説明

POSシステム及びそのPOS制御システム

【課題】ポーリング/セレクティング方式の機器制御において、従局となる同一機器に対して主局となる複数のPOSシステムからの制御を実現する。
【解決手段】POSシステムは、POS端末A(10)、POS端末B(20)、計量機1〜3(31〜33)、及び2系統制御システム40を備える。2系統制御システム40は、POS端末A側の従局インタフェース44と、POS端末B側の従局インタフェース45と、計量機1〜3側の主局インタフェース46と、CPU47、主記憶装置48と、メモリ49とを有する。CPU47は、メモリ49上のプログラム51、54を実行して、POS端末A、Bの一方と計量機1〜3との間で、電文を授受する際、所定の制御シーケンスが完了するまでの間、POS端末A、Bの一方を優先系として優先系状態53に設定し、設定された優先系状態53に基づき、電文を排他的に振り分けて送受信させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POS(Point Of Sales)システム及びそのPOS制御システムに係り、とくにガソリンスタンド(給油所)向けPOSシステムにおける2種のPOS端末から同一機器への制御に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ガソリンスタンドでは、給油客が給油のために用意されたレーンに車両を進入・停車後に屋外端末(POS端末)を操作して、給油したい油種等の指示を行って計量機を給油可能な状態にした後で、計量機の給油ノズルを使って自ら給油作業を行うタイプのセルフガソリンスタンドが増加している。
【0003】
このようなセルフガソリンスタンドで用いられるPOSシステムとして、例えば特許文献1に記載されているセルフ給油システムがある。このシステムでは、複数の計量機と、複数の外設端末と、両者間を接続するPOS装置とを備え、POS装置により、外設端末で読み取られた金融カードの情報と選択されたサービスに応じて計量機の給油の可否を判断し、金融カードが正規なものかどうかを外部に接続されたセンター側に確認した後、カード種別に応じた処理を許容するようになっている。
【特許文献1】特開2004−106891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のセルフガソリンスタンド等で用いられるPOSシステムでは、POS端末及び計量機間の通信で用いる一般的なインタフェースとして、RS485方式の機器制御を行うものが使用されている。
【0005】
RS485方式の機器制御では、ポーリング/セレクティング方式が採用されている。この方式では、制御を行う側の制御機器(以下、「主局」と呼ぶ)が制御を受ける側の制御対象機器(以下、「従局」と呼ぶ)に対し送出データの有無を問い合わせる「ポーリング」を行い、各従局はこのポーリングが自分宛に来たときのみデータを送出する。また、主局が従局に対しデータを送出したい場合は、主局が従局に対して送信の可否を問う「セレクティング」を行ってからデータを送出する。
【0006】
このようなポーリング/セレクティング方式を用いると、主局からその従局として同一機器を制御する場合、主局は通常1つしか存在できない。このため、ガソリンスタンド向けPOSシステムにおいて、2つのPOSシステム(2系)の主局からその従局として同一の制御対象機器(計量機等)を制御しようとする場合は、次のような課題が想定される。
【0007】
図6(a)及び(b)は、2系のシステム構成の一例を示す。
【0008】
図6(a)の例では、ガソリンスタンド向けPOSシステムにおけるポーリング/セレクティング方式の主局(主局A、B)として、2つのPOS端末A、B(100、200)を備える。このうち、POS端末A(100)には、その従局として屋外端末A1〜A3(111〜113)がネットワークを介して通信可能に接続される。POS端末B(200)には、その従局として屋外端末B1〜B3(121〜123)がネットワークを介して通信可能に接続される。2つのPOS端末A、B(100、200)に共有される同一RS485機器の従局(従局1〜3)として、計量機1〜3(131〜133)がネットワークを介して接続される。屋外端末A1〜A3(111〜113)、屋外端末B1〜B3(121〜123)、及び計量機1〜3(131〜133)は、ガソリンスタンドのレーン1〜3毎にそれぞれ設置されている。
【0009】
図6(a)の例に示すように、単にPOS端末A、B(100、200)と、計量機1〜3(131〜133)とを接続するだけでは、複数(図の例では2つ)の主局となるPOS端末が同一ネットワーク上に存在することになる。このため、実際には、図6(a)に示すような機器構成をとることができない。
【0010】
そこで、2系のシステム構成とする場合は、図6(b)の例に示すように、各POS端末に接続される計量機が同一ネットワーク上に存在しない機器構成をとらなければならない。図6(b)の例では、POS端末A(100)に屋外端末A1、A2(111、112)、計量機1、2(131、132)が、POS端末B(200)に屋外端末B3(123)、計量機3(133)がそれぞれネットワーク接続されている。この構成では、決済手段として、屋外端末A1、A2(111、112)を用いる場合はレーン1、2へ移動し、屋外端末B3(123)を用いる場合はレーン3へ移動するというように給油客の動線が制約されることとなり、それが給油の回転率低下、しいては売上の損失へとつながる可能性が高まることが考えられる。
【0011】
図7の例は、図6(a)に示すような2系のシステム構成を可能とするため、POS端末A、B(100、200)と、計量機1〜3(131〜133)との結合部分にRS485データ中継装置140を介在させた場合の例を示す。この場合のデータ送受信シーケンス例を図8(a)及び(b)に示す。
【0012】
