説明

RF共振タグを用いた商品管理装置

【課題】 共振タグ使用による商品管理を実施することで商品の履歴情報の確認が可能にする。
【解決手段】 第一の電磁波を発生し該第一の電磁波に反応した対象物から発信された第二の電磁波を受信し、受信した第二の電磁波をコード化し、該コードを第二の装置へ送信する第一の装置と、該コードを受信し予め格納もしくは格納されたコードと照合、処理し、処理方法を第三の装置に提供する第二の装置と、提供された処理方法に基づき、対象物の商品情報を変更する為の第三の電磁波を発生する第三の装置を持つことを特徴とする商品管理装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品管理装置にする。
【背景技術】
【0002】
商品の生産、流通、販売の各工程における商品の在庫量の管理、商品の識別などについてRFIDを用いた管理システムが提案されている。(特許文献1)
また、市場の流通径路に偽造品が侵入することを防ぐためにRFIDを用いて管理するシステムが提案されている。(特許文献2、特許文献3)
【特許文献1】特開2004−244181号公報
【特許文献2】特開2003−296415号公報
【特許文献3】特開2004−252621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
商品の生産、流通、販売の各工程における商品の在庫量の管理、商品の識別や市場の流通径路に偽造品が侵入することを防ぐためにICタグを用いて管理するシステムが製造工程が複雑であり、高価であるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、ICチップを用いたタグに比べて構造が簡単で製造工程が容易であり、提案されているが、ICタグは、情報量は多くかつ、安全性の高い不正アクセス防止が可能となる共振タグを用いた商品管理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。本発明にかかる少なくとも、共振回路を有するRFタグを物品上に含む物品と、前記RFタグと電磁波を共振させて情報を読み出す読み出し手段と、読み取った情報をもとに物品管理に関する判断をおこなう手段からなる物品管理手段であって、
上記共振回路を有するRFタグが、少なくとも樹脂、ガラス、紙、金属のいずれかを含む材料からなる基板上に、少なくとも2個の直列または並列に接続されたコンデンサと少なくとも1個のコイルアンテナを含み、電磁誘導により共振するRF共振回路を有するRFタグにおいて、前記コンデンサの少なくとも1個が閾値電圧を超える電圧印加により不可逆的に短絡するアンチヒューズであり、前記コンデンサを構成する電極表面の平均粗さが1μm以下であることを特徴とするアンチヒューズ型RFタグであり、
前記RFタグと電磁波を共振させて情報を読み出す読み出し手段を含む装置が、前記読み出し手段から発射される読み出し電磁波の周波数を連続または断続的に掃引し、前記電磁波共振回路の共振周波数に対応した反射波を受信し、該反射波の周波数の情報を検出する機能を少なくとも有するものであることを特徴とする物品管理装置を提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の商品管理を実施することで商品の履歴情報の確認が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、添付図面に従って本発明にかかる実施形態を詳細に説明する。
【0008】
実施例1(トレーサビリティ)
<本発明の構成>
図1は本発明の実施形態における商品102に添付した共振タグラベル103を使用してトレーサビリティ管理を行う商品管理システムを示す。尚共振タグラベル103は少なくともプリンタなどで印刷し商品ID情報などを自動的に認識する技術であるバーコード(二次元コード)などとトレーサビリティの履歴を管理するトレーサビリティコード情報を格納した共振タグで構成する。尚、本実施形態ではID情報などを自動的に認識する技術としてバーコード(二次元コード)を例に説明するがこれに限定する必要はなくその他の方法として例えばOCR(optical character reader)など画像情報を読取り記号化する技術等あっても構わない。また、共振タグの詳細については後述する。
【0009】
図1におけるサーバ108は共振タグによる商品管理を行なうための商品管理サーバであり、共振タグラベルのバーコードや共振タグからのデータを読み書きするリーダー/ライター機能が内蔵または接続され、生産時の管理データの入出力等を行なう生産端末101、同様ない機能を有する物流端末105及び、106、販売端末107などとインターネットなどのネットワークを介して接続されている。また各端末は本説明では簡略化のために1つもしくは2つ示したが、これ以上の数の端末が接続されていてもかまわない。
【0010】
<共振タグの構成>
本発明の共振タグは、少なくとも樹脂、ガラス、紙、金属のいずれかを含む材料からなる基板上において、少なくとも2個の直列または並列に接続されたコンデンサと少なくとも1個のコイルアンテナを含み、電磁誘導により共振するRFタグにおいて、前記コンデンサと前記コイルアンテナが前記基板の片面に配置され、前記コンデンサの少なくとも1個がしきい値電圧を超える電圧印加により不可逆的に短絡するアンチヒューズであり、前記コンデンサを構成する電極表面の平均粗さが1ミクロン以下であることを特徴とするRF共振回路およびRFタグを提供することである。前記少なくとも2個のコンデンサと前記少なくとも1個のコイルが電気的に接続され、特定の周波数の電磁波と共振し、共振したコイルから放射される電磁波を検出することによって、当該RFタグの存在を検知する。前記コンデンサの少なくとも1個が閾値電圧を超える電圧印加により不可逆的に短絡するアンチヒューズであり、前記閾値電圧を超える電圧を印加すると、前記アンチヒューズが短絡し、抵抗値の低い固定抵抗として機能する。また、前記アンチヒューズは、閾値電圧に達しない電圧を受ける場合は、コンデンサとして機能する。この動作により、当該共振回路は、共振周波数が変動することになる。この共振周波数が変動することにより、RFタグに1個の値が書き込まれたことになる。また、前記コンデンサは、通常2つの導電性電極に絶縁体薄膜が挟まれる構造を持つため、前記コンデンサの静電容量、絶縁耐圧は、電極表面粗さ、絶縁体膜厚の均一性に大きく依存する。本発明は、前記基板の片面表面を用い、前記コンデンサの電極として、表面粗さが1ミクロン以下のものを用いることによって、前記静電容量、絶縁耐圧(アンチヒューズの場合は閾値電圧)を安定化させることができる。前記表面粗さは、100nm以下であれば、さらに好ましい。
