POSシステムおよびプログラム
【課題】POSシステムにおける貨幣の入出金管理の効率化を図り、残置運用の運用形態が導入しやすくする。
【解決手段】POSシステムは商品販売データ処理装置2(POS端末)と釣銭機6とから構成される。釣銭機6は、貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額を貨幣カウンタ259が把握して、把握した収納金額の情報を釣銭機記憶部254に記憶する。情報処理部201は、立ち下げ時に釣銭機6から取得した立ち下げ時収納金額と、起動時に釣銭機6から取得した起動時収納金額とが一致しているか否かを判定する。
【解決手段】POSシステムは商品販売データ処理装置2(POS端末)と釣銭機6とから構成される。釣銭機6は、貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額を貨幣カウンタ259が把握して、把握した収納金額の情報を釣銭機記憶部254に記憶する。情報処理部201は、立ち下げ時に釣銭機6から取得した立ち下げ時収納金額と、起動時に釣銭機6から取得した起動時収納金額とが一致しているか否かを判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等に、商品販売データの管理を行うために、ストアコンピュータ、POS端末(商品販売データ処理装置)などを備えて構成されるPOSシステムが導入されている。POS端末は、売上金や釣銭を収納するドロワが接続されて使用される。このようなPOSシステムにおいて、開店時にドロワに釣銭準備金を投入し、閉店時にドロワ内の貨幣を全額回収して、ドロワ内の収納金額から開店時に投入された釣銭準備金の金額を差し引いた金額を営業時間中にドロワに投入された金額として算出し、POSシステムに記録されている売上金額と比較して入出金管理を行う、全額回収運用がなされている。
【0003】
近年、POS端末に接続されて使用される貨幣を一時的に収納するドロワの代わりに、釣銭機が用いられることが多い。釣銭機は、POS端末からの指令に応じて必要な釣銭を自動的に払出す機能のみならず、収納されている貨幣の在高を数える機能も備えている。このような釣銭機が把握する釣銭機内の在高の情報を用いて商品販売データ処理の際の入出金の管理を行うPOSシステムに関する発明がなされている(例えば、特許文献1)。
【0004】
貨幣の在高を数える機能を持つ釣銭機を用いると、閉店時に釣銭機内の貨幣を全額回収せずに残置しておき、残置された釣銭機内の貨幣を翌日の釣銭準備金として運用する残置運用の運用形態でPOSシステムを運用することが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
残置運用の運用形態で釣銭機を運用した場合、全額回収運用で行われるように閉店時に釣銭機内の貨幣を全額回収して、翌日の開店前に釣銭準備金を投入する手間が不要になる。つまり、閉店時および開店時において貨幣の出し入れ作業がなくなる。その結果、貨幣の出し入れ作業に伴う釣銭機内の収納金額の数え間違えや集計ミス、現金の不正搾取などが発生しにくくなる。
【0006】
しかし、釣銭機で残置運用を行う場合、全額回収運用の際に行われていた閉店時の貨幣の全額回収作業や開店時の釣銭準備金の投入作業が不要になり、店員が閉店時に釣銭機に投入されている貨幣の金額や開店時に釣銭機に投入される釣銭準備金の金額を点検する機会がない。そのため、残置運用を行うにもかかわらず、開店時に釣銭機内の収納金額を点検して、改めてPOS端末に入力する必要がある。
【0007】
また、釣銭機で残置運用を行ったとしても、営業時間中に釣銭機に貨幣を収納しきれずに釣銭機に収納されている貨幣の一部を金庫等に回収したり、釣銭機内で不足している金種の貨幣を補充したりする作業など、商品取引以外にも貨幣を取り扱う作業は依然として残っている。このような作業で出し入れされる貨幣の金額は商品取引に伴うものではないためにPOS端末やPOSシステムに記録されない。そのため、キャッシャは、釣銭機から貨幣を回収したり釣銭機に貨幣を補充したりする際には、POS端末に回収または補充した貨幣の金額を入力してPOSシステムに記録する必要がある。この際にも、POS端末に入力する金額の入力ミスが発生したり、故意に金額を変えて入力して貨幣を不正に搾取されたりするおそれがある。
【0008】
さらに、POS端末を操作するキャッシャが営業時間中に交代するフローティングキャッシャシステムでPOSシステムが運用されている場合、個々のキャッシャがPOS端末にサインオンを行うたび釣銭機に収納される貨幣の入出金管理を行う必要もある。残置運用の運用形態を用いても、キャッシャがサインオンを行う前後におけるキャッシャごとの売上金額とキャッシャが取り扱った貨幣の金額との一致不一致を確認する手間は省略されたわけではない。
【0009】
以上のように、収納されている貨幣の金額を把握する機能を備える釣銭機が導入されても、釣銭機における貨幣の入出金状況が把握しきれず、残置運用に切り替えられず全額回収運用のままPOSシステムが運用されることが多かった。
【0010】
本発明の目的は、貨幣の入出金管理の効率化を図り、残置運用の運用形態を導入しやすいPOSシステムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態のPOSシステムは、各種データを記憶する記憶部と、情報処理を実行する情報処理部と、を備え、この情報処理部は、操作命令が入力されると、貨幣を収納する貨幣収納部に収納されている収納金額を操作時収納金額として取得して前記記憶部に記憶する操作時処理を実行し、サインオン命令、サインオフ命令および貨幣移動命令のいずれか一の操作命令が入力されると、サインオン命令が入力された時点とサインオフ命令が入力される時点とによって規定される一連の手続期間であるセッションを識別するために当該入力部に入力されたサインオン命令を受けて発行されるセッションIDと、当該操作命令が入力された操作時刻と、当該操作時刻においてサインオンしているキャッシャに対応するキャッシャIDと、入力された当該操作命令に対応する操作命令コードと、当該操作時刻において前記記憶部に記憶されている操作時収納金額と、を対応づけた管理データを作成し、当該作成した管理データを記憶部に記憶する管理データ記憶処理を実行する。
【発明の効果】
【0012】
本実施形態によれば、釣銭機と情報処理部とが連動し、情報処理部の立ち下げ時に釣銭機に収納されている貨幣の収納金額が情報処理部の記憶部に立ち下げ時収納金額として記憶され、この立ち下げ時収納金額と、起動時に釣銭機に収納されている貨幣の収納金額とが一致しているか否かを判定するので、POSシステムにおける貨幣の入出金管理の効率化が図られる。
【0013】
また、本実施形態によれば、入力部から操作命令が入力されるたびに釣銭機に収納されている貨幣の収納金額が情報処理部の記憶部に操作時収納金額として記憶され、操作時刻やキャッシャIDなどの情報と対応付けられて管理データとして記憶部に記憶されるので、POSシステムにおける貨幣の入出金管理の効率化がさらに図られる。
【0014】
また、本実施形態によれば、キャッシャ別に、入力部から操作命令が入力されるたびに釣銭機に収納されている貨幣の収納金額が情報処理部の記憶部に操作時収納金額として記憶され、操作時刻やキャッシャIDなどの情報と対応付けられて管理データとして記憶部に記憶されキャッシャ別に貨幣の入出金管理が行われるため、POSシステムにおける貨幣の入出金管理の効率化がさらに図られる。
【0015】
以上のように、本実施形態によれば、貨幣の入出金管理の効率化が図られ、残置運用の運用形態が導入しやすいPOSシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】POSシステムの全体の構成を示すブロック図である。
【図2】POS端末および釣銭機の外観斜視図である。
【図3】POS端末および釣銭機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】POS端末が管理する管理データのデータ構造を示す模式図である。
【図5】POS管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】POS管理サーバが管理する管理データのデータ構造を示す模式図である。
【図7】収納金額取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】サインオン命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】貨幣回収命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】貨幣補充命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】サインオフ命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】POS端末別に管理データを出力部(プリンタ)に出力する出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】キャッシャ別に管理データを出力部(プリンタ)に出力する出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】プリンタから出力される管理データの一例を示す模式図である。
【図15】プリンタから出力される管理データの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[システム全体の構成]
本発明の実施の一形態を図1ないし図15に基づいて説明する。本実施の形態は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等に導入される、商品販売データを集計し管理するPOSシステムへの適用例である。
【0018】
図1は、POSシステム1の全体の構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施の形態のPOSシステム1は、図1に示すように、複数台のPOS端末2(商品販売データ処理装置)と、上位機としてのPOS管理サーバ3と、出力部としてのプリンタPLとがLANネットワーク4を介してデータ通信自在に接続して構成されている。
【0020】
POS端末2には、釣銭機6がデータ通信自在に接続されている。
【0021】
POS端末2は、データ入力および操作命令を受け付ける入力部8(図2参照)を備え、入力部8から入力されたデータを基に商品取引における売上処理を実行し、売上処理を行った結果取引された売上金額を記憶する。この売上金額は、取引された商品の商品コード、取引点数、取引が行われた時点でPOS端末2にサインオンされているキャッシャのキャッシャIDなどとともにPOS管理サーバ3に送信され、売上データとしてPOS管理サーバ3に管理される。また、POS端末2はRAM204(図3)を備えている。このRAM204は、電源を切っても記憶内容を保持されているメモリである。このようなRAM204として、例えば、フラッシュメモリなどの非揮発性メモリ、バッテリバックアップにより記憶内容を保持可能なSRAMなどを用いることが可能である。
【0022】
釣銭機6は、顧客との商品取引時において、店員が顧客から預った貨幣を入金したり、顧客に返却する釣銭を出金したり、顧客からの両替要求に応じて両替貨幣を入出金したりする際に利用される。釣銭機6は、顧客から受領した硬貨や紙幣などの貨幣を収納する貨幣収納部260(図3参照)と貨幣カウンタ259(図3参照)と釣銭機記憶部であるRAM254(図3参照)とを内部に備える。貨幣カウンタ259は、貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額を取得する。釣銭機記憶部であるRAM254には、貨幣カウンタ259によって取得された貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額が記憶される。
【0023】
POS端末2は、釣銭機6とデータ通信自在に接続されて店舗内のチェックアウトカウンタに設置される。そして、POS端末2は、釣銭機6に通信してPOS端末2の入力部8に操作命令が入力された時点でRAM254に記憶されている釣銭機6の内部に収納されている貨幣の収納金額を取得し、RAM204に記憶する。さらに、POS端末2は、この収納金額と、操作命令が入力部8から入力された時点における操作時刻、当該操作時刻の時点でPOS端末2にサインオンしているキャッシャに対応するキャッシャID等の各種の情報と対応付けて管理データを作成する。この作成した管理データは、POS管理サーバ3に送信される。
【0024】
POS管理サーバ3は、店舗のバックヤード等に設置され、POSシステム1の全体を制御する。より詳細には、POS管理サーバ3は、顧客データ、PLUデータ、各POS端末2に接続されている釣銭機6の在高データ等の各種データ等を記憶保持したり、各POS端末2から送信される売上データを基に集計処理等の各種統計処理を行ったりすることが可能である。また、POS管理サーバ3がLANネットワーク4を介して接続されているPOS端末2からそのPOS端末2でサインオン操作が行われた旨の通知を受けると、POS管理サーバ3は、キャッシャがサインオンを行ってからサインオフを行うまでの一連の手続期間(いわゆるセッション)を識別するセッションIDを発行して、サインオンテーブルにそのサインオン操作が行われたPOS端末2に対応する装置IDと、サインオン操作を行ったキャッシャに対応するキャッシャIDと、セッションIDとを対応付けて記憶し、POSシステム1内でサインオンされているPOS端末2を管理する。
【0025】
