説明

N−アシルサルコシン組成物

本発明は金属加工液として使用するための組成物であって、A) 本質的にN−アシルサルコシンおよびナフテン酸またはその塩、ポリアルキレンまたはプロピレングリコールおよびさらなる添加剤からなる添加剤混合物と、B) 機能性流体とを含む組成物に関する。該組成物は、亜鉛、アルミニウムまたはそれらの合金、または亜鉛被覆鋼の腐食または酸化性の劣化に対する保護方法において有用であり、その際、亜鉛、アルミニウムまたはそれらの合金が該組成物に曝露される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属加工液または腐食保護オイルとして使用するための添加剤組成物、および金属、特に亜鉛またはアルミニウム合金の腐食または酸化性の劣化に対する保護方法に関する。
【0002】
腐食に対して金属を保護する目的を有する添加剤は、通常、2つの類にグループ分けされる:
金属不活性化剤は、黄色の金属または合金、例えば銅または真鍮を保護するために使用され、且つ、機能性液体、例えば鉱油または燃料中で、そこに含有される金属イオンを不活性化することによりそれらの保護作用を示す。それらの金属イオンは、鉱油または燃料の望ましくない酸化性の分解工程において、触媒作用を有することがある。保護作用は、金属表面上での膜状層の形成によって、または金属イオンとの錯体形成によって説明される。
【0003】
腐食抑制剤は、主として鉄系金属、例えば鉄または鋼を保護するために使用される。金属不活性化剤と類似して、腐食抑制剤も、金属表面上で膜状層を形成する。さらに、いくつかの腐食抑制剤は、水を乳化することによって、および水と金属表面との直接接触を最小化することによって腐食を防ぐことができる。
【0004】
当該の金属保護法は主として、鉄および銅の表面に焦点を合わせている。しかしながら、他の金属、例えば亜鉛およびアルミニウムおよびそれらの関連する合金も、多くの技術的用途において非常に需要になってきている。亜鉛およびアルミニウムは例えば、自動車の製造において広く使用されている。亜鉛は、鋼の腐食保護被覆として使用され、例えば亜鉛被覆鋼コイルである。腐食問題は、しばしば、半仕上げの金属製品の輸送、取り扱いおよび作業の間に生じる。残念ながら、現在使用されている金属不活性剤組成物は、満足のいくものではないか、またはそれらの金属表面を保護するために不充分ですらある。従って、それらの金属の腐食を防ぐための、改善された金属加工液についての必要性は明らかである。
【0005】
従って、本発明は
A) 添加剤混合物であって、本質的に
a) 式
【化1】

[式中、
1はC1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−アルケニルを表す]
のN−アシルサルコシンまたはそれらの塩、および
b) 式
【化2】

[式中、
nはゼロまたは1〜10の数字を表し、且つ、
Rは水素またはC1〜C10−アルキルを表す]
のナフテン酸またはそれらの塩、および随意の成分として
c) ポリアルキレングリコールまたはプロピレングリコール、および
d) さらなる添加剤
からなる添加剤混合物と、
B) 機能性流体
とを含む組成物に関する。
【0006】
本発明の好ましい実施態様は、
A) 添加剤混合物であって、本質的に
a) N−アシルサルコシン(I)のナトリウム塩 [式中、R1はC2〜C20−アルケニルを表す]
b) ナフテン酸(II)のナトリウム塩 [式中、nはゼロを表し、且つ、Rは水素を表す]
c) プロピレングリコール、および随意に
d) さらなる添加剤
からなる添加剤混合物と、
B) 機能性流体
とを含む組成物に関する。
【0007】
本発明の特に好ましい実施態様は、
A) 添加剤混合物であって、本質的に
a) N−アシルサルコシン(I)のナトリウム塩 [式中、R1はオレオイルを表す]
b) ナフテン酸(II)のナトリウム塩 [式中、nはゼロを表し、且つ、Rは水素を表す]
c) プロピレングリコール、および随意に
d) さらなる添加剤
からなる添加剤混合物と、
B) 機能性流体
とを含む組成物に関する。
【0008】
本発明の非常に好ましい実施態様は、
A) 添加剤混合物であって、本質的に
a) N−アシルサルコシン(I)のナトリウム塩 [式中、R1はオレオイルを表す]
b) ナフテン酸(II)のナトリウム塩 [式中、nはゼロを表し、且つ、Rは水素を表す]
c) プロピレングリコール、および随意に
d) オレイン酸のナトリウム塩
からなる添加剤混合物と、
B) 機能性流体
とを含む組成物に関する。
【0009】
上述の組成物は、非水の、部分的に水性の、または水性の機能性流体または液体中での腐食抑制剤として適している。
【0010】
上記および下記で使用される表現および用語は、好ましくは本発明の記述において以下の通り定義される:
化合物(I)において、C1〜C20−アルキルとして定義されるR1は、飽和、非分枝鎖、または可能な場合、分枝鎖の炭化水素基、特にC1〜C9−アルキル、例えばメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルブチル、1−メチルペンチル、1,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、3−ヘプチル、1−メチルヘキシル、イソヘプチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、1,1,3,3−テトラメチルブチル、1−メチルヘプチル、n−ノニルまたは1,1,3−トリメチルヘキシル、およびさらにC10〜C20−アルキル、特に直鎖C10〜C20−アルキル、例えばn−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシルまたは分枝鎖のC10〜C20−アルキル、例えば1−メチルウンデシル、2−n−ブチル−n−オクチル、イソトリデシル、2−n−ヘキシル−n−デシルまたは2−n−オクチル−n−ドデシルまたはそれらの高級同族体を含む。