【0011】
また、前記コンデンサが直列に接続され、かつその静電容量が互いに異なっても良い。このことにより、静電容量が小さいコンデンサにより大きな電圧が分配されるため、前記コンデンサがアンチヒューズの場合、静電容量が小さいアンチヒューズが選択的に短絡させ、共振周波数を変動させることができる。
【0012】
また、前記アンチヒューズが並列に接続され、かつその閾値電圧が互いに異なっても良い。この場合、閾値電圧が低いアンチヒューズが選択的に短絡され、共振周波数を変動させることができる。
【0013】
前記コンデンサの少なくとも1個において、絶縁膜が酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化タンタル、窒化シリコン、酸化チタンのうち少なくとも1つを含んでも良い。
【0014】
前記コンデンサの少なくとも1個において、絶縁膜が有機物を含んでも良い。
【0015】
前記RF共振回路が同一基板上に2組以上配置され、各組が異なる共振周波数をもつようにRFタグが構成されることにより、より多くのビット数を記憶、追記させることができる。
【0016】
前記アンチヒューズのうち少なくとも1個が不可逆的に短絡することにより、共振周波数が変動する現象を利用した回路を使用したRFタグの検波方法を用いることにより、安定的に情報を検知することができる。
【0017】
本発明では、貫通穴を必要とせず、基板の平坦面を利用することで、これらの問題を解決し、安定した性能、高い生産効率を得ることができる。また、同一基板上に、複数のRF共振回路を配置することで、従来技術に比較して、多くの情報を記憶することができる。
【0018】
図5に示すような2個の互いに静電容量が異なるアンチヒューズが搭載された、RF共振回路を作製した。
【0019】
ポリイミド樹脂基板501上に、コイルアンテナ503、コンタクトパッド502、アンチヒューズの下部電極504が銅フォイルを加工して形成される。さらにアンチヒューズの絶縁膜としてスパッタリング法により作製された、厚さ10nmのアルミナ膜505を形成し、エポキシ樹脂からなる素子分離膜506をスクリーン印刷法にて形成した。さらに、アンチヒューズの上部電極507、接続配線508を導電性ペーストをスクリーン印刷法にて形成して完成する。
【0020】
図2は、生産端末101の構成を示す。生産端末101は共振タグR/W(リーダー/ライタ/)装置201とPC202、から構成される。
【0021】
図3は、物流端末105、106の構成を示す。物流端末105,106は共振タグR/W(リーダー/ライタ/)装置301とPC302、から構成される。
【0022】
図4は、販売端末107の構成を示す。販売端末はそれぞれ共振タグR/W(リーダー/ライタ/)装置401とPC402、から構成される。
【0023】
生産端末101、物流端末105,106、販売端末107は通信回線であるインターネットまたはLAN(ローカルエリアネットワーク)などを介して商品管理サーバ108と接続している。商品管理サーバ108は、商品情報の閲覧情報を生成したり、ユーザに商品情報の提供を行ったり、商品情報変更指示を提供したりするサーバである。また商品管理サーバ108はデータベース機能を具備していて前記商品情報が情報提供サーバ内に構築されている形態も考えられる。また共振タグR/W装置201、301、401には、それぞれR/W ID 802(R/W ID802の詳細については後述する。)が割り振られている。
【0024】
<共振タグリーダーライター構成>
図31は、リーダライタの構成を示す図である。
【0025】
ここで、リーダーライター機は、たとえば上位のノート型パソコンなどの情報端末3101と接続された制御ロジック回路3102と制御ロジック回路で制御された掃引発信器3103、発信レベル検出器3104、発信周波数検出器3105、周波数シンセサイザー3106、増幅器3107と、掃引発信器3103で選択された周波数の電磁波を放射するアンテナコイル3108からなる。
【0026】
リード動作時は、アンテナコイルに接近した検知対象である共振タグ3109とアンテナコイル3108の電磁結合で電力が共振タグ3109に吸収され、結果として、発信レベルが低下する。このレベル低下を発信レベル検出器3104で検出することで共振タグ3109の共振周波数が判別される。
【0027】
また、ライト動作時は、共振タグ3109の共振周波数に対応する電磁波信号を周波数シンセサイザー3106で発生し、増幅器3107で共振タグ情報の書き換えに必要なレベルまで増幅してアンテナコイル3108から信号を放射することで、情報を書き込む。
【0028】
(バーコード情報の読み取り部分の構成)
本発明では前述した共振タグとともにバーコードまたは二次元コードなど光学的に読取り可能な情報を読取りコード化する機能で構成される。
【0029】
二次元コードとは例えば、特登録2938338に開示されているようなコンピュータ等に情報を入力するために光学的に読取り可能なコードで、二進コードで表されるデータをセル化して、二次元マトリックス上にパターンとして配置したコードである。読み取り装置の構成としては、少なくともカメラ等の画像入力装置と取り込んだ画像から二次元コードを検出してコードのみを取り出し、コードのサイズ、データセル座標を求め、データセルの「0」「1」判別をし、キャラクタ情報に変換する画像処理機能と変換した情報をパソコンなど他の機器へ送信する送信機能を有するものであればかまわない。
【0030】
尚、本発明では前述したカメラ式の二次元コードリーダのみではなく、詳細は記述しないがレーザスキャン方式のバーコードリーダーで構成することも可能である。
【0031】