また、POS管理サーバ3は、管理している各種データに統計処理を行ったり、POS端末2から送信される売上データ、管理データなどの各種データに演算処理を施したり、演算結果をディスプレイやプリンタなどの出力機器に出力したり、演算結果をファイルの態様で記憶領域であるHDD406(図5参照)に記憶して保管したりする。例えば、POS管理サーバ3は、管理している売上データの中から、所定の装置IDと対応するデータを抽出して、特定のPOS端末2で行われた商品取引での売上金額を求めることができる。同様に、POS管理サーバ3は、管理している売上データの中から、所定のキャッシャIDと対応する売上データを抽出して、特定のキャッシャがPOS端末2で行った商品取引での売上金額を求めることができる。同様に、POS管理サーバ3は、管理している売上データの中から、所定のセッションIDと対応するデータを抽出して、特定のセッションにおける商品取引の状態を把握することができる。
【0026】
プリンタPLは、店舗のバックヤード等に設置され、LANネットワーク4を介して入力された情報を受け付けて紙媒体に出力する。
【0027】
以上のように構成されたPOSシステム1を構成するPOS端末2、釣銭機6およびPOS管理サーバ3について、さらに詳しく説明する。
[POS端末および釣銭機の構成]
図2は、POS端末2および釣銭機6の外観斜視図である。
【0028】
POS端末2は、釣銭機6と互いにデータ通信自在に接続された状態で、釣銭機6の上に載置されている。
【0029】
POS端末2の外観を構成するハウジング7の上面は、手前側が低くなるように若干傾斜して形成されている。ハウジング7の上面の右側には入力部8が設けられている。入力部8の奥側かつハウジング7の上面には、キャッシャ用表示部9が情報表示面を手前側に向けて立設されている。キャッシャ用表示部9のさらに奥側には、ハウジング7の上面から客用表示部10が、情報表示面を奥側に向けて立設されている。ハウジング7の背面には、外部機器インターフェイス212(図3参照)が設けられている。外部機器インターフェイス212には、バーコードを読み取るバーコードスキャナ11が接続されている。
【0030】
釣銭機6は、その外観を構成するハウジング12の前方部分に、紙幣挿入口13と、紙幣排出口14と、硬貨投入口15と、硬貨排出口16とを設けている。紙幣挿入口13と紙幣排出口14とは、ハウジング12の右側前面に、前方に開口した状態で設けられている。硬貨投入口15は、ハウジング12の略中央で前方上面に、上方に開口した状態で設けられている。硬貨排出口16は、ハウジング12の左側前面に下方に向いて設けられ、この硬貨排出口16から排出された硬貨が硬貨排出口16の下方に形成された受け皿形状の硬貨受け部17に蓄積されるように構成されている。
【0031】
また、釣銭機6には、貨幣収納部260(図3参照)と貨幣カウンタ259(図3参照)が、外部から視認できないように内蔵されて設けられている。貨幣収納部260は、金種別に貨幣を収納可能な構造であり、より詳細には、1円硬貨収納部、5円硬貨収納部、10円硬貨収納部、50円硬貨収納部、100円硬貨収納部、500円硬貨収納部、千円紙幣収納部、二千円紙幣収納部、五千円紙幣収納部および一万円紙幣収納部の10箇所の貨幣収納部が設けられている。硬貨収納部は、釣銭機6の内部に設けられている硬貨投入口15から硬貨排出口16まで硬貨を案内する構造に形成されている図示しない硬貨案内経路の途中に設けられている。また、紙幣収納部は、釣銭機6の内部に設けられている紙幣挿入口13から紙幣排出口14まで紙幣を案内する構造に形成されている図示しない紙幣案内経路の途中に設けられている。これらの案内経路は、例えば、モータ257(図3参照)に掛けまわされた図示しない搬送ベルトによって形成される。
【0032】
貨幣収納部260に収納される貨幣は、それぞれの金種に対応して釣銭機6の内部に設けられている貨幣カウンタ259によって、金種別に枚数がカウントされる。貨幣カウンタ259によってカウントされた貨幣の枚数を基に、釣銭機6は、貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額を算出してRAM254(図3参照)に記憶する。記憶された収納金額はPOS端末2からの要求に応じてPOS端末2に送信される。
【0033】
POS端末2と釣銭機6とは、双方の背面の位置が揃えられて、釣銭機6の前方部分が延出して硬貨投入口15の開口部の全体が外観に現れる状態に設置される。そして、POS端末2と釣銭機6とは、それぞれの背面に接続されている接続ケーブル213(図3参照)によって、互いにデータ通信自在に接続されている。
【0034】
図3は、POS端末2および釣銭機6のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0035】
まず、POS端末2のハードウェア構成を説明する。
【0036】
POS端末2は、POS端末2の各部を集中的に制御するCPU202と、固定データを格納するROM203と、可変データを書き換え自在に記憶する記憶部であるRAM204とから構成される情報処理を実行する情報処理部201を備える。このRAM204は、前述したように、電源を切っても記憶内容を保持されている、例えば、フラッシュメモリなどの非揮発性メモリ、バッテリバックアップにより記憶内容を保持可能なSRAMなどである。
【0037】
情報処理部201には、システムバス205を介して、HDD206、LANインターフェイス207、キャッシャ用表示部制御部208、客用表示部制御部209、釣銭機接続インターフェイス210、入力部制御部211および外部機器インターフェイス212が接続されている。キャッシャ用表示部制御部208にはキャッシャ用表示部9が、客用表示部制御部209には客用表示部10が、釣銭機接続インターフェイス210には釣銭機6が、入力部制御部211には入力部8が、外部機器インターフェイス212にはバーコードスキャナ11が、それぞれ接続されている。LANインターフェイス207は、POS端末2を、LANネットワーク4を介してPOS管理サーバ3やプリンタPLにデータ通信自在に接続させる。
【0038】
続いて、釣銭機6のハードウェア構成を説明する。
【0039】
釣銭機6は、釣銭機6の各部を集中的に制御するCPU252と、ROM253と、RAM254とから構成される、情報処理を実行する情報処理部251を備える。RAM254の一部はバッテリバックアップされていて釣銭機6の電源が落とされても記憶されている情報が消滅しない非揮発性記憶部254aによって構成されている。情報処理部251には、システムバス255を介して、モータ制御部256、POS端末接続インターフェイス258、および、貨幣カウンタ259が接続されている。モータ制御部256にはモータ257が接続されている。モータ257は、釣銭機6の内部に形成される紙幣案内経路や貨幣案内経路を形成する図示しない搬送ベルトを駆動させる駆動源となる。POS端末接続インターフェイス258には、POS端末2が接続されている。貨幣カウンタ259には、貨幣収納部260が接続されており、貨幣収納部260に収納されている貨幣の金種別の枚数をカウントする。
【0040】
POS端末2と釣銭機6とは、POS端末2に備わる釣銭機接続インターフェイス210と釣銭機6に備わるPOS端末接続インターフェイス258とを接続する接続ケーブル213を介して、データ通信自在に接続されている。
【0041】
図4は、POS端末2が管理する管理データのデータ構造を示す模式図である。
【0042】
POS端末2は、入力部8から操作命令が入力されると、図4に示すようなデータ構造を備える管理データ302を作成してRAM204に記憶する。管理データ302は、操作時刻303、キャッシャID304、操作命令コード305、操作時収納金額306、金銭別内訳307、回収金額308、補充金額309、累積移動金額310、釣銭機投入金額311、POS端末別売上金額312、および、過不足金額313から構成される。
【0043】
操作時刻303は、入力部8から操作命令が入力された時点での時刻である。例えば、キャッシャがPOS端末2の入力部8にサインオン命令を入力した場合、操作時刻303は、POS端末2の情報処理部201がサインオン命令が入力部8から入力されたことを検知した時点での時刻である。なお、POS端末2が操作時刻303として取得する時刻は、例えば、POS管理サーバ3で実行されているNTP(ネットワークタイムプロトコル)によって、POSシステム1全体で同期されているPOS端末2の時計機能によって決定される時刻である。
【0044】
キャッシャID304は、入力部8から操作命令が入力された操作時刻303の時点においてPOS端末2にサインオンされているキャッシャに対応している。
【0045】
操作命令コード305は、入力部8から入力された操作命令に対応する。
【0046】
操作時収納金額306は、入力部8から操作命令が入力された操作時刻303の時点において貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額であり、情報処理部201が釣銭機6に問い合わせて取得した情報である。
【0047】
金銭別内訳307は、入力部8から操作命令が入力された操作時刻303の時点において貨幣収納部260に収納されている貨幣の金銭別の枚数であり、操作時収納金額306と同様に、情報処理部201が釣銭機6に問い合わせて取得した情報である。
【0048】
回収金額308は、入力部8から入力される貨幣回収命令を受けて釣銭機6から排出される貨幣の金額であり、貨幣回収命令とともに入力部8から入力される操作者が釣銭機6から排出させようとする貨幣の金額である。
【0049】
補充金額309は、入力部8から入力される貨幣補充命令を受けて釣銭機6に補充される貨幣の金額であり、貨幣補充命令とともに入力部8から入力される、操作者が釣銭機6に補充しようとする貨幣の金額である。
【0050】
累積移動金額310は、回収金額308の総和から補充金額309の総和を引くことによって算出される、POS端末2の起動時から操作時刻303までに商品取引以外に釣銭機6から出し入れされた貨幣の金額である。
【0051】
釣銭機投入金額311は、POS端末2の起動時から操作時刻303までに釣銭機6に投入された金額であり、POS端末2の起動時における釣銭機6内の収納金額(起動時収納金額)と操作時収納金額306との差額である。
【0052】
POS端末別売上金額312は、入力部8から操作命令が入力された操作時刻303の時点においてPOS端末2が記憶している、このPOS端末2で行われた商品取引での売上金額である。
【0053】
過不足金額313は、釣銭機投入金額311とPOS端末別売上金額312の差額である。
[POS管理サーバの構成]
図5は、POS管理サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0054】
POS管理サーバ3は、POS管理サーバ3の各部を集中的に制御するCPU402と、ROM403と、RAM404とから構成される、情報処理を実行する情報処理部401を備える。情報処理部401には、システムバス405を介して、HDD406、LANインターフェイス407、キーボード制御部408およびモニタ制御部409が接続されている。キーボード制御部408には情報入力を受け付けるキーボード411が、モニタ制御部409には情報を画面に出力するモニタ412が、それぞれ接続されている。また、LANインターフェイス407は、POS管理サーバ3を、LANネットワーク4を介してPOS端末2やプリンタPLに、データ通信自在に接続させる。
【0055】
HDD406には、顧客データ406a、PLUデータ406b、売上データ406c、釣銭機6の在高データ406d、管理ファイル406e等の各種データがファイルの態様で記憶保存されている。
【0056】
図6は、POS管理サーバ3が管理する管理データのデータ構造を示す模式図である。
【0057】
POS管理サーバ3は、POS端末2から送信される管理データ302に、セッションID503と、装置IDであるレジNo504と、セッション別釣銭機投入金額505と、キャッシャ別売上金額506とを付加して管理データ502を作成し、この管理データ502をHDD406に、ファイルの態様で保存する。
【0058】
セッションID503は、キャッシャがそのPOS端末2にサインオンを行った旨の通知を受けることによって、POS管理サーバ3が発行するものである。
【0059】
レジNo504は、管理データ302を送信する送信元のPOS端末2に対応する。
【0060】
セッション別釣銭機投入金額505は、キャッシャがサインオンしているセッションの間にPOS端末2に接続されている釣銭機6に投入された貨幣の金額であって、この管理データ502が作成される時点での釣銭機6の収納金額から、このセッションが開始した時点での釣銭機6の収納金額を引いて算出される。
【0061】
キャッシャ別売上金額506は、HDD406に格納されている売上データ406cに記録されている売上データ406cを基に、POS管理サーバ3が統計処理を行って算出する操作時刻303におけるキャッシャ別の売上金額である。
【0062】
以上に述べたような構成のPOS端末2およびPOS管理サーバ3を備えて構成されるPOSシステム1において、POSシステム1が実行する収納金額取得処理、管理データ記憶処理、および、出力処理について以下に説明する。
[収納金額取得処理]
図7は、収納金額取得処理の流れを示すフローチャートである。以下、図7に示すフローチャートに従って説明する。
【0063】
収納金額取得処理とは、POS端末2の情報処理部201が、レジ開け時に釣銭機6に収納されている貨幣の金額を取得する処理である。
【0064】
まず、情報処理部201は収納金額取得処理を開始すると、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額を問い合わせる(ST11)。
【0065】
ST11において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2は釣銭機6に収納金額要求命令を送信し(ST11a)、釣銭機6から送信される収納金額を受信するまで待機している(ST11b)。釣銭機6は、起動している間にPOS端末2から送信される収納金額要求命令を受け付けている(ST11c)。釣銭機6が収納金額要求命令を受信した場合(ST11cのY)、釣銭機6の情報処理部251は、RAM254に記憶されている収納金額をPOS端末2に送信する(ST11d)。
