説明

X線センサ及びそれを用いたX線装置

【課題】被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成する補正作業を容易に正確に実行できるX線センサ及びそれを用いたX線装置の提供。
【解決手段】放射線が被写体を通過することによって得られる放射線情報が照射面32aに照射されることにより、放射線情報を蛍光情報に変換して、蛍光情報に基づく蛍光を出射面32bから出射する平板形状の蛍光板32と、2次元的に配列された複数の光電変換素子80aを有するセンサモジュール94aと、蛍光板32の出射面32bから出射された蛍光を複数の光電変換素子80aに導くレンズユニット93aとを備え、複数の光電変換素子80aからの電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成するX線センサ10であって、蛍光板32の出射面32bには、蛍光を設定割合で吸収する複数のマーカー30aが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて印刷されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を通過した放射線を用いて被写体画像を作成するX線センサ及びそれを用いたX線装置に関し、特に医療画像診断用や工業用非破壊検査用の被写体画像を作成するX線センサ及びそれを用いたX線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被写体にX線(放射線)を照射することにより、被写体を通過したX線を用いて、デジタル画像として被写体画像を作成するX線装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。このようなX線装置において、被写体が人体であれば、人体に照射されたX線は、人体の骨や肉等の構造物におけるX線吸収量の差に起因して、人体を通過した位置毎に異なった強度のX線となる。つまり、人体の構造に基づいたX線強度のコントラストを有する放射線画像(放射線情報)が形成される。そして、X線CCDセンサを用いて、X線強度のコントラストを有する放射線画像から、輝度情報のコントラストを有するデジタル画像を作成することにより、表示装置にデジタル画像を表示している。
【0003】
図5は、従来のX線装置の一例を示す概略構成図である。また、図6は、従来のX線装置におけるX線CCDセンサの一例を示す平面図であり、図7は、従来のX線CCDセンサにおけるCCDセンサモジュールの受光面の一例を示す平面図である。なお、図5中では、X線CCDセンサについては断面図で示している。
X線装置100は、被写体にX線を出射するX線管球101と、被写体を通過したX線を検出するX線CCDセンサ103と、X線管球101及びX線CCDセンサ103を制御する制御部102とを備える。
【0004】
X線CCDセンサ103は、上面に四角形の開口部を有する直方体形状の筐体91と、平板形状のシンチレータ(蛍光板)92と平板形状の補強板95とが積層された積層板90と、筐体91の内部の中部に2次元的に配列されるように取り付けられた複数のレンズユニット93aを有するレンズユニット群93と、筐体91の内部の下部に2次元的に配列されるように取り付けられた複数のCCDセンサモジュール94aを有するCCDセンサモジュール群94とを備える。
積層板90は、筐体91の開口部に、補強板95が上側となり、シンチレータ92が下側となるように配置される。
【0005】
シンチレータ92は、照射面92aと出射面92bとからなる平板形状であり、照射面92aに照射されたX線の強度に応じた強度の蛍光を出射面92bから出射するものである。このとき、照射面92aの位置毎に異なった強度のX線が照射されるので、出射面92bの位置毎に異なった強度の蛍光が出射される。つまり、X線が被写体を通過することによって得られる放射線画像が照射面92aに照射されることにより、放射線画像を蛍光画像(蛍光情報)に変換して、蛍光画像に基づく蛍光を出射面92bから出射する。
補強板95は、上面95aと下面95bとからなる平板形状であり、X線が透過する材料(例えば、カーボンファイバ等)で形成されている。補強板95は、シンチレータ92の厚さが薄いため、シンチレータ92の強度を補強するともに、シンチレータ92を保護する。
【0006】
レンズユニット群93は、m列とn行となるように2次元的に配列されるように取り付けられた複数(m×n)のレンズユニット93aからなり、各レンズユニット93aは、シンチレータ92の出射面92bから出射された蛍光を、それぞれ対応づけられた1個のCCDセンサモジュール94aに導く。
CCDセンサモジュール群94は、m列とn行となるように2次元的に配列されるように取り付けられた複数(m×n)のCCDセンサモジュール94aからなり、さらに各CCDセンサモジュール94aは、m’列とn’行となるように、受光面が2次元的に配列された複数(m’×n’)のCCD(光電変換素子)80aからなる。そして、各CCD80aは、受光面で受光した蛍光を、蛍光の強度に応じた電気信号に変換することになる。
【0007】
制御部102は、CCDセンサモジュール群94aの各CCD80aからの電気信号をそれぞれ取得して、取得したm×n×m’×n’個の電気信号と、X線CCDセンサ103の設計情報とに基づいて、デジタル画像として被写体画像を作成する。
