説明

RFIDタグ読取装置

【課題】読み取り精度及び設置作業性が良好なRFIDタグの読取装置を提供する。
【解決手段】読取装置の制御ユニット100は、高周波回路からアンテナユニット200に出力する高周波信号に、アンテナ切替用の制御信号を重畳する。アンテナユニット200は、該重畳信号を高周波信号及び制御信号に分離する分離手段221,231,232と、ループアンテナ211,212を切り替えるスイッチ回路242と、分離手段により分離された制御信号に基づきスイッチ回路242を制御する制御回路250とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流などの分野で流通物に貼付されるRFIDタグから該RFIDタグに設定された固有番号を非接触で読み取るRFIDタグ読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のRFIDタグ読取装置(以下単に「読取装置」と言う。)は、RFIDタグとの通信用のアンテナと、該アンテナに接続した高周波回路とが必須の構成要素である。これらの構成要素は、読取装置の使用用途等に応じて種々の実装形態が採用される。例えば特許文献1に示すように、店舗の棚に陳列されている商品に貼付されているRFIDタグを読み取る事を目的とした場合には、棚板の上面又は底面に該棚板とほぼ同面積の薄型のアンテナユニットを付設する。高周波回路は棚の適当な箇所に付設した筐体に収容される。高周波回路とアンテナユニットとは所定の特性インピーダンスを有する同軸ケーブルで接続される。アンテナユニットは、ループアンテナと、インピーダンス整合を図る整合回路とを備えている。このような読取装置では、棚に陳列されている多数の商品についてRFIDタグを順次読み取り、読み取ったデータをコンピュータなどの機器に送信する。
【特許文献1】特開2001−118037
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述したように棚に陳列されている商品のRFIDタグを読み取る場合には、棚の材質や棚に陳列されている商品の材質・数量・向きなどにより共振周波数やアンテナのインピーダンスが変動し、インピーダンス整合が取れなくなる場合がある。その結果、RFIDタグの十分な読み取り精度が得られない場合があった。この問題を解消するために、1つのアンテナユニット内に複数のアンテナを内蔵させる方法が考えられる。しかし、アンテナを切り替えるための制御信号用の信号線を前記高周波信号伝送用の同軸ケーブルとは別に設けると、設置作業性に煩雑になるという問題がある。
【0004】
一方、特許文献1に記載のものでは、棚毎にアンテナを切り替えるスイッチを備えているが、このスイッチを制御するための信号線が必要となる。このため、設置作業性に煩雑になるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、読み取り精度及び設置作業性が良好なRFIDタグの読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願では、RFIDタグとの通信用の複数のアンテナと、RFIDタグとの通信用信号を処理する高周波回路と、アンテナ及び高周波回路とを接続する信号線とを備えたRFIDタグの読取装置において、高周波回路からアンテナに出力する高周波信号にアンテナ切替用の制御信号を重畳する重畳手段と、信号線を介して重畳手段から入力された重畳信号を高周波信号及び制御信号に分離する分離手段と、分離手段により分離された制御信号に基づきアンテナを切り替えるアンテナ切替手段とを備えたことを特徴とするものを提案する。
【0007】
本発明によれば、複数のアンテナを備えているのでRFIDタグの読み取り精度が向上する。また、本発明によれば、アンテナ切替用の制御信号が高周波信号を伝搬する信号線上に重畳されるので、制御信号伝送用の信号線を設ける必要がない。すなわち高周波回路側とアンテナ側との間の配線を増やす必要がない。これにより、良好な設置作業性が得られる。
【0008】
高周波信号に制御信号を重畳させる方法、換言すれば、高周波信号を伝送する信号線を多重化させる方法としては種々のものを利用できる。
【0009】
重畳方法の一例として本願では、前記重畳手段は高周波信号の出力を所定時間停止させるとともに該停止時間内にデジタル化した制御信号を出力し、前記分離手段はフィルタ回路により高周波信号と制御信号を分離し、前記アンテナ切替手段は分離手段により分離された制御信号を保持する保持手段を備えるとともに、該保持手段により保持された制御信号に基づきアンテナを切り替えることを特徴とするものを提案する。この方法は一種の時分割多重方式であり、高周波信号を停止している時間帯に制御信号をデジタル信号として伝送する。高周波信号と制御信号とでは通常異なる周波数帯域となるので、アンテナ側のフィルタ回路で高周波信号と制御信号が分離可能である。そして分離した制御信号に基づきアンテナを切り替える。なお、この方法では制御信号の伝送は間欠的となるので、アンテナ側に制御信号の保持手段を設け、保持した制御信号に基づき整合回路の定数を調整制御している。また、この方法では、アンテナ側には制御信号の保持手段等に電源が必要となる場合がある。そこで、本願では、前記重畳手段は重畳信号に直流バイアスをかけ、前記分離手段は重畳信号からバイアス電流を分離するとともに該バイアス電流を電源として前記保持手段に供給することを特徴とするものを提案する。