【0011】
化合物(I)において、C2〜C20−アルケニルとして定義されるR1は、直鎖、または可能な場合、分枝鎖の基、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、n−2,4−ペンタジエニル、3−メチル−2−ブテニル、n−2−オクテニル、n−2−ドデセニルまたはイソドデセニルである。
【0012】
好ましい実施態様によれば、R1はC6〜C18−アルケニルとして定義され、且つ、好ましくは部分式
【化3】

[式中、
R'およびR''は互いに独立して水素または実質的に直鎖のヒドロカルビル基であり、ただし、R中での炭素原子の総数は指定された範囲内である]
によって表される基である。好ましくは、R'およびR''はC3〜C15−アルキルまたはC3〜C15−アルケニル基である。特に有利な実施態様において、Rは約16〜約18個のC原子を有し、R'は水素またはC1〜C7−アルキルまたはC2〜C7−アルケニルであり、且つR''はC5〜C15−アルキルまたはC5〜C15−アルケニルである。
【0013】
N−アシルサルコシン(I)は、潤滑油、グリース、および燃料用の公知の腐食抑制剤であり、Ciba(登録商標)Sarkosyl(登録商標)Oとして市販されている。
【0014】
化合物(II)において、nはゼロまたは1〜10の数字を表す。好ましい実施態様によれば、nはゼロを表す。
【0015】
化合物(II)において、C1〜C10−アルキルとして定義されるRは、飽和、非分枝鎖、または可能な場合、分枝鎖の炭化水素基、例えば上記で定義されたC1〜C4−アルキル基を含む。
【0016】
ナフテン酸(II)は、公知の化合物であり、原油留分中の天然生成物として存在する。
【0017】
化合物(I)および(II)の塩の用語は、その範疇に、好ましくは金属塩、例えばアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、またはマグネシウム塩を含む。
【0018】
他の実施態様によれば、塩の用語は、非金属塩、例えば、n−アシルサルコシン(I)またはナフテン酸(II)と、アンモニアまたはアミンとの反応によって得られる酸付加塩、例えば(C1〜C4−アルキル)4+、(C1〜C4−アルキル)3NH+、(C2〜C4−アルキルOH)4+、(C2〜C4−アルキルOH)3NH+、(C2〜C4−アルキルOH)2N(CH32+、(C2〜C4−アルキルOH)2NHCH3+、(C654+、(C653NH+、(C65CH34+、(C65CH33NH+またはNH4+塩を含む。
【0019】
ポリアルキレングリコール(ポリアルキレンオキシド)またはそれらの混合物は、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール(=ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシド)またはそれらの混合重合体から誘導され、且つ、式
【化4】

[式中、
nは1〜約1.0×106の数字であり、且つ、RaおよびRbは水素またはメチルを表す]
によって表される。適した水溶性ポリアルキレングリコール(ポリアルキレンオキシド)またはその混合物は、プラスチック産業において、および200℃〜240℃の温度でのプリント配線板のリフローにおいて、伝熱流体として使用される。それらは、良好な熱安定性および酸化安定性、および良好な伝熱特性、高い引火点、低いスラッジ形成傾向、非染色挙動(staining behaviour)、または低い流動点のために、石油またはポリエチレングリコールの非水溶液を上回る改善された性能を示す。
【0020】
特に好ましいのは、以下の仕様を満たす高粘度ポリアルキレングリコールである:
・ ASTM D445による粘度範囲 40℃で10000〜200000(cSt)、および100℃で1000〜180000;
・ ASTM D97による流動点 0℃〜20℃;
・ 引火点(開放式) 200℃より上;
・ 曇り点 50〜80℃。
【0021】
本発明のさらなる実施態様は、
a) N−アシルサルコシン(I)またはそれらの塩 [式中、R1はC10〜C20−アルキルまたはC10〜C20−アルケニルを表す]
b) 該式のナフテン酸またはそれらの塩 [式中、nはゼロまたは1〜10の数字を表し、且つ、Rは水素またはC1〜C10−アルキルを表す]
および、随意の成分として、
c) プロピレングリコール
を含む、成分A)の添加剤混合物に関する。
【0022】
特に好ましい実施態様は、
a) N−アシルサルコシン(I)のナトリウム塩 [式中、R1はオレオイルを表す]
b) ナフテン酸(II)のナトリウム塩 [式中、nはゼロを表し、且つ、Rは水素を表す]
c) プロピレングリコール、および
d) オレイン酸のナトリウム塩
を含む成分A)の添加剤混合物に関する。
【0023】
