説明

OFDM−CDMAシステムにおけるフレキシブル復調を実行する方法および装置

直交振幅変調の後に変調されるデータのフレキシブル復調を実行する方法は、非バイナリ拡散コードを使用する、符号分割多元接続技術(CDMA)および光周波数分割多重化(OFDM)を採用する通信システムにおいて使用される。本発明は尤度比の対数に固有の単純化式を決定することからなるステップ(340)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OFDM−CDMAシステム(直交周波数分割多重−符号分割多元接続)におけるソフト復調(または「ソフトデマッピング」)の方法および装置に関する。より正確には、本発明の主題は、非バイナリ拡散コードを使用するOFDM−CDMAシステムについてのいくつかの対数尤度比(LLR)の定義である。
【背景技術】
【0002】
LLRは、いわゆる「ソフト」入力、すなわち2つの「ハード」値の「0」および「1」に低減されない入力を扱うデータ復号アルゴリズムにより使用される。LLRは、復号器へのビット入力が「0」または「1」である確率を測定する。LLRは、直交振幅変調すなわちQAMにより変調される複素シンボル内のビットのそれぞれに対するソフト値を計算することであり、受信された複素シンボルおよび同一QAMシンボルのビットに対してこれを独立に実行することである。原理は、受信された信号を、その符号がハード決定検出器により提供されるビットに一致し、その絶対値がI/Q復調モジュール(または「I/Qデマッピングモジュール」)の決定の信頼性を表す、1つまたは複数のソフトビットに復調することである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、詳細には、例えばマルチバンドOFDMアライアンスシステムといった、OFDM−CDMA技術を利用する通信システムに対する遠隔通信の分野において用途を見出す。
【課題を解決するための手段】
【0004】
図1に示されるとおり、チャネル符号化を備える従来のOFDM−CDMA送信機においては、バイナリ情報ストリームd(k)は各ユーザkに対して生成される。各バイナリストリームは次に、チャネル符号器10,10,...10を用いて符号化され、Kはユーザの合計数である。本発明から利益を得ることができるチャネル符号器の種類は、受信機レベルにおいてそれの対応する復号器が入力としてソフト値を使用するすべてのチャネル符号器である。したがって、チャネル符号化を実行するブロックは、例えば、
畳み込み符号器、パンクチュア器およびビットインタリーバ(パンクチュア器は、用途に対して所望される符号化速度を得ることを可能にするのに対して、インタリーバは受信におけるエラーパケットを回避する)、または、
ターボ符号器、パンクチュア器およびビットインタリーバ、または、
ソフト入力復号器を備える、ブロックコードを使用する符号器、LDPC(「低密度パリティチェック符号」)型、
からなってもよい。
【0005】
符号化バイナリストリームb(k)は次に、直交振幅変調器12,12,...12により一連の複素M−QAMシンボルa(k)に変換される。整数Mは変調に関連する配列内の複素シンボルまたは点の数に対応する。以下の本文全体にわたって、Mは、2の累乗、すなわちM=2(mは厳密には正の整数)であると仮定される。例えば、2−QAM変調(BPSKとも称される)、または4−QAM変調(QPSKとも称される)、または8−QAM変調などを有する。m=2u(uは厳密には正の整数)である場合、2乗のQAM配列(例えば、4−QAM、または16−QAM、64−QAMなど)と称する。2−QAM変調(BPSK)は同相経路(I経路)のみを使用し、以後の説明では、直交経路(Q経路)について展開される式は2−QAMに対して無視されるべきである。
【0006】
シンボルa(k)=a(k)+j×a(k)はユーザkの複素M−QAMシンボルに対応し、{b1,1...b1,q...b1,mIQ,1...bQ,q...bQ,mQ}は、2乗の配列の場合には、対応する符号化バイナリシーケンス(「0」または「1」)である。添え字qは、信号(I経路)の同相部分のq番目のビットおよび信号(Q経路)の直交部分のq番目のビットに一致し、mIおよびmQはそれぞれ、I経路およびQ経路上のビット数である。
【0007】
M−QAMシンボルは次に、各ユーザkに固有の拡散コード{cK,1}、1≦k≦Kおよび1≦l≦N(Nはサブキャリアの数である)によりモジュール14,14,...14で拡散され、次にモジュール16で合計される。これらは次に、モジュール18で直並列変換され、その後モジュール20において逆高速逆フーリエ変換(IFFT)される。送信機は、OFDM−CDMAシンボルを、符号間干渉(ISI)を除去するのに十分な長いガードインターバル(GI)で分離すると仮定される。このガードインターバルは周期性またはゼロのいずれのプレフィックスであってもよく、2つの技法により周波数領域における簡単なスカラー等化を可能にする。得られるシンボルは伝送チャネル上で送信される。
【0008】
図2は図1に示された送信機に対応する従来の受信機の構造を示している。
【0009】
伝送チャネルから受信される信号は最初に、送信機および受信機のクロック間の同期化を実行するモジュール22を用いて復調され、ガードインターバルを除去し、受信信号に高速フーリエ変換(FFT)を適用する。
【0010】
ベクトルおよび行列表記を使用すると、ガードインターバルを除去しFFTを適用した後、受信信号を書き込むことが可能にある。
【数29】

