説明

RNA干渉のためのオリゴヌクレオチドおよびその生物学的適用

本発明は、同一または異なる配列および長さの二本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列3’...Ni−1...N5’(ここで、−3’...N5’は、生細胞に存在するターゲット核酸配列に相補的な配列の、二本鎖19−28merオリゴヌクレオチドの半分であり、−3’...Ni−15’は、前記二本鎖オリゴヌクレオチドのオリゴマー化を可能にする配列の3−50merのオーバーハング)を有するものに関する。前記オリゴヌクレオチド組成物を含むトランスフェクションの組成物およびそれらの治療適用方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RNA干渉に有用な新規な二本鎖オリゴヌクレオチド(dsON)に関する。本発明はまた、生物学的または治療用途のための培養中または動物中の真核生物細胞へのオリゴヌクレオチドの送達のためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
RNA干渉(RNAi)は、現在、初期の遺伝子機能レベルであるmRNAにおける遺伝子サイレンシングのための技術である(Fire et al.,1999;Tuschl et al.,1999)。この技術は、配列特異的mRNA分解およびタンパク質産生の阻害を提供する(Yang et al,2000、Zamore et al,2000、Hammond et al,2000、Parrish et al,2000)。RNAiは、短dsRNA(siRNA;small interfering RNA)の活性な配列の予測可能な設計およびmRNAのターゲッティングに起因して非常に有効である。ベクターを用いたトランスフェクションによってsiRNA二本鎖体が導入され細胞質に送達される場合、RNAiは、種々の哺乳類細胞において外因性および内因性の遺伝子を有効にサイレンシングすることが示された(Elbashir et al,2001)。
【0003】
RNAiをメディエートするために必要とされる従来のdsRNA分子の構造的な特徴により、好ましくは19〜25ヌクレオチド(特許文献1〜3を参照)、特には19〜23ヌクレオチドの長さを有する短dsRNAは、哺乳類細胞培養系においてRNAi活性を有することが証明される(Parrish et. al.,2000;Elbashir et al.,2001;Tuschl,2001)。塩基対を形成した時に対にならない3’オーバーハング端を有する短19〜25ヌクレオチドは、配列特異的mRNA分解のためのガイドとしての機能を果たす。両端部がきっぱりとしている時(0ヌクレオチドのオーバーハング)または1つの鎖がきっぱりと終わる時にRNAiを観察することが可能である。siRNAの不対のオーバーハングの配列がターゲットRNA切断にとって重大でないとしても、3’オーバーハングの存在は、最適化されたRNAiおよびsiRNAの安定性にとって重大であるようである。少なくとも1つの鎖は、好ましくは1〜5ヌクレオチド、特には1〜3ヌクレオチドの3’−オーバーハングを有する。RNA鎖は、好ましくは、3’−ヒドロキシル基を有し、好ましくは、5’末端にホスファート基を含み、5’−オーバーハングを有しない。最も有効な短dsRNAは、dsRNAの両端部上に1〜3、特定的には2のヌクレオチド3’−オーバーハングが存在するように対になっている2つの21ヌクレオチド鎖からなる(Elbashir et al.,2001)。RNA二本鎖体の長さは、27〜28merに延長可能であり(Siolas et al.,2005;Kim et al.,2005)、種々の化学的改変および/または骨格改変に耐えることが示された(Kurreck,2003)。
【特許文献1】国際公開第02/44321号パンフレット
【特許文献2】国際公開第01/075164号パンフレット
【特許文献3】欧州特許出願公開第20010985833号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
RNAiの成功は、dsRNAの長さ、配列および化学的構造と、細胞送達のためのベクターとの両方によって決まる。アンチセンスまたはリボザイム技術と比べると、ターゲットmRNAの二次構造は、siRNAによるサイレンシングの強い制限因子ではない。siRNAの多くの配列は、所与のmRNAターゲットに有効であり得る。それ故に、siRNA二本鎖体の安定性および生体利用率並びに細胞に送達されるdsRNAの量は、siRNAによるターゲットの利用可能性よりはむしろ有効なサイレンシングの律速因子のままである。
【0005】
本発明者らにより、互いに貼り付くことを可能にする特定の構造特徴を有するdsONは、真核細胞において高いRNA干渉活性を有し、かつ、同一の送達系として導入された場合に従来の短dsRNAを用いて得られるものより高い遺伝子サイレンシングの有効性を提供することが見出された。従来の短dsRNAより長いオリゴヌクレオチドは、分解に対するそれらのより良好な抵抗性に起因してより高い安定性を示す。
