説明

TS−1ゼオライトの調製プロセス

本発明は、純粋相であり95%を越える結晶化度を有するTS−1ゼオライトの調製を、より少ない反応体積でもって、また高い生産性及び極めて高い結晶化収率を得ながら可能にする新規のプロセスに関する。また、このようにして調製されるTS−1ゼオライトの特定の結晶形について説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い結晶化収率、高い生産性及びより少ない反応体積でもって、純粋相であり95%を越える結晶化度を有するTS−1ゼオライトの調製を可能にする新規のプロセスに関する。本発明はまた、このようにして調製されたTS−1ゼオライトの特定の結晶形に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ゼオライトの水熱合成は、以下の調製工程:
(a)試薬混合物の調製、
(b)水熱結晶化処理、
(c)結晶化母液からの結晶相の分離、
(d)乾燥
を含む。
【0003】
次に、得られた最終生成物を、続く熱処理及び最終的な用途に応じて選択されうる後処理に供する。米国特許第4410501号明細書(US4410501)において最初に記載されたTS−1ゼオライトの場合、モル比として表される以下の組成:
Si/Ti=5〜200、
TPA−OH/Si=0.1〜2、
2O/Si=20〜200
を有する反応混合物が工程(a)で使用される。
【0004】
このTS−1ゼオライトは、その焼成及び無水形態において、以下の式:
x TiO2・(1−x)SiO2
(式中、xは0.0005〜0.04、好ましくは0.01〜0.025の範囲である)であることを特徴とする。
【0005】
このゼオライトは、例えば、オレフィンのエポキシ化、芳香族化合物のヒドロキシル化、ケトンのオキシム化及びアルコールの酸化等の酸化反応において優れた触媒特性を示す。
【0006】
米国特許第4410501号明細書において、実施例から計算可能なH2O/Ti比は約1050(実施例1)及び約505(実施例2)であり、この比は、TS−1ゼオライトのこの調製プロセスを行う希釈条件を表す。合成は、温度130〜200℃で6〜30日間に亘って行われる。
【0007】
続いて欧州特許出願第906784号明細書(EP906784)には、H2O/Si比に関してより濃度の高い条件下での新規の合成が記載されている。特に、このケースにおいて使用の反応混合物の組成は:
Si/Ti=35〜2000、
TPA−OH/Si=0.2〜0.5、
2O/Si=10〜35
である。
【0008】
例1から計算可能なH2O/Ti比は679であることがわかる。
【0009】
この合成は、温度190〜230℃で0.5〜10時間行われる。この合成は、それまでに得られた結果に対して、最高で100%、例えば98〜100%のゼオライト結晶化収率を得ることを可能にする。結晶化収率は、試薬混合物中に存在するチタン及びケイ素が全て酸化物の形態で沈殿した場合に得られる質量を100%とみなした、得られた固形生成物の割合に対応する。従って、100%の結晶化収率は、試薬混合物中に存在する全てのシリカ及びチタンのゼオライトでの全回収に相当する。
【0010】
続いて、とりわけ欧州特許出願第1106576号明細書(EP1106576)には、MFI、MEL及びMFI/MEL型ゼオライトから成る群から選択されるゼオライトの合成が記載されている。これらのゼオライトは好ましくは以下の、式:
pHMO2・qTiO2・SiO2
(式中、Mはアルミニウム、ガリウム及び鉄から選択される金属であり、pは0〜0.04の値を有し、qは0.0005〜0.03の値を有する)を有するMFI型ゼオライト、式:
a Al23・(1−a)SiO2
(式中、aは0〜0.02の値を有する)を有するMFI型ゼオライト、式:
x TiO2・(1−x)SiO2
(式中、xは0.0005〜0.03の値を有する)を有するMEL又はMFI/MEL型ゼオライトの群から選択される。
【0011】
その調製は、H2O/Si比に関する先行文献に記載のものより濃度の高い条件下でさえ行うことができる。特に、使用の反応混合物の組成は:
Ti/Si=0〜0.03、
M/Si=0〜0.04(Mは、Al、Fe及びGaから選択することができる)、
TPA−OH/Si=0.2〜0.5、
2O/Si=4〜35
である。
【0012】
合成は、温度150〜230℃で0.5〜48時間、アルカリ金属の不在下で行われる。
【発明の概要】
【0013】
反応混合物中の水とチタンとが適切なモル比の特に低い希釈度で作業することによってTS−1ゼオライトを純粋相で95%より高い結晶化度でもって調製することを可能にする、同時に高い生産性及び高い結晶化収率が得られる新規のプロセスを発見した。このようにして調製されたTS−1ゼオライトは、特定の結晶形を有する。
