説明

N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミドのアミドおよびカルバマート誘導体ならびに方法

N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミドのアミドおよびカルバマート誘導体、これらの化合物を含有する医薬組成物、化合物の生成方法、ならびに動物においてサイトカイン生合成を誘発するために免疫系をモジュレートする際、またウイルス性疾患および新生物疾患を含む疾患の治療における、これら化合物の使用方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、参照により本明細書に援用される2005年9月9日出願の米国仮出願第60/715950号の優先権を主張するものである。

【背景技術】
【0002】
特定の置換1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−4−アミン、キノリン−4−アミン、テトラヒドロキノリン−4−アミン、ナフチリジン−4−アミン、およびテトラヒドロナフチリジン−4−アミン化合物、ならびに特定の類似のチアゾロおよびオキサゾロ化合物は、免疫応答調節剤(IRM)として有用であり、そのために様々な障害の治療において有用であることがわかっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その投与がサイトカイン生合成の誘発または他の機序による免疫応答のモジュレーションを起こし得る化合物は、関心を集め、求められ続けている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
今回、N−{2−[4−アミノ−2−(エトキシメチル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミドの特定のアミドおよびカルバマート誘導体が、サイトカイン生合成の誘発を起こすことがわかった。本発明はそのような化合物を提供するが、それは次式Iの化合物
【0005】
【化1】

[式中、RおよびYは、以下で規定するとおりである]および薬学的に許容できるその塩である。
【0006】
式Iの化合物または塩は、動物に投与されたとき、サイトカイン生合成のモジュレーションを起こし(例えば、1種または複数のサイトカインの生合成または産生を誘発し)、また別な形で免疫応答のモジュレーションをもたらすことができるために有用である。これにより、この化合物は、ウイルス性疾患や新生物疾患などの、免疫応答のそのような変化に奏効する様々な状態の治療に有用となる。
【0007】
本発明はまた、式Iの化合物を含有する医薬組成物、ならびに動物に1種または複数の式Iの化合物および/もしくは薬学的に許容できるその塩を投与し、または動物に1種または複数の式Iの化合物および/もしくは薬学的に許容できるその塩を含有する医薬組成物を投与することによって、動物細胞においてサイトカイン生合成を誘発し、動物においてウイルス性疾患を治療し、かつ/または動物において新生物疾患を治療する方法を提供する。
【0008】
別の態様では、本発明は、式Iの化合物の合成方法を提供する。
【0009】
本明細書では、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは複数」は、区別なく使用する。
【0010】
用語「含む」およびその変形は、こうした用語が記述および請求項の中に出てくる場合には限定的な意味をもたない。
【0011】
上記の本発明の概要は、開示するそれぞれの実施形態または本発明のすべての履行について述べるものではない。以下の記述では、実例となる実施形態をより詳細に例示する。様々な組合せで使用することができる模範例も、例を挙げてここに提供する。各場合において、挙げられるリストは、代表格の群として役立つにすぎず、限定的なリストであると解釈すべきでない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、次式Iの化合物
【0013】
【化2】

[式中、RおよびYは以下で規定するとおりである]および薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0014】
一実施形態では、本発明は、次式Iの化合物
【0015】
【化3】

