既知で、固定され、かつ、一定である。
【0032】
本発明の方法の特徴によれば、本発明のリマルチプレクサ処理装置の一形態のブロックダイヤグラムである図6を参照すると、リマルチプレクサ処理が次のように行われる。
1.必要なパケットを、フィルタ又はセレクタ40により入来移送ストリームから選択する。
2.PCR を含むパケットに、ローカルクロック39のサンプル値をタグ付けする(41)。
3.各パケットを、パケットがパケット記憶装置44に対して読み出されるまでローカルバッファ42に記憶し及び保持される。
4.パケット記憶装置44が空であるとともにバッファ42に少なくとも一つのパケットが存在するときには常に、バッファ42の最初のパケットを読み出し、かつ、それをパケット記憶装置44に移動させる。同時に、パケットの必要な情報がスケジューラ45に送りだされる。
5.スケジューラ45は、パケット記憶装置44のパケットの出力が、対応する基本ストリームデコーダ85の移送バッファ87をオーバーフローするか否か検査し、かつ、その出力の信号をMUX47に送信する。
6.パケット記憶装置44がパケットを有し、かつ、デコーダ移送バッファがOKである信号をスケジューラ45が送信する場合、MUX47は、パケット記憶装置44中の移送パケットを選択し及び読み出す。そうでない場合、MUX47はヌルパケット発生器49からヌルパケットを選択し及び出力する。パケット記憶装置44中のパケットは、それが読み出されるまでそこに存在したままである。
7.MUXから伝送された移送パケット中の各PCR 値は、以下の式を用いるPCR再スタンパ50で修正される。
PCR new = PCR old + (Clock current - Clock tagged) - Delay max
ここで、
PCR new : 再スタンピング後の新PCR
PCR old : 再スタンピング前の旧PCR
Clock current : 出力時間再スタンピング50における現在のクロック値
Clock tagged: パケットの受信時にタグ付け41されたクロック値
Delay max : 各PCR 値が絶対に増加しないようにする一定値のリマルチプレクサ動作による最大遅延
とする。
【0033】
スケジューリング構成は本発明の重要な特徴である。スケジューリングの主な目的は、デコーダ中の移送バッファが絶対にオーバフローしないようにすることである。パケットのスケジューリングは、それを大雑把に行う場合労力を要する。その理由は、それが、各基本ストリームの移送バッファ充填のトラックの並列的な維持を含むからである。これは、市販の用途の装置に対して非常に複雑となるおそれがあり、したがって簡単に実行する方法を創成した。これは以下に基づく。
1.空にする移送バッファ(図5における85〜88)すなわち入力移送ストリーム中に保持された情報からの各基本ストリームの漏れ速度(読出し速度)を得ることができる。例えば、移送バッファ漏れ速度を、グランド協定(Grand Alliance)HDビデオ規格に対して54Mbpsとし、SDビデオに対して18Mbpsとし、音声に対して2Mbps 、等々とする。リマルチプレクサ速度が移送バッファ漏れ速度より遅い場合、移送バッファをモニタする必要がないことがわかる。その理由は、移送バッファが絶対にオーバーフローしないからである。したがって、モニタを必要とする移送バッファの数を減少させることができる。移送バッファのモニタを、以下のアプローチを用いて更に簡単にすることができる。
1.各移送バッファのバッファ充填を、各受信したパケットの最初からパケットの最後まで単調に増大させることができる。したがって、バッファの充填を各パケットの最後のみで検査するだけでよい。
2.リマルチプレクサは、それ自体の出力移送速度(リマルチプレクサ速度)及び各基本ストリームに対する移送バッファ漏れ速度を既知である。したがって、リマルチプレクサは、以下の式を用いると、パケットを移送バッファに送信し又は送信しないことにより移送バッファのバッファ充填がどの程度であるかを知ることができる。
Leak=Rleak・T packet (2)
Delta=S packet-Leak (3)
ここで、
Leak: 移送バッファがパケットを受信しない際の1パケット周期ごとの移送バッファ充填の変化
R leak: 移送バッファ漏れ速度
T packet: パケット周期、すなわちS packet/Rremux
S packet: パケットサイズ
R remux : リマルチプレクサ速度
Delta:移送バッファが1パケットを受信する際の1周期ごとの移送バッファ充填の変化
とする。
【0034】
以下の表1は、移送バッファのモニタに使用しうるパラメータ表の一例を示す。
Rateleak Leak Delta
ビット(バイト) ビット(バイト)
SD 18Mbps 1,082(135) 422(53)
