説明

RFIDメモリ装置を備えた検出および通信システム

【課題】
背景技術の問題点を解決することを目的とする。
【解決手段】
本発明は、プログラム済みデータへのアクセスを目的とする高周波アイデンティフィケーション(RFID)トランスポンダマイクロチップ(IC)との通信システムに関する。このシステムは2つの物理的接触部を介するトランスポンダIC内のメモリからのデータを読み取るシステムと、IC自身との間の直接式電気的接触部を含んでいる。このシステムはICを作動させるためにインターフェースにトランスポンダICを提供する。トランスポンダICの存在が検出されるとホストシステムはIC内に保存されたプログラム済みデータの読取または書き込みおよび処理を実施できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFIDメモリ装置を備えた検出および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの場合、外部コンポーネントと通信するホストシステムのための手段としてRF(高周波)アイデンティフィケーション(RFID)を使用するメリットは、データを通信するのに直接的接触や直視野位置関係を必要としないことである。しかしながら適用形態によってはRFフィールドを発生させて変調することよりも直接接触によるRFIDハードウェアとプロトコールの活用にもいくつかのメリットが存在する。
【0003】
コンタクトスマートモジュールがデータ保存手段として使用される形態はごく普通のことである。安全クレジットカードはカードの表面に付着されたスマートモジュールを有することが多い。このようなカードが受領端末に挿入されると、プローブまたはピンのセットがスマートモジュール上の接触部のそれぞれと接触する。このスマートモジュールメモリ装置のデータは受領端末内部のシステムによって読解処理される。
【0004】
米国特許6298255では6‐コンタクトスマートカードメモリモジュールの形態のメモリ装置が電気生理学センサシステムに内蔵されており、自動認証とセンサ設計とを提供する。このスマートカードメモリモジュールはセンサ源を特定するための様々なデータ並びにセンサの現況に関するデータを含んでいる。生物電位信号モニタおよび付随するハードウェアとソフトウェアのインターフェースはメモリモジュールのデータを読み取って処理する。本発明ではメモリ装置は係合差込口に挿入された剛質基板上に配置される。ケーブル上の係合差込口はスマートモジュールに含まれるデータとインターフェース連結して判読するために正確な整合を必要とする6ピン型コネクタを含む。電流短絡等に備えて患者を保護するために接地ガードが使用される。この装置はRFIDメモリ装置を使用しない。
【0005】
米国特許願2006/0255941A1でカレンダ外は接触部を有した凹型可撓性基板(帯体)上に付着されたRFIDチップを性能パラメータのために機能的に試験する方法を解説する。この方法はペアとなった試験対象要素をRFID帯体上でペアとなっている接触部と直接接触させ、そのチップへ試験信号を送り、そのチップから戻り信号を送ることが関与する。そのチップからのデータは戻り信号で送られる。このデータは製造業者コードまたはプログラム済み試験コードを含むことができる。この方法はRFID構造体の機能性に関するフィードバックを提供する。
【0006】
米国特許7273173でフォースタ外はRFIDトランスポンダ上でアンテナと接触部のカップリングの両方を利用するRFID装置の検出システムを解説する。この特許では受動性RFID装置が無アンテナシステムで導電送電線を介して電力を受領し、通信する。トランスポンダと読取装置との間のカップリングにはショートレンジの電界または磁界のカップリングを利用している。
【0007】
米国特許7277016でモスコビィッツ外はデータの安全性を高める追加層を提供する目的で、RFIDタッグを利用不能にすることができるいくつかの手段を解説する。アンテナの損傷等でRFIDタッグが利用不能になると、その短いアンテナのスタッブ部分が物理的なプローブによって電気的に接触状態となり、直接接触を介してタッグが一度読み取られることが暗示されている。しかしながら、このことを達成させる具体的な方法はこの特許では提供されていない。
【0008】
米国特許願2004/0008123A1でカレンダ外は製造業者、流通形態および販売形態に関するデータのごとき薬剤に関する様々な情報を保存する錠剤容器のキャップに付着されるRFIDタッグを使用する薬剤モニタのためのシステムを解説する。このRFIDタッグには錠剤容器のキャップ位置を検出する容量式センサも付着されている。標準型RFID読取装置がRFIDタッグからのデータを無線手段で読み取るために使用される。
【0009】