【0011】
ただしnは次元N×1の雑音ベクトルであり、Nはサブキャリアの数であり、nは分散σの複素ガウス雑音iid(独立し均一に分布している)のサンプルを含み、Hはチャネルを表す次元N×Nの対角行列であり、ただし対角係数h(i)=h(z=ej2пi/N)(ただし、
【数30】

であり、gは伝搬チャネルのインパルス応答のn番目のサンプル値である)はi番目のサブキャリアに対するチャネルの係数を表し、Pは拡散コードのそれぞれに適用されるパワーを含む次元K×Kの対角行列であり、aおよびCはそれぞれ次元N×1の伝送されたシンボルのベクトルおよび次元N×Kの拡散コードの行列であり、ここでK番目の列(1≦k≦K)はユーザkのコード{c}を表す。
【0012】
その後、チャネルの周波数応答がモジュール24において各サブキャリアに対して推定される。これらの推定値
【数31】

は拡散コードと共に使用され、モジュール26において、受信されたシンボルの線形等化を実行する。
【0013】
単一ユーザの検出の場合は、線形イコライザg=(gk,1,...gk,Nを(続いてユーザkのコードにより逆拡散される)受信ベクトルrに適用することにより、ユーザkに対して伝送されたシンボルa(k)の推定値を提供する。
【数32】

【0014】
単一ユーザまたは複数ユーザのイコライザの目的は受信信号を整形し直し、この信号が参照配列の各点に可能な限り密接に対応するようにすることである。それにも関らず、雑音(熱および多重アクセス)がある状態においては、回復された点は最初の配列と正確に一致しない。この理由は、等化後、ソフトI/Q復調がモジュール28において実行され、その後にチャネル復号モジュール30において信号を復号するためである。
【0015】
I/Q復調動作は、線形検出器から生じる複素シンボルからバイナリ値を回復することにある。ソフト入力を備えるチャネル復号器を使用する場合、チャネル復号器に導入される最適値はソフト値であり、すなわち、これはハード値「0」および「1」ではない。
【0016】
この結果、16−QAM変調(4ビット)が使用される場合、ソフトI/Q復調(「ソフトデマッピング」)は16−QAM変調の4ビットに対応する4つのソフト値を計算することにある。チャネル復号器に導入される最適なソフト値(または行列(metrics))は対数尤度比(LLR)に対応する。
【0017】
ビットbI,qに関連するLLRは以下の式で表される。
【数33】

ただし、符号Prは確率を指し、および、
I,qはユーザkに対応し、bI,q,kと記述しなければならないが、簡単にするために添え字kは説明の残り部分では省略されている。
ビットbI,qについては、QAM配列は、複素シンボルの2つの相補部分に分割され、それぞれ、
【数34】

は位置(I,q)において「0」を備えるシンボルを含み、および
【数35】

は位置(I,q)において「1」を備えるシンボルを含む。同一手順は直交部分bQ,qに対するビットに適用できる。
λはQAM配列の参照シンボルである。例えば、4−QAM配列に対するλ={1+i,1−i,−1+i,−1−i}は当業者にはよく知られている。
【0018】
ベイズの定理を使用し、伝送されたシンボルが等しい確率で分布していると仮定すると、LLRは以下の式で表すことができる。
【数36】

【0019】
式(4)では、対数の分子は位置qにおけるビットに「1」を有するシンボルのすべてに対する確率を合計し、分母は位置qにおけるビットに「0」を有するシンボルのすべてに対する確率を合計する。これらの確率は、受信シンボルと参照シンボルλ間のユークリッド距離の指数関数的に減少する関数である。
【0020】
この距離は、後に詳細に説明される項目であり、かつ本発明の主題を形成する項目により重み付けされる。結果は、所与のビットbI,qに対する信頼性の度合いを示すソフト値であり、ここでは、正の数値はバイナリ「1」を示し、負の数値はバイナリ「0」を示す。
【0021】
ソフト復調動作の後、伝送時に符号器により実行される復調の二重動作を実施する復号プロセスが生じる。ビットパンクチャリングおよびインタリービング動作が伝送時に存在する場合、これは、畳み込みコードまたはターボコードが用いられる場合であり、したがって、ビットデインタリービングは(その後にデパンクチャリング動作が実行される)ソフトI/Q復調の後に実行される。チャネル復号により、最終的に、送信されたバイナリデータの回復が可能になる。例えば、畳み込み符号器が伝送時に使用される場合、チャネル復号はブランチメトリック計算を使用し、この計算は式(4)により与えられるLLRを要求する。時間tにおけるパスiの状態s(i)に対するブランチメトリックは以下の式で表され得る。
【数37】