また光学的な読み取り可能な情報の読み取り機能は二次元コード、バーコード以外に例えば、OCR(Optical Character Reader),カラー化された情報をコード化する機能、人間の目には見えない情報をカメラで識別する隠しコードのような機能などでもよい。
【0032】
(情報処理装置の構成の説明)
図6は、情報処理装置の代表的なハード構成を示すブロック図であり、図1のユーザ端末105として使用可能なPC(PersonalComputer)、或は、サーバ104、に相当するものであり、CPU(CentralProcessingUnit)601と、入力装置602と、主記憶装置603と、出力装置604と、補助記憶装置2605と、クロック装置606と、通信装置609とからなる。
【0033】
CPU601は別名処理装置として称される部材であり、システム内の各装置に命令を送りその動作を制御する制御装置607と、ディジタルデータの演算処理を行う演算装置608とからなる。
【0034】
ここで、このCPU601は、主記憶装置603や補助記憶装置605に記憶されているプログラムと協働して、本発明の各手段として機能する。
【0035】
さらに、このCPU601は、主記憶装置603や補助記憶装置605に情報を格納する格納手段や、これらに格納されている情報を更新する更新手段として機能する。
【0036】
制御装置607は、クロック装置606が発するクロックのタイミングに従い、入力装置602から入力されたデータや予め与えられた手順(例えばプログラムやソフトウェア)を主記憶装置603に読み込み、この読み込んだ内容に基づいて演算装置608に命令を送り演算処理を行わせる。この演算処理の結果は、制御装置607の制御に基づいて、主記憶装置603、出力装置604及び補助記憶装置605等の内部の機器や外部の機器等に送信される。
【0037】
入力装置602は、各種データを入力するための部材であり、例えばキーボード、マウス、ポインティングデバイス、タッチパネル、マウスパッド、CCDカメラ、カード読み取り機、紙テープ読み取り装置、磁気テープ装置等が想定される。
【0038】
主記憶装置603は別名メモリとして観念される部材であり、処理装置及び内部記憶装置において、命令を実行するために使われるアドレス可能な記憶空間のすべてを指す部材である。この主記憶装置603は主として半導体記憶素子により構成され、入力したプログラムやデータを格納、保持すると共に、制御装置607の指示にしたがい、この格納保持されているデータを例えばレジスタに読み出す。
【0039】
また、主記憶装置603を構成する半導体記憶素子としてはRAM(RandomAccessMemory)やROM(ReadOnlyMemory)等からなる。
【0040】
また、出力装置604は、演算装置608の演算結果等を出力するための部材であり、例えばCRT、プラズマディスプレイパネル及び液晶ディスプレイその他の表示装置、プリンタなどの印刷装置、音声出力装置等が該当する。
【0041】
また、補助記憶装置605は、主記憶装置603の記憶容量を補うための部材であり、例えば磁気ディスク装置、光ディスク装置、半導体ディスク装置等による、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、MO等が該当する。この補助記憶装置605は各種データベースを構築するためのデータを記憶するための記憶手段として機能する。
【0042】
また、通信装置609は、外部装置と通信を行うための装置であり、接続される、ネットワークに応じて適宜データの送受信やデジタル−アナログ変換等を行う。ここで、上記各装置は、アドレスバス又はデータバスにより相互に接続されている。
【0043】
以下の各工程での各端末で行われる動作について詳細に説明する。
【0044】
<生産>
生産端末101、商品管理サーバ108の間でのデータのやり取りについて詳しく説明する。生産端末101は生産した商品に商品IDなどを示すバーコードまたは二次元コードを発行するための端末である。生産端末101は図示はしていないが生産ライン管理システムと連動して商品が生産されるごとに商品管理サーバ108に対して商品IDの発行を要求する。商品IDは商品一つ一つユニークな番号であることが望ましいが、例えば生産ロットごとなど他の体系でもかまわない。商品管理サーバ108は生産端末101から商品IDの要求があると番号を発行し、サーバ内のデータベースにレコードを発生させ商品IDを格納するとともにそのデータをさらにバーコード(または二次元コード)データに変換したデータとともに該生産端末101に発行した番号を送信する。番号を受信した生産端末101は生産端末に接続したプリンタ(不図示)で共振タグが内蔵された共振タグラベル103に商品IDに対応したバーコードを印刷する。
【0045】
図7は商品管理サーバ108に格納された商品管理データとそれに関連した共振タグラベルを示す概念図である。R/W ID702,倉庫名703、日時に関しては後述する物流端末で書き込まれるデータであるため説明は後述する。トレーサビリティコード705は該当する商品IDの共振タグで示されるデータを格納するがここでは初期値である“0000”が格納されているものとする。また共振タグラベル103には前述した通り商品IDがコード化されてバーコード(または二次元コード)706として印字されているとともに内蔵された共振タグ707は商品管理サーバ108に格納されていたものと同じトレーサビリティコードの初期値“0000”が格納されている。
【0046】
尚、ここで共振タグR/Wを使用して共振タグのデータを読取り商品管理サーバのデータと一致しているかを確認するプロセスを設けても良い。
【0047】
また、上述では、予め商品管理サーバ108に登録された共振タグラベルが商品に添付される方法を説明したが、商品管理サーバ108に未登録の商品IDの印字された共振タグラベルを商品に貼付した後に、共振タグR/Wを使用して、商品管理サーバ108に情報を登録する方法でも良い。
【0048】
<物流>
