説明

Uプレス機及びUプレス機のロッカーダイ位置調節方法

【課題】鋼板をU成形するUプレス機において、ブラケットとベッドとの間にスペーサを挿入する作業や、ブラケットとベッドとの間からスペーサを取り出す作業を円滑に行える構成にする。ロッカーダイの位置を簡単に調節できるようにする。
【解決手段】複数のスペーサ30をベッド25から上昇させた位置で支持可能なスペーサ支持体51と、スペーサ支持体51に対して昇降可能な昇降体52とを備えた。昇降体52は、スペーサ支持体51に対して下降することにより、複数のスペーサ30のうち1又は2以上のスペーサ30をスペーサ支持体51に対して一括して下降させ、スペーサ支持体51に対して上昇することにより、下降させた1又は2以上のスペーサ51をスペーサ支持体51に対して一括して上昇させる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼管製造設備に用いられるUプレス機、及び、Uプレス機のロッカーダイ位置調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼管の代表的な製造方法として、UO製造法が知られている。この方法は、まず被成形材である平板状の鋼板の両縁部を曲げ変形させるC成形(端曲げ)を行い、次いで、被成形材の中央部を曲げ変形させて被成形材を略U字状にするU成形を行い、さらに被成形材を略U字状から略O字状(略円管状)に変形させるO成形を行った後、突合せ部(両縁部同士を近接させた部分)を溶接することにより、円管状の溶接鋼管(UO鋼管)を製造するものである。
【0003】
被成形材のU成形は、被成形材の上面中央部に当接するパンチ、パンチの両側(外側)に備えられ被成形材の下面に当接するロッカーダイ、ロッカーダイを保持するブラケット、ブラケットを保持するベッド等を備えたUプレス機を用いて行われる(特許文献1参照)。また、ブラケットをベッドに対して移動可能な構成とし、ブラケットとベッドの縁部に設けられている段差部との間の隙間にスペーサ(ブロック)を挿入し、その隙間に挿入するスペーサの数(挿入スペーサ数)を増減することで、ベッドに対するブラケットの位置、即ち、パンチに対するロッカーダイの位置を調整できる構成としたものが知られている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開昭59−107725号公報
【特許文献2】特開昭59−113931号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のUプレス機にあっては、ブラケットとベッドとの間にスペーサを挿入する作業(挿入作業)や、ブラケットとベッドとの間からスペーサを取り出す作業(取出作業)に手間がかかり、作業性が悪い問題があった。そのため、挿入スペーサ数を調節する作業、即ち、ロッカーダイの位置を調節する作業に、長時間(例えば約1.5時間程度)を要していた。また、例えば特許文献2に示されているように、スペーサを吊りボルト等で支持する方法では、吊りボルトが抜けたり、曲がったりするために、その補修が多発し、作業員の人手も多く必要であった。さらに、ベッドの段差部の近傍に他の機器類が配置されている場合、それらが邪魔になって、スペーサの昇降を円滑に行いにくくなることがあった。また、吊りボルトなどが損傷しやすい問題もあった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ブラケットとベッドとの間にスペーサを挿入する作業や、ブラケットとベッドとの間からスペーサを取り出す作業を円滑に行い、ロッカーダイの位置を簡単に調節できるUプレス機、及び、ロッカーダイの位置調節方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明によれば、鋼板をU成形するUプレス機であって、鋼板の上面に当接するパンチと、鋼板の下面に当接するロッカーダイと、前記ロッカーダイを支持するブラケットと、前記ブラケットを保持するベッドとを備え、前記ブラケットは、前記鋼板の幅方向において前記ベッドに対して移動可能であり、前記ブラケットと前記ベッドとの間に挿入可能な複数のスペーサと、前記複数のスペーサを前記ベッドから上昇させた位置で支持可能なスペーサ支持体と、前記スペーサ支持体に対して昇降可能な昇降体とを備え、前記昇降体は、前記スペーサ支持体に対して下降することにより、前記複数のスペーサのうち1又は2以上のスペーサを前記スペーサ支持体に対して一括して下降させ、かつ、前記スペーサ支持体に対して上昇することにより、前記下降させた1又は2以上のスペーサを前記スペーサ支持体に対して一括して上昇させる構成としたことを特徴とする、Uプレス機が提供される。
【0008】
このUプレス機においては、前記スペーサを前記昇降体に対して選択的に係合させる係合具を備えても良い。前記昇降体は、前記係合具を介して前記昇降体に対して係合されているスペーサを、前記スペーサ支持体に対して下降させる構成としても良い。
【0009】
さらに、前記係合具は、前記鋼板の幅方向において前記複数のスペーサに対して移動可能にしても良い。前記係合具は、前記スペーサに係合する係合具本体と、前記係合具本体に取り付けられている係合具操作棒とを備える構成としても良い。前記係合具操作棒は、前記スペーサに係合しない位置に備えても良い。
【0010】
前記スペーサには、前記昇降体に設けられている昇降バーを貫通させる貫通穴を備えても良い。前記スペーサは、前記貫通穴が前記昇降バーによって持ち上げられることにより、前記スペーサ支持体に対して上昇するようにしても良い。