【0014】
従って、本発明の目的は、TS−1ゼオライトを調製するためのプロセスに関し、本プロセスは、ケイ素源、チタン源及びテトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを含有し、モル比としての以下の組成:
Si/Ti=35〜150、
TPA−OH/Si=0.2〜0.5(TPA=テトラプロピルアンモニウム)、
2O/Si=4以上10未満、
2O/Ti=320以上
を有する混合物を、自生(autogenous)圧力において、温度190〜230℃で、0.5〜10時間、アルカリ金属の不在下で水熱処理に供することを含む。
【0015】
特に好ましい態様は、320以上600以下のH2O/Tiモル比で作業することである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1にて得られたTEM画像である。
【図2】実施例2にて得られたTEM画像である。
【図3】実施例4にて得られたTEM画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ケイ素源はシリカゲル、コロイド状シリカ(colloidal silica)又はテトラアルキルオルトシリケートから選択することができ、好ましくはテトラエチルオルトシリケートである。
【0018】
チタン源は加水分解性チタン化合物、例えばハロゲン化物及びテトラアルキルオルトチタネートから選択することができ、好ましくはテトラエチルオルトチタネートである。
【0019】
試薬混合物は、静的条件下及び攪拌下の両方で結晶化することができる。
【0020】
結晶化の終わりに、結晶は、例えば遠心分離によって単離され、次いで、結晶は温度100〜150℃、1〜15時間の乾燥に供される。乾燥後、材料を温度500〜600℃で2〜10時間焼成し得る。
【0021】
焼成後に得られた材料をCuKα放射線(λ=1.54178Å)を使用した粉末X線回折によって分析し、電子インパルス計数システムを備えた縦型ゴニオメータで記録する。XRD分析により、結晶相が純粋なMFI型の構造の相から成り且つ95%を超える、好ましくは98%を超える、より好ましくは100%の結晶化度を有することがわかる。
【0022】
結晶化度は、試験中のTS−1サンプル(Ix)のXRDスペクトルに存在する幾つかの強い反射及び標準TS−1サンプル(Istd)のXRDスペクトルに存在する対応する反射の積分強度間の比から、
結晶化度%=(Ix/Istd)×100
の関係に従って評価される。
典型的に使用される反射は、22〜25.5°(2θ)の角度範囲内のものである。
【0023】
基本セルのパラメータ及び体積に基づいて、ゼオライト骨格のシリカとチタンとのモル比を、M.Taramasso、G.Perego及びB.Notariの米国特許第4410501号明細書(1983年)に記載されるように、XRDスペクトルから計算することも可能である。
【0024】
このようにして得られたTS−1は、概して約40〜約200の範囲内のゼオライト骨格のSiO2/TiO2モル比を特徴とする。
【0025】
この新規の合成は、90%を越える、好ましくは95%を越える極めて高い結晶化収率でのTS−1の調製を可能にする。本発明のプロセスによって得ることができる生産性は、使用した試薬混合物の質量に対する得られた固形生成物の割合であり、約12%〜約18%の範囲である。
【0026】
この合成によって調製されたTS−1ゼオライトは、主軸が400〜50nmの細長い六方晶形態(elongated hexagonal form)を有する結晶を特徴とする。
【0027】
この特定の結晶形のTS−1は新規であり、また本発明の更なる目的である。
【0028】
結晶相の分離後、続く調製工程のいずれかにおいて、この結晶相を結合相(binding phase)又は結合相の前駆体と混合し、次に、所望の用途に合わせて専門家が選択した形成処理に供することができる。
【0029】
本発明の好ましい態様において、オリゴマーシリカ及び本発明のプロセスに従って調製されたTS−1ゼオライトを含有するマイクロスフェアは、水熱合成から直接得られるゼオライト結晶を含有する懸濁液を、欧州特許第906784号明細書(EP906784)及び欧州特許第1106576号明細書(EP1106576)に記載されるように、急速乾燥に供することによって得られる。特に、欧州特許第906784号明細書に従って、急速乾燥に供する前に、テトラアルキルオルトシリケートを、本発明のプロセスによって得られたゼオライト結晶を含有する懸濁液に添加する。このテトラアルキルオルトシリケートは、好ましくは、上述の懸濁液が含有するゼオライト100グラムあたり0.08〜0.50モルの量で添加される。得られるマイクロスフェアを焼成に供する。