【0006】
そこで、本発明の目的は、哺乳動物細胞に導入された場合に配列特異的なRNAiメディエータであるdsONを含む新規な組成物を提供することである。本発明は、それ故に、1または多くのターゲット遺伝子の配列特異的RNA干渉をメディエートする短dsONの多くのコピーを含有するdsONの遺伝子サイレンシングについての利点を記載する。
【0007】
本発明はまた、合成キャリアーに基づく種々のトランスフェクション送達システムおよび生物学的適用におけるそれらの使用に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の組成物は、同一または異なる配列または長さの二本鎖オリゴヌクレオチドであって、配列3’...Ni−1...N5’を有するオリゴヌクレオチドを有するものである。
【0009】
ここで、
3’...N5’は、生細胞に存在するターゲット核酸配列に相補的な配列の、二本鎖19−28merオリゴヌクレオチドの半分であり;
3’...Ni−15’は、前記二本鎖オリゴヌクレオチドのオリゴマー化を可能にする配列の3−50merのオーバーハングである。
【0010】
前記組成物の好ましいdsONは、有利には、19−21ヌクレオチドの配列3’...N5’および/または5〜8ヌクレオチドを含む配列3’...Ni−15’を有する。
【0011】
実施例において立証されるように、短dsONは、不対3’オーバーハング端部と塩基対にされ、かつ、長dsONにオリゴマー化される場合、配列特異的mRNA分解のガイドとして機能する。
【0012】
本発明の実施形態によると、配列3’...Ni−15’は、重大な活性の喪失なく、例えばヌクレアーゼによる分解に抗して安定化され得る。適切な安定化群は、プリンヌクレオチド、改変類似体(デオキシヌクレオチド等)によって置換されたピリミジンヌクレオチド、および/または、改変ヌクレオチド類似体(糖または骨格改変リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド等)を含む群において選択される。
【0013】
別の実施形態では、場合によっては、前述の特徴のいずれか1つと組み合わされて、本発明の組成物は、5’端の一方または両方に5’ホスファートまたはヒドロキシル基を有する少なくとも1種のdsONを含む。
【0014】
本発明による組成物のdsONにおいて、オリゴヌクレオチド配列は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体(Verma and Eckstein,1998)、例えば、メチルホスホナート(Miller,1991)、モルホリノ・ホスホロジアミダート、ホスホロチオアート(Zon and Geiser,1991)、PNA(Jepson and Wengel,2004)、LNA、2’アルキルヌクレオチド類似体(Kurreck,2003)等を含有する。
【0015】
強いウイルス性または非ウイルス性のベクターがオリゴヌクレオチドを細胞内に導入するために有用である。ウイルス送達システムは、依然として、それらの免疫原性および臨床的症状における潜在的なリスクに悩まされる。対照的に、合成システムによる核酸のトランスフェクションは、柔軟性を示し免疫原生のない用途の広い方法である。非ウイルス性ベクターによるオリゴヌクレオチドのトランスフェクションは、細胞質内のdsONの送達に有用である。現在、非ウイルス性ベクターは、主として、カチオン脂質媒介トランスフェクション、例えば、Oligofectamin、TRANSIT-TKO、LipofectAmine2000、SiGuide、RNAiFectまたはjetSiに基づくか、または、カチオンポリマー媒介トランスフェクション、例えば、Superfect、jetPEIまたはX-TREMGeneに基づく。
【0016】
本発明は、それ故に、上記に規定されたような少なくとも1種のオリゴヌクレオチド組成物およびを含むトランスフェクション組成物およびトランスフェクション剤または配合(formulation)にも関する。トランスフェクション剤または配合は、より特定的には、生細胞内にdsONを導入し、かつ、細胞内にRNAiをメディエートするdsONを遊離させるのに適した非ウイルス性送達システムである。
【0017】
非ウイルス性ベクターシステムは、有利には、カチオン脂質またはポリマーまたはペプチドベースの送達試薬を含む。非ウイルス性ベクターシステムは、少なくとも1種の送達試薬、および配合を安定化させるか、細胞、組織または臓器をターゲットにするか、または、トランスフェクションの有効性を増大させる他の成分を含む配合である。
【0018】