[式中、
Yは、−C(O)−および−C(O)−O−からなる群から選択され、
Rは、アルキル、アリール、アリールアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキレニルからなる群から選択され、アリールおよびアリールアルキレニルは、無置換であり、またはアルキル、アルコキシ、アリール、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されており、Yに結合しているヘテロシクリル中の原子は炭素原子である]または薬学的に許容できるその塩を提供する。
【0016】
本明細書で示す化合物のいずれについても、当業者には理解されようが、その実施形態のいずれかの中の以下の可変基(例えばRおよびY)のそれぞれ1つを、その実施形態のいずれかの中の他の可変基のいずれか1つまたは複数と組み合わせ、式Iと関連付けることができる。得られる可変基の組合せはそれぞれ、本発明の実施形態である。
【0017】
例えば式Iの特定の実施形態では、Yは、−C(O)−および−C(O)−O−からなる群から選択される。
【0018】
例えば式Iの特定の実施形態では、Yは−C(O)−である。
【0019】
例えば式Iの特定の実施形態では、Yは−C(O)−O−である。
【0020】
式Iの上記実施形態のいずれか1つを含む、特定の実施形態では、Rは、アルキル、アリール、アリールアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキレニルからなる群から選択され、アリールおよびアリールアルキレニルは、無置換であり、またはアルキル、アルコキシ、アリール、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されており、Yに結合しているヘテロシクリル中の原子は、炭素原子である。
【0021】
式Iの上記実施形態のいずれか1つを含む、特定の実施形態では、Rは、アルキル、アリール、またはアリールアルキレニルである。これらの実施形態のうちのいくつかでは、RはC1〜10アルキルである。これらの実施形態のうちのいくつかでは、RはC1〜5アルキルである。これらの実施形態のうちのいくつかでは、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群から選択される。
【0022】
式Iの上記実施形態のいずれか1つを含む、特定の実施形態では、例外でない場合には、Rはアリールである。これらの実施形態のうちのいくつかでは、Rはフェニルである。
【0023】
式Iの上記実施形態のいずれか1つを含む、特定の実施形態では、例外でない場合には、Rはアリールアルキレニルである。これらの実施形態のうちのいくつかでは、Rはベンジルである。
【0024】
特定の実施形態では、本発明は、治療有効量の式Iの上記実施形態のいずれか1つである化合物または塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0025】
特定の実施形態では、本発明は、動物においてサイトカイン生合成を誘発する方法であって、有効量の式Iの上記実施形態のいずれか1つである化合物もしくは塩、または式Iの上記実施形態のいずれか1つである化合物もしくは塩を治療有効量含む医薬組成物を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0026】
特定の実施形態では、本発明は、動物におけるウイルス性疾患の治療方法であって、治療有効量の式Iの上記実施形態のいずれか1つである化合物もしくは塩、または式Iの上記実施形態のいずれか1つである化合物もしくは塩を治療有効量含む医薬組成物を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0027】
特定の実施形態では、本発明は、動物における新生物疾患の治療方法であって、治療有効量の式Iの上記実施形態のいずれか1つである化合物もしくは塩、または式Iの上記実施形態のいずれか1つである化合物もしくは塩を治療有効量含む医薬組成物を動物に投与することを含む方法を提供する。
【0028】
本明細書では、用語「アルキル」および接頭辞「alk−」は、直鎖および分枝鎖の基、ならびに環状の基、例えば、シクロアルキルおよびシクロアルケニルを含む。別段の指定がない限り、これらの基は、1〜20個の炭素原子を含む。一部の実施形態では、これらの基は、合計で10個までの炭素原子、8個までの炭素原子、6個までの炭素原子、または4個までの炭素原子を有する。環状の基は、単環式でも多環式でもよく、3〜10個の環炭素原子を有することが好ましい。好例となる環状の基には、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロブチルメチル、シクロペンチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、アダマンチル、ならびに置換および無置換のボルニル、ノルボルニル、およびノルボルネニルが含まれる。
【0029】
別段の指定がない限り、「アルキレン」は、上で定義した「アルキル」基の二価の形態である。用語「アルキレニル」は、「アルキレン」が置換されているときに使用する。例えば、アリールアルキレニル基は、アリール基が結合している「アルキレン」部分を含む。
【0030】
用語「アリール」は、本明細書では、炭素環式の芳香環または芳香環系を含む。アリール基の例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、およびインデニルが含まれる。
【0031】
別段の指摘がない限り、用語「ヘテロ原子」とは、O、S、またはNの原子を指す。
【0032】
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含む芳香環または芳香環系を含む。一部の実施形態では、用語「ヘテロアリール」は、2〜12個の炭素原子、1〜3個の環、1〜4個のヘテロ原子、ならびにヘテロ原子としてはO、S、および/またはNを含む環または環系を含む。適切なヘテロアリール基には、フリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、カルバゾリル、ベンゾオキサゾリル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、キノキサリニル、ベンゾチアゾリル、ナフチリジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、プリニル、キナゾリニル、ピラジニル、1−オキシドピリジル、ピリダジニル、トリアジニル、テトラジニル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル等々が含まれる。
【0033】
用語「ヘテロシクリル」は、少なくとも1個の環ヘテロ原子(例えば、O、S、N)を含む非芳香族の環または環系を含み、上述のヘテロアリール基の完全に飽和した誘導体および部分的に不飽和の誘導体がすべてこれに含まれる。一部の実施形態では、用語「ヘテロシクリル」は、2〜12個の炭素原子、1〜3個の環、1〜4個のヘテロ原子、ならびにヘテロ原子としてはO、S、およびNを含む。好例となるヘテロシクリル基には、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、モホリニル、チオモホリニル、1,1−ジオキソチオモホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロピラニル、キヌクリジニル、ホモピペリジニル(アゼパニル)、1,4−オキサゼパニル、ホモピペラジニル(ジアゼパニル)、1,3−ジオキソラニル、アジリジニル、アゼチジニル、ジヒドロイソキノリン−(1H)−イル、オクタヒドロイソキノリン−(1H)−イル、ジヒドロキノリン−(2H)−イル、オクタヒドロキノリン−(2H)−イル、ジヒドロ−1H−イミダゾリル、3−アザビシクロ[3.2.2]ノナ−3−イルなどが含まれる。
【0034】
用語「ヘテロシクリル」は、二環式および三環式の複素環系を含む。そのような環系には、縮合環および/または架橋環、ならびにスピロ環が含まれる。縮合環には、飽和した環または部分的に飽和した環に加え、芳香環、例えばベンゼン環を含めることができる。スピロ環には、1個のスピロ原子によって結合した二環、および2個のスピロ原子によって結合した三環が含まれる。
【0035】
「ヘテロシクリル」が窒素原子を含むとき、ヘテロシクリル基の結合点は、別段の指定がない限り窒素原子でよい。
【0036】
本発明は、異性体(例えば、ジアステレオ異性体および鏡像異性体)、塩、溶媒和物、多形体などを含めて、その薬学的に許容できるいずれかの形態の、本明細書に記載の(中間体を含む)化合物を含む。特に、化合物が光学活性を有する場合、本発明は、詳細には、化合物のそれぞれの鏡像異性体、ならびに鏡像異性体のラセミ混合物およびスカレミ(scalemic)混合物を含む。用語「化合物」は、明確に述べてあろうとなかろうと(時に「塩」については明確に述べるが)、そのような形態のいずれかまたはすべてを含むことを理解されたい。
【0037】
化合物の調製
本発明の化合物は、化学分野でよく知られているものと類似の方法を含む合成経路によって、特に本明細書に含まれる記述に照らして合成することができる。試薬は一般に、Aldrich Chemicals(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)などの民間の供給元から入手可能であり、または当業者によく知られている方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.FieserおよびMary Fieser、「Reagents for Organic Synthesis」、第1〜19巻、Wiley、米国ニューヨーク(1967〜1999年版);Alan R.Katritsky、Otto Meth−Cohn、Charles W.Rees、「Comprehensive Organic Functional Group Transformations」、第1〜6巻、Pergamon Press、英国オックスフォード(1995年);Barry M.TrostおよびIan Fleming、「Comprehensive Organic Synthesis」、第1〜8巻、Pergamon Press、英国オックスフォード(1991);または増刊を含む「Beilsteins Handbuch der organischen Chemie」、第4版、Springer−Verlag編、ドイツ国ベルリン(Beilsteinオンラインデータベースからも入手可能)に一般に記載されている方法によって調製される)。
【0038】
例示目的で、以下で示す反応スキームは、本発明の化合物を合成するための可能な経路となる。個々の反応ステップのより詳細な記述については、以下の実施例の項を参照されたい。当業者ならば、他の合成経路を使用して本発明の化合物を合成してもよいことはわかるであろう。
【0039】
従来の分離および精製の方法および技術を使用して、本発明の化合物ならびに薬学的に許容できるその様々な塩を単離することができる。そのような技術には、例えば、すべてのタイプのクロマトグラフィー(高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、シリカゲルなどの一般的な吸収剤を使用するカラムクロマトグラフィー、および薄層クロマトグラフィー)、再結晶、および示差(すなわち液体−液体)抽出技術が含まれる。
【0040】
本発明の化合物は、Rが上で規定したとおりである反応スキームIに従って調製することができる。反応スキームIでは、式IIの1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンを、式IIIの酸無水物と反応させて、式Iの亜属である式IVのN−(1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)アミドを得る。この反応は、場合によりトリエチルアミンなどの塩基の存在下、式IIの1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンと式IIIの酸無水物とを、N,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中で混ぜ合わせて実施する。この反応は、周囲温度で実施することができ、生成物または薬学的に許容できるその塩は、従来の方法を使用して単離することができる。式IIの1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンは知られており、既知の合成方法を使用して調製することができるが、U.S.6677349およびその中に引用されている文書を参照されたい。
【0041】
【化4】