音声 1 Mbps 61(8) 1,443(180)
その他≧R remux Mbps NA又は0 NA又は0
(Spacket=188バイト,Rremux =25Mbps)
移送バッファ漏れ速度が既知であるとともに移送バッファのモニタを必要とする他のデータタイプが存在する場合、この表を拡大することができる。
3.上記結果を用いると、各移送バッファのバッファ充填を以下の式を用いて計算することができる。
B prev=Blast(i)-Leak(i)(C current -Clast(i)-1) (4)
ここで、
i:現行パケットが属する基本ストリームの索引
B prev: 現行パケットを受信する直前のi番目の基本ストリームの移送バッファ充填
B last(i):移送バッファが最終パケットの受信を終了した際のi番目の基本ストリームの移送バッファ充填
Leak(i):1パケット周期ごとのi番目の基本ストリームの移送バッファ漏れ速度C current : 現行パケットに対する出力パケットカウンタの値
C last(i):i番目の基本ストリームの最終パケットに対する出力パケットカウンタの値
とする。
B prev<0の場合、B prev=0 (5)
B current =Bprev+Delta(i) (6)
ここで、
B current : 移送バッファが現行パケットの受信を終了した際のi番目の基本ストリームの移送バッファ充填
Delta(i): 1パケットを受信することによるi番目の基本ストリームの移送バッファ充填の変化
とする。
【0035】
スケジューリングプログラムは、好適な実施の形態では次のようになる。
ステップ1.各間隔Tpacketにつき、全パケットがパケット記憶装置44に存在するか否か検査する。パケット(現行パケット)が存在する場合、ステップ2に進み、それ以外の場合にはステップ5に進む。
ステップ2.現行パケットが属するi番目の基本ストリームの移送バッファ漏れ速度が最初に得られる場合、式(2)及び式(3)を用いてLeak(i) 及びDelta(i)をそれぞれ計算し、以下のように移送バッファのモニタに対するパラメータを初期化して、ステップ3に進む。
B last(i)=0 (7)
C last(i)=C current (8)
ステップ3.式(4)、式(5)及び式(6)を用いて現行パケットに相当するB current を計算し、ステップ4に進む。
ステップ4.B current が移送バッファサイズ以下の場合、現行パケットを出力するとともに以下のようにしてパラメータを更新して、ステップ6に進む。それ以外の場合にはステップ5に進む。
B last(i)=B current (9)
C last(i)=C current (10)
ステップ5.ヌルパケットを出力してステップ6に進む。
ステップ6.出力パケットカウンタを以下のように増分してステップ1に進む。
C current =C current+1 (11)
【0036】
この簡単なスケジューリング構成は、移送ストリーム中の基本ストリームの数に関係なく各パケット周期ごとに一連の簡単な計算のみを要求し、それにもかかわらずこの構成はハプニングから移送バッファのオーバーフローを防止することができる。さらに、既に説明したように、図6のシステムを図5のパケットプロセッサとして使用する場合、設けた目標デコーダ85に有効なMPEGストリームを供給する間これらデコーダのそれぞれのバッファ充填をモニタすることができる。この理由は、スケジューラ45が、パケットの属するデータストリームを既知であり、個別のデータストリームのそれぞれのパケットのトラックを保持し、かつ、各目標デコーダ85中の各移送バッファの漏れ速度を既知であるので、パケットが記憶装置44に到達する度に上記アルゴリズムを実行できるからである。したがって、一連のパケット処理システムでは、単一のスケジューラが複数のデコーダをモニタすることができる。
【0037】
図3に関連して既に説明したリマルチプレクサ処理構成を、参照した同時係属出願に記載された全体に亘る記録の提案に結合するとともに、冗長を除去する場合、図7に示すような全体的なDVCR解決を得ることができる。図1及び6で使用したものと同一符号は図7において同一素子を表す。既に説明した素子と同様に作用する新たな素子は、タッガ10に相当するパケットシーケンサタッガ60と、ローカルバッファ15に相当する第2ローカルバッファBと、タグ付けされるとともに再スタンプされた移送パケットを、媒体上に記録する前にトリックモード及び記録部中のヌルパケットにマルチプレクサ処理するMUX62とを含む。以前のヌルパケットが、有効なMPEGストリームを創成するMPEGヌルパケットを意味したのに対して、これらヌルパケット49を記録ストリーム中のギャップを充填するだけに使用し、これらヌルパケットはMPEG機能の役割を果たさない。再生部では、不所望な充填パケットを取り除くとともにその結果得られる移送ストリームをローカルバッファ22に対応するローカルバッファC66に記憶させるフィルタ65と、復号化パケット記憶装置67と、符号化部のスケジューラ45と逆の作用を行う復号化スケジューラ68と、ブロック17に対応するMUX69とを設ける。