【0011】
また、前記スペーサ支持体には、前記スペーサに当接して前記スペーサを保持するスペーサ保持部材と、前記スペーサ保持部材を前記スペーサに向かって付勢する保持部材用付勢部材とを備えても良い。前記昇降体は、前記保持部材用付勢部材の付勢力に抗して前記スペーサ保持部材を移動させることにより、前記スペーサを前記スペーサ支持体に対して下降させる構成としても良い。
【0012】
さらに、前記昇降体を前記スペーサ支持体に対して下降させる付勢力を与える下降用付勢機構と、前記下降用付勢機構の付勢力に抗して前記昇降体を前記スペーサ支持体に対して上昇させる上昇用駆動機構とを備えても良い。
【0013】
また、本発明によれば、鋼板をU成形するUプレス機において、ロッカーダイを支持するブラケットと前記ブラケットを保持するベッドとの間にスペーサを挿入することにより、前記鋼板の幅方向におけるロッカーダイの位置を調節する方法であって、複数の前記スペーサを前記ベッドから上昇させた状態で、スペーサ支持体によって支持し、前記スペーサ支持体に対して昇降体を下降させることにより、前記複数のスペーサのうち1又は2以上のスペーサを、前記スペーサ支持体に対して一括して下降させ、前記ブラケットと前記ベッドとの間に一括して挿入し、前記スペーサ支持体に対して前記昇降体を上昇させることにより、前記下降させた1又は2以上のスペーサを、前記スペーサ支持体に対して一括して上昇させ、前記ブラケットと前記ベッドとの間から一括して取り出すことを特徴とする、Uプレス機のロッカーダイ位置調節方法が提供される。
【0014】
この方法においては、前記鋼板の幅方向において前記複数のスペーサに対して係合具を移動させることにより、前記係合具を介して前記昇降体に対して係合されるスペーサの数を調節するようにしても良い。そして、前記係合具を介して前記昇降体に対して選択的に係合されているスペーサを、前記スペーサ支持体に対して下降させるようにしても良い。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、昇降体をスペーサ支持体に対して昇降させることにより、任意の数のスペーサをスペーサ支持体に対して一括して昇降させることができる。従って、任意の数のスペーサをブラケットとベッドの間に一括して挿入したり、ブラケットとベッドの間から一括して取り出したりすることができる。即ち、スペーサの挿入作業、取出作業の作業性を改善し、挿入スペーサ数を簡単に変更することができる。従って、ロッカーダイの位置を簡単に調節できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明にかかる実施形態を説明する。なお、本明細書及び図面においては、実質的に同一の機能構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0017】
図1は、略長方形の平板状をなす鋼板である被成形材2を順次C成形、U成形、O成形することにより鋼管を製造する鋼管製造設備3の概略図を示している。図1に示すように、鋼管製造設備3は、被成形材2のC成形(端曲げ、Cプレス)を行うC成形機11、C成形された被成形材2のU成形(Uプレス)を行うUプレス機12(U成形機)、U成形された被成形材2のO成形(Oプレス)を行うOプレス機13(O成形機)、O成形された被成形材2の端部同士を溶接する溶接機15、被成形材2を所定の寸法(内径、外径)に拡管する拡管機16などを備えている。即ち、Uプレス機12には、C成形が施された状態の被成形材2が搬入されるようになっている。
【0018】
図2は、Uプレス機12の構成を示している。なお、以下では説明の便宜のため、Uプレスの際に被成形材2の長さ方向(板長方向)が向けられる方向をX方向とし、X方向に対して直交する水平方向、即ち、Uプレスの際に被成形材2の幅方向(板幅方向)が向けられる方向をY方向とし、X方向とY方向に対して直交する鉛直方向(上下方向)、即ち、Uプレスの際に被成形材2の厚さ方向(板厚方向)が向けられる方向をZ方向と定義する。
【0019】
図2に示すように、Uプレス機12は、被成形材2の上面中央部(Y方向(被成形材2の幅方向)における中央部)に当接するパンチ21(Uパンチ)と、被成形材2の下面中央部(Y方向における中央部)よりも外側に当接する2つのロッカーダイ22を備えている。さらに、各ロッカーダイ22をそれぞれ回転可能に支持する2つのブラケット23、ブラケット23を保持するベッド25(基台)を備えている。また、各ブラケット23とベッド25(後述するベッド内側面38)との間に形成される隙間に対してスペーサ30(ブロック)を挿入するスペーサ挿入装置31を備えている。
【0020】
パンチ21は、被成形材2に対してZ方向に昇降可能に設けられている。ロッカーダイ22とブラケット23は、パンチ21を挟んで互いに対向する位置(Y方向においてパンチ21の左右両側)にそれぞれ備えられている。各ロッカーダイ22は、支持軸22a(支点)を介してブラケット23に取り付けられている。
【0021】
なお、図示はしないが、パンチ21の両側において、ロッカーダイ22とブラケット23は、X方向において複数並べて設置されている。スペーサ挿入装置31も、X方向において複数台が並べて設置されている。スペーサ挿入装置31は、例えばベッド25の両側にそれぞれ20台ずつ、即ち、Uプレス機12全体では合計で40台程度設置されている。
【0022】
