説明

PTC制御環境ヒータ

【課題】苛酷な環境下での使用に適応させる。
【解決手段】封止された自己調整ヒータ組立体10であって、正温度係数(PTC:positive temperature coefficient)加熱素子14と、一対の隔設電極20、22とを具備する。隔設電極の各々は第1の表面を有し、一対の隔設電極のそれぞれの第1の表面は互いに隔てられ、PTC素子は一対の隔設電極の第1の表面の間に配置されると共に該一対の隔設電極によって通電させられる組立体が開示されている。一対の隔設電極と前記PTC素子とはシース70によって包囲される。シースの両端部には第1及び第2の閉塞栓が設けられ、シースと第1及び第2の閉塞栓とが協働して内部空間を形成する。内部空間には電気絶縁性及び熱伝導性を有する充填材72が設けられ、内部空間には酸素供給手段により酸素が供給される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本願は2011年2月28日に出願された米国仮出願(Provisional Application)第61/447,252号の優先権を請求するものであり、この仮出願の主題の全体は本明細書に組み込まれているものである。
【0002】
本発明は一般的にはヒータ組立体に関する。一層詳しくは、本発明は、正温度係数ヒータ装置から成る自己調整ヒータ組立体に関する。このような自己調整ヒータ組立体は苛酷な環境下での使用に適応するものである。
【0003】
自己調整ヒータ組立体は当該技術分野では周知のものである。正温度係数(PTC: positive temperature coefficient)ヒータ装置は、温度感応性を持つ電気抵抗から成る半導体である。PTC装置の電気抵抗は温度に比例して変化する。一般的には、PTC装置はセラミック或いはポリマーの形態で得られるものであり、温度センサ、リミッタ及びヒータとしての使用でよく知られているものである。これらの使用のうちヒータとしての有用性が特に魅力的であり、それは自己調整ヒータを構成することができるからである。
【0004】
PTC装置に電流を通電すると、PTC装置はその内部抵抗により熱を発生する。その結果得られる電流については、抵抗値が或る所定の温度(クエリー点即ち自動安定化温度)で実質的に指数関数的に急上昇し始める点を除けば、他の抵抗ヒータで得られるものと同様である。これにより電力が減少させられる。かくして、PTCヒータ装置は特定の温度で自動的に安定化する。このような自動安定化が起きる温度はPTC装置の仕様に依存して変化する。PTC装置に特徴的なそのような自動安定化温度は有用なものである。というのは、その温度は、ヒータの周囲に存在する物の発火点又はヒータに適用され得る化学的耐性フルオロポリマー被覆の融点よりも低い温度とすることができるからである。
【0005】
PTC自己調整ヒータは、従来技術において、苛酷な環境下、例えば化学処理工業で使用される場合にはとりわけ成功的なものではなかった。そのような環境下では、強酸化剤、遊離ハロゲンイオン及び強い還元性の酸がPTCヒータ組立体の劣化の一因となる。
【0006】
また、加熱素子として使用されるPTC装置は開放環境下、すなわち封止されていない環境下でも広く利用されている。代表的には、PTC装置は機械的手段によって2つの導電体の間に保持され、このとき導電体は結果として得られる熱をエネルギとして用いたり散逸したりするヒートシンクとして機能させられる。PTC装置の熱出力を最大化したり、また組立体の全体のコストを低減させる試みとして、種々の方法及び技術が開発されてきた。これらの使用では、PTCチップをパッケージ化して組立体とされ、この場合PTC素子は該組立体が用いられる環境に直接的に接触し得ることとなる。このような使用は、加熱素子が腐食性を持ち得る種々の液体や流体に直接浸漬されるように意図された腐食性環境下では明らかに不可能である。これらの使用において、長期に亘って安全で有用な動作寿命を全うするためには、PTC加熱素子はそれが使用されることとなる環境から封止されなければならない。
【0007】
苛酷な環境に適応した既知のPTC加熱装置が米国特許第7,034,259号に記載されている。その他のPTC加熱装置は、2010年8月12日に公開された米国特許公開公報第2010/0200569号に記載されている。上記特許及び上記特許出願の双方は本出願人によって所有されているものである。これら双方の特許文献の開示内容は、それらの全体を参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0008】