細胞に導入する前にトランスフェクション試薬と複合体(complex)が形成される場合、短dsONのオリゴマー化は、3’−オーバーハング−3’−オーバーハング相互作用に起因する分子間相互作用によってまたはdsONの3’オーバーハングと相互作用するリンカーを用いることによって促進される。RNAiをメディエートするdsONの3’−オーバーハングに対して相補的なヌクレオチドの配列を含むオリゴヌクレオチド等の多くのリンカーが用いられ得る。他のリンカーは、i)RNAiをメディエートするdsONの3’オーバーハングを認識する末端オリゴマー化ドメインを有するヘアピン様構造、ii)RNAiをメディエートするdsONの3’−オーバーハングを認識する5’−または3’−オーバーハングを各鎖端に有する短二本鎖核酸であり得る。リンカーはまた、配列特異的RNAiをメディエートする、または、RNAiによる遺伝子サイレンシングをメディエートするdsONの3’−オーバーハングと相互作用するオーバーハングを含まない、1または複数のdsON(または多くのdsON)であり得る。
【0019】
本発明はまた、上記に規定されたようなオリゴヌクレオチドの組成物を調製する方法であって、
− 化学的または酵素的な方法によって上記に規定されたような配列3’...N5’および3’...Ni−15’を有するオリゴヌクレオチド鎖を合成する工程と;
− このようにして得られた合成オリゴヌクレオチドをアニーリングする工程と
を包含する方法に関する。
【0020】
一実施形態によると、前記方法は、前記オリゴヌクレオチドをアニーリングする工程の後にリンカー(単数または複数)を加える工程であって、前記リンカー(単数または複数)は、配列3’...Ni−15’に相補的なヌクレオチド配列端を有する、工程をさらに包含する。
【0021】
前記リンカー(単数または複数)は、有利には、オリゴヌクレオチド、単鎖オリゴヌクレオチド、ヘアピン様構造、3’または5’オーバーハングを有する短二本鎖核酸、2本鎖オリゴヌクレオチドを含む群において選択される。
【0022】
リンカーは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ヌクレオチド類似体を含む群において選択される。
【0023】
本発明はまた、インビトロおよびインビボの遺伝子発現阻害方法であって、上記に規定されたようなオリゴヌクレオチド組成物またはトランスフェクション組成物の使用を包含する方法に関する。
【0024】
前記組成物および方法は、治療の適用、例えば、ガンの治療、例えば、膀胱(Urban-Klein et al.,2004)、前立腺(Pal et al.,2005)、白血病(Guan et al.,2005)の癌、または、ウイルス感染、例えば、HIV、肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス感染(Ge et al.,2004)に特に有用である。
【0025】
本発明の他の特徴および利点は、以下に、図1〜7を参照しながら与えられることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(材料および方法)
(化学薬品およびオリゴヌクレオチド)
オリゴヌクレオチドは、化学的に合成され、PAGEは、Eurogentec(ベルギー)によって精製された。オリゴヌクレオチドは、1xアニーリングバッファ(50mMの酢酸カリウム(KAcetate)、50mMの酢酸マグネシウム(MgAcetate))(Eurogentec)中、2分間にわたり95℃でアニーリングされ、続いて、2〜4時間室温でインキュベートされた。
【0027】
jetSi-ENDO(登録商標)(siRNAトランスフェクションのためのカチオン脂質試薬)およびjetPEI(登録商標)(核酸のトランスフェクションのためのカチオンポリマー(線状ポリエチレンイミン誘導体))は、Polyplus-Transfection(フランス)からであった。RNAiFectは、Qiagen(米国)からであった。
【0028】
(細胞培養)
A549(ヒト肺癌(human lung carcinoma),ATCC N°CCL-185)細胞は、GL3ルシフェラーゼ(SV40成分(element)のコントロール下のフォチナス・フィラリス(Photinus pyralis)ルシフェラーゼ)を安定的に発現するものであり、pGL3Lucプラスミド(Clontech)の安定なトランスフェクションの後に得られた。A549−GL3Luc細胞は、RPMI(Eurobio,フランス)中で生育させられ、10%のウシ胎仔血清(FBS,Perbio,フランス)、2mMのglutamax(Eurobio)、100単位/mLのペニシリン(Eurobio)、100μg/mLのストレプトマイシン(Eurobio)および0.8μg/mLのG418(Promega)が補給された。細胞は、5%CO加湿雰囲気中37℃に維持された。
【0029】
(トランスフェクション実験)