このとき、制御部102が、そのまま設計情報を用いて電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成すると、2次元的な歪や位置ずれが生じた被写体画像が作成されてしまう。例えば、図8に示すようなs列とt行とで等間隔に並ぶように穴(マーカー)が形成された金属製の補正シート(後述する)70を、図9に示すように補強板95の上面95a上に配置すると、1個のCCDセンサモジュール94aにおいて、図10(b)〜(e)に示すような2次元的な歪や位置ずれが生じた被写体画像が作成される。
このような2次元的な歪や位置ずれは、X線CCDセンサ103の製造において、レンズユニット93aに歪があったり、レンズユニット93aとCCDセンサモジュール94aとの中心がずれたり傾いたりしたまま筐体91に取り付けられたために、発生するものである。
図10(b)は、レンズユニット93aに歪があるときに作成された被写体画像の一例である。また、図10(c)〜(e)は、レンズユニット93aとCCDセンサモジュール94aとの中心がずれたときに作成された被写体画像の一例である。なお、図10(a)は、レンズユニット93aに歪がなく、レンズユニット93aとCCDセンサモジュール94aとの中心がずれたり傾いたりすることなく作成された被写体画像の一例である。
【0008】
そこで、X線装置100で測定対象となる被写体を撮影する前に、補正シート70を補強板95の上面95a上に配置することにより、補正シート70を通過したX線を用いて、被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成させる補正作業を実行している。図8は、補正シート70の一例を示す平面図である。
補正シート70は、X線が透過しない厚さ0.3mmの金属製の平板形状であり、X線が透過する複数(s×t)の円形状の穴70aが形成されている。複数の穴70aの中心は、s列とt行とで等間隔に並ぶように形成されている。なお、1個のCCDセンサモジュール94aの受光面には、多数の穴70aをそれぞれ通過したX線が達するような間隔で形成されている。
また、直径が大きい大穴70aが等間隔で形成されている。これは、画像が正規の位置からどれだけずれているかを計測する為の基準位置とするためである。なお、補正シート70中における穴70aの位置は、補正シート70の製造において精密加工によって正確に形成されている。
これにより、補正シート70を通過することによって得られた被写体画像においては、補正シート70の穴70aを通過したX線に対応する位置の画素は、輝度情報が高くなり、一方、補正シート70の穴70aを通過しなかったX線に対応する位置の画素は、輝度情報が低くなるようになっている。
【0009】
次に、補正シート70を用いた被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成する補正作業について詳細に説明する。
まず、上述したような補正シート70を準備するとともに、制御部102に補正シート70中における穴70aの位置の関係を記憶させる。次に、図9に示すように補強板95の上面95a上における所定の位置に、補正シート70を正確に配置する。このとき、所定の位置に補正シート70を正確に配置することができなければ、補正作業を正確に実行することができない。
次に、制御部102によって、補正シート70にX線を照射させることにより、CCDセンサモジュール群94の各CCD80aからの電気信号を取得させる。次に、制御部102は、m×n×m’×n’個の電気信号と設計情報とに基づいて、被写体画像を作成する。このとき、制御部102は、まだ補正情報が作成されていないので、設計情報を用いて、m×n×m’×n’個の電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成する。つまり、図10に示すような2次元的な歪や位置ずれが生じた被写体画像が作成される。
【0010】
次に、制御部102は、被写体画像における各画素の輝度情報と、記憶された補正シート70中における穴70aの位置の関係とに基づいて、被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成して記憶させる。具体的には、被写体画像において輝度情報が高くなる画素の位置が所定の位置となり、かつ、s列とt行とで等間隔に並ぶよう(本来あるべき位置)に、輝度情報が高くなる画素の位置を変更する画像処理を行う。そして、画像処理後の被写体画像を作成するために、各CCD80aからの電気信号を2次元的に並べる並べ方である補正情報を記憶させる。
これにより、X線装置100は、補正情報を記憶すれば、補正情報を用いて電気信号を2次元的に並べることにより、2次元的な歪や位置ずれを補正した被写体画像を作成することができるようになる。
【特許文献1】特開2002−52014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、補正作業を実行する際には、補強板95の上面95a上における所定の位置に、補正シート70を正確に配置する必要があり、手間がかかった。さらに、このとき、補正シート70を正確に配置することができていないこともあり、その結果、補正作業を正確に実行することができていない場合もあった。また、補正作業を実行する際以外には、補正シート70を用いないため、補正シート70を紛失・破損してしまうこともあった。
