TABの検査装置
【課題】 各ピースを画像判定し、NGピースにパンチ穴を形成するTABの検査装置において、傷や印刷不良等により連続するNGピースに効率良くパンチ穴を形成する。
【解決手段】 TABを移送する移送手段と、TABの各ピースを画像として取得する画像取得手段と、画像に基づいてピースの良否判定を行う判定手段と、NGピースにパンチ穴を形成するパンチ手段とを有するTABの検査装置であって、判定手段が判定したNGピースが移送され、該NGピースに続くピースがNGピースか否かを目視判定する目視ステーションを設け、NGピースが連続する範囲の情報を入力するNG範囲入力手段を備え、移送手段は、判定手段が判定したNGピースを目視ステーションに移送し、前記範囲の情報が入力された後に、入力された範囲のNGピースをパンチ位置に順次連続的に移送すると共に、パンチ手段は順次移送されてくるNGピースに対して連続的にパンチ穴を形成する。
【解決手段】 TABを移送する移送手段と、TABの各ピースを画像として取得する画像取得手段と、画像に基づいてピースの良否判定を行う判定手段と、NGピースにパンチ穴を形成するパンチ手段とを有するTABの検査装置であって、判定手段が判定したNGピースが移送され、該NGピースに続くピースがNGピースか否かを目視判定する目視ステーションを設け、NGピースが連続する範囲の情報を入力するNG範囲入力手段を備え、移送手段は、判定手段が判定したNGピースを目視ステーションに移送し、前記範囲の情報が入力された後に、入力された範囲のNGピースをパンチ位置に順次連続的に移送すると共に、パンチ手段は順次移送されてくるNGピースに対して連続的にパンチ穴を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TABの欠陥等を検査するTABの検査装置に関し、物品検査の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICチップの小型・薄型のパッケージとして、帯状のフィルムに銅箔等を張り合わせ、フォトエッチング等で回路パターンを形成したTABが開発されている。TABには、多数の回路パターンが一定のピッチで繰り返して形成されており、1チップに対応する回路パターンの領域(以下、パターンの単位を「ピース」という)の断線などの欠陥を検査する装置として、各種のものが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1に開示された検査装置は、TABを移送する移送手段が備えられ、該移送手段による移送経路上に、TABを照明する光源と、該光源により照明されたTABの画像を取得するCCDカメラとが備えられたものである。この装置において、前記CCDカメラはTABの1ピース毎の画像を取得すると共に、該カメラにより取得された1ピースの画像と予め記憶された基準画像とが対比されることにより当該ピースがOKピース又はNGピースであることが判定され、NGピースであればパンチ装置によりパンチ穴を形成する(以下、単に「パンチする」という)ようになっている。
【0004】
ところで、前記特許文献1に記載の装置において、NGピースにパンチするときには、NGピースが検出される毎にNGピースをパンチ装置の対応位置(以下、「パンチ位置」という)に移送し、パンチされた後、このNGピースの次のピースが撮像位置に戻されるように移送手段が制御される。このような構成においては、NGピースが連続する場合に、逐一NGピースをパンチ位置と撮像位置とを往復させることになって検査効率が悪い。
【0005】
このような問題に対処するものとして、本出願人による先の出願(特願2005−195824号明細書)に開示された検査装置がある。
【0006】
この検査装置では、連続してNGピースが検出されたときは検査を継続し、NGピースに後続するOKピースが検出されたときに、1または複数のNGピースをパンチ位置に移送し、これらのNGピースを連続的にパンチするようになっている。このようにOKピースの検出がNGピースをパンチするトリガーとされている場合には、装置の異常等によりOKピースであってもNGピースであると判定される不具合が生じた場合に、NG判定が延々と続いて異常を検知することができない。そのため、このような異常を早期に察知するために、所定回数(例えば5回)NG判定が連続すると装置を一旦停止して作業者に異常を知らせるようになっている。
【0007】
そして、このように停止された状態の装置において、作業者により装置の異常が発見されたときは装置の修理等が行われるのであるが、装置に異常がなく、欠陥等を有するNGピースが所定回数連続していると確認されたときは、これらのNGピースがパンチ位置に移送されて連続的にパンチされた上で、これらのNGピースの後続のピースが撮像位置に位置決めされ、検査が再開されることになる。
【0008】
【特許文献1】特開2000−182061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、TABが製造される前工程などにおいて、何らかのトラブルにより複数の連続するピースに亘って傷や印刷不良等が形成される場合がある(例えば長さ80mのTABに対して10mの傷など)。このような場合には、前記所定回数よりも多数のNGピースが連続するため、前記のように所定回数NGピースが連続すると装置が一旦停止するように構成されているものにおいては、所定回数NGピースが検出される毎に装置が一旦停止すると共に、作業者が逐一対応しなければならず、作業効率が悪い。
【0010】
そこで、本発明は、TABの各ピースを画像処理により良否判定し、NGピースにパンチ穴を形成するTABの検査装置において、TAB表面の傷や印刷不良等により連続的してNGピースが存在するときに、これらのNGピースに効率良くパンチ穴を形成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0012】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、多数のピースを一定ピッチで設けてなる帯状のTABをリールから繰り出して所定の移送経路上を移送する移送手段と、該移送手段で移送されているTABの各ピースを画像として取得する画像取得手段と、該取得手段で取得した画像を処理し、予め登録された基準画像と対比することによってピースの良否判定を行う判定手段と、前記移送経路上に設けられてNGピースにパンチ穴を形成するパンチ手段とを有するTABの検査装置であって、前記移送経路上に、前記判定手段により判定されたNGピースが移送され、該NGピースに続くピースがNGピースか否かを作業者の目視により判定する目視ステーションが設けられていると共に、該目視ステーションでの目視判定によりNGピースが連続すると判定されたときに、その連続する範囲の情報を入力するNG範囲入力手段と、前記移送手段を制御する移送制御手段とが備えられ、該移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピースを目視ステーションに移送し、前記NG範囲入力手段によりNGピースが連続する範囲の情報が入力された後に、入力された範囲のNGピースを前記パンチ手段の対応位置に順次連続的に移送するように前記移送手段を制御すると共に、前記パンチ手段は、前記移送手段により順次移送されてくるNGピースに対して連続的にパンチ穴を形成することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のTABの検査装置において、前記移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピースとその後続のピースを目視ステーションに移送するように移送手段を制御すると共に、該目視ステーションに移送されてくるNGピースが連続するときに、そのNGピースの前端及び後端のピースを指示する指示手段が備えられ、前記NG範囲入力手段は、該指示手段により前端及び後端が指示されたNGピースが連続する範囲を取り込むことを特徴とする。
【0014】
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載のTABの検査装置において、前記NG範囲入力手段は、NGピースが連続するTABの長さ又はピース個数の情報を入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
まず、請求項1に記載の発明によれば、移送手段により多数のピースを一定のピッチで設けてなる帯状のTABがリールから繰り出されて所定の移送経路上を移送されると共に、画像取得手段により移送中のTABの各ピースの画像が取得され、判定手段によりこの画像と予め登録された基準画像とを対比することにより当該ピースがOKピース又はNGピースであることが判定される。
【0016】
前記判定手段によりOKピースと判定されたときは、移送手段によるTABの移送が継続されて後続のピースについて同様の判定が行われるのであるが、NGピースと判定されたときは、NGピースが目視ステーションに移送されるように移送手段が制御され、該目視ステーションにおいて該NGピースに続くピースがNGピースか否かを作業者の目視により判定するようになっている。そして、作業者による目視判定の結果として、NGピースが連続すると判定されたときに、その連続する範囲の情報がNG範囲入力手段により入力され、この後、入力された範囲のNGピースがパンチ手段の対応位置に順次連続的に移送され、移送されてくるNGピースに対してパンチ手段により連続してパンチ穴が形成される。例えば前記目視判定の結果、判定手段により判定されたNGピースから後続のピースに亘って形成された傷や印刷不良等が確認された場合は、これらの傷等に応じたTABの範囲の情報が入力されているので、この範囲内のNGピースに連続的にパンチ穴が形成される。
【0017】
このように、本発明によれば、画像処理によりNGピースの判定がなされたときに、目視によりNGピースが連続するか否かが確認され、連続的にNGピースが続く場合に、ピースを基準位置とパンチ位置との間を往復させることなく連続的にパンチ手段によりパンチ穴が形成されるので、検査の効率化が実現される。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピース及びその後続のピースを目視ステーションに移送すると共に、該目視ステーションに移送されてくるNGピースが連続するときに、指示手段によりそのNGピースの前端及び後端のピースが指示される。そして、NG範囲入力手段は該指示手段により前端及び後端が指示されたNGピースが連続する範囲を取り込むようになっている。
【0019】
例えば複数のピースに亘って傷や印刷不良等が形成されている場合には、指示手段によりNGピースの前端が指示された後、作業者は目視ステーションで移送されるTAB表面の定点観察を行い、傷等が確認されなくなれば指示手段によりNGピースの後端が指示される。この結果、傷等の存在する範囲内にあるNGピースが特定され、これらのNGピースがパンチ手段の対応位置に順次連続的に移送されると共に、順次移送されてくるNGピースにパンチ手段により連続的にパンチ穴が形成されるので、検査の効率化が図られる。
【0020】
そして、請求項3に記載の発明によれば、前記NG範囲入力手段は、NGピースが連続するTABの長さ又はピース個数の情報を入力するようになっている。例えば複数のピースに亘って傷等が形成されている場合には、判定手段により判定されたNGピースが目視ステーションに移送された後に、作業者がNGピース及びその後続のピースについて目視判定を行い、傷等に応じたTABの長さ又はピース個数を入力するようになっている。
【0021】
そして、このTABの長さ又はピース個数の範囲に含まれるNGピースがパンチ手段の対応位置に順次連続的に移送されると共に、移送されてくるNGピースにパンチ手段により連続的にパンチ穴が形成されるので、検査の効率化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0023】