ただし、
【数38】

は以前のブランチメトリックを表し、
【数39】

は符号器の割合1/Nに対する理論的な伝送される符号化ビット(トレリス線図による)を表し、qt,nはパンクチュアリングパターンを表し、LLR(b)は伝送される符号化ビットのLLRを表す。
【0022】
バイナリ直交拡散コードを備えるMC−CDMA(「Multi−Carrier−Code Division Multiple Access」)システムに対して一般に適用されるLLRの計算は知られており、上の式(4)から得られる。
【0023】
単一ユーザ検出の後にユーザkに対して受信された複素データのi番目のシンボルは、データ項目がNサブキャリア上で伝送され、拡散されていると見なされる場合、以下の式で表される。
【数40】

ただし、pおよびpはk番目およびi番目のユーザに対してそれぞれ適用されるパワーを表すパラメータであり、ck,lはl番目のサブキャリアおよびユーザkに対する拡散コードの値であり、gk,lはl番目のサブキャリアおよびユーザkに関連する線形等化係数の値であり、hはl番目のサブキャリアに対する伝送チャネルの係数であり、nはl番目のサブキャリアに関連する雑音であり符号*は複素共役を示す。
【0024】
ウォルシュアダマール拡散コードが考慮される場合、これらはバイナリ値ck,l=±1を取る実数直交コードであり、以下の式を得る。
【数41】

【0025】
次に、バイナリ拡散コードのLLRに対して正しい式を得る知られている方法が説明される。
【0026】
周波数インタリーバが適用される場合、データシンボルaに影響を与えるチャネルの複素係数hは独立であると見なされてもよい。この結果、十分に長い拡散コード(N≧8)については、雑音および複素多元接続干渉(MAI)項は、ゼロ平均の複素ガウス追加雑音(中心極限定理により)および以下の式の分散により近似される。
【数42】

【数43】

【0027】
式(8)は、すべてのユーザが同一パワーを有する場合に対応し、式(9)はユーザが異なるパワーを有する場合の一般化に対応する。
【0028】
大数の法則により、考慮される項の経験的平均により予測を置き換えることにより数学的予測を評価することが可能になる。結果として、N≧8の場合、雑音およびMAI項に対する分散はそれぞれ同一パワーおよび異なるパワーに対して以下の式で表されてもよい。
【数44】

【数45】

ただし、
【数46】

はチャネル推定モジュール24から生じるhの推定値である。
【0029】
次に、M−QAM変調の場合にチャネル復号器への入力として使用されるLLRは、式(4)を用いて、以下の式で表されてもよい。
【数47】

【0030】
同一の関係は直交経路のビットに対して適用する。
【0031】
式(12)から異なるパワーの場合に対して一般化される4−QAM変調に対する正確な式が得られる。
【数48】

【0032】
ただし、yk,Iは、等化および逆拡散後に受信される複素シンボルの実部に対応する。同一の関係は、虚部に対して適用する。
【0033】
また、LLRの簡略表示を得る方法が知られている。
【0034】
4−QAMについては、大きな拡散率に対して、式(13)において実行される計算は以下のとおり簡略化されてもよい。
【数49】

【0035】
実際に、大きな拡散率に対しては、重み付け項yk,Iはほぼ一定になり、したがって、ソフト入力復号プロセスに影響を与えない。
【0036】
小さな拡散率に対しては、式(14)による簡略化は、中心極限定理が満足されないため、大きな拡散率に比べて著しく劣る結果を与える。さらにMMSE(「最小平均二乗誤差」)単一ユーザ等化を使用して式(13)の結果と同様の結果を与える方法は、以下の式に従って受信されるシンボルを重み付けすることにある。
【数50】