X方向からみてベッド25の左右両側には、段差部35がそれぞれ設けられている。即ち、ベッド25は、ブラケット23が載置されるベッド底面36と、ベッド底面36よりも高い位置に設けられたベッド上面37と、X−Z面に沿って形成されたベッド内側面38とを備えている。ベッド上面37は、Y方向においてベッド底面36の両側に、略水平に設けられている。ベッド内側面38は、ベッド底面36の外縁部と各ベッド上面37の内縁部との間にそれぞれ設けられている。そして、これらベッド底面36の縁部、ベッド上面37、ベッド内側面38によって、段差部35がY方向においてほぼ左右対称に形成されている。
【0023】
ブラケット23は、ベッド内側面38の内側において、ベッド底面36に対してY方向にスライド可能な状態で載置されている。即ち、ブラケット23の外側面は、ベッド内側面38に対してY方向において近接及び離隔可能になっている。ブラケット23の外側面とベッド内側面38との間の隙間には、スペーサ30(ブロック)を挿入できるようになっている。即ち、ブラケット23の外側面は、スペーサ30を介して、ベッド内側面38によって、Y方向において外側から保持されるようになっている。
【0024】
次に、スペーサ挿入装置31について詳細に説明する。図3、図4、図5は、スペーサ挿入装置31の側面図、平面図、正面図をそれぞれ示している。図3、図4、図5に示すように、スペーサ挿入装置31は、複数(例えば30枚程度)のスペーサ30と、複数のスペーサ30をY方向において一列に近接させて並べた状態で、また、ベッド25から上昇させた位置(スペーサ上昇位置PBH)で支持可能なスペーサ支持体51と、スペーサ支持体51に対してZ方向に昇降することによりスペーサ30をスペーサ支持体51に対して昇降させる昇降体52とを備えている。さらに、スペーサ30を昇降体52に対して選択的に係合させる係合具53を備えている。
【0025】
図6に示すように、スペーサ30は、X−Z面に沿った逆T字状の平板状をなしている。即ち、X方向に沿って細長く形成された横板部61と、横板部61の中央部から上方に突出している縦板部62とを備えている。さらに、縦板部62には、係合具53に当接する突起63(係合部)、後述する昇降バー96を貫通させる貫通穴65、後述する鋼球91によって保持される保持溝66が形成されている。なお、スペーサ30は、例えば鋼板などによって形成されている。
【0026】
図5に示すように、横板部61は、スペーサ支持体51の下方に設けられており、また、ベッド底面36に下降させられ、あるいは、ベッド上面37の上方に配置されるようになっている。縦板部62は、スペーサ支持体51の内側を上下に貫通するように設けられる。即ち、横板部61はブラケット23やベッド内側面38に対してY方向に並ぶ位置に挿入可能な被挿入部として機能し、縦板部62はスペーサ支持体51によって保持される被保持部、横板部61を支持する支持部として機能する。また、図示の例では、横板部61の高さ(Z方向における寸法)は、ベッド内側面38の高さ(ベッド底面36とベッド上面37との間の段差の大きさ)よりも若干大きくなっている。
【0027】
突起63は、縦板部62の側縁部からX方向に突出しており、また、スペーサ支持体51の上方に備えられている。貫通穴65は、縦板部62の上部において、Z方向に細長く形成されている。保持溝66は、突起63よりも下方において、縦板部62の側縁部に設けられており、また、スペーサ支持体51の内部に配置されるようになっている。
【0028】
図3、図4、図5に示すように、スペーサ支持体51は、支持体移動機構71によって支持されている。また、支持体移動機構71の駆動により、段差部35の上方において、Y方向に横移動可能になっている。なお、支持体移動機構71は、ベッド25に対して固定されている。
【0029】
また、図示の例では、スペーサ支持体51は、上方からみて略長方形の枠状に形成されており、その内側の空間は、スペーサ30の縦板部62を保持するスペーサ保持空間80となっている。スペーサ支持体51の外側面には、図3に示すように、昇降体52をZ方向にガイドするガイドレール81、昇降体52をスペーサ支持体51に対して下降させる付勢力を与える下降用付勢機構としてのガススプリング82、昇降体52をスペーサ支持体51に対して上昇させる動力を与える上昇用駆動機構としての油圧シリンダ機構83が取り付けられている。
【0030】
図7及び図8に示すように、スペーサ支持体51の内面には、スペーサ30をスペーサ支持体51及びベッド上面37に対して上昇した位置(スペーサ上昇位置PBH)に保持するスペーサ保持部材としての鋼球91と、鋼球91を保持するための凹部92が設けられている。鋼球91は、各スペーサ30にそれぞれ対応するように、Y方向において複数並べて設けられている。
【0031】
図9及び図10に示すように、各鋼球91は、凹部92の内部において、X方向に沿ってそれぞれスライド可能に保持されている。各凹部92の内部には、鋼球91をスペーサ保持空間80(スペーサ30)に向かって突出させるように付勢する保持部材用付勢部材としてのコイルバネ93が、圧縮された状態でそれぞれ設けられている。かかる構成においては、スペーサ30がスペーサ上昇位置PBH(図8参照)に移動した状態では、保持溝66は鋼球91に対向する位置に上昇し、鋼球91はコイルバネ93の弾性力によって凹部92から突出し、保持溝66の内部に進入させられ、保持溝66の内面に当接する。即ち、保持溝66の上縁部が鋼球91に引っ掛かることで、スペーサ30がスペーサ上昇位置PBHから落下しないように保持される。一方、スペーサ30がスペーサ下降位置PBL(図7参照)に移動した状態では、保持溝66は鋼球91の下方に移動し、鋼球91は縦板部62の側縁部によって押さえられ、コイルバネ93の弾性力に抗して、凹部92の内部に押し入れられるようになっている。即ち、昇降体52は、コイルバネ93の付勢力に抗して鋼球91を移動させることにより、スペーサ30をスペーサ支持体51に対して下降させるようになっている。