図1に示す本実施の形態に係るTABの検査装置1は、図2に示すような帯状のTABの各ピースX…Xの良否判定を行うものである。TABは、幅方向両端に沿って一定のピッチでパーフォレーションP…Pが設けられた帯状のフィルムテープTに、1チップごとに回路パターン(以下、パターンの単位を「ピースX」という)が一定のピッチで繰り返して設けられたものである。
【0024】
図1に示すように、前記検査装置1は、機枠2と、該機枠2に設けられて前記TABを巻き出す巻出リール10と、該巻出リール10から繰り出されたTABを案内するガイドローラ11,11と、TABの蛇行防止のために備えられてTABのパーフォレーションP…Pに係合する複数のスプロケットホイール12a〜12eと、回転駆動してTABを移送させる第1〜第3駆動ローラ13a〜13cと、TABを巻き取る巻取リール14とを有している。
【0025】
また、TABの移送経路に沿って、TAB表面の静電気を取り除く除電機15と、エア吸引作用によりTAB表面の塵埃を取り除く除塵装置16と、TAB表面の金属異物を取り除く磁性粉除去磁石17と、TAB表面に接触して異物を取り除く粘着ロール18と、TABの各ピースXの下流側のエッジを検出する光電センサ19と、TABの幅方向の直線画像を連続的に取得する第1、第2ラインセンサ20,21と、TABを斜め上方から照明する第1投光機22と、TABを裏面から照明する第2投光機23と、作業者がTAB表面の拡大画像を目視するための顕微鏡24と、TABにパンチ穴を形成するパンチ装置25と、TAB表面に接触して表面のごみを取り除くごみ取りロール26とが備えられている。また、機枠2の上部には、前記第1、第2ラインセンサ20,21により取得した画像等の表示を行う第1、第2検査用モニタ27,28が備えられている。
【0026】
一方、巻出リール10には、TABと保護シートSとが重ねられた状態で巻き掛けられており、該巻出リール10からTABが繰り出されると同時に保護シートSが分離するようになっている。そして、分離した保護シートSを案内する複数のガイドローラ29a〜29dと、中央のガイドローラ29b,29cの間に設けられて自重により保護シートSのテンションを適正化するダンサローラ30とが設けられ、これらに案内された保護シートSは、巻取リール10によりTABが巻き取られる際に同時に巻き取られ、巻取リール14においてはTABと保護シートSとが重ねられた状態となる。
【0027】
さらに、前記顕微鏡24とパンチ装置25との間に備えられたスプロケットホイール12dは、該ホイール12dの回転量の情報に基いて、TABの移送距離及び移送速度の情報を取得するエンコーダ12d′(図3参照)に連絡されている。そして、第1〜第3駆動ローラ13a〜13cのうちの上流側の第1駆動ローラ13aは、前記エンコーダ12d′で取得した移送速度の情報に基いて回転数のフィードバック制御を行うようになっている。また、第1駆動ローラ13aの下流側の第2、第3駆動ローラ13b,13cは、TABのテンションを適正化する回転数に設定されている。
【0028】
そして、第1〜第3駆動ローラ13a〜13cの上方には、TABを上方から押圧する押付けローラ13a′〜13c′が備えられている。なお、押付けローラ13a′〜13c′は、TABのパーフォレーションP…Pが設けられた幅方向両端部を押圧するようになっており、TABのテンションを適正化するために作用する。
【0029】
一方、図3に示すように、この検査装置1には、互いに信号の授受を行う搬送用コントローラ100と画像用コントローラ110とが備えられている。搬送用コントローラ100は、前記エンコーダ12d′、光電センサ19、及び作業者がデータ等を入力するキーボード101、タッチパネル102等からの信号を入力し、第1〜第3駆動ローラ13a〜13c、及びパンチ装置25などに制御信号を出力するようになっている。また、前記画像用コントローラ110は、前記エンコーダ12d′、第1、第2ラインセンサ20,21等からの信号を入力し、第1、第2検査用モニタ27,28などに制御信号を出力するようになっている。
【0030】
前記第1投光機22は、移送中のTABの斜め上方から光の照射を行うように配置され、第1ラインセンサ20は、該第1投光機22の照明によるTABの反射光を連続的に検出するようになっている。また、前記第2投光機23は、移送中のTABの下方から光の照射を行うように配置され、第2ラインセンサ21は、該第2投光機23の照明によるTABの透過光を連続的に検出するようになっている。そして、前記画像用コントローラ110は、第1、第2ラインセンサ20,21から取得したTABの幅方向の直線画像を組み合わせて1ピースの画像を作成する。
【0031】
さらに、前記画像用コントローラ110に内蔵されたメモリ100aには、ピースXの基準画像が格納されており、この基準画像と第1、第2ラインセンサ20,21により取得した1ピースの画像とを対比することにより、各ピースXの欠陥等の存在(以下、「NG」という)又は欠陥等の非存在(以下、「OK」という)が判定される。
【0032】
一方、判定結果は、移送用コントローラ100に入力され、これに応じてTABの移送制御が行われる。第1、第2ラインセンサ20,21で取得した1ピースの画像が、共にOK判定されたときは、当該ピースXについての検査は終了されて後続のピースXの検査が開始されるが、いずれか一方又は両方がNG判定されたピースXは、前記顕微鏡24の対応位置(以下、「顕微鏡位置」という)又は前記パンチ装置25の対応位置(以下、「パンチ位置」いう)に移送され、後続のピースXについての検査が一旦中断される。
【0033】
また、検査開始時には、前記光電センサ19はフィルムテープTに設けられた先頭のピースXの下流側のエッジを検出する。そして、このピースXが光電センサ19により検知された位置から所定距離上流側の基準位置に移送され、TABの初期位置の設定が完了する。また、作業者は、予めTABの各ピースXのピッチ等の情報を前記タッチパネル102により入力し、これらの情報に基いて、基準位置から前記第1、第2ラインセンサ20,21までの距離、基準位置から顕微鏡位置までの距離、基準位置からパンチ位置までの距離等が演算される。そして、前記エンコーダ12d′による移送距離の情報に基いて、第1、第2ラインセンサ20,21による画像取得開始のタイミング、画像取得終了のタイミング、パンチ装置25によるパンチのタイミングなどが計算される。
【0034】
ところで、検査開始時には、NG判定されたピースXの扱いについて、図4に示すように、タッチパネル102のモード選択画面で「顕微鏡モード」と「パンチモード」とが選択可能となっている。
【0035】
ここで、作業者により顕微鏡モードが選択されたときの制御について図5のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
まず、ステップS1でNをゼロに初期化し、ステップS2で、TABを所定速度で連続的に移送する。そして、ステップS3で、画像取得のタイミングか否かを判定し、画像取得のタイミングになればステップS4に進み、第1、第2ラインセンサ20,21によりそれぞれ1つのピースの画像を取得する
次に、ステップS5で、N≠0か否かを判定し、N=0のときは、ステップS6に進み、当該ピースについての良否判定を行う。このとき、前記ステップS4で取得した画像と基準画像とを対比し、これらの画像が略同様であってOK判定がなされた場合は、ステップS2に戻って次のピースについて同様に判定が行われる。また、ステップS6で、取得した画像と基準画像とに差異が認められてNG判定がなされた場合は、ステップS7に進み、NにN+1を代入してステップS2に戻る。
【0037】
一方、ステップS5でN≠0のとき、即ち既に一回以上NGピースが検出されている状態では、ステップS8に進み、前記ステップS6と同様のピースの良否判定を行う。ここでOK判定されたときは、後述の第1NG処理を実行し、NG判定されたときは、ステップS9に進み、NにN+1を代入してステップS10に進む。ステップS10では、N=5か否かの判定を行い、N≠5のとき、つまり1〜4回連続してNG判定された状態のときはステップS2に戻り、N=5のとき、つまり5回連続してNG判定されているときはステップS11に進み、後述の第2NG処理を実行する。
【0038】
図6に示すように、前記第1NG処理は、ステップS21でTABの送りを一時停止させた後、ステップS22で、NGピースを顕微鏡位置に高速位置決めする。ここで、NGピースが複数あるときは、最下流のNGピースを顕微鏡位置に位置決めする。そして、ステップS23でiに1を代入する。
【0039】
このとき、図7に示すようにタッチパネル102には「OK」、「NG」、「次ピース」、「停止」の選択が可能な顕微鏡チェック画面が表示されている。ステップS24で、顕微鏡位置にあるNGピースが作業者により目視判定されると共に、タッチパネル102のOK又はNGの押操作により検査結果が入力される。そして、ステップS25でi=Nか否かについて判定を行う。この判定でi≠Nと判定されたときは、ステップS26で、作業者により「次ピース」の押操作がなされると、1ピース分TABを送ると共に、ステップS27でiにi+1を代入した上で、ステップS24に戻り、後続のNGピースについて作業者の目視による同様の判定を行う。
【0040】
また、ステップS25でi=Nと判定されたときは、ステップS28に進み、再開方法を選択する。このときタッチパネル102には、図8に示すような、3通りの再開方法が表示され、作業者が操作することにより選択可能となっている。
【0041】
そして、ステップS28で、再検査即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースより検査再開(NGピースを再検査)」が選択されたときは、ステップS29でNGピースを基準位置に高速位置決めし、図5のフローチャートのステップS2に戻る。
【0042】
この再検査が選択されたときのTABの送り動作を図9を用いて説明する。ここでは、NGピースが2回連続で検出された後、OKピースが検出されたときを例に説明する。なお、この図において、未判定のピースには斜線を施している。
【0043】
まず、図9(a)に示すように、各ピースX1〜X3がラインセンサ20,21を通過すると、図9(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図9(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1,X2の目視判定を順次行った結果、再度画像処理による良否判定を行いたいとのことで、作業者によりタッチパネル102で再検査が選択されると、図9(d)に示すように、ピースX1を基準位置に高速で移動させて、ピースX1〜X3の再検査を実行する。
【0044】
また、ステップS28で、パンチ実行即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースをパンチし、次のピースから検査再開」が選択された場合は、ステップS30でNGピースをパンチ位置に高速で位置決めする。そして、ステップS31でNGピースにパンチし、ステップS32でOKピースを基準位置に高速位置決めする。なお、複数のNGピースが検出されている場合は、下流側のNGピースをパンチ位置に位置決めし、このNGピースにパンチした後1ピース分TABを送って次のNGピースをパンチするように制御する。
【0045】
このパンチ実行が選択されたときのTABの送り動作を図10を用いて説明する。このときも、NGピースが2回連続で検出された後、OKピースが検出されたときを例に説明する。
【0046】
