NDフィルタ及び該NDフィルタを用いた光量絞り装置
【課題】 撮像光学系が大型化する要素とNDフィルタの反りの影響を減少しながら、絞り開放時のNDフィルタによる開口部の通過光量の減少を最小限に抑制する。
【解決手段】 絞り羽根22、23の一方に取り付けられたNDフィルタ26は、透過光量を調節するフィルタ部26aと、光透過率がフィルタ部26aよりも高く基板の光透過率とほぼ等しいフィルタ部26bとから成っている。フィルタ部26aはフィルタ部26bの一部に設けられ、フィルタ部26bの一端部から対向する他端部に向けて三角形状に形成されている。
絞り羽根22、23が作動し絞り開口29の開口径が、地板に設けた開口部30の内径より小さくなると、絞り開口29の径が実質的な絞り開口径となる。(c)に示すように絞り径が所定値よりも小さくなると、絞り開口29はフィルタ部26aにより覆われ、絞り径が小さくなることで発生する光の回折による画像劣化が防止される。
【解決手段】 絞り羽根22、23の一方に取り付けられたNDフィルタ26は、透過光量を調節するフィルタ部26aと、光透過率がフィルタ部26aよりも高く基板の光透過率とほぼ等しいフィルタ部26bとから成っている。フィルタ部26aはフィルタ部26bの一部に設けられ、フィルタ部26bの一端部から対向する他端部に向けて三角形状に形成されている。
絞り羽根22、23が作動し絞り開口29の開口径が、地板に設けた開口部30の内径より小さくなると、絞り開口29の径が実質的な絞り開口径となる。(c)に示すように絞り径が所定値よりも小さくなると、絞り開口29はフィルタ部26aにより覆われ、絞り径が小さくなることで発生する光の回折による画像劣化が防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオやデジタルスチルカメラ等の光学機器に使用されるNDフィルタ及び該NDフィルタを用いた光量絞り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラ、デジタルビデオ等の撮像光学系には、絞り羽根で形成される開口径を変化させて光量を調整する光量絞り装置が使用されている。
【0003】
図10はビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像光学系の構成図である。光軸に沿って、前方からレンズ1、光量絞り装置2、レンズ3、4、5、ローパスフィルタ6、固体撮像素子7が配列されている。光量絞り装置2は絞り羽根8、9及び絞り地板10から成り、絞り羽根8には光量調整用のNDフィルタ(Neutral Density)11が接着されている。
【0004】
図11は従来の光量絞り装置2の構成を示している。光量絞り装置2は2枚の絞り羽根8、9が反対向きに直線駆動されることによって絞り開口12の開口径を変更可能とするものである。この動作により、絞り開口12を通過する光量を調整することができる。
【0005】
絞り羽根8には、NDフィルタ11が一体的に接着固定されており、絞り開口12の一部がこのNDフィルタ11により覆われている。紙面と直交方向に絞り開口の中心Oを通る直線が光軸となる。開口部13は絞り地板10に設けられ、その内径は不変であるので、図11(a)に示すように絞り開口12の開口径が開口部13の内径よりも大きくなっても、実質的な絞り開口径としては開口部13の径が最大となる。また、図11(b)に示すように絞り開口12の開口径が開口部13の内径よりも小さい場合には、絞り開口12の径が実質的な絞り開口径となる。
【0006】
絞り開口径が小さくなると、絞り開口12を通過する光の回折現象が発生し易くなる。この小絞り側での回折による悪影響を除去するために、NDフィルタ11を絞り羽根8に取り付け、図11(c)に示すように絞り開口径の縮小と同時に光の透過率を低下させる。これにより、より広い輝度範囲内でも問題となる絞り開口径よりも小さい開口径に、実用的には殆ど至らないようにすることが行われている。
【0007】
NDフィルタ11の種類としては、全面均一濃度タイプの他に、特許文献1に開示される複数の濃度領域から成る多濃度NDフィルタや、特許文献2に開示されるグラデーションNDフィルタなどが知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−117718号公報
【特許文献2】特開2005−326687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した光量絞り装置2において、室内での撮影など撮影対象物が暗い場合には、絞りを開放にしても光量が不足気味となり、撮影した画像の画質が低下してしまう傾向にある。
【0010】
このため、絞り開放時にはNDフィルタ11を絞り開口部13から完全に退避させて、開口部13を通過する光量をより多くすることが好ましい。しかし、NDフィルタ11を絞り開口部13から完全に退避させるには、NDフィルタ11を取り付けた絞り羽根8の開閉ストロークを大きくする必要がある。
【0011】