【0042】
本発明の化合物は、Rが上で規定したとおりである反応スキームIIに従って調製することができる。反応スキームIIでは、式IIの1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンを式Vのクロロギ酸塩と反応させて、式Iの亜属である式VIの1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イルカルバマートを得る。この反応は、式IIの1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンをジクロロメタンなどの適切な溶媒に溶かした懸濁液または溶液に、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、式Vのクロロギ酸塩を制御された方法で加えることにより実施する。これは、例えば0℃などの周囲温度以下の温度で実施することができる。生成物または薬学的に許容できるその塩は、従来の方法を使用して単離することができる。
【0043】
【化5】

【0044】
本発明の化合物は、Rが上で規定したとおりである反応スキームIIIに従って調製することができる。反応スキームIIIでは、式IIの1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンを式VIIの酸塩化物と反応させて、式Iの亜属である式IVのN−(1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)アミドを得る。この反応は、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、式IIの1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミンと式VIIの酸塩化物とを、ジクロロメタンやN,N−ジメチルホルムアミドなどの適切な溶媒中で混ぜ合わせて実施する。この反応は、周囲温度で実施することができ、生成物または薬学的に許容できるその塩は、従来の方法を使用して単離することができる。
【0045】
【化6】

【0046】
医薬組成物および生物活性
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容できる担体と組み合わされた治療有効量の上述の化合物または塩を含む。
【0047】
用語「治療有効量」および「有効量」とは、サイトカイン誘発、免疫調節、抗腫瘍作用、および/または抗ウイルス活性などの、治療的または予防的な効果を引き出すのに十分な化合物または塩の量を意味する。本発明の医薬組成物中に使用する化合物または塩の正確な量は、化合物または塩の物理的化学的な性質、担体の性質、意図する投与計画などの、当業者に知られている要素によって様々となる。
【0048】
一部の実施形態では、本発明の組成物は、キログラムあたり約100ナノグラム(ng/kg)からキログラムあたり約50ミリグラム(mg/kg)、好ましくはキログラムあたり約10マイクログラム(μg/kg)から約5mg/kgの用量の化合物または塩を対象に提供するのに十分な活性成分またはプロドラッグを含有する。
【0049】
他の実施形態では、本発明の組成物は、例えば、対象の体重を用いて対象の体表面積(m)を算出するデュボア法、すなわちm=(体重kg0.425×身長cm0.725)×0.007184に従って算出される約0.01mg/m〜約5.0mg/mの用量を提供するのに十分な活性成分またはプロドラッグを含有するが、一部の実施形態では、この範囲外の用量で化合物もしくは塩または組成物を投与して、本方法を実施する場合もある。これらの実施形態の一部では、本方法は、約0.1mg/m〜約2.0mg/mの用量、例えば約0.4mg/m〜約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物の投与を含む。
【0050】
錠剤、トローチ剤、カプセル剤、非経口製剤、シロップ、クリーム、軟膏、エアロゾル製剤、経皮パッチ、経粘膜パッチなどの様々な剤形を使用することができる。これらの剤形は、一般に活性成分を担体と一緒にするステップを含む従来の方法を使用して、従来の薬学的に許容できる担体および添加剤と共に調製することができる。
【0051】
本発明の化合物または塩は、治療投与計画の中で単一の治療薬として投与してもよいし、本明細書に記載の化合物もしくは塩を、互いに、または追加の免疫応答調節剤、抗ウイルス剤、抗生物質、抗体、タンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチドなどを含む他の活性薬剤と組み合わせて投与してもよい。
【0052】
本発明の化合物または塩は、以下に記載の試験に従って実施した実験で、特定のサイトカインの産生を誘発することがわかった。これらの結果は、化合物または塩が、免疫応答をいくつかの異なる方法でモジュレートするのに有用であり、そのために様々な障害の治療に有用であることを示唆している。
【0053】
本発明の化合物または塩の投与によって産生が誘発され得るサイトカインには、一般に、インターフェロンα(IFN−α)および腫瘍壊死因子α(TNF−α)、ならびに特定のインターロイキン(IL)が含まれる。本発明の化合物または塩によって生合成誘発されるサイトカインには、IFN−α、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−10、およびIL−12、ならびに他の様々なサイトカインが含まれる。他の効果の中でも、これらおよび他のサイトカインは、ウイルス生成および腫瘍細胞増殖を抑制するので、本化合物または塩が、ウイルス性疾患および新生物疾患の治療に有用となり得る。したがって、本発明は、動物においてサイトカイン生合成を誘発する方法であって、有効量の本発明の化合物または塩を動物に投与することを含む方法を提供する。サイトカイン生合成を誘発するために化合物または塩を投与する動物は、以下に記載するような疾患、例えばウイルス性疾患または新生物疾患に罹患している場合もあり、化合物または塩の投与は、治療処置となり得る。あるいは、化合物または塩の投与が予防処置となり得るように、化合物または塩を、疾患に罹る前の動物に投与する場合もある。
【0054】
本明細書に記載の化合物または塩は、サイトカイン産生誘発能に加え、生得免疫応答の他の側面にも影響を及ぼし得る。例えば、ナチュラルキラー細胞活性が刺激されることもあるが、この効果は、サイトカイン誘発によるものであるといえる。本化合物または塩は、マクロファージを活性化することもでき、これが、一酸化窒素の分泌およびさらなるサイトカインの産生を刺激する。さらに、本化合物または塩は、Bリンパ球の増殖および分化を引き起こす場合もある。
【0055】
本明細書に記載の化合物または塩は、後天免疫応答にも影響を及ぼし得る。例えば、本化合物または塩を投与すると、Tヘルパー1型(T1)サイトカインであるIFN−γの産生を間接的に誘発することができ、またTヘルパー2型(T2)サイトカインであるIL−4、IL−5、およびIL−13の産生を抑制することができる。
【0056】
疾患の予防のためであろうと治療処置のためであろうと、また生得免疫または後天免疫のいずれをもたらすためであろうと、本化合物もしくは塩または組成物は、単独で投与しても、または例えばワクチンアジュバントでのように、1種または複数の活性のある構成成分と組み合わせて投与してもよい。他の構成成分と共に投与されるとき、本化合物もしくは塩または組成物と1種または複数の他の構成成分は、別々に;溶液にするなど一緒ではあるが独立した形で;または(a)共有結合的な連結や(b)例えばコロイド懸濁液中での非共有結合的な結び付きなどの一緒であり互いに結び付けられた形で投与することができる。
【0057】
本明細書で特定される化合物もしくは塩または組成物を治療として使用することができる状態には、その限りでないが、以下のものが含まれる。
(a)例えば、アデノウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、HSV−I、HSV−II、CMV、またはVZV)、ポックスウイルス(例えば、痘瘡やワクシニアなどのオルソポックスウイルス、または伝染性軟属腫)、ピコルナウイルス(例えば、ライノウイルスまたはエンテロウイルス)、オルソミクソウイルス(例えば、インフルエンザウイルス)、パラミキソウイルス(例えば、パラインフルエンザウイルス、おたふく風邪ウイルス、はしかウイルス、および呼吸器合胞体ウイルス(RSV))、コロナウイルス(例えば、SARS)、パポバウイルス(例えば、陰部疣贅、尋常性疣贅、または足底疣贅を引き起こすものなどのパピローマウイルス)、ヘパドナウイルス(例えばB型肝炎ウイルス)、フラビウイルス(例えばC型肝炎ウイルスまたはデングウイルス)、またはレトロウイルス(例えば、HIVなどのレンチウイルス)による感染の結果として生じる疾患などのウイルス性疾患、
