説明

RFID応答器用電力チャージボックス

【課題】アクティブタグでは電池の交換および二次電池使用の場合は充電にかかる手間があり一次電池では購入コストが問題となり、パッシブタグにおいては、質問器の設置台数の増加と通信距離の問題があげられる。
【解決手段】応答器には電気二十層コンデンサ等のキャパシタを用い応答器には電波給電用の仕組みと給電用電波の受信アンテナを実装する。充電ボックス1のユーザ扉3から使用済みの応答器が投函されると、誘導板2により充電回路9のついた充電用スロープ5へ応答器が誘導され充電が開始され、充電を終えると充電用スロープ5より落下し、充電ボックス下部へ溜まる。応答器が連続で投函された場合は、回収扉開閉センサ1の感知状況に合わせて充電の一時中止や再開を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件の発明は、RFIDシステム(以下、RFIDと言う)に於ける応答器の電源装備と電力再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
RFIDに於ける応答器は電池等の蓄電デバイスを実装したアクティブタグと蓄電デバイスを持たないパッシブタグとに大別される。
アクティブタグについては、その通信距離については充分な確保が可能で且つプロセッサ等の実装も行なうなど、高機能なアプリケーションを構築することが可能なものまで存在する。しかし、これらのアプリケーションが電池等の蓄電デバイスを消費し、その交換サイクルを早めており、メンテナンス面において多大なコストをユーザに強いていることは言うまでも無い。
【0003】
一方、パッシブタグについては、恒常的な蓄電デバイスを持たず従って通信距離はアクティブタグに及ばない。また、質問器等のリーダーと言われる装置側の送信出力と質問器自体の設置台数を増やすことで通信距離の不利をカバーすることとなる。すなわち、この2種類のタグにおいては、電力確保について問題点を持っていることは周知の事実である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先述したとおり、現在のRFIDシステムにおいて、アクティブタグでは電池の交換および二次電池使用の場合は充電にかかる手間があり一次電池では購入コストが問題となる。
パッシブタグにおいては、質問器の設置台数の増加と通信距離の問題があげられる。
本件の発明は、これらの問題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
応答器に実装したキャパシタ等の一時的な電源供給部に対する充電機能を備えることを特徴とする。
【0006】
また、電波放射を防ぐためのスイッチセンサ付きの扉とスイッチセンサの状態によって電波給電の制御を行なう機能を備えることを特徴とする。
【0007】
また、電波給電にかかる時間を確保するためのスロープ上の仕組みと、その仕組みに誘導するための機構的な構造を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
キャパシタ等の蓄電機能を応答器に実装することにより、応答器の通信距離は飛躍的な改善が可能となる。
【0009】
また、電池交換にかかるコストが削除出来、かつ、電池交換作業や充電作業にかかる作業時間が大幅に改善される。これは、充電ボックスから応答器を回収したときには既に充電が完了しているからに他ならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
応答器には電池の変わりに電気二十層コンデンサ等のキャパシタを備えることが必要である。但し、これは機能的に比較的高容量の蓄電を意味するもので必ずしも限定するものではない。また、応答器にも電波給電用の仕組みと給電用電波の受信アンテナが実装されることを必要とする。
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を詳細に説明する。
【0012】
図1と図2は、本発明の充電ボックスの斜視図である。
充電ボックス1には、ユーザ扉3を備え、その対面に回収扉7を備える。使用されたIDタグは、ユーザ扉3より投函され、充電ボックス1内で充電され、回収扉7より充電済のIDタグを回収する。
【0013】
図3は、本発明の側面断面図である。上述のキャパシタだけでは、結局放電してしまうので、この問題を充電ボックス1と充電ボックス1内における充電機能を用いて、上述の問題を解決するものである。充電ボックス1には、センサ付きのユーザ扉3を持ち、ここへ使用済みの応答器を投函することにより返却を行なう。このときユーザ扉3の開閉を検知するユーザ開閉センサ4またはその他開閉を検知できる手段を用いて投函された応答器の充電を開始する。また、誘導板2をユーザ扉3の先に設け、充電用スロープ5へ応答器を誘導することを付け加えておく、但しこれに関しても必ずしも方法を限定するものでは無く、誘導を目的としている。
【0014】
充電用スロープ5には、例えば、13.56MHz帯等の周波数帯を用いて応答器の充電を行なう。充電を終えた応答器は充電用スロープより落下し、充電ボックスの下部へ溜まることになる。
【0015】
応答器を連続で投函された場合には、ユーザ開閉センサ4が開いたことを感知し、充電を一時中止する。これは、人体への影響を配慮するためのものである。ユーザ扉3の閉状態を検出したら、充電を再開する。
【0016】
ここで電磁波結合を用いる13,56MHz帯を例としてあげたのは、この様な場合に応答器の重なりにも対応しやすいことを考慮したためであり、それは連続投函により充分な充電を行なえず、充電ボックス1下部へ落下した応答器へも充電を可能とするためである。このために、充電用電波放射装置(充電用回路8)は、充電用スロープ5の裏面に取り付けられることが望ましい。
【0017】
尚、回収扉7にも回収扉開閉センサ6を実装し、回収時の電波影響を配慮する。それと、充電ボックス1内の内壁にはシールドを施し、不要な電磁放射へ対処することが考えられる。また、連続投函には、落下後の給電以外では充電用スロープを多重構造にすることが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の充電ボックスのユーザ用扉から見た斜視図
【図2】本発明の充電ボックスの回収扉から見た斜視図
【図3】本発明の充電ボックスの側面断面図
【符号の説明】
【0019】
1 充電ボックス
2 誘導板
3 ユーザ用扉
4 ユーザ開閉センサ
5 充電用スロープ
6 回収扉開閉センサ1
7 回収扉
8 充電用回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
応答器に実装したキャパシタ等の一時的な電源供給部に対する充電機能を備えることを特徴とする応答器回収用充電ボックス
【請求項2】
電波放射を防ぐためのスイッチセンサ付きの扉とスイッチセンサの状態によって電波給電の制御を行なう機能を備えることを特徴とする応答器回収用充電ボックス
【請求項3】
電波給電にかかる時間を確保するためのスロープ上の仕組みと、その仕組みに誘導するための機構的な構造を備えることを特徴とする応答器回収用充電ボックス

【図1】
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【図2】
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【図3】
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