説明

Mg含有アルミニウム合金材溶接用フラックス及びそれを用いた溶接用フラックス入りワイヤ

【課題】Mg含有アルミニウム合金材と鉄系材との溶接、あるいはMg含有アルミニウム合金材同士の溶接を行うにあたり、良好なビードを安定して形成することができ、これにより所要の継手強度を有する良好な溶接接合体を得ることができるようにした、Mg含有アルミニウム合金材溶接用フラックス及びそれを用いた溶接用フラックス入りワイヤを提供すること。
【解決手段】Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材との溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士の溶接に用いられる溶接用フラックス入りワイヤであって、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる外皮の内側に、化学組成が(Na,K)LaF(ただし、0<x≦20、y=x+3)であるフラックスが充填されてなる溶接用フラックス入りワイヤである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車の各種構成部品などを製作する際には、Mg含有アルミニウム合金材と鉄系材とをミグブレージング溶接によって接合したり、Mg含有アルミニウム合金材同士をアーク溶接によって接合したりすることが必要とされる。本発明は、前記溶接に使用されるMg含有アルミニウム合金材溶接用フラックス及びそれを用いた溶接用フラックス入りワイヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属材の表面は通常、酸化皮膜で覆われている。金属材同士を接合するためにはその酸化皮膜を除去し、金属材同士を接触させる必要がある。アルミニウムは一般に鋼より耐食性に優れており、アルミニウム表面には緻密な酸化皮膜が存在する。そして、この酸化皮膜を除去するため、酸洗浄やアルカリ洗浄を行うことが考えられる。しかし、アルミニウムは酸化されやすいため、洗浄後すぐに酸化皮膜が再生される。なお、鋼においても、厚い酸化皮膜は溶接性を低下させる。
【0003】
このため、アルミニウム合金材の溶接にあたり、その表面の酸化皮膜の除去と酸化防止とを目的に、溶接用フラックスが使用される。溶接用フラックスは、溶接時に融解して、酸化皮膜を溶解するとともに、溶接されるアルミニウム合金材の新生面を覆って再酸化を防止する。
【0004】
溶接用フラックスとしては、塩化物系フラックス、フッ化物系フラックス、酸化物系フラックスなどが用いられる。塩化物系フラックスは、接合後に残存した場合に耐食性を劣化させることがある。また、酸化物系フラックスは、酸化皮膜を溶解する溶解性が高くない。そこで、溶接用フラックスとして、フッ化物系フラックスが推奨されている。このフッ化物系フラックスには、CsF−AlF系フラックスや、KF−AlF系フラックスが知られている。
【0005】
ところで、特開2003−211270号公報には、溶接用フラックス入りワイヤを用い、Mg含有アルミニウム合金部材(JIS A5052相当,板厚2mm)と軟鋼部材(JIS SPCC相当,板厚2mm)とを交流パルスMIG溶接によって接合する技術が開示されている。
【0006】
前記従来の溶接用フラックス入りワイヤは、フッ化セシウム(CsF)、フッ化アルミニウム(AlF)、フッ化カリウム(KF)及び酸化アルミニウム(Al)を少なくとも成分として含むフラックスを芯材とし、これをアルミニウム又はアルミニウム合金からなる被覆材(外皮)で被覆して形成されるものである。
【0007】
しかしながら、1.0質量%以上のMgを含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材とをミグブレージング溶接する場合、あるいは、前記Mg含有アルミニウム合金材同士をアーク溶接する場合、AlFを含有する前述した従来の溶接用フラックス入りワイヤを使用すると、フラックス中のAlが還元されることでフラックスが分解されるためと推定される理由により、溶接金属の濡れ性が悪いため、ビード幅がほぼ一定で、接合線に沿って連続する良好なビードを形成することがむずかしかった。このように、AlFを含有する前述した従来の溶接用フラックス入りワイヤでは、良好なビードを形成することがむずかしく、そのため、所要の継手強度を有する良好な溶接接合体が得られないという問題があった。なお、フッ化セシウムは潮解性が極めて強いものであるため、前記従来の溶接用フラックス入りワイヤでは、その製造に際し、被覆材へのフラックスの充填が困難となったり、フッ化セシウムの潮解によって保管中のワイヤに腐食が発生したりするという不具合もある。
【特許文献1】特開2003−211270号公報
【特許文献2】特開2007−216276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の課題は、Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有し、構造材として使用されるMg含有アルミニウム合金材について、前記Mg含有アルミニウム合金材と鉄系材との溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士の溶接を行うにあたり、良好なビードを安定して形成することができ、これにより所要の継手強度を有する良好な溶接接合体を得ることができるようにした、Mg含有アルミニウム合金材溶接用フラックス及びそれを用いた溶接用フラックス入りワイヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
