説明

TNFα関連障害を治療するための複数可変投薬計画

【課題】TNFα活性が有害であるクローン病などのようにTNFα関連障害の治療するため投与方法の提供。
【解決手段】TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにTNFα阻害剤の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、続いて、TNFα阻害剤の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与することを含む、TNFα活性が有害である障害を治療するための複数可変投与方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにTNFα阻害剤の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、TNFα阻害剤の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、TNFα活性が有害である障害を治療するための複数可変投与方法。
【請求項2】
TNFα阻害剤がヒトTNFα抗体又はその抗原結合性フラグメントである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
抗体が、共に表面プラズモン共鳴によって測定して1×10−8M以下のK及び1×10−3−1以下のKoff速度定数でヒトTNFαから解離し、及び標準インビトロL929アッセイにおいてヒトTNFα細胞傷害性を1×10−7M以下のIC50で中和する単離ヒト抗体又はその抗原結合部である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
抗体が以下の諸特性、すなわち、
a)表面プラズモン共鳴によって測定して1×10−3−1以下のKoff速度定数でヒトTNFαから解離し、
b)配列番号3の、あるいは位置1、4、5、7若しくは8における単一のアラニン置換によって、又は位置1、3、4、6、7、8及び/又は9における1から5個の保存的アミノ酸置換によって配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメインを有し、
c)配列番号4の、あるいは位置2、3、4、5、6、8、9、10若しくは11における単一のアラニン置換によって、又は位置2、3、4、5、6、8、9、10、11及び/又は12における1から5個の保存的アミノ酸置換によって配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメインを有する、
を有する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)と配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)とを有する、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
抗体がD2E7である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
TNFα阻害剤がエタネルセプト又はインフリキシマブである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
障害が、自己免疫疾患、感染症、移植拒絶又は移植片対宿主疾患、悪性腫よう、肺疾患、腸疾患、心疾患、敗血症、脊椎関節症、代謝障害、貧血、とう痛、肝疾患、皮膚疾患、爪の障害及び血管炎からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
自己免疫異常が、リウマチ様関節炎、リウマチ様脊椎炎、骨関節炎、痛風性関節炎、アレルギー、多発性硬化症、自己免疫性糖尿病、自己免疫性ブドウ膜炎及びネフローゼ症候群からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
障害が、ベーチェット病、強直性脊椎炎、ぜん息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性肺線維症(IPF)、再狭窄、糖尿病、貧血、とう痛、クローン病関連障害、若年性関節リウマチ(JRA)、C型肝炎ウイルス感染症、乾せん性関節炎、乾せん性関節炎と合併した乾せん及び慢性プラーク乾せんからなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
障害がクローン病である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
障害が潰よう性大腸炎である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
障害が乾せんである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
治療投与量が誘導投与量の40から60%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
誘導投与量が約20から約200mgである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
誘導投与量が約80から約160mgである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
治療投与量が約20から約120mgである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
治療投与量が約40から約80mgである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
誘導投与量が約160mgである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
治療投与量が約80mgである、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
誘導投与量が約80mgである、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
治療投与量が約40mgである、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
治療投与量が誘導投与量後約2週間投与される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
TNFα阻害剤が皮下投与される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
TNFα阻害剤が、メトトレキセートと組み合わせて投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
メトトレキセートが約2.5mgから30mgの投与量で投与される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにTNFα阻害剤の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、TNFα阻害剤の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、クローン病を治療するための複数可変投与方法。
【請求項28】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにTNFα阻害剤の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、TNFα阻害剤の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、乾せんを治療するための複数可変投与方法。