【0010】
また、本発明の好適な態様の一例として、本願では、複数のアンテナは、1つのアンテナユニット内に配置された複数のループアンテナからなることを特徴とするものを提案する。さらに、本願では、複数のアンテナユニットをデイジーチェーン接続したことを特徴とするものを提案する。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、複数のアンテナを備えているのでRFIDタグの読み取り精度が向上する。また、本発明によれば、アンテナ切替用の制御信号が高周波信号を伝搬する信号線上に重畳されるので、制御信号伝送用の信号線を設ける必要がない。すなわち高周波回路側とアンテナ側との間の配線を増やす必要がない。これにより、良好な設置作業性が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1の実施の形態)
本願発明の一実施の形態に係るRFIDタグの読取装置について図面を参照して説明する。図1はRFIDタグ読取装置の全体構成図、図2は制御ユニットの機能ブロック図、図3はアンテナユニットの構成図、図4はアンテナユニットの機能ブロック図である。
【0013】
本実施の形態に係る読取装置は、ショーケース1に陳列されている商品10に付設されているRFIDタグ11から該RFIDタグ11の固有番号を読み取る用途で用いるものとする。一般的にショーケース1の商品棚2は電磁場の形成に大きな影響を与える金属製である。また、商品棚2には種々の材質の商品10が陳列され、しかも商品10の陳列数も絶えず変化する。このため、商品棚2に陳列した全ての商品10についてRFIDタグ11を読み取るには、読取装置の設置時や運用時において調整作業が必要となる。本実施の形態に係る読取装置ではアンテナのインピーダンス整合調整を行う。
【0014】
ショーケース1は、商品10を陳列するための複数段の商品棚2と、商品10を冷却するための冷却機構(図示省略)とを備えている。冷却機構については従来周知のものと同様なのでここでは説明を省略する。各商品棚2の上面には、陳列されている商品10のRFIDタグ11と通信するためのアンテナユニット200が設けられている。アンテナユニット200は、各商品棚2の上面において左右に2つずつ並設されている。また、ショーケース1は、各アンテナユニット200に1対1で接続した制御ユニット100と、各制御ユニット100を集中制御する集中制御装置300とを備えている。制御ユニット100は、接続する各アンテナユニット200を用いてRFIDタグ11から該タグに予め設定されている固有番号を読み取る。集中制御装置300は、各制御ユニット100で読み取ったRFIDタグ11の固有番号を集計し、該集計データを店舗に設置されたコンピュータ50に送信する。本実施の形態に係るRFIDタグの読取装置は、前記制御ユニット100とアンテナユニット200とを同軸ケーブル400で接続したものである。
【0015】
制御ユニット100は、図2に示すように、集中制御装置300と接続するための通信インタフェイス101と、RFIDタグ11との通信を制御するタグ通信制御部102と、タグ通信制御部102の出力信号を高周波信号に変調する変調回路111と、搬送波を生成する発振回路112と、高周波信号を増幅する増幅回路120と、増幅回路120からの高周波信号に直流バイアスを印加する直流バイアス印加回路130と、混合器140と、電圧定在波比(VSWR)を計測する定在波比計測回路150とを備えている。定在波比計測回路150はコネクタ(図示省略)及び同軸ケーブル400を介してアンテナユニット200に接続している。また、制御ユニット100は、アンテナユニット200から受信した高周波信号を増幅する増幅回路160と、高周波信号から通信信号を復調する復調回路113とを備えている。さらに、制御ユニット100は、インピーダンス調整用及びアンテナ切替制御用の制御信号を生成する制御信号生成部170と、制御信号生成部170で生成された制御信号をデジタル信号化するエンコード部180とを備えている。該エンコード部180の出力信号は前記混合器140により混合される。なお、前記変調回路111・復調回路113・発振回路112は、専用の通信用IC110に実装されている。
【0016】
制御信号生成部170は、タグ通信制御部102からインピーダンス調整指示信号又はアンテナ切替指示信号を受信した時のみ、インピーダンス調整用の制御信号又はアンテナ切替用の制御信号を生成・送出する。インピーダンス調整用の制御信号は、定在波比計測回路150で計測される定在波比が最小となるようにフィードバック制御で生成する。また、アンテナ切替用の制御信号は、タグ通信制御部102からのアンテナ切替指示に基づき生成する。
【0017】