【0066】
POS端末2の情報処理部201は、釣銭機6から送信される収納金額を受信した(ST11bのY)後に続く処理として、POS端末2の情報処理部201は、釣銭機6に問い合わせて取得した収納金額を記憶部であるRAM204に記憶して(ST12)、収納金額取得処理を終了する。
【0067】
情報処理部201は、POS端末2の立ち下げ時に、この収納金額取得処理を立ち下げ時処理として実行し、釣銭機6のRAM254から取得されるPOS端末2の立ち下げ時における収納金額を「立ち下げ時収納金額」として、RAM204に記憶する。
【0068】
また、情報処理部201は、POS端末2の起動時にも、この収納金額取得処理を起動時収納金額取得処理として実行し、釣銭機6のRAM254から取得されるPOS端末2の起動時における収納金額を「起動時収納金額」として、RAM204に記憶した上で、情報処理部201は、立ち下げ時処理で取得しRAM204に記憶された立ち下げ時収納金額と、起動時収納金額取得処理で取得しRAM204に記憶された起動時収納金額とが一致しているか否かを判定する。
[管理データ記憶処理]
図8は、サインオン命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。図9は、貨幣回収命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。図10は、貨幣補充命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。図11は、サインオフ命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】
POS端末2は、操作命令が入力部8から入力されると、管理データ記憶処理を実行する。管理データ記憶処理とは、操作命令が入力された操作時刻と、その操作時刻における釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額等の各種情報を対応付けた管理データを作成して記憶部であるRAM204に記憶する処理である。以下、入力される操作命令の一例として、サインオン命令、貨幣回収命令、貨幣補充命令、サインオフ命令が入力された場合について説明する。ここで、サインオン命令とは、キャッシャがPOS端末2の使用を開始する際に、キャッシャによってキャッシャIDとともに入力部8から入力される操作命令である。また、貨幣回収命令とは、キャッシャが釣銭機6の中に収納されている貨幣を回収する際に、釣銭機6の中から排出する貨幣の金額とともに入力部8から入力される操作命令である。また、貨幣補充命令とは、キャッシャが釣銭機6に貨幣を補充する際に、釣銭機6に補充する貨幣の金額とともに入力部8から入力される操作命令である。また、サインオフ命令とは、キャッシャがPOS端末2の使用を終了する際に入力部8から入力される操作命令である。
【0070】
以下、図8ないし図11に示すフローチャートに従って説明する。
【0071】
まず、サインオン命令が入力された場合の管理データ記憶処理について、図8に基づいて説明する。
【0072】
POS端末2の情報処理部201は、管理データ記憶処理を開始すると、図7に基づいて前述した収納金額取得処理を実行して釣銭機6の収納金額を取得する(ST21)。このとき、情報処理部201は取得した収納金額を操作時収納金額306として記憶部であるRAM204に記憶する。
【0073】
続く処理として、情報処理部201は、操作時収納金額306を用いて、図4に基づいて前述した構成の管理データ302を作成し、記憶部であるRAM204に記憶する(ST22)。このとき、情報処理部201は、サインオン命令が入力された際には釣銭機6の貨幣収納部260と外部との間では貨幣の移動がないため、回収金額308の値および補充金額309の値をいずれも「0」として、また、操作命令コード305を「サインオン」として管理データ302を作成する。
【0074】
続く処理として、情報処理部201は、POS管理サーバ3に対してサインオン要求を実行する(ST23)。
【0075】
ST23において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2はPOS管理サーバ3に、ST22で作成した管理データ302およびPOS端末2のレジNoとともに、キャッシャが入力したキャッシャIDを用いてPOSシステム1にサインオンを行う旨を送信し(ST23a)、POS管理サーバ3が発行するセッションIDを受信するまで待機する(ST23b)。POS管理サーバ3は、起動している間にPOS端末2から送信されるサインオン要求を受け付けている(ST23c)。POS管理サーバ3がサインオン要求を受信した場合(ST23cのY)、POS管理サーバ3の情報処理部401は、セッションIDを発行してPOS端末2にセッションIDを送信する(ST23d)。
【0076】
POS端末2の情報処理部201は、POS管理サーバ3からセッションIDを受信すると(ST23bのY)、管理データ記憶処理を終了する。
【0077】
次いで、貨幣回収命令が入力された場合の管理データ記憶処理について、図9に基づいて説明する。
【0078】
POS端末2の情報処理部201は、管理データ記憶処理を開始すると、図7に基づいて前述した収納金額取得処理を実行して釣銭機6の収納金額を取得して操作時収納金額306としてRAM204に記憶し(ST31)、操作時収納金額306を用いて管理データ302を作成してRAM204に記憶する(ST32)。このとき情報処理部201は、回収金額308の値および補充金額309の値を「0」とし、操作命令コード305を「貨幣回収前点検」として、管理データ302を作成する。
【0079】
続く処理として、情報処理部201は、POS管理サーバ3にST32で作成した管理データ302を送信する(ST33)。POS管理サーバ3は、POS端末2から送信された管理データ302にセッションID503およびレジNo504等を付して、図6に基づいて前述した構成の管理データ502を記憶する。
【0080】
続く処理として、情報処理部201は、入力部8から入力された金額だけ釣銭機6の中の貨幣を排出させる貨幣回収処理を実行する(ST34)。ST34において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2は釣銭機6に、入力された金額だけ貨幣を排出させる出金命令を送信し(ST34a)、釣銭機6から貨幣排出後の収納金額を受信するまで待機する(ST34b)。釣銭機6は、起動している間にPOS端末2から送信される出金命令を受け付けている(ST34c)。釣銭機6が出金命令を受信した場合(ST34cのY)、釣銭機6の情報処理部251は、モータ制御部256を制御してモータ257を駆動させて、POS端末2から送信された排出金額だけ貨幣収納部260から排出し(ST34d)、排出後の収納金額をPOS端末2に送信する(ST34e)。
【0081】
POS端末2の情報処理部201は、釣銭機6から排出後の収納金額を受信した後に続く処理として(ST34bのY)、受信した排出後の収納金額を用いて新たに管理データ302を作成する(ST35)。このとき、情報処理部201は、回収金額308の値を貨幣回収命令が入力された際に入力部8から入力された、キャッシャが釣銭機6から回収しようとする金額とし、操作命令コード305を「貨幣回収」として、管理データ302を作成する。
【0082】
続く処理として、情報処理部201は、ST35で作成した管理データ302をPOS管理サーバ3に送信して(ST36)、管理データ記憶処理を終了する。
【0083】
次いで、貨幣補充命令が入力された場合の管理データ記憶処理について、図10に基づいて説明する。
【0084】
POS端末2の情報処理部201は、管理データ記憶処理を開始すると、図7に基づいて前述した収納金額取得処理を実行して釣銭機6の収納金額を取得して操作時収納金額306としてRAM204に記憶し(ST41)、操作時収納金額306を用いて管理データ302を作成してRAM204に記憶する(ST42)。このとき、情報処理部201は、回収金額308の値および補充金額309の値を「0」とし、操作命令コード305を「貨幣補充前点検」として、管理データ502を作成する。
【0085】
続く処理として、情報処理部201は、ST42で作成した管理データ302をPOS管理サーバ3に送信する(ST43)。POS管理サーバ3は、POS端末2から送信された管理データ302を受信すると、受信した管理データ302にセッションID503およびレジNo504等を付加して、図6に基づいて前述した構成の管理データ502を記憶する。
【0086】
続く処理として、情報処理部201は、入力部8から入力された金額だけ釣銭機6に貨幣を補充する貨幣補充処理を実行する(ST44)。ST44において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2は釣銭機6に、入力された金額だけ貨幣の補充を受け付ける補充許可命令を送信し(ST44a)、釣銭機6から貨幣補充後の収納金額を受信するまで待機する(ST44b)。釣銭機6は、起動している間にPOS端末2から送信される貨幣補充命令を受け付けている(ST44c)。釣銭機6が貨幣補充命令を受信した場合(ST44cのY)、釣銭機6の情報処理部251は、貨幣収納部260への貨幣の補充を受け付ける(ST44d)。入力部8から入力された補充金額だけ貨幣が補充されると、情報処理部251は、補充後の収納金額をPOS端末2に送信する(ST44e)。
【0087】
POS端末2の情報処理部201は、釣銭機6から補充後の収納金額を受信した後に続く処理として(ST44bのY)、受信した補充後の収納金額を用いて新たに管理データ302を作成する(ST45)。このとき情報処理部201は、補充金額309の値を、キャッシャが貨幣補充命令とともに入力部8から入力した釣銭機6に補充しようとする貨幣の金額とし、操作命令コード305を「貨幣補充」として、管理データ302を作成する。
【0088】
続く処理として、情報処理部201は、ST45で作成した管理データ302をPOS管理サーバ3に送信して(ST46)、管理データ記憶処理を終了する。
【0089】
次いで、サインオフ命令が入力された場合の管理データ記憶処理について、図11に基づいて説明する。
【0090】
POS端末2の情報処理部201は、管理データ記憶処理を開始すると、図7に基づいて前述した収納金額取得処理を実行して釣銭機6の収納金額を取得して操作時収納金額306としてRAM204に記憶し(ST51)、操作時収納金額306を用いて管理データ302を作成してRAM204に記憶する(ST52)。このとき、情報処理部201は、回収金額308の値および補充金額309の値をいずれも「0」とし、操作命令コード305を「サインオフ」として、管理データ302を作成する。
【0091】
続く処理として、情報処理部201は、POS管理サーバ3に対してサインオフ要求を実行する(ST53)。
【0092】
ST53において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2はPOS管理サーバ3に、ST52で作成した管理データ302およびPOS端末2のレジNoとともに、キャッシャが入力したキャッシャIDを用いてPOS管理サーバ3にサインオフを行う旨を送信し(ST53a)、POS管理サーバ3からセッション終了情報を受信するまで待機する(ST53b)。POS管理サーバ3はサインオフ要求を受信した場合(ST53cのY)、POS管理サーバ3の情報処理部401は、セッション終了情報をPOS端末2に送信する(ST53d)。
【0093】
POS端末2の情報処理部201は、POS管理サーバ3からセッション終了情報を受信すると(ST53bのY)、管理データ記憶処理を終了する。
[出力処理]
図12は、POS端末2別に管理データを出力部(プリンタPL)に出力する出力処理の流れを示すフローチャートである。図13は、キャッシャ別に管理データを出力部(プリンタPL)に出力する出力処理の流れを示すフローチャートである。以下、図12ないし図13に示すフローチャートに従って説明する。
【0094】
まず、POS端末2別の管理データを出力する場合について、図12に基づいて説明する。
【0095】
POS端末2の情報処理部201は、入力部8から管理データをPOS端末2別に出力する操作命令が入力されると、RAM204に記憶されている管理データ302を操作時刻303の順にソートし(ST61)、ソートされた管理データ302をプリンタPLに送信する(ST62)。
【0096】
続く処理として、情報処理部201はキャッシャ用表示部9に、POS端末2のRAM204に記憶されている管理データ302をクリアするかどうかを尋ねる表示を行って、入力部8から管理データ302をクリアするかどうかの判断を受け付ける(ST63)。入力部8に管理データ302をクリアする判断が入力された場合(ST63のY)、情報処理部201はRAM204に記憶されている管理データ302をクリアして(ST64)、出力処理を終了する。これに対し、入力部8に管理データ302をクリアしない判断が入力された場合(ST63のN)、情報処理部201はRAM204に記憶されている管理データ302をクリアせずに、出力処理を終了する。
【0097】
なお、上記に述べたようなPOS端末2別に管理データ302出力する操作命令は、個々のPOS端末2で受け付けられるのみならず、POS管理サーバ3のキーボード411からレジNoの入力を受け付けて、その入力されたレジNoを備える管理データ502をHDD406に記録されている管理データ502から抽出し、抽出された管理データ502をPOS管理サーバ3の情報処理部401が操作時刻303を基準にソートを行ってプリンタPLから出力されるようにしてもよい。
【0098】
次いで、キャッシャ別に管理データを出力する場合について、図13に基づいて説明する。
【0099】