図7の例では、POS端末A、B(100、200)が共有する計量機1〜3(131〜133)を制御するためのポーリング/セレクティング動作でやり取りされる電文について、POS端末A、B(100、200)からの制御電文をどちらも公平に計量機1〜3(131〜133)に送信してしまっては、制御電文のシーケンスが成り立たない場合が存在する。
【0013】
例えば、図8(a)のデータ送受信シーケンス例(1)に示すように、POS端末A(100)からの給油許可の制御電文をRS485データ中継装置140を介して計量機1(131)に送信し(ステップS101、S102)、その後、POS端末B(200)からの給油停止の制御電文をRS485データ中継装置140を介して計量機1(131)に送信した場合(ステップS103、S104)を考える。この場合、POS端末A(100)で保持する計量機1(131)の状態は、給油許可状態であるが、計量機1(131)はPOS端末B(200)からの給油停止の制御電文を受けて給油停止状態にあるため、POS端末A(100)と計量機1(131)との間で不整合が生じる。
【0014】
また、上記とは逆に、POS端末A、B(100、200)が共有する計量機1〜3(131〜133)からの応答電文をいずれのPOS端末A、B(100、200)に送信すればよいのかの判断基準がないため、POS端末A、B(100、200)が意図しない電文を受信し、これにより不都合を引き起こす場合も考えられる。
【0015】
例えば、図8(a)のデータ送受信シーケンス例(2)に示すように、POS端末A(100)からの給油許可の制御電文をRS485データ中継装置140を介して計量機1(131)に送信し(ステップS111、S112)、その後、計量機1(131)からの給油終了の電文をRS485データ中継装置140を介してPOS端末A、B(100、200)にそれぞれ送信した場合(ステップS113〜S115)を考える。この場合、POS端末A(100)では、意図した電文が受信されるが、POS端末B(200)では、意図しない電文が受信されるため、不正が生じる可能性がある。
【0016】
従って、図7の例では、図8(a)及び(b)に示すように、POS端末側で管理する状態と計量機自体の状態との間で不整合が生じたり、POS端末側で意図しない電文を受信することにより不都合を引き起こしたりするといった課題がある。
【0017】
本発明は、このような従来の事情を考慮してなされたもので、ポーリング/セレクティング方式の機器制御において、従局となる同一機器に対して主局となる複数のPOSシステムからの制御を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するため、本発明に係るPOSシステムは、ポーリング/セレクティング動作の主局として機能する第1のPOS端末と、ポーリング/セレクティング動作の主局として機能する第2のPOS端末と、ポーリング/セレクティング動作の従局として機能する制御対象機器と、前記第1及び第2のPOS端末と、前記制御対象機器との間で、ポーリング/セレクティング動作による電文の授受を制御するPOS制御システムとを備え、前記POS制御システムは、前記第1のPOS端末に通信可能に接続され、当該第1のPOS端末の従局として機能する第1の従局インタフェースと、前記第2のPOS端末に通信可能に接続され、当該第2のPOS端末の従局として機能する第2の従局インタフェースと、前記制御対象機器に通信可能に接続され、当該制御対象機器の主局として機能する主局インタフェースと、前記第1及び第2のPOS端末の一方と前記制御対象機器との間で、前記ポーリング/セレクティング動作により所定の電文を授受する際、所定の制御シーケンスが完了するまでの間、前記第1及び第2のPOS端末の一方を優先系として設定する優先系設定手段と、前記優先系設定手段により設定された優先系に基づいて、前記第1及び第2のPOS端末と前記制御対象機器との間で、前記第1及び第2の従局インタフェースと、前記主局インタフェースとを介して、前記電文を排他的に振り分けて送受信させる電文送受信手段とを有することを特徴とする。
【0019】
本発明において、前記優先系設定手段は、前記第1及び第2のPOS端末のいずれか一方に対応する優先系の設定データを格納する格納部と、前記優先系を設定するための条件データを登録する条件テーブルと、前記第1の従局インタフェース、前記第2の従局インタフェース、又は前記主局インタフェースを介して受信された受信電文のデータと、前記格納部に格納されている現在の優先系の設定データと、前記条件テーブルに登録されている条件データとに基づいて前記優先系を決定する手段と、決定された優先系を、前記優先系の設定データとして前記格納部に設定する手段とを有してもよい。
【0020】
また、本発明において、前記第1のPOS端末の従局として機能する第1の屋外端末と、前記第2のPOS端末の従局として機能する第2の屋外端末とをさらに有し、前記制御対象機器は、RS485機器であってもよい。前記RS485機器は、ガソリンスタンド用の計量機を有してもよい。前記所定の制御シーケンスは、前記計量機による給油開始から給油終了までの制御シーケンスであってもよい。
【0021】
本発明に係るPOS制御システムは、ポーリング/セレクティング動作の主局として機能する第1のPOS端末と、ポーリング/セレクティング動作の主局として機能する第2のPOS端末と、ポーリング/セレクティング動作の従局として機能する制御対象機器とを有するPOSシステムで用いられ、前記第1及び第2のPOS端末と、前記制御対象機器との間で、ポーリング/セレクティング動作による電文の授受を制御するPOS制御システムであって、前記第1のPOS端末に通信可能に接続され、当該第1のPOS端末の従局として機能する第1の従局インタフェースと、前記第2のPOS端末に通信可能に接続され、当該第2のPOS端末の従局として機能する第2の従局インタフェースと、前記制御対象機器に通信可能に接続され、当該制御対象機器の主局として機能する主局インタフェースと、前記第1及び第2のPOS端末の一方と前記制御対象機器との間で、前記ポーリング/セレクティング動作により所定の電文を授受する際、所定の制御シーケンスが完了するまでの間、前記第1及び第2のPOS端末の一方を優先系として設定する優先系設定手段と、前記優先系設定手段により設定された優先系に基づいて、前記第1及び第2のPOS端末と前記制御対象機器との間で、前記第1及び第2の従局インタフェースと、前記主局インタフェースとを介して、前記電文を排他的に振り分けて送受信させる電文送受信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ポーリング/セレクティング方式の機器制御において、従局となる同一機器に対して主局となる複数のPOSシステムからの制御を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
