説明

PCV−2組成物の殺ウイルス活性を低下させる方法および免疫原性を向上させたPCV−2組成物

本発明は、PCV-2抗原を含む組成物、並びに殺ウイルス活性が低下されてあるPCV-2抗原含有抗原調製物および免疫原性組成物の殺ウイルス活性を低下させる方法を提供する。さらにまた、本発明は、PCV-2抗原を含む免疫原性組成物および免疫原性が高められてある免疫原性組成物の免疫原性を高める方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願61/309,408号(2010年3月1日出願)および米国仮特許出願61/239,192号(2009年9月2日出願)に関連し、さらに前記に対し優先権を主張する。前記はいずれも参照によりその全体が本明細書に含まれる。全出願が共通の所有である。
配列表
本出願は、37 C.F.R. 1.821−1.825にしたがい配列表を含む。本出願に付随する配列表は参照によりその全体が本明細書に含まれる。
本発明は、通常ではある程度の殺ウイルス活性を示す組成物の殺ウイルス活性を低下させる方法および組成物に関する。本発明の方法を用いることによって、そのような組成物の殺ウイルス活性は、本発明の工程を含まない組成物の殺ウイルス活性と比較して低下させることができる。より具体的には、本発明は、従来の検出方法を用いて当分野で公知の組成物と比較したとき、特に本発明の方法によって製造されていない組成物と比較したとき相対的にほとんどまたは全く殺ウイルス活性を示さない、抗原性ブタシルコウイルスII型(PCV-2)組成物を製造する方法に関する。本発明はさらに、本特許出願によって提供される方法にしたがって製造された、好ましくは当分野で報告された対応する組成物と比較して殺ウイルス活性が低いかまたは存在しないことを特徴とする、新規な免疫原性組成物、好ましくはPCV-2含有組成物に関する。さらに別の特徴にしたがえば、本発明はまた、精製PCV-2抗原、好ましくは免疫原性が向上した精製PCV-2抗原を含む免疫原性組成物を提供する。
【背景技術】
【0002】
ブタシルコウイルス2型(PCV-2)は小さな(直径17−22nm)正二十面体のエンベロープをもたないDNAウイルスであり、一本鎖の環状ゲノムを含む。PCV-2は、ブタシルコウイルス1型(PCV-1)と約80%の配列同一性を共有する。しかしながら、PCV-1(一般的に非病毒性である)とは対照的に、PCV-2に感染したブタは、離乳後多臓器消耗症候群(Post-weaning Multisystemic Wasting Syndrome)(PMWS)と一般的に称される症候群を示す。PMWSは、臨床的にはるい痩、皮膚の蒼白、発育不全、呼吸困難、下痢、黄疸(icterus and jaundice)を特徴とする。罹患ブタのあるものでは全症状の合併が認められるが、他のブタはこれら症状の1つまたは2つのみを有するであろう。剖検時には、顕微鏡的および巨視的病巣がまた多くの組織および器官で明らかであり、リンパ系器官が病巣の好発部位である。PCV-2核酸または抗原量と顕微鏡的リンパ系病巣の重症度との間に強い相関性が認められている。PCV-2感染ブタの死亡率は80%に達し得る。PMWSに加えて、PCV-2はいくつかの他の感染症と関係する。前記感染症には仮性狂犬病、ブタ繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)、グレーサー病(Glasser's disease)、ストレプトコッカス性髄膜炎、サルモネラ症、離乳後大腸菌症、飼料性肝症(dietetic hepatosis)および化膿性気管支肺炎が含まれる。
【0003】
ブタのPCV-2感染の影響を軽減するためにいくつかのワクチンが利用可能である。米国特許6,703,023号はブタのPMWS予防のためにDNA系ワクチンを提供する。WO03/049703では、非病原性PCV1ウイルスを含む生のキメラワクチンの製造が記載されているが、前記ウイルスではORF2タンパク質が病原性PCV-2のORF2タンパク質で置き換えられている。WO99/18214およびWO99/29717は、殺滅PVC2ワクチンの製造のためのいくつかのPCV-2株および方法を提供した。サブユニットワクチンの製造もまたWO99/18214およびWO99/29717に記載されている。有効なORF2系サブユニットワクチンがWO06/072065で報告されている。さらに別のORF-2系サブユニットワクチンがまたWO07/28823に記載されている。しかしながら、記載された従来技術のワクチンのいずれも殺ウイルス性でないおよび/または精製されたPCV-2抗原、好ましくは高度に精製されたPCV-2 ORF2抗原を含まない。
PCV-2に対する免疫原性組成物および他の病原体に対する多様な免疫原性組成物はしばしば他の抗原に対して殺ウイルス性作用を有する。現在の規制基準(9CFR 113.35)は多価組成物においてある程度の殺ウイルス活性を許容しているが、この殺ウイルス活性は、当該免疫原性組成物の他の成分と一緒にしたとき生ウイルスの0.7 log/mLを越える損失または生菌の0.7 log/mL CFUより小さい損失をもたらすものであってはならない。許容を越える殺ウイルス活性を有する組成物は他の抗原と組み合わせて多価ワクチンを作製することができない。
【0004】
PCV-2のオープンリーディングフレーム2(ORF2)(SDS-PAGEゲルで泳動したとき30kDaの凡その分子量を有する)が、ワクチンおよびPCV-2用免疫原性組成物中の抗原性成分としてこれまで用いられてきた。そのようなワクチンおよび組成物で使用されるORF-2を入手する典型的な方法は、一般的にはORF2をコードするPCV-2 DNAを増幅する工程、ORF2タンパク質を宿主細胞で発現する工程、および前記宿主細胞から細胞溶解によりORF2タンパク質を抽出する工程から成る。続いて、回収ORF2細胞溶解物は免疫原性組成物またはワクチンの抗原性部分として用いられる。いくつかの事例では、ORF2含有細胞溶解物は細胞から分離される。
必要とされることは、規制要件を満たし、有効な多価組成物を提供することができる、PCV-2含有免疫原性組成物およびその中の抗原の殺ウイルス活性を低下させる方法である。さらに別の必要とされることは、PCV-2含有組成物の殺ウイルス活性およびブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)に対する影響を減弱または低下させる方法である。さらに別の必要とされることは、それらの殺ウイルス活性が許容可能な基準にまで低下し、他の抗原と組み合わせて多価免疫原性組成物を形成できるように本発明の方法を実施した免疫原性組成物である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施では、特段の規定がなければ、分子生物学、微生物学、組換えDNA技術、タンパク質化学および免疫学の通常の技術(前記は当分野の技術範囲内である)が用いられるであろう。そのような技術は文献に詳細の記載されている。例えば以下を参照されたい:Sambrook, Fritsch & Maniatis, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Vols. I, II and III, Second Edition (1989);DNA Cloning, Vols. I and II (D. N. Glover ed. 1985);Oligonucleotide Synthesis (M. J. Gait ed. 1984);Nucleic Acid Hybridization (B. D. Hames & S. J. Higgins eds. 1984);Animal Cell Culture (R. K. Freshney ed. 1986);Immobilized Cells and Enzymes (IRL press, 1986); Perbal, B., A Practical Guide to Molecular Cloning (1984);Methods In Enzymologyシリーズ (S. Colowick and N. Kaplan eds., Academic Press, Inc.);Protein purification methods−a practical approach (E.L.V. Harris and S. Angal, eds., IRL Press at Oxford University Press);およびHandbook of Experimental Immunology, Vols. I-IV (D. M. Weir and C. C. Blackwell eds., 1986, Blackwell Scientific Publications)。
本発明を詳細に説明する前に、本発明は特定のDNA、ポリペプチド配列またはプロセスパラメーターに限定されず、したがって多様であり得ることは理解されるべきである。さらにまた、本明細書で用いられる専門用語は、本発明の具体的な実施態様を説明することのみを目的とし限定を目的とするものではないこともまた理解されるべきである。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられているように、単数形の“a”、“an”および“the”は内容が明らかにそうでないことを示していないかぎり対応する複数形を含むことは留意されねばならない。したがって、例えば“an antigen”という場合には2つまたは3つ以上の抗原混合物を含み、“an excipient”という場合には2つまたは3つ以上の賦形剤の混合物を含むということなどである。
【0006】
本発明は従来技術に固有の問題を解決し、当分野の現状に歴然とした進歩を提供する。一般的には、本発明はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、およびii)前記PCV-2抗原から前記第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含む。好ましくは、前記PCV-2抗原はPCV-2抗原組成物としてまたはPCV-2抗原組成物中で用いられる。
本発明の目的のために、“第一の液体”は、典型的には細胞、抗原、免疫原性組成物、ワクチンなどと一緒に用いられる液体、水性または流動性媒体を指す。好ましくは、第一の液体は抗原組成物由来の媒体を含み、より好ましくは、第一の液体は、培養宿主細胞で組換えタンパク質を生成するために用いられた細胞培養液を含むか、または好ましくは前記細胞培養液から成る。前記培養宿主細胞は、細菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞および哺乳動物細胞でもよく、昆虫および動物細胞が特に好ましい。したがって、第一の液体は細菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞および哺乳動物細胞の培養用媒体を含むか、または前記から成る。好ましくは、前記細胞メジウムは血清を含まない細胞メジウムであり、もっとも好ましくは、前記細胞メジウムは、昆虫細胞が用いられる場合はEX-CELL(商標)420血清フリーメジウムである。EX-CELL(商標)420は、タンパク質を含まずL-グルタミンを含む完全メジウムであり、前記はSf9およびSf21昆虫細胞株の血清フリー増殖のために開発および最適化された。
【0007】
本発明の目的のためには、“第二の液体”は、通常的に細胞、抗原、免疫原性組成物、ワクチンなどと一緒に用いられる任意の液体を指し、前記は第一の液体とは異なる。好ましくは、前記第二の液体は水溶液、より好ましくは医薬的に許容できる溶液、さらに好ましくは緩衝液、例えば食塩水またはリン酸緩衝液などである。もっとも好ましくは、第二の液体は、任意の生ウイルスまたは任意の生菌に対して、前記生ウイルスまたは生菌がそのような液体で培養されるかまたは保存されたとき殺ウイルス性でないことを特徴とする(本明細書では、明確に記載されていないかぎりまたは文脈から明白でないかぎり、“殺ウイルス性”という用語は殺菌活性を含む)。
本発明の目的のためには、“一部”は全量を含まない任意の量を指す。例えば、液体の一部は前記液体の体積の100%より少ない任意のもの、例えば前記液体の90%、前記液体の80%、前記液体の70%、および0%より多く100%未満の全ての量であろう。
“PCV-2抗原”は、動物(好ましくはブタ)に投与したとき、PCV-2感染に対して免疫応答を誘発、刺激または強化することができる少なくとも1つの抗原を含む任意の物質の組成物を指す。好ましくは、PCV-2抗原は、全PCV-2ウイルス(好ましくは不活化形)、生改変もしくは弱毒化PCV-2ウイルス、PCV-2の少なくとも1つの免疫原性アミノ酸配列を含むキメラウイルス、またはPCV-2の少なくとも1つの免疫原性アミノ酸配列を含む任意の他のポリペプチドもしくは成分(好ましくはORF2)である。本明細書で用いられる“免疫原性タンパク質”、“免疫原性ポリペプチド”または“免疫原性アミノ酸配列”はPCV-2の任意のアミノ酸配列を指し、前記はPCV-2に対して宿主で免疫応答を誘引する。好ましくは、そのようなPCV-2の免疫原性タンパク質、免疫原性ポリペプチドまたは免疫原性アミノ酸は、国際特許出願WO2006/072065(前記の内容および教示は参照により本明細書に含まれる)で開示または提供されたもののいずれかのものであるか、または当分野で公知の任意の他のPCV-2ポリペプチドである。例えば、PCV-2 ORF2 DNAの代表的な配列は、Genbankアクセッション番号AF086834(配列番号:3)および配列番号:4を含む。
【0008】
しかしながら、この配列は配列相同性において1−10%変動ししかも免疫原性組成物として前記を有用ならしめる抗原的特徴をなお維持し得ることは当業者には理解されよう。免疫原性組成物の抗原的特徴は、例えばWO06/072065の実施例4によって提供されるチャレンジ実験によって概算することができる。さらにまた、WO06/072065で提供される配列番号:3または配列番号:4のポリヌクレオチド配列によってコードされるPCV-2 ORF2タンパク質と比較したとき、改変抗原が少なくとも70%、好ましくは80%、より好ましくは90%またはそれより高い防御免疫を付与するときは、前記改変抗原の抗原的特徴はなお維持されている。さらに好ましいPCV-2 ORF2抗原は以下のとおりである:
i)WO06/072065の配列番号:5、配列番号:6、配列番号:9、配列番号:10または配列番号:11の配列を含むポリペプチド、
ii)i)のポリペプチドと少なくとも80%相同性および/または同一性である任意のポリペプチド、
iii)i)および/またはii)のポリペプチドの任意の免疫原性部分、
iv)iii)の免疫原性部分であって、WO06/072065の配列番号:5、配列番号:6、配列番号:9、配列番号:10または配列番号:11の配列のいずれかの少なくとも5、好ましくは8、より好ましくは10の連続するアミノ酸を含む前記免疫原性部分、
v)WO06/072065の配列番号:3または配列番号:4の配列を含むDNAによってコードされるポリペプチド、
vi)v)のポリヌクレオチドと少なくとも80%相同性および/または同一性であるポリヌクレオチドによってコードされる任意のポリペプチド、
vii)v)および/またはvi)のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの任意の免疫原性部分、
viii)vii)の免疫原性部分であって、前記免疫原性部分をコードするポリヌクレオチドがWO06/072065の配列番号:3または配列番号:4の配列に含まれる少なくとも30の連続するヌクレオチドを含む、前記免疫原性部分。
【0009】
WO06/072065の配列表は、本出願に添付した配列表と同一である。
好ましくは、上記に記載した免疫原性部分のいずれも、WO06/072065の配列番号:3または配列番号:4によってコードされるPCV-2 ORF2抗原の抗原的特徴を有する。
当分野で公知の“配列同一性”は、2つ以上のポリペプチド配列または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の、すなわち参照配列と参照配列と比較されるべきある配列間の関係を指す。配列同一性は、ある配列および参照配列を、当該配列鎖間の一致により決定される最高度の配列類似性を生じるように最適にアラインメントを実施した後で、当該ある配列を参照配列と比較することによって決定される。そのようなアラインメントを実施するとき、配列同一性は位置ごとに確認される。例えば、個々の位置でヌクレオチドまたはアミノ酸残基が同一であるならば、前記配列は当該位置において“同一”である。続いて、そのような位置同一性を有する総数を参照配列のヌクレオチドまたは残基の総数で割って%配列同一性が得られる。例示として、参照ヌクレオチド配列と例えば少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の“配列同一性”をもつヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドの場合、あるポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、前記あるポリヌクレオチド配列が参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドにつき15まで、好ましくは10まで、より好ましくは5個までの点変異を含むことができることを除いて前記参照配列と同一であることを意味する。換言すれば、参照配列に対して少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の同一性をもつヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドでは、前記参照配列中のヌクレオチドの15%、好ましくは10%、より好ましくは5%までが欠失され得るかまたは別のヌクレオチドと置換され得るか、または前記参照配列中の全ヌクレオチドの15%、好ましくは10%、より好ましくは5%までの数のヌクレオチドが参照配列中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照配列の5'もしくは3'末端の位置またはこれら末端の位置の間に在る任意の位置に存在するか、或いは参照配列内のヌクレオチドの間でそれぞれ個々にまたは参照配列内で1つ以上の連続するグループとして点在してもよい。同様に、参照アミノ酸配列に対して、少なくとも例えば85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の配列同一性をもつあるアミノ酸配列を有するポリペプチドの場合、前記ポリペプチドのあるアミノ酸配列は、前記あるポリペプチド配列が、参照アミノ酸配列の各100アミノ酸につき15まで、好ましくは10まで、より好ましくは5個までのアミノ酸変異を含むことができることを除いて前記参照配列と同一であることを意味する。換言すれば、参照配列と少なくとも85%、好ましくは90%、より好ましくは95%の配列同一性をもつあるポリペプチド配列を得るために、前記参照配列中のアミノ酸残基の15%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%までが欠失され得るかまたは別のヌクレオチドと置換され得るか、または前記参照配列中の全アミノ酸残基総数の15%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%までのアミノ酸数が参照配列中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照配列のアミノ末端またはカルボキシ'末端の位置またはこれら末端の位置の間に有る任意の位置に存在するか、或いは参照配列内の残基の間でそれぞれ個々にまたは参照配列内で1つ以上の連続するグループとして点在してもよい。好ましくは、同一でない残基位置は保存的アミノ酸置換によって異なる。しかしながら、配列同一性を決定するとき、保存的置換は一致に含まれない。
【0010】
本発明の目的のためには、“生”ウイルスまたは細菌は、宿主で複製できるウイルスまたは細菌を指す。本発明の好ましい生ウイルスおよび好ましい生菌は、それぞれPRRSウイルスおよびマイコプラズマ・ヒオプニューモニア(Mycoplasma hyopneumonia)菌である。しかしながら、生ウイルスまたは生菌は、それぞれPRRSウイルスおよびマイコプラズマ・ヒオプニューモニアに限定されない。
第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去することができる。ここで、第二の液体は第一の液体とは異なる(第二の液体の定義を参照されたい)。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)前記PCV-2抗原から前記第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここで、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去され、さらに第二の液体は第一の液体とは異なる。好ましくは、第二の液体による第一の液体の一部の交換は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含む。したがって、さらに別の特徴にしたがえば、本出願はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)第二の液体に対し第一の液体の少なくとも一部を交換する工程によって、PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ii)の工程は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含む。
【0011】
第一の液体の一部は、フィルターを利用するろ過工程によってPCV-2抗原から除去することができる、しかしながら、当業者に公知の任意の他の方法を用いて、任意の液体の一部(第一の液体および適用可能な場合は第二の液体の一部を含む)をPCV-2抗原から除去してもよい。そのような方法には、例えば遠心および/またはクロマトグラフィーが含まれるが、ただし前記に限定されない。しかしながらろ過がもっとも好ましい。第一の液体(または適用可能な場合には任意の他の液体)の一部を除去するために好ましいろ過方法は、限外-および/または透析-ろ過を含む。限外-および透析-ろ過は当業者に公知の標準的方法であり、例えば以下の詳細に記載されている:Protein Purification Methods−A Practical Approach, editors: E.L.V. Harris and S. Angel, Oxford University Press 1995(その内容および教示は参照により本明細書に含まれる)。具体的には前記成書の第3章にいくつかの方法および装置のタイプが記載されてあり、それらの全てを当業者は本発明の目的のために例示的態様で用いることができる。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここで、第一の液体の一部は、ろ過、好ましくは透析-または限外-濾過によってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対し第一の液体の少なくとも一部を交換する工程によってPCV-2抗原から除去され、前記工程は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程、およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含む。
【0012】
上記で定義したように、記載した方法のいずれかで使用されるべき好ましい第二の液体は緩衝液、好ましくは生理学的に許容できる緩衝液であり、食塩水が特に好ましい。したがって、さらに別の特徴にしたがえば、本出願はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)第一の液体の少なくとも一部を緩衝液、好ましくは生理学的に許容できる緩衝液、例えば食塩水またはリン酸緩衝液などに対して交換することによってPCV-2抗原から除去する工程を含む。好ましくは、第一の液体の一部は、ろ過(好ましくは透析-または限外-濾過)によってPCV-2抗原から除去される。より好ましくは、緩衝液、好ましくは生理学的に許容できる緩衝液、例えば食塩水またはリン酸緩衝液などに対して第一の液体の少なくとも一部を交換する工程は、a)緩衝液、好ましくは生理学的に許容できる緩衝液、例えば食塩水またはリン酸緩衝液などを、PCV-2抗原を含む第一の液体に添加する工程、およびb)第一の液体および緩衝液(好ましくは生理学的に許容できる緩衝液、例えば食塩水またはリン酸緩衝液など)である液体の一部をPCV-2抗原から、好ましくはろ過、より好ましくは透析-および/または限外-ろ過により除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含む。
【0013】
本明細書に記載した方法の濃縮工程および液体添加工程は実質的に同時に実施できるが、また別には、濃縮工程および液体添加工程は連続的に実施される。したがって、さらに別の特徴にしたがえば、本出願はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)第二の液体に対し第一の液体の一部を交換する工程によって、PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、前記ii)の工程は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含み、ここで、前記液体添加工程は、実質的に同時にまたは連続して実施される。好ましくは、第一の液体の一部、および第二の液体が添加される場合には第一および第二の液体の混合物は、ろ過、好ましくは透析-および/または限外-ろ過によってPCV-2抗原から除去される。
濃縮工程および液体添加工程が連続して実施される場合、前記工程の順番は問題ではない。例えば、さらに別の特徴では、液体添加工程は濃縮工程の前に存在し、また別の特徴では、濃縮工程は液体添加工程の前に存在する。液体添加工程および濃縮工程は、それらが実施される順番に関係なく複数回実施することができる。例えば、これら対応する工程の各々は少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回、所望に応じて何回も実施することができる。ある特徴では、濃縮工程および液体添加工程は各々少なくとも2回実施される。別の特徴では、濃縮工程および液体添加工程は各々少なくとも3回実施される。したがって本出願のさらに別の特徴にしたがえば、PCV-2抗原組成物を製造する方法が提供され、ここで、前記方法は一般的に、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)第二の液体に対し第一の液体の一部を交換する工程によって、PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここで、前記交換は複数回実施される。好ましくは、第二の液体の一部に対して第一の液体の一部を交換する工程は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含み、ここで、液体添加工程および濃縮工程は、複数回(例えば2回、3回、5回、10回など)実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は2回、もっとも好ましくは3回実施される。上記に記載したように、PCV-2抗原から第一の液体を除去するために、または複数回の除去工程の場合には第一および第二の液体の混合物の一部を除去するためにろ過が好ましい方法である。
【0014】
フィルターは当分野で通常的な任意のフィルターであり得る。好ましくは、フィルターには半透膜が含まれる。さらに別の好ましい形態では、半透膜はPCV-2抗原よりも小さい平均孔径を有し、それによってPCV-2抗原の少なくとも90%の半透膜通過を防ぎ、PCV-2抗原がフィルターによって保持される。さらに別の特徴では、フィルターはサイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ平均孔径を有し、より好ましくは、フィルターはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ平均孔径を有し、もっとも好ましくは、フィルターはサイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ平均孔径を有する。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。さらにまた別の特徴では、半透膜には、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォンおよび再生セルロースから成る群から選択される素材が含まれる。しかしながら、PCV-2抗原からの第一の液体の一部の除去、およびプロセス工程が複数回の場合には第一および第二の液体の混合物の除去を可能にする任意の他の素材も用いることができる。フィルターは、中空繊維膜限外ろ過カートリッジ、フラットシートまたはカセットから成る群から選択できるが、中空繊維膜限外ろ過カートリッジが特に好ましい。したがって、本出願のさらに別の特徴にしたがえば、PCV-2抗原組成物を製造する方法が上記に記載したように提供される。前記方法は、一般的にはi)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)ろ過工程によってPCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここでフィルターは、好ましくは半透膜であるか、または半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぐ。好ましくは、半透膜の平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。上記に記載したように、除去工程は、一般的には第二の液体の一部に対し第一の液体の一部の交換を含み、前記は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含み、ここで液体添加工程および濃縮工程は、複数回(例えば2回、3回、5回、10回など)実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は2回、もっとも好ましくは3回実施される。
【0015】
本明細書で提供される方法の濃縮工程は、PCV-2抗原が第一の液体の体積との比較で3Xから50Xに濃縮されるように実施される。より好ましくは、濃縮工程は、PCV-2抗原が第一の液体の体積との比較で4Xから20Xに濃縮されるように実施される。もっとも好ましくは、濃縮工程は、PCV-2抗原が第一の液体の体積との比較で7Xから10Xに濃縮されるように実施される。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここで第一の液体の一部がPCV-2抗原から除去され、さらにここでPCV-2抗原は、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10Xに濃縮される。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換する工程によってPCV-2抗原から除去され、前記工程は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3倍(3X)から50倍(50X)、好ましくは4倍(4X)から20倍(20X)、さらに好ましくは7倍(7X)から10倍(10X)にPCV-2抗原を濃縮する工程を含む。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は、複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径(ポアサイズ)を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぐ。好ましくは、半透膜の平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0016】
さらに別の特徴では、本明細書の方法によって製造されるPCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性は、本方法を実施されていない液体と比較して少なくとも10%低下する。より好ましくは、PCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性は、本方法を実施されていない第一の液体と比較して少なくとも50%低下する。さらに好ましくは、PCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性は、本方法を実施されていない第一の液体と比較して少なくとも70%低下する。
本発明の目的のために、“殺ウイルス活性”という用語は、液体、溶液または組成物を生ウイルスまたは生菌と混合したとき、前記液体、溶液または組成物がそのような生ウイルスまたは生菌をある程度不活化または殺滅することを意味する。したがって、液体、溶液または組成物の殺ウイルス活性の少なくとも10%の低下は、本明細書に記載した方法のいずれかを実施された液体、溶液または組成物中の生ウイルスまたは生菌の生存率が、本明細書に記載した方法のいずれも実施されていない液体、溶液または組成物と比較して90%高いことを意味する。本発明にしたがえば、PRRSウイルス、好ましくはATCCアクセッション番号VR2332を有するPRRSウイルスは、殺ウイルス活性の決定のための参照ウイルスである。細菌に対する殺ウイルス活性を決定するために、マイコプラズマ・ヒオプニューモニア(Mycoplasma hyopneuminia)細菌、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアJ株を使用することが提唱される。
【0017】
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここで、工程ii)の後で得られるPCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性(好ましくはPRRSウイルスに対する殺ウイルス活性)は、第一の液体に対する殺ウイルス活性と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも90%低下する。好ましくは、殺ウイルス活性を有する第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むような態様で好ましくは実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぐ。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0018】