そこで、本発明は、被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成する補正作業を容易に正確に実行することができるX線センサ及びそれを用いたX線装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するためになされた本発明のX線センサは、放射線が被写体を通過することによって得られる放射線情報が照射面に照射されることにより、当該放射線情報を蛍光情報に変換して、当該蛍光情報に基づく蛍光を出射面から出射する平板形状の蛍光板と、2次元的に配列された複数の光電変換素子を有するセンサモジュールと、前記蛍光板の出射面から出射された蛍光を複数の光電変換素子に導くレンズユニットとを備え、複数の光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成するX線センサであって、前記蛍光板の出射面には、前記蛍光を設定割合で吸収する複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて印刷されているようにしている。
ここで、「放射線」としては、例えば、α線、β線、陽電子線、ガンマ線、X線、陽子線、重陽子線、重イオン線、中性子線、中間子線等が挙げられるが、放射線には可視光は含まれない。
また、「光電変換素子」としては、例えば、フォトダイオード、CCD等が挙げられる。
さらに、「マーカー」としては、円形状や四角形状のもの等が挙げられるが、マーカーとマーカーとが結合された格子形状であってもよい。
【0013】
本発明のX線センサによれば、蛍光板の出射面には、蛍光を設定割合で吸収する複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて印刷されている。
これにより、補正情報を作成する補正作業において、まず、放射線を照射させることにより、センサモジュール群の各光電変換素子からの電気信号を取得させる。次に、複数の電気信号と設計情報とに基づいて、被写体画像を作成する。このとき、まだ補正情報が作成されていないので、設計情報を用いて電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成することになる。つまり、2次元的な歪や位置ずれが生じた被写体画像が作成される。
次に、被写体画像における各画素の輝度情報と、蛍光板の出射面中におけるマーカーの位置とに基づいて、被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成する。具体的には、被写体画像において輝度情報が低くなる画素の位置が2次元的に規則的に並ぶように、被写体画像において輝度情報が低くなる画素の位置を変更する画像処理を行う。そして、画像処理後の被写体画像を作成するために、各光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べる並べ方である補正情報を作成する。
これにより、補正情報を作成すれば、補正情報を用いて電気信号を2次元的に並べることにより、2次元的な歪や位置ずれを補正した被写体画像を作成することになる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明のX線センサによれば、補正シート等を正確に配置する必要がなく、蛍光板の出射面には、蛍光を設定割合で吸収する複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて印刷されているので、補正作業を容易に正確に実行することができる。さらに、補正作業を容易に実行できるので、撮影毎に補正作業を実行することもでき、その結果、精度の高い被写体画像が得られる。
【0015】
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、本発明のX線センサは、放射線が被写体を通過することによって得られる放射線情報が照射面に照射されることにより、当該放射線情報を蛍光情報に変換して、当該蛍光情報に基づく蛍光を出射面から出射する平板形状の蛍光板と、2次元的に配列された複数の光電変換素子を有するセンサモジュールと、前記蛍光板の出射面から出射された蛍光を複数の光電変換素子に導くレンズユニットと、前記蛍光板の出射面側に配置され、前記放射線が上面から下面に向かって透過する平板形状の透明板とを備え、複数の光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成するX線センサであって、前記透明板には、前記蛍光を設定割合で吸収するか若しくは透過させる複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されているようにしている。
【0016】
本発明のX線センサによれば、透明板が蛍光板の出射面側に配置されている。そして、透明板には、蛍光を設定割合で吸収するか若しくは透過させる複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されている。このとき、マーカーは、例えば、透明板の下面に印刷されたり、穴として形成されたりしている。
これにより、補正情報を作成する補正作業において、まず、放射線を照射させることにより、センサモジュール群の各光電変換素子からの電気信号を取得させる。次に、複数の電気信号と設計情報とに基づいて、被写体画像を作成する。このとき、まだ補正情報が作成されていないので、設計情報を用いて電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成することになる。つまり、2次元的な歪や位置ずれが生じた被写体画像が作成される。