その他の関連する事項として挙げられることは、直接浸漬ヒータに使用されるPTC加熱技術は、当該PTC加熱技術が非封止状態のヒータのために一般的に用いられる電力出力及び電圧に比べて比較的高い電力出力及び電圧を必要とするという点においてユニークであるということである。普通に使用される大部分のPTCヒータは、1000ワットよりも小さい容量を持つ。しかしながら、直接浸漬ヒータの容量は100ワットから24000ワットの間で変化し得る。或る種の直接浸漬ヒータが高電力及び高電圧で適用された場合に、それが完全封止構造で用いられるとすると、PTC加熱素子の有用動作寿命は大幅に短くなる。事実、封止されたヒータが腐食性環境下で使用された場合には、予期しない機構上の不具合が発見された。PTC素子を封止した場合に該PTC素子を故障させるような機構が、PTC基板の絶縁強度の低下であるということが分かった。
【0009】
一般的には、PTC加熱装置は設計印加電圧の3倍程度までは耐え得るものである。しかしながら、PTC加熱素子が封止された環境下で動作させられる場合には、経時的に絶縁強度が低下して、耐電圧が印加電圧よりも低くなることが判明した。かくして、電圧を供給する電極間に直接的な欠陥が生じることがある。絶縁強度を低下させる正確な機構は、封止パッケージ内の有効酸素の減少であることも判明した。全ての有効酸素が減少した場合には、PTC基板から酸素が除去されることとなった。この結果、PTC装置の絶縁強度の低下をもたらし、故障を引き起こすこととなる。
【0010】
PTC加熱パッケージの構造に使用される材料としては、良好な導電体及び良好な熱導体である金属が要求されている。勿論、コストも重要な考慮すべき事項であり、コスト面で手ごろな全ての入手可能な材料を効率的に使用することは大切である。使用材料は徐々に酸化して全体のパッケージ内の有効酸素を無くすことが見出されている。満足し得る長期の動作寿命を有するPTCに基づく加熱製品を作るためには、封止ヒータに追加の酸素を加えてヒータに十分な酸素を供給し、その結果PTC装置自体から酸素が除去されなくなって、必要とされる絶縁強度が維持されるようにすることが必要である。
【0011】
従って、上述したような困った問題及びその他の問題を克服し得ると共に全体として一層良好な効果を得ることができる改良自己調整ヒータ組立体を開発することが望ましいと考えられている。
【発明の概要】
【0012】
一実施形態において、本発明は、正温度係数(PTC: positive temperature coefficient)加熱素子と、一対の隔設電極とを具備する封止された自己調整ヒータ組立体に係わり、隔設電極の各々は互いに隔てられた第1の表面を有し、PTC素子は一対の隔設電極の表面の間に配置されると共に、該一対の隔設電極によって通電させられる。一対の隔設電極とPTC素子とはシースによって包囲され、シースの両端部には第1及び第2の閉塞栓が設けられる。シースと第1及び第2の閉塞栓とは協働して内部空間を形成する。内部空間には電気絶縁性及び熱伝導性を有する充填材が設けられる。内部空間には酸素供給手段によって酸素が供給される。
【0013】
本発明の別の態様によれば、正温度係数(PTC: positive temperature coefficient)加熱素子と、一対の隔設電極とを具備する封止された自己調整ヒータ組立体が提供され、隔設電極の各々は互いに隔てられた第1の表面を有し、PTC素子は一対の隔設電極の表面の間に配置されると共に、該一対の隔設電極によって通電させられる。一対の隔設電極とPTC素子とは円筒形シースに収容される。円筒形シースの両端部には第1及び第2の閉塞栓が設けられ、円筒形シースと第1及び第2の閉塞栓とが協働して内部空間を形成し、この内部空間内には一対の隔設電極とPTC素子が周囲雰囲気から封止された態様で設けられる。内部空間には電気絶縁性及び熱伝導性を有する充填材が設けられる。円筒形シースを不良環境から保護するために該円筒形シースは保護スリーブによって包囲される。内部空間には酸素供給手段によって酸素が供給される。
【0014】
本発明のその他の局面については、以下の実施形態の詳細な説明を読んで理解することにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は所定の個々の部品並びに部品の配置構成に実際の形態を与え得るものであり、その幾つかの実施の形態が本明細書で説明されると共にその一部を成す添付図面に図示されることになる。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による自己調整ヒータ組立体の透視図である。