さらに別の特徴では、本方法はさらに、第一の液体の少なくとも一部がPCV-2抗原から除去された後で得られるPCV-2抗原を採集する工程を含む。
本明細書で用いられるように、“採集”または“採集する”とは、PCV-2抗原を収集または回収することを指す。当分野で公知の任意の通常的方法を用いて、抗原が本出願の方法および組成物とともに使用するために生成されているときに、またはPCV-2抗原に本明細書に記載した方法を実施するときにPCV-2抗原を回収することができる。採集の特に好ましい態様では、第一の液体の一部はろ過工程を介してPCV-2抗原から除去され、前記PCV-2抗原はフィルターリタードから回収または採集される。より好ましい形態では、PCV-2抗原は、本明細書に記載した孔径を有する半透膜のリタードから採集もしくは収集または回収される。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここで、工程ii)の後で得られるPCV-2抗原が採集される。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0019】
本明細書で提供した方法を実施した後、好ましくはフィルターリタードから採集された後で残留するPCV-2抗原は、医薬的に許容できる担体、アジュバント(補助薬)、希釈剤、賦形剤および前記の組合せから成る群から選択されるさらに別の成分と混合される。好ましくは、前記さらに別の成分はアジュバントであり、より好ましくは、アジュバントはアクリル酸またはメタクリル酸のポリマーであり、さらに好ましくは、アジュバントはカルボマー(合成高分子量アクリル酸ポリマーのための一般名称)である。
本明細書で用いられるように、“医薬的に許容できる担体”および“獣医的に許容できる担体”には、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、被覆物質、安定化剤、希釈剤、保存料、抗菌および抗カビ剤、等張剤、吸収遅延剤などが含まれる。
本明細書で用いられる“アジュバント”には、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム、サポニン、例えばQuil A、QS-21(Cambridge Biotech Inc., Cambridge MA)、GPI-0100(Galenica Pharmaceuticals, Inc., Birmingham, AL)、油中水エマルジョン、水中油エマルジョン、水中油中水エマルジョンが含まれ得る。前記エマルジョンは、特に軽流動パラフィン(欧州局方タイプ);イソプレノイド油、例えばスクワランまたはスクワレン;アルケン、特にイソブテンまたはデセンのオリゴマー化により生じた油;直鎖アルキル基を含む酸またはアルコールのエステル、より具体的には植物油、エチルオレエート、プロピレングリコールジ-(カプリレート/カプレート)、グリセリルトリ-(カプリレート/カプレート)またはプロピレングリコールジオレエート;分枝脂肪酸またはアルコールのエステル、特にイソステアリン酸エステルが含まれ得る。油は乳化剤と一緒に用いられエマルジョンを形成する。乳化剤は、好ましくは非イオン性界面活性剤、特にソルビタンの、マンニドの(例えばアンヒドロマンニトールオレエート)、グリコールの、ポリグリコールの、ポリグリコールのエステル、およびオレイン酸、イソステアリン酸、リシノール酸またはヒドロキシステアリン酸のエステル(前記はエトキシル化されてある)、並びにポリオキシプロピレン-ポリオキシエチレンコポリマーブロック、具体的にはプルロニック(Pluronic)の製品、特にL121を主成分とすることができる。以下を参照されたい:Hunter et al., The Theory and Practical Application of Adjuvants(Ed.Stewart-Tull, D.E.S.)、JohnWiley and Sons, NY, pp51-94 (1995) およびTodd et al., Vaccine 15:564-570(1997)。例えば、以下の文献("Vaccine Design, The Subunit and Adjuvant Approach" edited by M. Powell and M. Newman, Plenum Press, 1995)の147ページに記載されているSPTエマルジョンおよび同書の183ページに記載されているMF59エマルジョンを使用することが可能である。さらに別の適切なアジュバントにはとりわけRIBIアジュバント系(Ribi Inc.)、ブロックコポリマー(CytRx, Atlanta GA)、SAF-M(Chiron, Emeryville CA)、モノホスホリル脂質A、アブリジン脂質-アミンアジュバント、大腸菌の易熱性内毒素(組換えまたは他の形態)、コレラトキシン、IMS 1314またはムラミルジペプチドが含まれるが、ただしこれらに限定されない。無水マレイン酸およびアルケニル誘導体のコポリマーの中では、EMAコポリマー(Monsanto)(前記は無水マレイン酸とエチレンのコポリマーである)が含まれる。これらのポリマーの水への溶解は酸性溶液を生じ、前記は(好ましくは生理学的pHに)中和されてアジュバント溶液を生じ、その中に免疫原性、免疫学的またはワクチン組成物それ自体が取り込まれるであろう。
【0020】
アジュバントのさらに別の例は、アクリル酸またはメタクリル酸のポリマー並びに無水マレイン酸およびアルケニル誘導体のコポリマーから選択される化合物である。有利なアジュバント化合物はアクリル酸またはメタクリル酸のポリマーであり、前記は、特に糖またはポリアルコールのポリアルケニルエーテルで架橋される。これらの化合物はカルボマーという用語によって知られている(Phameuropa, Vol.8, No.2, June, 1996)。当業者はまた米国特許2,909,462号を参照できる。前記文献は、少なくとも3つのヒドロキシル基(好ましくは8つを越えない)を有し、少なくとも3つのヒドロキシル基の水素原子が不飽和脂肪族ラジカル(少なくとも2つの炭素原子を有する)によって置換されたポリヒドロキシル化化合物で架橋されたアクリル酸ポリマーについて記載している。好ましいラジカルは、2つから4つ炭素原子を含むもの、例えばビニル、アリルおよび他のエチレン系不飽和基である。前記不飽和ラジカルはそれ自体他の置換基、例えばメチルを含んでいてもよい。CARBOPOL(商標)の名称で販売されている製品(BF Goodrich, Ohio, USA)が特に適切である。それらは、ポリアルケニルエーテルもしくはジビニルグリコールにより架橋された、またはアリルシュクロースによりまたはアリルペンタエリトリトールにより架橋されたアクリル酸のポリマーである。それらの中で、特にCARBOPOL(商標)974P、934Pおよび971Pを挙げることができる。CARBOPOL(商標)971Pの使用がもっとも好ましい。
好ましくは、アジュバントは1用量当たり約100μgから約1mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約100μgから約10mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約500μgから約5mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約750μgから約2.5mgの量で添加される。もっとも好ましくは、アジュバントは1用量当たり約1mgの量で添加される。
“希釈剤”には水、食塩水、デキストロース、エタノール、グリセロールなどが含まれる。等張剤には、とりわけ塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトールおよびラクトースが含まれる。安定化剤には、とりわけアルブミンおよびエチレンジアミン四酢酸のアルカリ塩が含まれる。
本明細書で用いられる“保存料”は、抗微生物学的に活性な薬剤、例えばゲンタマイシン、マーチオレートなどを指す。特に保存料の添加はマルチ用量組成物の調製のためにもっとも好ましい。それら抗微生物学的に活性な薬剤は、対象の組成物のいっさいの微生物学的汚染を防ぐために、または対象の組成物におけるいっさいの微生物学的増殖を抑制するために有効な濃度で添加される。
【0021】
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、さらに、工程ii)の後で残留するPCV-2抗原を、医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組み合せから成る群から選択されるさらに別の成分と混合する工程を含む。好ましくは、さらに別の成分はアジュバントであり、さらに好ましくは、アジュバントはアクリル酸またはメタクリル酸のポリマーであり、さらに好ましくは、アジュバントはカルボマーである。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0022】
上記に記載した方法で用いられるPCV-2抗原は本明細書に定義した任意のPCV-2抗原であり得る。好ましくは、PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子、さらに好ましくはINGELVAC CIRCOFLEX(商標)に含まれる抗原を含む。したがって本出願のさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここでPCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。
好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0023】
使用されるPCV-2抗原を含む第一の液体は当分野で公知の任意の方法によって入手できる。好ましくは、PCV-2抗原と同様にPCV-2抗原を含む第一の液体は、国際特許出願WO2006/072065(前記文献の内容および教示は参照により本明細書に含まれる)に記載されている方法のいずれかによって入手できる。特にPCV-2抗原は、宿主細胞でin vitroにて組換えによって発現されるときウイルスベクター、好ましくはバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF-2を含み、これを発現する)を介して入手できる。
PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF-2抗原の発現のためのベクターおよびベクターの作製および/または使用方法は以下に記載された方法によるかまたはそれらと類似であり得る:米国特許4,603,112号、4,769,330号、5,174,993号、5,505,941号、5,338,683号、5,494,807号、4,722,848号、5,942,235号、5,364,773号、5,762,938号、5,770,212号、5,942,235号、382,425号;PCT公開WO 94/16716、WO 96/39491、WO 95/30018;Paoletti, "Applications of pox virus vectors to vaccination: An update, "PNAS USA 93: 11349-11353, October 1996;Moss, "Genetically engineered poxviruses for recombinant gene expression, vaccination, and safety," PNAS USA 93: 11341-11348, October 1996;Smith et al., 米国特許4,745,051号(組換えバキュロウイルス);Richardson, C.D. (Editor), Methods in Molecular Biology 39, "Baculovirus Expression Protocols" (1995 Humana Press Inc.);Smith et al., "Production of Human Beta Interferon in Insect Cells Infected with a Baculovirus Expression Vector”, Molecular and Cellular Biology, Dec., 1983, 3(12):2156-2165;Pennock et al., "Strong and Regulated Expression of Escherichia coli B-Galactosidase in Infect Cells with a Baculovirus vector, "Molecular and Cellular Biology Mar. 1984, 4(3):399-406;EPA0 370 573;米国特許出願No. 920,197(1986年10月16日出願);EP特許公開No. 265785;米国特許4,769,331号(組換えヘルペスウイルス);Roizman, "The function of herpes simplex virus genes: A primer for genetic engineering of novel vectors," PNAS USA 93:11307-11312, October 1996;Andreansky et al., "The application of genetically engineered herpes simplex viruses to the treatment of experimental brain tumors," PNAS USA 93: 11313-11318, October 1996;Robertson et al. "Epstein-Barr virus vectors for gene delivery to B lymphocytes", PNAS USA 93: 11334-11340, October 1996;Frolov et al., "Alphavirus-based expression vectors: Strategies and applications," PNAS USA 93: 11371-11377, October 1996;Kitson et al., J. Virol. 65,3068-3075,1991;米国特許5,591,439号、5,552,143号;WO 98/00166、米国特許出願08/675,556および08/675,566として許可(ともに1996年7月3日出願)(組換えアデノウイルス);Grunhaus et al., 1992,"Adenovirus as cloning vectors," Seminars in Virology (Vol. 3) p. 237-52, 1993;Ballay et al. EMBO Journal, 4:3861-65;Graham, Tibtech 8:85-87, April, 1990;Prevec et al., J. Gen Virol. 70,42434;PCT WO 91/11525;Felgner et al. (1994), J. Biol. Chem. 269:2550-2561;Science, 259: 1745-49:1993およびMcClements et al., "Immunization with DNA vaccines encoding glycoprotein D or glycoprotein B, alone or in combination, induces protective immunity in animal models of herpes simplex virus-2 disease", PNAS USA 93: 11414-11420, October 1996;および米国特許5,591,639号、5,589,466号および5,580,859号並びにWO 90/11092、WO93/19183、WO94/21797、WO95/11307、WO95/20660;Tang et al., NatureおよびFurth et al. Analytical Biochemistry(特にDNA発現ベクターに関する)。以下もまた参照されたい:WO 98/33510;Ju et al., Diabetologia, 41: 736-739,1998(レンチウイルス発現系);Sanford et al., 米国特許4,945,050号;Fischbachet al. (Intracel), WO 90/01543;Robinson et al., seminars in Immunology vol. 9, pp. 271-283, 1997(DNAベクター系);Szoka et al., 米国特許(生細胞にDNAを挿入する方法);McCormick et al., 米国特許5,677,178号(細胞障害性ウイルスの使用);および米国特許5,928,913号(遺伝子デリバリー用ベクター)並びに本明細書に引用した他の文献。昆虫細胞でのPCV-2 ORF2抗原の発現は、例えばWO 06/072065に記載されている。本発明の精製PCV-2 ORF2抗原は当分野で公知のいくつかの方法によって入手できる。好ましい方法は本明細書に記載されたものである。PCV-2 ORF2抗原は、以下の工程を含む方法によって組換えによりin vitroで生成できる:i)PCV2 ORF2コード配列を含む組換えウイルスベクターで培養感受性細胞を感染させる工程(ここでPCV-2 ORF2タンパク質は前記組換えウイルスベクターによって発現される)、およびii)その後で細胞培養からPCV-2 ORF2抗原を回収する工程。PCV-2 ORF2抗原は、PCV-2 ORF2抗原を発現する全(すなわち無傷の)SF+細胞を採集することによって回収される。
【0024】
したがって本出願のさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここでPCV-2抗原は、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2を含み、これを発現する)を介して入手され、さらにPCV-2抗原は、PCV-2のORF2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。ウイルスベクター、特にPCV-2抗原を含みこれを発現する組換えバキュロウイルスがPCV-2抗原の生成/入手に用いられるときは、上記に記載した方法はさらに、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクターを、DNA不活化剤を用いて好ましくは約1から約20mMの二元エチレンイミンの存在下で不活化する工程を含む。好ましくは、不活化工程は、第一の液体の少なくとも一部がPCV-2抗原から除去された後で、より好ましくはPCV-2抗原が採集された後で実施される。さらに好ましくは、不活化工程は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによって、第一の液体の一部がPCV-2抗原から除去された後で実施される。第二の液体に対して第一の液体の一部を交換する工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で好ましくは3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施されるときは、前記不活化工程は、濃縮工程の後で実施される。液体添加工程および濃縮工程が複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施されるときは、不活化工程は最後の液体添加工程および濃縮工程の後で実施される。濃縮工程が、フィルター(好ましくは半透膜を含む)を用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施されるときは、不活化工程は、上記に記載したろ過工程(好ましくは半透膜を用いる)の後で実施される。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる任意の他のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0025】
本発明の目的のために、“DNA不活化剤”は、病原体が、活発な感染を引き起こすことができないか若しくは非感染性であるか、または複製できないが、なお対象者で免疫応答を誘発できるように、DNA(好ましくは病原体のDNA)を脱活性化する化学薬剤を指す。好ましくは、DNA不活化剤はホルマリンである。
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここでPCV-2抗原は、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2を含み、これを発現する)を介して入手され、前記方法はさらに、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクターをDNA不活化剤で、好ましくは二元エチレンイミンの約1から約20mMの存在下で不活化する工程を含み、さらにここで、PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。好ましくは、不活化工程は、第一の液体の少なくとも一部がPCV-2抗原から除去された後で、より好ましくはPCV-2抗原が採集された後で実施される。さらに好ましくは、不活化工程は、第一の液体の一部が、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去された後で実施される。第二の液体に対して第一の液体の一部を交換する工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で好ましくは3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施されるときは、前記不活化工程は濃縮工程の後で実施される。液体添加工程および濃縮工程が複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施されるときは、そのような不活化工程は最後の液体添加工程および濃縮工程の後で実施される。濃縮工程がフィルター(好ましくは半透膜を含む)を用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施されるときは、不活化工程は上記に記載したろ過工程(好ましくは半透膜を用いる)の後で実施される。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる任意の他のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0026】
DNA不活化剤が本発明の方法で用いられる場合は、前記方法はさらに、DNA不活化剤を中和するある量の薬剤を添加する工程を含み、前記の量はDNA不活化剤の量と等価であり、ここで、DNA不活化剤を中和する薬剤は最終濃度が約1から約20mMになるように濃縮されたチオ硫酸ナトリウム溶液であり、DNA不活化剤はBEIである。好ましくは、不活化工程は第一の液体の少なくとも一部がPCV-2抗原から除去された後で実施される。
本明細書で用いられる、“不活化剤を中和する薬剤”または“中和剤”は、当該不活化剤がもはやDNAを不活化できないように上記に記載した不活化剤を中和することができる任意の薬剤を指す。不活化剤を中和する薬剤は好ましくはチオ硫酸ナトリウムである。
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)第一の液体中のPCV-2抗原を入手する工程であって、ここでPCV-2抗原が、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2を含み、これを発現する)を介して入手され、さらにPCV-2抗原が、PCV-2のORF2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む、前記工程;ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程;iii)組換えバキュロウイルスウイルスベクターをDNA不活化剤で、好ましくは二元エチレンイミンの約1から約20mMの存在下で不活化する工程;iv)前記不活化剤を中和するある量の中和剤を添加し、中和剤の量が前記不活化剤の量と等価である工程であって、ここで中和剤が好ましくは最終濃度が好ましくは約1から約20mMになるように濃縮されたチオ硫酸ナトリウム溶液を含み、さらに好ましくは不活化剤がBEIを含む、前記工程を含む。好ましくは、不活化および中和工程は、第一の液体の少なくとも一部がPCV-2抗原から除去された後で、より好ましくはPCV-2抗原が採集された後で実施される。さらに好ましくは、不活化および中和工程は、第一の液体の一部が、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去された後で実施される。第二の液体に対して第一の液体の一部を交換する工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で好ましくは3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施されるときは、前記不活化および中和工程は濃縮工程の後で実施される。液体添加工程および濃縮工程が複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施されるときは、不活化および中和工程は最後の液体添加工程および濃縮工程の後で実施される。濃縮工程が、フィルター(好ましくは半透膜を含む)を用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施されるときは、不活化および中和工程は、上記に記載したろ過工程(好ましくは半透膜を用いる)の後で実施される。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる任意の他のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0027】
本出願のさらに別の特徴では、上記に記載した方法はさらに、医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組み合せから成る群から選択されるさらに別の成分と不活化および中和工程の後で得られたPCV-2抗原を混合する工程を含む。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)第一の液体中のPCV-2抗原を入手する工程であって、ここでPCV-2抗原が、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2を含み、これを発現する)を介して入手され、さらにPCV-2抗原が、PCV-2のORF2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む、前記工程;ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程;iii)組換えバキュロウイルスウイルスベクターをDNA不活化剤で、好ましくは二元エチレンイミンの約1から約20mMの存在下で不活化する工程;iv)前記不活化剤を中和するある量の中和剤を添加し、中和剤の量が前記不活化剤の量と好ましくは等価である工程であって、ここで中和剤が好ましくは最終濃度が好ましくは約1から約20mMになるように濃縮されたチオ硫酸ナトリウム溶液を含み、さらに不活化剤が好ましくはBEIを含む、前記工程;およびv)医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組み合せから成る群から選択されるさらに別の成分と工程iv)で得られたPCV-2抗原を混合する工程を含む。好ましくは、PCV-2抗原は、PCV-2のORF2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。好ましくは工程ii)では、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で好ましくは3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0028】
さらに別の特徴にしたがえば、殺ウイルス活性が低下したPCV-2抗原を得るための上記に記載した方法のいずれも、精製PCV-2抗原を得るためにさらに別の精製工程を含むことができる。驚くべきことに、精製PCV-2抗原を(好ましくはアジュバントと一緒に)含む抗原性または免疫原性組成物は、本明細書に記載したように殺ウイルス活性の低下を示すだけでなく、精製PCV-2抗原を含まない免疫原性組成物(非精製または粗PCV-2抗原を含むことを意味する)と比較して免疫原性の増加もまた示すことが見出された。
【0029】
“精製PCV-2抗原”という用語は、PCV-2抗原が、当該免疫原性組成物中に含まれるタンパク質の全量に対して50%(w/w)を超える、好ましくは60%(w/w)を超える、好ましくは70%(w/w)を超える、好ましくは80%(w/w)を超える、好ましくは85%(w/w)を超える、より好ましくは90%(w/w)を超える、さらに好ましくは95%(w/w)を超える程度に調製物中で精製されていることを意味する。換言すれば、調製物が80%(w/w)の純度のPCV-2抗原を含む場合、そのような調製物は、当該免疫原性組成物中に含まれるタンパク質の全量に対して20%(w/w)未満の非PCV-2タンパク質を含む。好ましくは、純度は、アジュバントもしくは他の任意の賦形剤または不活化剤と混合する前に調製物(すなわち免疫原性組成物)で測定される。しかしながら、最終免疫原性組成物で用いられるアジュバントが非タンパク質系アジュバントである場合、前記アジュバントの添加は純度の値に全く影響を与えない。PCV-2抗原の純度は、当分野で公知の標準的方法、例えばSDS-PAGE分離後のインペリアル・プロテイン・ステイン(Imperial Protein Stain, Pierce)、ガスクロマトグラフィー、HPLC解析などによって概算できる。調製物(すなわち免疫原性組成物)中のPCV-2抗原の純粋さまたは純度を概算するための本発明の好ましい方法はインペリアル・プロテイン・ステイン(Pierce)染色で、前記は以下のように実施される:PCV-2抗原を含む調製物を、NuPAGE MOPS緩衝液系(Invitrogen)を用いてNuPAGE 10% Bis-Trisゲル(Invitrogen)により分離する。ゲルを変性(全緩衝液がその中にSDSを含む)および還元条件(ローディング緩衝液は2-メルカプトエタノールを含む)下で泳動させた。ゲルにサンプルをロードした後、200ボルトの定常状態で55分間ゲルを泳動させた。泳動が完了したら、インペリアル・プロテイン・ステイン(Pierce)を用いてゲルを染色し、さらに製造業者の指示に従って脱染色を実施した。
【0030】
対照的に、“非精製”または“粗”PCV-2抗原はPCV-2抗原を含む粗調製物を指す。PCV-2抗原は通常in vitroで細胞培養により製造される。したがって、粗PCV-2抗原は、PCV-2抗原およびPCV-2抗原製造に用いられた細胞培養または細胞培養材料の混合物を指す。さらにまた、非精製PCV-2抗原は、免疫原性組成物に含まれるタンパク質の全量に対して好ましくは50%(w/w)未満、より好ましくは40%(w/w)未満、さらに好ましくは30%(w/w)未満、さらに好ましくは20%(w/w)未満の純度を有する部分的精製PCV-2抗原もまた意味する。
【0031】
さらにまた、本明細書で用いられる“免疫原性の増加または免疫原性の向上”は、対象の抗原を含む免疫原性組成物によって引き起こされる免疫応答が、この免疫応答が細胞媒介免疫応答であれ抗体媒介免疫応答であれ、異なる抗原または異なる純度の抗原を含む参照免疫原性組成物と比較して増加することを意味する。好ましい実施態様にしたがえば、免疫原性の増加または免疫原性の向上という用語は、対象の抗原を含む免疫原性組成物によって誘引される抗体媒介免疫応答が、異なる抗原または異なる純度の抗原を含む参照免疫原性組成物と比較して増加することを意味する。これに関して、抗体媒介免疫応答は、抗体(対象抗原に特異的である)の産生が、異なる抗原または異なる純度の抗原を含む参照免疫原性組成物によって誘引される抗体産生と比較して増加することを意味する。
“増加”という用語は、細胞媒介および/または抗体媒介免疫応答が、異なる抗原または異なる純度の抗原を含む参照免疫原性組成物によって誘引される細胞媒介および/または抗体媒介免疫応答と比較して、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも75%、もっとも好ましくは少なくとも100%増加することを意味する。
【0032】
細胞媒介および/または抗体媒介免疫応答の測定の仕方は当業者の一般的知識の範囲内である。特に、対象の免疫原性組成物の細胞媒介免疫応答を参照物の細胞免疫応答と比較すること、または対象の免疫原性組成物の抗体媒介免疫応答を参照組成物のそれと比較することは当業者には明白であるが、対象の免疫原性組成物の細胞媒介免疫応答を参照物の抗体免疫応答と比較することまたはその逆は明白ではない。さらにまた細胞媒介免疫応答は、例えば対象の免疫原性組成物/抗原による細胞傷害性T細胞の活性化を測定することによって測定できる。抗体媒介免疫応答は、例えば動物にそのような抗原を含む免疫原性組成物を投与することにより生成された抗原特異的抗体の量を測定することによって測定できる。細胞媒介および/または抗体媒介免疫応答は、例えばマウスモデルを用いることによって測定できる。本発明にしたがえば、マウスモデルは参照方法として用いられる。
“免疫原性組成物”という用語は、対象の抗原に対して宿主で細胞媒介および/または抗体媒介免疫応答を誘引する少なくとも1つの抗原を含む物質の組成物を意味する(ただし前記に限定されない)。通常は、“免疫応答”には1つまたは2つ以上の以下の作用が含まれる(ただしこれらに限定されない):抗体、B細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞および/または細胞傷害性T細胞および/またはガンマ−デルタT細胞(対象の組成物またはワクチンに含まれる1つの抗原または複数の抗原に対して特異的に生成される)の産生または活性化。好ましくは、宿主は、新規感染に対する耐性が強化されるかおよび/または疾患の臨床的重症度が軽減されるような治療的または防御的免疫応答を示すであろう。そのような場合には、免疫原性組成物は“ワクチン”である。そのような防御では、感染宿主が通常示す症状の軽減または消失、より短い回復期間および/または感染宿主におけるウイルス力価の低下が認められるであろう。