物流端末105、106、商品管理サーバ108の間でのデータのやり取りについて図8を用いて詳しく説明する。商品102が物流倉庫に入庫する(ここでは、例えば図1の物流端末106(仙台倉庫)とする。)、ステップS801で物流担当者が物流端末105に接続したリーダー/ライター301で商品102の共振タグラベルの読取り作業を行なうと、リーダー/ライター301は商品ID801、トレーサビリティコード3805を読み取り、図8におけるステップS802で読取ったデータをR/W ID情報 802と一緒に、物流端末105に送信し、ステップS803でデータを受信した物流端末105は商品管理サーバ108にデータを送信する。
【0049】
図9は物流端末105が共振タグラベル103に書き込んだ商品管理データとそれに関連した共振タグラベル103を示す概念図である。
【0050】
商品管理サーバ108のデータベースには、R/W ID902,倉庫名903、日時、トレーサビリティコード905などが格納されている。R/W ID902は各共振タグリーダ/ライタごとに割りふられたIDでリーダ/ライタ−が共振タグラベルからデータを読取った後に該データとともに管理サーバ108に送信する。倉庫名903は管理サーバにR/W IDに紐づけられて予め管理されている。日時904はデータが読取られた日時を記憶する。トレーサビリティコード905は商品がどの物流ルートを経由してきたかを示し共振タグ907に書き込む為のデータであり、予めR/W ID902,倉庫名903(または不図示の倉庫コード)などに関連づけられてデータベースに登録しておく。例えば4桁のコードの左から、仙台倉庫、北海道倉庫を表し、その倉庫を経由した場合には1を記憶するなどの使用方法が考えられる。また共振タグラベル103には前述した通り商品IDがコード化されてバーコード(または二次元コード)906として印字されているとともに内蔵された共振タグ907は商品管理サーバ108に格納されていたものと同じトレーサビリティコードの“0010”が格納される。
【0051】
図9では一例として生産された商品が北海道倉庫を経由して仙台倉庫に到着した状態を示していて、商品管理サーバ、共振タグ共にまだ仙台倉庫での情報が書き込まれていない。また共振タグ907のデータは商品管理サーバのトレーサビリティコードと同じ“0010”を示す情報が格納されている。
【0052】
ここで図8の説明に戻るとステップS804で、商品管理サーバ108が実行する表示情報作成処理を説明する。図10は、ステップS804の表示情報作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
ステップS1001で商品管理サーバ108は、物流端末105、106が読み取ったバーコード104の商品ID901、R/W ID902、トレーサビリティコード905を受信する。
【0054】
次にステップS1002で商品管理サーバ108は、商品IDを格納してあるDBから、前記、商品ID901と同じ番号のサーバ内に格納されている商品ID701を抽出し、同じレコードに記録してあるR/W ID702、トレーサビリティコード705のデータを呼びだす。
【0055】
この時ステップS1003で、DB内に商品ID901と同じ番号の商品IDが見つからない場合(登録されていない場合)はステップS1004で、図11に示す警告画面を表示する。
【0056】
図11は、R/WID702がデータベースに登録されていない場合の情報表示画面の内容を示す図である。商品ID901ごとに、「商品IDが登録されていません。商品取り扱いできません。」1101、「担当者〇〇〇までお問い合わせください。」1102との表示を示し、処理は終了する。「終了」ボタン1103は、閲覧を終了したい場合に押してもらうボタンである。
【0057】
商品IDが見つかった場合はステップS1005で商品管理サーバは、工場出荷時にバーコード104に書き込まれた、商品ID701、商品ごとに関連付けられたR/W ID702と 物流端末105、106が読み取った商品ID901、R/W ID902の比較を行いこれらの情報が適正ルートかどうかを判定する。判定方法の一例としては予め商品IDごとに適正な物流ルートまたは物流拠点などを商品IDごとに商品が経由する可能性のある倉庫のR/W IDをすべてサーバに登録しておき、ステップS1005での判定でステップS1001で読み出された商品ID,R/W IDの組み合わせが、サーバに登録されたものか否かを判定する。また別の形態としてあらかじめ物流ルートが確定している場合は適切なR/W IDの読み取りの順番を規定してもよい。さらに、バーコードにサーバと同じR/W情報を登録しておき、さらに照合する方法でもよい。
【0058】
商品ID901、R/W ID902が一致しない場合には、ステップS1006で図12の情報表示画面を作成する。
【0059】
図12は、R/WID702がデータベースに登録されていない場合の情報表示画面の内容を示す図である。商品ID901ごとに、「商品IDとR/W IDが登録されていません。商品取り扱いできません。」1201、「担当者〇〇〇までお問い合わせください。」1202との表示を示し、処理は終了する。「終了」ボタン1203は、閲覧を終了したい場合に押してもらうボタンである。
【0060】
ステップS1005で商品ID901とR/W ID902が登録されている場合は、ステップS1007でトレーサビリティコード905が一致するか否かの判定を行う。ステップS1007でトレーサビリティコード905が一致しない場合はステップS1008で図13の情報表示画面を作成する。
【0061】
商品ID901ごとに、「トレーサビリティコードが不一致です。販売済です。」1301、「担当者〇〇〇までお問い合わせください。」1302の表示を示し、処理は終了する。「終了」ボタン1303は、閲覧を終了したい場合に押してもらうボタンである。
【0062】
ステップS1007でトレーサビリティコード905が一致する場合は、適正なルートと判断し、ステップS1009でデータベースに履歴情報を追加する。履歴情報の例としては前述の図9Bに示すR/W ID“ 0011”,倉庫名“仙台倉庫”、日時“05.09.23”、トレーサビリティコード“0110”などである。
【0063】
ステップS1010で商品管理サーバ108は、物流端末106に図9に示すトレーサビリティコード907の書き換え情報を送信する。例えば仙台の倉庫に、入庫した場合は、トレーサビリティコードを「0110」に書き換える為の情報を送信する。