【0030】
欧州特許第1106576号明細書に従って、テトラアルキルオルトシリケートのテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドの存在下での加水分解によって得られたオリゴマーシリカゾルを、急速乾燥に供する前に、本発明のプロセスによって得られたTS−1ゼオライト結晶の懸濁液に添加する。オリゴマーシリカは、好ましくは、温度20〜120℃での0.2〜24時間に亘る、シリカ源、場合によってはアルミニウム源、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(TAA−OH)を含み以下のモル組成:
TAA−OH/SiO2=0.04〜0.40、
2O/SiO2=10〜40、
Al23/SiO2=0〜0.02
を有する混合物の加水分解を通して調製される。
【0031】
オリゴマーシリカゾル及びゼオライトの合成由来の懸濁液を、好ましくは、オリゴマーシリカ/ゼオライト質量比0.05〜0.70で混合する。得られる混合物を、温度25℃〜混合物それ自体の沸点で、1〜48時間、攪拌下において処理し、次に噴霧乾燥機による急速乾燥に供し、得られるマイクロスフェアを焼成する。
【0032】
上述の方法を使用して調製されたマイクロスフェアは、好ましくは、5〜300μmの直径を有する。これらは、オリゴマーシリカ及び上述の細長い六方晶形態を有するゼオライト結晶を、好ましくは質量比で0.05〜0.70、好ましくは0.05〜0.30含有する。
【0033】
本発明のプロセスに従って調製されたゼオライト及びそのゼオライトを含有する好ましくはマイクロスフェアの形態の触媒を、例えば、オレフィンからエポキシドへの転化、芳香族生成物のヒドロキシル化及びケトンのオキシム化に使用することができる。
【実施例】
【0034】
実施例1
以下の組成を有する2種類の溶液を調製する。
溶液A:200.3gのTPAOH(40%w/w)(Sachem)と混合した50gの脱塩水
溶液B:360.4gのテトラエチルオルトシリケート(Dynasil Nobel)と混合した3.96gのテトラエチルオルトチタネート(Fluka)
【0035】
試薬混合物におけるモル比を以下に示す。
Si/Ti=99.6
TPAOH/Si=0.23
2O/Si=5.5
2O/Ti=547.8
【0036】
溶液Aを、錨型攪拌器(anchor stirrer)を備えた1Lオートクレーブに投入する。攪拌速度は、10m/分の周速度に調節される。次に溶液Bを投入し、オートクレーブを、200℃に、2時間加熱する。結晶化の終わりに、乳状の懸濁液が排出され、この懸濁液を遠心分離し、固形分を脱塩水で洗浄し、150℃で1時間乾燥させ、空気中で550℃で5時間焼成する。
【0037】
102gの固形生成物が得られ、これは結晶化収率97%に対応し、プロセス生産性17%に等しい。
【0038】
XRD分析は、比例インパルス計数計及び二次モノクロメータ、グラファイト湾曲結晶を備えたPhilips社のエキスパート(X’PERT)回折装置で行われた。データは、20≦2θ≦50°のスペクトル範囲内、ステップ=0.02°(2θ)、蓄積時間30秒/ステップで収集され、放射線はCuKα(λ=1.54178Å)であった。サンプルが純粋なMFI相から成り、結晶化度は100%であることが判明した。
【0039】
UV−Vis分析に関しては、反射球を備えたPerkin−Elmer社のラムダ9(Lambda 9)分光光度計を使用した。サンプルは200nmで最大のシグナルを有し、これは四面体配位の単離されたチタンに典型的である。
【0040】
サンプルはSiO2/TiO2モル比=109を有し、XRDによって評価された網面パラメータの展開に基づいて求められる。
【0041】
電子加速度ポテンシャル120kVで動作するPhilips社のEM420透過型電子顕微鏡によって得られたTEM画像を図1に示す。結晶の存在を観察することができ、結晶は主軸が約300nmの細長い六方晶形態を有する。
【0042】
実施例2
以下の組成を有する2種類の溶液を調製する。
溶液A:200.3gのTPAOH(40%w/w)(Sachem)と混合した93.4gの脱塩水
溶液B:360.3gのテトラエチルオルトシリケート(Dynasil Nobel)と混合した7.9gのテトラエチルオルトチタネート(Fluka)
【0043】
試薬混合物におけるモル比を以下に示す。
Si/Ti=49.9
TPAOH/Si=0.23
2O/Si=6.9
2O/Ti=344.3
【0044】
溶液Aを、錨型攪拌器を備えた1Lオートクレーブに投入する。攪拌速度は、10m/分の周速度に調節される。次に溶液Bを投入し、オートクレーブを、200℃に、2時間加熱する。結晶化の終わりに、乳状の懸濁液が排出され、この懸濁液を遠心分離し、固形分を脱塩水で洗浄し、150℃で1時間乾燥させ、空気中で550℃で5時間焼成する。