アンテナユニット200は、図3に示すように、薄型箱状の筐体201の内部に配置された2つのループアンテナ211,212と、該ループアンテナ211,212と接続した回路部220とを備えている。各ループアンテナ211,212は、磁束の中心軸がそれぞれ筐体201の厚み方向となるように並設されている。なお、図3は筐体201の上面の蓋体を取り外した図である。なお、本実施の形態では、1つのアンテナユニット200に2つのループアンテナ211,212を設けたが、アンテナユニット200の大きさ・周波数帯域等に応じて3つ以上設けるようにしてもよい。
【0018】
また、アンテナユニット200は、図4に示すように、コネクタ(図示省略)を介して同軸ケーブル400と接続した交流直流分離回路221と、交流直流分離回路221で分離された直流信号を安定化させる電源回路222と、交流直流分離回路221で分離された交流信号の高周波帯域を通過させるハイパスフィルタ231と、低周波帯域通過させるローパスフィルタ232と、インピーダンス整合回路241と、接続するループアンテナ211,212を切り替えるスイッチ回路242と、整合回路241の定数制御及びスイッチ回路242の切替制御を行う制御回路250とを備えている。
【0019】
前記交流直流分離回路221は、制御ユニット100から受信した信号を直流成分と交流成分とに分離する。分離された直流成分の電圧は、制御ユニット100の直流バイアス印加回路130で印加されたバイアス値となる。分離された交流成分は、送信側の増幅回路120から出力された高周波信号又はエンコード部180から出力されたデジタル信号である。交流直流分離回路221により分離された直流信号は、電源回路222により安定化され制御回路250の電源として供給される。
【0020】
前記ハイパスフィルタ231は、少なくとも増幅回路120からの高周波信号を通過させる。また、ローパスフィルタ232は、少なくともエンコード部180の出力信号を通過させる。すなわち、該ハイパスフィルタ231及びローパスフィルタ232は、RFIDタグ11との通信用の高周波信号と制御信号とを分離させる分離回路として機能する。
【0021】
制御回路250は、図5に示すように、ローパスフィルタ232を通過した信号をデコードして制御信号を取り出すデコード部251と、該デコード部251からの制御信号の値を保持するデータ保持部252と、データ保持部252で保持された制御値に基づき整合回路241の定数を制御するインピーダンス調整制御部253と、データ保持部252で保持された制御値に基づきループアンテナ211,212を切り替えるようスイッチ回路242を制御するアンテナ切替制御部254とを備えている。
【0022】
集中制御装置300は、図6に示すように、制御ユニット100と接続するための通信インタフェイス301と、コンピュータ50と接続するための通信インタフェイス302と、各制御ユニット100から受信したRFIDタグ11の固有番号を集計してコンピュータ50に送信する中継処理部303と、該中継処理部303において固有番号の集計処理で用いられる記憶部304とを備えている。中継処理部303は、接続する制御ユニット100に対してデータ送信を順次要求し、各制御ユニット100からRFIDタグ11の固有番号を受信し、記憶部304に一時的に記憶する。そして、中継処理部303は、記憶部304に記憶されている情報をコンピュータ50に送信する。ここで、中継処理部303は、記憶データに変更があった場合にのみ当該データをコンピュータ50に送信する。すなわち、中継処理部303は、差分情報のみをコンピュータ50に送信する。
【0023】
次に、この読取装置におけるRFIDタグ11の読み取り動作について説明する。まず、読取装置の基本動作時における信号処理について説明する。タグ通信制御部102は、RFIDタグ11との通信用プロトコルに則って通信電文を出力する。タグ通信制御部102の出力信号は、変調回路111によって、発振回路112から供給される搬送波に変調される。変調回路111から出力される高周波信号は、増幅回路120により増幅され、必要に応じて直流バイアス印加回路130によって直流バイアスがかけられる。直流バイアス印加回路130から出力される高周波信号は、同軸ケーブル400を介してアンテナユニット200に伝送される。
【0024】
アンテナユニット200に伝送された高周波信号は、交流直流分離回路221において直流信号と交流信号に分離される。この直流信号は、前記直流バイアス印加回路130によって印加された直流バイアスに相当する。一方、交流信号は、前記変調回路111から出力された高周波信号に相当する。この高周波信号は、整合回路241及びスイッチ回路242を介して何れかのループアンテナ211,212から放射する。RFIDタグ11は、受信した高周波信号を電源として使用して動作し、応答信号を発する。ループアンテナ212,212が受信した応答信号は、スイッチ回路242・整合回路241・交流直流分離回路221・同軸ケーブル400を介して、受信側の増幅回路160に入力される。増幅回路160で増幅された高周波信号は復調回路113により復調される。復調された信号は、タグ通信制御部102に入力される。