【0033】
PCV-2抗原の更なる精製はクロマトグラフィーによる方法、好ましくは二工程クロマトグラフィーによる方法を用いて達成できる。PCV-2抗原がウイルス様粒子(VLP)としてアッセンブリングされる場合、1つの工程(好ましくは第一の工程)は、好ましくはサイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーであり、前記は例えばセファクリルS300マトリックスを用いることによって実施できる。実験室スケールでは、HiPrep26/60セファクリルS300HRカラムの使用がもっとも好ましい。しかしながら、培養ろ液または上清からPCV-2 ORF2 VLPの分離を可能にする、当業者に公知のいずれの他のサイズ排除クロマトグラフィーマトリックスも用いることができる。適切なマトリックスは例えば以下に記載されている:E.L.V. Harris and S. Angel (eds.), Protein purification methods - a practical approach, IRL Press Oxford 1995。ゲルろ過クロマトグラフィーは、例えば、PCV-2抗原を含む粗調製物を1.0mL/分の流速でカラムにロードし、さらに1.5カラム体積の緩衝液(20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTTを含む)で前記カラムを溶出することによって実施できる。しかしながら、PCV-2 ORF2抗原はまた、アフィニティークロマトグラフィーを用い、例えば固定したPCV-2 ORF2特異的抗体との選択的結合により、または当業者に公知の任意の他の方法を用いて精製できる。
【0034】
したがって好ましい実施態様にしたがえば、本発明はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程、およびiii)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を含む工程ii)の採集物をクロマトグラフィーによる方法によって精製する工程を含む。好ましくは、サイズ排除クロマトグラフィーが、本明細書に記載するように、好ましくは実施例3に記載するように実施される。好ましくは、サイズ排除は、アジュバントとの混合前に免疫原性組成物に含まれるタンパク質の全量に対して80%(w/w)を越える、好ましくは90%(w/w)を越える純度を有する免疫原性組成物をもたらす。純度は、NuPAGE MOPS緩衝系(Invitrogen)を用いNuPAGE 10% Bis-Trisゲル(Invitrogen)によるSDS PAGE後のインペリアル・プロテイン・ステイン(Pierce)によって概算できる。
したがって好ましい実施態様にしたがえば、本発明はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程、およびiii)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を含む工程ii)の採集物をサイズ排除クロマトグラフィー(ゲルろ過)によって精製する工程を含む。
【0035】
より高い純度を得るために、第二のクロマトグラフィー工程を実施することができるが、しかしながら前記工程は第一の工程とは異なる。例えば第一の精製工程/クロマトグラフィー工程がサイズ排除(ゲルろ過)である場合は、第二の工程は前記とは異なる、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどであるべきである。好ましくは、PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を精製する第一の工程がサイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーである場合、第二の工程は、イオン交換クロマトグラフィー、好ましくは陰イオン交換クロマトグラフィー(AIEX)であり得る。PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原の精製のために好ましい陰イオン交換クロマトグラフィーマトリックスはQセファロースである。約50mLの小スケールでは、5mLのHiTrap QセファロースHPカラムがもっとも好ましい。陰イオン交換クロマトグラフィーは例えば実施例3に記載するように実施できる。略記すれば、サイズ排除クロマトグラフィー工程に由来する約50mLの空間体積分画プールを流速3.0mL/分でAIEXカラムにロードすることができる。例えば20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTTを用いる、未結合タンパク質除去のための洗浄工程に続いて、タンパク質は以下の緩衝液(20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTT、1.0MのNaCl)の8カラム体積による単工程を用いて溶出させることができる。AIEX操作のフロースルーをQセファロースカラムにロードしなおし、上記に記載したように溶出させて収量を高めることができる。この二工程技術(サイズ排除に続く陰イオン交換クロマトグラフィー)は、PCV-2 ORF2抗原を培養採集物の他のタンパク質成分から効率的に分離する。
【0036】
したがって好ましい実施態様にしたがえば、本発明はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程、およびiii)PCV-2抗原を含む工程ii)の採集物を二工程クロマトグラフィーによって精製する工程を含む。好ましくは、第一のクロマトグラフィー工程は第二の工程とは異なる。第一の工程がサイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーである場合、第二の工程は、イオン交換クロマトグラフィー、好ましくは陰イオン交換クロマトグラフィー(AIEX)であり得る。好ましくは、上記に記載した方法(PCV-2抗原(好ましくはPCV-2 ORF2タンパク質)を得るために1つ以上のさらに別の精製工程を含む)のいずれにおいても、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。好ましい形態では、上記に記載したPCV-2抗原組成物を製造する方法はさらに、i)第一の液体中のPCV-2抗原を入手する工程であって、ここでPCV-2抗原が、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2を含み、これを発現する)を介して入手され、さらにPCV-2抗原が、PCV-2のORF2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む、前記工程;ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程;iii)組換えバキュロウイルスウイルスベクターをDNA不活化剤で、好ましくは二元エチレンイミンの約1から約20mMの存在下で不活化する工程;iv)前記不活化剤を中和するある量の中和剤を添加し、中和剤の量が前記不活化剤の量と等価である工程であって、ここで中和剤が好ましくは最終濃度が好ましくは約1から約20mMになるように濃縮されたチオ硫酸ナトリウム溶液を含み、さらに好ましくは不活化剤がBEIを含む、前記工程;およびv)工程iv)で得られたPCV-2抗原を、医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組合せから成る群から選択されるさらに別の成分と混合する工程を含む。更なる精製、好ましくは二工程精製手法(予備ろ過工程を含む)は、任意のアジュバントとの混合前に免疫原性組成物に含まれるタンパク質の全量に対して80%(w/w)を越える、好ましくは85%(w/w)を越える、より好ましくは90%(w/w)を越える、もっとも好ましくは95%(w/w)を越える純度を有する免疫原性組成物をもたらす。
【0037】
本明細書に記載した方法によって製造されたPCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの1 log TCID50未満または生菌の1 log CFU/mL未満の損失を生じる。より好ましくは、本明細書に記載した方法によって製造されたPCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの0.9 log TCID50/mL未満または生菌の0.9 log CFU/mL未満の損失を生じる。さらに好ましくは、本明細書に記載した方法によって製造されたPCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの0.7 log TCID50/mL未満または生菌の0.7 log CFU/mL未満の損失を生じる。さらに好ましくは、本明細書に記載した方法によって製造されたPCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの0.5 log TCID50/mL未満または生菌の0.5 log CFU/mL未満の損失を生じる。さらに好ましくは、本明細書に記載した方法によって製造されたPCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの0.3 log TCID50/mL未満または生菌の0.3 log CFU/mL未満の損失を生じる。生ウイルスは任意の生ウイルスでよいが、好ましくは、生ウイルスはPRRSウイルス、好ましくはATCCアクセッション番号VR2332を有するPRRSウイルスである。生菌は任意の菌であり得るが、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニア菌、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアのJ株である。TCID50/mLは、生ウイルス量の概算を可能にする標準的なin vitro力価測定アッセイによって概算することができる。CFU/mLもまた、生菌量の概算を可能にする標準的なin vitro力価測定アッセイによって概算することができる。“/mL”という用語は、好ましくは液体の1mLを指す。そのような精製PCV-2抗原は、本明細書に定義したように殺ウイルス活性の低下を示すだけでなく、前記はまた非精製PCV-2抗原と比較して本明細書に定義したように免疫原性の増加もまた示す。好ましくは、そのような精製PCV-2抗原は、非精製PCV-2抗原を含む参照免疫原性組成物によって誘引される細胞媒介および/または抗体媒介免疫応答と比較して、細胞媒介および/または抗体媒介免疫応答を少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも40%、さらに好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも75%、もっとも好ましくは少なくとも100%増加させる。
【0038】
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、PCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含み、ここで、工程ii)の後で得られるPCV-2抗原組成物は、生ウイルス(好ましくはPRRSV)または生菌(好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ)を前記PCV-2抗原組成物と2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えて混合およびインキュベートしたとき、生ウイルス、好ましくはPRRSVの1 log TCID50未満(好ましくは、/mL)、好ましくは0.9 log TCID50未満(好ましくは、/mL)、さらに好ましくは0.7 log TCID50未満(好ましくは、/mL)、さらに好ましくは0.5 log TCID50未満(好ましくは、/mL)、もっとも好ましくは0.3 log TCID50未満(好ましくは、/mL)の損失、または生菌、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエの1 log CFU未満(好ましくは、/mL)、好ましくは0.9 log CFU未満(好ましくは、/mL)、さらに好ましくは0.7 log CFU未満(好ましくは、/mL)、さらに好ましくは0.5 log CFU未満(好ましくは、/mL)、もっとも好ましくは0.3 log CFU未満(好ましくは、/mL)の損失を引き起こす。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。PCV-2抗原が、PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF-2を含み前記を発現するウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクターを介して得られる場合、前記プロセスはさらに、;iii)組換えバキュロウイルスウイルスベクターをDNA不活化剤で、好ましくは二元エチレンイミンの約1から約20mMの存在下で不活化する工程;iv)前記不活化剤を中和するある量の中和剤を添加し、中和剤の量が前記不活化剤の量と等価である工程であって、ここで中和剤が好ましくは最終濃度が好ましくは約1から約20mMになるように濃縮されたチオ硫酸ナトリウム溶液を含み、さらに好ましくは不活化剤がBEIを含む、前記工程を含む。好ましくは、不活化および中和工程は、第一の液体の少なくとも一部がPCV-2抗原から除去された後で、より好ましくはPCV-2抗原が採集された後で実施される。さらに好ましくは、不活化および中和工程は、第一の液体の一部が、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去された後で実施される。第二の液体に対して第一の液体の一部を交換する工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で好ましくは3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施されるときは、前記不活化および中和工程は濃縮工程の後で実施される。液体添加工程および濃縮工程が複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施されるときは、そのような不活化および中和工程は最後の液体添加工程および濃縮工程の後で実施される。濃縮工程が、フィルター(好ましくは半透膜を含む)を用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施されるときは、不活化および中和工程は、上記に記載したろ過工程(好ましくは半透膜を用いる)の後で実施される。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる任意の他のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。好ましくは、本明細書に規定した精製PCV-2抗原を得るためにさらに別の精製工程は、iii)PCV-2抗原(第一の液体の一部を除去した後で得られる)を含む工程ii)の採集物をクロマトグラフィーによって精製する工程を含む。より高い純度を得るために、第二のクロマトグラフィー工程を実施することができる(前記はしかしながら第一のものとは異なる)。例えば第一の精製工程/クロマトグラフィー工程がサイズ排除(ゲルろ過)である場合は、第二の工程は前記とは異なる、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどであるべきである。好ましくは、PCV-2抗原を精製する、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を精製する第一の工程がサイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーである場合、第二の工程は、イオン交換クロマトグラフィー、好ましくは陰イオン交換クロマトグラフィー(AIEX)であり得る。PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原の精製のために好ましい陰イオン交換クロマトグラフィーマトリックスはQセファロースである。約50mLの小スケールでは、5mLのHiTrap QセファロースHPカラムがもっとも好ましい。陰イオン交換クロマトグラフィーは例えば実施例3に記載するように実施できる。略記すれば、サイズ排除クロマトグラフィー工程に由来する約50mLの空間体積分画プールを流速3.0mL/分でAIEXカラムにロードすることができる。例えば20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTTを用いて未結合物質を除去する洗浄工程に続いて、タンパク質は以下の緩衝液(20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTT、1.0MのNaCl)の8カラム体積による単工程により溶出させることができる。AIEX操作のフロースルーをQセファロースカラムにロードしなおし、上記に記載したように溶出させて収量を高めることができる。この二工程技術(サイズ排除に続く陰イオン交換クロマトグラフィー)は、PCV-2 ORF2抗原を培養採集物の他のタンパク質成分から効率的に分離する。
【0039】
上記に記載の方法にしたがって入手されるPCV-2抗原組成物または上記に記載の方法の工程i)で用いられるPCV-2抗原を、少なくとも1つの追加の抗原、好ましくはウイルス抗原または細菌抗原、さらに好ましくはブタで疾患を引き起こす少なくとも1つの他の有機体に由来するウイルス抗原または細菌抗原と一緒にすることができる。前記追加の抗原は国際特許出願WO2007/094893(前記文献の内容および教示は参照により本明細書に含まれる)に記載されたもののいずれか1つであり得る。略記すれば、前記追加の抗原はブタで疾患を引き起こす任意の他の有機体の抗原であり得る。ブタの“疾患を引き起こす別の有機体”は、好ましくは以下から成る群から選択される:アクチノバシルス・プリューロプニューモニア(Actinobacillus pleuropneumonia)(1);アデノウイルス(2);アルファウイルス、例えば西部ウマ脳脊髄炎ウイルス(3);ボルデテーラ・ブロンキセプチカ(Bordetella bronchiseptica)(4);ブラキスピラ(Brachyspira)spp.(5)、好ましくはB.ヒオディエンテリアエ(B. hyodyentheriae)(6);B.ピオシコリ(B. piosicoli)(7)、ブルセラ・スイス(Brucella suis)、好ましくはビオバルス(biovars)1、2および3(8);古典的ブタ熱(9);クロストリジウム(Clostridium)spp.(10)、好ましくはCl.ジフィシル(Cl. difficile)(11)、Cl.パーフリンゲンス(Cl. perfringens)A、BおよびC(12)、Cl.ノビー(Cl. novyi)(13)、Cl.セプチクム(Cl.septicum)(14)、Cl.テタニ(Cl. tetani)(15);コロナウイルス(16)、好ましくは呼吸器コロナウイルス(17);エペリスロズーノシス・スイス(Eperythrozoonosis suis)(18);エリジペロスリックス・リュシオパシアエ(Erysipelothrix rhsiopathiae)(19)、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)(20);ヘモフィルス・パラスイス(Haemophilus parasuis)、好ましくはサブタイプ1、7および14(21)、血球凝集性脳脊髄炎ウイルス(22);日本脳炎ウイルス(23);ローソニア・イントラセルラーリス(Lawsonia intracellularis)(24)、レプトスピラ(Leptospira)spp.(25)、好ましくはレプトスピラ・オーストラリス(Leptospira australis)(26);レプトスピラ・カニコラ(Leptospira canicola)(27);レプトスピラ・グリポッチフォサ(Leptospira grippotyphosa)(28);レプトスピラ・イクテロヘモラジアエ(Leptospira icterohaemorrhagicae)(29);およびレプトスピラ・インテロガンス(Leptospira interrogans)(30);レプトスピラ・ポモナ(Leptospira pomona)(31);レプトスピラ・タラソヴィ(Leptospira tarassovi)(32);マイコバクテリウム(Mycobacterium)spp.(33)、好ましくはM.アビウム(M. avium)(34)、M.イントラセルラレ(M. intracellulare)(35)およびM.ボビス(M.bovis)(36);マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ(Mycoplasma hyopneumoniae)(37);パスツレラ・マルトシダ(Pasteurella multocida)(38);ブタサイトメガロウイルス(39);ブタパルボウイルス(40);ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(41);仮性狂犬病ウイルス(42);ロタウイルス(43);サルモネラspp.(44)、好ましくはS.チフムリウム(S. thyhimurium)(45)およびS.コレラエスイス(S. choleraesuis)(46);スタフィロコッカス・ヒイクス(Staph. hyicus)(47);スタフィロコッカスspp.(48)、好ましくはストレプトコッカス(Streptococcus)spp.(49)、好ましくはストレプトコッカス・スイス(Strep. suis)(50);ブタヘルペスウイルス(51);ブタインフルエンザウイルス(52);ブタポックスウイルス(53);ブタポックスウイルス(54);水疱性口内炎ウイルス(55);ブタ小水疱性発疹ウイルス(56);レプトスピラ・ハルジョー(Leptospira Hardjo)(57);および/またはマイコプラズマ・ヒオシノビアエ(Mycoplasma hyosynoviae)(58)。
【0040】
したがって、本発明のさらに別の特徴にしたがえば、本発明はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)第一の液体中のPCV-2抗原を入手する工程、およびii)PCV-2抗原を少なくとも1つの追加の抗原、好ましくはウイルス抗原または細菌抗原、さらに好ましくはブタで疾患を引き起こす少なくとも1つの他の有機体に由来するウイルス抗原または細菌抗原と一緒にする工程を含む。好ましくは、PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。精製PCV-2抗原を得るために更なる精製を上記に記載したように実施することができる。
【0041】
好ましい形態では、上記に記載のPCV-2抗原組成物の製造方法は、i)第一の液体中のPCV-2抗原を入手する工程であって、ここでPCV-2抗原が、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2を含み、これを発現する)を介して入手され、さらにPCV-2抗原が、PCV-2のORF2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む、前記工程;ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程;iii)組換えバキュロウイルスウイルスベクターをDNA不活化剤で、好ましくは二元エチレンイミンの約1から約20mMの存在下で不活化する工程;iv)前記不活化剤を中和するある量の中和剤を添加し、中和剤の量が前記不活化剤の量と好ましくは等価である工程であって、ここで中和剤が好ましくは最終濃度が好ましくは約1から約20mMになるように濃縮されたチオ硫酸ナトリウム溶液を含み、さらに不活化剤が好ましくはBEIを含む、前記工程;およびv)医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組み合せから成る群から選択されるさらに別の成分と工程iv)で得られたPCV-2抗原を混合する工程を含む。
【0042】
前記方法のさらに別の特徴では、少なくとも1つの追加の抗原は、ウイルス抗原、好ましくはブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス由来の抗原である。さらに好ましくは、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原は、生ウイルス、さらに好ましくは改変生ウイルス、さらに好ましくは改変生弱毒化ウイルスを含む。さらに好ましくは、改変生ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原はATCCアクセッション番号VR2332の改変生ウイルス株を含み、さらに好ましくはINGLVAC(商標)PRRS MLVを含む。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)第一の液体の少なくとも一部を除去する工程、およびPCV-2抗原をブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス由来抗原と一緒にする工程を含む。好ましくは、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原は、生ウイルス、さらに好ましくは改変生ウイルス、さらに好ましくは改変生弱毒化ウイルスを含む。さらに好ましくは、改変生ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原はATCCアクセッション番号VR2332の改変生ウイルス株を含み、さらに好ましくはINGLVAC(商標)PRRS MLVを含む。好ましくは、PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。精製PCV-2抗原を得るために更なる精製を上記に記載したように実施することができる。
【0043】
本出願のさらに別の特徴では、前記少なくとも1つの追加の抗原は、細菌抗原、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエである。好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原はバクテリンであり、より好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエバクテリンはINGELVAC(商標)MYCOFLEXである。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)第一の液体の少なくとも一部を除去する工程、およびPCV-2抗原を細菌抗原、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエと一緒にする工程を含む。好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原はバクテリンであり、より好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエバクテリンはINGELVAC(商標)MYCOFLEXである。好ましくは、PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。精製PCV-2抗原を得るために更なる精製を上記に記載したように実施することができる。
【0044】
本出願のさらに別の特徴では、前記少なくとも1つの追加の抗原は、上記に記載したようにウイルス抗原、好ましくはブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原、および上記に記載したように細菌抗原、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原を含む。好ましくは、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原は、生ウイルス、より好ましくは改変生ウイルスを含み、さらに好ましくはATCCアクセッション番号VR2332の改変生ウイルス株を含み、さらに好ましくはINGLVAC(商標)PRRS MLVを含む。好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原はバクテリンであり、より好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエバクテリンはINGELVAC(商標)MYCOFLEXである。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供し、前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)第一の液体の少なくとも一部を除去する工程、およびPCV-2抗原を、上記に記載したウイルス抗原、好ましくはブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原、および上記に記載した細菌抗原、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原と一緒にする工程を含む。好ましくは、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原は、生ウイルス、より好ましくは改変生ウイルスを含み、さらに好ましくはATCCアクセッション番号VR2332の改変生ウイルス株を含み、さらに好ましくはINGLVAC(商標)PRRS MLVを含む。好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原はバクテリンであり、より好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエバクテリンはINGELVAC(商標)MYCOFLEXである。好ましくは、PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、液体添加工程は、上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。精製PCV-2抗原を得るために更なる精製を上記に記載したように実施することができる。
【0045】
本出願はPCV-2抗原組成物を製造する方法を提供するだけでなく、前記はまたPCV-2抗原組成物にも関する。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本特許出願はさらに以下のような特徴を有するPCV-2抗原組成物を提供する:本PCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの1 log TCID50未満または生菌の1 log CFU/mL未満の損失を生じる。さらに好ましくは、本明細書に記載した方法によって製造したPCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの損失または生菌の0.9 log CFU/mL未満の損失を生じる。さらに好ましくは、本PCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの0.7 log TCID50未満または生菌の0.7 log CFU/mL未満の損失を生じる。さらに好ましくは、本PCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの0.5 log TCID50未満または生菌の0.5 log CFU/mL未満の損失を生じる。さらに好ましくは、、本PCV-2抗原組成物は、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成と混合し、2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えてインキュベートしたとき、生ウイルスの0.3 log TCID50未満または生菌の0.3 log CFU/mL未満の損失を生じる。前記生ウイルスは任意の生ウイルスであり得るが、好ましくは、前記ウイルスはPRRSウイルス、好ましくはATCCアクセッション番号VR2332を有するPRRSウイルスである。前記生菌は任意の菌であり得るが、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニア菌、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアのJ株である。TCID50/mLは、生ウイルス量の概算を可能にする標準的なin vitro力価測定アッセイによって概算することができる。CFU/mLもまた、生菌量の概算を可能にする標準的なin vitro力価測定アッセイによって概算することができる。“/mL”という用語は、好ましくは液体の1mLを指す。
さらに別の特徴では、上記に記載したPCV-2抗原組成物は、医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組合せから成る群から選択されるさらに別の成分を含む。好ましくは、さらに別の成分はアジュバントであり、さらに好ましくは、アジュバントはアクリル酸またはメタクリル酸のポリマーであり、さらに好ましくは、アジュバントはカルボマーである。好ましくは、アジュバントは1用量当たり約100μgから約10mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約100μgから約10mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約500μgから約5mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約750μgから約2.5mgの量で添加される。もっとも好ましくは、アジュバントは1用量当たり約1mgの量で添加される。
【0046】
