説明

S1P受容体調節化合物及びその使用

本発明は、S1P受容体調節薬としての活性を有する化合物、及び不適切なS1P受容体活性に関連する疾患を治療するための当該化合物の使用に関する。特定の実施形態において、本発明の化合物は、アリールオキソイミダゾリジニルに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、その全開示内容が参照により本明細書に組み込まれている2006年3月21日出願の同時係属米国仮出願第60/784,548号の優先権を米国特許法第119条(e)に基づいて主張するものである。
(発明の分野)
本発明は、S1P受容体調節薬としての活性を有する化合物、及び不適切なS1P受容体活性に関連する疾患を治療するための当該化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
スフィンゴシン-1-ホスフェート(S1P)は、血小板凝集、細胞増殖、細胞形態、腫瘍細胞浸潤、内皮細胞化学向性及び内皮細胞インビトロ血管形成をもたらす細胞効果を含む多くの細胞効果を誘発することが示されている。したがって、S1P受容体は、治傷及び腫瘍成長阻害などの治療用途に良好な目標である。S1Pは、部分的に、S1P1、S1P2、S1P3、S1P4及びS1P5(公式にはそれぞれEDG-1、EDG-5、EDG-3、EDG-6及びEDG-8と呼ばれる)と称するGタンパク質結合受容体の集合体を介して細胞にシグナル伝達する。これらの受容体は、構造的に関連するリゾフォスファチジン酸(LPA)について、3つの他の受容体(LPA1、LPA2及びLPA3(公式にはEDG-2、EDG-4及びEDG-7))と50〜55%のアミノ酸及びクラスタ同一性を有する。
リガンドがその受容体に結合すると、G-タンパク質共役受容体(GPCR)に配座変化が誘発され、G-タンパク質のα-サブユニット上でGDPがGTPに置き換えられ、続いてG-タンパク質が細胞質に放出される。次いで、α-サブユニットは、βγ-サブユニットから解離し、次いで各サブユニットは、細胞応答をもたらすセカンドメッセンジャーを活性化させるエフェクタータンパク質と結合することができる。最終的には、G-タンパク質上のGTPがGDPに加水分解され、G-タンパク質のサブユニットが互いに再会合し、次いで受容体と再会合する。増幅は、GPCR経路で大きな役割を果たす。1つのリガンドの1つの受容体への結合は、それぞれが多くのエフェクタータンパク質と結合することが可能な多くのG-タンパク質の活性化をもたらし、細胞応答の増幅をもたらす。
【0003】
S1P受容体は、個々の受容体が組織及び応答に特異的であるため、良好な薬物目標となる1つの受容体について選択されるアゴニスト又はアンタゴニストの発生は、その受容体を含有する組織に対する細胞応答を局在化させて、望ましくない副作用を制限するので、。S1P受容体の組織特異性は、重要である。S1P受容体の応答特異性は、また、他の物に影響を与えずに一定の細胞応答を開始又は抑制するアゴニスト又はアンタゴニストの発生を可能にするため重要である。例えば、S1P受容体の応答特異性は、細胞形態に影響を与えずに血小板凝集を開始させるS1P擬態を可能にする。
S1Pは、スフィンゴシンキナーゼとの反応でスフィンゴシンの代謝物質として形成され、高レベルのスフィンゴシンキナーゼが存在し、かつスフィンゴシンリアーゼが不足している血小板凝集物に豊富に蓄積される。S1Pは、血小板凝集時に放出され、血清中に蓄積し、悪性腹水症にも見られる。S1P生分解性は、外部ホスホヒドロラーゼ、具体的にはスフィンゴシン1-ホスフェートホスホヒドロラーゼによる加水分解を介して進行する可能性が極めて高い。
【発明の開示】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、様々なS1P受容体関連状態を治療、予防又は治癒するためのS1P調節薬、例えばアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト及びアンタゴニストを含む、新規組成物の使用に関する。
本発明は、S1P受容体調節薬である化合物を特徴とし、一実施形態において、当該化合物は、以下の式を有する化合物、及びその医薬として許容し得る塩を含む:
【化1】

(式中、
p及びqは、独立に、0、1、2、3又は4であってもよく;Zは、独立に、O、NR2、S、S(O)、S(O)2、S(O)2NR2、(CR3R4)n、C=O、C=S、C=N-R2又は直接結合であってもよく;nは、0、1、2、3又は4であってもよく;R2は、水素、ヒドロキシル、S(O)2、C=O、C=S、C=NH、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、ハロ置換C1〜C6アルキル、ハロ置換C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールであってもよく;R3及びR4は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、ハロ置換C1〜C6アルキル、ハロ置換C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールであってもよく;或いはR3及びR4は、一緒になって、「C=O」を形成してもよい)。
【0005】
R1は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールであってもよい。上記置換基は、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C1〜C5アルコキシ、C3〜C6シクロアルキル、アリール及び/又はヘテロアリール基でそれぞれ置換されていてもよく、前記アリール基及びヘテロアリール基は、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルキルチオ、C1〜C5アルコキシ、及びC3〜C6シクロアルキルからなる群から独立に選択される1〜5個の置換基で場合によって置換されていてもよい。
Xは、WC(O)OR5a、WP(O)R5bR5c、WS(O)2OH、WS(O)2NH2、WCONHSO3H又は1H-テトラゾール-5-イルであってもよい。Wは、直接結合、酸素、又はハロ、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ基、C1〜C4アルコキシ及びCO2Hからなる群から独立に選択される置換基で置換されたC1〜C4アルキレンであってもよく;R5aは、水素又はC1〜C4アルキルであり;R5b及びR5cは、独立に、水素、ヒドロキシル、C1〜C4アルキル、又はハロ置換C1〜C4アルキルである。
【0006】
Yは、結合、又は
【化2】

であってもよく、
式中、Qは、直接結合、C=O、C=S、SO2、C(O)NR9、又は(CR9R10)mであり;mは、0、1、2又は3であり;R6及びR7は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルキルチオ、C1〜C5アルコキシ、ハロ置換C1〜C6アルキル又はハロ置換C1〜C5アルコキシであってもよく;或いはR6及びR7は、それらが結合している原子と一緒になって4から7員環を形成してもよく、或いはR6は、環Aに結合された前記アルキレン基のオメガ末端を有するアルキレン基である。R8は、独立に、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルキルチオ、C1〜C5アルコキシ、ハロ置換C1〜C6アルキル又はハロ置換C1〜C5アルコキシであってもよい。
【0007】
R9及びR10は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、ハロ置換C1〜C6アルキル、ハロ置換C1〜C5アルコキシ又は-CO2R5aであってもよい。Aは、アリール又はヘテロアリールであってもよく、そのいずれもハロ、ヒドロキシ、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルキルチオ、C1〜C5アルコキシ、ハロ置換C1〜C6アルキル又はハロ置換C1〜C5アルコキシなどの1、2又は3個の置換基で場合によって置換されていてもよい。
Bは、以下の式を有する。
【化3】

