説明

SECAM信号処理方法及びSECAM信号処理装置

【課題】SECAM映像信号に含まれる色差信号が図13に示すような信号である場合においても良い画質効果を得る。
【解決手段】色復調部は、SECAM映像信号に含まれる搬送色差信号を復調し、各ラインについて、2種の色差信号DBとDRのいずれかの信号を得る。同時化部130は、色復調部から供給された注目ラインnの信号DRi(n)に対して、該信号DRi(n)の2ライン後の信号DRi(n+2)との類似度を示しうる第1の指標値と、該信号DRi(n)の2ライン前の信号DRi(n−2)との類似度を示しうる第2の指標値とを夫々求める。そして、第1の指標値と第2の指標値の大小関係に基づいて、1ライン後の信号DBi(n+1)と1ライン前の信号DBi(n−1)のいずれか1つの選択をして、注目ラインnの不足している信号DBo(n)として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SECAM方式の映像信号に対して色差信号を補完する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アナログのカラ−テレビ放送に関して、NTSC、PAL、SECAMなど、国や地域によって異なる方式が採用されており、これらの方式の映像信号の受信側の処理について、様々な視点からの技術が提案されている(特許文献1〜7)。
【0003】
SECAM方式では、2つの色差信号(R−Y)と(B−Y)にそれぞれ所定の係数を乗じて色差信号DR、DBとし、互いに異なる周波数の2つの色副搬送波で伝送する。これらの2つの色副搬送波は、色差信号DRまたはDBによって変調される。以下において、2つの色副搬送波を色差信号によって周波数変調して得られる2つの変調信号をクロマ信号Cという。また、色差信号DRに対応するクロマ信号Cを搬送色差信号DRcといい、色差信号DBに対応するクロマ信号Cを搬送色差信号DBcという。なお、SECAM方式はコンポジット方式であるから、搬送色差信号DRc及びDBcは、輝度信号Yと多重された後にコンポジット映像信号として伝送される。
【0004】
SECAM方式では、搬送色差信号DRc及びDBcが、線順次方式により、1ライン毎に交互に伝送される。すなわち、1つのラインについて、搬送色差信号DRcと搬送色差信号DBcは、いずれか一方しか存在しない。そのため、色復調した後にも、1つのラインについて、色差信号DRと色差信号DBは、いずれか一方しか存在しない。従って、SECAM方式の映像信号(以下SECAM映像信号という)の受信装置において、各ラインについて、存在しない側の色差信号を補完する処理が必要である。この処理は、「同時化処理」と呼ばれる。
【0005】
同時化処理について、例えば、1ライン前(すなわち1ライン上)の色差信号をそのまま、注目ラインで不足している色差信号として使用する手法や、注目ラインと上下にそれぞれ隣接する2ラインの色差信号の平均値によって、注目ラインで不足している色差信号を補完する手法が知られている。
【0006】
しかし、上述した手法では、色差信号の垂直解像度の低下が生じてしまうという問題がある。これを改良するための技術として、特許文献1には、色差信号の垂直方向の相関の大きさに応じて上下ラインの色差信号の混合比を決定し、当該混合比で混合された色差信号を、注目ラインで不足している色差信号として用いる手法が開示されている。
【0007】
ここで、注目ライン(ラインnとする)について、色差信号DR(n)があり、色差信号DB(n)を補完する必要がある場合を例にして、特許文献1に開示された手法の概要を説明する。なお、特許文献1には、上述した色差信号DRとDBを夫々CrとCbで表記しているが、SECAM信号について、処理途中の色差信号をDBとDRで表記するのが一般的であるため、特許文献1に対する以下の説明でも、処理途中の色差信号をDRとDBで表記する。
【0008】
この手法は、まず、注目ライン(ラインnとする)の色差信号DR(n)と、2ライン後の色差信号DR(n+2)との類似度(第2の相関値)、及び、色差信号DR(n)と、2ライン前の色差信号DR(n−2)との類似度(第3の相関値)を求める。そして、第2の相関値に対する第3の相関値の相対的な大きさに応じて、注目ラインの1ライン後の色差信号DB(n+1)と1ライン前の色差信号DB(n−1)との混合比率を決定し、決定された混合比率で色差信号DB(n+1)とDB(n−1)を混合する。これにより得られた信号は、注目ラインの色差信号DB(n)となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−034832号公報
【特許文献2】特開2006−108779号公報
【特許文献3】特開平06−054338号公報
【特許文献4】特開2002−058043号公報
【特許文献5】特開平08−265791号公報
【特許文献6】特開2005−252483号公報