【0017】
図2は、本発明による自己調整ヒータ組立体の別の実施形態の頂面図である。
【0018】
図3は、本発明の更に別の実施形態による自己調整ヒータ組立体の一部破断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付図面には、本発明の好適な幾つかの実施形態が図示されているが、本発明はそれらに限定されるものではない。図1には本発明の第1の実施形態による自己調整ヒータ組立体10が示されている。本実施形態においては、自己調整ヒータ組立体10は、ほぼ垂直軸線に沿って延在するような向きに位置されている。従って、上方及び下方という用語がヒータ組立体の構成を説明するために使用されることになる。しかしながら、もしヒータ組立体がその他の方向に沿う向きに位置されている場合には、上方及び下方という用語のそれぞれの意味が失われるということが認識されるべきである。
【0020】
ヒータ組立体10は複数の隔設された加熱部分12から成る。各加熱部分は少なくとも1つの正温度係数(PTC: positive temperature coefficient)加熱素子14を含む。一実施形態においては、PTC素子は矩形状の形態であってよく、一対の対向したほぼ平坦な平面を含み得る。また、加熱部分12は、PTC素子を通電させるための一対の低抵抗導通電極20及び22を含む。一対の電極20及び22については、適当な金属材料、例えば電気絶縁された銅又はアルミニウム合金等から形成することができる。各電極には少なくとも1つのボア44が貫通させられ、該ボア44は導線46を挿通させるサイズとされる。図3には、そのような導線の3本が三相デルタ構成で設けられている従来の設計が示されている。勿論、各電極を通電させるために、そのような本数以上又は以下の導線が使用されていもよい。
【0021】
電極はシース70によって覆われる。シース70により、自己調整ヒータ組立体の構成がすきっりしたものとなる。シース70と電極との間には、適当な電気絶縁性且つ熱伝導性を有する充填材料又は製品材料72が設けられる。これにより、電極とシースとの間の如何なる空隙も、及び、一対の電極間の如何なる空隙も塞がれることになる。このような充填材料72は、酸化マグネシウム又は酸化ジルコニウムから成り得るものであるが、その他の適当な電気絶縁性及び熱伝導性を有する材料も使用され得る。
【0022】
シース70周囲には保護スリーブ80が設けられてもよく、これにより自己調整ヒータ組立体は苛酷な環境から一層保護されることになる。スリーブ80は、十分な壁厚を有する化学的耐熱ポリマー材料、例えば、当該技術分野で既知のフルオロカーボンポリマー、エチレン化フルオロカーボンポリマー、塩素化フルオロカーボンポリマー、ポリビニルフルオロカーボンポリマー、ペルフルオロアルコキシポリマー又はそれらの組合せから構成することができる。加熱されるべき溶液に応じて、保護スリーブは任意の適当な材料、例えばガラス、プラスチック或いは金属から形成されてもよい。実施形態の中には、そのような保護スリーブを必要としないものもある。ヒータ組立体の上方部分には、耐熱注封材料82が設けられてもよく、これにより該上方部分はヒータ組立体が浸漬されることとなる流体に対して封止されることになる。このような注封材料により、ヒータ組立体の上方端部キャップ、すなわち第1の端部閉塞栓が形成され得ることになる。ヒータ組立体の下方端部は、端部キャップ84(図中では省略)又は同様の閉塞栓によって適宜封止される。また、絶縁体86(図中では省略)も必要に応じて使用されてもよい。
【0023】
注封材料には、電極用の導線46を挿通させるための穿孔が設けられる。
【0024】
本実施形態においては、注封材料82内に形成された適当な穿孔102には、チューブ100が挿通させられる。このようなチューブの目的は、通気チューブとして機能させるためであり、これによりPTC加熱素子によって加熱されるべき流体の外側の所定位置から酸素が入り込むことができるようになる。かかるチューブを存在させることにより、封止されたPTC加熱素子内の有効酸素が常に補給され、この結果酸素がPTC基板から除去されることはなく、PTC装置の絶縁強度が故障限界点に至ることはない。言うまでもないが、チューブ100を十分な長さにして、当該チューブ100の上方端部が、PTC加熱素子を備える加熱組立体が置かれて浸漬されることとなる液体106の表面104の上方まで延びた状態となるようにしなければならない。