(式中、星印は、式Iにおける結合点を示し;nは1又は2であり;Uは、CH2、C(H)CH3、C(CH3)2、C(H)(CF3)、C(CF3)2、又はC(=O)であり;Vは、C(=O)、C(=S)、S、S(=O)又はS(=O)2である)。
【0008】
一態様において、本発明は、S1P-1受容体媒介生物活性を調節するための方法を提供する。本発明は、また、卵巣癌、腹膜癌、子宮内膜癌、子宮頚癌、乳癌、結腸直腸癌、子宮癌、胃癌、小腸癌、甲状腺癌、肺癌、腎臓癌、膵臓癌及び前立腺癌、急性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群(「ARDS」)、喘息等の慢性肺疾患の急性炎症性再燃、経隔膜凍結又は皮膚火傷等の表面上皮細胞傷害、並びに虚血等の心臓血管疾患などの疾患の治療又は予防を必要とする対象において、それらを治療又は予防する上で、S1P-1調節薬(すなわちアゴニスト又はアンタゴニスト)を使用するための方法を提供する。
別の態様において、本発明は、脳動脈における血管収縮、全身性紅斑性狼瘡を含む自己免疫及び関連免疫疾患、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、I型糖尿病、ブドウ膜炎、乾癬、重症筋無力症、リウマチ性関節炎、非糸球体腎炎、肝炎、ベーチェット病、糸球体腎炎、慢性血小板減少性紫斑病、溶血性貧血、肝炎又はウェグナー肉芽種などの(ただし、それらに限定されない)障害を治療又は予防する上で、SIP-1調節薬を使用するための方法を提供する。
【0009】
さらに別の態様において、本発明は、対象における疾患又は疾病を治療又は予防するためにS1P-1調節薬を使用するための方法であって、当該治療又は予防を必要とする対象に対して、免疫系を刺激するS1P-1調節薬、例えばアゴニストの治療有効量を投与することを含む方法を提供する。特定の実施形態において、対象は、病原菌に冒されている。他の実施形態において、対象は、免疫不全である。
さらに別の態様において、本発明は、細胞におけるSIP-1受容体媒介生物活性を調節する方法を提供する。SIP-1受容体を発現する細胞を、S1P-1受容体媒介生物活性を調節するのに十分な量のS1P-1受容体調節薬と接触させる。
さらに別の態様において、本発明は、対象におけるSIP-1受容体媒介生物活性を調節するための方法を提供する。当該方法において、S1P-1受容体媒介生物活性を調節するのに有効な量のS1P-1受容体の調節薬を対象に投与する。
【0010】
さらに別の態様において、本発明は、対象におけるS1P-1受容体媒介状態を治療、予防又は改善するための方法を提供する。当該方法において、S1P-1受容体媒介生物活性を調節するのに有効な量のS1P-1の調節薬を対象に投与する。S1P-1受容体媒介状態は、例えば、移植片拒絶(固体臓器移植片及び島細胞);移植片拒絶(組織);癌;自己免疫/炎症性疾患;リウマチ性関節炎;狼瘡;インスリン依存性糖尿病(I型);非インスリン依存性糖尿病(II型);多発性硬化症;乾癬;潰瘍性大腸炎;炎症性腸疾患;クローン病;急性及び慢性白血病及びリンパ腫;であってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(発明の詳細な説明)
次に、本発明の特徴及び他の詳細についてさらに具体的に説明する。本明細書に記載されている特定の実施形態は、例示を目的に示されており、本発明を限定するものとして示されているのではないことが理解されるであろう。本発明の範囲を逸脱することなく本発明の主たる特徴を様々な実施形態に採用することができる。他に指定がなければ、すべての部及び百分率は重量によるものである。
(定義)
便宜上、本明細書及び実施例に用いられている一定の用語をここに集約する。
「治療」は、状態、疾患、障害等の改善をもたらす任意の効果、例えば、軽減、低減、調節又は除去を含む。
【0012】
「アルキル」は、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル)、分枝鎖アルキル基(例えば、イソプロピル、tert-ブチル、イソブチル)、シクロアルキル(例えば脂環式)基(例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族基を含む。「アルキル」は、1個以上の炭化水素骨格炭素原子を置換する酸素、窒素、硫黄又はリン原子を有するアルキル基をさらに含む。特定の実施形態において、直鎖アルキル又は分枝鎖アルキルは、その骨格に6個以下の炭素原子(例えば、直鎖ではC1〜C6、分枝鎖ではC3〜C6)、より好ましくは4個以下の炭素原子を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、それらの環構造に3から8個の炭素原子を有し、より好ましくは環構造に5又は6個の炭素原子を有する。「C1〜C6」は、1から6個の炭素原子を含むアルキル基を含む。
【0013】
「アルキル」という用語は、また、「無置換のアルキル」及び「置換アルキル」の双方を含み、その後者は、炭化水素骨格の1個以上の炭素原子上の水素を置換する置換基を有するアルキル成分を指す。当該置換基としては、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくは複素環式芳香族成分を挙げることができる。シクロアルキルは、例えば、上述の置換基でさらに置換され得る。「アルキルアリール」又は「アラルキル」成分は、アリールで置換されたアルキル(例えば、フェニルメチル(ベンジル))である。「アルキル」は、また、天然又は非天然アミノ酸の側鎖を含む。
【0014】
「アリール」は、0から4個のヘテロ原子を含むことができる5及び6員の「非結合」の又は単環の芳香族基、並びに少なくとも1つの環を有する「結合」された又は多環式の系を含む、芳香族性の基を含む。アリール基の例としては、ベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン及びピリミジン等が挙げられる。また、「アリール」という用語は、多環式アリール基、例えば、三環式、二環式アリール基、例えば、ナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン又はインドリジンを含む。環構造にヘテロ原子を有するそれらのアリール基を、「アリール複素環」、「複素環」、「複素環アリール」又は「複素環式芳香族」と呼ぶこともできる。芳香族環を1つ以上の環位置で置換することができる。代表的な置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アラルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アラルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくは複素環式芳香族成分が挙げられる。アリール基を、多環式系(例えば、テトラリン、メチレンジオキシフェニル)を形成するように、芳香族でない脂環式又は複素環式環と縮合又は架橋させることもできる。
【0015】
「アルケニル」は、長さ、及び可能な置換基において、上記のアルキルと類似しているが、少なくとも1つの二重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルケニル」という用語は、直鎖アルケニル基(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル)、分枝鎖アルケニル基、シクロアルケニル(例えば脂環式)基(例えば、シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキル若しくはアルケニル置換シクロアルケニル基、及びシクロアルキル若しくはシクロアルケニル置換アルケニル基を含む。「アルケニル」という用語は、1個以上の炭化水素骨格炭素原子を置換する酸素、窒素、硫黄又はリン原子を含むアルケニル基をさらに含む。特定の実施形態において、直鎖又は分枝鎖アルケニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖ではC2〜C6、分枝鎖ではC3〜C6)。同様に、シクロアルケニル基は、それらの環構造に3から8個の炭素原子を有し、より好ましくは環構造に5又は6個の炭素原子を有する。「C2〜C6」という用語は、2から6個の炭素原子を含むアルケニル基を含む。
【0016】
「アルケニル」という用語は、また、「無置換のアルケニル」及び「置換アルケニル」の双方を含み、その後者は、1個以上の炭化水素骨格炭素原子上の水素を置換する置換基を有するアルケニル成分を指す。当該置換基としては、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくは複素環式芳香族成分を挙げることができる。
【0017】
「アルキニル」は、長さ、及び可能な置換基において、上記のアルキルと類似しているが、少なくとも1つの三重結合を含む不飽和脂肪族基を含む。例えば、「アルキニル」は、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル)、分枝鎖アルキニル基、及びシクロアルキル若しくはシクロアルケニル置換アルキニル基を含む。「アルキニル」という用語は、1個以上の炭化水素骨格炭素原子を置換する酸素、窒素、硫黄又はリン原子を有するアルキニル基をさらに含む。特定の実施形態において、直鎖又は分枝鎖アルキニル基は、その骨格に6個以下の炭素原子を有する(例えば、直鎖ではC2〜C6、分枝鎖ではC3〜C6)。「C2〜C6」という用語は、2から6個の炭素原子を含むアルキニル基を含む。
【0018】
「アルキニル」という用語は、また、「無置換のアルキニル」及び「置換アルキニル」の双方を含み、その後者は、1個以上の炭化水素骨格炭素原子上の水素を置換する置換基を有するアルキニル成分を指す。当該置換基としては、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくは複素環式芳香族成分を挙げることができる。
炭素数が他に指定されていなければ、「低級アルキル」は、1から10個、より好ましくは1から6個の炭素原子をその骨格構造に有することを除いては、先に定めたアルキル基を含む。「低級アルケニル」及び「低級アルキニル」は、例えば、2から5個の炭素原子の鎖長を有する。
【0019】
「アシル」は、アシルラジカル(CH3CO-)又はカルボニル基を含む化合物及び成分を含む。「置換アシル」は、水素原子の1個以上が、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくは複素環式芳香族成分で置換されたアシル基を含む。
「アシルアミノ」は、アシル成分がアミノ基に結合された成分を含む。例えば、該用語は、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、カルバモイル基及びウレイド基を含む。
【0020】
「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」及び「チオアルコキシアルキル」は、1個以上の炭化水素骨格炭素原子を置換する(例えば、酸素、窒素、又は硫黄原子)、酸素、窒素又は硫黄原子をさらに含む、上記のアルキル基を含む。
「アルコキシ」という用語は、酸素原子と共有結合した置換又は無置換のアルキル基、アルケニル基及びアルキニル基を含む。アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基及びペントキシ基が挙げられる。置換アルコキシ基の例としては、ハロゲン化アルコキシ基が挙げられる。アルコキシ基を、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、又は芳香族若しくは複素環式芳香族成分などの基で置換することができる。ハロゲン置換アルコキシ基の例としては、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、及びトリクロロメトキシが挙げられるが、それらに限定されない。
【0021】
「ヘテロシクリル」又は「複素環式基」という用語は、1つ以上のヘテロ原子を含む閉環構造、例えば3から10員、又は4から7員環を含む。ヘテロシクリル基は、飽和又は不飽和であり、ピロリジン、オキソラン、チオラン、ピペリジン、ピペリジン、モルホリン、ラクトン、アゼチジノン及びピロリジノンなどのラクタム、スルタム及びスルトン等を含むことができる。複素環式環を1つ以上の位置において、先に記載した置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボン酸、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸、ホスホナト、ホスフィナト、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ及びアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイル及びウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、硫酸、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、又は芳香族若しくは複素環式芳香族成分で置換することができる。
【0022】
「チオカルボニル」又は「チオカルボキシ」という用語は、二重結合により硫黄原子と結合した炭素を含む化合物及び成分を含む。
「エーテル」という用語は、2つの異なる炭素原子又はヘテロ原子と結合した酸素を含む化合物又は成分を含む。例えば、該用語は、別のアルキル基と共有結合した酸素原子と共有結合したアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を指す「アルコキシアルキル」を含む。
「エステル」という用語は、カルボニル基の炭素に結合した酸素原子に結合した炭素又はヘテロ原子を含む化合物及び成分を含む。「エステル」という用語は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル等のアルコキシカルボキシ基を含む。アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基は、先に定義した通りである。
【0023】
「チオエーテル」という用語は、2つの異なる炭素原子又はヘテロ原子と結合した硫黄原子を含む化合物又は成分を含む。チオエーテルの例としては、アルクチオアルキル、アルクチオアルケニル及びアルクチオアルキニルが挙げられるが、それらに限定されない。「アルクチオアルキル」という用語は、アルキル基に結合した硫黄原子に結合したアルキル基、アルケニル基又はアルキニル基を有する化合物を含む。同様に、「アルクチオアルケニル」及び「アルクチオアルキニル」という用語は、アルキル基、アルケニル基又はアルキニル基が、アルキニル基に共有結合した硫黄原子に結合した化合物又は成分を指す。
【0024】
「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」という用語は、-OH又は-O-を有する基を含む。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素等を含む。「過ハロゲン化」という用語は、広くは、すべての水素がハロゲン原子で置換された成分を指す。
「ヘテロ原子」は、炭素又は水素以外の任意の元素の原子を含む。ヘテロ原子の例としては、窒素、酸素、硫黄及びリンが挙げられる。
「少なくとも部分的に芳香族の二環式環系」は、二環を形成する環のいずれか又は両方が芳香族である二環式環系を指す。
本発明の化合物のいくつかの構造は非対称炭素原子を含むことに留意されたい。よって、他に指定がなければ、当該非対称により生じる異性体(例えば、すべての鏡像異性体及びジアステレオマー)が本発明の範囲に含まれることが理解される。従来の分離技術及び立体化学的に制御された合成によって当該異性体を得ることができる。また、本出願に記載の構造並びに他の化合物及び成分も、全てのそれらの互変異性体を含む。アルケンは、適宜E-又はZ-幾何学構造を含むことができる。
【0025】
「組合せ治療」(又は「共治療」)は、これらの治療薬の共作用による有益な効果を与えるように意図された特定の治療投薬の一部としての本発明のS1P受容体調節薬及び少なくとも第2の薬剤の投与を含む。組合せの有益な効果としては、治療薬の組合せによる薬物動態又は薬動力学的共作用が挙げられるが、それらに限定されない。組み合わせたこれらの治療薬の投与は、典型的には、規定の時間(選択される組合せに応じて通常は分単位、時間単位、日単位又は週単位)にわたって実施される。「組合せ治療」は、一般にというわけではないが、本発明の組合せを偶発的及び任意にもたらす個別の単独治療投薬の一部としてのこれらの治療薬の2つ以上の投与を包括することを意図し得る。「組合せ治療」は、これらの治療薬を実質的に順次に投与すること、すなわち各治療薬を異なる時間に投与すること、並びにこれらの治療薬、又は治療薬の少なくとも2つを実質的に同時に投与することを包括する。実質的に同時に投与することは、例えば、固定された比率の各治療薬を有する単一のカプセルを対象に投与すること、又は治療薬の各々に対する単一カプセルを複数投与することによって遂行され得る。各治療薬の順次又は実質的に同時投与は、経口経路、静脈内経路、筋肉内経路、及び粘膜組織を介する直接的吸収を含むが、それらに限定されない任意の適切な経路で行うことができる。治療薬を同じ経路又は異なる経路で投与することができる。例えば、選択された組合せの第1の治療薬を静脈内注射によって投与し、その組合せの他方の治療薬を経口投与することができる。或いは、例えば、すべての治療薬を経口投与してもよいし、又はすべての治療薬を静脈内注射によって投与してもよい。治療薬を投与する順序は厳密には重要でない。「組合せ治療」は、上記の治療薬を、他の生物活性成分及び非薬物治療(例えば外科手術又は放射線治療)とさらに組み合わせて投与することを包括することもできる。組合せ治療が非薬物治療をさらに含む場合は、治療薬と非薬物治療の組合せの共作用による有益な効果が達成される限り、非薬物治療を任意の好適な時間に実施することができる。例えば、適切な場合に、非薬物治療が治療薬の投与から恐らく日単位又はさらには週単位で外されても有益な効果が達成される。
【0026】
「アニオン基」は、本明細書に用いられるように、生理的pHで負に帯電する基を指す。好ましいアニオン基としては、カルボン酸、硫酸、スルホン酸、スルフィン酸、スルファミン酸、テトラゾリル、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、若しくはホスホロチオエート、又はそれらの機能的同等物が挙げられる。アニオン基の「機能的同等物」は、生物学的等価体、例えばカルボン酸基の生物学的等価体を含むことを意図する。生物学的等価体は、古典的生物学的等価物及び非古典的生物学的等価物の両方を包含する。古典的及び非古典的生物学的等価体が当該技術分野で知られている(例えば、Silverman、R. B.、The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action、Academic Press、Inc.:San Diego、Calif.、1992、19〜23頁参照)。特に好ましいアニオン基は、カルボン酸である。
【0027】
「複素環式基」という用語は、環内の原子の1個以上が炭素原子以外の元素、例えば、窒素又は酸素又は硫黄である閉環構造を含むことを意図する。複素環式基は、飽和又は不飽和であり、かつピロール及びフランなどの複素環式基は、芳香族の特徴を有することができる。それらは、キノリン及びイソキノリンなどの縮合環構造を、含む。複素環式基の他の例としては、ピリジン及びプリンが挙げられる。複素環式基を1つ以上の構成原子において、例えば、ハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルコキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルアミノ、低級アルキルカルボキシル、ニトロ、ヒドロキシル、-CF3又は-CN等で置換することもできる。
【0028】
「S1P調節薬」は、インビボ又はインビトロのS1P受容体活性の検出可能な変化、例えば、以下に記載のバイオアッセイなどの所定のアッセイによって測定されるS1P活性の少なくとも10%の増加又は低下を誘発することが可能な化合物又は組成物を含む。
「薬剤のEC50」は、スフィンゴシン又はS1P受容体の他のリガンドの結合、及び/又はS1P受容体の機能的活性(例えばシグナル伝達活性)を含む所定の活性がそのS1P受容体に対して最大50%になる薬剤の濃度を含んでいた。言い換えれば、EC50は、100%活性化がより多くのリガンド/アゴニストを添加しても増加しないS1P受容体の活性の量に設定され、0%活性化がリガンド/アゴニストを添加しないアッセイにおける活性の量に設定される場合に、50%活性化を与える薬剤の濃度である。
【0029】
「精製」及び類似用語は、原生又は自然環境における分子又は化合物に通常伴う汚染物質が実質的にない形の分子又は化合物の単離に関する。
「有効量」は、選択された効果をもたらすのに十分な量を含む。例えば、S1P受容体アンタゴニストの有効量は、S1P受容体の細胞シグナル伝達活性を低下させる量である。