【0038】
この際、記録を以下のように行う。
1.必要なパケットをフィルタ40によって選択する。
2.PCR を含むパケットを、ローカルクロック39を用いてタグ付け41をする。
3.各パケットを記憶し、それが読み出されるまでローカルバッファA42に保持する。
4.パケット記憶装置44が空であるとともに少なくとも一つのパケットがバッファA42に存在する場合常に、バッファA42中の最初のパケットを読み出すとともにパケット記憶装置44に移動させる。同時に、パケットの必要な情報をスケジューラ45に送信する。
5.スケジューラ45は、パケット記憶装置44のパケットの出力が対応する基本ストリームの目標移送バッファすなわち目標デコーダをオーバーフローしたか否か検査し、既に説明したように、その信号をMUX62に送信する。
6.パケット記憶装置44がパケットを有し、かつ、目標移送バッファがOKである信号をスケジューラ45が発信する場合、パケット記憶装置44のパケットが読み出される。パケット記憶装置44のパケットは、それが読み出されるまでそのままである。
7.PCR を含む各パケットに、式(1)を用いてそのPCR 値を再スタンプする(50)。
8.各パケットに、スケジューリングが原因で不連続を有するおそれがあるそのパケットシーケンス番号をタグ付けする(60)。
9.各パケットを記憶するとともに、それが読み出されるまでローカルバッファB61に保持する。
10.バッファB61から読み出されたパケットをトリックモードパケット16及び必要な場合にはトリックモード記憶構成に基づくヌルパケット49を用いてマルチプレクサ処理62する。
【0039】
再生を以下のようにして行う。
1.必要なパケットをフィルタ65によって選択する。
2.各パケットを記憶し、読み出されるまでローカルバッファC66にそれを保持する。
3.パケット記憶装置67が空になると常に、パケットがバッファC66から読み出されるとともにそれをパケット記憶装置67に移動させる。各パケットのパケットシーケンス番号タグをスケジューラ68に送信する。
4.スケジューラ68は、パケットシーケンス番号が(図示しない、すなわちスケジューラに組み込まれた)内部のパケットカウンタに整合するか否か検査し、両方が整合する場合OKの信号を送信する。
5.スケジューラ68がOK信号を送信する場合、MUX69がパケット記憶装置67のパケットを選択し及び読み出す。それ以外の場合には、MUX69はヌルパケットを選択し及び送り出す。各パケットをリマックス速度で送り出す。このようにして、図7は、図6のリマルチプレクサ構成を、DVCRに記録するとともにそれから再生しうるのに必要な素子に結合する。
【0040】
図9A及び9Bは、図8A及び8Bにそれぞれ関連して既に説明した同一状況下で得られた向上を示す。実際には、図9Aに示すように、リスケジューラは、目標バッファのオーバーフローを防止するのに十分長くブロック7,10等(矢印75及び76参照)を遅延させる。同様に、図9Bに示すように、ブロック6,9等を矢印77及び78で遅延させて、オーバーフロー及び情報の損失を防止する。
【0041】
このようにして、DVCRは、再生時に情報を損失することなく、記録時にリマルチプレクサ処理することによりスケジュールしたときと同一の速度及びタイミングを有する移送ストリームを再構成することができる。この構成により、正味の移送ストリーム速度がリマルチプレクサの際に記録速度と同一、記録速度より上又は記録速度より下である限り、リマルチプレクサ速度を記録速度と同一、記録速度より上又は記録速度より下にすることができる。図6の実施の形態では、ヌルパケット49を追加している。図3の実施の形態中のリマルチプレクサ80の代わりとする場合、ヌルパケットを削除する(82)必要がある。このようなMPEGヌルパケットの余分な追加及び削除を図7の実施の形態では回避することができる。
【0042】
図のブロックダイヤグラムでは、データフローのみを矢印で図示する。当業者は、複数のブロックが図示しないコマンド及び制御信号を相互接続することを理解する。
【0043】
既に説明したように、本発明は、他のデータフォーマット及びクリティカルタイミングデータを保護する他の方法に適用することもできる。必要とされるソフトウェアを含む図示した種々のブロックを実行する回路及びハードウェアが参照した関連出願に与えられた詳細な情報だけでなく以下にリストした参考文献から当業者には明らかであることもわかる。これらの内容を参考文献からここに具体化することもできる。