【0025】
チューブの直径については、2インチ(5.08センチ)の程度とすることができる。許容直径の範囲は0.25インチ(0.635センチ)から4インチ(10.16センチ)までとされ得る。チューブの長さについては、PTC加熱素子が置かれて浸漬される液体の表面に到達するために必要とされる長さよりも長くすることができる。事実、20フィート(6.1メートル)の長さのチューブは使用されている。チューブの近位端は、周囲環境、すなわちヒータが浸漬される液体の表面の外側雰囲気に対して開放されていよい。また、チューブの近位端は大気の代わりに酸素供給源に接続されてもよい。
【0026】
図2には本発明によるヒータの別の実施形態が図示されている。図2において、PTCヒータ200は上方端部202を含む。封止ヒータの内部空間は注封材料で満たされている。注封材料には、ボア、すなわち穿孔204が貫通させられて、PTCヒータ組立体200の内部と連通し得る状態とされる。穿孔204には封止された包囲体に酸素を送り込むための手段が挿通させられる。本実施形態では、連通状態を許容させる手段は、チューブ部分220に内に収容された長尺の撚り部材210から成る。撚り部材は、ワイヤ材料又は適当な長尺熱可塑性材料から成るものであってよい。撚り部材間には空隙又はギャップが形成される。そのような空隙又はギャップにより、PTCヒータ200の内部が大気と連通し得る状態とされ、これにより酸素がPTCヒータ200内に流れ込むことができるようになる。PTCヒータが浸漬される腐食性材料が該PTCヒータに入り込まないようにするために、撚り部材の材料は、図1に示したチューブの場合のようにチューブ部分によって包囲される。撚り部材の利点の1つとして、PTCヒータの使用の際の設置時又はPTCヒータが垂直方向に向けられ得ないことがある移送時に、撚り部材がPTCヒータからの充填材料の抜け出しの阻止の助けになるという点が挙げられる。
【0027】
長尺の撚り部材210は互いにほぼ平行であり、しかもチューブの軸線に対してもほぼ平行である。上述したように、撚り部材はヒータ組立体からの充填材料の抜け出しの回避の助けになる一方、封止ヒータへの酸素又は周囲空気の充分な流入を許容してヒータ組立体に充分な酸素を確保し、これによりPTC基板から酸素が除去されないようにする。
【0028】
図3を参照すると、そこには本発明の更に別の実施形態が図示される。本実施形態においては、浸漬されるように意図された封止されたPTCヒータ組立体310は、複数のPTCチップ314から成り、これらPTCチップは一対の電極部材320及び322間に配置される。電極とこれら電極を包囲するシース370との間には適当な絶縁充填材料372が配置される。本実施形態においては、充填材料は従来の酸化マグネシウム(MgO)又は酸化ジルコニウム(ZrO)だけでなく付加的成分をも含む。詳しくは、酸化剤、例えば過酸化マグネシウム(MgO)が内部空間、例えばヒータシース370と電極320及び322との間の内部空間で絶縁充填材料に添加される。酸化剤は、絶縁充填材料に混ぜ合わさられ、これによりヒータ組立体310の使用時にPTC基板での酸素喪失が阻止される。
【0029】
充填材料に対する酸化剤の添加量については、約1対50の比率とすることができる。換言すれば、かかる比率は、MgOの1に対してMgOの50とされる。添加酸化剤の重量若しくは量の許容可能な範囲については10対1から100対1までとすることができる。充填材料に対する酸化剤の重量パーセントについては2パーセント程度であってよい。充填材料に対する酸化剤の許容範囲については1パーセントから10パーセントまでとすることができる。
【0030】
過酸化マグネシウム(MgO)以外の酸化剤も充填材料と混ぜ合わせるために使用し得ることが認識されるべきである。しかしながら、過酸化マグネシウムには、2つの利点、即ちa)コスト効率性及びb)安全性がある。
【0031】
別のやり方で封止されたヒータ組立体に酸素を供給する手段は、市場で競争力を高めるために必要とされる程度まで該ヒータ組立体の動作寿命を増大させることになる。ヒータ組立体は、PTC基板から酸素を除去して絶縁強度を故障限界点まで低下させる原因となる不都合を伴なわずに1年乃至2年又はそれ以上持ち堪え得る。
【0032】