「免疫調節」は、免疫系の機能化に対する影響を含み、免疫応答の強化並びに免疫応答の抑制の両方を含む。
本発明の化合物及び他の薬理的に活性な薬剤を、患者に対して同時に、順次又は組み合わせて投与することができる。本発明の組合せを使用すると、本発明の化合物及び他の薬理的に活性な薬剤を医薬として許容し得る同一の担体に含ませることができ、それにより同時に投与することができることが理解されるであろう。それらは、同時に摂取される従来の経口剤形などの医薬担体に別途含められてもよい。「組合せ」という用語は、さらに、該化合物が個別の剤形で提供され、順次投与される場合を指す。
【0030】
本発明の化合物を、最適な医薬効果を与える投与量で、当該治療を必要とする患者(動物及びヒト)に投与することができる。任意の特定の用途での使用に必要とされる投与量は、選択される特定の化合物又は組成物のみならず、投与経路、治療される状態の性質、患者の年齢及び状態、並行治療又は後に患者が従う特殊な食事、並びに当業者が認識する他の要因に応じて患者毎に異なり、適切な投与量は究極的には担当医師の裁量に委ねられることが理解されるであろう。
適切な投与水準は、一般には、1日当たり患者の体重1kgに対して約0.001から50mgであり、それを単一投与又は複数投与で投与することができる。好ましくは、投与水準は、1日当たり約0.01から約25mg/kg;より好ましくは1日当たり約0.05から約10mg/kgである。例えば、中枢神経系の障害の治療又は予防において、好適な投与水準は、1日当たり約0.001から10mg/kg、好ましくは1日当たり約0.005から5mg/kg、特には1日当たり約0.01から1mg/kgである。化合物を1日当たり1から4回、好ましくは1日当たり1回又は2回の投薬で投与することができる。
【0031】
任意の治療での使用に必要とされる本発明の化合物の量は、選択される特定の化合物又は組成物のみならず、投与経路、治療される状態の性質、並びに患者の年齢及び状態に応じて異なり、究極的には担当医師の裁量に委ねられることが理解されるであろう。
本発明の組成物及び組合せ治療を、本明細書に記載されている安定剤、担体及び/又は本明細書に記載されているカプセル化製剤を含む様々な医薬賦形剤と組み合わせて投与することができる。
本発明の水性組成物は、医薬として許容し得る担体又は水性媒体に溶解又は分散された本発明の化合物の有効量を含む。
【0032】
「医薬として又は薬理学的に許容し得る」とは、適宜動物又はヒトに投与された場合に有害な反応、アレルギー反応又は他の有害反応をもたらさない分子物質及び組成物を含む。「医薬として許容し得る担体」は、任意又はすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、並びに等張剤及び吸収遅延剤などを含む。医薬活性物質に対する当該媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野で良く知られている。任意の従来の媒体又は薬剤が活性物質と適合しない範囲を除いては、治療組成物におけるその使用が考えられる。補助的な活性成分を組成物に組み込むこともできる。
ヒトに対する投与では、製剤は、FDA生物系審査部の規格によって要求される、無菌性、発熱性、包括的安全性及び純度の基準を満たす必要がある。
【0033】
次いで、本発明の組成物及び組合せ治療は、一般には、非経口投与、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、病巣内、又はさらには腹腔内経路を介する注射用に製剤される。本発明の組成物又は活性構成要素若しくは成分を含む水性組成物の調製は、本開示内容に鑑みて当業者に理解されるであろう。典型的には、当該組成物を、溶液又は懸濁液の注射剤として調製することができ;注射前に液体を添加することにより溶液又は懸濁液を調製するための使用に好適な固体を調製することもでき;及び、製剤を乳化することもできる。
注射用途に好適な医薬剤形としては、無菌水溶液又は分散液;ゴマ油、落花生油又はプロピレングリコール水溶液を含む製剤;及び無菌注射液又は分散液の即時調合剤のための無菌粉末;が挙げられる。いずれの場合も、剤形は、無菌であり、注射器注入が容易な程度に流動的でなければならない。製造及び保管条件下で安定しており、かつ細菌及び真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。
【0034】
遊離塩基又は薬理的に許容し得る塩としての活性化合物の溶液を、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合された水で調製することができる。分散液を、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びそれらの混合物並びに油で調製することもできる。通常の保管及び使用条件下で、これらの製剤は、微生物の成長を防止するための防腐剤を含む。
本発明の治療又は薬理組成物は、一般には、医薬として許容し得る媒体に溶解又は分散された組合せ治療の構成要素の有効量を含む。医薬として許容し得る媒体又は担体は、任意及びすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、並びに等張性及び吸収遅延剤等を含む。医薬活性物質に対する当該媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野で良く知られている。補助的な活性成分を本発明の治療組成物に組み込むこともできる。
【0035】
医薬又は薬理組成物の調製は、本開示内容に鑑みて当業者に理解されるであろう。典型的には、当該組成物を、溶液又は懸濁液の注射剤;注射前に液体に溶解又は懸濁するのに好適な固体;経口投与のための錠剤又は他の固体;時限解放カプセル剤;或いはクリーム剤、ローション剤、洗口液及び吸入剤を含む任意の他の現在使用されている形態;などのいずれかとして調製することができる。
活性化合物を必要に応じて以上に列挙した様々な他の成分とともに、適切な溶媒に必要量だけ混入させた後に、濾過滅菌を行うことによって無菌注射液を調製する。一般には、分散液は、様々な無菌活性成分を、基礎分散媒体、及び以上に列挙した成分の中の必要な他の成分を含む無菌媒体に混入することによって調製される。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合は、好ましい調製方法は真空乾燥技術及び凍結乾燥技術であり、これは、活性成分、及び既に無菌濾過されたその溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末を生成する。
【0036】
筋肉内注射のためのより高濃度の溶液の調製も考えられる。この点において、溶媒としてのDMSOの使用は、極めて迅速な浸透をもたらし、小領域に高濃度の活性化合物又は薬剤を送達するため、好ましい。
手術領域における特定の部分を洗浄するための外科医、内科医又は医療従業員による食塩水をベースとした洗浄液等の無菌製剤の使用も特に有用である。本発明による治療製剤を、洗口液の形態で、又は抗真菌剤と組み合わせて復元することもできる。吸入剤形も考えられる。本発明の治療製剤を、クリーム剤及びローション剤などの局所投与に好適な形で調製することもできる。
【0037】
当該溶液に使用される好適な防腐剤としては、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンズエトニウム、クロロブタノール及びチメロサール等が挙げられる。好適な緩衝剤としては、約pH6からpH8、好ましくは約pH7からpH7.5のpHを維持するのに十分な量のホウ酸、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム及び二リン酸ナトリウム等が挙げられる。好適な等張剤は、眼科用液剤の塩化ナトリウム当量が0.9±0.2%の範囲になるようなデキストラン40、デキストラン70、デキストロース、グリセリン、塩化カリウム、プロピレングリコール及び塩化ナトリウム等である。好適な酸化防止剤及び安定剤としては、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム及びチオ尿素等が挙げられる。好適な湿潤剤及び浄化剤としては、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー282及びチロキサポールが挙げられる。好適な増粘剤としては、デキストラン40、デキストラン70、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ラノリン、メチルセルロース、ペトロラタム、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0038】
処方されると、治療薬は、投与製剤に適合可能な方法及び薬理的に有効な量で投与されることになる。製剤は、上記の種類の注射液などの様々な剤形で投与されるが、薬物放出カプセル剤等を採用することもできる。
この文脈において、活性成分の量及び投与すべき組成物の容量は、治療する宿主動物に応じて決まる。投与に必要な活性化合物の厳密な量は、実務者の判断次第であり、各個体に特異的である。
活性化合物を分散させるのに必要な組成物の最小容量を典型的に利用する。投与のための好適な投薬計画も変動的であるが、最初に化合物を投与し、その結果を監視し、次いでさらなる間隔でさらなる管理投与量を与えることによって類型化される。例えば、非経口投与では、好適に緩衝され、必要に応じて等張性を有する水溶液を調製し、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与又はさらには腹腔内投与に使用することになる。1つの投与物を1mlの等張性NaCl溶液に溶解させ、1000mlの皮下注入液に添加するか、又は指定の注入部位に注射することが可能である(例えば、Remngton's Pharmaceutical Scieneces 15th Edition、1035〜1038頁及び1570〜1580頁参照)。
【0039】
特定の実施形態において、活性化合物を経口投与することができる。これは、一般に、消化酵素によるタンパク質分解に対する抵抗性を有する薬剤、又は抵抗性が付与された薬剤について考えられる。当該化合物は、化学的に設計又は改質された薬剤;右旋性ペプチド;並びにペプチダーゼ及びリパーゼ分解を避けるための時限放出カプセル剤のペプチド及びリポソーム製剤;を含むことを意図する。
担体は、また、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)、それらの好適な混合物及び植物油を含む溶媒又は分散液媒体、並びに植物油であり得る。適正な流動性を、例えばレシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合における必要な粒径の維持によって、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸及びチメロサール等によって、微生物の作用を防止することができる。多くの場合、等張剤、例えば糖又は塩化ナトリウムを含めることが好ましい。吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物に使用することによって、注射可能組成物の遅延吸収を行うことができる。
【0040】
活性化合物を、必要に応じて先に列挙した様々な他の成分とともに適切な溶媒に必要量だけ混入させた後に、濾過滅菌濾過を行うことによって無菌注射液を調製する。一般には、分散液は、様々な無菌活性成分を、基礎分散媒体、及び先に列挙した成分の中の必要な他の成分を含む無菌媒体に混入することによって調製される。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥技術及び凍結乾燥技術であり、これは、活性成分、及び既に無菌濾過されたその溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末を生成する。
直接注射のためのより高濃度の溶液の調製も考えられ、溶媒としてのDMSOの使用は、極めて迅速な浸透をもたらし、小領域に高濃度の薬剤を送達すると考えられる。
処方されると、液剤は、投与製剤に適合可能な方法及び治療薬として有効な量で投与されることになる。製剤は、上記の種類の注射液などの様々な剤形で投与されるが、薬物放出カプセル剤等を採用することもできる。
【0041】
水溶液による非経口投与では、例えば、溶液を必要に応じて緩衝させ、液体希釈剤を最初に十分な食塩水又はグルコースで等張性にする必要がある。特定の水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与及び腹腔内投与に特に好適である。因みに、採用できる無菌水性媒体は、本開示内容に鑑みて当業者に理解されるであろう。
静脈内注射又は筋肉内注射などの非経口投与のために処方された化合物に加えて、他の医薬として許容し得る剤形としては、例えば、錠剤又は他の経口投与用固形物;リポソーム製剤;時限放出カプセル剤;及びクリーム剤を含む、現在使用されている任意の他の剤形;が挙げられる。
他の投与形態に好適なさらなる製剤としては、坐薬が挙げられる。坐薬について、従来のバインダ及び担体としては、例えば、ポリアルキレングリコール又はトリグリセリドを挙げることができ;当該坐薬は、活性剤を0.5%から10%、好ましくは1〜2%の範囲で含む混合物から形成することができる。
【0042】
経口製剤は、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、及び炭酸マグネシウム等として通常採用される当該賦形剤を含む。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、持続放出製剤又は粉剤の形態をとる。
特定の定められた実施形態において、経口医薬組成物は、不活性希釈剤又は同化可能な可食性担体を含み、或いはそれらを硬質又は軟質殻ゼラチンカプセルに封入してもよく、或いはそれらを圧縮して錠剤にしてもよく、或いはそれらを食物とそのまま混合してもよい。経口治療投与では、活性化合物を賦形剤と混合し、摂取可能錠剤、舌下錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤及びカシェ剤の形で使用できる。当該組成物及び製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有する必要がある。組成物及び製剤の割合は、勿論変動し得るが、便宜的に単位の重量の約2%から約75%、又は好ましくは25〜60%であり得る。当該治療に有用な組成物における活性化合物の量は、好適な投与量が得られる量である。
【0043】
錠剤、トローチ剤、丸剤及びカプセル剤等は、トラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン又はゼラチンのようなバインダ;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン及びアルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑剤;並びに添加可能なスクロース、ラクトース又はサッカリンなどの甘味料、又はペパーミント、ウィンターグリーン油又はチェリーフレーバーなどの着香料;を含有することもできる。単位剤形がカプセル剤である場合は、上記種類の材料に加えて、液体担体を含有することができる。コーティング剤として、そうでなければ投与単位の物理形態を改質するために様々な他の材料が存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤又はカプセル剤にシェラック、糖又はその両方をコーティングすることができる。エリキシルのシロップ剤は、活性化合物、甘味料としてのスクロース、防腐剤としてのメチル及びプロピルパラベン、色素及びチェリー又はオレンジフレーバーなどの着香料を含有することができる。
【0044】
活性成分としての本発明の化合物の1種以上を、外的、経腸的又は非経口的用途に好適な有機又は無機担体若しくは賦形剤と混合して含有する、例えば固体、半固体又は液体の医薬製剤の形態で、本発明の医薬組成物を使用することができる。活性成分を、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐薬、液剤、乳剤、懸濁剤、及び使用に好適な任意の他の剤形のための通常の無毒性の医薬として許容し得る担体と混合することができる。使用できる担体は、水、グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンペースト、三珪酸マグネシウム、タルク、トウモロコシデンプン、ケラチン、コロイドシリカ、ジャガイモデンプン、尿素、及び製剤の製造における使用に好適な他の担体であり、固体、半固体、又は液体の形態であり、加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、着色剤及び芳香を使用することができる。活性対象化合物は、疾患の過程又は状態に応じて所望の効果をもたらすのに十分な量で医薬組成物に含められる。
【0045】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主たる活性成分を医薬担体、例えば、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム又はゴムなどの従来の成形剤、及び他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物又はその無毒性の医薬として許容し得る塩の均質混合物を含有する固体の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質と言う場合、それは、組成物を錠剤、丸剤及びカプセル剤などの均等に効果的な単位剤形に分割できるように活性成分が組成物全体にわたって均一に分散されていることを意味する。次いで、この固体予備処方組成物を、0.1から約500mgの本発明の活性成分を含有する上記種類の単位剤形に分割する。新規の組成物の錠剤又は丸剤をコーティングするか、或いは混合して、長時間作用の利点を与える剤形を提供することができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内部投与構成要素及び外部投与構成要素を含むことができ、後者は、前者の外被の形態をとる。胃内での崩壊に抵抗するように機能し、内部構成要素をそのままの状態で十二指腸に送る、或いは遅延放出させる腸溶層によって、それら2つの構成要素を分離することができる。様々な材料を当該腸溶層又はコーティングに使用することが可能であり、当該材料は、いくつかのポリマー酸、並びにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料との混合物を含む。
【0046】
本発明の組成物を経口投与又は注射によって導入できる液体剤形は、水溶液、好適に香りを付けたシロップ剤、水性又は油性懸濁物、綿実油、ゴマ油、ヤシ油又は落花生油などの許容し得る油、或いは静脈内用途に好適な可溶化剤又は乳化剤、並びにエリキシル及び同様の医薬媒体を有する乳剤を含む。水性懸濁物のための好適な分散剤又は懸濁剤は、トラガカント、アカシアなどの合成及び天然ゴム、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチンを含む。
吸入又は注入用組成物は、医薬として許容し得る水性若しくは有機溶媒又はそれらの混合物による溶液及び懸濁物、並びに粉末を含む。液体又は固体組成物は、上記の医薬として許容し得る好適な賦形剤を含有することができる。好ましくは、組成物を局部又は全身効果のために経口又は鼻呼吸経路によって投与する。好ましくは無菌の医薬として許容し得る溶媒における組成物を不活性ガスの使用によって噴霧することができる。噴霧溶液を噴霧器から直接吹きつけてもよいし、噴霧器をマスク、テント又は断続正圧呼吸器に取りつけてもよい。溶液組成物、懸濁物組成物又は粉末組成物を、製剤を適切な方法で送達するデバイスから好ましくは経口又は経鼻投与することができる。
【0047】
上記の臨床的状態及び疾患を治療するために、本発明の化合物を、従来の無毒性の医薬として許容し得る担体、補助剤及び媒体を含む単位投与製剤で、経口投与、局部投与、吸入噴霧による投与又は直腸投与することができる。非経口という用語は、本明細書に用いられているように、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射又は注入技術を含む。
本発明は、一実施形態において、式Iによる化合物に関する。望ましくは、p及びqは、0又は1であり;Zは、CH2、O、S又は直接結合であり;nは、0又は1であり;R2はメチルであり;R3及びR4は、独立に水素又はメチルである。
望ましくは、R1は、C1〜C5アルキル、C1〜C5アルコキシル、トリフルオロメチル、フェニル、又はC1〜C5アルキル、ハロゲン、トリフルオロメチル又はシアノで置換されたフェニルである。
【0048】
Xは、望ましくは、COOH、P(O)(OH)2又は1H-テトラゾール-5-イルである。或いは、XをYと混合して、例えば、下記のものを形成することができる:
【化4】