【0064】
ステップS805で商品管理サーバ108は、物流端末105、106にトレーサビリティコード書き換え情報を送信する。ステップS806で物流端末105、106は、R/W装置にトレーサビリティコード書き換え指示を行う。
【0065】
ステップS807でR/W装置301は共振タグラベル103のトレーサビリティコード905を書き換える。この時点で前述の図911に示すとおり共振タグ910の情報が例えば“0010”から“0110”に書き換えられる。
【0066】
ステップS808でR/W装置は、この後一定時間経過後に共振タグラベル103の情報が正しく書き換えられたかの確認のためにステップS809で共振タグラベル103の情報を読み取る。
【0067】
ステップS810でR/W装置は、共振タグラベル103の書き換え情報を物流端末に送信する。
【0068】
ステップS811で物流端末105、106は、商品管理サーバ108に終了処理確認情報を送信する。ステップS812で商品管理サーバ108はサーバ内のデータベースのトレーサビリティコードが前述のステップS807で書き換えた共振タグのトレーサビリティコードと同じデータであるか否かの確認作業を行う。処理が終了すると商品管理サーバ108は、図13に示す情報表示画面を作成する。
【0069】
図14は、処理が終了した場合に内容を示す図である。商品ID901ごとに、「行った処理、トレーサビリティコードを「0110」から「1110」に変更」1401の表示を示し、処理は終了する。「終了」ボタン1402は、閲覧を終了したい場合に押してもらうボタンである。
【0070】
尚、ステップS812でトレーサビリティコードが一致しなければ再度共振タグ情報を書き込む処理を行う、商品管理サーバの管理者端末に不一致情報を送信するなどの処理を行う。
【0071】
以上の処理を行なうことで物品のトレーサビリティ管理が可能となる。
【0072】
尚、前述したステップS1005とステップS1007は必ずしもこの順に判定する必要は無く逆の順番や同時に判定する方法でもかまわない。
【0073】
<販売>
販売端末107、商品管理サーバ108の間でのデータのやり取りについて図15、図16を用いて説明する。販売端末の動作は前述した図8、図10に示した物流端末の動作と同様であり図15に示すS1501は図8に示すS801に相当する。(ステップS1502はステップS802に相当。以下同様)また図16の動作も同様に図10の動作に相当する。また図16のステップS1604で商品管理サーバ108が表示する画面情報の一例を図17に示す。同様にステップS1606の画面情報の一例は図18、S1608の画面情報を一例を図19に示す。また図15においてステップS1512が終了すると図20に示す、行なった処理を説明する画面情報を作成する。この画面情報は予め登録した端末に自動的に表示してもよいし、各端末の要求に応じて表示してもよい。
【0074】
本実施形態の共振タグの情報とサーバでの履歴管理情報を参照することでトレーサビリティの管理が可能となる。
【0075】
また、本実施形態の共振タグの情報とバーコードの情報とサーバでの履歴管理情報を参照することでより商品管理システムの安全性が高まり、より確実なトレーサビリティの管理が可能となる。
【0076】
実施例2(偽造対策)
実施例1では共振タグラベル及びそのリーダー/ライターを使用したトレーサビリティシステムについて説明したが、本実施形態ではさらに偽造対策の判定も可能な実施形態について説明する。
【0077】
発明の構成図21は本発明の実施形態における共振タグラベル2103を使用して偽造対策を行なう商品管理システムを示す、尚共振タグラベル2103は少なくとも、プリンタなどで印刷し商品ID情報などを含むバーコード(二次元コード)と偽造対策を行なう情報を格納した共振タグで構成する。ここで共振タグで偽造を判定するためのコード構成について説明する。共振タグは判定コードと販売履歴コードで構成する。判定コードとは前記商品IDと関連付けたコードで生産時などに書き込まれるコードで原則その後の書換えを行なわない。また販売履歴コードは販売時にPOS端末などで書換えを行なうコードで、このコードを読むことにより販売が終了した商品か否かの判定が可能となる。販売履歴コードはコードを複数持つことで実施例1で説明したトレーサビリティコードと同様な効果をもつことが可能となるが、ここでは説明を簡略化するために、販売時のみに書き換える販売履歴コードのみの構成で説明する。
【0078】
それぞれの端末、サーバについては実施例1の図1で説明した生産端末、販売端末、販売管理サーバと同様な機能を有するが、詳細な構成、実施例1との差異については後述する。
【0079】
<生産>
生産端末2101、商品管理サーバ2106の間でのデータのやり取りについて詳しく説明する。生産端末2101は生産した商品に商品IDなどを示すバーコードまたは二次元コードを発行するための端末である。生産端末2101は図示はしていないが生産ライン管理システムと連動して商品が生産されるごとに商品管理サーバ2106に対して商品IDの発行を要求する。商品IDは商品一つ一つユニークな番号であることが望ましいが、例えば生産ロットごとなど他の体系でもかまわない。商品管理サーバ2106は生産端末2101から商品IDの要求があると番号と番号と対応付けた偽造対策を行なうために共振タグに書き込む為の判定コード2105を発行し、サーバ内のデータベースにレコードを発生し商品IDと判定コード2105を格納するとともにそのデータをさらにバーコード(または二次元コード)データに変換したデータとともに該生産端末2101に送信する。番号を受信した生産端末2101は生産端末に接続したプリンタ(不図示)で共振タグが内蔵された共振タグラベル2103に商品IDとバーコードを印刷する。
【0080】