POS管理サーバ3の情報処理部401は、キーボード411からキャッシャID304の入力を受け付けて、その入力されたキャッシャID304に関する管理データを出力する操作命令が入力されると、HDD406に記憶されている管理データ502から、入力されたキャッシャID304を持つ管理データ502を抽出した後に(ST71)、その抽出した管理データ502を操作時刻303順にソートする(ST72)。
【0100】
続く処理として、情報処理部401は、キャッシャ別釣銭機投入金額507(図15参照)および過不足金額508(図15参照)を算出して、管理データ502に付加する(ST73)。キャッシャ別釣銭機投入金額507は、各キャッシャがPOS端末2にサインオンを行って商品取引を行った際にPOS端末2に登録された取引商品の売上金額の合計であり、各管理データ502のセッション別釣銭機投入金額505に、当該管理データ502のセッションID503が発行された時刻以前に発行されたセッションID503を備える管理データ502の中で、操作命令コード305が「サインオフ」である管理データ502のセッション別釣銭機投入金額505を加えて算出される。過不足金額508は、キャッシャ別釣銭機投入金額507からキャッシャ別売上金額506を引いて算出される。
【0101】
続く処理として、情報処理部401は、キャッシャ別売上金額が付加された管理データをプリンタPLに送信する(ST74)。
[作用]
以上のような処理を実行するPOSシステム1を用いることによって、貨幣の入出金管理の効率化を図ることが可能になる。
【0102】
すなわち、POSシステム1を構成するPOS端末2と釣銭機6とはデータ通信自在に接続されており、POS端末2の情報処理部201が立ち下がる時に釣銭機6に収納金額取得処理を実行して、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額を記憶部であるRAM204を「立ち下げ時収納金額」として記憶する。そして、POS端末2の情報処理部201は、起動時にも収納金額取得処理を実行して、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額を記憶部であるRAM204に「起動時収納金額」として記憶する。そして、POS端末2の情報処理部201は、立ち下げ時収納金額と起動時収納金額とを比較し、両者が一致しているか否かを判定する。つまり、閉店時および開店時における釣銭機6に収納されている収納金額をPOS端末2のRAM204が把握しているため、閉店時に釣銭機6内の貨幣を回収しない残置運用を行っても、閉店時と開店時とにおいて収納金額が変動しないことが保証される。
【0103】
このように、本発明のPOSシステム1を用いれば、POS端末2と釣銭機6とが連動し、閉店時において釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額が情報処理部に把握され、開店時における釣銭機6に収納されている金額の一致不一致が判定されるため、閉店時間中の釣銭機の管理が容易になり、POSシステムにおける貨幣の入出金管理を効率化が図られる。
【0104】
さらに、POSシステム1を構成するPOS端末2では、入力部8から操作命令が入力されるたびに釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額が操作時収納金額としてRAM204に記憶され、この操作時収納金額を操作時刻やキャッシャIDなどの情報と対応付けて管理データを作成し記憶部に記憶する。また、POSシステム1を構成するPOS管理サーバ3では、キャッシャ別に、入力部8から操作命令が入力されるたびにPOS端末2で作成される管理データを受信し、この受信した管理データをキャッシャ別に管理する。
【0105】
このように、本発明のPOSシステム1を用いれば、営業時間中にもPOS端末2と釣銭機6とが連動し、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額が常に情報処理部に把握されているために、閉店時間中の釣銭機の管理に加え、営業時間中の釣銭機の入出金管理も容易になり、POSシステムにおける貨幣の入出金管理を効率化がさらに図られる。
【0106】
さらにこのようにPOS端末2やPOS管理サーバ3に管理されている管理データは、時系列にソートされた上で、POSシステム1が管理している売上記録と釣銭機6内に投入された貨幣の投入金額とが比較可能に、出力部であるプリンタPLから出力される。
【0107】
図14および図15は、プリンタPLから出力される管理データの一例を示す模式図である。まず、プリンタPLから出力されるPOS端末2別の管理データの一例について、図14に基づいて説明する。
【0108】
プリンタPLから出力されるPOS端末2別の管理データ302は、A4サイズの用紙に、図14に示すような態様の表形式のレポートとして出力される。出力される表C1の左上には、POS端末2に対応するレジNo504と、POS端末2によって管理データ302が作成された日付DTとが記載されている。
【0109】
表C1の構成について説明する。
【0110】
表C1の各行には、POS端末2で作成された管理データが格納される。表C1は、左端の列に管理データ302を構成する操作時刻303を位置づけて、各行に格納される管理データ302を操作時刻303の順番に並べて構成される。
【0111】
表の中で、各管理データ302は、左から操作時刻303、キャッシャID304、操作命令コード305、操作時収納金額306、金銭別内訳307、回収金額308、補充金額309、累積移動金額310、釣銭機投入金額311、POS端末別売上金額312、過不足金額313の順に並んでいる。
【0112】
このように管理データ302が並べられた結果、表C1の最上行に位置づけられる管理データ302のうち、操作時収納金額306は、レジ開け時に釣銭機6に格納されている収納金額であるレジ開け時収納金額を示している。また、表C1の最下行に位置づけられる管理データ302のうち、釣銭機投入金額311、POS端末別売上金額312および過不足金額313は、そのPOS端末2で行われた商品取引によって釣銭機6に投入された貨幣の投入金額と、POS端末2に記録された売上金額と、これらの投入金額と売上金額との差額を示している。
【0113】
また、図14に示すように、表C1の最下行に位置づけられる管理データ302のさらに下の行に、回収金額308および補充金額309のそれぞれの合計額を算出して表示することにより、商品取引以外の貨幣回収処理および貨幣補充処理による釣銭機6から移動した貨幣の変動状況が把握しやすくなる。
【0114】
続いて、プリンタPLから出力されるキャッシャ別の管理データの一例について、図15に基づいて説明する。
【0115】
プリンタPLから出力されるキャッシャ別の管理データ502も、POS端末2別の管理データと同様に、A4サイズの用紙に、図15に示すような表形式のレポートとして出力され、出力される表C2の左上には、キャッシャID304と、管理データ502がPOS管理サーバ3に記憶された日付DTとが記載されている。
【0116】
表C2の構成について説明する。
【0117】
表C2は、POS端末2で作成された管理データ302にセッションID503、レジNo504などが付加されて構成された管理データ502を各行に操作時刻303の順番に並べて、構成されている。
【0118】
表C2の中で、各管理データ502は、左からセッションID503、操作時刻303、操作命令コード305、レジNo504、操作時収納金額306、金銭別内訳307、回収金額308、補充金額309、累積移動金額310、セッション別釣銭機投入金額505、キャッシャ別釣銭機投入金額507、キャッシャ別売上金額506、過不足金額508の順に並んでいる。
【0119】
このように管理データ502が並べられた結果、POS管理サーバ3に記憶されている売上データからキャッシャ別に算出されたキャッシャ別売上金額506と、キャッシャが商品取引を行った際にPOS端末2の釣銭機6に投入した貨幣の金額の総和であるキャッシャ別釣銭機投入金額507と、キャッシャ別売上金額506とキャッシャ別釣銭機投入金額507との差額である過不足金額508とが表C2の右端に並べられて、さらにこれらは時系列に並べられて表示される。
【0120】
つまり、本発明のPOSシステム1を用いれば、POS端末2別およびキャッシャ別に、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額とその時点でのPOSシステム1に管理されている売上金額とを比較することが可能な管理データが時系列に並べられたレポートを出力することが可能である。
【0121】
このように、本発明のPOSシステム1によって、出力されるレポートを用いて、POSシステム1における貨幣の入出金状況の全容を把握することができ、POSシステム1における貨幣の入出金管理を効率化がさらに図られる。例えば、開店時から閉店時までのキャッシャごとの売上金額と実際に釣銭機6に投入された投入金額との差額を操作時刻順に追跡することで、キャッシャが不正に釣銭機6から貨幣を取り出す不正行為や、キャッシャが釣銭機6に貨幣の投入を忘れていないかなどを分析することが可能になる。
【0122】
そして、本発明のPOSシステム1を用いて残置運用を行うことにより、閉店時および開店時にキャッシャが行う必要があった釣銭機の在高点検操作が不要になり、営業時間中の釣銭機6からの貨幣の回収および釣銭機6への貨幣の補充に伴うPOS端末2へのデータ入力操作が不要になる。すなわち、本発明のPOSシステム1は、残置運用を導入しやすいシステムであるといえる。
【符号の説明】
【0123】
1…POSシステム、2…POS端末(商品販売データ処理装置)、3…POS管理サーバ(上位装置)、6…釣銭機、8…入力部、260…貨幣収納部、201…情報処理部、204…RAM(記憶部)、254…RAM(釣銭機記憶部)、302…管理データ、303…操作時刻、304…キャッシャID、305…操作命令コード、306…操作時収納金額、310…累積移動金額、311…釣銭機投入金額、312…POS端末別売上金額(売上金額)、401…情報処理部、502…管理データ、503…セッションID、504…レジNo(装置ID)、505…セッション別釣銭機投入金額、507…キャッシャ別釣銭機投入金額、PL…プリンタ(出力部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【特許文献1】特開平10−198866号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSシステムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等に、商品販売データの管理を行うために、ストアコンピュータ、POS端末(商品販売データ処理装置)などを備えて構成されるPOSシステムが導入されている。POS端末は、売上金や釣銭を収納するドロワが接続されて使用される。このようなPOSシステムにおいて、開店時にドロワに釣銭準備金を投入し、閉店時にドロワ内の貨幣を全額回収して、ドロワ内の収納金額から開店時に投入された釣銭準備金の金額を差し引いた金額を営業時間中にドロワに投入された金額として算出し、POSシステムに記録されている売上金額と比較して入出金管理を行う、全額回収運用がなされている。
【0003】
近年、POS端末に接続されて使用される貨幣を一時的に収納するドロワの代わりに、釣銭機が用いられることが多い。釣銭機は、POS端末からの指令に応じて必要な釣銭を自動的に払出す機能のみならず、収納されている貨幣の在高を数える機能も備えている。このような釣銭機が把握する釣銭機内の在高の情報を用いて商品販売データ処理の際の入出金の管理を行うPOSシステムに関する発明がなされている(例えば、特許文献1)。
【0004】
貨幣の在高を数える機能を持つ釣銭機を用いると、閉店時に釣銭機内の貨幣を全額回収せずに残置しておき、残置された釣銭機内の貨幣を翌日の釣銭準備金として運用する残置運用の運用形態でPOSシステムを運用することが可能になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
残置運用の運用形態で釣銭機を運用した場合、全額回収運用で行われるように閉店時に釣銭機内の貨幣を全額回収して、翌日の開店前に釣銭準備金を投入する手間が不要になる。つまり、閉店時および開店時において貨幣の出し入れ作業がなくなる。その結果、貨幣の出し入れ作業に伴う釣銭機内の収納金額の数え間違えや集計ミス、現金の不正搾取などが発生しにくくなる。
【0006】
しかし、釣銭機で残置運用を行う場合、全額回収運用の際に行われていた閉店時の貨幣の全額回収作業や開店時の釣銭準備金の投入作業が不要になり、店員が閉店時に釣銭機に投入されている貨幣の金額や開店時に釣銭機に投入される釣銭準備金の金額を点検する機会がない。そのため、残置運用を行うにもかかわらず、開店時に釣銭機内の収納金額を点検して、改めてPOS端末に入力する必要がある。
【0007】
また、釣銭機で残置運用を行ったとしても、営業時間中に釣銭機に貨幣を収納しきれずに釣銭機に収納されている貨幣の一部を金庫等に回収したり、釣銭機内で不足している金種の貨幣を補充したりする作業など、商品取引以外にも貨幣を取り扱う作業は依然として残っている。このような作業で出し入れされる貨幣の金額は商品取引に伴うものではないためにPOS端末やPOSシステムに記録されない。そのため、キャッシャは、釣銭機から貨幣を回収したり釣銭機に貨幣を補充したりする際には、POS端末に回収または補充した貨幣の金額を入力してPOSシステムに記録する必要がある。この際にも、POS端末に入力する金額の入力ミスが発生したり、故意に金額を変えて入力して貨幣を不正に搾取されたりするおそれがある。
【0008】