【特許文献7】特開2002−185975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここで、図13に示すような静止した画像の信号に対して同時化処理を行う場合を考える。図13において、「入力信号」とは、受信したSECAM映像信号を色復調して得た色差信号(DRまたはDB)を示し、ライン番号は、フレーム毎の伝送順である。また、入力信号の値を示す欄において、値の前における網状の矩形(「青色データ」と注釈記載)は、該値が青色の色差値であることを示し、値の後ろにおける斜線の矩形(「赤色データ」と注釈記載)は、該値が赤色の色差値であることを示す。また、各色差信号の値に付された「i」は、入力(input)値であることを示す。これらについて、以下の各図面においても同様である。なお、図13において、青色データまたは赤色データの値は、色の濃さによって必ずしも同一とは限らない。
【0011】
SECAM方式では、水平方向の走査線数が625本である。すなわち、1フレームにつき625ラインがある。また、1つのフレームは、奇数ラインで構成されたフィールドと、偶数ラインで構成されたフィールドとに分けられ、フィールド毎に伝送される。そのため、ラインの伝送順は、フレームにおけるラインの垂直方向における位置順とは異なる。本明細書においては、ラインの番号をフレーム毎の伝送順で表している。従って、奇数フィールドのラインの番号は、1〜313の範囲内の値になり、偶数フィールドのラインの番号は、314〜625の範囲内の値になる。
【0012】
図13に示す例では、第1のフィールドと第3のフィールドにおいて、ライン(n+2)までは青色であり、ライン(n+3)以降は赤色である。また、第2のフィールと第4のフィールドにおいて、ライン(n+315)までは青色であり、ライン(n+316)以降は赤色である。
【0013】
図13に示す信号の同期化処理に際して、1ライン前の色差信号をそのまま、注目ラインで不足している色差信号として使用する手法を用いると、同時化処理後の信号は、図14に示すようになる。図14において、「出力信号」とは、同時化処理後の色差信号を意味し、元々存在する色差信号と、補完により得られた色差信号を含む。なお、図14及び以下の説明において、上記「出力信号」を「出力色差信号」ともいい、「DRo」と「DBo」で表記する。
【0014】
図14に示すように、この手法によれば、第1フィールドと第3フィールドのライン(n+3)、第2フィールドと第4フィールドのライン(n+316)において、青色の色差信号と赤色の色差信号が混在する。また、ライン(n+3)について、第1フィールドでは、出力色差信号DRoが青色の色差信号DRi(n+2)、出力色差信号DBoが赤色の色差信号DBi(n+3)であるのに対して、第3フィールドでは、出力色差信号DRoが赤色の色差信号DRi(n+3)、出力色差信号DBoが青色の色差信号DBi(n+2)である。ライン(n+316)についても、第2フィールドでは、出力色差信号DRoが赤色の色差信号DRi(n+316)、出力色差信号DBoが青色の色差信号DBi(n+315)であるのに対して、第4フィールドでは、出力色差信号DRoが青色の色差信号DRi(n+315)、出力色差信号DBoが赤色の色差信号DBi(n+316)である。
【0015】
すなわち、同一ライン(例えば、第1フィールドのライン(n+3)と第3フィールドのライン(n+3)や、第2フィールドのライン(n+316)と第5フィールドのライン(n+316))が互いに異なる色になってしまう。
【0016】
このような信号を表示装置に表示すると、静止画にも関わらず、ライン(n+3)やライン(n+316)では、フリッカ(ちらつき)が見えてしまう。
【0017】
また、特許文献1の手法によると、例えば第1フィールドのライン(n+3)について、青色の色差信号DRi(n+2)と赤色の色差信号DRi(n+4)を混合することにより、ライン(n+3)の色差信号DRを補完するため、第1フィールドのライン(n+3)の画質が低下してしまう。第3フィールドのライン(n+3)、第2フィールドと第4フィールドのライン(n+316)についても、同様である。
【0018】
なお、特許文献1に開示された手法は、注目ラインの色差信号と、注目ラインの2ライン後の色差信号との類似度(第2の相関値)、及び、注目ラインの色差信号と、注目ライン2ライン前の色差信号との類似度(第3の相関値)を求め、この2つの類似度の大小関係に基づいて、注目ラインの1ライン後の色差信号と1ライン前の色差信号との混合比率を調整している。そのため、上記2つの類似度の大小関係次第では、1ライン後の色差信号と1ライン前の色差信号のいずれか片方の重みがゼロとなる混合比もあり得るが、色の濃さ(信号のレベル)によっては、例えば、図13に示す信号に対して、注目ラインのライン(n+3)についてDRi(n+3)を補完する際に、図13に示す第1フィールドのDBi(n+1)とDBi(n+3)の類似度(第2の相関値)と、DBi(n+3)とDBi(n+5)の類似度(第3の相関値)の大小関係は、必ずDRi(n+2)とDRi(n+4)のいずれか片方の重みがゼロとなる混合比を導き出させるとは限らない。したがって、DRi(n+3)としては、青色のDRi(n+2)と赤色のDRi(n+4)を混合した値になってしまい、第3フィールドのDRi(n+3)と異なる値となるため、フリッカとして見えてしまう場合がある。