(b)例えば、大腸菌属、エンテロバクター属、サルモネラ属、ブドウ球菌属、赤痢菌属、リステリア属、アエロバクター属、ヘリコバクター属、クレブシエラ属、プロテウス属、シュードモナス属、ストレプトコッカス属、クラミジア属、マイコプラズマ属、肺炎球菌属、ナイセリア属、クロストリジウム属、バシラス属、コリネバクテリウム属、マイコバクテリウム属、カンピロバクター属、ビブリオ属、セラチア属、プロビデンシア属、クロモバクテリウム属、ブルセラ属、エルシニア属、ヘモフィルス属、またはボルデテラ属の細菌による感染の結果として生じる疾患などの細菌性疾患、
(c)クラミジア;カンジダ症、アスペルギルス症、ヒストプラスマ症、クリプトコッカス髄膜炎を含むがこの限りでない真菌症、またはマラリア、ニューモシスチスカリニ肺炎、リーシュマニア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラスマ症、およびトリパノソーマ感染を含むがこの限りでない寄生虫病などの他の感染症、
(d)上皮内腫瘍、子宮頸部異形成、光線性角化症、基底細胞癌、扁平上皮癌、腎細胞癌、カポジ肉腫、黒色腫;急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、B細胞リンパ腫、およびヘアリーセル白血病を含むがこの限りでない白血病、ならびに他の癌などの新生物疾患、
(e)T2によって媒介される、アトピー性皮膚炎または湿疹、好酸球増加症、喘息、アレルギー、アレルギー性鼻炎、Ommen症候群などのアトピー性疾患、
(f)全身性エリテマトーデス、本態性血小板血症、多発性硬化症、円板状ループス、円形脱毛症などの特定の自己免疫疾患、ならびに
(g)例えば、ケロイド形成および他のタイプの瘢痕の抑制(例えば、慢性の創傷を含む創傷治癒を強化する)などの創傷修復に関連する疾患。
【0058】
さらに、本明細書で特定される化合物または塩は、例えば、BCG、コレラ、ペスト、腸チフス、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザA、インフルエンザB、パラインフルエンザ、ポリオ、狂犬病、はしか、おたふく風邪、風疹、黄熱病、テタヌス、ジフテリア、ヘモフィルスインフルエンザb、結核、髄膜炎菌および肺炎球菌ワクチン、アデノウイルス、HIV、水疱、サイトメガロウイルス、デング熱、ネコ白血病、家禽ペスト、HSV−1およびHSV−2、雄ブタコレラ、日本脳炎、呼吸器合胞体ウイルス、ロタウイルス、パピローマウイルス、黄熱病、ならびにアルツハイマー病に関連して使用するための、例えば、生のウイルス、細菌、または寄生中免疫原;不活化されたウイルス、腫瘍由来、原生動物、生物由来、真菌、または細菌免疫原;トキソイド;毒素;自己抗原;多糖類;タンパク質;糖タンパク質;ペプチド;細胞ワクチン;DNAワクチン;自家ワクチン;組換えタンパク質などの、体液性および/または細胞性の免疫応答を起こす任意の材料と共に使用するワクチンアジュバントとして有用となり得る。
【0059】
本明細書で特定される化合物または塩は、易感染性の免疫機能を有する個体において特に有益となり得る。例えば、化合物または塩は、例えば移植患者、癌患者、およびHIV患者で細胞免疫が抑制された後に起こる日和見感染および腫瘍の治療に使用することができる。
【0060】
したがって、上記疾患または疾患タイプ、例えばウイルス性疾患または新生物疾患の1種または複数を、その必要のある(疾患を有する)動物において、その動物に治療有効量の本発明の化合物または塩を投与することによって治療することができる。
【0061】
本明細書に記載の有効量の化合物または塩をワクチンアジュバントとして投与することによって、動物にワクチン接種することもできる。一実施形態では、本明細書に記載の有効量の化合物または塩をワクチンアジュバントとして動物に投与することを含む、動物へのワクチン接種方法が提供される。
【0062】
サイトカイン生合成を誘発するのに有効な量の化合物または塩は、単球、マクロファージ、樹状細胞、B細胞などの1種または複数の細胞タイプに、例えばIFN−α、TNF−α、IL−1、IL−6、IL−10、IL−12などの1種または複数のサイトカインをそのサイトカインのバックグラウンドレベルよりも増加した(それを上回って誘発された)量だけ産生させるのに十分な量である。正確な量は、当技術分野で知られている要素によって様々となるが、約100ng/kg〜約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg〜約5mg/kgの用量になると想定される。他の実施形態では、正確な量は、例えば、(上述のデュボア法に従って算出される)約0.01mg/m〜約5.0mg/mの用量になると想定されるが、一部の実施形態では、サイトカイン生合成の誘発または抑制を、この範囲外の用量で化合物または塩を投与して実施することもある。これらの実施形態の一部では、本方法は、約0.1mg/m〜約2.0mg/mの用量、例えば約0.4mg/m〜約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物もしくは塩または組成物の投与を含む。
【0063】
本発明は、動物に有効量の本発明の化合物または塩を投与することを含む、動物におけるウイルス感染の治療方法および動物における新生物疾患の治療方法も提供する。ウイルス感染を治療または抑制するのに有効な量は、ウイルス病変、ウイルス負荷、ウイルス産生速度、死亡などのウイルス感染の徴候の1種または複数を未処置の対照動物と比べて減少させる量である。そのような治療に有効な正確な量は、当技術分野で知られている要素によって様々となるが、約100ng/kg〜約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg〜約5mg/kgの用量になると想定される。新生物性状態の治療に有効な化合物または塩の量は、腫瘍サイズを縮小させ、または腫瘍病巣数を減少させる量である。ここでも、正確な量は、当技術分野で知られている要素によって様々となるが、約100ng/kg〜約50mg/kg、好ましくは約10μg/kg〜約5mg/kgの用量になると想定される。他の実施形態では、正確な量は、例えば、(上述のようなデュボア法に従って算出される)約0.01mg/m〜約5.0mg/mの用量になると想定されるが、一部の実施形態では、これらの方法のいずれかを、この範囲外の用量の化合物または塩を投与して実施する場合もある。これらの実施形態の一部では、本方法は、約0.1mg/m〜約2.0mg/mの用量、例えば約0.4mg/m〜約1.2mg/mの用量を対象に提供するのに十分な化合物または塩の投与を含む。
【0064】
したがって、上記疾患または疾患タイプ、例えばウイルス性疾患または新生物疾患の1種または複数は、その必要のある(その疾患を有する)動物において、治療有効量の式Iの化合物または塩、すなわち本明細書に記載の実施形態のいずれか、またはそれらの組合せをその動物に投与することによって治療できる。動物に有効量の式Iの化合物または塩、すなわち本明細書に記載の実施形態のいずれか、またはこれらの組合せをワクチンアジュバントとして投与することによって、動物にワクチン接種することもできる。一実施形態では、動物に本明細書に記載の有効量の化合物または塩をワクチンアジュバントとして投与することを含む、動物へのワクチン接種方法が提供される。
【0065】
本発明の方法は、適切などんな対象で実施することもできる。適切な対象には、その限りでないがヒト、非ヒト霊長類、げっ歯類、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、乳牛などの動物が含まれるがこの限りでない。
【0066】
本明細書で詳細に記載した製剤および用途に加え、本発明の化合物に適する他の製剤、用途、および投与装置は、例えば、国際公開第WO03/077944号および同第WO02/036592号、米国特許第6245776号、ならびに米国特許公開第2003/0139364号、2003/185835号、2004/0258698号、2004/0265351号、2004/076633号、および2005/0009858号に記載されている。
【0067】
本発明の目的および利点は、以下の実施例によってさらに例示するが、これらの実施例に列挙される特定の材料およびその量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を必要以上に限定しないと解釈すべきである。
【実施例】
【0068】
以下の実施例では、COMBIFLASHシステム(Teledyne Isco,Inc.、米国ネブラスカ州リンカンから入手可能な自動化された高性能フラッシュ精製製品)またはHORIZON HPFCシステム(Biotage,Inc、米国バージニア州シャーロッツヴィルから入手可能な自動化された高性能フラッシュ精製製品)を使用して、自動化されたフラッシュクロマトグラフィーを実施した。各精製に使用した溶離液は、実施例中に示す。一部のクロマトグラフィー分離では、80/18/2 v/v/vのクロロホルム/メタノール/濃水酸化アンモニウム(CMA)溶媒混合物を溶離液の極性成分として使用した。これらの分離では、示した比率でCMAをクロロホルムと混合した。
【0069】
(実施例1)
N−(2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)アセトアミド
【0070】
【化7】