添加剤混合物A)中に存在する成分a)対成分b)対成分c)の比は、約10:10:80および80:10:10〜10:80:10質量%の範囲内で変化してよい。
【0024】
成分B)の機能性液体の用語は、保護される金属、特にアルミニウムおよび亜鉛と接触する、非水の、部分的に水性の、および水性の液体を含む。
【0025】
非水の機能性流体の例は、燃料、例えば室温で液体であり且つ内燃機関エンジン、例えば外部点火(ガソリンエンジン)または内部点火(ディーゼルエンジン)を用いた内燃機関エンジン中で使用するために適している鉱油留分を含む炭化水素混合物、例えば、種々のオクタン含有率を有するガソリン(通常のグレードまたはプレミアムグレードガソリン)、またはディーゼル燃料、および潤滑剤、作動液、金属加工液、例えば引抜油、切削油、形成油、穿孔油等、エンジン冷却剤、変圧器油および開閉器オイルである。
【0026】
適した部分的に水性の機能性流体の例は、油中水型または水中油型金属加工液、水性ポリグリコール/ポリグリコールエーテル混合物またはグリコール系に基づく作動液、および水性グリコールに基づくエンジン冷却系である。
【0027】
水性の機能性流体の例は、産業用冷却水、水質調整施設の充填組成物、蒸気発生システム、海水蒸発システム、糖蒸発システム、灌漑システム、静水圧ボイラー(hydrostatic boiler)および閉鎖循環を有する加熱システムまたは冷却システムである。
【0028】
組成物中での添加剤混合物A)の総含有率は決定的ではないが、添加剤混合物A)の好ましい総含有率、本発明による組成物は好ましくは、上記で定義された通り、成分B)の機能性液体の質量に対して0.01〜30.0質量%、特に0.01〜10.0質量%、好ましくは0.02〜3.0質量%の添加剤混合物を含む。
【0029】
非水の機能性液体、特に、グリース、金属加工液、ギア液、および作動液の製造に使用できる潤滑粘度の基油が好ましい。適したグリース、金属加工液、ギア液および作動液は、例えば鉱油または合成油またはそれらの混合物に基づく。潤滑剤は当業者によく知られており、且つ、関連文献、例えばChemistry and Technology of Lubricants; Mortier, R.M. and Orszulik, S.T. (編集者); 1992 Blackie and Son Ltd. for GB, VCH−Publishers N.Y. for U.S., ISBN 0−216−92921−0, 208ページ以降および269ページ以降参照; Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology, 第四版 1969, J.Wiley & Sons, New York, Vol.13, 533ページ以降(Hydraulic Fluids); Performance Testing of Hydraulic Fluids; R.Tourret and E.P.Wright, Hyden & Son Ltd. GB, The Institute of Petroleum London, ISBN 0855013176を代表して; Ullman’s Encyclopedia of Ind. Chem., 第五完全改訂版, Verlag Chemie, DE−Weinheim, VCH−Publishers for U.S., Vol.A 15, 423ページ以降 (Lubricants), Vol.A 13, 165ページ以降 (Hydraulic Fluids)内に記載される。
【0030】
潤滑剤は特に、油およびグリースであり、例えば鉱油、合成油、または植物油および動物油、脂肪、タローおよびワックスまたはそれらの混合物に基づく。植物油および動物油、脂肪、タローおよびワックスは、例えばパーム核油、パーム油、オリーブ油、上質菜種油(colza oil)、菜種油、あまに油、大豆油、綿油、ヒマワリ油、ヤシ油、とうもろこし油、ヒマシ油、クルミ油、およびそれらの混合物、魚油、および化学的に変性された、例えばエポキシ化またはスルホキシド化またはアルキル化または水素化された形態、または遺伝子工学によって製造された形態、例えば遺伝子工学によって製造された大豆油である。
【0031】
合成潤滑剤の例は、脂肪族または芳香族カルボン酸エステル、ポリマーエステル、ポリアルキレンオキシド、リン酸エステル、ポリ−α−オレフィンまたはシリコーンに基づく潤滑剤、二塩基酸と一水素性アルコールとのジエステルの潤滑剤、例えばジオクチルセバケートまたはジノニルアジペート、トリメチロールプロパンと一塩基酸との、またはかかる酸との混合物とのトリエステルの潤滑剤、例えばトリメチロールプロパントリペラルゴネート、トリメチロールプロパントリカプリレートまたはそれらの混合物、ペンタエリトリトールと一塩基酸との、またはかかる酸の混合物とのテトラエステルの潤滑剤、例えばペンタエリトリチルテトラカプリレート、または一塩基酸および二塩基酸と、多価アルコールとの複合エステル、例えばトリメチロールプロパンとカプリル酸およびセバシン酸との複合エステルの潤滑油、またはそれらの混合物の潤滑油を含む。鉱油に加えて、特に適しているのは例えば、ポリ−α−オレフィン、エステルベースの潤滑剤、ホスフェート、グリコール、ポリグリコールおよびポリアルキレングリコールおよびそれらと水との混合物である。
【0032】