【0019】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、図13に示すような入力信号に対しても良い画質効果を得ることができる同時化処理技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の1つの態様は、SECAM映像信号処理方法である。この方法は、2種の色差信号が線順次方式で伝送され、注目ラインnの信号C(n)が前記2種の色差信号の片方である映像信号における前記注目ラインの信号C(n)に対して、該信号C(n)の2ライン後の信号C(n+2)との類似度を示しうる第1の指標値と、該信号C(n)の2ライン前の信号C(n−2)との類似度を示しうる第2の指標値とを夫々求める。そして、前記第1の指標値と前記第2の指標値の大小関係に基づいて、前記信号C(n)の1ライン後の信号C(n+1)と1ライン前の信号C(n−1)のいずれか1つの選択をして、前記信号C(n)に対応する、前記2種の色差信号のうちの他方の信号として出力する。
【0021】
なお、上記態様の方法を装置やシステムに置換えて表示したものや、上記方法をコンピュータに実行せしめるプログラムなども、本発明の態様としては有効である。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる技術によれば、図13に示すような入力信号に対しても良い画質効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるSECAM映像信号処理装置を示す図である。
【図2】図1に示すSECAM映像信号処理装置における同時化部を示す図である。
【図3】図2に示す同時化部におけるライン選択信号生成部を示す図である。
【図4】入力色差信号の例を示す図である(その1)。
【図5】入力色差信号の例を示す図である(その2)。
【図6】図4と図5に示す入力色差信号に対して、図2に示す同時化部により補完した出力色差信号を示す図である。
【図7】図2に示す同時化部の動作を説明するための図である。
【図8】図2に示す同時化部が図13に示す信号に対して得た出力信号を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態にかかるSECAM映像信号処理装置におけるライン選択信号生成部を示す図である。
【図10】図9に示すライン選択信号生成部の動作を示すための図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態にかかるSECAM映像信号処理装置の効用を説明するための図である(その1)。
【図12】本発明の第2の実施の形態にかかるSECAM映像信号処理装置の効用を説明するための図である(その2)。
【図13】SECAM映像信号に含まれる色差信号の例を示す図である。
【図14】従来技術の問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略、及び簡略化がなされている。また、様々な処理を行う機能ブロックとして図面に記載される各要素は、ハードウェアとソフトウェア(プログラム)の組合せによって、いろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、ハードウェアとソフトウェアのいずれかに限定されるものではない。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0025】
また、上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0026】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるSECAM映像信号処理装置100を示す。SECAM映像信号処理装置100は、SECAM方式のアナログコンポジット映像信号CVBSが入力され、輝度信号Yと2種類の色差信号(R−Y)及び(B−Y)を出力するものであり、A/Dコンバータ(ADCと表記する)110、同期処理部112、Y/C分離部120、遅延回路124、色復調部126、同時化部130、出力処理部128を備える。
【0027】
ADC110は、アナログコンポジット映像信号CVBSを所定のシステムクロックによりサンプリングして、同期処理部112とY/C分離部120に出力する。
【0028】
Y/C分離部120は、ADC110から得たサンプリングデータを、輝度信号Y、搬送色差信号DRc、搬送色差信号DBcに分離する。輝度信号Yは、遅延回路124に出力され、搬送色差信号DRcと搬送色差信号DBcは、色復調部126に出力される。
【0029】