図12(a)は絞り開放時にNDフィルタ11の一部が開口12内に残っている状態を示しているが、NDフィルタ11を絞り開口部13から完全に退避させようとすると、図12(b)のように距離XだけNDフィルタ11を図面右方向に後退させる必要がある。このためには、NDフィルタ11が接着された絞り羽根8を後退させることになるが、その場合に絞り羽根9は絞り羽根8と相対的に反対方向に移動する。その結果、絞り羽根8の移動距離の増加分Yのためのスペースが光量絞り装置2として必要になり、結果として絞り装置の大型化につながる。
【0012】
また、従来のNDフィルタ11には、図13に示すようにNDフィルタ11の開口12側の先端が円弧状にしている例もある。しかし、樹脂基材上に無機硬質膜を形成して作製したNDフィルタ11では、湿度や温度変化による反りが生じ易く、開口部13に突出した形状ではその影響を受け易く、対向する絞り羽根9と干渉する虞れがある。そのため、NDフィルタ11と対向する絞り羽根9との間に十分な間隔を設けるなどの対策が必要となり、その結果、絞り装置が厚くなったり、生産工程が複雑になったりするなどの弊害がある。
【0013】
本発明の目的は、撮像光学系が大型化する要素とNDフィルタの反りの影響を減少しながら、絞り開放時のNDフィルタによる開口部の通過光量の減少を最小限に抑制したNDフィルタ及び該NDフィルタを用いた光量絞り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係るNDフィルタは、透過する光量を減衰する第1の光減衰部と、該第1の光減衰部よりも透過する光量が多い第2の光減衰部を有するNDフィルタであって、前記第1の光減衰部は前記第2の光減衰部の一部に一端部から対向する他端部に向けて凸となる領域を形成したことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るNDフィルタを用いた光量絞り装置は、光を通過させる開口部と、該開口部を通過する光量を調節する絞り羽根と、該絞り羽根が形成する絞り開口を通過する光を減衰するNDフィルタを用いた光量絞り装置であって、前記NDフィルタは透過する光量を減衰する第1の光減衰部と、該第1の光減衰部よりも透過する光量が多い第2の光減衰部を有し、前記第1の光減衰部は、前記第2の光減衰部の一部に一端部から対向する他端部に向かって凸となる領域を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るNDフィルタ及び該NDフィルタを用いた光量絞り装置によれば、NDフィルタの濃度と最小絞り径の大きさを変更することなく、大型化とNDフィルタの反りを抑えながら、絞り開放時の撮影光量を増加し、画質を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を図1〜図9に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本実施例1によるNDフィルタを用いた光量絞り装置の構成図である。図1(a)において、光量絞り装置20は絞り羽根22、23と、回転軸24を中心に回動し、絞り羽根22、23を駆動する駆動アーム25とにより構成され、絞り羽根22にはNDフィルタ26が接着剤27により固定されている。
【0019】
NDフィルタ26は図1(a)のように透過光量を調節する第1の光減衰部であるフィルタ部26aと、光透過率が第1の光減衰部よりも高く基板の光透過率とほぼ等しい第2の光減衰部のフィルタ部26bとから成っている。フィルタ部26aはフィルタ部26bの一部に設けられ、フィルタ部26bの一端部から対向する他端部に向けて三角形状に形成されている。NDフィルタ26に用いられる基板の光透過率は通常では80%以上であり、フィルタ部26bの光透過率は80%程度である。
【0020】
絞り開口中心Oを通り、NDフィルタ26の動作方向に延長した線をNDフィルタ26の中心線Cとすると、フィルタ部26aのフィルタ部26bに対する境界線は、三角形の2つの斜辺部とされ、中心線Cの近傍が三角形の頂点となっている。
【0021】
絞り羽根22、23には直線状のガイド孔22a、22b、23a、23bが設けられている。これらのガイド孔22a、22b、23a、23bは絞り地板に形成されているガイドピンに案内され、絞り羽根22、23は相互に中心線Cと平行に直線的に移動するようになっている。
【0022】
駆動アーム25は図示しない駆動モータから回転軸24に伝達された回転運動により回動する。また、絞り羽根22、23には長孔22c、23c、駆動アーム25には駆動ピン28a、28bが設けられており、駆動ピン28aが長孔22cに、駆動ピン28bが長孔23cにそれぞれ嵌合している。
【0023】
駆動アーム25が図1(b)に示すように回転運動をすることで、駆動ピン28a、28bが絞り羽根22、23を互いに反対向きに移動させ、絞り羽根22、23で形成される絞り開口29の開口径の大きさが変化する。
【0024】
この動作により、絞り開口29を通過する光量を調整することができ、紙面と直交方向に絞り開口の中心Oを通る直線が光軸となる。絞り地板に設けられた円形の開口部30の内径は不変であるので、絞り開口29の開口径が開口部30の内径よりも大きくなっても、実質的な絞り開口径としては開口部30の径が最大となる。
【0025】
また、絞り開口29の開口径が開口部30の内径より小さい場合には、絞り開口29の径が実質的な絞り開口径となる。そして、図1(c)に示すように絞り径が所定値よりも小さくなると、絞り開口29はNDフィルタ26のフィルタ部26aにより覆われ、絞り径が小さくなることで発生する光の回折による画像劣化が防止される。