まず、図10(a)に示すように、各ピースX1〜X3がラインセンサ20,21を通過すると、図10(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図10(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1,X2の目視判定を順次行った結果、ピースX1,X2が確かにNGであると判定されて作業者によりタッチパネル102でパンチ実行が選択されると、図10(d)に示すように、ピースX1をパンチ位置に高速で移動させ、ピースX1,X2にパンチした後、図10(e)に示すように、OKピースX3を基準位置に高速位置決めする。
【0047】
さらに、ステップS28で、パンチせず即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースをパンチせず、OKピースから検査再開」が選択された場合は、ステップS33でOKピースを基準位置に高速位置決めする。
【0048】
このパンチせずが選択されたときのTABの送り動作を図11を用いて説明する。このときも、NGピースが2回連続で検出された後、OKピースが検出されたときを例に説明する。
【0049】
まず、図11(a)に示すように、各ピースX1〜X3がラインセンサ20,21を通過すると、図11(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図11(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1,X2の目視判定を順次行った結果、ピースX1,X2がOKであると判断されて作業者によりタッチパネル102でパンチせずが選択されると、図11(d)に示すように、これらのピースX1,X2にはパンチせずにOKピースX3を基準位置に高速位置決めする。
【0050】
次に、前記第2NG処理について説明すると、図12のフローチャートに示すように、ステップS41でTAB送りを一時停止させ、ステップS42でNGピースを顕微鏡位置に位置決めする。そして、ステップS32でこのNGピースについての目視判定の結果OK/NGを図7に示した表示画面のタッチパネル102の操作により入力し、「次ピース」の押操作によりステップS44で1ピース分TABを送る。このとき前記NGピースの次のピースが顕微鏡位置に位置決めされる。そして、ステップS45で、作業者によるタッチパネル102の「停止」の押操作に応じて停止信号が入力されたか否かについて判定が行われ、停止信号が入力されていないときはステップS43に戻って同様の検査を行い、停止信号が入力されたときは、ステップS46に進んで再開方法を選択する。
【0051】
そして、ステップS46で、再検査即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースより検査再開(NGピースを再検査)」が選択されたときは、ステップS47でNGピースを基準位置に高速位置決めし、図5のフローチャートのステップS2に戻る。
【0052】
この再検査が選択されたときのTABの送り動作を図13を用いて説明する。まず、図13(a)に示すように、各ピースX1〜X5がラインセンサ20,21を通過すると、図13(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図13(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1〜X5の目視判定を順次行った結果、もう一度画像処理による良否判定を行いたいとのことで、顕微鏡チェック画面で「停止」が押操作されると共に、再開方法選択画面でで再検査が選択されると、図13(d)に示すように、ピースX1を基準位置に高速で移動させて、ピースX1〜X5の再検査を実行する。なお、この例ではピースX1〜X5の目視判定を行った時点で停止信号が入力されているが、4個以内、或いは6個以上のNGピースを目視判定した上で、ピースX1〜X5の再検査を行うようにしてもよい。
【0053】
また、ステップS46で、パンチ実行即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースをパンチし、次のピースから検査再開」が選択された場合は、ステップS48でNGピースをパンチ位置に高速で位置決めする。そして、ステップS49でNGピースにパンチし、ステップS50でNGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。なお、複数のNGピースをパンチするときには、下流側のNGピースをパンチ位置に位置決めし、このNGピースにパンチした後1ピース分TABを送って次のNGピースをパンチするようにして、複数のNGピースを連続的にパンチする。
【0054】
このパンチ実行が選択されたときのTABの送り動作を図14を用いて説明する。まず、図14(a)に示すように、各ピースX1〜X5がラインセンサ20,21を通過すると、図14(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図14(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1〜X5の目視判定を順次行った結果、複数のピースに亘る傷dが発見され、ピースX5の上流側においてもNGピースが存在することが予想されたので、「次ピース」を押操作して目視判定を継続する。そして、ピースX6で傷dの終端が確認され、ピースX7では傷dは存在しないことが確認されたので「停止」が押操作される。そして、作業者によりタッチパネル102でパンチ実行が選択されると、図14(d)に示すように、ピースX1をパンチ位置に高速で移動させ、ピースX1〜X6にパンチした後、図14(e)に示すように、ピースX7を基準位置に高速位置決めする。
【0055】
さらに、ステップS46で、パンチせず即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースをパンチせず、OKピースから検査再開」が選択された場合は、ステップS33でOKピースを基準位置に高速位置決めする。
【0056】
このパンチせずが選択されたときのTABの送り動作を図15を用いて説明すると、まず、図15(a)に示すように、各ピースX1〜X5がラインセンサ20,21を通過すると、図15(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図15(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1〜X5の目視判定を順次行った結果、ピースX1〜X5がOKであると判断されて作業者によりタッチパネル102の再開方法選択画面でパンチせずが選択されると、図15(d)に示すように、これらのピースX1〜X5にはパンチせずに、後続のピースX6を基準位置に高速位置決めする。
【0057】
次に、作業者によりパンチモードが選択された場合の処理について図16のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートにおけるステップSS61〜S68、S70、S71は、図5のフローチャートのステップS1〜S8、S10、S11と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
図16のフローチャートにおいて、ステップS68でOKピースであると判定されたときは、ステップS69に進み、図17のフローチャートに示すパンチ処理を行う。このパンチ処理は、ステップS81でTABの送りを一時停止させ、ステップS82でNGピースをパンチ位置に高速で位置決めする。そして、ステップS83でjに1を代入し、ステップS84でNGピースにパンチを実行する。次に、ステップS85でj=Nか否かの判定を行い、j=Nのときは、ステップS86で1ピース分TABを送り、ステップS87でjにj+1を代入して、ステップS84に戻り、次のNGピースをパンチする。
【0059】
また、ステップS71でN=5であると判定されたときは、ステップS72に進み、第3NG処理を行う。この第3NG処理は、図18のフローチャートに従って行われるが、各ステップS91〜S101は、図12に示した第2NG処理の各ステップS41〜S51と同様の処理であるため、説明を省略する。なお、この第3NG処理においては、ステップS96で再検査が選択されて、ステップS97でNGピースを基準位置に高速で位置決めした後に、図16のフローチャートのステップS62に戻るようになっている。
【0060】
このように、NGピースが5回連続して検出されたときは、顕微鏡モード、パンチモードに拘らず、同様の制御を行うようになっている。
【0061】
以上のように、多数のピースを一定のピッチで設けてなる帯状のTABが巻出リール10から繰り出されて移送されると共に、ラインセンサ20,21により移送中のTABの各ピースXの画像が取得され、画像用コントローラ110でこの画像と予め登録された基準画像とを比較することにより当該ピースXがOKピース又はNGピースであることが判定される。
【0062】
前記画像用コントローラ110によりOKピースと判定されたときは、TABの移送が継続されて後続のピースについて同様の判定が行われるのであるが、NGピースと判定されたときは、NGピースが顕微鏡位置に移送され、このNGピース及び後続のピースについて作業者の目視によりOK又はNGの判定が行われる。そして、作業者による目視判定の結果がタッチパネル102の操作により入力され、NGピースがパンチ位置に移送される。ここでの目視判定の結果、前記NGピースから後続のピースに亘って形成された傷や印刷不良等が確認された場合は、これらが確認されなくなるまで順次ピースの検査を継続し、ここで確認されたNGピースが連続的にパンチされる。
【0063】
このように、画像処理によりNGピースの判定がなされたときに、目視によりこのNGピース及び後続のピースに対して異常状態(傷、印刷不良等)の詳細が確認され、連続的にNGピースが続く場合に、ピースを基準位置とパンチ位置との間を往復させることなく連続的にパンチ装置25によりパンチ穴が形成されるので、検査の効率化が実現される。
【0064】
次に、本発明の第2〜4の実施の形態について説明する。この実施の形態は、前記第1の実施の形態に対してNGピースの処理方法が異なるものであり、装置構成は同様であるから同一の構成要素については同一の符号を付す。
【0065】
まず、第2の実施の形態は、顕微鏡モードの処理が異なるものである。これにおいては、図19のフローチャートに示すように、ステップS111でTABを所定の速度で送り、ステップS112で画像取得タイミングか否かを判定する。そして、画像取得タイミングであれば、ステップS113に進み、1つのピースについてラインセンサ20,21により画像を取得すると共に、ステップS114で当該ピースについての良否判定を行う。この判定において、OKピースであると判定されたときは、ステップS111に戻って次のピースについて同様の画像判定を行う。また、前記ステップS114の判定において、NGピースであると判定されたときは、ステップS115に進み、第4NG処理を実行する。
【0066】
この第4NG処理は、図20のフローチャートに従って行われる。まず、ステップS121でTABの送りを一時停止させ、ステップS122でNGピースを顕微鏡位置に高速位置決めする。そして、ステップS123で当該NGピースについての目視判定の結果OK/NGを図7に示したタッチパネル102の顕微鏡チェック画面上で入力し、ステップS124で「次ピース」が押操作されると1ピース分TABを送って次のピースを顕微鏡位置に位置決めする。そして、ステップS125で「停止」の押操作による停止信号が入力されたか否かについて判定を行い、停止信号が入力されていない場合は、ステップS123に戻って顕微鏡位置にあるピースについて目視判定を行う。
【0067】