次に、被写体画像における各画素の輝度情報と、補強板におけるマーカーの位置とに基づいて、被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成する。具体的には、被写体画像において輝度情報が低くなる画素の位置が2次元的に規則的に並ぶように、被写体画像において輝度情報が低くなる画素の位置を変更する画像処理を行う。そして、画像処理後の被写体画像を作成するために、各光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べる並べ方である補正情報を作成する。
これにより、補正情報を作成すれば、補正情報を用いて電気信号を2次元的に並べることにより、2次元的な歪や位置ずれを補正した被写体画像を作成することになる。
以上のように、本発明のX線センサによれば、補正シート等を正確に配置する必要がなく、透明板には、蛍光を設定割合で吸収するか若しくは透過させる複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されているので、補正作業を容易に正確に実行することができる。さらに、補正作業を容易に実行できるので、撮影毎に補正作業を実行することもでき、その結果、精度の高い被写体画像が得られる。
【0017】
また、本発明のX線センサは、放射線が被写体を通過することによって得られる放射線情報が照射面に照射されることにより、当該放射線情報を蛍光情報に変換して、当該蛍光情報に基づく蛍光を出射面から出射する平板形状の蛍光板と、2次元的に配列された複数の光電変換素子を有するセンサモジュールと、前記蛍光板の出射面から出射された蛍光を複数の光電変換素子に導くレンズユニットと、前記蛍光板の照射面側に配置され、前記放射線が上面から下面に向かって透過する平板形状の補強板とを備え、複数の光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成するX線センサであって、前記補強板には、前記放射線を設定割合で吸収するか若しくは透過させる複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されているようにしている。
【0018】
本発明のX線センサによれば、補強板が蛍光板の照射面側に配置されている。そして、補強板には、放射線を設定割合で吸収するか若しくは透過させる複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されている。このとき、マーカーは、例えば、補強板の下面に印刷されたり、穴として形成されたりしている。
これにより、補正情報を作成する補正作業において、まず、放射線を照射させることにより、センサモジュール群の各光電変換素子からの電気信号を取得させる。次に、複数の電気信号と設計情報とに基づいて、被写体画像を作成する。このとき、まだ補正情報が作成されていないので、設計情報を用いて電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成することになる。つまり、2次元的な歪や位置ずれが生じた被写体画像が作成される。
次に、被写体画像における各画素の輝度情報と、補強板におけるマーカーの位置とに基づいて、被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成する。具体的には、被写体画像において輝度情報が低くなる画素の位置が2次元的に規則的に並ぶように、被写体画像において輝度情報が低くなる画素の位置を変更する画像処理を行う。そして、画像処理後の被写体画像を作成するために、各光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べる並べ方である補正情報を作成する。
これにより、補正情報を作成すれば、補正情報を用いて電気信号を2次元的に並べることにより、2次元的な歪や位置ずれを補正した被写体画像を作成することになる。
以上のように、本発明のX線センサによれば、補正シート等を正確に配置する必要がなく、補強板には、放射線を設定割合で吸収するか若しくは透過させる複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されているので、補正作業を容易に正確に実行することができる。さらに、補正作業を容易に実行できるので、撮影毎に補正作業を実行することもでき、その結果、精度の高い被写体画像が得られる。
【0019】
また、上記の発明において、前記複数のマーカーは、前記透明板又は補強板の下面に印刷されているようにしてもよい。
また、上記の発明において、2次元的に配列された複数のセンサモジュールと、2次元的に配列された複数のレンズユニットとを備え、各レンズユニットは、それぞれ対応づけられたセンサモジュールに蛍光を導くようにしてもよい。
本発明のX線センサによれば、X線センサの製造において、レンズユニットやCCDセンサモジュールがずれたり傾いたりしたまま取り付けられても、2次元的な歪や位置ずれを補正した被写体画像を作成することができるようになる。
【0020】