【0037】
これに関しては、Stefan KAISERによる文献「Trade−off between Channel Coding and Spreading in Multi−Carrier CDMA System」(IEEE第4回International Symposium on Spread Spectrum Techniques & Applications(ISSSTA’96)予稿集,Mainz,ドイツ,1366−70頁,1996年9月)の参照が有効である。
【0038】
実際に、式(15)は、性能の著しい損失なく計算の複雑性が低減されるため、単一ユーザMMSEイコライザを使用する場合は式(13)に比べてより好ましい。しかし、式(15)は、MRC(「最大比合成」)およびZF(「ゼロフォーシング」)イコライザに対する式(13)に比べて著しく劣る結果を与えるが、EGC(「等利得合成」)イコライザに対しては劣る結果を与えない、ことに留意されたい。
【0039】
また、CSI(チャネル状態情報)を備えないより高次の二乗変調のLLRに対して簡略化された式を得る方法が知られている。
【0040】
正確な式(13)または簡略化された式(15)では、チャネル状態は値hまたはgを用いる項によってLLRに含まれている。これらの項はCSIを表す。
【0041】
文献の「Simplified Soft−Output Demapper for Binary Interleaved COFDM with Application to HIPERLAN/2」(IEEE通信国際会議(ICC)2002,664−668頁,第2巻,F.TOSATOおよびP.BISAGLIA)で発表)では、CSIを備えない、COFDM(符号化OFDM)システムのみに対する二乗M−QAM配列に対してLLRを計算するための簡略化が提案されている。
【0042】
=yk,I+i×yk,Qがユーザkに対して受信され、等化された複素QAMシンボルを示す場合、CSIが無視されるとすると、以下のLLRが得られる。
I={bI,1,bI,2}およびQ={bQ,1,bQ,2}を用いる16−QAMに対して、
部分Iに対して、
LLR(bI,1)=yk,I
LLR(bI,2)=−|yk,I|+2
部分Qに対して、
LLR(bQ,1)=yk,Q
LLR(bQ,2)=−|yk,Q|+2
I={bI,1,bI,2,bI,3}およびQ={bQ,1,bQ,2,bQ,3}を用いる64−QAMに対して、
部分Iに対して、
LLR(bI,1)=yk,I
LLR(bI,2)=−|yk,I|+4
LLR(bI,3)=−||yk,I|−4|+2
部分Qに対して、
LLR(bQ,1)=yk,Q
LLR(bQ,2)=−|yk,Q|+4
LLR(bQ,3)=−||yk,Q|−4|+2 (16)
【0043】
二乗M−QAM変調(M>4)に対するCOFDMに適用される一般式はまた、F.TOSATOおよびP.BISAGLIAによる上述の文献に示されており、すなわち以下の式になる(同一関係は直交部分に対して適用する)。
LLR(bI,q)=MI,q (17)
ただし、
q=1に対してMI,q=yk,I
q>1に対してMI,q=−|MI,q−1|+mI,q (18)
【0044】
ここで、mI,qはbI,qに関係する区画の境界間の距離の半分に相当する。例えば、16−QAM変調に対して、2つの境界間の距離は4に等しいため、mI,2=2である。
【0045】
最適なLLRまたは簡略化されたLLR表示を計算するための従来技術において提示される手順は、一方では、CDMA拡散コードが+1および−1のバイナリシーケンスであるという前提に依存する欠点を有し、さらに、これらの手順は非バイナリコードを使用するOFDM−CDMA伝送システムの性能の低下をもたらす可能性がある。
【0046】
本発明の目的は、非バイナリ直交拡散コードを使用してOFDM−CDMAシステムにおけるチャネル復号器への入力として導入されるメトリックを最適化することにより従来技術の欠点を除くことである。
【0047】
この目的により、本発明は、非バイナリ拡散コードを使用して、マルチキャリア符号分割多元接続またはOFDM−CDMA技術を実現する通信システムにおいて、4より大きいまたは4に等しい次数の二乗直交振幅変調によって変調されるデータのソフト復調の方法を提案し、これは以下を決定することにあるステップを含む点で注目される。
以下の式に従うユーザkに対する同相経路についての対数尤度比LLR(bI,q)に対する簡略化式。
【数51】

ただし、
q=1に対してMI,q=yk,I
q>1に対してMI,q=−|MI,q−1|+mI,q
ここで、mI,qはbI,qに関係する区画の境界間の距離の半分に相当する。
ただし、
はk番目のユーザに適用されるパワーを表すパラメータである。
σは雑音の分散である。
Nはサブキャリアの数である。
lはサブキャリアを表す添え字(正の整数)である(1≦l≦N)。
k,lはl番目のサブキャリアおよびユーザkに対する拡散コードの値である。
【数52】

はl番目のサブキャリアに対する伝送チャネルの係数の推定値である。
k,iは復調を意図する等化および逆拡散の後の複素シンボルの実部に対応する。
以下の式に従うユーザkに対する直交経路の対数尤度比LLR(bQ,q)に対する簡略化式。
【数53】

ただし、
q=1に対してMQ,q=yk,Q
q>1に対してMQ,q=−|MQ,q−1|+mQ,q
ここで、mQ,qはbQ,qに関係する区画の境界間の距離の半分に対応する。
ただし
k,Qは復調を意図する等化および逆拡散の後の複素シンボルの虚部に対応する。
【0048】
提案されている簡略化メトリックは特に小さい拡散率の場合に適切であり、これは準最適復号を提供するが、性能の微細な損失の実現の複雑性を少なくすることを保証する。
【0049】
データが4−QAM変調により変調されると、ユーザkに対する同相経路のビットbI,qについての対数尤度比LLR(bI,q)の簡略化式は以下の式により与えられる。
【数54】

ただし、yk,Iは等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部に対応し、ユーザkに対する直交経路のビットbQ,qに対する対数尤度比LLR(bI,q)の簡略化式は以下の式により与えられる。
【数55】

ただし、yk,Qは等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部に対応する。
【0050】
これはまたシステムのバイナリ誤り率における大幅な改善を得ることを可能にする。
【0051】
本発明は、MBOA(マルチバンドOFDMアライアンス)協会により提案された規格の枠内の好ましい用途を見出す。
【0052】
このような特定の実施形態では、ビットbm(n)、bm(n)+50、bm(n)+1、bm(n)+51に対する同相および直交経路のビットの尤度比LLRの対数は以下の式により与えられる。
【数56】

ただし、
n=0,1,2,...24に対してはm(n)=2n、n=25,26,...49に対してはm(n)=2n+50、
n,1およびyn+50,1は伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部であり、
n,Qおよびyn+50,Qは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部であり、
およびgn+50は使用される2つの等化係数であるり、
【数57】