【0045】
101gの固形生成物が得られ、これは結晶化収率96%に対応し、プロセス生産性15%に等しい。
【0046】
XRD分析したところ、サンプルが純粋なMFI型の構造の相から成り、結晶化度は100%であると判明した。
【0047】
UV−Vis分析したところ、サンプルは200nmで最大のシグナルを有し、これは四面体配位の単離されたチタンに典型的である。
【0048】
サンプルはSiO2/TiO2モル比=54を有し、XRDによって評価された網面パラメータの展開に基づいて求められる。
【0049】
TEM画像を図2に示す。細長い六方晶形態を有する結晶の存在を観察することができ、結晶において主軸は約200nmである。
【0050】
実施例3(比較例)
以下の組成を有する2種類の溶液を調製する。
溶液A:200.3gのTPAOH(40%w/w)(Sachem)と混合した128.7gの脱塩水
溶液B:360.3gのテトラエチルオルトシリケート(Dynasil Nobel)と混合した9.9gのテトラエチルオルトチタネート(Fluka)
【0051】
試薬混合物におけるモル比を以下に示す。
Si/Ti=39.8
TPAOH/Si=0.23
2O/Si=8.0
2O/Ti=318.4
【0052】
溶液Aを、錨型攪拌器を備えた1Lオートクレーブに投入する。攪拌速度は、10m/分の周速度に調節される。次に溶液Bを投入し、オートクレーブを、200℃に、2時間加熱する。結晶化の終わりに、ゲルが排出され、このゲルを遠心分離し、固形分を脱塩水で洗浄し、150℃で1時間乾燥させ、空気中で550℃で5時間焼成する。
【0053】
XRD分析したところ、サンプルは91%の結晶化度を有する。
【0054】
実施例4
以下の組成を有する2種類の溶液を調製する。
溶液A:200.4gのTPAOH(40%w/w)(Sachem)と混合した134.9gの脱塩水
溶液B:360.4gのテトラエチルオルトシリケート(Dynasil Nobel)と混合した10.0gのテトラエチルオルトチタネート(Fluka)
【0055】
試薬混合物におけるモル比を以下に示す。
Si/Ti=39.5
TPAOH/Si=0.23
2O/Si=8.2
2O/Ti=323.9
【0056】
溶液Aを、錨型攪拌装置を備えた1Lオートクレーブに投入する。攪拌速度は、10m/分の周速度に調節される。次に溶液Bを投入し、オートクレーブを、200℃に、2時間加熱する。結晶化の終わりに、乳状の懸濁液が排出され、この懸濁液を遠心分離し、固形分を脱塩水で洗浄し、150℃で1時間乾燥させ、空気中で550℃で5時間焼成する。
【0057】
103gの固形生成物が得られ、これは結晶化収率97%に対応し、プロセス生産性は15%である。
【0058】
XRD分析したところ、サンプルが純粋なMFI型の構造の相から成り、結晶化度は100%であると判明した。
【0059】
UV−Vis分析したところ、サンプルは200nmで最大のシグナルを有し、これは四面体配位の単離されたチタンに典型的である。
【0060】
サンプルはSiO2/TiO2モル比=45を有し、XRDによって評価された網面パラメータの展開に基づいて求められる。
【0061】
TEM画像を図3に示す。細長い六方晶形態を有する結晶の存在を観察することができ、結晶において主軸は約120nmである。
【0062】
実施例5
実施例4で調製されたTS−1ゼオライトを、シクロヘキサノンからシクロヘキサノンオキシムへのアンモオキシム化反応において試験した。
【0063】
実施例4に記載のように合成した触媒0.43g、25mlの水性アンモニア(15質量%)、25mlのt−ブタノール及び9.74gのシクロヘキサノンを、不活性雰囲気中、機械式攪拌装置を備えたジャケット付きガラス反応器に投入する。
【0064】
懸濁液を78℃に加熱し、11.84gのH22(30.81質量%)の水溶液を、攪拌下、50分間に亘って添加する。反応の終わりに懸濁液を濾過し、溶液をガスクロマトグラフィで分析する。
【0065】
シクロヘキサノンの転化率52.5%モルが観察され、オキシムへの選択性は36.3%である。H22収率は17.6%である。
【0066】
反応の終了時に、シクロヘキサノンの転化率58.9%が観察され、転化されたシクロヘキサノンに基づいたオキシムへのモル選択性は64.3%であり、反応したシクロヘキサノンに基づいたオキシムへのモル収率は37.9%である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
TS−1ゼオライトを調製するためのプロセスであって、ケイ素源、チタン源及びテトラプロピルアンモニウムヒドロキシドを含有し、モル比としての以下の組成:
Si/Ti=35〜150、
TPA−OH/Si=0.2〜0.5(TPA=テトラプロピルアンモニウム)、
2O/Si=4以上10未満、
2O/Ti=320以上
を有する混合物を、自生圧力において、温度190〜230℃で、0.5〜10時間、アルカリ金属の不在下で水熱処理に供することを含むことを特徴とするプロセス。
【請求項2】
前記水熱処理の終わりに、ゼオライト結晶を単離し、乾燥の後、焼成に供する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記乾燥を温度100〜150℃で1時間〜15時間行い、前記焼成を温度500〜600℃で2〜10時間行う、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
320以上かつ600以下のH2O/Tiモル比で行う、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記ケイ素源が、シリカゲル、コロイド状シリカ又はテトラアルキルオルトシリケートから選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項6】
前記チタン源が、ハロゲン化チタン及びテトラアルキルオルトチタネートから選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項7】
前記チタン源がテトラアルキルオルトチタネートである、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記ケイ素源がテトラエチルオルトシリケートである、請求項5に記載のプロセス。
【請求項9】
ゼオライト結晶の単離工程、結合相又は結合相前駆体との混合工程、及び形成処理を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項10】
テトラアルキルオルトシリケートを含有する、前記水熱処理から得られる混合物を噴霧乾燥機による急速乾燥に供し、得られるマイクロスフェアを焼成する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項11】
テトラアルキルアンモニウムヒドロキシドの存在下でのテトラアルキルオルトシリケートの加水分解から得られるオリゴマーシリカゾルを、前記水熱処理から得られる混合物に添加し、前記混合物を、温度25℃〜その沸点で、1〜48時間、攪拌下に維持し、次いで、噴霧乾燥機による急速乾燥に供し、得られるマイクロスフェアを焼成する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項12】
前記オリゴマーシリカが、シリカ源、場合によってはアルミニウム源、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(TAA−OH)を含み以下のモル組成:
TAA−OH/SiO2=0.04〜0.40、
2O/SiO2=10〜40、
Al23/SiO2=0〜0.02
を有する混合物を、温度20〜120℃で、0.2〜24時間、加水分解することによって調製される、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
主軸が400〜50nmの細長い六方晶形態を有する結晶であることを特徴とするTS−1ゼオライト。
【請求項14】
結晶格子中のSiO2/TiO2モル比が40〜200の範囲内である、請求項13に記載のゼオライト。
【請求項15】
オリゴマーシリカ及び請求項13に記載のゼオライトを含む、5〜300μmの寸法を有するマイクロスフェアの形態のゼオライト系触媒。
【請求項16】
前記オリゴマーシリカと前記ゼオライトとの質量比が0.05〜0.70である、請求項15に記載のゼオライト系触媒。
【請求項17】
前記オリゴマーシリカと前記ゼオライトとの質量比が0.05〜0.30である、請求項16に記載のゼオライト系触媒。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2011−506241(P2011−506241A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−537296(P2010−537296)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010290
【国際公開番号】WO2009/077086
【国際公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(508128303)ポリメーリ エウローパ ソシエタ ペル アチオニ (24)
【Fターム(参考)】