また、ステップS125で停止信号が入力されたことが判定されたときは、ステップS126で再開方法を選択する。ここで、再検査が選択されたときは、ステップS127に進んでNGピースを基準位置に高速位置決めする。また、パンチ実行が選択されたときは、ステップS128でNGピースをパンチ位置に高速位置決めし、ステップS129で、NGピースにパンチする。ここで複数のNGピースが存在する場合は、下流側のものから順次パンチすることになる。パンチが完了すると、ステップS130で、NGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。
【0068】
このパンチ実行が選択されたときのTABの送り動作を図21を用いて説明すると、まず、図21(a)に示すように、ピースX1がラインセンサ20,21を通過し、NG判定されると、図21(b)に示すように、NGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図21(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1の目視判定を行った結果、後続のピースに亘る傷dが発見され、ピースX1の上流側にNGピースが存在することが予想されるので、「次ピース」を押操作して目視判定を継続する。そして、順次ピースを検査した結果、ピースX4に傷dの終端が確認されると共にピースX5に傷dは存在しないことが確認されたので「停止」が押操作される。次に、作業者によりタッチパネル102の再開方法選択画面ででパンチ実行が選択されると、図21(d)に示すように、ピースX1をパンチ位置に高速で移動させ、ピースX1〜X4にパンチした後、図21(e)に示すように、ピースX5を基準位置に高速位置決めする。
【0069】
この実施の形態においては、画像処理により一つでもNGピースが判定されると、このNGピースについて作業者により目視判定が行われ、この目視の結果に応じてNGピースの後続のピースも目視判定される。従って、複数の連続するピースに亘って形成された傷や印刷不良等があるときに、連続するNGピースを効率良く検出することができ、また、これらのNGピースが連続的にパンチされるので、NGピースが基準位置と顕微鏡位置とを往復することなく、作業効率が向上する。
【0070】
次に、第3の実施の形態について説明する。この実施の形態は、前記第1の実施の形態に対して、タッチパネル102の顕微鏡チェックの表示画面が異なり、この画面の操作に応じてNGピースの処理を行うものである。
【0071】
即ち、顕微鏡チェックの表示画面は、図22に示すように、「TAB送りスタート」及び「TAB送り停止」が選択可能になっており、「TAB送り停止」が選択されると、図8に示した再開方法選択画面が表示される。そして、この場合には、前記第2〜第4NG処理に代えて、以下に説明する第5NG処理が行われる。
【0072】
第5NG処理は、図23のフローチャートに示すように、ステップS141でTAB送りを一時停止し、ステップS142でNGピースを顕微鏡位置に高速位置決めする。そして、ステップS143で作業者によりタッチパネル102の「TAB送りスタート」が押操作されたか否かについて判定を行い、押操作されれば、ステップS144でTABを所定速度で連続的に移送すると共に、TAB送り量を測定する。そして、ステップS145で、「TAB送り停止」が押操作されたか否かの判定を行い、押操作されていないときは、ステップS144に戻ってTAB送り量の測定を継続し、押操作されれば、ステップS146でNG範囲を設定する。ここでのNG範囲は、前記ステップS144で測定した送り量の範囲であって、この範囲に含まれるピースはNGピースとして判定される。
【0073】
そして、ステップS147に進み、図8の再開方法選択画面で、再検査が選択されたときは、ステップS148に進み、NGピースの内の最下流のNGピースを基準位置に高速位置決めする。なお、このフローチャートにおける、(III)は、第2NG処理の(I)、第3NG制御の(II)、第4NG制御の(エンド)に対応している。
【0074】
また、ステップS147で、パンチ実行が選択された場合は、ステップS149でNGピースをパンチ位置に高速位置決めし、ステップS150で前記範囲内に含まれるピースの全てに連続的にパンチする。そして、ステップS151で、NGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。さらに、ステップS147で、パンチせずが選択された場合は、ステップS152でNGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。
【0075】
この実施の形態においては、NGピースが顕微鏡位置に位置決めされた後、作業者は、タッチパネル102の顕微鏡チェック画面で「TAB送りスタート」を押操作し、連続的に移送されるTABの表面を観察しながら、後続のTABについての判定を行う。そして、複数のピースに亘る傷や印刷不良等が存在する場合は、傷等が確認されなくなったときに、「TAB送り停止」を押操作し、これによって傷等が存在する範囲が特定される。そして、この範囲内に含まれるピースをNGピースとしてパンチする。このような方法によっても、連続するNGピースが効率良く検出され、NGピースが連続的にパンチされることにより検査効率が向上する。
【0076】
次に、第4の実施の形態について説明する。この実施の形態は、前記第3の実施の形態と同様にタッチパネル102の顕微鏡チェックの表示画面が異なるものである。
【0077】
即ち、顕微鏡チェック表示画面は、図24に示すように、「数字1〜9の入力キー(テンキー)」、「TAB長さ」、「ピース個数」、「再入力」、「設定完了」が選択可能となっている。そして、「TAB長さ」又は「ピース個数」が押操作されたときに、隣接するブランクにテンキーにより数字を入力表示可能となっており、いずれかに数字が入力された状態で「設定完了」が押操作されると、再開方法選択画面が表示されるようになっている。そして、この場合には、前記第2〜第4NG処理に代えて、以下に説明する第6NG処理が行われる。
【0078】
第6NG処理は、図25のフローチャートに示すように、ステップS161でTAB送りを一時停止し、ステップS162でNGピースを顕微鏡位置に高速位置決めする。そして、この状態で作業者は、顕微鏡24でNGピースを目視判定することにより欠陥の詳細や傾向を確認すると共に、後続のピースについて顕微鏡24を使用せずに目視判定する。そして、複数のピースに亘って形成された傷等が確認された場合には、これらのピースを含む範囲をタッチパネル102の顕微鏡チェック画面で入力する。ここでは、NGピースから上流側への長さ、又はNGピースを含む後続のピースの個数が入力されることになる。
【0079】
そして、ステップS164に進み、図8の再開方法選択画面で、再検査が選択されたときは、ステップS165に進み、前記範囲内の最下流のNGピースを基準位置に位置決めする。なお、このフローチャートにおける、(III)は、第2NG処理の(I)、第3NG制御の(II)、第4NG制御の(エンド)に対応している。
【0080】
また、ステップS164で、パンチ実行が選択された場合は、ステップSS166でNGピースをパンチ位置に高速位置決めし、ステップS167で前記ステップS164で入力された範囲内に含まれるピースの全てに連続的にパンチする。そして、ステップS168で、NGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。さらに、ステップS164で、パンチせずが選択された場合は、ステップS169でNGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。
【0081】
この実施の形態においては、NGピースが顕微鏡位置に位置決めされた後、作業者は、NGピースの後続のピースについて観察を行い、複数のピースに亘る傷や印刷不良等が確認された場合は、この傷等の大体のTAB長さ、又は大体のピース個数をタッチパネル102の顕微鏡チェック画面で入力する。そして、このTAB長さ又はピース個数の範囲内に含まれるピースをNGピースとしてパンチする。このような方法によっても、連続するNGピースが効率良く検出されると共に、NGピースが連続的にパンチされることにより検査効率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、TABの良否判定を行う検査装置に関し、連続するNGピースに効率良くパンチ穴を形成することができるので、半導体製造産業に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の正面図である。
【図2】TABの説明図である。
【図3】検査装置のシステム図である。
【図4】タッチパネルのモード選択画面である。
【図5】顕微鏡モードにおける制御のフローチャートである。
【図6】第1NG処理のフローチャートである。
【図7】タッチパネルの顕微鏡チェック画面である。
【図8】タッチパネルの再開方法選択画面である。
【図9】第1NG処理の再検査選択時の動作図である。
【図10】第1NG処理のパンチ実行選択時の動作図である。
【図11】第1NG処理のパンチせず選択時の動作図である。
【図12】第2NG処理のフローチャートである。
【図13】第2NG処理の再検査選択時の動作図である。
【図14】第2NG処理のパンチ実行選択時の動作図である。
【図15】第2NG処理のパンチせず選択時の動作図である。
【図16】パンチモードにおける制御のフローチャートである。
【図17】パンチ処理のフローチャートである。
【図18】第3NG処理のフローチャートである。
【図19】第2の実施の形態に係る顕微鏡モードにおける制御のフローチャートである。
【図20】第4NG処理のフローチャートである。
【図21】第2NG処理のパンチ実行選択時の動作図である。
【図22】第3の実施の形態に係るタッチパネルの顕微鏡チェック画面である。
【図23】第5NG処理のフローチャートである。
【図24】第4の実施の形態に係るタッチパネルの顕微鏡チェック画面である。
【図25】第6NG処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 検査装置
10 巻出リール
13a〜13c 駆動ローラ
20 第1ラインセンサ
21 第2ラインセンサ
24 顕微鏡
25 パンチ装置
100 移送用コントローラ
102 タッチパネル
110 画像用コントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、TABの欠陥等を検査するTABの検査装置に関し、物品検査の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICチップの小型・薄型のパッケージとして、帯状のフィルムに銅箔等を張り合わせ、フォトエッチング等で回路パターンを形成したTABが開発されている。TABには、多数の回路パターンが一定のピッチで繰り返して形成されており、1チップに対応する回路パターンの領域(以下、パターンの単位を「ピース」という)の断線などの欠陥を検査する装置として、各種のものが提案されている。
【0003】
例えば特許文献1に開示された検査装置は、TABを移送する移送手段が備えられ、該移送手段による移送経路上に、TABを照明する光源と、該光源により照明されたTABの画像を取得するCCDカメラとが備えられたものである。この装置において、前記CCDカメラはTABの1ピース毎の画像を取得すると共に、該カメラにより取得された1ピースの画像と予め記憶された基準画像とが対比されることにより当該ピースがOKピース又はNGピースであることが判定され、NGピースであればパンチ装置によりパンチ穴を形成する(以下、単に「パンチする」という)ようになっている。
【0004】
ところで、前記特許文献1に記載の装置において、NGピースにパンチするときには、NGピースが検出される毎にNGピースをパンチ装置の対応位置(以下、「パンチ位置」という)に移送し、パンチされた後、このNGピースの次のピースが撮像位置に戻されるように移送手段が制御される。このような構成においては、NGピースが連続する場合に、逐一NGピースをパンチ位置と撮像位置とを往復させることになって検査効率が悪い。