図22は商品管理サーバ2106に格納された商品管理データとそれに関連した共振タグラベルを示す概念図である。判定コード2205は該当する商品IDの共振タグで示されるデータを格納するがここでは “001”が格納されているものとする。また共振タグラベル2109には前述した通り商品IDがコード化されてバーコード(または二次元コード)2106として印字されているとともに内蔵された共振タグ2107は商品管理サーバ2106に格納されていたものと同じ判定コード“001”が格納されている。また販売履歴コード2206は販売されていないことを示す“0”が商品管理サーバ2106及び共振タグに記憶されている。
【0081】
尚、ここで共振タグR/Wを使用して共振タグのデータを読取り商品管理サーバのデータと一致しているかを確認するプロセスを設けても良い。
【0082】
<販売>
販売端末2105、商品管理サーバ2106の間でのデータのやり取りについて詳しく説明する。商品2102が販売店に入庫し、顧客が購入するためにレジに商品を持っていき、販売店の担当者がPOS端末のリーダー/ライターを商品の共振タグラベルにかざすと、図23におけるステップS2301、ステップS2302で販売端末2105は、バーコードから商品ID2201、共振タグから判定コード2205及び販売履歴コード2206を読み取る。
【0083】
次にステップS2303で販売端末2105は、読み取った商品ID2201、判定コード2205及び販売履歴コード2206とR/WID2202を商品管理サーバ2106に送信する。
【0084】
図23におけるステップS2304で、商品管理サーバ2106が実行する表示情報作成処理を説明する。図24は、ステップS2304の表示情報作成処理の一例を示すフローチャートである。
【0085】
ステップS2401で商品管理サーバ2106は、販売端末2105が読み取った商品ID2201、R/WID2202、判定コード2205、販売履歴コード2206を受信する。
【0086】
次にステップS2402で商品管理サーバ2106は、サーバ内に格納されている販売端末2105でよみとったコードと同じ商品ID2201及び同じレコードのR/W ID2202、判定コード2205、販売履歴コードのデータを呼びだす。
【0087】
この時ステップS2403で、DB内に商品ID2201と同じ番号の商品IDが見つからない場合(登録されていない場合)はステップS2404で、図25に示す警告画面を表示する。
【0088】
図25はステップS2403で商品ID2201、R/W ID2202が一致しない場合のステップS2404での情報表示画面の内容を示す図である。商品ID2201ごとに、「商品IDが登録されていません。」2501、「取り扱いできません。担当者〇〇〇までお問い合わせください。」2502との表示を示し、処理は終了する。「終了」ボタン2503は、閲覧を終了したい場合に押してもらうボタンである。
【0089】
商品IDが見つかった場合はステップS2405で商品管理サーバは、工場出荷時にバーコード2104に書き込まれた商品ID2201、商品ごとに関連付けられたR/W ID2202と、販売端末が読み取った商品ID901、R/W ID902の比較を行いこれらの情報が適正ルートかどうかを判定する(ステップS1005と同様の動作)。
【0090】
商品ID901、R/W ID902が一致しない場合は、ステップS2106で図26の情報表示画面を作成する。
【0091】
図26は、ステップS2405で商品ID901、R/W ID902が見つからない場合の情報表示画面の内容を示す図である。商品ID901ごとに、「商品IDとR/W IDが登録されていません。商品取り扱いできません。」2601、「担当者〇〇〇までお問い合わせください。」2602との表示を示し、処理は終了する。「終了」ボタン2603は、閲覧を終了したい場合に押してもらうボタンである。
【0092】
ステップS2407で商品ID901とR/W ID902が見つかった場合は、次にステップS2409でステップS2401で受信した判定コード2205とDBに格納されていた判定コードが一致するか否かの判定を行う。判定コード2205及び販売履歴コード2206が一致しない場合は、ステップS2408で図27の情報表示画面を作成する。
【0093】
図27は、判定コード2205及び販売履歴コード2206が一致しない場合の情報表示画面の内容を示す図である。商品ID2001ごとに、「判定コードの確認がとれません。」2701、「純正品確認できません。担当者〇〇〇までお問い合わせください。」2702との表示を示し、処理は終了する。「終了」ボタン2703は、閲覧を終了したい場合に押してもらうボタンである。
【0094】
次にステップS2009で判定コードが一致した場合には、ステップS2410でステップS2401で受信した販売履歴コードで販売前の商品であるか否かを確認する。例えば図22えは生産時の情報として“0”が登録してあり、この情報が書き換えられていなければ販売前と判定する。
【0095】
販売前の商品でない場合には図30に示すような画面を表示する。
【0096】
商品管理サーバ108は以上のステップS2403.S2405.S2407.S2409により商品を純正品と判断すると、ステップS2411でデータベースの情報を更新し、ステップS2305(ステップS2411と同じ動作)で商品管理サーバ2106は、販売端末2105に図22に示す判定コード2205の書き換え情報(例えば販売履歴コードの「0」を「1」に書き換える。)を販売端末2105に送信する。ここで、純正品であることを示す、画面表示を行なうステップを含めてもよい。
【0097】
ステップS2306で販売端末2105は、R/W装置に販売履歴コードの書き換え指示を行う。ステップS2307でR/W装置は共振タグラベル2209の販売履歴コードを書き換える。
【0098】
ステップS2308でR/W装置は、この後一定時間経過後に共振タグラベル2209の情報が正しく書き換えられたかの確認のために、ステップS2309で共振タグラベル2203の情報を読み取る。
【0099】
ステップS2310でR/W装置は、共振タグラベル2209の書き換え情報を販売端末1905に送信する。
【0100】
ステップS2311で販売端末2105は、商品管理サーバ2106に終了処理確認情報を送信する。ステップS2312で商品管理サーバ2106はサーバ内のデータベースにデータの更新処理が行われる。処理が終了すると商品管理サーバ1906は、図28に示す情報表示画面を作成する。