トリエチルアミン(401μL、1.5eq)とN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(5mL)の混合物中のN−{2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(750mg、1eq)に、塩化アセチル(150μL、1.1当量(eq))を加え、得られる溶液を周囲温度で攪拌した。2時間後、無水酢酸(1mL)を加えた。反応混合物を周囲温度で1時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を、(シリカゲル、1%の水酸化アンモニウムを含有する0〜10%の勾配のジクロロメタン中メタノールを溶離液とする)自動化されたフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、278mgのN−(2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)アセトアミドを白色粉末として得た。融点75〜76℃。C2027S・0.40HOの解析的計算値:C,54.50;H,6.36;N,15.89。実測値:C,54.70;H,6.10;N,15.58。
【0071】
(実施例2)
N−(2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)ベンズアミド
【0072】
【化8】

トリエチルアミン(533μL、1.5eq)とDMF(5mL)の混合物中のN−{2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(1g、1eq)に、無水安息香酸(636mg、1.1eq)を加え、得られる溶液を周囲温度で攪拌した。4時間後、追加の無水安息香酸(約0.1eq)を加え、反応混合物を終夜攪拌した。反応混合物を水(約40mL)で希釈した。得られる懸濁液を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液でpH7に調整し、次いで酢酸エチルおよびジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を合わせて減圧下で濃縮した。残渣を、(シリカゲル、1%の水酸化アンモニウムを含有する0〜10%の勾配のジクロロメタン中メタノールを溶離液とする)自動化されたフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、894mgのN−(2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)ベンズアミドを白色粉末として得た。融点80〜83℃。C2529S・0.60CHOの解析的計算値:C,59.73;H,6.15;N,13.06。実測値:C,59.44;H,5.75;N,13.69。
【0073】
(実施例3)
N−(2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−2−メチルプロパンアミド
【0074】
【化9】

DMF(3mL)中のN−{2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(1.08g、1eq)に、無水イソ酪酸(459μL、1eq)を加え、得られる溶液を周囲温度で攪拌した。4時間後、追加の無水イソ酪酸(約0.5eq)を加え、反応混合物を終夜攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル(約25mL)で希釈し、15分間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を水(約30mL)で希釈し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで減圧下で濃縮して、油状物を得た。この油状物を、(シリカゲル、1%の水酸化アンモニウムを含有する0〜10%の勾配のジクロロメタン中メタノールを溶離液とする)自動化されたフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、0.77gの黄色の粉末を得た。この材料を60℃の真空下で終夜乾燥させて、N−(2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−2−メチルプロパンアミドを黄色の粉末として得た。融点67〜70℃。C2231S・0.60HOの解析的計算値:C,55.94;H,6.87;N,14.83。実測値:C,55.70;H,6.57;N,14.49。
【0075】
(実施例4)
N−(2−(エトキシメチル)−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミド
【0076】
【化10】