【0025】
次に、本実施の形態に係る読取装置におけるインピーダンス整合調整の動作について説明する。タグ通信制御部102は、所定の時間間隔で送信信号の出力を停止するとともに、送信信号の停止時間内に制御信号生成部170に対してインピーダンス調整指示信号を送出する。直流バイアス印加回路130は、増幅された高周波信号に対して所定のバイアス電圧を印加する。一方、制御信号生成部170は、定在波比計測回路150で計測される定在波比が最小となるようにフィードバック制御で制御信号を生成し、タグ通信制御部102からインピーダンス調整指示信号を受信している時のみ制御信号を出力する。この制御信号は、エンコード部180によりデジタル化され、混合器140において直流バイアス印加回路130の出力信号に混合される。図7は増幅回路120から出力された高周波信号を示す。図8は直流バイアス印加回路130から出力された高周波信号を示す。図9はエンコード部180からの出力信号を示す。図10は混合器140から出力された重畳信号を示す。
【0026】
同軸ケーブル400を伝送する重畳信号は、アンテナユニット200の交流直流分離回路221において直流信号と高周波信号に分離される。分離された直流信号は電源回路222において電圧が安定化され、制御回路250に対して電源として供給される。分離された高周波信号のうち、増幅回路120からの出力信号はハイパスフィルタ231・整合回路241・スイッチ回路242を介してループアンテナ211,212に供給される。分離された高周波信号のうちデジタル信号成分は、ローパスフィルタ232を介して制御回路250に入力される。ローパスフィルタ232を通過したデジタル信号は、制御回路250のデコード部251でデコードされて制御信号が取り出される。デコードされた制御信号はデータ保持部252で保持される。インピーダンス調整制御部253は、データ保持部252で保持されている制御信号に基づき整合回路241の定数を制御する。インピーダンス整合調整のための具体的な回路構成の一例としては、整合回路241に、所定のインピーダンス素子とトランジスタやリレースイッチなどのスイッチ素子との直列回路を1つ又は複数設けておく。そして、インピーダンス調整制御部253は、制御信号に基づき、前記スイッチ素子のオン・オフを切り替えることにより整合回路241の定数を切り替える。
【0027】
次に、本実施の形態に係る読取装置におけるアンテナ切替の動作について説明する。タグ通信制御部102は、送信信号の出力を停止するとともに、送信信号の停止時間内に制御信号生成部170に対してアンテナ切替指示信号を送出する。直流バイアス印加回路130は、増幅された高周波信号に対して所定のバイアス電圧を印加する。一方、制御信号生成部170は、タグ通信制御部102からアンテナ切替指示信号を受信している間、アンテナ切替用の制御信号を出力する。この制御信号は、エンコード部180によりデジタル化され、混合器140において直流バイアス印加回路130の出力信号に混合される。
【0028】
アンテナ切替用の制御信号は、上記インピーダンス調整用の制御信号と同様の手順によりデータ保持部252に保持される。アンテナ切替制御部254は、データ保持部252で保持されている制御信号に基づきスイッチ回路242のスイッチ素子のオンオフを制御することにより、接続するループアンテナ211,212を選択制御する。
【0029】
このような読取装置によれば、RFIDタグ11との通信用の高周波信号とインピーダンス整合調整用及びアンテナ切替用の制御信号とを1つの同軸ケーブル400で伝送できるので、設置作業性及び読み取り精度が向上する。
【0030】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係るRFIDタグの読取装置について図面を参照して説明する。本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、1つの制御ユニット100に対して複数のアンテナユニット200を接続した点にある。具体的には、図11に示すように、制御ユニット100と第1のアンテナユニット200を同軸ケーブル400で接続し、第1のアンテナユニット200と第2のアンテナユニット200’を同軸ケーブル401で接続した。すなわち、1つの制御ユニット100に対して複数のアンテナユニット200をデイジーチェーン接続した。
【0031】
このRFIDタグの読取装置では、制御ユニット100のタグ通信制御部102は、アンテナ切替用の制御信号に各アンテナユニット200,200’を識別する番号を含ませる。各アンテナユニット200,200’のアンテナ切替制御部254は、自身の識別番号を記憶した記憶部又は自身の識別番号を設定するスイッチ等の設定手段を備えている。そして、アンテナ切替制御部254は、アンテナ切替用の制御信号に自身の識別番号が含まれている場合には、上記第1の実施の形態と同様のアンテナ切替制御を行う。一方、アンテナ切替用の制御信号に自身の識別番号が含まれていない場合、アンテナ切替制御部254は、全てのループアンテナ211,212が接続断となるようにスイッチ回路242を制御する。