【0026】
図2(a)はNDフィルタ26を用いた光量絞り装置20、図2(b)は従来のNDフィルタ11を用いた絞り装置を示している。光量絞り装置20を小型化するために、絞り羽根22、23の作動ストロークを減少すると、絞り羽根22、23が開口部30を全開させても、図2(b)に示す従来形の矩形状のNDフィルタ11の一部が開口部30内に露出する。斜線部は絞り開放状態で、開口部30を覆うNDフィルタ11のフィルタ部を表している。
【0027】
本実施例のような図2(a)に示す形状とすることで、従来形のNDフィルタ11と比べて、NDフィルタ26のフィルタ部26aが絞り開放状態で開口部30を覆う面積が小さくなっていることが分かる。一方、NDフィルタ26において、図2(c)に示すように絞り径を従来形と同じ最小絞り径に絞り込んだ場合でも、絞り開口部30の全域をフィルタ部26aで覆うことができる。
【0028】
ここで、絞り開口29の形状は、図2(c)に示すように絞り羽根22、23の開口29の内縁部22d、22e、23d、23eにより決まる。従って、NDフィルタ26のフィルタ部26aは開放方向側は絞り羽根22の内縁部22d、22eよりも開放方向側に、またフィルタ部26aの絞り方向側は絞り羽根23の内縁部23d、23eで形成される内縁部形状に近い形状とすることが望ましい。更に、最小絞り開口径を完全に覆うことができる形状に形成することが更に好ましい。
【0029】
ただし、絞り方向側フィルタ部形状と内縁部形状は完全に同形状でなくともよく、図3(a)、(b)に示すようにNDフィルタ26のフィルタ部26aにおいて、開口中心線Cの近傍が、その外側よりも絞り方向側に円弧状の凸形状になっている。或いは、図3(c)に示すように絞り方向側に凸形状の矩形状としても本発明の効果が得られる。
【0030】
また、フィルタ部26aは光透過率が高く面積の広いフィルタ部26bにより、絞り羽根22の内縁部22d、22eに広く支えられて固定されている。このため、絞り開口部30側にフィルタ部26aが単独で凸形状に露出するよりも、湿度や温度変化による反りの影響を減少することができる。そのため、光量絞り装置20及びその周辺の部材との干渉を減らすことができ、結果として装置の小型化、薄型化が達成できる。
【0031】
NDフィルタ26の材料としては、図4に示すように透明基板31上にND膜32を形成したものが一般的に使われている。NDフィルタ26に用いられる透明基板31として、材質は特に限定されないが、透明性及び機械的強度を有するものが好ましく、フィルム状のPET(ポリエチレンテレフタレート)が主に用いられる。その他にも、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、アクリル系樹脂等が用いられる。また、透明基板31の厚さとしては、NDフィルタ26としての剛性を保ちながら、小型軽量化という観点から可能な限り薄いことが望ましい。具体的には、厚さは300μm以下とすることが好ましく、より好ましくは50〜100μmである。
【0032】
透明基板31の上に形成されるND膜32としては真空蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、インクジェット、印刷など任意の成膜手段により光量透過率を調整するための光吸収層や反射防止層を形成する。図4は真空蒸着でND膜を形成したNDフィルタ26の構成の一例を示した概略構成図である。第1層〜第8層目までは酸化アルミニウム(Al2O3)と酸化チタン(TiOx)の交互層、最表層はフッ化マグネシウム(MgF2)から成る反射防止層で構成されているが、層数や材質は特に限定されるものではない。
【0033】
図5はNDフィルタを製造する真空蒸着装置の概略図である。蒸着チャンバ41内には回転ドーム42が備えられ、この回転ドーム42にNDフィルタ26の基板31が保持された蒸着治具43がセットされる。成膜中に、回転ドーム42は基板温度と蒸着膜の膜厚を均一化するために回転軸44を中心に回転している。また、蒸着源45aには酸化アルミニウム、蒸着源45bには酸化チタン、蒸着源45cにはフッ化マグネシウムのように、ND膜32を構成する各層の材料が準備されている。
【0034】
蒸着工程が始まると、蒸着チャンバ41内は真空状態に保持され、蒸着治具43は所定の温度に加熱される。そして、圧力と温度が所定の値に達するとND膜32の第1層目として蒸着源45aを加熱し、蒸着材料を蒸発させて蒸着治具43にセットされた基板31上に、蒸着膜を所定の厚みに形成する。以後、必要に応じて蒸着源45を切換えて多層膜を形成していく。
【0035】
透明基板31は図6(a)に示すように蒸着治具43にセットされ、基板31の上には図6(b)に示すようにNDフィルタ26のフィルタ部26aの形状に開口部が形成された蒸着マスク46が保持される。この状態で、前述した蒸着工程を経ることによって、透明基板31上には図6(c)に示すようにND膜32がフィルタ部26aの形状に形成される。以上の手順でND膜の形成が終了すると、図6(d)に示すように、NDフィルタ形状に切断してNDフィルタ26を得ることができる。
【実施例2】
【0036】