【請求項29】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにTNFα阻害剤の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、TNFα阻害剤の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、乾せん性関節炎と合併した乾せんを治療するための複数可変投与方法。
【請求項30】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにTNFα阻害剤の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、TNFα阻害剤の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、クローン病の寛解をもたらす複数可変投与方法。
【請求項31】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにTNFα阻害剤の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、TNFα阻害剤の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、乾せんプラークを減少させる複数可変投与方法。
【請求項32】
TNFα阻害剤がヒトTNFα抗体又はその抗原結合性フラグメントである、請求項27から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
抗体が、共に表面プラズモン共鳴によって測定して1×10−8M以下のK及び1×10−3−1以下のKoff速度定数でヒトTNFαから解離し、及び標準インビトロL929アッセイにおいてヒトTNFα細胞傷害性を1×10−7M以下のIC50で中和する単離ヒト抗体又はその抗原結合部である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
抗体が以下の諸特性、すなわち、
a)表面プラズモン共鳴によって測定して1×10−3−1以下のKoff速度定数でヒトTNFαから解離し、
b)配列番号3の、あるいは位置1、4、5、7若しくは8における単一のアラニン置換によって、又は位置1、3、4、6、7、8及び/又は9における1から5個の保存的アミノ酸置換によって配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメインを有し、
c)配列番号4の、あるいは位置2、3、4、5、6、8、9、10若しくは11における単一のアラニン置換によって、又は位置2、3、4、5、6、8、9、10、11及び/又は12における1から5個の保存的アミノ酸置換によって配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメインを有する、
を有する、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)と配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)とを有する、請求項32に記載の方法。
【請求項36】
抗体がD2E7である、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
TNFα阻害剤がエタネルセプト又はインフリキシマブである、請求項27から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
しきい値レベルが、対象のクローン病活動性指数(CDAI)スコアの低下によって求められる、請求項27又は請求項30に記載の方法。
【請求項39】
しきい値レベルが、乾せんプラークの減少、対象の乾せん面積重症度指数(Psoriatic Area Severity Index)(PASI)の改善及び対象の医師の包括的評価(Physician’s Global Assessment)(PGA)スコアの改善からなる群から選択される治療効果として求められる、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項40】
治療投与量が誘導投与量の約40から60%である、請求項27から39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
誘導投与量が約20から約200mgである、請求項27から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
誘導投与量が約80から約160mgである、請求項27から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
治療投与量が約20から約120mgである、請求項27から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
治療投与量が約40から約80mgである、請求項27から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
誘導投与量が約160mgである、請求項27から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
治療投与量が約80mgである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
誘導投与量が約80mgである、請求項27から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
治療投与量が約40mgである、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
治療投与量が誘導投与量後2週間投与される、請求項25から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
TNFα阻害剤が皮下投与される、請求項27から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
TNFα阻害剤が、メトトレキセートと組み合わせて投与される、請求項27から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
メトトレキセートが約2.5mgから30mgの投与量で投与される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにD2E7の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、D2E7の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、クローン病の寛解をもたらす複数可変投与方法。
【請求項54】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるようにD2E7の少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、D2E7の少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、乾せんプラークを減少させる複数可変投与方法。
【請求項55】
治療投与量が誘導投与量の40から60%である、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項56】
誘導投与量が約20から約200mgである、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項57】