トランスフェクションの1日前に、2.5×10個の細胞が、10%のFBSを含有する1mLの新鮮な完全培地中の24ウェルの組織培養プレートに播種された。トランスフェクション前に、dsRNA/トランスフェクション試薬の複合体が調製された。所望量のオリゴヌクレオチド、dsRNA(オリゴヌクレオチドリンカーを伴うまたは伴わない)およびトランスフェクション試薬は、jetSi-ENDO(登録商標)については150μLの無血清培地中に、jetPEI(登録商標)については150μLのNaCl(150mM)に希釈された(3通りの実験のため)。dsONの重量(μg)当たりそれぞれ3および2μLのjetSi-ENDO(登録商標)およびjetPEI(登録商標)が用いられた。溶液は、Vortex振とう器により10秒間にわたり混合され、10分間にわたり室温で放置された。トランスフェクション試薬がdsRNA溶液に加えられ、10秒間にわたってVortex振とう器によりホモジナイズされ、30分間にわたり室温で放置された。トランスフェクション複合体を加える前に、血清を有する完全培地が除去され、0.5mLの無血清培地により置き換えられた。次いで、ウェル当たり100μLの複合体溶液が加えられ、プレートは、37℃でインキュベートされた。2時間のインキュベーションの後、完全培地は除去され、10%の血清を含有する1mLの完全培地により置き換えられた。RNAifectについては、所望量のdsRNAおよびオリゴヌクレオチドリンカーが、300μLの無血清培地に希釈された(3通りの実験のため)。次いで、トランスフェクション試薬は、siRNA混合物に加えられた(dsONの重量(μg)当たりRNAifect 3μL)。溶液は、Vortex振とう器により10秒間にわたり混合され、15分間にわたり室温で放置された。トランスフェクション複合体を加える前に、血清を有する完全培地は除去され、0.3mLの有血清完全培地により置き換えられた。ウェル当たり100μLの複合体溶液が加えられ、プレートは37℃でインキュベートされた。24時間後、培養培地は除去され、10%の血清を含有する完全培地 0.5mLによって置き換えられた。全てのトランスフェクションプロトコールについて、プレートは、さらに、37℃で24または48時間にわたりインキュベー
トされた。
【0030】
(ルシフェラーゼおよびタンパク質アッセイ)
ルシフェラーゼ遺伝子発現は、市販キット(Promega,フランス)を用いて測定された。完全培地を除去した後、1mLのPBS溶液による3回の洗浄がなされた。次いで、ウェル当たり100μLの1x溶解バッファが加えられ、プレートは、室温で30分間にわたりインキュベートされた。溶解質は、集められ、5分間にわたり14,000gの遠心分離にかけられた。ルシフェラーゼアッセイは、100μLのルシフェラーゼ溶液の注入後に5μLの溶解質により評価された。発光(RLU)は、照度計(Berthold,フランス)を用いて10秒にわたる積算によりモニタリングされた。結果は、BCAアッセイ(Pierce,フランス)を用いて細胞タンパク質の重量(mg)当たりの10秒にわたり積算される光の単位(RLU)として表される。
【0031】
(結果)
内因性遺伝子のターゲットモデルとして、本発明者らは、GL3ルシフェラーゼ(SV40成分のコントロール下のフォチナス・フィラリス・ルシフェラーゼ)を安定的に発現するA549細胞を用いた。GL3ルシフェラーゼmRNAに向けられた、明確に化学的に生じたsiRNAは、典型的なカチオン脂質ベースの送達試薬(jetSi-ENDO(登録商標))および典型的なカチオンポリマーベースの送達試薬(jetPEI(登録商標))により、ナノモル濃度の範囲のsiRNAでトランスフェクトされた。配列特異的な古典的GL3Luc siRNAは、GL3Luc mRNAに合致し、かつ、哺乳動物細胞においてRNAiをメディエートする好ましいsiRNAの規定に従う2つのデオキシリボヌクレオチド(dT)の同一の(すなわち、非相補的な)3’−オーバーハングを含む19ヌクレオチドの短dsRNAである(Elbashir et al.,2001)。図1に提示されるGL3ルシフェラーゼのサイレンシングの有効性は、トランスフェクションがjetSi-ENDO(登録商標)により75nMのsiRNAで行われた場合に、トランスフェクションの24および48時間後にそれぞれ70%および80%超に達した。無関係な配列として用いられるGL2Luc siRNAの低いサイレンシングレベルは、配列特異的RNAiを裏付けた。配列特異的なGL3ルシフェラーゼのサイレンシングはまた、トランスフェクションがjetPEI(登録商標)により行われた場合に観察されたが、それは、カチオン脂質誘導体によるトランスフェクションより低い有効性および継続期間を有していた。
【0032】