遅延回路124は、輝度信号Yに所定の遅延を与えてから出力処理部128に出力する。色復調部126は、搬送色差信号DRc及び搬送色差信号DBcから色差信号DRと色差信号DBを復調して同時化部130に出力する。
【0030】
前述したように、SECAM方式では、色差信号DR及びDBは線順次でライン毎に交互に伝送される。そのため、色復調部126の出力する信号には、ライン毎にDR及びDBが交互に含まれている。以下において、色復調部126から出力され、同時化部130に入力される色差信号を「入力色差信号」といい、「DRi」及び「DBi」で表記する。
【0031】
同時化部130は、ライン毎に不足している色差信号を補完して、2種類の色差信号(出力色差信号DRoと、出力色差信号DBo)をライン毎に出力する。前述したように、出力色差信号DRoと出力色差信号DBoは、色復調部126により得られた入力色差信号と、同時化部130が補完により得られた色差信号を含む。
【0032】
同期処理部112は、ADC110によりサンプリングされたデータから、垂直同期信号Vsync及び水平同期信号Hsyncを検出する。なお、同期処理部112は、検出した水平同期信号Hsyncに基づいて同時化部130にタイミング信号S1を出力する。このタイミング信号S1は、出力色差信号DRoまたは出力色差信号DBoとして、元々ある色差信号(色復調部126により得られた入力色差信号)と、同時化部130の補完により得られた色差信号のいずれかを選択する信号であり、以下データ選択信号という。
【0033】
出力処理部128は、遅延回路124からの輝度信号Y、同時化部130からの出力色差信号DRoと出力色差信号DBoに対して、視覚的な補正処理、サンプリングレート変換などの各種画像処理を実行し、処理後の輝度信号Y、色差信号(R−Y)と(B−Y)を出力する。
【0034】
図2は、SECAM映像信号処理装置100における同時化部130を示す図である。なお、遅延回路124が出力する輝度信号Yと、同時化部130が出力する色差信号(DRo、DBo)のタイミング関係が分かるように、図2は、遅延回路124、及び遅延回路124の入出力信号も示している。
【0035】
図2に示すように、同時化部130は、4つの遅延回路(132、134、136、138)、ライン選択信号生成部140、3つのセレクタ(160、162、164)を備える。遅延回路124は、遅延回路121と遅延回路123を有する。
【0036】
遅延回路124に含まれる2つの遅延回路(121、123)、同時化部130に含まれる4つの遅延回路(132、134、136、138)は、夫々1水平期間だけ入力信号を遅延させる。説明上の便宜のため、同時化部130への入力色差信号DRiをライン(n+2)の色差信号DRi(n+2)であるとする。従って、遅延回路132〜遅延回路138の出力は、夫々DBi(n+1)、DRi(n)、DBi(n−1)、DRi(n−2)となる。
【0037】
セレクタ160は、注目ライン(ここではライン(n))の不足している色差信号として、1ライン前と1ライン後のいずれかの色差信号を選択してセレクタ162とセレクタ164に出力する。すなわち、ここの例では、セレクタ160は、出力色差信号DBo(n)として、DBi(n+1)とDBi(n−1)のいずれかを選択する。
【0038】
セレクタ160は、注目ラインの1つ前と1つ後のいずれかのラインを示すライン選択信号S2に従って、DBi(n+1)とDBi(n−1)のいずれかを選択する。このライン選択信号S2は、ライン選択信号生成部140により生成され、セレクタ160に供される。
【0039】
図3は、ライン選択信号生成部140を示す図である。ライン選択信号生成部140
は、類似度算出部142、類似度算出部144、比較器146を備える。
【0040】
類似度算出部142は、入力色差信号DRi(n+2)とDRi(n)が入力され、該2つの入力色差信号の差分の絶対値Aを出力する。以下、絶対値Aを、入力色差信号DRi(n+2)とDRi(n)の類似度を示しうる第1の指標値という。
【0041】
類似度算出部144は、入力色差信号DRi(n)と入力色差信号DRi(n−2)が入力され、該2つの入力色差信号の差分の絶対値Bを出力する。以下、絶対値Bを、入力色差信号DRi(n)と入力色差信号DRi(n−2)の類似度を示しうる第2の指標値という。
【0042】
比較器146は、第1の指標値Aと第2の指標値Bを比較すると共に、それらの大小関係に基づいてライン選択信号S2を出力する。具体的には、第1の指標値Aが第2の指標値B以上であるとき、すなわち、入力色差信号DRi(n+2)とDRi(n)の類似度が入力色差信号DRi(n)と入力色差信号DRi(n−2)の類似度以下であるとき、比較器146は、ライン選択信号S2として「0」を出力する。一方、第1の指標値Aが第2の指標値Bより小さいとき、比較器146は、ライン選択信号S2として「1」を出力する。なお、本実施の形態において、「1」となるライン選択信号S2は、注目ラインの1つ後のラインを示し、「0」となるライン選択信号S2は、注目ラインの1つ前のラインを示す。
【0043】