そして、本発明のX線装置は、上述したようなX線センサと、前記放射線を出射するX線管球と、複数の光電変換素子からの電気信号を並べることにより、前記被写体画像を作成する被写体画像作成部と、測定対象となる被写体を撮影する前に作成された被写体画像中に映し出された複数のマーカー像の位置の関係と、前記蛍光板の出射面、透明板又は補強板に形成されたマーカーの位置の関係とに基づいて、前記被写体画像の2次元的な歪若しくは位置ずれを補正するための補正情報を作成する補正情報作成部とを備えるようにしてもよい。
【0021】
さらに、上記の発明において、前記被写体画像作成部は、測定対象となる被写体を撮影する際には、前記被写体画像における複数のマーカー像の位置と輝度情報とに基づいて、前記被写体画像中にマーカー像が映し出されないように、前記被写体画像中の一部の領域における輝度情報を補正する画像処理を実行するようにしてもよい。
本発明のX線装置によれば、被写体画像作成部は、補正作業を実行する際に得られた被写体画像における複数のマーカー像の位置と輝度情報とに基づいて、マーカーを通過したか若しくは通過しないことによって輝度が低くなった画素の輝度情報を高くするように、輝度情報を補正する画像処理を実行するので、被写体画像中に複数のマーカー像が映し出されず、被写体のみに基づく被写体画像を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0023】
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態のX線装置の一例を示す概略構成図であり、図2は、シンチレータ(蛍光板)の出射面の一例を示す平面図である。なお、X線装置100と同様のものについては、同じ符号を付している。
X線装置1は、被写体にX線(放射線)を出射するX線管球101と、被写体を通過したX線を検出するX線CCDセンサ10と、X線管球101及びX線CCDセンサ10を制御する制御部20とを備える。
【0024】
X線CCDセンサ10は、上面に四角形の開口部を有する直方体形状の筐体91と、平板形状のシンチレータ32と平板形状の補強板95とが積層された積層板90と、筐体91の内部の中部に2次元的に配列されるように取り付けられた複数のレンズユニット93aを有するレンズユニット群93と、筐体91の内部の下部に2次元的に配列されるように取り付けられた複数のCCDセンサモジュール94aを有するCCDセンサモジュール群94とを備える。
積層板90は、筐体91の開口部に、補強板95が上側となり、シンチレータ32が下側となるように配置される。
【0025】
シンチレータ32は、照射面32aと出射面32bとからなる平板形状であり、照射面32aに照射されたX線の強度に応じた強度の蛍光を出射面32bから出射するものである。このとき、照射面32aの位置毎に異なった強度のX線が照射されるので、出射面32bの位置毎に異なった強度の蛍光が出射されることになる。つまり、X線が被写体を通過することによって得られる放射線画像(放射線情報)が照射面32aに照射されることにより、放射線画像を蛍光画像(蛍光情報)に変換して、蛍光画像に基づく蛍光を出射面32bから出射する。
そして、本発明に係るシンチレータ32の出射面32bには、蛍光を設定割合(例えば、25%)で吸収する複数(s×t)の円形状のマーカー30aが形成されている。マーカー30aは、s列とt行とで等間隔に並ぶように形成されている。なお、1個のCCDセンサモジュール94aの受光面には、多数のマーカー30aをそれぞれ通過したX線が達するような間隔で形成されている。
また、直径が大きい大マーカー30aが等間隔で形成されている。なお、シンチレータ32の出射面32b中におけるマーカー30aの位置は、マーカー位置情報記憶領域22c(後述する)に記憶されることになるマーカー位置情報通りに正確に印刷されている。
これにより、シンチレータ32を通過することによって得られる被写体画像においては、マーカー30aを通過したX線に対応する位置の画素は、輝度情報が低くなり、一方、マーカー30aを通過しなかったX線に対応する位置の画素は、輝度情報が高くなるようになっている。
上記マーカーの材料としては、例えば、半透明な塗料等が挙げられる。
上記マーカーの印刷方法としては、例えば、シルク印刷や、マスクを用いたスパッタリング法等が挙げられる。
【0026】
制御部20は、CPU21やメモリ22を備え、さらにモニタ画面等を有する表示装置(図示せず)と、キーボードやマウス等を有する入力装置(図示せず)とが連結されている。制御部20のCPU21が実行する処理を、機能ブロックごとに分けて説明すると、設計情報に基づいて補正前被写体画像を作成する補正前被写体画像作成部21aと、補正情報を作成する補正情報作成部21bと、補正情報に基づいて被写体画像を作成する被写体画像作成部21cとからなる。
また、メモリ22は、制御部20が処理を実行するために必要な種々のデータを蓄積する領域が形成してあり、設計情報を記憶する設計情報記憶領域22aと、補正情報を記憶する補正情報記憶領域22bと、マーカー位置情報を記憶するマーカー位置情報記憶領域22cとを有する。
【0027】
補正前被写体画像作成部21aは、入力装置から補正作業を実行するための操作信号を受信することで、X線管球101からX線を照射させることにより、m×n×m’×n’個のCCD80aからの電気信号をそれぞれ取得して、m×n×m’×n’個の電気信号と、設計情報記憶領域22aに記憶された設計情報とに基づいて、デジタル画像として補正前被写体画像を作成して表示する制御を行う。