前記の潤滑剤またはそれらの混合物を有機または無機の増粘剤(ベース脂肪)と混合することもできる。金属加工液および作動液を、潤滑液について上述のものと同一の物質に基づき調整できる。これらは、しばしば、水または他の液体中で、かかる物質のエマルションでもある。
【0033】
前記の潤滑剤組成物、例えばグリース、ギア液、金属加工液および作動液は、追加的に、その基本的な特性をさらに改善するために添加されるさらなる添加剤を含有してよい。それらは、酸化防止剤、金属不活性化剤、さび止め剤、粘度指数改善剤、流動点降下剤、分散剤、洗浄剤、粘着剤、チキソトロープビルダー、脱水剤、消泡剤、解乳化剤、高圧添加剤、および摩耗防止添加剤を含む。かかる添加剤は、それぞれの場合、目的によってそれぞれ0.01〜10.0質量%の範囲の慣例的な量で添加される。さらなる添加剤の例は以下である:
1. フェノール系酸化防止剤
1.1. アルキル化モノフェノール: 2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシメチルフェノール、直鎖ノニルフェノールまたは側鎖内で分枝鎖であるノニルフェノール、例えば、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデカ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデカ−1’−イル)フェノール、およびそれらの混合物。
【0034】
1.2. アルキルチオメチルフェノール: 2,4−ジオクチルチオメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0035】
1.3. ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノン: 2,6−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−アミル−ヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−ヒドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0036】
1.4. トコフェロール: α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロール、およびそれらの混合物(ビタミンE)。
【0037】
1.5. ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル: 2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−sec−アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−ジスルフィド。
【0038】
1.6. アルキリデンビスフェノール: 2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)−フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−tert−ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−tert−ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−tert−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチル−フェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール ビス[3,3−ビス(3’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−tert−ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0039】
1.7. O−、N−、およびS−ベンジル化合物: 3,5,3’,5’−テトラ−tert−ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0040】
1.8. ヒドロキシベンジル化マロネート: ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル 2−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ−[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニル]−2,2−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0041】
1.9 ヒドロキシベンジル芳香族化合物: 1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0042】
1.10. トリアジン化合物: 2,4−ビスオクチルメルカプト−6−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)−ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0043】
1.11. アシルアミノフェノール: 4−ヒドロキシラウルアニリド(hydroxylauranilide)、4−ヒドロキシステアルアニリド、オクチル N−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0044】