【化5】


【0049】
Aは、望ましくは、置換又は無置換のアリール又はヘテロアリールであり、例えば、R11は、水素又はC1〜C6アルキルであり;左側及び右側の星印は、式(I)における結合の点を示す。
【化6】

Bは、望ましくは、環式尿素、例えば、
【化7】

である。
【0050】
特定の実施形態において、本発明は、式IIで表される化合物、又はその医薬として許容し得る塩に関する;
【化8】

(式中、
A1は、H、C1〜C8アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、-OR2、-SR2、-S(O)R2、-S(O)2R2;-C(O)R2、-CO2R2;又は-C(R3)2R2であり;
A2は、
【化9】

であり;
A3は、
【化10】

であって、その各々が、ハロゲン、トリフルオロメチル又はアルコキシで場合によって置換されていてもよく;
p及びqは、独立に、0、1、2、3又は4を表し、
Zは、(CR3R4)n、C(O)又は直接結合であり;
nは、1、2、3又は4であり;
R1は、H又はC1〜C6アルキルであり;
R2は、アルキル、アリール、ヘテロアリール又はアラルキルであり;
R3及びR4は、独立に、出現するごとに、水素、ハロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールを表し;
Xは、WC(O)OR5又はWS(O)2NH2であり;
R5は、水素又はC1〜C4アルキルであり;
Wは、直接結合、酸素又はC1〜C4アルキレンであり;
Yは結合、又は
【化11】

であり;
Qは、直接結合、C=O又は(CR9R10)mであり;
mは、1、2又は3であり;
R6及びR7は、それぞれ独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル又はC1〜C5アルコキシを表し;或いはR6及びR7は、それらが結合している原子と一緒になって4から7員環を形成してもよく;
R8は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C1〜C6アルキル又はC1〜C5アルコキシであり;
R9及びR10は、それぞれ独立に、水素、ハロ、C1〜C6アルキル又は-CO2R5を表す)。
【0051】
特定の実施形態において、本発明は、A1がH、C1〜C8アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール又はアラルキルである上記化合物に関する。
特定の実施形態において、本発明は、A2が、
【化12】

である上記化合物に関する。
特定の実施形態において、本発明は、A3が、
【化13】

である上記化合物に関する。
特定の実施形態において、本発明は、XがWC(O)OR5である上記化合物に関する。
特定の実施形態において、本発明は、XがWCO2Hである上記化合物に関する。
【0052】
特定の実施形態において、本発明は、Yが、
【化14】

である上記化合物に関する。
特定の実施形態において、本発明は、A2が、
【化15】

であり、A3が、
【化16】

である上記化合物に関する。
【0053】
特定の実施形態において、本発明は、A2が、
【化17】

であり、A3が、
【化18】

であり、Yが、
【化19】

である上記化合物に関する。
【0054】
特定の実施形態において、本発明は、A2が、
【化20】

であり、A3が、
【化21】

であり、XがWCO2Hである上記化合物に関する。
【0055】
特定の実施形態において、本発明は、化学名1-(4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化22】

、化学名1-(4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化23】

、化学名1-(4-(3-(4-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化24】

、化学名1-(4-(3-(3-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化25】

、化学名1-(4-(2-オキソ-3-(3-トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化26】

、化学名1-(4-(3-(4-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化27】

、化学名1-(4-(3-(ビフェニル-4-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化28】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化29】


【0056】
化学名1-(4-(3-(3-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化30】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化31】

、化学名1-(4-(3-(3-ベンゾイルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化32】

、化学名1-(4-(2-オキソ-3-(3-(1-フェニルエチル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化33】

、化学名1-(4-(3-(3-ヒドロキシ(フェニル)メチル)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化34】

、化学名1-(4-(3-(3-ジフルオロ(フェニル)メチル)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化35】

、化学名1-(4-(2-オキソ-3-(3-フェノキシフェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化36】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロブチルメトキシ)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化37】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロプロピルメトキシ)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化38】

、化学名1-(4-(3-(4-シクロヘキシルピリジン-2-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化39】

、化学名1-(4-(3-(5-シクロヘキシルピリジン-3-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化40】

、化学名1-(4-(3-(2-シクロヘキシルピリジン-4-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化41】


【0057】
化学名1-(4-(2-オキソ-3-(3-フェニルスルホニル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化42】

、化学名1-(4-(2-オキソ-3-(3-フェニルスルフィニル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化43】

、化学名1-(4-(2-オキソ-3-(3-フェニルチオ)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化44】

、化学名1-(4-(3-(3-(2-フルオロベンジル)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化45】

、化学名1-(4-(3-(3-(3-フルオロベンジル)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化46】

、化学名1-(4-(3-(3-(4-フルオロベンジル)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化47】

、化学名1-(4-(3-(5-シクロヘキシル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化48】

、化学名1-(4-(3-(4-シクロヘキシルオキサゾール-2-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化49】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化50】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化51】


【0058】
化学名1-(4-(3-(3-(シクロヘキシルオキシメチル)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化52】

、化学名1-(4-(3-(5-メチルベンゾ[d]チアゾール-2-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化53】

、化学名1-(4-(3-(3-(シクロヘキシル-1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化54】

、化学名1-(4-(3-(4-(シクロヘキシルフラン-2-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化55】

、化学名1-(4-(3-(4-(シクロヘキシルチアゾール-2-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化56】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)ピロリジン-3-カルボン酸を有する
【化57】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)ピペリジン-4-カルボン酸を有する
【化58】

、化学名3-(4-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)ピペリジン-1-イル)プロパン酸を有する
【化59】

、化学名2-アミノ-3-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジルアミノ)プロパン酸を有する
【化60】

、化学名3-アミノ-1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化61】


【0059】
化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)-3-ヒドロキシアゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化62】

、化学名1-(4-((3-(2H-テトラゾール-5-イル)アゼチジン-1-イル)メチル)フェニル)-3-(3-シクロヘキシルフェニル)イミダゾリジン-2-オンを有する
【化63】

、化学名3-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジルアミノ)プロパン酸を有する
【化64】

、化学名4-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジルアミノ)ブタン酸を有する
【化65】

、化学名3-((4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)(メチル)アミノ)プロパン酸を有する
【化66】

、化学名3-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)フェニル)プロパン酸を有する
【化67】

、化学名4-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジルアミノ)-4-オキソブタン酸を有する
【化68】

、化学名2-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジルアミノ)コハク酸を有する
【化69】

、化学名3-(6-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)プロパン酸を有する
【化70】

、化学名2-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジルアミノ)エタンスルホンアミドを有する
【化71】


【0060】
化学名1-((6-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリジン-3-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化72】

、化学名1-((5-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ピリジン-2-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化73】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化74】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-(トリフルオロメチル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化75】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-メトキシベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化76】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-2-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化77】

、化学名1-((5-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-チアゾール-2-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化78】

、化学名1-((5-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化79】

、化学名1-((5-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化80】

、化学名1-((6-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-チアゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化81】


【0061】
化学名1-((6-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-2-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化82】

、化学名1-((5-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-フロ[2,3-b]ピリジン-2-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化83】

、化学名1-((5-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-ベンゾフラン-2-イル)メチル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化84】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシル-4-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化85】

、化学名1-(4-(3-(4-シクロヘキシル-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化86】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-5-メチル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化87】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-4-メチル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化88】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-5,5-ジメチル-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化89】

、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソ-5-(トリフルオロメチル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化90】

及び、化学名1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソ-4-(トリフルオロメチル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸を有する
【化91】