本出願は、上記に規定したPCV-2抗原組成物を製造する方法および/またはPCV-2抗原組成物を提供するだけでなく、前記はまた本明細書に記載した方法のいずれかによって入手できるPCV-2抗原組成物にも関する。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含む方法によって入手されるPCV-2抗原組成物に関する。好ましくは、PCV-2抗原はPCV-2抗原組成物としてまたはPCV-2抗原組成物中で用いられる。“本明細書で提供される方法によって入手されるPCV-2抗原組成物”という用語はまた、前記PCV-2抗原組成物が本明細書で提供される方法によって入手できることを意味する。さらに別の特徴にしたがえば、本出願はまた、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することにより(ここで第二の液体は第一の液体とは異なる)、PCV-2抗原から第一の液体の一部を除去する工程によって入手されるPCV-2抗原組成物に関する。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含む方法によって入手されるPCV-2抗原組成物に関し、ここで第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することにより(ここで第二の液体は第一の液体とは異なる)、PCV-2抗原から除去される。好ましくは、第一の液体の一部を第二の液体と交換する工程は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含む。
【0047】
さらに別の特徴にしたがえば、PCV-2抗原組成物は、好ましくはフィルターを用いるろ過工程によってPCV-2抗原から第一の液体の一部を除去する方法によって入手される。しかしながら、当業者に公知の任意の他の方法、例えば遠心および/またはクロマトグラフィーを用いて、第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去してもよい。しかしながらろ過がもっとも好ましい。第一の液体の一部を除去するために好ましいろ過方法は限外-および/または透析-ろ過を含む。本明細書に記載した方法の濃縮工程および液体添加工程は実質的に同時に実施できるが、また別には濃縮工程および液体添加工程は連続して実施される。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含む方法によって入手されるPCV-2抗原組成物に関し、ここで第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することにより(ここで第二の液体は第一の液体とは異なる)、PCV-2抗原から除去される。好ましくは、第一の液体の一部を第二の液体と交換する工程は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含み、ここで液体添加工程は実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施される場合、前記工程の順番は問題ではない。例えばさらに別の特徴では、液体添加工程は濃縮工程の前に存在し、また別の特徴では、濃縮工程は液体添加工程の前に存在する。
さらに別の特徴では、本出願は本明細書に記載した方法を用いて入手できるPCV-2抗原組成物に関し、ここで液体添加工程および濃縮工程は、それらが実施される順番に関係なく複数回実施され得る。例えば、これらそれぞれの工程の各々は少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも10回、所望の回数まで実施することができる。ある特徴では、濃縮工程および液体添加工程は各々少なくとも2回実施される。別の特徴では、濃縮工程および液体添加工程は各々少なくとも3回実施される。
【0048】
本出願のさらに別の特徴では、本発明のPCV-2抗原組成物は上記に記載したように入手され、ここでは、ろ過が、第一の液体の一部を、または上記に記載したように除去工程が複数回の場合には第一および第二の液体の混合物の一部をPCV-2抗原から除去するために好ましい方法である。フィルターは当分野で通常的な任意のフィルターであり得る。好ましくは、フィルターは半透膜を含む。さらに別の好ましい形態では、半透膜は、PCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、それによって少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、PCV-2抗原をフィルターによって保持する。さらに別の特徴では、フィルターはサイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ平均孔径を有し、より好ましくは、フィルターはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ平均孔径を有し、もっとも好ましくは、フィルターはサイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ平均孔径を有する。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。さらにまた別の特徴では、半透膜はポリスルフォン、ポリエーテルスルフォンおよび再生セルロースから成る群から選択される素材を含む。しかしながら、PCV-2抗原から第一の液体の一部の除去、または複数のプロセス工程の場合には第一および第二の液体の混合物の除去を可能にする任意の他の素材を用いることができる。さらに別の特徴では、フィルターは、中空繊維膜限外ろ過カートリッジ、フラットシートまたはカセットから成る群から選択され、中空繊維膜限外ろ過カートリッジが特に好ましい。
【0049】
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、上記に記載した方法を用いて入手されるPCV-2抗原組成物に関し、ここで前記フィルターは、好ましくは半透膜であるかまたは半透膜を含む。好ましくは、半透膜は、PCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぐ。好ましくは、半透膜の平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。上記に記載したように、除去工程は、一般的には第二の液体の一部に対し第一の液体の一部の交換を含み、前記は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによってPCV-2抗原を濃縮する工程を含み、ここで液体添加工程および濃縮工程は、複数回(例えば2回、3回、5回、10回など)実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は2回、もっとも好ましくは3回実施される。
【0050】
PCV-2抗原組成物を入手するために本明細書で提供される方法の濃縮工程は、PCV-2抗原が第一の液体の体積との比較で3Xから50Xに濃縮されるように実施される。より好ましくは、濃縮工程は、PCV-2抗原が第一の液体の体積との比較で4Xから20Xに濃縮されるように実施される。もっとも好ましくは、濃縮工程は、PCV-2抗原が第一の液体の体積との比較で7Xから10Xに濃縮されるように実施される。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、上記に記載した方法によって入手されるPCV-2抗原組成物に関し、ここでPCV-2抗原は、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10Xに濃縮される。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去され、前記交換工程は、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で3Xから50X、好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含む。好ましくは、液体添加工程は、濃縮工程と実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施される場合、前記工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぐ。好ましくは、半透膜の平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0051】
本明細書に規定した精製PCV-2抗原を含むPCV-2抗原組成物を得るための更なる精製は、iii)PCV-2抗原を含む工程ii)の採集物(第一の液体の一部を除去した後で入手される)のクロマトグラフィー工程による精製を含む更なる精製工程(本明細書に記載した任意の方法における工程)を実施することによって達成できる。より高い純度を得るために、第二のクロマトグラフィーを実施することができるが、前記第二のクロマトグラフィーは第一のクロマトグラフィーとは異なる。例えば第一の精製工程/クロマトグラフィー工程がサイズ排除(ゲルろ過)である場合は、第二の工程は前記とは異なる、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどであるべきである。好ましくは、PCV-2抗原を精製するための、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を精製するための第一の工程がサイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーである場合、第二の工程は、イオン交換クロマトグラフィー、好ましくは陰イオン交換クロマトグラフィー(AIEX)であり得る。PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原の精製のために好ましい陰イオン交換クロマトグラフィーマトリックスはQセファロースである。約50mLの小スケールでは、5mLのHiTrap QセファロースHPカラムがもっとも好ましい。陰イオン交換クロマトグラフィーは例えば実施例3に記載するように実施できる。略記すれば、サイズ排除クロマトグラフィー工程に由来する約50mLの空間体積分画プールを流速3.0mL/分でAIEXカラムにロードすることができる。例えば20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTTを用いる、未結合タンパク質除去のための洗浄工程に続いて、タンパク質は以下の緩衝液(20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTT、1.0MのNaCl)の8カラム体積による単工程を用いて溶出させることができる。AIEX操作のフロースルーをQセファロースカラムにロードしなおし、上記に記載したように溶出させて収量を高めることができる。この二工程技術(サイズ排除に続く陰イオン交換クロマトグラフィー)は、PCV-2 ORF2抗原を培養採集物の他のタンパク質成分から効率的に分離する。
【0052】
さらに別の特徴では、本明細書に記載した方法によって製造されるPCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性は、本方法を実施されていない液体と比較して少なくとも10%低下する。より好ましくは、PCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性は、本方法を実施されていない第一の液体と比較して少なくとも50%低下する。さらに好ましくは、PCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性は、本方法を実施されていない第一の液体と比較して少なくとも70%低下する。
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含む方法によって入手されるPCV-2抗原組成物に関し、ここで工程ii)の後で入手されるPCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性(好ましくはPRRSウイルスに対する殺ウイルス活性)は、第一の液体の殺ウイルス活性と比較して少なくとも10%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも90%低下する。好ましくは、殺ウイルス活性を有する第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換することによってPCV-2抗原から除去される。前記交換工程は、前記工程が、a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で好ましくは3Xから50X、より好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように好ましくは実施される。好ましくは、液体添加工程は、上記に記載したように濃縮工程と実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぐ。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる他の任意のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。精製PCV-2抗原を入手するために更なる精製を上記に記載するように実施することができる。
【0053】
さらに別の特徴にしたがえば、本出願は、本明細書に記載した方法によって入手されるPCV-2抗原組成物に関し、ここで前記PCV-2抗原組成物は、生ウイルス(好ましくはPRRSV)または生菌(好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ)を前記PCV-2抗原組成物と2時間以上、好ましくは4時間を越えて、さらに好ましくは12時間を越えて、さらに好ましくは24時間を越えて、さらに好ましくは2日を越えて、さらに好ましくは4日を越えて、さらに好ましくは7日を越えて、さらに好ましくは2週間を越えて、さらに好ましくは4週間を越えて、さらに好ましくは2カ月を越えて、さらに好ましくは3カ月を越えて、さらに好ましくは4カ月を越えて、さらに好ましくは6カ月を越えて、さらに好ましくは9カ月を越えて、さらに好ましくは12カ月を越えて、さらに好ましくは18カ月を越えて、もっとも好ましくは2年を越えて混合およびインキュベートしたとき、生ウイルス、好ましくは生PRRSVの1 log TCID50未満(好ましくは、/mL)、好ましくは0.9 log TCID50未満(好ましくは、/mL)、さらに好ましくは0.7 log TCID50未満(好ましくは、/mL)、さらに好ましくは0.5 log TCID50未満(好ましくは、/mL)、もっとも好ましくは0.3 log TCID50未満(好ましくは、/mL)の損失、または生菌、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエの1 log CFU未満(好ましくは、/mL)、好ましくは0.9 log CFU未満(好ましくは、/mL)、さらに好ましくは0.7 log CFU未満(好ましくは、/mL)、さらに好ましくは0.5 log CFU未満(好ましくは、/mL)、もっとも好ましくは0.3 log CFU未満(好ましくは、/mL)の損失をもたらす。生ウイルスは任意の生ウイルスでよいが、好ましくは、生ウイルスはPRRSウイルス、好ましくはATCCアクセッション番号VR2332を有するPRRSウイルスである。生菌は任意の菌であり得るが、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニア菌、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアのJ株である。TCID50/mLは、生ウイルス量の概算を可能にする標準的なin vitro力価測定アッセイによって概算することができる。CFU/mLもまた、生菌量の概算を可能にする標準的なin vitro力価測定アッセイによって概算することができる。“/mL”という用語は、好ましくは液体の1mLを指す。
【0054】
さらに別の特徴にしたがえば、本特許出願は、上記に記載した方法であってさらに工程ii)の後で残留するPCV-2抗原を採集する工程をさらに含む方法によって入手されるPCV-2抗原組成物に関する。この採集工程は任意の通常的な態様で実施することができる。特に好ましい採集態様では、第一の液体の一部はろ過工程を介してPCV-2抗原から除去され、PCV-2抗原はフィルターリタードから回収または採集される。
さらに別の特徴では、本明細書に記載した方法のいずれかによって入手されるPCV-2抗原組成物は、医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組合せから成る群から選択されるさらに別の成分と混合される。好ましくは、前記さらに別の成分はアジュバントであり、さらに好ましくは、アジュバントはアクリル酸またはメタクリル酸のポリマーであり、さらに好ましくは、アジュバントはカルボマーである。
したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、上記に記載した方法であって、本明細書に記載した方法により入手されるPCV-2抗原を、医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組合せから成る群から選択されるさらに別の成分と混合する工程をさらに含む方法によって入手されるPCV-2抗原組成物を提供する。好ましくは、前記さらに別の成分はアジュバントであり、さらに好ましくは、アジュバントはアクリル酸またはメタクリル酸のポリマーであり、さらに好ましくは、アジュバントはカルボマーである。好ましくは、アジュバントは1用量当たり約100μgから約10mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約100μgから約10mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約500μgから約5mgの量で添加される。さらに好ましくは、アジュバントは1用量当たり約750μgから約2.5mgの量で添加される。もっとも好ましくは、アジュバントは1用量当たり約1mgの量で添加される。
【0055】
さらに別の特徴では、上記に記載したPCV-2抗原組成物は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。したがって本出願のさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、上記に記載した方法によって入手されるPCV-2抗原組成物を提供し、ここで前記PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。
上記に記載したように、本明細書に記載した方法で用いられるPCV-2抗原は当分野で公知の任意の方法によって入手できる。好ましくは、PCV-2抗原は、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF-2を含み、これを発現する)を介して入手される。好ましい形態では、PCV-2抗原は、WO2006/072065(前記文献の教示および内容は以前に参照により本明細書に含まれた)に記載された方法にしたがって入手される。したがって本出願のさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、上記に記載した方法によって入手されるPCV-2抗原組成物を提供し、ここで前記PCV-2抗原は、ウイルスベクター、好ましくは組換えバキュロウイルスウイルスベクター(PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF-2を含み、これを発現する)を介して入手され、さらに前記PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。
【0056】
本出願のさらに別の特徴では、PCV-2抗原組成物は、上記に記載の方法によって入手されるが、前記方法はさらに、組換えバキュロウイルスウイルスベクターをDNA不活化剤、好ましくは約1から約20mMの二元エチレンイミンの存在下で不活化する工程を含む。好ましい形態では、前記方法はさらに、DNA不活化剤を中和するある量の薬剤を添加する工程を含み、前記の量はDNA不活化剤の量と等価であり、ここで、DNA不活化剤を中和する薬剤は最終濃度が約1から約20mMになるように濃縮されたチオ硫酸ナトリウム溶液であり、DNA不活化剤はBEIである。好ましくは、不活化工程は第一の液体の少なくとも一部がPCV-2抗原から除去された後で実施される。
本出願のさらに別の特徴では、PCV-2抗原組成物は、上記に記載の方法であってさらに不活化および中和工程の後で入手されるPCV-2抗原を混合する工程を含む方法によって入手される。したがってさらに別の特徴にしたがえば、本出願は、上記に記載の方法によって入手されるPCV-2抗原組成物を提供するが、前記方法は、i)第一の液体中のPCV-2抗原を入手する工程;ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程;iii)組換えバキュロウイルスウイルスベクターをDNA不活化剤で、好ましくは二元エチレンイミンの約1から約20mMの存在下で不活化する工程;iv)前記不活化剤を中和するある量の中和剤を添加し、中和剤の量が前記不活化剤の量と等価である工程であって、ここで中和剤が好ましくは最終濃度が好ましくは約1から約20mMになるように濃縮されたチオ硫酸ナトリウム溶液を含み、好ましくは不活化剤がBEIを含む、前記工程;および好ましくは、v)工程iv)の後で入手されるPCV-2抗原を、医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組合せから成る群から選択されるさらに別の成分と混合することを含む工程を含む。
【0057】
本出願のさらに別の特徴では、上記に記載したPCV-2抗原組成物(好ましくは上記に記載の方法によって入手される)はさらに、少なくとも1つの追加の抗原、好ましくはウイルス抗原または細菌抗原、より好ましくはブタで疾患を引き起こす少なくとも1つの他の有機体に由来するウイルス抗原または細菌抗原を含む。さらに別の特徴では、前記少なくとも1つの追加の抗原はブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルスである。さらに好ましくは、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原は、生ウイルス、さらに好ましくは改変生ウイルスを含む。さらに好ましくは、前記改変生ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原はATCCアクセッション番号VR2332の改変生ウイルス株を含み、さらに好ましくはINGLVAC(商標)PRRS MLVを含む。本出願のさらに別の特徴では、前記少なくとも1つの追加の抗原はマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエである。好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原はバクテリンであり、より好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエバクテリンはINGELVAC(商標)MYCOFLEXである。本出願のさらに別の特徴では、上記に記載したPCV-2抗原組成物(好ましくは上記に記載の方法によって入手される)はさらに、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原、好ましくは改変生ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス、さらに好ましくはATCCアクセッション番号VR2332を有するブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス、またはINGLVAC(商標)PRRS MLVもしくはINGLVAC(商標)PRRS ATPに含まれるブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルスを含む。本出願のさらに別の特徴では、上記に記載したPCV-2抗原組成物(好ましくは上記に記載の方法によって入手される)はさらに、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ、好ましくはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエバクテリン、より好ましくはINGELVAC(商標)MYCOFLEX、またはINGELVAC(商標)MYCOFLEXに含まれるマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエバクテリンを含む。さらに別の特徴では、本明細書に記載したPCV-2抗原組成は、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(好ましくは前記に記載したもののいずれか1つ)およびマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ(好ましくは前記に記載したもののいずれか1つ)を含む。
【0058】
上記に記載したブタで疾患を引き起こす少なくとも1つの他の有機体に由来する少なくとも1つの追加の抗原、好ましくはブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルスおよび/またはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原を含むPCV-2抗原組成が本明細書に記載した方法によって入手されるとき、前記方法は、i)第一の液体中のPCV-2抗原を含む工程、ii)第一の液体の少なくとも一部を除去する工程、およびPCV-2抗原を少なくとも1つの追加の抗原、好ましくはウイルス抗原または細菌抗原、より好ましくはブタで疾患を引き起こす少なくとも1つの他の有機体に由来するウイルス抗原または細菌抗原一緒にする工程を含む。好ましくは、PCV-2抗原は、PCV-2のORF-2タンパク質、より好ましくはPCV-2の組換えORF-2タンパク質、さらに好ましくはORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む。好ましくは、第一の液体の一部は、第二の液体に対して第一の液体の一部を交換する工程によってPCV-2抗原から除去される。好ましくは、前記交換工程は、前記工程がa)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加する工程;およびb)第一および第二の液体の一部をPCV-2抗原から除去することによって、第一の液体の体積との比較で好ましくは3Xから50X、さらに好ましくは4Xから20X、さらに好ましくは7Xから10XにPCV-2抗原を濃縮する工程を含むように実施される。好ましくは、液体添加工程および濃縮工程は、複数回、好ましくは2回、さらに好ましくは3回実施される。そのような場合には、第一の液体が除去されるだけでなく、第一および第二の液体の混合物もまた除去される。好ましくは、各液体添加工程は上記に記載したように実質的に同時にまたは連続して実施される。濃縮工程および液体添加工程が連続して実施されるとき、工程の順番は問題ではない。さらにまた好ましくは、濃縮工程は、フィルターを用いてろ過(好ましくは透析-および/または限外-ろ過)によって実施され、前記フィルターは好ましくは半透膜を含む。好ましくは、半透膜はPCV-2抗原より小さい平均孔径を有し、少なくとも90%のPCV-2抗原の半透膜孔の通過を防ぎ、採集または回収のためにフィルター内にPCV-2抗原を保持する。好ましくは、半透膜または本明細書で用いられる任意の他のフィルターの平均孔径は、サイズが50kDaから500kDaのタンパク質の少なくとも90%、より好ましくはサイズが75kDaから400kDaのタンパク質の少なくとも90%、もっとも好ましくは、サイズが100kDaから300kDaのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ。この孔径は、PCV-2抗原が全ウイルスとしてまたはウイルス様粒子として生成される場合に好ましい。
【0059】
上記に定義した本発明は、PCV-2抗原およびPCV-2抗原を含む免疫原性組成物を製造する新規な方法を提供し、ここで前記PCV-2抗原は殺ウイルス活性の低下および/または免疫原性の増加(それぞれ本明細書に定義されている)を示す。前記方法は、i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程、ii)PCV-2抗原から第一の液体の少なくとも一部を除去する工程を含む。さらにまた本発明は、PCV-2抗原とともにそのようなPCV-2抗原を含む免疫原性組成物(殺ウイルス活性の低下および/または免疫原性の増加(それぞれ本明細書に定義されている)を示す)もまた提供する。さらに別の特徴にしたがえば、PCV-2抗原とともに精製PCV-2抗原を含む免疫原性組成物(殺ウイルス活性の低下および/または免疫原性の増加(それぞれ本明細書に定義されている)を示す)もまた別に以下の方法(II)によって入手できる。本発明の精製PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原は、PCV-2ウイルス調製物の精製によって、特に全ウイルスの精製によって入手できる。全ウイルス調製物は例えばWO99/18214またはWO03/049703に記載されている。さらにまた、精製PCV-2抗原は、組換え体発現PCV-2抗原の精製によって、好ましくは組換えPCV-2 ORF2抗原の精製によってもまた入手できる。組換えPCV-2抗原の製造用、好ましくは組換えPCV-2 ORF2抗原の製造用発現系は当分野で周知であり、細菌発現系、酵母発現系、昆虫細胞または哺乳動物細胞発現系が含まれるが、ただしこれらに限定されない。PCV-2抗原の発現のためのベクター(または組換え体)およびベクターの作製および/または使用方法は、本明細書の別の箇所に記載されている。
【0060】
好ましい細胞は、適切な組換えウイルスベクター(PCV-2 ORF2 DNAを含み、PCV-2 ORF-2タンパク質を発現する)による感染に感受性を有するものである。好ましくは、前記細胞は昆虫細胞であり、より好ましくは、それらにはSF+昆虫細胞(Protein Sciences Corporation, Meriden, CT)の商標で販売されている昆虫細胞が含まれる。好ましい細胞培養は、約0.3−2.0x106細胞/mL、より好ましくは約0.35−1.9x106細胞/mL、さらに好ましくは約0.4−1.8x106細胞/mL、さらに好ましくは約0.45−1.7x106細胞/mL、もっとも好ましくは約0.5−1.5x106細胞/mLの細胞計測数を有する。
好ましいウイルスベクターには、特に製造細胞が昆虫細胞であることを前提としてバキュロウイルス、例えばBaculoGold(BD Biosciences Pharmingen, San Diego, CA)が含まれる。前記バキュロウイルス発現系が好ましいが、他の発現系(上記に記載したものを含む)も本発明の目的のために(すなわちPCV-2 ORF2抗原の発現のために)機能するであろうということは、当業者には理解されよう。
適切な増殖培養液もまた当業者が決定できるが、好ましい増殖培養液は無血清昆虫細胞培養液、例えばExcell 420(JRH Biosciences, Inc., Lenexa, KS)などである。
PCV-2 ORF2 DNA配列を含む組換えウイルスベクターは、前記感受性細胞の感染に用いられるときは、好ましくは約0.03−1.5、より好ましくは約0.05−1.3、さらに好ましくは約0.09−1.1、もっとも好ましくは約0.1−1.0の感染数(multiplicity of infection, MOI)を有する。好ましくは、上記で述べたMOIは細胞培養液1mL当たりに対応する。好ましくは、本明細書に記載した方法は、約0.35−1.9x106細胞/mL、さらに好ましくは約0.4−1.8x106細胞/mL、さらに好ましくは約0.45−1.7x106細胞/mL、もっとも好ましくは約0.5−1.5x106細胞/mLを組換えウイルスベクター(PCV-2 ORF2 DNAを含み、PCV-2 ORF-2タンパク質を発現する)でMOI(感染数)約0.03−1.5、より好ましくは約0.05−1.3、さらに好ましくは約0.09−1.1、もっとも好ましくは約0.1−1.0により感染させる工程を含む。
【0061】
続いて感染細胞を、10日までの期間にわたって、より好ましくは約2日から約10日まで、さらに好ましくは約4日から約9日、もっとも好ましくは約5日から約8日までインキュベートする。好ましいインキュベーション条件は、約22℃−32℃、より好ましくは約24℃−30℃、さらに好ましくは約25℃−29℃、さらに好ましくは約26℃−28℃、もっとも好ましくは約27℃の温度を含む。好ましくは、接種後SF+細胞を特徴的なバキュロウイルス誘発変化について観察する。そのような観察は、感染後期間における細胞密度の動向および生存率の低下のモニタリングを含む。ウイルス力価のピークは感染後3−5日に観察され、細胞内のPCV-2 ORF2抗原の生成のピークは感染後5日から8日または細胞生存率が10%未満に低下したときに認められることが判明した。
PCV-2 ORF2抗原は、採集物から当業者に公知の標準的方法、例えば以下の文献に記載された方法によって精製できる:Protein purification methods - a practical approach ;E.L.V. Harris and S. Angal, eds., IRL Press at Oxford University Press。これらの方法には、遠心および/またはろ過による分離、沈殿、サイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、金属キレートクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、共有結合クロマトグラフィー、疎水性作用クロマトグラフィーなどが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原の回収プロセスは、好ましくは発現されたPCV-2 ORF2抗原から分離工程により細胞屑を分離することから始まる。好ましい分離工程は、ろ過、約20,000xgまでの速度での遠心、持続フロー遠心、イオン交換またはゲルろ過を用いるクロマトグラフィーによる分離、および通常的な免疫親和性方法を含む。これらの方法は例えば以下の文献から当業者には公知である:E.L.V. Harris and S. Angel (eds.), Protein purification methods - a practical approach, IRL Press Oxford 1995。もっとも好ましい分離工程は、約20,000xgまでの速度での遠心およびろ過を含む。好ましいろ過方法は、盲端マイクロフィルトレーションおよびタンジェンシャルフロー(または交差流)ろ過(中空繊維ろ過盲端マイクロフィルトレーションを含む)を含む。これらのうちで、盲端マイクロフィルトレーションが好ましい。盲端マイクロフィルトレーションのための好ましい孔径は約0.30−1.35μm、より好ましくは約0.35−1.25μm、、さらに好ましくは約0.40−1.1μm、もっとも好ましくは約0.45−1.0μmである。通常的な任意のろ過膜が本発明の目的のために機能すると考えられ、ポリエーテルスルホン酸が好ましい。ろ過工程中に低分子量核酸はいずれも除去される。