および
【数58】

は2つのサブキャリア上の伝送チャネルの周波数応答の値の推定値であり、
【数59】

は雑音の分散の推定値である。
【0053】
ユーザkに対する同相および直交経路のビットの尤度比の簡略化式は以下の式により与えられる。
【数60】

ただし、
n=0,1,2,...24に対してm(n)=2n、n=25,26,...49に対してm(n)=2n+50、
n,1およびyn+50,1は伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部であり、
n,Qおよびyn+50,Qは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部であり、
【数61】

および
【数62】

は2つのサブキャリア上の伝送チャネルの周波数応答の値の推定値である。
【0054】
上記と同一の目的により、本発明はまた、非バイナリ拡散コードを使用して、マルチキャリア符号分割多元接続またはOFDM−CDMA技術を実現する通信システムにおいて、4より大きいまたは4に等しい次数の二乗直交振幅変調によって変調されるデータのソフト復調器を提案し、これは以下を決定する手段を備えるという点で注目される。
以下の式に従うユーザkに対する同相経路の尤度比LLR(bI,q)の対数についての簡略化式。
【数63】

ただし、
q=1に対してはMI,q=yk,I
q>1に対してはMI,q=−|MI,q−1|+mI,q
ここで、mI,qはbI,qに対する区画の境界間の距離の半分に対応する。
ただし、
はk番目のユーザに適用される出力を表すパラメータである。
σは雑音の分散である。
Nはサブキャリアの数である。
lはサブキャリアを表す添え字(正の整数)である(1≦l≦N)。
k,lはl番目のサブキャリアおよびユーザkに対する拡散コードの値である。
【数64】

はl番目のサブキャリアに対する伝送チャネル係数の推定値である。
k,Iは復調を意図する等化および逆拡散の後の複素シンボルの実部に相当する。
以下の式に従うユーザkに対する直交経路の尤度比LLR(bQ,q)の対数についての簡略化式。
【数65】

ただし
q=1に対してはMQ,q=yk,Q
q>1に対してはMQ,q=−|MQ,q−1|+mQ,q
ここで、mQ,qはbQ,qに対する分割の境界間の距離の半分に対応する。
この式において、
k,Qは復調を意図する等化および逆拡散の後に複素シンボルの虚部に相当する。
【0055】
本発明はまた、上述のような方法を実現するように適応される受信機に関する。
【0056】
本発明はまた、上述のような装置を備える受信機に関する。
【0057】
この方法による受信機と類似する装置および受信機の詳細な特性および利点は本明細書では繰り返されない。
【0058】
本発明の他の態様および利点は、非限定の例により、特定の実施形態に続く詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。説明では添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0059】
以下の本文全体を通して、非バイナリ直交拡散コードを使用するOFDM−CDMA送信機を考察する。
【0060】
尤度比LLRの対数は、図3に示されている等化/逆拡散モジュール32といったイコライザから生じる複素シンボル(I経路およびQ経路)から、チャネル復号器36といったチャネル復号器に入る前の受信されたビットの信頼性を示す実数(ビット当たり1)に変わることを可能にする。
【0061】
したがってLLRは、いわゆるソフトI/Q復調モジュール34においてソフトI/Q復調動作340を実行する。
【0062】
この復調動作は、チャネル等化/逆拡散と復号プロセスとの間に存在する。ソフトI/Q復調プロセスまたは復号器への入力に関するソフト決定の計算は、チャネル推定モジュール38により実行されるチャネル推定から、およびモジュール32により実行される等化から生じるデータを用いる。
【0063】
ソフトI/Q復調モジュール34の出力はチャネル復号器36に入力として導入されるLLRに相当する。
【0064】
本発明によれば、導入説明部で提示された計算と同一の計算が、単一ユーザの検出後にユーザkに対して受信されるi番目の複素データシンボルを記述する式(6)に関する限りは実行されてもよい。
【数66】

【0065】
非バイナリ実数および直交拡散コードの非限定の例は以下のコード行列により与えられる。
【数67】

【0066】
周波数インタリーバが適用される場合、データシンボルaに影響を与えるチャネルの複素係数hは独立していると見なされてもよい。この結果、十分に長い拡散コード(サブキャリアNの数が8より大きいかまたは8に等しい場合)については、雑音および複素多元接続干渉(MAI)項はゼロ平均の複素ガウス追加雑音(中心極限定理による)によりおよび分散を用いて近似されてもよい。
【数68】

【数69】

【0067】
式(20)はすべてのユーザが同一パワーを有する場合に対応し、式(21)はユーザが異なるパワーを有する場合に対する一般式に対応する。
【0068】
大数の法則は考慮される項の経験的平均により予測を置き換えることにより数学的期待値を評価することを可能にする。結果として、N≧8の場合、雑音およびMAI項に対する分散はそれぞれ同一パワー(式(22))および異なるパワー(式(23))に対して以下のとおりの式で表されてもよい。
【数70】

【数71】

ただし、
【数72】

はチャネル推定モジュールから生じるhの推定値である。
【0069】
M−QAM変調の場合にチャネル復号器への入力として使用されるLLRは次に、導入説明部で与えられた式(4)を用いて記述されてもよい。
【数73】