【0101】
図28は、処理が終了した場合に内容を示す図である。商品ID2201ごとに、「行った処理、判定コードを「0110」から「0011」に変更」2801の表示を示し、処理は終了する。「終了」ボタン2802は、閲覧を終了したい場合に押してもらうボタンである。
【0102】
図29は販売端末2105が共振タグラベル2103に書き込んだ商品管理データとそれに関連した共振タグラベル2103を示す概念図である。
【0103】
2909は商品管理サーバ2106に書き込まれたデータを示す。R/W ID2902,販売店名2903、日時2204は販売端末2105で書き込まれるデータであり、判定コードは生産時に登録したデータ、販売履歴コードは図23 ステップS2307の処理で書き換えられた情報を示す。また共振タグラベル2910には生産時に印刷されたバーコード情報及び共振タグ2910には生産時の書き込まれた判定コードと図23 ステップS2308の処理で書き込まれた販売履歴コードの情報を記憶されている。
【0104】
実施例3
本実形態では、前述した実施形態における共振タグラベルの別形態として図形パターン部材が二次元バーコードである共振タグを使用する場合について説明する。
【0105】
図32を参照して、図形パターン部材が二次元バーコードである共振タグについての実施例を示す。まず、本実施例の共振タグは以下のように作成される。絶縁性基板3201の表面上にコンデンサの下部電極に対応する電極3202、およびコイルパターン3203が形成される。ついで絶縁性基板3201の裏面へ配線をまわす裏面導通パッド3204、3205が形成される。絶縁性基板1の裏面には、裏面導通パッド3204、3205と電気的に導通したパッド3206、3207が形成され、連結配線パターン3208でそれらがさらに電気的に接続される。
【0106】
次に、メタルマスクを通してアルミナ薄膜をスパッタリング法により電極3202を被覆するように製膜する。この際、アルミナ薄膜の膜厚を適宜調節することにより望みの静電容量をもつコンデンサとすることができる。これによって、共振周波数を利用したい領域に設定することができる。ここでは、アルミナ薄膜の膜厚を100nmとした。なお、アルミナ薄膜の膜厚は1nm以上、1000nm以下が望ましい。膜厚が薄すぎると不可逆な絶縁破壊が発生あるいはコンデンサ初期不良率が高くなり、また、厚すぎるとコンデンサの可逆的な静電容量の変化を誘起するのに必要な電圧が高くなるためである。
【0107】
最後に所定の位置に導電ペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、コンデンサの上部電極としても動作する二次元バーコードのパターンを形成する。この際、二次元バーコードの外周はコイルの一端に接続されている。なお、二次元バーコード印刷では、スクリーン印刷のほかにインクジェット法、オフセット印刷法を用いてもよい。結果としてコイルとコンデンサが配線で接続されたLC共振回路が形成される。なお、導電ペーストの材料は金、銀、銅やカーボンなど導電性のものであれば任意に選択できるが、共振特性のQ値を良好に保つためになるべく低抵抗なものとすることが望ましい。あわせて、二次元バーコードの読み取りを容易ならしめるため、コントラストが十分にとれるペーストがより好ましい。
【0108】
こうして形成されたLC共振回路を含む共振タグの共振周波数の測定はヒューレットパッカード(株)製ネットワークアナライザー(商品名 HP8753E)を用いて行った。また、共振タグの回路内部に誘導起電力を発生させるための電圧印加装置としては別途用意したアンテナコイルに信号発生器を接続したものを用いた。この装置により、アンテナコイルから送信された電磁波が共振タグ側のアンテナと相互作用して誘導起電力が発生する。
【0109】
結果を図に示す。二次元バーコードの外周に接した黒(導電性ペーストで塗られた)セルとそれに連続的に接続された黒セル群がコンデンサの上部電極として働く。最終的に、その連続的なセルの面積の総和が上部電極の総面積となり、コンデンサの容量を介して、共振特性に反映された。
【0110】
共振周波数xxMHzの二次元バーコード共振タグに外部から周波数xxMHz、出力500mWの電磁波を信号発生器から照射したところ、タグ内に発生した誘導起電力により、タグ内のコンデンサに破壊が発生し、共振特性を示さなくなった。この際、CCDカメラにて、コンデンサの上部電極でもある、バーコードパターンを観察したところ、電極の一部すなわちセルの一部に欠損がみられ、このため、二次元バーコードとしての読み取りが不可能となった。つまり、二次元バーコードの情報を外部からの電波によって、変更消去することが可能であった。
【0111】
本実施形態において共振タグラベルのバーコード部分と共振タグ部分を同一構成にすることが可能になり、省スベースの共振タグラベルの実現で実施例1、2をより小さい商品においても適用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の実施形態におけるRF共振タグを用いた商品管理装置を示す概略図である。
【図2】本発明の実施形態における生産用端末のブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における物流用端末のブロック図である。
【図4】本発明の実施形態における製造用端末のブロック図である。
【図5】本発明の実施形態における共振タグの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における情報処理装置の代表的なブロック図を示す図である。
【図7】本発明の実施例1における生産データの構成を示す図である。
【図8】本発明の実施例1における物流の情報のやり取りを示す図である。
【図9】本発明の実施例1における物流データの構成を示す図である。
【図10】本発明の実施例1における物流の情報作成フローを示す図である。
【図11】本発明の実施1における商品IDが登録されていない場合の画面表示を示す図である。
【図12】本発明の実施例1における商品IDとRW IDが登録されていない場合の画面表示を示す図である。