からなる群から選択される化合物並びにその医薬として許容し得る塩を特徴とする。
【0062】
特定の実施形態において、本発明は、
【化92】

からなる群から選択される化合物及びその医薬として許容し得る塩を特徴とする。
【0063】
本発明の化合物は、様々なS1P受容体における高親和性アゴニスト(又はアンタゴニスト)である。本発明の化合物は、齧歯類又はヒトに導入されると、リンパ球減少を誘発することも期待される。したがって、本発明の化合物は、免疫調節薬として使用することが可能であり、臓器移植体などの組織移植片の急性又は慢性拒絶を含む、リンパ球作用によって媒介される病状及び自己免疫疾患の治療又は予防に有用である。本発明の化合物で治療できる自己免疫疾患としては、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、ベーチェット病、腎炎、リウマチ性関節炎、クローン病及び潰瘍性大腸炎などの炎症性、I型糖尿病、ブドウ膜炎、乾癬、重症筋無力症、糸球体腎炎、橋本甲状腺炎、自己免疫溶血性貧血、自己免疫血小板減少性紫斑病、肝炎及びウェグナー肉芽腫症が挙げられる。
【0064】
本発明の化合物は、アトピー性喘息、炎症性糸球体傷害及び虚血再灌流傷害を含む炎症性障害の治療にも有用である。
リゾリン脂質、S1P及びリゾフォスファチジン酸(LPA)は、細胞増殖を刺激し、Gタンパク質共役型内皮分化遺伝子コード化(S1P)受容体を介してシグナル伝達することによって多くの細胞機能に影響を与える。よって、本発明のS1P受容体調節薬は、免疫調節、例えば、新生物性疾患の治療などの抗血管形成治療に有用性を有することが期待される。
本発明の一実施形態において、本発明のS1P受容体アゴニストの1種以上を含む医薬組成物を、ヒトを含む哺乳類に投与して、傷修復を強化し、神経機能を向上させ、或いはその生物種の免疫応答を強化する。S1Pは、線維症を抑制することも報告された。よって、本発明のS1P受容体アゴニストを使用して、肺線維症、間質性肺炎、慢性肝炎、肝硬変、慢性腎不全又は腎糸球体硬化症などの臓器繊維症に関連する疾患を予防/治療することができる。一実施形態において、本発明のS1P受容体アンタゴニストを含む組成物を使用して、火傷、切り傷、裂傷、外科的切開、褥瘡及び糖尿病に見られるもののような治癒緩慢性潰瘍を治療する。
【0065】
加えて、本発明のS1P調節化合物は、リンパ球を移動可能にし、それらのリンパ組織への帰巣を増強させると考えられる。したがって、本発明の化合物を使用して、リンパ球を移植臓器、例えば同種移植片、又は健康な細胞、例えばI型糖尿病における膵島、髄鞘(多発性硬化症)、或いは望ましくない免疫応答に影響され得る他の組織から遠ざけることで、免疫系による当該組織の損傷を低減することができる。
別の実施形態において、本発明のS1P受容体調節化合物を対象に投与して、異常な細胞成長及び分化の障害を治療又は予防する。これらの障害としては、アルツハイマー病、異常黄体形性、骨粗鬆症、無排卵、パーキンソン病及び癌が挙げられる。一実施形態において、S1Pアンタゴニストを患者に投与して、異常成長に関連する疾患を治療する。
【0066】
一実施形態において、本発明の化合物を免疫調節薬として使用して、免疫系活性を変化させ、そうでなければ免疫疾患及び臓器移植において生じる健康な組織に対する損傷を防止する。特に、膵臓移植、膵島移植、腎臓移植、心臓移植及び肺移植を含む臓器移植に関連する治療の一部として該化合物を患者に投与することができる。S1P調節薬を単独で、又はシクロスポリン、タクロリムス、ラパマイシン、アザチオプリン、シクロホスファミド、メトトレキセート、コルチゾンなどのコルチコステロイド、デス-オキソメタゾン、ベタメタゾン、デサメタソン、フルニソリド、プレドニソロン、プレドニソン、アムシノミド、デソニド、メチルプレドニソロン、トリアムスノロン及びアルクロメタソンなどの既知の免疫抑制薬と組み合わせて投与することができる。
【0067】
S1Pは、多くの細胞型において生存因子としても作用する。特に、S1Pアンタゴニスト活性を有する本発明の化合物は、細胞及び組織を低酸素状態から保護するのに有用であることが期待される。一実施形態によれば、実際に治療が必要であると判断された患者に本発明の化合物を投与して、虚血の結果として被った傷害を含む低酸素状態に曝された細胞及び組織を治療する。一実施形態によれば、S1P受容体アンタゴニスト活性を示す本発明の化合物を使用して、虚血再灌流型傷害を治療することができる。組織への含酸素血液の供給に対する干渉を虚血と定義する。虚血の効果は、進行的であるため、経時的に細胞活力が低下し続け、組織が壊死することが知られている。組織の酸素灌流が制限された完全永続的虚血は、細胞死をもたらし、究極的には動脈血液による再灌流にかかわらず凝血に誘発された壊死に至る。虚血に関連する傷害の大部分が、虚血組織の再灌流に関連する事象の結果、すなわち再灌流傷害であることを示す証拠がある。
【0068】
局部、経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、クモ膜下腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻内、経腸、局部、舌下又は直腸手段を含む任意の数の経路によって、本発明の化合物を含む医薬組成物を必要とする個体に投与することができる。経口経路は、典型的には、本発明の化合物を必要とするたいていの状態に採用される。急性治療には静脈注射又は注入が好ましい。持続投薬では、経口又は非経口、例えば、筋肉内経路又は皮下投与が好ましい。一実施形態によれば、本発明の化合物及びアルブミン、例えば、本発明の化合物、医薬として許容し得る担体及び0.1〜1.0%アルブミンを含む組成物が提供される。アルブミンは、緩衝剤として機能し、化合物の溶解性を向上させる。
【0069】
本発明は、また、本発明の医薬組成物の1種以上の成分を充填した1個以上の容器を含む医薬パック又はキットを提供する。一実施形態によれば、免疫調節を必要とする患者を治療するためのキットが、キットの使用説明書を含めて提供される。本実施形態において、該キットは、本発明のS1P調節薬の1種以上を含み、1種以上の既知の免疫抑制薬を含むこともできる。これらの医薬品を様々な容器、例えば、バイアル、チューブ、マイクロタイタウェルプレート及びボトル等で梱包することができる。他の試薬、例えば、陽性対照サンプル、陰性対照サンプル、緩衝剤、細胞培地等を個別の容器に含めて、キットとともに提供することができる。好ましくは、キットに使用説明書も含まれる。
S1P受容体活性([γ-35S]GTP結合アッセイ等)を検出するためのアッセイ、並びにS1P及び試験化合物の存在下でのアッセイを用いることによって、本発明の化合物の活性を測定することができる。より詳細には、参照により本明細書に組み込まれているTraynorら、1995、Mol. Pharmacol. 47:848〜854に記載の方法において、標識GTPの結合を測定することによって、膜に結合するGタンパク質の評価を行うことができる。
【0070】
例えば、S1Pポリペプチドを発現する細胞から単離された膜を含むサンプルを、候補調節薬とともに、及び候補調節薬を含めずに、放射標識GTP及び非標識GDP(例えば、20 mM HEPES、pH 7.4、100 mM NaCl及び10 mM MgCl2、80 pM 35S-GTPγS及び3 μM GDP)の存在下で、リガンド(すなわちS1P)へのポリペプチドの結合を促進する緩衝剤にインキュベートすることができる。受容体に対する結合及び受容体の活性化を可能にするための好適な時間にわたって(例えば30℃で60分間)インキュベートした後に、未結合の標識GTPを(例えば、GF/Bフィルタでの濾過)によって除去する。結合した標識GTPをシンチレーション計数によって測定することができる。候補調節薬を含有するサンプルにおいてシンチレーション計数で測定された標識GTP結合が、調節薬を含まないサンプルと比べて10%以上低下していることは、該候補調節薬がS1P受容体活性の阻害薬であることを示す。
【0071】
類似のGTP結合アッセイをリガンド(S1P)の不在下で実施して、アゴニストとして作用する薬剤を識別することができる、この場合、リガンド刺激GTP結合を標準として使用する。薬剤は、10μm以下の量で存在するときに、S1Pによって誘発されるGTP結合のレベルの少なくとも50%を誘発する場合にアゴニストと見なされ、好ましくは、リガンドによって誘発されるレベル以上のレベルを誘発する。
S1P受容体を含有する細胞膜抽出物をγ32P-GTPとともにインキュベートすることによってGTPアーゼ活性を測定することができる。活性GTPアーゼは、標識を無機リン酸塩として放出し、これは、活性木炭を20mMのH3PO4に含めた5%懸濁物中で遊離無機リン酸を分離した後に、シンチレーション計数を行うことによって検出できる。対照は、候補調節薬の可能な非特異的効果を除外するために、S1P受容体を発現しない細胞(例えば偽形質移入細胞)から単離された膜抽出物を使用するアッセイを含む。S1P調節GTPアーゼ活性に対する候補調節薬の影響についてアッセイするために、細胞膜サンプルを、調節薬を有するものと有さないものを含めてリガンド(S1P)とともにインキュベートすることができ、GTPアーゼ活性を上記のように実施することができる。調節薬を含まないサンプルと比較した場合におけるGTP結合又はGTPアーゼ活性のレベルの10%以上の変化(増加又は低下)は、候補調節薬によるS1P調節を示唆する。
【0072】
識別されたS1P受容体アゴニスト及びアンタゴニストを使用して、細菌、真菌、原虫及びウィルス感染、特にHIV-1又はHIV-2によって引き起こされる感染;疼痛;癌;糖尿病、肥満;食欲不振;大食症;喘息;パーキンソン病;急性心不全;低血圧症;高血圧症;尿閉;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;卒中;潰瘍;喘息;アレルギー;良性前立腺肥大症;片頭痛;嘔吐;不安、統合失調症、躁鬱病、鬱病、譫妄、痴呆及び重度精神薄弱を含む精神及び神経傷害を含むが、それらに限定されない様々なヒトの疾患及び傷害を治療することができる。
疼痛は、実際の又は潜在的な組織損傷及びそれに対する情動的応答を反映する複雑な主観的感覚である。急性疼痛は、潜在的又は急性障害を示す生理的信号である。慢性疼痛は、体性(器官性)又は精神的であり得る。慢性疼痛は、しばしば鬱病をもたらす自律神経徴候が伴うか又はその後に起こることが多い。
【0073】
体性疼痛は、侵害性起源、炎症性又は神経障害性であり得る。侵害性疼痛は、体性又は内臓性疼痛に敏感な神経繊維の継続的な活性化によって始まると判断される。神経障害性疼痛は、神経系における機能不全に起因し、末梢神経系、CNS又はその両方における異常体性感覚過程によって維持されると考えられる。慢性疼痛は、個々の苦しみ及び膨大な社会経済的コストを生じさせる。既存の薬理的疼痛治療は、効果及び安全性の双方の観点で甚だ不満足なものである。
【0074】
一実施形態において、本発明のS1P調節薬を免疫調節薬として使用して、免疫系を抑制し、そうでなければ自己免疫疾患及び臓器移植において発生する健康組織への損傷を防止する。膵臓移植、膵島移植、腎臓移植、心臓移植及び肺移植を含む臓器移植に関連する治療の一部として該化合物を患者に投与することができる。S1P調節薬を単独で、又はシクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン、デソキシメタゾン、シクロホスファミド、コルチゾン、ベタメタソン、FK506(真菌マクロライド免疫抑制薬)、デサメタソン、フルニソリド、プレドニソロン、プレドニソン、アムシノミドデソニド、メチルプレドニソロン、トリアムスノロン、アルクロメタソン及びメトトレキセートなどの既知の免疫抑制薬と組み合わせて投与することができる。
使用する投与物は、勿論、治療すべき具体的な障害、並びに年齢、体重、包括的な健康状態、症状の重度、治療の頻度、及び治療にさらなる医薬を伴うかどうかを含むさらなる要因に応じて決まる。投与物は、概して、1日当たり数回、好ましくは1日当たり1から3回投与される。個々の活性化合物の量は、当業者に知られている慣例の手順によって容易に決定される。
【0075】
S1Pは、多くの細胞型において生存因子としても作用する。S1P受容体調節薬は、細胞及び組織を低酸素状態から保護する上で活性を有することが期待される。一実施形態によれば、本発明の化合物を投与して、虚血の結果として被った傷害を含む低酸素状態に曝された細胞及び組織を治療する。一実施形態によれば、アンタゴニスト活性を有するS1P調節薬を使用して、虚血再灌流型傷害を治療することができる。組織への含酸素血液の供給に対する干渉を虚血と定義する。虚血の効果は、進行的であるため、経時的に細胞活力が低下し続け、組織が壊死することが知られている。組織の酸素灌流が制限された完全永続的虚血は、細胞死をもたらし、最終的には動脈血液による再灌流にかかわらず凝血に誘発された壊死に至る。
【0076】
本発明の化合物及び他の薬理的に活性な薬剤を患者に対して同時に、順次又は組み合わせて投与することができる。本発明の組合せを使用すると、本発明の化合物及び他の薬理的に活性な薬剤を、医薬として許容し得る同一の担体に含むことができるため、同時に投与することができることが理解されるであろう。それらは、同時に摂取される従来の経口剤形などの医薬担体に別途含められてもよい。「組合せ」という用語は、さらに、化合物が個別の剤形で提供され、順次投与される場合を指す。
本発明の化合物を、最適な医薬効果を与える投与量で当該治療を必要とする患者(動物及びヒト)に投与することができる。特定の用途での使用に必要とされる投与量は、選択される特定の化合物又は組成物のみならず、投与経路、治療される状態の性質、患者の年齢及び状態、並行治療又は後に患者が従う特殊な食事、並びに当業者が認識する他の要因に応じて患者毎に異なり、適切な投与量は究極的には担当医師の裁量に委ねられることが理解されるであろう。
【0077】
適切な投与量は、一般には、1日当たり患者の体重1kgに対して約0.001から50mgであり、それを単回投与又は複数回投与で投与することができる。好ましくは、投与量は、1日当たり約0.01から約25mg/kg;より好ましくは1日当たり約0.05から約10mg/kgである。例えば、中枢神経系の障害の治療又は予防において、好適な投与量は、1日当たり約0.001から10mg/kg、好ましくは1日当たり約0.005から5mg/kg、特には1日当たり約0.01から1mg/kgである。化合物を1日当たり1から4回、好ましくは1日当たり1回又は2回の投薬で投与することができる。
任意の治療での使用に必要とされる本発明の化合物の量は、選択される特定の化合物又は組成物のみならず、投与経路、治療される状態の性質並びに患者の年齢及び状態に応じて異なり、究極的には担当医師の裁量に委ねられることが理解されるであろう。
本発明の組成物及び組合せ治療薬を、安定剤、担体及び/又は本明細書に記載されているカプセル化製剤を含む様々な医薬賦形剤と組み合わせて投与することができる。
本発明の水性組成物は、医薬として許容し得る担体又は水性媒体に溶解又は分散された、有効量の本発明の化合物を含む。
【0078】
「医薬として又は薬理学的に許容し得る」とは、適切に動物又はヒトに投与された場合に有害な反応、アレルギー反応又は他の有害反応をもたらさない分子物質及び組成物を含む。「医薬として許容し得る担体」は、任意又はすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、並びに等張剤及び吸収遅延剤などを含む。医薬活性物質に対する当該媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野で良く知られている。任意の従来の媒体又は薬剤が活性物質と適合しない範囲を除いては、治療組成物におけるその使用が考えられる。補助的な活性成分を組成物に組み込むこともできる。
ヒトに対する投与では、製剤は、FDA生物系審査部の規格によって要求される無菌性、発熱性、包括的安全性及び純度の基準を満たす必要がある。
【0079】
次いで、本発明の組成物及び組合せ治療薬は、一般には、非経口投与、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、病巣内又はさらには腹腔内経路を介する注射に向けて製剤されることになる。本発明の組成物又は活性構成要素若しくは成分を含む水性組成物の調製は、本開示内容に鑑みて当業者に理解されるであろう。典型的には、当該組成物を溶液又は懸濁液の注射剤として調製することができ;注射前に液体を添加することにより溶液又は懸濁液を調製するための使用に好適な固体を調製することもでき;及び該製剤を乳化することもできる。
注射用途に好適な医薬剤形としては、無菌水溶液又は分散液;ゴマ油、落花生油又はプロピレングリコール水溶液を含む製剤;及び無菌注射液又は分散液の即時調合剤のための無菌粉末;が挙げられる。いずれの場合も、剤形は、無菌であり、注射器注入が容易な程度に流動的でなければならない。製造及び保管条件下で安定しており、細菌及び真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。
【0080】
遊離塩基又は薬理的に許容し得る塩としての活性化合物の溶液を、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と好適に混合された水で調製することができる。分散液を、グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びそれらの混合物並びに油で調製することもできる。通常の保管及び使用条件下で、これらの製剤は、微生物の成長を防止するための防腐剤を含む。
本発明の治療又は薬理組成物は、一般には、医薬として許容し得る媒体に溶解又は分散された組合せ治療の構成要素の有効量を含む。医薬として許容し得る媒体又は担体は、任意及びすべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌剤及び抗真菌剤、並びに等張剤及び吸収遅延剤等を含む。医薬活性物質に対する当該媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野で良く知られている。補助的な活性成分を本発明の治療組成物に組み込むこともできる。
【0081】
医薬又は薬理組成物の調製は、本開示内容に鑑みて当業者に理解されるであろう。典型的には、当該組成物を、溶液又は懸濁液の注射剤;注射前に液体に溶解又は懸濁するのに好適な固体;経口投与のための錠剤又は他の固体;時限解放カプセル剤;或いはクリーム剤、ローション剤、洗口液及び吸入剤を含む、任意の他の現在使用されている形態;などとして調製することができる。
活性化合物を必要に応じて以上に列挙した様々な他の成分とともに、適切な溶媒に必要量だけ混入させた後に、濾過滅菌を行うことによって無菌注射液を調製する。一般には、分散液は、様々な無菌活性成分を、基礎分散媒体、及び以上に列挙した成分の中の必要な他の成分を含む無菌媒体に混入することによって調製される。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分及びその既に無菌濾過された溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末を生成する真空乾燥技術及び凍結乾燥技術である。
筋肉内注射のためのより高濃度の溶液の調製も考えられる。この点において、溶媒としてのDMSOの使用は、極めて迅速な浸透をもたらし、小領域に高濃度の活性化合物又は薬剤を送達するため、好ましい。
手術領域における特定の部分を洗浄するための外科医、内科医又は医療従業員による食塩水をベースとした洗浄液等の無菌製剤の使用も特に有用であり得る。本発明による治療製剤を洗口液の形で、又は抗真菌剤と組み合わせて復元することもできる。吸入剤形も考えられる。本発明の治療製剤をクリーム剤及びローション剤などの局所投与に好適な形で調製することもできる。
【0082】
当該溶液に使用される好適な防腐剤としては、塩化ベンズアルコニウム、塩化ベンズエトニウム、クロロブタノール及びチメロサール等が挙げられる。好適な緩衝剤としては、約pH6からpH8、好ましくは約pH7からpH7.5のpHを維持するのに十分な量のホウ酸、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム及び二リン酸ナトリウム等が挙げられる。好適な等張剤は、眼科用液剤の塩化ナトリウム当量が0.9±0.2%の範囲になるようなデキストラン40、デキストラン70、デキストロース、グリセリン、塩化カリウム、プロピレングリコール及び塩化ナトリウム等である。好適な酸化防止剤及び安定剤としては、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム及びチオ尿素等が挙げられる。好適な湿潤剤及び浄化剤としては、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー282及びチロキサポールが挙げられる。好適な増粘剤としては、デキストラン40、デキストラン70、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ラノリン、メチルセルロース、ペトロラタム、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
【0083】
処方されると、治療薬は、投与製剤に適合可能な方法及び薬理的に有効な量で投与されることになる。製剤は、上記の種類の注射液などの様々な剤形で投与されるが、薬物放出カプセル剤等を採用することもできる。
この文脈において、活性成分の量及び投与すべき組成物の容量は、治療する宿主動物に応じて決まる。投与に必要な活性化合物の厳密な量は、実務者の判断次第であり、各個体に特異的である。
活性化合物を分散させるのに必要な組成物の最小容量を典型的に利用する。投与のための好適な投薬計画も変動的であるが、最初に化合物を投与し、その結果を監視し、次いでさらなる間隔でさらなる管理投与量を与えることによって類型化される。例えば、非経口投与では、好適に緩衝され、必要に応じて等張性を有する水溶液を調製し、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与又はさらには腹腔内投与に使用することになる。1つの投与物を1mlの等張性NaCl溶液に溶解させ、1000mlの皮下注入液に添加するか、又は指定の注入部位に注射することが可能である(例えば、Remngton's Pharmaceutical Scieneces 15th Edition、1035〜1038頁及び1570〜1580頁参照)。
【0084】
特定の実施形態において、活性化合物を経口投与することができる。これは、一般に、消化酵素によるタンパク質分解に対する抵抗性を有する薬剤、又は抵抗性が付与された薬剤について考えられる。当該化合物は、化学的に設計又は改質された薬剤;右旋性ペプチド;並びにペプチダーゼ及びリパーゼ分解を避けるための時限放出カプセル剤のペプチド及びリポソーム製剤;を含むことを意図する。
医薬として許容し得る塩は、酸付加塩を含み、例えば、塩酸、臭化水素酸、ホウ酸、リン酸、硫酸又はリン酸などの無機酸、或いは酢酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、コハク酸、メシル酸、マンデル酸、コハク酸、安息香酸、アスコルビン酸、メタンスルホン酸、a-ケトグルタル酸、a-グリセロリン酸及びグルコース-1-リン酸等の有機酸で形成される。遊離カルボキシル基で形成された塩を、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム又は水酸化鉄などの無機塩基、並びにイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ヒスチジン及びプロカイン等の有機塩基から誘導することができる。医薬として許容し得る塩の他の例としては、四級誘導体、及びN-酸化物などの内部塩が挙げられる。
【0085】
担体は、また、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)、それらの好適な混合物及び植物油を含む溶媒又は分散液媒体であり得る。適正な流動性を、例えばレシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の場合における必要な粒径の維持、及び界面活性剤の使用によって維持することができる。様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸及びチメロサール等によって、微生物の作用を防止することができる。多くの場合、等張剤、例えば糖又は塩化ナトリウムを含めることが好ましい。吸収を遅延させる薬剤、例えばモノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組成物に使用することによって、注射可能組成物の遅延吸収を行うことができる。
活性化合物を必要に応じて以上に列挙した様々な他の成分とともに適切な溶媒に必要量だけ混入させた後に、濾過滅菌濾過を行うことによって無菌注射液を調製する。一般には、分散液は、様々な無菌活性成分を、基礎分散媒体、及び以上に列挙した成分の中の必要な他の成分を含む無菌媒体に混入することによって調製される。無菌注射液を調製するための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は、活性成分及びその既に無菌濾過された溶液からの任意のさらなる所望の成分の粉末を生成する真空乾燥技術及び凍結乾燥技術である。
【0086】
直接注射のためのより高濃度の溶液の調製も考えられ、ここで溶媒としてのDMSOの使用は、極めて迅速な浸透をもたらし、小領域に高濃度の薬剤を送達すると考えられる。
液剤は、処方されると、投与製剤に適合可能な方法、及び治療薬として有効な量で投与されることになる。製剤は、上記の種類の注射液などの様々な剤形で投与されるが、薬物放出カプセル剤等を採用することもできる。
水溶液による非経口投与では、例えば、溶液を必要に応じて緩衝させ、液体希釈剤を最初に十分な食塩水又はグルコースで等張性にする必要がある。特定の水溶液は、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与及び腹腔内投与に特に好適である。因みに、採用できる無菌水性媒体は、本開示内容に鑑みて当業者に理解されるであろう。
静脈内注射又は筋肉内注射などの非経口投与のために製剤された化合物に加えて、他の医薬として許容し得る剤形としては、例えば、錠剤又は他の経口投与用固形物;リポソーム製剤;時限放出カプセル剤;及びクリーム剤を含む、現在使用されている任意の他の剤形が挙げられる。
【0087】
他の投与形態に好適なさらなる製剤としては、坐薬が挙げられる。坐薬について、従来のバインダ及び担体としては、例えば、ポリアルキレングリコール又はトリグリセリドを挙げることができ;当該座薬を、活性剤を0.5%から10%、好ましくは1〜2%の範囲で含む混合物から当該坐薬を形成することができる。
経口製剤は、例えば、医薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース及び炭酸マグネシウム等としての通常採用される当該賦形剤を含む。これらの組成物は、液剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、持続放出製剤又は粉剤の形をとる。
特定の定められた実施形態において、経口医薬組成物は、不活性希釈剤又は同化可能な可食性担体を含み、或いはそれらを硬質又は軟質殻ゼラチンカプセルに封入してもよく、或いはそれらを圧縮して錠剤にしてもよく、或いはそれらを食物とそのまま混合してもよい。経口治療投与では、活性化合物を賦形剤と混合し、摂取可能錠剤、舌下錠、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤及びウエハなどの形態で使用できる。当該組成物及び製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含有する必要がある。組成物及び製剤の割合は、勿論変動し得るが、便宜的に単位の重量の約2%から約75%、又は好ましくは25〜60%であり得る。当該治療に有用な組成物における活性化合物の量は、好適な投与量が得られるものである。
【0088】
錠剤、トローチ剤、丸剤及びカプセル剤等は、トラガカントゴム、アカシア、トウモロコシデンプン又はゼラチンのようなバインダ;リン酸二カルシウムなどの賦形剤;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン及びアルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどの滑剤;並びに添加し得るスクロース、ラクトース又はサッカリンなどの甘味料;又はペパーミント、ウィンターグリーン油又はチェリーフレーバーなどの着香料;を含有することもできる。単位剤形がカプセル剤である場合は、上記種類の材料に加えて、液体担体を含有することができる。コーティング剤として、そうでなければ投与単位の物理形態を改質するために様々な他の材料が存在してもよい。例えば、錠剤、丸剤又はカプセル剤にシェラック、糖又はその両方をコーティングすることができる。エリキシルのシロップ剤は、活性化合物、甘味料としてのスクロース、防腐剤としてのメチル及びプロピルパラベン、染料及びチェリー又はオレンジフレーバーなどの着香料を含有することができる。
【0089】
例えば、外的、経腸的又は非経口的用途に好適な有機又は無機担体若しくは賦形剤と混合して、活性成分としての本発明の化合物の1種以上を、固体、半固体又は液体の医薬製剤の形態で含有する、本発明の医薬組成物を使用することができる。活性成分を、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐薬、液剤、乳剤、懸濁剤、及び使用に好適な任意の他の剤形のための通常の無毒性の医薬として許容し得る担体と混合することができる。使用できる担体は、水、グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンペースト、三珪酸マグネシウム、タルク、トウモロコシデンプン、ケラチン、コロイドシリカ、ジャガイモデンプン、尿素、及び製剤の製造における使用に好適な他の担体であり、固体、半固体又は液体の形態であり、加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、着色剤及び芳香を使用することができる。活性対象化合物は、疾患の過程又は状態に応じて所望の効果をもたらす量で医薬組成物に含められる。
【0090】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主たる活性成分を、医薬担体、例えば、トウモロコシデンプン、ラクトース、スクロース、ソルビトール、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム又はゴムなどの従来の成形剤、及び他の医薬希釈剤、例えば水と混合して、本発明の化合物又はその無毒性の医薬として許容し得る塩の均質混合物を含有する固体の予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質と言う場合、それは該組成物を、錠剤、丸剤及びカプセル剤などの均等に効果的な単位剤形に容易に分割できるように活性成分が組成物全体にわたって均一に分散されていることを意味する。次いで、この固体予備処方組成物を、0.1から約500mgの本発明の活性成分を含有する上記種類の単位剤形に分割する。新規の組成物の錠剤又は丸剤をコーティングするか、或いは混合して、長時間作用の利点を与える剤形を提供することができる。例えば、錠剤又は丸剤は、内部投与構成要素及び外部投与構成要素を含むことができ、後者は、前者の外被の形をとる。胃内での崩壊に抵抗するように機能し、内部構成要素をそのままの状態で十二指腸に送る、或いは遅延放出させる腸溶層によって、それら2つの構成要素を分離することができる。様々な材料を当該腸溶層又はコーティングに使用することが可能であり、当該材料は、いくつかのポリマー酸、並びにポリマー酸とシェラック、セチルアルコール及び酢酸セルロースのような材料との混合物を含む。
本発明の組成物を経口投与又は注射によって導入できる液体剤形は、水溶液、好適に香りを付けたシロップ剤、水性又は油性懸濁物、綿実油、ゴマ油、ヤシ油又は落花生油などの許容し得る油、或いは静脈内用途に好適な可溶化剤又は乳化剤、並びにエリキシル及び同様の医薬媒体を有する乳剤を含む。水性懸濁物のための好適な分散剤又は懸濁剤は、トラガカント、アカシアなどの合成及び天然ゴム、アルギン酸塩、デキストラン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はゼラチンを含む。
【0091】
吸入又は注入用組成物は、医薬として許容し得る水性若しくは有機溶媒又はそれらの混合物による溶液及び懸濁物、並びに粉末を含む。液体又は固体組成物は、上記の医薬として許容し得る好適な賦形剤を含有することができる。好ましくは、組成物を局部又は全身効果のために経口又は鼻呼吸経路によって投与する。好ましくは無菌の医薬として許容し得る溶媒における組成物を不活性ガスの使用によって噴霧することができる。噴霧溶液を噴霧器から直接吹きつけてもよいし、噴霧器をマスク、テント又は断続正圧呼吸器に取りつけてもよい。溶液組成物、懸濁物組成物又は粉末組成物を、製剤を適切な方法で送達するデバイスから好ましくは経口又は経鼻投与することができる。
上記の臨床的状態及び疾患を治療するために、本発明の化合物を、従来の無毒性の医薬として許容し得る担体、補助剤及び媒体を含む単位投与製剤で、経口投与、局部投与、吸入噴霧による投与又は直腸投与することができる。非経口という用語は、本明細書に用いられているように、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、胸骨内注射又は注入技術を含む。
以下の実施例は、本発明を例示する目的で示されるものであって、本発明の範囲又は主旨を限定するためのものではない。
【0092】
以上及び以下に具体的に開示されているものを含む本発明の化合物を、以下のスキームに記載されているように調製することができる。例えば、式Iの化合物を、以下のスキーム1、2及び3に記載されているように調製することができ、該スキームは、それらの断片及び組合せを製造する当業者に知られている。
【化93】