次に、本発明に係るPOS制御システム及びこれを用いたガソリンスタンド向けPOSシステムを実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本実施の形態は、ガソリンスタンド向けPOSシステムにおける一般的なインタフェースとして用いられているRS485方式の機器制御において、同一の制御対象機器であるRS485機器(計量機等)に対して2種のPOSシステムからの制御を実現するものである。以降の説明では、2種のPOSシステムの構成を「2系」と呼ぶ。
【0025】
図1は、本実施の形態に係るガソリンスタンド向けPOSシステムの概要を説明するものである。
【0026】
図1に示すガソリンスタンド向けPOSシステムは、給油客が自ら給油を行うセルフガソリンスタンドに適用されるもので、RS485方式の機器制御を行う2系のPOSシステムとして、ポーリング/セレクティング方式の主局A、Bを構成する2つのPOS端末A、B(10、20)と、POS端末A(10)の従局を構成する複数(図中の例では3つ)の屋外端末A1〜A3(11〜13)と、POS端末B(20)の従局を構成する複数(図中の例では3つ)の屋外端末B1〜B3(21〜23)とを有する。これら2系のPOSシステムにより制御される制御対象機器としては、RS485機器である計量機1〜3(31〜33)が設けられる。
【0027】
POS端末A(10)と屋外端末A1〜A3(11〜13)は、互いにPOS−屋外端末系ネットワークケーブル14を介してポーリング/セレクティング動作による電文授受が可能に接続される。同様に、POS端末B(20)と屋外端末B1〜B3(21〜23)は、互いにPOS−屋外端末系ネットワークケーブル24を介してポーリング/セレクティング動作による電文授受が可能に接続される。
【0028】
2つのPOS端末A、B(10、20)は、ガソリンスタンドの店内に配置され、屋外端末A1〜A3(11〜13)、屋外端末B1〜B3(21〜23)、及び計量機1〜3(31〜33)は、ガソリンスタンドの給油するための車両進入路及び停車場所となる複数のレーン(図中の例では3つのレーン1〜3)毎に割り当てて配置される。
【0029】
この構成において、本実施の形態では、2つのPOS端末A、B(10、20)と計量機1〜3(31〜33)との間に、各POS端末A、B(10、20)からのポーリング/セレクティング動作による制御電文を仲介する機器(以下、「2系統制御システム」と称する)40が接続される。
【0030】
図1に示すように、POS端末A、B(10、20)が、2系統制御システム40を介して複数のRS485機器である計量機1〜3(31〜33)を共有することで、同一レーンに、各々のPOS端末A、B(10、20)に接続される屋外端末A1〜A3(11〜13)、B1〜B3(21〜23)を設置し、両屋外端末A1〜A3(11〜13)、B1〜B3(21〜23)から計量機1〜3(31〜33)を制御する。図1の例では、ガソリンスタンドにおいて、代表的なRS485機器である計量機を例としている。以降、図中で示す計量機は、RS485機器を表すものとする。
【0031】
図2は、2系統制御システム40の内部構成を示す。なお、図中の表記では、後述するRS485ネットワークインタフェースについては、便宜上「インタフェース」としている。
【0032】
図2において、2系統制御システム40は、POS端末A(10)の従局として機能する従局RS485ネットワークインタフェース(第1の従局インタフェース)44と、POS端末B(20)の従局として機能する従局RS485ネットワークインタフェース(第2の従局インタフェース)45と、計量機1〜3(31〜33)の主局として機能する主局RS485ネットワークインタフェース(主局インタフェース)46と、制御中枢を担うCPU(Central Processing Unit)47と、CPU47により実行される各種制御プログラム及び制御データを記憶する記憶手段としての主記憶装置48及びメモリ49とを有し、これら各要素44〜49がバスを介して電気的に接続されている。
【0033】
従局RS485ネットワークインタフェース44は、POS端末A(10)に搭載された主局RS485ネットワークインタフェース15にRS485系ネットワークケーブル41を介して通信可能に接続される。
【0034】
従局RS485ネットワークインタフェース45は、POS端末B(20)に搭載された主局RS485ネットワークインタフェース25にRS485系ネットワークケーブル42を介して通信可能に接続される。
【0035】
主局RS485ネットワークインタフェース46は、計量機1〜3(31〜33)に搭載された従局RS485ネットワークインタフェース61〜63にRS485系ネットワークケーブル43を介して通信可能に接続される。
【0036】
2系統制御システム40は、このように2系のPOSシステムからの接続を受ける2つの従局RS485ネットワークインタフェース44、45と、下位のRS485機器である計量機1〜3(31〜33)への接続を行う1つの主局RS485ネットワークインタフェース46とを有し、互いに送受信された電文内容を判断して排他的に振り分け動作を行うプログラム制御が可能なデータ処理装置である。