【0062】
PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原の更なる精製は、クロマトグラフィー方法、好ましくは二工程クロマトグラフィー方法を用いて達成できる。しかしながら、ローディング物質が細胞屑を含まない場合にはクロマトグラフィー方法から開始することもまた可能である。
PCV-2抗原がアッセンブリングされてウイルス様粒子(VLP)を形成する場合、第一の工程はサイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーであり、前記は例えばセファクリル(Sephacryl)S300マトリックスを用いることによって実施できる。実験室スケールでは、HiPrep 26/60セファクリルS300HRカラムの使用がもっとも好ましい。しかしながら、当業者に公知の他の任意のサイズ排除クロマトグラフィーマトリックスを用いてもよい(前記は培養ろ液または上清からPCV-2 ORF2 VLPの分離を可能にする)。適切なマトリックスは例えば以下に記載されている:E.L.V. Harris and S. Angel (eds.), Protein purification methods - a practical approach, IRL Press Oxford 1995。ゲルろ過クロマトグラフィーは、例えばPCV-2抗原を含む粗調製物を1.0mL/分の流速でカラムにロードし、さらに1.5カラム体積の緩衝液(20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTTを含む)で前記カラムを溶出することによって実施することができる。しかしながら、PCV-2 ORF2抗原はまた、アフィニティークロマトグラフィーを用い、例えば固定したPCV-2 ORF2特異的抗体との選択的結合により、または当業者に公知の任意の他の方法を用いて精製してもよい。
【0063】
したがって好ましい実施態様にしたがえば、精製PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2 ORF2抗原およびアジュバントを含む免疫原性組成物は、以下の工程を含むプロセスによって入手できる:
a)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を宿主細胞で発現させる工程;
b)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を得た宿主培養を採集する工程;
c)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を含む採集物をサイズ排除クロマトグラフィー(ゲルろ過)によって精製する工程;
d)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原をアジュバントと混合する工程。
好ましい実施態様にしたがえば、サイズ排除クロマトグラフィーは本明細書に記載したように、好ましくは実施例3に記載したように実施される。好ましくは、サイズ排除クロマトグラフィーは、アジュバントとの混合前に、当該免疫原性組成物中に含まれるタンパク質の全量に対して純度が80%(w/w)を超える、好ましくは90%(w/w)を超える免疫原性組成物をもたらす。純度は、NuPAGE MOPS緩衝液系(Invitrogen)を用いてNuPAGE 10% Bis-Trisゲル(Invitrogen)によるSDS-PAGE後のインペリアル・プロテイン・ステイン(Pierce)染色によって概算できる。
より高い純度を得るために、第二のクロマトグラフィー工程を実施できるが、前記は第一のクロマトグラフィーとは異なる。例えば第一の精製工程/クロマトグラフィー工程がサイズ排除(ゲルろ過)である場合は、第二の工程は前記とは異なる、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどであるべきである。
【0064】
好ましくは、PCV-2抗原を精製するための、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を精製するための第一の工程がサイズ排除(ゲルろ過)クロマトグラフィーである場合、第二の工程は、イオン交換クロマトグラフィー、好ましくは陰イオン交換クロマトグラフィー(AIEX)であり得る。PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原の精製のために好ましい陰イオン交換クロマトグラフィーマトリックスはQセファロースである。約50mLの小スケールでは、5mLのHiTrap QセファロースHPカラムがもっとも好ましい。陰イオン交換クロマトグラフィーは例えば実施例3に記載するように実施できる。略記すれば、サイズ排除クロマトグラフィー工程に由来する約50mLの空間体積分画プールを流速3.0mL/分でAIEXカラムにロードすることができる。例えば20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTTを用いる、未結合タンパク質除去のための洗浄工程に続いて、タンパク質は以下の緩衝液(20mMトリス(pH6.5)、5mMのDTT、1.0MのNaCl)の8カラム体積による単工程を用いて溶出させることができる。AIEX操作のフロースルーをQセファロースカラムにロードしなおし、上記に記載したように溶出させて収量を高めることができる。この二工程技術(サイズ排除に続く陰イオン交換クロマトグラフィー)は、培養採集物の他のタンパク質成分の大半からPCV-2 ORF2抗原を効率的に分離する。
【0065】
したがって好ましい実施態様にしたがえば、精製PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2 ORF2抗原およびアジュバントを含む免疫原性組成物は、以下の工程を含むプロセスによって入手できる:
a)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を宿主細胞で発現させる工程;
b)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を得た宿主培養を採集する工程;
c)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を含む採集物を、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲルろ過)と前記に続く陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する工程;および
d)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原をアジュバントと混合する工程。
好ましい実施態様にしたがえば、サイズ排除クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーは本明細書に記載したように、好ましくは実施例3に記載したように実施される。好ましくは、二工程精製方法は、アジュバントとの混合前に、当該免疫原性組成物中に含まれるタンパク質の全量に対して純度が90%(w/w)を超える、好ましくは95%(w/w)を超える免疫原性組成物をもたらす。純度は、NuPAGE MOPS緩衝液系(Invitrogen)を用いてNuPAGE 10% Bis-Trisゲル(Invitrogen)によるSDS-PAGE後のインペリアル・プロテイン・ステイン(Pierce)染色によって概算できる。
【0066】
上記に記載したように、PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原の回収プロセスは、発現されたPCV-2 ORF2抗原から分離工程を介して細胞屑を分離することにより始まる。好ましい分離工程は、約0.6μmから約2μmの孔径、好ましくは約0.8mmから約1.2μmの孔径を有するフィルターを通過するマイクロフィルトレーションを含む。
したがって、精製PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2 ORF2抗原およびアジュバントを含む免疫原性組成物は、以下の工程を含むプロセスによって入手できる:
a)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を宿主細胞で発現させる工程;
b)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を得た宿主培養を採集する工程;
c)工程b)で得られた採集物を0.6から2.0μmの孔径を有するフィルターでろ過する工程;
d)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を含む、工程c)で得られたろ液を、サイズ排除クロマトグラフィー(ゲルろ過)と場合によって前記に続く陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製する工程;および
e)PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原をアジュバントと混合する工程。
好ましい実施態様にしたがえば、マイクロフィルトレーション、サイズ排除クロマトグラフィーおよび陰イオン交換クロマトグラフィーは本明細書に記載したように、好ましくは実施例3に記載したように実施される。好ましくは、二工程精製方法は、アジュバントとの混合前に、当該免疫原性組成物中に含まれるタンパク質の全量に対して純度が90%(w/w)を超える、好ましくは95%(w/w)を超える免疫原性組成物をもたらす。純度は、NuPAGE MOPS緩衝液系(Invitrogen)を用いてNuPAGE 10% Bis-Trisゲル(Invitrogen)によるSDS-PAGE後のインペリアル・プロテイン・ステイン(Pierce)染色によって概算できる。
【0067】
本明細書に記載した精製PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2 ORF2抗原を含む免疫原性組成物、好ましくは本明細書に記載した方法によって入手できる免疫原性組成物は、そのような精製PCV-2抗原または精製PCV-2 ORF2抗原を含まない免疫原性組成物と比較して免疫原性が増加するという特徴を有する。
前記事例では、PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を生成するためにウイルスベクター、例えば組換えポックスウイルス、アデノウイルスまたはバキュロウイルスが用いられ、適切な不活化処理によってウイルス核酸を不活化することが推奨される。そのような不活化は、PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原の精製中にいつでも実施できる。したがって、不活化は、PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を含む細胞培養液の採集直後、またはPCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原のマイクロフィルトレーション後(マイクロフィルトレーションが実施される場合)、精製工程の前または後、例えばゲルろ過の前または後、および陰イオン交換クロマトグラフィーの前または後(陰イオン交換が実施される場合)に実施することができる。
本発明の目的のために任意の通常的不活化方法を用いることができる。したがって、不活化は化学的および/または物理的処理によって実施できる。好ましい形態では、採集液の体積を決定し、温度を約32℃−42℃、より好ましくは約34℃−40℃、もっとも好ましくは約35℃−39℃にする。好ましい不活化方法は、環化二元エチレンイミン(BEI)の好ましくは約1から約20mM、好ましくは約2から約10mM、さらに好ましくは約2から約8mM、さらに好ましくは約3から約7mM、もっとも好ましくは約5mMの濃度での添加を含む。例えば、不活化は、2-ブロモエチレンアミンヒドロブロミド(BEA)の溶液の好ましくは約0.4M(前記は0.3NのNaOH中で環化されて0.2Mの二元エチレンイミン(BEI)となっている)を液体に添加して、約5mMの最終濃度のBEIを提供することを含む。好ましくは、続いて液体を持続的に2−96時間攪拌し、不活化した採集液を-40℃以下で凍結するかまたは約1℃−7℃で保存することができる。不活化完了後に、チオ硫酸ナトリウム溶液を好ましくは1.0Mで添加し、一切の残留BEIを中和する。好ましくは、チオ硫酸ナトリウムは、不活化のために以前に添加したBEIに対して等価の量で添加される。例えば、BEIが最終濃度5mMで添加される場合は、1.0Mのチオ硫酸ナトリウムを添加して5mMの最少最終濃度を提供し、一切の残留BEIが中和される。
【0068】
精製PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2 ORF2抗原をアジュバントと混合する前に、精製PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2 ORF2抗原をリン酸緩衝食塩水(pH7.4)または任意の他の生理学的緩衝液に対して透析することが推奨される。
上記に記載した方法は、PCV-2抗原が、任意のアジュバントと混合される前に当該免疫原性組成物中に含まれるタンパク質の全量に対して50%(w/w)を超える、好ましくは70%(w/w)を超える、好ましくは80%(w/w)を超える、さらに好ましくは85%(w/w)を超える、さらに好ましくは90%(w/w)を超える、もっともに好ましくは95%(w/w)を超える純度を有する場合、本明細書に定義したように殺ウイルス活性の低下とともに免疫原性の改善を示すPCV-2抗原をもたらす。しかしながら、本方法IIにしたがって入手できる精製PCV-2抗原もまたアジュバント(好ましくは本明細書に記載したアジュバントのいずれか)と混合しかつ一緒に用いることができる。好ましいアジュバントはカルボポル(Carbopol)であり、好ましくは最終免疫原性組成物1mL当たり約0.1から10mgの濃度、より好ましくは0.5から5mg/mLの濃度、もっとも好ましくは約1mg/mLの濃度で存在する。
【0069】
繰り返せば、本発明は、本明細書に記載したいっさいの方法(変法IIを含む)を提供するだけでなく、本明細書に記載した方法(変法IIを含む)のいずれかによって入手できる PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2抗原、もっとも好ましくは精製PCV-2 ORF2タンパク質もまた提供する。さらにまた、本発明はまた、本明細書に記載した方法(変法IIを含む)のいずれかによって入手できるPCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2抗原、もっとも好ましくは精製PCV-2 ORF2タンパク質を含むPCV-2抗原組成物もまた提供する。最終免疫原性組成物中のPCV-2抗原、特に精製PCV-2 ORF2抗原の量は、最終免疫原性組成物に対して約0.25から約400μg/用量の範囲であるべきである。好ましくは、最終免疫原性組成物は、約2から約200μg/用量、より好ましくは約3から約150μg/用量、さらに好ましくは約4から約100μg/用量、さらに好ましくは約5から約80μg/用量、さらに好ましくは約6から約60μg/用量、さらに好ましくは約7から約50μg/用量、さらに好ましくは約8から約40μg/用量、さらに好ましくは約8から約32μg/用量、さらに好ましくは約8から約24μg/用量、もっとも好ましくは約8から約16μg/用量の範囲の量のPCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を含むべきである。
【0070】
本明細書で提供される免疫原性組成物(方法IIにより入手できるものを含む)は、別の疾患を引き起こす有機体の1つ以上の追加の抗原を含む。これら“別の疾患を引き起こす有機体”は上記で定義される。好ましくは、追加の抗原はブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルスである。さらに好ましくは、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原は生ウイルス、より好ましくは改変生ウイルスを含む。さらに好ましくは、改変生ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原は、ATCCアクセッション番号VR2332の改変生ウイルス株を含み、さらに好ましくはINGELVAC(商標)PRRS MLVを含む。本出願のさらに別の特徴では、追加の抗原はマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエである。好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原はバクテリンであり、より好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエバクテリンはINGELVAC(商標)MYCOFLEXである。ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルスおよびマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエの両抗原の組合せがもっとも好ましい。
本明細書で提供される精製PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2 ORF2抗原を含む免疫原性組成物の増加した免疫原性のゆえに、前記免疫原性組成物を用いて、PCV-2感染によって引き起こされる臨床徴候の発生またはPCV-2感染に付随する臨床徴候の重症度を、前記免疫原性組成物を投与されていない動物と比較して軽減することができる。
【0071】
“臨床徴候の発生またはその重症度の軽減”という用語は、 “コントロールグループ”の動物と比較してワクチン投与を受けた動物において、前記両グループが、前記ワクチンの免疫学的活性成分が誘導された病原体に感染したときまたは前記病原体でチャレンジされたとき、さらにコントロールグループが前記ワクチンまたは免疫原性組成物の投与を受けていない場合に、そのような徴候のいずれかが発生または重症度において軽減されることを意味する。この関係では、“低下”または“軽減”という用語は、ワクチン非接種コントロールグループと比較してワクチン接種グループにおいて少なくとも10%、好ましくは25%、さらに好ましくは50%、もっとも好ましくは100%を超える軽減を意味する。
本明細書で用いられるように、“臨床症状”または“臨床徴候”は、生きている動物から直接観察することができる病原体感染の徴候、例えば症状を指す。代表的な例は、選択される病原体に左右されるが、例えば鼻汁排出、嗜眠、咳、発熱、体重増加または減少、脱水、下痢、浮腫、跛行などが含まれる。PCV-2の臨床徴候には、るい痩、皮膚蒼白、発育不全、呼吸困難、下痢、黄疸が含まれ得る。
PCV-2感染により引き起こされる臨床徴候またはPCV-2感染に付随する臨床徴候の発生または重症度における軽減は、そのような処置を必要とする動物にそのような免疫原性組成物のシングル用量を投与するだけで達成できる。しかしながら、本明細書で提供される免疫原性組成物はまた、2用量以上を第一回の用量とその後の任意の用量の投与の間に2から4週間の間隔をおいて投与することができる。したがってさらに別の実施態様にしたがえば、精製PCV-2抗原、好ましくは精製PCV-2 ORF2抗原を含む本明細書で提供される免疫原性組成物は、その必要がある動物に1用量、2用量または3用量以上を投与することができる。
【0072】
特に本出願のさらに別の特徴では、上記に記載のPCV-2抗原組成物を含む免疫原性組成物が提供され、ここで前記免疫原性組成物は、動物に投与したとき、前記免疫原性組成物が投与されなかった動物と比較してリンパ系の枯渇および炎症を少なくとも80%軽減する。したがって本出願のさらに別の特徴では、上記に記載のPCV-2抗原組成を含む免疫原性組成物が提供され、前記免疫原性組成物は、前記免疫原性組成物が投与されなかった動物と比較して、前記免疫原性組成物を投与した動物でリンパ系の枯渇および炎症を少なくとも80%軽減する。
本出願のさらに別の特徴では、、上記に記載のPCV-2抗原組成物を含む免疫原性組成物が提供され、ここで前記免疫原性組成物は、動物に投与したとき、前記免疫原性組成物が投与されなかった動物と比較して肺病巣を少なくとも80%軽減する。したがって本出願のさらに別の特徴では、PCV-2抗原組成を含む免疫原性組成物が上記に記載したように提供され、前記免疫原性組成物は、前記免疫原性組成物が投与されなかった動物と比較して、前記免疫原性組成物を投与した動物で肺病巣を少なくとも80%軽減する。
本発明のさらに別の特徴では、、PCV-2抗原組成物を含む免疫原性組成物が上記に記載したように提供され、ここで前記免疫原性組成物は、前記免疫原性組成物の1用量の投与後にPCV-2に対して防御的免疫応答を誘発する。PCV-2抗原組成物を含む免疫原性組成物は1mL、2mL、3mL、4mL、5mLおよびそれ以上を含む任意の体積であり得る。好ましい形態では、2mLの免疫原性組成物が1用量のPCV-2抗原を含む。したがって本発明のさらに別の特徴では、上記に記載の免疫原性組成物が提供され、PCV-2抗原組成物を含む前記免疫原性組成物は、前記免疫原性組成物の1用量の投与後にPCV-2に対して防御的免疫応答を誘発する。さらに別の特徴では、2mLの免疫原性組成物が1用量のPCV-2抗原を含む。
【0073】
本明細書で用いられるように、“防御的免疫応答”は、対象の病源体に起因する感染の臨床的、病理学的もしくは組織病理学的徴候または症状の発生の軽減または重症度の軽減およびそのような徴候または症状の完全な予防を含む軽減を指す。
“病理学的”徴候という用語は、生化学的検査において顕微鏡レベルまたは分子レベルで観察できる、または剖検に際して裸眼で観察できる感染の徴候を指す。PCV-2については、病理学的徴候には多数の組織および器官における顕微鏡的または巨視的病巣が含まれ、リンパ系器官がもっとも一般的な病巣部位である。
“組織病理学的”徴候という用語は、感染から生じる組織変化の徴候を指す。
“臨床症状”または“臨床的徴候”という用語は上記で定義される。
本発明のさらに別の特徴では、本明細書に記載したように、PCV-2抗原組成物およびPRRS抗原(好ましくは本明細書に記載のPRRS抗原のいずれか1つ)を含む免疫原性組成物が提供され、ここで前記免疫原性組成物は、前記免疫原性組成物の1用量の投与後にPRRSウイルスに対して防御的免疫応答を誘発する。繰り返せば、いずれの投与体積も製造できるが、好ましい形態では2mLの免疫原性組成物が1用量のPRRS抗原および1用量のPCV-2抗原を含む。したがって本発明のさらに別の特徴では、PRRSVおよび本明細書に記載のPCV-2抗原組成物を含む上記に記載の免疫原性組成物が提供され、前記免疫原性組成物は、前記免疫原性組成物の1用量の投与後にPRRSに対して防御的免疫応答を誘発する。さらに別の特徴では、2mLの免疫原性組成物が1用量のPRRS抗原および1用量のPCV-2抗原を含む。
【0074】
本発明のさらに別の特徴では、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物および上記に記載のマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原を含む免疫原性組成物が提供され、ここで前記免疫原性組成物は、1用量の前記免疫原性組成物の投与後にマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエに対して防御的免疫応答を誘発する。繰り返せば、いずれの投与体積も製造できるが、好ましい形態では2mLの免疫原性組成物が1用量のマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原および1用量のPCV-2抗原を含む。したがって本発明のさらに別の特徴では、上記に記載の免疫原性組成物が提供され、前記免疫原性組成物は、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物およびマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原を含む前記免疫原性組成物の1用量の投与後に、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエに対して防御的免疫応答を誘発する。さらに別の特徴では、2mLの免疫原性組成物が1用量のマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原を含む。
本出願のさらに別の特徴では、上記に記載の免疫原性組成物は2mL/用量の投与のために調製される。
本出願のさらに別の特徴では、動物のPCV-2感染の1つ以上の臨床症状を、免疫原性組成を投与されていない動物と比較して軽減する方法が提供される。一般的には、前記方法は、上記に記載のPCV-2抗原組成物を含む免疫原性組成のいずれかを動物に投与する工程を含む。好ましくは、PCV-2感染の1つ以上の臨床症状が、前記免疫原性組成物のシングル用量の投与後に軽減される。したがって本出願のさらに別の特徴にしたがえば、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物を含む免疫原性組成物を投与されていな動物と比較して、動物のPCV-2感染の臨床症状の1つ以上を軽減する方法が提供される。一般的には、前記方法は、上記に記載のPCV-2抗原組成物を含む免疫原性組成物のいずれかを動物に投与する工程を含み、ここでPCV-2感染の1つ以上の臨床症状が、好ましくは、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物を含む免疫原性組成物のシングル用量の投与後に軽減される。
【0075】
本出願のさらに別の特徴では、動物のPRRS感染の1つ以上の臨床症状を、免疫原性組成を投与されていない動物と比較して軽減する方法が提供される。一般的には、前記方法は、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物および本明細書に記載のPRRSウイルスを含む上記に記載の免疫原性組成物のいずれかを動物に投与する工程を含む。好ましくは、PRRS感染の1つ以上の臨床症状が、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物および本明細書に記載のPRRSウイルスを含む前記免疫原性組成物のシングル用量の投与後に軽減される。したがって本出願のさらに別の特徴にしたがえば、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物および本明細書に記載のPRRSウイルスを含む免疫原性組成物を投与されていない動物と比較して、動物のPRRS感染の臨床症状の1つ以上を軽減する方法が提供される。ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス(PRRSV)の臨床的徴候には、食欲不振、発熱、流産、一過性退色、長期化ヒツジバエ症(prolonged anoestrus)、咳、呼吸器系徴候、乳房炎、アガラクシア、嗜眠、ミイラ化子ブタ、死産、出生時虚弱子ブタ、一腹仔数の減少、早産、下痢、るい痩、くしゃみ、涙液排出、皮膚蒼白、大量死および前記の組合せが含まれるが、ただしこれらに限定されない。
本出願のさらに別の特徴では、動物のマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ感染の1つ以上の臨床症状を、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物および本明細書に記載のマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原を含む免疫原性組成を投与されていない動物と比較して軽減する方法が提供される。一般的には、前記方法は、上記に記載の免疫原性組成物のいずれかを動物に投与する工程を含む。好ましくは、マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ感染の1つ以上の臨床症状が、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物および本明細書に記載のマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原を含む前記免疫原性組成物のシングル用量の投与後に軽減される。したがって本出願のさらに別の特徴にしたがえば、本明細書に記載のPCV-2抗原組成物および本明細書に記載のマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ抗原を含む免疫原性組成物を投与されていない動物と比較して、動物のマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ感染の臨床症状の1つ以上を軽減する方法が提供される。マイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ(M. hyo)感染の臨床的徴候には、空咳、動作障害および肺病巣が含まれるが、ただしこれらに限定されない。
【0076】
本明細書で提供される精製PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2抗原を含む免疫原性組成物は免疫原性の向上を示す。したがって、本明細書で提供される免疫原性組成物は、そのような免疫原性組成物が投与された動物の免疫応答の改善に適切である。したがってさらに別の実施態様にしたがえば、本発明は、PCV-2に対する動物の免疫応答を改善する方法を提供し、前記方法は、本明細書で提供される精製PCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF2タンパク質を含む本明細書に記載した免疫原性組成物をその必要がある動物に投与する工程を含む。好ましい特徴にしたがえば、そのような方法で用いられるPCV-2抗原、好ましくはPCV-2 ORF抗原は、当該免疫原性組成物中に含まれるタンパク質の全量に対して60%(w/w)を超える、好ましくは60%(w/w)を超える、さらに好ましくは70%(w/w)を超える、さらに好ましくは80%(w/w)を超える、さらに好ましくは90%(w/w)を超える、もっとも好ましくは95%(w/w)を超える程度に精製される。純度は、NuPAGE MOPS緩衝系(Invitrogen)を用いNuPAGE 10% Bis-Trisゲル(Invitrogen)によるSDS PAGE後のインペリアル・プロテイン・ステイン(Pierce)によって概算できる。PCV-2抗原およびPCV-2 ORF2は、当業者に周知の通常的な方法を用いて精製できる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
以下の図面は本出願の部分を構成し、本発明のある種の特徴の更なる提示のために本出願に含まれる。本発明は、本明細書で提供される具体的な実施態様の詳細な説明と組み合わせながらこれら図面の1つ以上を参照することによってより深く理解されよう。
【図1】10%Bis-Tris/MOPSゲルを用いる限外濾過構造のパイロットスケールの結果を示す。前記はろ過プロセス後のORF2の存在を明示している。レーンは以下のようにロードされている:(1)マーカー;(2)n/a;(3)n/a;(4)24−180/181 Pre conc−20μL;(5)25−180/181 1x抗原−20μL;(6)26−180/181フィルター洗浄液−20μL;(7)27−PCV 504 Preconc−8μL;(8)28−PCV 504 Perm−20μL;(9)29−PCV 504 1x−20μL;(10)092704PD−20μL;(11)マーカー。
【発明を実施するための形態】
【0078】
詳細な説明
以下の実施例は本発明の材料および方法を説明する。しかしながら、これらの実施例は単に例示のために提供され、その中のいずれも本発明の全体的範囲を制限すると解されるべきでないことは理解されよう。
【実施例1】
【0079】
本実施例は、本発明の工程を含まない製造プロセスと比較して殺ウイルス活性が低下する濃縮PCV-2 ORF2抗原を製造するための実験室スケールおよびパイロットスケールのプロセスについて述べる。特に、PRRSウイルスに対するPCV-2 ORF2抗原の殺ウイルス活性に対する本発明の影響が決定されるであろう。
材料と方法
製造抗原:
実験室スケール:
PCV SUB037II1-F、18.94kg
PCV 1025、20.6kg
PCV 180/181、20.0kg
PCV SUB504PD、40kg
パイロットスケール:
PCV SUB506PD、362kg
PCV SUB507PD、384kg
PCV SUB512PD、430kg
PCV SUB513PD、405kg
限外濾過カートリッジ:GE Healthcare、Steam-In-Place(SIP)、中空繊維膜カートリッジ
UFP-100-E-55-STM:100,000NMWC、直径1mmの細管;X109中のUF-002で用いられる(実験室スケール)。
UFP-300-E-55-STM:300,000NMWC、直径1mmの細管;X109中のUF-002で用いられる(実験室スケール)。
UFP-100-E-65-MSM:100,000NMWC、直径1mmの細管;APU-1中のUF-B2614で用いられる(実験室スケール)。
UFP-300-E55-SMO:300,000NMWC、直径1mmの細管;VP-1中のUF-2713で用いられる(実験室スケール)。
下記の限外濾過装置をフィージビリティ判定および初期プロセスの開発に用いた:
【0080】
【表1】