上記スキームにおいて、R1の定義は、発明の要旨に定められている通りであり、R2は、置換アリール又は置換ヘテロアリールである。
【0093】
【化94】

上記スキームにおいて、R1及びpの定義は、発明の要旨に定められている通りであり、R2は、置換アリール又は置換ヘテロアリールである。
【0094】
【化95】

上記スキームにおいて、R1及びpの定義は、発明の要旨に定められている通りであり、R2は、置換アリール又は置換ヘテロアリールである。
【実施例】
【0095】
(化合物1)
1-(4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸
4-(3-(2-クロロエチル)ウレイド)安息香酸メチル(スキーム1の工程1):
【化96】

4-アミノ安息香酸メチル(6.05g、40mmol)を乾燥トルエン(100ml)に溶解させた溶液に対して2クロロエチルイソシアネート(4.65g、44mmol)を添加した。混合物を40℃で12時間撹拌した。室温まで冷却した後、固体を濾過によって回収し、トルエン、水で洗浄し、空気中で乾燥させて、白色固体として4-(3-(2-クロロエチル)ウレイド)安息香酸メチル(8.72g、85%)を得て、さらに精製せずに次の工程に使用した。
【0096】
4-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル(スキーム1の工程2):
【化97】

次いで、4-(3-(2-クロロエチル)ウレイド)安息香酸メチル(8.5g、33.1mmol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(80ml)中でK2CO3(2.3g、16.7mmol)とともに室温で12時間撹拌した。固体を濾別し、真空中で溶媒を除去した。粗製物をジクロロメタンに溶解させ、ISCO系(ジクロロメタン中30%EtOAc)で精製して、白色結晶として純粋の生成物(5.48g、75%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.00 (d, 2H), 7.62 (d, 2H), 4.90 (br s, 1H), 3.97 (dd, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.60 (dd, 2H). MS(ESI)m/z:計算値:220.08;実測値:221.10(M++1).
【0097】
4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル(スキーム1の工程3):
【化98】

4-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル(220mg、1.0mmol)を、ヨード-1-tert-ブチル-4-ヨードベンゼン(260mg、1.0mmol)、CuI(38mg、0.2mmol)、K3PO4(426mg、2mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(17mg、0.2mmol)及び1,4-ジオキサン(5ml)と混合した。混合物を12時間撹拌しながら110℃で加熱し、真空中で溶媒を除去した。残渣をジクロロメタンに懸濁させ、ISCO系(ジクロロメタン中5%メタノール)で精製して、白色結晶として純粋の生成物(275mg、78%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.05 (dd, 2H), 7.70 (dd, 2H), 7.36 (dd, 2H), 7.20 (dd, 2H), 4.02 (s, 4H), 3.90 (s, 3H), 1.30 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:352.18;実測値:353.10(M++1).
【0098】
1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン(スキーム1の工程4):
【化99】

4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル(270mg、0.77mmol)をジクロロメタン(50ml)に溶解させた-78℃の溶液を、1.0MのDIBALのジクロロメタン溶液で処理した。得られた溶液を低温で2時間撹拌し、次いでmlの飽和ロッシェル塩溶液で急冷した。混合物を100mlのジクロロメタンと50mlの1N NaOHとの間で分離させた。有機層を分離し、乾燥させ、濃縮した。残渣をジクロロメタンに懸濁させ、ISCO系(シクロロメタン中5%メタノール)で精製して、白色結晶として純粋の生成物(113mg、35%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.60 (d, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.10 (m, 4H), 4.64 (s, 2H), 4.00 (s, 4H), 1.58 (s, 9H).
【0099】
4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンズアルデヒド(スキーム1の工程5):
【化100】