1.12. ベータ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下とのエステル
一価または多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0045】
1.13. ベータ−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下とのエステル
(一価または多価アルコール)、例えばメタノール、エタノール、n−オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンを有するアルコール。
【0046】
1.14. ベータ−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下とのエステル
一価または多価アルコール、例えば13で記載されたアルコール。
【0047】
1.15. 3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と以下とのエステル
一価または多価アルコール、例えば13で記載されたアルコール。
【0048】
1.16. ベータ−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えばN,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニルプロピオニル)ヒドラジン。
【0049】
1.17. アスコルビン酸(ビタミンC)
【0050】
1.18. アミン系酸化防止剤: N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−ヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−(ナフチル−2−イル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチル−ブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルフォンアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−tert−オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えばp,p’−ジ−tert−オクチルジフェニルアミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノフェノール、4−ノナノイルアミノ−フェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノフェノール、ジ−(4−メトキシフェニル)アミン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ジメチルアミノメチルフェノール、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,2−ジ−[(2−メチル−フェニル)−アミノ]エタン、1,2−ジ−(フェニルアミノ)−プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ジ−[4−(1’,3’−ジメチル−ブチル)フェニル]アミン、tert−オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化およびジアルキル化tert−ブチル/tert−オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化およびジアルキル化tert−オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブト−2−エン、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−ヘキサメチレンジアミン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オール。
【0051】
2. さらなる酸化防止剤: 脂肪族または芳香族ホスフィット、チオジプロピオン酸またはチオ二酢酸のエステル、またはジチオカルバミン酸またはジチオリン酸の塩、2,2,12,12−テトラ−メチル−5,9−ジヒドロキシ−3,7,11−トリチアトリデカンおよび2,2,15,15−テトラメチル−5,12−ジヒドロキシ−3,7,10,14−テトラチアヘキサデカン。
【0052】
3. さらなる金属不活性化剤
3.1. ベンゾトリアゾールおよびそれらの誘導体:2−メルカプトベンゾトリアゾール、2,5−ジメルカプトベンゾトリアゾール、4−または5−アルキルベンゾトリアゾール (例えばトルトリアゾール)およびそれらの誘導体、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾトリアゾール、5,5’−メチレンビスベンゾトリアゾール; ベンゾトリアゾールまたはトルトリアゾールのマンニッヒ塩基、例えば1−[ジ(2−エチルヘキシルアミノメチル)]トルトリアゾールおよび1−[ジ(2−エチルヘキシルアミノメチル)]ベンゾトリアゾール; アルコキシアルキルベンゾトリアゾール、例えば1−(ノニルオキシメチル)−ベンゾトリアゾール、1−(1−ブトキシエチル)ベンゾトリアゾールおよび1−(1−シクロヘキシル−オキシブチル)トルトリアゾール。