請求項1の発明は、Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材との溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士の溶接に用いられるMg含有アルミニウム合金材溶接用フラックスであって、化学組成が(Na,K)LaF(ただし、0<x≦20、y=x+3)であることを特徴とするMg含有アルミニウム合金材溶接用フラックスである。
【0011】
請求項2の発明は、Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材との溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士の溶接に用いられる溶接用フラックス入りワイヤであって、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる外皮の内側に、化学組成が(Na,K)LaF(ただし、0<x≦20、y=x+3)であるフラックスが充填されてなることを特徴とする溶接用フラックス入りワイヤである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のMg含有アルミニウム合金材溶接用フラックス(以下、単に溶接用フラックスともいう。)は、化学組成が(Na,K)LaF(ただし、0<x≦20、y=x+3)であって、Alを含有せず、Mgより卑な金属であるLaのフッ化物を含有するものである。また、本発明の溶接用フラックス入りワイヤは、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる外皮の内側に、前記化学組成の溶接用フラックスが充填されてなるものである。これにより、本発明のMg含有アルミニウム合金材溶接用フラックス、又は溶接用フラックス入りワイヤによれば、Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材との溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士の溶接に際し、フラックス入りワイヤからの溶滴がスムースに接合部へ移行することや、溶接金属の濡れ性が良いことにより、ビードが断続するようなことがなく、ビード幅がほぼ一定で、接合線に沿って連続する良好なビードを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
前述したように、Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材とをミグブレージング溶接する場合、あるいは、前記Mg含有アルミニウム合金材同士をアーク溶接する場合、CsF−AlF系フラックスや、KF−AlF系フラックスのようにAlFを含有する従来の溶接用フラックス入りワイヤを使用すると、ビードが断続し、ビード幅がほぼ一定で、接合線に沿って連続するビードを形成することがむずかしかった。
【0014】
これは、AlがMgより貴な金属であるため、溶接時に被溶接材であるMg含有アルミニウム合金材中のMgによって、溶接用フラックス中のAlが還元されることで、溶接用フラックスが分解されるためと推定される。この溶接用フラックスが分解されるため、溶接金属の濡れ性が悪化して、良好なビードが得られにくいのであると推定される。
【0015】
そこで、本発明者らは、Mgより卑な金属であるLaのフッ化物を含有するフラックス組成について検討した。その結果、Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材とのミグブレージング溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士のアーク溶接に際し、化学組成が(Na,K)LaF(ただし、0<x≦20、y=x+3)である溶接用フラックスを用いることにより、良好なビードが形成できることを見出したものである。ここで、(Na,K)LaF(ただし、0<x≦20、y=x+3)という化学組成は、フラックス全体の組成を表している。本発明の溶接用フラックスの形態は、均一な固溶体であってもよいし、あるいは、NaF、KF、LaF、NaLaF、KLaFなどを、前記化学組成をなすように混合してなる混合物であってもよい。
【0016】
本発明の溶接用フラックスは、Mgより貴な金属元素を一切含まないため、Mg含有アルミニウム合金材中のMgとの酸化還元反応が起こらない。このため、従来の溶接用フラックスとは違って、フラックスの分解が起こらない。また、本発明の溶接用フラックスは、Mg、Alより卑な金属元素であるNa、K及びLaのみを含むため、従来の溶接用フラックスとは違って、溶接時にMg、Alと置換めっき反応を起こしたり、アルミナが溶接部に生成したりすることがない。
【0017】
このように、本発明の溶接用フラックスは、フラックスの分解が起こらず、溶接部への置換めっきやアルミナの生成が起こらないことから、溶接金属の濡れ性が良好である。また、Laのフッ化物を含有しているので、フラックス入りワイヤからの溶滴がスムースに接合部へ移行する。したがって、本発明の溶接用フラックス、又は本発明溶接用フラックス入りワイヤによれば、良好なビードを安定して形成することができ、これにより所要の継手強度を有する良好な溶接接合体を得ることができる。