(1) 欧州特許明細書第492.704 号(PHN13.546)
(2) 欧州特許明細書第93.202.950号(PHN14.241)
(3) 欧州特許明細書第93.201.263号(PHN14.449)
(4) 1994年2 月22日の草案文書であるGrand Alliance HDTV システムの明細書
(5) 米国特許明細書第5.142.421 号(PHN13.537)
【0044】
本発明を好適な実施の形態に関連して説明したが、既に要点を説明した原理の範囲内の本発明の変形は当業者には明らかであり、したがって本発明は好適な実施の形態に限定されるものではなく、このような変形を包含することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、第2の関連出願の図18に相当し、記録と再生の両方の観点から、既知の一定移送速度で移送ストリームを操作するシステムを示す。
【図2】図2は、図1の装置からの入力データストリーム及び出力データストリームの一例を示す。
【図3】図3は、リマルチプレクサ処理及びDVCR記録システムを図示する。
【図4】図4は、図3の装置からの入力データストリーム及び出力データストリームの一例を示す。
【図5】図5は、装置に目標デコーダを付与したパケットプロセッサの線形ブロックダイヤグラムである。
【図6】図6は、本発明によるリマルチプレクサ処理システムの一形態のブロックダイヤグラムである。
【図7】図7は、本発明の他の実施の形態の一つとして図1のシステム及び図6のリマルチプレクサ処理システムを結合したブロックダイヤグラムである。
【図8A】図8Aは、ある状態の下で移送バッファをモニタしないリマルチプレクサ処理構成の実行を示すグラフである。
【図8B】図8Bは、ある状態の下で移送バッファをモニタしないリマルチプレクサ処理構成の実行を示すグラフである。
【図9A】図9Aは、図8Aの同一のある状態の下で移送バッファをモニタするリマルチプレクサ処理構成の実行を示すグラフである。
【図9B】図9Bは、図8Bの同一のある状態の下で移送バッファをモニタするリマルチプレクサ処理構成の実行を示すグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
速度又はバーストが変化するおそれがある未知の移送速度の移送パケットの第1移送ストリームを処理する方法であって、移送パケットの前記第1移送ストリームが、有効なタイミング−クリティカル−情報を表す複数ビットを具えるPCR を有し、既知の一定速度の、及び、有効なタイミング−クリティカル−情報の移送パケットの第2移送ストリームを形成するに当たり、
(i) ローカルクロックを発生させるステップと、
(ii)前記ローカルクロックをサンプリングする間各パケットの前記PCR のビットを処理するとともに各パケットに対するサンプルクロック時間を記憶すると、前記第1移送ストリームの移送パケットを順次処理するステップと、
(iii) 前記下流のバッファのオーバーフローを回避するために前記移送パケットを遅延させるステップと、
(iv)前記下流のバッファがオーバーフローすることなく前記移送パケットを送り出す準備がされると、前記移送パケットを選択及び読み出しをし、前記ローカルクロックを再サンプリングし、前記読み出されたパケットの前記PCR を新サンプル時間で更新するステップと、
(v) 前記移送パケットに、更新されたPCR を供給して、前記第2移送ストリームを形成するステップとを具えることを特徴とする移送ストリーム処理方法。
【請求項2】
前記第1移送ストリームの移送速度を50Mbpsの目安とし、前記第2移送ストリームの移送速度を25Mbpsの目安とすることを特徴とする請求項1記載の移送ストリーム処理方法。
【請求項3】
プログラムクロック基準(PCR) を含むタイミング−クリティカルデータを、非同期チャネルを介して、制限された読出し速度を有する目標バッファを含む前記下流の装置に伝送するに当たり、
(i) 連続する移送パケットのストリームに細分されたタイミング−クリティカルデータを受信するステップと、
(ii)前記移送パケットのそれぞれの到達時間を決定するステップと、
(iii) 前記移送パケットを一時的に記憶するステップと、
(iv)前記目標バッファのオーバーフローを回避するために個々の移送パケットを下流に伝送することができる時間を計算するステップと、
(v) 前記移送パケットのそれぞれの出発時間を計算するとともに前記PCR をそれに応じて修正するステップと、
(vi)前記ステップ(iv)の計算に応じて前記移送パケットを下流に伝送するステップとを具えることを特徴とするタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項4】