【0037】
これによれば、2系のPOS端末A、B(10、20)からポーリング/セレクティング動作により送信される電文を、2系統制御システム40の従局RS485ネットワークインタフェース44、45で受信し、実際に制御される制御対象機器である計量機1〜3(31〜33)に対しては唯一のPOS(主局)として動作することを可能としている。これにより、2系のPOS端末A、B(10、20)からの制御電文をバッティングさせることなく、計量機1〜3(31〜33)の接続が可能となる。
【0038】
主記憶装置48には、2系統制御システム40の基本ソフトウェアの中核を成すOS(Operating System)50内の制御プログラム及び制御データの一部として、予め設定された2系統制御プログラム51、条件テーブル52、及びRS485データ送受信プログラム54が実装される。
【0039】
メモリ49には、起動時に、主記憶装置48から、2系統制御プログラム51、条件テーブル52、及びRS485データ送受信プログラム54を含むOS50の制御プログラム及び制御データが展開されると共に、展開されたOS50内に優先系(後述参照)の設定状態を保持するための格納部である記憶領域(以下、「優先系状態」と呼ぶ)53も確保される。
【0040】
なお、以下の説明では、2つの従局RS485ネットワークインタフェース44、45において、電文の送受信を有効としている系を指して、「優先系」と呼称する。優先系の設定状態には、「系1」、「系2」、「設定なし」の3状態のいずれかが保有される。本実施の形態では、2つの従局RS485ネットワークインタフェース44、45の各々に対して、それぞれ「系1」、「系2」に割り当てるように意味付け(関連付け)を行っている。
【0041】
また、優先系が「設定なし」の状態に対応する初期状態には、「系1」、「系2」、「両系」の3種類がある。両系とは、その両従局RS485ネットワークインタフェース44、45における送受信が有効であることを指している。ここで示す「送受信の有効状態」は、実際にネットワーク44、45を切断状態にするのではなく、各従局RS485ネットワークインタフェースで受信した電文を送信先機器へ送信しないことを意味している。
【0042】
条件テーブル52は、電文制御の排他を行うもので、特定の計量機1〜3(31〜33)および送受信の電文に基づいて、電文をどちらの系のPOS端末A、B(10、20)に対して送受信させるかを排他的に振り分けるためのものである。
【0043】
図3は、条件テーブル52の構成例を示す。
【0044】
図3に示す条件テーブル52には、条件データ毎に「対象電文」、「対象機器」、「受信(受信した系)」、「優先系状態」、「設定する優先系」、「コマンド」の各項目のデータが登録されている。
【0045】
「対象電文」には、給油許可電文、給油終了電文、給油取消電文等の制御対象電文に対応するデータが登録される。
【0046】
「対象機器」には、送信先の制御対象機器(RS485機器)に対応するデータが設定される。本実施の形態では、計量機1〜3(31〜33)が対象となる。
【0047】
「受信(受信した系)」には、2系のPOS端末A、B(10、20)のうち、電文を受信した系に対応するデータが設定される。図3の例では、POS端末A(10)が「系1」、POS端末B(20)が「系2」にそれぞれ対応している。
【0048】
「優先系状態」には、メモリ49上に現在登録されている優先系状態53に対応するデータが登録されている。図3の例では、「系1」、「系2」、「設定なし」のいずれかに対応する。
【0049】
「設定する優先系」には、条件合致(後述参照)の場合にメモリ49上の優先系状態53に設定すべき優先系に対応するデータが設定されている。図3の例では、「系1」、「系2」、「設定なし」のいずれかに対応する。
【0050】
「コマンド」には、制御シーケンス上に整合性を欠く場合にこれを補うことを目的として、任意の電文を送信したり、優先系の設定を行ったりする場合に、これを実行するための制御コマンドが登録される。図3の例では、この制御コマンドは使用されない。
【0051】
図3の例では、条件テーブル52には、以下の4つの条件データが登録されている。
【0052】
1)条件データ1(対象電文:給油許可、対象機器:計量機、受信:系1、優先系状態:設定なし、設定する優先系:系1、コマンド:なし)
2)条件データ2(対象電文:給油終了、対象機器:計量機、受信:系1、優先系状態:系1、設定する優先系:設定なし、コマンド:なし)
3)条件データ3(対象電文:給油許可、対象機器:計量機、受信:系2、優先系状態:設定なし、設定する優先系:系2、コマンド:なし)
4)条件データ4(対象電文:給油終了、対象機器:計量機、受信:系2、優先系状態:系2、設定する優先系:設定なし、コマンド:なし)
CPU47は、メモリ49上の2系統制御プログラム51及びRS485データ送受信プログラム54を含むOS50を成す各プログラムを実行する。
【0053】
2系統制御プログラム51及びRS485データ送受信プログラム54は、CPU47により実行されることにより、次のような動作を行う。
【0054】
すなわち、RS485データ送受信プログラム54は、2系のPOS端末A、B(10、20)から従局RS485ネットワークインタフェース44、45にて受信した電文を、主局RS485ネットワークインタフェース46から電文に格納されている宛先のRS485機器である計量機1〜3(31〜33)へ送信する。この送信は、メモリ49上の優先系状態53に設定されている系が受信した系と合致した場合、あるいは、優先系(後述参照)が設定されている場合のみ、行われる。
【0055】
また、RS485データ送受信プログラム54は、上記とは逆に、主局RS485ネットワークインタフェース46で受信した電文は、メモリ49上の優先系状態53に設定されている系、あるいは、優先系が設定されていない場合には予め設定されている初期状態(後述参照)の系に対応する従局RS485ネットワークインタフェース44、45からPOS端末A、B(10、20)へ送信する。