1-(4-tert-ブチルフェニル)-3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン(100mg、0.31mmol)、4-メチルモルホリンN-酸化物(72mg、0.62mmol)及び4A分子篩(100mg)を10mlのアセトニトリルに含めた混合物を過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムで処理し、得られた混合物を室温で3時間撹拌した。固体を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をISCO系(ジクロロメタン中2%メタノール)で精製して、白色結晶として純粋の生成物(72mg、73%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.93 (s, 1H), 7.81 (d, 2H), 7.79 (d, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.40 (d, 2H), 4.03 (s, 4H), 1.33 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:322.17;実測値:323.1(M++1).
【0100】
1-(4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム1の工程6)
【化101】

4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンズアルデヒド(32mg、0.1mmol)、酢酸(50μl)及びアゼチジン-3-カルボン酸(13mg、0.13mmol)をジクロロメタン/MeOH(1:1、5mL)に含めた混合物を室温で1時間撹拌した。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(3.5mg、0.05mmol)を添加し、該反応混合物を室温で6時間撹拌した。溶媒を減圧下で濃縮した後、得られた残渣をジメチルスルホキシドに溶解させ、濾過し、逆相分取HPLC(フェノメネックス逆相Luna 5u C18(2)カラム、内径60×21.2mm、移動相:A=0.05%のTFA水溶液;B=0.05%のTFAアセトニトリル溶液。流量を10〜12mL/分とした)で精製して、表題の生成物4mg(10%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDOD3) δ 7.72 (d, 2H), 7.51-7.40 (m, 6H), 4.33 (s, 2H), 4.28 (m, 4H), 4.02 (s, 4H), 3.64 (m, 1H), 1.32 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:407.22;実測値:408.00(M++1).
【0101】
(化合物2)
1-(4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム2):
4-(3-(4-tert-ブチルベンジル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
【化102】

4-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル(440mg、2.0mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解させた0℃の溶液に対して、水素化ナトリウム(油中96mg-60%、2.4mmol)を添加した。得られた混合物を1時間撹拌した後、1-(ブロモメチル)-4-tert-ブチルベンゼン(545mg、2.4mmol)を添加した。室温で24時間撹拌した後、混合物を1mlの水で急冷し、減圧下で溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(50ml)で希釈し、水(50ml)及び食塩水(50ml)で洗浄した。溶媒を除去して残渣を得て、それをISCO系(ジクロロメタン中1%メタノール)で精製して、白色固体として純粋の生成物(593mg、81%)を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.25 (d, 2H), 7.68 (d, 2H), 7.36 (d, 2H), 7.23 (d, 2H), 4.46 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.83 (dd, 2H), 3.43 (dd, 2H), 1.31 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:366.19;実測値:367.1(M++1).
【0102】
1-(4-tert-ブチルベンジル)-3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン:
【化103】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程4)のように調製した(収率62%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.59 (d, 2H), 7.38 (m, 4H), 7.24 (d, 2H), 4.65 (s, 2H), 4.44 (s, 2H), 3.81 (dd, 2H), 3.39 (dd, 2H), 1.32 (s, 9H).
【0103】
4-(3-(4-tert-ブチルベンジル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンズアルデヒド:
【化104】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程5)のように調製した(収率65%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 7.88 (d, 2H), 7.78 (d, 2H), 7.39 (d, 2H), 7.24 (d, 2H), 4.47 (s, 2H), 3.88 (dd, 2H), 3.45 (dd, 2H), 1.32 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:366.18;実測値:337.1(M++1).
【0104】
1-(4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸:
【化105】

上記の化合物1(工程6)と類似の手順を用いて表題の化合物を調製した(収率28%)。1H NMR (400 MHz, CDOD3) δ 7.68 (d, 2H), 7.40 (m, 4H), 7.22 (d, 2H), 4.42 (s, 2H), 4.38 (s, 2H), 4.30 (m, 4H), 3.82 (dd, 2H), 3.60 (m, 1H), 3.42 (dd, 2H), 1.31 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:421.24;実測値:421.90(M++1).
【0105】
(化合物3)
1-(4-(3-(4-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム1)
4-(3-(4-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
【化106】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程3)のように調製した(収率64%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.06 (d, 2H), 7.70 (d, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.21 (d, 2H), 4.00 (s, 4H), 3.91 (s, 3H) 2.62 (t, 2H), 1.56 (m, 2H), 1.34 (m, 2H), 0.94 (t, 3H). MS(ESI)m/z:計算値:352.18;実測値:353.20(M++1).
【0106】
1-(4-ブチルフェニル)-3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン:
【化107】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程4)のように調製した(収率72%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.60 (d, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.38 (d, 2H), 7.20 (d, 2H), 4.62 (s, 2H), 4.00 (s, 4H), 2.60 (t, 2H), 1.60 (m, 2H), 1.38 (m, 2H), 0.90 (t, 3H). MS(ESI)m/z:計算値:324.18;実測値:325.2(M++1).
【0107】
4-(3-(4-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンズアルデヒド:
【化108】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程5)のように調製した(収率70%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.65 (s, 1H), 7.90 (d, 2H), 7.87 (d, 2H), 7.49 (d, 2H), 7.21 (d, 2H), 4.01 (s, 4H), 2.61 (t, 2H), 1.59 (m, 2H), 1.38 (m, 2H), 0.92 (t, 3H). MS(ESI)m/z:計算値:322.17;実測値:323.2(M++1).
【0108】
1-(4-(3-(4-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸:
【化109】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程6)のように調製した(収率23%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.72 (d, 2H), 7.47 (m, 4H), 7.18 (d, 2H), 4.36 (s, 2H), 4.27 (m, 4H), 4.02 (s, 4H), 3.63 (m, 1H), 2.60 (dd, 2H), 1.59 (m, 2H), 1.34 (m, 2H), 0.94 (t, 3H). MS(ESI)m/z:計算値:407.22;実測値:408.10(M++1).
【0109】
(化合物4)
1-(4-(3-(3-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム1)
4-(3-(3-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
【化110】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程3)のように調製した(収率57%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.06 (d, 2H), 7.74 (m, 3H), 7.31 (m, 2H), 7.18 (d, 2H), 4.02 (s, 4H), 3.91 (s, 3H), 1.34 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:352.18;実測値:353.10(M++1).
【0110】
1-(3-tert-ブチルフェニル)-3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン:
【化111】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程4)のように調製した(収率76%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.76 (s, 1H), 7.60 (d, 2H), 7.38 (d, 2H), 7.31 (m, 2H), 7.15 (d, 1H), 4.68 (s, 2H), 4.00 (s, 4H), 1.34 (s, 9H).
【0111】
4-(3-(3-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンズアルデヒド:
【化112】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程5)のように調製した(収率78%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.95 (s, 1H), 7.90 (d, 2H), 7.80 (d, 2H), 7.75 (s, 1H), 7.35 (m, 2H), 7.19 (dd, 1H), 4.04 (s, 4H), 1.34 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:322.17;実測値:323.1(M++1).
【0112】
1-(4-(3-(3-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸:
【化113】

上記の化合物1(工程6)と類似の手順を用いて表題の化合物を調製した(収率6%)。1H NMR (400 MHz, CDOD3) δ 7.73 (m, 3H), 7.46 (d, 2H), 7.30 (m, 2H), 7.18 (m, 1H), 4.37 (s, 2H), 4.29 (m, 4H), 4.04 (s, 4H), 3.60 (m, 1H), 1.37 (s, 9H). MS(ESI)m/z:計算値:407.22;実測値:407.90(M++1).
【0113】
(化合物5)
1-(4-(2-オキソ-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム1)
4-(2-オキソ-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
【化114】

上記の化合物1(工程3)と類似の手順を用いて表題の化合物を調製した(収率58%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.08 (d, 2H), 8.05 (d, 2H), 7.71 (d, 2H), 7.52 (dd, 1H), 738 (d, 1H), 4.06 (s, 4H), 3.92 (s, 3H). MS(ESI)m/z:計算値:364.10;実測値:365.1(M++1).
【0114】
1-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン:
【化115】

上記の化合物1(工程4)と類似の手順を用いて表題の化合物を調製した(収率67%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.87 (m, 2H), 7.61 (d, 2H), 7.51 (dd, 1H), 7.41 (m, 3H), 4.70 (d, 2H), 4.03 (s, 4H).
【0115】
4-(2-オキソ-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンズアルデヒド:
【化116】

上記の化合物1(工程5)と類似の手順を用いて表題の化合物を調製した(収率76%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.91 (s, 1H), 7.79-7.93 (m, 6H), 754 (dd, 1H), 7.40 (d, 1H), 4.09 (s, 4H). MS(ESI)m/z:計算値:334.09;実測値:335.1(M++1).
【0116】
1-(4-(2-オキソ-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸
【化117】

上記の化合物1(工程6)と類似の手順を用いて表題の化合物を調製した。1H NMR (400 MHz, CDOD3) δ 8.13 (S, 1H), 7.66 (m, 3H), 7.57 (dd, 1H), 7.48 (dd, 2H), 7.39 (d, 1H), 4.38 (s, 2H), 4.29 (m, 4H), 3.90 (s, 4H), 3.65 (m, 1H). MS(ESI)m/z:計算値:419.15;実測値:419.90(M++1).
【0117】
(化合物6)
1-(4-(3-(4-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸
【化118】

(スキーム1)
4-(3-(4-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
マイクロ波反応管の中で、4-(2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル(389mg、1.76mmol)を、1-ベンジル-4-ヨードベンゼン(473mg、1.60mmol)、CuI(77mg、0.40mmol)、K3PO4(685mg、3.21mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(42mg、0.40mmol)、NMP(12mL)及びDMF(3mL)と混合した。混合物をマイクロ波放射下(Personal Chemistry Emrys(商標)Optimizerマイクロ波反応器)で100℃にて60分間加熱した。反応が完了すると、固体を濾別した。次いで、透明な濾液をMeOHで処理して、純粋の生成物として4-(3-(4-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチルを析出させた(収率44%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.04 (d, J = 9.2, 2H), 7.68 (d, J = 8.8, 2H), 7.50 (d, J = 8.4, 2H), 7.31-7.18 (m, 7H), 4.00-3.97 (m, 6H), 3.90 (s, 3H). MS(ESI)m/z:計算値:386.44;実測値:387.3(M++1).
【0118】
1-(4-ベンジルフェニル)-3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン:
【化119】

表題の化合物を上記の一般的方法で化合物1(スキーム1の工程4)のように調製した(収率56%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.60 (d, J = 9.0, 2H), 7.52 (d, J = 9.0, 2H), 7.38 (d, J = 8.6, 2H), 7.31-7.18 (m, 7H), 4.68 (d, J = 5.9, 2H), 3.98 (br s, 6H). MS(ESI)m/z:計算値:358.43;実測値:359.2(M++1).
【0119】
4-(3-(4-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリン-1-イル)ベンズアルデヒド:
【化120】

表題の化合物を上記の一般的方法で化合物1(スキーム1の工程5)のように調製した(収率67%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.92 (s, 1H), 7.88 (br d, J = 8.0, 2H), 7.78 (br d, J = 7.4, 2H), 7.50 (br d, J = 8.2, 2H), 7.31-7.18 (m, 7H), 3.98 (br s, 6H). MS(ESI)m/z:計算値:356.42;実測値:357.2(M++1).
【0120】
1-(4-(3-(4-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸:
【化121】

表題の化合物を上記の一般的方法で化合物1(工程6)のように調製した(収率%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.04 (d, 2H), 7.68 (d, 2H), 7.50 (d, 2H), 7.35-7.18 (m, 7H), 3.98 (m, 4H), 3.90-3.80 (m, 8H), 3.61 (m, 1H),. MS(ESI)m/z:計算値:441.21;実測値:442.00(M++1).
【0121】
(化合物7)
1-(4-(3-(ビフェニル-4-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム1)
4-(3-(ビフェニル-4-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
【化122】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程3)のように調製した(収率73%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.74-7.21 (m, 13H), 3.95 (s, 4H), 3.90 (s, 3H). MS(ESI)m/z:計算値:372.15;実測値:372.9(M++1).
【0122】
1-(ビフェニル-4-イル)-3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリン-2-オン:
【化123】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程4)のように調製した(収率40%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.62 (d, 2H), 7.42-7.23 (m, 7H), 7.06 (d, 4H), 4.62 (s, 2H), 3.84 (m, 4H). MS(ESI)m/z:計算値:344.15;実測値:344.9(M++1).
【0123】
4-(3-(ビフェニル-4-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンズアルデヒド:
【化124】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程5)のように調製した(収率62%)。1H NMR (400 MHz CDCl3) δ 10.00 (s, 1H), 7.77 (d, 2H), 7.69-7.43 (m, 9H), 7.36 (d, 2H), 4.02 (s, 4H). MS(ESI)m/z:計算値:342.14;実測値:343.1(M++1).
【0124】
1-(4-(3-(ビフェニル-4-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸
【化125】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程6)のように調製した(収率5%)。
MS(ESI)m/z:計算値:427.19;実測値:427.9(M++1).
【0125】
(化合物8)
1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム3)
4-(3-(3-ブロモフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル及び4-(3-(3-ヨードフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
【化126】

表題の化合物を、さらに分離することなく混合物として、上記の化合物1(工程3)と類似した手順を用いて調製した(収率48%)。
【0126】
4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
【化127】