【0032】
本実施の形態に係るRFIDタグの読取装置によれば、複数のアンテナユニットで1つの制御ユニット100を共用できるのでコストを低減できる。また、各アンテナユニット200はデイジーチェーン接続されているので、設置作業性に優れたものとなる。
【0033】
以上本発明の実施の形態について詳述したが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記各実施の形態では、読取装置の設置先としてショーケースについて説明したが、本願発明は使用用途は不問である。
【0034】
また、上記実施の形態では、制御信号の重畳方法として高周波回路の停止期間にデジタル化信号を重畳させる方法について例示したが、他の重畳方法を採用してもよい。例えば、振幅変調や周波数変調など種々の方法が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1の実施の形態に係るRFIDタグ読取装置の構成図
【図2】第1の実施の形態に係る制御ユニットの機能ブロック図
【図3】第1の実施の形態に係るアンテナユニットの構成図
【図4】第1の実施の形態に係るアンテナユニットの機能ブロック図
【図5】第1の実施の形態に係るアンテナユニットの制御回路の機能ブロック図
【図6】第1の実施の形態に係る集中制御装置の機能ブロック図
【図7】増幅回路の出力信号を説明する図
【図8】直流バイアスされた出力信号を説明する
【図9】デジタル化制御信号を説明する図
【図10】伝送信号を説明する図
【図11】第2の実施の形態に係るRFIDタグ読取装置の構成図
【符号の説明】
【0036】
10…商品、11…RFIDタグ、100…制御ユニット、102…タグ通信制御部、130…直流バイアス印加回路、140…混合器、150…定在波比計測回路、170…制御信号生成部、180…エンコーダ部、200…アンテナユニット、211,212…ループアンテナ、221…直流交流分離回路、241…インピーダンス整合回路、242…スイッチ回路、250…制御回路、253…インピーダンス調整制御部、254…アンテナ切替制御部、400…同軸ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDタグとの通信用の複数のアンテナと、RFIDタグとの通信用信号を処理する高周波回路と、アンテナ及び高周波回路とを接続する信号線とを備えたRFIDタグの読取装置において、
高周波回路からアンテナに出力する高周波信号にアンテナ切替用の制御信号を重畳する重畳手段と、
信号線を介して重畳手段から入力された重畳信号を高周波信号及び制御信号に分離する分離手段と、
分離手段により分離された制御信号に基づきアンテナを切り替えるアンテナ切替手段とを備えた
ことを特徴とするRFIDタグ読取装置。
【請求項2】
前記重畳手段は高周波信号の出力を所定時間停止させるとともに該停止時間内にデジタル化した制御信号を出力し、
前記分離手段はフィルタ回路により高周波信号と制御信号を分離し、
前記アンテナ切替手段は分離手段により分離された制御信号を保持する保持手段を備えるとともに、該保持手段により保持された制御信号に基づきアンテナを切り替える
ことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ読取装置。
【請求項3】
前記重畳手段は重畳信号に直流バイアスをかけ、
前記分離手段は重畳信号からバイアス電流を分離するとともに該バイアス電流を電源として前記保持手段に供給する
ことを特徴とする請求項2記載のRFIDタグ読取装置。
【請求項4】
前記重畳手段は、アンテナ切替用の制御信号と共にインピーダンス調整用の制御信号を高周波信号に重畳し、
さらに、分離手段により分離された高周波信号をインピーダンス整合させてアンテナに入力する整合回路と、
分離手段により分離された制御信号に基づき整合回路の回路定数を制御する調整手段とを備えた
ことを特徴とする請求項1乃至3何れか1項記載のRFIDタグ読取装置。
【請求項5】
前記整合回路及び調整手段は、複数のアンテナに対して共通である
ことを特徴とする請求項3記載のRFIDタグ読取装置。
【請求項6】
複数のアンテナは、1つのアンテナユニット内に配置された複数のループアンテナからなる
ことを特徴とする請求項1乃至5何れか1項記載のRFIDタグ読取装置。
【請求項7】
複数のアンテナユニットをデイジーチェーン接続した
ことを特徴とする請求項6記載のRFIDタグ読取装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−244569(P2008−244569A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78874(P2007−78874)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、経済産業省、地域新生コンソーシアム研究開発事業、産業再生法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】