【0056】
2系統制御プログラム51は、RS485データ送受信プログラム54と連携して動作する。まず、RS485データ送受信プログラム54は、各従局RS485ネットワークインタフェース44、45にて電文を受信すると、2系統制御プログラム51に通知し、受信電文を渡す。すると、2系統制御プログラム51は、この通知を待ち受け、通知されたことをトリガにして、優先系を決定する(後述参照)。優先系の決定に際して、条件テーブル52を基に、受信電文や、現優先系の状態によって、決定された優先系を、メモリ49上の優先系状態53に書き込む。条件テーブル52のいずれの条件に合致しない場合は、これは行われない。優先系の決定は、優先系を初期状態に戻すことも含まれる。
【0057】
上記により、2系のPOSシステムにおける電文シーケンスの一貫性を保ち、あたかも各々のPOSシステムからみると、自身に接続されている唯一の計量機を保有しているかのごとき動作を実現する。
【0058】
次に、図4を参照して、2系統制御プログラム51による条件テーブル52を用いた優先系設定処理を説明する。ここでは、優先系における系の呼称については、POS端末A(10)を「系1」、POS端末B(20)を「系2」としている。
【0059】
図4は、2系統制御プログラム51の処理手順を示すフローチャートである。
【0060】
図4において、まず、2系統制御プログラム51は、RS485データ送受信プログラム54からの受信電文の通知を受けると、この通知をトリガとして、条件テーブル52に登録されている条件データの総数に応じた回数分、受信電文のデータと、メモリ49上の優先系状態53のデータとが、条件データの「対象電文」、「対象機器」、「受信」、「優先系状態」の各項目の登録データと一致するか否かの比較判定を繰り返し実行する。その結果、全て一致していると判定された条件データが存在する場合は、同条件データの「設定する優先系」項目の登録データを優先系として決定し、決定された優先系をメモリ49上の優先系状態53に設定し、全て一致していると判定された条件データが存在しない場合は、優先系を決定せずに終了する(ステップS1)。
【0061】
具体的には、上記の比較判定では、まず、条件テーブル52上の対象とする条件データに対し、同条件データの「対象電文」、「対象機器」、「受信」、「優先系状態」の各項目の登録データと、受信電文のデータと、受信時のメモリ49上に設定されている優先系状態53の設定データとの突合せを行う(ステップS2〜S6)。
【0062】
この突合せに際し、最初に、受信電文のデータと、条件テーブル52上の対象とする条件データの「対象電文」項目の登録データとを比較し、両データが一致するか否かを判定する(ステップS2)。比較は、例えば前方一致で行う。
【0063】
上記判定で両データが一致した場合は、同条件データの「対象機器」項目の登録データと、受信電文のデータに含まれる送信先の機器(例えば、計量機)を示すデータとを比較し、両データが一致するか否かを判定する(ステップS3)。
【0064】
上記判定で一致した場合は、同条件データの「受信(受信した系)」項目の登録データとを比較し、両データが一致するか否かを判定する(ステップS4)。
【0065】
上記判定で一致した場合は、メモリ49上の優先系状態53に現在設定されている優先系を取得し(ステップS5)、取得された優先系と、同条件データの「優先系状態」の登録データとを比較し、両データが一致するか否かを判定する(ステップS6)。
【0066】
上記判定で一致し、従っていずれかの条件データの「対象電文」、「対象機器」、「受信」、「優先系状態」の各項目の登録データと全て合致した場合は、同条件データの「設定する優先系」項目の設定データとして登録されている優先系をメモリ49上の優先系状態53に設定(更新)する(ステップS7)。また、同条件データの「コマンド」項目に登録されているコマンドが存在する場合(ステップS8)、そのコマンドを実行する(ステップS9)。コマンド実行により、電文送信が行われる。なお、このコマンドについては、本実施形態では、使用していない。
【0067】
次に、図5を参照して、POS端末A、B(10、20)と計量機1〜3(31〜33)との間のデータ通信のシーケンスを説明する。
【0068】
図5は、縦軸に時間、横方向はデータの向きを記すことで、時系列なデータ通信の様子を表す。なお、図5の例では、S1は、POS端末A(10)と接続される従局RS485ネットワークインタフェース44、S2:POS端末B(20)と接続される従局RS485ネットワークインタフェース45、Mは、計量機1〜3(31〜33)と接続する主局RS485ネットワークインタフェース46をそれぞれ示す。
【0069】
ここでは、POS端末A(10)から給油指示電文が送信された時点から、優先系が決定され、その後、計量機1(31)から給油終了電文が送信され、優先系が解除されるまでの制御シーケンスを説明する。
【0070】
まず、給油客により屋外端末A1(11)から給油操作が行われた場合を考える。この場合、屋外端末A1(11)に接続されたPOS端末A(10)から計量機1(31)に向けた給油許可電文が送信される(ステップS11)。この給油許可電文は、POS端末A(10)から2系統制御システム40の従局RS485ネットワークインタフェース44(S1)にて受信される。この時点で、2系統制御システム40のメモリ49上の優先系状態53には、優先系は設定されていないため、上記の給油許可電文は、主局RS485ネットワークインタフェース46(M)を介して計量機1(11)へ送信される(ステップS12)。
【0071】
次いで、2系統制御システム40にて、上記で受信した給油許可電文に対し、図3に示す条件テーブル52を参照し、図4に示す優先系設定処理を行う(ステップS13)。この場合、「対象電文」が「給油許可」、「対象機器」が「計量機」、「受信」が「系1」、「優先系状態」が「設定なし」に該当するため、条件データ1の登録データと合致している。従って、上記の優先系設定処理にて、優先系として条件データ1の「設定する優先系」項目の登録データである「系1」が決定され、メモリ49上の優先系状態53に設定される。