【0053】
3.2. 1,2,4−トリアゾールおよびそれらの誘導体: 3−アルキル(またはアリール)−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾールのマンニッヒ塩基、例えば1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−1,2,4−トリアゾール; アルコキシアルキル−1,2,4−トリアゾール、例えば1−(1−ブトキシエチル)−1,2,4−トリアゾール; アシル化3−アミノ−1,2,4−トリアゾール。
【0054】
3.3. イミダゾール誘導体: 4,4’−メチレンビス(2−ウンデシル−5−メチルイミダゾール)、ビス(N−メチル)イミダゾール−2−イル]カルビノールオクチルエーテル。
【0055】
3.4. 硫黄含有ヘテロ環式化合物: 2−メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプトベンゾチアジアゾールおよびそれらの誘導体; 3,5−ビス[ジ−(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−1,3,4−チアジアゾリン−2−オン。
【0056】
3.5. アミノ化合物: サリチリデンプロピレンジアミン、サリチルアミノグアニジンおよびそれらの塩。
【0057】
4. 腐食抑制剤
4.1. 有機酸、それらのエステル、金属塩、アミン塩および無水物: アルキル−およびアルケニルスクシン酸、およびアルコール、ジオールまたはヒドロキシカルボン酸とのそれらの部分エステル、アルキル−およびアルケニルスクシン酸、4−ノニルフェノキシ酢酸、アルコキシ−およびアルコキシエトキシカルボン酸、例えばドデシルオキシ酢酸、ドデシルオキシ(エトキシ)酢酸の部分アミド、およびそれらのアミン塩、ソルビタンモノオレエート、ナトリウムモノオレエート、鉛ナフテネート、アルケニルスクシン酸無水物、例えばドデセニルスクシン酸無水物、2−(2−カルボキシエチル)−1−ドデシル−3−メチルグリセロールおよびそれらの塩、特にナトリウム塩およびトリエタノールアミン塩。
【0058】
4.2. 窒素含有化合物
4.2.1 三級脂肪族および脂環式アミンおよび有機およむ無機酸のアミン塩、例えば油溶性のアルキルアンモニウムカルボキシレートおよびさらなる1−[N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−(4−ノニルフェノキシ)プロパン−2−オール。
【0059】
4.2.2 複素環式化合物、例えば置換されたイミダゾリンおよびオキサゾリン、例えば2−ヘプタドデセニル−1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリン。
【0060】
5. 硫黄含有化合物: バリウムジノニルナフタレンスルホネート、カルシウム石油スルホネート、アルキルチオ置換脂肪族カルボン酸、脂肪族2−スルホカルボン酸のエステルおよびそれらの塩。
【0061】
6. 粘度指数改善剤: ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ビニルピロリドン/メタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、オレフィンコポリマー、スチレン/アクリレートコポリマー、ポリエーテル。
【0062】
7. 流動点降下剤: ポリ(メタ)アクリレート、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、アルキルポリスチレン、フマレートコポリマー、アルキル化ナフタレン誘導体。
【0063】
8. 分散剤/界面活性剤: ポリブテニルスクシンアミドまたはポリブテニルスクシンイミド、ポリブテニルホスホン酸誘導体、塩基性マグネシウム、カルシウムおよびバリウムスルホネートおよびフェノレート。
【0064】
9. 高圧および摩耗防止添加剤: 硫黄およびハロゲン含有化合物、例えば塩素化パラフィン、スルホン化オレフィンまたは植物油 (大豆油、菜種油)、アルキルまたはアルキルジーまたはトリスルフィド、ベンゾトリアゾールまたはそれらの誘導体、例えばビス(2−エチルヘキシル)アミノメチルトルトリアゾール、ジチオカルバメート、例えばメチレンビス−ジブチルジチオカルバメート、2−メルカプトベンゾチアゾールの誘導体、例えば1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−2−メルカプト−1H−1,3−ベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールの誘導体、例えば2,5−ビス(tert.ノニルジチオ)−1,3,4−チアジアゾール。
【0065】
10. 摩擦係数減少のための物質: ラード油、オレイン酸、タロー、菜種油、硫化脂肪、アミン。さらなる例はEP−A−0565487号内に述べられる。
【0066】
11. 水/油中での金属加工および作動液に使用するための特別な添加剤
11.1 乳化剤: 石油スルホネート、アミン、例えばポリオキシエチル化脂肪アミン、非イオン性界面活性物質
11.2 緩衝剤: アルカノールアミン
11.3 殺生剤: トリアジン、チアゾリノン、トリスニトロメタン、モルホリン、ナトリウムピリジンチオール