4-(3-(3-ブロモフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸エチルと4-(3-(3-ヨードフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチルの混合物(190mg、〜0.5mmol)を、マイクロ波反応管の中で、リーケ試薬(0.5M、1.5mmol)のテトラヒドロフラン(THF)溶液に溶解させた。Pd(PtBu3)2(13mg、0.03mmol)をこの溶液に添加した。該混合物をN2ガスで3〜5分間パージし、マイクロ波放射下(Personal Chemistry Emrys(商標)Optimizerマイクロ波反応器)で100℃にて30分間加熱した。反応が完了すると、反応混合物を酢酸エチル、食塩水で希釈し、セライトで濾過した。濾液をNa2SO4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ISCO系、1%MeOH/ジクロロメタン)で精製して、純粋の生成物を得た(155mg、収率81%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.95 (m, 2H), 7.78 (m, 2H), 7.55 (s, 1H), 7.38 (dd, 1H), 7.28 (dd, 1H), 6.95 (d, 1H), 4.00 (s, 4H), 3.81 (s, 3H), 2.45 (m, 1H, DMSO-d6のピークに隠れている), 1.67-1.79 (m, 5H), 1.21-1.45 (m, 5H). MS(ESI)m/z:計算値:378.19;実測値:379.2(M++1).
【0127】
1-(3-シクロヘキシルフェニル)-3-(4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン:
【化128】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程4)のように調製した(収率71%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.59 (m, 3H), 7.37 (d, 1H), 7.22-7.29 (m, 3H), 6.92 (d, 1H), 5.13 (dd, 1H), 4.45 (d, 2H), 3.94 (s, 4H), 2.45 (m, 1H, DMSO-d6のピークに隠れている), 1.67-1.79 (m, 5H), 1.20-1.45 (m, 5H).
【0128】
4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンズアルデヒド:
【化129】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程5)のように調製した(収率65%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.91 (s, 1H), 7.88 (d, 2H), 7.79 (d, 2H), 7.56 (s, 1H), 7.28 (m, 2H), 6.99 (d, 1H), 4.02 (s, 4H), 2.53 (m, 1H), 1.66-1.90 (m, 5H), 1.23-1.49 (m, 5H). MS(ESI)m/z:計算値:348.18;実測値:349.3(M++1).
【0129】
1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸:
【化130】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程6)のように調製した(収率15%)。1H NMR (400 MHz, CDOD3) δ 7.75 (d, 2H), 7.49 (m, 3H), 7.36 (d, 1H), 7.28 (dd, 1H), 7.00 (d, 1H), 4.37 (s, 2H), 4.31 (m, 4H), 4.00 (s, 4H), 3.68 (m, 1H), 2.53 (m, 1H), 1.76-1.87 (m, 5H), 1.32-1.50 (m, 5H). MS(ESI)m/z:計算値:433.24;実測値:433.90(M++1).
【0130】
(化合物9)
1-(4-(3-(3-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム3)
3-フルオロ-4-(2-オキソイミダゾリン-1-イル)安息香酸メチル:
【化131】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程1)のように調製した(収率57%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.78 (m, 3H), 4.06 (dd, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.61 (dd, 2H).
【0131】
4-(3-(3-ブロモフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロ安息香酸メチル及び3-フルオロ-4-(3-(3-ヨードフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)安息香酸メチル:
【化132】

表題の化合物を、さらに分離することなく混合物として、上記の化合物1(工程3)と類似した手順を用いて調製した(収率60%)。
【0132】
4-(3-(3-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロ安息香酸メチル:
【化133】

表題の化合物を上記の実施例の化合物7(工程2)のように調製した(収率63%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.80 (m, 2H), 7.50 (s, 1H), 7.17-7.40 (m, 8H), 6.95 (d, 1H), 4.10 (m, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.90 (m, 2H), 3.85 (s, 3H). MS(ESI)m/z:計算値:404.15;実測値:405.3(M++1).
【0133】
1-(3-ベンジルフェニル)-3-(2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン:
【化134】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程4)のように調製した(収率68%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52 (dd, 2H), 7.41 (d, 1H), 7.29 (m, 3H), 7.11-7.21 (m, 5H), 6.92 (d, 1H), 4.67 (d, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.96 (s, 4H). MS(ESI)m/z:計算値:376.16;実測値:377.2(M++1).
【0134】
4-(3-(3-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリン-1-イル)-3-フルオロベンズアルデヒド:
【化135】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程5)のように調製した(収率69%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 7.94 (dd, 1H), 7.66 (m, 2H), 7.49 (s, 1H), 7.40 (d, 1H), 7.29 (m, 3H), 7.21 (m, 3H), 6.96 (d, 1H), 4.11 (m, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.96 (m, 2H). MS(ESI)m/z:計算値:374.41;実測値:375.1(M++1).
【0135】
1-(4-(3-(3-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸:
【化136】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程6)のように調製した(収率38%)。1H NMR (400 MHz, CDOD3) δ 7.66 (dd, 1H), 7.48 (s, 1H), 7.14-7.41 (m, 9H), 6.97 (d, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.35 (m, 4H), 4.04 (s, 4H), 3.97 (s, 2H), 3.70 (m, 1H). MS(ESI)m/z:計算値:495.51;実測値:460.0(M++1).
【0136】
(化合物10)
1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸(スキーム3)
4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロ安息香酸メチル:
【化137】

表題の化合物を上記の実施例の化合物7(工程2)のように調製した(収率84%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.80 (m, 3H), 7.58 (s, 1H), 7.30 (m, 2H), 6.98 (s, 1H), 4.10 (m, 2H), 4.05 (m, 2H), 3.92 (s, 3H), 2.60 (m, 1H), 1.25-1.85 (m, 10H). MS(ESI)m/z:計算値:396.18;実測値:397.3(M++1).
【0137】
1-(3-シクロヘキシルフェニル)-3-(2-フルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル)イミダゾリジン-2-オン:
【化138】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程4)のように調製した(収率40%)。MS(ESI)m/z:計算値:368.19;実測値:369.3(M++1).
【0138】
4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンズアルデヒド:
【化139】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程5)のように調製した(収率53%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.90 (s, 1H), 7.99 (dd, 1H), 7.70 (m, 2H), 7.63 (s, 1H), 7.29 (m, 2H), 6.99 (m, 1H), 4.13 (m, 2H), 4.03 (m, 2H), 2.53 (m, 1H), 1.72-1.90 (m, 5H)., 1.23-1.50 (m, 5H). MS(ESI)m/z:計算値:366.17;実測値:367.2(M++1).
【0139】
1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸
【化140】

表題の化合物を上記の実施例の化合物1(工程6)のように調製した(収率35%)。1H NMR (400 MHz, CDOD3) δ 7.67 (d, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.37 (m, 4H), 7.27 (dd, 1H), 7.00 (d, 1H), 4.42 (s, 2H), 4.35 (m, 4H), 4.07 (s, 4H), 3.68 (m, 1H), 2.52 (m, 1H), 1.74-1.88 (m, 5H), 1.28-1.52 (m, 5H). MS(ESI)m/z:計算値:451.23;実測値:452.1(M++1).
【0140】
(均等物)
当業者は、単に慣例の実験を用いて、本明細書に記載されている具体的な手順の多くの均等物を認識する、又は確認することができるであろう。当該均等物は、本発明の範囲内に含まれると見なされる。本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、様々な代用、変更及び改造を本発明に加えることができる。他の態様、利点及び改造も本発明の範囲に含まれる。本出願の全体を通じて引用されているすべての参考文献、公布特許及び公開特許出願は、参照により本明細書に組み込まれている。それらの特許、出願及び他の文献の適切な構成要素、プロセス及び方法を、本発明及びその実施形態に合わせて選択することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

を有する化合物、又はその医薬として許容し得る塩
(式中、
p及びqは、独立に、0、1、2、3又は4であり;
Zは、O、NR2、S、S(O)、S(O)2、S(O)2NR2、(CR3R4)n、C=O、C=S、C=N-R2又は直接結合であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
R1は、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールであり;
R2は、水素、ヒドロキシル、S(O)2、C=O、C=S、C=NH、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、ハロ置換C1〜C6アルキル、ハロ置換C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールであり;
R3及びR4は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、ハロ置換C1〜C6アルキル、ハロ置換C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールであり;或いはR3及びR4は、一緒になって、C=Oを形成してもよく;
Xは、WC(O)OR5a、WP(O)R5bR5c、WS(O)2OH、WS(O)2NH2、WCONHSO3H又は1H-テトラゾール-5-イルであり;
Wは、直接結合、O、又はハロ、ヒドロキシル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ基、C1〜C4アルコキシ又はCO2Hの1種以上で場合によって置換されたC1〜C4アルキレンであり;
R5aは、水素又はC1〜C4アルキルであり;
R5b及びR5cは、独立に、水素、ヒドロキシル、C1〜C4アルキル、又はハロ置換C1〜C4アルキルであり;
Yは、結合、又は
【化2】

であり;
Qは、直接結合、C=O、C=S、SO2、C(O)NR9、又は(CR9R10)mであり;
mは、0、1、2又は3であり;
R6及びR7は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルキルチオ、C1〜C5アルコキシ、ハロ置換C1〜C6アルキル又はハロ置換C1〜C5アルコキシであり;或いはR6及びR7は、それらが結合している原子と一緒になって4から7員環を形成してもよく、或いはR6は、環Aに結合された前記アルキレン基のオメガ末端を有するアルキレン基であり;
R8は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルキルチオ、C1〜C5アルコキシ、ハロ置換C1〜C6アルキル又はハロ置換C1〜C5アルコキシであり;
R9及びR10は、独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、C1〜C5アルキルチオ、ハロ置換C1〜C6アルキル、ハロ置換C1〜C5アルコキシ、又は-CO2R5aであり;
Aはアリール又はヘテロアリールであり、いずれもハロ、ヒドロキシル、シアノ、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルキルチオ、C1〜C5アルコキシ、ハロ置換C1〜C6アルキル、及び又はハロ置換C1〜C5アルコキシからなる群から選択される1、2又は3個の置換基で場合によって置換されていてもよく;
Bは、式:
【化3】

を有し、
式中、星印は、式Iにおける結合点を示し;
nは1又は2であり;
Uは、CH2、C(H)CH3、C(CH3)2、C(H)(CF3)、C(CF3)2、又はC(=O)であり;及び
Vは、C(=O)、C(=S)、S、S(=O)又はS(=O)2である)。
【請求項2】
Aがアリール又はヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Zが(CR3R4)nである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R1が、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
XがWC(O)OR5aである、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
Yが、
【化4】

であり、Qが(CR9R10)mであり、かつR6及びR7が、それらが結合している原子と一緒になって4から7員環を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
Yが、
【化5】

であり、Qが(CR9R10)mであり、かつR6及びR7が、それらが結合している原子と一緒になって4から7員環を形成する、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
VがC(=O)であり、Aがアリール又はヘテロアリールであり、かつZが(CR3R4)nである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
VがC(=O)であり;Aがアリール又はヘテロアリールであり、かつZが(CR3R4)nであり、R1が、C1〜C6アルキル、C3〜C6シクロアルキル、C1〜C5アルコキシ、アリール又はヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
式II:
【化6】

で表される、請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩
(式中、
A1は、H、C1〜C8アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、-OR2、-SR2、-S(O)R2、-S(O)2R2;-C(O)R2、-CO2R2;又は-C(R3)2R2であり;
A2は、
【化7】

であり;
A3は、
【化8】

であり、その各々は、ハロゲン、トリフルオロメチル又はアルコキシで場合によって置換されていてもよく;
p及びqは、独立に、0、1、2、3又は4を表し;
Zは、(CR3R4)n、C(O)、又は直接結合であり;
nは、1、2、3又は4であり;
R1は、H又はC1〜C6アルキルであり;
R2は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、又はアラルキルであり;
R3及びR4は、独立に、出現するごとに、水素、ハロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、C1〜C5アルコキシ、又はアリールを表し;
Xは、WC(O)OR5又はWS(O)2NH2であり;
R5は、水素又はC1〜C4アルキルであり;
Wは、直接結合、酸素又はC1〜C4アルキレンであり;
Yは結合、又は
【化9】

であり;
Qは、直接結合、C=O又は(CR9R10)mであり;
mは、1、2又は3であり;
R6及びR7は、それぞれ独立に、水素、ハロ、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル又はC1〜C5アルコキシを表し;或いはR6及びR7は、それらが結合している原子と一緒になって4から7員環を形成してもよく;
R8は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、C1〜C6アルキル又はC1〜C5アルコキシであり;及び
R9及びR10は、それぞれ独立に、水素、ハロ、C1〜C6アルキル、又は-CO2R5を表す)。
【請求項11】
A2が、
【化10】

であり、
A3が、
【化11】

であり、
Yが、
【化12】

である、請求項10記載の化合物。
【請求項12】
前記医薬として許容し得る塩が、塩酸塩、マレイン酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩からなる群から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
1-(4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、1-(4-(3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、1-(4-(3-(4-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、1-(4-(3-(3-tert-ブチルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、1-(4-(2-オキソ-3-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)イミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、1-(4-(3-(4-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、1-(4-(3-(ビフェニル-4-イル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)ベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、1-(4-(3-(3-ベンジルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸、及び1-(4-(3-(3-シクロヘキシルフェニル)-2-オキソイミダゾリジン-1-イル)-3-フルオロベンジル)アゼチジン-3-カルボン酸からなる群から選択される、請求項1記載の化合物、又はその医薬として許容し得る塩。
【請求項14】
S1P受容体アンタゴニストである、請求項1記載の化合物。
【請求項15】
S1P受容体アゴニストである、請求項1記載の化合物。
【請求項16】
S1P受容体部分アゴニストである、請求項1記載の化合物。
【請求項17】
S1P受容体逆アゴニストである、請求項1記載の化合物。
【請求項18】
請求項1記載の化合物及び医薬として許容し得る担体を含む医薬組成物。
【請求項19】
S1P-1受容体媒介状態を治療する方法であって、それを必要とする患者に対して、該状態を治療するのに有効な量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項20】
前記S1P-1受容体媒介状態が、移植片拒絶、移植片拒絶、癌、自己免疫疾患、炎症性疾患、リウマチ性関節炎、狼瘡、インスリン依存性糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、多発性硬化症、乾癬、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、並びに急性及び慢性リンパ性白血病及びリンパ腫からなる群から選択される、請求項19記載の方法。

【公表番号】特表2009−530389(P2009−530389A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501545(P2009−501545)
【出願日】平成19年3月21日(2007.3.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/007037
【国際公開番号】WO2007/109330
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(507249030)エピックス デラウェア, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】