【0072】
次いで、計量機1(31)にて給油が開始されると、POS端末A(10)に向けて給油開始電文が送信される(ステップS14)。この給油開始電文は、計量機1(31)から2系統制御システム40の主局RS485ネットワークインタフェース46(M)にて受信される。この時点では、2系統制御システム40のメモリ49上の優先系状態53には、優先系として「系1」が設定されているため、従局RS485ネットワークインタフェース44(S1)を介して系1に対応するPOS端末A(10)に送信される(ステップS15)。
【0073】
次いで、2系統制御システム40にて、上記で受信した給油開始電文に対し、図3に示す条件テーブル52を参照して、図4に示す優先系設定処理が実行される(ステップS16)。この場合、給油開始電文が、条件データ1〜4の「対象電文」のいずれにも合致しないため、メモリ49上の優先系状態53に設定されている優先系は、現状態である「系1」が継続される。
【0074】
その後、屋外端末B1(21)にて給油指示操作が行われた場合を考える。この場合、POS端末B(20)からの給油許可電文が2系統制御システム40の従局RS485ネットワークインタフェース45(S2)にて受信される(ステップS17)。この時点で、メモリ49上の現在の優先系状態53は「系1」であるため、受信された給油許可電文は、計量機1(31)には送信されない。また、2系統制御システム40にて、図3に示す条件テーブル52を参照して、図4に示す優先系設定処理も行われる(ステップS18)。この優先系設定処理では、「対象電文」が「給油許可」、「対象機器」が「計量機」、「受信」が「系1」までは条件データ3に合致するが、同条件データ3の「優先系状態」が「設定なし」に対し、メモリ49上の現在の優先系状態53は「系1」に設定されているため、優先系についても、現状態である「系1」が継続される。
【0075】
更に、屋外端末B1(21)にて給油指示取消操作が行われた場合を考える。この場合、POS端末B(21)からの給油取消電文が2系統制御システム40の従局RS485ネットワークインタフェース45(S2)にて受信される(ステップS19)。この時点で、メモリ49上の現在の優先系状態53は「系1」であるため、受信された給油許可電文は、計量機1(31)には送信されない。また、2系統制御システム40にて、図3に示す条件テーブル52を参照して、図4に示す優先系設定処理も行われる(ステップS20)。この場合、給油取消電文が、条件データ1〜4の「対象電文」のいずれにも合致しないため、メモリ49上の優先系状態53に設定されている優先系は、現状態である「系1」が継続される。
【0076】
次いで、計量機1(31)にて給油を終了すると、POS端末A(11)に向けて給油終了電文が送信される(ステップS21)。この給油終了電文は、2系統制御システム40の主局RS485ネットワークインタフェース46(M)にて受信される。この時点で、メモリ49上の現在の優先系状態53は「系1」に設定されているため、上記の給油許可電文は、従局RS485ネットワークインタフェース44(S1)を介して系1に対応するPOS端末A(11)に送信される(ステップS22)。
【0077】
次いで、2系統制御システム40にて、図3に示す条件テーブル52を参照して、図4に示す優先系設定処理が行われる(ステップS23)。この場合、「対象電文」が「給油終了」、「対象機器」が「計量機」、「受信」が「系1」、「優先系状態」が「系1」に該当するため、条件データ2の登録データと合致している。従って、上記の優先系設定処理にて、優先系として条件データ2の「設定する優先系」項目の登録データである「設定なし」が決定され、メモリ49上の優先系状態53に設定される。
【0078】
なお、上述の優先系は、POS端末A、B(10、20)及び単一のRS485機器(計量機)間で管理されるため、複数機器における排他制御の重複はない。
【0079】
次に、図1〜図5を参照して、本実施の形態の全体動作を説明する。
【0080】
まず、図1に示すセルフガソリンスタンドにおいて、給油客を乗せた車両が3つのレーン1〜3のうちいずれかのレーン1〜3に進入及び停車し、レーン1〜3毎に設置されている屋外端末A1〜A3(11〜13)、B1〜B3(21〜23)で計量機1〜3(31〜33)を給油可能な状態にするための操作を行う。
【0081】
屋外端末A1〜A3(11〜13)、B1〜B3(21〜23)は、2系のPOS端末A、B(10、20)に接続される2台がレーン毎に設置されており、給油客が望む決済手段が利用可能な屋外端末A1〜A3(11〜13)、B1〜B3(21〜23)を選択する。決済手段における屋外端末A1〜A3(11〜13)、B1〜B3(21〜23)での操作手順については、本発明に直接関与しないなため、その説明は割愛する。
【0082】
次いで、給油客は、屋外端末A1(11)を利用して、給油したい油種(レギュラー、ハイオク、軽油などがある)を指示したとする。このとき、屋外端末A(11)に接続されるPOS端末A(10)から送信される給油許可電文は、2系統制御システム40を通過して計量機1(31)に到達する。これにより、計量機1(31)は給油可能な状態になる(図5:ステップS11、S12)。
【0083】
このとき、2系統制御システム40では、優先系が設定されていないニュートラルな状態の場合、予めどちらの系を有効とするか、もしくは、両系を有効とするための環境設定を保有している。本実施の形態では、優先系が設定されておらず、両系を有効とした環境設定が行われているものとする。
【0084】