DMF(3mL)中のN−{2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(1.08g、1eq)に、無水トリメチル酢酸(564μL、1eq)を加え、得られる溶液を周囲温度で攪拌した。4時間後、追加の無水トリメチル酢酸(約0.5eq)を加え、反応混合物を終夜攪拌した。反応混合物をジエチルエーテル(約25mL)で希釈し、15分間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を水(約30mL)で希釈し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで減圧下で濃縮して、黄色の固体を得た。この固体を、(シリカゲル、1%の水酸化アンモニウムを含有する0〜10%の勾配のジクロロメタン中メタノールを溶離液とする)自動化されたフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、0.89gの黄色の粉末を得た。この材料を60℃の真空下で終夜乾燥させて、N−(2−(エトキシメチル)−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イル)−2,2−ジメチルプロパンアミドを黄色の粉末として得た。融点85〜89℃。C2333S・0.50HOの解析的計算値:C,57.00;H,7.07;N,14.45。実測値:C,57.34;H,6.89;N,14.24。
【0077】
(実施例5)
2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イルカルバミン酸エチル
【0078】
【化11】

N−{2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(1.5g、1eq)をジクロロメタン(150mL)に溶かした冷(氷/水浴)懸濁液に、トリエチルアミン(2.67mL、5eq)を加えた。クロロギ酸エチル(1.37g、3.3eq)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下して、透明な溶液を得た。反応混合物を攪拌しながら24時間かけて周囲温度にした。この反応混合物を、水(150mL)、4%の炭酸ナトリウム(150mL)、水(150mL)、およびブライン(150mL)で順次洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を、(シリカゲル、0〜20%の線形勾配のクロロホルム中CMA、1500mLを溶離液とする)自動化されたフラッシュクロマトグラフィーによって精製した後、ジエチルエーテルから再結晶化して、1.25gの2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イルカルバミン酸エチルを白色粉末として得た。融点163〜165℃。C2129Sの解析的計算値:C,54.41;H,6.31;N,15.11。実測値:C,54.52;H,6.43;N,14.91。
【0079】
(実施例6)
2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イルカルバミン酸プロピル
【0080】
【化12】

N−{2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(1.5g、1eq)をジクロロメタン(150mL)に懸濁させた冷(氷/水浴)懸濁液に、トリエチルアミン(2.67mL、5eq)を加えた。クロロギ酸プロピル(1.55g、3.3eq)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下して、透明な溶液を得た。反応混合物を攪拌しながら24時間かけて周囲温度にした。反応混合物を、水(150mL)、4%炭酸ナトリウム(150mL)、水(150mL)、およびブライン(150mL)で順次洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を自動化されたフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜20%の線形勾配のクロロホルム中CMA、1500mLを溶離液とする)によって精製した後、ジエチルエーテルから再結晶化して、1.23gの2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イルカルバミン酸プロピルを白色粉末として得た。融点177〜179℃。C2231Sの解析的計算値:C,55.33;H,6.54;N,14.66。実測値:C,55.41;H,6.47;N,14.45。
【0081】
(実施例7)
2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イルカルバミン酸ブチル
【0082】
【化13】

N−{2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]−1,1−ジメチルエチル}メタンスルホンアミド(1.5g、1eq)をジクロロメタン(150mL)に懸濁させた冷(氷/水浴)懸濁液に、トリエチルアミン(2.67mL、5eq)を加えた。クロロギ酸ブチル(1.73g、3.3eq)のジクロロメタン(5mL)溶液を滴下して、透明な溶液を得た。反応混合物を攪拌しながら24時間かけて周囲温度にした。反応混合物を、水(150mL)、4%炭酸ナトリウム(150mL)、水(150mL)、およびブライン(150mL)で順次洗浄した。有機層を減圧下で濃縮した。残渣を自動化されたフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、0〜20%の線形勾配のクロロホルム中CMA、1500mLを溶離液とする)によって精製した後、ジエチルエーテルから再結晶化して、1.23gの2−エトキシメチル−1−{2−メチル−2−[(メチルスルホニル)アミノ]プロピル}−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−イルカルバミン酸プロピルを白色粉末として得た。融点125〜127℃。C2333Sの解析的計算値:C,56.19;H,6.77;N,14.25。実測値:C,56.35;H,6.65;N,14.24。
【0083】
好例となる化合物
実施例で上述したものの一部を含む、ある種の好例となる化合物は、次式Iaであり、表の各行が式Iaと対応して本発明の特定の実施形態を表す以下の表に示されるYおよびR置換基を有する。
【0084】
【化14】