RNAiをメディエートするdsRNAのサイレンシングの有効性を改善するために、本発明者らは、GL3 Luc mRNAに合致し、かつ、アンチセンス鎖の末端に5つのデオキシチミジンヌクレオチドを、センス鎖の末端に5つのデオキシグアノシンヌクレオチドを有する3’−オーバーハングを含む19ヌクレオチドのdsRNA(配列番号3)を用いた。これらの3’オーバーハングは、dsRNAのより長いdsRNAへの分子間オリゴマー化につながる3’オーバーハング−3’オーバーハング相互作用を促進することができる。jetPEI(登録商標)と複合体を形成した(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)(図2)によるA549−GL3Luc細胞のトランスフェクションの後、高いルシフェラーゼサイレンシングが観察される(50−75nMのdsRNAで>80%(トランスフェクション後24および48時間))。(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)は、jetSi-ENDO(登録商標)およびjetPEI(登録商標)試薬の両方によりトランスフェクトされた標準のsiRNAより良好なルシフェラーゼ遺伝子サイレンシングをメディエートした。(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)による遺伝子サイレンシングは、10nM濃度においてトランスフェクションの48時間後に特に有効であり、この場合、GL3Luc siRNAは、いずれかの用いられた送達試薬により導入された時にルシフェラーゼ発現をサイレンシングさせることができなかった(図2)。
【0033】
配列特異的(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)における単一のヌクレオチド置換が9位に導入されて(アンチセンス鎖においてA対G)、GL3Luc mRNAターゲットの特定の認識が完全に破壊された。この単一の突然変異配列である(dA)−GL3Luc−(dT) Mut dsRNA(配列番号4)は、jetPEI(登録商標)によりA549−GL3Luc細胞に導入された。それは、トランスフェクションの48時間後に5〜50nMの濃度範囲においてルシフェラーゼ発現をサイレンシングさせることができなかった(図3)。選択性の他のコントロールとして、(dA)−GL2Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)(無関係なGL2ルシフェラーゼに合致する)がトランスフェクトされ、これも、ルシフェラーゼ発現をサイレンシングさせることができなかった(図3)。
【0034】
オリゴマー化可能なdsRNAの3’オーバーハングの長さは、二本鎖体の3’−突出部(protusion)における5または8ヌクレオチドを用いて研究された。(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)および(dA)−GL3Luc−(dT)(配列番号7)の両方が、jetPEI(登録商標)によりA549−GL3Luc細胞に導入される時にトランスフェクションの48時間後にサイレンシングの有効かつ比較され得るレベルを示した(図4)。コントロールとして、(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号6)および(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号8)(これらは、それらのオリゴマー化を促進することができない)は、オリゴマー化可能なdsRNAである配列番号3および7により得られた結果と比較してルシフェラーゼ発現をサイレンシングさせるのにはるかに有効性に欠けていた(図4)。サイレンシング選択性のコントロールは、二本鎖体の各鎖の3’端に5または8ヌクレオチドを有するが、GL2配列と合致するオリゴマー化可能なdsRNAにより行われた。(dA)−GL2Luc−(dT) dsRNA(配列番号5)および(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号9)の両方が、内因性発現されたGL3ルシフェラーゼをサイレンシングさせるのに有効でなかった(図5)。
【0035】
RNAiをメディエートする短dsONのオリゴマー化は、塩基対形成によるdsON二本鎖体の3’−オーバーハングと塩基対を形成することにより認識するオリゴヌクレオチドリンカーによって促進され得る。モデルとして、(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号6)および(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号8)が、A549−GL3Luc細胞にjetPEI(登録商標)により、ポリ(dA)ヌクレオチドの存在下または不存在下に導入された。長さにおいて15(配列番号12)および24(配列番号13)ヌクレオチドを含むポリ(dA)が、それぞれ配列番号6および8の二本鎖体のオリゴマー化を促進するために用いられた。ポリ(dA)リンカーが存在した場合、ルシフェラーゼサイレンシングは、ポリ(dA)リンカーの不存在下に得られるサイレンシングの有効性と比較して両方のdsRNA二本鎖体に非常に有効であった(図6)。5ヌクレオチドの長さを有する3’オーバーハングを有するdsRNAは、この例において(dA)15リンカーの存在下に最良のサイレンシング能を示した(図6)。オリゴヌクレオチドリンカーによる、RNAiをメディエートするdsRNAのオリゴマー化は、それ故に、その有効性を増加させた。