このとき、補正前被写体画像作成部21aでは、補正情報記憶領域22bにはまだ補正情報が作成されていないので、設計情報を用いてm×n×m’×n’個の電気信号を2次元的に並べることにより、補正前被写体画像を作成する。つまり、図10に示すような2次元的な歪や位置ずれが生じた被写体画像が作成される。
【0028】
補正情報作成部21bは、補正前被写体画像作成部21aで作成された補正前被写体画像と、マーカー位置情報記憶領域22cに記憶されたマーカー位置情報とに基づいて、被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成して、補正情報記憶領域22bに記憶させる制御を行う。
具体的には、補正前被写体画像において輝度情報が低くなる画素の位置が所定の位置となり、s列とt行とで等間隔に並ぶように、輝度情報が低くなる画素の位置を変更する画像処理を行う。そして、画像処理後の被写体画像を作成するために、各CCD80aからの電気信号を2次元的に並べる並べ方である補正情報を補正情報記憶領域22bに記憶させる。
【0029】
被写体画像作成部21cは、入力装置から被写体を撮影するための操作信号を受信することで、X線管球101からX線を照射させることにより、m×n×m’×n’個のCCD80aからの電気信号をそれぞれ取得して、m×n×m’×n’個の電気信号と、補正情報記憶領域22bに記憶された補正情報とに基づいて、デジタル画像として被写体画像を作成するとともに、被写体画像中にマーカー像が映し出されないように、被写体画像中の一部の領域における輝度情報を補正する画像処理を実行して被写体画像を表示する制御を行う。
具体的には、補正情報記憶領域22bに記憶された補正情報を用いて、m×n×m’×n’個の電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成する。つまり、2次元的な歪や位置ずれを補正した被写体画像が作成される。
このとき、被写体画像作成部21cは、補正前被写体画像作成部21aで得られた被写体画像における複数のマーカー像の位置と輝度情報とに基づいて、マーカー30aを通過したことによって輝度情報が低くなった画素の輝度情報を高くするように、輝度情報を補正する画像処理を実行する。これにより、被写体画像中に複数のマーカー像が映し出されず、被写体のみに基づく被写体画像を作成する。
【0030】
次に、X線装置1により補正情報を作成する補正作業について説明する。図3は、補正作業について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、シンチレータ32の出射面32b中におけるマーカー30aの位置をマーカー位置情報記憶領域22cに記憶させる。
次に、ステップS102の処理において、補正前被写体画像作成部21aは、入力装置から補正作業を実行するための操作信号を受信したか否かを判定する。補正作業を実行するための操作信号を受信していないと判定したときには、ステップS102の処理を繰り返す。
【0031】
一方、補正作業を実行するための操作信号を受信したと判定したときには、ステップS103の処理において、補正前被写体画像作成部21aは、X線管球101からX線を照射させることにより、m×n×m’×n’個のCCD80aからの電気信号をそれぞれ取得する。
次に、ステップS104の処理において、補正前被写体画像作成部21aは、m×n×m’×n’個の電気信号と、設計情報記憶領域22aに記憶された設計情報とに基づいて、デジタル画像として補正前被写体画像を作成して表示する。
【0032】
次に、ステップS105の処理において、補正情報作成部21bは、補正前被写体画像作成部21aで作成された補正前被写体画像と、マーカー位置情報記憶領域22cに記憶されたマーカー位置情報とに基づいて、被写体画像の2次元的な歪や位置ずれを補正するための補正情報を作成して、補正情報記憶領域22bに記憶させる。
そして、ステップS105の処理が終了したときには、本フローチャートを終了させる。
【0033】
次に、X線装置1により測定対象となる被写体を撮影する撮影方法について説明する。図4は、撮影方法について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS201の処理において、測定対象となる被写体を準備する。
次に、ステップS202の処理において、X線管球101とX線CCDセンサ10との間に被写体を配置する。
【0034】
次に、ステップS203の処理において、被写体画像作成部21cは、入力装置から被写体を撮影するための操作信号を受信したか否かを判定する。被写体を撮影するための操作信号を受信していないと判定したときには、ステップS203の処理を繰り返す。
被写体を撮影するための操作信号を受信したと判定したときには、ステップS204の処理において、被写体画像作成部21cは、X線管球101からX線を照射させることにより、m×n×m’×n’個のCCD80aからの電気信号をそれぞれ取得する。
【0035】
次に、ステップS205の処理において、被写体画像作成部21cは、m×n×m’×n’個の電気信号と、補正情報記憶領域22bに記憶された補正情報とに基づいて、デジタル画像として被写体画像を作成するとともに、被写体画像中にマーカー像が映し出されないように、被写体画像中の一部の領域における輝度情報を補正する画像処理を実行して被写体画像を表示する。
そして、ステップS205の処理が終了したときには、本フローチャートを終了させる。
【0036】