11.4 加工速度改善剤: カルシウムスルホネートおよびバリウムスルホネート
11.5 粘着剤: アクリルアミドコポリマー、ポリイソブテン(polyisubutene)樹脂
11.6 チキソトロープビルダー: 微小質ワックス、酸化ワックスおよび酸化エステル
11.7 脱水剤: ポリグリコールエーテル、ブチルジグリコール。
【0067】
前記の成分を、自体公知の方法で潤滑剤と混合できる。濃縮物、または意図される適用の目的に従って相応する潤滑剤に使用するための濃縮物に希釈できる、いわゆる添加剤パッケージを製造することも可能である。
【0068】
本発明のさらなる実施態様は、金属の腐食または酸化性の劣化に対する保護方法であって、金属を、上記で定義された添加剤混合物を含む機能性流体に曝露させる保護方法に関する。
【0069】
本発明の特別な実施態様は、亜鉛、アルミニウムまたはそれらの合金、または亜鉛被覆鋼の腐食または酸化性の劣化に対する保護方法であって、亜鉛、アルミニウムまたはそれらの合金を、上記で定義された添加剤混合物を含む機能性流体に曝露させる保護方法に関する。
【0070】
以下の実施例によって本発明を説明する:
1. 材料および方法
1.1 一般例
25部のSarkosyl O(登録商標)および25部のナフテン酸を15部のプロピレングリコールと共に攪拌する。該混合物を30℃から40℃に加熱する。50%の水酸化ナトリウム溶液を14.80部、該混合物に攪拌しながら滴下し、透明で均質な材料が形成されるまで攪拌する。生じる生成物は、60〜70%の、SARCOSYL Oのナトリウム塩およびナフテン酸のナトリウム塩を含有する、透明で黄色の粘性液体である。
【0071】
1.2 組成物の成分
SARCOSYL O (CIBA製品: N−アシルサルコシン; N−オレオイルサルコシン)およびナフテン酸(MERICHEM USA) (種々の低分子量脂肪酸の複合混合物である)を使用する。それらの成分を、水酸化ナトリウム(50%溶液)の添加によって中和し、それらのナトリウム塩へと変換する。プロピレングリコールを塩混合物と混合して、より低い温度で流動可能にする。
【0072】
【表1】

【0073】
1.4 特性決定データ
【表2】

【0074】
1.4 組成物の調製
1.4.1 方法1
・ 温度センサおよびコンデンサに固定された良好な攪拌機を装備した清浄な釜に、SARCOSYL Oおよびナフテン酸を添加する。両方の原料を穏やかに攪拌しながら適切に混合する。
【0075】
・ プロピレングリコールを釜に添加し、且つ、透明且つ均質な塊が得られるまで適切に攪拌する。
【0076】
・ 温度を30〜40℃に保持する。
【0077】
・ アルカリ溶液を釜にゆっくりと添加し、且つ、アグロメートの形成を避け、塊が生じないようにする。該反応は発熱性であり、従って昇温の上昇はアルカリ添加速度を調節することによって、または系の冷却によって調節されるべきである。反応温度は60〜70℃に保持されるべきである。
【0078】
・ 水酸化ナトリウム溶液の添加後、約30分間、攪拌を継続する。
【0079】
・ 生成物のTAN(=総酸価)をチェックする。
【0080】
・ 水酸化ナトリウム溶液または酸混合物(1:1 SARCOSYL Oおよびナフテン酸)を添加することによって、組成物のTANおよびpHを所望のレベルに調整する。
【0081】
1.4.2 方法2
・ 攪拌機、コンデンサおよび温度センサを装備した反応釜に、SARCOSYL Oを添加する。水酸化ナトリウム溶液を、連続的に攪拌しながらゆっくりと添加する。完全な中和後、半固体の材料が形成される。TANをチェックし、且つ、5.0±1であるはずである。必要であれば、SARCOSYL Oまたは水酸化ナトリウム溶液を添加することによってTANを調整する。温度を60〜70℃で保持する。プロピレングリコールを添加し、且つ、組成物が透明な液体になるまで混合物を攪拌する。
【0082】
・ ナフテン酸を他の釜Bに添加し、水酸化ナトリウム溶液で中和する。完全な中和後、半固体の材料が形成される。TANをチェックし、且つ、5.0±1であるはずである。必要であれば、ナフテン酸または水酸化ナトリウム溶液のいずれかを添加することによってTANを調整する。温度を60〜70℃で保持する。
【0083】
・ 釜B中のナフテン酸を釜Aに添加する。温度を50℃〜60℃に、組成物が透明な粘性液体になるまで上昇させる。
【0084】
・ 組成物のTANおよびpH値を測定し、そして記録する。
【0085】
2. 比較例
2.1 25部のDDBAC(重炭酸ジデシルジメチルアンモニウム)を、25部の水、25部のモノエタノールアミンおよび25部のカプリン酸と共に攪拌する。生じる生成物は、透明で明るい黄色の均質な溶液である。
【0086】
2.2 20部のC11二塩基酸(Irgacor(登録商標) DC11)を、10部のモノエタノールアミンおよび10部のトリエタノールアミンと共に攪拌する。20部の水を混合物に添加する。生じる生成物は、透明で青白い液体である。
【0087】
2.3 20部のセバシン酸を10部のモノエタノールアミンおよび10部のトリエタノールアミンと共に攪拌する。20部の水を混合物に添加する。生じる生成物は、透明で青白い液体である。
【0088】