【0032】
図3に示すように、ガイドレール81は、Y方向においてスペーサ支持体51の側面両側にそれぞれ取り付けられており、昇降体52は、これらのガイドレール81によって保持されている。即ち、昇降体52は、ガイドレール81を介して、スペーサ支持体51に対して取り付けられている。そして、昇降体52がスペーサ支持体51に対してガイドレール81に沿って下降することにより、スペーサ支持体51に支持されている複数のスペーサ30のうち1又は2以上のスペーサをスペーサ支持体51に対して一括して下降させるようになっている。また、昇降体52がスペーサ支持体51に対してガイドレール81に沿って上昇することにより、スペーサ支持体51に支持されている複数のスペーサ30のうち1又は2以上のスペーサ30をスペーサ支持体51に対して一括して上昇させる構成となっている。
【0033】
昇降体52の下部には、ガススプリング82の先端部(下端部)が取り付けられている。一方、昇降体52の上部には、油圧シリンダ機構83の先端部(ピストン82aの上端部)が取り付けられている。即ち、昇降体52は、ガススプリング82の作用によって、スペーサ支持体51に対して下方(昇降体下降位置PKL)に向かうように付勢されている。また、油圧シリンダ機構83を作動させると、ガススプリング82の付勢力に抗して、昇降体52をスペーサ支持体51に対して上昇させ、図11に示す昇降体上昇位置PKHに移動させることができる構成になっている。
【0034】
また、図4及び図5に示すように、昇降体52の上部には、各スペーサ30に設けられている貫通穴65をY方向に貫通する昇降バー96と、係合具53を保持するための係合具保持溝97が設けられている。
【0035】
昇降バー96は、スペーサ支持体51(スペーサ保持空間80)の中央部上方に設けられ、長さ方向をY方向に向けた状態で保持されている。一方、スペーサ30の貫通穴65は、Y方向において一列に並べて設けられており、昇降バー96は、これらの貫通穴65の内側に通されている。かかる昇降バー96によって貫通穴65を持ち上げることにより、スペーサ30をスペーサ支持体51に対して上昇させることができるようになっている。
【0036】
係合具保持溝97は、スペーサ支持体51の上方において、昇降体52の内側面に開口されている。即ち、スペーサ支持体51によって保持されているスペーサ30(突起63)の側方に形成されている。また、Y方向に沿って設けられている。
【0037】
図11に示すように、昇降体52が昇降体上昇位置PKHにあるとき、係合具保持溝97の底面は、スペーサ上昇位置PBHにあるスペーサ30に設けられている突起63の上面と同じ高さに配置されるようになっている。即ち、昇降体52が昇降体上昇位置PKHにあり、また、スペーサ30がスペーサ上昇位置PBHにあるとき、係合具保持溝97の底面と突起63の上面に係合具53(後述する係合具本体101)を架け渡し、スペーサ30を昇降体52に係合させることが可能な状態になる。また、係合具保持溝97の底面と突起63の上面に係合具53を架け渡した状態で、スペーサ30を昇降体52と共に下降させることができるようになっている。即ち、昇降体52が昇降体下降位置PKLにあるとき、係合具保持溝97の底面は、スペーサ下降位置PBLにあるスペーサ30に設けられている突起63の上面と同じ高さに配置される。
【0038】
図12に示すように、係合具53は、スペーサ30の突起63に係合させられる係合具本体101を備えている。係合具本体101には、係合具操作棒102が取り付けられている。また、係合具53は、係合具保持溝97内において、昇降体52やスペーサ30に対してY方向に移動可能になっている。
【0039】
係合具本体101は、例えば一定の幅を有する細長い直棒状に形成されており、長さ方向をY方向に向けた状態で、係合具保持溝97に挿入可能になっている。また、係合具保持溝97に挿入されたとき、図7に示すように、係合具本体101の一縁部は、係合具保持溝97から突出して、スペーサ30(突起63の上面)に対して係合(接触)するようになっている。即ち、スペーサ30は、昇降体52の上部に対して係合具本体101を介して係合されるようになっている。
【0040】
係合具操作棒102は、係合具本体101の基端部に取り付けられており、係合具本体101の長さ方向に沿った直棒状に形成されている。この係合具操作棒102を作業員が手動で押したり引いたりすることで、係合具保持溝97に対する係合具本体101のY方向における位置、即ち、昇降体52に対して係合されるスペーサ30の数を調節できるように構成されている。なお、係合具操作棒102は、係合具保持溝97内に沿って移動可能になっているが、係合具本体101よりも細く形成されており、係合具保持溝97からは突出しないようになっている。即ち、突起63に対して係合(接触)しない位置に配置されるようになっている。
【0041】
因みに、係合具本体101のY方向における長さは、少なくとも総ての突起63に接触できる長さ、即ち、総てのスペーサ30を昇降体52に係合させることが可能な長さであれば良い。係合具操作棒102のY方向における長さは、係合具保持溝97のY方向における長さに対して十分に長くし、係合具本体101が係合具保持溝97の奥(例えば最も内側に位置している突起63よりも内側)に配置されている場合でも、係合具保持溝97(昇降体52)の外側に突出するような寸法にすると良い。そうすれば、係合具本体101が係合具保持溝97の奥に挿入されていても、作業員が係合具操作棒102を確実に把持することができ、係合具本体101を確実に移動させることができる。