前述したように、同時化部130のセレクタ160は、ライン選択信号S2に従って、1ライン前と1ライン後のいずれかの色差信号を選択してセレクタ162とセレクタ164に出力する。そのため、第1の指標値Aが第2の指標値B以上であり、ライン選択信号S2が「0」であるときには、セレクタ160は、出力色差信号DBo(n)として、DBi(n−1)を選択する。また、第1の指標値Aが第2の指標値Bより小さく、ライン選択信号S2が「1」であるときには、セレクタ160は、出力色差信号DBo(n)として、DBi(n+1)を選択する。
【0044】
第1の指標値Aと第2の指標値Bの大小関係と、ライン選択信号S2、セレクタ160の出力(DBo(n))間の対応関係を数式で示すと、下記の式(1)になる。
【数1】

【0045】
また、式(1)における第1の指標値Aと第2の指標値Bを入力色差信号の値で具体的に示すと、式(1)は、下記の式(2)になる。
【数2】

【0046】
例えば、図4と図5に示す入力色差信号が色復調部126から供給されたとする。図4に示すように、入力色差信号DRi(n)と入力色差信号DRi(n−2)は、ほぼ同様であり、入力色差信号DRi(n+2)は、入力色差信号DRi(n)及び入力色差信号DRi(n−2)と異なる。また、図5に示すように、入力色差信号DBi(n−1)は、入力色差信号DBi(n+1)と異なる。
【0047】
図4と図5に示す入力色差信号が色復調部126から供給されると、セレクタ160は、図6に示すように、出力色差信号DBo(n)として、入力色差信号DBi(n−1)を選択して出力する。
【0048】
分かりやすいように、第1の指標値Aと第2の指標値Bの大小関係と、ライン選択信号S2、及びセレクタ160の出力との対応関係を図7に示す。
【0049】
図7に示すように、第1の指標値Aが第2の指標値B以上(A≧B)であるときに、ライン選択信号S2は、1つ前のラインを示す「0」であり、セレクタ160の出力(出力色差信号DBo(n))は、1つ前のラインの入力色差信号DBi(n−1)である。
【0050】
一方、第1の指標値Aが第2の指標値Bより小さい(A<B)ときに、ライン選択信号S2は、1つ後のラインを示す「1」であり、セレクタ160の出力(出力色差信号DBo(n))は、1つ後のラインの入力色差信号DBi(n+1)である。
【0051】
なお、式(1)、式(2)、図7において、第1の指標値Aと第2の指標値Bが等しい場合に、1つ前のラインが選択されるようになっているが、この場合、1つ後のラインが選択されるようにしてもよい。
【0052】
ここまで、注目ライン(ラインn)について色復調部126から供給された入力色差信号がDRi(n)である場合を説明した。注目ラインについて色復調部126から供給される入力色差信号がDBi(n)である場合は、第1の指標値Aと第2の指標値Bの大小関係と、ライン選択信号S2、セレクタ160の出力(この場合はDRo(n))間の対応関係は、下記の式(3)に示すようになる。
【数3】

【0053】
また、式(3)における第1の指標値Aと第2の指標値Bを入力色差信号の値で具体的に示すと、式(3)は、下記の式(4)になる。
【数4】

【0054】
図2に戻ってセレクタ162とセレクタ164を説明する。セレクタ162とセレクタ164は共に同期処理部112からのデータ選択信号S1に応じて動作する。具体的には、図2に示す例のように注目ライン(ラインn)について色復調部126から入力色差信号DRi(n)が供給されたときに、セレクタ162は該入力色差信号DRi(n)を出力色差信号DRo(n)として選択して出力する。それと同時に、セレクタ164は、セレクタ160によって入力色差信号DBi(n+1)または入力色差信号DBi(n−1)いずれかを選択された信号を、出力色差信号DBo(n)として出力する。
【0055】
一方、注目ライン(ラインn)について色復調部126から入力色差信号DBi(n)が供給されたときに、セレクタ164は該入力色差信号DBi(n)を出力色差信号DBo(n)として選択して出力する。それと同時に、セレクタ162は、セレクタ160によって入力色差信号DRi(n+1)または入力色差信号DRi(n−1)いずれかを選択された信号を、出力色差信号DRo(n)として出力する。
【0056】
同時化部130からの出力色差信号DRo(n)と出力色差信号DBo(n)は、出力処理部128に出力される。同時に、遅延回路124からの輝度信号Y(n)も、出力処理部128に出力される。
【0057】
図8は、第1フィールド、第3フィールドにおいて、ライン(n+2)までと、第2フィールド、第4フィールドにおいて、ライン(n+315)までの上側が青色でそれ以降の下側が赤色となる図13のような静止画の入力信号が入力された場合に、SECAM映像信号処理装置100における同時化部130が出力した出力色差信号DRoと出力色差信号DBoを示す。
【0058】
まず、第1フィールドについて説明する。