以上で開示された自己調整ヒータ組立体は、少なくとも1つの正温度係数(PTC: positive temperature coefficient)加熱素子と、一対の隔設電極とから成り、該加熱素子は一対の隔設電極間に配置されると共にその一対の隔設電極によって支持されて通電させるようになっている。一対の隔設電極と少なくとも1つのPTC素子との組合わせはにより加熱部分が構成される。加熱部分は金属鞘により包囲され、電気絶縁性且つ熱伝導性充填材は金属鞘と加熱部分との間に配置される。加熱部分は更に一対の隔設導線を含み、この一対の加熱導線のそれぞれは加熱部分の一対の隔設電極のそれぞれに接続される。金属チューブの両端は端部キャップ或いは注封材料で封止される。
【0033】
ヒータ組立体の上方端部には、穿孔が端部キャップ或いは注封材料に設けられる。かかる穿孔を通してチューブ若しくはその他の手段が挿通させられて大気中に若しくは専用の酸素供給源まで延び、これにより大気中から若しくは酸素供給源から酸素が別のやり方で封止されたPTCヒータ組立体に入り込むことができるようになっている。二者択一的には、封止ヒータ組立体に必要な付加的な酸素を供給するために酸化剤が充填材料に添加されてもよい。
【0034】
本発明は、幾つかの好適な実施形態を参照して説明された。言うまでもなく、上述の説明を読んで理解することにより、様々な変形及び変更が見出されることになるであろう。本発明が上述した実施形態に限定されないことが意図されている。むしろ、本発明は、特許請求の範囲の技術的範囲内に取り込まれるべきものとしてかかる変形及び変更の全て若しくはそれらの均等物を含むものとして解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0035】
10 自己調整ヒータ組立体
12 加熱部分
14 正温度係数(PTC: positive temperature coefficient)加熱素子
20・22 低抵抗導通電極
44 ボア
46 導線
70 シース
72 充填材料
80 保護スリーブ
82 耐熱注封材料
86 絶縁体
100 チューブ
106 液体
200 PTCヒータ
202 上方端部
204 穿孔
210 撚り部材
220 チューブ部分
310 PTCヒータ組立体
314 PTCチップ
320・322 電極部材
370 シース
372 絶縁充填材料
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止された自己調整ヒータ組立体であって、
正温度係数(PTC)加熱素子と、
表面が相互に隔てて配設された一対の電極であって、当該一対の電極の表面間に前記PTC加熱素子が配設される共に、前記PTC加熱素子に通電する一対の隔設電極と、
前記一対の隔設電極及び前記PTC加熱素子を包囲するシースと、
前記シースの両端部に配設され、前記シースと協働して内部空間を形成する第1及び第2の閉塞栓と、
前記内部空間に配設された電気絶縁性及び熱伝導性を有する充填材と、
前記内部空間に酸素を供給する酸素供給手段とを備える自己調整ヒータ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸素供給手段が、前記第1及び第2の閉塞栓の一方を挿通するチューブから成り、当該チューブが当該チューブの第1の端部で前記充填材と連通している自己調整ヒータ組立体。
【請求項3】
請求項2に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記チューブが、当該チューブの第2の端部で周囲環境と連通している自己調整ヒータ組立体。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記チューブ内に前記内部空間からの前記充填材の抜け出しを阻止するための阻止要素を有する自己調整ヒータ組立体。
【請求項5】
請求項4に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記阻止要素が、複数の撚り部材から成る自己調整ヒータ組立体。
【請求項6】
請求項5に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記複数の撚り部材の軸線が、前記チューブの軸線と整列して配設されている自己調整ヒータ組立体。
【請求項7】
請求項1に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸素供給手段が、前記充填材に添加された酸化剤材料から成る自己調整ヒータ組立体。