【0042】
また、係合具操作棒102には、スペーサ30の位置に応じた目盛りを付けても良い。即ち、係合具本体101の位置(係合具本体101が係合している突起63の数)を、作業員が昇降体52の外側において、係合具操作棒102の目盛りから目視で確認できるような構成にしても良い。そうすれば、係合具本体101の位置調節、即ち、挿入スペーサ数の調節を正確に行うことができ、作業性をさらに向上させることができる。
【0043】
次に、以上のように構成されたUプレス機12において、ロッカーダイ22の位置を調節する手順を説明する。図13は、スペーサ30の挿入作業が行われる前の状態、即ち、スペーサ支持体51によって支持されているスペーサ30が、総てスペーサ上昇位置PBHに保持され、また、ベッド底面36の外側(ベッド上面37の上方)に配置されている状態を示している。かかる状態では、各スペーサ30は、鋼球91によってそれぞれ保持されている。各スペーサ30の貫通穴65は、昇降バー96に対して上昇している。つまり、昇降バー96は、各貫通穴65の下部に沿って配置されている。一方、昇降体52は、ガススプリング82の付勢力によって、スペーサ支持体51に対して下降させられ、昇降体下降位置PKLに配置されている。従って、係合具保持溝97は、各スペーサ30の突起63よりも下方に位置している。
【0044】
このような状態において、先ず、油圧シリンダ機構83を作動させ、ガススプリング82の付勢力に抗して、昇降体52をスペーサ支持体51に対して上昇させ、図14に示すように、昇降体上昇位置PKHに配置させる。すると、係合具保持溝97は、突起63と同じ高さに上昇させられる。
【0045】
昇降体52を昇降体上昇位置PKHに配置したら、図15に示すように、係合具保持溝97に係合具53を通し入れる。係合具53は、昇降体52の外側から係合具保持溝97に挿入することができる。また、係合具本体101の先端部側からY方向に沿って挿入させるようにする。なお、作業員は、係合具操作棒102を把持しながら、係合具53の挿入を行うことができる。こうして、下降させようとするスペーサ30(ブラケット23とベッド内側面38の間に挿入させるスペーサ30)、即ち、例えば30枚のスペーサ30のうち、内側(パンチ21側、奥側)から数えて1又は2以上の隣り合うスペーサ30(図示の例では内側から数えて6枚のスペーサ30)にそれぞれ設けられている突起63の上面に、係合具本体101の下面を架け渡すように当接させた状態で、係合具53の挿入を停止させる。
【0046】
次に、図16に示すように、支持体移動機構71を作動させ、スペーサ支持体51をY方向に沿って内側にスライドさせる。スペーサ30、昇降体52、係合具53などは、スペーサ支持体51と一体的に、Y方向に移動させられる。そして、下降させようとする6枚のスペーサ30の横板部61を、ベッド上面37の上方からベッド底面36の上方に移動させた状態とし、スペーサ支持体51の移動を停止させる。
【0047】
その後、油圧シリンダ機構83の作動を停止させ、ガススプリング82の付勢力により、図17に示すように、昇降体52をスペーサ支持体51に対して下降させる。すると、係合具保持溝97に保持されている係合具53が、昇降体52と共に下降させられる。即ち、係合具本体101に当接している6つの突起63(係合具本体101を介して昇降体52に係合している6枚のスペーサ30)は、鋼球91を付勢しているコイルバネ93の付勢力に抗して、係合具本体101によって押し下げられる。
【0048】
こうして、係合具53と、係合具本体101に当接している6枚のスペーサ30は、昇降体52と一体的に、スペーサ支持体51に対して下降させられる。即ち、昇降体52は昇降体下降位置PKLに戻り、6枚のスペーサ30は、スペーサ上昇位置PBHからスペーサ下降位置PBLに一括して下降移動させられる。これにより、6枚のスペーサ30の横板部61が、ベッド底面36(ブラケット23の外側面とベッド内側面38の間)に一括して、選択的に下降させられる。
【0049】
なお、このように昇降体52を下降させるとき、6枚のスペーサ30よりも外側に位置する他のスペーサ30(スペーサ上昇位置PBHにおいて鋼球91によって保持されているスペーサ30)は、突起63が係合具本体101に当接していないので、昇降体52と共に下降することはなく、鋼球91によってスペーサ上昇位置PBHに保持された状態に維持される。即ち、係合具本体101に係合している6枚のスペーサ30のみが、選択的に下降させられる。また、6枚のスペーサ30よりも外側に位置する他のスペーサ30においては、昇降バー96は各貫通穴65に沿って、貫通穴65の縁部に接触することなく、各貫通穴65の上部から下部に向かって移動する。即ち、昇降体52は、6枚のスペーサ30よりも外側に位置する他のスペーサ30に対して干渉することなく、円滑に下降することができる。
【0050】
以上のように、6枚のスペーサ30をベッド底面36に下降させた状態で、支持体移動機構71の作動によりスペーサ支持体51の位置を調整したり、ブラケット23を6枚のスペーサ30に近接させたりすることで、ブラケット23を6枚のスペーサ30のうち最も内側に位置するスペーサ30の横板部61の側面に当接させ、また、下降させられた6枚のスペーサ30のうち最も外側に位置しているスペーサ30の横板部61の側面を、ベッド内側面38に当接させる。こうして、図3に示したように、ブラケット23の外側面とベッド内側面38の間に6枚のスペーサ30を挿入した状態、即ち、ブラケット23をベッド内側面38から6枚のスペーサ30の厚さ分だけ離隔させた位置に配置した状態で保持することができる。従って、ロッカーダイ22の位置が、6枚のスペーサ30の厚さ分に応じた所望の位置に設定される。