さらに、POS端末を操作するキャッシャが営業時間中に交代するフローティングキャッシャシステムでPOSシステムが運用されている場合、個々のキャッシャがPOS端末にサインオンを行うたび釣銭機に収納される貨幣の入出金管理を行う必要もある。残置運用の運用形態を用いても、キャッシャがサインオンを行う前後におけるキャッシャごとの売上金額とキャッシャが取り扱った貨幣の金額との一致不一致を確認する手間は省略されたわけではない。
【0009】
以上のように、収納されている貨幣の金額を把握する機能を備える釣銭機が導入されても、釣銭機における貨幣の入出金状況が把握しきれず、残置運用に切り替えられず全額回収運用のままPOSシステムが運用されることが多かった。
【0010】
本発明の目的は、貨幣の入出金管理の効率化を図り、残置運用の運用形態を導入しやすいPOSシステムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態のPOSシステムは、各種データを記憶する記憶部と、情報処理を実行する情報処理部と、を備え、この情報処理部は、操作命令が入力されると、貨幣を収納する貨幣収納部に収納されている収納金額を操作時収納金額として取得して前記記憶部に記憶する操作時処理を実行し、サインオン命令、サインオフ命令および貨幣移動命令のいずれか一の操作命令が入力されると、サインオン命令が入力された時点とサインオフ命令が入力される時点とによって規定される一連の手続期間であるセッションを識別するために当該入力部に入力されたサインオン命令を受けて発行されるセッションIDと、当該操作命令が入力された操作時刻と、当該操作時刻においてサインオンしているキャッシャに対応するキャッシャIDと、入力された当該操作命令に対応する操作命令コードと、当該操作時刻において前記記憶部に記憶されている操作時収納金額と、を対応づけた管理データを作成し、当該作成した管理データを記憶部に記憶する管理データ記憶処理を実行する。
【発明の効果】
【0012】
本実施形態によれば、釣銭機と情報処理部とが連動し、情報処理部の立ち下げ時に釣銭機に収納されている貨幣の収納金額が情報処理部の記憶部に立ち下げ時収納金額として記憶され、この立ち下げ時収納金額と、起動時に釣銭機に収納されている貨幣の収納金額とが一致しているか否かを判定するので、POSシステムにおける貨幣の入出金管理の効率化が図られる。
【0013】
また、本実施形態によれば、入力部から操作命令が入力されるたびに釣銭機に収納されている貨幣の収納金額が情報処理部の記憶部に操作時収納金額として記憶され、操作時刻やキャッシャIDなどの情報と対応付けられて管理データとして記憶部に記憶されるので、POSシステムにおける貨幣の入出金管理の効率化がさらに図られる。
【0014】
また、本実施形態によれば、キャッシャ別に、入力部から操作命令が入力されるたびに釣銭機に収納されている貨幣の収納金額が情報処理部の記憶部に操作時収納金額として記憶され、操作時刻やキャッシャIDなどの情報と対応付けられて管理データとして記憶部に記憶されキャッシャ別に貨幣の入出金管理が行われるため、POSシステムにおける貨幣の入出金管理の効率化がさらに図られる。
【0015】
以上のように、本実施形態によれば、貨幣の入出金管理の効率化が図られ、残置運用の運用形態が導入しやすいPOSシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】POSシステムの全体の構成を示すブロック図である。
【図2】POS端末および釣銭機の外観斜視図である。
【図3】POS端末および釣銭機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図4】POS端末が管理する管理データのデータ構造を示す模式図である。
【図5】POS管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】POS管理サーバが管理する管理データのデータ構造を示す模式図である。
【図7】収納金額取得処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】サインオン命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】貨幣回収命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】貨幣補充命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】サインオフ命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】POS端末別に管理データを出力部(プリンタ)に出力する出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】キャッシャ別に管理データを出力部(プリンタ)に出力する出力処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】プリンタから出力される管理データの一例を示す模式図である。
【図15】プリンタから出力される管理データの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[システム全体の構成]
本発明の実施の一形態を図1ないし図15に基づいて説明する。本実施の形態は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等に導入される、商品販売データを集計し管理するPOSシステムへの適用例である。
【0018】
図1は、POSシステム1の全体の構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施の形態のPOSシステム1は、図1に示すように、複数台のPOS端末2(商品販売データ処理装置)と、上位機としてのPOS管理サーバ3と、出力部としてのプリンタPLとがLANネットワーク4を介してデータ通信自在に接続して構成されている。
【0020】
POS端末2には、釣銭機6がデータ通信自在に接続されている。
【0021】
POS端末2は、データ入力および操作命令を受け付ける入力部8(図2参照)を備え、入力部8から入力されたデータを基に商品取引における売上処理を実行し、売上処理を行った結果取引された売上金額を記憶する。この売上金額は、取引された商品の商品コード、取引点数、取引が行われた時点でPOS端末2にサインオンされているキャッシャのキャッシャIDなどとともにPOS管理サーバ3に送信され、売上データとしてPOS管理サーバ3に管理される。また、POS端末2はRAM204(図3)を備えている。このRAM204は、電源を切っても記憶内容を保持されているメモリである。このようなRAM204として、例えば、フラッシュメモリなどの非揮発性メモリ、バッテリバックアップにより記憶内容を保持可能なSRAMなどを用いることが可能である。
【0022】
釣銭機6は、顧客との商品取引時において、店員が顧客から預った貨幣を入金したり、顧客に返却する釣銭を出金したり、顧客からの両替要求に応じて両替貨幣を入出金したりする際に利用される。釣銭機6は、顧客から受領した硬貨や紙幣などの貨幣を収納する貨幣収納部260(図3参照)と貨幣カウンタ259(図3参照)と釣銭機記憶部であるRAM254(図3参照)とを内部に備える。貨幣カウンタ259は、貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額を取得する。釣銭機記憶部であるRAM254には、貨幣カウンタ259によって取得された貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額が記憶される。
【0023】
POS端末2は、釣銭機6とデータ通信自在に接続されて店舗内のチェックアウトカウンタに設置される。そして、POS端末2は、釣銭機6に通信してPOS端末2の入力部8に操作命令が入力された時点でRAM254に記憶されている釣銭機6の内部に収納されている貨幣の収納金額を取得し、RAM204に記憶する。さらに、POS端末2は、この収納金額と、操作命令が入力部8から入力された時点における操作時刻、当該操作時刻の時点でPOS端末2にサインオンしているキャッシャに対応するキャッシャID等の各種の情報と対応付けて管理データを作成する。この作成した管理データは、POS管理サーバ3に送信される。
【0024】
POS管理サーバ3は、店舗のバックヤード等に設置され、POSシステム1の全体を制御する。より詳細には、POS管理サーバ3は、顧客データ、PLUデータ、各POS端末2に接続されている釣銭機6の在高データ等の各種データ等を記憶保持したり、各POS端末2から送信される売上データを基に集計処理等の各種統計処理を行ったりすることが可能である。また、POS管理サーバ3がLANネットワーク4を介して接続されているPOS端末2からそのPOS端末2でサインオン操作が行われた旨の通知を受けると、POS管理サーバ3は、キャッシャがサインオンを行ってからサインオフを行うまでの一連の手続期間(いわゆるセッション)を識別するセッションIDを発行して、サインオンテーブルにそのサインオン操作が行われたPOS端末2に対応する装置IDと、サインオン操作を行ったキャッシャに対応するキャッシャIDと、セッションIDとを対応付けて記憶し、POSシステム1内でサインオンされているPOS端末2を管理する。
【0025】
また、POS管理サーバ3は、管理している各種データに統計処理を行ったり、POS端末2から送信される売上データ、管理データなどの各種データに演算処理を施したり、演算結果をディスプレイやプリンタなどの出力機器に出力したり、演算結果をファイルの態様で記憶領域であるHDD406(図5参照)に記憶して保管したりする。例えば、POS管理サーバ3は、管理している売上データの中から、所定の装置IDと対応するデータを抽出して、特定のPOS端末2で行われた商品取引での売上金額を求めることができる。同様に、POS管理サーバ3は、管理している売上データの中から、所定のキャッシャIDと対応する売上データを抽出して、特定のキャッシャがPOS端末2で行った商品取引での売上金額を求めることができる。同様に、POS管理サーバ3は、管理している売上データの中から、所定のセッションIDと対応するデータを抽出して、特定のセッションにおける商品取引の状態を把握することができる。
【0026】
プリンタPLは、店舗のバックヤード等に設置され、LANネットワーク4を介して入力された情報を受け付けて紙媒体に出力する。
【0027】
以上のように構成されたPOSシステム1を構成するPOS端末2、釣銭機6およびPOS管理サーバ3について、さらに詳しく説明する。
[POS端末および釣銭機の構成]
図2は、POS端末2および釣銭機6の外観斜視図である。
【0028】
POS端末2は、釣銭機6と互いにデータ通信自在に接続された状態で、釣銭機6の上に載置されている。
【0029】
POS端末2の外観を構成するハウジング7の上面は、手前側が低くなるように若干傾斜して形成されている。ハウジング7の上面の右側には入力部8が設けられている。入力部8の奥側かつハウジング7の上面には、キャッシャ用表示部9が情報表示面を手前側に向けて立設されている。キャッシャ用表示部9のさらに奥側には、ハウジング7の上面から客用表示部10が、情報表示面を奥側に向けて立設されている。ハウジング7の背面には、外部機器インターフェイス212(図3参照)が設けられている。外部機器インターフェイス212には、バーコードを読み取るバーコードスキャナ11が接続されている。
【0030】
釣銭機6は、その外観を構成するハウジング12の前方部分に、紙幣挿入口13と、紙幣排出口14と、硬貨投入口15と、硬貨排出口16とを設けている。紙幣挿入口13と紙幣排出口14とは、ハウジング12の右側前面に、前方に開口した状態で設けられている。硬貨投入口15は、ハウジング12の略中央で前方上面に、上方に開口した状態で設けられている。硬貨排出口16は、ハウジング12の左側前面に下方に向いて設けられ、この硬貨排出口16から排出された硬貨が硬貨排出口16の下方に形成された受け皿形状の硬貨受け部17に蓄積されるように構成されている。
【0031】
また、釣銭機6には、貨幣収納部260(図3参照)と貨幣カウンタ259(図3参照)が、外部から視認できないように内蔵されて設けられている。貨幣収納部260は、金種別に貨幣を収納可能な構造であり、より詳細には、1円硬貨収納部、5円硬貨収納部、10円硬貨収納部、50円硬貨収納部、100円硬貨収納部、500円硬貨収納部、千円紙幣収納部、二千円紙幣収納部、五千円紙幣収納部および一万円紙幣収納部の10箇所の貨幣収納部が設けられている。硬貨収納部は、釣銭機6の内部に設けられている硬貨投入口15から硬貨排出口16まで硬貨を案内する構造に形成されている図示しない硬貨案内経路の途中に設けられている。また、紙幣収納部は、釣銭機6の内部に設けられている紙幣挿入口13から紙幣排出口14まで紙幣を案内する構造に形成されている図示しない紙幣案内経路の途中に設けられている。これらの案内経路は、例えば、モータ257(図3参照)に掛けまわされた図示しない搬送ベルトによって形成される。
【0032】
貨幣収納部260に収納される貨幣は、それぞれの金種に対応して釣銭機6の内部に設けられている貨幣カウンタ259によって、金種別に枚数がカウントされる。貨幣カウンタ259によってカウントされた貨幣の枚数を基に、釣銭機6は、貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額を算出してRAM254(図3参照)に記憶する。記憶された収納金額はPOS端末2からの要求に応じてPOS端末2に送信される。
【0033】
POS端末2と釣銭機6とは、双方の背面の位置が揃えられて、釣銭機6の前方部分が延出して硬貨投入口15の開口部の全体が外観に現れる状態に設置される。そして、POS端末2と釣銭機6とは、それぞれの背面に接続されている接続ケーブル213(図3参照)によって、互いにデータ通信自在に接続されている。
【0034】
図3は、POS端末2および釣銭機6のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0035】
まず、POS端末2のハードウェア構成を説明する。