次いで、2系統制御システム40にて、従局RS485ネットワークインタフェース44及び主局RS485ネットワークインタフェース46を介して通過した給油許可電文のデータを捕捉し、これと、条件テーブル53を基に、前述した優先系設定処理が行われる(図5:ステップS13)。ここで、給油許可状態となった場合、他方のPOS端末B(21)からの計量機制御を抑止したいため、条件テーブル53には、図3の条件データ1、3に示すように、受信した系に対して優先系を設定するための条件が予め格納されている。
【0085】
そこで、メモリ49上の優先系状態53には、給油許可電文を受信した系、すなわちPOS端末A(11)に対応する「系1」が優先系として設定される。この優先系は、POS端末A(11)と計量機1(31)間の系であって、他の計量機2、3(32、33)との系については、対象としない。つまり、POS端末B(21)と計量機2、3(32、33)との通信は可能であることを意味する。
【0086】
その後、他の給油客が、操作する屋外端末を間違えて、屋外端末B1(21)を操作した場合を考える。この場合、POS端末B(21)から計量機1(21)へ給油許可電文が送信される。この時点では、メモリ49上の優先系状態53には、優先系としてPOS端末A(11)に対応する「系1」が設定されているため、送信された給油許可電文は2系統制御システム40にて破棄され、計量機1(31)へは到達しない(図5:ステップS17、S18)。この場合、屋外端末B1(21)は、給油指示操作を行っているが、給油指示の取消操作を行うことで、元の状態に戻る(図5:ステップS19、S20)。
【0087】
次いで、給油客が計量機1(31)にて給油作業を行い、給油ノズルを計量機1(31)に戻すことで給油を終える。給油が終了すると、計量機1から給油終了電文が送信される(図5:ステップS21)。この給油終了電文は、2系統制御システム40を通過し、優先系が設定されている「系1」に対応するPOS端末A(11)へ送信される(図5:ステップS22)。
【0088】
次いで、2系統制御システム40にて、通過した給油終了電文のデータを捕捉し、条件テーブル53を参照して、優先系設定処理が行われる(図5:ステップS23)。給油終了では、計量機の占有を解除したいため、条件テーブル53には、図3の条件データ2、4に示すように、優先系を解除するための条件が格納されている。そこで、メモリ49上の優先系状態53には「設定なし」が設定され、これにより計量機1(31)への優先系の設定が解除される。
【0089】
以上の手順によって、給油客はどちらの屋外端末(POSシステム)を利用しても同一の計量機を使用して給油を可能としている。
【0090】
従って、本実施の形態によれば、次のような効果が得られる。
【0091】
1)2系のPOSシステムにつき、各々に計量機などのRS485機器を専用に用意する必要がなくなるため、費用においてコスト削減が可能となる(費用効果)。
【0092】
2)2系のPOSシステムにつき、各々に計量機などのRS485機器を専用に用意する必要がなくなるため、設備の敷設面積において半分ですむことになる(設置面積効果)。
【0093】
3)従来では、2系のPOSシステムにつき、各々に計量機などのRS485機器を専用に用意する場合、顧客は給油に入ったレーンにて自身の望む決済方法が許容されるPOSシステムと連動していないレーンに入ってしまうことも想定され、その際はその決済が許されるPOSシステムと連動しているレーンへの移動を余儀なくされる。これに対し、本システムを適用すれば、給油に来店された顧客は、その決済方法の如何に関わらずレーンを選択し、そのレーンにおける2系のPOSの何れかから決済を行えるPOSを選択することが可能となる(顧客誘導の簡潔効果)。
【0094】
4)従来の店舗構成においては、基本的に一つのPOSシステムにおける制御の元、RS485機器を制御するため、その店舗の運用はそのPOSの仕様に限定される。例として、新しい決済方法や新しいRS485機器を店舗運用において導入したい場合、従来であれば、1)「新しい決済方法や機器を導入されているPOSシステムに対応させる」もしくは、2)「対応している別のPOSを導入しなおす」などの方法が考えられる。しかし、上記1)の方法においては、POSにより改造費用の発生及び、改造自体が受け入れられない可能性があり、この場合、上記1)の方法は適用できない。また、上記2)の方法においては、新しく導入するPOSシステムが前のPOSの機能を全て網羅しているとは限らず、既存のシステムでの必要機能が切り替えるPOSにて満たされないような場合、上記2)の方法は適用できない。こういった事例においても、本システムの適用は有効である。その理由は、既存システムに加え、店舗運用上望まれる機能を具備したPOSシステムを追加で設置することを可能とするため、既存のシステムでの機能要件を損なうことがほぼないためである(運用の多様化可能効果)。
【0095】
なお、本実施の形態では、RS485機器として計量機を例として提示したが、電文制御における判断条件の生成次第で、PIF、積算計、油面計、洗車機などのさまざまなRS485機器についても排他、共有制御可能であることの仕組みについて相違はなく、適用可能である。
【0096】
また、本実施の形態では、ガソリンスタンド向けPOSへの適用を示しているが、上記方式による機器制御を行う限り、ガソリンスタンド向けPOS以外においても適用は可能である。
【0097】
さらに、本実施の形態では、2系のPOSシステムから同一機器への制御を示しているが、本発明は2系に限定されず、3系以上でも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明によれば、RS485におけるポーリング/セレクティング方式で機器制御を行うPOSシステムへの適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の実施例に係る2系統POS制御システムを用いたガソリンスタンド向けPOSシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す2系統制御システムの内部構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す条件テーブルの構成を示す図である。