図7は実施例2のNDフィルタ及び光量絞り装置を示している。本実施例2のNDフィルタ26は、第1の光減衰部である高濃度部のフィルタ部26aと第2の光減衰部である低濃度部のフィルタ部26cの2種類の濃度領域を有している。
【0037】
NDフィルタ26は濃度が濃い方が、より透過光を減衰させることができるため、その分だけ絞り最小絞り開口径を大きくでき、小絞りによる回折の影響を少なくできる。しかし、一方では開口29内にフィルタ部26a、26cがある部分とない部分とが存在する場合に、その濃度差からシェーディングと呼ばれる光量むらが発生する虞れがある。
【0038】
そこで本実施例2においては、NDフィルタ26に小絞り状態で使用するフィルタ部26aとそれよりも濃度の薄いフィルタ部26cを設け、急激な濃度差をなくしている。そして、フィルタ部26aは実施例1と同様に、NDフィルタ26の中心線Cの近傍がその外側よりも絞り方向側に凸形状になっている。本実施例2のNDフィルタ26は、実施例1と同様に、フィルタ部26aの部分にND膜32を形成し、続いて基板31を裏返して裏面全面に別のND膜32を形成することで得られる。
【0039】
本実施例2においても、フィルタ部26aはより光透過率が高く面積の広いフィルタ部26cの一部に形成されており、フィルタ部26cは絞り羽根22の内縁部22d、22eに広く支えられて固定されている。このため、実施例1と同様に反りの影響を減少することができる。
【実施例3】
【0040】
図8は実施例3のNDフィルタ及び光量絞り装置を示している。本実施例3のNDフィルタ26は、第1の光減衰部である高濃度部であるフィルタ部26aと、第2の光減衰部である複数の光透過率を持ち、濃度が段階的に変化する濃度変化を有するフィルタ部26dとから成る。このため、更に濃度差による光量むらの防止効果が高くなり、フィルタ部26aの濃度をより濃くできる。その結果として、最小絞り径を大きくすることができ、小絞りによる光の回折の影響を少なくすることができる。
【0041】
本実施例3におけるNDフィルタ26は、フィルタ部26aは実施例1と同様にNDフィルタ26の中心線Cの近傍がその外側よりも絞り方向側に凸形状になっている。フィルタ部26aから段階的に濃度が変わるフィルタ部26dにおいても、フィルタ部26aの凸形状に倣うように濃度分布を持っている。
【0042】
また、実施例3の変形例として、フィルタ部26dの濃度を連続的に変化させたグラデーション濃度変化部とすることができる。かくすることで、更に濃度差による光量むらを防止する効果が高くなり、高品位な画像を得ることができる。
【0043】
本実施例3においても、フィルタ部26dが絞り羽根22の内縁部22d、22eに広く支えられて固定されており、このため先の実施例と同様に反りの影響を減らすことができる。
【0044】
このような連続的に濃度が変化するフィルタ部26dを有するNDフィルタ26は、図9(a)に示すように蒸着治具43上の透明基板31からフレーム47により間隔を空けて、図9(b)に示す蒸着マスク46をセットして成膜することで得られる。基板31上には、図9(c)に示すようにフィルタ部26aとフィルタ部26dが形成され、これを図9(d)に示すように切断するとNDフィルタ26が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1のNDフィルタを取り付けた光量絞り装置の構成図である。
【図2】光量絞り装置と従来の光量絞り装置を比較した構成図である。
【図3】実施例1の光量絞り装置の形状例の構成図である。
【図4】NDフィルタの構成模式図である。
【図5】真空蒸着装置の構成図である。
【図6】NDフィルタの作製方法を説明図である。
【図7】実施例2の光量絞り装置の構成図である。
【図8】実施例3の光量絞り装置の構成図である。
【図9】実施例3のNDフィルタの作製方法を説明図である。
【図10】NDフィルタ及び光量絞り装置を使用する撮像光学系の概略図である。
【図11】従来の光量絞り装置の構成図である。
【図12】従来のNDフィルタの光減衰部を開口部から完全に退避させた状態の光量絞り装置の構成図である。
【図13】従来の他の形状のNDフィルタを取り付けた光量絞り装置の構成図である。
【符号の説明】
【0046】
22、23 絞り羽根
26 NDフィルタ
26a〜26d フィルタ部
29 開口
30 開口部
31 透明基板
32 ND膜
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオやデジタルスチルカメラ等の光学機器に使用されるNDフィルタ及び該NDフィルタを用いた光量絞り装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルスチルカメラ、デジタルビデオ等の撮像光学系には、絞り羽根で形成される開口径を変化させて光量を調整する光量絞り装置が使用されている。
【0003】
図10はビデオカメラやデジタルスチルカメラなどの撮像光学系の構成図である。光軸に沿って、前方からレンズ1、光量絞り装置2、レンズ3、4、5、ローパスフィルタ6、固体撮像素子7が配列されている。光量絞り装置2は絞り羽根8、9及び絞り地板10から成り、絞り羽根8には光量調整用のNDフィルタ(Neutral Density)11が接着されている。
【0004】