【0036】
POS端末2は、POS端末2の各部を集中的に制御するCPU202と、固定データを格納するROM203と、可変データを書き換え自在に記憶する記憶部であるRAM204とから構成される情報処理を実行する情報処理部201を備える。このRAM204は、前述したように、電源を切っても記憶内容を保持されている、例えば、フラッシュメモリなどの非揮発性メモリ、バッテリバックアップにより記憶内容を保持可能なSRAMなどである。
【0037】
情報処理部201には、システムバス205を介して、HDD206、LANインターフェイス207、キャッシャ用表示部制御部208、客用表示部制御部209、釣銭機接続インターフェイス210、入力部制御部211および外部機器インターフェイス212が接続されている。キャッシャ用表示部制御部208にはキャッシャ用表示部9が、客用表示部制御部209には客用表示部10が、釣銭機接続インターフェイス210には釣銭機6が、入力部制御部211には入力部8が、外部機器インターフェイス212にはバーコードスキャナ11が、それぞれ接続されている。LANインターフェイス207は、POS端末2を、LANネットワーク4を介してPOS管理サーバ3やプリンタPLにデータ通信自在に接続させる。
【0038】
続いて、釣銭機6のハードウェア構成を説明する。
【0039】
釣銭機6は、釣銭機6の各部を集中的に制御するCPU252と、ROM253と、RAM254とから構成される、情報処理を実行する情報処理部251を備える。RAM254の一部はバッテリバックアップされていて釣銭機6の電源が落とされても記憶されている情報が消滅しない非揮発性記憶部254aによって構成されている。情報処理部251には、システムバス255を介して、モータ制御部256、POS端末接続インターフェイス258、および、貨幣カウンタ259が接続されている。モータ制御部256にはモータ257が接続されている。モータ257は、釣銭機6の内部に形成される紙幣案内経路や貨幣案内経路を形成する図示しない搬送ベルトを駆動させる駆動源となる。POS端末接続インターフェイス258には、POS端末2が接続されている。貨幣カウンタ259には、貨幣収納部260が接続されており、貨幣収納部260に収納されている貨幣の金種別の枚数をカウントする。
【0040】
POS端末2と釣銭機6とは、POS端末2に備わる釣銭機接続インターフェイス210と釣銭機6に備わるPOS端末接続インターフェイス258とを接続する接続ケーブル213を介して、データ通信自在に接続されている。
【0041】
図4は、POS端末2が管理する管理データのデータ構造を示す模式図である。
【0042】
POS端末2は、入力部8から操作命令が入力されると、図4に示すようなデータ構造を備える管理データ302を作成してRAM204に記憶する。管理データ302は、操作時刻303、キャッシャID304、操作命令コード305、操作時収納金額306、金銭別内訳307、回収金額308、補充金額309、累積移動金額310、釣銭機投入金額311、POS端末別売上金額312、および、過不足金額313から構成される。
【0043】
操作時刻303は、入力部8から操作命令が入力された時点での時刻である。例えば、キャッシャがPOS端末2の入力部8にサインオン命令を入力した場合、操作時刻303は、POS端末2の情報処理部201がサインオン命令が入力部8から入力されたことを検知した時点での時刻である。なお、POS端末2が操作時刻303として取得する時刻は、例えば、POS管理サーバ3で実行されているNTP(ネットワークタイムプロトコル)によって、POSシステム1全体で同期されているPOS端末2の時計機能によって決定される時刻である。
【0044】
キャッシャID304は、入力部8から操作命令が入力された操作時刻303の時点においてPOS端末2にサインオンされているキャッシャに対応している。
【0045】
操作命令コード305は、入力部8から入力された操作命令に対応する。
【0046】
操作時収納金額306は、入力部8から操作命令が入力された操作時刻303の時点において貨幣収納部260に収納されている貨幣の収納金額であり、情報処理部201が釣銭機6に問い合わせて取得した情報である。
【0047】
金銭別内訳307は、入力部8から操作命令が入力された操作時刻303の時点において貨幣収納部260に収納されている貨幣の金銭別の枚数であり、操作時収納金額306と同様に、情報処理部201が釣銭機6に問い合わせて取得した情報である。
【0048】
回収金額308は、入力部8から入力される貨幣回収命令を受けて釣銭機6から排出される貨幣の金額であり、貨幣回収命令とともに入力部8から入力される操作者が釣銭機6から排出させようとする貨幣の金額である。
【0049】
補充金額309は、入力部8から入力される貨幣補充命令を受けて釣銭機6に補充される貨幣の金額であり、貨幣補充命令とともに入力部8から入力される、操作者が釣銭機6に補充しようとする貨幣の金額である。
【0050】
累積移動金額310は、回収金額308の総和から補充金額309の総和を引くことによって算出される、POS端末2の起動時から操作時刻303までに商品取引以外に釣銭機6から出し入れされた貨幣の金額である。
【0051】
釣銭機投入金額311は、POS端末2の起動時から操作時刻303までに釣銭機6に投入された金額であり、POS端末2の起動時における釣銭機6内の収納金額(起動時収納金額)と操作時収納金額306との差額である。
【0052】
POS端末別売上金額312は、入力部8から操作命令が入力された操作時刻303の時点においてPOS端末2が記憶している、このPOS端末2で行われた商品取引での売上金額である。
【0053】
過不足金額313は、釣銭機投入金額311とPOS端末別売上金額312の差額である。
[POS管理サーバの構成]
図5は、POS管理サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0054】
POS管理サーバ3は、POS管理サーバ3の各部を集中的に制御するCPU402と、ROM403と、RAM404とから構成される、情報処理を実行する情報処理部401を備える。情報処理部401には、システムバス405を介して、HDD406、LANインターフェイス407、キーボード制御部408およびモニタ制御部409が接続されている。キーボード制御部408には情報入力を受け付けるキーボード411が、モニタ制御部409には情報を画面に出力するモニタ412が、それぞれ接続されている。また、LANインターフェイス407は、POS管理サーバ3を、LANネットワーク4を介してPOS端末2やプリンタPLに、データ通信自在に接続させる。
【0055】
HDD406には、顧客データ406a、PLUデータ406b、売上データ406c、釣銭機6の在高データ406d、管理ファイル406e等の各種データがファイルの態様で記憶保存されている。
【0056】
図6は、POS管理サーバ3が管理する管理データのデータ構造を示す模式図である。
【0057】
POS管理サーバ3は、POS端末2から送信される管理データ302に、セッションID503と、装置IDであるレジNo504と、セッション別釣銭機投入金額505と、キャッシャ別売上金額506とを付加して管理データ502を作成し、この管理データ502をHDD406に、ファイルの態様で保存する。
【0058】
セッションID503は、キャッシャがそのPOS端末2にサインオンを行った旨の通知を受けることによって、POS管理サーバ3が発行するものである。
【0059】
レジNo504は、管理データ302を送信する送信元のPOS端末2に対応する。
【0060】
セッション別釣銭機投入金額505は、キャッシャがサインオンしているセッションの間にPOS端末2に接続されている釣銭機6に投入された貨幣の金額であって、この管理データ502が作成される時点での釣銭機6の収納金額から、このセッションが開始した時点での釣銭機6の収納金額を引いて算出される。
【0061】
キャッシャ別売上金額506は、HDD406に格納されている売上データ406cに記録されている売上データ406cを基に、POS管理サーバ3が統計処理を行って算出する操作時刻303におけるキャッシャ別の売上金額である。
【0062】
以上に述べたような構成のPOS端末2およびPOS管理サーバ3を備えて構成されるPOSシステム1において、POSシステム1が実行する収納金額取得処理、管理データ記憶処理、および、出力処理について以下に説明する。
[収納金額取得処理]
図7は、収納金額取得処理の流れを示すフローチャートである。以下、図7に示すフローチャートに従って説明する。
【0063】
収納金額取得処理とは、POS端末2の情報処理部201が、レジ開け時に釣銭機6に収納されている貨幣の金額を取得する処理である。
【0064】
まず、情報処理部201は収納金額取得処理を開始すると、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額を問い合わせる(ST11)。
【0065】
ST11において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2は釣銭機6に収納金額要求命令を送信し(ST11a)、釣銭機6から送信される収納金額を受信するまで待機している(ST11b)。釣銭機6は、起動している間にPOS端末2から送信される収納金額要求命令を受け付けている(ST11c)。釣銭機6が収納金額要求命令を受信した場合(ST11cのY)、釣銭機6の情報処理部251は、RAM254に記憶されている収納金額をPOS端末2に送信する(ST11d)。
【0066】
POS端末2の情報処理部201は、釣銭機6から送信される収納金額を受信した(ST11bのY)後に続く処理として、POS端末2の情報処理部201は、釣銭機6に問い合わせて取得した収納金額を記憶部であるRAM204に記憶して(ST12)、収納金額取得処理を終了する。
【0067】
情報処理部201は、POS端末2の立ち下げ時に、この収納金額取得処理を立ち下げ時処理として実行し、釣銭機6のRAM254から取得されるPOS端末2の立ち下げ時における収納金額を「立ち下げ時収納金額」として、RAM204に記憶する。
【0068】
また、情報処理部201は、POS端末2の起動時にも、この収納金額取得処理を起動時収納金額取得処理として実行し、釣銭機6のRAM254から取得されるPOS端末2の起動時における収納金額を「起動時収納金額」として、RAM204に記憶した上で、情報処理部201は、立ち下げ時処理で取得しRAM204に記憶された立ち下げ時収納金額と、起動時収納金額取得処理で取得しRAM204に記憶された起動時収納金額とが一致しているか否かを判定する。
[管理データ記憶処理]
図8は、サインオン命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。図9は、貨幣回収命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。図10は、貨幣補充命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。図11は、サインオフ命令が入力された場合に実行される管理データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【0069】
POS端末2は、操作命令が入力部8から入力されると、管理データ記憶処理を実行する。管理データ記憶処理とは、操作命令が入力された操作時刻と、その操作時刻における釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額等の各種情報を対応付けた管理データを作成して記憶部であるRAM204に記憶する処理である。以下、入力される操作命令の一例として、サインオン命令、貨幣回収命令、貨幣補充命令、サインオフ命令が入力された場合について説明する。ここで、サインオン命令とは、キャッシャがPOS端末2の使用を開始する際に、キャッシャによってキャッシャIDとともに入力部8から入力される操作命令である。また、貨幣回収命令とは、キャッシャが釣銭機6の中に収納されている貨幣を回収する際に、釣銭機6の中から排出する貨幣の金額とともに入力部8から入力される操作命令である。また、貨幣補充命令とは、キャッシャが釣銭機6に貨幣を補充する際に、釣銭機6に補充する貨幣の金額とともに入力部8から入力される操作命令である。また、サインオフ命令とは、キャッシャがPOS端末2の使用を終了する際に入力部8から入力される操作命令である。
【0070】
以下、図8ないし図11に示すフローチャートに従って説明する。
【0071】
まず、サインオン命令が入力された場合の管理データ記憶処理について、図8に基づいて説明する。
【0072】
POS端末2の情報処理部201は、管理データ記憶処理を開始すると、図7に基づいて前述した収納金額取得処理を実行して釣銭機6の収納金額を取得する(ST21)。このとき、情報処理部201は取得した収納金額を操作時収納金額306として記憶部であるRAM204に記憶する。
【0073】
続く処理として、情報処理部201は、操作時収納金額306を用いて、図4に基づいて前述した構成の管理データ302を作成し、記憶部であるRAM204に記憶する(ST22)。このとき、情報処理部201は、サインオン命令が入力された際には釣銭機6の貨幣収納部260と外部との間では貨幣の移動がないため、回収金額308の値および補充金額309の値をいずれも「0」として、また、操作命令コード305を「サインオン」として管理データ302を作成する。
【0074】
続く処理として、情報処理部201は、POS管理サーバ3に対してサインオン要求を実行する(ST23)。
【0075】