製造プロセス
限外濾過(UF)コンフィギュレーション:実験室スケール
ビルディングPで生成したろ過、不活化、中和済みPCV-2 ORF2材料を含む50リットルのカルボイを、GEヘルスケア(Amersham)フレックススタンド(Flex Stand)30LサイズUFスキッド#002による濃縮プロセスで用いた。
最初の濃縮プロセスでは“バッチ”透析ろ過手法を用い、それによって約20kgの抗原材料をUFスキッドに移し、100,000NMWC中空繊維カートリッジ(UFP-100-E-55-STM)で濃縮した。100,000NMWC濃縮プロセスでは、PD and Manufacturingから得られたPCV-2 ORF2ロット、SUB037PD およびPCV1025がそれぞれ用いられた。
これら2つの初期操作物は最初の体積の約4倍に濃縮され、最初の移送体積に戻してフィードタンクで量の実証を行った(quantity substantiated, Q.S.'d)。濃縮材料をロット番号につき合計2回の濃縮に関してこの態様で処理し、3回目および最後の濃縮に関しては濃縮物として採集し、一部分で1xの最初の体積に対してQ.S.を行った。サンプルを濃縮前、各濃縮工程および各Q.S.工程で抜き取った。透過サンプルは各濃縮工程の最中に抜き取った。
次の2回の連続操作は、食塩水の洗浄を行わずにPCV-2 ORF2抗原を濃縮した。濃縮された材料のサンプルを約4xで続いて最終濃縮で採取した。約20kgの抗原材料をUFスキッド保持タンクに移し、300,000NMWC中空繊維カートリッジ(UFP-300-E-55-STM)で濃縮した。第二の20Lの体積を最初の20Lから得られた濃縮物とともに前記保持タンクに加えた。前記を最終体積まで濃縮した。300,000NMWC濃縮プロセスでは、Manufacturing and PDによって生成されたPCV-2 ORF2ロット、PCV 180/181プールおよびSUB504PDがそれぞれ用いられた。サンプルを濃縮前および各濃縮工程で抜き取った。透過サンプルは各濃縮工程の最中に抜き取った。
限外濾過コンフィギュレーション:パイロットスケール
パイロットスケールプロセスは、SUBロット、506PD、512PDおよび513PDを利用した。抗原の濃縮前体積は約350Lから430Lの範囲であった。ロットSUB506PDおよびSUB513PDをDSP(ダウンストリームプロセッシング)2602に移し、100,000 NMWCフィルター(UFP-100-65-E-MSM)を用い表面積4.2m2でAPU-1中のUF-B2614により濃縮した。最終濃縮材料を各ロットについて採集し、解析のために4℃で保存した。
結果および結論
限外濾過(UF)コンフィギュレーション:実験室スケール
100,000 NMWC(100kDa)フィルターと300,000 NMWC(300kDa)フィルターとによるろ過は濃縮時間においてたがいに類似し、フルスケールプロセスの場合には適切と考えられた。100kDaフィルターのろ過時間は約14分から32分の範囲であり(約18Lから26L、4倍濃縮)、食塩水洗浄工程は時間の短縮をもたらす(表2)。300kDaフィルターのろ過時間は、25分で3.2倍、23分で7倍、32分で21.5倍をもたらした(2回の連続した20L体積で濃縮された約40Lの材料で、PCV180/181については3.2倍、7倍およびSUB504PDについては21.5倍)。濃縮プロセスが10.25psiの目標トランスメンブレン圧(TMP)に達するまでに要する時間のためにときに変動が予想される。
プロセスのFlux値は、PCV180/181ロットについては27.43lmhから32.00lmhであり、32.00lmhの値は濃縮プロセス終盤のスパイクにより生じる。SUB504PD材料のFlux値は最初の20Lの濃縮時には28.57lmhで、2回目の20L濃縮時には35.71lmhであった(表3および4)。
【0081】
【表2】