【請求項8】
請求項7に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸化剤材料が過酸化マグネシウム(MgO)から成る自己調整ヒータ組立体。
【請求項9】
請求項7に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸化剤材料が前記充填材の1重量パーセント以上10重量パーセント以下で添加される自己調整ヒータ組立体。
【請求項10】
請求項1に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記一対の隔設電極にそれぞれ接続された一対の導線を備える自己調整ヒータ組立体。
【請求項11】
封止された自己調整ヒータ組立体であって、
正温度係数(PTC)加熱素子と、
表面が相互に隔てて配設された一対の電極であって、当該一対の電極の表面間に前記PTC加熱素子が配設される共に、前記PTC加熱素子に通電する一対の隔設電極と、
前記一対の隔設電極及び前記PTC加熱素子を収容する円筒形シースと、
前記シースの両端部に配設され、前記一対の隔設電極及び前記PTC加熱素子が周囲雰囲気から封止された態様となるように前記シースと協働して内部空間を形成する第1及び第2の閉塞栓と、
前記内部空間に配設された電気絶縁性及び熱伝導性を有する充填材と、
前記円筒形シースを不良環境から保護するために当該円筒形シースを包囲する保護スリーブと、
前記内部空間に酸素を供給する酸素供給手段とを備える自己調整ヒータ組立体。
【請求項12】
請求項11に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸素供給手段が、前記第1及び第2の閉塞栓の一方を挿通するチューブから成り,当該チューブが第1の端部及び第2の端部を含み、前記チューブの第1の端部が前記充填材中に延在している自己調整ヒータ組立体。
【請求項13】
請求項12に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記チューブの第2の端部が、酸素供給源と連通されている自己調整ヒータ組立体。
【請求項14】
請求項13に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸素供給源が、周囲環境である自己調整ヒータ組立体。
【請求項15】
請求項11に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸素供給手段が、前記充填材中に混ぜ合わされた酸化剤材料から成る自己調整ヒータ組立体。
【請求項16】
請求項15に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸化剤材料が過酸化マグネシウム(MgO)から成り、前記充填材が酸化マグネシウム(MgO)及び酸化ジルコニウム(ZrO)の少なくとも一方から成る自己調整ヒータ組立体。
【請求項17】
請求項15に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記酸化剤材料が、前記充填材の1重量パーセント以上10重量パーセント以下で混ぜ合わされる自己調整ヒータ組立体。
【請求項18】
請求項12に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記チューブ内に、前記内部空間からの前記充填材の抜け出しを阻止するための阻止要素を有する自己調整ヒータ組立体。
【請求項19】
請求項18に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記阻止要素が、複数の撚り部材から成る自己調整ヒータ組立体。
【請求項20】
請求項19に記載の自己調整ヒータ組立体において、
前記複数の撚り部材の軸線が、前記チューブの軸線と整列して配設される自己調整ヒータ組立体。

【公開番号】特開2012−186163(P2012−186163A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−40118(P2012−40118)
【出願日】平成24年2月27日(2012.2.27)
【出願人】(512048790)トム リチャーズ インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】TOM RICHARDS, INC.
【Fターム(参考)】