【0018】
ここで、本発明の溶接用フラックスにおいて、前記xが0の場合、すなわち、Laのフッ化物のみの場合、フラックスの融点が1400℃以上と高くなるため、短時間でのフラックスの溶融が困難となって、溶接に適用できない。また、xが20を超える場合、溶融フラックス中のフッ化物イオン濃度が高くなるため、酸化皮膜のみならず被溶接金属を侵食して正常な接合を妨げることになる。したがって、xは0<x≦20の範囲がよい。
【0019】
なお、Mgより卑な金属としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属もあるが、これらは、Laほどの前記したビードを形成に安定する効果がない。また、アルカリ金属やアルカリ土類金属は、Laと比べてフッ化物イオンと錯体を形成する能力が低い。このため、これらの金属を採用した場合、溶融フラックス中の遊離フッ化物イオン濃度が高くなり、遊離フッ化物イオンが過剰に被溶接材表面を溶解して、継手強度の低下を招く厚い金属間化合物層が形成されることになる。
【0020】
本発明の溶接用フラックスの使用形態については、被溶接材に散布して使用したり、塗布して使用したりすることができる。また、溶接用フラックス入りワイヤや、電弧棒のフラックスとして使用することができる。
【0021】
本発明の溶接用フラックス入りワイヤは、交流MIG溶接機と組み合わせて用いることがよい。適正な溶接条件範囲は、溶接電流:30〜80A、溶接電圧:7〜18V、溶接速度:15〜60cm/minである。シールドガスはアルゴンガスを用いる。
【0022】
本発明の溶接用フラックス及び溶接用フラックス入りワイヤは、前述したミグブレージング溶接やアーク溶接の他に、エレクトロスラグ溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接、プラズマ溶接、ガス溶接、拡散接合、超音波溶接、レーザー溶接などに用いることができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0024】
表1及び表2に示される化学組成の溶接用フラックスを含有する溶接用フラックス入りワイヤを作製した。この溶接用フラックス入りワイヤは、次のようにして作製した。まず、本実施例で用いた粉状の溶接用フラックスは、いずれも混合物の形態であり、乳鉢に各化合物を所定の割合で入れて、これらを均一になるように混合することによって作製した。そして、フラックスワイヤの外皮となる帯状材を、この帯状材上に粉状の前記フラックスを供給しながら丸めて管状に成形加工することにより、フラックスが充填された管状体に成形した。引き続き、この管状体を線引き加工することにより、外径(直径)が1.2mmの溶接用フラックス入りワイヤを作製した。外皮には、JIS H4140に規定される合金番号4043相当品を使用した。なお、No.9の比較例のワイヤは、フラックスなしである。
【0025】
ここで、表2において、CsF−AlF系フラックスの成分割合は、CsF:69.2質量部、AlF:30.8質量部である。また、KF−AlF3系フラックスは、森田化学工業株式会社製の「FL−7」を使用した。KF−ZnF系フラックスの成分割合は、KF:50質量部、ZnF:50質量部である。また、CsF−KF−AlF−AlO系フラックスの成分割合は、CsF:21質量部、KF:35質量部、AlF:41.9質量部、AlO:2.1質量部である。
【0026】
そして、前記作製したこれらの溶接用フラックス入りワイヤを使用して、図1に示すように、重ねすみ肉溶接試験を行って、そのビード形成の安定性と継手強度とを評価した。図1において、1はアルミニウム合金板、2は鋼板(溶融亜鉛めっき鋼板)、3は溶接トーチ先端部、4は溶接用フラックス入りワイヤ、5は溶接金属である。
【0027】
すなわち、厚み1.2mm,幅100mm,長さ300mmの鋼板上に、厚み1.6mm,幅100mm,長さ300mmのアルミニウム合金板の一部を重ねて、必要な数の重ねすみ肉溶接用試験片を作製した。また、アルミニウム合金板同士による重ねすみ肉溶接用試験片を作製した。
【0028】
前記重ねすみ肉溶接用試験片を構成するアルミニウム合金板と鋼板との組み合わせについては、表1及び表2に示してある。表1及び表2において、記号AL6は、JIS H4140に規定される合金番号6061に相当するアルミニウム合金板であって、0.8質量%のMgを含有している。記号AL52は、JIS H4140に規定される合金番号5052に相当するアルミニウム合金板であって、2.2質量%のMgを含有している。記号AL56は、JIS H4140に規定される合金番号5056に相当するアルミニウム合金板であって、5.6質量%のMgを含有している。
【0029】
また、記号AL7はアルミニウム合金板であり、その化学成分は、Si:0.30質量%、Fe:0.40質量%、Cu:0.10質量%、Mn:0.05〜0.20質量%、Mg:6.0質量%、Zn:0.05〜0.20質量%、残部:Alである。また、記号Feは、溶融亜鉛めっき鋼板であり、JIS G3302に規定されるSGCCに相当するものである。
【0030】
そして、これらの重ねすみ肉溶接用試験片について、交流MIG溶接機を用いて、アルミニウム合金板と鋼板とのミグブレージング溶接を行い、また、アルミニウム合金板同士のアーク溶接を行った。シールドガスは、アルゴンガスを用いた。溶接条件は、溶接電流:40A、溶接電圧:10V、溶接速度:40cm/min、とした。