【0082】
【表3】

【0083】
【表4】

ろ過後の有効性の変化は、濃縮材料を1xの体積に戻してQ.S.を実施したとき、SUB037再構成材料およびPCV1025再構成材料に関する場合変わらないことが判明した。表5から表8の数値から分かるように、濃縮抗原含有値は、64μg有効概数限界を越えてアッセイ限界を動かした(これらの表では抗原含有量は予想計算量と比較される)。SUB037、PCV180/181およびSUB504PD抗原を用いて実施した濃縮から得られた透過値は、ろ過による材料の顕著な損失はないことを示した。全ての透過物の抗原含有量はアッセイの検出不能範囲内であった。PCV1025抗原の透過抗原含有量は収集されなかった。
【0084】
【表5】

【0085】
【表6】

【0086】
【表7】

【0087】
【表8】

【0088】
SDS-PAGEゲルをPCV180/181およびSUB504由来の材料を用いてR&Dで泳動させた。図1で約27kDaに存在するORF2バンドは、レーン10の参照バンドパターと一致した。このバンドサイズはORF2であると以前に決定された。SUB504PD, 300kDaろ過濃縮から得られた透過材料は27kDaの位置にバンドが存在しないことを明示した。この孔径のフィルターでは外見上ORF2タンパク質は失われなかった。ゲルは還元条件下で泳動させた。
濃縮前抗原、濃縮抗原、再構成抗原およびろ過透過物の殺ウイルス活性をPRRSウイルスワクチンに対して試験した。SUB037についての品質管理(QC)から得た最初の結果は、濃縮前および濃縮(100kDa)材料(前記は食塩水で1Xに再構成されていた)については満足なものではなかった。しかしながら、濃縮材料をワクチンに処方したとき、80%までの濃度でのワクチンへの混合は、この殺ウイルス活性を、PRRSウイルス力価低下の許容限界の0.7log/mLより十分に低い満足すべきレベルに低下させた。SUB037由来の透過物材料は殺ウイルス活性レベルが不十分な不明瞭な通過を示した。表9を参照されたい。
PCV1025濃縮前材料は、PRRSに対する殺ウイルス活性については不満足なものであることが判明し、PRRS力価の損失は1.5log/mL損失であった。3つの食塩水再構成(100kDaフィルター)材料は0.5log/mL損失および0.6log/mL損失で合格し、それら再構成濃縮物のうちの1つはPRRS力価が“変化なし”の満足すべきものであった。透過物サンプルはこのロットについては試験しなかった。表10を参照されたい。
PCV180/181濃縮前ワクチン材料は、3つのワクチン調製物のうち2つについては殺ウイルス活性に関して不満足なものであった。パーセント抗原混合レベルは37.0%から55.5%の範囲であった。もっとも高い%混合の濃縮前ワクチンが満足なものであることが分かった。
1X(食塩水で1Xに再構成された濃縮物)から調製されたワクチン材料は、PRRSウイルスに対する殺ウイルス活性について満足なものであることが分かった。パーセント抗原混合レベルは44%から66%の範囲であった。表11を参照されたい。
濃縮前抗原から調製されワクチン混合が79.5%であるSUB504PDワクチンは、PRRSウイルスに対する殺ウイルス活性について満足なものであった。4.3X 濃縮抗原から調製されワクチン混合が23.5−35%であるワクチンおよび21.5X 濃縮抗原から調製されワクチン混合が3.5−5.5%であるワクチンもまた満足すべきものであった。最後に、混合レベル72%で調製されたフィルター洗浄抗原は、PRRSウイルスに対する殺ウイルス活性について満足なものであることが分かった。
【0089】
【表9】

【0090】
【表10】

【0091】
【表11】

【0092】
【表12】

【0093】
【表13】

【0094】
【表14】

【0095】
【表15】

【0096】
考察
ブタシルコウイルスワクチン(2型)、殺滅バキュロウイルスベクターは、ベーリンガー・インゲルハイムベトメディカ社(Boehringer Ingelheim Vetmedica, Inc., St. Joseph, Missouuri)が製造するグローバルな製品であり、INGELVAC CIRCOFLEX(商標)という製品で用いられている。採集時には、ウイルス液は無菌的に2回以上2−15μmのプレフィルターに通され、続いて最終ろ過のために0.8−1.0μmのフィルターに通される。BEI(二元エチレンイミン)のストック溶液を5mM BEIの最終濃度で採集液に添加する。前記液体を72時間から最大96時間持続的に攪拌し、≦40℃で凍結または4℃±3℃で保存できる。1.0Mのチオ硫酸ナトリウム溶液を5mMの最終濃度で添加して、一切の残留BEIを中和する。
この中和抗原を、食塩水の添加によって調節される最終製品においてPCV ORF2タンパク質含有量に関して20%(v/v)となるように0.5%カルボポル溶液とブレンドし、1.0を越えるかまたは1.0に等しい相対的有効性の最少放出要求に適合させる。増量させた後、このシリーズは4℃で保存するかまたは充填することができる。
PCV-2 ORF2材料は、中和後に中空繊維カートリッジの限外濾過によって濃縮することができる。この濃縮材料をさらに2透析ろ過体積の食塩水溶液でさらに処理した。好ましい限外濾過名目分子量カットオフ(NMWC)孔径が決定され、100,000NMWCおよび300,000NMWCが含まれた。前記は各々1.0mmの細管管腔直径を有していた。両孔径を加えたのは、製造業者によるフィルターカートリッジ供給の中断の場合に製造に柔軟性を提供するためであった。ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)および有効性データは、2つのフィルター孔径間で抗原タンパク質または有効性に違いがないことを示した。
【実施例2】
【0097】
本実施例では、本発明の方法を用いるORF2の相対的収量を従来技術で公知の方法と比較する。本実施例は、本発明の方法および組成物で使用するPCV2 ORF2を入手するために可能な多くの方法の1つであることは理解されよう。
材料と方法
4つの1000mLスピンナーフラスコの各々に300mLの昆虫無血清培養液、Excell420(JRH Biosciences, Inc., Lenexa, KS)中のSf+細胞を約1.0x106細胞/mLで播種した。 マスター細胞培養は、SF+(Spodoptera frugiperda)マスター細胞ストック、継代19、ロット番号N112-095Wと同定された。SF+マスター細胞ストックを生成するために用いた細胞は、プロテインサイエンシズコーポレーションン社(Protein Sciences Corporation, Inc., Meriden, CT)から入手した。本実施例でのためのSF+細胞株は19から59継代に限定した。他の継代も本発明の目的のために機能するが、より大きな規模の製造のためのスケールアップのために少なくとも19継代が必要であり、59を越える継代は発現に影響を与えるかもしれない(ただしこのことは究明しなかった)。詳細に述べれば、液体窒素保存に由来する最初のSF+細胞培養を、Excell420培養液に懸濁状態で定常的に攪拌しながら無菌的スピンナーフラスコで増殖させた。培養は、25から150mLのExcell420無血清培養液を含む100mLから250mLのスピンナーフラスコで増殖させた。細胞が1.0−8.0x106細胞/mLの細胞密度に増殖したとき、0.5−1.5x106細胞/mLの播種密度で新しい容器に分割した。その後の拡張培養はサイズが36リットルまでのスピンナーフラスコまたは300リットルまでのステンレススチールバイオリアクターで25−29℃で2−7日間増殖させた。
播種後、フラスコを27℃で4時間インキュベートした。続いて、PCV-2 ORF2遺伝子(配列番号:4)を含む組換えバキュロウイルスを各フラスコにシードした。PCV-2 ORF2遺伝子を含む組換えバキュロウイルスは以下のように作製した:PCV2北アメリカ株由来PCV-2 ORF2遺伝子を5' Kozak配列(配列番号:1)および3' EcoR1部位(配列番号:2)を含むようにPCR増幅し、pGEM-T-Easyベクター(Promega, Madison, WI)でクローニングした。続いて前記を切り出し、伝達ベクターpVL1392(BD Biosciences Pharmingen, San Diego, CA)でサブクローニングした。前記サブクローニングした部位は本明細書では配列番号:7と記述される。PCV-2 ORF2遺伝子を含むpVL1392プラスミドをN47-064Yと呼び、これを続いてSf+昆虫細胞(Protein Sciences, Meriden, CT)にBaculoGold(商標)(BD Biosciences Pharmingen)バキュロウイルスDNAと同時トランスフェクトし、PCV-2 ORF2遺伝子を含む組換えバキュロウイルスを生成した。この新規な構築物は本明細書では配列番号:8として提供される。PCV-2 ORF2遺伝子を含む組換えバキュロウイルスをプラーク精製し、マスターシードウイルス(MSV)をSF+細胞株で増殖させ、アリコットを採取し-70℃で保存した。MSVは、バキュロウイルス特異的プライマーを用いるPCR-RFLPによりPCV-2 ORF2バキュロウイルスとしてはっきりと認定された。MSVまたは作業用シードウイルスを生成するためにPCV-2 ORF2バキュロウイルスを感染させた昆虫細胞はPCV-2 ORF2抗原を発現し、前記は、間接蛍光抗体アッセイでポリクローナル血清またはモノクローナル抗体によって検出される。さらにまた、PCV-2 ORF2バキュロウイルスの実体は、N-末端アミノ酸シークェンシングによって確認された。PCV-2 ORF2バキュロウイルスMSVはまた9 C.F.R. 113.27 (c)、113.28および113.55にしたがい純度について試験した。スピンナーフラスコにシードした各組換えバキュロウイルスは、種々の感染数(MOI)を有していた。フラスコ1には0.088 MOIシードで7.52mLをシードし;フラスコ2には0.36 MOIシードで3.01mLをシードし;フラスコ3には0.18 MOIシードで1.5mLをシードし;さらにフラスコ4には0.09 MOIシードで0.75mLをシードした。
バキュロウイルスをシードした後、続いてフラスコを27±2℃で7日間インキュベートし、さらに前記期間中100rpmで攪拌も実施した。前記フラスコには通気キャップを用い、空気の流通を可能にした。各フラスコから次の7日間24時間毎にサンプルを採取した。抜き取り後、各サンプルを遠心し、ペレットと上清の両方を分離し、続いて0.45−1.0μmの孔径の膜でマイクロフィルトレーションを実施した。
結果および結論
得られたサンプルをその中に存在するORF-2の量についてELISAアッセイにより定量した。ELISAアッセイは、プロテインGで精製し(PBSで1:250に希釈)、0.05Mの炭酸緩衝液(pH9.6)で1:16000に希釈した捕捉抗体、ブタ抗PCV-2 Pab IgGを用いて実施した。100μLの抗体をマイクロプレートのウェルに加え、シールして37℃で一晩インキュベートした。続いて前記プレートを洗浄溶液で3回洗浄した。前記洗浄溶液は以下を含んでいた:0.5mLのTween20(Sigma, St. Louis, MO)、100mLの10xD-PBS(Gibco Invitrogen, Carlsbad, CA)および899.5mLの蒸留水。その後、250μLのブロッキング溶液(10mLのD-PBS中に5gのカーネーション(Canation)脱脂粉乳(Nestle, Glendale, CA)、蒸留水で100mLに調整)を各ウェルに添加した。次の工程は、試験プレートを洗浄し続いて予め希釈した抗原を添加することであった。この予め希釈された抗原は、希釈プレートのウェルの各々に200μLの希釈溶液(999.5mLのD-PBS中に0.5mLのTween20)を添加することによって調製した。続いてサンプルを1:240比および1:480比に希釈し、これらの希釈サンプルの各々の100μLを続いて希釈プレートの最上段のウェルの1つに添加した(すなわち、最上段ウェルの1つには100μLの1:240希釈を加え、他方のウェルには100μLの1:480希釈を加える)。続いて、連続する各ウェルから100μLを取り出してこれを当該プレートの次のウェルに移すことによって、プレートの残余について連続希釈を実施した。次に移す前に各ウェルを混合した。試験プレートの洗浄は、洗浄緩衝液によるプレートの3回の洗浄を含んでいた。続いてプレートをシールし、37℃で1時間インキュベートし、その後さらに3回洗浄緩衝液で洗浄した。使用した検出抗体はPCV-2 ORF2に対するモノクローナル抗体であった。前記抗体を希釈溶液で1:300に希釈し、続いて希釈した検出抗体の100μLをウェルに添加した。続いてプレートをシールし、37℃で1時間インキュベートし、その後洗浄緩衝液で3回洗浄した。続いて、正常ウサギ血清(Jackson Immunoresearch, West Grove, PA)を希釈溶液に1%の濃度で添加することによって、コンジュゲートの希釈剤を調製した。コンジュゲート抗体、ヤギ抗マウス(H+l)-HRP (Jackson Immunoresearch)を前記コンジュゲート希釈剤で1:10,000に希釈した。この希釈したコンジュゲート抗体の100μLを続いてウェルの各々に添加した。続いてプレートをシールし、37℃で45分間インキュベートし、その後洗浄緩衝液で3回洗浄した。100μLの基質(TMBペルオキシダーゼ基質、Kirkgaard and Perry Laboratories (KPL), Gaithersberg, MD)(等体積のペルオキシダーゼ基質B(KPL)と混合)を各ウェルに添加した。このプレートを室温で15分間インキュベートした。続いて100μLのHCl溶液(1N)を全ウェルに添加して反応を停止させた。続いて前記プレートをELISAリーダーに通した。このアッセイの結果は下記の表17で提供される。
【0098】
【表16】