【0051】
また、図3に示すように、ブラケット23とベッド内側面38の間に所定の挿入スペーサ数(図示の例では6枚)のスペーサ30が挿入されている状態から、挿入スペーサ数を変更することも可能である。
【0052】
挿入スペーサ数を変更する際は、先ず、ブラケット23を内側に移動させて、スペーサ30から離隔させた後、油圧シリンダ機構83を作動させ、昇降体52をスペーサ支持体51に対して上昇させる。すると、昇降バー96が上昇し、ベッド底面36に下降していた6枚のスペーサ30に設けられている貫通穴65の上端部に、昇降バー96の上面が当接する。従って、各貫通穴65が昇降バー96によって持ち上げられ、下降させられていた6枚のスペーサ30は、昇降バー96と共に一括して上昇し、ブラケット23とベッド内側面38の間から退出させられる。また、係合具53も係合具保持溝97と共に上昇させられる。即ち、6枚のスペーサ30と係合具53は、昇降体52と一体的に、スペーサ支持体51に対して上昇させられる。昇降体52が昇降体下降位置PKLから昇降体上昇位置PKHに戻ると、6枚のスペーサ30は、スペーサ下降位置PBLからスペーサ上昇位置PBHに一括して戻され、再び鋼球91によって保持された状態になる。
【0053】
なお、このように昇降体52を上昇させるとき、6枚のスペーサ30よりも外側に位置する他のスペーサ30(スペーサ上昇位置PBHにおいて鋼球91によって保持されているスペーサ30)においては、昇降バー96は各貫通穴65に沿って、貫通穴65の縁部に接触することなく、各貫通穴65の下部から上部に向かって移動する。即ち、昇降体52は、6枚のスペーサ30よりも外側に位置する他のスペーサ30に対して干渉することなく、円滑に上昇することができる。そして、6枚のスペーサ30のみが昇降バー96によって選択的に上昇させられる。
【0054】
昇降体52を昇降体上昇位置PKHに移動させ、総てのスペーサ30を鋼球91によってスペーサ上昇位置PBHに保持させた状態にしたら、係合具操作棒102を引き出したり押し入れたりすることで、係合具53をY方向においてスライドさせ、係合具本体101が当接する突起63の枚数を増減させる。即ち、挿入スペーサ数を6枚よりも増加させる場合は、係合具操作棒102を外側に引き出し、係合具本体101が当接する突起63の枚数を増加させる。挿入スペーサ数を6枚よりも減少させる場合は、係合具操作棒102を内側に押し入れ、係合具本体101が当接する突起63の枚数を減少させる。
【0055】
こうして、係合具53の位置を調節し、係合具本体101が当接する突起63の枚数を所定の挿入スペーサ数に変更したら、昇降体52を再び昇降体下降位置PKLに下降させ、上記と同様にして、所定の挿入スペーサ数のスペーサ30を昇降体52と一体的に、選択的に下降させる。これにより、挿入スペーサ数を変更することができる。従って、ロッカーダイ22の位置が、挿入スペーサ数の厚さ分に応じた所望の位置に変更される。即ち、挿入スペーサ数を増加させると、ブラケット23を内側(ベッド内側面38から離隔した位置)に移動させ、パンチ21とロッカーダイ22の間の距離を小さくすることができる。挿入スペーサ数を減少させると、ブラケット23を外側(ベッド内側面38側)に移動させ、パンチ21とロッカーダイ22の間の距離を大きくすることができる。
【0056】
被成形材2のUプレスを行う際は、図2に示したように、被成形材2はパンチ21とロッカーダイ22の間にX−Y面に沿った姿勢で挿入される。被成形材2の下面(外面)をロッカーダイ22によって保持しながら、パンチ21を被成形材2の上方から下降させると、被成形材2の中央部に対して垂直荷重が与えられることにより、被成形材2の中央部が曲げ変形される。こうして被成形材2の中央部を曲げ変形させながら、パンチ21を更に下降させると、各ロッカーダイ22がパンチ21及び被成形材2の下降に伴って、支持軸22aを中心として回転させられる。即ち、被成形材2の両側の部分が、各ロッカーダイ22の回転に伴って内側に押され、X−Z面に沿った向きに立ち上がるように移動させられる。こうして、被成形材2はパンチ21とロッカーダイ22によって挟まれることにより、X方向からみて略U字状にプレス成形される。
【0057】
このようなUプレスを行う際、パンチ21の下降に伴ってロッカーダイ22が回転すると、ロッカーダイ22からブラケット23に対して、ブラケット23を上昇させようとする向きの反力が加えられる。即ち、ブラケット23とベッド内側面38の間に挟まれているスペーサ30(横板部61)を上昇させようとする力が働く。一方、スペーサ挿入装置31にはガススプリング82が設けられており、これにより、ブラケット23とベッド内側面38の間に挿入されているスペーサ30を下方に抑える力が与えられている。即ち、昇降体52はガススプリング82によって常に下方に付勢されており、スペーサ30の突起63は、係合具53によって常に押さえ付けられている。従って、ガススプリング82を設けることで、Uプレスの際にスペーサ30を上昇させようとする力が発生しても、その力に抗してスペーサ30を下方に押え付けることができるため、スペーサ30がベッド25から浮き上がることを防止できる。さらに、ブラケット23がベッド25から浮き上がることも抑制できる。即ち、ブラケット23やスペーサ30を安定した状態で保持できる。ひいては、パンチ21やベッド25に対するロッカーダイ22の位置がずれること、Uプレスの成形力や精度が低下することを防止できる。