ST23において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2はPOS管理サーバ3に、ST22で作成した管理データ302およびPOS端末2のレジNoとともに、キャッシャが入力したキャッシャIDを用いてPOSシステム1にサインオンを行う旨を送信し(ST23a)、POS管理サーバ3が発行するセッションIDを受信するまで待機する(ST23b)。POS管理サーバ3は、起動している間にPOS端末2から送信されるサインオン要求を受け付けている(ST23c)。POS管理サーバ3がサインオン要求を受信した場合(ST23cのY)、POS管理サーバ3の情報処理部401は、セッションIDを発行してPOS端末2にセッションIDを送信する(ST23d)。
【0076】
POS端末2の情報処理部201は、POS管理サーバ3からセッションIDを受信すると(ST23bのY)、管理データ記憶処理を終了する。
【0077】
次いで、貨幣回収命令が入力された場合の管理データ記憶処理について、図9に基づいて説明する。
【0078】
POS端末2の情報処理部201は、管理データ記憶処理を開始すると、図7に基づいて前述した収納金額取得処理を実行して釣銭機6の収納金額を取得して操作時収納金額306としてRAM204に記憶し(ST31)、操作時収納金額306を用いて管理データ302を作成してRAM204に記憶する(ST32)。このとき情報処理部201は、回収金額308の値および補充金額309の値を「0」とし、操作命令コード305を「貨幣回収前点検」として、管理データ302を作成する。
【0079】
続く処理として、情報処理部201は、POS管理サーバ3にST32で作成した管理データ302を送信する(ST33)。POS管理サーバ3は、POS端末2から送信された管理データ302にセッションID503およびレジNo504等を付して、図6に基づいて前述した構成の管理データ502を記憶する。
【0080】
続く処理として、情報処理部201は、入力部8から入力された金額だけ釣銭機6の中の貨幣を排出させる貨幣回収処理を実行する(ST34)。ST34において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2は釣銭機6に、入力された金額だけ貨幣を排出させる出金命令を送信し(ST34a)、釣銭機6から貨幣排出後の収納金額を受信するまで待機する(ST34b)。釣銭機6は、起動している間にPOS端末2から送信される出金命令を受け付けている(ST34c)。釣銭機6が出金命令を受信した場合(ST34cのY)、釣銭機6の情報処理部251は、モータ制御部256を制御してモータ257を駆動させて、POS端末2から送信された排出金額だけ貨幣収納部260から排出し(ST34d)、排出後の収納金額をPOS端末2に送信する(ST34e)。
【0081】
POS端末2の情報処理部201は、釣銭機6から排出後の収納金額を受信した後に続く処理として(ST34bのY)、受信した排出後の収納金額を用いて新たに管理データ302を作成する(ST35)。このとき、情報処理部201は、回収金額308の値を貨幣回収命令が入力された際に入力部8から入力された、キャッシャが釣銭機6から回収しようとする金額とし、操作命令コード305を「貨幣回収」として、管理データ302を作成する。
【0082】
続く処理として、情報処理部201は、ST35で作成した管理データ302をPOS管理サーバ3に送信して(ST36)、管理データ記憶処理を終了する。
【0083】
次いで、貨幣補充命令が入力された場合の管理データ記憶処理について、図10に基づいて説明する。
【0084】
POS端末2の情報処理部201は、管理データ記憶処理を開始すると、図7に基づいて前述した収納金額取得処理を実行して釣銭機6の収納金額を取得して操作時収納金額306としてRAM204に記憶し(ST41)、操作時収納金額306を用いて管理データ302を作成してRAM204に記憶する(ST42)。このとき、情報処理部201は、回収金額308の値および補充金額309の値を「0」とし、操作命令コード305を「貨幣補充前点検」として、管理データ502を作成する。
【0085】
続く処理として、情報処理部201は、ST42で作成した管理データ302をPOS管理サーバ3に送信する(ST43)。POS管理サーバ3は、POS端末2から送信された管理データ302を受信すると、受信した管理データ302にセッションID503およびレジNo504等を付加して、図6に基づいて前述した構成の管理データ502を記憶する。
【0086】
続く処理として、情報処理部201は、入力部8から入力された金額だけ釣銭機6に貨幣を補充する貨幣補充処理を実行する(ST44)。ST44において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2は釣銭機6に、入力された金額だけ貨幣の補充を受け付ける補充許可命令を送信し(ST44a)、釣銭機6から貨幣補充後の収納金額を受信するまで待機する(ST44b)。釣銭機6は、起動している間にPOS端末2から送信される貨幣補充命令を受け付けている(ST44c)。釣銭機6が貨幣補充命令を受信した場合(ST44cのY)、釣銭機6の情報処理部251は、貨幣収納部260への貨幣の補充を受け付ける(ST44d)。入力部8から入力された補充金額だけ貨幣が補充されると、情報処理部251は、補充後の収納金額をPOS端末2に送信する(ST44e)。
【0087】
POS端末2の情報処理部201は、釣銭機6から補充後の収納金額を受信した後に続く処理として(ST44bのY)、受信した補充後の収納金額を用いて新たに管理データ302を作成する(ST45)。このとき情報処理部201は、補充金額309の値を、キャッシャが貨幣補充命令とともに入力部8から入力した釣銭機6に補充しようとする貨幣の金額とし、操作命令コード305を「貨幣補充」として、管理データ302を作成する。
【0088】
続く処理として、情報処理部201は、ST45で作成した管理データ302をPOS管理サーバ3に送信して(ST46)、管理データ記憶処理を終了する。
【0089】
次いで、サインオフ命令が入力された場合の管理データ記憶処理について、図11に基づいて説明する。
【0090】
POS端末2の情報処理部201は、管理データ記憶処理を開始すると、図7に基づいて前述した収納金額取得処理を実行して釣銭機6の収納金額を取得して操作時収納金額306としてRAM204に記憶し(ST51)、操作時収納金額306を用いて管理データ302を作成してRAM204に記憶する(ST52)。このとき、情報処理部201は、回収金額308の値および補充金額309の値をいずれも「0」とし、操作命令コード305を「サインオフ」として、管理データ302を作成する。
【0091】
続く処理として、情報処理部201は、POS管理サーバ3に対してサインオフ要求を実行する(ST53)。
【0092】
ST53において行われる処理の詳細を説明する。まず、POS端末2はPOS管理サーバ3に、ST52で作成した管理データ302およびPOS端末2のレジNoとともに、キャッシャが入力したキャッシャIDを用いてPOS管理サーバ3にサインオフを行う旨を送信し(ST53a)、POS管理サーバ3からセッション終了情報を受信するまで待機する(ST53b)。POS管理サーバ3はサインオフ要求を受信した場合(ST53cのY)、POS管理サーバ3の情報処理部401は、セッション終了情報をPOS端末2に送信する(ST53d)。
【0093】
POS端末2の情報処理部201は、POS管理サーバ3からセッション終了情報を受信すると(ST53bのY)、管理データ記憶処理を終了する。
[出力処理]
図12は、POS端末2別に管理データを出力部(プリンタPL)に出力する出力処理の流れを示すフローチャートである。図13は、キャッシャ別に管理データを出力部(プリンタPL)に出力する出力処理の流れを示すフローチャートである。以下、図12ないし図13に示すフローチャートに従って説明する。
【0094】
まず、POS端末2別の管理データを出力する場合について、図12に基づいて説明する。
【0095】
POS端末2の情報処理部201は、入力部8から管理データをPOS端末2別に出力する操作命令が入力されると、RAM204に記憶されている管理データ302を操作時刻303の順にソートし(ST61)、ソートされた管理データ302をプリンタPLに送信する(ST62)。
【0096】
続く処理として、情報処理部201はキャッシャ用表示部9に、POS端末2のRAM204に記憶されている管理データ302をクリアするかどうかを尋ねる表示を行って、入力部8から管理データ302をクリアするかどうかの判断を受け付ける(ST63)。入力部8に管理データ302をクリアする判断が入力された場合(ST63のY)、情報処理部201はRAM204に記憶されている管理データ302をクリアして(ST64)、出力処理を終了する。これに対し、入力部8に管理データ302をクリアしない判断が入力された場合(ST63のN)、情報処理部201はRAM204に記憶されている管理データ302をクリアせずに、出力処理を終了する。
【0097】
なお、上記に述べたようなPOS端末2別に管理データ302出力する操作命令は、個々のPOS端末2で受け付けられるのみならず、POS管理サーバ3のキーボード411からレジNoの入力を受け付けて、その入力されたレジNoを備える管理データ502をHDD406に記録されている管理データ502から抽出し、抽出された管理データ502をPOS管理サーバ3の情報処理部401が操作時刻303を基準にソートを行ってプリンタPLから出力されるようにしてもよい。
【0098】
次いで、キャッシャ別に管理データを出力する場合について、図13に基づいて説明する。
【0099】
POS管理サーバ3の情報処理部401は、キーボード411からキャッシャID304の入力を受け付けて、その入力されたキャッシャID304に関する管理データを出力する操作命令が入力されると、HDD406に記憶されている管理データ502から、入力されたキャッシャID304を持つ管理データ502を抽出した後に(ST71)、その抽出した管理データ502を操作時刻303順にソートする(ST72)。
【0100】
続く処理として、情報処理部401は、キャッシャ別釣銭機投入金額507(図15参照)および過不足金額508(図15参照)を算出して、管理データ502に付加する(ST73)。キャッシャ別釣銭機投入金額507は、各キャッシャがPOS端末2にサインオンを行って商品取引を行った際にPOS端末2に登録された取引商品の売上金額の合計であり、各管理データ502のセッション別釣銭機投入金額505に、当該管理データ502のセッションID503が発行された時刻以前に発行されたセッションID503を備える管理データ502の中で、操作命令コード305が「サインオフ」である管理データ502のセッション別釣銭機投入金額505を加えて算出される。過不足金額508は、キャッシャ別釣銭機投入金額507からキャッシャ別売上金額506を引いて算出される。
【0101】
続く処理として、情報処理部401は、キャッシャ別売上金額が付加された管理データをプリンタPLに送信する(ST74)。
[作用]
以上のような処理を実行するPOSシステム1を用いることによって、貨幣の入出金管理の効率化を図ることが可能になる。
【0102】
すなわち、POSシステム1を構成するPOS端末2と釣銭機6とはデータ通信自在に接続されており、POS端末2の情報処理部201が立ち下がる時に釣銭機6に収納金額取得処理を実行して、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額を記憶部であるRAM204を「立ち下げ時収納金額」として記憶する。そして、POS端末2の情報処理部201は、起動時にも収納金額取得処理を実行して、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額を記憶部であるRAM204に「起動時収納金額」として記憶する。そして、POS端末2の情報処理部201は、立ち下げ時収納金額と起動時収納金額とを比較し、両者が一致しているか否かを判定する。つまり、閉店時および開店時における釣銭機6に収納されている収納金額をPOS端末2のRAM204が把握しているため、閉店時に釣銭機6内の貨幣を回収しない残置運用を行っても、閉店時と開店時とにおいて収納金額が変動しないことが保証される。
【0103】
このように、本発明のPOSシステム1を用いれば、POS端末2と釣銭機6とが連動し、閉店時において釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額が情報処理部に把握され、開店時における釣銭機6に収納されている金額の一致不一致が判定されるため、閉店時間中の釣銭機の管理が容易になり、POSシステムにおける貨幣の入出金管理を効率化が図られる。
【0104】
さらに、POSシステム1を構成するPOS端末2では、入力部8から操作命令が入力されるたびに釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額が操作時収納金額としてRAM204に記憶され、この操作時収納金額を操作時刻やキャッシャIDなどの情報と対応付けて管理データを作成し記憶部に記憶する。また、POSシステム1を構成するPOS管理サーバ3では、キャッシャ別に、入力部8から操作命令が入力されるたびにPOS端末2で作成される管理データを受信し、この受信した管理データをキャッシャ別に管理する。
【0105】
このように、本発明のPOSシステム1を用いれば、営業時間中にもPOS端末2と釣銭機6とが連動し、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額が常に情報処理部に把握されているために、閉店時間中の釣銭機の管理に加え、営業時間中の釣銭機の入出金管理も容易になり、POSシステムにおける貨幣の入出金管理を効率化がさらに図られる。
【0106】
さらにこのようにPOS端末2やPOS管理サーバ3に管理されている管理データは、時系列にソートされた上で、POSシステム1が管理している売上記録と釣銭機6内に投入された貨幣の投入金額とが比較可能に、出力部であるプリンタPLから出力される。
【0107】