伝送される前記移送パケットに、新PCR を、伝送前に再スタンプすることを更に具えることを特徴とする請求項3記載のタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項5】
(1) 所望のパケットをフィルタにより前記入来移送ストリームから選択し、
(2) 選択した前記パケットに対して、サンプリングしたローカルクロックの到達時間を記憶し、
(3) 選択した移送パケットを、ローカルバッファを介してパケット記憶装置に記憶させ、
(4) 前記パケット記憶装置が空であるとともに前記ローカルバッファに少なくとも一つパケットが存在するときには常に、前記ローカルバッファ中の最初のパケットを読み出し、これを前記パケット記憶装置に移動させ、その間同時に前記パケットに関する情報をスケジューラに送信し、
(5) 前記パケット記憶装置中のパケットの出力が前記下流の目標バッファをオーバーフローするか否かを前記スケジューラ中で算出し、その信号をMUXに送信し、
(6) 前記パケット記憶装置がパケットを有するとともに前記目標バッファがOKである信号を前記スケジューラが送信する場合、前記MUXを選択するとともに前記パケット記憶装置中の前記移送パケットを読み出し、それ以外の場合、前記MUXを選択するとともにヌルパケット発生器からヌルパケットを出力し、
(7) 伝送された前記移送パケットのPCR を、以下の式
PCR new = PCR old + (Clock current - Clock tagged ) - Delay max (1)
ここで、
PCR new : 再スタンプ後の新PCR 値。
PCR old : 再スタンプ前の旧PCR 値。
Clock current : 再スタンプ時の現行クロック値。
Clock tagged : パケットの受信の際にタグ付けされたクロック値。
Delay max : 再スタンプによる最大遅延であり、これは、各PCR 値が絶対増加しないようにする一定値である。
を用いてPCR 再スタンパ中の前記MUXによって修正することを更に具えることを特徴とする請求項3記載のタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項6】
前記スケジューラは、前記目標バッファの読出し速度を知り、出力移送速度での前記下流の目標バッファの充填を算出し、かつ、この算出が前記目標バッファのオーバーフローを表す場合に任意の移送パケットの伝送を遅延させることにより動作することを特徴とする請求項5記載のタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項7】
前記選択されたパケットを記録する手段も具え、
(viii)到達シーケンス(SOA) タグを持つ修正されたPCR を有する移送パケットにタグ付けするステップと、
(ix)前記タグ付けしたパケットをレコーダに伝送するステップとを更に具えることを特徴とする請求項5記載のタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項1】
速度又はバーストが変化するおそれがある未知の移送速度の移送パケットの第1移送ストリームを処理する方法であって、移送パケットの前記第1移送ストリームが、有効なタイミング−クリティカル−情報を表す複数ビットを具えるPCR を有し、既知の一定速度の、及び、有効なタイミング−クリティカル−情報の移送パケットの第2移送ストリームを形成するに当たり、
(i) ローカルクロックを発生させるステップと、
(ii)前記ローカルクロックをサンプリングする間各パケットの前記PCR のビットを処理するとともに各パケットに対するサンプルクロック時間を記憶すると、前記第1移送ストリームの移送パケットを順次処理するステップと、
(iii) 前記下流のバッファのオーバーフローを回避するために前記移送パケットを遅延させるステップと、
(iv)前記下流のバッファがオーバーフローすることなく前記移送パケットを送り出す準備がされると、前記移送パケットを選択及び読み出しをし、前記ローカルクロックを再サンプリングし、前記読み出されたパケットの前記PCR を新サンプル時間で更新するステップと、
(v) 前記移送パケットに、更新されたPCR を供給して、前記第2移送ストリームを形成するステップとを具えることを特徴とする移送ストリーム処理方法。
【請求項2】
前記第1移送ストリームの移送速度を50Mbpsの目安とし、前記第2移送ストリームの移送速度を25Mbpsの目安とすることを特徴とする請求項1記載の移送ストリーム処理方法。
【請求項3】
プログラムクロック基準(PCR) を含むタイミング−クリティカルデータを、非同期チャネルを介して、制限された読出し速度を有する目標バッファを含む前記下流の装置に伝送するに当たり、