ただし、
λは直交振幅変調に関連する配列の参照シンボルであり、
【数74】

および
【数75】

は位置(I,q)において「0」を備える配列のシンボルおよび位置(I,q)において「1」を備える配列のシンボルをそれぞれ含む複素シンボルの2つの相補区画であり、
は復調を意図する等化および逆拡散の後の複素シンボルに対応し、
はk番目のユーザに適用されるパワーを表すパラメータであり、
Nはサブキャリアの数であり、
lはサブキャリアを表す添え字(正の整数)であり(1≦l≦N)、
k,lはl番目のサブキャリアおよびユーザkに対する拡散コードの値であり、
k,lはl番目のサブキャリアおよびユーザkに関連する線形等化係数の値であり、
【数76】

はl番目のサブキャリアに対する伝送チャネル係数の推定値であり、
σnoiseは雑音の分散であり、
σMAIは複素多元接続干渉の分散である。
【0070】
同一の関係は直交経路に適用し、すなわち以下の式になる。
【数77】

ただし、
【数78】

および
【数79】

は位置(Q,q)において「0」を備える配列のシンボルおよび位置(Q,q)において「1」を備える配列のシンボルをそれぞれ含む複素シンボルの2つの相補区画である。
【0071】
式(24)から様々なパワーの場合に対して一般化される4−QAM変調についてのLLRに対する正確な式が得られる。
【数80】

ただし、yk,Iは等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部に対応する。同一の関係は虚部に対して適用し、すなわち以下の式になる。
【数81】

ただし、yk,Qは等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部に対応する。
【0072】
しかし、式(24)により得られるLLRに対する正確な式および式(25)により得られる4−QAM変調に対するこの式の適用は、実際には実施が難しいことが判明する場合がある。実際、2つの項、すなわち複素多元接続干渉および雑音は推定される必要があり、この推定を行うために、受信機はアクティブCDMAコードのすべてを認識しなければならない。さらに、これらの式は大数の法則を使用し、数学的期待値を計算し、これは、拡散コードの長さが比較的小さくなる場合は有効ではないと予測される。
【0073】
これは、本発明がまたOFDM−CDMAシステムのLLRに対して簡略化式を提案する理由でもある。
【0074】
4−QAM変調の場合においては、4−QAM変調およびバイナリコードを備えるOFDM−CDMAシステムのLLRに対する簡略化式を重み付けして、4−QAM変調およびバイナリまたは非バイナリコードを備えるOFDM−CDMAシステムのLLRに対する簡略化式を得る。
【数82】

【0075】
実際には、式(26)は、性能の著しい損失なく計算の複雑性が低減されるため、単一ユーザMMSEイコライザを使用する場合は式(25)に比べてより好ましい。
【0076】
本発明はまた、二乗M−QAM配列に対する、すなわちM=22nに対するLLRの簡略化式を提案する。ただし、nはバイナリまたは非バイナリ拡散コードを備えるMC−CDMAシステムについては、厳密に正の整数である。
【0077】
=yk,I+i×yk,Qがユーザkに対して受信され、等化された複素QAMシンボルを示す場合、以下のLLRが得られる。
I={bI,1,bI,2}およびQ={bQ,1,bQ,2}を備える16−QAM変調に対して、
部分Iに対して、
【数83】

【数84】

部分Qに対して、
【数85】

【数86】

【0078】
I={bI,1,bI,2,bI,3}およびQ={bQ,1,bQ,2,bQ,3}(27)を備える64−QAM変調に対して、
部分Iに対して、
【数87】

【数88】

【数89】

部分Qに対して、
【数90】

【数91】

【数92】

【0079】
M>4に対する二乗M−QAM変調については、以下の式を得る(同一の関係は直交部分に適用する)。
【数93】

ただし、
q=1に対してMI,q=yk,I
q>1に対してMI,q=−|MI,q−1|+mI,q(29)
ただし、mI,qはbI,qに関係する区画の境界間の距離の半分に対応する。例えば、16−QAM変調については、2つの境界間の距離は4に等しいため、mI,2=2である。
【0080】
MBOA(マルチバンドOFDMアライアンス)協会により提案された規格の枠内の本発明の好ましい用途は以下に説明される。
【0081】
本発明により提供される最適および簡略化LLR式は実際にはこの規格の枠内で適用し、これはOFDM技術を使用し、この高ビット率伝送モードに対してデュアルキャリア変調(DCM)を採用する。DCMおよびOFDMの結合は全体として、4−QAM変調および拡散率2を使用して、全負荷とされた、非バイナリコードを備えるOFDM−CDMA送信機に等しい。
【0082】
入力ビットは最初に、以下のように両極性シンボルに変換される。
【表1】

【0083】
次に、これらの両極性シンボルは、以下のとおり、4つのグループに分けられ、2つの複素シンボルSおよびSn+50を形成する。
【数94】

ただし、ビットXm(n)、Xm(n)+50、Xm(n)+1およびXm(n)+51は、以下の添え字条件の、伝送されたビットbm(n)、bm(n)+50、bm(n)+1、およびbm(n)+51に対応する両極性シンボルである。
n=0,1,2,...24に対してはm(n)=2n、n=25,26,...49に対してはm(n)=2n+50 (31)
【0084】
しかし、この変調を4−QAM変調から生じる2つのシンボルaおよびa’として表示することが可能であり、次に、この方法は、以下のように式(30)を書き直すことにより、長さ2の非バイナリコードを用いて拡散するCDMAに対して使用される。
【数95】