該フィールドにおいて、ライン(n)が注目ラインであるときに、入力色差信号DRi(n)は、そのまま出力色差信号DRo(n)として出力される。一方、ライン(n)の前の2ラインと後の2ラインは共に同様の青色データであり、入力色差信号DRi(n+2)と入力色差信号DRi(n−2)は同値である。そのため、出力色差信号DBo(n)として、入力色差信号DBi(n−1)が選択されて出力される。
【0059】
注目ラインがライン(n+1)であるときに、入力色差信号DBi(n+1)は、そのまま出力色差信号DBo(n+1)として出力される。一方、入力色差信号DBi(n+1)と入力色差信号DBi(n+3)とは異なる値であり、入力色差信号DBi(n+1)と入力色差信号DBi(n−1)とは同じ値であるため、出力色差信号DRo(n+1)としては、入力色差信号DRi(n)が選択されて出力される。
【0060】
同様に、ライン(n+2)について、入力色差信号DRi(n+2)は、そのまま出力色差信号DRo(n+2)として出力される。一方、出力色差信号DBo(n+2)としては、入力色差信号DBi(n+1)が選択されて出力される。
【0061】
注目ラインがライン(n+3)であるときに、入力色差信号DBi(n+3)は、そのまま出力色差信号DBo(n+3)として出力される。一方、入力色差信号DBi(n+3)と入力色差信号DBi(n+1)とは異なる値であり、入力色差信号DBi(n+3)と入力色差信号DBi(n+5)とは同じ値であるため、出力色差信号DRo(n+3)としては、入力色差信号DRi(n+4)が選択されて出力される。
【0062】
同様に、ライン(n+4)について、入力色差信号DRi(n+4)は、そのまま出力色差信号DRo(n+4)として出力される。一方、出力色差信号DBo(n+4)としては、入力色差信号DBi(n+5)が選択されて出力される。
【0063】
ライン(n+5)について、入力色差信号DBi(n+5)は、そのまま出力色差信号DBo(n+5)として出力される。一方、ライン(n+5)の前の2ラインと後の2ラインは共に同様の赤色データであり、入力色差信号DBi(n+7)と入力色差信号DBi(n+3)は同値である。そのため、出力色差信号DRo(n+5)として、入力色差信号DRi(n+4)が選択されて出力される。
【0064】
第2フィールド以降の各ラインについても、同様な処理が行われる。その結果、図8から分かるように、第1フィールドと第3フィールドのライン(n+3)、第2フィールドと第4フィールドのライン(n+316)において、青色と赤色のデータは混在していない。これにより、図13に示すような信号の場合においても、フリッカの発生を回避する。
【0065】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態も、SECAM映像信号処理装置である。このSECAM映像信号処理装置は、図1に示す第1のSECAM映像信号処理装置100とは、同時化部におけるライン選択信号生成部のみが異なる。そのため、第2の実施の形態のSECAM映像信号処理装置について、図9に示すライン選択信号生成部200についてのみ説明する。また、図9において、SECAM映像信号処理装置100の同時化部130におけるライン選択信号生成部140と同様の機能ブロックについて同様の符号を使用し、それらの詳細な説明を省略する。
【0066】
図9に示すように、ライン選択信号生成部200は、類似度算出部142、類似度算出部144、比較器146、差分算出部210、比較器212、セレクタ214、保持部216を備える。比較器146が出力する信号S3は、図3に示すライン選択信号生成部140における比較器146が出力するライン選択信号S2と同様であるが、本実施の形態において、比較器146からの信号は、直接セレクタ160に出力されないため、ここではライン選択信号S3という。また、本実施の形態において、セレクタ214からの信号は、直接セレクタ160に出力されるため、セレクタ214からの信号をライン選択信号S2という。
【0067】
ライン選択信号生成部200において、類似度算出部142が算出した第1の指標値Aと、類似度算出部144が算出した第2の指標値Bは、比較器146に出力されると共に、差分算出部210にも出力される。
【0068】
差分算出部210は、第1の指標値Aと第2の指標値Bの差分の絶対値(以下差分絶対値という)Dを算出して比較器212に出力する。
【0069】
比較器212には、差分算出部210からの差分絶対値D以外に、閾値Tが入力される。この閾値Tは、予め設定された値である。
【0070】
比較器212は、差分絶対値Dと閾値Tとを比較して、比較結果に応じた選択信号S4をセレクタ214に出力する。例えば、差分絶対値Dが閾値T以上であるときには、「1」となる選択信号S4を出力し、差分絶対値Dが閾値Tより小さいときには「0」となる選択信号S4を出力する。
【0071】
セレクタ214には、比較器146からのライン選択信号S3と、保持部216からの後述する信号FS2と、比較器212からの選択信号S4とが入力される。セレクタ214は、選択信号S4に応じて、ライン選択信号S3と信号FS2の片方を選択してライン選択信号S2として出力する。このライン選択信号S2は、セレクタ160に出力され、第1の実施の形態の同時化部130におけるライン選択信号生成部140が出力したライン選択信号S2と同様の作用をする。