【0005】
このような問題に対処するものとして、本出願人による先の出願(特願2005−195824号明細書)に開示された検査装置がある。
【0006】
この検査装置では、連続してNGピースが検出されたときは検査を継続し、NGピースに後続するOKピースが検出されたときに、1または複数のNGピースをパンチ位置に移送し、これらのNGピースを連続的にパンチするようになっている。このようにOKピースの検出がNGピースをパンチするトリガーとされている場合には、装置の異常等によりOKピースであってもNGピースであると判定される不具合が生じた場合に、NG判定が延々と続いて異常を検知することができない。そのため、このような異常を早期に察知するために、所定回数(例えば5回)NG判定が連続すると装置を一旦停止して作業者に異常を知らせるようになっている。
【0007】
そして、このように停止された状態の装置において、作業者により装置の異常が発見されたときは装置の修理等が行われるのであるが、装置に異常がなく、欠陥等を有するNGピースが所定回数連続していると確認されたときは、これらのNGピースがパンチ位置に移送されて連続的にパンチされた上で、これらのNGピースの後続のピースが撮像位置に位置決めされ、検査が再開されることになる。
【0008】
【特許文献1】特開2000−182061号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、TABが製造される前工程などにおいて、何らかのトラブルにより複数の連続するピースに亘って傷や印刷不良等が形成される場合がある(例えば長さ80mのTABに対して10mの傷など)。このような場合には、前記所定回数よりも多数のNGピースが連続するため、前記のように所定回数NGピースが連続すると装置が一旦停止するように構成されているものにおいては、所定回数NGピースが検出される毎に装置が一旦停止すると共に、作業者が逐一対応しなければならず、作業効率が悪い。
【0010】
そこで、本発明は、TABの各ピースを画像処理により良否判定し、NGピースにパンチ穴を形成するTABの検査装置において、TAB表面の傷や印刷不良等により連続的してNGピースが存在するときに、これらのNGピースに効率良くパンチ穴を形成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0012】
まず、本願の請求項1に記載の発明は、多数のピースを一定ピッチで設けてなる帯状のTABをリールから繰り出して所定の移送経路上を移送する移送手段と、該移送手段で移送されているTABの各ピースを画像として取得する画像取得手段と、該取得手段で取得した画像を処理し、予め登録された基準画像と対比することによってピースの良否判定を行う判定手段と、前記移送経路上に設けられてNGピースにパンチ穴を形成するパンチ手段とを有するTABの検査装置であって、前記移送経路上に、前記判定手段により判定されたNGピースが移送され、該NGピースに続くピースがNGピースか否かを作業者の目視により判定する目視ステーションが設けられていると共に、該目視ステーションでの目視判定によりNGピースが連続すると判定されたときに、その連続する範囲の情報を入力するNG範囲入力手段と、前記移送手段を制御する移送制御手段とが備えられ、該移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピースを目視ステーションに移送し、前記NG範囲入力手段によりNGピースが連続する範囲の情報が入力された後に、入力された範囲のNGピースを前記パンチ手段の対応位置に順次連続的に移送するように前記移送手段を制御すると共に、前記パンチ手段は、前記移送手段により順次移送されてくるNGピースに対して連続的にパンチ穴を形成することを特徴とする。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載のTABの検査装置において、前記移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピースとその後続のピースを目視ステーションに移送するように移送手段を制御すると共に、該目視ステーションに移送されてくるNGピースが連続するときに、そのNGピースの前端及び後端のピースを指示する指示手段が備えられ、前記NG範囲入力手段は、該指示手段により前端及び後端が指示されたNGピースが連続する範囲を取り込むことを特徴とする。
【0014】
そして、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載のTABの検査装置において、前記NG範囲入力手段は、NGピースが連続するTABの長さ又はピース個数の情報を入力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
まず、請求項1に記載の発明によれば、移送手段により多数のピースを一定のピッチで設けてなる帯状のTABがリールから繰り出されて所定の移送経路上を移送されると共に、画像取得手段により移送中のTABの各ピースの画像が取得され、判定手段によりこの画像と予め登録された基準画像とを対比することにより当該ピースがOKピース又はNGピースであることが判定される。
【0016】
前記判定手段によりOKピースと判定されたときは、移送手段によるTABの移送が継続されて後続のピースについて同様の判定が行われるのであるが、NGピースと判定されたときは、NGピースが目視ステーションに移送されるように移送手段が制御され、該目視ステーションにおいて該NGピースに続くピースがNGピースか否かを作業者の目視により判定するようになっている。そして、作業者による目視判定の結果として、NGピースが連続すると判定されたときに、その連続する範囲の情報がNG範囲入力手段により入力され、この後、入力された範囲のNGピースがパンチ手段の対応位置に順次連続的に移送され、移送されてくるNGピースに対してパンチ手段により連続してパンチ穴が形成される。例えば前記目視判定の結果、判定手段により判定されたNGピースから後続のピースに亘って形成された傷や印刷不良等が確認された場合は、これらの傷等に応じたTABの範囲の情報が入力されているので、この範囲内のNGピースに連続的にパンチ穴が形成される。
【0017】
このように、本発明によれば、画像処理によりNGピースの判定がなされたときに、目視によりNGピースが連続するか否かが確認され、連続的にNGピースが続く場合に、ピースを基準位置とパンチ位置との間を往復させることなく連続的にパンチ手段によりパンチ穴が形成されるので、検査の効率化が実現される。
【0018】
また、請求項2に記載の発明によれば、前記移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピース及びその後続のピースを目視ステーションに移送すると共に、該目視ステーションに移送されてくるNGピースが連続するときに、指示手段によりそのNGピースの前端及び後端のピースが指示される。そして、NG範囲入力手段は該指示手段により前端及び後端が指示されたNGピースが連続する範囲を取り込むようになっている。
【0019】
例えば複数のピースに亘って傷や印刷不良等が形成されている場合には、指示手段によりNGピースの前端が指示された後、作業者は目視ステーションで移送されるTAB表面の定点観察を行い、傷等が確認されなくなれば指示手段によりNGピースの後端が指示される。この結果、傷等の存在する範囲内にあるNGピースが特定され、これらのNGピースがパンチ手段の対応位置に順次連続的に移送されると共に、順次移送されてくるNGピースにパンチ手段により連続的にパンチ穴が形成されるので、検査の効率化が図られる。
【0020】
そして、請求項3に記載の発明によれば、前記NG範囲入力手段は、NGピースが連続するTABの長さ又はピース個数の情報を入力するようになっている。例えば複数のピースに亘って傷等が形成されている場合には、判定手段により判定されたNGピースが目視ステーションに移送された後に、作業者がNGピース及びその後続のピースについて目視判定を行い、傷等に応じたTABの長さ又はピース個数を入力するようになっている。
【0021】
そして、このTABの長さ又はピース個数の範囲に含まれるNGピースがパンチ手段の対応位置に順次連続的に移送されると共に、移送されてくるNGピースにパンチ手段により連続的にパンチ穴が形成されるので、検査の効率化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0023】
図1に示す本実施の形態に係るTABの検査装置1は、図2に示すような帯状のTABの各ピースX…Xの良否判定を行うものである。TABは、幅方向両端に沿って一定のピッチでパーフォレーションP…Pが設けられた帯状のフィルムテープTに、1チップごとに回路パターン(以下、パターンの単位を「ピースX」という)が一定のピッチで繰り返して設けられたものである。
【0024】
図1に示すように、前記検査装置1は、機枠2と、該機枠2に設けられて前記TABを巻き出す巻出リール10と、該巻出リール10から繰り出されたTABを案内するガイドローラ11,11と、TABの蛇行防止のために備えられてTABのパーフォレーションP…Pに係合する複数のスプロケットホイール12a〜12eと、回転駆動してTABを移送させる第1〜第3駆動ローラ13a〜13cと、TABを巻き取る巻取リール14とを有している。
【0025】
また、TABの移送経路に沿って、TAB表面の静電気を取り除く除電機15と、エア吸引作用によりTAB表面の塵埃を取り除く除塵装置16と、TAB表面の金属異物を取り除く磁性粉除去磁石17と、TAB表面に接触して異物を取り除く粘着ロール18と、TABの各ピースXの下流側のエッジを検出する光電センサ19と、TABの幅方向の直線画像を連続的に取得する第1、第2ラインセンサ20,21と、TABを斜め上方から照明する第1投光機22と、TABを裏面から照明する第2投光機23と、作業者がTAB表面の拡大画像を目視するための顕微鏡24と、TABにパンチ穴を形成するパンチ装置25と、TAB表面に接触して表面のごみを取り除くごみ取りロール26とが備えられている。また、機枠2の上部には、前記第1、第2ラインセンサ20,21により取得した画像等の表示を行う第1、第2検査用モニタ27,28が備えられている。
【0026】
一方、巻出リール10には、TABと保護シートSとが重ねられた状態で巻き掛けられており、該巻出リール10からTABが繰り出されると同時に保護シートSが分離するようになっている。そして、分離した保護シートSを案内する複数のガイドローラ29a〜29dと、中央のガイドローラ29b,29cの間に設けられて自重により保護シートSのテンションを適正化するダンサローラ30とが設けられ、これらに案内された保護シートSは、巻取リール10によりTABが巻き取られる際に同時に巻き取られ、巻取リール14においてはTABと保護シートSとが重ねられた状態となる。
【0027】
さらに、前記顕微鏡24とパンチ装置25との間に備えられたスプロケットホイール12dは、該ホイール12dの回転量の情報に基いて、TABの移送距離及び移送速度の情報を取得するエンコーダ12d′(図3参照)に連絡されている。そして、第1〜第3駆動ローラ13a〜13cのうちの上流側の第1駆動ローラ13aは、前記エンコーダ12d′で取得した移送速度の情報に基いて回転数のフィードバック制御を行うようになっている。また、第1駆動ローラ13aの下流側の第2、第3駆動ローラ13b,13cは、TABのテンションを適正化する回転数に設定されている。
【0028】
そして、第1〜第3駆動ローラ13a〜13cの上方には、TABを上方から押圧する押付けローラ13a′〜13c′が備えられている。なお、押付けローラ13a′〜13c′は、TABのパーフォレーションP…Pが設けられた幅方向両端部を押圧するようになっており、TABのテンションを適正化するために作用する。