図11は従来の光量絞り装置2の構成を示している。光量絞り装置2は2枚の絞り羽根8、9が反対向きに直線駆動されることによって絞り開口12の開口径を変更可能とするものである。この動作により、絞り開口12を通過する光量を調整することができる。
【0005】
絞り羽根8には、NDフィルタ11が一体的に接着固定されており、絞り開口12の一部がこのNDフィルタ11により覆われている。紙面と直交方向に絞り開口の中心Oを通る直線が光軸となる。開口部13は絞り地板10に設けられ、その内径は不変であるので、図11(a)に示すように絞り開口12の開口径が開口部13の内径よりも大きくなっても、実質的な絞り開口径としては開口部13の径が最大となる。また、図11(b)に示すように絞り開口12の開口径が開口部13の内径よりも小さい場合には、絞り開口12の径が実質的な絞り開口径となる。
【0006】
絞り開口径が小さくなると、絞り開口12を通過する光の回折現象が発生し易くなる。この小絞り側での回折による悪影響を除去するために、NDフィルタ11を絞り羽根8に取り付け、図11(c)に示すように絞り開口径の縮小と同時に光の透過率を低下させる。これにより、より広い輝度範囲内でも問題となる絞り開口径よりも小さい開口径に、実用的には殆ど至らないようにすることが行われている。
【0007】
NDフィルタ11の種類としては、全面均一濃度タイプの他に、特許文献1に開示される複数の濃度領域から成る多濃度NDフィルタや、特許文献2に開示されるグラデーションNDフィルタなどが知られている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−117718号公報
【特許文献2】特開2005−326687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述した光量絞り装置2において、室内での撮影など撮影対象物が暗い場合には、絞りを開放にしても光量が不足気味となり、撮影した画像の画質が低下してしまう傾向にある。
【0010】
このため、絞り開放時にはNDフィルタ11を絞り開口部13から完全に退避させて、開口部13を通過する光量をより多くすることが好ましい。しかし、NDフィルタ11を絞り開口部13から完全に退避させるには、NDフィルタ11を取り付けた絞り羽根8の開閉ストロークを大きくする必要がある。
【0011】
図12(a)は絞り開放時にNDフィルタ11の一部が開口12内に残っている状態を示しているが、NDフィルタ11を絞り開口部13から完全に退避させようとすると、図12(b)のように距離XだけNDフィルタ11を図面右方向に後退させる必要がある。このためには、NDフィルタ11が接着された絞り羽根8を後退させることになるが、その場合に絞り羽根9は絞り羽根8と相対的に反対方向に移動する。その結果、絞り羽根8の移動距離の増加分Yのためのスペースが光量絞り装置2として必要になり、結果として絞り装置の大型化につながる。
【0012】
また、従来のNDフィルタ11には、図13に示すようにNDフィルタ11の開口12側の先端が円弧状にしている例もある。しかし、樹脂基材上に無機硬質膜を形成して作製したNDフィルタ11では、湿度や温度変化による反りが生じ易く、開口部13に突出した形状ではその影響を受け易く、対向する絞り羽根9と干渉する虞れがある。そのため、NDフィルタ11と対向する絞り羽根9との間に十分な間隔を設けるなどの対策が必要となり、その結果、絞り装置が厚くなったり、生産工程が複雑になったりするなどの弊害がある。
【0013】
本発明の目的は、撮像光学系が大型化する要素とNDフィルタの反りの影響を減少しながら、絞り開放時のNDフィルタによる開口部の通過光量の減少を最小限に抑制したNDフィルタ及び該NDフィルタを用いた光量絞り装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための本発明に係るNDフィルタは、透過する光量を減衰する第1の光減衰部と、該第1の光減衰部よりも透過する光量が多い第2の光減衰部を有するNDフィルタであって、前記第1の光減衰部は前記第2の光減衰部の一部に一端部から対向する他端部に向けて凸となる領域を形成したことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係るNDフィルタを用いた光量絞り装置は、光を通過させる開口部と、該開口部を通過する光量を調節する絞り羽根と、該絞り羽根が形成する絞り開口を通過する光を減衰するNDフィルタを用いた光量絞り装置であって、前記NDフィルタは透過する光量を減衰する第1の光減衰部と、該第1の光減衰部よりも透過する光量が多い第2の光減衰部を有し、前記第1の光減衰部は、前記第2の光減衰部の一部に一端部から対向する他端部に向かって凸となる領域を形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るNDフィルタ及び該NDフィルタを用いた光量絞り装置によれば、NDフィルタの濃度と最小絞り径の大きさを変更することなく、大型化とNDフィルタの反りを抑えながら、絞り開放時の撮影光量を増加し、画質を改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を図1〜図9に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本実施例1によるNDフィルタを用いた光量絞り装置の構成図である。図1(a)において、光量絞り装置20は絞り羽根22、23と、回転軸24を中心に回動し、絞り羽根22、23を駆動する駆動アーム25とにより構成され、絞り羽根22にはNDフィルタ26が接着剤27により固定されている。