【0036】
dsON二本鎖体の3’−オーバーハングと塩基対を形成することによって認識するオリゴヌクレオチドリンカーによってオリゴマー化され、かつ、カチオン脂質をベースとするトランスフェクション試薬、例えば、jetSi-ENDO(登録商標)またはRNAiFect送達試薬により細胞に送達されたdsONを含む組成物は、A549−GL3Luc細胞において特定のGL3ルシフェラーゼ遺伝子サイレンシングをメディエートする。ポリ(dA)が、長さにおいて15(配列番号12)および24(配列番号13)ヌクレオチドを含むリンカーとして用いられて、それぞれ配列番号6および8の二本鎖体のオリゴマー化が促進された。ポリ(dA)リンカーが存在した場合、ルシフェラーゼサイレンシングは、典型的なGL3Luc siRNA(配列番号1)により得られるサイレンシング有効性と比較してナノモルレベルにおいて両方のdsRNA二本鎖体について非常に有効であった(図7)。オリゴヌクレオチドリンカーによる、RNAiをメディエートするdsRNAのオリゴマー化は、カチオン脂質ベースの送達システムにより細胞に導入される場合に、siRNAを用いる従来の方策と比較して遺伝子サイレンシング有効性を増加させた。
【0037】
【化1】

【0038】
【化2】

【0039】
(書誌参照)
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【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】2つの主要な分類のトランスフェクション剤の典型、すなわち、カチオン脂質ベースおよびポリマーベースのトランスフェクション試薬(jetSi-ENDO(登録商標)およびjetPEI(登録商標))と複合体を形成した従来のsiRNA二本鎖体によるRNA干渉。A549−GL3Luc細胞(安定的にGL3ルシフェラーゼ遺伝子を発現する)には、jetSi-ENDO(登録商標)およびjetPEI(登録商標)と複合体を形成したGL3Luc siRNA(配列番号1)がトランスフェクトされ、トランスフェクション試薬の効能が評価された。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、(a)24時間および(b)48時間のインキュベーション期間の後に測定された。細胞溶解質(lysate)は、市販のキット(Promega)を用いて蛍ルシフェラーゼ発現について評価された。非特異的なコントロールとして、GL2ルシフェラーゼ配列に合致するsiRNA(配列番号2)が、同一条件下にトランスフェクトされる。実験は3通りなされ、GL3ルシフェラーゼサイレンシングの有効性は、細胞溶解質中のタンパク質の含有量によって規格化された非トランスフェクトA549−GL3Luc細胞の内因性ルシフェラーゼレベルから算出された。
【図2】カチオンポリマー送達試薬であるjetPEI(登録商標)と複合体を形成した(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)二本鎖体によるRNA干渉。A549−GL3Luc細胞がトランスフェクトされ、ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、(a)24時間および(b)48時間のインキュベーション期間の後に測定された。標準GL3Luc siRNA(配列番号1)が比較のために用いられた。実験は、3通りなされ、ルシフェラーゼのサイレンシングの有効性は、細胞溶解質中のタンパク質の含有量によって規格化された非トランスフェクトA549−GL3Luc細胞の内因性ルシフェラーゼレベルから算出された。
【図3】(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)二本鎖体によるRNA干渉は、配列特異的RNA干渉をメディエートする。A549−GL3Luc細胞には、jetPEI(登録商標)と複合体を形成した、(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)、9位に突然変異が生じた配列(dA)−GL3Luc−(dT) Mut dsRNA(配列番号4)および(dA)−GL2Luc−(dT) dsRNA(配列番号5)二本鎖体がトランスフェクトされた。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、48時間のインキュベーション期間の後に測定された。実験は3通りなされ、ルシフェラーゼサイレンシングの有効性は、細胞溶解質中のタンパク質の含有量によって規格化された非トランスフェクトA549−GL3Luc細胞の内因性ルシフェラーゼレベルから算出された。