【図4】条件テーブルを用いて優先系を設定する場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】POS端末と計量機間の通信シーケンス図である。
【図6】(a)及び(b)は、2系のシステム構成をとるガソリンスタンド向けPOSシステムの概要を説明する図である。
【図7】2系のシステム構成をとるガソリンスタンド向けPOSシステムの概要を説明する図である。
【図8】(a)及び(b)は、図7に示す2系のシステム構成をとる場合の課題を説明するシーケンス図である。
【符号の説明】
【0100】
10 POS端末A(主局A)
11〜13 POS端末A1〜A3
14 POS−屋外端末系ネットワーク
15 主局RS485ネットワークインタフェース(POS端末A)
20 POS端末B(主局B)
21〜23 POS端末B1〜B3
24 POS−屋外端末系ネットワーク
25 主局RS485ネットワークインタフェース(POS端末B)
31〜33 計量機1〜3(従局1〜3)
40 2系統制御システム
41〜43 RS485系ネットワークケーブル
44、45 従局RS485ネットワークインタフェース(2系統制御システム)
46 主局RS485ネットワークインタフェース(2系統制御システム)
47 CPU
48 主記憶装置
49 メモリ
50 OS
51 2系統制御プログラム
52 条件テーブル
53 優先系状態
54 RS485データ送受信プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポーリング/セレクティング動作の主局として機能する第1のPOS端末と、
ポーリング/セレクティング動作の主局として機能する第2のPOS端末と、
ポーリング/セレクティング動作の従局として機能する制御対象機器と、
前記第1及び第2のPOS端末と、前記制御対象機器との間で、ポーリング/セレクティング動作による電文の授受を制御するPOS制御システムとを備え、
前記POS制御システムは、
前記第1のPOS端末に通信可能に接続され、当該第1のPOS端末の従局として機能する第1の従局インタフェースと、
前記第2のPOS端末に通信可能に接続され、当該第2のPOS端末の従局として機能する第2の従局インタフェースと、
前記制御対象機器に通信可能に接続され、当該制御対象機器の主局として機能する主局インタフェースと、
前記第1及び第2のPOS端末の一方と前記制御対象機器との間で、前記ポーリング/セレクティング動作により所定の電文を授受する際、所定の制御シーケンスが完了するまでの間、前記第1及び第2のPOS端末の一方を優先系として設定する優先系設定手段と、
前記優先系設定手段により設定された優先系に基づいて、前記第1及び第2のPOS端末と前記制御対象機器との間で、前記第1及び第2の従局インタフェースと、前記主局インタフェースとを介して、前記電文を排他的に振り分けて送受信させる電文送受信手段とを有することを特徴とするPOSシステム。
【請求項2】
前記優先系設定手段は、
前記第1及び第2のPOS端末のいずれか一方に対応する優先系の設定データを格納する格納部と、
前記優先系を設定するための条件データを登録する条件テーブルと、
前記第1の従局インタフェース、前記第2の従局インタフェース、又は前記主局インタフェースを介して受信された受信電文のデータと、前記格納部に格納されている現在の優先系の設定データと、前記条件テーブルに登録されている条件データとに基づいて前記優先系を決定する手段と、
決定された優先系を、前記優先系の設定データとして前記格納部に設定する手段とを有することを特徴とする請求項1記載のPOSシステム。
【請求項3】
前記第1のPOS端末の従局として機能する第1の屋外端末と、
前記第2のPOS端末の従局として機能する第2の屋外端末とをさらに有し、
前記制御対象機器は、RS485機器であることを特徴とする請求項1又は2に記載のPOSシステム。
【請求項4】
前記RS485機器は、ガソリンスタンド用の計量機を有することを特徴とする請求項3記載のPOSシステム。
【請求項5】
前記所定の制御シーケンスは、前記計量機による給油開始から給油終了までの制御シーケンスであることを特徴とする請求項4記載のPOSシステム。
【請求項6】
ポーリング/セレクティング動作の主局として機能する第1のPOS端末と、
ポーリング/セレクティング動作の主局として機能する第2のPOS端末と、
ポーリング/セレクティング動作の従局として機能する制御対象機器とを有するPOSシステムで用いられ、前記第1及び第2のPOS端末と、前記制御対象機器との間で、ポーリング/セレクティング動作による電文の授受を制御するPOS制御システムであって、
前記第1のPOS端末に通信可能に接続され、当該第1のPOS端末の従局として機能する第1の従局インタフェースと、
前記第2のPOS端末に通信可能に接続され、当該第2のPOS端末の従局として機能する第2の従局インタフェースと、
前記制御対象機器に通信可能に接続され、当該制御対象機器の主局として機能する主局インタフェースと、
前記第1及び第2のPOS端末の一方と前記制御対象機器との間で、前記ポーリング/セレクティング動作により所定の電文を授受する際、所定の制御シーケンスが完了するまでの間、前記第1及び第2のPOS端末の一方を優先系として設定する優先系設定手段と、
前記優先系設定手段により設定された優先系に基づいて、前記第1及び第2のPOS端末と前記制御対象機器との間で、前記第1及び第2の従局インタフェースと、前記主局インタフェースとを介して、前記電文を排他的に振り分けて送受信させる電文送受信手段とを有することを特徴とするPOS制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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