誘導投与量が約80から約160mgである、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項58】
治療投与量が約20から約120mgである、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項59】
治療投与量が約40から約80mgである、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項60】
誘導投与量が約160mgである、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項61】
治療投与量が約80mgである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
誘導投与量が約80mgである、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項63】
治療投与量が約40mgである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
D2E7がメトトレキセートと組み合わせて投与される、請求項53から63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
メトトレキセートが約2.5mgから30mgの投与量で投与される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
治療投与量が誘導投与量後約2週間投与される、請求項53から65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
D2E7が皮下投与される、請求項53から66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
a)TNFα阻害剤の誘導投与量を含む少なくとも1個のコンテナ、
b)治療投与量TNFα阻害剤を含む少なくとも1個のコンテナ、及び
c)誘導期内の誘導投与量及び治療期内のTNFα阻害剤の治療投与量の投与の説明書
を含む、TNFα活性が有害である障害の治療用キット。
【請求項69】
誘導期内の誘導投与量の投与の説明書が同梱された、TNFα阻害剤の誘導投与量を含む少なくとも1個のコンテナを含む、TNFα活性が有害である障害の治療用キット。
【請求項70】
治療期内の治療投与量の投与の説明書が同梱された、TNFα阻害剤の治療投与量を含む少なくとも1個のコンテナを含む、TNFα活性が有害である障害の治療用キット。
【請求項71】
障害が、クローン病、潰よう性大腸炎、乾せん性関節炎と合併した乾せん及び乾せんからなる群から選択される、請求項68から70のいずれか一項に記載のキット。
【請求項72】
TNFα阻害剤がヒトTNFα抗体又はその抗原結合性フラグメントである、請求項68から70のいずれか一項に記載のキット。
【請求項73】
抗体が、共に表面プラズモン共鳴によって測定して1×10−8M以下のK及び1×10−3−1以下のKoff速度定数でヒトTNFαから解離し、及び標準インビトロL929アッセイにおいてヒトTNFα細胞傷害性を1×10−7M以下のIC50で中和する単離ヒト抗体又はその抗原結合部である、請求項72に記載のキット。
【請求項74】
抗体が以下の諸特性、すなわち、
a)表面プラズモン共鳴によって測定して1×10−3−1以下のKoff速度定数でヒトTNFαから解離し、
b)配列番号3の、あるいは位置1、4、5、7若しくは8における単一のアラニン置換によって、又は位置1、3、4、6、7、8及び/又は9における1から5個の保存的アミノ酸置換によって配列番号3から改変されたアミノ酸配列を含む軽鎖CDR3ドメインを有し、
c)配列番号4の、あるいは位置2、3、4、5、6、8、9、10若しくは11における単一のアラニン置換によって、又は位置2、3、4、5、6、8、9、10、11及び/又は12における1から5個の保存的アミノ酸置換によって配列番号4から改変されたアミノ酸配列を含む重鎖CDR3ドメインを有する、
請求項72に記載のキット。
【請求項75】
抗体が、配列番号1のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)と配列番号2のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)とを有する、請求項72に記載のキット。
【請求項76】
抗体がD2E7である、請求項72に記載のキット。
【請求項77】
TNFα阻害剤がエタネルセプト又はインフリキシマブである、請求項68から70のいずれか一項に記載のキット。
【請求項78】
治療投与量が誘導投与量の約40から60%である、請求項68及び71から77のいずれか一項に記載のキット。
【請求項79】
誘導投与量が約20から約200mgである、請求項68又は71から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
誘導投与量が約80から約160mgである、請求項68又は71から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
治療投与量が約20から約120mgである、請求項68、70又は72から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
治療投与量が約40から約80mgである、請求項68、70又は72から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
誘導投与量が約160mgである、請求項68又は71から77のいずれか一項に記載のキット。
【請求項84】
治療投与量が約80mgである、請求項83に記載のキット。
【請求項85】
誘導投与量が約80mgである、請求項68又は71から77のいずれか一項に記載のキット。
【請求項86】
治療投与量が約40mgである、請求項85に記載のキット。
【請求項87】
コンテナが、あらかじめ充填されたシリンジである、請求項68から86のいずれか一項に記載のキット。
【請求項88】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるように、D2E7の約80から約160mgの少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、D2E7の約40から約80mgの少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、クローン病の寛解をもたらす複数可変投与方法。
【請求項89】
TNFα阻害剤のしきい値レベルが誘導期内に得られるように、D2E7の約80から約160mgの少なくとも1回の誘導投与量をそれを必要とする対象に投与すること、及び
続いて、治療のために、D2E7の約40から約80mgの少なくとも1回の治療投与量を治療期内に前記対象に投与すること
を含む、乾せんプラークを減少させる複数可変投与方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−46524(P2012−46524A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−202171(P2011−202171)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【分割の表示】特願2007−507540(P2007−507540)の分割
【原出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(503448572)アボツト・バイオテクノロジー・リミテツド (30)
【Fターム(参考)】