前述の接触型スマートカードメモリモジュールの場合と同様に、カードが接触型または無接触型のシステムによる判読を必要とする場合には、利用のために複機能型チップを内蔵する商業的に入手できる製品である二重性インターフェースICも存在する。例えばSLE66CL80PE(M)(インフィネオンコーポレーション社)は1個のチップ上にISO/IEC14443タイプB(RFIDプロトコール)無接触型インターフェースおよびISO/IEC7816接触型インターフェースを使用する。直接接触モードではこの接触型インターフェースが使用され、無線通信が必要な場合には無接触型インターフェースが利用される。カードが直接接触モードで読み取られるときには無接触型プロトコールは使用されない。
【0010】
本願は2006年10月13日出願の米国仮特許願60/851437「RFIDプロトコール手段による自動認証およびバリデーションを提供する電気生理学センサシステム」の優先権を主張する。
【発明の概要】
【0011】
本発明はシステムの接続可能要素内に内蔵されたメモリ装置に保存されたデータに対して、RFフィールドを介して発生および通信される複雑性を排除しつつ、RFIDハードウェアおよびプロトコールを使用してアクセスすることが可能なシステムに関係する。本発明ではシステムの接続可能要素はアンテナが利用されていないRFIDトランスポンダICを含む。このトランスポンダICはキャリア基板上に直接載置され、2本線による直接接触によって電力が供給される。RFIDトランスポンダICとは受領電力により作動する受動性装置であると解説することが可能である。一般的にこれはアンテナループで発生するRF電界の形態である。あるいはRFIDトランスポンダへの電力と通信はホストシステムからの送電線を介した電流によって直接的に提供できる。この場合、主ホストシステムとは接続可能要素からのデータを読み取り、解釈し、処理するシステムであると定義できる。このような構造の通信プロトコールと信号交換は標準型RFIDの空中インターフェースを介して発生する通信プロトコールと信号交換をエミュレーションする。本発明はRFID式システムのアンテナの必要性を排除し、さらに経済性を高める利点を有する。
【0012】
この主ホストシステムはその基本形態においてRFIDインテロゲータチップとアンテナ整合回路とを含む。バッテリのごとき電源と、インテロゲータチップの制御のため、および読み取られたデータの処理のためのマイクロプロセッサとをさらに含むこともできる。主ホストシステムのコンポーネントはモニタシステムのごとき大型システムに物理的に設置することができる。あるいは主ホストシステムを接続可能要素に接続するインターフェースケーブルに埋設することができる。
【0013】
接触形態でのRFIDトランスポンダICの適用例は、インテロゲータICと整合回路とがホストシステムに使い捨て器具を接続するインターフェースケーブルに設置されているときに1回の使用で使い捨てされる医療器具に関する製品データを含むことである。このような器具がケーブルでホストシステムに接続されると、その器具の存在は通信を達成して完成することで、あるいはインテロゲータICとトランスポンダICとの間の回路電圧の変化によって検出される。インテロゲータによる器具の検出後、電力が受動性トランスポンダICに提供され、そのトランスポンダICはホストモニタシステムにプログラム済みデータを送る。このデータは器具の製造業者と使用有効性の確認(例:有効期限日、使用済み回数、等々)に関する器具情報を含むことができるためホストシステムは器具の認証を行うことができ、必要な使用基準を満たしているか否かを判定することができる。RFIDチップを含む接続可能要素の接続切断は接続検出と同一方法によって主ホストシステムにより検出される。接続および切断のモニタは継続的に実施される。
【0014】
本発明の別実施例においては、それぞれのユニークな利用形態に適するように接続可能要素は様々なタイプのデータを含む。このシステムは多数の利用形態にて利用できる。このような利用形態には在庫管理、患者の薬剤管理または物品認証のためにアイデンティフィケーション処理並びに認証処理を実行するシステムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1a】図1aは主ホストシステムと接続可能要素とを含む本発明のシステムの全体図を示す。
【図1b】図1bはインターフェースケーブルを含むシステム全体の別実施例を示す。
【図2】図2は通信システム内の物理的接続状態を図示する。
【図3】図3は整合回路とIC接続部の概略図である。
【図4】図4はトランスポンダICが導電インクトレースを有した可撓性基板上に付着されている本発明の1実施例を図示する。