【0029】
一方、図3に示すように、この検査装置1には、互いに信号の授受を行う搬送用コントローラ100と画像用コントローラ110とが備えられている。搬送用コントローラ100は、前記エンコーダ12d′、光電センサ19、及び作業者がデータ等を入力するキーボード101、タッチパネル102等からの信号を入力し、第1〜第3駆動ローラ13a〜13c、及びパンチ装置25などに制御信号を出力するようになっている。また、前記画像用コントローラ110は、前記エンコーダ12d′、第1、第2ラインセンサ20,21等からの信号を入力し、第1、第2検査用モニタ27,28などに制御信号を出力するようになっている。
【0030】
前記第1投光機22は、移送中のTABの斜め上方から光の照射を行うように配置され、第1ラインセンサ20は、該第1投光機22の照明によるTABの反射光を連続的に検出するようになっている。また、前記第2投光機23は、移送中のTABの下方から光の照射を行うように配置され、第2ラインセンサ21は、該第2投光機23の照明によるTABの透過光を連続的に検出するようになっている。そして、前記画像用コントローラ110は、第1、第2ラインセンサ20,21から取得したTABの幅方向の直線画像を組み合わせて1ピースの画像を作成する。
【0031】
さらに、前記画像用コントローラ110に内蔵されたメモリ100aには、ピースXの基準画像が格納されており、この基準画像と第1、第2ラインセンサ20,21により取得した1ピースの画像とを対比することにより、各ピースXの欠陥等の存在(以下、「NG」という)又は欠陥等の非存在(以下、「OK」という)が判定される。
【0032】
一方、判定結果は、移送用コントローラ100に入力され、これに応じてTABの移送制御が行われる。第1、第2ラインセンサ20,21で取得した1ピースの画像が、共にOK判定されたときは、当該ピースXについての検査は終了されて後続のピースXの検査が開始されるが、いずれか一方又は両方がNG判定されたピースXは、前記顕微鏡24の対応位置(以下、「顕微鏡位置」という)又は前記パンチ装置25の対応位置(以下、「パンチ位置」いう)に移送され、後続のピースXについての検査が一旦中断される。
【0033】
また、検査開始時には、前記光電センサ19はフィルムテープTに設けられた先頭のピースXの下流側のエッジを検出する。そして、このピースXが光電センサ19により検知された位置から所定距離上流側の基準位置に移送され、TABの初期位置の設定が完了する。また、作業者は、予めTABの各ピースXのピッチ等の情報を前記タッチパネル102により入力し、これらの情報に基いて、基準位置から前記第1、第2ラインセンサ20,21までの距離、基準位置から顕微鏡位置までの距離、基準位置からパンチ位置までの距離等が演算される。そして、前記エンコーダ12d′による移送距離の情報に基いて、第1、第2ラインセンサ20,21による画像取得開始のタイミング、画像取得終了のタイミング、パンチ装置25によるパンチのタイミングなどが計算される。
【0034】
ところで、検査開始時には、NG判定されたピースXの扱いについて、図4に示すように、タッチパネル102のモード選択画面で「顕微鏡モード」と「パンチモード」とが選択可能となっている。
【0035】
ここで、作業者により顕微鏡モードが選択されたときの制御について図5のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
まず、ステップS1でNをゼロに初期化し、ステップS2で、TABを所定速度で連続的に移送する。そして、ステップS3で、画像取得のタイミングか否かを判定し、画像取得のタイミングになればステップS4に進み、第1、第2ラインセンサ20,21によりそれぞれ1つのピースの画像を取得する
次に、ステップS5で、N≠0か否かを判定し、N=0のときは、ステップS6に進み、当該ピースについての良否判定を行う。このとき、前記ステップS4で取得した画像と基準画像とを対比し、これらの画像が略同様であってOK判定がなされた場合は、ステップS2に戻って次のピースについて同様に判定が行われる。また、ステップS6で、取得した画像と基準画像とに差異が認められてNG判定がなされた場合は、ステップS7に進み、NにN+1を代入してステップS2に戻る。
【0037】
一方、ステップS5でN≠0のとき、即ち既に一回以上NGピースが検出されている状態では、ステップS8に進み、前記ステップS6と同様のピースの良否判定を行う。ここでOK判定されたときは、後述の第1NG処理を実行し、NG判定されたときは、ステップS9に進み、NにN+1を代入してステップS10に進む。ステップS10では、N=5か否かの判定を行い、N≠5のとき、つまり1〜4回連続してNG判定された状態のときはステップS2に戻り、N=5のとき、つまり5回連続してNG判定されているときはステップS11に進み、後述の第2NG処理を実行する。
【0038】
図6に示すように、前記第1NG処理は、ステップS21でTABの送りを一時停止させた後、ステップS22で、NGピースを顕微鏡位置に高速位置決めする。ここで、NGピースが複数あるときは、最下流のNGピースを顕微鏡位置に位置決めする。そして、ステップS23でiに1を代入する。
【0039】
このとき、図7に示すようにタッチパネル102には「OK」、「NG」、「次ピース」、「停止」の選択が可能な顕微鏡チェック画面が表示されている。ステップS24で、顕微鏡位置にあるNGピースが作業者により目視判定されると共に、タッチパネル102のOK又はNGの押操作により検査結果が入力される。そして、ステップS25でi=Nか否かについて判定を行う。この判定でi≠Nと判定されたときは、ステップS26で、作業者により「次ピース」の押操作がなされると、1ピース分TABを送ると共に、ステップS27でiにi+1を代入した上で、ステップS24に戻り、後続のNGピースについて作業者の目視による同様の判定を行う。
【0040】
また、ステップS25でi=Nと判定されたときは、ステップS28に進み、再開方法を選択する。このときタッチパネル102には、図8に示すような、3通りの再開方法が表示され、作業者が操作することにより選択可能となっている。
【0041】
そして、ステップS28で、再検査即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースより検査再開(NGピースを再検査)」が選択されたときは、ステップS29でNGピースを基準位置に高速位置決めし、図5のフローチャートのステップS2に戻る。
【0042】
この再検査が選択されたときのTABの送り動作を図9を用いて説明する。ここでは、NGピースが2回連続で検出された後、OKピースが検出されたときを例に説明する。なお、この図において、未判定のピースには斜線を施している。
【0043】
まず、図9(a)に示すように、各ピースX1〜X3がラインセンサ20,21を通過すると、図9(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図9(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1,X2の目視判定を順次行った結果、再度画像処理による良否判定を行いたいとのことで、作業者によりタッチパネル102で再検査が選択されると、図9(d)に示すように、ピースX1を基準位置に高速で移動させて、ピースX1〜X3の再検査を実行する。
【0044】
また、ステップS28で、パンチ実行即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースをパンチし、次のピースから検査再開」が選択された場合は、ステップS30でNGピースをパンチ位置に高速で位置決めする。そして、ステップS31でNGピースにパンチし、ステップS32でOKピースを基準位置に高速位置決めする。なお、複数のNGピースが検出されている場合は、下流側のNGピースをパンチ位置に位置決めし、このNGピースにパンチした後1ピース分TABを送って次のNGピースをパンチするように制御する。
【0045】
このパンチ実行が選択されたときのTABの送り動作を図10を用いて説明する。このときも、NGピースが2回連続で検出された後、OKピースが検出されたときを例に説明する。
【0046】
まず、図10(a)に示すように、各ピースX1〜X3がラインセンサ20,21を通過すると、図10(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図10(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1,X2の目視判定を順次行った結果、ピースX1,X2が確かにNGであると判定されて作業者によりタッチパネル102でパンチ実行が選択されると、図10(d)に示すように、ピースX1をパンチ位置に高速で移動させ、ピースX1,X2にパンチした後、図10(e)に示すように、OKピースX3を基準位置に高速位置決めする。
【0047】
さらに、ステップS28で、パンチせず即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースをパンチせず、OKピースから検査再開」が選択された場合は、ステップS33でOKピースを基準位置に高速位置決めする。
【0048】
このパンチせずが選択されたときのTABの送り動作を図11を用いて説明する。このときも、NGピースが2回連続で検出された後、OKピースが検出されたときを例に説明する。
【0049】
まず、図11(a)に示すように、各ピースX1〜X3がラインセンサ20,21を通過すると、図11(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図11(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1,X2の目視判定を順次行った結果、ピースX1,X2がOKであると判断されて作業者によりタッチパネル102でパンチせずが選択されると、図11(d)に示すように、これらのピースX1,X2にはパンチせずにOKピースX3を基準位置に高速位置決めする。
【0050】
次に、前記第2NG処理について説明すると、図12のフローチャートに示すように、ステップS41でTAB送りを一時停止させ、ステップS42でNGピースを顕微鏡位置に位置決めする。そして、ステップS32でこのNGピースについての目視判定の結果OK/NGを図7に示した表示画面のタッチパネル102の操作により入力し、「次ピース」の押操作によりステップS44で1ピース分TABを送る。このとき前記NGピースの次のピースが顕微鏡位置に位置決めされる。そして、ステップS45で、作業者によるタッチパネル102の「停止」の押操作に応じて停止信号が入力されたか否かについて判定が行われ、停止信号が入力されていないときはステップS43に戻って同様の検査を行い、停止信号が入力されたときは、ステップS46に進んで再開方法を選択する。
【0051】
そして、ステップS46で、再検査即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースより検査再開(NGピースを再検査)」が選択されたときは、ステップS47でNGピースを基準位置に高速位置決めし、図5のフローチャートのステップS2に戻る。
【0052】
この再検査が選択されたときのTABの送り動作を図13を用いて説明する。まず、図13(a)に示すように、各ピースX1〜X5がラインセンサ20,21を通過すると、図13(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図13(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1〜X5の目視判定を順次行った結果、もう一度画像処理による良否判定を行いたいとのことで、顕微鏡チェック画面で「停止」が押操作されると共に、再開方法選択画面でで再検査が選択されると、図13(d)に示すように、ピースX1を基準位置に高速で移動させて、ピースX1〜X5の再検査を実行する。なお、この例ではピースX1〜X5の目視判定を行った時点で停止信号が入力されているが、4個以内、或いは6個以上のNGピースを目視判定した上で、ピースX1〜X5の再検査を行うようにしてもよい。