【0058】
以上説明したように、本実施形態によれば、昇降体52をスペーサ支持体51に対して昇降させることにより、任意の数のスペーサ30をスペーサ支持体51に対して一括して昇降させることができる。従って、任意の数のスペーサ30をブラケット23とベッド内側面38の間に一括して挿入したり、ブラケット23とベッド内側面38の間から一括して取り出したりすることができる。即ち、スペーサ30の挿入作業、取出作業の作業性を改善し、挿入スペーサ数を簡単かつ迅速に変更することができる。従って、ベッド25に対するブラケット23の載置位置、即ち、パンチ21に対するロッカーダイ22の位置を簡単に調節できる。これにより、ロッカーダイ22の位置を調節する作業に要していた時間を大幅に短縮できる。少ない人数でも効率的に作業を行うことができる。
【0059】
また、係合具53をスペーサ30の外側から操作し、スペーサ30に対して引き出したり押し入れたりするだけで、挿入スペーサ数を容易に変更できる。例えばベッド25の段差部35の近傍や、スペーサ挿入装置31の近傍などに他の機器類が配置されている場合でも、それらが挿入スペーサ数の変更作業の際に邪魔になる心配がなく、挿入スペーサ数の変更作業を円滑に行うことができる。
【0060】
なお、Uプレス機12に合計で40台のスペーサ挿入装置31を設置し、各スペーサ挿入装置31にそれぞれ30枚のスペーサ30を備えたとすると、この場合、Uプレス機12全体では、1200枚(30枚×40台)ものスペーサ30が設けられることになる。このような多数のスペーサ30が設けられている場合でも、本実施形態によれば、スペーサ30の挿入作業、取出作業、挿入スペーサ数の変更作業などを短時間で効率的に行うことができる。
【0061】
さらに、スペーサ挿入装置31においては、スペーサ30をスペーサ支持体51や昇降体52によって、安定した状態で保持したり昇降移動させたりすることができる。従来のように吊りボルトなどで保持する場合よりも、損傷や故障の心配も少なく、スペーサ30を確実に支持することができる。特に、スペーサ30の縦板部62をスペーサ保持空間80に通した状態にすることで、スペーサ30を確実に支持できる。また、縦板部62をスペーサ保持空間80によってガイドすることで、スペーサ30を円滑に昇降させることができる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0063】
例えば以上の実施形態では、下降用付勢機構としてガススプリング82を用いることとしたが、下降用付勢機構はかかるものに限定されず、例えばコイルバネの弾性力を利用する構成等であっても良い。また、上昇用駆動機構としては油圧シリンダ機構83を例示したが、上昇用駆動機構もかかるものに限定されない。さらに、以上の実施形態では、下降用付勢機構の付勢力により、昇降体52を昇降体下降位置PKLに下降させる構成としたが、例えばシリンダ機構などの駆動機構によって、昇降体52を下降させる構成にすることも可能である。
【0064】
スペーサ支持体51は、支持体移動機構71の作動によりベッド25に対してY方向に移動するとしたが、勿論、ベッド25に対してZ方向やX方向等、他の方向にも移動できる構成としても良い。また、例えば図15に示した例では、段差部35の近傍において、係合具53を操作し、挿入スペーサ数を調節するものとしたが、勿論、段差部35から離隔した位置で、これらの操作を行っても良い。例えば段差部35近傍のスペースの余裕が少なく、作業性が良くない場合は、スペーサ支持体51をベッド25の外側等、作業性の良い任意の位置に移動させ、係合具53の操作を行えば良い。
【0065】
スペーサ30、スペーサ保持部材(鋼球91)、スペーサ支持体51、昇降体52の形状なども、以上の実施形態には限定されない。例えば以上の実施形態では、係合具本体101によってスペーサ30(突起63)を下降させ、昇降バー96によってスペーサ30(貫通穴65)を上昇させる構成としたが、係合具本体101によってスペーサ30を上昇させることができるようにしても良い。即ち、例えば図18に示すように、係合具本体101を挿入する係合溝111をスペーサ30に形成し、スペーサ30を上昇させるとき、係合溝111の上縁部を係合具本体101の上面によって押し上げる構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、例えばUO鋼管、UOE鋼管等を製造する際に用いられるUプレス機、及び、Uプレス機のロッカーダイ位置調節方法に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】鋼管製造設備の概略を示した説明図である。
【図2】Uプレス機の側面図である。
【図3】スペーサ挿入装置の側面図である。
【図4】スペーサ挿入装置の平面図である。
【図5】スペーサ挿入装置の正面図である。
【図6】スペーサの斜視図である。
【図7】図3におけるI−I線による縦断面図である。
【図8】図3におけるII−II線による縦断面図である。
【図9】スペーサ支持体の内面を拡大して示した縦断面図であり、保持溝に鋼球が挿入されている状態を示した説明図である。
【図10】スペーサ支持体の内面を拡大して示した縦断面図であり、保持溝が鋼球の下方にずれている状態を示した説明図である。
【図11】昇降体及びスペーサがスペーサ支持体に対して昇降する様子を説明する説明図である。
【図12】係合具の斜視図である。
【図13】スペーサをブラケットとベッドとの間に挿入する前の状態を示したスペーサ挿入装置の側面図である。