【図4】jetPEI(登録商標)と複合体を形成する場合に細胞間オリゴマー化を誘導する3’−オーバーハングを有する二本鎖RNAは、高いGL3ルシフェラーゼサイレンシングをメディエートする。A549−GL3Luc細胞には、jetPEI(登録商標)と複合体を形成した(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)および(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号7)二本鎖体がトランスフェクトされた。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、48時間のインキュベーション期間の後に測定された。3’オーバーハングによって分子間のオリゴマー化を促進することができないdsRNAとして、(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号6)および(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号8)二本鎖体が、同一条件下にjetPEI(登録商標)によりトランスフェクトされた。実験は3通りなされ、ルシフェラーゼサイレンシングの有効性は、細胞溶解質中のタンパク質の含有量によって規格化された非トランスフェクトA549−GL3Luc細胞の内因性ルシフェラーゼレベルから算出された。
【図5】jetPEI(登録商標)と複合体を形成する場合に細胞間オリゴマー化を誘導する3’−オーバーハングを有する二本鎖RNAは、配列特異的GL3ルシフェラーゼサイレンシングをメディエートする。A549−GL3Luc細胞には、jetPEI(登録商標)と複合体を形成した、(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号3)および(dA)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号7)二本鎖体がトランスフェクトされた。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、48時間のインキュベーション期間の後に測定された。非特異的コントロールとして、(dA)−GL2Luc−(dT) dsRNA(配列番号5)および(dA)−GL2Luc−(dT) dsRNA(配列番号9)が、同一条件下にjetPEI(登録商標)によりトランスフェクトされた。実験は3通りなされ、ルシフェラーゼサイレンシングの有効性は、溶解質中のタンパク質の含有量によって規格化された非トランスフェクトA549−GL3Luc細胞の内因性ルシフェラーゼレベルから算出された。
【図6】dsRNA二本鎖体の対称性3’オーバーハングと相互作用するリンカーを用いる細胞間相互作用によって促進されたdsRNAのオリゴマー化は、jetPEI(登録商標)と複合体を形成する場合に有効なGL3ルシフェラーゼサイレンシングをメディエートする。A549−GL3Luc細胞には、それぞれjetPEI(登録商標)と複合体を形成し、かつ、(dA)15リンカー(配列番号12)を有する、または、有しない、(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号6)および(dA)25リンカー(配列番号13)を有するまたは有しない、(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号8)二本鎖体がトランスフェクトされた。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、48時間のインキュベーション期間の後に測定された。実験は3通りなされ、ルシフェラーゼサイレンシングの有効性は、細胞溶解質中のタンパク質の含有量によって規格化された非トランスフェクトA549−GL3Luc細胞の内因性ルシフェラーゼレベルから算出された。
【図7】dsRNA二本鎖体の対称性3’オーバーハングと相互作用するリンカーを用いる分子間相互作用によって促進されたdsRNAのオリゴマー化は、カチオン脂質配合、例えばjetSi-ENDO(登録商標)またはRNAiFectと複合体を形成する場合に有効なGL3ルシフェラーゼサイレンシングをメディエートする。A549−GL3Luc細胞には、(a)jetSi-ENDO(登録商標)および(b)RNAiFectと複合体を形成する、(dT)−GL3Luc−(dT) siRNA(配列番号1)、(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号6)および(dT)−GL3Luc−(dT) dsRNA(配列番号8)二本鎖体(配列番号6および8については、それぞれ、(dA)15リンカー(配列番号12)および(dA)25リンカー(配列番号13)を有する)がトランスフェクトされた。ルシフェラーゼ遺伝子の発現は、48時間のインキュベーション期間の後に測定された。実験は3通りなされ、ルシフェラーゼサイレンシングの有効性は、細胞溶解質中のタンパク質の含有量によって規格化された非トランスフェクトA549−GL3Luc細胞の内因性ルシフェラーゼレベルから算出された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一または異なる配列および/または長さの二本鎖オリゴヌクレオチドを含む組成物であって、前記オリゴヌクレオチドは、配列3’...Ni−1...N5’