図14および図15は、プリンタPLから出力される管理データの一例を示す模式図である。まず、プリンタPLから出力されるPOS端末2別の管理データの一例について、図14に基づいて説明する。
【0108】
プリンタPLから出力されるPOS端末2別の管理データ302は、A4サイズの用紙に、図14に示すような態様の表形式のレポートとして出力される。出力される表C1の左上には、POS端末2に対応するレジNo504と、POS端末2によって管理データ302が作成された日付DTとが記載されている。
【0109】
表C1の構成について説明する。
【0110】
表C1の各行には、POS端末2で作成された管理データが格納される。表C1は、左端の列に管理データ302を構成する操作時刻303を位置づけて、各行に格納される管理データ302を操作時刻303の順番に並べて構成される。
【0111】
表の中で、各管理データ302は、左から操作時刻303、キャッシャID304、操作命令コード305、操作時収納金額306、金銭別内訳307、回収金額308、補充金額309、累積移動金額310、釣銭機投入金額311、POS端末別売上金額312、過不足金額313の順に並んでいる。
【0112】
このように管理データ302が並べられた結果、表C1の最上行に位置づけられる管理データ302のうち、操作時収納金額306は、レジ開け時に釣銭機6に格納されている収納金額であるレジ開け時収納金額を示している。また、表C1の最下行に位置づけられる管理データ302のうち、釣銭機投入金額311、POS端末別売上金額312および過不足金額313は、そのPOS端末2で行われた商品取引によって釣銭機6に投入された貨幣の投入金額と、POS端末2に記録された売上金額と、これらの投入金額と売上金額との差額を示している。
【0113】
また、図14に示すように、表C1の最下行に位置づけられる管理データ302のさらに下の行に、回収金額308および補充金額309のそれぞれの合計額を算出して表示することにより、商品取引以外の貨幣回収処理および貨幣補充処理による釣銭機6から移動した貨幣の変動状況が把握しやすくなる。
【0114】
続いて、プリンタPLから出力されるキャッシャ別の管理データの一例について、図15に基づいて説明する。
【0115】
プリンタPLから出力されるキャッシャ別の管理データ502も、POS端末2別の管理データと同様に、A4サイズの用紙に、図15に示すような表形式のレポートとして出力され、出力される表C2の左上には、キャッシャID304と、管理データ502がPOS管理サーバ3に記憶された日付DTとが記載されている。
【0116】
表C2の構成について説明する。
【0117】
表C2は、POS端末2で作成された管理データ302にセッションID503、レジNo504などが付加されて構成された管理データ502を各行に操作時刻303の順番に並べて、構成されている。
【0118】
表C2の中で、各管理データ502は、左からセッションID503、操作時刻303、操作命令コード305、レジNo504、操作時収納金額306、金銭別内訳307、回収金額308、補充金額309、累積移動金額310、セッション別釣銭機投入金額505、キャッシャ別釣銭機投入金額507、キャッシャ別売上金額506、過不足金額508の順に並んでいる。
【0119】
このように管理データ502が並べられた結果、POS管理サーバ3に記憶されている売上データからキャッシャ別に算出されたキャッシャ別売上金額506と、キャッシャが商品取引を行った際にPOS端末2の釣銭機6に投入した貨幣の金額の総和であるキャッシャ別釣銭機投入金額507と、キャッシャ別売上金額506とキャッシャ別釣銭機投入金額507との差額である過不足金額508とが表C2の右端に並べられて、さらにこれらは時系列に並べられて表示される。
【0120】
つまり、本発明のPOSシステム1を用いれば、POS端末2別およびキャッシャ別に、釣銭機6に収納されている貨幣の収納金額とその時点でのPOSシステム1に管理されている売上金額とを比較することが可能な管理データが時系列に並べられたレポートを出力することが可能である。
【0121】
このように、本発明のPOSシステム1によって、出力されるレポートを用いて、POSシステム1における貨幣の入出金状況の全容を把握することができ、POSシステム1における貨幣の入出金管理を効率化がさらに図られる。例えば、開店時から閉店時までのキャッシャごとの売上金額と実際に釣銭機6に投入された投入金額との差額を操作時刻順に追跡することで、キャッシャが不正に釣銭機6から貨幣を取り出す不正行為や、キャッシャが釣銭機6に貨幣の投入を忘れていないかなどを分析することが可能になる。
【0122】
そして、本発明のPOSシステム1を用いて残置運用を行うことにより、閉店時および開店時にキャッシャが行う必要があった釣銭機の在高点検操作が不要になり、営業時間中の釣銭機6からの貨幣の回収および釣銭機6への貨幣の補充に伴うPOS端末2へのデータ入力操作が不要になる。すなわち、本発明のPOSシステム1は、残置運用を導入しやすいシステムであるといえる。
【符号の説明】
【0123】
1…POSシステム、2…POS端末(商品販売データ処理装置)、3…POS管理サーバ(上位装置)、6…釣銭機、8…入力部、260…貨幣収納部、201…情報処理部、204…RAM(記憶部)、254…RAM(釣銭機記憶部)、302…管理データ、303…操作時刻、304…キャッシャID、305…操作命令コード、306…操作時収納金額、310…累積移動金額、311…釣銭機投入金額、312…POS端末別売上金額(売上金額)、401…情報処理部、502…管理データ、503…セッションID、504…レジNo(装置ID)、505…セッション別釣銭機投入金額、507…キャッシャ別釣銭機投入金額、PL…プリンタ(出力部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】
【特許文献1】特開平10−198866号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種データを記憶する記憶部と、
情報処理を実行する情報処理部と、を備え、
この情報処理部は、操作命令が入力されると、貨幣を収納する貨幣収納部に収納されている収納金額を操作時収納金額として取得して前記記憶部に記憶する操作時処理を実行し、
サインオン命令、サインオフ命令および貨幣移動命令のいずれか一の操作命令が入力されると、サインオン命令が入力された時点とサインオフ命令が入力される時点とによって規定される一連の手続期間であるセッションを識別するために当該入力部に入力されたサインオン命令を受けて発行されるセッションIDと、当該操作命令が入力された操作時刻と、当該操作時刻においてサインオンしているキャッシャに対応するキャッシャIDと、入力された当該操作命令に対応する操作命令コードと、当該操作時刻において前記記憶部に記憶されている操作時収納金額と、を対応づけた管理データを作成し、当該作成した管理データを記憶部に記憶する管理データ記憶処理を実行する、
POSシステム。
【請求項2】
前記情報処理部は、前記商品販売データ処理装置の起動時から前記操作時刻までに商品取引以外に前記貨幣収納部から出し入れされた金額である累積移動金額を、前記操作時刻にさらに対応付けて前記管理データを作成する、請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項3】
前記情報処理部は、キャッシャがサインオンしているセッションの間に前記貨幣収納部に投入された金額であって、前記管理データの作成時における前記貨幣収納部に収納されている収納金額と、このセッションが開始した時点での前記貨幣収納部に収納されている収納金額との差額であるセッション別投入金額を、前記操作時刻にさらに対応付けて前記管理データを作成する、請求項1または2に記載のPOSシステム。
【請求項4】
前記情報処理部は、前記操作時刻までにサインオンしているキャッシャによって入力されたデータを基に商品取引における売上処理された結果としての売上金額の合計金額であるキャッシャ別売上金額を、前記操作時刻にさらに対応付けて前記管理データを作成する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のPOSシステム。
【請求項5】
情報を出力する出力部をさらに備え、
前記情報処理部は、前記記憶部に記憶されている一または二以上の前記管理データをその一部を構成している前記操作時刻を基準にソートした状態で前記出力部に出力させる出力処理を実行する、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のPOSシステム。
【請求項6】
各種データを記憶する記憶部と、情報処理を実行する情報処理部と、を備えるPOSシステムにおいて、
前記情報処理部に、
操作命令が入力されると、貨幣を収納する貨幣収納部に収納されている収納金額を操作時収納金額として取得して前記記憶部に記憶する操作時処理を実行させ、
サインオン命令、サインオフ命令および貨幣移動命令のいずれか一の操作命令が入力されると、サインオン命令が入力された時点とサインオフ命令が入力される時点とによって規定される一連の手続期間であるセッションを識別するために当該入力部に入力されたサインオン命令を受けて発行されるセッションIDと、当該操作命令が入力された操作時刻と、当該操作時刻においてサインオンしているキャッシャに対応するキャッシャIDと、入力された当該操作命令に対応する操作命令コードと、当該操作時刻において前記記憶部に記憶されている操作時収納金額と、を対応づけた管理データを作成し、当該作成した管理データを記憶部に記憶する管理データ記憶処理を実行させるためのプログラム。
【請求項1】
各種データを記憶する記憶部と、
情報処理を実行する情報処理部と、を備え、
この情報処理部は、操作命令が入力されると、貨幣を収納する貨幣収納部に収納されている収納金額を操作時収納金額として取得して前記記憶部に記憶する操作時処理を実行し、
サインオン命令、サインオフ命令および貨幣移動命令のいずれか一の操作命令が入力されると、サインオン命令が入力された時点とサインオフ命令が入力される時点とによって規定される一連の手続期間であるセッションを識別するために当該入力部に入力されたサインオン命令を受けて発行されるセッションIDと、当該操作命令が入力された操作時刻と、当該操作時刻においてサインオンしているキャッシャに対応するキャッシャIDと、入力された当該操作命令に対応する操作命令コードと、当該操作時刻において前記記憶部に記憶されている操作時収納金額と、を対応づけた管理データを作成し、当該作成した管理データを記憶部に記憶する管理データ記憶処理を実行する、
POSシステム。
【請求項2】
前記情報処理部は、前記商品販売データ処理装置の起動時から前記操作時刻までに商品取引以外に前記貨幣収納部から出し入れされた金額である累積移動金額を、前記操作時刻にさらに対応付けて前記管理データを作成する、請求項1に記載のPOSシステム。
【請求項3】
前記情報処理部は、キャッシャがサインオンしているセッションの間に前記貨幣収納部に投入された金額であって、前記管理データの作成時における前記貨幣収納部に収納されている収納金額と、このセッションが開始した時点での前記貨幣収納部に収納されている収納金額との差額であるセッション別投入金額を、前記操作時刻にさらに対応付けて前記管理データを作成する、請求項1または2に記載のPOSシステム。
【請求項4】
前記情報処理部は、前記操作時刻までにサインオンしているキャッシャによって入力されたデータを基に商品取引における売上処理された結果としての売上金額の合計金額であるキャッシャ別売上金額を、前記操作時刻にさらに対応付けて前記管理データを作成する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のPOSシステム。
【請求項5】
情報を出力する出力部をさらに備え、
前記情報処理部は、前記記憶部に記憶されている一または二以上の前記管理データをその一部を構成している前記操作時刻を基準にソートした状態で前記出力部に出力させる出力処理を実行する、請求項1ないし4のいずれか1つに記載のPOSシステム。
【請求項6】
各種データを記憶する記憶部と、情報処理を実行する情報処理部と、を備えるPOSシステムにおいて、
前記情報処理部に、
操作命令が入力されると、貨幣を収納する貨幣収納部に収納されている収納金額を操作時収納金額として取得して前記記憶部に記憶する操作時処理を実行させ、
サインオン命令、サインオフ命令および貨幣移動命令のいずれか一の操作命令が入力されると、サインオン命令が入力された時点とサインオフ命令が入力される時点とによって規定される一連の手続期間であるセッションを識別するために当該入力部に入力されたサインオン命令を受けて発行されるセッションIDと、当該操作命令が入力された操作時刻と、当該操作時刻においてサインオンしているキャッシャに対応するキャッシャIDと、入力された当該操作命令に対応する操作命令コードと、当該操作時刻において前記記憶部に記憶されている操作時収納金額と、を対応づけた管理データを作成し、当該作成した管理データを記憶部に記憶する管理データ記憶処理を実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−216119(P2011−216119A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158294(P2011−158294)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【分割の表示】特願2007−45512(P2007−45512)の分割
【原出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【分割の表示】特願2007−45512(P2007−45512)の分割
【原出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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