【図5】図5は1実施例の変形例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は図1で図示するように主ホスト要素1と接続可能要素またはキャリア2とを含むモニタシステムを提供する。このシステムのこのような接続可能要素2はセンサ装置またはモニタ装置でよい。主ホスト要素はインテロゲータ機能とデータ収集および処理機能とを含むシステムである。このシステムの接続可能(断絶可能)要素は、典型的には接続される装置に関する情報の保存に使用されるRFID装置を内蔵する。この要素はセンサのごときデータ取得手段も内蔵することができる。この接続可能要素2をインターフェースケーブルまたは差込口を介して主ホストシステムに接続すると、その接続は検出され、RFID装置のデータは主ホストシステムで判読される。このような主ホストシステムはインターフェースケーブル20に埋設され、あるいはこのシステムのハードウェアに付着されるインテロゲータチップ3と、回路のための電力支援源と、データ処理のための処理チップとを含む。主ホストシステムのインテロゲータチップ(インターフェースケーブルを介する場合を含む)と接続可能要素のトランスポンダマイクロチップとの間のデータ通信は2つの接触部のみを必要とする。主ホストシステムはインターフェースケーブルまたは差込口から接続可能要素2を外す断続をも検出するであろう。図1bは接続可能要素2が主ホストシステム1にインターフェースケーブル20で接続されているシステムの別構造を図示する。インターフェースケーブル20はインテロゲータチップ3を含むことができるコネクタ25により接続可能要素に接続されている。
【0017】
本発明は一般的に空中送電とデータ通信とをエミュレーションするシステムを提供する。このことはメモリ内に保存されたプログラム済みのデータを判読し、及び/又は更新する目的にて接続可能要素2のRFIDトランスポンダIC8を直接接触式にインテロゲート処理することで達成される。この通信方法を実施させる主ホストシステム1はRFIDインテロゲータIC3と、アンテナ整合回路4のための電子コンポーネントと、トランスポンダ整合回路5とを含む。このシステムはRFIDのICとホストシステムとの間の通信のため、およびデータ収集とデータ処理のための追加のマイクロプロセッサ7を含んでも含まなくともよい。このシステムはインテロゲータIC3に電力を提供するためのバッテリまたは他の形態のポータブル電源12を含むことも含まないこともできる。電源により提供される電圧はインテロゲータIC3の仕様によって決定される。
【0018】
接続可能要素2内でRFIDトランスポンダIC8は非導電性基板10上に位置する2個の導電接触部9に付着される。このような基板10はポリエステルシートまたはポリエステルフィルム、プリント回路ボード、または成型プラスチック面のごときのいかなる数の非導電性材料でもよい。別実施例ではトランスポンダIC8はまず導電帯体に付着され、その導電帯体は非導電性基板上に配置された2個の導電接触部9に付着される。トランスポンダIC8上の2個の物理的導電点はコネクタにまで延びるワイヤ線と連結状態である。あるいはこれらの導電点はコネクタにまで延びる導電性インクトレースと連結されている。このような導電性インクトレースは基板10上に印刷することができる。あるいは当業界でよく知られた方法によって堆積することができる。
【0019】
本発明の1実施例は図2においてブロック図の形態で示されている。この実施例では標準型HF(高周波)RFIDインテロゲータチップ3が50オームのアンテナへの接続用にデザインされているその標準型アンテナ整合回路4と共に使用される。このアンテナ整合回路4はアンテナに接続されるのではなく、トランスポンダ整合回路5を介してトランスポンダ8に接続される。このトランスポンダは標準型の50オームのアンテナ整合回路4を備えたインテロゲータのインピーダンスをトランスポンダのインピーダンスと整合させる。1実施例ではトランスポンダ整合回路5は適切なインダクタンスを提供し、トランスポンダチップのオンチップ静電容量との共鳴回路を形成する。インテロゲータチップ3のError! Reference source not found. and transponder chip(エラー!基準源未発見及びトランスポンダチップ)は標準型無線RFIDシステムとの場合と全く同様に機能する。唯一の機能的相違点は通常の電磁的なものではなく、それらの間に物理的な接続状態が存在することである。
【0020】
1実施例ではトランスポンダ整合回路5は図3で示すように2つの誘電子L1(30)とL2(31)で成る。トランスポンダIC8の入力静電容量と直列であるこれら2個の誘電子は平行共鳴回路を形成する。
【0021】
(式1)

【0022】
これら誘電子のペアはインピーダンス整合のための電圧分圧器をも提供する。アンテナ整合回路のインピーダンスをトランスポンダIC8のインピーダンスに整合させるには、以下の式が満たされなければならない。
【0023】
(式2)

【0024】
ここでZはアンテナ整合回路4の出力インピーダンスであり、RinはトランスポンダIC8の入力レジスタンスである。
【0025】