2.4 20部のウンデカン二酸、ドデカン二酸、およびC4〜C9−二塩基酸(スクシン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸およびアゼライン酸の混合物)の混合物を、10部のモノエタノールアミンおよび10部のトリエタノールアミンと共に攪拌する。20部の水を混合物に添加する。生じる生成物は、透明で茶色い液体である。
【0089】
2.5 50部の三塩基酸(Irgacor(登録商標)L 190)を、25部のモノエタノールアミンおよび25部のトリエタノールアミンと共に攪拌する。生じる生成物は、透明で黄色がかった液体である。
【0090】
3. 適用試験
3.1 アルミニウム腐食/染色試験
75〜40mmのアルミニウム試験片を、エメリーペーパー(E4 150)によって清浄化し、トルエン中に30分間浸漬させ、且つ、オーブン中、80℃で乾燥させる。この清浄化され且つ乾燥された試験片を、300mlの試験溶液を含有する500mlのビーカー内に置く。該ビーカーをペトリ皿で覆い、且つ、保温器内に、65℃で3時間置く。試験片を取り出し、そして冷水で洗浄し、そして室温で乾燥させる。該クーポンを、腐食または染色の兆候について検査し、且つ、重度、中程度に軽い、または無腐食/染色として、視覚的に等級付けする。全ての試験溶液を蒸留水中で調製する。結果を以下の表に示す:
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A) 添加剤混合物であって、
a) 式
【化1】

[式中、
1はC1〜C20−アルキルまたはC2〜C20−アルケニルを表す]
のN−アシルサルコシンまたはそれらの塩、および
b) 式
【化2】

[式中、
nはゼロまたは1〜10の数字を表し、且つ、
Rは水素またはC1〜C10−アルキルを表す]
のナフテン酸またはそれらの塩、および随意の成分として
c) ポリアルキレングリコールまたはプロピレングリコール、および
d) さらなる添加剤
からなる添加剤混合物と、
B) 機能性流体
とを含む組成物。
【請求項2】
A) 添加剤混合物であって、
a) N−アシルサルコシン(I)のナトリウム塩 [式中、R1はC2〜C20−アルケニルを表す]
b) ナフテン酸(II)のナトリウム塩 [式中、nはゼロを表し、且つ、Rは水素を表す]
c) プロピレングリコール、および随意に
d) さらなる添加剤
からなる添加剤混合物と、
B) 機能性流体
とを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
A) 添加剤混合物であって、
a) N−アシルサルコシン(I)のナトリウム塩 [式中、R1はオレオイルを表す]
b) ナフテン酸(II)のナトリウム塩 [式中、nはゼロを表し、且つ、Rは水素を表す]
c) プロピレングリコール、および随意に
d) さらなる添加剤
からなる添加剤混合物と、
B) 機能性流体
とを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
A) 添加剤混合物であって、本質的に
a) N−アシルサルコシン(I)のナトリウム塩 [式中、R1はオレオイルを表す]
b) ナフテン酸(II)のナトリウム塩 [式中、nはゼロを表し、且つ、Rは水素を表す]
c) プロピレングリコール、および
d) オレイン酸のナトリウム塩
からなる添加剤混合物と、
B) 機能性流体
とを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
添加剤混合物であって、
a) 式
【化3】

[式中、
1はC10〜C20−アルキルまたはC10〜C20−アルケニルを表す]
のN−アシルサルコシン、またはそれらの塩
b) 式
【化4】

[式中、
nはゼロまたは1〜10の数字を表し、且つ
Rは水素またはC1〜C10−アルキルを表す]
のナフテン酸またはそれらの塩、および随意の成分として、
c) プロピレングリコール
を含む添加剤混合物。
【請求項6】
a) N−アシルサルコシン(I)のナトリウム塩 [式中、R1はオレオイルを表す]
b) ナフテン酸(II)のナトリウム塩 [式中、nはゼロを表し、且つ、Rは水素を表す]
c) プロピレングリコール、および
d) オレイン酸のナトリウム塩
を含む、請求項5に記載の添加剤混合物。
【請求項7】
機能性流体B)が、潤滑剤、作動液、金属加工液、エンジン冷却剤、変圧器油および開閉器オイルからなる群から選択される非水の機能性流体である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
金属の腐食または酸化性の劣化に対する保護方法であって、金属を、請求項5に記載の添加剤混合物を含む、機能性流体に曝露させる、保護方法。
【請求項9】
亜鉛、アルミニウムまたはそれらの合金、または亜鉛被覆鋼の腐食または酸化性の劣化に対する保護方法であって、亜鉛、アルミニウムまたはそれらの合金を、請求項5に記載の添加剤混合物を含む機能性流体に曝露させる、請求項8に記載の保護方法。

【公表番号】特表2012−518046(P2012−518046A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−549525(P2011−549525)
【出願日】平成22年2月5日(2010.2.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051450
【国際公開番号】WO2010/092010
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】