ただし、
【数96】

および
【数97】

はエネルギー正規化4−QAM複素シンボルであり、
【数98】

は拡散率2を有する非バイナリ拡散コードを備えるCDMA行列である。
【0085】
仮に、
【数99】

および
【数100】

をそれぞれsおよびsn+50により変調される2つのサブキャリア上の伝送チャネルの周波数応答の値の推定値であるとし、gおよびgn+50をそれぞれ使用される2つの等化係数とする。
【0086】
仮に、y=yn,I+jyn,Qおよびyn+50=yn+50,I+jyn+50,Qは伝送される2つの4−QAM複素シンボルaおよびa’にそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルとする。
【0087】
最適なLLRに対する式を得るために、MBOAの枠内で式(6)を再計算することができ、パワーpはyおよびyn+50についてすべて等しい(2つのコードは同一出力で伝送されるならば)。
【数101】

【0088】
MBOA規格の枠内では、CDMA拡散率は極めて小さく、したがって大数の法則は式(33)の2つのMAI項における数学的期待値を計算するには有効でなくなる。次に、直接これらのMAI項のパワーを取ることを選択する。さらに、どのようなイコライザが使用されていたとしても(MMSE、MRC、EGCまたはZF)、積
【数102】

は常に実数であり正の数である。
【0089】
本発明によれば、式(25)は最適なLLRに対して以下の式を与える。
【数103】

【0090】
簡略化LLRを得るために、項
【数104】

が一定であり、したがって伝送時のチャネル符号器が畳み込みタイプである場合はチャネル復号には影響を与えない、式(26)が使用され、これはMBOについての場合である。したがって、これは簡略化LLRに対して以下の式を与える。
【数105】

【0091】
経験上、バイナリ誤り率(BER)の大幅な減少は、式(35)が高ビット率MBOシステム(480Mbps)のビタビ復号器の入力においてソフトビットに適用される場合に見られる。得られる結果は、チャネルのインパルス応答が長い場合、すなわちチャネル周波数応答の変動(LLRに対する式における係数hにより表わされる)が大きい場合により優れており、この場合には、したがってLLRは信頼性に関するより多くの情報を復号器に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】すでに説明された、従来の種類のチャネル符号化を備えるOFDM−CDMA送信機の概略図を示す。
【図2】すでに説明された、図1に示された種類の送信機に対応する従来の種類の受信機の概略図を示す。
【図3】特定の実施形態における、本発明による方法を実現できる受信機の一部の概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非バイナリ拡散コードを使用して、マルチキャリア符号分割多元接続またはOFDM−CDMA技術を実現する通信システムにおいて、4より大きいまたは4に等しい次数の二乗直交振幅変調によって変調されるデータのソフト復調の方法であって、
以下の式に従うユーザkに対する同相経路に対して対数尤度比LLR(bI,q)に対する簡略化式と、
【数1】

ただし、
q=1に対してMI,q=yk,I
q>1に対してMI,q=−|MI,q−1|+mI,q
ここで、mI,qはbI,qに対する区画の境界間の距離の半分に対応する
ただし、
はk番目のユーザに適用されるパワーを表すパラメータであり、
σは雑音の分散であり、
Nはサブキャリアの数であり、
lはサブキャリアを表す添え字(正の整数)であり(1≦l≦N)、
k,lはl番目のサブキャリアおよびユーザkに対する拡散コードの値であり、
【数2】

はl番目のサブキャリアに対する伝送チャネル係数の推定値であり、
k,Iは復調を意図する等化および逆拡散の後の複素シンボルの実部に対応し、
以下の式に従うユーザkに対する直交経路に対して対数尤度比LLR(bQ,q)に対する簡略化式と、
【数3】

ただし、
q=1に対してMQ,q=yk,Q
q>1に対してMQ,q=−|MQ,q−1|+mQ,q
ここで、mQ,qはbQ,qに関係する区画の境界間の距離の半分に対応し、
ただし、
k,Qは復調を意図する等化および逆拡散の後の複素シンボルの虚部に対応する、
2つの簡略化式を決定することにあるステップを含むことを特徴とする、ソフト復調の方法。
【請求項2】
データは4−QAM変調によって変調され、ユーザkに対する同相経路のビットbI,qについての対数尤度比LLR(bI,q)に対する簡略化式は以下の式により与えられ、
【数4】

ただし、yk,Iは等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部に対応し、ユーザkに対する直交経路のビットbQ,qについての対数尤度比LLR(bQ,q)に対する簡略化式は下記の式により与えられ、
【数5】

ただし、yk,Qは等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部に対応する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
通信システムはMBOA(マルチバンドOFDMアライアンス)規格を実現することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ビットbm(n)、bm(n)+50、bm(n)+1、bm(n)+51に対する同相および直交経路のビットの対数尤度比が以下の式により与えられ、
【数6】