1実施例では装置は標準である13.56MHzの高周波(HF)で作動するように構築された。MLX90121(NVメレキスSA社、イエパ、ベルギー)装置がインテロゲータIC3に使用された。NXP SLI2 ICS20(NXPセミコンダクターズ・ネザーランドBV社、アインドホーベン、オランダ)が23.5pfのCinと50KオームのRinを備えたトランスポンダIC8のために使用された。このチップでは、L1 30は5.6uHであり、L2 31は180nHであった。Qスポイル抵抗32は50オームであった。他の値は他の装置を使用した他の実施形態あるいは他の周波数の実施形態で利用できる。別実施例ではインテロゲータチップ3とトランスポンダチップはいかなる周波数帯域でも作動し、RFIDは最も一般的にはLF(125Hzまたは134Hz)、HF(13.56MHz)およびUHF(866MHzから960MHz)で利用される。このシステムの全体的な形態は図3のブロック図で示すHF用のものと同じである。
【0026】
この利用形態のメリットはRFIDである場合にRFID形態でUHF帯域を定義する周波数範囲にて地域差に関連する規定問題を克服することである。
【0027】
インテロゲータIC3が配置されている装置(またはそのコンポーネント)と、トランスポンダIC8が配置されている装置(またはそのコンポーネント)との間に物理的接続が形成されると、アンテナ整合回路4とトランスポンダ整合回路5の両方で測定可能な電圧変化が発生する。1実施例では主ホストシステム1は継続的に電圧をサンプリングしているアナログ−デジタル変換機によって電圧変化を継続的にモニタすることで継続的に電圧変化をチェックする。別実施例ではハードウェアの電圧コンパレータを使用して電圧変化を検出する。回路がインテロゲータから電流を導くように接続されると、トランスポンダ整合回路5またはアンテナ整合回路4で測定される電圧は降下する。この電圧降下値はトランスポンダIC8によって導かれる電流と、インテロゲータIC3のRF発生器と電圧が測定される場所との間のインピーダンスに比例するであろう。例えば、電圧がアンテナ整合回路4で測定されると、Vantenna_matching_circuitは、

antenna_matching_circuit=Vinterrogator_ic−Itransponderinterrogator_ic−Itransponderantenna_matching_curcuit

となる。
【0028】
この式において、Vinterrogator_ic は接続可能要素の導電接触部に接続されたインテロゲータICの2つの接触部間に印加された電圧であり、Itransponder はトランスポンダICの2つの接触部へ流入およびそこから流出する電流であり、Zinterrogator_ic およびZantenna_matching_curcuit はそれぞれインテロゲータICとアンテナ整合回路のインピーダンスである。
【0029】
すなわち電圧がトランスポンダ整合回路の出力端末で測定される場合は以下となる。
【0030】
transponder _matching_curcuit=Vinterrogator_ic−Itransponderinterrogator_ic−Itransponderantenna_matching_curcuit−Itranspondertransponder_matching_curcuit
【0031】
この式において、Vtransponder _matching_curcuit は接続可能要素の導電接触部に接続されたトランスポンダ整合回路の2つの入力接触部間に印加された電圧であり、Ztransponder_matching_curcuit はトランスポンダ整合回路のインピーダンスである。
【0032】
この電圧変化をトランスポンダの存在を検出する手段として利用できる。トランスポンダが接続され検出されると、通信の性質があたかも電磁波によりエーテルを介してトランスポンダがインテロゲータにカップリングされたかのようになる。この電圧変化は切断の検出にも利用できる。
【0033】
検出をタッグする別の手段は装置を単純にインテロゲートしてレスポンスの存在を判定する方法である。主ホストシステム1を含む要素は、RFIDインテロゲータIC3と、標準型アンテナ整合回路4のための電子コンポーネントと、トランスポンダ整合回路5とを含んでおり、通信するためのマイクロプロセッサ7及び/又は主ホストシステム1自身に内在するバッテリまたは他の形態のポータブル電源を含むこともできる。インターフェースケーブル20が接続可能要素2を主ホストシステム1に接続する別実施例では、主ホストシステム1を含む要素はインターフェースケーブル20内に配置されている。
【0034】
接続可能要素2が“一回使用”の使い捨て装置である場合の実施例では、トランスポンダ整合回路5はトランスポンダに接近するようにコネクタ内に配置されているが、使用あたりのコストを低く保つために使い捨てセンサ基板上に配置されない。インテロゲータとアンテナ整合回路4は反対側の端部でケーブル内に一体化されることによってケーブルコネクタ25を介してトランスポンダ整合回路5とトランスポンダIC8との直接接触を可能にする。
【0035】