【0053】
また、ステップS46で、パンチ実行即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースをパンチし、次のピースから検査再開」が選択された場合は、ステップS48でNGピースをパンチ位置に高速で位置決めする。そして、ステップS49でNGピースにパンチし、ステップS50でNGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。なお、複数のNGピースをパンチするときには、下流側のNGピースをパンチ位置に位置決めし、このNGピースにパンチした後1ピース分TABを送って次のNGピースをパンチするようにして、複数のNGピースを連続的にパンチする。
【0054】
このパンチ実行が選択されたときのTABの送り動作を図14を用いて説明する。まず、図14(a)に示すように、各ピースX1〜X5がラインセンサ20,21を通過すると、図14(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図14(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1〜X5の目視判定を順次行った結果、複数のピースに亘る傷dが発見され、ピースX5の上流側においてもNGピースが存在することが予想されたので、「次ピース」を押操作して目視判定を継続する。そして、ピースX6で傷dの終端が確認され、ピースX7では傷dは存在しないことが確認されたので「停止」が押操作される。そして、作業者によりタッチパネル102でパンチ実行が選択されると、図14(d)に示すように、ピースX1をパンチ位置に高速で移動させ、ピースX1〜X6にパンチした後、図14(e)に示すように、ピースX7を基準位置に高速位置決めする。
【0055】
さらに、ステップS46で、パンチせず即ちタッチパネル102の再開方法選択画面で「NGピースをパンチせず、OKピースから検査再開」が選択された場合は、ステップS33でOKピースを基準位置に高速位置決めする。
【0056】
このパンチせずが選択されたときのTABの送り動作を図15を用いて説明すると、まず、図15(a)に示すように、各ピースX1〜X5がラインセンサ20,21を通過すると、図15(b)に示すように、下流側のNGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図15(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1〜X5の目視判定を順次行った結果、ピースX1〜X5がOKであると判断されて作業者によりタッチパネル102の再開方法選択画面でパンチせずが選択されると、図15(d)に示すように、これらのピースX1〜X5にはパンチせずに、後続のピースX6を基準位置に高速位置決めする。
【0057】
次に、作業者によりパンチモードが選択された場合の処理について図16のフローチャートを用いて説明する。なお、このフローチャートにおけるステップSS61〜S68、S70、S71は、図5のフローチャートのステップS1〜S8、S10、S11と同様であるため、説明を省略する。
【0058】
図16のフローチャートにおいて、ステップS68でOKピースであると判定されたときは、ステップS69に進み、図17のフローチャートに示すパンチ処理を行う。このパンチ処理は、ステップS81でTABの送りを一時停止させ、ステップS82でNGピースをパンチ位置に高速で位置決めする。そして、ステップS83でjに1を代入し、ステップS84でNGピースにパンチを実行する。次に、ステップS85でj=Nか否かの判定を行い、j=Nのときは、ステップS86で1ピース分TABを送り、ステップS87でjにj+1を代入して、ステップS84に戻り、次のNGピースをパンチする。
【0059】
また、ステップS71でN=5であると判定されたときは、ステップS72に進み、第3NG処理を行う。この第3NG処理は、図18のフローチャートに従って行われるが、各ステップS91〜S101は、図12に示した第2NG処理の各ステップS41〜S51と同様の処理であるため、説明を省略する。なお、この第3NG処理においては、ステップS96で再検査が選択されて、ステップS97でNGピースを基準位置に高速で位置決めした後に、図16のフローチャートのステップS62に戻るようになっている。
【0060】
このように、NGピースが5回連続して検出されたときは、顕微鏡モード、パンチモードに拘らず、同様の制御を行うようになっている。
【0061】
以上のように、多数のピースを一定のピッチで設けてなる帯状のTABが巻出リール10から繰り出されて移送されると共に、ラインセンサ20,21により移送中のTABの各ピースXの画像が取得され、画像用コントローラ110でこの画像と予め登録された基準画像とを比較することにより当該ピースXがOKピース又はNGピースであることが判定される。
【0062】
前記画像用コントローラ110によりOKピースと判定されたときは、TABの移送が継続されて後続のピースについて同様の判定が行われるのであるが、NGピースと判定されたときは、NGピースが顕微鏡位置に移送され、このNGピース及び後続のピースについて作業者の目視によりOK又はNGの判定が行われる。そして、作業者による目視判定の結果がタッチパネル102の操作により入力され、NGピースがパンチ位置に移送される。ここでの目視判定の結果、前記NGピースから後続のピースに亘って形成された傷や印刷不良等が確認された場合は、これらが確認されなくなるまで順次ピースの検査を継続し、ここで確認されたNGピースが連続的にパンチされる。
【0063】
このように、画像処理によりNGピースの判定がなされたときに、目視によりこのNGピース及び後続のピースに対して異常状態(傷、印刷不良等)の詳細が確認され、連続的にNGピースが続く場合に、ピースを基準位置とパンチ位置との間を往復させることなく連続的にパンチ装置25によりパンチ穴が形成されるので、検査の効率化が実現される。
【0064】
次に、本発明の第2〜4の実施の形態について説明する。この実施の形態は、前記第1の実施の形態に対してNGピースの処理方法が異なるものであり、装置構成は同様であるから同一の構成要素については同一の符号を付す。
【0065】
まず、第2の実施の形態は、顕微鏡モードの処理が異なるものである。これにおいては、図19のフローチャートに示すように、ステップS111でTABを所定の速度で送り、ステップS112で画像取得タイミングか否かを判定する。そして、画像取得タイミングであれば、ステップS113に進み、1つのピースについてラインセンサ20,21により画像を取得すると共に、ステップS114で当該ピースについての良否判定を行う。この判定において、OKピースであると判定されたときは、ステップS111に戻って次のピースについて同様の画像判定を行う。また、前記ステップS114の判定において、NGピースであると判定されたときは、ステップS115に進み、第4NG処理を実行する。
【0066】
この第4NG処理は、図20のフローチャートに従って行われる。まず、ステップS121でTABの送りを一時停止させ、ステップS122でNGピースを顕微鏡位置に高速位置決めする。そして、ステップS123で当該NGピースについての目視判定の結果OK/NGを図7に示したタッチパネル102の顕微鏡チェック画面上で入力し、ステップS124で「次ピース」が押操作されると1ピース分TABを送って次のピースを顕微鏡位置に位置決めする。そして、ステップS125で「停止」の押操作による停止信号が入力されたか否かについて判定を行い、停止信号が入力されていない場合は、ステップS123に戻って顕微鏡位置にあるピースについて目視判定を行う。
【0067】
また、ステップS125で停止信号が入力されたことが判定されたときは、ステップS126で再開方法を選択する。ここで、再検査が選択されたときは、ステップS127に進んでNGピースを基準位置に高速位置決めする。また、パンチ実行が選択されたときは、ステップS128でNGピースをパンチ位置に高速位置決めし、ステップS129で、NGピースにパンチする。ここで複数のNGピースが存在する場合は、下流側のものから順次パンチすることになる。パンチが完了すると、ステップS130で、NGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。
【0068】
このパンチ実行が選択されたときのTABの送り動作を図21を用いて説明すると、まず、図21(a)に示すように、ピースX1がラインセンサ20,21を通過し、NG判定されると、図21(b)に示すように、NGピースX1を顕微鏡位置に高速で移動させる。そして、図21(c)に示すように、顕微鏡24でピースX1の目視判定を行った結果、後続のピースに亘る傷dが発見され、ピースX1の上流側にNGピースが存在することが予想されるので、「次ピース」を押操作して目視判定を継続する。そして、順次ピースを検査した結果、ピースX4に傷dの終端が確認されると共にピースX5に傷dは存在しないことが確認されたので「停止」が押操作される。次に、作業者によりタッチパネル102の再開方法選択画面ででパンチ実行が選択されると、図21(d)に示すように、ピースX1をパンチ位置に高速で移動させ、ピースX1〜X4にパンチした後、図21(e)に示すように、ピースX5を基準位置に高速位置決めする。
【0069】
この実施の形態においては、画像処理により一つでもNGピースが判定されると、このNGピースについて作業者により目視判定が行われ、この目視の結果に応じてNGピースの後続のピースも目視判定される。従って、複数の連続するピースに亘って形成された傷や印刷不良等があるときに、連続するNGピースを効率良く検出することができ、また、これらのNGピースが連続的にパンチされるので、NGピースが基準位置と顕微鏡位置とを往復することなく、作業効率が向上する。
【0070】
次に、第3の実施の形態について説明する。この実施の形態は、前記第1の実施の形態に対して、タッチパネル102の顕微鏡チェックの表示画面が異なり、この画面の操作に応じてNGピースの処理を行うものである。
【0071】
即ち、顕微鏡チェックの表示画面は、図22に示すように、「TAB送りスタート」及び「TAB送り停止」が選択可能になっており、「TAB送り停止」が選択されると、図8に示した再開方法選択画面が表示される。そして、この場合には、前記第2〜第4NG処理に代えて、以下に説明する第5NG処理が行われる。
【0072】
第5NG処理は、図23のフローチャートに示すように、ステップS141でTAB送りを一時停止し、ステップS142でNGピースを顕微鏡位置に高速位置決めする。そして、ステップS143で作業者によりタッチパネル102の「TAB送りスタート」が押操作されたか否かについて判定を行い、押操作されれば、ステップS144でTABを所定速度で連続的に移送すると共に、TAB送り量を測定する。そして、ステップS145で、「TAB送り停止」が押操作されたか否かの判定を行い、押操作されていないときは、ステップS144に戻ってTAB送り量の測定を継続し、押操作されれば、ステップS146でNG範囲を設定する。ここでのNG範囲は、前記ステップS144で測定した送り量の範囲であって、この範囲に含まれるピースはNGピースとして判定される。
【0073】
そして、ステップS147に進み、図8の再開方法選択画面で、再検査が選択されたときは、ステップS148に進み、NGピースの内の最下流のNGピースを基準位置に高速位置決めする。なお、このフローチャートにおける、(III)は、第2NG処理の(I)、第3NG制御の(II)、第4NG制御の(エンド)に対応している。