以上のように、X線装置1によれば、補正シート等を正確に配置する必要がなく、シンチレータ32の出射面32bには、蛍光を設定割合で吸収する複数(s×t)のマーカー30aが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて印刷されているので、補正作業を容易に正確に実行することができる。さらに、補正作業を容易に実行できるので、撮影毎に補正作業を実行することもでき、その結果、精度の高い被写体画像が得られる。
また、輝度情報を補正する画像処理を実行するので、被写体画像中に複数のマーカー像が映し出されず、被写体のみに基づく被写体画像を作成することができる。
【0037】
(実施形態2)
図11は、本発明の一実施形態のX線装置の他の一例を示す概略構成図である。上述したX線装置1では、シンチレータ32の出射面32bには、複数(s×t)のマーカー30aが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて印刷されている構成としたが、実施形態2では、透明板31の下面31bには、複数(s×t)のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されているような構成としている。なお、X線装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
X線装置2は、被写体にX線(放射線)を出射するX線管球101と、被写体を通過したX線を検出するX線CCDセンサ50と、X線管球101及びX線CCDセンサ50を制御する制御部20とを備える。
【0038】
X線CCDセンサ50は、上面に四角形の開口部を有する直方体形状の筐体91と、平板形状の透明板31と平板形状のシンチレータ33と平板形状の補強板95とが積層された積層板90と、筐体91の内部の中部に2次元的に配列されるように取り付けられた複数のレンズユニット93aを有するレンズユニット群93と、筐体91の内部の下部に2次元的に配列されるように取り付けられた複数のCCDセンサモジュール94aを有するCCDセンサモジュール群94とを備える。
積層板90は、筐体91の開口部に、上側から補強板95、シンチレータ33、透明板31とこの順になるように配置される。
【0039】
シンチレータ33は、照射面33aと出射面33bとからなる平板形状であり、照射面33aに照射されたX線の強度に応じた強度の蛍光を出射面33bから出射するものである。なお、本発明に係るシンチレータ33の出射面33bには、複数(s×t)の円形状のマーカー30aが形成されていない。
透明板31は、上面31aと下面31bとからなる平板形状であり、蛍光が透過する材料(例えば、透明なガラスや、透明なプラスチック等)で形成されている。
そして、本発明に係る透明板31の下面31bには、蛍光を設定割合(例えば、25%)で吸収する複数(s×t)の円形状のマーカー30aが形成されている。マーカー30aは、s列とt行とで等間隔に並ぶように形成されている。
これにより、透明板31を通過することによって得られる被写体画像においては、マーカー30aを通過したX線に対応する位置の画素は、輝度情報が低くなり、一方、マーカー30aを通過しなかったX線に対応する位置の画素は、輝度情報が高くなるようになっている。
【0040】
以上のように、X線装置2によれば、補正シート等を正確に配置する必要がなく、透明板31の下面31bには、蛍光を設定割合で吸収する複数(s×t)のマーカー30aが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されているので、補正作業を容易に正確に実行することができる。さらに、補正作業を容易に実行できるので、撮影毎に補正作業を実行することもでき、その結果、精度の高い被写体画像が得られる。
また、輝度情報を補正する画像処理を実行するので、被写体画像中に複数のマーカー像が映し出されず、被写体のみに基づく被写体画像を作成することができる。
【0041】
(他の実施形態)
上述したX線装置1では、シンチレータ32の出射面32bには、蛍光を設定割合で吸収する複数(s×t)のマーカー30aが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて印刷されている構成としたが、補強板95の下面95bには、X線を設定割合で吸収する複数(s×t)のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されているような構成としてもよい。
上記マーカーの材料としては、例えば、「ドータイト」(商品名、藤倉化成株式会社製)や、銅や、アルミニウム等が挙げられる。
上記マーカーの印刷方法としては、例えば、シルク印刷や、マスクを用いたスパッタリング法等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、例えば、医療画像診断用や工業用非破壊検査用の被写体画像を作成するX線装置等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態のX線装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】シンチレータの出射面の一例を示す平面図である。
【図3】X線装置による補正作業について説明するためのフローチャートである。
【図4】X線装置による撮影方法について説明するためのフローチャートである。