【0085】
【表1】

【0086】
本発明の化合物は、以下で述べる方法を使用して試験したとき、ヒト細胞中のインターフェロンαおよび/または腫瘍壊死因子αのレベルが増大したことによって示されるとおり、サイトカイン生合成のモジュレーションを引き起こすことがわかった。
【0087】
ヒト細胞におけるサイトカイン誘発
in vitroヒト血液細胞系を使用して、サイトカイン誘発を評価する。活性は、Testermanらの「Cytokine Induction by the Immunomodulators Imiquimod and S−27609」、Journal of Leukocyte Biology、第58巻、365〜372ページ(1995年9月)に記載されているように、培地中に分泌されたインターフェロン(α)および腫瘍壊死因子(α)(それぞれIFN−αおよびTNF−α)の測定に基づくものである。
【0088】
培養のための血液細胞調製
健常なヒトドナーからの全血を、静脈穿刺によって、EDTAを含むvacutainer試験管またはシリンジに収集する。HISTOPAQUE−1077(Sigma、米国ミズーリ州セントルイス)またはFicoll−Paque Plus(Amersham Biosciences、米国ニュージャージー州Piscataway)を使用する密度勾配遠心分離によって、全血から末梢血単核球(PBMC)を分離する。血液をダルベッコのリン酸緩衝溶液(DPBS)またはハンクス液(HBSS)で1:1希釈する。あるいは、全血を、密度勾配培地を含むAccuspin(Sigma)またはLeucoSep(Greiner Bio−One,Inc.、米国フロリダ州ロングウッド)遠心フリット管に入れる。PBMC層を収集し、DPBSまたはHBSSで2回洗浄し、RPMI完全培地に4×10細胞/mLで再懸濁する。PBMC懸濁液を、試験化合物を含有する等体積のRPMI完全培地を含む96ウェル平底無菌組織培養プレートに加える。
【0089】
化合物の調製
化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶化する。培養ウェルに加えるためのDMSO濃度は、最終濃度1%を上回るべきでない。化合物は一般に、30〜0.014μMの範囲の濃度で試験する。対照には、培地のみの細胞サンプル、DMSOのみ(化合物なし)の細胞サンプル、および基準化合物を加えた細胞サンプルが含まれる。
【0090】
インキュベート
試験化合物の溶液を,RPMI完全培地を含む最初のウェルに60μMで加え、そのウェルで3倍段階希釈を行う。次いで、等体積のPBMC懸濁液をウェルに加え、試験化合物濃度を所望の範囲(通常は30〜0.014μM)にする。PBMC懸濁液の最終濃度は、2×10細胞/mLである。プレートに無菌のプラスチック製のふたをかぶせ、穏やかに混合し、次いで5%の二酸化炭素雰囲気中にて37℃で18〜24時間インキュベートする。
【0091】
分離
インキュベートした後、プレートを4℃で10分間、1000rpm(約200×g)で遠心分離する。無細胞の培養上清を除去し、無菌のポリプロピレン管に移す。分析するまでサンプルを−30〜−70℃に保つ。サンプルのIFN−αをELISAによって、TNF−αをIGEN/BioVeris Assayによって分析する。
【0092】
インターフェロン(α)および腫瘍壊死因子(α)分析
IFN−α濃度は、PBL Biomedical Laboratories、米国ニュージャージー州Piscatawayのヒトマルチサブタイプ比色サンドイッチELISA(カタログ番号41105)を用いて決定する。結果はpg/mLで示す。
【0093】
TNF−α濃度は、以前はIGEN Internationalとして知られていたBioVeris Corporation、米国メリーランド州ゲイサーズバーグの、ORIGEN M−Series Immunoassayによって測定し、IGEN M−8分析計で読み取る。このイムノアッセイでは、Biosource International、米国カリフォルニア州カマリロのヒトTNF−α捕捉および検出抗体対(カタログ番号AHC3419およびAHC3712)を使用する。結果はpg/mLで示す。
【0094】
アッセイデータおよび分析
アッセイの出力データは、全体として、化合物濃度(x軸)の関数としてのTNF−αおよびIFN−αの濃度値(y軸)からなる。
【0095】
データの分析は2ステップである。最初に、DMSO平均値(DMSO対照ウェル)または実験バックグラウンド(通常、IFN−αでは20pg/mL、TNF−αでは40pg/mL)の大きい方を各読みから差し引く。バックグラウンドを差し引いた結果としてマイナスの値が生じれば、読みを「*」として報告し、確実に検出可能ではないと注をつける。後続の計算および統計では、「*」は0として扱う。次に、バックグラウンドを差し引いたすべての値に単一の調整比をかけて、実験間のばらつきを減少させる。調整比は、新たな実験での基準化合物の面積を、過去61件の実験(未調整の読み)に基づく期待基準化合物面積で割ったものである。これによって、用量反応曲線の形状を変えることなく、新たなデータの読み(y軸)が基準化される。使用する基準化合物は、2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エタノール水和物(米国特許第5352784号、実施例91)であり、期待面積は、過去61件の実験の用量中央値の和である。
【0096】
所与の実験および化合物について、バックグラウンドを差し引き、基準調整した結果に基づき最小有効濃度値を算出する。最小有効濃度値(μモル濃度)は、試験したサイトカインに対して一定のサイトカイン濃度を超えて応答を誘発する、試験した化合物濃度の最低濃度である(通常、IFN−αでは20pg/mL、TNF−αでは40pg/mL)。最大応答は、その用量反応で産生されるサイトカイン(pg/ml)の最大量である。
【0097】
ヒト細胞におけるサイトカイン誘発
高処理量スクリーニング
上述のヒト細胞におけるサイトカイン誘発の試験法を、高処理量スクリーニング向けに以下のように変更した。
【0098】
培養のための血液細胞調製
健常なヒトドナーからの全血を、静脈穿刺によって、EDTAを含むvacutainer試験管またはシリンジに収集する。HISTOPAQUE−1077(Sigma、米国ミズーリ州セントルイス)またはFicoll−Paque Plus(Amersham Biosciences Piscataway、米国ニュージャージー州)を使用する密度勾配遠心分離によって、全血から末梢血単核球(PBMC)を分離する。全血を、密度勾配培地を含むAccuspin(Sigma)またはLeucoSep(Greiner Bio−One,Inc.、米国フロリダ州ロングウッド)遠心フリット管に入れる。PBMC層を収集し、DPBSまたはHBSSで2回洗浄し、RPMI完全培地に4×10細胞/mLで再懸濁する(最終細胞密度の2倍)。PBMC懸濁液を96ウェル平底無菌組織培養プレートに加える。
【0099】
化合物の調製
化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に可溶化する。化合物は一般に、30〜0.014μMの範囲の濃度で試験する。各プレートにおいて、対照には、培地のみの細胞サンプル、DMSOのみ(化合物なし)の細胞サンプル、および基準化合物の2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エタノール水和物(米国特許第5352784号、実施例91)を加えた細胞サンプルが含まれる。試験化合物の溶液を、計量プレートの最初のウェルに7.5mMで加え、その後の7段階のDMSO中濃度については3倍段階希釈を行う。次いで、RPMI完全培地を試験化合物希釈物に加えて、最終化合物濃度を、最終試験濃度範囲の2倍(60〜0.028μM)にする。
【0100】
インキュベート
次いで、PBMC懸濁液を含む化合物溶液をウェルに加え、試験化合物濃度を所望の範囲(通常は30〜0.014μM)に、DMSO濃度を0.4%にする。PBMC懸濁液の最終濃度は、2×10細胞/mLである。プレートに無菌のプラスチック製のふたをかぶせた、穏やかに混合し、次いで5%の二酸化炭素雰囲気中にて37℃で18〜24時間インキュベートする。
【0101】
分離
インキュベートした後、プレートを4℃で10分間、1000rpm(約200g)で遠心分離する。4−plex Human Panel MSD MULTI−SPOT96ウェルプレートを、MesoScale Discovery,Inc.(MSD、米国メリーランド州ゲイサーズバーグ)による適切な捕捉抗体で予めコートする。無細胞の培養上清を除去し、MSDプレートに移す。分析まで−30〜−70℃で維持することもできるが、通常は新鮮なサンプルを試験する。
【0102】
インターフェロンαおよび腫瘍壊死因子α分析
MSD MULTI−SPOTプレートは、各ウェル内に、特定のスポット上に予めコートされているヒトTNF−αおよびヒトIFN−αの捕捉抗体を含んでいる。各ウェルは、4箇所のスポット、すなわち1箇所のヒトTNF−α捕捉抗体(MSD)スポット、1箇所のヒトIFN−α捕捉抗体(PBL Biomedical Laboratories、米国ニュージャージー州Piscataway)スポット、および2箇所の不活性なウシ血清アルブミンスポットを含む。ヒトTNF−α捕捉および検出抗体対は、MesoScale Discoveryからのものである。ヒトIFN−αマルチサブタイプ抗体(PBL Biomedical Laboratories)は、IFN−αF(IFNA21)を除くすべてのIFN−αサブタイプを捕捉する。標準物質は、組換え型ヒトTNF−α(R&D Systems、米国ミネソタ州ミネアポリス)およびIFN−α(PBL Biomedical Laboratories)からなる。サンプルおよび別個の標準物質を分析時に各MSDプレートに加える。2種のヒトIFN−α検出抗体(カタログ番号21112および21100、PBL)を互いに2対1の比(重量:重量)で使用して、IFN−α濃度を測定する。サイトカインに特異的な検出抗体をSULFO−TAG試薬(MSD)で標識する。SULFO−TAG標識された検出抗体をウェルに加えた後、MSDのSECTOR HTS READERを使用して各ウェルの電気化学発光レベルを読む。既知のサイトカイン標準物質を用いて算出した結果をpg/mLで示す。
【0103】
アッセイデータおよび分析
アッセイの出力データは、全体として、化合物濃度(x軸)の関数としてのTNF−αまたはIFN−α(y軸)の濃度値からなる。
【0104】
同じ実験内の関連するプレート間のばらつきを減少させる意図で、所与の実験内でプレート的な基準化を実施する。最初に、中央値DMSO(DMSO対照ウェル)または実験バックグラウンド(通常、IFN−αでは20pg/mL、TNF−αでは40pg/mL)の大きい方を各読みから差し引く。バックグラウンドを差し引いた結果として生じる場合のあるマイナスの値は、ゼロに設定する。所与の実験内の各プレートは、対照として役立つ基準化合物を含む。この対照を使用して、このアッセイのすべてのプレートの期待曲線下面積中央値を算出する。各プレートについて、プレート的換算係数を、特定のプレートの基準化合物面積対、実験全体の期待面積中央値の比として算出する。次いで、すべてのプレートについて、各プレートからのデータにプレート的換算係数をかける。(両方のサイトカインIFN−α、TNF−αについて)0.5と2.0の間の換算係数を有するプレートからのデータのみを報告する。換算係数が上述の間隔外であるプレートからのデータは、上述の間隔内の換算係数を示すまで再試験する。上記方法では、曲線の形状を変更することなくy値が基準化される。使用する基準化合物は、2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エタノール水和物(米国特許第5352784、実施例91)である。期待面積中央値は、所与の実験の一部であるすべてのプレートの面積中央値である。
【0105】
第2の基準化を実施して、(複数の実験での)実験間のばらつきを減少させることもできる。バックグラウンドを差し引いたすべての値に単一の調整比をかけて、実験間のばらつきを減少させる。調整比は、新たな実験の基準化合物面積を以前の実験(未調整の読み)の平均に基づくその基準化合物の期待面積で割ったものである。これによって、用量反応曲線の形状を変えることなく、新たなデータの読み(y軸)が基準化される。使用する基準化合物は、2−[4−アミノ−2−エトキシメチル−6,7,8,9−テトラヒドロ−α,α−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−イル]エタノール水和物(米国特許第5352784号、実施例91)であり、期待面積は、以前の実験の平均からの用量中央値の和である。
【0106】
所与の実験および化合物について、バックグラウンドを差し引き、基準調整した結果に基づき最小有効濃度値を算出する。最小有効濃度値(μモル濃度)は、試験したサイトカインに対して一定のサイトカイン濃度を超えて応答を誘発する、試験した化合物濃度の最低濃度である(通常、IFN−αでは20pg/mL、TNF−αでは40pg/mL)。最大応答は、その用量反応で産生されるサイトカイン(pg/ml)の最大量である。
【0107】
本明細書で引用した特許、特許文書、および出版物の完全な開示は、それぞれが個々に組み込まれるかのごとく、その全体が参照により援用される。本発明の範囲および真意から逸脱することのない、本発明に対する様々な改変および変更は、当業者に明白となろう。本発明は、本明細書に記載の例示的な実施形態および実施例によって過度に限定されるものでなく、そのような実施例および実施形態は、例として示すにすぎず、本発明の範囲は、このとおり本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ限定されるものであることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