別実施例は、本発明の接続可能要素を患者に電気的接続される医療装置の一部とすることである。図4に示す1実施例では、トランスポンダIC8は可撓性基板8も接続されている剛質プラットフォーム6上に搭載されている。一連の導電インクトレース9は電気生理学信号または他のデータを運搬する。剛質プラットフォームをインターフェースケーブル20上のコネクタ25に挿入すると、接続タブまたは同様の機構がトランスポンダIC8と導電トレースとの接続を形成する。あるいは(図5)トランスポンダICはポリエステル基板10上に一連の導電インクトレースと共に搭載されており、2本のインクトレースは上にICが搭載された導電接触部9である。残りの導電インクトレースは患者インターフェースケーブル20上のコネクタ25とのインターフェースに電気生理学信号を運搬するか他のデータを運搬することができる。
【0036】
本実施例では主ホストシステム1もまた患者に流入する漏洩電流が確実に安全に制限されるように設計された医療装置である。この実施例において接続可能要素2は、1以上の患者接続部から患者へと流入する電流を継続的にモニタするために主ホストシステム1によって利用される接地ガード11のコンダクタを運搬する。この接地ガード11は、RFIDトランスポンダIC8またはその直接接続部から相当レベルの漏洩電流が発生しないようにするための安全モニタリングバリヤとして機能するであろう。主ホストシステム1が、患者接地部または他の接続部を通流できる安全制限値を超過した漏洩電流を検出するならば、患者接続部へと通じる電子機器を停止させて接地事故状態が検出されたことをエンドユーザに警告するであろう。
【0037】
ICのデータは当初に接続可能要素2の製造業者によってプログラムされている。インテロゲータによって読み取られるデータはこのプログラムされたデータであり、後に主ホストシステム1のマイクロプロセッサによって処理される。プログラムされたデータは製造業者、装置形態またはキャリブレーション情報または患者個人情報に関する情報を含む装置についての情報を含むことができる。このデータは例えば、装置源の認証またはそれが使用に必要な状態に適しているかの確認に使用できる。データは、接続可能要素の製造、接続可能要素通し番号および貯蔵寿命コードに関連したロットコードを含むことができる。データは接続可能要素の流通を特定するOEMコードと接続可能要素の残存使用回数を示す使用カウンタを含むこともできる。
【0038】
接続可能要素2内のRFIDトランスポンダIC8へのデータプログラミングは、主ホストシステム1と全て同じ要素を含んだプログラミングシステムと、チップを作動させて内蔵メモリ装置へのあらゆるデータをプログラムするために2本のピンがICに接続された導電接触部に対して押さえつけられるトランスポンダIC8との間の直接カップリングによって達成される。
【0039】
RFID要素間の直接接触を通信方法として利用する方法は、同じ目的を達成するための類似技術よりも信頼性を高めることで性能を向上させる。この信頼性は典型的なスマートモジュールメモリ装置と比較して接触箇所の数が少なく(2対6)、使用中に損傷する可能性がある接触部がより少なくなる点で改良されている。さらに2つの接触部に関連する接触誤差許容性は6の接触部のものよりも一般的に緩やかである。したがって製造コストも安価である。
【0040】
RFID利用形態で従来使用されているRF電界のモジュレーションによる信号通信に対し、本発明の形態では信号との電磁的インターフェアレンスの発生頻度が減少する。これらの利点によって既存方法と比べて100%の読取率を達成する可能性を増加させる。さらにRFID技術のための利用形態が増えることでICのコストがさらに下がり、読取装置またはタッグのためのアンテナが不要となるために本発明は大幅なコスト削減を可能とする。
【0041】
本発明の好適実施例について説明したが、当業者であれば本発明を多様に変更させることが可能であろう。これら変更は添付の「請求の範囲」の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDデータ装置を備えた通信システムであって、
空中RFIDインターフェースをエミュレーションする主ホストシステムと、
2つの導電接触部を備えたキャリアと、
前記導電接触部に取り付けられたRFIDトランスポンダICと、
を含んでおり、
前記RFIDトランスポンダICは前記キャリアの前記導電接触部を介して前記主ホストシステムに着脱式に接続可能であることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
接続可能要素の接続状態をモニタするためのモニタをさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
モニタは2つの導電接触部間の電圧をモニタする回路であることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項4】