【図13】本発明の実施例1におけるトレーサビリティコードが不一致の場合の画面表示を示す図である。
【図14】本発明の実施例1における終了処理の画面表示を示す図である。
【図15】本発明の実施例1における販売の情報のやり取りを示す図である。
【図16】本発明の実施例1における販売の情報作成フローを示す図である。
【図17】本発明の実施例1における商品IDが登録されていない場合の画面表示を示す図である。
【図18】本発明の実施例1における商品IDとRW IDが登録されていない場合の画面表示を示す図である。
【図19】本発明の実施例1におけるトレーサビリティコードが不一致の場合の画面表示を示す図である。
【図20】本発明の実施例1における終了処理の画面表示を示す図である。
【図21】本発明の偽造対策の実施例2を示す図である。
【図22】本発明の実施例2における生産データの構成を示す図である。
【図23】本発明の実施例2における情報のやり取りを示す図である。
【図24】本発明の実施例2における情報作成フローを示す図である。
【図25】本発明の実施例2における商品IDが登録されていない場合の画面表示を示す図である。
【図26】本発明の実施例2における商品IDとRW IDが登録されていない場合の画面表示を示す図である。
【図27】本発明の実施例2における判定コードの確認がとれない場合の画面表示を示す図である。
【図28】本発明の実施例2における終了処理の画面表示を示す図である。
【図29】本発明の実施例2における販売データの構成を示す図である。
【図30】本発明の実施例2における販売済み商品の可能性がある場合の画面表示を示す図である。
【図31】本発明の実施形態におけるリーダライタ装置の構成を示す図である。
【図32】本発明の実施3におけるバーコードタグの構成を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、共振回路を有するRFタグを物品上に含む物品と、前記RFタグと電磁波を共振させて情報を読み出す読み出し手段と、読み取った情報をもとに物品管理に関する判断をおこなう手段からなる物品管理手段であって、
上記共振回路を有するRFタグが、少なくとも樹脂、ガラス、紙、金属のいずれかを含む材料からなる基板上に、少なくとも2個の直列または並列に接続されたコンデンサと少なくとも1個のコイルアンテナを含み、電磁誘導により共振するRF共振回路を有するRFタグにおいて、前記コンデンサの少なくとも1個が閾値電圧を超える電圧印加により不可逆的に短絡するアンチヒューズであり、前記コンデンサを構成する電極表面の平均粗さが1μm以下であることを特徴とするアンチヒューズ型RFタグであり、
前記RFタグと電磁波を共振させて情報を読み出す読み出し手段を含む装置が、前記読み出し手段から発射される読み出し電磁波の周波数を連続または断続的に掃引し、前記電磁波共振回路の共振周波数に対応した反射波を受信し、該反射波の周波数の情報を検出する機能を少なくとも有するものであることを特徴とする物品管理装置。
【請求項2】
前記コンデンサおよび前記コイルアンテナが前記基板の片面に配置されることを特徴とする請求項1に記載の物品管理装置。
【請求項3】
前記コンデンサが直列に接続され、かつその静電容量が互いに異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品管理装置。
【請求項4】
前記コンデンサが並列に接続され、かつその閾値電圧が互いに異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の物品管理装置。
【請求項5】
前記コンデンサの少なくとも1個において、絶縁膜が酸化アルミニウム、酸化シリコン、酸化タンタル、窒化シリコン、酸化チタンのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品管理装置。
【請求項6】
前記コンデンサの少なくとも1個において、絶縁膜が有機物を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物品管理装置。
【請求項7】
前記RF共振回路が同一基板上に2組以上配置され、各組が異なる共振周波数を持つことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の物品管理装置。
【請求項8】
前記アンチヒューズのうち少なくとも1個が不可逆的に短絡することで共振周波数が変動する現象を利用して追記が行われることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の物品管理装置。
【請求項9】
前記共振回路を有するRFタグとは別に、第2の情報保持手段が物品上にあり、第2の情報保持手段から、情報を読み出す第2の情報読み出し手段があり、前記共振回路を有するRFタグから読み出される情報と第2の情報保持手段から読み出される情報とを用いて、判断が行われることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の物品管理装置。
【請求項10】
前記共振回路を有するRFタグから情報を読み出す手段、或いは/または、第2の情報読み出し手段に固有の情報が保持されていて、読み出し手段の情報も用いて判断が行われることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の物品管理装置。
【請求項11】
前記読み取った情報をもとに物品管理に関する判断をおこなう手段での判断に基づき、共振回路のコンデンサを短絡するための閾値電圧を超える電圧を出力するための指示情報を送信することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の物品管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2007−323297(P2007−323297A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−151864(P2006−151864)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】