【0031】
そして、表1及び表2に示す発明例及び比較例について、得られたこれらの重ねすみ肉溶接継手のビードの形状を目視観察することにより、ビード形成の安定性の評価を行った。断続するビードが形成されたときは、不良(×)とし、ビード幅がほぼ一定で、接合線に沿って連続するビードが形成されたときは、良(○)とした(図2参照)。
【0032】
また、表1及び表2に示す発明例及び比較例について、得られたこれらの重ねすみ肉溶接継手から板幅30mmの継手強度評価用試験片を採取した。そして、これらの継手強度評価用試験片の引張試験(引張り速度:25mm/min)を行うことにより、重ねすみ肉溶接継手の継手強度(単位接合長あたりの強度)を評価した。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
評価の結果を表1及び表2に示す。本発明例(No.1〜No.6、No.8、No.10及びNo.11)では、Mgを2.2〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材について、前記Mg含有アルミニウム合金材と鉄系材とのミグブレージング溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士のアーク溶接を行うに際し、良好なビードを安定して形成することができ、これにより、所要の継手強度(70N/mm以上)を十分に満たす良好な溶接接合体を得ることができた。
【0036】
なお、本発明の溶接用フラックス入りワイヤは、Mg含有量が1質量%未満のアルミニウム合金板についても適用可能である(No.12及びNo.13の参考例参照)。
【0037】
一方、No.7の比較例では、フラックスの化学組成が本発明で規定する組成から外れているため、良好なビードが形成されず、Mgを2.2質量%含有するMg含有アルミニウム合金板と溶融亜鉛めっき鋼板との重ねすみ肉溶接継手を得ることができなかった。また、No.9の比較例では、フラックスを有しないワイヤのため、良好なビードが形成されず、重ねすみ肉溶接継手を得ることができなかった。また、No.14の比較例では、アルミニウム合金板のMg含有量が本発明で規定する上限値を超えているため、良好なビードが形成されず、重ねすみ肉溶接継手を得ることができなかった。
【0038】
また、No.19〜No.22の比較例では、Mg含有量が1質量%未満のアルミニウム合金板については(No.19〜No.22では、Mg含有量:0.8質量%)、フラックスの化学組成が本発明の規定から外れているものの、前記アルミニウム合金板と溶融亜鉛めっき鋼板との重ねすみ肉溶接継手を得ることができた。
【0039】
しかしながら、No.15〜No.18の比較例では、Mg含有量が1質量%以上のアルミニウム合金板については(No.15〜No.18の場合、Mg含有量:2.2質量%)、フラックスの化学組成が本発明の規定から外れているため、良好なビードが形成されず、重ねすみ肉溶接継手を得ることができなかった。また、No.23の比較例では、良好なビードを形成できなかった。これは、KはMgより卑な金属であるものの、Fと錯体をつくらないためと推定される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施例における溶接試験を説明するための断面図である。
【図2】本発明の実施例における溶接継手のビード形状を模式的に示す平面図であって、その(a)は不良ビードを模式的に示す平面図、その(b)は良好なビードを模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
【0041】
1…アルミニウム合金板
2…鋼板(溶融亜鉛めっき鋼板)
3…溶接トーチ先端部
4…溶接用フラックス入りワイヤ
5…溶接金属

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材との溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士の溶接に用いられるMg含有アルミニウム合金材溶接用フラックスであって、化学組成が(Na,K)LaF(ただし、0<x≦20、y=x+3)であることを特徴とするMg含有アルミニウム合金材溶接用フラックス。
【請求項2】
Mgを1.0〜5.6質量%の範囲内で含有するMg含有アルミニウム合金材と鉄系材との溶接、あるいは前記Mg含有アルミニウム合金材同士の溶接に用いられる溶接用フラックス入りワイヤであって、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる外皮の内側に、化学組成が(Na,K)LaF(ただし、0<x≦20、y=x+3)であるフラックスが充填されてなることを特徴とする溶接用フラックス入りワイヤ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−184005(P2009−184005A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29439(P2008−29439)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000130259)株式会社コベルコ科研 (174)
【Fターム(参考)】