【数7】

ただし、
n=0,1,2,...24に対してはm(n)=2n、n=25,26,...49に対してはm(n)=2n+50であり、
n,Iおよびyn+50,Iは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部であり、
n,Qおよびyn+50,Qは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部であり、
およびgn+50は使用される2つの等化係数であり、
【数8】

および
【数9】

は2つのサブキャリア上の伝送チャネルの周波数応答の値の推定値であり、
【数10】

は雑音の分散の推定値である、
ことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ビットbm(n)、bm(n)+50、bm(n)+1、bm(n)+51についての同相および直交経路のビットの尤度比に対する簡略化式は以下で与えられ、
【数11】

【数12】

ただし、
n=0,1,2,...24に対してはm(n)=2n、n=25,26,...49に対してはm(n)=2n+50であり、
n,Iおよびyn+50,Iは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部であり、
n,Qおよびyn+50,Qは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部であり、
【数13】

および
【数14】

は2つのサブキャリア上の伝送チャネルの周波数応答の値の推定値である、
ことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
非バイナリ拡散コードを使用して、マルチキャリア符号分割多元接続またはOFDM−CDMA技術を実現する通信システムにおいて、4より大きいまたは4に等しい次数の二乗直交振幅変調によって変調されるデータのソフト復調の装置であって、
以下の式に従うユーザkに対する同相経路についての対数尤度比LLR(bI,q)に対する簡略化式と、
【数15】

ただし
q=1に対してMI,q=yk,I
q>1に対してMI,q=−|MI,q−1|+mI,q
ここで、mI,qはbI,qに対する分割の境界間の距離の半分に対応し、
ただし、
はk番目のユーザに適用されるパワーを表すパラメータであり、
σは雑音の分散であり、
Nはサブキャリアの数であり、
lはサブキャリアを表す添え字(正の整数)であり(1≦l≦N)、
k,lはl番目のサブキャリアおよびユーザkに対する拡散コードの値であり、
【数16】

はl番目のサブキャリアに対する伝送チャネル係数の推定値であり、
k,Iは復調を意図する等化および逆拡散の後の複素シンボルの実部に対応し、
以下の式に従うユーザkに対する直交経路についての対数尤度比LLR(bQ,q)に対する簡略化式と、
【数17】

ただし
q=1に対してMQ,q=yk,Q
q>1に対してMQ,q=−|MQ,q−1|+mQ,q
ただし、mQ,qはbQ,qに対する分割の境界間の距離の半分に対応する
ただし、
k,Qは復調を意図する等化および逆拡散の後の複素シンボルの虚部に対応する、
2つの式を決定する手段(34)を備えることを特徴とする、装置。
【請求項7】
データが4−QAM変調によって変調され、ユーザkに対する同相経路のビットbI,qについての対数尤度比LLR(bI,q)に対する簡略化式は以下の式により与えられ、
【数18】

ただし、yk,Iは等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部に対応し、ユーザkに対する直交経路のビットbQ,qについての対数尤度比LLR(bQ,q)に対する簡略化式は下記の式により与えられ、
【数19】

ただし、yk,Qは等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部に対応する、
ことを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
通信システムはMBOA(マルチバンドOFDMアライアンス)規格を実現することを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
ビットbm(n)、bm(n)+50、bm(n)+1、bm(n)+51についての同相および直交経路のビットの対数尤度比LLRが下記の式により与えられ、
【数20】

【数21】

ただし、
n=0,1,2,...24に対してはm(n)=2n、n=25,26,...49に対してはm(n)=2n+50であり、
n,Iおよびyn+50,Iは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部であり、
n,Qおよびyn+50,Qは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部であり、
およびgn+50は使用される2つの等化係数であり、
【数22】

および
【数23】

は2つのサブキャリア上の伝送チャネルの周波数応答の値の推定値であり、
【数24】

は雑音の分散の推定値である、
ことを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ビットbm(n)、bm(n)+50、bm(n)+1、bm(n)+51についての同相および直交経路のビットの尤度比LLRに対する簡略化式は以下の式により与えられ、
【数25】

【数26】

ただし、
n=0,1,2,...24に対してはm(n)=2n、n=25,26,...49に対してはm(n)=2n+50であり、
n,Iおよびyn+50,Iは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの実部であり、
n,Qおよびyn+50,Qは伝送される2つの複素4−QAMシンボルにそれぞれ対応する等化および逆拡散の後に受信される複素シンボルの虚部であり、
【数27】

および
【数28】

は2つのサブキャリア上の伝送チャネルの周波数応答の値の推定値である、
ことを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
請求項1から5のいずれか一項に記載の方法を実現するように適応されることを特徴とする、受信機。
【請求項12】
請求項6から10のいずれか一項に記載の装置を備えることを特徴とする、受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−516449(P2009−516449A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540651(P2008−540651)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002519
【国際公開番号】WO2007/057558
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(596048569)コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク (53)
【出願人】(301040578)エスティマイクロエレクトロニクス エヌヴィ (5)
【Fターム(参考)】