モニタはRFIDトランスポンダICを継続的にモニタすることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項5】
モニタは電圧コンパレータを含んでいることを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項6】
導電接触部は炭素製であることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項7】
導電接触部は金属製であることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
導電接触部は導電性金属インク製であることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項9】
接続可能要素と主ホストシステムとを接続するインターフェースケーブルをさらに含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項10】
主ホストシステムはマイクロプロセッサ、インテロゲータIC、電源、アンテナ整合回路およびトランスポンダ整合回路を含んでいることを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項11】
インターフェースケーブルはマイクロプロセッサを含んでいることを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項12】
インターフェースケーブルはアンテナ整合回路を含んでいることを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項13】
インターフェースケーブルはインテロゲータICを含んでいることを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項14】
インターフェースケーブルはトランスポンダ整合回路を含んでいることを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項15】
主ホストシステムとRFIDトランスポンダICとの間の通信はHF帯域で実行されることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項16】
主ホストシステムとRFIDトランスポンダICとの間の通信はUHF帯域で実行されることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項17】
主ホストシステムとRFIDトランスポンダICとの間の通信はLF帯域で実行されることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項18】
キャリアに関する情報はRFIDトランスポンダIC内にデータストリングとして保存され、該データストリングはロットコード、接続可能要素通し番号および貯蔵寿命コードを含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項19】
キャリアに関する情報はRFIDトランスポンダIC内にデータストリングとして保存され、該データストリングは接続可能要素の流通を特定するOEMコードを含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項20】
キャリアに関する情報はRFIDトランスポンダIC内にデータストリングとして保存され、該データストリングは残存使用回数を示す使用カウンタを含んでいることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項21】
主ホストシステムは患者への少なくとも1つの電気的接続部を含む電気生理学モニタであることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項22】
キャリアは、導電接触部から患者への電気的接続部へと流れる電流をモニタするために主ホストシステムによって利用される接地ガードコンダクタを含んでいることを特徴とする請求項18記載のシステム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−521016(P2010−521016A)
【公表日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532607(P2009−532607)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/081249
【国際公開番号】WO2008/054981
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(500568240)アスペクト メディカル システムズ,インク. (8)
【Fターム(参考)】