(ここで、
3’...N5’は、生細胞に存在するターゲット核酸配列に相補的な配列の、二本鎖19−28merオリゴヌクレオチドの半分であり、
3’...Ni−15’は、前記二本鎖オリゴヌクレオチドのオリゴマー化を可能にする配列の3−50merのオーバーハングである)
を有する、組成物。
【請求項2】
配列3’...N5’は、19−21ヌクレオチドを含む、請求項1に記載のオリゴヌクレオチド組成物。
【請求項3】
5〜8ヌクレオチドを含む配列3’...Ni−15’を含む、請求項1または2に記載のオリゴヌクレオチド組成物。
【請求項4】
配列3’...Ni−15’は、安定化群(group)を含む、請求項1〜3のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド組成物。
【請求項5】
前記安定化群は、プリンヌクレオチド、改変類似体、例えば、デオキシヌクレオチドによって置換されるピリミジンヌクレオチド、および/または、改変ヌクレオチド類似体、例えば、糖−または骨格改変リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドを含む群において選択される、請求項4に記載のオリゴヌクレオチド組成物。
【請求項6】
一方または両方の5’端において5’ホスファートまたはヒドロキシル基を有する少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド組成物。
【請求項7】
配列3’...N5’は、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含む群において選択される、請求項1〜6のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の少なくとも1種のオリゴヌクレオチド組成物と、トランスフェクション剤または配合とを含むトランスフェクション組成物。
【請求項9】
トランスフェクション剤は、非ウイルスベクターである、請求項8に記載のトランスフェクション組成物。
【請求項10】
前記トランスフェクション剤は、カチオン脂質およびカチオンポリマーを含む群において選択される、請求項9に記載のトランスフェクション組成物。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチドの組成物を調製する方法であって、
化学的または酵素的な方法によって、請求項1〜7のいずれか1つにおいて規定された配列3’...N5’および3’...Ni−15’を有するオリゴヌクレオチド鎖を合成する工程と、
得られた合成オリゴヌクレオチドをアニーリングする工程と、
を包含する方法。
【請求項12】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の前記オリゴヌクレオチドをアニーリングする工程の後にリンカー(単数種または複数種)加える工程であって、該リンカー(単数種または複数種)は、配列3’...Ni−15’に相補的なヌクレオチド配列端を有する、工程をさらに包含する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
リンカー(単数種または複数種)は、オリゴヌクレオチド、ヘアピン様構造、3’または5’オーバーハングを有する短二本鎖核酸、二本鎖オリゴヌクレオチドを含む群において選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
リンカーは、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、ヌクレオチド類似体を含む群において選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
インビトロおよびインビボの遺伝子発現阻害方法であって、請求項1〜7のいずれか1つに記載のオリゴヌクレオチド組成物または請求項8〜10のいずれか1つに記載のトランスフェクション組成物の使用を含む、方法。
【請求項16】
癌またはウイルス感染の治療等の治療用途のための請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2008−541745(P2008−541745A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514036(P2008−514036)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006340
【国際公開番号】WO2006/128739
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(507394802)
【Fターム(参考)】