【0019】
NDフィルタ26は図1(a)のように透過光量を調節する第1の光減衰部であるフィルタ部26aと、光透過率が第1の光減衰部よりも高く基板の光透過率とほぼ等しい第2の光減衰部のフィルタ部26bとから成っている。フィルタ部26aはフィルタ部26bの一部に設けられ、フィルタ部26bの一端部から対向する他端部に向けて三角形状に形成されている。NDフィルタ26に用いられる基板の光透過率は通常では80%以上であり、フィルタ部26bの光透過率は80%程度である。
【0020】
絞り開口中心Oを通り、NDフィルタ26の動作方向に延長した線をNDフィルタ26の中心線Cとすると、フィルタ部26aのフィルタ部26bに対する境界線は、三角形の2つの斜辺部とされ、中心線Cの近傍が三角形の頂点となっている。
【0021】
絞り羽根22、23には直線状のガイド孔22a、22b、23a、23bが設けられている。これらのガイド孔22a、22b、23a、23bは絞り地板に形成されているガイドピンに案内され、絞り羽根22、23は相互に中心線Cと平行に直線的に移動するようになっている。
【0022】
駆動アーム25は図示しない駆動モータから回転軸24に伝達された回転運動により回動する。また、絞り羽根22、23には長孔22c、23c、駆動アーム25には駆動ピン28a、28bが設けられており、駆動ピン28aが長孔22cに、駆動ピン28bが長孔23cにそれぞれ嵌合している。
【0023】
駆動アーム25が図1(b)に示すように回転運動をすることで、駆動ピン28a、28bが絞り羽根22、23を互いに反対向きに移動させ、絞り羽根22、23で形成される絞り開口29の開口径の大きさが変化する。
【0024】
この動作により、絞り開口29を通過する光量を調整することができ、紙面と直交方向に絞り開口の中心Oを通る直線が光軸となる。絞り地板に設けられた円形の開口部30の内径は不変であるので、絞り開口29の開口径が開口部30の内径よりも大きくなっても、実質的な絞り開口径としては開口部30の径が最大となる。
【0025】
また、絞り開口29の開口径が開口部30の内径より小さい場合には、絞り開口29の径が実質的な絞り開口径となる。そして、図1(c)に示すように絞り径が所定値よりも小さくなると、絞り開口29はNDフィルタ26のフィルタ部26aにより覆われ、絞り径が小さくなることで発生する光の回折による画像劣化が防止される。
【0026】
図2(a)はNDフィルタ26を用いた光量絞り装置20、図2(b)は従来のNDフィルタ11を用いた絞り装置を示している。光量絞り装置20を小型化するために、絞り羽根22、23の作動ストロークを減少すると、絞り羽根22、23が開口部30を全開させても、図2(b)に示す従来形の矩形状のNDフィルタ11の一部が開口部30内に露出する。斜線部は絞り開放状態で、開口部30を覆うNDフィルタ11のフィルタ部を表している。
【0027】
本実施例のような図2(a)に示す形状とすることで、従来形のNDフィルタ11と比べて、NDフィルタ26のフィルタ部26aが絞り開放状態で開口部30を覆う面積が小さくなっていることが分かる。一方、NDフィルタ26において、図2(c)に示すように絞り径を従来形と同じ最小絞り径に絞り込んだ場合でも、絞り開口部30の全域をフィルタ部26aで覆うことができる。
【0028】
ここで、絞り開口29の形状は、図2(c)に示すように絞り羽根22、23の開口29の内縁部22d、22e、23d、23eにより決まる。従って、NDフィルタ26のフィルタ部26aは開放方向側は絞り羽根22の内縁部22d、22eよりも開放方向側に、またフィルタ部26aの絞り方向側は絞り羽根23の内縁部23d、23eで形成される内縁部形状に近い形状とすることが望ましい。更に、最小絞り開口径を完全に覆うことができる形状に形成することが更に好ましい。
【0029】
ただし、絞り方向側フィルタ部形状と内縁部形状は完全に同形状でなくともよく、図3(a)、(b)に示すようにNDフィルタ26のフィルタ部26aにおいて、開口中心線Cの近傍が、その外側よりも絞り方向側に円弧状の凸形状になっている。或いは、図3(c)に示すように絞り方向側に凸形状の矩形状としても本発明の効果が得られる。
【0030】
また、フィルタ部26aは光透過率が高く面積の広いフィルタ部26bにより、絞り羽根22の内縁部22d、22eに広く支えられて固定されている。このため、絞り開口部30側にフィルタ部26aが単独で凸形状に露出するよりも、湿度や温度変化による反りの影響を減少することができる。そのため、光量絞り装置20及びその周辺の部材との干渉を減らすことができ、結果として装置の小型化、薄型化が達成できる。
【0031】