【0074】
また、ステップS147で、パンチ実行が選択された場合は、ステップS149でNGピースをパンチ位置に高速位置決めし、ステップS150で前記範囲内に含まれるピースの全てに連続的にパンチする。そして、ステップS151で、NGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。さらに、ステップS147で、パンチせずが選択された場合は、ステップS152でNGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。
【0075】
この実施の形態においては、NGピースが顕微鏡位置に位置決めされた後、作業者は、タッチパネル102の顕微鏡チェック画面で「TAB送りスタート」を押操作し、連続的に移送されるTABの表面を観察しながら、後続のTABについての判定を行う。そして、複数のピースに亘る傷や印刷不良等が存在する場合は、傷等が確認されなくなったときに、「TAB送り停止」を押操作し、これによって傷等が存在する範囲が特定される。そして、この範囲内に含まれるピースをNGピースとしてパンチする。このような方法によっても、連続するNGピースが効率良く検出され、NGピースが連続的にパンチされることにより検査効率が向上する。
【0076】
次に、第4の実施の形態について説明する。この実施の形態は、前記第3の実施の形態と同様にタッチパネル102の顕微鏡チェックの表示画面が異なるものである。
【0077】
即ち、顕微鏡チェック表示画面は、図24に示すように、「数字1〜9の入力キー(テンキー)」、「TAB長さ」、「ピース個数」、「再入力」、「設定完了」が選択可能となっている。そして、「TAB長さ」又は「ピース個数」が押操作されたときに、隣接するブランクにテンキーにより数字を入力表示可能となっており、いずれかに数字が入力された状態で「設定完了」が押操作されると、再開方法選択画面が表示されるようになっている。そして、この場合には、前記第2〜第4NG処理に代えて、以下に説明する第6NG処理が行われる。
【0078】
第6NG処理は、図25のフローチャートに示すように、ステップS161でTAB送りを一時停止し、ステップS162でNGピースを顕微鏡位置に高速位置決めする。そして、この状態で作業者は、顕微鏡24でNGピースを目視判定することにより欠陥の詳細や傾向を確認すると共に、後続のピースについて顕微鏡24を使用せずに目視判定する。そして、複数のピースに亘って形成された傷等が確認された場合には、これらのピースを含む範囲をタッチパネル102の顕微鏡チェック画面で入力する。ここでは、NGピースから上流側への長さ、又はNGピースを含む後続のピースの個数が入力されることになる。
【0079】
そして、ステップS164に進み、図8の再開方法選択画面で、再検査が選択されたときは、ステップS165に進み、前記範囲内の最下流のNGピースを基準位置に位置決めする。なお、このフローチャートにおける、(III)は、第2NG処理の(I)、第3NG制御の(II)、第4NG制御の(エンド)に対応している。
【0080】
また、ステップS164で、パンチ実行が選択された場合は、ステップSS166でNGピースをパンチ位置に高速位置決めし、ステップS167で前記ステップS164で入力された範囲内に含まれるピースの全てに連続的にパンチする。そして、ステップS168で、NGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。さらに、ステップS164で、パンチせずが選択された場合は、ステップS169でNGピースに後続するピースを基準位置に高速位置決めする。
【0081】
この実施の形態においては、NGピースが顕微鏡位置に位置決めされた後、作業者は、NGピースの後続のピースについて観察を行い、複数のピースに亘る傷や印刷不良等が確認された場合は、この傷等の大体のTAB長さ、又は大体のピース個数をタッチパネル102の顕微鏡チェック画面で入力する。そして、このTAB長さ又はピース個数の範囲内に含まれるピースをNGピースとしてパンチする。このような方法によっても、連続するNGピースが効率良く検出されると共に、NGピースが連続的にパンチされることにより検査効率が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、TABの良否判定を行う検査装置に関し、連続するNGピースに効率良くパンチ穴を形成することができるので、半導体製造産業に広く好適である。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る検査装置の正面図である。
【図2】TABの説明図である。
【図3】検査装置のシステム図である。
【図4】タッチパネルのモード選択画面である。
【図5】顕微鏡モードにおける制御のフローチャートである。
【図6】第1NG処理のフローチャートである。
【図7】タッチパネルの顕微鏡チェック画面である。
【図8】タッチパネルの再開方法選択画面である。
【図9】第1NG処理の再検査選択時の動作図である。
【図10】第1NG処理のパンチ実行選択時の動作図である。
【図11】第1NG処理のパンチせず選択時の動作図である。
【図12】第2NG処理のフローチャートである。
【図13】第2NG処理の再検査選択時の動作図である。
【図14】第2NG処理のパンチ実行選択時の動作図である。
【図15】第2NG処理のパンチせず選択時の動作図である。
【図16】パンチモードにおける制御のフローチャートである。
【図17】パンチ処理のフローチャートである。
【図18】第3NG処理のフローチャートである。
【図19】第2の実施の形態に係る顕微鏡モードにおける制御のフローチャートである。
【図20】第4NG処理のフローチャートである。
【図21】第2NG処理のパンチ実行選択時の動作図である。
【図22】第3の実施の形態に係るタッチパネルの顕微鏡チェック画面である。
【図23】第5NG処理のフローチャートである。
【図24】第4の実施の形態に係るタッチパネルの顕微鏡チェック画面である。
【図25】第6NG処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1 検査装置
10 巻出リール
13a〜13c 駆動ローラ
20 第1ラインセンサ
21 第2ラインセンサ
24 顕微鏡
25 パンチ装置
100 移送用コントローラ
102 タッチパネル
110 画像用コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のピースを一定ピッチで設けてなる帯状のTABをリールから繰り出して所定の移送経路上を移送する移送手段と、該移送手段で移送されているTABの各ピースを画像として取得する画像取得手段と、該取得手段で取得した画像を処理し、予め登録された基準画像と対比することによってピースの良否判定を行う判定手段と、前記移送経路上に設けられてNGピースにパンチ穴を形成するパンチ手段とを有するTABの検査装置であって、
前記移送経路上に、前記判定手段により判定されたNGピースが移送され、該NGピースに続くピースがNGピースか否かを作業者の目視により判定する目視ステーションが設けられていると共に、
該目視ステーションでの目視判定によりNGピースが連続すると判定されたときに、その連続する範囲の情報を入力するNG範囲入力手段と、
前記移送手段を制御する移送制御手段とが備えられ、
該移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピースを目視ステーションに移送し、前記NG範囲入力手段によりNGピースが連続する範囲の情報が入力された後に、入力された範囲のNGピースを前記パンチ手段の対応位置に順次連続的に移送するように前記移送手段を制御すると共に、
前記パンチ手段は、前記移送手段により順次移送されてくるNGピースに対して連続的にパンチ穴を形成することを特徴とするTABの検査装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のTABの検査装置において、
前記移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピースとその後続のピースを目視ステーションに移送するように移送手段を制御すると共に、
該目視ステーションに移送されてくるNGピースが連続するときに、そのNGピースの前端及び後端のピースを指示する指示手段が備えられ、
前記NG範囲入力手段は、該指示手段により前端及び後端が指示されたNGピースが連続する範囲を取り込むことを特徴とするTABの検査装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載のTABの検査装置において、
前記NG範囲入力手段は、NGピースが連続するTABの長さ又はピース個数の情報を入力することを特徴とするTABの検査装置。
【請求項1】
多数のピースを一定ピッチで設けてなる帯状のTABをリールから繰り出して所定の移送経路上を移送する移送手段と、該移送手段で移送されているTABの各ピースを画像として取得する画像取得手段と、該取得手段で取得した画像を処理し、予め登録された基準画像と対比することによってピースの良否判定を行う判定手段と、前記移送経路上に設けられてNGピースにパンチ穴を形成するパンチ手段とを有するTABの検査装置であって、
前記移送経路上に、前記判定手段により判定されたNGピースが移送され、該NGピースに続くピースがNGピースか否かを作業者の目視により判定する目視ステーションが設けられていると共に、
該目視ステーションでの目視判定によりNGピースが連続すると判定されたときに、その連続する範囲の情報を入力するNG範囲入力手段と、
前記移送手段を制御する移送制御手段とが備えられ、
該移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピースを目視ステーションに移送し、前記NG範囲入力手段によりNGピースが連続する範囲の情報が入力された後に、入力された範囲のNGピースを前記パンチ手段の対応位置に順次連続的に移送するように前記移送手段を制御すると共に、
前記パンチ手段は、前記移送手段により順次移送されてくるNGピースに対して連続的にパンチ穴を形成することを特徴とするTABの検査装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のTABの検査装置において、
前記移送制御手段は、前記判定手段により判定されたNGピースとその後続のピースを目視ステーションに移送するように移送手段を制御すると共に、
該目視ステーションに移送されてくるNGピースが連続するときに、そのNGピースの前端及び後端のピースを指示する指示手段が備えられ、
前記NG範囲入力手段は、該指示手段により前端及び後端が指示されたNGピースが連続する範囲を取り込むことを特徴とするTABの検査装置。
【請求項3】
前記請求項1に記載のTABの検査装置において、
前記NG範囲入力手段は、NGピースが連続するTABの長さ又はピース個数の情報を入力することを特徴とするTABの検査装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2007−281123(P2007−281123A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−103948(P2006−103948)
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(000110642)ナビタス株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月5日(2006.4.5)
【出願人】(000110642)ナビタス株式会社 (15)
【Fターム(参考)】
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