【0072】
本実施の形態において、セレクタ214が注目画素に対して出力したライン選択信号S2は、保持部216にも出力される。保持部216は、このライン選択信号S2を保持して、同じラインにおける次の注目画素のときにセレクタ214に出力する。すなわち、保持部216からセレクタ214に出力する信号FS2は、現在の注目画素と同一ラインにおける1つ前の画素のライン選択信号S2である。以下において、信号FS2を前画素ライン選択信号という。
【0073】
図10を参照してセレクタ214の処理を具体的に説明する。図10に示すように、セレクタ214は、選択信号S4が「1」であるとき、すなわち差分絶対値Dが閾値T以上であるときに、比較器146からのライン選択信号S3を選択してライン選択信号S2として出力する。つまり、差分絶対値Dが閾値T以上であるときには、ライン選択信号生成部200は、SECAM映像信号処理装置100の同時化部130におけるライン選択信号生成部140と同様の動作をする。
【0074】
一方、選択信号S4が「0」であるとき、すなわち差分絶対値Dが閾値Tより小さいときには、セレクタ214は、保持部216からの前画素ライン選択信号FS2を選択ライン選択信号S2として出力する。つまり、差分絶対値Dが閾値Tより小さいときには、ライン選択信号生成部200は、同じラインにおける1つ前の画素について出力したライン選択信号S2と同様のライン選択信号S2を出力する。
【0075】
ライン選択信号生成部200の動作は、下記の式(5)により示すことができる。
【数5】

【0076】
このようなライン選択信号生成部200を備えることにより、本第2の実施の形態のSECAM映像信号処理装置は、注目ラインにおける注目画素に対して、不足している入力色差信号を補完する際に、差分絶対値Dが閾値T以上であるときには、SECAM映像信号処理装置100と同様に、第1の指標値Aと第2の指標値Bの大小関係に基づいて、注目ラインの1つ前のラインと1つ後のラインのいずれか片方の、注目画素と同様の水平位置の画素の入力色差信号を選択して、該注目画素の不足している色差信号として出力する。一方、差分絶対値Dが閾値T以下であるときには、該注目画素と同一のライン(注目ライン)における1つ前の画素に対して選択したラインと同様のラインの、注目画素と同様の水平位置の画素の入力色差信号を選択して、該注目画素の不足している色差信号として出力する。
【0077】
図11と図12を参照して、本第2の実施の形態にかかるSECAM映像信号処理装置の効果を説明する。
【0078】
図11は、図4に示す入力色差信号のうちの入力色差信号DRi(n)にノイズ(図中折れ線)が混入した場合を示している。ノイズが混入していない場合、該位置の画素について、第1の指標値A(|DRi(n+2)−DRi(n)|)は、第2の指標値B(|DRi(n)−DRi(n−2)|)以上であるため、図5に示すように、出力色差信号DBo(n)として、1つ前のライン(n−1)の出力色差信号DBo(n−1)が選択される。
【0079】
ところが、図11に示すように、ノイズの混入により、当該画素位置における画素について、第1の指標値Aと第2の指標値Bが近づき、ノイズの強度によっては、第1の指標値Aが第2の指標値Bより小さくなる可能性もある。このような場合、SECAM映像信号処理装置100によると、図12に示すように、これらの画素位置の画素について、出力色差信号DBo(n)として、1つ後のライン(n+1)の出力色差信号DBo(n+1)が選択されてしまう。
【0080】
一方、本第2の実施の形態のSECAM映像信号処理装置は、第1の指標値Aと第2の指標値Bの差分絶対値Dが閾値Tより小さいときに、第1の指標値Aと第2の指標値Bに基づいた選択の代わりに、同一のラインの1つ前の画素の選択を継承する。これにより、図11に示すようなノイズが発生しても、適切な選択ができる。
【0081】
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。実施の形態は例示であり、本発明の主旨から逸脱しない限り、上述した実施の形態に対してさまざまな変更、増減を行ってもよい。これらの変更、増減が行われた変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0082】
例えば、上記において、第1と第2の実施の形態の映像信号処理装置がデジタル回路である場合について説明したが、映像信号処理装置の少なくとも一部をアナログ回路で構成してもよい。
【0083】
また、第2の実施の形態のSECAM映像信号処理装置において、閾値Tとして、異なるSECAM映像信号について、該映像信号にノイズが混入する可能性の大小に応じて異なる値に設定されるようにしてもよい。例えば、セルビデオ等を映像再生機器で再生した信号は、放送信号と比べて、ノイズが混入する可能性が少ない。そのため、セルビデオ等を映像再生機器で再生した信号に対して設定する閾値の値を、放送信号に対して設定する閾値の値より小さい値を設定することが好ましい。