NDフィルタ26の材料としては、図4に示すように透明基板31上にND膜32を形成したものが一般的に使われている。NDフィルタ26に用いられる透明基板31として、材質は特に限定されないが、透明性及び機械的強度を有するものが好ましく、フィルム状のPET(ポリエチレンテレフタレート)が主に用いられる。その他にも、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、アクリル系樹脂等が用いられる。また、透明基板31の厚さとしては、NDフィルタ26としての剛性を保ちながら、小型軽量化という観点から可能な限り薄いことが望ましい。具体的には、厚さは300μm以下とすることが好ましく、より好ましくは50〜100μmである。
【0032】
透明基板31の上に形成されるND膜32としては真空蒸着、スパッタ、イオンプレーティング、インクジェット、印刷など任意の成膜手段により光量透過率を調整するための光吸収層や反射防止層を形成する。図4は真空蒸着でND膜を形成したNDフィルタ26の構成の一例を示した概略構成図である。第1層〜第8層目までは酸化アルミニウム(Al2O3)と酸化チタン(TiOx)の交互層、最表層はフッ化マグネシウム(MgF2)から成る反射防止層で構成されているが、層数や材質は特に限定されるものではない。
【0033】
図5はNDフィルタを製造する真空蒸着装置の概略図である。蒸着チャンバ41内には回転ドーム42が備えられ、この回転ドーム42にNDフィルタ26の基板31が保持された蒸着治具43がセットされる。成膜中に、回転ドーム42は基板温度と蒸着膜の膜厚を均一化するために回転軸44を中心に回転している。また、蒸着源45aには酸化アルミニウム、蒸着源45bには酸化チタン、蒸着源45cにはフッ化マグネシウムのように、ND膜32を構成する各層の材料が準備されている。
【0034】
蒸着工程が始まると、蒸着チャンバ41内は真空状態に保持され、蒸着治具43は所定の温度に加熱される。そして、圧力と温度が所定の値に達するとND膜32の第1層目として蒸着源45aを加熱し、蒸着材料を蒸発させて蒸着治具43にセットされた基板31上に、蒸着膜を所定の厚みに形成する。以後、必要に応じて蒸着源45を切換えて多層膜を形成していく。
【0035】
透明基板31は図6(a)に示すように蒸着治具43にセットされ、基板31の上には図6(b)に示すようにNDフィルタ26のフィルタ部26aの形状に開口部が形成された蒸着マスク46が保持される。この状態で、前述した蒸着工程を経ることによって、透明基板31上には図6(c)に示すようにND膜32がフィルタ部26aの形状に形成される。以上の手順でND膜の形成が終了すると、図6(d)に示すように、NDフィルタ形状に切断してNDフィルタ26を得ることができる。
【実施例2】
【0036】
図7は実施例2のNDフィルタ及び光量絞り装置を示している。本実施例2のNDフィルタ26は、第1の光減衰部である高濃度部のフィルタ部26aと第2の光減衰部である低濃度部のフィルタ部26cの2種類の濃度領域を有している。
【0037】
NDフィルタ26は濃度が濃い方が、より透過光を減衰させることができるため、その分だけ絞り最小絞り開口径を大きくでき、小絞りによる回折の影響を少なくできる。しかし、一方では開口29内にフィルタ部26a、26cがある部分とない部分とが存在する場合に、その濃度差からシェーディングと呼ばれる光量むらが発生する虞れがある。
【0038】
そこで本実施例2においては、NDフィルタ26に小絞り状態で使用するフィルタ部26aとそれよりも濃度の薄いフィルタ部26cを設け、急激な濃度差をなくしている。そして、フィルタ部26aは実施例1と同様に、NDフィルタ26の中心線Cの近傍がその外側よりも絞り方向側に凸形状になっている。本実施例2のNDフィルタ26は、実施例1と同様に、フィルタ部26aの部分にND膜32を形成し、続いて基板31を裏返して裏面全面に別のND膜32を形成することで得られる。
【0039】
本実施例2においても、フィルタ部26aはより光透過率が高く面積の広いフィルタ部26cの一部に形成されており、フィルタ部26cは絞り羽根22の内縁部22d、22eに広く支えられて固定されている。このため、実施例1と同様に反りの影響を減少することができる。
【実施例3】
【0040】
図8は実施例3のNDフィルタ及び光量絞り装置を示している。本実施例3のNDフィルタ26は、第1の光減衰部である高濃度部であるフィルタ部26aと、第2の光減衰部である複数の光透過率を持ち、濃度が段階的に変化する濃度変化を有するフィルタ部26dとから成る。このため、更に濃度差による光量むらの防止効果が高くなり、フィルタ部26aの濃度をより濃くできる。その結果として、最小絞り径を大きくすることができ、小絞りによる光の回折の影響を少なくすることができる。
【0041】
本実施例3におけるNDフィルタ26は、フィルタ部26aは実施例1と同様にNDフィルタ26の中心線Cの近傍がその外側よりも絞り方向側に凸形状になっている。フィルタ部26aから段階的に濃度が変わるフィルタ部26dにおいても、フィルタ部26aの凸形状に倣うように濃度分布を持っている。
【0042】
また、実施例3の変形例として、フィルタ部26dの濃度を連続的に変化させたグラデーション濃度変化部とすることができる。かくすることで、更に濃度差による光量むらを防止する効果が高くなり、高品位な画像を得ることができる。
【0043】
本実施例3においても、フィルタ部26dが絞り羽根22の内縁部22d、22eに広く支えられて固定されており、このため先の実施例と同様に反りの影響を減らすことができる。