【図14】昇降体をスペーサ支持体に対して上昇させた状態を示したスペーサ挿入装置の側面図である。
【図15】係合具を挿入する様子を示したスペーサ挿入装置の側面図である。
【図16】スペーサ支持体をベッド底面側に向かって移動させる様子を示したスペーサ挿入装置の側面図である。
【図17】昇降体をスペーサ支持体に対して下降させ、スペーサを選択的に下降させる様子を示したスペーサ挿入装置の側面図である。
【図18】別の実施形態にかかるスペーサの形状と、昇降体及びスペーサがスペーサ支持体に対して昇降する様子を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0068】
2 被成形材
3 鋼管製造設備
12 Uプレス機
21 パンチ
22 ロッカーダイ
23 ブラケット
25 ベッド
30 スペーサ
31 スペーサ挿入装置
35 段差部
51 スペーサ支持体
52 昇降体
53 係合具
65 貫通穴
82 ガススプリング
83 油圧シリンダ機構
96 昇降バー
101 係合具本体
102 係合具操作棒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋼板をU成形するUプレス機であって、
鋼板の上面に当接するパンチと、鋼板の下面に当接するロッカーダイと、前記ロッカーダイを支持するブラケットと、前記ブラケットを保持するベッドとを備え、
前記ブラケットは、前記鋼板の幅方向において前記ベッドに対して移動可能であり、
前記ブラケットと前記ベッドとの間に挿入可能な複数のスペーサと、前記複数のスペーサを前記ベッドから上昇させた位置で支持可能なスペーサ支持体と、前記スペーサ支持体に対して昇降可能な昇降体とを備え、
前記昇降体は、前記スペーサ支持体に対して下降することにより、前記複数のスペーサのうち1又は2以上のスペーサを前記スペーサ支持体に対して一括して下降させ、かつ、前記スペーサ支持体に対して上昇することにより、前記下降させた1又は2以上のスペーサを前記スペーサ支持体に対して一括して上昇させる構成としたことを特徴とする、Uプレス機。
【請求項2】
前記スペーサを前記昇降体に対して選択的に係合させる係合具を備え、
前記昇降体は、前記係合具を介して前記昇降体に対して係合されているスペーサを、前記スペーサ支持体に対して下降させることを特徴とする、請求項1に記載のUプレス機。
【請求項3】
前記係合具は、前記鋼板の幅方向において前記複数のスペーサに対して移動可能であることを特徴とする、請求項2に記載のUプレス機。
【請求項4】
前記係合具は、前記スペーサに係合する係合具本体と、前記係合具本体に取り付けられている係合具操作棒とを備え、
前記係合具操作棒は、前記スペーサに係合しない位置に備えられることを特徴とする、請求項2又は3に記載のUプレス機。
【請求項5】
前記スペーサは、前記昇降体に設けられている昇降バーを貫通させる貫通穴を備え、
前記スペーサは、前記貫通穴が前記昇降バーによって持ち上げられることにより、前記スペーサ支持体に対して上昇させられることを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載のUプレス機。
【請求項6】
前記スペーサ支持体は、前記スペーサに当接して前記スペーサを保持するスペーサ保持部材と、前記スペーサ保持部材を前記スペーサに向かって付勢する保持部材用付勢部材とを備え、
前記昇降体は、前記保持部材用付勢部材の付勢力に抗して前記スペーサ保持部材を移動させることにより、前記スペーサを前記スペーサ支持体に対して下降させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のUプレス機。
【請求項7】
前記昇降体を前記スペーサ支持体に対して下降させる付勢力を与える下降用付勢機構と、前記下降用付勢機構の付勢力に抗して前記昇降体を前記スペーサ支持体に対して上昇させる上昇用駆動機構とを備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のUプレス機。
【請求項8】
鋼板をU成形するUプレス機において、ロッカーダイを支持するブラケットと前記ブラケットを保持するベッドとの間にスペーサを挿入することにより、前記鋼板の幅方向におけるロッカーダイの位置を調節する方法であって、
複数の前記スペーサを前記ベッドから上昇させた状態で、スペーサ支持体によって支持し、
前記スペーサ支持体に対して昇降体を下降させることにより、前記複数のスペーサのうち1又は2以上のスペーサを、前記スペーサ支持体に対して一括して下降させ、前記ブラケットと前記ベッドとの間に一括して挿入し、
前記スペーサ支持体に対して前記昇降体を上昇させることにより、前記下降させた1又は2以上のスペーサを、前記スペーサ支持体に対して一括して上昇させ、前記ブラケットと前記ベッドとの間から一括して取り出すことを特徴とする、Uプレス機のロッカーダイ位置調節方法。
【請求項9】
前記鋼板の幅方向において前記複数のスペーサに対して係合具を移動させることにより、前記係合具を介して前記昇降体に対して係合されるスペーサの数を調節し、
前記係合具を介して前記昇降体に対して選択的に係合されているスペーサを、前記スペーサ支持体に対して下降させることを特徴とする、請求項8に記載のUプレス機のロッカーダイ位置調節方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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