[式中、
Yは、−C(O)−および−C(O)−O−からなる群から選択され、
Rは、アルキル、アリール、アリールアルキレニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキレニル、ヘテロシクリル、およびヘテロシクリルアルキレニルからなる群から選択され;アリールおよびアリールアルキレニルは、無置換であり、またはアルキル、アルコキシ、アリール、およびハロゲンからなる群から選択される1個または複数の置換基で置換されており;Yに結合しているヘテロシクリル中の原子は炭素原子である]または薬学的に許容できるその塩。
【請求項2】
Yが−C(O)−である、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項3】
Yが−C(O)−O−である、請求項1に記載の化合物または塩。
【請求項4】
Rがアルキル、アリール、またはアリールアルキレニルである、請求項1、2、または3に記載の化合物または塩。
【請求項5】
RがC1〜10アルキルである、請求項4に記載の化合物または塩。
【請求項6】
RがC1〜5アルキルである、請求項5に記載の化合物または塩。
【請求項7】
Rが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、およびtert−ブチルからなる群から選択される、請求項6に記載の化合物または塩。
【請求項8】
Rがアリールである、請求項4に記載の化合物または塩。
【請求項9】
Rがフェニルである、請求項8に記載の化合物または塩。
【請求項10】
Rがアリールアルキレニルである、請求項4に記載の化合物または塩。
【請求項11】
Rがベンジルである、請求項10に記載の化合物または塩。
【請求項12】
治療有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物または塩と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物。
【請求項13】
動物においてサイトカイン生合成を誘発する方法であって、有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩または請求項12に記載の医薬組成物を動物に投与することを含む方法。
【請求項14】
動物におけるウイルス性疾患の治療方法であって、治療有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩または請求項12の医薬組成物を動物に投与することを含む方法。
【請求項15】
動物における新生物疾患の治療方法であって、治療有効量の請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩または請求項12に記載の医薬組成物を動物に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2009−507856(P2009−507856A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530246(P2008−530246)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2006/035179
【国際公開番号】WO2007/030775
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(508147669)コーリー ファーマシューティカル グループ,インコーポレイテッド (24)
【Fターム(参考)】