【符号の説明】
【0084】
100 SECAM映像信号処理装置
110 ADC
112 同期処理部
120 Y/C分離部
121 遅延回路
123 遅延回路
124 遅延回路
126 色復調部
128 出力処理部
130 同時化部
132 遅延回路
134 遅延回路
136 遅延回路
138 遅延回路
140 ライン選択信号生成部
142 類似度算出部
144 類似度算出部
146 比較器
160 セレクタ
162 セレクタ
164 セレクタ
200 ライン選択信号生成部
210 差分算出部
212 比較器
214 セレクタ
216 保持部
A 第1の指標値
B 第2の指標値
C クロマ信号
D 差分絶対値
T 閾値
FS2 前画素ライン選択信号
S1 データ選択信号
S2 ライン選択信号
S3 ライン選択信号
S4 選択信号
DRc 搬送色差信号
DBc 搬送色差信号
DRi 入力色差信号
DBi 入力色差信号
DRo 出力色差信号
DBo 出力色差信号
(R−Y) 色差信号
(B−Y) 色差信号
Y 輝度信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種の色差信号が線順次方式で伝送され、注目ラインnの信号C(n)が前記2種の色差信号の片方である映像信号における前記注目ラインの信号C(n)に対して、該信号C(n)の2ライン後の信号C(n+2)との類似度を示しうる第1の指標値と、該信号C(n)の2ライン前の信号C(n−2)との類似度を示しうる第2の指標値とを夫々求め、
前記第1の指標値と前記第2の指標値の大小関係に基づいて、前記信号C(n)の1ライン後の信号C(n+1)と1ライン前の信号C(n−1)のいずれか1つの選択をして、前記信号C(n)に対応する、前記2種の色差信号のうちの他方の信号として出力することを特徴とするSECAM映像信号処理方法。
【請求項2】
前記注目ラインnにおける注目画素の信号である前記信号C(n)について、前記第1の指標値と前記第2の指標値の差分をさらに求め、
前記差分の絶対値が所定の閾値以上であるときに、前記第1の指標値と前記第2の指標値の大小関係に基づいて前記選択をし、
前記差分の絶対値が前記所定の閾値より小さいときに、該注目ラインnにおける1つ前の画素に対して選択されたラインと同一のラインの信号を選択して前記他方の信号として出力することを特徴とする請求項1に記載のSECAM信号処理方法。
【請求項3】
前記所定の閾値は、異なる前記映像信号について、該映像信号にノイズが混入する可能性の大小に応じて異なる値に設定されることを特徴とする請求項2に記載のSECAM信号処理方法。
【請求項4】
2種の色差信号が線順次方式で伝送され、各ラインの信号が前記2種の色差信号の片方である映像信号を1から4水平期間順次遅延させて注目ラインの信号C(n)を含む5ラインの信号C(n−2)から信号C(n+2)を出力する遅延部と、
前記信号C(n)に対して、前記信号C(n+2)との類似度を示しうる第1の指標値と、前記信号C(n−2)との類似度を示しうる第2の指標値とを夫々求める類似度算出部と、
前記第1の指標値と前記第2の指標値の大小関係に基づいて、前記信号C(n+1)と前記信号C(n+1)のいずれかを示すライン選択信号を生成するライン選択信号生成部と、
前記ライン選択信号に従って、前記信号C(n+1)と前記信号C(n+1)の片方を選択して、前記信号C(n)に対応する、前記2種の色差信号のうちの他方の信号として出力する選択部とを備えることを特徴とするSECAM映像信号処理装置。
【請求項5】
注目画素の前記信号C(n)について、前記第1の指標値と前記第2の指標値の差分の絶対値を求める差分算出部と、
前記注目画素と同一のラインにおける1つ前の画素について前記ライン選択信号生成部が出力したライン選択信号を保持する保持部とをさらに備え、
前記ライン選択信号生成部は、
前記差分の絶対値が所定の閾値以上であるときに、前記第1の指標値と前記第2の指標値の大小関係に基づいて該注目画素の前記ライン選択信号を生成し、
前記差分の絶対値が前記所定の閾値より小さいときに、前記保持部に保持された前記ライン選択信号を該注目画素のライン選択信号として出力することを特徴とする請求項4に記載のSECAM映像信号処理装置。
【請求項6】
前記所定の閾値は、異なる前記映像信号について、該映像信号にノイズが混入する可能性の大小に応じて異なる値に設定されていることを特徴とする請求項5に記載のSECAM映像信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−90287(P2013−90287A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232070(P2011−232070)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】