【図5】従来のX線装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】従来のX線CCDセンサの一例を示す平面図である。
【図7】従来のCCDセンサモジュールの受光面の一例を示す平面図である。
【図8】補正シートの一例を示す平面図である。
【図9】従来のX線装置による補正作業について説明するための図である。
【図10】作成された被写体画像の一例である。
【図11】本発明の一実施形態のX線装置の他の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0044】
1、2、100 X線装置
10、50、103 X線CCDセンサ
30a マーカー
32、33 シンチレータ(蛍光板)
32a、33a 照射面
32b、33b 出射面
80a CCD(光電変換素子)
93a レンズユニット
94a CCDセンサモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線が被写体を通過することによって得られる放射線情報が照射面に照射されることにより、当該放射線情報を蛍光情報に変換して、当該蛍光情報に基づく蛍光を出射面から出射する平板形状の蛍光板と、
2次元的に配列された複数の光電変換素子を有するセンサモジュールと、
前記蛍光板の出射面から出射された蛍光を複数の光電変換素子に導くレンズユニットとを備え、
複数の光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成するX線センサであって、
前記蛍光板の出射面には、前記蛍光を設定割合で吸収する複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて印刷されていることを特徴とするX線センサ。
【請求項2】
放射線が被写体を通過することによって得られる放射線情報が照射面に照射されることにより、当該放射線情報を蛍光情報に変換して、当該蛍光情報に基づく蛍光を出射面から出射する平板形状の蛍光板と、
2次元的に配列された複数の光電変換素子を有するセンサモジュールと、
前記蛍光板の出射面から出射された蛍光を複数の光電変換素子に導くレンズユニットと、
前記蛍光板の出射面側に配置され、前記放射線が上面から下面に向かって透過する平板形状の透明板とを備え、
複数の光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成するX線センサであって、
前記透明板には、前記蛍光を設定割合で吸収するか若しくは透過させる複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されていることを特徴とするX線センサ。
【請求項3】
放射線が被写体を通過することによって得られる放射線情報が照射面に照射されることにより、当該放射線情報を蛍光情報に変換して、当該蛍光情報に基づく蛍光を出射面から出射する平板形状の蛍光板と、
2次元的に配列された複数の光電変換素子を有するセンサモジュールと、
前記蛍光板の出射面から出射された蛍光を複数の光電変換素子に導くレンズユニットと、
前記蛍光板の照射面側に配置され、前記放射線が上面から下面に向かって透過する平板形状の補強板とを備え、
複数の光電変換素子からの電気信号を2次元的に並べることにより、被写体画像を作成するX線センサであって、
前記補強板には、前記放射線を設定割合で吸収するか若しくは透過させる複数のマーカーが2次元的に規則的に並ぶように位置決めされて形成されていることを特徴とするX線センサ。
【請求項4】
前記複数のマーカーは、前記透明板又は補強板の下面に印刷されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のX線センサ。
【請求項5】
2次元的に配列された複数のセンサモジュールと、2次元的に配列された複数のレンズユニットとを備え、
各レンズユニットは、それぞれ対応づけられたセンサモジュールに蛍光を導くことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のX線センサ。
【請求項6】
請求項1〜請求項5のいずれかに記載のX線センサと、
前記放射線を出射するX線管球と、
複数の光電変換素子からの電気信号を並べることにより、前記被写体画像を作成する被写体画像作成部と、
測定対象となる被写体を撮影する前に作成された被写体画像中に映し出された複数のマーカー像の位置の関係と、前記蛍光板の出射面、透明板又は補強板に形成されたマーカーの位置の関係とに基づいて、前記被写体画像の2次元的な歪若しくは位置ずれを補正するための補正情報を作成する補正情報作成部とを備えることを特徴とするX線装置。
【請求項7】
前記被写体画像作成部は、測定対象となる被写体を撮影する際には、前記被写体画像における複数のマーカー像の位置と輝度情報とに基づいて、前記被写体画像中にマーカー像が映し出されないように、前記被写体画像中の一部の領域における輝度情報を補正する画像処理を実行することを特徴とする請求項6に記載のX線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−69061(P2010−69061A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240654(P2008−240654)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】