(i) 連続する移送パケットのストリームに細分されたタイミング−クリティカルデータを受信するステップと、
(ii)前記移送パケットのそれぞれの到達時間を決定するステップと、
(iii) 前記移送パケットを一時的に記憶するステップと、
(iv)前記目標バッファのオーバーフローを回避するために個々の移送パケットを下流に伝送することができる時間を計算するステップと、
(v) 前記移送パケットのそれぞれの出発時間を計算するとともに前記PCR をそれに応じて修正するステップと、
(vi)前記ステップ(iv)の計算に応じて前記移送パケットを下流に伝送するステップとを具えることを特徴とするタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項4】
伝送される前記移送パケットに、新PCR を、伝送前に再スタンプすることを更に具えることを特徴とする請求項3記載のタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項5】
(1) 所望のパケットをフィルタにより前記入来移送ストリームから選択し、
(2) 選択した前記パケットに対して、サンプリングしたローカルクロックの到達時間を記憶し、
(3) 選択した移送パケットを、ローカルバッファを介してパケット記憶装置に記憶させ、
(4) 前記パケット記憶装置が空であるとともに前記ローカルバッファに少なくとも一つパケットが存在するときには常に、前記ローカルバッファ中の最初のパケットを読み出し、これを前記パケット記憶装置に移動させ、その間同時に前記パケットに関する情報をスケジューラに送信し、
(5) 前記パケット記憶装置中のパケットの出力が前記下流の目標バッファをオーバーフローするか否かを前記スケジューラ中で算出し、その信号をMUXに送信し、
(6) 前記パケット記憶装置がパケットを有するとともに前記目標バッファがOKである信号を前記スケジューラが送信する場合、前記MUXを選択するとともに前記パケット記憶装置中の前記移送パケットを読み出し、それ以外の場合、前記MUXを選択するとともにヌルパケット発生器からヌルパケットを出力し、
(7) 伝送された前記移送パケットのPCR を、以下の式
PCR new = PCR old + (Clock current - Clock tagged ) - Delay max (1)
ここで、
PCR new : 再スタンプ後の新PCR 値。
PCR old : 再スタンプ前の旧PCR 値。
Clock current : 再スタンプ時の現行クロック値。
Clock tagged : パケットの受信の際にタグ付けされたクロック値。
Delay max : 再スタンプによる最大遅延であり、これは、各PCR 値が絶対増加しないようにする一定値である。
を用いてPCR 再スタンパ中の前記MUXによって修正することを更に具えることを特徴とする請求項3記載のタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項6】
前記スケジューラは、前記目標バッファの読出し速度を知り、出力移送速度での前記下流の目標バッファの充填を算出し、かつ、この算出が前記目標バッファのオーバーフローを表す場合に任意の移送パケットの伝送を遅延させることにより動作することを特徴とする請求項5記載のタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【請求項7】
前記選択されたパケットを記録する手段も具え、
(viii)到達シーケンス(SOA) タグを持つ修正されたPCR を有する移送パケットにタグ付けするステップと、
(ix)前記タグ付けしたパケットをレコーダに伝送するステップとを更に具えることを特徴とする請求項5記載のタイミング−クリティカルデータ伝送方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【公開番号】特開2007−102997(P2007−102997A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−289310(P2006−289310)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【分割の表示】特願平8−509348の分割
【原出願日】平成7年8月30日(1995.8.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【分割の表示】特願平8−509348の分割
【原出願日】平成7年8月30日(1995.8.30)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
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