【0044】
このような連続的に濃度が変化するフィルタ部26dを有するNDフィルタ26は、図9(a)に示すように蒸着治具43上の透明基板31からフレーム47により間隔を空けて、図9(b)に示す蒸着マスク46をセットして成膜することで得られる。基板31上には、図9(c)に示すようにフィルタ部26aとフィルタ部26dが形成され、これを図9(d)に示すように切断するとNDフィルタ26が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施例1のNDフィルタを取り付けた光量絞り装置の構成図である。
【図2】光量絞り装置と従来の光量絞り装置を比較した構成図である。
【図3】実施例1の光量絞り装置の形状例の構成図である。
【図4】NDフィルタの構成模式図である。
【図5】真空蒸着装置の構成図である。
【図6】NDフィルタの作製方法を説明図である。
【図7】実施例2の光量絞り装置の構成図である。
【図8】実施例3の光量絞り装置の構成図である。
【図9】実施例3のNDフィルタの作製方法を説明図である。
【図10】NDフィルタ及び光量絞り装置を使用する撮像光学系の概略図である。
【図11】従来の光量絞り装置の構成図である。
【図12】従来のNDフィルタの光減衰部を開口部から完全に退避させた状態の光量絞り装置の構成図である。
【図13】従来の他の形状のNDフィルタを取り付けた光量絞り装置の構成図である。
【符号の説明】
【0046】
22、23 絞り羽根
26 NDフィルタ
26a〜26d フィルタ部
29 開口
30 開口部
31 透明基板
32 ND膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過する光量を減衰する第1の光減衰部と、該第1の光減衰部よりも透過する光量が多い第2の光減衰部を有するNDフィルタであって、前記第1の光減衰部は前記第2の光減衰部の一部に一端部から対向する他端部に向けて凸となる領域を形成したことを特徴とするNDフィルタ。
【請求項2】
前記第2の光減衰部は光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載のNDフィルタ。
【請求項3】
前記第1の光減衰部は光透過率が連続的に変化することを特徴とする請求項1又は2に記載のNDフィルタ。
【請求項4】
前記第1の光減衰部は異なる光透過率を有する複数の領域から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のNDフィルタ。
【請求項5】
光を通過させる開口部と、該開口部を通過する光量を調節する絞り羽根と、該絞り羽根が形成する絞り開口を通過する光を減衰するNDフィルタを用いた光量絞り装置であって、前記NDフィルタは透過する光量を減衰する第1の光減衰部と、該第1の光減衰部よりも透過する光量が多い第2の光減衰部を有し、前記第1の光減衰部は、前記第2の光減衰部の一部に一端部から対向する他端部に向かって凸となる領域を形成したことを特徴とするNDフィルタを用いた光量絞り装置。
【請求項6】
前記絞り羽根が前記開口部を全開と成したとき、前記第1の光減衰部の少なくとも一部が前記開口部に露出していることを特徴とする請求項5に記載のNDフィルタを用いた光量絞り装置。
【請求項1】
透過する光量を減衰する第1の光減衰部と、該第1の光減衰部よりも透過する光量が多い第2の光減衰部を有するNDフィルタであって、前記第1の光減衰部は前記第2の光減衰部の一部に一端部から対向する他端部に向けて凸となる領域を形成したことを特徴とするNDフィルタ。
【請求項2】
前記第2の光減衰部は光透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載のNDフィルタ。
【請求項3】
前記第1の光減衰部は光透過率が連続的に変化することを特徴とする請求項1又は2に記載のNDフィルタ。
【請求項4】
前記第1の光減衰部は異なる光透過率を有する複数の領域から成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のNDフィルタ。
【請求項5】
光を通過させる開口部と、該開口部を通過する光量を調節する絞り羽根と、該絞り羽根が形成する絞り開口を通過する光を減衰するNDフィルタを用いた光量絞り装置であって、前記NDフィルタは透過する光量を減衰する第1の光減衰部と、該第1の光減衰部よりも透過する光量が多い第2の光減衰部を有し、前記第1の光減衰部は、前記第2の光減衰部の一部に一端部から対向する他端部に向かって凸となる領域を形成したことを特徴とするNDフィルタを用いた光量絞り装置。
【請求項6】
前記絞り羽根が前記開口部を全開と成したとき、前記第1の光減衰部の少なくとも一部が前記開口部に露出していることを特徴とする請求項5に記載のNDフィルタを用いた光量絞り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2010−145941(P2010−145941A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325814(P2008−325814)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]