これらの結果は、インキュベーション時間を延長したとき、遠心細胞および培養液の上清へのORF2の発現は、遠心細胞および培養液のペレットでの発現よりも大きいことを示している。したがって、ORF2発現を少なくとも5日間進行させ上清でORF2を回収することによって、発現の進行を5日未満にして細胞からORF2を回収するよりもORF2収量の大きな増加および以前の方法を凌ぐ顕著な改善が提供される。
【実施例3】
【0099】
ORF2の精製は二工程クロマトグラフィースキームによるマイクロフィルトレーションプロセスによって達成された。実施例1で得た採集物を孔径が1.2μmのマイクロフィルターメンブレンでろ過した。続いて前記マイクロフィルターろ過物をHiPrep 26/60 セファクリル(Sephacryl)S300HRカラムを用いてサイズ排除(ゲルろ過)によって精製した。出発サンプルのPCV-2 ORF2含有ろ液20mLをHiPrep 26/60 セファクリルS300HRカラムに1.0mL/分の流速でロードし、1.5カラム体積の緩衝液A(20mMのTris(pH6.5)、5mMのDTT)で溶出させた。溶出工程中に8mL分画を収集した。サイズ排除クロマトグラフィーの分画No.10−16(溶出液の10から16ミリタイター)をプールし、陰イオン交換(AIEX)クロマトグラフィーのための出発サンプルとして利用した。これらの分画はサイズ分画カラムの空間体積に該当する(空間体積は、PCV-2 ORF2タンパク質の大きな分子量のためにPCV-2 ORF2が溶出する場所である)。この技術は、抗原サンプルの他のタンパク質成分からORF2を効率的に分離する。
AIEXは5mLのHiTrap QセファロースHPカラムを用いて実施した。サイズ排除実験から得た約48mLの空間体積分画プールを、AIEX HiTrap QセファロースHPカラムに3.0mL/分の流速でロードした。未結合物質を除去するローディング緩衝液A(20mM Tris(pH 6.5)、5mM DTT)による洗浄工程に続いて、8カラム体積の緩衝液B(20mM Tris(pH 6.5)、5 mM DTT、1.0M NaCl)による単工程でタンパク質を溶出させ、5mL分画を収集した。ピーク分画No.8および9を収集してプールした。AIEX操作のフロースルーをQセファロースカラムにロードしなおして上記の記載のように溶出させた。二回目の操作から得られた分画No.7、8および9を一回目の操作の分画とプールした。フロースルー材料の三回目の操作は溶出液に顕著なピークを生じなかったので、この操作の分画は保存しなかった。
約25mLの分画プールを2リットルのリン酸緩衝食塩水(pH7.4)(Gibco)に対して一晩4℃で透析した。透析後、ORF2の純度はSDS-PAGE解析に依れば95%より高かった。
【実施例4】
【0100】
2-ブロモエチルアミンヒドロブロミド(BEA)溶液、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液およびチオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)溶液を調製した。BEA溶液は、1.63gのBEA(Sigma, B65705, lot 05316EE)を秤量し、20mLの純水(dH2O、蒸留水、ここでは“水”)に溶解させて作成した。この溶液の最終濃度は0.4M BEAであった。NaOH溶液は、0.33gのNaOH(JTBaker, 3722-01, lot E01470)を秤量し、20mLの水に溶解させて作成した。この溶液の最終濃度は0.41M NaOHであった。チオ硫酸ナトリウム(Na2S2O3)溶液は、25gのNa2S2O3(Sigma S7026, lot 106K0178)を秤量し、100mLの水に溶解させて作成した。溶解したら、この溶液を0.2μmのボトルトップフィルターでろ過して滅菌した。この溶液の最終濃度は1.0M Na2S2O3であった。
二元エチレンイミン(BEI)を調製するために、20mLの0.4M BEA溶液を20mLの0.41M NaOH溶液と混合し、初期pHは約12.5−14.0であることが決定された。この混合物を37℃で1時間インキュベートし、pHを再度チェックした。インキュベーション後のpHは約7.0−7.5であり、このことはBEAからBEIへの環化反応が成功したことを示した。BEIの最終濃度は約0.2Mと計算された(20mLの0.4M BEAが過剰塩基(0.41M)により40mLの体積中で環化した)。
不活化反応は以下のとおりであった(不活化するべき材料100mL当たりである):不活化するべき材料を新しく調製した2.5mLのBEIと混合した。溶液を持続的に混合するために攪拌しながら37℃で72時間、不活化反応物をインキュベートした。72時間後に、0.5mLのチオ硫酸ナトリウム(1.0M)の添加により反応物を中和した。このチオスルフェートを混合して完全な溶液にした後(約15分混合)、アジュバントと処方する前に前記不活化させた中和材料を4℃で保存した。
【実施例5】
【0101】
試験サンプルの調製
未精製または低精製ORF2抗原と比較した高精製ORF2抗原(純度90%以上)の免疫原性を概算するために、いくつかの5mL試験サンプルバッチを調製した。
【0102】
【表17】

試験サンプル#1は以下のように作製した:PCV-2 ORF2抗原を実施例1に記載したように生成し、実施例3に記載したように高度に精製した。前記高精製PCV-2 ORF2抗原を実施例4に記載したようにBEIで不活化した。BEI不活化後、前記PCV-2 ORF2抗原の含有量を試験サンプル1mL当たり約32から32.5μgの量に調整し、試験サンプル1mL当たり1mgのカルボポル971P(BF Goodrich, Ohio, USA)と混合した。
試験サンプル#2は以下のように作製した:PCV-2 ORF2抗原を実施例1に記載したように生成し、実施例3に記載したように高度に精製した。前記高精製PCV-2 ORF2抗原を実施例4に記載したようにBEIで不活化した。BEI不活化後、前記PCV-2 ORF2抗原を昆虫細胞屑およびカルボポルと混合した。最終試験サンプルは、試験サンプル1mL当たり約2.06x106の昆虫細胞、約32から32.5μg、および1mgのカルボポル971Pを含んでいた。
試験サンプル#3は、試験サンプル1mL当たり約2x106の昆虫細胞を1mgのカルボポル971Pと混合することにより調製した。混合の前に、昆虫細胞は実施例3に記載したようにBEIによって不活化された。
試験サンプル#4は以下のように作製した:PCV-2 ORF2抗原を実施例1に記載したように生成した。上清中のPCV-2 ORF2抗原含有量を試験サンプル1mg当たり約32から32.5μgの量に調整し、試験サンプル1mL当たり1mgのカルボポル971Pと混合した。
試験サンプル#5は以下のように作製した:PCV-2 ORF2抗原を実施例1に記載したように生成した。続いて上清を実施例3に記載したBEIによる不活化のために用いた。BEI不活化後、前記PCV-2 ORF2抗原を昆虫細胞屑およびカルボポルと混合した。最終試験サンプルは、試験サンプル1mL当たり約2.06x106の昆虫細胞、約32から32.5μg、および1mgのカルボポル971Pを含んでいた。
試験サンプル#6は以下のように作製した:PCV-2 ORF2抗原を実施例1に記載したように生成した。続いて実施例1の上清を実験室スケールの1.2μmフィルターでろ過した。このフィルターサイズは、無傷および破壊昆虫細胞のろ過に十分であるが、PCV-2 ORF2抗原のフィルター通過を可能にすることが以前に認められていた。その後、ろ液を実施例3に記載したようにBEIで不活化した。BEI不活化後、前記PCV-2 ORF2抗原の含有量を試験サンプル1mL当たり約32から32.5μgの量に調整し、1mgのカルボポル971Pと混合した。
各試験サンプルの免疫原性試験
臨床フェーズ
150匹の雌のBalb/Cマウスをジャクソンラボラトリーズ(Jackson Laboratories, United States)から入手し、7日間環境に順応させた。各ケージから1匹のマウスをDay0の血液収集のために無作為に選び、合計26サンプルを得た。合計10匹のマウスの各々に0.1−0.2mLのダルベッコー(Dulbecco's)リン酸緩衝液を皮下ルートで接種した。
合計20匹のマウスに各試験サンプル(試験サンプル#1から#6)の0.1−0.2mLを皮下ルートで接種した。各ケージは5匹のマウスを含み、各ケージの全マウスは同じ処置グループであった。Day21に全マウスで末期採血を実施した。各血液サンプルを凝固させ血清を遠心で収集した。全サンプルを別々のチューブで維持し、-80℃±10℃で試験まで保存した。マウスは焼却処理した。
サンプル試験
各試験サンプルの免疫原性は、当所のPCV-2特異的ELISAを用いて各試験サンプルのPCV-2特異的抗体応答を測定することによって概算した。各試験サンプルの免疫原性値は、相対的免疫原性(RI)値として表2に提供される。この相対的免疫原性値は、免疫に用いられるORF2抗原の標準化量につき免疫動物で得られるORF2特異的抗体力価の測定値である。
当所のELISAを用いる代わりに、P. Nawagitgulらが記載したELISAアッセイを用いてPCV-2特異的抗体量を測定してもよい(”Modified indirect porcine circovirus (PCV) type 2-based and recombinant capsid protein (ORF2)-based ELISA for the detection of antibodies to PCV”, Clin. Diagn. Lab. Immunol. 9:33-40, 2002;前記文献は参照により本明細書に含まれる)。そのようなアッセイで測定した値もまた相対的免疫原性値の計算に用いことができる(下記参照)。
各マウス血清の適量を同一ケージ内動物についてプールし、D21について合計26サンプルを得た。D0血清の全サンプルの適量を1つのサンプルにプールした。この参照を1:2から出発して2倍希釈し、3組ずつとして各々対応するウェルに添加した。陽性および陰性コントロールを3組ずつで添加した。各サンプルを2倍連続希釈し、1:200から出発して3組ずつとして前記プレートに添加した。450nmでの最終的吸収を、毎月目盛補正したSoftMaxTMプレートリーダーを用いて読み取り、全ての列のOD値を電子的に捕捉し、スタトリア(Statlia, Brendan Scientific)を用いて解析し、相対的免疫原性(RI)値を計算した。
結果
免疫後に産生された抗体の量について算出したRI値は、精製PCV-2 ORF2処方物が、高度精製PCV-2 ORF2抗原に対する最高の血清学的(抗体)応答を引き起こすことを示した。昆虫細胞屑とともに精製PCV-2 ORF2を含む処方物は、高度精製PCV-2 ORF2単独と比較してORF2の相対的免疫原性(すなわち免疫原性)の低下をもたらした。昆虫細胞単独はPCV-2 ORF2抗原に対して全く免疫応答を生じなかった。試験サンプル4から6(これらもまた高度精製PCV-2 ORF2抗原を含まない)もまた高度精製PCV-2 ORF2単独と比較して相対的免疫原性の低下を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含むPCV-2抗原組成物を製造する方法:
i)PCV-2抗原を含む第一の液体を入手する工程;および
ii)前記第一の液体の少なくとも一部を前記PCV-2抗原から除去する工程。
【請求項2】
第一の液体の前記一部が、第二の液体に対して第一の液体の前記一部を交換することによってPCV-2抗原から除去され、前記第二の液体が前記第一の液体とは異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第二の液体による第一の液体の前記一部の交換が以下の工程を含む、請求項2に記載の方法:
a)PCV-2抗原を含む第一の液体へ第二の液体を添加することを含む液体添加工程;および
b)第一および第二の液体の一部を除去することによるPCV-2抗原濃縮工程。
【請求項4】
第一の液体の前記一部がフィルターを利用するろ過工程によってPCV-2抗原から除去される、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
濃縮工程および液体添加工程が実質的に同時に実施される、請求項3から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
濃縮工程および液体添加工程が少なくとも2回実施される、請求項3から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
フィルターが半透膜を含む、請求項4から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
半透膜がPCV-2抗原よりも小さい平均孔径を有し、それによりPCV-2抗原の少なくとも90%が前記半透膜を通過することを防ぎ、さらにPCV-2抗原を前記フィルター内に保持する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
フィルターが、50kDaから500kDaのサイズのタンパク質の少なくとも90%の通過を防ぐ平均孔径を有する、請求項4から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
濃縮工程が第一の液体の体積との比較で3倍から50倍に抗原を濃縮する、請求項3から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
PCV-2抗原組成物の殺ウイルス活性が、当該方法をを行っていない液体と比較して少なくとも10%低下する、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
工程i)からii)によって製造したPCV-2抗原組成物が、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成物と2時間以上混合したとき、1mL当たり1logTCID50未満の生ウイルスまたは1mL当たり1logCFU未満の生菌の損失を生じる、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程i)からii)によって製造したPCV-2抗原組成物が、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成物と2時間以上混合したとき、1mL当たり0.7logTCID50未満の生ウイルスまたは1mL当たり0.7logCFU未満の生菌の損失を生じる、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
さらに、工程ii)の後で残留するPCV-2抗原を採集する工程を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
さらに、PCV-2抗原を含む工程ii)の採集物をクロマトグラフィー手段により精製する工程を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
PCV-2抗原が、タンパク質全量に対して50%(w/w)を越えるPCV-2抗原純度に精製される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工程ii)の後で残留するPCV-2抗原を、医薬的に許容できる担体、アジュバント、希釈剤、賦形剤および前記の組合せから成る群から選択されるさらに別の成分と混合する工程をさらに含む、請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
さらに別の成分がアジュバントである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
アジュバントがカルボマーである、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
PCV-2抗原がPCV-2のORF-2タンパク質を含む、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
PCV-2抗原がORF-2タンパク質のウイルス様粒子を含む、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
方法が、PCV-2抗原組成物を少なくとも1つの別の抗原と一緒にする工程をさらに含む、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つの別の抗原が、ブタ繁殖・呼吸障害症候群ウイルス抗原および/またはマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ(Mycoplasma hyopneumoniae)抗原を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか1項に記載の方法によって入手できるPCV-2抗原組成物。
【請求項25】
PCV-2抗原組成物であって、前記PCV-2抗原組成物が、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成物と少なくとも2時間混合したとき、1mL当たり1logTCID50未満の生ウイルスまたは1mL当たり1logCFU未満の生菌の損失を生じる、前記組成物。
【請求項26】
PCV-2抗原組成物が、生ウイルスまたは生菌を前記PCV-2抗原組成物と少なくとも2時間混合したとき、1mL当たり0.7logTCID50未満の生ウイルスまたは1mL当たり0.7logCFU未満の生菌の損失を生じる、請求項25に記載のPCV-2抗原組成物。
【請求項27】
生ウイルスがブタ繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスである、請求項25または26に記載のPCV-2抗原組成物。
【請求項28】
請求項1から23のいずれか1項に記載の方法によって入手できるPCV-2抗原組成物を含む、免疫原性組成物。
【請求項29】
請求項24ら26のいずれか1項に記載のPCV-2抗原組成物を含む、免疫原性組成物。
【請求項30】
さらに、ブタで疾病を引き起こす少なくとも1つの他の有機体由来の弱毒化生ウイルスまたは弱毒化生菌を含む、請求項29に記載の免疫原性組成物。
【請求項31】
弱毒化生ウイルスがブタ繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)ウイルスである、請求項30に記載の免疫原性組成物。
【請求項32】
さらにマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエ菌を含む、請求項29から31のいずれかに記載の免疫原性組成物。
【請求項33】
さらにアジュバントを含む、請求項29から32のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項34】
アジュバントがカルボマーである、請求項33に記載の免疫原性組成物。
【請求項35】
精製PCV-2抗原およびアジュバントを含む免疫原性組成物。
【請求項36】
PCV-2抗原の純度が、免疫原性組成物に含まれるタンパク質の全量に対して50%(w/w)より高い、請求項35に記載の免疫原性組成物。
【請求項37】
PCV-2抗原が、動物細胞または細菌で発現された組換えブタシルコウイルスORF2タンパク質である、請求項35または36に記載の免疫原性組成物。
【請求項38】
ブタシルコウイルスORF2タンパク質が以下の工程を含むプロセスによって入手できる、請求項35から37のいずれか1項に記載の免疫原性組成物:
a.宿主細胞でPCV-2抗原2を発現させる工程;
b.細胞培養を採集して前記PCV-2抗原を入手する工程;
c.前記PCV-2抗原を含む採集物をゲルろ過により精製する工程;
d.前記精製PCV-2抗原をアジュバントと混合する工程。
【請求項39】
1用量の免疫原性組成物の投与後に、前記免疫原性組成物がPCV-2に対して防御免疫応答を誘発する、請求項28から38に記載の免疫原性組成物。
【請求項40】
免疫原性組成物の投与が、前記免疫原性組成物を投与されていない動物と比較してリンパ系の枯渇および炎症を動物で少なくとも80%低下させる、請求項28から38に記載の免疫原性組成物。
【請求項41】
1用量の免疫原性組成物の投与後に、前記免疫原性組成物がPRRSウイルスに対して防御免疫応答を誘発する、請求項31から38に記載の免疫原性組成物。
【請求項42】
1用量の免疫原性組成物の投与後に、前記免疫原性組成物がマイコプラズマ・ヒオプニューモニアエに対して防御免疫応答を誘発する、請求項32から38に記載の免疫原性組成物。
【請求項43】
2mLの免疫原性組成物が1用量のPCV-2抗原を含む、請求項28から38に記載の免疫原性組成物。
【請求項44】
請求項28から38のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を動物に投与する工程を含む、免疫原性組成物を投与されていない動物と比較したときPCV-2感染の1つまたは2つ以上の臨床症状を動物で軽減する方法。
【請求項45】
免疫原性組成物を投与されていない動物と比較したときPCV-2感染の1つまたは2つ以上の臨床症状を動物で軽減する、請求項28から38のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項46】
以下の工程を含む、ブタシルコウイルスに対する免疫原性組成物の免疫原性を向上させる方法;
a.宿主細胞でPCV-2抗原を発現させる工程;
b.前記PCV-2抗原を採集する工程;
c.前記PCV-2抗原を前記免疫原性組成物に含まれるタンパク質の全量に対して50%(w/w)より高い純度に精製する工程;
d.前記精製PCV-2抗原をアジュバントと混合する工程。

【図1】
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【公表番号】特表2013−503893(P2013−503893A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528041(P2012−528041)
【出願日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際出願番号】PCT/US2010/047654
【国際公開番号】WO2011/028888
【国際公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(503345374)ベーリンガー インゲルハイム フェトメディカ インコーポレイテッド (26)
【Fターム(参考)】